2013年 国内の情報


「地検堺支部、認知症で窃盗罪の起訴2件取り消し」(12月30日)
「認知症を認定、万引き男性無罪 地裁飯田支部判決」(12月27日)
「「介護退職ゼロ」訴え 京都でケアメン・サミット 男性たち 悩み語り合い」(12月19日)
「くらしナビ・ライフスタイル:ドライバー「認知症予備軍」急増 免許更新時の検査方法変更」(12月19日)
「認知症 明日へ [オレンジプラン]早期診断で在宅を支援 」(12月17日)
「認知症根治薬20年に…日本版NIHが達成目標」(12月15日)
「認知症患者を地域で支援 見守り態勢構築へ向日で会議」(12月14日)
「高齢者訪問調査 半数が認知症悪化」(12月13日/NHK)
「医療を変える「現場の力」「認知症初期集中支援チーム」訪問スタイルで可能な限り早期から関わる」(12月12日)
「認知症家族の会:批判見解発表 JRへの損賠支払い判決に」(12月11日)
「全米最大のアルツハイマー型認知症の研究機関と共同で同治療薬「T-817MA」の臨床試験実施を決定」(12月4日)
「認知症を地域で支える 鹿児島市が「見守りメイト」養成」(12月3日)
「「娘と母の2人を介護」 次女殺害容疑の母親 神戸」(12月1日)
「徘徊高齢者 GPSで見守る」(11月22日)
「介護者の孤独、葛藤浮き彫り 認知症の電話相談サミット」(11月20日)
「認知症 明日へ  [オレンジプラン]初期から集中支援チーム 」(11月19日)
「介護者支え合い15年 認知症の人と家族の会岡山県支部」(11月18日)
「鉄道事故:寒川の認知症男性、電車にはねられ死亡 JR横須賀線/神奈川」(11月13日)
「大分県:「オレンジカンパニー制度」導入 認知症の人や家族に、安心な地域づくり」(11月10日)
「認知症の高齢者手助け 児童ら50人が訓練 丹波」(11月10日)
「認知症支援者 県が養成…70人誕生へ」(11月10日)
「親の介護と認知症に関する意識調査 ソニー生命保険株式会社」(11月7日)
「オリックス・リビング、第6回「介護に関する意識調査」を実施」(11月6日)
「イオン/幕張新都心店の従業員が認知症サポーター養成講座を受講」(11月5日)
「エーザイ 認知症治療薬アリセプトに「レビー小体型認知症」の適応追加申請」(11月1日)
「徘徊高齢者捜してメール 市民2000人協力、福岡市12月運用開始 [福岡県]」(10月29日)
「【ゆうゆうLife】フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」」(10月24日)
「運転免許更新:「認知症疑い」判定増 医療側の態勢に遅れ」(10月22日)
「遺族、来月にも東電提訴 避難中不明女性に「失踪宣告」」(10月17日)
「認知症患者携行ノート、各地で開発 医療と介護の現場情報共有へ」(10月17日)
「「認知症への理解を」 鳥取・米子で研究集会」(10月13日)
「人(徳島県関連) 徳島市内に誰もが集えるミックスカフェをオープンさせた「認知症の人と家族の会 徳島県支部」代表世話人大下直樹(おおしたなおき)さん」(10月12日)
「<書式も公開>「認知症ケアパス作成のための手引き」作成―財形福祉協会」(10月10 日)
「大塚製薬とルンドベック社で共同開発中アルツハイマー病新規治療薬Lu AE58054の臨床第III相試験を開始」(10月10日)
「RUN伴:認知症、走って支援 患者、支援者がたすき 14日に県内通過/奈良」(10月9日)
「認知症医療センター、全都道府県で整備完了- 指定相次ぎ“空白地”解消」(10月3日)
「悩みも気軽に 民家カフェ 認知症、障害者と家族ら」(10月1日)
「忘れても生きている心/「認知症家族会みやこ」」(9月29日)
「認知症対策 初の省庁連絡会議」(9月26日)
「京都タワー:オレンジ色に染まる 世界アルツハイマーデー」(9月21日)
「山をおりる:男性介護者が連帯 各地に「つどい」、悩み共有し孤立防ぐ」(9月21日)
「認知症の原因物質、見えた!…海馬に「タウ」」(9月19日)
「認知症ケアにアロマ 機能改善や興奮抑制に効果」(9月19日)
「認知症の知識、県警職員らに伝授 茨城」(9月18日)
「愛知県支部考案から10年 認知症「家族支援プログラム」」(9月18日)
「認知症への理解訴え 家族会、福島駅前で街頭活動」(9月16日)
「県疾患医療センター開設1年 受診少なく、利用呼び掛け」(9月14日)
「石巻に「包括ケア拠点」オープン 宮城」(9月13日)
「認知症対応 医療と介護タッグ 宇治・洛南病院にチーム 京都」(9月12日)
「社会保障ナビ 増える認知症高齢者」(9月10日) 
「エーザイ  横浜市と、認知症に優しいまちづくり協定を締結」(9月10日)
「医療と介護の現場情報共有 認知症患者に共通手帳 広島」(9月10日)
「認知症 温かく見守りを…サポーター養成講座/高知」(9月10日)
「<認知症家族会>「世界アルツハイマーデー」記念講演会を開催」(9月6日)
「家族向けの認知症介護相談を30年間続けている 五島 シズさん 犬蔵在住 85歳」(9月6日)
「「認知症カフェ」同じ悩み抱える人集う 本人も家族も気分転換」(9月5日)
「原発事故関連死(36)命の重さ 慰謝料 遺族の嘆き 「責任を認めて」 弔慰金は葬儀費に」(9月4日)
「認知症の高齢者宅訪ね指導」(9月3日)
「認知症、高齢者の1割超す 山梨」(9月1日) 
「認知症対策の充実呼び掛け 「家族の会」代表が岡山で講演」(8月31日)
「波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延」(8月29日)
「武田薬、糖尿病薬でアルツハイマー抑制効果を検証する臨床試験開始」(8月28日)
認知症に優しい街を推進…省庁、総合政策へ連携」(8月27日)
「認知症女性を保護 高2に感謝状」(8月27日)
「【石川】日常生活お変わりないですか 76歳対象 もの忘れ健診」(8月22日)
「<家族会の歩み>『歩み続けて30年~認知症てれほん相談~』発行」(8月21日)
「杉並区が「認知症コーディネーター」を配置 東京」(8月16日) 
「川崎市で認知症男性を捜索開始30分で発見した警察犬表彰」(8月16日)
「認知症高齢者の行方不明届160人 昨年の県内」(8月16日)
「認知症カフェ丹波に誕生 京丹波のNPOが運営」(8月15日)
「苫小牧に道内初の認知症初期集中支援チーム発足へ」(8月14日)
「「老老介護で死亡」再発防止策検討」(8月14日)
「認知症男性、線路に入り死亡 電車遅れで遺族に損賠命令」(8月10日)
「終末期ケア:認知症男性がハンスト ホーム経営者今も悩み」(7月31日)
「ヤンセン 認知症検査の必要性を判断するツール開発」(7月24日)
「アルツハイマー、発症前から追跡 東大など41施設」(7月23日)
「認知症患者への向精神薬使用,厚労省がGL公表 かかりつけ医向け」(7月18日)
「アミロイドPET検査の実用化のためにガイドラインを策定」(7月13日/QLifePro医療ニュース)
「妻殺害容疑で79歳夫逮捕=介護疲れで無理心中図る?警視庁」( 7月12日) 
「iPS細胞使い 難病治療研究…病気再現 新薬開発促す」(7月11日)
「高齢者の6割、認知症を予感」(7月10日)
「認知症行方不明者は9,607人」(7月4日)
「【暮らし】「危害を及ぼす恐れ」は対象 認知症での老人ホーム退去」(7月4日)
「老いてさまよう:閉鎖病棟から」(1‐1:自由奪う抑制帯 精神科、出られぬ認知症 1‐2:残る家族も癒えぬ傷 理事長「院内、世間からずれ」 2:呼んでも誰も来ない 3:保護された認知症男性 管つながれ生き続ける 4:つきまとう転院の不安 全身拘束する病院も 5:車いすより「歩きたい」 リハビリ機会、リハビリ機会限られ 6止 再出発へ家族支える 退院先、受け入れ厳しく」(6月22・23・25・26・27・28日)
「知りたい! 精神科医療保護入院、病院任せの強制入院 問題」(6月20日)
「認知症講座、患者行動や対応学ぶ 小戸小6年生」(6月20日)
「鹿沼6児童死亡事故、遺族の願い法制化 改正道交法が成立 病状虚偽申告に罰則」(6月8日)
「認知症患者の意思決定はどうあるべきか- 老年医学会が市民公開講座」(6月 6日)
「羽田空港滑走路近く 高齢者迷い込む」(6月3日)
「認知症高齢者462万人、新推計で160万人増」(6月1日)
「京大の新薬拠点始動 製薬4社と共同開発、iPSも活用」(5月30日)
「認知症の支援充実を キャラバンメイトが交流会」(5月30日) 
「認知症ケアで医師会連携図る」(5月30日)
「兵庫県が認知症対策を本格化 コールセンター開設」(5月30日)
「広がる認知症カフェ 初期患者や家族の孤立を防げ」(5月27日)
「認知症サポーター1万人達成」(5月16日)
「認知症、世代超え理解を さつま町職員ら紫尾小で寸劇」(5月15日)
「放射性医薬品合成設備「NEPTIS plug-01」を承認申請」(5月14日)
「メールで徘徊者情報~松山市社協」(5月12日)
「地域拠点へ相談149件 県認知症疾患医療センター」(5月4日)
「認知症早期発見へ 府が電話相談」(4月23日)
「認知症高齢者を活性化させる「赤ちゃん効果」の超不思議」(4月14日)
「農薬誤使用で8人死亡 誤飲、服用など全て高齢者」(4月12日)
「認知症介護の悩み出し合おう 京田辺の女性がサロン設立」(4月12日)
「認知症サポーター400万人突破 地域の受け皿がカギ」(4月10日) 
「登別市社協内にセンター新設、認知症患者の生活手助け」(4月9日)
「認知症買い物客の接客「任せて」大牟田市の中心商店街でサポーターが応対」(4月5日)
「大塚製薬 アルツハイマー病新規クラス薬の共同開発・販売権を取得」(4月5日)
「82歳女性の力作油絵を展示 京丹波、二科展出展作も」(4月4日)
「老いてさまよう:ある老健より/1 神奈川の認知症「駆け込み寺」(その1)老健、みとりの場に(その2止) 選別され、出ては戻り」「認知症の妻、がんの夫が支え2敬遠される男性3身体拘束の痛み4止 家で食事、妻が笑う」(4月3-6日)
「【interview】地域で行う認知症ケア 慣れ親しんだ場で,安心して暮らせる体制をつくるために 池田 学氏(熊本大学大学院教授・精神神経医学)に聞く」(4月1日)
「認知症の捜索増加、警察犬大忙し…早く届けて」(3月30日)
「認知症5カ年計画スタート 早期診断の医療機関500カ所整備」(3月26日)
「アルツハイマー:遺伝子治療で記憶障害改善 マウスで成功」(3月18日)
「認知症生活支援の最新機器を紹介」(3月17日)
「「同じ悩み軽減できれば」男性介護者ら「つどい」に12人 福井」(3月11日)
「認知症の人を地域で支援 向日、徘徊者への声かけ訓練」(3月10日)
「警察官が「認知症講座」で学ぶ 豊川署(愛知県)」(2月27日)
「認知症の入院患者を殺害容疑、元看護師逮捕」(2月20日)  
「静岡発祥「介護マーク」 全国347自治体に広がる」(2月20日)
「女性遺体:喜多方の路上に 86歳認知症、パジャマ姿に裸足/福島」(2月19日)
「認知症ケア理念12項目」(2月18日)
「認知症の投票偽造容疑 北九州市議実弟の施設長ら逮捕」(2月16日)
「認知症の妻を「楽にさせようと」、殺人容疑で76歳夫を逮捕/川崎」(2月13日)
「捜索訓練:徘徊高齢者不明想定し、60人参加??知多/愛知」(2月7日)
「認知症介護の家族らが川柳集「笑ってリフレッシュを」」(2月3日)
「豊橋署 母殺害で51歳女逮捕 過去に通院歴「介護に疲れ将来を悲観」」(2月3日)
「認知症の透析、3割「続けたい」=高齢者ほど希望多く-全腎協」(2月2日)
「81歳女性行方不明、3日に一斉捜索 奈良・安堵」(2月1日)
「認知症高齢者にやさしい街へ 第2向陽小で支援者養成講座」(1月27日)
「認知症:オレンジが目印 ドクター制度始動--28日から県/大分」(1月25日)
「高齢者守るキーホルダー利用者2300人超 人吉市」(1月23日)
「「特集 医師を襲う10の大問題」転載 Vol.3 認知症が医師の“必須科目”に? 診療の場は入院から外来へ、診ないと地域の信頼喪失も」(1月15日)
「アルツハイマー治療薬、国内で臨床試験着手 富山化学工業」(1月11日)
「<セカンドらいふ>医療スタッフが取り組み広げる「事前指定書」元気なうちに「最期」選ぶ」(1月9日)
「生徒全員が認知症サポーター 山鹿市の城北高校」(1月9日)
「水戸市、見守りネット21日発足 県内最大規模の連携網」(1月9日)


「認知症を認定、万引き男性無罪 地裁飯田支部判決」(12月27日/日本経済新聞)
万引きしたとして窃盗罪に問われた男性(82)の裁判の判決で、長野地裁飯田支部(加藤員祥裁判官)が、認知症を理由に無罪を言い渡していたことが男性の弁護士への取材で分かった。地検飯田支部は懲役1年6月を求刑したが控訴せず、11月30日に無罪が確定している。
弁護士によると、男性は2011年に長野県飯田市のスーパーで食料品16点を万引きしたとして、12年1月に起訴された。判決では認知症のため、物を盗むという認識がなかったと認定された。
検察側は起訴前の簡易検査で認知症と判断しなかった。裁判中に実施された精神鑑定では、脳挫傷などを負ったことによる外傷性の認知症とされた。〔共同〕
日経電子版 2013年12月27日 原文のまま
編者:事件からかなり時間が経っての判決で、経過の詳細が不明だが、外傷性認知症による「万引き」があるらしいとして紹介する。

★「「介護退職ゼロ」訴え 京都でケアメン・サミット 男性たち 悩み語り合い」(12月19日/西日本新聞)
親や妻などを介護する男性(ケアメン)たちが体験や悩みを語り合う「ケアメン・サミットJAPAN」が11月、京都市で初めて開かれ、全国から約70人が集まった。今や100万人を超え、介護人口の3分の1を占めるという男性介護者。サミットでは、介護によって仕事を断念し、暮らしが破壊されることのない「介護退職ゼロ」の実現を訴えた。
サミットは、2009年3月に発足した「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」(事務局・京都市)主催。男性介護者グループは全国に約100団体、九州でも9団体が定期的に会合を開くなどしているという。
参加者たちが情報交換した後、5人が「介護と仕事」をテーマに体験を語った。京都市の武田卓也さんは、23歳から続く母の介護を振り返った。くも膜下出血で倒れた母のため、3度の介護離職を経験し「仕事を辞めると、強い孤立感に悩まされる。辞めない強さが必要」と強調した。
東京都の男性は認知症の父を母と2人で介護中。介護疲れの母が父を虐待するようになり、退職に追い込まれた。仕事に影響が出て、同僚に暴言を吐かれたこともあったという。「企業に理解があっても現場は違う。仕事を辞めなくてもいい環境をつくってほしい」と、切々と訴えた。
一方、くも膜下出血で倒れた妻を介護しながら定年退職まで働いた大阪府の男性は「有給休暇を午前と午後に分けて取得できる半日休制度の新設などが役立った。制度を利用しやすい職場環境にも助けられた」と報告した。
立命館大学教授で男性介護ネット事務局長の津止正敏さんは「これから日本は体験したことのない介護社会を迎える。『弱い』介護者である男性の介護実態に目を向ければ、新しい介護の課題が見えてくる」と語った。
○両立支援は経営課題 東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長 渥美由喜さん
認知症と統合失調症を患う父の介護、7歳と3歳の子どもの育児、そして仕事を両立する東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜(なおき)さん(45)(写真)が「男性介護ラッシュが職場を変える」と題して基調講演した。要旨は次の通り。
介護と仕事の両立は大きな経営課題となり、先進企業は真剣に取り組み始めている。男性介護者が増えると、日本社会も職場も大きく変わる。
データを見ると、現在介護している570万人の過半数(290万人)が働いている。40~50代は170万人を占め、その4割が男性。今後、介護と仕事の両立で身体的にも精神的にも疲弊する社員は急増する。だが、介護休業の取得率は4%どまり。取得できない職場風土が大きな要因だ。余裕のある大企業でなければ両立支援に取り組めないというのは誤解。介護による離職・転職者は増えるため、中小企業にとっては介護しやすい職場環境を整えれば、人材獲得の好機につながるだろう。
私も弟夫婦も共働き。母は故人で家族に「主婦」がいなかった。自宅で1人暮らしをする父の介護を「一大プロジェクト」と位置づけ、全員で経済負担や時間配分、支援体制などを話し合った。まさにビジネス会議。むしろ介護はビジネスパーソンに向いており、仕事で培った情報収集力や人間関係構築力などがあれば、必ず乗り越えられる。
1人が「職業人・家庭人・地域人」という3役をこなせば、人口減社会でも活性化していくはずだ。
西日本新聞 2013/12/19 原文のまま

「くらしナビ・ライフスタイル:ドライバー「認知症予備軍」急増 免許更新時の検査方法変更」(12月19日/毎日新聞)
満75歳以上の高齢ドライバーが運転免許更新の際に義務づけられている「認知機能検査」が今年度から変わり、「認知機能低下」と判定される人が急増しつつある。認知症ドライバーによる事故を防ぐため、警察は医療との連携を模索する。一方、認知症と診断されて生活の「足」である車の免許を失う高齢者の生活をどう支援するかも大きな課題だ。
「皆さんとの連携がないと、認知症の高齢者の早期発見はできません。ご協力をお願いします」。3日に大分市で開かれた大分県警主催の会議で、運転免許課の山本満彦警部が約30人の医師を前に力説した。
続いてマイクを持ったのは、認知症診察の経験豊富な精神科医の釘宮誠司さん。釘宮さんはスライドに「昨日の夕食のメニューが分からない」「右と左の識別ができない」など、特徴的な認知症の68症状をスライドに映し出し、解説を加えていった。
○確定なら取り消し
認知機能検査で「認知機能低下」と判定された人は、その後一時不停止など特定の交通違反をすると、医師による「臨時適性検査」を受け、そこで認知症が確定すると免許取り消しとなる。検査の前に自主返納する人も多い。検査には医師の協力が欠かせないため、県警が県医師会に呼び掛け、両者が連携を図る会議を設置した。
6回目となるこの日の会議には、青森、長崎両県警の担当者が視察に来ていた。青森県警の担当者は「対応が後手に回らないようにしたい」と真剣な表情で聞いていた。
認知症になると、記憶障害が起きたり、空間を把握する能力が衰えたりする。周囲の状況に合わせて適切な判断が求められる車の運転には危険を伴う。
2009年6月から始まった認知機能検査は、満75歳以上を対象に、運転免許の更新時に記憶力や判断力の低下を調べる。「今年は何年ですか」と時間の感覚を試したり、数種類の絵を約5分間示して記憶させ、7分かけて絵の内容を答えてもらったりする。
従来の検査では検査の配点の偏りから、記憶力の低下が十分に評価できないとの声もあり、警察庁は今年9月、絵の記憶検査の配点を重くするなど、採点方法を大きく変えた。警察庁は、記憶力の衰えがこれまで以上に検査結果に反映されるようになり、機能低下判定が従来の2倍強に増えると予想している。
変更から3カ月。まだ統計は出ていないが、大分県では9?11月、認知機能低下の判定は前年同期比で5倍以上に急増。「警察庁の予想を上回る数になっている」(青森県警)、「実感として確実に増えている」(広島県警)との声は全国的に上がっている。
○生活の足奪う恐れ
認知症が疑われる高齢者が増えれば、日ごろから患者と接しているかかりつけ医の役割が、今以上に重要になる。
だが医師にとって、認知症の診断はただでさえ難しい。さらに、運転免許取り消しにつながる重い判断を強いられることに、心理的な負担を感じる医師も少なくない。
大分市のある医師は「地方では、車は『生活の足』。運転できなくなると、買い物にも行けない。認知症と診断するのは忍びない」と苦悩をにじませる。
運転免許を失った高齢者の支援に取り組む認知症専門医の浦上克哉・鳥取大学教授は「免許を失うと自分で通院や買い物ができなくなり、他人との交流が減るなどしてかえって症状が悪化してしまう」と懸念。「日用品の宅配サービスなどの生活支援を広げていくとともに、高齢者が少しでも長く運転を続けられるよう、認知症になる前の段階で予防することも大切だ」と訴えている。【浅川大樹】
毎日jp 2013年12月19日 原文のまま

高齢者を見守るネットワーク体制の構築について話し合う「向日市地域包括ケア会議」が13日、京都府向日市寺戸町の市福祉会館で開かれ、参加者が認知症の人が地域で暮らし続けるために必要なことを考えた。
市北・中・南地域包括支援センターが企画した。介護事業所や自治会、医療機関、民生委員、市民ボランティア、行政などの関係者約50人が参加した。
市中地域包括支援センターの職員が、認知症サポーター養成講座や認知症カフェ、健康塾、コールセンターなどの取り組みを説明、4月時点で市民2795人がサポーターになったことを紹介した。
続いて「認知症の人が安心して徘徊(はいかい)できるまち」を掲げる福岡県大牟田市の活動を取り上げたビデオが上映され、地域の見守りによって認知症高齢者が気軽に散歩に出かけられる様子が紹介された。
その後、参加者はグループに分かれ、「徘徊時のため認知症の人の持ち物に目印を付ける」「若い世代に認知症について理解を深めてもらう」「認知症カフェに同行する」など認知症高齢者と家族を支えるための意見やアイデアを出し合った。
京都新聞 2013年12月14日 原文のまま
編者:こうした記事で「認知症患者」の表現はまずい。「認知症の人」が望ましい。

★「高齢者訪問調査 半数が認知症悪化」(12月13日/NHK)
認知症の高齢者を早期に見つけ出し支援に結びつけようと、厚生労働省が、高齢者の自宅を専門家チームが訪問する取り組みを行ったところ、およそ半数が、すでに認知症の症状が悪化してしまっているなど、対応が困難な状況に陥っていたことが分かりました。
認知症は、早期に発見すれば、薬などで進行を遅らせることができるため、厚生労働省は、高齢者の自宅を専門家チームが訪問し、症状が軽いうちに医療や介護などの支援につなげる取り組みを、ことし8月から全国14の自治体でモデル事業として行っています。
しかし、厚生労働省が、先月までの4か月間に全国のチームが訪問した346人の高齢者を分析した結果、およそ半数に当たる169人が、すでに認知症の症状が悪化していたり、一人暮らしで適切な判断ができず、介護などのサービスの利用を拒んだりするなど対応が困難な状態に陥っていたことが分かりました。
鹿児島県の南大隅町では、70代の女性が認知症を発症していたにもかかわらず、誰にも気付かれないまま症状を悪化させ、ごみが散乱した自宅で1人でいるのが見つかりました。
13日は、モデル事業を行う自治体の担当者が東京に集まってこの問題について協議し、地域の開業医にも協力してもらい認知症の疑いがある高齢者の情報を集める態勢づくりを進めていくことを決めました。
厚生労働省の認知症・虐待防止対策推進室の勝又浜子室長は「厳しい状況だが、これが今の日本の現実だと思う。今後、地域の住民にも認知症への理解を深めてもらう取り組みを進め、認知症になっても住み慣れた地域でできるかぎり暮らし続けられる環境を整えたい」と話しています。
NHKニュース 2013年12月13日 原文のまま

「医療を変える「現場の力」「認知症初期集中支援チーム」訪問スタイルで可能な限り早期から関わる」(12月12日/WEDGE Infinity)
あなたが認知症になったとしたら、その後どんな生活を送りたいだろうか?
急に問われても、ちょっと想像がつかないかもしれない。「何も分からなくなる」、「何もできなくなる」という負のイメージにとらわれて悲観的になる人もいるだろう。
しかし、「なるべく早い時期から関わり、生活環境を調整し、不安を取り除いていけば、それまでと同じような生活を送ることができる可能性もある」と、認知症の人への訪問診療の経験も長い精神科医の上野秀樹さんは言う。
ならば、誰に対してもそんな関わりができるような仕組みを早急に整えることが必要だ。さまざまなアプローチが考えられるが、その一つとして、医療や介護のメンバーからなる「認知症初期集中支援チーム」というものが活動を開始し、期待が寄せられている。2012年に研究事業が行われ、今年から国のモデル事業にもなって全国14カ所で実践を重ねている最中だ。
なぜ“初期”に集中的な支援が必要なのか?
「認知症初期集中支援チーム」は、大きく次のような働きをする。
医療と介護、福祉分野のメンバーが一緒に、認知症が原因と思われることで困っている人のお宅を事前に電話等での情報収集を行ったうえで訪問。そして本人の状態や物理的・人的環境などを確認、評価し、アクションプランを作成。半年間をめどに医師も含むチーム員が必要に応じて訪問で支援をしながら、できる限り住み慣れた環境で暮らし続けるための必要なサービスへとつないでいく。
「初期集中支援」の初期は、認知症の初期というよりもチームと出会ってからの初期という意味合いが強い。地域には、認知症が進行していても介護サービスも受けておらず、医療にもつながっていない人がいたり、行動・心理症状(※1)などの精神症状で日常生活が困難になっている認知症の人もいるからだ。
出会いの初期段階で、少しでも早くから集中的に関わり、その後の支援体制をつくっていくことが大きな役目となる。
伝える力がより多く残っている時に
現在、世田谷区の「認知症初期集中支援チーム」のチーム員であり、桜新町アーバンクリニックの訪問看護師、片山智栄さんは次のように話す。「すべての人ではありませんが、認知症が進んでいくと、行動・心理症状といわれるものが出てくることがあります。そのときに、その方の生活習慣や大切にしていることが分かっていないと、どうしてその言動が出ているのか、何を不快に感じていらっしゃるのかというのがうまくアセスメントできません。その方の伝える力がより多く残っている時に、ご自身から、これまでの人生の中で大切にしてきたものや、これからの希望を聞いて、記録に残しておきます」。
周囲の人には、一見なぜそうしているのか、そんなことを言っているのかが理解できないと思える認知症の人の言動も、それは本人が以前のような言葉で感情などを表現できなくなったことから起きていることがある。本人からの聞き取りは、そんな言動をひもといて、理解する一助になるのだ。
上野さんも言う。「認知症初期集中支援チームにおける大きなポイントは、早く診断をするのが大切なのではなくて、なるべく早い段階で、すなわちその人が自分の意思を表明できる段階で、その人の言葉をたくさん聞いてそれを記録し、その後の支援に役立てるということではないかと思っています」。
ここでのポイントは、あくまでも“本人の”話を聞くこと。
「たとえ認知症が進んでいたとしても、ご本人が今発言できる記憶の部分でのヒアリングをします。ご本人の言葉で、ご本人が伝えたい記憶を保存しておくのが大事なんです。たとえばお子さんも、お父さんが20代の時に何をしていらしたかということを知らない場合もありますから」と、片山さん。
そのほか、一日のスケジュールや、今後の意思決定支援として、延命措置についての本人の考えなども聞いておく。意思決定については、後から変わることも考えられるが、「そういう考えをご本人が持っていらしたことをご家族にも知っておいていただくことが大事」(片山さん)との考えからだ。
訪問することで分かること
2013年度の国モデル事業(認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業)の採択を受けた世田谷区では、今年度の認知症初期集中支援チームの訪問活動を、訪問看護ステーションを併設している医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニックと、医療法人社団輝生会 在宅総合ケアセンター成城の2カ所に委託している。平成24年度から検討し、平成25年11月に策定した「世田谷区認知症在宅生活サポートセンター構想」のなかに、チームの機能を組み込んだ。
区内27カ所ある地域包括支援センター(※2)に配置されている、認知症専門相談員に寄せられた認知症相談のうち、認知症初期集中支援チームによる支援が必要だと判断されたケースが、チームに依頼されることになる。
この連絡を受け、チームでは認知症専門相談員やご家族から情報収集をしたうえで、医療と介護のチーム員が地域包括支援センター職員と一緒に、本人に会いに行く。
訪問というスタイルになっているのは、次のような理由による。
認知症は、「いったん正常に発達した知的機能が持続的に低下し、複数の認知障害があるために社会生活に支障をきたすようになった状態(※3)」である。つまり、生活の様子を見なければ、その人がどんなことに困っているのかが分かりにくいのだ。
2012年度に行われた「認知症の初期集中支援サービスの構築に向けた基盤研究事業」の委員も務めた上野さんは「外来に来ていただく時は『よそゆき』なんです」と言う。よそゆきの状況では、たとえ日頃は何かに困ったり戸惑うことが多い人でも、しっかりした側面しか見えないこともある。
それ以前に、認知症かもしれないと周りの人が感じていても、本人にその自覚がなかったり、医者嫌いだったりすると、多くは受診しようとしない。また、認知症というものに対する恐れや偏見により、相談を先延ばししてしまうこともある。やっと外来につながった時には、相当進行しているということがあるという。
「物忘れ外来」から得たヒント
上野さんは、認知症初期集中支援チームの研究事業に関わる以前の2009年11月から、千葉県旭市の海上寮療養所で、当時まだ一般的ではなかった精神科医による認知症の人への訪問診療を開始していた。
実は同年4月に「物忘れ外来」を開いたものの、認知症で困っている人はいるはずなのに、ほとんど来院する人がいなかったからだ。「それならこちらから出向いてみよう」と、訪問を開始したのだという。
外来に来てくれなくても、訪問はすんなり受け入れてくれるかというとそうでもない。やはり病識のない人や医者嫌いの人は受け入れてはくれない。しかし少しでも早い時期から適切な支援をと、上野さんは、市役所や地域包括支援センターと相談の上で、「役所から健診にきましたよ」などと工夫をしながら、多くの認知症の人や、認知症かどうか分からないけれど来てほしいという要望のあるお宅などを訪問してきた。
「家にお邪魔することで、生活の場でのその人の様子や、家族との関係、生活環境を見て、そもそもその人は認知症なのか、だとしたらどんな支援や医療が必要なのか、診断やさまざまな見極め、薬を飲んでいれば様子を見ながらの微調整ができます。また、実情を見ての家族へのアドバイスなども可能です」と、上野さん。
これは、副次的な効果も生み出していた。相談できる相手がいる安心感により、家族のストレスが軽減し、それが認知症の人への接し方に影響し、本人の症状が落ち着いてきたのだ。
これらの経験から上野さんは、前述の「なるべく早い時期から関わり、生活環境を調整し、不安を取り除いていけば、それまでと同じような生活を送ることができる可能性がある」ことを実感することになった。
一方で、2009年から、厚生労働省でも認知症の人の精神科病棟への入院の問題が議論されていた。その中で、認知症の人への訪問の有効性も注目を浴びることになった。
認知症施策に関しては、さらなる検討と議論が重ねられ、2012年に、国は「認知症施策推進5ヵ年計画」(オレンジプラン)を発表。その中に、英国での取り組みを参考にした「認知症初期集中支援チーム」というものが登場するに至った。
2013年度からは、前年度に研究事業をおこなった機関のある東京都世田谷区や宮城県仙台市、福井県敦賀市を含む、全国14市区町で「認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業」として展開されている。
インフォーマルを含めた地域資源につなぐ支援
モデル事業として定められた認知症初期集中支援チームのメンバーは、以下の3名以上となっている。
○保健師や看護師、作業療法士、精神保健福祉士、介護福祉士など、医療保健福祉に関する国家資格を持ち、なおかつ認知症ケアの実務経験が3年以上あり、「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、試験に合格した専門職2名以上。
○日本老年精神学会か日本認知症学会の定める専門医、もしくは認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験のある医師のいずれかに該当し、かつ、認知症の確定診断を行うことのできる認知症サポート医である医師(嘱託可)1名。
桜新町アーバンクリニックを中心に活動しているチームは、桜新町アーバンクリニックの訪問看護師の片山さんと、作業療法士の村島久美子さん、精神科医の上野さんのほか、院長の遠矢純一郎さんと精神科医の新川祐利さん、外来看護師もメンバーである。そして、ケースを担当する地域包括支援センターの担当者もチーム員として活動をしている。
月1回程度開催されるチーム員会議には、チームで実際に動いているメンバーに加え、区の地域福祉部 介護予防・地域支援課と、総合支所の保健福祉課の保健師が調整役として出席。ここでもし、支援がとても困難な事例などがあれば、区直轄の総合支所が地域包括支援センターの後方支援も行う。こうすることで、地域包括支援センターのメイン業務である窓口業務が滞らないようにという意図がある。
この会議では、今支援している人の事例について、認知症の専門家としての視点から評価がなされ、必要な支援を検討しつなげていくための話し合いが持たれる。医療的な支援を必要としないケースもあれば、公的支援や介護保険サービスだけでなく、ご近所の○○さん、友人の△△さんに、協力してもらって……などという、地域のつながりを大切にした提案がなされるケースも多い。
このような場合にこそ、多職種のチームで動いている持ち味が活きてくる。
厚生労働省の研究班の発表によると認知症の人は、2012年時点でおよそ460万人、“予備軍”を入れると800万人超。これからも増えて行くことが予想される。
そんな中で、なるべく早く地域の中で、専門家が認知症の人と出会い、フォーマル、インフォーマルをあわせた適切な支援に結びつけることがますます必要になってくる。つまり、生活を支える介護の視点、必要な時にタイミングよく点で介入する医療の視点、そしてご近所力も総動員して、支え合っていくということだ。
社会資源に地域差がある日本各地に、どのようにこのモデルを広げていくか、まだまだ解決しなければならない課題も多い。
しかし、上野さんは言う。
「認知症の人が住みやすい社会は、だれにとっても住みやすいはずです。世界で一番高齢化が急速に進む日本。これからの局面を乗り越えていくことはまだ人類が誰も成し遂げていない偉業です。日本でぜひ、この偉業を成し遂げるんだという前向きな気持ちで取り組んでいます」。
※1:本人がもともと持っている性格、環境、人間関係などさまざまな要因がからみ合って、うつ状態や妄想のような精神症状や、日常生活への適応を困難にする行動上の問題が起こることがある。これを行動・心理症状と呼ぶこともある。(編者注:認知症の行動心理症状のことだが、説明は性格ではない)
※2:市町村や市町村から委託された法人が運営する、高齢者への総合的な生活支援や介護予防に関する相談の窓口となる機関。介護保険法に基づいて設置されている
※3:アルツハイマー病研究会の定義による(編者注:正確な定義ではない)
寄稿:神保康子 (ライター)(写真右)
WEDGE Infinity 2013年12月12日 原文のまま

「認知症家族の会:批判見解発表 JRへの損賠支払い判決に」(12月11日/毎日新聞)
認知症男性が列車に衝突し死亡した事故をめぐり、「見守り義務を怠った」として遺族にJR東海へ720万円の損害賠償を支払うよう命じた今年8月の名古屋地裁判決について、公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部・京都市)は11日「認知症の人の徘徊(はいかい)は防ぎきれない。家族に責任を押し付けた判決は取り消すべきだ」との見解を発表した。遺族は名古屋高裁に控訴中。同会は高裁で判決を取り消すよう求めている。
見解は地裁判決について(1)認知症の実態を理解していない(2)認知症への誤解を招き、介護意欲を消滅させる(3)在宅介護の流れに反する、と批判。介護保険制度に被害者賠償の仕組みを設けるよう提案している。【浦松丈二】
(毎日jp 2013年12月11日 原文のまま
関連資料:「認知症の人の徘徊は防ぎきれない家族に責任を押し付けた一審判決は取り消すべき 認知症列車事故 名古屋地裁判決に対する見解」(2013 年12 月11 日 公益社団法人 認知症の人と家族の会)(pdf1M)
サイト内関連記事:「波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延」(2013年8月29日)
編者:見解発表は遅いと思われるが、高裁控訴中につき示したものだろう。

「全米最大のアルツハイマー型認知症の研究機関と共同で同治療薬「T-817MA」の臨床試験実施を決定」(12月4日/gihyo.jp)
2013年12月4日  富士フイルム株式会社
富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)は,米国でのアルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」の開発を加速させるため,全米最大のアルツハイマー型認知症の研究機関であるAlzheimer's Disease Cooperative Study(アルツハイマ-ズ・ディジーズ・コーオペレイティブ・スタディ,以下,ADCS)(*1)と共同で,第2相臨床試験(*2)を実施することを決定しました。2014年1月から臨床試験をスタートさせる予定です。
現在,アルツハイマー型認知症の治療薬としては,アセチルコリンエステラーゼ阻害薬などが上市されています。しかし,これらの治療薬は神経伝達能(*3)の増強による症状改善作用を示すものの,病態の進行を抑制することが難しいといわれています。
富士フイルムは,グループ会社の富山化学工業にて,アルツハイマー型認知症の進行を抑制する薬剤の研究を進め,強力な神経細胞保護効果(*4)と神経突起伸展促進効果(*5)を有し,病態動物モデルでも高い治療効果を示す「T-817MA」を見出しました。すでに実施した米国における「T-817MA」の前期第2相臨床試験では,軽度および中等度のアルツハイマー型認知症患者で認知機能評価スコアや全般的臨床症状評価(*6)などの有効性評価指標の悪化を抑制する傾向が認められ,良好な安全性も確認されました。また,病態がある程度進行した中等症の患者を中心に,より有効性が明らかになる傾向が認められました。
ADCSは,アルツハイマー型認知症治療薬とその評価方法の創出のために米国で設立された研究機関で,多数の中核病院と連携し,アルツハイマー型認知症領域で豊富な臨床試験の経験を有します。今回,ADCSと共同で臨床試験を実施するのは,「T-817MA」が革新的なアルツハイマー型認知症治療薬としての可能性を持っていることにADCSが関心を示したからです。
富士フイルムは,前回の臨床試験結果を活用し,治験の対象を「T-817MA」のポテンシャルが発揮できる患者群に設定して,有効性および用量反応性を確認する第2相臨床試験を実施します。今後,ADCSとの協働を通じて,臨床開発の質とスピードを向上させ,「T-817MA」の開発を加速させていきます。
現在,認知症の患者数は,全世界で36百万人で,平成42年には66百万人に到達すると予想されています。そのうち,アルツハイマー型認知症の患者数は,米国で5百万人以上であり,平成42年には8百万人に達すると見込まれています。
富士フイルムは,化合物の合成力・設計力や解析技術,ナノテクノロジー,生産技術など写真フィルムなどで培った技術・ノウハウと,富山化学工業や富士フイルムRIファーマなどの医薬分野のグループ中核会社の技術を結集・融合させて,画期的な医薬品の研究・開発,生産プロセスの創出に取り組み,世界の医療の発展に貢献していきます。
*1 アルツハイマー型認知症治療薬の創出を目的に,国立衛生研究所(National Institute of Health)および国立老化研究所(National Institute on Aging)の基金で設立された研究機関。米国でアルツハイマー型認知症領域の権威の1人であるDr. Aisenが責任者を務める。拠点はカリフォルニア大学サンディエゴ校(カルフォルニア州)。
*2 臨床試験については,富山化学工業が実施。
*3 神経伝達能とは,神経から神経へ信号情報を伝達する能力。神経伝達能を増強することより,記憶などの神経機能が向上する。
*4 アルツハイマー型認知症などの神経変性疾患では,脳にある特定の神経細胞群(例えば認知機能に関係する神経細胞や運動機能に関係する神経細胞)が徐々に傷害を受け消失してしまう。これら神経細胞を傷害から保護する効果を「神経細胞保護効果」という。
*5 神経細胞は,外部からの刺激やほかの神経細胞から送り出される情報を受け取るために,細胞体から樹木の枝のように複数の突起を分岐している。「T-817MA」はその突起の伸展を促進する効果を示し,この効果を「神経突起伸展促進効果」という。
*6 医師が,患者および介護者と面接し,投薬前と比較して,患者の変化を判定する評価方法。
「全米最大のアルツハイマー型認知症の研究機関と共同で同治療薬「T-817MA」の臨床試験実施を決定」の詳細は富士フイルムのウエブサイトをご覧ください。
  ⇒ http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0832.html?link=n2u
技術評論社 2013年12月4日 原文のまま
サイト内関連記事:アルツハイマー治療薬、国内で臨床試験着手 富山化学工業」(2013年1月11日)

「認知症を地域で支える 鹿児島市が「見守りメイト」養成」(12月3日/南日本新聞)
鹿児島市は本年度から、認知症の人を見守り、声掛けをするボランティア「認知症等見守りメイト」の養成を始めた。認知症高齢者の増加を受け、認知症を患っても地域で暮らし続けられる体制をつくるのが狙い。11月27日始まった第2回養成講座には、約60人が参加している。
メイトになるには3日間で10時間半の講座を受ける。認知症の症状や治療について座学で学ぶほか、グループホームなどで認知症の人との接し方を学ぶ実習もある。
講座修了後はメイトとして市に登録。地域包括支援センターや家族からの依頼を受けた市が、各地域のメイトに、認知症の人の見守りや声掛けを要請する仕組みだ。8月の初回講座ではメイト33人が誕生した。次回講座は来年2月に予定。長寿支援課=099(216)1266。
373News .com 2013年12月3日 原文のまま
編者:鹿児島市独自の制度らしいが、「認知症等」となっており内容がよく理解できない。

★「「娘と母の2人を介護」 次女殺害容疑の母親 神戸」(12月1日/神戸新聞)
神戸市北区南五葉1の集合住宅で、障害のある次女の口をふさいで殺害したとして、母親の池田敏子容疑者(63)が逮捕された事件。近隣住民の間には「かいがいしく娘さんの世話をするお母さんだったのに…」と動揺が広がった。
「娘さんとおばあさんの2人を介護して、どこで息抜きするんだろうと思った」。近所の女性(58)は敏子容疑者について話す。
住民らによると、亡くなった次女の美和さん(33)は、10代の頃の事故で手足に障害が残り、車いすで生活。数年前に美和さんの祖母(84)が認知症になったため、敏子容疑者は2人の世話に付きっ切りだったという。
同じ集合住宅の女性(60)は今年の夏、近くの公園で美和さんのリハビリに付き添う敏子容疑者の姿を覚えている。「2人でお茶を飲んで休憩していて、仲の悪い親子には見えなかった」といい、「口数は少なくておとなしく、介護の愚痴も一切こぼさない人だった」と振り返った。
神戸北署によると、敏子容疑者は「(美和さんが)大声を出すことが度々あり、普段から口をタオルで押さえることがあった。(事件当日は)それでも静かにならず、上から毛布をかけた」と供述しているという。
同署は3日に司法解剖し、死因を調べる。
神戸新聞NEXT 2013年12月1日 原文のまま
編者:痛ましい事件だ。障害者自立支援制度や介護保険制度の利用と同時に家族や親戚の応援はどうだったのだろう。

「介護者の孤独、葛藤浮き彫り 認知症の電話相談サミット」(11月20日/中日新聞)
認知症の人を介護する悩みなどを聞く電話相談が全国各地にある。今月二日には、介護などの相談電話を開設する四団体が集まり、意見交換する催しが東京都内で開かれた。紹介された相談内容から、介護者の孤独や葛藤が垣間見えた。
催しは「認知症高齢者と介護家族のための電話相談サミット」で、「介護支え合い電話相談」を主催する社会福祉法人・浴風会(東京)が開催した。四団体のメンバーが登壇し、日頃の活動を話した。
「認知症てれほん相談」を開く、認知症の人と家族の会東京都支部の大野教子代表は、「かけてくる人が変わった」と指摘した。
一九八二年から、電話相談をする同支部。以前は「嫁」が約40%で最も多かったが、今では娘が約半数。息子、特に独身で親の介護をせざるをえない人からの相談が増えているという。老老介護、男性介護、シングル介護の増加が、相談からもうかがえるという。
親を介護する独身者からは、親戚に介護の努力を評価してもらえずに、「お母さんをもっと大切にしなきゃ」と言われ、傷ついたとの相談が寄せられた。妻を介護する男性は、介護に熱心な人が多く、子どもや妻側の親戚が協力的でないなどと、人間関係に悩む人も多いという。「協力を申し出ても、義父が義母の介護を抱え込み、対応に困る」といった息子の配偶者からの相談もある。
認知症のために近所とトラブルを起こし、その苦情を寄せられた、離れて暮らす息子や娘からの相談など、高齢独居世帯の増加をうかがわせるケースも、最近は目立つという。
「介護支え合い電話相談」の相談員、野辺由郎さんによると、認知症の症状に腹を立て、手を上げた介護者からの相談もある。野辺さんは「相談者は自身の行為を恥じている。手を上げたことは肯定せず、恥じている人を肯定するようにしている」と対応の心構えを紹介した。
親におむつをさせていることを悪く言われ、傷つく人を例に挙げて、世間の無理解が、介護者を苦しめていると指摘。周囲に言えない悩みを話すと、相談者は気持ちが楽になると、電話相談の効果を説いた。
    ◇
団体による議論の前に、認知症介護研究・研修東京センター長の本間昭医師が講演。認知症の人が住み慣れた地域で暮らし続けられる条件として、「骨折など身体的に入院が必要なときに入院できる」「介護サービスが利用できる」に加えて、「介護者が悩んだり、困ったりしたときに、すぐに相談できる人がいること」を挙げ、電話相談の意義を強調していた。(佐橋大)
Chunichi Web 2013年11月20日 原文のまま

★「介護者支え合い15年 認知症の人と家族の会岡山県支部」(11月18日/山陽新聞)
認知症の人と家族の会岡山県支部(事務所・岡山市北区南方)が結成から15年を迎えた。認知症への偏見が強い時代に立ち上げ、介護者らが悩みを共有できる集いの場を確保、啓発や相談事業を通じて社会の理解にも貢献してきた。患者が全国で460万人超とされる中、介護現場には公的サービスなどで担いきれない苦悩は多い。家族たちの“支え”として、その役割は増している。
今月初めの昼、田園風景が広がる岡山市郊外の民家庭先。「さあ、たくさんできましたよ」とのスタッフの声を合図に、テーブルを囲んだ男女約20人が、湯気の立ち上る大鍋から芋煮を取り分け、味わった。
介護者だけでなく認知症の本人も参加できる催しを―との会員家族の声を受けて始まった同支部の「心の交流会」だ。8年前から月1回のペースで開き、料理のほか、花見やカラオケ、ボウリング大会も行う。
毎回参加している女性(77)は、認知症の夫が以前はデイサービスになじめず、家に閉じこもりがちだったという。「ここには喜んで来る。状態が不思議なくらい安定している」と話す。
まず話を聞く
認知症の人と家族の会は、1980年に京都市で「呆(ぼ)け老人を抱える家族の会」としてスタートした。岡山県支部は県内の病院や施設の家族会のメンバーらが集まり、98年7月に発足、2006年に今の名称となった。会員は現在約300人。
当初は妻井令三代表(76)(写真右下)ら5人の役員が、個人の電話番号を公開して相談事業を実施。「夜中に徘徊(はいかい)する」「財布を取る」といった問題行動への対応方法や病院・施設の紹介を求める内容が多かったが、話題はいつも、周囲が介護の苦しみを理解してくれないことへの不満やつらさなどに移ったという。
「アドバイスよりも、まずは話を聞いてあげることが大事だと気付いた」と妻井代表は振り返る。
設立後間もなく、岡山、笠岡、倉敷市の3カ所で介護家族の集いを始めた。11年には県と岡山市の委託を受け「おかやま認知症コールセンター」を開設、社会福祉士やケアマネジャーなどの資格を持つ相談員5人が応対する。
認知症の夫の相談で集いに通った女性(85)=岡山市=は「一時は夫と一緒に死のうと思うくらい悩んだが、『自分だけではない』と思えるだけで気持ちが楽になれた」と言い、夫が2年前に亡くなった後も足を運び続けている。
地域づくり担う
2000年に始まった介護保険で介護サービスは増えたものの、サービスの地域格差や認知症に対して軽度の判定が出やすい要介護認定の仕組み、不十分な介護者のサポート体制など課題は少なくない。
国の最近の調査では、65歳以上の高齢者のうち認知症の人は推計15%で、12年時点で約462万人。高齢化とともに患者はさらに増加するとみられ、介護者が抱える悩みもますます増えそうだ。
妻井代表は「認知症は偏見の強さや知識不足から今も診断が遅れるケースが多いが、早期のケアで重症化を防げるようになってきた。行政などと連携し、家族の集いや家族を見守る認知症サポーターの育成で穏やかに暮らせる地域づくりを担っていきたい」としている。
山陽新聞 2013/11/18 原文のまま

「鉄道事故:寒川の認知症男性、電車にはねられ死亡 JR横須賀線/神奈川」(11月13日/毎日新聞)
12日午前5時15分ごろ、鎌倉市小袋谷1のJR横須賀線大船北鎌倉間で、寒川町の無職男性(63)が品川発久里浜行き下り普通電車(11両編成)にはねられ、病院に運ばれたが死亡した。男性は認知症の診断を受けており、11日朝から行方が分からなくなっていたという。
大船署によると、電車の運転士が、線路内で横になっていた男性を見つけ、急ブレーキをかけていた。男性は近くの踏切から線路内に入ったとみられる。
この電車は現場に77分停車。横須賀線は一時、全線で運転を見合わせ、上下計6本が運休し、10本が85?10分遅れ、約4500人に影響した。【酒井雅浩】
毎日jp 2013年11月13日 原文のまま

「大分県:「オレンジカンパニー制度」導入 認知症の人や家族に、安心な地域づくり」(11月10日/毎日新聞)
大分県は10月から、認知症に優しい企業・団体を登録する「大分オレンジカンパニー制度」を始めた。オレンジ色は認知症支援のシンボルカラー。社員らに認知症講座を受けてもらい、さまざまな業種の企業・団体に認知症の知識や理解を深めてもらうことで、「認知症の人や家族らが安心して暮らせる地域」をつくる狙いだ。県高齢者福祉課は年内の事業所登録を目指している。【浅川大樹】
認知症は脳の認知機能が低下する病気。厚生労働省の推計では、認知症高齢者は2010年の280万人から25年に470万人まで増加する。認知症の人たちが日常生活を送りやすい環境づくりが重要になってくる。
県は企業の活動に着目した。例えば、認知症患者の中には、通帳をなくしていないのに、新たに通帳を作り直すケースがある。金融機関に認知症に対する理解があれば、家族などに確認するなどの対応ができる。県は、歩行者など周囲への気配りが求められるタクシー業界や、高齢者が利用することの多いバス業界にも働き掛ける考えだ。
「街ぐるみ」の認知症への対応は、既に臼杵市で始まっている。同市は11年10月に「認知症お助けマップ」を作成。認知症に対応できる医療機関や介護施設を記載しているほか、認知症講座を受けた「認知症にやさしいお店・事業所」として薬局や美容室など60カ所を表示している。
制度では、各企業・団体が市町村に「認知症サポーター講座」の開催を要請。半数以上の社員らが1時間半程度、受講すれば登録され、ステッカーが交付される。既に条件を満たしている場合も登録が可能。
企業・団体にとっても、社員教育などで認知症を学ぶ契機となる▽介護と仕事が両立できる社内風土を考える契機となる▽CSR(企業の社会的責任)の側面からイメージアップが図れる??などの利点がある。県高齢者福祉課は「認知症に優しい街づくりに寄与するので、取り組みを進めていきたい」と話している。
毎日jp 2013年11月10日 原文のまま
関連情報:「大分オレンジカンパニー(認知症にやさしい企業・団体)登録制度」(大分県 2013年10月21日)

「認知症の高齢者手助け 児童ら50人が訓練 丹波」(11月10日/神戸新聞)
認知症で徘徊してしまう人への手助けを学ぶ市民参加型の訓練がこのほど、兵庫県丹波市市島町上竹田で行われた。前山小学校の4年生や地元の民生委員、福祉施設職員など約50人が参加。迷子になった認知症役の高齢者を探し、優しく声掛けなどをした。
認知症への理解を深めてもらおうと市が企画し、前山地区の住民らに協力を依頼した。地域ぐるみでこうした訓練を行うのは市内初という。
訓練は、認知症の高齢者が畑の様子を見に行ったまま道に迷った‐という設定で行われた。防災行政無線で迷子を知った参加者は集落内を歩き、認知症役の山辺秀利さんを見つけるとすぐ駐在所に通報。到着を待つ間、児童らは不安を和らげるため「家はどこ?」「一緒に帰ってあげようか」などと言葉を掛け続けた。
認知症について事前に学び、訓練に臨んだ女児(10)は「困っているお年寄りを見かけたら、頑張って話し掛けたい」と話していた。(小尾絵生)
神戸新聞NEXT  2013年11月10日 原文のまま

株式会社」(11月7日/産経新聞)
ソニー生命保険株式会社(社長 井原 勝美)は、映画「ペコロスの母に会いに行く」へ特別協賛しています。
「ペコロスの母に会いに行く」は、長崎在住の漫画家 岡野 雄一氏が、認知症の母との介護生活を漫画として描いたもので2012年1月に出版されました。ユーモラスで心温まる日常のやりとりが多くの人々の共感を生み、長崎、福岡をはじめ全国で話題となり、特にfacebookを通じて急速に広まっていったこの作品は、2012年5月に実写での映画化が決定し、2013年11月16日から全国で公開されます。
 認知症介護を優しい視点で受け入れ、老いることや認知症になることを否定しない、新しい介護のあり方を提案するこの映画は、当社の「長生きをすることが幸せだ、と心から言える世の中にしたい」という思いと共通しています。
ソニー生命は、「ペコロスの母に会いに行く」の全国公開と11月11日の「介護の日」に合わせて、全国の40歳~69歳の男女に対し、「親の介護と認知症に関する意識調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。
◇本調査結果の要約◇
し□ POINT 1 【「介護」そして「長生き」とは、どのように捉えられている?】
⇒介護は「誰の身にも起こり得る普通のこと」と約7割が認識
⇒自分の親は”長生きすることが幸せだ”と実感していると思う、60代の6割半
《介護は誰の身にも起こりえる普通のことで、“万が一のことではない”と認識している》について、あてはまるかどうか質問したところ、約7割(73.5%)があてはまると回答しました。「介護は万が一ではない、普通のこと」との認識は、多くの人がもっているといえそうです。また、《自分の親は、“長生きすることが幸せだ”と実感していると思う》については、80代の親がいる人が多い年代である60代の回答者で、6割半(64.7%)となりました。
□ POINT 2 【介護に関する親子の意識差】
⇒「子どもに自分の介護に関わってほしい」親の7割半、「親の介護に関わりたい」子の約6割
⇒もし将来自分が要介護状態になったら、6割半が「子どもには介護に関わってほしくない」
親の介護への関与についての意向を聞いたところ、親の考えとして《できれば子どもに、自分の介護に関わってほしい》と考えている割合は7割半(76.5%)。子の考えとして《できれば親の介護に関わりたいと思っている》割合は約6割(61.2%)となり、意識のギャップは少ない結果となりました。ちなみに、親ではなく「自分自身」が将来介護を受ける立場となった場合については6割半(64.3%)が《できれば子どもには、自分の介護に関わってほしくない》と回答しました。子に自分の介護に関与してほしいかどうかは、世代間で意識差があるのかもしれません。
□ POINT 3 【介護に必要な知識をどの程度知ってる?】
⇒介護についての知識、「必要なお金」「介護保険の仕組」を知っているのは約2割にとどまる
⇒親の介護について誰に相談?「配偶者」6割、「信頼できる第三者」は4人に1人
介護にまつわる項目をいくつか提示し、それらを知っているか聞いたところ、《介護に必要なお金》や《介護保険の仕組》を詳しく知っている人はいずれも約2割(23.7%、23.8%)にとどまりました。また、親の介護について相談したいときに、誰に相談するかを聞いたところ、「配偶者」(59.8%)、次いで「自分の兄弟」(34.0%)となりました。また、身内以外の人に相談している様子も見られ、「信頼できる第三者(自治体や病院などの介護相談窓口や専門家など)」に相談する人も4人に1人(24.5%)という結果になりました。
◇アンケート調査結果◇
◇ 介護は「誰の身にも起こり得る普通のこと」との約7割が認識
◇ 自分の親は”長生きすることが幸せだ”と実感していると思う、60代の6割半
介護は、親や自分自身も含めたすべての人に起こりえることですが、「介護」とはどのように捉えられているのでしょうか。また、長生きをすることは大変幸せなことですが、老いを迎えた親は「長生きすることが幸せだ」と実感できているのでしょうか。全回答者(1,000名)に、これらに関する意識を聞きました。
 《介護は誰の身にも起こりえる普通のことで、“万が一のことではない”と認識している》について、あてはまるかどうか質問したところ、約7割(73.5%)があてはまると回答しました。「介護は万が一ではない、普通のこと」との認識は、多くの人がもっているといえそうです。
 また、《自分の親は、“長生きすることが幸せだ”と実感していると思う》については、80代の親がいる人が多い年代である60代の回答者で、6割半(64.7%)となりました。“長生き”といえる年代を迎えた親は、年齢を重ねるにつれて不安感などが少なくなり、シンプルに幸せを実感する人が増えるのかもしれません。また、親の介護経験がある人(261名)においても、《自分の親は、“長生きすることが幸せだ”と実感していると思う》割合が3人に2人(65.1%)と高くなっています。
◇ 60代では親の介護経験は半数近く、現在介護中は4人に1人
 人は誰しも老いをむかえます。自分も親も年齢を重ねる中で、親の介護経験をもつ人はどの程度いるのでしょうか。
全回答者(1,000名)に自分の親の介護をした経験について聞いたところ、経験がある割合は、40代で約1割(11.7%)、50代で2割強(21.9%)ですが、60代では半数近く(44.6%)にのぼりました。また、60代では、現在親の介護をしている人が4人に1人(25.1%)と、50代(11.7%)と比較して2倍以上の割合となり、60代は親の介護に関わる人が増える年代といえそうです。
◇ 「介護」のテーマは親と話しづらい?フランクに話しているのは介護未経験の人の約3割
◇ 介護未経験の人の7割は、親がどのような介護を希望しているかを知らない
 では、親の介護を経験していない人は、親が将来必要となる介護についてどのように考えているのでしょうか。親の介護を経験していない人(739名)に、将来の介護についての親子の会話や、介護に向けた準備状況について聞きました。
 先ず、介護についてのコミュニケーションの状況として、《将来の「介護」について、親とフランクに話すことがある》の項目に、『あてはまる』(「あてはまる」+「ややあてはまる」、以下同様)と同意した割合は約3割(32.3%)となり、このテーマに関して親とオープンな会話ができている人は3人に1人との結果になりました。
 また、《親がどのような「介護」を希望しているのか知っている》に『あてはまる』割合は3割(29.4%)にとどまり、残る7割(70.6%)は親がどのような介護を希望しているかを知らないとの結果になりました。
◇ 親の介護についての意識差、「介護は自宅で」親は約7割、子は約5割
◇ 自分の親の介護への備え、約6割は「準備できていない」
◇ 「子どもに自分の介護に関わってほしい」親の7割半、「親の介護に関わりたい」子の約6割
◇ もし将来自分が要介護状態になったら、6割半が「子どもには介護に関わってほしくない」
親の介護を考えるに際して、親自身の意見はもちろん、介護に関わる人の意見も十分に聞きながら、最適な介護の内容を考える必要がありますが、親の「自分の介護はこうしてほしい」、子の「親の介護はこうしてあげたい」という意向について、親子で考えの相違は見られるのでしょうか。親の考えについては、先ほどの《親がどのような「介護」を希望しているのか知っている》の質問に「介護に関する親の意向を知っている」と回答した人(217名)に、子の考えについては全回答者(1,000名)に聞きました。
親が要介護状態になったときにどこで介護を受けるかについては、本人や家族にとって重要なテーマのひとつですが、《住み慣れた自宅》と《安心できる高齢者施設》では、どちらが生活の場として望ましいと思われているか、「親の考え」と「子の考え」それぞれを聞きました。親の考えとしては、《住み慣れた自宅》で生活したいと考えている割合は約7割(67.2%)となり、《安心できる高齢者施設》での生活を選ぶ割合(32.7%)を大きく上回りました。一方で子の考えとしては、親の生活の場として良いと考える割合は、《住み慣れた自宅》(53.2%)と《安心できる高齢者施設》(46.8%)が拮抗する結果となり、このテーマに関しては親子での意向の相違が見られました。
 また、親の介護に対する金銭的な準備として、親の状況としては《自身の介護のための金銭的な準備ができている》と考える割合は7割半(76.5%)となりましたが、子の状況としては《自分は親の介護のための金銭的な準備ができている》と考える割合は4割(38.8%)にとどまり、残る約6割(61.2%)は金銭的な準備ができていないと考えていることがわかりました。親の介護に必要なお金の準備をしたいと考えながらも、なかなか準備がおぼつかないという状況の人が多いのかもしれません。
 そして、親の介護への関与についての意向を聞いたところ、親の考えとして《できれば子どもに、自分の介護に関わってほしい》と考えている割合は7割半(76.5%)となりました。また、子の考えとして《できれば親の介護に関わりたいと思っている》割合は約6割(61.2%)となり、意識のギャップは少ない結果となりました。
 これらの結果は、介護の場所や金銭的準備などの具体的な内容については親子間で意向や実態に差が見られるものの、子の約6割が《できれば親の介護に関わりたいと思っている》と考えている点は、親に対する子の思いが表れた結果といえるのではないでしょうか。
 ちなみに、親ではなく「自分自身」が将来介護を受ける立場となった場合については、どのように感じるのでしょうか。自分の子どもがいる人(714名)に対し、もし将来自分が要介護状態となったら、子どもに介護に関わってほしいと思うか聞いたところ、6割半(64.3%)が《できれば子どもには、自分の介護に関わってほしくない》と回答しました。子に自分の介護に関与してほしいかどうかは、世代間で意識差があるのかもしれません。
◇ 親に強く感謝しているのは「教育費の支援」約6割
 人生を通じて、子は親から色々な支援を受けます。親から受けた支援の中で、感謝の気持ちを特に強く感じることを、全回答者(1,000名)に聞きました。
 感謝の気持ちを特に強く感じることとして最も高い割合となったのは、「学生時代の教育費の支援」(61.3%)で、次いで「病気や怪我の時の支援」(37.8%)、「学生時代のお弁当づくり」(32.6%)と続きました。他に、「出産・育児での支援」(28.9%)、「中学・高校・大学受験時の応援」(27.6%)、「大人になってからの生活費の支援」(17.0%)、「就活や転職時の応援」(12.0%)など、親のさまざまな支援に対し、感謝の気持ちを感じている様子がうかがえました。
◇ 親への感謝、「父の日や母の日のお祝い」で表している約5割、「長寿のお祝い」約2割
 自分を育ててくれた親への感謝。このような気持ちを面と向かって言葉にするのは、なかなか照れくさいものですが、日ごろの行動でさりげなく感謝を伝えている人も多いのではないでしょうか。全回答者(1,000名)に、普段親のためにどのようなことをしてあげているかを聞きました。
 最も多かったのは、「父の日や母の日のお祝い」で約5割(51.2%)となり、このよう記念日をきっかけに、親への感謝の気持ちを表している人が多い様子がうかがえる結果となりました。他に、「誕生日のお祝い」(43.0%)や「長寿のお祝い」(23.3%)など、折に触れて親への労りの気持ちを表したり、「一緒に旅行」(17.4%)などの楽しみを共有している様子も見られ、さまざまな形で親への感謝の気持ちが伝えられていることがわかりました。
◇ 介護についての知識、「必要なお金」「介護保険の仕組」を知っているのは約2割にとどまる
◇ 親の介護について誰に相談?「配偶者」6割、「信頼できる第三者」は4人に1人介
 護は万が一のことではなく、普通のこととの認識は多数の人がもっていますが、介護に必要な情報はどの程度知られているのでしょうか。
 全回答者(1,000名)に対し、介護にまつわる項目をいくつか提示し、それらを知っているか聞いたところ、《介護に必要なお金》や《介護保険の仕組》を詳しく知っている人はいずれも約2割(23.7%、23.8%)にとどまりました。「介護は誰にでも起こり得ること」との認識をもったうえで、より具体的な準備をすすめるべく、積極的な情報収集を行うことも必要かもしれません。
 また、親の介護について相談したいときに、誰に相談するかを聞いたところ、「配偶者」(59.8%)が最も高い割合となり、次いで「自分の兄弟」(34.0%)となりました。また、身内以外の人に相談している様子も見られ、「信頼できる第三者(自治体や病院などの介護相談窓口や専門家など)」に相談する人も4人に1人(24.5%)となりました。
◇ 認知症は、加齢による物忘れではない 「知っていた」約8割
◇ 認知症は生活管理が予防に繋がるとの認識も浸透
◇ 認知症は発症しても症状が改善することがある、3割半が「知らなかった」
認知症の母と過ごす何気ない日常を描いた映画、「ぺコロスの母に会いに行く」が2013年11月16日に全国ロードショーが開始されますが、「認知症」はどの程度正しく理解されているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に対し、認知症に関する説明文を提示したうえで、知っていたかどうか質問をしたところ、《認知症は「加齢による物忘れ」ではない》は約8割(83.8%)が知っていたと回答し、《認知症は、普段の生活管理が予防に繋がることがある》も約8割(77.8%)が知っていたとの結果になりました。これらの事実に関しては、多数の人に浸透しているといえそうです。一方で、《認知症は、発症しても症状が改善することがある》ことを知っていた人は6割半(64.2%)となり、残る3割半(35.8%)は知らなかったとの結果になりました。
◇ 認知症予防で活用したいもの 男性人気は「麻雀や囲碁」、女性人気は「脳トレアプリ」
◇ オンラインゲームを認知症予防に活用したい 約4割
 最後に、「認知症は普段の生活管理が予防に繋がることがある」という事実をうけて、認知症予防のために活用したいツールについて聞きました。活用したいとの人気が高かったのは、男性で「麻雀や囲碁などの卓上ゲーム」(61.0%)、女性で「脳トレアプリ」(69.8%)「計算ドリル集」(67.6%)となりました。また、「対戦機能」により認知症予防の効果が期待される「オンラインゲーム」についても、活用したいとの割合も約4割(43.5%)となりました。
産経ニュース 2013年11月7日 原文のまま
関連情報:ニュースリリース「親の介護と認知症に関する意識調査」(2013年11月7日 ソニー生命保険株式会社) (pdf版300K)
編者:損保会社の認知症に関わる調査が行われる背景は何なのか。商品開発のデーター収集か?それにしても介護保険の知識が意外に低い。調査項目にはないが公的支援として何を求めるという意識も低いのだろう。当事者にならないと意識が高まらないのだろう。

「オリックス・リビング、第6回「介護に関する意識調査」を実施」(11月6日/SUUMO ニュース)
有料老人ホーム・高齢者住宅を運営するオリックス・リビング株式会社(本社:東京都港区)は、「介護の日」(11月11日)に合わせ、今年も全国の40代以上の男女1,238名(男性737名、女性501名)を対象に、第6回「介護に関する意識調査」を実施した。
【調査結果(一部抜粋)】
(1)将来の介護について約9割が不安を感じながらも、約9割が終活せず
○家族の介護について、約9割(85.7%)が不安を感じると回答。男性(82.9%)に対し、女性(89.8%)の方がより不安を感じている。
○自身に介護が必要になったときについては、「まだ何も考えていない」(68.3%)、「考えているが、まだ家族に伝えていない」(24.0%)となり、約9割(92.3%)がまだ具体的な行動に移っていない結果となった。
(2)男性約8割は配偶者を介護する意向だが、女性約7割は配偶者による介護を希望していない
○配偶者の介護については、「配偶者を介護したい」(45.1%)、「配偶者を介護したい気持ちはあるが、現状を考えると難しい」(30.8%)を合わせ約8割(75.9%)が配偶者を介護したい意向となった。男女別でみると、配偶者を介護したい意向を示す男性が83.4%に対し、女性は65.4%となり、夫婦間に意向の違いが出る結果となった。
(3)認知症になった場合約8割が施設を希望。理由は大切な人に迷惑をかけたくないから
○自身が認知症を発症し、大切な人を忘れてしまった場合、「施設に入る」と回答した人は、75.4%だった。男女別にみると、女性(83.6%)は、男性(69.7%)に比べ、大切な人からの介護でなく、施設を希望する結果となった。
○介護してほしい理由のうち、「自宅にいたいから」と回答した男性は51.6%と最も多く、女性(38.8%)に比べ自宅へのこだわりが強い傾向がうかがえた。また、施設に入りたい理由として、「大切な人に迷惑をかけたくないから」と回答した人が最も多く、66.9%となった。
(4)仕事と介護の両立が可能なのは1割未満
○家族を介護する必要が出た場合、「仕事」と「介護」の両立について、「できると思う」と回答した人は9.0%で、男女別にみると男性(10.4%)、女性(6.6%)という結果になった。
(5)自身の胃ろうについては、年代が上がるにつれて反対
○自身の胃ろう(口から食事を採れなくなった場合等に、胃に穴を開けて栄養を摂取すること)については、この1年間で胃ろうについての理解が進み、「反対」(59.0%)が昨年(52.5%)に比べ増加し、「分からない」(35.5%)が昨年(40.1%)に比べ減少する結果となった。また、「反対」と回答した人は、男性40代(47.7%)→60代(63.1%)、女性40代(44.0%)→60代(73.4%)と男女共に年齢が上がるにつれて高くなった。
(6)自身の延命治療は、約8割が希望しない
○自身の延命治療については、約8割(79.2%)が「希望しない」と回答し、男女共に年齢が上がるにつれて(男性40代69.7%→60代79.8%、女性40代76.2%→60代85.4%)高くなった。また、「希望する」と回答した女性はわずか0.6%に留まった。
(7)介護ロボットの試験モニター参加に、60代以上の女性約4割が参加意向
○介護ロボットによる身体介護については、「推奨されていれば受けてもよい」(71.5%)、「積極的に受けたい」(8.8%)となり、約8割(80.3%)が肯定的な結果となった。また、女性は年代が上がるにつれて(40代66.7%→60代72.1%)介護ロボットによる身体介護に積極的な意向となった。
(8)社会保障制度充実のための増税賛成は、昨年より増加。理由は、すぐに対応すべき問題だと思うから
○福祉・介護などの社会保障制度を充実させるための増税決定について、「増税しても良いと思う」と回答した人は42.7%で、昨年(39.1%)より増加した結果となった
SUUMO ニュース 2013年11月6日 原文のまま
関連情報:「介護の日」(11 月11 日)に合わせ第6 回「介護に関する意識調査」2013 年11 月5 日 オリックス・リビング株式会社(pdf600K)

「イオン/幕張新都心店の従業員が認知症サポーター養成講座を受講」(11月5日/流通ニュース)
イオンは11月5日、「イオン幕張新都心店」の従業員約1000人が11月10日、12月の開店にさきがけ、認知症サポーター養成講座を受講すると発表した。
同社は2007年から、厚生労働省とNPO法人「地域ケア政策ネットワーク」が協働で推進している認知症の取り組みに参画。
従業員向けに講座を開き、認知症サポーター(受講者)の養成や講座の講師(企業内キャラバン・メイト)の育成をはかってきた。
各店舗が地域包括支援センター等の地方行政と常時連携をすることに加えて、従業員が認知症に関する理解を深め、ホスピタリティ溢れる行動を率先することにより、安心して買い物を楽しんでもらえる環境を整えるという。
今回の講座の受講により、国内最大規模となる延べ約3万8000人の従業員が認知症サポーター(受講者)となる。
流通ニュース 2013年11月6日 原文のまま
関連情報:認知症サポーターキャラバン
編者:小売業界最王手の歓迎すべき取組だ。全国の認知症サポーターは440万人(今年9月末現在)。

★「エーザイ 認知症治療薬アリセプトに「レビー小体型認知症」の適応追加申請」(11月1日/ミクスOnline)
エーザイは10月31日、アルツハイマー型認知症治療薬アリセプト(一般名:ドネペジル塩酸塩)の適応に、3大認知症の一つの「レビー小体型認知症」を追加する承認申請を日本で行ったと発表した。同認知症に対する治療としてはアリセプトなどアセチルコリンエステラーゼ阻害剤の使用が国内治療ガイドラインで推奨されているが、この適応を持つ承認薬はなく、今回の適応追加が承認されれば日本で初めてとなる。
レビー小体は異常なたんぱく質が脳の細胞内にたまったもので、大脳と脳幹に多数出現しているのがこの認知症の特徴。記憶や判断などが難しくなる進行性の認知機能障害に加えて、具体的な幻視など特有の精神症状を示す。認知症の2割程度を占め、半数を占めるアルツハイマー型に次いで多いといわれる。
フェーズ3試験(「341試験」)では、認知機能障害および精神症状・行動障害を主要評価項目として12週間投与におけるプラセボに対する優越性を検証するとともに、長期(52週間)投与の安全性および有効性を検証した。
その結果、認知機能障害について、12週間投与の最終評価時において、プラセボ投与群に比べて有意な改善効果を確認。その改善レベルが52週間にわたり投与開始時の水準よりも高いレベルに維持することが示された。しかし、精神症状・行動障害については、12週間投与最終評価時においては、両群に有意差は認められなかった。安全性は、これまで同剤で確認されているものと同様で、想定外の新たな事象は発生しなかったという。
ミクスOnline 2013年11月1日 原文のまま
関連記事:「アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト?」日本でレビー小体型認知症に関する効能・効果を追加申請」(エーザイ ニュースリリース 2013年10月31日)

「徘徊高齢者捜してメール 市民2000人協力、福岡市12月運用開始 [福岡県]」(10月29日/西日本新聞)
福岡市は高齢者の安全対策を強化しようと、徘徊(はいかい)する認知症高齢者の捜索を2千人の市民にメールで呼び掛ける「徘徊高齢者捜してメール」の運用を、12月10日から始める。高島宗一郎市長が29日の定例会見で発表する。一度に高齢者10人が死亡する医院火災が発生した市は「お年寄りの命を守るだけでなく、高齢化が進む中、住民が互いを支える共助の力を育てたい」としている。
市内の認知症高齢者は今年3月で約2万9千人。2025年度には5万5千人に達すると推計される。一方、11年の県警調べでは、県内で741件の高齢者の捜索願があり、うち20人が死亡、46人が行方不明のままになっている。福岡市でも年間約100件の高齢者の捜索願が出されており、相当数の死者や不明者が出ているとみられる。
捜してメールは、認知症高齢者の家族が高齢者の氏名や顔写真などを登録し、協力者として一般市民や企業も登録する。徘徊で行方不明になれば家族が市の委託業者に連絡。業者が高齢者の服装や身長などの情報を、メールで協力者に一斉送信する。家族が希望すれば顔写真も添えて送る。
市は29日から家族と協力者双方の登録を受け付ける。協力者には市内の介護事業者に加え、ジョギングやウオーキングの愛好家、コンビニ店員など幅広い層を想定しており、運用開始時点で2千人の登録を目指す。事業費は年約450万円。協力希望者の登録は、携帯電話などで「support@req.jp」に空メールを送信すればよい。
西日本新聞 2013/10/29 原文のまま
編者:2011年に「県内で741件の高齢者の捜索願があり、うち20人が死亡、46人が行方不明のままになっている」とはただならぬ数字だ。

「【ゆうゆうLife】フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」」(10月24日/産経新聞)
見る 話しかける 触れる 立つ-4つの柱
フランス生まれの認知症ケア「ユマニチュード」が注目されている。ケアの方法を変えることで認知症の人も変わり、意思疎通が図れるようになるという。とりわけ、治療のために拘束や薬の使用を余儀なくされる医療機関で「人としてのケアができる」と評判だ。「魔法のよう」と称されるケアの一端を紹介する。(佐藤好美)
  ◇
「なんでそんなことするの!」
ビデオから叫び声が流れた。総合病院の病棟で、2人の看護師が認知症の高齢者にケアをしている。看護師の物腰はごく自然なのに、老女は悲鳴を上げる。看護師らは困り果てた様子だ。
ビデオを見せた後、国立病院機構「東京医療センター」総合内科の本田美和子医長(写真右上)が、集まった医療職らに声をかけた。
「皆さん、高齢の認知症の方に快適な生活をしてもらおうと思い、なんとか役に立ちたいと思っているのに、そうならない不条理さを日々、感じているのではないでしょうか」
続いて本田医長は、ユマニチュード実施から数日後、同じ女性が穏やかにケアを受ける映像を流した。女性は「怖くて怖くて、泣いていたのよ」と話していた。対応するのは同じ看護師だが、一人はケアに専念し、もう一人は女性のごく近くから顔を見つめ、話し相手に徹している。
先月、東京都内で「病院職員のための認知症研修会」が開かれた。主催は「全日本病院協会」(西澤寛俊会長)。招かれた本田医長が約160人の看護師やリハビリ療法士らに「ユマニチュード」を講演。ワークショップを行った。
ユマニチュードは、フランス人のイブ・ジネストYves Ginesteさんとロゼット・マレスコッティRosette Marescottiさん(写真右中)が完成させた。ケアの柱は、(1)見る(2)話しかける(3)触れる(4)立つ-の4つ。約150の技術があり、フランスの病院では向精神薬の処方が減ったり、スタッフの負担減により離職率が低下したりするなどの効果が報告されているという。
本田医長は技法をフランスで学び、教える資格を得た。「ユマニチュードは、世の中にある『良いケア』を体系化したもの。個々の技術はこれまで行われてきたものでも、フランス的な哲学で裏打ちされ、包括的に行う点が新しさです。人は見つめてもらい、誰かと触れあい、言葉を交わすことで存在する。そして、死に至る日まで、できるだけ立つことで人としての尊厳を自覚する。こちらがそう対応を変えることで、患者も変わっていくのです」と言う。
東京医療センターでは、本田医長の他に3人の看護師が初級インストラクターの資格を取り、実践している。導入で、治療に非協力的だった人が口の中に軟膏(なんこう)を塗らせてくれたり、ケアの際につばを吐いたり、ひっかいたりしていた人が「ありがとう」と言ってくれるまでになった。本田医長は「良好なコミュニケーションが持てるようになることでケアの困難な状況が改善し、患者本人と看護師双方の負担が減っている」と話す。
この日、本田医長は医療職にこう語りかけた。「優しさを伝える技術は後天的に学習できる。個人の優しさを追求されると、うまくいかないときには心が折れて燃え尽きるが、ユマニチュードは技術として行うもの。つらい思いをせずに実践できるんです」
背景に患者の増加と治療困難
医療機関でこうした技法が求められる背景には、認知症の入院患者が増え、治療が難しくなっていることがある。認知症の人は入院や治療の理由が理解できず注射を嫌がって暴れたり、点滴を抜いたりすることもある。拘束や鎮静剤の使用も珍しくないが、「動けない状態」にすれば患者の全身機能は低下する。医療職は矛盾に悩むのが現状だ。
全日本病院協会・プライマリ・ケア検討委員会の小川聡子(としこ)医師は研修会の冒頭、参加者に「認知症の患者さんを精神科へ送っても問題は解決しない。抑制はしたくない。しかし、(抑制を避けて)院内で転倒されて事故報告を書き、心が折れそうになる日々ではないでしょうか」と挨拶した。
医療機関の中には、徘徊(はいかい)や管を抜くなどで他の患者に危害を与えかねない認知症の人を断る所もある。
小川医師は「断らない病院では、尊厳を持って患者さんに対応したいのに方法が分からず、結局、医療職が疲弊してしまう。ユマチュードは医療職の心に響く方法だと思う」と言う。会議後、参加者からは「病院に帰ったら、早速、実践してみたい」と、期待に満ちた声が上がっていた。
  ◇
「同じ目の高さで話す」が最も大切
嫌な相手、関わり合いになりたくない相手と視線を合わせないようにした経験はないだろうか-。ユマニチュードには4つの柱があるが、家庭でもできる3つを示した。
最も大切なのは「見る」こと。相手を威圧する見下ろす視線や、斜めや横からの視線は避け、同じ目の高さで話す。対等な関係を伝えるためだ。認知症の人は視野が狭いため、近づくときは正面から近づき、鼻先20センチくらいの距離から見る。チラッとではなく、「0.4秒以上」(本田医長)見る。
話すときは前向きな言葉を選ぶ。医療機関では「おはようございます。点滴です」より、「おはようございます。良い天気ですね」と話を始めることが推奨される。会話を楽しんでいる雰囲気を伝えるためだ。相手の反応がなくても黙りこまない。2人で体を拭くときは、一人が患者の体を支えて前から向き合い、視線をとらえて話す役になり、もう一人が体を拭く役になる。
立てる人には、歯磨きや清拭の際に立ってもらう。筋力保持のためだけでなく、立つことで視界が開け、より多くの情報が届くという。
産経ニュース 2013年10月24日 原文のまま
参考情報:The concept of humanitude as applied to general nursing care(pdf600K)
編者:このニュース記事を読むまで「ユマニチュード」を全く知らなかった。ネットでのにわか勉強からの理解では、「ユマニチュード」はフランス語humanitudeの音訳で、,ラテン語humani+tudeで英語のhuman+nessとなりhumanityと同義語的で「人間的なこと」「人間らしさ」を意味と理解する。"the totality of the gifts of the evolution of man towards his fellows over generations ever since humanity became conscious of itself and which can continue to enrich our evolution without limit "という定義もあり、進化過程で人に備わった重要な機能として「立つ、触れる、見る 話す」があり、これを満足させる概念と技術として「ユマニチュード」があるようだ。これは子供、高齢者、身体障害者、高齢者、さらに認知症の人に適応できるとされている。フランス語圏で主に医療機関で広がっている手法のようだが、日本では今年になって紹介されたようでNHKでも紹介された。日本でも今のところ医療職の間で広がりつつあるようだ。編者にとって必ずしも新しい考え方と技法とは思えないが、日本で取り入れるについては、これまで我が国に輸入されてきたパーソンセンタードケア、バリデーションなど(国産はセンター方式ぐらいか)との関係、整合性を整理しておく必要があろう。

★「運転免許更新:「認知症疑い」判定増 医療側の態勢に遅れ」(10月22日/毎日新聞)
超高齢社会が進む中、「認知症問題」が交通取り締まりの大きな課題になっている。今年度から免許更新時の認知機能検査の内容が変わり、「認知症疑い」と判定される高齢者の増加が予想されるからだ。認知症が疑われれば、確定診断のために「臨時適性検査」を受けなければならないが、医療側の態勢が整っておらず、各都道府県警は対応を迫られている。
宮崎県えびの市で昨年11月、男児3人をはねて逃走したとされた男(76)が道交法違反(ひき逃げ)容疑などで逮捕された。男は裁判で「認知症のため事故当時は心神耗弱の状態にあった」と主張。しかし宮崎地裁都城支部は「認知症の症状は認められるが、交通ルールや安全確認の必要性の認識などの能力に問題はなかった」などとして懲役1年2月(求刑・懲役2年)の実刑判決を言い渡した。
認知症は認知機能が低下する病気。空間が把握できず、対向車線に出たり、記憶障害で事故を起こしたことさえ忘れ、ひき逃げをしてしまうケースもある。このため、満75歳以上の人は運転免許の更新時に認知機能検査が義務付けられている。
認知症が疑われる「認知機能低下」と判定された上で一時不停止など特定の違反をすると、確定診断のための「臨時適性検査」を受けなければならない。ここで「認知症」と診断されると免許は取り消される。取り消し前に自主返納するケースも多い。えびの市のケースも男が早い段階で「認知症」と診断されていれば、免許を取り消されたり、自主返納したかもしれない。
この制度は2009年6月に導入されたが、今になって警察側が対応を急いでいるのは検査方法が変わったためだ。今年4月と9月の改正で、従来よりも「記憶力重視」へと変更。その結果、「認知機能低下」の判定が増えると見込まれている。
既に九州・沖縄・山口各県警の多くが取材に対し「増えている」と回答し、大分では改正前の2倍に膨らむと予測。熊本では「認知機能低下」とされた人が今年8月には16人だったが、9月は62人(暫定値)。今月は現時点で100人弱という。長崎県警担当者は「高齢者の免許保有率が上がっている背景もある。高齢者が多い郡部では切実な問題だ」と話した。
毎日jp 2013年10月2日 原文のまま

「遺族、来月にも東電提訴 避難中不明女性に「失踪宣告」」(10月17日/福島民報)
東京電力福島第一原発事故に伴い、双葉病院からの避難途中に行方不明になった認知症の女性=当時(88)=に対し、家裁相馬支部は16日までに失踪宣告をして、民法上、女性は死亡扱いとなった。女性の遺族は「死亡は原発事故と因果関係がある」として、11月中にも東電を相手取り約3300万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴する。
同病院からの避難をめぐる提訴は7件目。女性の遺族は昨年11月、同家裁に失踪宣告を申し立てていた。申立書によると、女性は一昨年3月14日午後を最後に行方不明になり、同月15、16の両日に自衛隊が捜索しても発見できず、1年以上が経過したとしている。
同家裁は、女性は重度の認知症で原発事故により全住民が避難した地域を徘徊(はいかい)した結果、死亡したとするのが相当と認定した。
福島民報  2013/10/17  原文のまま

「認知症患者携行ノート、各地で開発 医療と介護の現場情報共有へ」(10月17日/産経新聞
介護疲れの無理心中をなくしたい。そんな思いから、認知症患者の情報を医療と介護の現場で共有するための患者携行ノートが各地で開発されている。家族や医師、介護サービス担当者らがそれぞれの持つ情報を1冊のノートに記入する仕組み。患者の日常生活に医師が目配りしたうえで治療方針を立てるなど適切な医療や介護につながると期待される。(寺田理恵)
◇孤立させない
マスクを着けた小学生と親らで混み合う待合室。どちらが患者か見分けにくい中高年の親子や高齢の夫婦は認知症患者と家族のようだ。神奈川県茅ケ崎市の大木医院。運営する医療法人「寿会」理事長の大木教久医師は「認知症患者には自宅での生活が診察室でそのまま出る人と、よそ行きの姿の人がいる」と指摘する。
診察室ではしっかりしていても自宅では被害妄想や暴言があるなどだ。本人の前で話しづらい家族のため、カウンセリングが必要なケースもあるという。
そんな患者の日常を知る手段として注目されているのが神奈川県の「よりそいノート」。受診記録のほか、患者や家族が経歴、困りごとなどを、ケアマネジャーらが介護サービス利用時の様子を記入する
患者が医療機関やデイサービスなどへ携行。読んだ医師は一人一人の症状に応じた治療ができる可能性がある。薬の変更に伴う症状の変化が分かったり、介護者が脱水症状を疑った場合は血液検査で確認したりといった連携もできる。
大木医師は「生活面と密着した疾患。患者と家族を孤立させないため、みんなで見守る必要がある。無理心中の加害者や被害者を出さないように」と、連携の重要性を強調する。
ノートは県内の医療や介護、家族団体の関係者で構成する県認知症対策推進協議会が作成。県によると、背景には医療と介護の情報共有が難しい実情がある。医師と話し合う機会があまりなく、介護関係者は医療機関を「ハードルが高い」と感じがちという。4月から2万8千部を配布。「患者に応じた服薬指導ができた」と薬剤師が評価するなど好評で、追加の要望を受け年内に4万部を増刷する。
◇家族と考える
こうしたノートは他の地域でも開発されている。広島県は紙のノートと、インターネット上の「ひろしま医療情報ネットワーク」を連動させた地域連携の仕組みの整備を急ぐ。
ネットワークは県と県医師会が運営。病院とかかりつけ医、調剤薬局が電子カルテと服薬情報を共有しており、介護機関の加入に向けて準備を進める。一方、ノートは家族が気づいたことを関係機関で共有するために使う。県内4市で昨年度からモデル事業を実施しており、今年度内をめどに県全域に広げる。
新潟県三条市と市医師会は、早期発見の願いも込めた「認知症予防のためのいきいき手帳」を作成し、6月から4千部を配布した。市担当者は「医療機関の検査で認知症の種類や進行度合いが分かれば行動が予測でき、適切な対処で家族の負担を軽減できる。家族と一緒に考えることで精神的な負担の軽減にもつながる」と話している。
                   ◇
□個人情報共有 普及に課題も
認知症患者が携行するノートは医療と介護の現場での情報共有に期待が高い一方、普及に課題もある。患者の個人情報を取り扱うため、患者や家族の同意が必要となる。このため、医療機関などを通じて配布された部数の全てが使われているわけではない。
また、ノートへの記入は診療報酬対象外のため、医師の理解と協力も欠かせない。
広島県は昨年度のモデル事業で300件の利用実績があるが、神奈川県は活用状況の実態調査に乗り出すため、9月補正予算に50万円を計上したばかり。効果の検証はこれからだ。
産経ニュース 2013年10月17日 原文のまま

「「認知症への理解を」 鳥取・米子で研究集会」(10月13日/共同通信)
認知症の医療や介護などを考える全国研究集会が13日、鳥取県米子市であった。約700人が参加し、本人や家族だけでなく、多くの人に認知症への理解を深めていく必要性を確認した。和やかな雰囲気の中、各地の取り組みが紹介された。
富山県の山本雅英さんは、自らが中心となり運営する認知症の人や家族を対象としたカフェを紹介。本人や家族の仲間づくりの場や、悩みを共有する場として機能し、だんだんと参加者も増えているといい、「全国に認知症カフェを広めるためにも、市町村に積極的に関わってほしい」と訴えた。
47NEWS  2013/10/13  原文のまま
関連情報:認知症の人と家族の会「全国研究集会2013」案内

「人(徳島県関連) 徳島市内に誰もが集えるミックスカフェをオープンさせた「認知症の人と家族の会 徳島県支部」代表世話人大下直樹(おおしたなおき)さん」(10月12日/徳島新聞)
徳島市内に誰もが集えるミックスカフェをオープンさせた「認知症の人と家族の会 徳島県支部」代表世話人大下直樹(おおしたなおき)さん(写真) 「誰もが気軽に集える」というコンセプトに強くこだわった。10月初旬、公益社団法人「認知症の人と家族の会 徳島県支部」が徳島市住吉6の空き家を活用してオープンさせた住民交流の場・ミックスカフェ。その実現に県支部の代表世話人として尽力した。
カフェの利用者は会話や将棋、居眠り、歌など好きなことができる。「極論を言えば何もしなくていい。大切なのは『人のいる所にいる』こと」と言う。
県支部では二十数年前から地域の公共施設や集会所で、会員同士らの集会を開いてきた。しかし、テーブルといすだけが並ぶ殺風景な環境に違和感を感じ、心安らぐアットホームな拠点作りができないかと思案してきた。
「認知症患者やその家族だけでなく、障害のある人、交流の苦手な人、地域の老若男女らが気兼ねせずに集まることができる場所があれば」。6月に会員から空き家利用の話があり、所有者から快諾を得られたことで、夢が実現した。
7歳下の弟に知的障害がある。幼いころから弟の日常生活は施設と自宅の往復だけで、同級生との交流や地域のイベントに参加する機会がなかった。そうした現状を間近で見て「弟に限らず、外の世界に一歩踏み出せる居場所があってほしい」と強く願うようになっていった。
30歳のころから社会福祉士として高齢者や障害者と向き合ってきた。近年は対人関係や発達障害、心の病などを抱える人が増え、多様な相談を日々受けている。「単に支えるだけでなく、社会の一人として何かの役割を作ることが重要。ミックスカフェはその足掛かりになる」
空き家の利用は地域活性化につながる可能性もあり、各地に同様のカフェを増やしていく考えだ。
趣味は美術鑑賞と「人とのつながりを求めて動くこと」。徳島市渋野町日開谷の自宅で妻百合子さん(52)と2人暮らし。52歳。
徳島新聞 2013年10月12日 原文のまま
サイト内関連記事:「悩みも気軽に 民家カフェ 認知症、障害者と家族ら」(2013年10月1日)

「<書式も公開>「認知症ケアパス作成のための手引き」作成―財形福祉協会」(10月10 日/ケアマネジメント)
一般社団法人「財形福祉協会」は、厚生労働省・平成24年度老人保健健康増進等事業「認知症ケアパス作成のための調査研究事業」の資料を公開した。
資料の構成は、約100頁から成る『認知症ケアパス作成のための手引き』、認知症の人に必要なサービスを整備するための気づきシート『気づきシート(PDF版)』・『気づきシート(Excel版)』・『気づきシート・記入例』、認知症の人を支える社会資源の整理シート『社会資源シート(PDF版)』・『社会資源シート(Excel版)』・『社会資源シート・記入例』から成り、「気づきシート」と「社会資源シート」には、それぞれ記入例とPDF版、Excel版が用意されている。
『認知症ケアパス作成のための手引き』はこちら。http://www.zaikei.or.jp/hbdcp.pdf(11.4M)
ケアマネジメントオンラインでは、無料書式にてダウンロードできるようにしたので、活用されたい。【ケアマネジメントオンライン編集部 樋口】
ケアマネジメントオンライン 2013年10月10日 原文のまま
編者:かなりしっかりした「認知症ケアパス」の手引きができたようだ。これをたたき台により実用的な普及版を期待する。それにしても活動実態がよくわからない財形福祉協会がなぜこうした手引きを作成するのかよくわからないし、手引きを読むと厚生労働省の調査研究事業を「ニッセイ基礎研究所」に委託してできたようだ。

★「大塚製薬とルンドベック社で共同開発中アルツハイマー病新規治療薬Lu AE58054の臨床第III相試験を開始」(10月10日/QLifePro)
(ビジネスワイヤ) 大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、CEO:ウルフ・ウインバーグ、以下「ルンドベック社」)は、アルツハイマー病治療薬Lu AE58054の開発において、臨床第III相試験のうち最初のグローバル試験を開始しました。
開発中の化合物であるLu AE58054は、既存のアルツハイマー病治療薬とは異なる作用機序を持つ新規の選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤です。これまでの研究からセロトニン5-HT6受容体は脳内の抑制性神経であるγ-アミノ酪酸(GABA)神経に存在し、神経終末からのGABAの放出を調節しています。一方で、このGABA神経は、アセチルコリン (ACh)やモノアミンの神経系を抑制しています。従って、セロトニン5-HT6受容体を拮抗することでGABAの放出が抑制されると、ACh神経が活性化し、その結果AChの放出が促進されると考えられます。ドネペジル等のアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(AChEIs)は神経終末より放出されたAChの分解を抑制しACh神経伝達を増強しますが、Lu AE58054を併用することで神経終末からのAChの放出も増加し、更にACh神経伝達が増強されると考えられます。 (図右上)
ルンドベック社と大塚製薬は、約3,000人の患者さんの登録を予定した複数の臨床第III相試験を実施します。10~60mgのLu AE58054をドネペジルと併用し、軽症から中等度アルツハイマー病を対象に、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(AChEls)の補助療法としてのLu AE58054の効果を検証します。主要評価項目はADAS-Cogスコアであり、重要な評価項目はADCS-ADL、ADCS-CGICです。最初の臨床試験は米国、カナダ、欧州など17カ国で930名の患者さんの登録を目指し、最長で3年間に渡って実施する予定です。
臨床第II相試験のデータは、2013年7月にアルツハイマー病協会国際会議(AAIC)で発表されました。この試験では、Lu AE58054併用群(ドネペジル1日10mgとLu AE58054 1日90mgとの併用)と、プラセボ群(ドネペジル1日10mgとプラセボ)を24週間にわたる治療期間で比較し、Lu AE58054併用群ではADAS-cogスコアにおいて認知機能を有意に改善することが示されました。また、全般臨床症状や日常生活動作などの副次評価項目についても、Lu AE58054併用群ではプラセボ群と比較して改善する傾向がみられました。
大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のCEO兼社長のウィリアム・H・カーソンは、「アルツハイマー病の認知効果に対するセロトニン5-HT6受容体拮抗作用は有望な仮説であり、臨床第III相試験でより十分に検証していきます」と述べています。 (図右下)
ルンドベック社のエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼研究開発部門長アンダース・ゲーセル・ペデルセンは、「各規制当局との協議を経て、パートナーである大塚製薬と共にこの大規模臨床試験を開始する準備が整いました。アルツハイマー病のよりよい治療薬が切望される中、Lu AE58054はこの深刻な疾患に対する有望な新規治療薬になると考えています」と述べています。
【参考資料】
Lu AE58054について
Lu AE58054は、選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤です。セロトニン5-HT6受容体は、皮質や海馬のような脳の認知機能に関わる領域に発現しており、複数の神経伝達系の活動を調節しています。Lu AE58054は、モデル動物において認知機能を改善させ、またアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジルの海馬機能に対する効果を増強させました。複数の先行試験にて、セロトニン5-HT6受容体拮抗剤がアルツハイマー病のような疾患の治療に有益である可能性を示したことから、ルンドベック社は2009年11月より上記の24週間投与の臨床第II相試験(中等度アルツハイマー病におけるドネペジルとLu AE58054の併用療法)を実施しました。
アルツハイマー病について
アルツハイマー病は、進行性の脳疾患で、脳機能が次第に低下していきます。65~70歳以上の高齢者に一般的にみられる病気です。アルツハイマー病の患者さんは、記憶、思考、機能や行動が悲惨なほど変化して、時間の経過とともに悪化し進展していきます。この変化はだんだんと日常生活に強く影響を与え、1人で生活することができなくなり、最後には生活の全てに介護を要します。アルツハイマー病は、介護者にも大きな影響を与えます。大抵の患者さんは、自宅で介護を家族から受けているのです。家族にとっては、精神的、身体的な負担となっています。
アルツハイマー病は、脳の細胞障害や細胞死と関連しており、明らかに脳の萎縮と神経伝達のアンバランスがおきています。脳細胞が減少するときに、脳内の“プラーク”の蓄積や,“神経原線維変化”と呼ばれる特徴的な病理学的変化が現れます。
世界中に3,600万人の認知症の患者さんがいますが、その内の2,800万人もの患者さんが診断を受けておらず、治療、情報、介護が行き届いていません。毎年、推定で460万人が新しく認知症と診断されています。高齢者の人口割合が増えることで、認知症となる患者数は20年ごとにほぼ2倍にとなり、1億1,500万人にもなる予測となっています。
認知症の最も多い病型はアルツハイマー病で、60~80%の認知症患者がアルツハイマー型です。世界の認知症に関する費用(2010年は6,040億USドル;約60兆円、1ドル100円換算)は、世界全体の国内総生産(GDP)の1%以上となっています。
会社概要
H. ルンドベック A/S (H.Lundbeck A/S)
設立 1915年
代表者 Chief Executive Officer 兼 社長 ウルフ・ウインバーグ
所在地 Ottiliavej 9, DK-2500 Valby, Copenhagen, Denmark
従業員数 約6,000名(連結)
大塚製薬株式会社 (Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.)
設立 1964年8月10日
資本金 200億円
代表者 代表取締役社長 岩本太郎 (いわもと たろう)
本社所在地 〒101-8535 東京都千代田区神田司町2丁目9番地
従 業 員 数 5,652名 (2013年3月31日現在)、世界では約28,000名(非連結を含む)
事 業 内 容 医薬品・臨床検査・医療機器・食料品・化粧品の製造、製造販売、販売、輸出並びに輸入
【ニュースリリース配信システム】
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この件に関するお問い合わせは、下記にお願いします。
大塚製薬株式会社 広報部
TEL:03-6361-7379(直) 
FAX:03-6717-1479
URL:http://www.otsuka.co.jp/
QLifePro 2013年 10月10日 原文のまま
サイト内関連記事:「大塚製薬 アルツハイマー病新規クラス薬の共同開発・販売権を取得」(2013年4月5日)
関連情報:「大塚製薬 ルンドベックのアルツハイマー病ワクチンを共同開発 14年にもP1開始」(2013/12/12 mixonline)
大塚製薬は12月11日、ルンドベック(本社デンマーク)が創製したアルツハイマー型認知症ワクチン「Lu AF20513」について、共同開発の契約を締結したと発表した。アルツハイマー型認知症予備軍である軽度認知障害(MCI)から接種することで、病態の進展抑制が見込まれるという。2014年にもフェーズ1(P1)を開始する。
アルツハイマー病は、脳の機能が次第に低下する進行性の疾患。患者の脳内で、線維状蛋白質のβアミロイドが多量に蓄積していることが報告されている。両社が開発するワクチンは、このβアミロイドに高い親和性を有する複数の抗体を産生させ、免疫反応が高まるように設計されたペプチドワクチン。
Lu AF20513では、他に開発中のワクチンで報告のある急性髄膜脳炎の発生リスクが低下することが期待できるという。両社は14年中にP1を開始するが、詳細な時期や場所は明らかにしていない。大塚製薬はルンドベックに契約一時金として400万ユーロを支払い、ルンドベックがP1の開発経費を負担する。
大塚製薬とルンドベックは、中枢薬事業のグローバルアライアンスを11年に締結しており、アルツハイマー型認知症治療薬としては、このワクチンを含めて3剤の開発を共同で進めることになる。他の2剤は、中等度から重度の行動異常を対象としたD2受容体部分作動薬ブレクスピプラゾール、軽度から中等度を対象としたセロトニン5-HT6受容体拮抗薬の「Lu AE58054」で、ともにP3の段階にある(前者が米国と欧州で実施中、後者はグローバル試験)。なお、いずれも日本での開発については発表されていない。ただ、ブレクスピプラゾールは統合失調症治療薬として開発が行われており、現在P3の段階にある。

★「RUN伴:認知症、走って支援 患者、支援者がたすき 14日に県内通過/奈良」(10月9日/毎日新聞)
認知症の人や家族、支援者がたすきをつないで街頭を走り、認知症に対する理解や支援を呼びかけるイベント「RUN TOMO?RROW2013」(RUN伴(とも))が14日、初めて県内を駆け抜ける。主催するNPO法人「認知症フレンドシップクラブ」の奈良事務局で、奈良市中登美ケ丘1の若年認知症サポートセンター「絆や」代表、若野達也さん(39)に話を聞いた。【香取泰行】
7月25日に北海道を出発し、大阪市中央区の大阪城公園まで約1700キロを走る。1人が走る距離はさまざまで、歩いても構わない。参加者がそろいのTシャツ姿で伴走する。
1年目は函館?札幌間、2年目は北海道から東京までを走り、3回目となる今年、中部、関西地方までコースを伸ばした。先月29日には奈良県のメンバーが愛知県内を走った。
最終日の14日は京都府から奈良県に入り、奈良市の県庁前を経て国道9号を南下し、大阪に抜ける。県内の距離は約23キロで、百数十人が参加予定。当日は県庁前から大和郡山市までを、別のメンバーが同様に走る。
認知症フレンドシップクラブは、2007年設立。RUN伴のほか、認知症の人や家族が安心して利用できる店の輪を広げる「フレンドシップスポット」運動などを展開している。絆やは09年4月に発足し、若年認知症の人たちの交流スペースとして活動している。
RUN伴は参加費3000円(Tシャツ代、保険料込み)。県内を走るメンバーはほぼ決まっているが、1500円でTシャツを購入して応援だけの参加もできる。若野さんは「認知症の方と出会って、何かを感じてほしい。それが第一歩。応援するだけでいいので、参加してほしい」と話している。問い合わせは、絆や(0742・53・8666)。
毎日jp 2013年10月9日 原文のまま
関連情報:RUN伴2013
編者:「認知症フレンドシップクラブ」の趣旨と活動が伝わってこないし、よく知らない。

「認知症医療センター、全都道府県で整備完了- 指定相次ぎ“空白地”解消」(10月3日/ケアマネジメント)
認知症の鑑別診断や専門的な医療相談などを受け付ける「認知症疾患医療センター」の整備が全国で進んでいる。今月1日には、高知県や静岡県などが県内の医療機関を追加指定したほか、これまで未整備だった秋田県も同日、県立リハビリテーション・精神医療センター(大仙市)を指定し、都道府県レベルの“空白地”が解消した。
認知症は、加齢などによって誰でも罹患する可能性のある脳の病気。治療が遅れて症状が進んだ場合、投薬による回復が難しくなるケースもあるため、早期の治療が重要とされている。
厚生労働省は昨年9月に「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を策定。2017年度までに「認知症疾患の早期診断などを行う医療機関を約500か所」とする目標を掲げ、認知症疾患医療センターを含めて二次医療圏に1か所以上整備したい考えだ。
3病院を追加指定した高知県は、県内4つの二次医療圏で整備を完了。また、昨年7月に身体合併症などの救急・急性期医療に対応できる「基幹型」のセンターとして県立中央病院を指定した徳島県も、新たに南部と西部圏域の各1病院を、認知症の専門医療相談や地域連携の中核となる「地域型」として指定した。
初指定の秋田県は、追加指定の必要性などを検討する方針だ。今後、各自治体で「二次医療圏に1か所以上」の達成に向け、認知症疾患医療センターの追加指定の動きが広がりそうだ。【新井哉】
ケアマネジメントオンライン 2013年10月3日 原文のまま
編者:認知症疾患医療センターについては「認知症辞典」を参照されたい。

★「忘れても生きている心/「認知症家族会みやこ」」(9月29日/宮古毎日新聞)
生後、正常に発達したもろもろの精神機能が加齢と共に慢性的に減退、消失することで、日常生活、社会生活が普通に営めなくなることを「認知症」と呼んでいる。近年、若年性認知症は18歳~44歳を若年期と呼び、45歳~64歳を初老期と呼んで年々増える傾向にある。中でも認知症高齢者は全国462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で分かった。原因疾患は、1980年まで脳血管性が最多とされたが、近年の疫学研究では、アルツハイマー病が最も多いとする傾向にある。家族の会や福祉行政では、こうしたことを捉え、おかしいと思ったらいち早く、相談に来てほしいと呼び掛ける。
家族にこうした高齢者などをもつ市民でつくられた認知症家族会みやこ(長浜隆会長)は2011年に結成され、宮古島市地域包括支援センター(来間弘子所長)と連携して活動する。家族が精神的苦痛を一人で抱え込まないために研修会や懇談会を開き、お互いの情報を共有するなどの活動の中から協力者を増やしていきたいとしている。現在、会員は12人、賛助会員は1団体。年間の活動は、毎月の理事会と定例会で決められ、研修会、懇談会、一般周知のためのパンフレット作成、街頭案内、パネル展など。大きな目標は「現認知症家族のサポート」「認知症予防」「若年性認知症の予防」など。9月21日の「アルツハイマーデー」では街頭キャンペーンでパンフレットなどを配布して、市民への周知を図った(写真右上)。事務局=73・3854(竹井)/76・2430(羽地)
市内で診療所を開設する竹井さん(写真右下)が、来院する患者を見ていて、認知症と思われる高齢者が増えてきたと感じ始めたのは5年前から。ところが当時は行政でも地域包括支援センターができたものの、ほとんど機能していなかった。第1回のフォーラムをマティダ市民劇場で開いたのは2008年。ソニーがバックアップして伊良部島、多良間島、三重県、宮古支援団体をITでつなぎ、それぞれの現状を映像で報告しあった。約500人の参加があり、関心の高さを知ることができた。
それから徐々に市民の意識を高め、11年、家族会結成にこぎつけた。現在、かかりつけの病院として県指定のサポート医を務める。市内に2人だけ。「おかしいと思ったら早期に医療機関につなげてほしい。そうすることで課題が見え、次のステップに踏み出せる。特に若年性認知症は進行も早いし、家族の負担が大きくなる」と話し、「認知症ケアウオッチ手帳」や「若年性認知症を支える家族会」の結成など、さまざまな提案を試みている。将来は認知症支援センターの実現に希望を託す。
宮古毎日新聞 2013年9月29日 原文のまま
編者:記事中の認知症や「若年性認知症」の説明が適切ではない。なお沖縄県には全国唯一「認知症の人と家族の会」の支部がない。

「認知症対策 初の省庁連絡会議」(9月26日/NHK)
急速に増え続けている認知症の高齢者が地域で安心して暮らしていけるよう、厚生労働省や消費者庁など11の省庁が連絡会議を作り、26日に初会合を開いて、各省庁が連携して対策を充実させていくことになりました。
認知症の高齢者は厚生労働省の研究班の推計で462万人、65歳以上の高齢者の15%に上り、今後も急速に増加するとみられていて、医療や介護に加え交通や住居の整備など、安心して暮らせる環境をどのように整えるのかが大きな課題になっています。
このため、医療や介護を担当する厚生労働省や、消費者保護を担当する消費者庁など認知症対策に関係する11の省庁が連絡会議を作り、26日に初めての会合を開きました。
この中で、厚生労働省は、ことしから5年間の認知症対策をまとめた計画を紹介し、認知症に詳しい医師や介護スタッフの養成などに取り組んでいることなどを報告しました。
また、消費者庁は、高齢者が消費者被害に巻き込まれるのを防ぐため自治体や警察などと連携した仕組み作りを検討していることを報告したほか、法務省が、認知症の人の代わりに財産の管理を行う成年後見制度の現状を説明しました。
連絡会議では今後、年に数回のペースで会議を開き、認知症対策の進め方や各省庁の連携について議論することにしています。
高齢者はいかいへの取り組み
去年1年間にはいかし行方不明になり、捜索願が出された認知症の人は全国で9376人。
去年、死亡が確認された人は359人に上っており、深刻な問題になっています。
福岡県大牟田市では、10年前に認知症の高齢者がはいかいして行方不明になり死亡したのをきっかけに、行政や公共交通機関、それに市民らによるネットワークを作って、地域ぐるみで捜索する取り組みを全国に先駆けて行っています。
今月22日には認知症の女性が行方不明になったという想定で、訓練が行われました。
訓練では、家族の届けを受けた警察が、行政や公共交通機関など15の団体に行方不明になった人の服装や持ち物などの特徴を一斉にファックスで送信しました。
同じ情報はおよそ4000人の市民にも携帯電話のメールで配信されました。
訓練に参加した人たちは、この情報を基に一斉に該当しそうな高齢者に声を掛けるなどして捜索しました。
大牟田市では、こうした取り組みで去年、行方不明になった認知症の高齢者24人のうち22人を捜し出すことができています。
大牟田市長寿社会推進課の井上泰人課長は、「高齢者が自分の住み慣れた地域で暮らし続けていくために、安心してはいかいができる町にしていきたい」と話しています。
NHKニュース 2013年9月26日 原文のまま
サイト内関連記事:「認知症に優しい街を推進…省庁、総合政策へ連携」(2013年8月27日)

「京都タワー:オレンジ色に染まる 世界アルツハイマーデー」(9月21日/毎日新聞)
京都市下京区の京都タワー(高さ131メートル)が21日夜、オレンジ色にライトアップされた。この日の世界アルツハイマーデーに合わせて、初の取り組み。タワーが認知症支援のシンボルカラーに染まり、古都の夜に浮かび上がった。
公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部・京都市)による啓発活動の一環。タワー下部にある水銀灯50個にオレンジ色の特殊フィルムを張り付け、午後6時半過ぎからタワーを照らすと、帰宅中の市民や観光客らが足を止めて幻想的な光景に見入った。
今年度の世界アルツハイマーデーの標語は「忘れても心は生きてる認知症?『ぼけ』ても安心して暮らせる社会を」。厚生労働省の研究班の推計では、65歳以上の認知症患者は全国で462万人、予備軍も400万人に上る。同会の高見国生代表理事(70)は「認知症の問題をひとごとととらえないよう、広く呼びかけると同時に、介護など福祉に対する行政の取り組みが後退しないように訴えたい」と話した。【今西拓人】
毎日jp 2013年9月21日 原文のまま

「山をおりる:男性介護者が連帯 各地に「つどい」、悩み共有し孤立防ぐ」(9月21日/毎日新聞)
妻や母親、きょうだいなど家族を介護する男性が増えている。孤立しがちな男性介護者を支えようと、悩みを打ち明け情報交換する場を作る取り組みも、各地で広がっている。
川崎市の伊藤金政さん(69)(写真右上)は7年前から、自宅で妻公子さん(66)(写真右上)を介護している。公子さんは足腰も丈夫で元気に見えるが、58歳の時にアルツハイマー型認知症と診断された。着替えや入浴時には介助が必要で、見守りがなければ、家の中のものをあちこちにしまい込んだり、1人で家を出て道に迷ったりすることもある。
以前は、金政さんと一緒にコンビニエンスストアを経営していた。だが、釣り銭を間違えたり、商品を袋に入れ忘れたりして、客の苦情が増え始めた。診断を受けた翌年、金政さんは「自営業をしながら介護は無理」と廃業を決めた。
突然始まった介護の日々。公子さんは常に目が離せず、金政さんは次第に追い詰められていった。しかし、「一生介護で終わるのはつらい」と一念発起し、ヘルパー資格を取得。今は週2回ほど公子さんを近所のデイサービスに預け、重度障害のある人の送迎や買い物などを支援するヘルパーのアルバイトをしている。
金政さんが楽しみにしているのは、毎月開かれる「荒川区男性介護者の会(通称・オヤジの会)」(東京都荒川区)(写真右中)への参加だ。会は、介護経験のある人や介護中の人が集まり、悩みを話したり、介護の知識を学んだりする。夜の定例会では、食事をしながら近況や気持ちを打ち明け合う。金政さんは「社会とつながることで、気持ちに余裕が出始めた。つらいこともあるけど、仕事やオヤジの会があるから続く。介護者だって社会と関わりたい」と話す。
国民生活基礎調査では、男性介護者の割合は2001年の24%から、10年には31%に増えている。就業構造基本調査(12年)によると、介護をしている男性は200万6000人、女性は356万8000人。過去5年間に介護・看護を理由に仕事を辞めた48万7000人の8割は女性だが、男性も増加傾向だ。
男性介護者には、特徴があるという。立命館大の津止(つどめ)正敏教授(写真右下)は「一般的に家事の経験も少なく、自分が介護を担う事態も全く想定していない。地域でのネットワークも少なく、介護を突如担うことになっても介助に戸惑い苦悩を1人で抱え込み、孤立化する傾向がある」と指摘する。
山をおりる:男性介護者が連帯 各地に「つどい」、悩み共有し孤立防ぐ
男性介護者の孤立を防ごうと、「つどい」は各地に広がっている。NPO法人「介護者サポートネットワークセンター アラジン」(同新宿区)は、月1回「母親を介護している男性の会」を開き、毎回10人前後、参加する。カフェ「ケアラーズカフェ&ダイニング アラジン」(同杉並区)でも、親を介護中の男性のつどいを開く。また、練馬区社会福祉協議会(同練馬区)も今年4月、男性介護者のつどいをスタート。NPO法人スマイルウェイ(兵庫県宝塚市)は、民家「ほっこり庵」に介護者が集える場を年中無休で設けたほか、NPO法人「介護コミュニティー・咲咲館(さくさくかん)」(同県西宮市)も、毎週木曜と土曜、交流の場を開く。
男性介護者を「ケアメン」と呼ぶ津止教授は、つどいの意義を「同じ立場の人と交流でき、気兼ねなく感情を吐き出せる場。介護で仕事を辞めるなど、失われた社会との接点を回復し連帯感を実感できる場にもなっている」と話す。誰もが介護の担い手になる可能性がある時代。「働き方や支援を充実させ、介護を社会で包み込むような意識を作っていくことが一層求められています」と話した。【細川貴代】
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◇主な男性介護者の会
▽荒川区男性介護者の会(ホームページ http://www.arakawa-dansei-kaigo.jp/)
▽介護者サポートネットワークセンター アラジン(電話03・5368・1955)
▽ほっこり庵(電話0797・26・7818)
▽咲咲館(電話0798・39・8218)
男性介護者と支援者の全国ネットワーク(電話075・466・3306)全国で活動する男性介護者の会や支援者で構成。11月17日10時半?15時半、京都府立総合社会福祉会館ハートピア京都(京都市中京区)で、「ケアメン★サミットJAPAN」を開催。問い合わせは同ネットワーク内の事務局。
毎日jp  2013年9月21日 原文のまま

「認知症ケアにアロマ 機能改善や興奮抑制に効果」(9月19日/西日本新聞)
アルツハイマー型認知症のケアに、天然の植物から抽出した芳香成分を含むオイルを使ったアロマセラピーの効果が注目されている。アロマセラピーによる病気のケアを研究する昭和大医学部兼任講師の神保太樹さん(写真)は「認知症の人の場合はオイルの香りを嗅いでもらうだけでも症状のケアに効果があります」と話している。
神保さんによると、アロマセラピーは認知機能の衰えなどの中核症状のほか、興奮などの周辺症状のケアにも利用できる。軽度から中度のアルツハイマー病に対しては、嗅覚を刺激することで、脳の海馬などの活性化を促すという。
認知機能の刺激には、集中力を高める効果があるレモンとローズマリーを1対2の比率で混ぜたオイルを使う。ほかに、かんきつ系のオイルが利用できるという。神保さんの研究では、図形認識や道具用途の理解などで認知機能を調べるテストで一定の改善のデータが得られた。
一方、興奮状態になって周囲に暴力を振るったり、徘徊(はいかい)や不眠になったりするといった周辺症状のケアには、ラベンダーオイルのリラクセーション効果を用いる。恒常的に行わず、症状が出たときだけ使う方法もある。
オイルの香りを発生させるディフューザーと呼ばれる機器には、加熱タイプ、超音波タイプなどがあり、安全面などから自然蒸散タイプと呼ばれるものが使いやすいという。
アロマセラピーは自宅でも気軽に楽しめる上、介護施設のレクリエーションなどでも利用できそうだ。神保さんは「家族がケアに当たっている場合は、手の指へのマッサージなども効果的。触れ合うことで介護する側の家族にも満足感が得られます」と話す。
神保さんは注意点として(1)オイルの瓶や機器をのみ込む恐れがあるので、認知症の要介護者の手の届く所に置かない(2)高齢者は皮膚のバリアー機能が弱っており、一部のオイルはアレルギー反応を起こす可能性があるので肌に付いたらすぐ洗い流す(3)香りが合わなくて気分が悪くなったらすぐ換気する(4)アロマオイルで効果があっても、服用している認知症の薬を勝手にやめない‐などを挙げている。
西日本新聞 2013年9月19日 原文のまま
編者:確立された治療法ではないが、少数事例の報告「アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性(pdf140K)」があり、「リ・ブレイン」として商品化されている。

「認知症の知識、県警職員らに伝授 茨城」(9月18日/産経新聞)
認知症に対する正しい知識を身に付け、高齢者の関わる事件・事故対策に生かそうと、県警は17日、本部で職員らを対象にした「認知症サポーター養成講座」を初めて開催した。
県警本部の各課と、県内28署の代表者ら約90人が参加。講師に県認知症介護アドバイザーの高橋克佳氏(写真)を招き、認知症の基礎知識や患者との接し方、警察業務への応用などを学んだ。
高橋氏は、東日本大震災で認知症の高齢者に対応した経験や、認知症と車の運転との関係などについて具体的なエピソードを紹介。「身近な警察官に認知症を正しく理解し、接してもらうことで、本人も家族も助けられる」と呼びかけた。
参加した交通企画課の中崎誠巡査部長は「同じ認知症でも、種類によって症状が違うことが分かった。高齢者向けのセミナーなど、現場対応に生かしたい」と話していた。
産経ニュース 2013年9月18日 原文のまま
編者:出歩く妻の介護で警察にお世話になった。警察のこうした取り組みは貴重だ。

「愛知県支部考案から10年 認知症「家族支援プログラム」」(9月18日/中日新聞)
認知症の人の家族が、認知症のことを詳しく知り、上手なサービスの使い方などを学ぶ「家族支援プログラム」を、認知症の人と家族の会愛知県支部が考案し、十年がたった。同県内を中心に、このプログラムを使った学びが広がっている。知識を得るだけでなく、介護ストレスの緩和にも効果があるという。
「認知症の人を介護する家族が早く、混乱期から抜け出し、自分なりの介護の仕方を見つけてもらいたいとプログラムを作った」と、考案者で県支部代表の尾之内直美さん(写真右下)は説明する。
講座は月一度の六回シリーズ。認知症の初期から中期の人を介護する家族十五~二十人が受講する。
初回は介護者同士が体験を語り合うのに徹し、二回目以降は医師やケアマネジャーなど専門家の話を聞く時間と、介護者同士が交流する時間を設けている。「月一回が負担が少なく、介護でたまった感情を発散するペースとしても最適」と尾之内さん。多くの場合、自治体が主催し、県支部に運営を委託する。
八月、同県豊橋市で開かれた講座の初回は、昼食を挟んで四時間。十五人が介護の悩みを打ち明け合った。
介護でつい手を上げてしまうと自分を責める人や、泣きだす人も。認知症の症状への戸惑いや悲しみ、暴言に対する怒りなど、さまざまなエピソードと感情を参加者は出し合う
緊張感は次第に和らぎ、明るく、和やかな雰囲気になっていく。尾之内さんによると、「参加者はすべて認知症の人を介護している人」との安心感のためという。豊橋市の担当者は「家族の会の運営ノウハウのおかげ」と話す。
感情を吐き出すことで気持ちがすっきりする。他の人の介護経験を聞いて、「苦しいのは私だけでない」と気付き、精神的に追い詰められるのを防ぐ効果もある。専門家から知識を得たり、助言を受けたり、他人の体験談を聞いたりして、その人なりの対処の仕方が身に付くという。
二〇〇七年度のプログラム参加者のうち九十八人を調査したところ、受講を経て、介護される人への敵意が減り、事前の期待以上に心理的な援助が得られたと、受講者が感じていることも分かった。
昨年度までに愛知県内を中心に九十三講座を開き、約千三百人が参加した。本年度は十二講座を開く。同県日進市、小牧市などでは受講者を募集中。実施した多くの自治体で参加者を中心に交流会ができており、介護する人を支える“資源”になっている。
     ◇
市町村が開く講座以外にも、年二回、支部が直接開く講座もある。本年度は後半の講座が、名古屋市西区栄生二の名鉄病院で、十月二十日に始まる。日曜日開催。受講料は無料だが、家族の会への会員登録(年会費五千円)が必要。締め切りは十月六日。定員十五人。申し込みは同支部=電0562(33)7048=へ。(佐橋大)
Chunichi Web  2013年9月16日 原文のまま

★「認知症への理解訴え 家族会、福島駅前で街頭活動」(9月16日/福島民友)
認知症の人と家族の会県支部福島地区会は15日、福島市のJR福島駅東口周辺で、認知症への理解を呼び掛ける街頭活動を繰り広げた。市の共催。
21日の「世界アルツハイマーデー」に合わせたイベントとして行われた。認知症の家族など同じ境遇の人に会の活動を知らせるとともに、市民に認知症への支援などを訴えようと毎年実施している。
同日は同地区会の会員ら約40人が参加。あいにくの雨の中、道行く家族連れらに認知症に関するパンフレットを手渡し、認知症になっても安心して暮らせる社会の実現に向けた協力と理解を呼び掛けた。
minyu-net 2013年9月16日 原文のまま

「県疾患医療センター開設1年 受診少なく、利用呼び掛け」(9月14日/徳島新聞)
徳島県認知症疾患医療センターが2012年7月に県立中央病院(徳島市蔵本町1)の精神神経科内に開設されてから1年間で、認知症の鑑別診断を行ったのは190人にとどまった。県内には3万2千人の認知症患者がいると推計されており、センターは早期発見と早期治療のため、広く利用を呼び掛けている。
センターでは、認知症と疑われる症状があり、診療所や地域包括支援センターから紹介された人を対象に鑑別診断を行っている。1年間の診断結果は、認知症が124人、認知症になる可能性のある軽度認知障害が37人、問題なしは29人だった。
認知症と診断された人のうち65歳未満の若年性は5人。認知症の種類別では、脳細胞の減少や脳の委縮が原因のアルツハイマーが最多の66人、次いで脳血管障害による血管性認知症が24人、種類を特定できない鑑別困難認知症が12人、アルツハイマーと血管性の混合型が10人などとなっている。
センターでは磁気共鳴画像装置(MRI)や脳血流シンチグラフィーを使って原因などを調べ、専門医が患者のかかりつけ医らに治療法を示し、進行抑制につなげている。ただ、診断を受けていない認知症患者が多数いるとみられ、医療・福祉関係者向けの研修会を開くなどして利用を呼び掛ける。
【写真説明】認知症の鑑別診断で使っている脳血流シンチグラフィー(徳島県認知症疾患医療センター提供
徳島新聞Web 2013年9月14日 原文のまま
編者:何を根拠に少ないと判断しているのか。予算上の予定受診者数なのか。センターの受診者数はこの程度のものかもしれない。

「石巻に「包括ケア拠点」オープン 宮城」(9月13日/産経新聞)
□被災地発「国のモデルケースに」
東日本大震災後の仮設住宅への避難生活長期化で、地域コミュニティーの希薄化が指摘される中、石巻市に8月、「包括ケアセンター」がオープンした。担当者やボランティア、地域住民が共同して医療・福祉・介護を包括して支援する拠点となる。被災地での健康不安や高齢化加速などを抱える中、石巻市による支え合いの取り組みは、国が進める「地域包括ケア」の“未来予想図”でもある。(大泉晋之助)
       ◇
センターが開設されたのは石巻市中心部の北にある開成仮設住宅。同市によると、センターが担当する開成・南境地区の仮設住宅には現在も、約2千戸、4千人以上の被災者が身を寄せている。被災地最大の仮設地区で、住民の約3割は65歳以上という。
センター長には市立病院開成仮診療所長の長純一医師(写真)が就任し、看護師ら2人が常駐。社会福祉士や保健師ら臨時スタッフを合わせた計7人態勢で稼働している。センターでは避難長期化による健康不安や鬱病、アルコール依存など精神的な問題も含め、市社会福祉協議会の訪問支援員やケアマネジャー、訪問ボランティアや仮設内の自治会と共同して情報を収集。会議を定期的に行い、対応していく。
市介護保険課は「震災を通して地域コミュニティーによる支え合いの重要性が改めてクローズアップされながら、避難生活によってコミュニティーが崩壊するという皮肉な現状がある。健康問題を通して支え合いの仕組みを作り、コミュニティーの再構築ができれば復興もスピードアップできる」と指摘する。
被災地では、仕事を求めて地元を離れる被災者がいる一方、定住を望む高齢者もおり、震災後に地域の高齢化がさらに進んだとされる。同課は「仮設住宅は、団塊の世代の高齢化で高齢者社会に拍車がかかる近い将来の日本の縮図。被災地発で国のモデルになれば」と説明する。市は今年度中に開成地区でのケースを取りまとめ、市内全体に地域包括ケアの手法を広げる方針だ。
ただ、国としても取り組みが始まったばかりの地域包括ケアは課題も多い。その中でも担当者を最も悩ますのが、健康情報の共有をどのような形で行うかだ。
地域の病院には診察時の住民のカルテがあるが、その内容を共有しても、「ボランティアら医療の専門家ではない関係者もいるため意味がない。誰にでも理解できる平易な内容に作り替える必要がある」(同課)という。
さらに、個人情報保護も重視しなければならず、担当者にとっても「有用な情報の共有と管理体制の充実のバランスが難しい」と頭の痛いところだ。
同課は今後、関係者や国とも協議を重ねながら情報共有の手法を模索。タブレット端末などから閲覧できる仕組みも視野に入れている。
産経ニュース 2013年9月13日 原文のまま

「認知症対応 医療と介護タッグ 宇治・洛南病院にチーム 京都」(9月12日/産経新聞)
□府内初の試み 初期段階から適切にケア
宇治市は同市にある府立洛南病院などと合同で、初期の認知症患者に医療と介護の両面から積極的に対応する認知症初期集中支援チームを府内で初めて設置した。すでに、精神科病棟から特別養護老人ホームに患者を移すといった成果が出始めている。
認知症患者は65歳以上人口の15%に上るとみられ、積極的な対応が待ったなしの状態にある。65際以上人口4万人の宇治市の場合、患者は推計で6千人。従来は家族からの相談を待って対応し、医療職と介護職の情報交換もほとんどなかった。
精神科病棟に入院していた男性患者について、初期集中支援チームで入院の必要がないと判断し、特養に入所するケースなども出始めているという。
初期の認知症患者の情報は、同市内に8カ所ある地域包括支援センターが家族や近隣住民、民生委員らから集約。
社会福祉士や医師ら専門職数人のチームが自宅を訪問して状況を把握し、訪問看護や通院、デイサービスやグループホームといった対応を決める。
洛南病院の森俊夫医師(写真)は「医療と介護は別の文化なので、認知症患者への対応も別々だった。医療と介護の専門職がチームになることで、最適の対応ができる」と話している。(飯塚隆志)
産経ニュース 2013年9月12日 原文のまま
編者:精神科病院が中心となる活動でよろしいか?

★「エーザイ  横浜市と、認知症に優しいまちづくり協定を締結」(9月10日/QLifePro)
旭区とは2010年に協定締結
エーザイ株式会社は8月29日、横浜市と「認知症を地域で支えるまちづくり連携協定」を締結したことを発表した。
エーザイは2008年より、病気になっても安心して暮らすことのできる「まちづくり」活動を推進してきている。2010年3月にはこの活動の一環として、横浜市のなかでも高齢化がもっとも進んでいる旭区と「認知症をみんなで支えるまちづくり協定」を締結していた。
今回の協定締結は、これまでの旭区での取り組みを他の地域にまで拡大させるもの。認知症サポーター養成講座を通じた疾患啓発や、行政・医療・介護関係者等の多職種による医療・介護ネットワークの創出、認知症をみんなで考えるまちづくり懇談会への支援などを行うという。
今後の展開に期待
エーザイはこの取り組みについて
今後も「まちづくり」活動を積極的に展開し、医療・介護の専門家や行政・自治体、そして地域の住民の方々が連携し、病気の早期診断や治療へのアクセスが十分に確保され、病気になっても安心して暮らし続けることができる「まち」の実現をめざしてまいります。(エーザイ株式会社 ニュースリリースより引用)
と述べている。今後の「まちづくり」活動の展開が期待される。(小林 周)
▽外部リンク
エーザイ株式会社 ニュースリリース
http://www.eisai.co.jp/news/news201349.html
QLifeProニュース 2013年9月10日 原文のまま
編者:アルツハイマー病薬を持つ大手製薬会社と公的な横浜市との認知症に向けたコラボはよく理解できない。外国での例も知らない。

「医療と介護の現場情報共有 認知症患者に共通手帳 広島」(9月10日/産経新聞)
□今年度末めどに全域で作成
認知症の高齢者の対応をめぐり、医療と介護の現場で情報が共有されにくい現状から、県は今年度末をめどに、県内全域で患者ごとの手帳を作成し、医師と介護士との情報共有化を促進する。手帳には、患者の治療方針や服薬情報、日常生活の様子などに関する情報を網羅し、効果的な治療や介護ができると期待される。両現場の共通手帳を作るのは中国地方では初めて。
作成を目指すのは「みんなの連携ノート」。医師は治療・服薬情報を、介護士は食事や睡眠、精神状況などを記入する。
現状では情報を共有する制度がないため、同じ高齢の認知症患者に接していながら、主治医や介護士が互いに名前を知らず、投薬の影響で体調に変化があっても、介護士は認知症の症状と認識することがある。また、医師は介護士が感じる患者の日々の体調変化を知らないまま診察する-といったケースもあるという。
県は総合的な認知症対策推進のため、平成19年度から「認知症地域支援体制推進会議」を発足。昨年度から広島市(一部)、大竹、三原、呉の4市をモデルに、地域ごとに作成した連携手帳を配布してきた。
併せて医療関係者間で進んでいるインターネットによる電子カルテ、服薬情報の共有化「ひろしま医療情報ネットワーク」(HMネット)の利用の一部を介護士にも広げる。
8月に県庁で開かれた「認知症地域支援体制推進会議」では、県精神科病院協会会長や安芸高田市長、弁護士から、県が試作した手帳について、「介護関係者は担当者の入れ替わりが激しい。きちんと書いてもらえるのか」「書く内容が多すぎ。医者が書くか」といった課題を挙げる声や、「高齢者虐待の権利擁護にも情報を使えるようにしてほしい」などの意見が出ていた。
県は11月にも再度会議を開き、モデル地域での実施結果を検証し、今年度末までに「みんなの連携ノート」の作成を目指す。
産経ニュース 2013年9月10日 原文のまま

「<認知症家族会>「世界アルツハイマーデー」記念講演会を開催」(9月6日/ケアマネジメントオンライン)
公益社団法人認知症の人と家族の会は、9月21日の「世界アルツハイマーデー」を記念し、講演会や啓発活動を行う。
「世界アルツハイマーデー」は、国際アルツハイマー病協会(ADI)が認知症への理解をすすめ、本人や家族への施策の充実を目的に1994年に制定。昨年からは9月を「世界アルツハイマー月間」とし、世界各国で啓発活動を行っている。
認知症の人と家族の会では、例年に引き続き、全国各地で啓発活動・講演を実施。9月21日夜は、JR京都駅前の京都タワーを認知症支援のシンボルカラーのオレンジ色にライトアップし、認知症への理解を訴える。
講演会は本部主催の他、全国の支部でも9・10月に行われる。
本部主催の「記念講演会in京都」「記念講演会in東京」のスケジュールは以下の通り。
【記念講演会in京都】
□テーマ:462万人時代・これからの認知症ケア
認知症高齢者462万人、軽度認知障害者400万人といわれる時代の認知症ケアを考える。
□日時:9月28日(土)13:00~16時30分(12時30分開場)
□場所:龍谷大学アバンティ響都ホール(京都市南区東九条西山王町31 アバンティ9階)
JR京都駅八条口地下通路を南へ 
□内容:
講演「“もの忘れ”再考~生活障害からみた本人支援・家族支援~」
講師:谷向 知氏(愛媛大学大学院医学系研究科精神神経科学準教授)(写真右上) 
シンポジウム「認知症カフェ、デイサービス、つどいその効果と限界、そして連携のために」
出演:
鈴木和代氏 課題提示(認知症カフェ調査責任者、「家族の会」理事)
瓦葺美和氏 認知症カフェ(カフェdeおれんじサロン)
橋本光仁氏 デイサービス(デイサービスセンターくりくま)
徳廣三木子 つどい(「家族の会」京都府支部副代表)
森俊夫氏 医師(府立洛南病院・認知症疾患医療センター)
進行:髙見国生 (「家族の会」代表理事)
□参加費:1,000円(税込 会員500円)
□定員:350名
□申し込み
認知症の人と家族の会HPの<世界アルツハイマーデー記念講演会2013専用ページより申込む
締め切り:9月17日(火) 定員になり次第締め切り
□主催:公益社団法人認知症の人と家族の会
〒602-8143 京都市上京区堀川通丸太町下る 京都社会福祉会館2階
Eメール office@alzheimer.or.jp TEL075-811-8195 FAX075-811-8188
【記念講演会in東京】
□テーマ:認知症ケアの倫理~「本人が決めること」と「家族が決めること」について考えみよう
□日時:9月29日(日)13:00~15:30(12:30開場)
□場所:新宿区立四谷区民ホール(新宿区内藤町87番地)
   東京メトロ・丸の内線「新宿御苑駅」徒歩5分
□講師:箕岡真子氏(東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野客員研究員、内科医師)(写真右下)
□料金:無料
□定員:450名(申込不要、 当日直接会場へ)
□問い合わせ:認知症の人と家族の会東京都支部事務所
火・金 10:00~15:00
TEL/FAX 03-5367-8853
◎認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/
ケアマネジメントオンライン 2013年9月6日 原文のまま

★「家族向けの認知症介護相談を30年間続けている 五島 シズさん 犬蔵在住 85歳」(9月6日/タウンニュース」
諦めない心を伝えていく
○…認知症ケアの草分け的存在として知られている。キャリアは62年に及び、30年前から始めた家族向けの認知症介護相談は3万件を超えた。大学病院や認知症専門病院、介護施設、インターネット上でも認知症介護の相談を受けている。「あっという間の30年間だった」と振り返る。「困っている人を見ると放っておけない。人との関わりが好きなのね」
○…1928年、栃木県に生まれた。小さな頃から国のために尽くしたいと思い、従軍看護師を目指し看護学校に入学したが終戦を迎えた。卒業後は日赤医療センターで27年働いたのち、聖マリアンナ医科大学病院へ精神科病棟婦長として転職した。1989年に退職後は横浜市総合保健医療センター看護部長や東横恵愛病院参事を務めた。現在は講演活動やボランティアなど多方面で活躍している。「スタッフに恵まれ、辛いと思ったことはなかった」
○…医学的に認知症を痴呆と呼んでいた時代、認知症は歳をとれば発症し、仕方のないことと思われていた。しかし、聖マリ医大精神科の長谷川和夫教授と出会うことで考えは一変した。患者や家族に対してもっと何かできるのではないかと考え、現代では当たり前となった認知症者への訓練法をいち早く取り入れた。家族に対しても「家族が柔軟に変わること」をポイントにアドバイスしてきた。
○…認知症という名前がついてからはオープンなイメージになり受診や相談をする人が増えたという。相談に訪れる家族には「認知症の人をコントロールしようとするのではなく諦めずに一緒の立場で考えたり話かけたりすることが大切」と話す。現在、犬蔵でひとり暮らし。勤務先まで1時間かけて歩くことも。仕事のスケジュールはびっしり。空いた時間はボランティアや趣味でこちらもいっぱい。「動くことが好きなのね。若手育成、患者のためにも、自分が学んできたことを伝えていく」とほほ笑んだ。
タウンニュース 2013年9月6日 原文のまま
編者:親しくしてもらった思い出がある。

「「認知症カフェ」同じ悩み抱える人集う 本人も家族も気分転換」(9月5日/東京新聞)
認知症の人や家族が集まって悩みを相談したり、介護の情報を得たりする「認知症カフェ」が、広がっている。公益社団法人「認知症の人と家族の会」によると、ここ数年で急増しているといい、国も家族支援の一つとして推進している。 (佐橋大)
八月中旬、東京都目黒区、東急東横線祐天寺駅近くの住宅街。目黒認知症家族会「たけのこ」世話人、竹内弘道さん宅の二階を改装した喫茶スペースに、男女十五人が集まった。たけのこが七月から月二回ペースで開く認知症カフェ「Dカフェ・ラミヨ」だ。DカフェのDは、認知症を表す英語「Dementia」の頭文字で、「誰でもOK」の「D」でもある。
コーヒー代三百円で認知症の人や家族に限らず、介護を終えた人や介護職、医療職、認知症を知りたい人など誰でも参加できる。「認知症を自身の問題として考える人が増えれば、認知症の人が地域で暮らし続けられる」と竹内さん。ここでは介護する側、される側でなく、一人の人として参加し、認知症の人もできる範囲で役割を果たす。
この日は猛暑で認知症の人は来なかったが、前回の七月下旬には二人が参加。普段家で介護されるときとは違った生き生きした表情に、一緒に来た家族も驚いたという。若年認知症の夫(63)を介護する女性も「夫の気分転換になりそう。デイサービスと違い、夫婦で参加できるのもいい」と話した。
この日は認知症の人の家族がリハビリなどの情報交換をしたり、昔の写真を見て脳を活性化する回想法の話題で盛り上がったり。「必ずしも認知症にとらわれず、いろいろな地域の課題を語り合う場になれば」と竹内さん。来年度からは、区内の別の場所でもカフェを開く計画だ。
     ◇
認知症の人と家族の会が昨年度、二十八カ所の認知症カフェを調査した。家族会、地域住民が集う場それぞれの発展型や、高齢者施設併設型などがある。基本的に有料で茶菓を提供し、来場者はお茶を飲みながら会話する。食事を出したり、認知症の人が接客したり、専門職が介護などの相談に乗るケースも。NPO法人、社会福祉法人、家族の会、市町村など、運営主体は多様だ。
「認知症の人が社会とつながり、やりがいを感じることで笑顔になり、生き生きと過ごせる場」「認知症の人と地域住民が交流する場」などの自己評価が寄せられた。調査対象の大半が運営資金に困っていた。
厚生労働省は本年度からの「認知症施策推進五か年計画」で認知症カフェの普及・推進を掲げ、計画推進の予算約三億円の一部で、カフェ運営を支援する。
◇福井や愛知にも
認知症カフェでは、新たな動きもある。
福井市のJR福井駅前の複合施設アオッサでは、世界アルツハイマーデーの二十一日、認知症カフェ「トマリギ」が開かれる。認知症の啓発に取り組む看護師、里裕一さんが代表のNPO法人「福井キャラバンメイト」などの運営で、定期開催を目指す。認知症の人と家族の会愛知県支部は、同県東海市でカフェを十月から開く。介護者の息抜き、相談の場があると同時に、誰もが集える場にしたいという。
Tokyo Web  2013年9月5日 原文のまま

「原発事故関連死(36)命の重さ 慰謝料 遺族の嘆き 「責任を認めて」 弔慰金は葬儀費に」(9月4日/福島民報)
南相馬市小高区の農業遠藤充人(みつひと)さん(75)が東京電力福島第一原発事故に伴い、市北部の鹿島区にある西町公園仮設住宅に移り住んで2年が過ぎた。自宅は東日本大震災の津波で被災し、原発事故によって避難指示解除準備区域になった。「戻るつもりはない」。事故から半年後の避難中に命を落とした母キヨエさん=当時(93)=の遺影に手を合わせ、つぶやいた。
震災関連死に認定され、市から災害弔慰金250万円を受け取った。度重なる長距離避難で体調を悪化させた母の死に対し支払われた東電からの賠償はいまだにない。「避難が死期を早めたのは明らか。母の無念を晴らすためにも原発事故が原因だと認めてほしい」
今年2月、遠藤さんは政府の原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てた。東電に対し死亡慰謝料など計約3300万円の損害賠償を支払うよう求めた。死因と原発事故との因果関係-。立証できるかが賠償の成否を左右する。
キヨエさんは震災当時、同市小高区の特別養護老人ホームに入所していた。施設は自宅から車で5分もかからない場所にあり、頻繁に様子を見に行くことができた。認知症はあったものの、健康だった。
入所者は震災当日、近くの多目的集会所に避難した。翌日に同市鹿島区の特別養護老人ホームに移った。全員分のベッドを置く場所がなく、冷たいコンクリートの通路に毛布を敷いて体を休める日が1週間ほど続いた。
その後、入所者はマイクロバスで約10時間ほどかけて横浜市の介護施設に避難した。さらに、事故から13日後の3月24日には、再び十数時間かけ山形市の託老所に移動した。
キヨエさんは到着する直前に肺炎を患い、山形市内の病院に入院した。病床の母を見舞った遠藤さんに医師は告げた。「治る見込みがない。死をただ待つしかない」。診断書には「原発事故に伴い、長距離の避難を強いられたため身体に大きな負担がかかり、肺炎を発症した」とあった。
入院できる期間が限られているため、キヨエさんは5月下旬に入院先を山形県西川町の病院に変えた。その後も病状は改善せず、自宅から約110キロ離れた見知らぬ地で息を引き取った。
遠藤さんは母の死後間もなく南相馬市へ災害弔慰金を申請した。約1週間後に市の窓口で手渡された茶封筒には、250万円が入っていた。キヨエさんの葬儀に220万円が必要だった。「葬式費用として弔慰金は支給されるんだ」。漠然と考えていた。
キヨエさんの死亡診断書には「老衰」と死因が記入された。遠藤さんは当時、異を唱えなかった。慰謝料はいずれ支払われると思い込んでいた。だが、ADRの申立人となった今、死因が老衰である限り、東電が原発事故との因果関係を否定する可能性もあると感じている。それでも担当弁護士は、キヨエさんの死が人災とされる事故に起因しているとし、東電の責任を問えると助言してくれた。
「なぜ老衰の診断書に納得してしまったのか...」。因果関係の立証という壁を前に、遠藤さんは切ない思いでADRの行方を見守る。
  ×   ×
原発事故から2年5カ月余を経ても、避難生活の終わりは見えない。古里を追われ、命を落とす「原発事故関連死」が増え続けている。無念の死に対する損害賠償を東電に求める動きも出てきた。原発事故と死の因果関係の立証や賠償額、消滅時効などの課題が浮かび上がる。
□弔慰金制度の限界指摘 法律家 因果関係見極め難しく 
原発事故関連死をめぐっては、市町村が震災関連死と認定した場合、法に基づき遺族に弔慰金を支払う制度がある。金額は「世帯の生計維持者の死亡」は500万円、「その他」は250万円で、被災した遺族の生活再建にも重要な役割を果たしている。ただ、原発事故の発生から時間が過ぎるとともに、死因と原発事故との因果関係の見極めは困難さを増している。法律の専門家からは、支払われる金額の妥当性などの観点から、原発事故に特化した制度づくりを求める声が出ている。
一方、遺族は死亡慰謝料などを東京電力に損害賠償として請求することができる。民事訴訟や政府の原子力損害賠償紛争解決センターに申し立てる手段があるが、弔慰金制度と同様、因果関係などの課題が生じている。
福島民報 2013/09/04  原文のまま

「認知症の高齢者宅訪ね指導」(9月3日/中國新聞)
宇部市は2日、市職員の作業療法士らでつくる「認知症初期集中支援チーム」が認知症やその疑いのある高齢者宅を訪れ、適切な医療や介護サービスを助言する事業を始めた。介護サービスを利用せず重症化するケースが多いため。厚生労働省のモデル事業で、中国地方では同市と新見市が実施する。
チームは市職員の作業療法士1人と認知症地域支援推進員2人の計3人で構成。介護保険サービスなどを受けていない高齢者宅を訪ね、医師と相談して適切なサービスなどをアドバイスする。
市によると、認知症などの症状が出ても介護認定や介護サービスを受けない高齢者も少なくなく、症状が進んで施設入所や入院が必要になって初めて問題が表面化するケースも目立つという。事業は来年3月までで、事業費約440万円は国が負担。50件を支援する計画で現在、訪問先の選定を進めている。
厚労省が本年度から始めた「認知症施策推進5か年計画」の事業で、全国では14市町が採択された。宇部市高齢者総合支援課は「認知症の初期段階から関わり、在宅での安心、安全な暮らしにつなげたい」としている。
中國新聞 2013年9月3日 原文のまま
サイト内関連記事:「苫小牧に道内初の認知症初期集中支援チーム発足へ」(2013年8月14日)
関連資料:「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」(pdf 400K)
編者:厚生労働省が構想する「認知症初期集中支援チーム」が新たに動き出したか、どれだけの効果があるか見守りたいが、「ないよりあった方がよい」という程度にならないか。
関連記事:「宇部市が「認知症初期集中支援チーム」設置」(9月4日/宇部日報)
宇部市は「認知症初期集中支援チーム」を今月から市役所内に設置した。適切な医療や介護サービスを受けていない認知症状のある人、その世帯などを早期に訪問して、状況を確認後、医師を含むチーム員会議で支援方針を決定。早い段階で医療機関への受診などを促し、早め早めの活動により認知症の人の在宅中心でのケアの実現につなげる。
認知症の人ができる限り住み慣れた地域で暮らせるよう、症状の進行、悪化を防ぐ早期の診断・対応に向けた支援体制の構築を目指す国のモデル事業。全国で14市町にチームが設置された。市では2009年度から県内のトップを切って認知症地域支援推進員を本庁内に配置するなど、認知症対策に力を入れており、事業実施を希望し、中国地方で唯一、選ばれた。事業期間は来年3月まで。
チームスタッフは作業療法士1人、認知症地域支援推進員2人の3人。認知症、もしくは症状が疑われる40歳以上の在宅生活者で継続的な医療サービス、適切な介護サービスに結び付いていない人、その世帯などを抽出して訪問し、認知症状、日常生活の動作、家族の介護負担度などを確認。この後、県立こころの医療センターの専門医を交えたチーム員会議でその人に合った支援方針を決め、再度訪問し、病院への受診や介護サービス利用の勧奨、誘導などを行う。
訪問活動の期間は9月から11月までの3カ月間で、チームでは助言・指導により医療、介護サービスまで結び付ける目標を50件に掲げている。スタッフ3人は「ハードルは高いが、目標達成に向け努力したい」と、いずれも意気込んでいる。
市高齢者総合支援課によると、国の65歳以上の認知症有病率は15%で、この割合を市に当てはめると約7000人が推定されるという。
認知症に関する相談、問い合わせは同課(電話34―8303)へ。
宇部日報 2013年9月 4日 原文のまま

「認知症、高齢者の1割超す 山梨」(9月1日/産経新聞)
県内の65歳以上の高齢者人口のうち、介護が必要な認知症の高齢者が初めて1割を超えたことが、県の平成25年度高齢者福祉基礎調査結果から明らかになった。
それによると、高齢者人口の総数は昨年度より7058人増えて22万1823人。このうち、認知症高齢者は2万3352人に上り、全体の10・5%を占めた。調査方法が24年から変更されたものの、認知症高齢者の割合が1割を超えたのは昭和48年の調査開始以来、初めてとなった。
県全体の高齢化率は25・7%(前年比1・0ポイント増)で、全国平均より1・0ポイント高くなっている。高齢化率を市町村別でみると、最も高いのが早川町の49・8%、反対に最も低いのが忍野村の15・7%だった。
産経ニュース 2013年9月1日 原文のまま
関連資料:「平成25年度基礎調査概要」(PDF:384KB)
編者注:山梨県の認知症者の把握は「介護保険認定審査資料による。認知症高齢者及び若年性認知症者とは、「認知症高齢者の日常生活自立度」がⅡ以上の者を指す」による。

「認知症対策の充実呼び掛け 「家族の会」代表が岡山で講演」(8月31日/山陽新聞)
世界アルツハイマーデー(21日)を前に「認知症の人と家族の会」岡山県支部は31日、岡山市北区南方のきらめきプラザで講演会を開いた。京都市に本部を置く同会の高見国生代表理事(70)がさらなる認知症対策の充実を訴えた。
約110人が聴講。高見代表理事は認知症の母を介護していた20代のころを振り返り、「当時、行政や医療の支援がほとんどなかった」と指摘。1980年に会を立ち上げたことで「認知症患者は家族だけでは支えられないとの理解が進んだ」と説明した。
会の活動に呼応するように国の支援も進み、介護保険導入(2000年)後、各種サービスが充実したことを評価。一方で、軽度の人を介護保険から切り離す議論が起こっている点について「認知症は初期、軽度の対応が不十分だと、症状が急速に悪化しかねない。適切な介護を受けられるよう国に働き掛けていこう」と呼び掛けた。
山陽新聞WebNews 2013/8/31 原文のまま
関連情報:「世界アルツハイマー月間 2013 全国で街頭行動や記念講演会 認知症の人と家族の会」

「波紋呼ぶ賠償命令 認知症男性はねられJR遅延」(8月29日/中日新聞)
事故に至るまでの経緯
認知症の男性が電車にはねられたのは見守りを怠ったからだとして、電車の遅延の賠償金約七百二十万円を遺族からJR東海に支払うように命じた判決が、名古屋地裁であった。判決は「認知症の人の閉じ込めにつながる」と波紋を広げている。遺族は控訴した。
判決によると、二〇〇七年十二月、愛知県大府市の男性(91)=当時=は、同居で要介護1の妻(85)=同=がまどろむ間に外出。同市の東海道線共和駅で線路に入り、電車にはねられ死亡した。
男性は〇〇年、認知症状が出始めた。要介護度は年々上がり、常に介護が必要な状態となり、〇七年二月から要介護4に。事故当時、週六日デイサービスを使い、妻と、介護のため横浜市から近所に転居した長男の嫁の介護も受けていた。
遺族側は、事故は予見できなかったと主張したが、判決は、医師の診断書などから男性の徘徊(はいかい)は予見できたとした上で、介護体制などを決めた横浜市の長男を「事実上の監督者」と認定。男性の要介護度が上がったのに、家に併設する事務所出入り口のセンサー付きチャイムの電源を入れるなどの対策をせず、妻も目を離すなど注意義務を怠った結果、男性が第三者に与えた損害は償うべきだとして、JRの求める全額の支払いを二人に命じた。遺族の代理人やJRによると、認知症の人による列車事故の損害賠償請求訴訟の前例は把握していないという。
◇男性の移動経路は不明
賠償を命じられた遺族の長男は「常に一瞬の隙もなく見守るなんてことは不可能。家族でやれることはすべてやってきた」と主張。代理人の浅岡輝彦弁護士は「判決が認められれば、徘徊歴のある高齢者の家族は、すべて事故時に責任を負わされるおそれがあり、介護が立ちゆかなくなる。JRは線路への侵入防止対策を十分にとらないまま、遺族にだけ賠償請求するのはおかしい」と指摘する。
一方、JRは「男性の介護の体制を取り決めた家族に監護、監督責任があると考え、支払いをお願いしたが、応じていただけなかった。熟慮した結果、公正な判断を仰ごうと提訴した」と説明し、判決は「主張が認められた」と評価。線路への侵入防止などの安全対策については、「法律上求められている安全義務はすべて果たしている」と主張する。
遺族側は、金を持たない男性が大府駅の改札を通り、隣の共和駅に移動したとして、JRの管理の落ち度を指摘。しかし、男性が家から事故現場に行った経路は分かっておらず、判決はJRの過失はないとした。
東海地方の鉄道各社によると、同様の事故で損害が出た場合は原則、損害額を請求。認知症を理由に、請求額を減らすことはないという。
◇閉じ込めにつながる 社会的支援の視点欠落
判決は、認知症の人の在宅介護の在り方に影響すると、注目を集めている。社会学者の上野千鶴子さん(写真右上)は「判決は、認知症の人は拘禁状態下に置けと言っているのと同じ。高齢者介護の全責任が家族にあるという考え方そのものが問題だ」と指摘する。
「介護に深く関わった家族に責任を求める判決で、いっそ認知症の人に関わらない方がよいという考えを家族が持つのでは。介護事業所も責任を問われるのを避けるため、認知症の人を外に出られないようにしたり、受け入れを拒んだりといったことが広がりかねない」と影響を心配する。
医療や介護の関係者も「介護する家族に厳しい判決」とみる。認知症の人と家族の会愛知県支部の尾之内直美代表(写真右中)は、判決の求めるような常に男性を見守るヘルパーの配置は今の制度ではできないとし、85歳で要介護1の妻の責任を全面的に求めたことに驚いた。
北九州市で訪問診療をする医師長崎修二さん(写真右下)は「老老介護に対する社会的支援の視点の欠落」を感じた。一般論とした上で「85歳の妻が90代の認知症の夫を介護する負担は大きい」と指摘。「介護する家族の大変さに目を向け、認知症の人の見守りは社会全体ですべきだ」と語る。(佐橋大、山本真嗣)
Chunichi Web 2013年8月29日 原文のまま
サイト内関連記事:「認知症男性、線路に入り死亡 電車遅れで遺族に損賠命令」(2013年 8月10日)
編者:先の記事で「妥当なのだろう」と編者は考えたが、再考を要するようだ。
関連記事:「鉄道事故判決に疑問あり!認知症患者の「監視責任」を家族に押しつけるのは過酷すぎる」( 2013年8月29日/弁護士ドットコム)
「認知症患者を24時間監視しろということか」「拘束しなければ無理では?」――。認知症の男性がはねられて死亡した鉄道事故について、遺族に賠償を命じる判決が下されたが、ネットでは裁判所の判断に疑問の声が上がっている。
問題となっているのは、8月9日に名古屋地裁が出した判決だ。報道によると、2007年12月、当時91歳だった認知症の男性が、愛知県大府市のJR共和駅の線路に入り、電車にはねられて死亡した。この事故で列車が遅れたことについて、JR東海が遺族に損害賠償を求める裁判を起こしたのだ。
名古屋地裁は判決で、同居していた妻(当時85歳)には見守りを怠った過失があると認定。別居していた長男も「事実上の監督者」にあたるとして、請求全額の約720万円を支払うよう命じた。男性は「常に介護が必要」とされる「認知症高齢者自立度4」と診断されていたという。
この判決に対して、ネット上では「あまりにもひどい判決」「裁判所の言う通りにしようとするとベッドに縛りつけるしかないのでは?」と疑問視する声が出ている。だが事故によって、鉄道会社の運行に支障が生じているのも事実だ。名古屋地裁の判決をどう見たらいいのか。星正秀弁護士(写真)に聞いた。
○85歳の妻に「見守り義務」を認めるのは、過酷すぎる
「報道されている内容だけでは分かりませんが、おそらくこの認知症の男性は、民法713条によって不法行為責任を負わないとされている『責任無能力者』だったと思われます」
星弁護士はこのように指摘する。もしそうだとすると、どうなるのか。
「そのような場合、成年後見人などがいれば、成年後見人などが認知症の男性に代わって不法行為責任を負います(民法714条)。しかし本件では、成年後見人などがいなかったものと思われます。そのため、判決では、高齢の妻と、別居して遠方で生活している息子に、認知症の男性を見守る義務があったと認定し、二人に不法行為責任を認めたのでしょう」
では、高齢の妻に賠償責任があるとした名古屋地裁の判決は、妥当といえるのだろうか。
「85歳の妻に、91歳の認知症の夫の見守り義務を認定することは、過酷すぎると思います。このような高齢の夫婦が二人きりで生活している場合には、公的な支援が必要だったといえるでしょう」
○家族に「見守り責任」を押しつけるだけでは解決しない
別居している息子の責任については、どうか。
「別居している息子にまで見守る義務を認めるのは、行きすぎだと思います。判決の意図は、『高齢の両親をほっておいてけしからん』というような考えにあるのかもしれません。しかし、核家族化が進んだ現代において、子どもにそこまでの責任を問うのは行きすぎでしょう」
このように見解を述べたうえで、星弁護士は「今後も似たような事件が起こると考えられますが、家族に『見守り責任』を押しつけるだけでは、問題が解決しないでしょう」と指摘している。
今後、ますます高齢化が進む日本の社会。そこでは、誰もがこの家族のように、鉄道事故の当事者になる可能性がある。認知症の人を抱えた家族にだけ責任を押しつけるのではなく、社会全体でこのような事故のリスクを負担していくべきではないだろうか。
関連記事:「特集ワイド:認知症事故と損害賠償/上 介護現場に衝撃の判決」(10月16日/毎日新聞)
◇認知症老人が列車にはねられ死亡→地裁が遺族に720万円支払い命令
◇「行動を一瞬も目を離さず監視することなど不可能」…遺族から怒りの声
「ある判決」が介護の現場に衝撃を広げている。91歳(当時)の認知症の男性が線路内に入り、列車にはねられて死亡した事故。裁判所は遺族に対し「注意義務を怠った」として、鉄道会社に720万円を支払うよう命じた。認知症の老人は閉じ込めておけというのか??介護関係者からはそんな怒りの声すら聞こえてくる。【浦松丈二】
JR東海から遺族が突然、手紙を受け取ったのは事故から半年後だった。<平成19年(2007年)12月7日に東海道線共和駅内(愛知県大府市)に人が入り、快速列車に衝撃し列車が遅れるという事故が発生しました。本件により弊社に別紙の通り損害が発生しております>。列車遅延による損害賠償の協議申し入れだった。
別紙には「損害額一覧表」として、事故に対応した職員の人件費、他社に振り替えた運賃、払戻金など720万円の内訳21項目が列挙されていた。受け取った横浜市在住の長男(63)は「正直、驚きました」と振り返る。
事故当時、男性は要介護4。介護なしでは日常生活が困難だったため、85歳(当時)の妻と、介護のために横浜市から近所に移り住んだ長男の妻が世話していた。男性が自宅を出たのは長男の妻が玄関を片付けに行き、そばにいた妻がまどろんだ一瞬のことだった。
「手紙が届いた後、JRの要請で、かかりつけ医師の診断書と『認知症があり線路上に出たと考えられる』と認定した警察の死体検案書を送りました。重い認知症だった父に責任能力がないことはJRも分かってくれると思っていた。ところが、専門医の診断書ではないから疑いがあるなどと言ってきた」と長男。事故から1年後、JRから内容証明郵便で正式な賠償請求が届き、その後、裁判所を通じて不動産の仮差し押さえを申し立ててきた。こうした対応に「父の墓前に線香の一本でも上げてくれていたら……父をはねて殺しておいて」と怒りがこみ上げてきた。
JRはどのような基準で列車事故の損害賠償を請求しているのか。JR東海広報部は「責任の所在や事実関係を十分に調査の上、原因となった方や遺族に、車両の修理実費、特急料金の払い戻し、他社への振り替え輸送の費用や人件費の増加分など、明確に因果関係が説明できるものだけ請求しています」と回答する。
しかし、JRは「要介護認定4であっても病状を示すものではない」などと、責任能力があったと主張して提訴した。JR東海広報部は「損害の処理について繰り返し遺族の方に協議を申し入れたものの、残念ながら理解いただけず、熟慮を重ねた結果、裁判所の公平公正な判断に委ねることとした」とコメントする。
提訴から3年半。名古屋地裁(上田哲裁判長)が今年8月に出した判決は、男性の認知症は重く、事故当時の責任能力はなかったとJRの主張を退けた。ところが、その一方で、介護していた妻に「まどろんで目をつむり、夫から目を離していた」と過失による賠償責任を認めた。長男については「法定監督義務者や代理監督者に準ずる」と位置付け、民間施設やホームヘルパーを利用しなかったと指摘して賠償を命じた。
長男は「父親は住み慣れた自宅で生き生きと暮らしていた。行動を一瞬も目を離さずに監視することなど不可能。こんな判決が確定したら、子どもが親の面倒を見られなくなる。介護を頑張った者ほど責任が重くなるのは理不尽です」と訴える。遺族は高裁に控訴。今でも父親を在宅で介護して良かったと思っている。
認知症の人と家族の会(本部・京都市)の高見国生代表理事は「こんな判決を出されたら家族はたまったものではない。認知症の人はどこかに行きたい、ここを出たいと思い立ったら必死に出て行く。家族がどれほど注意していても徘徊(はいかい)は起きてしまう。家族の責任を問うべきではない。何らかの公的補償制度を検討すべきです」と訴える。
そもそも事故は防げなかったのか。現場の共和駅。駅員は日中2人、早朝と深夜は1人だ。高さ1・1メートルのホームの先端から線路に下りる階段があった。判決後、階段の柵は施錠されているが、事故当時は施錠されておらず、簡単に線路に下りられた。
遺族代理人の畑井研吾弁護士は「男性の自宅周辺には踏切など線路に入る場所はなく、柵を乗り越えて線路に入る体力もなかった。男性は現金を持っていなかったため、自宅前の大府駅の改札をすり抜けて列車に乗り、隣の共和駅で降り、ホーム先端の階段から線路に下りたとしか考えられない」と話す。この場合、駅員に遭遇するのは大府駅の改札1カ所だけだ。
大府駅改札で駅員に勤務態勢を尋ねた。「たまたま今は2人ですが、通常1人です。もうかつかつですよ」と苦笑した。改札は自動だが、切符売り場が併設され、駅員は横目で改札を監視しながら切符を売っていた。これでは人がすり抜けないか常に監視することは不可能だろう。大府駅と共和駅のホームには監視カメラが設置されていたが、駅員は常駐していなかった。
判決は男性がどのように事故現場の線路に入ったかは「不明」として判断を避ける。JR東海広報部は事故後の原因調査について「名古屋高裁に係属中であり、コメントは差し控えさせていただきます」としている。原因不明では再発防止策もおぼつかない。事故から9カ月後には、大府駅の隣の逢妻駅(愛知県刈谷市)でも認知症の女性(当時83歳)が列車にはねられて死亡した。
大府駅前の商店主(72)は介護される男性の姿をよく覚えていた。「よく若嫁さん(長男の妻)がおじいちゃんとおばあちゃんの手を引いて、ゆっくりゆっくり散歩していました。私も認知症になったら住み慣れた家で子どもたちに面倒をみてもらいたい。そう思わせてくれた人が事故で亡くなって本当に残念です」
認知症はひとごとではない。厚生労働省研究班(代表者・朝田隆筑波大教授)の調査によると、65歳以上の高齢者のうち認知症の人は推計15%で、昨年時点で約462万人に上る。認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の高齢者も推計400万人。65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍なのだ。社会全体が自らの将来として認知症とその介護を考える時期を迎えている。
      ◇
あすは専門家の意見を紹介します。
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◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279
(毎日jp 2013年10月16日 原文のまま)
関連記事:「特集ワイド:認知症事故と損害賠償/下 在宅ケアの流れに逆行、鉄道会社の責務、厳密な見守り義務ない」(10月17日/毎日新聞)
認知症の高齢者が線路内に入り、列車にはねられて死亡した徘徊(はいかい)事故。遺族に厳格な見守り義務を認め、賠償金支払いを命じた今年8月の名古屋地裁判決をどう考えればいいのか。介護、運輸安全対策、法律の専門家に問題点や課題を聞いた。【浦松丈二】
<事故・裁判の概要>
2007年12月7日、愛知県大府(おおぶ)市のJR共和駅構内の線路上で、重い認知症の男性(当時91歳)が列車にはねられて死亡した。JR東海は男性を在宅介護していた遺族に対し、列車遅延による損害賠償720万円を請求。名古屋地裁は8月に「注意義務を怠った」として遺族に全額賠償を命じた。遺族は控訴した。
◇判決は在宅ケアの流れに逆行 東洋大准教授・柴田範子さん(写真右上)
判決は「民間のホームヘルパーを依頼したりするなど、父親を在宅介護していく上で支障がないような対策を具体的にとることも考えられた」として、家族の過失を認定した。だが判決の事実認定をみると、長男の妻がわざわざ介護のために転居するなど家族は献身的に介護しており、一時的に目を離したことを過失とされたのでは、在宅介護が成り立たなくなる。
認知症の人が外に出るのは何かをしたいからで、本人の気持ちが背景にある。このため、どれほど家族が注意しても徘徊は起きる。私たちが運営する施設に通う70代の認知症女性も現金を持たずにJR川崎駅の改札をすり抜け、立川駅まで行ってしまったことがある。この時は女性が間違えて息子の靴を履いていたため、駅員が認知症を疑って声をかけてくれた。徘徊は認知症の特性であり、地域全体で見守っていくしかない。
厚生労働省は今年度から「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」をスタートさせた。病院や施設中心の認知症ケアを、できる限り住み慣れた地域で暮らし続けられるように在宅介護にシフトさせる内容だ。その柱の一つ、認知症の人と家族を支援する「認知症サポーター」養成講座の受講者はすでに400万人を超え、全国レベルの取り組みが始まっている。
ところが今回の判決は、地域で認知症の人と家族を見守っていこうという時代の流れに逆行するものだ。男性の外出を検知する玄関センサーをたまたま切っていたことや、男性の妻(当時85歳)が短時間まどろんだことなどから、見守りを怠ったと判断したことは大変な誤りだ。
公共性の高いJR各社や裁判所などの公的機関は認知症の特性をよく理解して対応してもらいたい。徘徊を前提とした見守りができるよう、超小型の全地球測位システム(GPS)の開発なども求められている。
◇事故防止は鉄道会社の責務だ 関西大教授・安部誠治さん(写真右中)
認知症の男性をはねたJR東海について、判決は「線路上を常に職員が監視することや、人が線路に至ることができないように侵入防止措置をあまねく講じておくことなどを求めることは不可能」として、注意義務違反を認めなかった。しかし、ただ免責するだけでは事故の教訓は生かされない。ホームや踏切など施設の安全性を向上させていく鉄道会社の社会的責任を指摘すべきだった。
JR東海は決して余力がない赤字企業ではない。旧国鉄から東海道新幹線という「ドル箱」を引き継ぎ、巨額を投じてリニア中央新幹線を建設しようとする超優良企業だ。収益の一部を既存路線の安全性向上に投じ、施設改善を図る十分な財務基盤がある。JR西日本は05年の福知山線の脱線事故の後、ATS(自動列車停止装置)を大量に導入している。
事故現場の駅は、ホームから簡単に線路に下りられる構造だったという。同じような構造の駅は多数あり、それだけで過失だとまでは言えない。しかし、JR東海に認知症の人が時に予測不能な行動を取り、線路に入ってしまうという認識があれば、重い認知症の人の遺族に損害賠償訴訟を起こすという対応はなかったのではないか。
JR東海は、事故の直接的な責任者を追及していく旧国鉄時代からの「責任事故」という考え方に縛られているようだ。線路上に本来いないはずの人がいたために事故が起きた。その人は認知症で責任を問えない。ならば見守りを怠った家族の責任だ、と人的ミスを次々に追及する論理だ。
人的ミスは根絶できない。だから人的ミスを追及していくだけでは事故はなくならない。認知症の高齢者が急増しているという背景にこそ目を向けるべきだ。認知症の高齢者の事故をどう防ぐかは、安全性向上を責務とする鉄道各社共通の課題だ。事故原因を人的ミスだけに帰し、責任者を追及するだけでは社会的責任を果たしたことにならない。
◇家族に厳密な見守り義務ない 早稲田大教授・田山輝明さん(写真右下)
この判決の影響は極めて深刻だ。判決によると、認知症の親を積極的に介護した者は重い責任を負うことになる。これでは誰も介護できない。
まず第一に、判決は、死亡した認知症の男性の子どものうち長男だけを「法定監督義務者や代理監督者に準ずる者」として、親を監督する義務を負わせた。「法定監督義務者」とは例えば未成年の子どもに対する親権者だ。また「代理監督者」は子どもを預かった保育園の保育士さんに相当する。
しかし、高齢の親に対し、非常に厳密な見守り義務や介護の義務を家族に負わせる法律は日本にはない。従って今回のケースでは、認知症男性の法定監督義務者は存在せず、当然、その代理もいないと判断するのが妥当だ。確かに、兄弟姉妹や直系血族は互いに扶養義務を負ってはいるが、可能な範囲で経済的な支援をすればいいことになっている。認知症の父親を24時間、厳密に監督して、その行動に全責任を負う義務も「準じた義務」もなく、判決の論理は法律上、無理がある。
第二に、判決は認知症の男性が財産の管理能力を失っていたことから「本来は成年後見の手続きが取られてしかるべきであった」と指摘した。だが成年後見人になることは義務ではない。成年後見人にならない選択も許されると理解すべきだ。
判決に従えば、成年後見人を引き受けた場合、被後見人に対して厳密な見守り義務を負うことになる。認知症の高齢者は今後急増が予想され、精神障害者や多重債務者の一部にも成年後見人の制度は必要なのに、このような判決がまかり通れば、成年後見人のなり手がいなくなり、制度の存続すら危ぶまれる。
成年後見人には被後見人の財産管理と適切な見守りをお願いすべきだ。被後見人により第三者が被害に遭った場合のために、保険会社が徘徊事故についての損害保険を開発したり、限定的な公的補償制度も検討すべきだろう。
□人物略歴
◇しばた・のりこ
1949年生まれ。介護サービスの特定非営利活動法人「楽」理事長。著書に「介護職のためのきちんとした言葉のかけ方・話の聞き方」など。
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□人物略歴
◇あべ・せいじ
1952年生まれ。NPO・鉄道安全推進会議副会長。公益事業学会前会長。著書に「鉄道事故の再発防止を求めて」など。
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□人物略歴
◇たやま・てるあき
1944年生まれ。東京・多摩南部、杉並区の成年後見センター理事長。早稲田大学前副総長。著書に「成年後見読本」など。
(毎日jp 2013年10月17日 原文のまま)

「武田薬、糖尿病薬でアルツハイマー抑制効果を検証する臨床試験開始」(8月28日/日刊工業新聞)
武田薬品工業は27日、糖尿病治療薬「アクトス」(一般名ピオグリタゾン)の低容量処方についてアルツハイマー病(AD)の発症抑制効果があるか検証する国際共同第3相臨床試験を始めたと発表した。高齢者5800人が参加する。糖尿病市場で年間3962億円を売り上げ、特許が切れた「アクトス」がAD市場で返り咲くか注目される。
臨床試験ではADの発症リスクを測るバイオマーカーの妥当性とピオグリタゾンの予防効果の二つを評価する。アポリポたんぱく質Eと米ジンファンデル(ノースカロライナ州)から導入したTOMM40という遺伝子をバイオマーカーとし、軽度の認知機能障害が発症するリスクを評価できるか検証する。両バイオマーカーからリスクが高いとされた高齢者をピオグリタゾンと偽薬の投与群に割り振り、同剤の予防効果を検証する。
410人に軽度の認知機能障害が確認されるまで調査し続けるため、試験期間を5年間と見込んだ。
日刊工業新聞 2013年8月28日 原文のまま
関連情報:AD-4833/TOMM40の臨床第3相試験開始について(武田薬品工業 ニュースリリース 2013年8月27日)
武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とZinfandel Pharmaceuticals, Inc.(所在地:米国ノースカロライナ州ダーラム、以下「ジンファンデル社」)は、このたび、AD-4833(一般名:ピオグリタゾン)/TOMM40について、臨床第3相試験(TOMMORROW試験)を開始しましたのでお知らせします。
本試験では、認知機能が正常な高齢者を対象に、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害の5年以内の発症リスクを予見するバイオマーカーを用いた評価手法を検証するとともに、同評価手法により発症リスクが高いと診断された高齢者において、低用量AD-4833の投与による同疾患の発症遅延効果を評価します。
これまで、バイオマーカーであるアポリポタンパク質E*の遺伝子多型と年齢はアルツハイマー病の発症リスクを示唆する指標とされてきましたが、これらにTOMM40遺伝子を加えることで、発症リスクの予見精度を高めることができると考えられています。
* アポリポタンパク質は血清中に存在する脂質・タンパク質複合体のタンパク質部分の総称。アポリポタンパク質Eは,脂質代謝やコレステロール代謝の調節に重要な役割を果たしており、アポリポタンパク質E遺伝子の多型であるε4対立遺伝子は高齢発症アルツハイマー病のリスク因子であるとされている。
認知症患者の数は世界で3,560万人に達しており、アルツハイマー病の罹患率は世界的な人口高齢化に伴い増加しています。これまでの試験成績から、軽度認知機能障害を有する人については、アルツハイマー病あるいは他の認知症を発症するリスクが高まり、発症率は年間約15%であることが示唆されています。
ジンファンデル社のCEOであるAllen Roses医師は、「アルツハイマー病の進展抑制に向けて、様々な手法が研究されてきましたが、未だ成功していないため、TOMMORROW試験は重要であると考えています。さらなる研究を進め、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害の発症リスクが予見できるよう取り組んでまいります」と述べています。
武田薬品の中枢神経系疾患領域の開発リーダーであるStephen Brannan医師は、「これまでの研究から、AD-4833が属するPPAR-γアゴニストは、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害の症状進展を遅らせることが示唆されています。TOMMORROW試験は、症状を示していない患者さんを対象に実施することから、画期的な取り組みです」と述べています。
<TOMMORROW試験について>
デザイン
国際多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、平行群間比較試験
対象
認知機能が正常な高齢者(年齢:65~83歳) 約5,800例
・ TOMM40遺伝子型、アポリポタンパク質E遺伝子型および年齢で構成されるアルゴリズムを使用し、5年以内にアルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害を発症するリスクの高い高齢者を特定。
・ 低リスクの高齢者にはプラセボを投与。
対象施設
50施設
期間 約5年(高リスクの高齢者群において、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害が410例確認されるまで)
目的および主要評価項目
【主目的】
・ アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害の5年以内の発症リスクを予見するバイオマーカーを用いた評価手法を検証
(主要評価項目) 高リスクの高齢者におけるプラセボ投与群と低リスクの高齢者で、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害を発症するまでの時間
・ 上記評価手法により、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害を発症するリスクが高いと判定された高齢者において、低用量AD-4833の投与による同疾患の発症遅延効果をプラセボ対照で評価
(主要評価項目) 高リスクの高齢者におけるAD-4833投与群とプラセボ投与群で、アルツハイマー病に起因する軽度認知機能障害を発症するまでの時間
【副次目的】
・ 認知機能低下の進行に対する低用量AD-4833の効果をプラセボ対照で検証
・ 身体機能の低下および日常生活動作に対する低用量AD-4833の効果をプラセボ対照で検証
以上
<ジンファンデルについて>
ジンファンデル社は、ノースカロライナ州ダーラム市に本社を置く非上場会社です。薬理遺伝学を活用しアルツハイマー病のリスク予見精度を高めることで、効果的な治療法の開発に取り組んでいます。


関連記事:「認知症対策拡充へ11府省庁が連絡会議 課題多様化で」(8月27日/日本経済新聞)
田村憲久厚生労働相は27日の閣議後の記者会見で、今後急増すると見込まれる高齢者の認知症対策を充実させるため、内閣府など11府省庁でつくる連絡会議を設置すると発表した。9月下旬に初会合を開き、意見交換を始める。認知症を支える社会づくりには厚労省の取り組みだけでは限界があり、関係省庁が連携して、対策を進める必要があると判断した。
認知症を巡っては、厚労省が主に治療や予防、介護などの対策を講じてきた。しかし、悪徳商法への対応、交通事故の防止、買い物支援、子供たちへの教育など幅広い分野で課題が山積している。田村厚労相は「長寿化社会の中で大きな問題。認知症になっても安心して暮らせる社会を整えていきたい」と述べた。
厚労省研究班の調査によると、65歳以上の高齢者のうち、認知症の人は2012年時点で約462万人。認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人と推計されている。
日経電子版 2013年8月27日 原文のまま

★「【石川】日常生活お変わりないですか 76歳対象 もの忘れ健診」(8月22日/中日新聞)
市が開始 調査票に記入、提出
認知症の早期発見と早期治療のため、金沢市は、市内の七十六歳約四千二百人を対象に「もの忘れ健康診査」を始めた。手洗いや洗顔、日用品の買い物ができるかなどを書面で問い、医療機関で診断してもらう仕組みで、市では受診を呼び掛けている。(出来田敬司)
本年度一般会計と介護予算費特別会計の当初予算に六百二十五万円を計上。高齢者の認知症の増加を受けて、県内の市町で初めてもの忘れを対象にした健診に乗り出した。
この健診は、血圧測定や尿検査、血液検査などを診る「特定健康診査」と同時に市内の医療機関で実施。自分で公共料金の支払いや食事の用意ができるかなど二十五項目を、事前に郵送された調査票に記入し、医療機関に提出する。
調査票の内容は県医師会臨床検査センター(金沢市)で診断。認知症の疑いがある場合は、再検査や専門医による精密検査など経て、認知症かどうかを判断する。調査票の診断と再検査に自己負担はないが、精密検査には受診費用がかかる。
厚生労働省研究班の調査によると、認知症の人は二〇一二年現在、六十五歳以上の高齢者の15%で、全国に四百六十二万人いると推計されている。
市健康総務課の担当者は「認知症は気付かないうちにかかっていることが多い。早く発見し治療すれば進行を遅らせることができる。多くの該当者に受診してほしい」と話している。受診は十月末まで。
ChunichiWeb  2013年8月22日 原文のまま
関連情報:金沢市もの忘れ健康診査(金沢市医師会)
編者:早期発見の調査票は確立されたものはない、また76歳に限定する理由はなになのか金沢市の認知症健診の狙いや根拠が曖昧だ。

「<家族会の歩み>『歩み続けて30年~認知症てれほん相談~』発行」(8月21日/ケアマネジメント)
認知症の人と家族の会 東京都支部は、1982年から開設している「認知症てれほん相談」に寄せられた、多くの電話相談事例とデータをまとめた記録集『歩み続けて30年~認知症てれほん相談~』を発行した。
支部代表の大野教子氏によると、30年前は世の中に認知症(当時は「痴呆症」)についての理解がほとんどなく、相談する場所もない状態だったという。孤立していくばかりの介護者や認知症の人本人の心の拠りどころとなったのが「認知症てれほん相談」だった。
開設当初から、相談員は支部の在宅介護経験者に限られていたという。しかし、時代の流れで家族形態が変化し、様々な立場の人からの電話が増えたため、相談員もそれぞれの立場で介護経験がある人が相談員となるようになった。
相談内容は、周囲の無理解や本人との葛藤など、30年前とほとんど変わらないそうだが、独身の子どもや男性介護者、若年認知症の人の増加など、大きな変化もあるという。
同書は、介護者がどんな悩みに直面するのかを知る手がかりにもなり、介護中の家族はもちろん、介護職に就く人にとっても参考になる一冊だ。
希望者には、800円(送料込)で郵送する。申込方法は下記の通り。
□書名:『歩み続けて30年~認知症てれほん相談~』
□目次:
1.はじめに
2.相談の事例
3.データにみる30年間の推移(1982年度~2011年度)
4.資料集
おわりに
□著者:認知症の人と家族の会 東京都支部編
□定価: 800円(税込)
□仕様: A4/162ページ
□申込方法:見本のPDF(http://aaj-tokyo.txt-nifty.com/blog/files/30_.pdf)よりFAX申込用紙をダウンロードし、冊数・名前・住所・電話番号を記入の上、同事務所までFAX(03-5367-8853)送信。またはハガキでも申込可。
□申込先:認知症の人と家族の会 東京都支部
〒160-0003 東京都新宿区本塩町8-2住友生命四谷ビル
◎認知症の人と家族の会 東京都支部
http://aaj-tokyo.txt-nifty.com/blog/
ケアマネジメントオンライン 2013年8月21日 原文のまま
編者:認知症の人と家族の会東京都支部は全国で最も早く電話相談に開設した老舗的存在。

「杉並区が「認知症コーディネーター」を配置 東京」(8月16日/産経新聞)
東京都杉並区は、認知症高齢者に対する地域での見守りを強化していくため、「認知症コーディネーター」を2人配置した。都が開始した認知症早期発見・早期診断推進事業の一環。困難事例への対応を進めていくほか、地域での見守り機運の醸成などにも努める。
「ごみ屋敷」や徘徊(はいかい)、火の不始末など、認知症高齢者が地域的な問題を引き起こす例や、認知症と気付かないで家族によって虐待される例などが全国的に問題になっている。区は、保健師2人を新たに認知症コーディネーターに任命し、こうした事例への早急な対処を進める。
また、認知症高齢者を早急に特定して適切にケアするには、地域での見守りが必要。このため、コーディネーターは診断シート利用の啓発も図るなどして、住民による緩やかな見守り態勢の強化を図る。
同時に、民間企業にも見守りを委託し、早期発見や、孤立死などの未然防止に努める。ヤマト運輸(中央区)とは、日常の宅配業務を生かして異変に気づいた場合に通報するなどの具体的な見守りに関する覚書を交わし、8月から見守りをスタート。さらに10月からは、高齢者の利用が増えている宅配弁当の事業者にも、有料で見守り業務を委託する。
産経ニュース 2013年8月16日 原文のまま

★「川崎市で認知症男性を捜索開始30分で発見した警察犬表彰」(8月16日/FNN)
神奈川・川崎市で、認知症により自宅がわからなくなった80歳の男性を、捜索開始からおよそ30分で無事発見した警察犬が表彰された。
表彰されたのは、8歳の警察犬「ヴァ―ラ号」と3歳の「バリー号」で、2頭には、1kgのビーフジャーキーが贈呈された。
2頭は8月13日夜、川崎市で認知症の80歳の男性が自宅からいなくなったとの通報を受けた警察署からの要請を受け、出動し、男性が着ていたシャツのにおいをもとに、捜索を始めた。
警察犬のヴァ―ラ号は、捜索開始からおよそ30分後、強い反応を示し、その直後に、警察官がふらふらと歩く男性を発見したという。
男性は、30分後に無事発見され、かなり汗はかいていたものの、けがなどはなかったという。
神奈川県内では、2013年に入ってから、行方不明者の捜索に警察犬が300回以上出動しているという。
(FNN 08/16/2013 原文のまま)

★「認知症高齢者の行方不明届160人 昨年の県内」(8月16日/熊本日日新聞)
県内で2012年の1年間に出された行方不明者届(捜索願)のうち、認知症とみられる65歳以上の高齢者らが160人に上り、うち11人は死亡した状態で発見されていたことが16日、県警生活安全企画課への取材で分かった。同課は「行方不明者のうち十数人に1人が亡くなった計算。早期の届け出や発見に協力してほしい」と話している。
高齢化に伴う認知症への社会的関心の高まりを受け、警察庁は昨年から調査を開始。12年の認知症の行方不明者届は、全国で9607人に上った。
同課のまとめによると、12年の県内での高齢者の行方不明者は278人。親族らへの聞き取りで160人を認知症(疑いを含む)と判断した。このうち若年性認知症とみられる人も8人いた。行方不明者は、亡くなった人も含め全員見つかっている。
亡くなっていた人の中には、近くの海や用水路に転落しているところを発見されたケースなどがあった。近所への早めの情報提供や、地域で見守る体制があれば、助かっていた可能性もあるとみられる。
県警は11年から、高齢者らの行方不明情報をメールで知らせる「シルバー見守りネット」を開始。届け出のあった高齢者の住所や服装、年齢、髪形などの情報を計97件発信した。ただ配信の登録者数は2244人(8月1日時点)と伸び悩んでいる。同ネットを通じて発見に至ったケースもまだない。
同課は「メール配信の登録のほか、各自治体などの捜索ネットワークも活用してほしい」と呼び掛けている。
 県警のメール配信への登録は、携帯電話でnet110@ansin.police.pref.kumamoto.jpへ空メールを送信。登録申請用メールが届く。(井上直樹)
くまにちコム 2013年8月16日 原文のまま
関連情報:熊本県警の「シルバー見守りネットについて」
編者:認知症の人の行方不明の実態が県単位で明らかになってきた。平均するとおおよそ2日に1件の行方不明が発生し、全員見つかっているが、約10人に1人が死亡発見。「シルバー見守りネット」の効果は出ていないとのこと。このネットが意味がないわけではないが、市町村レベルの取り組み、さらには家族レベルでの方法の工夫などいくつかを組み合わせる必要がある。

★「認知症カフェ丹波に誕生 京丹波のNPOが運営」(8月15日/京都新聞)
介護事業などを担うNPO法人「クローバー・サービス」(京都府京丹波町橋爪)は、事務所近くの空き家を利用し、丹波地域では初となる認知症カフェ「クローバー・カフェ」を開設した。地域に広く開いてさまざまな人が交流することで、認知症の初期症状に対する気付きや相談などを進め、支援活動に結びつけることを狙う。
認知症カフェは、認知症初期の患者や家族が集い、相談や情報交換できる場として、全国で設置が進んでいる。丹波地域は認知症の専門医が常駐せず、治療に関して空白地帯となっていることから、早期に病状を把握し、相談につなげるために開設した。
行政の助成も受け、カフェは町瑞穂支所前の空き家を借りて開いた。木造2階建ての1階2部屋を利用し、くつろいで話せる場所を提供。8~9月中は府の「高齢者涼やかスポット」にも登録し、高齢者の涼みの場としても開放している。
カフェは患者や家族に限定せず、地域のコミュニティーに開く方針。NPO法人の荒牧敦子理事長(72)は「誰でも利用できる場にすることで、人の目を気にせずに訪れ、本人も気付かない症状を把握できれば」と話す。
さらに、「地域の寄り合い所として気軽に立ち寄ってほしい。いろいろな人が出入りすることは、まち全体の活気にもなるはず」と、地域活性化にも期待する。
お盆の16日までは連日開所。通常は毎週月曜の午前10時~午後3時まで。9月第4週は月-金曜まで開く。
京都新聞  2013年8月15日 原文のまま

★「苫小牧に道内初の認知症初期集中支援チーム発足へ」(8月14日/苫小牧民報)
苫小牧市は、精神科医や作業療法士など専門家による「認知症初期集中支援チーム」を9月に立ち上げる。道内初の試みで、認知症と疑われる人の家庭を訪問し、本人や家族が適切な支援を受けられるよう調整役を担う。早期対応で症状の進行を遅らせたり、病気によるトラブルの回避につながることも期待され、認知症患者が増える超高齢社会をにらんだ取り組みとして注目されそうだ。
厚生労働省は2015年度以降にチーム制度化の検討を進めることを、今年度策定の「認知症施策推進5カ年計画」(オレンジプラン)に明記。これを踏まえ、今年度は全国14自治体でモデル事業を展開する。
背景には、認知症の診断を受けるタイミングが、徘徊(はいかい)など症状の進行した段階になることが多いという実態がある。患者本人が診療を拒んだり、家族が身内の認知症を周囲に知られたくないといった事情もあるからで、初期段階での適切な支援の必要性が高まっている。
さらに国は認知症ケアを在宅中心に転換する方針も掲げており、支援チームの早期対応を定着させることで病院やグループホームが抱える入院、入所待機問題の解消にもつなげたい考えだ。
訪問対象は原則、医療・介護サービスを受けていない40歳以上の在宅生活者。家族や民生委員、地域包括支援センターなどからの申し出に基づき訪問の必要な人を決める。チーム員は、21項目の質問を盛った「認知症アセスメントシート」で症状の程度を確認。認知症の疑いがあると判断した場合、専門的医療機関の受診や介護保険サービスの利用について説明する。定期的に「チーム員会議」を開き、ケアマネジャーや市の担当課などを交えて訪問相手の情報共有を図る。
苫小牧市は、支援チーム運営を苫小牧南地域包括支援センター(新富町)に委託。チーム員は同センター職員で認知症ケア専門士の資格を持つ田中亮太さん、作業療法士の増井淳一さんと、北海道メンタルケアセンター(若草町)の精神科医・七田博文さんの3人で構成し、初年度は50件の訪問を目指す。田中さんは「受け身がちだった国内の認知症ケアを根本から変える取り組み。家族や地域の人々が気軽に連絡できるよう周知を図っていきたい」と意欲を見せている。
WEBみんぽう 2013年8月14日 原文のまま

★「「老老介護で死亡」再発防止策検討」(8月14日/NHK)
東京・港区の住宅で認知症の夫を介護していた78歳の妻が、熱中症とみられる症状で死亡したことを受け、港区はこの世帯が孤立死などを防ぐための定期的な見回りの対象になっていなかったことから、今後、対象の範囲を拡大するなど再発防止策を検討することになりました。
12日、東京・港区の住宅の1階の部屋で、87歳の夫と78歳の妻が熱中症とみられる症状で倒れているのが見つかり、このうち妻が死亡したほか、住宅の2階では、同居していた夫の89歳の兄がベッドの上で死亡しているのが見つかりました。
この住宅では、死亡した妻が認知症の夫と足腰が悪い夫の兄の介護をしていましたが、今月初めには妻も認知症の疑いで病院で診察を受けていたということで、警視庁は妻が2人の介護を行うのが難しくなっていた可能性もあるとみています。
港区は、いわゆる孤立死などを防ぐために、75歳以上の人だけの世帯や65歳以上の1人暮らしの世帯に対しては、定期的な見回りを行っていたということですが、この家族は45歳の次男が同居していたために見回りの対象にはなっていなかったということです。
このため港区は、家族内の状況によっては見回りの対象の範囲を拡大するなど再発防止策を検討することにしています。
NHKweb ニュース 2013年8月14日 原文のまま

「認知症男性、線路に入り死亡 電車遅れで遺族に損賠命令」(8月10日/日本経済新聞)
認知症の男性(当時91)が線路内に立ち入り電車と接触した死亡事故で、家族らの安全対策が不十分だったとして、JR東海が遺族らに列車が遅れたことに関する損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(上田哲裁判長)は9日、男性の妻と長男に請求全額にあたる約720万円を支払うよう命じた。
判決によると、男性は2007年12月、愛知県大府市のJR共和駅の線路に入り、東海道本線の列車と衝突して死亡。男性は同年の2月に「常に介護が必要」とされる「認知症高齢者自立度4」と診断されていた。
上田裁判長は、同居していた妻が目を離した隙に男性が外出し、事故が発生したとして「妻には見守りを怠った過失がある」と認定。別居している長男についても「事実上の監督者」とし、「徘徊(はいかい)を防止する適切な措置を講じていなかった」とした。
男性の家族らは、妻は事故当時85歳で、常時監視することが不可能だったなどと主張。しかし上田裁判長は、介護ヘルパーを依頼するなどの措置をとらなかったと指摘。「男性の介護体制は、介護者が常に目を離さないことが前提となっており、過失の責任は免れない」とした。
日経電子版 2013年8月10日 原文のまま
編者:厳しい判決だが妥当なのだろう。介護の最後の日に夫は電車にひかれて死亡。悲惨な死に方で介護は終わるが720万円の支払いが家族に残った。

「終末期ケア:認知症男性がハンスト ホーム経営者今も悩み」(7月31日/毎日新聞)
◇2カ月後に逝った男性 交流手記に
東京都内の有料老人ホームで6年前、体の不自由な男性入所者が自らの意思で食事と水を断ち、静かに息を引き取った。「ベッドに縛り付け、点滴を打つべきだったのか」。ホームを営み、男性に付き添っていた三浦真澄さん(61)(写真左)は、今も答えを出せない。高齢化社会が進む中、終末期のケアはどうあるべきか。三浦さんは重い問いを胸に今年、認知症を患う入所者たちとの笑いあり、涙ありの交流を手記にまとめ、出版した。
男性は2005年、70代で三浦さんの葛飾区のホーム「星にねがいを」に入所した。鹿児島県出身で身寄りはない。元トラック運転手で、稼ぎ頭だったことを評価され、退職後も運送会社の寮で1人暮らしをしていた。
ホームで「富さん」と呼ばれたが、無口で他の入所者と積極的に関わろうとしない。それでも戦時中に特攻隊員だった過去を、ふと口にした。「戦友はみな勇ましく散ったよ。おれだけ生き残った。結婚もせず、仲間のことを思いながら生きながらえてきた」
入所から約2年。認知症の症状が表れ、体も動かなくなってきた富さんは、ある日を境に食事をとらなくなった。自らの最期を決意した「ハンガーストライキ」(三浦さん)だった。点滴を打たれても、自分で針を抜く。食事のたびに説得したが、「仲間のところへ行く時が来た。自分の人生は、自分で選びたい」「周りに迷惑をかけたくない。死ぬことにした」。涙ながらに訴え、ついに水も飲まなくなった。
ハンストを始めて2カ月後の深夜、富さんは自室のベッドで旅立った。ホームは充実した終末期を送ってもらおうと、入所者の意思や希望を最大限尊重する。それでも三浦さんは思う。「本当にあれでよかったのか。無理やり点滴を打つべきだったのではないか」
遺品を整理していると、散骨希望者の会に入っていたことが分かった。三浦さんは、細かく砕いたお骨を入れた袋を手に船に乗り、海へまいて花束を投げ入れた。
三浦さんの手記は、ホームを運営してきた15年間で心に残る16人の入所者を紹介する。そのタイトルは「入り舞」。伝統舞踊で、踊り手が舞いながら舞台から退場するさまを意味する。「入所者に寄り添い、晴れ晴れとした『入り舞』を見届けたい。そんな思いでホームを続けてきました」。富さんを紹介するかどうか最後まで迷ったが、生前の口癖に背中を押された。「おれが喜んでるんだから、いいじゃないか」
毎日jp  2013年7月31日 原文のまま

「ヤンセン 認知症検査の必要性を判断するツール開発」(7月24日/ミクスOnline)
ヤンセンファーマは7月22日、認知症検査の必要性を判断するための簡易なスクリーニングツール「Me-CDT」を開発したと発表した。認知症検査を嫌がる人も多いことから、まず、このツールでかかりつけ医による簡易なスクリーニングを実施し、認知症の可能性があれば次の検査へつなぐ。それにより、早期治療につなげたい考え。使用の要望のある医療機関に順次提供するという。
このツールは、専用のソフトウェアをパソコン上で再生し、被験者がパソコンの画面の設問と音声を聞きながら、後に確認するために記憶することを被検者に繰り返し求め、その後に名前や日付、提示した時刻やその時刻を示す時計を描くなど計6問を約3分で回答する。
検査精度については約300例を対象に検証し、結果は認知機能の評価尺度として広く用いられるMMSE(Mini-Mental State Examination)の結果と良好な相関が得られ、認知症検査の必要性を判断する指標になり得ることが示唆されたという。
ツールは、木原武士氏(洛和会みささぎ病院)(写真右上)、頼高朝子氏(順天堂大学附属順天堂越谷病院)、宮澤仁朗氏(特定医療法人さっぽろ悠心の郷ときわ病院)(写真右下)の3人の医師と共同で開発された。
(ミクスOnline 2013年7月24日 原文のまま
関連情報:「ヤンセンファーマ、共同研究開発による新しい認知症診断テスト「Me-CDT」の有効性を第16回欧州神経学会(EFNS)で発表」(2012/09/11)
編者:テストについては昨年9月に既に公表されている。パソコン画面を使うところが新しいだけなのか。

「アルツハイマー、発症前から追跡 東大など41施設」(7月23日/日本経済新聞)
東京大学病院、九州大学病院など全国41カ所の医療施設は、アルツハイマー病の予兆がある予備軍の人を発症前から観察して発症の仕組みを突きとめる臨床研究を始める。脳の画像で発症の主因とされる異常なたんぱく質がたまっている人を3年間追跡する。完全にアルツハイマー病に至っていない軽度の患者も長期間調べる。発症予防や発症を遅らせる薬などの超早期の治療法の開発につなげる。
東大の岩坪威教授(写真)らのグループが厚生労働省と経済産業省の大型臨床研究プロジェクト「J―ADNI2」として始める。健康な高齢者約700人に協力を求め、陽電子放射断層撮影装置(PET)で脳の画像を撮影。異常たんぱく質「アミロイドβ」が蓄積しているかどうか調べる。
蓄積している150人と、そうではない150人を3年間追跡し、PETでアミロイドβの蓄積を定期的に確かめるほか、血液や脳脊髄液の検査、認知機能のチェックもしてアルツハイマー病の症状の有無を観察する。倫理委員会の承認を経た施設から順次、始める。
アルツハイマー病はアミロイドβが脳にたまることが発症に大きく関わると考えられている。症状が出てくるまでは蓄積が始まってから数年以上かかるといわれるが、はっきりとは分かっていない。発症前後の様子が分かれば、予防や発症までの時間を稼ぐ方法が見つかるかもしれない。
アルツハイマー病に至っていないが「もの忘れ」といった初期症状だけが出ている軽度認知障害(MCI)の人も調べる。健康な人に近い早期MCIとアルツハイマー病に近い後期MCIの人を100人ずつ集め、同様の追跡調査をする。
すでに米国では症状が出ていないがアミロイドβが蓄積する人などを対象に、アミロイドβを取り除く薬を投与する医師主導の臨床試験(治験)が始まっている。カリフォルニア大学サンディエゴ校を中心とするグループは、高齢者1000人に米イーライ・リリー社が開発中の新薬を投与する。予防効果などを確かめる。
日経Web 2013年7月23日 原文のまま

「認知症患者への向精神薬使用,厚労省がGL公表 かかりつけ医向け」(7月18日/MTpro)
厚生労働省は,7月12日に「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」を発表した。わが国では,認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)に対する抗精神病薬の有効性のエビデンスは十分でなく,使用する場合は適応外処方となる。認知症患者のQOLは,BPSDや向精神病薬の影響を受けるため,同薬をやむをえず使用する際の留意点についても同ガイドラインで示された。
抗精神病薬を使用しない姿勢を求める
認知症の治療ガイドラインは,日本神経学会が既に作成しており,「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」は,同学会のガイドラインのエビデンスを踏まえ,実践的なものとなるよう組まれた。
厚労省のガイドラインでは,BPSDへの対応の第一選択は非薬物療法で,抗精神病薬の使用は適応外処方となるとし,同薬を使用しないという姿勢を求めている。
一方,身体的原因がなく,非薬物療法による効果が期待できない,または適切でないなどの条件を満たした処方検討例のBPSDについては,薬物療法を行うことの妥当性やその理由,リスクとベネフィットなどを事前に確認する。その上で,投与後は日中の過ごし方や夜間の睡眠状態などの変化をモニタリングするよう求めた。
認知症患者では,抗うつ薬のうち,有効性は一定していないながらも選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI),セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)が第一選択薬となる。
しかし,投与量については,わが国でのデータがないため,添付文書やエキスパートオピニオンの見解に基づいた各薬剤の用量の目安が記載された。
かかりつけ医は受診者の状態変化に気付きやすい
同ガイドラインでは,かかりつけ医が認知症者のBPSDに対応することの重要性について,日常診療を通して状態の変化をいち早く捉えることができ,家族を含む認知症者の環境についても把握しやすい立場にあることを挙げている。
日本認知症ケア学会が昨年度(2012年度),かかりつけ医を対象に行った「認知症者に対する向精神薬の使用実態調査」によると,認知症者の89.2%に向精神薬が処方されていたという。また,同薬の有効性に関する報告が少ないBPSD(多弁,過食,異食,徘徊,介護への抵抗)についても,処方がなされていた。(田上 玲子)
MTpro 2013年7月18日 原文のまま
関連情報
「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」について(平成25年7月12日 老健局高齢者支援課認知症・虐待防止対策推進室)
かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン(pdf1M)
編者:紹介記事は誤解を招く。厚生労働省のガイドラインガイドではなく、厚生労働省が助成した研究班が作ったガイドラインを厚生労働省が参考として公表したのだ。健康保険でも承認されてない適応外のBPSDへの抗精神病薬の使用を認めるはずはない。それにしてもこれまで暗黙の了解の分野で本間昭氏(認知症介護研究・研修東京センター長)を代表とするグループが「妥当なガイドライン」を作成したと評価したい。

「アミロイドPET検査の実用化のためにガイドラインを策定」(7月13日/QLifePro医療ニュース)
現在、国内では日本核医学会、日本神経学会、日本認知症学会が共同で、アミロイドのPET臨床においての利用に向けたガイドラインを検討中であり、今年度中にも発表される予定となっている。
ガイドライン作成委員の委員長を務める石井賢二氏(東京都健康長寿医療センター研究所神経画像研究チーム研究部長)(写真)は、「アミロイドPETの適切な検査対象としては、ほぼ米国のガイドラインと同じになるだろう」と述べている。
現時点で認知障害があり、若年性のアルツハイマー型認知症が疑われている患者で老人斑が陰性であれば、認知障害を引き起こしている別の原因を探したり、治療方針を変更することになる。非定型的な症状を示している患者に老人斑が認められれば、アルツハイマー型認知症だと診断することができる。
どのように検査を行っていくべきか
しかし老人斑が陽性となり、数年以内にアルツハイマー型認知症に進行する可能性が高いと予測ができても、現在は予防法や根治療法がない。「ガイドラインでは検査に際して、どのような場合に積極的に検査を実施すべきかなどを示す考えである」と石井氏は述べている。
まず、承認申請されているのは医療機関内で診断薬を合成する装置である。なお検査を実施できるのは、サイクロトロンなどの設備を持っている医療機関だけである。さらに実施施設に関して一定の基準を設けている、認知症専門医による診療がなされているなども前提とする。
今後アミロイドPETは、抗Aβ療法の開発に生かされていく。これまで、有効性が証明された抗Aβ療法はまだないのだが、将来的に老人斑のある患者だけ治験を実施すれば、抗Aβ療法の有効性を証明することができる可能性が高い。そのためアミロイドPETは診断以外にも、抗Aβ療法の治験や治療対象の選定にも使われる可能性がある。(福田絵美子)
▽外部リンク
アミロイドイメージングを用いたアルツハイマー病の発症・進展 予測法の実用化に関する多施設大規模臨床研究
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/(pdf)
QLifePro 2013年7月13日 原文のまま

「妻殺害容疑で79歳夫逮捕=介護疲れで無理心中図る?警視庁」( 7月12日/WSJ日本版)
東京都世田谷区のマンションで住人の無職片桐早智子さん(75)の遺体が見つかった事件で、警視庁玉川署は12日までに、殺人容疑で、自殺を図った夫の健躬容疑者(79)を逮捕した。同署によると、「妻の介護に疲れ、首を絞めて殺した。自分も死ぬつもりだった」と容疑を認めている。
逮捕容疑は今月5日?9日ごろ、世田谷区深沢の自宅マンションで、早智子さんを首を絞めるなどして窒息させ、殺害した疑い。
同署によると、健躬容疑者は9日未明に都内の川で飛び込み自殺を図り、救助された際「妻を殺してしまった」と説明。自宅から早智子さんの遺体が見つかり、同署は無理心中を図ったとみて調べていた。早智子さんはくも膜下出血の後遺症や認知症に悩んでおり、以前から同容疑者に「死にたい」と話していたという。 [時事通信社]
ウオールストリートジャーナル日本語版 2013年7月12日 原文のまま

「高齢者の6割、認知症を予感」(7月10日/福島民報)
行政の健康対策期待が36%
内閣府が実施した「高齢者の健康に関する意識調査」で、行政に力を入れてほしい健康管理対策として36%が認知症を挙げ、59%が認知症になる可能性を感じていることが10日、分かった。
調査は昨年秋、55歳以上の男女計3千人を対象に実施、約1900人が回答した。
「行政に力を入れてほしい健康管理」(複数回答)について、「認知症」を挙げた人が36・0%で最多。次は「寝たきりの予防方法」の29・8%。「介護の方法」が29・7%だった。
「自分が認知症になる可能性」の質問には、「いつも感じる」が5・7%、「ときどき感じる」が25・3%、「まれに感じる」が28・3%。計59・3%だった。
(福島民報 2013/07/10  原文のまま)
関連資料:「平成24年度 高齢者の健康に関する意識調査結果(概要版)」(内閣府共生社会政策高齢社会対策 2013年6月14日)
編者:この結果が何を示すのか判断は難しい。さらに調査結果を政策に反映することも感が憎い。ということはこの記事は何を狙ったのか。国民の多くが認知症の発病を心配しているというだけなのか。

「認知症行方不明者は9,607人」(7月4日/ケアマネジメント)
警察庁生活安全局は、「平成24年中における行方不明者の状況」を発表した。今回から、認知症の行方不明者が計上されている。
行方不明者の総数は、8万1,111人で、前年比0.7%下がった。10年前は、10万1,855人で、年々減少する傾向にある。性別を見ると、男性が6割強、女性が4割弱が毎年の傾向だ。
高齢世代に注目すると、60歳代が6,142人(7.6%)、70歳以上が1万4,228人(17.5%)で、全体の4分の1を占めている。
原因・動機としては、「その他」がトップで2万1,183人(26.1%)、震災関連行方不明者などが含まれる。次いで「家族関係」1万7,863人(22%)、「疾病関係」1万5,397人(19.0%)がそれに続く。疾病関係のうち、「認知症または、認知症の疑いにより行方不明になった人(※)」が9,607人いて、全体の11.8%を占めた。
※行方不明者届受理時に、届け人からの申請者。
ケアマネジメントオンライン 2013年7月4日 原文のまま
関連資料:「平成2 4年中における行方不明者の状況」(警察庁生活安全局生活安全企画課2013年05月30日)(pdf250K)
サイト内関連情報:「徘徊高齢者の死亡・不明、年間900人…警察庁調査(2005年9月22日)
編者:警察の届けた件数だけでも9000人余ということは1日30人ほどの件数があることになるだろう。認知症の場合、家族らは自ら探して見つからない場合に届けるだろうから行方不明の実数はどのくらいなのだろう。また行方不明の認知症の人のうち何人が発見、保護されたのだろう。上記の2005年の報道が参考になる。警察庁が今年から認知症の行方不明件数を集計、公表し始めたことは歓迎したい。

★「【暮らし】「危害を及ぼす恐れ」は対象 認知症での老人ホーム退去」(7月4日/中日新聞)
「せっかく入った有料老人ホームなのに、認知症のため出なければならない」。残念ながら、その可能性はゼロではない。ただし、契約書をよく読めば、どんなケースが対象で、どんな手続きが取られるかは予測できる。解除権を調査した全国有料老人ホーム協会に、契約時の注意点などを聞いた。
◇入居契約書の確認を
全国有料老人ホーム協会事務局長の灰藤誠さんは「認知症になっただけで退去を求めるホームはほとんどないが、通常の介護法では他人への危害を防げない状態になったときに退去を求めるのが一般的」と話す。
協会は加盟事業所の参考にしてもらうため、標準入居契約書を作っている。それには、「次の各号のいずれかに該当する場合」にホーム側から契約を解除できると定めている。その一つとして「他の入居者や従業員の生命に危害を及ぼすか、その切迫したおそれがあり、通常の介護方法や接遇方法で防げないとき」を挙げている。認知症で混乱し、暴力を振るう場合などが、想定されている。調査でも、96・8%の契約に同様の規定があった。ただし、内容はまちまちだ。
「通常の介護法では防げないとき」の記述のない契約が19・6%あった。解除の条件を「共同生活の秩序を乱す行為があった場合」と定めるところや「金銭管理、各種サービスの利用を入居者自身で判断できなくなったとき」とするホームも。契約書の文言は同じでも、職員の経験の違いで、対応できる認知症の程度には差が生じる。灰藤さんも「認知症の対応力はホームにより異なる。認識のずれがないよう、よく確かめて」と助言する。
◇長期入院などで解約も
協会の標準契約書にはない「長期間の不在」や「長期入院」を解除条件にするホームもそれぞれ20・9%、13・2%あった。ただし、不在通知があれば、長期不在での解約はしないとする契約が四割強と、一定の配慮はあるようだ。
解除条件に当てはまるからと、いきなり契約解除になるホームは、調査ではごく少数。全体の九割以上で、契約解除の予告期間を設けていた。「九十日」という設定が多い。八割強が弁明の機会を設けていた。
灰藤さんは「一方的にホーム側から契約解除するのは問題がある」と指摘。利用者や家族には、トラブルを避けるため、契約前に事業者によく質問して疑問点を解消することを勧める。
協会のホームページ(協会名で検索)には、契約のチェックポイントなどが載っている。東京にある協会の事務所には、相談窓口もある。平日午前十時~午後四時に開設。(問)同協会=電03(3548)1077(佐橋大)
<有料老人ホーム>高齢者を入居させ、食事、介護などのサービスを提供する集合住宅。介護保険サービスを原則、内部で提供する「介護付き」と、外部のサービスを受ける「住宅型」に大別される。厚生労働省によると、昨年10月時点の届け出の有料老人ホームは7863施設。
<解除権の調査>全国有料老人ホーム協会は2011年11月に全国5181ホームを対象にした別の調査で、調査票と一緒に入居契約書を送るよう依頼。送られた665件の契約書を分析した。このうち協会加盟のホームは4割弱。
Chunichi Web  2103年7月4日 原文のまま

★「老いてさまよう:閉鎖病棟から」(6月22・23・25・26・27・28日/毎日新聞)
1(その1) 自由奪う抑制帯 精神科、出られぬ認知症」(6月22日)
精神科病院に入院する認知症の高齢者が増えている。激しい精神症状が治まればすぐに退院できるはずだが、ほかに行き場がなく長期入院を続ける患者も多い。何が起きているのか。神奈川県のある閉鎖病棟に密着した。
鍵のかかった分厚い鉄の扉が開いた。福井記念病院(神奈川県三浦市)の認知症専門病棟に初めて入ったのは4月中旬だった。1992年に開設され、幻覚や妄想、暴力が目立つ人たちが症状を抑える治療を受ける。回廊式の廊下を進むと、ナース室から見渡せるホールに50人ほどのお年寄りが集まっていた。ナース室の近くは、入院直後や症状の激しい人が多い。最も離れた静かなテーブルから車いすの女性が記者を見つめている。
隣に座ると東北なまりのか細い声で語り始めた。「(福島の)相馬の生まれでね」。83歳、身長142センチ。「ちゃっこい(小柄なこと)からチャコって呼ばれたのよ」。入院は1年半に及ぶという。話し相手欲しさからだろうか、それからは記者を見かけると控えめにそっと手を挙げるようになった。
チャコさんは深緑色をしたT字形の「抑制帯」で腰回りを車いすに固定されている。介護施設では認められないが、ここでは転んで骨折してから、再び転倒しないようにという理由でつけられている。日中は食事も含めてその格好で過ごす。「足も弱ってもう歩けないのよ」。立ち上がる気力も衰え、ほとんど笑顔はない。患者の半数は同じように抑制帯をつけられ、自分では外せない。
チャコさんがひどく混乱したり、暴れたりする様子は見られない。なぜここにいるのか記者は分からなくなった。看護師も「もう治療は必要ないと思う。寂しがり屋なので介護施設の方が合っている」と言う。症状が治まったのに退院できないチャコさんのような人は、病棟の3分の1に上っていた。
「耐えることに幸(さち)がある。そう思うと少し楽になるのね」。チャコさんは祖母が教えてくれた言葉を何度もかみしめる。4月末、仲の良かった女性が退院することになり、「息子が迎えに来る」と喜ぶ姿を見送った。「私は永遠にここにいると思う。ここまできたらおしまい」。存在ごと消えてしまいそうな声だった。
チャコさんにも息子がいる。記者はある日、元気かどうか見てきてほしいと頼まれた。「あんなに優しい子が1カ月も来ない。体を悪くしたんじゃないかと思うと夜も眠れないの」。記者のノートに震える字で長男への手紙を書いた。「連絡を下さい」
実際は昨年末から面会がない。チャコさんの薄らいだ記憶をもとに家を探した。
毎日jp  2013年6月22日 原文のまま
1(その2止)残る家族も癒えぬ傷 理事長「院内、世間からずれ」」(6月22日)
福井記念病院(神奈川県三浦市)の閉鎖病棟に入院するチャコさん(83)に頼まれ、記者は面会が途絶えていた長男を捜した。5月下旬、病院から電車とバスで1時間ほどの住宅街で、長男夫婦と暮らしていた一戸建てを見つけた。長男は57歳の会社員。母からの手紙を受け取ると「会いに行きたいのですが……」と戸惑った顔をした。
8年前に父親を亡くし、その翌年、母親のチャコさんが認知症を発症する。入院までの5年間、夫婦で介護を続けたが、コンロに火をつけて忘れることを繰り返した。被害妄想も強くなり「家族にいじめられた」と親戚や警察に昼夜を問わず電話した。激しい症状の標的になった妻は体調を崩し、自身も糖尿病の治療で毎週末、遠方の病院に通っている。
半年ほど前に申し込んだ特別養護老人ホームは100人待ち。妻はまだ心の傷が癒えないものの、義母のために新しい服や下着を買いそろえた。だが、病院に足が向かないまま半年が過ぎた。
長男に手紙を届けたと伝えると、チャコさんは「元気にしてたの? 本当に良かった」と目を潤ませた。面会が途切れても長男を悪く言うのを聞いたことがない。福島から上京して24歳で結婚し、保険外交員として2男を育て上げた。「あの家はね、私の退職金も出して建てたのよ」。家族に尽くした誇りがにじむ。
6月のある日、夕食を終えると車いすを手でこぎ始めた。数センチずつしか進めず、何とか自分の病室にたどり着くと繰り返し声を上げた。「すみません。トイレお願いします」。だが、服薬などで忙しい職員には届かない。日中は50人ほどの患者を約15人が目配りするが、夕食後の夜勤は3人しかいない。ようやく気づいた職員は「今忙しいから。オムツしてあるから大丈夫」と言う。チャコさんはあきらめ、黙り込んだ。
ナース室から最も近いチャコさんら女性4人の病室は、ポータブルトイレでの排せつとオムツ交換の場にも使われる。消灯時間の午後9時まで車いすの女性が次々と運ばれて来た。病室や廊下には就寝後も便臭が漂った。
「精神科病院の日常は世間から見るとずれていることがある」。運営法人の内藤圭之(けいし)理事長(写真)は言う。密着取材に応じたのは「全てさらけ出して精神医療を問い直したい」という思いからだ。
病棟の朝は早い。職員3人で患者のオムツ交換を済ませて体調をチェックするのに時間がかかるためだ。午前4時50分、ホールや病室の蛍光灯が一斉にともる。職員がチャコさんの部屋から起床を促し始めた。
「もう起きるんですか」「そうなのよ」。下着を取り換えられたチャコさんが抑制帯で車いすに拘束された。両手で車いすをこぎ、わずかな前進を重ねる。ホールのいつもの席に着くとそのまま寝息を立て始めた。
ここに来て2度目の夏が訪れようとしている。=つづく(この連載は山田泰蔵、中西啓介、銭場裕司が担当します)
◇認知症入院、15年で倍増
厚生労働省によると、認知症による精神科病院への入院者は1996年の約2万8000人から2011年には約5万3000人と2倍近くに増えた。入院者の半数は1年以上の長期に及ぶ。
一方、従来、多数を占める統合失調症の入院者は11年に約17万2000人で、薬物療法の進歩や高齢入院者の死亡により96年から約4万3000人減った。ある精神科医は「入院者の減少は病院にとって死活問題。空きベッドを埋めるため認知症患者を入院させている病院もある」と指摘する。
そもそも国内の精神科病院は約34万の病床を持ち、人口比ではフランスの3倍、米国の9倍と世界で突出している。認知症患者の激しい症状に対応できない介護施設は多く、患者の家族が「最後のとりで」として精神科病院に頼る側面もあるが、長期入院で患者の生活能力が著しく衰えるリスクも高い。このため厚労省は昨年6月、「病院から地域へ」との考えを基本とする新たな施策方針を打ち出した。
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毎日jp 2013年6月22日 原文のまま
2呼んでも誰も来ない(6月23日)
「お姉さん、ねえ、お姉さん」。テツ子さん(79)はリクライニング式の大型車いすの肘掛けを音を立ててたたきながら、大声を上げた。
認知症の激しい症状を治療する福井記念病院(神奈川県三浦市)の閉鎖病棟。車いすにT字形の「抑制帯」で拘束されているが、身を乗り出して近くにいた看護師の服をつかもうと手を伸ばした。「テッちゃん、つかんじゃダメ」。看護師は緩んでいた抑制帯を締め直して車いすを壁向きにくるりと回転させ、ロックした。周囲から遠ざけ「隔離」するためだ。
認知症はもの忘れや自分の居場所が分からないことが「中核症状」とされ、頻繁に大声を出したり近くの人につかみかかったりする行動は「周辺症状」の一つ。こうした行動が介護施設で表れると退所を求められがちだ。病棟の入院患者の7割は施設から。テツ子さんもその一人だ。
テツ子さんの長女に昨年9月、母親が当時入所していたグループホームから「最近大声を出して困っている」と電話があった。翌日には「昨晩もうるさくてもう対応できない」と退所を迫られた。荷物は既にまとめられていた。ホームの職員はテツ子さんを近くの精神科病院に連れて行き、医師に問題行動を並べ立てた。トイレを壊す、夜中に屋上に行って騒ぐ??。長女は「とにかく追い出したいんだ」と感じた。その病院は満床だったため、紹介された福井記念病院に入院した。
病棟で最高齢の太郎吉さん(96)も4月、老人ホームを追い出された。ホーム入所の翌日、呼び出された家族は「服を脱いで暴れた。うちじゃ面倒みきれない」と告げられた。どんな人も環境が変われば、落ち着くまでに時間がかかるはずだ。脱いだのも乾燥肌のかゆみのためだった。「認知症の人を預かるプロなのに」。家族は憤りを抑え、退去に従わざるを得なかった。
周辺症状の根底には不安があるといわれている。問題行動ととらえず、本人の訴えをくみ取って対応できる介護施設もあるが、まだ足りない。
取材で病棟に通い始めて1カ月たったころのことだ。「アキラ君!」とテツ子さんが大声で私(記者)を呼び止めるようになった。おいと雰囲気が似ているらしい。私の顔をなでながらにっこりする。「よく来たね。ヒゲ生やして男になったねえ」。ふれあいさえあれば穏やかになることもあるのだ。
ある夜、興奮をなだめようと女性看護師がベッドで添い寝をした。テツ子さんは大切に育てた娘が来たと思ったようだ。母に戻り、表情が和らぐ。「娘」の手を握ったまま眠りについた。
毎日jp  2013年6月23日 原文のまま
3保護された認知症男性 管つながれ生き続ける(6月25日)
「正君、ご飯よ」。ベッドに横たわる男性に看護師が声をかけた。腹部につながれた胃ろうの管へ栄養剤を流す前に、たんを吸引する細長いチューブを鼻に差し込む。70歳過ぎに見える男性は苦しそうに左目を開き頭をかすかに反らせたが、声を発することはない。
認知症の人を治療する福井記念病院(神奈川県三浦市)の系列で同じ精神科の「みくるべ病院」(同県秦野市)。男性は2005年暮れ、秦野市内の資材置き場で倒れているのを発見され、搬送先の病院で認知症と診断され転院してきた。路上生活をしていたようで、自分の名前さえ思い出せない。市は「三上正」という仮名と、見た目から「1945(昭和20)年1月1日」という仮の生年月日を与え、生活保護の手続きをした。
当時はまだゆっくり歩ける状態だった。「父がアルコール依存症で母が苦労した」「ホームレスでいいので一人でやっていきたい」。そう語ることもあった。食事も自力でできていたが、ベッド暮らしで体を動かすことがめっきり減り、症状は一気に悪化した。06年5月の看護記録は「食事はほぼ全介助」、07年5月には「無表情。無反応」となった。
08年、鼻からの経管栄養に切り替えられ、腹部から直接胃に栄養を注入できる胃ろうの造設が検討された。肺炎の危険性を減らすためだ。
胃ろうは通常、本人や家族、後見人と相談して担当医が決める。だが、本人の意識がなく身寄りも分からない場合は医師が判断するしかない。担当の坂本昭仁医師は「生命維持という人道的見地から対応した」と話し、運営法人の内藤圭之(けいし)理事長は「まだ体力があり、何もしないという選択はできなかった」と振り返る。
胃ろうを造設した三上さんはその後、意識が戻らず、閉鎖病棟から開放病棟に移された。1日2回の胃ろうと2時間おきに床ずれ防止のために姿勢を変えられているが、たいていは天井を見上げた姿勢で眠り続ける。
精神科の治療を必要としなくなった三上さんを、病院は何度も転院させようとした。しかし、10カ所の病院から「本人の記憶がない上、まだ若いので長期入院が予想される」「生活保護の入院枠がいっぱい」と断られた。
毎月約35万円かかる三上さんの医療費や食事代は公費でまかなわれる。坂本医師は「社会保障費の負担が増えることと人権を守ることの間で我々も板挟みになっている」と胸の内を明かす。
同様の路上生活者が運ばれて来たことは過去にもあった。内藤理事長は「家族や後見人のいない人が精神科病院で生涯を終えることは今後、増える」と予想する。
老いてさまよう:閉鎖病棟から/3 保護された認知症男性 管つながれ生き続ける
看護師は一度、3月にうなり声を聞いたという。「話が聞こえている気がして。ねえ正君」。語りかけるような笑顔を三上さんに向けた。
三上正。なぜそう名付けられたのか、もはや知る人も記録もない。=つづく
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(毎日jp 2013年6月25日 原文のまま
4つきまとう転院の不安 全身拘束する病院も(6月26日)
「あ、い、う、え、お」。4月下旬、認知症の症状を治療する福井記念病院(神奈川県三浦市)の閉鎖病棟でチモちゃん(72)が夫(69)の声を追うように口を動かした。「これはいくつ」。人さし指を立てた夫の問いかけに「いち」と返す。重い認知症のチモちゃんとの大切なキャッチボールだ。
車で1時間かけ、週2、3回妻の面会に訪れる。入院家族の中で一番多い。夫は「会社人間だった罪滅ぼしかもしれません」と語り始めた。
夫婦は中学の時に知りあった。鹿児島からそれぞれ上京し、チモちゃんの姉が仲を取り持った。高度経済成長のさなか、夫は夜に接待、週末はゴルフで家を空けた。家庭は全て妻に任せ、子供のオムツが取れた時期も知らない。マイホームで育てた息子と娘は無事に巣立った。夫婦水入らずの旅行や田舎の墓参り……。定年後の生活を思い描き始めたころ、忘れもしないあの日が来た。
3年前の3月。目覚めると妻がいない。自宅前の崖下15メートルの駐車場で倒れてうめいていた。フェンスを乗り越えて飛び降りたようだ。緊急入院先で認知症の疑いが判明する。
転院した自宅近くの精神科病院は「安全のため」と言って妻の全身を24時間ベッドに拘束した。解かれるのは面会の時だけだ。勤め先は当時、事業買収の危機に見舞われていた。役員として約1200人の雇用を守る交渉に当たり、仕事の合間を縫って毎日病院に立ち寄る日々。「家に帰りたい」と訴えていた妻は次第に話せなくなり、1年ほどで45キロの体が30キロにやせ細った。
疲れ果てた体を引きずって深夜に帰宅する。迎えてくれる人がいない真っ暗な住まい。「このまま生きていることが幸せなのか」。2人であの世に行こうと思い詰めたこともあった。
入院して1年半が過ぎたころ、突然医師から告げられた。「長く居てもらうと困る」。国は長期入院を防ぐため、期間が長くなると病院の診療報酬を下げる仕組みにしている。報酬が高い新規の患者を代わりに入院させようと、病院が転院の圧力をかけたのだ。
じっと座っていられない妻を受け入れてくれる介護施設は見つからない。相談した横浜の精神科病院にも断られた。ケースワーカーに勧められ、ようやく今の病院に落ち着いた。
夫は病院によって対応がまるで異なることを知る。いまの病棟は全身拘束をしない。妻は穏やかな表情を見せることもある。過去の経験から不安もぬぐえない。「いつまた転院させられるかと思うと気が気でない。衰えゆく人生の最後をなぜ転々と過ごさなければならないのか」
毎日jp 2013年6月26日 原文のまま
5車いすより「歩きたい」 リハビリ機会、リハビリ機会限られ(6月27日)
認知症の高齢者を治療する福井記念病院(神奈川県三浦市)の病棟で4月半ば、車いすの人たちが囲むテーブルに乾いた洗濯物が置かれた。
「これは女の仕事。私がやるの」。ヨウ子さん(83)が男性患者の伸ばした腕を制して手伝いをすると言い出し、エプロンをたたみ始めた。
「お手伝いは好きですか」とヨウ子さんにたずねると、意外な答えが返ってきた。「お手伝いをすれば私の願いを職員さんに聞いてもらえる。魚心あれば水心だから」。その時は、どんな意味なのか記者には分からなかった。
5月に入ったある日、ヨウ子さんが記者に目配せし、おなかに掛けていた毛布をめくって見せた。事故防止を理由にいつも車いすに体を固定していた「抑制帯」がないのだ。「今日は職員さんが付け忘れたの」とうれしそうだ。やっとヨウ子さんの「願い」を知った。職員の手伝いをすれば喜ばれ、抑制帯を外してもらって自由になれる。そう思い込んでいるのだ。「本当はね、自分で何でもしたいんだ」
ヨウ子さんは八百屋の看板娘で、小さいころから店頭に立つ働き者だった。認知症10+件を発症したのは2年ほど前。必要ないのに救急車を呼ぶ。混乱状態が続いて自宅での生活が難しくなり、昨年10月に入院したが、症状は治まりつつあった。
閉鎖病棟は、認知症の激しい症状を抑える治療の場だ。職員は「患者をもっと歩かせたり、自由にさせたりしてあげたい」と口をそろえる。基準を上まわる職員を配置しているが、投薬や食事、排せつの介助に追われ、付き添う時間は限られる。精神科病院には体のリハビリを専門に行う理学療法士の配置も義務づけられていない。
「とにかく自分の力で歩きたくて歩きたくて」。この病棟に昨年10月まで約4カ月間入院していた千葉亘(わたる)さん(76)は当時を振り返る。
いまは自宅から週3回、介護施設に出向いて専門家の指導の下、歩行のリハビリに取り組んでいる。硬くなった背筋をほぐし、足腰を鍛える。きついこともあるが、回復を感じられる喜びがある。歩けない時間が長いと生きる気力も衰えていく。「あのまま、もし入院が長引いていたら……」
6月、ヨウ子さんの思いがようやく病院に伝わった。待ち望んでいた歩行訓練だ。
両脇に手すりのように置かれた2本の鉄パイプを支えに、一歩ずつ踏み出す。「もう1回行こうかな」。さらに1往復できた。子供のようにはしゃぎ、両手で小さなガッツポーズをつくった。
この人は家で穏やかに暮らしていたころは、こんな顔をしていたのだと思った。50人ほどの患者がぼんやりとテーブルを囲むホールによく通る声が響いた。
「私、ずっと前から歩きたかったんだよ」=つづく
毎日jp  2013 年6月27日 原文のまま
6止 再出発へ家族支える 退院先、受け入れ厳しく(6月28日)
5月22日、認知症の激しい症状を治療する福井記念病院(神奈川県三浦市)の閉鎖病棟前からバスが出発した。入院患者約20人とその家族10人、看護師らを乗せ、三浦半島南端の公園へと走る。
「覚えてる? ここは前に歩いたよね」。車窓の風景を指さした妻(76)が夫のシーさん(79)に語り掛ける。結婚生活51年の2人。妻は、去年できなかった金婚式に代わる思い出ができてうれしかった。
夫は8年ほど前に認知症を発症し、介護していた妻は昨年冬から暴力も受けた。危険を感じて何度も家を飛び出し、凍えながら夫が落ち着くのを待つ日々。うつ状態になり、夫が通院していたクリニックの勧めで今年3月に入院させた。
病院が企画したバスでのハイキングは、苦しんだ家族と患者が一緒に穏やかな時間を過ごしてもらうためだ。患者が病棟から再出発するために家族の支えは欠かせない。
精神科に入院した認知症患者の家族には、シーさんの妻のように長年の介護で疲れ切った人が多い。病棟から自宅に戻れる人はまれだ。妻も「自分が若ければまだいいが、老老介護は限界がある」と言う。
介護施設へ移るには壁がある。要介護度が高くないと入所の順番が回ってこない。体格の良い男性は、介護の手間がかかるとみられて敬遠されがちだ。制度上、介護保険料の範囲内で医療費をまかなう介護老人保健施設(老健)が、価格の高い認知症の新薬を利用している人を受け入れないケースもある。
精神科を巡る深刻な問題もある。6月18日、運営法人の理事長ら7人が看護部長室にそろった。患者の入退院を話し合うベッドコントロール会議だ。「前にいた施設は受け入れ困難と言っている」。症状が落ち着いたのに退院先が決まらない人の状況が次々と報告され、ため息が漏れた。
「精神科病院にいるのだから症状が激しく手がかかるに違いない」というレッテルが退院を遠ざけている。「今はよくなったので大丈夫ですよ」と病院側が説明しても「お宅の大丈夫とうちの大丈夫は違う」とにべもない施設もある。言葉遣いが荒いという理由だけで入所を断られたこともあった。しわ寄せが来るのは、行き場のないお年寄りたちだ。
夫の面会を重ねるうちに、最初は気が休まることがなかったシーさんの妻は変わっていった。症状が治まってきた夫を見て「かわいい」と感じられる。
妻は施設への入所を申し込んだ。退院した先に何があるかは分からないが、再出発に向けて動き出した。6月のある日、病棟の回廊でシーさんから手をつないできた。結婚してから初めてのことだ。
「お散歩しようか」。2人がゆっくりと歩き始めた。=おわり
毎日jp 2013年06月28日 原文のまま

「認知症講座、患者行動や対応学ぶ 小戸小6年生」(6月20日/宮崎日日新聞)
認知症患者への理解を深めようと、宮崎市・小戸小(恵利修二校長、397人)の6年生75人は20日、市の委嘱で啓発活動を行う小戸・橘地区認知症キャラバンメイトら関係者14人を講師に招き認知症について学んだ。
同市の若草病院の水野恵三子医師らが、紙芝居で脳梗塞などを原因とする発症のメカニズムや、物忘れなどで生活に支障をきたすなどの症状を説明。
MIYANICHIpress  2013 年6月20日 原文のまま

「鹿沼6児童死亡事故、遺族の願い法制化 改正道交法が成立 病状虚偽申告に罰則」(6月8日/下野新聞)
鹿沼6児童死亡事(編注)故に関連した改正道交法17 件が7日、衆院本会議で全会一致で可決、成立した。てんかんなど車の運転に支障を及ぼす可能性のある病気の患者の運転免許について、取得・更新時に病状を虚偽申告した場合の罰則新設などが柱。病気に関する規定は1年以内に施行される。6児童遺族が要望した免許の不正取得を防ぐ法整備が実現した。
免許の取得・更新時に病状を尋ねる質問に虚偽申告した場合、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」となる。対象の病気は政令で定める免許取得ができない症状とされるてんかんや統合失調症、再発性の失神、重度の睡眠障害、認知症など。
また運転をしてはいけない患者の運転が疑われる場合に、医師が患者の情報を都道府県の公安委員会に任意で提供する制度も創設。今後は医師会などによる情報提供の手続きや基準のガイドラインづくりが課題となる。
事故防止のため、対象の病気に該当する疑いがある場合には、免許効力を3カ月以内の範囲で暫定的に停止する規定も新設。一方、病状が改善した際に免許を再取得しやすいよう、条件付きで一部試験を免除する規定も盛り込んだ。
鹿沼の事故遺族は2012年4月、病気の虚偽申告など不正取得を防ぐ運転免許制度の構築を国家公安委員長に要望。計約20万人分の署名を提出した。警察庁は有識者検討会を設置、同10月にまとまった提言を元に、今回の改正案を作成した。
SOON 2013年6月8日 原文のまま
編注:2011年4月18日栃木県鹿沼市の国道293号で登校中の小学生の列にクレーン車が突っ込み6人が死亡。運転していた26歳の男を宇都宮地検へ送検。5月9日宇都宮地検はてんかん発作で意識をなくしたのが事故原因と断定、運転自体を厳に控えるべきだったとして自動車運転過失致死罪で起訴。
編者:認知症も対象疾患となっている。罰則があり怖くて認知症の疑いまはた認知症は誰も告知するだろう。告知すれば免許は取り上げられるだろう。実質的に疾患による欠損条項扱いと同じだ。障害者の運転締め出しになる。「医師が患者の情報を都道府県の公安委員会に任意で提供する制度」も怖い。

「認知症患者の意思決定はどうあるべきか- 老年医学会が市民公開講座」(6月 6日/キャリアブレイン)
判断力が低下した認知症患者の終末期医療について、本人や家族の意思決定はどうあるべきか―。大阪市で開かれていた日本老年医学会の学術集会(会長=三木哲郎・愛媛大大学院教授)は最終日の6日、「高齢者の終末期医療」をテーマにした市民公開講座を開催し、出席した医療者や家族、学識経験者らが、それぞれの立場から課題を指摘した。
東京都健康長寿医療センターで認知症看護の認定看護師として働く白取絹恵さんは、認知症患者の終末期ケアについて、急性期医療の立場から発言した。
入院患者の平均年齢が約80歳と高い同センターでは、認知症の診断にかかわらず、認知機能に何らかの障害がある人は全体の半数近くに上るという。
白取さんは、認知症患者の意思決定を支えるため、普段から患者の言葉や表情に触れ、理解しようと努めることが重要だと指摘。急性期の医療機関では、症状が安定すると退院を余儀なくされるが、「ケアは一つの場所では完結しない。続いていくものだ」とし、周囲の施設などと協働しながら、患者や家族と一緒に最善のケアを考える必要性を示した。
一方、東京の在宅療養支援診療所「本郷ヒロクリニック」の英裕雄院長は、リビングウィルなどで事前に意思表示をしている人が増えているものの、要介護状態になった時の療養の方針を示している人は少ないと指摘。その上で、「終末期は体験を通して分かる。医療的な解決よりも、療養方針や(家族との)コンセンサスづくりを先行させるべきだ」と語った。英院長はまた、「意思決定は一瞬の決定と思われがちだが、継続的な決定だと思う」と述べ、長期的な視点で考える必要性を示した。
□専門職による終末期医療の相談の場を
認知症の夫を介護した経験を持つ公益社団法人「認知症の人と家族の会」京都府支部の荒牧敦子代表は、嚥下障害による胃ろうの造設など、さまざまな場面で夫に代わって決断を迫られた過去を振り返った。
夫が67歳で他界する際、人工呼吸器を装着せず、自然に看取ることを選んだ荒牧代表は、「今でも突き詰めて問われると、『よかった』と言えるかどうかは分からない」と明かし、家族が経験する困難な問題に対応するため、終末期医療の経験が豊富な専門職による相談の場を設けることを提案した。
荒牧代表は「カウンセラーも入って、『あなたが決めたことがいいことだ』と言ってほしい」と話し、残された家族を支援する体制づくりの必要性も示した。
また、京都府立医科大大学院の成本迅医師は、認知症かどうかを判定するツールを作成するため、行政や他大学などが協力して、昨年秋から行っている研究開発プロジェクトの概要を報告した。
同プロジェクトでは、抗認知症薬の服用を開始するアルツハイマー型認知症患者を対象に、患者の同意能力の評価や認知機能の検査を実施。これらの関連性を調べた上で、地域や病院での有用性の検証を経て、最終的な運用を目指す。成本医師は「精神科以外も認知症を判定できるツールを開発したい」と述べた。
さらに、千葉大大学院の小賀野晶一教授は、判断能力が低下した患者に対するインフォームド・コンセントの在り方に関して、法律の専門家の立場から問題提起した。
小賀野教授は、判断能力が低下した人のために、親族や第三者が財産管理などを行う民法上の成年後見制度に触れ、「身上監護」の観点から、医療同意まで対象を広げる必要性を示し、「この1、2年で、期限を切って新たなシステムを導入する時期に来ている」と語った。【敦賀陽平】
CB News 2013年6月6日 原文のまま
関連情報:「医療現場で直面している意思決定の課題について 京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学 成本 迅」(pdf680K)
関連記事:「認知症とわたしたち 終末期ケア、どう決める 向き合って」(6月13日/Apital)
関連サイト:J-DECS(認知症高齢者の医療選択のサポートシステム)

「羽田空港滑走路近く 高齢者迷い込む」(6月3日/NHK)
3日未明、羽田空港で、滑走路の近くにお年寄りがいたため、2時間近く滑走路が閉鎖され、一部の便に遅れが出ました。
お年寄りは認知症のため迷い込んだとみられますが、なぜ侵入に気付かなかったのか、国土交通省が、当時の警備態勢を調べています。
国土交通省によりますと、3日午前0時半ごろ、羽田空港で、4本ある滑走路のうちA滑走路の近くの誘導路に男性がいるのを航空会社の社員が見つけ、空港事務所に連絡しました。
男性は、駆けつけた空港職員に保護されましたが、不審なものがないか確認するためA滑走路が2時間近く閉鎖され、未明に出発する国際線に遅れが出ました。
国土交通省や警察によりますと、保護されたのは、東京・品川区の76歳の男性で、家族の話では、認知症のため、2日に家を出たまま行方が分からなくなっていたということで、その後、空港内に迷い込んだとみられています。
保護された場所は、許可がなければ立ち入りが禁止されている区域で、フェンスを乗り越えたり、警備員がいるゲートを通過したりしなければたどり着くことができません。
国土交通省は、なぜ立入禁止区域への侵入に気付かなかったのか当時の警備態勢を調べています。
NHKニュース 2013年6月3日 原文のまま


関連記事:「認知症高齢者、462万人=施策見直し求める意見も-厚労省」(6月6日/時事通信)
厚生労働省は6日、社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)介護保険部会に、2012年の全国の認知症高齢者数が約462万人に達するとの同省研究班の調査結果を報告した。昨年の同省の推計値を約160万人上回っており、委員からは「(認知症施策の)計画を見直すべきだ」などの指摘が出た。
研究班の調査は、09~12年度に全国10市町で実施した。調査員が65歳以上の住民約9000人に聞き取りなどを行い、認知症患者の割合を15%と推計。全国の高齢者人口と掛け合わせて算出した。
jijicom 2013/06/06 原文のまま
編者:意見が出て当然だろう。明らかに研究班の報告の方が正確だろう。将来予測の数値ではなく現在の推計数であることから、とりあえず来年度の予算にどう反映するかが問われる。と同時に毎年とはいわず5年に1回、有病率などの定期調査の実施も行うべきだろう。

「京大の新薬拠点始動 製薬4社と共同開発、iPSも活用」(5月30日/京都新聞)
京都大の新薬開発拠点「メディカルイノベーションセンター(MIC)」棟が南部構内(京都市左京区)に完成、本格的に研究開発を始めた。製薬4社それぞれとプロジェクトを進めており、がんやアルツハイマー病などで革新的な日本発の新薬開発を目指す。京大iPS細胞研究所に隣接、iPS(人工多能性幹)細胞も研究開発に活用する。
武田薬品工業、大日本住友製薬、田辺三菱製薬、塩野義製薬とプロジェクトを進める。
米欧との競争が激化する新薬開発で、京大の基礎研究の成果と医学部付属病院の臨床情報を生かそうと、2010年12月にMICを医学研究科内に設立した。大学と企業それぞれで研究を進めていたが、経済産業省の補助金で拠点整備した。
センター棟は5階建て。各社の情報を保秘するため、階ごとに入居するプロジェクトが異なっている。武田とは肥満症や統合失調症、大日本住友とはがん、田辺三菱とは慢性腎臓病、塩野義とはアルツハイマー病の新薬開発に向け、5~10年の期間で研究する。
センター長の成宮周教授がプロジェクトを統括。スタッフは大学と企業で計約100人。運営費は年間12億円で全額が企業負担。
寺西豊副センター長(写真)は「日本の製薬産業の活性化につなげたい。研究者が新薬開発の気概を持つきっかけにもなってほしい」と話す。大学の臨床試験と製薬企業の関係が問題となっており、「(特定企業の優遇など)利益相反に関する申告や内部審査を徹底する」としている。
京都新聞 2013年05月30日 原文のまま
編者:こうした科学技術を駆使した産学共同的企画がどのような成果を生むか、アルツハイマー病薬の創薬にどうつながるのか未知数だが、期待したい。

「認知症の支援充実を キャラバンメイトが交流会」(5月30日/山陽新聞)
認知症サポーター養成講座で講師を務める「認知症キャラバン・メイト」の交流会が27日、玉野市奥玉のすこやかセンターで開かれ、より充実した活動に向けて意見、情報交換した。
交流会には14人が参加し、3グループに分かれて意見交換した後、その内容を発表。参加者は「講座が認知症理解への入り口になっている」「患者が気軽に立ち寄れるサロンを立ち上げた」など現状や取り組みを紹介。また「認知症を患者の家族に理解してもらうための啓発活動が必要」「孤立しがちな介護者の気持ちに耳を傾ける場を設けては」などの提案も出された。
このほか、民生委員、高校生、中学生それぞれを対象とした講座で講師を務めた3人が当日の様子、受講者からの感想などを報告した。
市内の同メイトは74人。本年度は7地区の愛育委員会と、7中学校に講座開催への協力を依頼し、現時点で全愛育委員会、複数の中学校が応じている。
山陽新聞WebNews  2013年5月30日 原文のまま

★「認知症ケアで医師会連携図る」(5月30日/中国新聞)
三原市医師会は本年度、認知症患者のケアに、医療と介護の現場が連携する取り組みを始めた。身近な医院などのかかりつけ医と専門医療機関の連絡を強め、定期的な診察や治療につなげる。また患者の現況を書き込むノートを活用して医師やケアマネジャー、ヘルパー、家族の間で情報を共有する。
かかりつけ医の41医院と、広島県が地域の認知症疾患医療センターに指定している三原病院など専門機関6病院が参加。かかりつけ医は診察の必要性を判断すると、書類「認知症連携パス」に経過や行動・心理状況を記入して専門医療機関を紹介する。
専門医は認知症と判断した場合、診断内容や今後の治療計画などを連携パスに記して、かかりつけ医に経過観察を委ねるなどする。このサイクルを続け、定期治療の確実な実行を図るという。
また、専門医は患者に、医師や介護スタッフが診察内容や介護現場での様子を書き込む「つながりノート」を配布。薬の変更や、生活面での体調の変化などの情報を共有できるようにする。
市医師会の壺井克敏副会長は「診察だけでは医師が気付かない症状もある。医療と福祉の現場が一体となって、より適切な診断と治療に結びつける仕組みにしたい」と話す。
取り組みは県の委託事業。県内では広島市の安佐南と安佐北の両区を管轄する安佐医師会や、大竹、呉の両市を加えた4カ所がモデル地域に指定されている。
中国新聞 2013年5月30日 原文のまま

「兵庫県が認知症対策を本格化 コールセンター開設」(5月30日/神戸新聞)
兵庫県は30日、認知症について幅広く相談を受ける「もの忘れコールセンター」を開設した。番号は短縮ダイヤル「#7070(なぜなぜ)」と「#7272(なになに)」の2回線で、看護師らが応じる。ほかにも県医師会などと協力し、認知症に対応できる医療機関の情報収集とリスト化を進めるなど、今後増加が見込まれる認知症対策に本格的に乗り出す。
県の推計では、2010年の認知症高齢者は12万2千人で、25年には倍近い21万1千人に増えるとしている。
このため、より気軽に相談できる機会をつくろうと、平日の午前10時~午後4時(正午から午後1時は除く)、短縮ダイヤルでの電話相談に応じることを決めた。
一方、県内で約1600人と推計される65歳未満の若年性認知症については、6月19日に「ひょうご若年性認知症生活支援相談センター」を県社会福祉協議会内に開設する。平日の午前9時~午後4時、来所または電話(TEL078・242・0601)で、保健師や社会福祉士が医療、介護、就労などの相談に乗る。
認知症の医療機関としては「認知症疾患医療センター」が計11カ所設置されているが、検査の予約待ちに長期間かかったり、通うのが不便だったりする人が少なくない。
県はこうした問題を解消するため、地域で認知症の診断ができる診療所や病院に呼びかけ、「認知症対応医療機関」に登録した上でリスト化。人員配置や検査体制によって、かかりつけ医から専門的医療機関まで3段階に分ける。
症状や住居地に応じた医療が受けられるよう、医療機関同士の連携強化も図るという。
県高齢社会課は「認知症への理解を広げ、早期発見と適切な受診につなげていきたい」としている。(岡西篤志)
神戸新聞NEXT 2013年5月30日 原文のまま

「広がる認知症カフェ 初期患者や家族の孤立を防げ」(5月27日/京都新聞)
初期認知症の人と家族が集い、悩み事を相談したり介護情報を得たりする「認知症カフェ」が京都府など全国で広まっている。軽度の認知症患者を支える福祉サービスはこれまでなく、孤立しがちな患者・家族からは「悩みを受け止めてくれる」と好評だ。だが、支援団体の調査では資金確保や人材育成などの課題も浮き彫りとなった。運営の充実に向け、国のサポートが急がれる。
京都市上京区の「オレンジカフェ今出川」。子育て中の母親が集うサロンで週1回開かれる。時間は午前10時半~午後3時半。認知症当事者や家族、医療介護職、ボランティアらが集まり、自由に歓談する。誰が当事者かスタッフか分からず、初対面でもくつろげる。
初期の認知症と診断された参加者の女性(68)=山科区=は「不安な日々ばかりだけど、ここに来ると本当に楽しくなる」。方向音痴が悪化し、家事への影響が出始めている。一緒に参加する夫(70)は「家族の思い、困惑もスタッフが受け止めてくれる」と語る。
同カフェは京都大医学部付属病院老年内科診療科長の医師、武地一さん(写真右)が昨年9月に開設。医療機関を受診しない人にも対応し、認知症になっても地域で暮らせる支援を目指す。武地さんは「軽度の患者と家族は介護サービスや社会から疎外され、自宅にこもり、身内同士で傷つけ合う例もある。サービスを受けるまでの空白を埋める大切な存在だ」とカフェの意義を強調する。
「認知症の人と家族の会」(上京区)によると、認知症カフェは京都市や舞鶴市など府内に少なくとも7カ所ある。滋賀県内ではカフェを名乗っていないが、同様の場所が守山市にある。全国では運営方法や開設場所は異なるが約100カ所以上あるという。
厚生労働省の推計では65歳以上の10人に1人は認知症で今後も増加が予想される。国は本年度からの「認知症施策推進5か年計画」で認知症カフェの普及・推進を掲げ、運営費補助を初めて予算措置した。同省認知症・虐待防止対策推進室は「全国の開設状況はまだ正確に把握できていないが今後、モデル施設で整備調査を進め、支援に取り組む」としている。
京都新聞 2013年05月27日 原文のまま
関連情報:「認知症カフェのあり方と運営に関する調査研究事業 報告書」(2013年4月18日 認知症の人と家族の会」(pdf18M)

★「認知症サポーター1万人達成」(5月16日/中国新聞)
尾道市内で15日、地域の認知症患者やその家族を見守り、支援する認知症サポーターの認定者が1万人に達した。市社会福祉協議会が市の委託を受け、2007年8月から町内会や小中高などで養成講座を続けている。症状や家族の苦労への理解を広げ、安心して暮らせるまちづくりにつなげる狙い。
同市栗原町の竹屋団地集会所であった講座に30~90歳代の住民27人が参加。サポーターは1万5人となった。5年半余りかけ、280回目で大台を超えた。
キャラバンメイトと呼ばれる民生委員たち講師7人が症状などを講義。「認知症は誰にも起こりうる」などと話した。自分がなくした財布を「盗まれた」と不安がる場合の接し方などの事例も寸劇や紙芝居で学んだ。
養成講座は企業や学校、ボランティア団体の依頼を受け、社協が約20人いるキャラバンメイトを講師として派遣する。無料。1時間程度の座学やグループワークに参加すれば、サポーターに認定される。
同社協の岩崎光博・地域福祉課長は「家族だけで抱え込まず、地域全体で認知症の人を支える雰囲気をつくりたい。積極的に受講してほしい」と話している。
[写真説明]寸劇で認知症患者への接し方を学ぶ養成講座の参加者
中国新聞 2013年5月16日 原文のまま

「認知症、世代超え理解を さつま町職員ら紫尾小で寸劇」(5月15日/南日本新聞)
さつま町の紫尾小学校体育館で12日、児童や保護者に認知症を知ってもらうための講演会があった。町職員やケアマネジャーらが寸劇を披露、コミカルな演技を楽しみながら、理解を深めた。
同町の高齢化率は県内でも上位の34.7%で、認知症への対応が喫緊の課題。講演会は町地域包括支援センターが授業参観に合わせ初めて実施した。
解説に続いて披露された寸劇は、認知症の症状、物忘れが出始めた72歳の「薩摩ウメさん」が主人公。「朝ごはんを食べていない」「財布がない」と騒動を起こすウメさんに、孫の認太郎君、知子さん、症子さんがそれぞれ接し、誰の対応が正解か、会場の観衆に問いかけた。
準備期間わずか1カ月弱とは思えない職員らのせりふ回しや動きに、児童や保護者らは爆笑。劇を通じて、認知症の人を責めず、発言を受け入れる姿勢の大切さを学んだ。
南日本新聞  2013 年5月15日 原文のまま

★「放射性医薬品合成設備「NEPTIS plug-01」を承認申請」(5月14日/財経新聞)
発表:日本イーライリリー株式会社
認知機能低下に関係する脳内のアミロイドβ・プラークを評価するPET脳画像用放射性診断薬「florbetapir(18F) 注射液」を合成
日本イーライリリー株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表執行役社長:アルフォンゾ・G・ズルエッタ 以下、日本イーライリリー)は、5月14日、放射性医薬品合成設備「NEPTIS plug-01」について承認申請を行いました。この設備は、認知機能低下に関係する脳内アミロイドβ・プラークを評価するPET(陽電子放出断層撮影装置)脳画像用放射性診断薬「florbetapir(18F) 注射液」を医療機関にて合成するためのものです。
「florbetapir(18F) 注射液」は、認知機能障害のある患者のアルツハイマー型認知症および他の原因に関する鑑別診断に際して、脳内のアミロイドβ・プラークを可視化するためにPET脳画像で用いる放射性診断薬です。2012年に世界で初めて米国で承認・発売、今年1月にはEUにて承認されました。「florbetapir(18F) 注射液」は、アルツハイマー型認知症の原因と考えられている、脳内アミロイドβ・プラークを生体内で評価できる、唯一の診断薬です。(2013年5月現在)
アルツハイマー型認知症は認知症の中で最も多く報告されています*1。その原因は、脳内にあるアミロイドβというたんぱく質が凝集しアミロイドβ・プラークとして脳全体に蓄積することで、脳の神経細胞を減少させ、脳の働きの低下や脳の委縮を引き起こし、それらの結果として認知機能の低下を招くと考えられています。しかしながら、従来、原因であるアミロイドβ・プラークの状態を評価する方法は解剖検のみで、生前に評価する方法がありませんでした。現在、診断に際しては、問診、血液検査等に加え、MRIやCTなどの画像検査が行われていますが、当社で行った国際医師意識調査によると、調査に参加した医師の45%が、アルツハイマー型認知症について「誤診がしばしばある」と回答しました。また48%の医師が、アルツハイマー型認知症の診断時期は、効果的な介入を行うには「常に」あるいは「しばしば」遅すぎると回答しました*2。
*1  「認知症疾患治療ガイドライン2010」
*2 「アルツハイマー型認知症に関する国際医師意識調査」(イーライ・リリー・アンド・カンパニーにより、2012年7月11日から 2012年8月20日にかけて米国、英国、フランス、イタリアおよび日本の医師に対して実施。)
放射性医薬品合成設備「NEPTIS plug-01」が承認されれば、PET脳画像用放射性診断薬「florbetapir(18F) 注射液」を医療機関にて合成し、日本においても脳内のアミロイドβ・プラークを可視化するアミロイドイメージングを行えるようになります。アミロイドイメージングは、アルツハイマー型認知症のより正確な確定診断、ひいてはより適切な治療に貢献できると考えています。
日本イーライリリー株式会社について
日本イーライリリー株式会社は、イーライリリー・アンド・カンパニーの子会社で、革新的な医薬品の輸入・開発・製造・販売を通じて日本の医療に貢献しています。統合失調症、うつ、双極性障害、注意欠陥・多動性障害(AD/HD)、がん(非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、悪性胸膜中皮腫、尿路上皮がん、乳がん、卵巣がん、悪性リンパ腫)、糖尿病、成長障害、骨粗鬆症をはじめとする、ニューロサイエンス領域、がん領域、糖尿病領域、成長障害領域や筋骨格領域における治療法を提供しています。詳細はホームページでご覧ください。https://www.lilly.co.jp/
財経新聞 2013年5月14日 原文のまま
関連情報:Florbetapir PET predicts cognitive decline (Jul 18 2012 medicalphysicsweb)

「地域拠点へ相談149件 県認知症疾患医療センター」(5月4日/愛媛新聞)
認知症患者の早期受診や相談の拠点として4月1日に業務を始めた県認知症疾患医療センターの地域拠点センター6カ所への相談件数が、30日までの1カ月で149件になった。県健康増進課は「相談が殺到するなどの大きな混乱は確認しておらず、順調なスタートだ」としている。
認知症は早期に発見し受診すれば、薬物療法などで症状の緩和や進行を遅くできる可能性がある。厚生労働省の2007年の推計では、10年の愛媛県内65歳以上の認知症患者は3万5659人。県長寿介護課は、実際にはこれよりも多くの患者がいるとみている。
東、中、南予地区の6地域センターへの相談は東予(3拠点)90件、中予(1拠点)40件、南予(2拠点)19件
愛媛新聞Online  2013年5月4日 原文のまま
関連情報:全国認知症疾患医療センター(2012.2.1現在)(pdf200K)

「認知症早期発見へ 府が電話相談」(4月23日/京都新聞)
認知症患者や、その家族らの相談に無料で応じる府認知症コールセンター(0120・294・677)が23日、開設される。認知症患者の介護経験者が平日午前10時~午後3時に悩みや症状、医療機関に関する相談を受け付け、早期発見・対応につなげる。(藤本将揮)
厚生労働省によると、65歳以上の認知症の高齢者は2010年現在、全国で280万人。65歳以上人口の9・5%を占めている。府内では約6万人いると推計され、25年には1・5倍の9万人になるという。
認知症については、家族が症状を疑って病院に連れて行こうとしても、患者本人が否定して通院を拒み、診断された時点で進行していることも少なくない。より若い世代で発症する若年性認知症への対応のほか、患者とその家族が悩みを家庭で抱え込んでしまわないよう、支援態勢の充実も求められている。
府はこれまで保健所などでも相談を受け付けてきたが、より相談しやすい環境を整え、早期の治療につなげてもらおうと、無料の電話窓口を設けることにした。相談電話には患者本人やその家族でつくる「認知症の人と家族の会府支部」(上京区)スタッフが対応。必要に応じて医療、福祉など関係機関の案内も行い、包括的なケアを推進する。
<ささいな異変見逃さないで>
コールセンターの事業を請け負う「認知症の人と家族の会府支部」の荒牧敦子代表(72)(写真右)も認知症の家族の介護を経験した。
2000年頃、それまで温厚だった夫が突然、怒ったり、机をたたいたりするようになった。「何で怒っているの」と聞いても、夫は「さあな」と言うばかり。荒牧さんが、同支部のスタッフとして勤務を始めて間もない頃の出来事だった。
2年が過ぎ、夫は62歳で認知症と診断された。すでに症状は進行しており、夫は67歳で亡くなった。認知症になった義母と実父の介護経験があり、認知症に悩む人から相談を受けていた荒牧さんさえ、夫の症状にはなかなか気付くことができなかった。「怒りっぽくなったことが、まさか認知症によるものとは思わなかった」と振り返る。
高齢化社会を迎え、府内の総合病院で認知症の専門医の診察を受けるには3か月から半年待ちということも多い。荒牧さんは「早く発見できれば進行を遅らせ、場合によっては症状が改善することもある」と力を込める。「いつもと様子が違うことがあれば、ささいなことでも相談してほしい。そこから、地域の信頼できる医師を紹介するなど、支援も広がる」と呼びかけている。
Yomiuri Online 2013年4月23日 原文のまま

★「認知症高齢者を活性化させる「赤ちゃん効果」の超不思議」(4月14日/産経新聞)
認知症の高齢者が、赤ちゃんと一緒に「体育」「音楽」「図工」などの“授業”を受けると、表情が豊かになり、おしゃべりが増えた-。神戸市内のNPO法人が、そんな“赤ちゃん効果”を調査し、高齢者施設向けの介護プログラムとして事業化を目指すユニークな取り組みを続けている。赤ちゃんの人形やロボットによる高齢者への癒し効果は報告されているが、実際の赤ちゃんがもたらす効果に関する調査はほとんど例がなく、注目が集まっている。(横山由紀子)
赤ちゃんと一緒に“授業”
神戸市中央区の「デイサービス真愛」の遊戯室。昨年11月22日、認知症の高齢者約40人と、8カ月、10カ月、1歳10カ月の赤ちゃんと母親の計3組が集まった。「さあ、赤ちゃんと一緒に体を動かしてみましょう」。講師の説明でノリのいい音楽がスタート。高齢者らはポンポンを手に車いすに乗ったまま体を動かし始め、よちよち歩きの赤ちゃんが近づいてくると、赤ちゃんに見せようとして、大きく手を動かし、リズムを取り、見守っていた職員から「赤ちゃんも喜んでいるね」と声をかけられると、うれしそうに頬をゆるめた。
体育の“授業”を受けた芝イソエさん(95)は、「体を動かすと気持ちよかったので次回が楽しみです。赤ちゃんを抱っこすると子育てをしていた遠い昔を思い出しました」と笑顔で話した
この取り組みは、子育て中の母親が働きやすい社会を目指すNPO法人「ママの働き方応援隊」(神戸市中央区)が主催。赤ちゃんがもつ、他者を優しい気持ちにさせる力に着目、赤ちゃんを高齢者施設などに派遣する「赤ちゃん先生」事業を平成23年秋から兵庫県内を中心にスタートさせ、現在は東京都や愛知、岐阜県などに広がっている。
今回は、赤ちゃん先生をより発展させた形で、介護プログラムとしての事業化を計画。書道師範や栄養士の資格などを有する赤ちゃんの母親たちが、それぞれの得意分野を生かして講師となり、高齢者は赤ちゃんと一緒に“授業”を受ける。すでに音楽と体育、書道の授業が実施され、普段無口な高齢者が授業中に笑顔を見せ、よくしゃべるようになったという。
「守ってあげたい」パワー
残りの「書道」「図工」「食育」を含めて、5科目を何度か繰り返し、来年3月までに調査結果をまとめる予定だ。高齢者との会話の中から、昔を思い出すなどの心の変化や“授業”への意欲などの効果を、講師の母親や施設の職員らが写真を交えて1人ずつ1冊のノートにまとめていくという。
介護の現場では、赤ちゃんの人形を抱っこしたり、赤ちゃんロボットと触れ合うことで高齢者の心を癒やす「ドールセラピー」や「ロボットセラピー」の療法が既に取り入れられている。
「人形やロボットではなく、実際の赤ちゃんに触れる効果はより深いのではないかと考えています。調査の結果、効果がある程度示すことができれば、各地の高齢者施設で介護プログラムとして採用してもらえるのでは」と同法人の恵夕喜子理事長(写真右中)は抱負を語る。
実はこのプログラムの事業化には、もうひとつの狙いがある。出産・子育てを機に仕事をやめ家に閉じこもりがちな母親が、得意分野を生かして講師を務めることで、「いずれ職業につながるような仕組みを摸索したい」という。
神戸大学発達科学部の伊藤篤教授(子ども家庭福祉論)(写真右下)は、「赤ちゃんには、愛しい、守ってあげたいと思わせる力が生まれつき備わっている。第一線から離れた高齢者にとって、赤ちゃんをあやしたり、抱っこしたりする中で、守るべき小さな命のために自分も役に立っているという実感がわく。子育て経験者なら昔の幸せな情動が呼び覚まされ、幸福感にも浸ることができる。また、学童期に習った書道や音楽などの授業を思い出すことで、いい刺激やケアになると思う」と話している。
産経ニュースウエスト 2013年4月14日 原文のまま
編者:高齢者と子供との共通性を通した繋がりは以前から指摘されてきた。今回の試みもそうした流れの一環と思われるが、実証をつみかさねて介護技術を一般化してほしい。

「農薬誤使用で8人死亡 誤飲、服用など全て高齢者」(4月12日/全国農業新聞)
農水省は3月27日、2011年度に農薬の誤使用によって8人が死亡したことを発表した。40人に中毒症状が出て、人への被害は全部で48人に及んだ。
 亡くなった8人は、いずれも60歳以上。事故原因は、80歳以上の2人が飲料空容器に移し替えられていたことによる誤飲で、その他6人に農薬の服用による中毒症状が出たものの詳しい原因は不明だった。
呼吸困難や目、鼻、のどの痛みなどの比較的軽傷者を含めた事故原因では、食品と誤っての誤飲が9件で最多。管理・取り扱いがずさんだったため子どもや認知症者が誤って口にした、散布時にマスクなどの防護装備が不十分だったが7件ずつとなった。
また、人以外への被害は、除草剤の飛散による枯死や変色などの農作物被害が8件。因果関係は不明だが、農薬使用時期のミツバチの死亡が8件、農薬が河川に流出した事などによる魚類への被害が10件となった。
この事態を受け同省では、(1)農薬を飲料の空容器に移さない(2)農薬と飲食品を分けて保管・管理する(3)使用時は注意書を確認し、防護メガネやマスクなどの防護装備を着用する(4)周りの作物や人畜に影響しないよう、飛散防止対策を十分に行う(5)不要になった農薬は廃棄物処理業者に依頼するなど適正に処理するように呼びかけている。
全国農業新聞 2013-4-12 原文のまま
関連情報:「平成23年度 農薬の使用に伴う事故及び被害の発生状況について」(平成25年3月27日 農林水産省)
編者:農村に限らす都会でも農薬は身近にある。認知症の人が口にしない工夫が必要だ。

「認知症介護の悩み出し合おう 京田辺の女性がサロン設立」(4月12日/京都新聞)
認知症の人を介護する家族らが情報交換したり、ほっとできる場を作ろうと、京田辺市の女性が「おしゃべりサロン」を立ち上げ、初の集いを14日、同市草内の中部住民センターで開く。「両親や若くして発症した夫の介護の経験を伝えたい。一緒に思いをはき出しましょう。勇気を出して、まずは連絡だけでも」と呼び掛ける。
市内在住の佐賀智恵さん(66)(写真)。自動車整備会社を経営していた夫(64)は2007年、若年性認知症と診断された。「その4年ほど前から仕事の手が止まるなど、おかしいな、と感じていた。本人は認めず、病院に連れていくまでがひと苦労でした」。介護とともに、「一見元気なため、周囲の理解が得られにくい。他人にむやみに相談できない」ことに悩んだ。看護師の紹介で4年前から宇治市の認知症友の会に参加し、月例会などで仲間の輪を広げた。
そんな中、「同じ境遇の人が京田辺以南にもっといるはず」と市社会福祉協議会と連携し、サロン設立を決めた。今後は数カ月に1度サロンを開くとともに、木津川市などでも開催を検討する。
佐賀さんは「早く治療していれば、もっと早く年金や控除について知っていれば、と悔いが残る。進む症状に衝撃を受けて落ち込んだり、頑張り過ぎて疲れたりもする。『そうそう、うちも一緒』と共有するだけで楽になります」と語る。
午後2~4時。参加費300円。問い合わせは同協議会TEL0774(62)2222。
京都新聞 2013年4月12日 原文のまま
編者:地域にいろんな形の支援があるのがよい。これも一つの大切な取り組みだ。

「認知症サポーター400万人突破 地域の受け皿がカギ」(4月10日/中日新聞)
認知症の高齢者が三百万人を超えたことを背景に、国の施策推進五カ年計画「オレンジプラン」が四月からスタートした。認知症になっても、地域で暮らせる社会づくりを目指す。その担い手は、私たち一人一人でもある。 (三浦耕喜)
「私たち自身が関わることで、認知症の方も住みよい地域にできます」。東京・池袋の区民会館で、主婦や会社員ら数人が講師の話にうなずいた。各自治体が開く認知症サポーター養成講座だ。
認知症の高齢者が急増している。二〇〇二年には百四十九万人だったが、一二年には三百五万人に。十年で倍のペースで、六十五歳以上の十人に一人が認知症。二五年には四百七十万人に達すると推計されている。
厚生労働省の調査では、このうち半数が自宅で過ごす。急務となる地域の受け皿づくりを定めたのが、一七年度末までの推進計画「オレンジプラン」だ。
計画では、認知症の症状に応じて適切なサービスを提供する流れを示す「認知症ケアパス」を各自治体が作成。専門講習を受けたかかりつけ医を現在の三万五千人から五万人に増やす。早期診断に対応する医療機関も五百カ所整備する計画だ。
さらには、認知症の人が自宅で日常生活をつつがなく送るには、地域社会の理解が欠かせない。スーパーのレジ、銀行の窓口、バスの乗り場などで、認知症の人に接する機会は増える。その際に、知識があれば、ちょっとした気遣いができる。それで、認知症の人や家族の幸不幸は大きく変わる。
NPO法人「地域ケア政策ネットワーク」は、厚労省との協働で〇五年から市民向けに「認知症サポーター養成講座」を実施。受講者は当初目標の百万人を大きく上回り、三月現在で四百万人がサポーターとなった。オレンジプランでは、サポーター六百万人を目標としている。
一時間半ほどの講座では、認知症が脳の病気であることを学び、認知症の人に接する心得を知る。受講者には手首にはめるオレンジのリングが授与される。それがサポーターの証しだ。接客力を上げる手段として、積極的に取り組む企業もある。日中も自宅周辺にいる子どもの潜在力は大きく、授業で取り入れる学校も増えている。
同ネットワークの菅原弘子事務局長は「認知症サポーターは特別なことをする人ではない。『あの家は、カーテンが閉まったままだ』とか『あの人、何か困っているんじゃないか』と見守ることも第一歩です」と話している。
□脳の病気で生活に支障
認知症はさまざまな要因から、脳細胞が死んだり、働きが悪くなる病気で、生活に支障が生じる状態をいう。
加齢によるもの忘れとは異なる。加齢によるものは体験の一部を忘れるにすぎないが、認知症では体験全体を忘れるのが特徴。買い物に行って何か食材を買い忘れることはよくあるが、認知症では買い物に行ったこと自体を忘れてしまう。時間や季節の感覚が薄らぐのも顕著な症状だ。
ただ、理解力は衰えても感情は働く。そのため、認知症の人に接する際は、怖がらせないことが重要だ。声をかける時は相手の視野に入ったところでゆっくり、はっきり話す。複数で囲んだり、後ろから声をかけると、恐怖心を抱かせてしまうので配慮が必要だ。
中日新聞 2013年4月10日 原文のまま
編者:認知症サポーターが400万人を越えましたか。すばらしいことです、1000万人で国民10人に1人がサポーターでも多すぎるというわけではない。地域の受け入れというより、まずは認知症を理解した人が地域や会社や家庭に広がることが有意義なのだ。

「登別市社協内にセンター新設、認知症患者の生活手助け」(4月9日/室蘭民報)
登別市社会福祉協議会の理事会と評議員会がこのほど開かれ、2013年度(平成25年度)事業計画が決まった。13年度は「生活あんしんサポートセンター」を社協内に新設し、2人の専任職員を配置。認知症患者の金銭管理事業などを行っていく。このほか重度障害児の入浴サービスを新規で実施する。
同センター事業では、従来から取り組んでいる福祉相談事業をはじめ生活福祉資金貸し付け事業、高齢者見守り事業、金銭管理などを内容とした日常生活自立支援事業―を一体的に行っていく。
相談員とソーシャルワーカーの2人を専任で配置する。4事業のうち、日常生活自立支援は、道社協委託の新規事業。認知症などで判断能力が不十分な市民が安心して在宅生活を送れるよう、福祉サービス利用契約援助や、金銭管理支援を行う。
肢体不自由児を対象にした入浴支援事業は、需要が高まる夏前の実施に向けて、具体的な仕組みを組み立てていく。
市内には肢体不自由児が通所や入所で入浴できる施設がなく、現状では訪問入浴サービスを利用するか、近隣市町施設でサービスを受けるのが基本で、実態としては家族介護による自宅入浴を選択している人が多いという。
登別肢体不自由児者父母の会と連携し「公的制度の隙間を埋める独自事業として入浴支援を実施する」ことを決めた。現時点では「5人程度」の利用が見込まれている。夏までに自己負担額や入浴回数などについて調整していく。(鞠子理人)
室蘭民報 2013年4月9日 原文のまま
編者:特に新しい事業というわけではく、現行の「日常生活自立支援事業」の改訂版だ。日常生活自立支援事業については認知症辞典に解説あり。

「認知症買い物客の接客「任せて」大牟田市の中心商店街でサポーターが応対」(4月5日/ 西日本新聞)
高齢者が利用しやすい街づくりを進めて地域の活性化を図ろうと、大牟田市の中心商店街が認知症の買い物客への接客サービスを始めた。店主たちは症状を理解する「認知症サポーター」として応対し、サービス実施店舗を紹介する冊子も製作。「安心して買い物を楽しんでほしい」と来店を呼び掛けている。
認知症サポーターは、厚生労働省の呼び掛けで2005年度に始まった取り組み。自治体などが主催する講座で基礎知識を学び、身近な人を見守り、支える役割を担う。
同市の高齢化率は30・6%(12年10月現在)と、全国的にも高い。人口の3割を占める高齢者は中心商店街にとって重要な顧客だ。10年8月から、市内の福祉施設や地域交流施設への出張販売を月に一度実施しているが、高齢者が気軽に街中に出られるよう、新たなサービスに踏み切った。
21店舗が参加し、店主と従業員の計30人が市主催の講座を受講。症状に対する理解を深め、驚かせない声の掛け方や、混乱させない釣り銭の手渡し方などを学んだ。認知症サポーターは目印としてオレンジ色のリングを手首に着けており、店での目印になる。
写真と地図で実施店舗を案内する小冊子は5千部製作。店頭や市内の福祉施設などで3日から無料配布している。
企画したのは、銀座通り商店街で眼鏡店を経営する松永匡弘さん(37)。「高齢化が進む中、商店街が生き残るにはお年寄りを呼び込む必要がある。実施店を広げ、福祉の街としてにぎわいをつくりたい」と話した。松永さん=0944(56)8855。
西日本新聞 2013/04/05 原文のまま

「大塚製薬 アルツハイマー病新規クラス薬の共同開発・販売権を取得」(4月5日/ミクスOnline)
大塚製薬はこのほど、アルツハイマー病の新規クラス薬であるLu AE58054 の日本などにおける共同開発および共同販売権を取得したと発表した。Lu AE58054はルンドベック社(デンマーク)が創製した選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤で、フェーズ2試験まで終えているが、現時点では日本における開発スケジュールは公表されていない。
大塚製薬はルンドベック社から北米、東アジア、欧州主要国、北米における共同開発・共同販売の権利を取得、その対価として契約一時金142.5億円、開発・承認、売上達成金として最大で641.25億円を支払う。
フェーズ2試験は、ドネペジルで治療中の中等度のアルツハイマー病患者278例を対象として、プラセボまたはLu AE58054を追加して比較した。その結果、Lu AE58054の追加による認知機能の改善と同薬の忍容性の高さが認められたが、詳細な結果は7月にボストンで開かれるアルツハイマー病協会国際会議(AAIC)で発表される。このフェーズ2はオーストラリア・カナダ・欧州5カ国で実施され、グローバルのフェーズ3試験も計画されているが、現段階で日本の参加予定は明らかにされていない。
同社によると、選択的セロトニン5‐HT6受容体拮抗剤の開発は他社でも行われているが、Lu AE58054の開発が先行している。
ミクスOnline 2013年4月5日 原文のまま
関連情報:大塚製薬株式会社ニュースリリース 2013年3月26日「大塚製薬とルンドベック社 グローバル中枢薬アライアンス事業を拡大 アルツハイマー病の新規化合物 選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗剤Lu AE58054の共同開発・商業化を合意」
編者:Lu AE58054はアルツハイマー病の根治薬ではなくアリセプトのような症状改善薬と思われる。製薬企業として将来性のあるアルツハイマー病薬の開発に大塚製薬も参入。

★「82歳女性の力作油絵を展示 京丹波、二科展出展作も」(4月4日/京都新聞)
京都府亀岡市の老人ホームで暮らす女性が生涯かけて描いてきた油彩画の作品展が6、7日、京丹波町須知の丹波マーケスで催される。施設入所で自宅に残された作品を「このまま眠らせるのは忍びない」と、福祉職員らが発案した。二科展などにも出展された絵画約50点を紹介する。
亀岡市本梅町の老人ホーム「亀岡友愛園」で生活する高野あい子さん(82)が描いた。過去に大阪市立美術館の美術研究所に所属し、二科展に10年連続で出展したり、大阪や東京の画廊で個展を開いたこともある。
1985年に兵庫県川西市から京丹波町大朴に移り住んだ。2007年に夫を亡くし一人暮らしに。10年からNPO法人「クローバー・サービス」(同町橋爪)の訪問介護を受けていたが、認知症もあり、昨年7月、亀岡友愛園に入所した。
自宅は処分されることになったが、約100点の絵画をどうするか、問題になった。瑞穂山彦苑(同町三ノ宮)のケアマネージャーがいったん作品を引き取った。亀岡友愛園、町職員らとも相談し、「素晴らしい作品が残っており、多くの人に見てもらいたい」と、クローバー・サービス主催で作品展が企画された。
ヘルパー職員らが先月24日、作品を整理し、展示の準備を行った。花や人物、風景などがあたたかいタッチで描かれている。
高野さんも展示を喜んでいるという。主催者は「作品から高野さんの人生が伝わってくる。力作の数々を見てほしい」としている。入場無料。問い合わせはクローバー・サービスTEL0771(88)5014。
京都新聞 2013年4月4日 原文のまま
「老いてさまよう:ある老健より/1 神奈川の認知症「駆け込み寺」(その1)老健、みとりの場に」(その2止) 選別され、出ては戻り(4月3日) 認知症の妻、がんの夫が支え(4月4日)2敬遠される男性(4月4日)3身体拘束の痛み(4月5日)4止 家で食事、妻が笑う(4月6日)/毎日新聞)
(その1) 老健、みとりの場に
◇在宅復帰果たせず、年10人超が他界
認知症になって行き場をなくした人は少なくない。ようやくたどり着く場所に介護老人保健施設(老健)がある。だが、本来は在宅復帰を目的とする施設で、ついの住み家ではない。老健でいま何が起きているのか。
介護老人保健施設「なのはな苑」(神奈川県三浦市)は相模湾の向こうに富士山を望む三浦半島にある。数少ない認知症専門の施設だ。冷たい海風が吹きつける2月20日夜、石井友子さん(94)の臨終を医師から告げられた長男了輔さん(69)は母の髪をなでながら傍らの記者に語りかけた。「ここで最期の大切な時間を過ごせて幸せでした」
東京・目黒の自宅マンションで1人暮らしをしていた友子さんは3年前の夏に入所した。目黒区内の特別養護老人ホーム(特養)の待機順は960番台。他の施設では認知症だと敬遠されがちだ。了輔さんがすがるような思いで飛び込んだのが、認知症患者の家族から「駆け込み寺」と呼ばれるこの老健だった。
介護保険法上、老健は病院を退院した高齢者が機能訓練を経て自宅に戻るまでの施設。だが平均在所日数は00年の185日から10年には329日に増え、在宅復帰率も23・8%にとどまる。国は社会保障費を抑制するため在宅復帰を促そうと昨年度、復帰率50%以上などの厳しい要件をクリアした施設の報酬を引き上げた。なのはな苑もその一つだ。
一方、入所者約100人の中で最期を迎えるのは95年の開所当時、ごくわずかだったが近年は年間10人を超える。在宅復帰を進めつつ、足りない特養に代わってみとりの場にもなっているのだ。現状を追認するように国が08年、みとった施設の報酬を加算する制度を設けたのは苦肉の策だった。だが入所自体狭き門だ。月に申し込みがある30?40人のうち空きがあって入れるのは4人ほど。運良く入れてもここでみとられるとは限らない。
  □  □
「あーうまかった」。友子さんが亡くなった日、夕食のさばの塩焼きを平らげた青山文子さん(84)が大きな声を上げた。横須賀市で長男(55)一家と同居し、共働きの夫婦に代わり孫2人を育てた。2年前に認知症を患い、寝たきりになった。昨年10月に入所、歩行器を使って歩けるまで回復した。
なのはな苑は長くても半年で退所しなければならない。とはいえ国の基準で要介護度に応じ一定期間在宅介護すれば再び入所できる。要介護3の文子さんなら1カ月だ。友子さんも家族が介護しやすいホテルを無理して借り、再入所を繰り返した。しかし文子さんの家族は全員が働き、介護はできない。長男はグループホームに移そうとしたが「大声を出したり動き回ったりして他の人の迷惑になる」と断られた。「母が回復したことで逆に受け入れ先がなくなってしまった」
 ここでの生活が特例でひと月延長された。超高齢社会ではみとりの場を見つけることさえ難しくなっていく。3月17日、退所期限が翌日に迫っていた。
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□ことば
◇介護老人保健施設
治療が不要でも長期に及ぶ「社会的入院」で膨大化した医療費を削減するため、88年に制度化された老人保健施設が原形。00年に介護保険制度が始まり、現在の名称に変更された。介護費用の1割は本人負担で残りは保険料と公費で賄われるが、食費と部屋代は利用者負担。常勤医や看護師、作業療法士などの配置義務がある。対象は要介護の65歳以上が原則。全国に約3700施設(約33万床)あり、約7割を医療法人が経営する。
毎日jp  2013年4月3日 原文のまま
(その2止)選別され、出ては戻り
神奈川県・三浦半島のキャベツ畑の中に建つ認知症専門の介護老人保健施設「なのはな苑」。石井友子さん(94)が息を引き取り、看護師やヘルパーが慌ただしく動き回る2月20日夜、同じフロアに男性の寝言が響いていた。「そうですか。そうですか」。前日に88歳の誕生日を迎えたスズキさんだ。
自宅近くの老健を希望していたが満床だったため2年前の6月、車で約40分かかるなのはな苑に入所した。約1年後、空きが出たその老健に移ったのが誤算だった。
近所の老健は退所する人の割合が5%。介護業界では「終生型老健」と言われる。国はなのはな苑のように在宅復帰に力を入れる施設の報酬を増やす一方で、終生型老健には減額しているため、最低限の人員配置で経費を抑え、経営を維持する施設が少なくない。
家族が近所の老健を望んだのは、同じグループが運営する特別養護老人ホームが併設されているからだ。目の前にはスズキさんが大好きだった湘南の海が広がる。いつか訪れるみとりの場になるはずだった。
だが、入所後1週間で問題を起こす。職員が使うパソコンのコードをコンセントから抜いて回ったのだ。「困ってしまいましたよ」という施設からの連絡に、家族はいたたまれなくなった。徘徊(はいかい)を防ぐため、夜間は部屋のドアがソファでふさがれた。家族は異様に感じた。長男(61)は「特養につながるルートと期待していたのですが、父の居場所にはならなかった」と振り返る。わずか1カ月でなのはな苑に戻ってきた。
記者はその老健を訪ねた。4階建ての施設で約70人が暮らしていた。認知症の人が大半だったが、徘徊する人は見かけない。理由を尋ねると、施設の幹部は「スタッフが限られているので、徘徊する人が多いと困りますから」と言った。手の掛かる人は選別され、さまようことになる。
地元の神社の大祭で、氏子総代のスズキさんが毎日新聞の取材に語った17年前の記事がある。「正しい形で祭りを後世に伝えたい」。その話をした時のことだ。普段は会話もままならないのに笑みがこぼれた。「やった、やった。総代やった」
昨年から車いす生活になった。徘徊することもなくなったからなのか。今年1月、以前入所した老健に併設された特養から封書が届き、こう書かれていた。「1年以内に入所できる可能性が高い」
  □  □
3月18日。自宅での介護が難しく、退所を延ばしてもらっていた青山文子さん(84)に期限の日が来た。家族が希望した有料老人ホームからは、もう少し待ってほしいと言われている。なのはな苑はやむなく入所をさらに延長した。ここならひと月の費用が食事代を含め約12万円。有料ホームは約18万円かかる。家族の負担は重い。
 ホームへの入居に必要な健康診断を受けるため、長男(55)がなのはな苑から病院に連れて行こうとした時だった。母は生まれ育った東北のなまりで言った。「おら、どごにもいがねえ」=つづく
(この連載は中西啓介、山田泰蔵、川辺康広、写真は久保玲が担当します)
   ◇
次回からは社会面で掲載します。
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ご意見、情報をお寄せください。メール(tokuhou@mainichi.co.jp)▽ファクス(03・3212・2813)▽〒100?8051(住所不要)毎日新聞特別報道グループ
毎日jp 2013年4月3日 原文のまま
認知症の妻、がんの夫が支え
◇安息、つかの間 7カ所目、1カ月で逝く
6カ所の施設やデイサービスをさまよい、神奈川県・三浦半島にある認知症専門の介護老人保健施設「なのはな苑」にたどり着いた女性。安堵(あんど)の日は続かず、長期入所後1カ月の昨年12月、68歳で亡くなった。
「マーちゃん」「ハーちゃん」。夫婦はそう呼び合った。元会社員の夫(75)は27年前に前妻を亡くし、53歳の時、知人の紹介で「ハーちゃん」と知り合った。妻の異変に気づいたのは10年ほど前。気になる行動が増えたころから、日々の変化を記し始めた。
<06年8月28日 表参道ヒルズ 地下レストランでトイレから戻れない>
ハーちゃんから快活さが消えた。覚悟はしていたが、07年8月に若年性認知症と診断された。それでも2人は思い出を刻むように、車に寝泊まりしながら旅行を続ける。妻に日本中の海岸線を見せてあげたかった。
<07年12月15日 結婚記念日を自分から言ってくれる>
<08年3月23日 今日は山を歩いた。二人で過ごそうね>
自宅での介護に疲れながらも希望を見いだそうと前向きだったが、先行きに不安を感じていた。
<私に何かあり、入院したら即刻、妻の生活は成り立たない>
こう記した半年後の10年1月、不安は当たってしまう。ステージ4の胃がんが見つかったのだ。妻をどこに託せばいいのか。認知症でも体はよく動くため、要介護度は2。最初にショートステイを申し込んだ特別養護老人ホームは「介護度5の重い人が順番待ちをしているのに」とにべもない。
ようやく利用できた地元鎌倉の特養に迎えに行った時のこと。認知症ではない女性2人が妻を指さし、「嫌なのがいるわね」と話しているのを聞いてしまった。いたたまれなくなり、別の特養に移したが、人の車いすを勝手に押したり、突き飛ばしたりしてしまう。「みなさんがおびえている」と施設から聞かされ、次を探さざるを得なかった。
症状は進む。介護記録の<夕食>の欄で妻が作る魚の煮付けは<問題なし>から<なんとか出来る>へ。そして<出来ない>になる。妻は寝る前に「何もできなくて。迷惑かけてごめん」と涙を流した。
国は09年4月、若年性認知症患者を受け入れた老健の報酬を加算する改定を行った。しかし、増額は入所1日につき1200円程度。介護スタッフを増員するにはとても足りない。
<私を夫と思っているのは1日の5%くらいか><私自身が壊れそうになっている>
途方に暮れていた時、担当のケアマネジャーから紹介されたのが、なのはな苑だった。妻の暴力はなくなり、穏やかな顔になった。
別れは突然訪れた。腹膜炎で亡くなる少し前、いつものように「ハーちゃん」と妻に声をかけた。夫だとわかってくれたのか。「はーい」と返事をした。
「マーちゃん」。妻のいない部屋にいると、今もそう呼ぶ声が聞こえる気がする。(社会面に連載2回目)
毎日jp  2013年4月4日 原文のまま
敬遠される男性
2月21日午前1時、神奈川県鎌倉市の民家に明かりがともった。三浦半島の介護老人保健施設(老健)「なのはな苑」から一時帰宅中の岩壁貞良さん(72)方を男性ヘルパーが訪ね、おむつの交換を始める。床ずれを清潔に保つには、深夜と明け方の2回は欠かせない。150センチに満たない妻文子さん(72)が172センチ、74キロの体の向きを変えるのは大変で、ヘルパーの助けが必要だ。
多くの老健で利用者の入所が長期化する中、貞良さんが7年前に入所したなのはな苑は国の方針に従い、家庭への復帰を進めている。その結果、他の老健に比べ介護保険から多くの報酬を得られ、認知症の介護に人手をかけたり、ベッドに新たな利用者を受け入れたりできる。
一方、ここを利用し続けるには、3カ月?半年に1度は一定期間自宅で介護し、再入所の手続きをしなければならない。文子さんは日中をデイサービス、深夜と早朝は訪問介護を使ってしのぐ。「睡眠2時間が2日も続くと体がつらくて。ずっと施設で預かってくれたらと思うこともあります」
夫が認知症の一つのピック病を発症したのは航空機メーカーを定年退職した後の62歳のころだ。スーパーでビールやまんじゅうを勝手に持ち帰ろうとする。大みそか、店内を徘徊(はいかい)する夫の後を閉店までついて回ったこともあった。流れてきた蛍の光を聞きながら「わたしはいま何でここにいるんだろう」と悲しくなった。
介護施設探しにも苦労した。ショートステイを申し込んだ特別養護老人ホームには「会議の結果、受け入れられなくなった」と理由も告げられずに断られ、別の老健からは「責任を負えない」と門前払いされた。貞良さんを担当するケアマネジャーは「男性の場合は難しかった」と話す。
    □   □
なぜ男性は敬遠されるのか。同県横須賀市にある公立病院のソーシャルワーカーは「男性の比率を抑えているところが多い。1割程度の施設もある」と明かす。体の小さい女性よりおむつ替えの負担が重く、車いすに乗せる際の事故も起きやすいうえ、腕力が強いと認知症ゆえの暴力の心配もある。男性でも160センチ、50キロ以下の小柄な人は好まれる。100キロ超の女性も70キロ台まで減量させ、老健に受け入れてもらったことがあったという。
「急で申し訳ありません」。今年1月、なのはな苑に父親(90)の入所を希望する男性が来た。父親を自宅で介護してきた母親が年末に入院し、途方に暮れていた。だが、相談員は「今、男性はいっぱいです」と答えるしかなかった。入所者約100人のうち男性は25人程度。これ以上の受け入れは厳しい。
なのはな苑に戻った貞良さんは、面会に訪れた文子さんに両手を引いてもらいながら廊下を歩いていた。文子さんが童謡を口ずさむと、「おてて……つないで」と合わせた。
「介護はいつまで続くか分からないけれど、一日でも長く生きてほしい」。文子さんが夫の手を小さな手で包みこんだ。=つづく
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□ことば
◇ピック病
認知症の一種で脳の前頭葉と側頭葉が縮む。40代から50代が発症のピークとされる。アルツハイマー病とは異なり、性格が変わり、衝動のまま行動するようになる。万引きなどの反社会的行為をしても罪の意識がなかったり、同じ行為を何度も繰り返す「常同行動」も特徴の一つ。
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ご意見、情報をお寄せください。メール(tokuhou@mainichi.co.jp)▽ファクス(03・3212・2813)▽〒100?8051(住所不要)毎日新聞特別報道グループ
毎日jp 2013年4月4日 原文のまま
3 身体拘束の痛み
「やあ元気かい?」「元気だよ」。2月初め、神奈川県・三浦半島にある認知症専門の介護老人保健施設「なのはな苑」で、タカさん(65)が廊下を歩き回りながら他の入所者に声を掛けていた。ほおに赤みが差し、体調は良さそうだ。
精神科病院に入院した後、なのはな苑にたどり着いた。長男(32)は入院中の父がやせ細り、うつろな目で「ここから出してくれ」と叫んだ声が耳から離れない。
昨年1月、タカさんは散歩中道に迷い、派出所に保護された。異変を感じた親族が地元の横須賀市にある地域包括支援センターに連絡。職員に連れられ受診した同市の精神科病院「久里浜医療センター」で認知症と診断された。暴力を振るわれるようになっていた妻(63)は涙を流し病院に助けを求めた。
「入院するとご主人の体は悪化しますよ」。診察した松井敏史医師は考え直すよう促した。久里浜医療センターは県の指定を受ける認知症診療の中核施設だが、専門病棟はなく、他の精神疾患の患者と同じ病棟で受け入れるしかない。介護スタッフもおらず、夜間は看護師2人で約40人を担当するため、薬物で安静に保つ方法に頼らざるを得ないからだ。それでも妻の意志は固かった。疲労は限界にきていた。
入院生活は家族の想像を超えていた。転倒事故を防止するため、病院は家族の同意を得て全身を拘束するベルトを着けた。「俺は何か悪いことしたのか」。抵抗する父に長男は「こうするしかないんだよ」と言うほかなかった。
薬物治療のせいで表情が消え、体重は10キロ以上減った。熊本の高校を出て鉄道会社に就職し、駅員一筋で定年まで勤め上げた父の誇りはみじんも見られない。いたたまれなくなった家族は入院から2カ月余りたった昨年4月、退院させた。
厚生労働省の調査では、認知症で精神科病院に入院している患者は5万人を超え、1年以上入院する人が半数を占める。介護に疲れた家族や、受け入れ先に困ったケアマネジャーが精神科病院に頼る事情もある。
久里浜医療センターの松井医師は取材に「入院は家族の負担軽減になったが、本人にはよくなかった」と打ち明ける。「なるべく薬を使わず、身体拘束しないで手厚く介護ができる施設を提供したいが、なかなかない」。センターには年間約50人の認知症患者が入院する
タカさんが昨年4月、なのはな苑に入所した日の夜のことを看護師はよく覚えている。落ち着かない様子に気付き「おなかすいているの?」と声をかけた。本人は認知症の影響でうまく思いを伝えられない。おにぎりを作って手渡すと床にひざまずき、こう応えた。「分かってくれてありがとう」。どれだけつらい思いをしてきたのか。看護師は胸を締め付けられた。身体拘束を解かれ、薬を減らすと徐々に回復した。
2月末。1カ月ぶりに自宅に戻った。迎えに行ったのは長男一人。妻はまだ心の傷が癒えていない。それでも、夕飯を作り、玄関で迎えた。「おかえりなさい、お父さん」=つづく
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毎日jp 2013年04月05日 原文のまま
4止 家で食事、妻が笑う
「たえちゃん、迎えに来たよ」。3月28日、神奈川県・三浦半島にある認知症専門の介護老人保健施設「なのはな苑」の広間に雅之さん(61)が顔を見せると、妻多恵子さん(60)の目が潤み始めた。涙がこぼれ肩が震える。
この日は2泊3日のショートステイを終え、自宅に戻る日だ。車いすに乗せると、夫の手を握りしめた。
雅之さんは一昨年に大手自動車メーカーを定年退職するまで海外の単身赴任が長く、子育ては妻に任せっぱなしだった。3年前の1月、異変に気づく。旅行先で、温泉好きの妻が風呂に行こうとしない。帰宅後、タンスから大量の小銭が見つかった。買い物の計算ができず、お札で勘定していたようだ。若年性の認知症だった。「お父さんは私の面倒をちゃんと見ないといけないよ」。「当たり前だ。他に誰が見るんだ」
できるだけ自宅で介護しようと訪問介護やデイサービスでしのいだ。しかしあまりに負担が重く、月に2泊だけなのはな苑に頼ることにした。夜1人で酒を飲み、ゆっくりしたつもりでもむなしくなる。ベランダから施設の方向を見ながら「たえちゃんは今ごろ何をしているんだろうか」と考えてしまう。
雅之さんも会員の「若年性認知症の人と家族の会準備会」(横須賀市)の世話人、岸正晴さん(65)は、懸命に在宅介護を続ける家族を見てきた。「みんな薄氷を踏む思いで精いっぱいやっているのです」。自営業の男性は取引先との急な打ち合わせが入ると、玄関に鍵をかけ妻を残して出かけるほかない。岸さんは「せめて緊急な場合に預かってくれるショートステイが必要だが、対応できる施設が少なすぎる」と指摘する。緊急時のためベッドを空けておくと、その分施設の経営に響く。
国は12年に305万人いる認知症高齢者が17年には373万人に増えると推計し、今月から「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」をスタートさせた。柱の一つが「住み慣れた地域で暮らし続けるための介護サービスの整備」だ。「施設から在宅へ」の流れを加速させようとするオレンジプランはどこまで家族を支えられるのか。岸さんの危機感は強い。
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春の昼下がり。横須賀市のマンションで、雅之さんが手作りのカレーをスプーンで妻の口に運んだ。「私のことを誰だか分からなくて、変なおじさんと呼ぶこともあるんです」
妻の様子を撮影したDVDがある。記者も見せてもらった。夫の言葉がテロップで流れる。<寝起きは少し不機嫌です><(妻は食事が終わると)最後に笑うんですね>
次第に症状は進み、いつ寝たきりになるか分からない。それでも子供のようになっていく妻が可愛く思える。=おわり
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毎日jp 2013年04月06日 原文のまま

「【interview】地域で行う認知症ケア 慣れ親しんだ場で,安心して暮らせる体制をつくるために 池田 学氏(熊本大学大学院教授・精神神経医学)に聞く」(4月1日/週刊医学界新聞)
認知症患者の急増が見込まれるなか,“入院”から“地域”へと認知症ケアの在り方を見直す動きが広まっています。厚労省は2013年度より「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を開始。「社会的入院」などの場当たり的な対応から,地域に受け皿をつくり患者と家族を支える体制への移行を掲げたものの,受け入れ側となる地域には戸惑いがあるのも実情です。
本紙では,認知症医療「熊本モデル」をはじめ,地域における認知症ケア体制と医療との連携構築に先駆的に取り組んでこられた池田氏に,これからの認知症ケアの“鍵”を伺いました。
全文はこちら
週刊医学界新聞 第3021号 2013年4月1日 原文

「認知症5カ年計画スタート 早期診断の医療機関500カ所整備」(3月26日/産経新聞)
認知症高齢者の急増を受けて厚生労働省が昨年策定した「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」が4月からスタートする。高齢化がさらに進むと、現在の病院や介護施設、在宅サービスなどの態勢では対応できなくなるため、施設が基本だったこれまでの施策から、住み慣れた地域で暮らし続けられる在宅ケア中心への転換を目指す。
厚労省の推計では、介護が必要な認知症の高齢者は平成24年に305万人(65歳以上の人口の9・9%)で、37年には470万人(同12・8%)に達する。認知症は、根本的な治療は難しい場合が多いが、早期に発見できれば進行を遅らせたり、本人や家族の生活の質を改善したりできる。「有効な治療法がない」として、従来は、認知症の診断に消極的な医師もいたが、いち早く専門医受診を勧められるよう、研修を強化する。早期診断を行う医療機関は、29年度までに全国に約500カ所整備する。
産経ニュース 2013年3月26日 原文のまま

★「アルツハイマー:遺伝子治療で記憶障害改善 マウスで成功」(3月18日/毎日新聞)
アルツハイマー病のマウスに遺伝子治療を施し、記憶障害をほぼ正常なレベルに改善させることに世界で初めて成功したと、西道(さいどう)隆臣・理化学研究所シニア・チームリーダー(写真右上)と岩田修永(のぶひさ)・長崎大教授(写真右下)らのチームが18日付の英科学誌に発表した。予防や治療法の開発につながる可能性がある。今後、霊長類の実験を経て、安全性が確認されれば臨床試験を目指す。
アルツハイマー病はベータアミロイドという不要なたんぱく質が脳内に過剰にたまり、神経細胞を壊し発症する。
チームは2001年、ベータアミロイドを分解する酵素「ネプリライシン」を発見。その後の国内外の研究から、この酵素の働きが低下すると、アルツハイマー病を発症することが分かった。
そこで、神経細胞でネプリライシンの生成が高まれば治療につながると考え、ネプリライシンを作る遺伝子を組み込んだウイルスを開発。初期のアルツハイマー病を発症したマウスに注射する遺伝子治療を実施した。
その結果、ベータアミロイドの量は半減し、健康なマウスとほぼ同じ量になった。迷路でゴールに到着する時間から記憶力を測ると、健康なマウスと互角になっていた。
アルツハイマー病の国内の患者数は約200万人。ベータアミロイドが蓄積し始めてから症状が表れるまで約20年かかるとされる。西道さんは「一定の年齢を迎えたら接種するようにすれば、発症防止にもつなげられる」と話す。【田中泰義】
毎日jp  2013年3月18日 原文のまま
関連情報1:「アルツハイマー病の血管からの投与による遺伝子治療実験に成功-簡便な方法でアルツハイマー病予防となる潜在力をもつ-」(理化学研究所プレスリリース平成25年3月18日)
関連情報2:Global brain delivery of neprilysin gene by intravascular administration of AAV vector in mice(Scientific Reports 18 March 2013)
編者:マウスの実験結果をどう解釈するか難しいが、久しぶりの日本人研究者によるアルツハイマー病治療につながる可能性のある成果と見たい。

「認知症生活支援の最新機器を紹介」(3月17日/NHK)
増え続ける認知症のお年寄りの生活を支援するために開発された最新の機器の活用方法を紹介する催しが17日、埼玉県所沢市で開かれました。
この催しは認知症などの研究を行っている「国立障害者リハビリテーションセンター研究所」が開きました。
会場にはお年寄りを介護している家族やヘルパーなどの専門職の人たち、およそ100人が集まり、軽度の認知症のお年寄りが自宅で生活しやすくなるように開発された最新の機器の活用方法について、研究成果が紹介されました。
このうち「アラーム付き薬入れ」は、薬を飲み忘れたり飲んだことを忘れて何度も飲んでしまったりするのを防ぐため、設定した時間にアラームが鳴って必要な量の薬が出る仕組みになっています。
研究班によりますと、週に1回以上飲み忘れがあったお年寄り19人が利用したところ、3か月後には14人に飲み忘れがなくなるなどの効果が見られたということです。
研究に参加した54歳の女性は、「離れて暮らす軽い認知症の両親の下に通いながら介護し、薬の飲み忘れに悩んでいたが、改善され体調も安定してよかった」と話していました。
また、財布や鍵などを置いた場所が分からなくなった際に、リモコンのボタンを押すと音で知らせてくれる「探し物発見器」や、デイサービスなどの予定を音声で知らせる電子カレンダーも紹介されました。
国立障害者リハビリテーションセンターの井上剛伸部長(写真)は、「認知症の高齢者は300万人を超え、今後さらに増加するとみられる。軽度の段階では、機器を利用することで長く自宅で暮らせるよう支援していきたい」と話していました。
NHKニュース 2013年3月17日 原文のまま
関連情報:「公益財団法人 長寿科学振興財団 認知症対策総合研究推進事業 研究成果発表会 第7回 認知症のある人の福祉機器 シンポジウム―機器が拓く認知症のある人の地域での暮らし―」
編者:こうした機器の開発も重要だ。編者の認知症の妻の在宅介護の経験でもドアや窓が開けられない器具はとても役立っている。

「「同じ悩み軽減できれば」男性介護者ら「つどい」に12人 福井」(3月11日/産経新聞)
□福井市などが初開催
「男性介護者のつどい」が10日、福井市手寄のアオッサで開かれた。近年認知症の家族を介護する男性が増えていることから、精神的な負担軽減を目的に、福井市と福井中央北包括支援センターが初めて開催。この日、同市内の男性介護者ら12人が参加し、体験談や懇談を通して介護の負担などについて悩みを語った。今後、5月以降定期的に県国際交流会館(福井市)でつどいを開く予定。
近年、男性介護者の増加に伴い、同センターにも50代を中心に男性介護者からの相談が増加。男性介護者の場合、「介護経験が少なくだれにも相談できず一人で悩みを抱え込む傾向があり、高齢者虐待などにつながるケースや殺人事件などに発展することもある」(同センター)という。このため市の認知症施策総合推進事業の一つとして、今回開かれた。
この日は、同センターの認知症地域支援推進員の大久保清美さんが「男性は一生懸命介護されていてだれにも相談できず、介護の途中でお尻をたたいたりつねったりする心の相談が増えている。本音がいえないためでは。同じ悩みが軽減できれば」とあいさつした。
続いて、半身まひの妻(71)の介護を続けている同市の元教員、大野勉さん(75)が体験談を発表。大野さんは「料理が趣味で苦にならなかった。趣味がたくさんあって助かった」「女房のそばを離れずにいることはできない。買い物などにも行かなくてはいけない。2時間以内で家をあける」「家内なりの自立をさせないといけない」などと語った。
このあと、参加者らが懇談し、「施設に入れたいが金がない。介護をすると会社をやめなくてはいけない」などと苦労を語った。
産経ニュース 2013年3月11日 原文のまま

「認知症の人を地域で支援 向日、徘徊者への声かけ訓練」(3月10日/京都新聞)
地域ぐるみで認知症を見守る機運を浸透させるため、向日市地域包括支援センターや向日町署などは9日、認知症徘徊(はいかい)模擬訓練を京都府向日市寺戸町の駅前町内会一帯で催した。
同センターは、認知症の人が外出して迷子になった場合、警察や行政、福祉機関、民間事業所などが情報を伝達・共有して捜索に生かすネットワークづくりを進めている。システムを生かすため、幅広い住民の理解や協力を重視している。
訓練は、市社協が進める「ご近所福祉」活動と連携して実施した。駅前町内会の竹内徳男会長(66)ら住民や市社協の地域サポーター養成講座の受講生など40人近くが参加した。
町内会の集会所で認知症の症状について基礎知識を学んだ後、参加者は道を歩く徘徊役の女性に声をかける訓練を行った。徘徊役は「あなたのことは知らない」と警戒したり、「近寄らないで」と拒絶する反応を示した。住民から「安心してもらえるよう、声のかけ方や態度を工夫することが大切だとわかった」との声が上がった。
地域サポーター養成講座で学ぶ女性は、亡父が徘徊して家族が苦しんだ経験があるという。「近所の人に『外をうろうろさせるな』と言わんばかりに迷惑顔をされたのが何よりもつらかった。温かく見守るよう、お役に立ちたい」と話した。
京都新聞 2013年03月10日 原文のまま

★「警察官が「認知症講座」で学ぶ 豊川署(愛知県)」(2月27日/日本テレビ)
認知症の人たちのことを正しく理解しようと、愛知県の豊川警察署で職員を対象にした「認知症サポーター養成講座」が行われた。この講座は平成17年度に厚生労働省がスタートした「認知症を知り地域をつくる10ヶ年キャンペーン」を受け、豊川市の健康福祉部が主体となって行っているもの。「認知症サポーター制度」はそれぞれの地域の人が認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を支援するもので、豊川市では市の職員が資格を取得、地元を中心に講座を開いてこれまでに約620人の「認知症サポーター」を養成してきた。今回は豊川署で認知症の徘徊高齢者を保護する機会が多い警察官に、業務の支えとなるようにと開催され、職員約30人が参加し「認知症の基礎知識」や接し方、対処法などを真剣な表情で聞いていた。[ 2/27 12:17 中京テレビ]
日テレNews24 2013/2/27 原文のまま
サイト内関連記事:「警察官が認知症の研修(2013年1月28日/アメリカ)
編者:認知症の妻が外出して行方不明になったとき、理解ある警察官に助けられた経験がある。

「静岡発祥「介護マーク」 全国347自治体に広がる」(2月20日/静岡新聞)
認知症患者を介護する人のために県が発案し、2011年度から配布を始めた「介護マーク」が全国に広まっている。19日までの県のまとめで、マークの活用に乗り出した自治体は28都道府県の347市区町村に上る。
介護マークは、認知症の人の家族らが外出先のトイレの付き添いや買い物などで、誤解や偏見を受けないよう作製した。本県以外にも茨城、栃木、新潟、長野、島根の5県が県を挙げて普及に取り組んでいる。県長寿政策課は「マークが認知症介護に対する優しい社会づくりに役立っている」と話す。
静岡県内では11年4月?12年12月に1万1753枚を配布。事業に賛同する県内の民間普及協力事業所の指定は591事業所(13年1月末)に上り、普及に一役買っている。
11年12月に県が行った厚生労働省への要望後、全国の自治体からマークの利用希望が相次ぎ、今月19日までに全県導入している5県(196市町村)以外にも、22都道府県の116市区町村が自治体単位で配布を開始、または今後の配布を決定した。さいたま、名古屋、北九州などの9政令市も含まれている。
民間との連携強化鍵
全国28都道府県に広がった介護マーク。県長寿政策課によると、介護マークの利用者からは「異性のトイレに付き添って介護していても、冷たい視線を浴びることが減った」「女性の下着購入時も、店員から一声掛けてもらえるようになった」など、感謝の声が寄せられているという。
県が1月に行ったアンケートでは、マークについて、「意味も知っている」「見たことはある」とした県民は回答者の半数を超え、昨年より周知度が上がった。
女性に比べ男性への周知度が低いのが課題という。本県のように普及協力事業所を指定しているのは茨城、長野の2県のみで、県福祉長寿局の大石玲子局長は「『若葉マーク』のように全国一律に広げたい。導入で終わりではなく、配布枚数を増やすため、民間との連携を強化してほしい」と期待している。
介護マークを導入した都道府県(予定を含む)
▽全域 茨城、栃木、新潟、長野、静岡、島根
▽市区町村で導入 北海道、岩手、山形、埼玉、千葉、東京、神奈川、富山、福井、山梨、愛知、滋賀、京都、兵庫、和歌山、岡山、広島、山口、福岡、長崎、宮崎、沖縄
アットエス 2013年2月20日 原文のまま

★「女性遺体:喜多方の路上に 86歳認知症、パジャマ姿に裸足/福島」(2月19日/毎日新聞)
18日午前5時半ごろ、喜多方市熊倉町都の市道で、通行人から「人が倒れている」と110番通報があった。倒れていたのは、近所の無職女性(86)で、既に死亡していた。
喜多方署などによると、女性はパジャマ姿に裸足で、頭から血を流し、うつぶせに倒れていた。認知症だったという。頭以外に目立った外傷はなく、周辺に車の破片などもなかった。路面は凍結しており、転倒した可能性もあるという。同署は、事故と事件の両面で調べている。【三村泰揮】
毎日jp  2013年2月19日 原文のまま
編者:雪国で起こりやすい悲惨な事故だ。

「認知症ケア理念12項目」(2月18日/朝日新聞)
「考える集い」に1000人 採択  5年後に最終評価
「第2回京都式認知症ケアを考えるつどい」が17日、上京区の同志社大寒梅館で開かれた。認知症の人とその家族のほか、医療、介護などにかかわる約千人が参加し、2018年までに実現を目指す12項目の理念「かなえられた私の思い」を採択した。
つどいでは、若年性アルツハイマー型認知症と診断された府内の元小学校教諭の女性(65)がマイクの前に立った。「これからやりたいこと」として、「もう一度教壇に立つこと。子どもたちとかかわりたい。私にできることはないかなぁ、と考えています」と思いを語った。
認知症に関する施策をめぐっては、厚生労働省が昨年6月に今後の方向性を発表。府内でも5カ年計画(18年度まで)の策定が始まっている。
ただ、計画を実行する際、認知症にかかわるすべての人や組織などが共有できる目標が必要だとの考えから、この日のつどいで指標となる12項目の理念を掲げた。認知症をもつ「私」が、5年後の姿を語る形でつづっている。これらの理念は参加者の拍手で採択された。
今後、15年2月に開く第3回つどいで中間評価をして、18年2月の第4回つどいで最終評価することも決めた。
◇2018年を実現目標にした「かなえられた私の思い」
(1)認知症を持つ私の個性と人権に十分な配慮がなされている
(2)私のできることは奪わず、できないことを支えてくれるので、バカにされ傷つき不安になることはない
(3)私が言葉で十分説明できないことがあることも理解されている
(4)趣味やレクリエーションなど人生を楽しみたい私の思いが大切にされている
(5)コミュニティーの一員として社会参加が可能で、私の能力の範囲で社会に貢献している
(6)若年性認知症の私に合ったサービスがある
(7)私の身近なところにどんなことでも相談できる人と、常に安心して居られる場所がある
(8)私はまだ軽いうちに認知症を理解し、将来について決断することができた
(9)認知症を持つ私に最初から終(しま)いまで切れ目のない医療と介護が用意され、体調を壊した時も、その都度すぐに治療を受けることができる
(10)私は特別具合の悪くなった一時を除いて、精神科病院への入院に頼らない穏やかで柔らかな医療と介護を受けて暮らしている
(11)心と脳の働きを鈍らせる強い薬を使わないでほしい、認知症を治す薬を開発してほしいという願いに沿った医療と研究が行われている
(12)認知症を持つ私を支えてくれている家族の生活と人生にも十分な配慮がなされている。

Asahi.com  2013年2月18日 原文のまま
サイト内関連記事:「粉雪舞う京都で―「京都式認知症ケアを考えるつどい」開催」(2012年3月14日)

「認知症の投票偽造容疑 北九州市議実弟の施設長ら逮捕」(2月16日/西日本新聞)
北九州市小倉南区の特別養護老人ホーム「双葉苑(えん)」で行われた北九州市議選(1月27日投開票)の不在者投票で、認知症などのお年寄りの投票用紙に候補者の氏名を書いて投票したとして、福岡県警は15日、公選法違反(投票偽造)の疑いで、双葉苑施設長の西田二郎容疑者(37)=同市小倉北区大手町=と職員3人の計4人を逮捕した。県警によると、高齢者施設での投票偽造事件の摘発は県内で初めて。
逮捕容疑は1月下旬ごろ、双葉苑であった不在者投票で、意思表示のできない65歳以上の入所者の男女3人の投票用紙に候補者名を書き、投票を偽造した疑い。
西田容疑者は、市議選小倉南選挙区に自民党公認で立候補し当選した西田一(はじめ)市議(41)の実弟。捜査関係者によると、偽造された3枚の投票用紙には一氏の氏名が記されていた。西田一市議は双葉苑を運営する社会福祉法人双葉会の理事を務めている。
県警によると、入所者3人は認知症などで、投票することや候補者名を理解できない状態にあった。双葉苑には約50人が入所し、市選挙管理委員会から不在者投票所に指定され、ほかに30人ほどが不在者投票をした。西田容疑者は不在者投票管理者の立場だった。
逮捕された職員3人は井上貴英容疑者(37)、森延靖容疑者(39)、浅野一男容疑者(60)。県警によると4人は容疑を認め、森延、浅野両容疑者は「自分たちが投票用紙に書いた」と話しているという。
逮捕を受け、西田一市議は西日本新聞の電話取材に「弟が警察から調べられていたことは知っていたが、私情を挟むことがないように見守っていた。逮捕されるとは思わず驚いている。投票偽造の指示などは全くしていない」と話した。
北九州市議選の小倉南選挙区には、定数12に対し14人が立候補した。西田市議は6001票を集めて5位で再選した。
西日本新聞 2013年2月16日 原文のまま
サイト内関連記事:アルツハイマー病の人は投票所へ行けるか?(2012年10月28日)
編者:以前からよくある「事件」だが、誰かが警察に通報したのだろう。わが国では認知症の人の選挙権の行使についての議論が全くないなかではこうした「事件」は後を絶たないだろう。

★「認知症の妻を「楽にさせようと」、殺人容疑で76歳夫を逮捕/川崎」(2月13日/神奈川新聞)
川崎市高津区のマンション一室で9日午後、女性が倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡した事件で、高津署は13日、殺人の疑いで、同所に住む夫で無職の容疑者(76)を逮捕した。逮捕容疑は、9日、同区宇奈根の自宅居間で同居する無職の妻(77)の首を絞めて殺害した、としている。
同署によると、妻は6、7年前に認知症を発症。約1年前から寝たきりの状態で、同容疑者やヘルパーが介護していた。同署の調べに対し、「体の痛みを訴える妻がかわいそうで仕方がなく、楽にさせてあげたかった。自分も首をつって死のうと思った」などと供述、容疑を認めている。
同署によると、同容疑者は妻と次女(51)の3人暮らし。事件当日の9日、次女が午前8時半ごろに自宅を外出した際は2人に異変はなかったという。同容疑者は犯行後、睡眠薬を飲み、意識不明の重体となり入院。同署が回復を待って事情を聴いたところ、妻への殺害を認めたという。
カナロコ 2013年2月13日 原文のまま

「捜索訓練:徘徊高齢者不明想定し、60人参加??知多/愛知」(2月7日/毎日新聞)
知多市は、認知症の人が同市南粕谷地区で行方不明になったと想定し、住民や関係機関と協力して捜索する模擬訓練を行った。
訓練は認知症の77歳の男性が自宅を出て行方が分からなくなったとの想定で実施し、南粕谷コミュニティや市社会福祉協議会、介護サービス事業所、老人クラブなどの約60人が参加した。
家族から捜索依頼を受けた市福祉課が関係機関にファクスやメールで情報を配信し、徘徊(はいかい)高齢者役の男性を見掛けた人が声を掛けて訓練本部に連絡し、訓練開始から約1時間後に保護した。
市によると、認知症患者の徘徊による行方不明は11年度に4件あり、うち3件は死亡しているところを発見された。市は11年、認知症患者や家族を地域で支える「ちた・あんしん見守りネット」を設置した。行方不明になった場合に関係機関が情報を共有し、会員登録した市民に情報をメールで配信することにしている。これまでに約300人が登録しているという。【新井敦】
毎日jp 2013年2月7日 原文のまま
関連情報:知多 あったか長寿プラン 21知多市高齢者保健福祉計画第5次改訂(平成24年度~26年度)平成24年3月 知 多 市(pdf2M)
編者:知多市の2011年11月の高齢者人口18,163人と2011年10月の全国の高齢者人口2980万人および知多市の徘徊高齢者で4件および死亡例3件から単純計算すると全国の徘徊高齢者は6622件、死亡例が5000件となる。ただし知多市では徘徊件数のうち死亡例が多すぎる印象だ。但し、警察庁の報告によると、2004年の認知症高齢者の捜索依頼件数は2万3668件で、死亡例は548人、未発見は357件である(表)。数値が乖離しすぎ。

★「豊橋署 母殺害で51歳女逮捕 過去に通院歴「介護に疲れ将来を悲観」」(2月3日/東海日日新聞)
豊橋署は2日、実の母を殺害した殺人の容疑で豊川市の無職の女(51)を逮捕した。
逮捕容疑は、1月31日午後2時ごろ、豊橋市下条西町の豊川河川敷に駐車した軽四乗用車の中で、豊川市無職の母親(80)の首を絞めて殺害したとされる。
豊橋署によると、1日午後8時20分ごろ、女の娘から「母からの電話で『新城の桜淵公園にいるが、祖母が息をしていない』と連絡があった」という内容の110番通報があり、新城署員などが桜淵公園を捜索。午後8時35分ごろ、新城署の駐車場に女が軽四乗用車を乗り付けた。同署員が用件を聞いたところ当初は無言だったが、110番通報の内容と一致する車両だったため「母はどこにいるのか」と尋ねたところ、女が「車の中」と答えたため、署員が車内を確認。後部座席の下から毛布のような物が掛けられ、死後硬直している女性の死体を見つけた。女は首などから血を流していたため豊川市民病院へ搬送。左胸や左手首にも切り傷があったが命に別条はない。
女が豊橋で殺害したという話をしたため、豊橋署へ身柄を移し同署が殺人容疑で逮捕。容疑を認めており、調べには「母が認知症で介護に疲れ、将来を悲観した」という内容の供述をしている。
女と母親は豊川市内で同居しており、家族6人で暮らしていた。家族は2人が見当たらないことから探していたという。家族によると、女は精神障害があり、過去に通院歴があった。
豊橋署は、殺害に至った動機や犯行日など、詳しい状況を調べている。
東日新聞 2013年2月3日 原文のまま
編者:「病病介護」の悲劇か。介護保険サービスの利用はどうだったのか。

「認知症の透析、3割「続けたい」=高齢者ほど希望多く-全腎協」(2月2日/時事通信)
人工透析を受けている腎臓病患者らでつくる全国腎臓病協議会の調査で、重度の認知症になり判断力が失われた場合も透析を続けたいと考えている患者が33%いることが分かった。中止を希望する人は30%。高齢になるほど「続けたい」との回答が多かった。
調査は2011年、協議会の会員約10万人のうち約1万人を対象に実施。治療や生活の実態について7784人から回答を得た。
時事ドットコム 2013/02/02 原文のまま
編者:調査結果の詳細は不明。

★「81歳女性行方不明、3日に一斉捜索 奈良・安堵」(2月1日/産経新聞)
安堵町西安堵の無職、井上清子さん(81)が行方不明となり、町や西和署などは3日、町内全域を一斉捜索する。
同署によると、井上さんは1月3日午前5時半ごろ、自宅で姿がみえなくなり、家族が捜索願を出している。2日午後10時ごろ、就寝している姿を家族が最後に確認している。認知症だったという。
3、4両日も一斉捜索したが、発見されていない。行方不明から約1カ月が経過するため、町や西和署、地元消防団などが約270人態勢で一斉捜索する。
町は「町内全域をくまなく念入りに捜索し、必ず見つけ出したい」と話し、情報提供も呼びかけている。
町などによると、井上さんは身長約140センチでやせ形。白髪でショートヘア。白黒のしま模様のジャケットと赤茶色のズボンを着用し、鈴の付いた木製の杖を所持している。
産経ニュース 2013年2月1日 原文のまま
編者:悲しい捜索だ。

「認知症高齢者にやさしい街へ 第2向陽小で支援者養成講座」(1月27日/京都新聞)
京都府向日市物集女町の第2向陽小で26日、認知症サポーター養成講座が開かれた。授業参観に合わせての開催で、児童と保護者が認知症の症状や患者への接し方を一緒に学んだ。
親子が共に福祉を考える機会を設けることで幅広い世代に認知症に対する理解を深めてもらおうと、市地域包括支援センターと同小が企画した。4年生約90人と保護者がクラス別に受講した。
3組では同センターの石松友樹センター長(35)が講師となり、85歳以上になると4人のうち1人に認知症の症状が出ることを説明。道に迷い家に帰れなくなったり、元気がなくなったりする症状は性格や環境、心の状態に起因し、周りの人の支えがあれば良くなるとして「認知症の人は常に不安や怖い気持ちを抱えていることを忘れないで」と話した。
続いて、認知症の高齢者が迷子になっているのを見つけたらどうするかを親子で話し合い、児童の代表が高齢者に声を掛け、一緒に帰宅する寸劇を披露した。石松さんは「声を掛けるのは勇気がいるが、まず日常のあいさつから始め、認知症の人が安心し、笑って暮らせるやさしい街にしよう」と呼び掛け、児童や保護者は真剣な表情で聞いていた。
京都新聞 2013年01月27日 原文のまま

「認知症:オレンジが目印 ドクター制度始動--28日から県/大分」(1月25日/毎日新聞)
認知症早期発見・診断のため県は研修した医師227人を「大分オレンジドクター」に登録、各病院で28日、制度が始動する。高齢者福祉課は「早期なら進行を遅らせられる」と受診を呼び掛ける。
県内の高齢化率は11年10月現在、26・8%で全国10位。12年度の県内認知症患者は推計3万2000人。05年から認知症サポーターを養成してきたが、専門医は少なかった。県は今年度、内科医中心の研修で183人を養成、3年間で300人を目指す。
オレンジドクターは家族も含めた認知症相談や支援、医療・ケアの知識普及を担う。病院の受付にオレンジ色のプレートを掲示し、県ホームページでも医師・病院名を紹介する。【佐野優】
毎日jp  2013年1月25日 原文のまま
関連情報:大分オレンジドクター(もの忘れ・認知症相談医)について(pdf 231K)

「「特集 医師を襲う10の大問題」転載 Vol.3 認知症が医師の“必須科目”に? 診療の場は入院から外来へ、診ないと地域の信頼喪失も」(1月15日/日経メディカル)
検査値で病状を把握できない、薬物治療で治癒しないといった理由から、認知症診療に苦手意識を持つ医師は多い。しかし今後、急増する認知症患者を診ない医師は、地域住民からそっぽを向かれかねない。
高血圧と糖尿病の既往があり、かかりつけの内科診療所に10年以上通っていた80歳代の女性患者は、数年前から物忘れがひどくなった。認知症ではないかと不安になった患者の家族が診療所のA医師に相談したところ、「認知症は診られない」と言われてしまった。他の医療機関などには相談しにくく、介護保険サービスの利用でなんとかしのいできたものの、患者は暴力的な態度を取ったり、家族が何を言っても拒絶するようになり、最近では通院さえできなくなった─。
医師の間に強い苦手意識
認知症は、高血圧や糖尿病のように検査値を基に病状を把握することができず、時間をかけて患者や家族と話をしないと拾い上げが難しい。診断時も、数多くの鑑別疾患を除外する必要がある上、発症したかどうか明確な線引きがあるわけではないため、ある程度の診療経験が必要になる。いざ診断がついても、薬物治療で治癒するわけではなく、患者に喜んでもらえることも少ないだけに、医師はやりがいを感じにくい。
こうした理由から、認知症の診療に苦手意識を感じる医師は多い。しかし、アルツハイマー型や血管性など認知症と診断された患者数はここ15年で4~5倍に急増し、総患者数に占める割合も上昇を続けている(図)。このため、近年はプライマリケア医も外来で認知症患者を積極的に診ることが求められつつある。北星ファミリークリニック(北海道旭川市)院長の八藤英典氏(写真)は、「患者は増える一方。プライマリケア医が症状の安定した患者を診療したり、軽い周辺症状(BPSD)に対応したりしなければ、回らない状況だ」と打ち明ける
厚生労働省は、2012年6月に「今後の認知症施策の方向性について」と題する報告書を発表した。11年の患者調査によれば、精神病床に入院している認知症患者は5万3000人に上り、依然として長期間の入院も常態化している。同報告書には、今後は入院を前提とせず、入院しても速やかに症状を軽減して退院につなげる方針を明示。20年度までに精神科病院への新規入院患者の在院日数の中央値を、現状の6カ月から2カ月に短縮する目標を掲げた。
つまり、これまで入院していた大量の認知症患者が今後は外来に押し寄せ、プライマリケア医はその対応に追われることになるわけだ。
診療報酬でも外来を評価
既に、認知症の診断やBPSDへの対応ができる認知症疾患医療センターの整備や、認知症サポート医の養成、かかりつけ医を対象とした研修の実施などが進められている。13年度の医療計画では、認知症に関して各都道府県において、認知症疾患医療センターの設置数や認知症サポート医養成研修修了者数、かかりつけ医の研修参加者数などの目標値が設定される見込みだ(表)。
診療報酬の面でも近年の改定で、認知症が疑われる患者を認知症疾患医療センターへ紹介した際や、診断後の患者を管理したときに算定できる診療報酬点数が相次いで新設された。
それでも、認知症を診る体制が十分に整っているとは言い難い。八藤氏は「12年10月まで旭川市では、認知症の診断や重症の入院を受けてくれる専門病院が1カ所だけしかなかった。患者を紹介しても、症状によっては外来が3~6カ月待ち。診断のため、札幌まで出向く患者もいたほどだ」と話す。
八藤氏らが診ている400~500人の外来患者や在宅患者のうち、150人ほどが認知症だ。以前いた室蘭市の診療所でも認知症は診ていたものの、ここまで多くはなかったという。同氏は約3年前に旭川市へ赴任してから、必要に迫られて認知症の診断やBPSDへの対応などについて勉強するとともに、ケアマネジャーと定期的に話し合う機会を持つなど、多職種連携に努めてきた。「今ではどのタイプの認知症か、話を聞くうちにある程度予想がつくようになった。以前はBPSDの対応などに苦手意識があったが、それもほぼなくなった」と語る。
早期に認知症との診断がつき、状態に応じた医療や介護を受けられれば、患者や家族の負担は軽くなる。また、「患者の家族にあらかじめ患者が何に困っているのか、認知症がどう進行してくのかを伝えておけば、家族は心構えができ、お互いに生活上のストレスを感じることも減る」と八藤氏は言う。
そうした早期からのこまめな対応は、日ごろから患者を診て、家族構成なども熟知しているプライマリケア医が得意とするところ。認知症診療に必要な知識を身に付けるとともに、介護職などと連携して認知症診療に積極的に関わらなければ、最悪の場合、それまで築いてきた患者との信頼関係が崩れる可能性もある。
日経メディカルオンライン 2013. 1. 15 原文のまま
編者:厚生労働省の方針とはいえ「これまで入院していた大量の認知症患者が今後は外来に押し寄せ」ということはないだろう。「認知症が疑われる患者を認知症疾患医療センターへ紹介した際や、診断後の患者を管理したときに算定できる診療報酬点数が相次いで新設された。」これは知らなかった。どんどんセンターへ紹介しることにならない、「患者の管理内容」は問われない恐れがある。認知症に詳しくなくとも基本的に正しい理解を持ち対応できることが外来診療の常識となってほしい。

「アルツハイマー治療薬、国内で臨床試験着手 富山化学工業」(1月11日/富山新聞)
富山市に研究生産拠点を置く富山化学工業(東京)は、アルツハイマー型認知症の治療 薬について国内で臨床試験の第1段階に着手した。早期に日米両国で発売するため、既に 第2段階に入っている米国の臨床データを生かし、日米同時に第3段階を進める国際共同 治験を検討する。国内市場への投入は早くても4、5年後となる見通し。
10日、北國新聞富山本社を訪れた菅田益司社長が明らかにした。
現在開発中の「T―817MA」は、認知症の原因である神経細胞死を抑え、神経突起 を伸ばす作用があり、アルツハイマー型認知症の根本治療薬として期待されている。
菅田氏は同日、富山市の富山事業所内で抗生物質などの注射剤の新工場の起工式を行っ たとし「安定的な生産を進め、新薬開発もスピードアップしたい」と述べた。
厚生労働省に製造・販売の承認を申請しているインフルエンザ治療薬の「T―705」 については「早期に承認がいただければありがたい」と述べた。
室谷美晴常務執行役員富山事業所長、小竹靖高富山総務部長が同行した。
富山新聞 2013年1月11日 原文のまま
アメリカの臨床試験情報:Efficacy and Safety of T-817MA in Patients With Mild to Moderate Alzheimer's Disease(clinicaltrials.gov)
編者:エーザイのアリセプトに次ぐ、久しぶりのアルツハイマー病の国産治療薬候補の臨床試験だ。期待したい。

「<セカンドらいふ>医療スタッフが取り組み広げる「事前指定書」元気なうちに「最期」選ぶ」(1月9日/中日新聞)
終末期に延命治療などをどうするか。元気なうちは考えられず、いざとなると本人が判断できない状態だったり、家族で話し合う余裕もなかったり。家族や本人だけでは難しい「事前指定」を手助けする取り組みが、広がっている。 (境田未緒)
名古屋市の児玉清江さんは昨年八月、がん患者専用の高齢者専用賃貸住宅「ナーシングホームJAPAN」(同市)で、九十歳の母親をみとった。「妹と決めて、延命治療をせず、静かに最期を迎えられました」
この施設では、入所時に必ず、終末期に経管栄養などをどうするかの意思確認書を手渡す。それぞれメリットとデメリットを解説した用紙も渡し、家族に決めてもらう。
がんによって症状は違い、本人と家族の気持ちも違う。看護師が、いつでも変更できることを含めて説明し、気持ちをつなぐ。吉田豊美代表は「最期までどう生きたいか、どう生きてほしいか、決めるには情報が必要。私たちは、決めたことを受け止め、ケアをさせていただく」と話す。
七十代の女性は事前指定の説明を受けて初めて、同居の家族に「仏壇の引き出しに手紙がある」と告げた。延命治療を拒む手紙は、その一年半前の日付。「書いたことをずっと言えなかった」という。確認書を手に「やっと話し合える」と語る家族も。
ただ入所時には、本人が判断できなくなっている場合も。吉田さんは「元気なうちに家庭で話し合えたらいい」と話す。児玉さんの母親も入所時、認知症が進んでいた。ただ日ごろ「苦しむことなく逝きたい」と話していて、延命医療をしないと決めた。今、自身の最期の意思表示について、夫と話し合っている。
     ◇
虹ケ丘介護老人保健施設(名古屋市)では昨年十月から、食べられなくなった時の対応などの事前指定書を契約時に渡している。在宅復帰を目指す施設だが、入所者は高齢で体調の急変も。救急搬送時に延命治療について聞かれることが増え、一〇年四月に救急時の指定書も作った。
だが「施設の医師・看護師の判断に任せる」を選ぶ家族がほとんどで、「対応に迷う場面があった」と看護師長の庄田智津恵さん。施設での「みとり」を始めたこともあり、気管内挿管や胃ろうまで詳しく尋ねる書式に変えた。
ただ本人に判断能力がなく、家族が決める場合が多い。事務長の犬飼直人さんは「本人の意思で書いてほしいのはやまやまだが、現実はそうはいかない場合が多い」。
遠方の家族が見舞いに訪れたり、病状が変わり、あらためて説明を求められることも。庄田さんは「ご家族が迷い、揺れ動くのは当然。何度書き直していただいてもいいし、説明もします」と話す。
事前指定書は、自分の意思で書いておくのが理想。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)は、判断能力のある患者の意思を生かすため〇七年から、痛みへの対処や人工呼吸器、点滴などの終末期医療の希望を書く文書を外来患者に配布している。
在宅連携医療部長の三浦久幸さんは「重要なのは、終末期に治療のあり方を自分の代わりに意思決定してくれる代理人の指名」と指摘する。長年、介護してきた家族と遠方の親族で、意見が分かれることもある。判断能力がなくなったとき、誰に事前指定を託すか。指名しておけば、もめ事は減り、望む最期を迎えられる可能性が高い。
中日新聞 2013年1月9日 原文のまま

「生徒全員が認知症サポーター 山鹿市の城北高校」(1月9日/熊本日日新聞)
山鹿市の城北高で9日、全校生徒484人と教職員を対象とした認知症サポーター養成講座が開かれ、全員に認定の目印となるオレンジリングが授与された。
昨年10月に同サポーターとなった社会福祉学科3年生の木庭あゆみさんら12人が「専門学科だけでなく、全生徒に認知症への理解を広めたい」と、校内での講座開催を文化祭で提案。市などに働き掛けて実現させた。
講座では、市介護保険課の担当職員らが認知症や制度を説明。地域のサポートリーダーが「お年寄りに声を掛けてくれるだけでいい」「昔のような近所のつながりが大切」とアドバイスした。
生徒側は「学校行事に招待したい」「子ども110番の高齢者バージョンを作っては」などと提案した。約1時間半の講座の後、全員にオレンジリングが配布された。
同サポーターは、認知症への理解を深めようと、厚生労働省の呼び掛けで2005年に認定スタート。県内には12年9月末で約15万人がおり、総人口に占める割合は都道府県別で3年連続で1位。山鹿市は1万356人。(岩下勉)
くまにちコム 2013年1月9日 原文のまま

「水戸市、見守りネット21日発足 県内最大規模の連携網」(1月9日/茨城新聞)
水戸市は8日、約70の各種団体・事業者や公的機関などが参加する、主に高齢者や障害者ら要援護者を対象とした「見守りネットワーク」を21日に発足させることを明らかにした。他自治体でも同様の取り組みはあるが、市によると連携網は県内最大規模。市高齢福祉課は「市全体で見守る体制をつくり、希薄になりつつある地域のコミュニティーを再構築したい」と意気込む。
市内在住の65歳以上の高齢者は約5万9000人(昨年4月現在)で市人口の4分の1近くに達する。見守りネットワークでは、中でも目が行き届きにくい独居高齢者、認知症の高齢者などに配慮し、障害者や子ども、道路の異常などにも気を配る。参加者は業務中に支障のない範囲で市に通報し、市がさらに関係機関に連絡したり、直接確認に向かうなどの対応を行う。
構成するのは対象者の自宅に訪れる機会が多い電気、ガス、水道、宅配、新聞や牛乳の配達などの事業者のほか、住みよいまちづくり推進協議会、市社会福祉協議会など地域団体、水戸警察署、市消費生活センターなど公的機関。若者に福祉に関心を持ってもらおうと呼び掛けた、茨城大と常磐大も参加する。
市は「第5期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」(昨年度から3カ年)に同ネットワークの構築を盛り込んでいた。昨年8月、いばらきコープ、パルシステム茨城の両生協と見守り活動の協定を結んだことをきっかけに規模の拡大を図った。
21日は同市中央1丁目の市民会館で発足式を行い、3月中には参加者を集めた研修会を開く予定。取り組みは市の広報誌やホームページで周知を図る。今後も参加者の数を増やし、同課は「見守る目が増えれば、安心のまちづくりにつながる」と期待している。
茨城新聞 2013年1月9日 原文のまま