稲沢市教労                                     不定期発行   '05 No. 7

稲沢市教労ニュース2005.11.14

            続 教員評価を考える その3

 来年度、制度全面導入を強行するな

  教員評価制度研究会議で愛教労、意見陳述と申し入れ

 10月25日、県教委は9回めの教員評価制度調査研究会議を開きましたが、その場で愛教労内田議長は、導入が検討されている教員評価制度(以下新勤評とする)について、以下のように意見陳述を行いました。

 

@ 新勤評の狙いは教職員の管理統制と賃金抑制

 現在文部科学省が進め、愛知県も導入しようとしている新勤評は、現在進行中の「公務員制度改革」の一端をにない、教職員の管理統制と賃金抑制を狙うものであって、先行する都府県では、いずれも管理職を含め、多くの教職員を苦しめるものとなっている。

 

A 東京都では、新勤評に基づいて差別待遇

 以前お知らせしたように東京都では、C・D評価の教員に対する3ヶ月昇給延伸を始めとする、給与・人事・研修等での露骨な差別待遇と、反対にS・A評価の教員に対する優遇措置が行われている。その結果、早期退職を考えた教員が8割に上っている。

 

B 大阪では、管理職にも拒否された新勤評

 これも以前お知らせしたように、大阪では「教員評価・育成システム」は役立つと答えた管理職は、わずか13.3%にすぎない。

 

C 長野県では、5段階総合評価は導入しない

 長野県高教組のアンケートで、新勤評で「校長は客観的・公正な評価はできるか」という問いに対して、「できない」とする回答が、86.7%にのぼった。他の都府県でも新勤評に対する否定的なアンケート結果が多い中、長野県教委は今年1月、「5段階でランク付けする教員の評価システムは作らない」方向で意見を取りまとめた。

 

D ILO・ユネスコ勧告でも、新勤評を厳しく批判

 全日本教職員組合の、新勤評の不当性を告発する訴えに対し、ILO・ユネスコ協共同専門家委員会は、全教と文部科学省の双方からの意見を聞いた上で、新勤評導入は、「教員団体との十分な協議の過程を欠いている」「主観的な評価が行われることが明らか」「公開制と透明性の欠如」「不服申し立ての明確な権利が存在しない」などと、厳しく批判。新勤評は、国際的にも非難の対象となっている。

 

E 新勤評導入に広がる懸念と不安

 新勤評導入は、教育の要である集団的・協同的な営みを壊しかねない。教員が自分だけしか見なくなる。また、評価は不透明・主観的にならざるを得ない。子どもたちの健やかな成長は、教職員の協力・共同からしか生まれない。

 

 以上のような点から、2006年度からの新勤評制度全面実施は許さず、以下の点に ついて、早急な対応を求めました。(一部要約)

 1 今年度の試行が終了したことを理由に来年度の制度全面導入をしないこと

 2 教職員組合代表を加えた上で、再度議論すること

 3 検討委員が現場を知るために、学校訪問を行ったり現場の教職員との懇談の機会を  保証したりすること

 4 5段階の総合評価は導入しないこと

※県教委はその後、来年度も試行継続を決定。しかし、新勤評導入の方向は変えません。