稲沢市教労                                    不定期発行   '05 NO   9

   稲沢市教労ニュース 2006.  2. 15

                続 教員評価を考える その5

 

給与改定でも教員評価先取りの動き

 

 県教委は、給与構造改革と称して「給与制度の見直し」案を昨年末から組合側に提示してきました。その内容を注意してみると、伝えられてているように各種手当てを含めた給与の削減はもちろんですが、もう一つ重大な問題があります。それは、まだ正式に導入が決定されたわけではない教員評価を先取りした見直し(改悪)となっていることです。

※「」内は、『給与構造改革に係る給与制度の見直しについて』と題された県教委の文書からの引用です。

 

 改悪その1 昇給への勤務成績反映

 

 「・良好な成績以上で勤務した場合は、4号級以上の昇給とする。」

 「・成績判定は、新たな人事評価制度が確立するまでの間は現行制度を活用するものと   し、良好な成績以上の場合において昇給を実施するが、公務貢献が顕著である場合   の評価を一部考慮した運用とする。」

 

 現在1年に1号級昇級していますが、県教委は来年度以降人勧を受けて、現行の1号級を4号級に分けます。したがって「4号級の昇給」で今と同じになりますが、問題は

 「良好な成績以上」なら「4号級以上」の昇給となることです。優秀者には6号級8号級の昇給もありうるわけです。

 反対に成績がそれ以下なら、4号級昇給(今と同じ)とはならず、昇給が0もしくは2号級程度にしかなりません。

 

 改悪その2 勤勉手当てへの成績率拡大

 

 「新たな人事評価制度が確立するまでの間は、現行制度等を活用した成績率の運用を行う。(標準を71/100、成績優秀を71/100以上で運用)」

 

 06年度勤勉手当ての引き上げ分 0.05ヶ月のうち、人事院勧告に準じて、6月と12月の各0.015ヶ月を「優秀」以上の手当て拡大に活用する。つまり全職員の勤勉手当ての支給率が、同額なら6月12月それぞれ0.725ヶ月だが、「優秀」以上の者に0.015ヶ月分加算したので、「標準」以下の成績の者は0.71ヶ月に値切られるというわけです。

 ※ 組合側の抗議で撤回し、勤務評定の扱いは現行の運用を変えないとしましたが、県  教委のはじめの提示では、成績判定について活用する「現行制度」が、給与も勤勉手  当てもともに、「勤務評定等現行制度」となっていました。

 

 県教委はまだ決定ではないと言っているようですが、このように教員評価制度が、教員評価研究会議では来年度はまだ試行の段階にも関わらず、給与制度ではすでに織り込み済みとなろうとしています。もしこれがこのまま実施されれば、教員はバラバラにされて孤立し、学校は子どもたちの教育の場ではなくなってしまいます。やはり、教員評価制度の導入を認めることはできません。