TIGERFACE



初代タイガーマスクの偉大さはほかのページに書いた通りですが、もうひとつ、マスク(覆面)の発達における彼の功績を忘れるわけにはいきません。
ザ・デストロイヤー、エル・サント、ミル・マスカラス・・・タイガーマスク以前にも偉大なマスクマンは何人か存在しました。彼らはみな、思い思いの個性的なデザインのマスクを被っていました。しかしそれらは基本的には同じような形のもので、ただ色や柄が違っていたというだけに過ぎません。そこに革命的変化をもたらしたのが初代タイガーでした。ピンと立った耳、白毛(ボア)というアクセサリーはこれまでにないものであり、タイガーを他の凡百のマスクマンたちと明確に区別するものだったのです。
今でこそ角を生やしたり、髪の毛を垂らしたりといったいろいろなデザインが咲き乱れていますが、これらはいずれも、初代タイガーなくしては生まれなかったはずです。
さらに注目すべきは、タイガーのマスクは通気性、視界の確保、呼吸の容易さといった点で絶えず改良が加えられ、デザインのみならず実戦性も兼備したものだったということです。タイガーと、製作に当たったオジサン企画の豊島裕司氏らの研究・開発がそれを支えたわけですが、今日のマスク製作技術は彼らの遺産なくしてはここまで発達し得なかったのではないでしょうか。

このコーナーでは、そうしたタイガーのマスクの変遷を、時代を追って取り上げたいと思います。
ただ、タイガーのマスクは初代だけでも54種、2代目で約15種に上るともいわれており、ここでは代表的なタイプを列挙するにとどめました。原則として試合用マスクと一部のオーバーマスクのみとし、プライベートマスクは取り上げておりません。また私はマスクにあまり詳しくないので、マニアやコレクターの方には物足りない内容かと思います。誤り、抜けなどありましたらぜひご指摘ください。

執筆に際し、サミー・リーさん、エル・ティグレさん、関Jrさんなどたくさんの方からご教示や情報提供をいただきました。特に、ほんずさん、三宅喜満さん、紫竜さん、タイガーIIIさん、仙台市のOさん、AKIRAさんからは写真をご提供いただきました。この場をお借りして篤く御礼申し上げます。



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