稲沢市教労発 第200502号
                             2005年10月  日
稲沢市小・中学校校長会
会長  大宮  貢 様
                            稲沢市教職員労働組合
                            執行委員長  戸谷 政一
           
    申 入 書

 日頃は稲沢市の教育にご尽力されていることに敬意を表します。
 さて、私たちは、子どもたちの教育環境をよくするとともに、教職員にとって働きがいのある学校にするために下記事項を申し入れます。校長の権限に属することについてはその解決にあたられ、教育委員会の権限に属することについては解決に向けて教育委員会に働きかけていただきたいと考えます。
 つきましては、下記事項についての話し合いの場を設定し、回答をいただくようお願いいたします。

                 記

1 学校運営について
(1) 校内・校外の各種会議を「できるだけ精選し」、会議を持つ場合は、「できるだけ授 業に支障のないように」配慮すること。
(2) 研究指定校、委嘱校等について
@ 研究指定を受けるかどうかについては、職員の意向を尊重して決めること。
A 「教員の負担が過度にならないよう」配慮し、研究報告書は「できるだけ簡素化を 図る」こと。
(3) 児童のみならず学校運営上負担の大きい、小学校の各種スポーツ大会・音楽会を縮小  ・廃止すること。
(4) モラロジーについて
  @ 「モラロジー」は代表が「憲法は国際法違反」だと主張し、また、団体としても「憲法   と教育基本法の改正」を主張している。地方公共団体は、憲法を頂点とする現行の法体系   を遵守することがまず第一に求められていることはいうまでもない。したがってこのよう   な「モラロジー」の作品募集に協力するようなことを一切しないこと。

2 教職員の勤務について
(1) 勤務時間については、労使協議事項として、校長は誠意を持って交渉に当たること。
(2) 昼の15分の休憩がとれるような条件整備(保護者、児童・生徒への周知徹底等)をし、  また、職員が休憩が取れているか現認すること。
(3) 昼の休憩がとれなかったときは、勤務開始から連続8時間の時点で勤務を解くこと。
(4) 宿泊を伴う行事については実労働時間を計算し、労働時間が時間外に及んだときは
  勤務の割り振りによって解消すること。
(5) 厚生労働省通達に基づき、始業・終業時刻の確認および記録ができるような措置を講 じ、職員の労働時間の管理の適正を図ること。
(6) 休憩中に行われる部活動について、勤務の割り振りによって超過勤務を解消すること。
(7) 勤務開始時刻は、県条例の主旨を尊重し、8時30分を原則とすること。
(8) 中学校における全員参加の部活動のあり方を自由化の方向で検討すること。また、早  朝や休日の部活動を見直し、廃止すること。

3 教員評価制度について
(1) 現場の声を反映することに努力し、全体の合意が得られるまでは制度を実施しないよ う県当局に働きかけること。
(2) 管理職は制度について柔軟に対応し、教職員の協力・共同が損なわれないように責任 を持つこと。 

4 教育条件の整備・拡充について
(1) 30人学級の実現に向けて、国や県、市・町に強く働きかけること。
(2) 校舎の安全性を確認する総点検を行い、安全性が危ぶまれるものについては早急に改  善の方策をとること。
(3) 「専任司書」制度を早期に実現するよう、国に働きかけること。
(4) 教務主任・「校務主任」を準管理職扱いすることをやめ、一校務分掌上の職務として 扱うこと。
(5) 職員室等における、教務主任・「校務主任」の座席を校長・教頭の横にせず、一般教 員の席に戻すこと。
(6) 「管理規則」では、教務主任・「校務主任」は「学校長が職員の中から選ぶ」とある  にもかかわらず、事実上、教務主任・「校務主任」として転任している実態がある。そ  うした「管理規則」違反状態をなくすこと。

5 教職員の負担軽減・多忙解消について
(1) 教務主任・「校務主任」には、担任または専科教諭として相当数の授業を持たせるこ と。
(2) 教務主任・「校務主任」が専科以外の授業を担当している場合や、担当時間数が他の 主任と比べて少ない場合、及び補欠要員となっている場合は、早急に改めること。
(3) 教頭の担当時間数がゼロとなっている場合は、早急に改善すること。
(4) 特別支援教育の充実を図るための教員の増員を働きかけること。
(5) 通知票や指導要録の作成における教員の負担軽減のため、パソコン印刷ができるよう  に取り組むこと。
(6) 体力テストを全ての学校・学年で一律に実施することをやめ、文部科学省基準通りに  すること。また、「個人票」は廃止するよう関係機関に働きかけること。
(7) 作品募集について
@ 作文・標語・ポスター等の応募、各種コンクールへの参加については、「その教育 的意義を検討するとともに、児童生徒の負担が過重にならないように配慮し、日常の 学習活動の成果としての応募や参加になるよう、各学校で主体的に対応する」こと。
 A 作品の選定や名札作り、作品の搬送を教師・学校の負担としないよう関係機関に働きか   けること。

6 教員の研修権について
(1) 全教員が毎年県外研修ができるようにすること。
(2) 長期休業中における教員の研修を積極的に認め、研修内容を制限しないこと。
  @ 勤務場所を離れた研修については、教特法19,20条の趣旨を踏まえ、「授業に   支障のない限り」積極的に認めること。
  A 研修の計画書・報告書については、画一化せず、教職員の過度の負担にならないよ   うにすること。

7 職員の健康と労働安全衛生について
(1) 教職員の健康診断における「判定区分」は、一人一人に対する問診や触診を行った上  で医師にさせること。
(2) 職員用休憩室の実情を調査し、全ての学校に男女別の休憩室を設置すること。
(3) 教職員を対象とした労働安全衛生規定が作られるよう、または、自治体職員対象のも  のに教職員が含まれるよう、自治体に働きかけること。

8 「学校訪問」(計画訪問)について
(1) 提出書類は法定表簿のみとすること。指導簿・体力テストの個票を検閲書類からはず  すこと。
(2) 公開授業や指定授業をなくすこと。
(3) 教科指導員を参加させないこと。

9 教育振興会等の出版物の取り扱いについて
(1) 教育振興会が発行する副教材の採択について、他の出版社のものと比較検討する場を  設けること。
(2) 体育副読本の採用においては、他の副教材の採択と同様に、当該年度の4月以降、担  当教師の協議によって決めること。
(3) 雑誌「ゆうゆう」の購読の学校割り当てをしないこと。

10 その他
(1) すべての学校に営繕や解錠・施錠を行う用務員を置くよう、自治体に働きかけること。
(2) 動植物の休日の管理については、教職員の仕事とせず、そのための要員を確保するよ  う自治体に働きかけること。