2014年 国内の情報


2014年
「家族支える法整備を 認知症鉄道事故訴訟でシンポ」(12月24日)
「<な~るほど介護> どんな場所?「認知症カフェ」」(12月24日)
「徘徊防止GPS 助成低調」(12月23日)
「仙台地裁:認知症女性「震災関連死」 因果関係認める」(12月9日)
「認知症に音楽療法を 米映画公開へ」(12月3日)
「認知症の身元不明者情報、ネット公開 全都道府県がHP」(11月29日)
「高齢者施設で「アニマルセラピー」」(11月29日)
「認知症の人、救急病院の94%「診療困難」 意思疎通できず」(11月27日)
「認知症対策の取り組み、世界で輪広がる 東京でのG7国際会議閉幕」(11月27日)
「受講終え全職員が認知症サポーター 瀬戸信金」(11月26日)
「認知症を早期発見へ…免許制度見直し検討」(11月14日)
「認知症の女性が車にはねられ死亡」(11月12日)
「暮らし 資産あれば本人賠償も 認知症徘徊で事故」(11月12日)
「認知症患者の2割に抗精神病薬 微増傾向 医療経済研究機構2002~10年調査」(11月10日)
「認知症サポーター増やそう」(11月9日)
「認知症会議終え宇治視察」(11月8日)
「認知症介護の皆さん、一息入れて 与那原に無料カフェ開設」(11月6日)
「認知症対策:国家戦略に 年内にも新政策プラン」(11月6日)
「認知症 地域で支えるシンポ 青森」(11月2日)
「若狭町一行詩コンクール:2部門、入賞作決まる 来月15日、表彰式と朗読会 /福井」(10月22日)
「県境越え自治体連携で認知症見守り 福岡・大牟田-熊本・荒尾」(10月21日)
「息子の遺体か 両親・行政気付かず」(10月17日)
「認知症患者 市民が目配り 敦賀市」(10月7日)
「金大 認知症専門医養成へ」(10月6日)
「本紙記者が認知症患者を保護 夜の宇都宮、垣間見た現状」(10月6日)
「臨床美術で脳活性化」(10月6日)
「認知症患者、早期発見へ/坂出市がチーム設立」(10月3日)
「秋田の「自分史」使った認知症対策の仕組み、グッドデザイン賞受賞」(10月1日)
「高齢者の徘徊広域捜索 福岡市10市町に配信へ」(10月1日)
「団体保険に認知症診断付帯サービス」(10月1日)
「<認知症の人と家族の会>第30回全国研究集会 in 青森[11月2日]」(9月30日)
「認知症カフェ「心愛」開設1周年 福井」(9月30日)
「受験者2万人突破!認知症の知識とアクティビティ・ケアを学ぶ 「認知症ライフパートナー検定試験」申込受付スタート!」(9月29日)
「母の遺言、高裁が無効判断 「公証人に内容伝わらず」」(9月29日)
「「交流カフェ」「見守りメール」認知症地域で支援」(9月29日)
「なぜ日本では認知症高齢者の入院が減らないのか 「脱精神科病院」を阻止する医療関係者の反撃」(9月24日)
「迫真 認知症 ともに歩む(1)失う記憶 我が家はどこ」(9月22日) 
「京都タワー:認知症、啓発の光…オレンジ色にライトアップ」(9月21日)
「認知症患者の支援 「食事」が鍵」(9月21日)
「栃木県内でも受け皿づくり進む 21日、世界アルツハイマーデー」(9月21日)
「認知症の身元不明者、全国に35人 6人は10年以上保護」(9月20日)
「エーザイの治療薬、別の認知症にも効能」(9月19日)
「認知症、受診まで平均9カ月半 民間調査 診断への不安背景に」(9月16日)
「JR根岸線 誤って線路進入か 認知症男性はねられ死亡」(9月5日)
「認知症の不明者増加、県警調査 1ヵ7月で40人」(9月5日)
「認知症見守り事業強化 栃木県内初、不明情報メール 1日から日光市 11月には「命のカプセル」」(9月1日)
「認知症を地域で防止 千葉市が来月1日から「初期集中支援チーム」」(8月29日)
「<9月はアルツハイマー月間>世界アルツハイマーデー記念講演会、東京と京都で開催」(8月27日)
「認知症高齢者の徘徊死亡7割は住居500メートル以内 高知大医学部が全国初の調査」(8月26日)
「老いてさまよう:見守っていたのに 80年以上過ごした地元…不明に 肩落とす地域の人々 山口・防府」(8月18日)
「高齢社会、認知症とどう付き合う 老老介護の世帯5割超える」(8月13日)
「認知症:徘徊見守る地域の目 大牟田市が先進的取り組み」(8月7日)
「古民家改修しデイ施設 福住の介護拠点に 山ゆりの里、9月開所へ」(8月7日)
「認知症不明者の発見サイト開設 厚労省HPに」(8月5日)
「4コースで認知症治療のプロ育成 金沢大拠点、官民ネット」(7月31日)
「認知症:不明者保護、京都府警とタクシー協会が協定」(7月23日)
「認知症、高齢者の1割突破/県試算、15年に3万人」(7月22日)
「徘徊高齢者捜索の「SOSネット」 早期発見へ釧路管内8漁協が加入」(7月17日)
「介護疲れの悲劇防げ ケアラー支援へ連合会結成」(7月10日)
「県や県警連絡会議発足 認知症不明捜索3段階 鳥取県」(7月9日)
「認知症患者宅へ診療班 各市町村に設置めざす 県が推進協」(7月9日)
「認知症の夫が徘徊中に起こした事故、妻や子の責任は?」(7月9日)
「徘徊高齢者助けるぞ 京都の児童ら路上で声かけ」(7月8日)
「ルポ・福島:いわき・2人の死 無理心中と断定 認知症の母と子…孤独な暮らし/福島」(7月5日)
「認知症診断の新技術 先進医療として承認」(7月3日)
「認知症の疑いで保護、身元不明者が全国で17人」(6月30日)
「認知症カフェ:連絡会発足 つなぐ組織全国初 京都で事例発表 /京都」(6月29日)
「<自分史絵本>「輝き」回想 認知症緩和に」(6月27日)
「「認知症徘徊ネット」活用を 春日井市、PR強化へ」(6月26日)
「<認知症5学会>運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドライン示す」(6月19日)

「「認知症カフェ」役割増す 専門家参加など多様化」(6月19日)
「認知症不明者の個人情報扱いに指針を 京都府内初の対策会議」(6月14日)
「精神病棟の居住施設転換…患者囲い込み続く懸念」(6月12日)
「認知症の徘徊メカニズム研究へ…行方不明対策で」(6月10日)
「身元不明男女8人、県HPに情報公開」(6月10日)
「認知症疑いの高齢者保護で感謝状(山形県)」(6月9日)
「認知症で警察が保護 身元不明は13人」(6月6日)
「認知症で身元不明、北海道内の事例ゼロ 道が全179市町村を調査」(6月3日)
「認知症 身元不明18年に光明 情報公表…正吉さんでは」(6月3日)
「認知症:都道府県、保護「調査」57% 身元不明者、実態解明遅れ」(6月2日)
「認知症高齢者は生協が見守ります 自治体500超と協定」(6月1日)
「簡単に認知症早期発見 都がチェックリスト、医療機関などで配布」(5月31日)
「日本精神神経学会がDSM-5翻訳版を発表,disorderの訳語に「症」を追加」(5月29日)
「精神科病床を大幅削減へ 長期入院解消で厚労省」(5月29日)
「盛岡の認知症女性が京都に 府警が帰路付き添う 」(5月29日) 
「認知症の人を見分け声をかける研修会」(5月28日)
「徘徊高齢者、早期発見へ 京都・向日市が情報シート」(5月28日) 
「認知症患者徘徊で行方不明、東胆振で倍増 昨年は43件 苫小牧市、情報メール配信」(5月28日)
「保護の男性、施設に18年 認知症で身元分からず」(5月27日)
「「若い人と交流、元気出た」 小樽で「認知症カフェ」 おしゃべり楽しむ」(5月26日)
「京都府内での不明認知症患者保護、初の年間2000人ペース」(5月22日)
「認知症新時代:第3部 変わる病院/1 生活機能訓練で退院促す/2 入院防ぐ、定期の訪問看護/3 地域で支える「入院ゼロ」」(5月20・21・22日)
「上田の自治会、在宅介護のNPO設立 医師・薬剤師らと連携へ」(5月20日) 
「Listening:<記者の目>日独の認知症施設を取材して=中西啓介(外信部<前特別報道グループ>)」(5月20日)
「太良高生、認知症学ぶ 地域支え合いへ」(5月18日)
「認知症の人と家族支え 県支部30年」(5月18日)
「認知症高齢者 見守る壬生町 徘徊対処「命のカプセル」配布へ」(5月18日)
「不明女性(85)が遺体で発見 村山市(山形県)」(5月17日)
「認知症行方不明 身元確認「効果的な手法検討」」(5月13日)
「認知症の女性 7年ぶりに夫と再会」(5月12日)
「なるほど!認知症(1)「らしさ」消えたら要注意(2)初期の正しい診断、重要」(5月12日・6月2日)
「“認知症”で行方不明 何度も繰り返す実態」(5月11日)
「GPS靴で徘徊防げ…認知症家族の負担軽減へ」(5月10日)
「認知症:診断翌日、不明に 3姉妹父の手がかり求め13年」(5月10日)
「認知症で行方不明、届け出1万300人…昨年」(5月9日)
「認知症 悪化目立つ被災地 生きがい取り戻す支援急務」(4月29日)
「仮名2年認知症男性:身元判明し家族再会 警察照合ミス?」(4月28日)
「認知症で9607人不明、359人が死亡で発見」(4月25日)
「二審も家族に賠償命令 認知症徘徊電車訴訟で名古屋高裁」(4月24日) 
「認知症の人 鉄道事故で64人死亡」(4月23日)
「認知症男性:身元不明のまま仮名で2年 大阪の路上で保護」(4月19日)
「認知症で行方不明 1年で1万人近くに」(4月16日)
「iPS細胞を用いたアルツハイマー型認知症治療薬の研究がスタート」(4月12日)
「袴田さん釈放後もずっと「支える」」(4月11日)
「高齢者見守りで協定 京都・向日市と市内郵便局が締結」(4月2日)
「終末期の透析見合わせで提言」(3月28日/NHK)
「大分オレンジカンパニー制度:認知症に優しい 歯科医院など登録、コンビニにも広がり/大分」(3月27日)
「「認知症高齢者、安心して出歩けるまちに」小諸市が靴用ステッカー」(3月26日)
「[入院支援]「迷惑行動」チームで対応 勉強会重ね 体制も整備」(3月25日)
「認知症新時代:第2部 医療・暮らし支える/1「家族」「環境」の安定が大切 2初期から「暮らしぶり」着目3チームで生活に関わる 4止 本人の心と全身を診る」(3月25・26・27・28日) 
「2014京都府知事選挙 (3)福祉・医療 私がやる」(3月25日)
「寝たきり高齢者への胃ろう、政府が抑制へ-診療報酬を減額」(3月24日)
「「ヤングケアラー」子どもにも介護の重荷」(3月19日)
「認知症の母親、暴行受け死亡 容疑の47歳息子逮捕/川越署」(3月17日)
京都府「きょうと認知症あんしんナビ」を開設(3月17日)
「認知症高齢者の捜索訓練」(3月16日)
「仮設住宅高齢者36%認知症か」(3月15日)
「認知症の客適切対応 事例想定、店長ら学ぶ つくばで講座」(3月6日) 
「エーザイ、米バイオジェンと認知症新薬を共同開発」(3月5日)
「認知症地域支援推進員、設置自治体は約1割- 厚労省調査」(3月4日 )
「福井市が認知症対策を強化 職域越え検討委設置へ」(3月1日)
「認知症共同研究で協定 熊大病院と台湾の大学」(2月27日)
「認知症の受講必須…市と事業者が見守り協定」(2月21日)
「<セカンドライフ>「認知症カフェ」 気軽に集い、患者に生きがい」(2月12日)
「特集◎認知症は病気じゃない 
《Vol.1》プロローグ 認知症という“個性”に向き合う
《Vol.2》先達に学ぶ(1)本人にとっての「居心地よさ」を追求 きのこエスポワール病院院長 佐々木健氏」
《Vol.3》先達に学ぶ(2)悩む家族を救う“法則”を編み出す 川崎幸クリニック院長 杉山孝博氏」
《Vol.4》先達に学ぶ(3)「家から出す」ことも治療の一環 内田病院理事長 田中志子氏」
《Vol.5》早期診断の勘所 加齢による物忘れか、認知症かで迷ったら…」
《Vol.6》抗認知症薬の使い方 「進行を遅らせる薬」と説明することが不可欠」
《Vol.7》BPSD対応の基本 BPSDの原因疾患や病期を念頭に訴えの背景を探る」
《Vol.8》BPSD対応のコツ(1)まずは患者の言動を受け止めよう 大事に至る例の見極めも必要」
《Vol.9》BPSD対応のコツ(2)【物取られ妄想】介護者と離れる時間を作る」
《Vol.10》BPSD対応のコツ(3)【幻視】「見えていても危害は加えない」と説明」
《Vol.11》BPSD対応のコツ(4)【徘徊】外出を止めずに一緒に散歩を」
《Vol.12》BPSD対応のコツ(5)【過食】前頭側頭型の糖尿病患者には注意」
《Vol.13》BPSD対応のコツ(6)【危険運転】注意喚起しカルテに記入」
《Vol.14》BPSD対応のコツ(7)【薬物療法】少量×数日を心掛ける」
(2月10・11・13・14・17・18・19・20・21・24・25・26・27・28日)

「社会とつながる場に 認知症カフェ、中部でも次々」(2月8日) 
「認知症啓発へ協定 茨城県とカスミ」(2月8日)
「田辺三菱 新規機序のアルツハイマー型認知症薬で国際共同P3開始 17年終了予定」(2月6日)
「認知症:家族が発症気付かない「早期」でも行方不明に」(2月4日)
「「これ以上、介護できません」夫婦、無理心中か」(2月1日)
「石川県内、認知症3万6千人 65歳以上の12%と推計」(1月31日)
「認知症:不明・死亡578人 遠方で保護も…2012年分」(1月29日)
「「認知症の人と家族の会」が初のPRポスター」(1月27日)
「認知症 入院・外来時、適切対応を 県が勤務医らに初の研修会」(1月22日)
「甲府市の認知症簡易判定事業 周知、ケア充実が課題」(1月21日)
「認知症カフェ開店…島根」(1月20日)
「室蘭市の「介護マーク」普及進まず、利用者の反応上々」(1月15日)
「認知症の妻は凍死か 北区・高齢夫婦死亡」(1月12日)
「認知症:115人鉄道事故死 遺族に賠償請求も」(1月12日)
「地域連携、認知症を支援 手帳で情報共有/広島」(1月10日) 
「認知症の知識普及へ中学生講師 岡山県内初、真庭の馬場さん認定」(1月9日)
「世田谷区、認知症の在宅生活支援 」(1月9日)


★「家族支える法整備を 認知症鉄道事故訴訟でシンポ」(12月24日/中日新聞)
認知症の高齢男性が死亡した鉄道事故の遺族に対し、鉄道会社への損害賠償を命じた訴訟をめぐるシンポジウムが東京都内で開かれた。最高裁の判断を前に、認知症の人や介護者が安心して暮らせる社会の在り方を考えようと、NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」(樋口恵子理事長)が主催。認知症の人が事故の加害者になった際の社会的な救済制度をはじめ「認知症総合基本法」といった法の整備で、介護する家族らを支えるべきだとの意見で一致した。
シンポは、法律▽家族・介護施設▽医療・看護▽自治体・地域-と、四つの立場を代表するパネリスト十五人が代わる代わる登壇。
介護保険を担当する厚生労働省老健局長も務めた堤修三・元大阪大教授が、法律の観点から「夫婦の同居・協力・扶助義務や事実上の監督義務など、民法の無理な解釈を適用して介護者に賠償責任を問うべきではない」と、一審名古屋地裁、二審名古屋高裁の判決を批判し論議の口火を切った。
一、二審で遺族側の代理人を務めた田村恵子弁護士も(1)妻が夫の監督義務者となり得るのか(2)仮にそうだとしても常識的な介護をしていて認知症の人の予想外の行動まで責任を負うのか-と疑問を提起。主催団体役員も務める渥美雅子弁護士は、原告のJR東海について、認知症男性の線路への立ち入りを簡単に許してしまうなど、危険防止対策を講じていなかったとして「遺族側が逆に何千万円もの損害賠償請求訴訟を起こしても、おかしくない」と強調した。
これについて、田村弁護士は「それも検討したが、遺族が『(事故で)乗客に迷惑を掛けたのも事実』と謙虚に受け止めていたので見送った」と明かした。
◇「徘徊、完全に防げない」
介護施設の代表からは「認知症介護のプロであっても、徘徊(はいかい)を完全に防ぐことはできない」といった声が続出。社会福祉法人小田原福祉会(神奈川県)の時田純理事長は「全国の踏切数は約三万五千。身近に危険がある」とした上で、認知症の人の鉄道事故に関する「国家賠償責任システム」の構築を訴えた。社会的な救済では、このほか堤氏が「市町村による見舞金支給を介護保険の地域支援事業に追加するなど、いくつかの制度を組み合わせることが必要」と述べた。
「認知症総合基本法」の整備は、全国に医療、福祉施設を展開する湖山(こやま)医療福祉グループの湖山泰成(やすなり)代表が、障害者基本法などをモデルに「家族や事業者が安心して認知症の人を介護できるような(理念を盛り込んだ)基本法を国会で作ったらどうか。超党派(の賛成)でできるはずだ」と提案した。背景には、今回の訴訟の判決がこのまま確定してしまうと、認知症の人を介護する家族や事業者の間には、いつ、どこから高額な賠償を求めて訴えられるか分からなくなるとの危機感がある。
シンポの最後には、各パネリストが「良識示せ、最高裁」などのアピール文を掲げ、樋口理事長が、特に認知症総合基本法の制定を国などに強く働き掛けていく考えを示し、締めくくった。(白鳥龍也)
 <事故と訴訟の経過> 2007年12月、愛知県大府市で妻=当時(85)・要介護1=と2人暮らしだった認知症の男性=同(91)・要介護4=が、妻がうたた寝をした数分間に自宅を抜け出した後、JR東海道線共和駅構内の線路に立ち入り、列車にはねられ死亡した。
JR東海は、振り替え輸送代など約720万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴。地裁は13年8月、妻に見守りの注意を怠った直接の過失、遠方に住む長男に事実上の監督義務があったとして全額の支払いを命じた。遺族側が控訴し、ことし4月、名古屋高裁は、妻の監督義務のみを認め約360万円の賠償を命じた。JR側の監視責任にも触れた。双方が最高裁に上告している。
Chunichi Web 2014年12月24日 原文のまま

「<な~るほど介護> どんな場所?「認知症カフェ」」(12月24日/中日新聞)
認知症患者や家族、ボランティアらが交流する「認知症カフェ」が、全国的に増えている。家族が悩みを相談し合ったり、認知症に関する知識を広げたりするのに役立っているという。記者も立ち寄ってみた。
◇悩み共有「心のよりどころ」
愛知県東郷町の空き家を活用した貸しスペース「ギャラリー悠遊」(写真)。月二回、だれでも参加できる「いきいきカフェ」が開かれている。今月二日、入り口のドアを開けると、「いらっしゃい」と事務局の人が出迎えてくれた。
十六畳ほどの部屋で、数人がテーブルを囲んで歓談の真っ最中。「入院時に付き添うことを病院側から求められて、きょうだいで交代で病院に行ったわ」。参加した女性(70)が、認知症の親を介護した時の苦労を語ると、他の参加者が大きくうなずいた。
看護師で事務局の女性(72)は、訪問看護した時の経験を語り始めた。その家族は、認知症を患う高齢の夫と、介護する妻。夫は、自宅から遠く離れた生家にしきりに帰りたがった。
「奥さんを何度も突き飛ばして大変だったけど、奥さんから相談を受けた知人が夫に付き合って外出してくれるようになったら、暴力を振るうことはなくなったんです」
夫は、最期まで自宅で暮らし続けることができた。「やっぱり、周りがちょっと手伝ってくれるだけでも家族は助かりますよね」。女性はこう締めくくった。
カフェの参加費は、お茶代百円のみ。お菓子を食べたりお茶を飲んだりして、気軽に話ができる雰囲気だ。地元のNPO法人「地域の応援団えがお」が八月から、町の委託を受けて開設している。
参加者らの会話を聞きながら、NPO代表の山下律子さん(50)=同町=は「カフェの認知度が低いので参加者はまだ少ないけれど、少しずつ増えているんですよ」と笑顔で話す。来訪者が認知症かどうかは聞かない。認知症の人を特別視せず、誰もが普通に暮らせる社会を願うから。「認知症の人が戸惑わない対応を心掛けています」
地域の応援団えがおは月一回、認知症に詳しい看護師らを講師に招いて講演会も開催している。事務局には、認知症講座の講師を務める「認知症キャラバンメイト」もおり、相談にも乗っている。
認知症患者は、高齢者を中心に全国で四百六十二万人(推定)にも達する。しかし、患者によって症状の違いがあることや、介護する場合の対処法などは十分には知られていない。カフェは、患者の介護に悩んでいる家族の「心のよりどころ」になるとして期待されている。
全国的に増えているカフェだが、「認知症カフェ」をキーワードにインターネットで検索しても、欲しい情報にたどり着かないことが多い。「オレンジカフェ」(愛知県東浦町、岐阜県垂井町、福井県鯖江市など)、「ケアドカフェ」(愛知県岩倉市)など、名称を工夫しているからだ。自治体が運営費を助成することが多いので、参加を希望する人は、介護保険窓口に問い合わせを。(佐橋大)
Cunichi Web 2014年12月24日 原文のまま

「認知症に音楽療法を 米映画公開へ」(12月3日/東京新聞)
認知症の人たちに、携帯プレーヤーで思い入れのある音楽を聴かせたら-。こんな実験を追った米ドキュメンタリー映画「パーソナル・ソング」が六日から、全国で順次公開される。作品は、ことしの米サンダンス映画祭で観客賞を受賞。スクリーンには、劇的な反応で生き生きとした表情を取り戻す男女が次々と登場する。音楽が持つ力とは。来日したマイケル・ロサト・ベネット監督(54)(写真右上)に聞いた。 (白鳥龍也)
認知症で十年もの間、施設でふさぎ込んでいた黒人男性のヘンリーさん(94)。自分や娘の名前も思い出せない。しかし、耳に当てられたヘッドホンからお気に入りのゴスペルが流れてくると、目を見張り、一瞬にして表情を輝かせる。曲に合わせて歌い、リズムを刻み、昔話を陽気に語り出した。「まるで魂が体に戻ったようだった」。これが初の長編映画作品となるベネット監督は振り返る。
NPOの活動記録などの撮影を手掛けていた監督が、老人ホームや病院で音楽療法を続けるソーシャルワーカーのダン・コーエンさんと出会ったのが制作のきっかけ。「それまで認知症などには全く関心がなかった」が、ヘンリーさんを相手にしたコーエンさんの実験を目の当たりにしたことで「この療法を世界に知らせたい」と思い立った。
その後、コーエンさんとともに三年間で数百人の認知症患者を取材し、作品には十人余の感動的な変化を収めた。高齢者だけでなく、重い若年性認知症の中年女性がロックの名曲を次々に聴くことで、軽快に街を散歩するまでに症状を改善させた様子も登場する。
ヘッドホンで音楽を聴くだけの単純な療法が、なぜこれほどの効果を挙げるのか。作中では、パーキンソン病の新薬をめぐる医師と患者の物語を描いた米映画「レナードの朝」の原作者オリバー・サックス医師が「音楽は脳の広い領域を刺激する。聴覚、視覚のほか認知症によるダメージが少ない感情や運動の領域も活性化させ、記憶をよみがえらせる」などと解説する。
本人にとって思い入れのある曲「パーソナル・ソング」を家族らから聞いた上で、ヘッドホンから直接耳に届けることが、特に効果的とみられている。
監督は「音楽の効果は神秘的なもの。無論、この療法に反応しない人もいるし、決定的な解決策ではないかもしれない」としながら「どれだけ効くか分からない向精神薬を患者に過剰に与えるより、数千円のプレーヤーに好きな音楽を入れて届けたい。少しでも症状が改善したらいい」と主張する。米国内では各州で臨床研究も進み、本年中には約千施設がこの療法を取り入れる予定という。監督らは、携帯プレーヤーを持って施設を訪ねるボランティアの広がりも期待する。
三重大医学部付属病院音楽療法室の佐藤正之室長(写真右下)は「今後、療法が医療現場で広く受け入れられるためには、対象とすべき疾患や病態、節約できた薬の量などについて、定量的なデータを示していくことが必要だが、この映画は音楽の持つ可能性と効果を明示した」とコメントしている。
主な上映館と公開日は次の通り。▽シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区)=6日▽川崎市アートセンター=来年1月31日▽進富座(三重県伊勢市)=同▽ジャック&ベティ(横浜市中区)=年明け予定▽名古屋シネマテーク(名古屋市千種区)=同
Tokyo web 2014年12月3日 原文のまま
編者:音楽療法は認知症の非薬物療法のなかで古くて新しく、その有効性は認められている。
★「認知症の身元不明者情報、ネット公開 全都道府県がHP」(11月29日/日本経済新聞)
厚生労働省は29日までに、身元不明のまま保護されている認知症高齢者らの情報に関し、全都道府県が来年3月末までにホームページ(HP)を作成して公開する見通しとなったと発表した。厚労省のHPに設けた特設サイトを通じ、各HPをつなぐという。
現在、認知症の身元不明者についてHPを開設しているのは23府県で、本人の写真や特徴のほか、保護の日時などの情報を掲載している。
家族が捜しやすくなるよう、厚労省は積極的に公開するよう都道府県に呼び掛けていた。〔共同〕
日経Web  2014年11月29日 原文のまま

★「高齢者施設で「アニマルセラピー」」(11月29日/中日新聞)
動物との触れ合いの場を取り入れる高齢者施設が増えている。心を癒やし、不安などの感情を和らげる効果が期待されている。
「本当にかわいいね」。九月下旬、名古屋市熱田区の介護老人保健施設「かなやま」。入所している百歳の女性が、膝の上に乗せた犬のペキニーズ「ぷぷちゃん」の頭をやさしくなでた。
連れてきたのは、アニマルセラピーを行うNPO法人「アニマルファンフェアわんとほーむ」(愛知県蟹江町)。施設側が月三回訪問を依頼し、入所者が犬と交流する機会を設けている。この日は、約二十人の入所者が犬二頭と触れ合った。
「犬は元気でいいわ」「以前、家で飼っていた」。犬を前にして話が弾む。普段、自室に引きこもっていたり、厳しい表情であまり言葉を発しない人も、犬が擦り寄ってくるとふわっと表情が和らぐ。
「私たち職員がどう関わっても見せないようなうれしそうな表情を、犬と接していると見せてくれるんです」。介護支援専門員の村上雅世さん(49)は話す。
ある女性は、脳血管疾患の後遺症で不自由な手を懸命に動かし、犬をなでた。「しっかり手を動かして触ってみてください」とNPO代表の向宇希(むかいひろき)さん(33)が声を掛けた。言葉が出にくい人には「話し掛けてみてくださいね」、認知症の症状が出ている人には「この子の名前、何でしたっけ?」と問いかけるなど、高齢者一人一人に合わせて目標を立てている。
NPOの訪問先は、東海三県の小児病棟や高齢者施設など。行き先ごとに目的が異なっており、小児病棟は子どもを楽しませることが目的。高齢者施設の活動は、犬との触れ合いを楽しみながら自発的な行動を促すリハビリの一環という位置付けだ。
向さんらは、県内の別の老健に入所している高齢者十一人を対象に、犬との触れ合いによる効果を検証した。「活気」「不安」など気分を示す六つの尺度のうち、「活気」は上がり、「疲労」「混乱」「不安」といったマイナス感情を示す指標は下がった。犬嫌いの対象者も、犬好きの対象者と同じような傾向だった。
アニマルセラピーを推進している公益社団法人日本動物病院協会(東京)によると、昨年度、高齢者施設や病院などに同協会が犬などの動物を伴い訪問した回数は千二百三十二回と、十年前に比べ75%増加した。協会の吉田尚子理事によると、首都圏では訪問依頼が多すぎて対応しきれないケースがある。(佐橋大)
Chunichi Web 2014年11月29日 原文のまま

★「認知症の人、救急病院の94%「診療困難」 意思疎通できず」(11月27日/日本経済新聞)
認知症の人が急なけがや病気で搬送されて治療を受ける場合、全国アンケートに応じた救急病院の94%が対応は困難だと感じていることが27日、国立長寿医療研究センター(愛知県)などの調査で分かった。意思疎通が難しいことが主な理由で、診断に必要な病状の聞き取りや検査に支障が出ている可能性がある。
認知症の人は記憶力や判断力が低下するため、こまやかな配慮が必要だが、介護の現場で「緊急やむを得ない場合」に限っている患者の身体拘束は78%の病院が実施していた。調査結果は29日から横浜市で開かれる日本認知症学会で発表する。
2013年度に全国の救急病院3697カ所に調査票を送り、589カ所から有効回答を得た。このうち患者の入院や手術に対応できる2次救急病院は約60%だった。
ほとんどの病院は認知症の人の診察や入院を受け入れているとしたが、「対応は困難だと感じることがある」が94%を占めた。理由(複数回答)は「転倒・転落の危険」が88%で最も多く、「意思疎通が困難」(85%)「検査・処置への協力が得られにくい」(82%)が続いた。
90%以上の病院が「患者の不安や混乱を取り除くよう努めている」としたが、認知症の対応マニュアルがあるのは16%にとどまった。患者の身体拘束の他に、薬物による鎮静は70%だった。
調査の主任研究者で長寿医療研究センターの武田章敬在宅医療・地域連携診療部長(写真)は「認知症の人が安心して治療を受けるには、医療スタッフを増やしたり、かかりつけ医と連携を強化したりするなど、総合的な対策が必要だ」と話している。〔共同〕
日経ウエッブ版 2014年11月27日 原文のまま
編者:回答率が極めて悪いことも気になる。急性期病院での認知症患者への対応についてケアzine のコラム(「認知症理解のための医学知識-10.急性期病院での治療」 2014-11-28)で私見を述べた。

「認知症対策の取り組み、世界で輪広がる 東京でのG7国際会議閉幕」(11月27日/日本経済新聞)
認知症への対策が課題になっている主要7カ国(G7)の政府や世界保健機関(WHO)関係者らが集まる国際会議が11月5~6日、東京都内で開かれた。各国が最新の研究成果や取り組みなどを報告。高齢化が最も進む日本も対策強化の方針を表明した。専門家は「認知症対策の重要性を世界で共有できたことに意義がある」と話す。
会議は昨年英ロンドンで開かれた「主要国(G8)認知症サミット」の後継イベントの位置づけで、認知症の「予防とケア」をテーマに各国の政府関係者や研究者が取り組みなどを報告し、意見を交わした。
□各国で研究進む
出席者からは、認知症問題の深刻さや対策の重要性を訴える意見が相次いだ。
「40歳で自分の生活習慣を見つめ直せば、60歳になった時の発症リスクを抑えられる」。こう強調したのは英国の担当者だ。
英国では認知症の人は現在約80万人で、2021年には100万人を超えるとみられている。生活習慣との関係に着目し、40歳以上の全国民を対象に、喫煙や飲酒、運動不足などの習慣を改善するための健康カリキュラムを実施しているという。
深刻な課題になっているのは米国も同じだ。報告によると、認知症患者は約500万人に上り、関連経費は年間千億ドル(約11.7兆円)以上かかっているとされる。25年までに効果的な予防法と治療法を確立し、患者や家族のサポートの拡大を目指しているという。
「認知症の女性が急速に増加し、男性の2倍になった」というカナダも国を挙げて研究を進めており、担当者は「女性の脳の健康が大事だ」と強調した。フランスは、若年性認知症や複雑な症状を診断できる専門的な医療機関が、全国に配置されていることを説明した。ドイツとイタリアからは、治療薬開発などを求める声があがった。
□当事者も参加
高齢化がハイペースで進む日本の対策に対する関心は高い。日本は、厚生労働省が昨年度から始めた「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」の内容を報告した。認知症の人々が地域の中で暮らせるための仕組みづくりなどが注目を集めた。
具体的には、医療・介護の専門職が患者の自宅を訪問する「初期集中支援チーム」や、認知症の高齢者や家族が集まる「認知症カフェ」、住民や商店が徘徊(はいかい)する高齢者を保護する取り組みを説明。国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)による、日常生活で簡単にできる認知症予防トレーニングが紹介されると、参加者から「効果がありそうだ」などの反応が上がった。
会議には認知症の当事者も参加した。10月に発足した「日本認知症ワーキンググループ」の共同代表を務めている藤田和子さん(53)は「認知症になったすべての人が希望と尊厳を持って暮らせる社会になるよう、どの分野の人たちも我が事として真剣に取り組みましょう」と訴えた。
認知症をめぐる大がかりな国際会議が日本で開催されるのは初めて。討議結果は、来年3月にWHOが開く各国の保健相会合で報告される予定で、国際連携の輪は今後も広がりそうだ。
会議の意義について国立長寿医療研究センターの遠藤英俊部長は「各国の関係者が活発に意見を交わしたことで、認知症対策の重要性の認識がより深まった」と指摘する。また東京都健康長寿医療センターの粟田主一研究部長は「認知症の当事者の考えや思いを取り入れて施策に反映させよう、という流れになったことは大きな功績だ」と話した。
 ◇            ◇
□日本、年内に国家戦略 16年度から1万人追跡調査
国際会議開催をきっかけに、日本政府も認知症予防政策の強化を打ち出した。会議に出席した安倍晋三首相が、新たな国家戦略を年内に策定する方針を表明。政府は全国の約1万人を対象にした追跡調査を2016年度から実施することも決めた。
国家戦略は、認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)に代わる包括的な内容とする。行方不明者への対応や悪徳商法対策など省庁横断的な施策を含め年末の予算編成に反映させ、来年度から実行する。
1万人調査は認知症を発症していない人が主な対象で、16年度から5年間をメドに実施する。食事や喫煙、運動の有無などに加え、血液のデータも収集し、認知症になった場合、生活習慣などがどう影響したかを探る。認知症の発症メカニズムを調べたり、予防や治療法に生かしたりする考えだ。(平野慎太郎、塩崎健太郎)
▽認知症サミット
増え続ける認知症への対策には各国政府の連携が必要だとして、昨年12月に英ロンドンで初の「主要国(G8)認知症サミット」が開かれた。参加国は認知症の治療法などを2025年までに確立することを目指し、各国が研究費を大幅に増やすことを盛り込んだ共同宣言を発表した。今回の日本での国際会議は昨年の後継イベントで、次回は15年に米国で開かれることが決まっている。
日経Web版 2014年11月27日 原文のまま

★「受講終え全職員が認知症サポーター 瀬戸信金」(11月26日/中日新聞)
瀬戸市の瀬戸信用金庫の全職員千三百七十五人は、認知症患者への理解を深める「認知症サポーター」になった。顧客へのサービス向上となるだけでなく、認知症患者に適切に対応することはトラブルを未然に防ぐことにもつながるという考えからだ。
瀬戸信金には七十一店舗があり、全店で一日平均四百七十四人の来店がある。高齢者の顧客には、通帳をなくしたと何度も訪れたり、現金自動預払機(ATM)の操作に時間がかかり、行列の原因となったりする人もいる。こうしたケースの中には認知症が原因である可能性もあるが、症状を知らなければトラブルのもとにもなりかねない。
そこで信金は、認知症への理解を深める認知症サポーター制度に着目。一時間半の講座を受ければ誰でもなれるため、二〇一三年四月入社の社員から受講を始め、今年九月までに全職員が完了した。受講後、職員からは「今思うと、あの来店者は認知症の初期症状だったかもしれない」との声が出た。
職員が心掛けないといけないのは、驚かせない、急がせない、自尊心を傷つけない、の三つの「ない」。例えばATMで列をつくっている人に話し掛けるときは、驚かせないために後ろからではなく視界に入る位置から声を掛ける必要があるという。
本店営業部で窓口を担当する竹田真理さん(27)は「認知症の人もナーバスになっている。言葉を否定せず、親切に対応しようと心掛けるようになりました」と話す。自身も受講した水野和郎理事長は「地域の人が、安心して暮らせる社会づくりに貢献できる公共性の高い取り組みと思っている」と話した。(水越直哉)
Chunichi Web 2014年11月26日 原文のまま

★「認知症の女性が車にはねられ死亡」(11月12日/NHK)
12日朝早く、東京・江東区で66歳の女性が道路の真ん中付近を歩いていてタクシーにはねられ死亡しました。女性は認知症で、11日の夜までは自宅にいたということで、警視庁はその後1人で自宅を出てしまい、事故に遭ったとみて調べています。
12日午前4時すぎ、江東区東陽の通称「四ツ目通り」で、近くに住む66歳の女性が後ろから走ってきたタクシーにはねられて全身を強く打ち、病院に運ばれましたがまもなく死亡しました。警視庁によりますと、現場は片側2車線の直線道路で、女性は中央分離帯寄りの車線の真ん中付近を歩いていたということです。家族の話では、女性は認知症で、11日の夜までは自宅にいるのを家族が確認していましたが、12日朝になっていないことに気付き通報したということです。
警視庁は、過失運転致死の疑いでタクシーの56歳の運転手から事情を聴いていますが、「直前まで女性が歩いていたことに気付かなかった」と話しているということです。警視庁は、女性が12日未明に1人で自宅を出てしまい、事故に遭ったとみて調べています。
NHKNewsWeb 2014年11月12日 原文のまま

★「暮らし 資産あれば本人賠償も 認知症徘徊で事故」(11月12日/中日新聞)
愛知県大府市で、認知症の男性が徘徊(はいかい)中に列車にはねられ死亡した事故をめぐり、JR東海が遺族に損害賠償請求した訴訟。遺族の見守り義務を認めた一、二審判決は、認知症の人とその家族、社会との関係について論議を呼び続けている。そんな中、この訴訟をめぐり日本弁護士連合会が先月末、東京都内で開いたシンポジウムでは、資産がある認知症の人の加害事故では、本人に賠償を求めるのも一案、とする提言があった。認知症の増加に伴う現代的な問題解決策と、いえるのだろうか。
今回の訴訟のベースとなっているのは民法の不法行為責任。しかし、加害者が認知症などで判断能力がない場合は「責任無能力者」とされ、賠償責任を免れる。その場合は「監督義務者」が代わって責任を負うとされ、今回は男性の妻について、一審では見守りの注意を怠った直接の過失、二審では監督義務者としての責任を認めた。一審では、男性の長男に対し、「事実上の監督義務者」として賠償責任を認定したが、二審では責任なしとした。
訴訟と判決に関しては、介護者支援団体や識者から「認知症の介護実態を無視し、遺族に冷酷な仕打ちをしている」「認知症の人の閉じ込めにつながる」など、疑問や批判が噴き出している。
これに対し、日弁連のシンポで、認知症の本人の賠償責任について言及したのは、新潟大法学部の上山泰(かみやまやすし)教授(写真右上)。
実際の事件に法を機械的に適用すると不当・不公平な結果になる場合、それを是正しようとの法理論がある。上山教授は、今回のように認知症の人の責任能力を問えず、遺族に監督責任を負わせるのも酷、かといってJR側の損害も放置できないケースでは「加害者本人と家族の資産、被害者の経済状態など一切の事情を考慮した上で、本人に全部または一部の賠償を命じることができる民法の規定を新たに設けるのも、解決の方向性の一つ」と提言。
認知症などの障害を社会背景抜きに、個人の特性としてしか捉えない点など、明治生まれの民法の「役割上の限界」も指摘した。
シンポでは、日弁連高齢者・障害者の権利に関する委員会委員の渡辺裕介弁護士(写真右下)も、死亡男性が以前、不動産仲介業をしていたことなどを報告し、今後の法制度設計の論点の一つとして「認知症の人に資産がある場合も責任を負わないのは正しいのか」と提起した。
一方、認知症の人の賠償責任を認めることは「弱者への負担の押しつけ」「事故で亡くなった場合、結局は遺族が、相続するはずの遺産から賠償することになる」といった反発を呼ぶ。このため上山教授らは「被害給付金」など、公的補償制度との連動で被害を救済していく方策の検討も重要と訴えた。
◇一、二審とも遺族責任認める
二〇〇七年十二月、大府市で妻=当時(85)=と二人暮らしだった認知症の男性=同(91)=が、妻がうたた寝をした数分間に自宅を抜け出し、三キロほど離れたJR東海道線共和駅構内で線路に立ち入り、列車にはねられ死亡した。横浜市に住む長男の妻も単身で近くに転居し男性の介護をしていたが、事故当時は男性宅の外で片付けをしていた。
JR東海は振り替え輸送代など約七百二十万円の損害について遺族側と賠償交渉をしたが、折り合わず名古屋地裁に提訴。地裁は一三年八月、男性の妻と長男に全額の支払いを命じた。遺族側が控訴し、ことし四月、名古屋高裁は長男の責任を認めず、JR側の監視責任にも触れて妻に請求の半額となる約三百六十万円の賠償を命じた。双方が最高裁に上告している。(白鳥龍也)
Chunichi Web 2014 年11月12日 原文のまま
サイト内関連記事:「二審も家族に賠償命令 認知症徘徊電車訴訟で名古屋高裁」(2014年4月24日)

「認知症患者の2割に抗精神病薬 微増傾向 医療経済研究機構2002~10年調査」(11月10日/ミクスonline)
認知症患者で妄想や幻覚、攻撃性などの周辺症状であるBPSDに対する抗精神病薬などの薬剤の日本での使用状況に関する研究成果を、医療経済研究機構は11月6日に発表した。同機構によると、諸外国ガイドラインではBPSDに対しては、第一選択は非薬物的介入。重度のケースに統合失調症などに用いる抗精神病薬が推奨されているが、死亡を含む重篤な副作用の発現リスクが上がることが指摘され、注意喚起されていることから、処方割合は近年大幅に減ってきているという。今回2008年~2010年のレセプト情報をもとに調べたところ、認知症患者の21%に抗精神病薬が処方されていたことが分かった。02年~04年の患者と比較すると、1.1倍増(調整済みオッズ比)と微増傾向が認められた。
日本では、抗精神病薬を含む向精神薬が認知症患者にどの程度使用されているのか、これまで報告がなかったとして、同機構の奥村泰之研究員(写真)らが研究を行った。2002年~2010年の社会医療診療行為別調査(レセプトを抽出して行う調査)データの二次分析し、65歳以上の抗認知症薬ドネペジルが処方さていた外来患者1万5591件を対象に分析を行い、「International Psychogeriatrics 誌オンライン版(2014年9月12日)」に掲載された。
日本の「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」では「対応の第一選択は非薬物的介入が原則」となっている。同研究でも、「外国で実施された無作為化比較試験の系統的レビューでは、抗精神病薬の中止方略や心理社会的介入により、抗精神病薬の処方割合が減少することが確認されている。抗精神病薬の処方割合を減らすためには、こうした介入が通常診療で普及するための支援が必要」としている。
一方、今回の研究では処方状況について副作用の発現が抑えられている第二世代(非定型)抗精神病薬への切り替えが見られたことを挙げ「BPSDは抗精神病薬の適応として承認されていないが、諸外国のプラセボ対照試験で有効性が認められている第二世代抗精神病薬の治験を国内においても推進することが喫緊の課題と考えられる」と指摘している。
ミクスOnline  2014年 11月10日 原文のまま
関連資料:プレスリリース「認知症患者への向精神薬処方の経年変化に関する研究について」(医療経済研究機構 2014/11/06)
関連論文:Trends in use of psychotropic medications among patients treated with cholinesterase inhibitors in Japan from 2002 to 2010 Yasuyuki Okumura , Takashi Togo and Junichi Fujita( International Psychogeriatrics DOI: http://dx.doi.org/10.1017/S1041610214001975 (About DOI), 9 pages. Published online: 12/9/2014)

★「認知症介護の皆さん、一息入れて 与那原に無料カフェ開設」(11月6日/琉球新報)
【与那原】認知症患者を介護する家族がカフェで気軽に休息を取れるよう、与那原町は10月20日、認知症患者の家族を対象とした「ゆくりカフェ」を開設した。対象者は、町が業務委託した「コミュニティカフェよなくる」(町上与那原)を無料で利用できる。自治体と民間が連携し、被介護者や家族を支援する県介護保険広域連合の「地域支援事業」を活用した。認知症患者家族のレスパイトケア(一時休息支援)のために同事業の一環として自治体と民間のカフェが協働で取り組むのは県内で初めて。
 町福祉課の宮城きよみ課長は「認知症は患者本人の自覚がなかったり、恥ずかしさで認めたがらなかったり、とてもデリケートな病気だ。徘徊(はいかい)する患者を支える家族は常に気が張り詰め、悩みを抱えていても声を上げにくい現状がある」と指摘する。「行政の相談窓口は敷居が高く感じるかもしれないが、カフェなら周囲の目を気にせず、気軽に立ち寄れるのではないか」と、開設の意義を語る。
 厚生労働省が2013年度に始めた「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」は、「認知症カフェ」の普及によって認知症患者やその家族の支援を推進することを目指している。県高齢者福祉介護課の山内昌満班長は「各自治体で認知症に対する施策がそれぞれ進められている。与那原町の取り組みは行政が一歩前へ踏み出した好例だ」と話す。
 「ゆくりカフェ」は、日常生活に若干の支障を来すとされる、日常生活自立度が2a以上の認知症患者を家族に持つ町内在住者が対象。利用希望者は町福祉課窓口で申請すれば、よなくるを無料で利用できるチケットを受け取ることができる。利用回数は月3回程度を想定している。
 よなくるでは、コーヒーや紅茶が自由に飲めるほか認知症に関する資料や書籍などを閲覧できる。チケットによる無料利用は月~木曜、午前11時から午後5時まで。毎月第2火曜日は専門の相談窓口を設ける。
 よなくるの浦崎酉香代表(写真)は「一息ついて、自分のために時間を使うことが、家族のためにもなる。自分自身を取り戻すきっかけにしてほしい」と呼び掛けた。宮城課長は「カフェで認知症患者の家族同士が顔見知りになり、自然と家族会がつくられるような環境を整えていけたら」と期待した。問い合わせは町福祉課(電話)098(945)1525。(内間安希)
琉球新報 2014年11月6日 原文のまま

★「認知症 地域で支えるシンポ 青森」(11月2日/NHK)
認知症の人が増え続けるなか、本人とその家族を地域で支える仕組みづくりを考えるシンポジウムが青森市で開かれました。
認知症の人やその家族で作る団体が開いたシンポジウムには、認知症の人の家族などおよそ800人が集まりました。
この中で、青森県八戸市の保健師は、認知症によるはいかいなどで行方不明になる人が全国で年間1万人を超えることを踏まえたうえで、認知症の人の家族などに行ったアンケート結果を紹介しました。それによりますと、認知症であることを、「周囲に告知する」と答えた人はおよそ80%に上った一方で、「顔写真を公表する」と答えた人はおよそ60%でした。
保健師は、「はいかいによる事故を防ぐためにも、情報を公開して協力を求めやすい地域づくりが大切だ」と訴えました。
また全国で3万8000人近くいると推計される「若年性認知症」のシンポジウムでは、青森県弘前市の58歳の若年性認知症の男性と妻が、「若年性認知症は働き盛りに発症するため、経済的問題を抱えている」と説明したうえで、「高齢者を中心に設計された介護保険サービスを見直してほしい」と訴えました。
シンポジウムで発表した若年性認知症の男性の妻は、「若年性認知症に対する理解が進まず、地域によって支援にばらつきが生じている。行政はその溝を埋める努力をしてほしい」と話していました。
NHKNewsWeb 2014年11月2日 原文のまま

「県境越え自治体連携で認知症見守り 福岡・大牟田-熊本・荒尾」(10月21日/産経新聞)
かつて炭鉱の街として栄えた福岡県大牟田と熊本県荒尾の両市が県境を越え、認知症で徘徊(はいかい)する人の情報を住民に配信するシステム「愛情ねっと」を構築し、成果を挙げている。行方不明になった認知症患者が、遠く離れた地域で見つかる例は全国的に少なくない。自治体の垣根を越えた連携に専門家は「先駆けになる」と普及を期待する。
大牟田、荒尾両市は互いに通勤・通学する人が多いなど一体感が強い。共同運営するシステムは「隣の自治体の情報を知りたい」という住民の声で平成18年に始まった。携帯電話、パソコンのメールアドレスを登録すると情報が配信される。当初は防災やイベント関連だけだったが、20年からは家族らの届け出を受け、認知症などで不明になった人の特徴を配信するようになった。
現在は福岡、熊本両県警の防犯メールも転送され、警察に届け出があった不明者情報も分かる。今年10月からは両市に接する熊本県南関町も加わった。
この夏、システムがきっかけで徘徊中の80代男性が見つかった。荒尾署によると、8月10日に荒尾市の自宅を出たまま帰って来ないと家族が届けた。情報がメールで配信された約3時間後、大牟田市内を車で走っていた女性が、歩道に座っている男性を発見。情報の特徴と似ていたため声を掛け、保護された。自宅から6キロ離れていた。
荒尾市は家族らが心配な人の情報をあらかじめ登録しておき、万一のときにすぐに配信する仕組みも作っており、実際に保護された人もいる。
メールの受信者は10月初めの時点で3市町計約8700人。荒尾市の担当者は「見守る人が多いほど発見しやすい。利用者の増加が今後の課題」と語った。
警察庁のまとめでは、家族らが警察に届け出た認知症の不明者は25年で1万322人に上り、今年5月には東京都で行方が分からなくなった認知症の女性が群馬県の介護施設で7年間過ごしていたことが判明した。
住んでいる場所から離れた地域は、発見や身元確認が難しい。住民に情報を流す自治体は多いが、違う自治体に移動してしまうと情報が届かないためだ。
同じ都道府県内でも複数の自治体が連携して見守り事業を実施している例は少ない。行政の縦割り、個人情報をどこまで一般に出すのかといった考え方の違いが背景にある。
認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子研究部長は「認知症の人が行政区域を越えて行方が分からなくなる例は珍しくない。少なくとも隣接する自治体は一緒に見守る態勢を早急に協議し、築く必要がある」と指摘した。
産経ニュース 2014年10月21日 原文のまま
編者:いよいよ動き出した。認知症「徘徊」者の身を守る都道府県を越えた連携。

「息子の遺体か 両親・行政気付かず」(10月17日/NHK)
東京・稲城市の住宅で、16日、この住宅に住む58歳の息子とみられる白骨化した遺体が見つかりました。
住宅には足の不自由な82歳の父親と認知症の78歳の母親が同居していましたが、息子の死には気付いておらず、行政も先月末から夫婦の介護認定の手続きを進めていましたが、息子の死を把握できていませんでした。
16日夕方、東京・稲城市の住宅で、「この家に住む息子の行方が分からなくなっている」と、訪ねてきた市の職員から110番通報があり、警察官が調べたところ、2階の部屋で58歳の無職の息子とみられる白骨化した遺体が見つかりました。
状況から、ことしの夏には死亡していたとみられています。
住宅には82歳の父親と78歳の母親が同居していますが、父親は足が不自由で2階には自分で上がれず、母親は認知症だということで、2人とも息子の死には気付いていなかったということです。
稲城市では先月26日に、母親について「はいかいが心配だ」と民生委員から連絡を受けたため、4日後に市の包括支援センターの職員が介護認定の手続きを進めるために住宅を訪問し、その際、父親から「最近、息子がいない」と相談を受けていました。
職員はその後も2度住宅を訪れていて、16日は市の担当者が訪問した際に息子の所在について改めて相談があったため通報したということですが、結果的に行政も16日まで息子の死を把握できていませんでした。
稲城市 こうした結果になり残念
稲城市高齢福祉課の秋和広子課長は「こうした結果となり、残念に思っています。関係する担当者それぞれが手を差し伸べたほうがいいと思うことがあれば、声を寄せ合うことが大切で、こうしたことを繰り返さないためにも、地域の見守りと行政が連携することが重要だと改めて思いました」と話しています。
近所の人は
一家を知る近所の男性は「奥さんは、最近は認知症の症状が出ることが多く、外に荷物を置き去りにすることもあり、地域で声を掛けるなどしていました。こうした結果になり悲しいです」と話していました。
NHKNewsWeb 2014年10月17日 原文のまま

「本紙記者が認知症患者を保護 夜の宇都宮、垣間見た現状」(10月6日/下野新聞)
夜の宇都宮市中心部の幹線道路、本紙記者が若年性認知症の女性(62)を偶然保護した。認知症患者をめぐり体験した一部始終に、家族の苦労や周囲の気遣いなどの現状を垣間見た。
「あっ 危ない!」
9月30日午後8時過ぎ、市役所が近い同市中央1丁目、いちょう通り。車が行き交う交差点で、赤信号をパジャマ姿の女性がおぼつかない足取りで渡り始めた。鳴り響くクラクション。引き返し、車道の端を歩く。帰宅途中の車内で「徘徊だ」と直感、車を路肩に止め、110番した。
車内から通報するうちに姿を一時見失ったが、2分ほど後、また道を渡る女性を見つけた。車を降り中央線付近まで走り出て声を掛け、歩道に連れ戻した。
ほどなく女性をよく知る様子の男性が近付き、「(女性の)家族に電話した」と言う。知り合いらしい中年女性も来て腕を取り、優しく話し掛けた。女性の長男(36)に続き夫(66)も合流した。夫は「2人でテレビを見ていた。うとうとした10分ほどの隙に家を出てしまった。気を付けていたが」と警察官にわびた。
女性の徘徊は初めてではない。男性は「病気を隠さずオープンにするのが一番と、ご近所に話してある。自分だけでは限界がある」と打ち明けた。
SOON 2014年10月6日 原文のまま
編者:在宅介護を始めた頃を思い出す。近隣者の支援も欠かせない。「わびた」ことはないが感謝は伝えた。

「認知症患者、早期発見へ/坂出市がチーム設立」(10月3日/四国新聞)
坂出市は2日、認知症の早期発見・早期治療に向けて、香川県内で初めて「認知症初期集中支援チーム」を立ち上げ、11月から運用を開始すると発表した。認知症が重くなる前に見つけて支援し、症状が進行しても住み慣れた地域で生活できるようにするのが狙い。かかりつけの医師や認知症疾患医療センターなどとも連携し、認知症の初期段階から集中的にサポートする。
厚生労働省が進めている「認知症施策推進5カ年計画(オレンジプラン)」に沿った施策。市によると、市内の認知症または認知症と疑われる人は4899人(3月時点)で、65歳以上は約4人に1人、85歳以上は約2人に1人が該当するという。
市地域包括支援センター内に設ける新たな支援チームは、認知症サポート医1人と保健師2人で構成。家族や民生委員らから寄せられた相談や情報を基にチーム員が自宅を訪れ、認知症または疑われる人の症状を把握する。
その後は、チーム内の会議で患者や家族への支援を検討し、認知症のレベルに応じた支援プランを立案。患者1人につき6カ月間かけて集中的にサポートし、最終的には患者の主治医や介護支援専門員らに引き継ぐ。
市かいご課は「認知症が疑われる人は病院での受診を嫌がるケースが多い。チーム員が家庭を訪問して早期に発見することで、さまざまな初期支援が提供できる」としている
Shikoku News 2014年10月3日 原文のまま
関連情報
2014年10月1日更新 第1回坂出市高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画策定協議会
2014年10月1日更新 第2回坂出市高齢者福祉計画・第6期介護保険事業計画策定協議会
2014年9月29日更新 坂出市まいまいこ(徘徊)高齢者おかえり支援事業
編者:先進的印象を受ける坂出市という自治体の取り組みの情報だ。

★「秋田の「自分史」使った認知症対策の仕組み、グッドデザイン賞受賞」(10月1日/秋田経済新聞)
秋田市在住の北林陽児さん(写真の右)が取り組む「メモリーブックによる認知症の予防・改善の仕組み」が10月1日、「グッドデザイン賞」を受賞した。
過去の思い出に触れることで精神状態を安定させる認知症の心理療法「回想法」にのっとった「自分史」の制作サービス「私の絵本カンパニー」を運営する北林さん。
昨年2月、認知症を患う祖母を見舞う中、祖母を撮影した過去の写真などをまとめた冊子を手作りして贈ったところ、それまで中断していた日記を再開したり、周囲への配慮ができるようになったりするなど祖母の言動に変化が見られるようになったことから、昨年10月に事業化。「介護者や被介護者らが心を通わせて感動を共有できる点」などが評価され、同賞「個人・家庭向けサービス分野」で受賞した。
自費出版としては安価な設定で少部数の受注にも対応したほか、福祉用具のレンタル・販売などを手掛ける「かんきょう」(秋田市泉南3)の協力も得るなどし、これまでに35件受注した。
「写真やエピソードなどをまとめ、思い出をつづる作業は顧客との共同作業。介護に当たる娘が認知症の母の過去を知ることは、介護する側にとっても心の支えになる」と北林さん。「認知症対策につながる自分史を、高齢化が全国に先駆けて進む秋田発の文化に育てられれば」と話す。
秋田経済新聞 2014年10月1日 原文のまま

★「団体保険に認知症診断付帯サービス」(10月1日/SankeiBiz)
あいおいニッセイ同和損害保険は30日、企業・団体向けの団体総合生活補償保険で、簡易な認知症チェックなどの付帯サービスを10月から始めると発表した。介護の負担が重くなる認知症の早期発見に向け、認知機能障害の疑いを約20問の質問で簡単に判定できるチェックシステム「認知症TESTER(テスター)」を保険契約者に提供する。また、親が90日を超えて要介護状態となった場合、必要となる初期費用に応じて最大500万円までの一時金支給がある特約も設定した。
SankeiBiz 2014年10月1日 原文のまま
編者:認知症の妻の場合、損害保険から要介護で一時金を受けた。付帯サービスの趣旨がよく理解できない。一時金を受けられる状態か否かを契約者が自己判定するためものか?

「<認知症の人と家族の会>第30回全国研究集会 in 青森[11月2日]」(9月30日/ケアマネジメントオンライン)
イベント・セミナー情報
公益社団法人認知症の人と家族の会は、11月2日、認知症の人と家族への援助をすすめる第30回全国研究集会を青森市で開催する。今回のテーマは 「生かされる」から「生きる」へ~本人・家族が尊厳をもって生きられる時代へ~ 。
長寿国ニッポンの国民病ともいえる認知症は、その予備軍を含めると65歳以上の4人に1人といわれるほど増加している。何の支援もなかった30年前に比べれば格段の進歩はあるものの、急速に進む高齢化の波のなか、認知症の人と家族が安心して暮らせる社会にはなりきれていないのが現状だ。
同会は、第30回となる記念大会を青森の地で開催するにあたり、これまでの会の歴史、日本の認知症介護の変遷を踏まえ、超高齢社会における介護家族の支援を再考することを目的に開催する。
□名称:認知症の人と家族への援助をすすめる第30回全国研究集会
□日時:2014年11月2日(日)9:30~16:00
□会場:青森県青森市・青森市民ホール(青森駅から徒歩1分)
□内容:講演、事例発表、シンポジウム、展示
□講演:
演題「若年性認知症の人と家族とともに歩んで~神経内科医として~」東海林幹夫氏(弘前大学大学院研究科脳神経内科学講座教授)
□事例発表:公募により選定、口述発表
□シンポジウム:
テーマ「若年性認知症の人を地域で支える」
□展示:全研30回の歴史、青森県支部の取組、「家族の会」各支部の取組、認知症ほっと三行レター、介護機器紹介
□参加費:2000円(資料代)
□定員:800人
□問い合わせ:認知症の人と家族の会 青森県支部 TEL 0178-35-0930
◎公式ホームページ
http://www.alzheimer.or.jp/page_id=159
ケアマネジメントオンライン 2014年9月30日 原文のまま

★「認知症カフェ「心愛」開設1周年 福井」(9月30日/中日新聞)
認知症の人やその家族が交流する県内初の認知症カフェ「心愛(ここあ)」(福井市渕3)が、開設から1周年を迎えた。本人と家族が同じ空間で自由に息抜きできる場として、利用者の心をつかんでいる。
心愛は県立すこやかシルバー病院(同市島寺町)の指定管理者、認知症高齢者医療介護教育センターが元喫茶店を利用し、昨年九月に開設。認知症の不安がある人や、会話できる軽度の認知症の人が対象だ。
心愛では看護師か精神保健福祉士に加え、専任臨時職員一人とボランティアが利用者を迎える。一年間で延べ七百九人が利用し、囲碁や手芸などを通して交流。カフェの中は、利用者が手作りした色とりどりの造花や紙人形が彩っている。
認知症の人が同じ話を繰り返しても、スタッフが初耳かのように聴き続ける。開設時から認知症の夫と一緒に通う市内の七十代女性は「こんな場所を待っていた。私たちのオアシスです」と話す。
夫は五年前、認知症との診断を受け入れられず、薬も飲まなかった。女性も、夫が違う人間のようになっていくのを受け入れがたかった。「お互い落ち込んでいく中で、認知症を理解してくれて、気軽に楽しめる場はありがたい」。夫が囲碁に打ち込む間は、他の家族やスタッフとおしゃべりして過ごす。「夫婦そろって楽しみができた。夫は朝早くから準備して『まだ行かんのか』なんて言うんです」と笑顔を見せる。
同病院看護部長の高嶋康子さん(49)は「家族で利用できるのが大きな特徴」と話す。認知症の人は、家族が同じ空間にいることで安心し、家族は気軽に相談して息抜きできるという。
心愛の開設後、認知症カフェは県内各地に広がった。高嶋さんは「まだどこも手探り状態だが、お互いに良い点を取り入れていけたら」と見据えている。
活動は毎週土曜午前十~午後三時。利用料金は飲み物代として一人百円。問い合わせは同病院=電0776(98)2700=へ。 (鈴木あや)
Chunichi Web  2014年9月30日 原文のまま

★「受験者2万人突破!認知症の知識とアクティビティ・ケアを学ぶ 「認知症ライフパートナー検定試験」申込受付スタート!」(9月29日/@press)
一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会(所在地:東京都渋谷区、理事長:渡辺 光子)は、2014年12月7日(日)に実施する「認知症ライフパートナー検定試験」(第12回基礎検定/第10回応用検定)の申し込み受付を開始いたしました。
日本認知症コミュニケーション協議会
http://www.jadecc.jp
認知症ライフパートナー検定URL
http://www.jadecc.jp/license/guideline.html
□「認知症ライフパートナー検定試験」の実施背景
わが国では、高齢者の4人に1人が認知症またはその予備軍といわれ、今後とも高齢化が続き高齢者ケアとともに認知症問題が深刻化していくといわれています。
そうした中、当協議会は「多くの人に認知症という病気について正しく理解してほしい」という想いを広めるため、全国で「認知症ライフパートナー検定試験」を主催しています。
福祉・医療の専門職の方はもちろん、認知症の方のご家族、一般の方、学生の方など、現在、10代~80代の約2万人を超える方々が受験しています。
検定試験の出題は公式テキストからです(全国の書店で販売)。今回で基礎検定が12回目、応用検定が10回目をむかえます。
その内容は、認知症という病気の特徴、さまざまな症状とその対応の仕方、その人に合ったアクティビティを用いたコミュニケーションの取り方、ケアの在り方などで、さまざまなアクティビティの事例を通して認知症に関する正しい知識やケアの手法を修得します。
□「アクティビティ・ケア」とは
「アクティビティ・ケア」とは、回想法・音楽・運動・園芸・絵画・化粧・アロマセラピーなどその人に合ったさまざまなアクティビティを用いてコミュニケーションをとりながら、その人の生活改善に繋げるケアのことです。認知症の人の価値観や生き方、趣味・趣向、身体状況を理解し、「できること」と「できないこと」を見極めながら、その人に合ったアクティビティを選択し、認知症の人とともにケアをする人もアクティビティを楽しむことで認知症予防や進行を抑えるために有効だといわれています。
□認知症ライフパートナーの役割
認知症ライフパートナーは、認知症についての基礎的な知識とともに、“アクティビティ”(回想・音楽・園芸など)の手法を身に付け、認知症の人たちのこれまでの生き方や価値観を尊重しながら、その思いや願いに応え、実際にアクティビティを用いたコミュニケーションを通して、認知症の人や家族の生活支援、認知症の人のケアに関わる方々のサポートを行うという役割があります。このように認知症の人の心の叫びを理解し、ケアできる人材の育成がわが国にとって急務です。
□検定試験(基礎・応用)の基準
○基礎検定
「認知症ライフパートナー検定試験 基礎検定 公式テキスト」から出題され、基礎知識の理解度を問います。認知症という病気の特徴や症状に関する基礎知識、アクティビティ(音楽、園芸、回想法・運動など)を用いたコミュニケーション手法、福祉制度の活用についての理解度を確認します。
○応用検定
「認知症ライフパートナー検定試験 応用検定 公式テキスト」から出題されます。応用検定では、認知症の人の症状、生活習慣病、食事、排泄、睡眠、薬など、より深い専門知識と認知症予防について問います。また、アクティビティ・ケアの計画・運営など専門的な知識と、アクティビティ・ケアの進め方などについて確認します。さらに、居住環境に対する留意点や介護保険など制度の活用についての理解度を確認します。
□2014年度冬期(第12回基礎検定/第10回応用検定) 検定試験概要
試験日     : 2014年12月7日(日)
申込受付締め切り: 11月4日(火)
検定試験会場  : 仙台・東京・名古屋・大阪・福岡
基礎検定    : 4,500円(税込)
応用検定    : 7,000円(税込)
受験資格    : 学歴・年齢・性別・国籍による制限はありません。
お申込み方法  : 当協議会ホームページ・郵送・FAX
URL       : http://www.jadecc.jp/license/guideline.html
【一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協議会 概要】
〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-57-2 ドルミ代々木1004
URL: http://www.jadecc.jp/
@press news 2014.09.29 原文のまま
編者:この資格が現場でどう活かされているか聞かない。

★「母の遺言、高裁が無効判断 「公証人に内容伝わらず」」(9月29日/中国新聞)
大阪法務局に所属していた公証人が作った母親の遺言書が有効かどうか、兄弟が争った訴訟の控訴審判決で、遺言の趣旨が母から公証人に伝わっていなかったとして、大阪高裁が無効と判断していたことが28日、分かった。
公証人は裁判官や検察官など法律実務の経験が長い人から、法相が任命。遺言をする人から面前で聞き取った内容を文章にまとめる「公正証書遺言」は、自筆の遺言より信用性が高く、日本公証人連合会も「方式の不備で無効になる恐れは全くない」とPR。無効とされるのは異例だ。
遺言は、2011年に亡くなった大阪府大阪狭山市の母親が、現金約2200万円のうち半分を同じ敷地内に住む長男(70)に、6分の1を埼玉県の次男(63)に渡す、などとする長男に有利な内容。次男が「兄が認知症の母を主導して作った」と無効を主張していた。一審大阪地裁堺支部は有効と判断。しかし高裁は今年8月28日の判決で「当初の文案を作ったのは、長男の依頼を受けた弁護士だった」と指摘した上で、母親は最終的な署名のために赴いた公証役場で「公証人が遺言内容を読み上げるのをうなずいて聞いていた」だけと認定。母親から公証人への直接の内容伝達がなく、遺言を無効とした。
中国新聞アルファー 2014年9月29日 原文のまま

★「なぜ日本では認知症高齢者の入院が減らないのか 「脱精神科病院」を阻止する医療関係者の反撃」(9月24日/ダイヤモンド・オンライン)
日本は「認知症800万人時代」が到来しているにもかかわらず、欧米諸国では否定されつつある認知症高齢者の入院者がまだ多い。それも本来、認知症高齢者の居場所としてはふさわしくない精神科病院に5万3000人もの患者が入院している。多くの病院関係者が一体となって、「認知症ケアに医療が必要」と思い込んでいる。
認知症ケアには「病院モデル」から「生活モデル」への転換が必要というのが、国際的な流れだ。しかし、その流れに抗うかのような日本の医療関係者。厚労省内にも医療派と生活派が混在し、そこに医療関係者の強引な介入があり、政策も紆余曲折を辿ってきた。

やっと認知症ケアに本腰を入れた厚労省「オレンジプラン」の中身
実は、医療関係者の中にも、診療所医師を中心に生活ケアを重視する医療者たちもおり、その声が次第に大きくなりつつある。訪問診療など在宅医療に携わっていると、自宅や地域で日常生活を続けることが認知症ケアにとって最良の対応と実感してくるからだ。
その声に押されるようにして、厚労省内でも生活モデル派が主導権を採りつつある。そんな現場の「生活モデル」派の声を集大成したのが2012年秋に厚労省が打ち出した「認知症施策推進5か年計画」である。認知症に本腰を入れて取り組む姿勢を初めて見せた。いわば、認知症ケアのスターラインにやっとたどり着いたといえよう。遅きに失したが、着手したことは評価されていい。別称「オレンジプラン」と命名し、2013年度から始まった。
その内容を見ていこう。7つの施策を掲げる。
①認知症ケアパス(状態に応じた適切なサービス提供の流れ)の作成
・2014年度までに市町村が呼び掛け、翌年以降に介護保険に反映させる
②早期診断・早期対応
・かかりつけ医の研修受講者を2017年度までに5万人に
・認知症サポート医の研修受講者を2017年度までに4000人に
・認知症初期集中支援チームを2014年度までにモデル事業として30ヵ所で設置
・早期診断を行う医療機関を2017年度までに約500ヵ所整備
・地域ケア会議を普及させ、2015年度以降に全市町村で実施
③医療サービスの構築
・薬物治療のガイドラインを2012年度に策定し、以降、医師向け研修で活用
・精神科病院に入院が必要な状態像の明確化
・退院支援・地域クリティカルパス(退院に向けての診療計画)の作成
④地域生活を支える介護サービスの構築
⑤日常生活・家族の支援強化
・認知症支援推進員を2017年度末に700人へ
・認知症サポーターを2017年度末までに600万人へ
・市民後見人を育成し、将来的にすべての市町村で整備
・認知症の人や家族支援として「認知症カフェ」の普及
⑥若年性認知症施策の強化
・2017年度までに当時者の意見交換会を全都道府県で開催
⑦人材の育成
・認知症介護実践リーダー研修の受講者を2017年度末までに4万人
・認知症介護指導者養成研修の受講者を2017年度末までに2200人
・一般病院の医療従事者への研修受講者を2017年度末までに8万7000人
以上のように多岐にわたる豊富な中身だが、従来施策の踏襲も多い。その中で、①のケアパスや②の認知症初期集中支援チーム、早期診断を行う医療機関③の精神科病院に入院が必要な状態像の明確化などが目新しい。
この新プロジェクト、オレンジプランに至る経緯を振り返ってみると、医療・病院側との攻防戦があり、すんなり決まったわけでないことがわかる。欧米各国とは違う日本の特殊事情が表れている。

厚労省が過去の認知症施策を「反省」そして精神科病院協会が「反論」へ
オレンジプランにたどり着く直前の2012年6月18日に厚労省は、「脱病院」路線を高らかに宣言した画期的な報告書「今後の認知症施策の方向性について」(6・18報告書)を発表している。
冒頭に「これまでの認知症施策を再検証する」として、反省の弁を述べた。
「かつて私たちは認知症を何もわからなくなる病気と考え、徘徊や大声を出すなどの症状だけに目を向け、認知症の人の訴えを理解しようとするどころか、多くの場合、認知症の人を疎んじたり、拘束するなど、不当な扱いをしてきた」
中央官庁が過去の施策を間違いと認めるのは極めて珍しい。この報告書が政策転換を示すものだとよく分かる。
そのうえで、「今後目指すべき基本目標」として方向性を打ち出した。
「このプロジェクトは、『認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない』という考え方を改め、『認知症になっても本人の意志が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる』社会の実現を目指している。
この実現のため、新たな視点に立脚した施策の導入を積極的に進めることにより、これまでの『自宅→グループホーム→施設あるいは一般病院・精神科病院』というような不適切な『ケアの流れ』を変え、むしろ逆の流れとする標準的な認知症ケアパス(状態に応じた適切なサービス提供の流れ)を構築することを、基本目標とするものである」
42年前に作家の有吉佐和子がベストセラー小説「恍惚の人」を発表した。認知症になると何もわからなくなり、周囲に迷惑をかけるので精神科病院に入らねばならない、と記す。今では、本人の尊厳を無視する誤った見解とされるが、認知症への偏見は広がってしまった。6・18報告書は、それを払拭しようというもので、国民に認知症の捉え方の転換を求めているとも言えるだろう。
この6・18報告書に対して翌7月、日本精神科病院協会が「反論」を出した。報告書は「ケア中心の施策であり、医療、特に精神科医療への関与を極力抑えるような文言が目立ち、到底受け入れられない」と全面否定する。中でも、一般病院と精神科病院を最終ゴールとし、それを「不適切なケア」と指摘したことに怒る。
「反論」では「我々は常に病院→地域→自宅という流れを推進した。しかし地域の受け皿や自宅での介護支援の不足が大きな障害となり困難を極めていた。これは国の認知症施策の貧困による」と、入院患者問題の責任は精神科病院にはないと主張する。
さらに「精神科医療の関与なくして認知症施策は成り立たない」と繰り返し述べる。報告書で「グループホームを認知症ケアの拠点とし、重度化や看取り対応を推進」とあることにも「グループホームは監査体制が不十分であり、法的に人権に配慮していない」と、誤解に基づくような異議を唱える。

画期的な2つの新サービスを提言するも 日本医師会が「身近型認知症ケア」を潰す
6・18報告書では、画期的な認知症の具体的サービスを2つ提言した。
認知症ケアには初期対応が重要として看護職や作業療法士などで構成する「認知症初期集中支援チーム」と、既存の病院や施設を医療関係者が訪問する「身近型認知症疾患医療センター」の2つである。
前者は、英国で「メモリーサービス」として運営されて評価が定まっており、日本版の導入を目指した。後者は、地域で訪問診療を手掛けている診療所医師を前面に押し立てる斬新なアイデアだ。
精神科を含めた病院ではなく、訪問診療を手掛ける診療所への認知症施策の主役転換となる仕組みである。病院で日常生活を拘束するのではなく、慣れ親しんだ自宅やその近くの集合住宅でケアを受けるのが認知症者には最適な環境である。地域の診療所の医師と臨床心理技術者がチームを作り、一般病院や介護保険施設・事業所に繰り返し訪問することで認知症の悪化をできるだけ防ぐ。一般病院や介護保険施設に認知症の専門医師が訪問するのはこれまでにないこと。転院や入院をできるだけ回避し、在宅生活への復帰を促そうという狙いだ。
厚労省が介護保険政策で推進する「地域包括ケアシステム」や「病院から地域へ」の考え方に合致する。その2年後の社会保障制度改革国民会議の報告書でも同様の路線を踏襲している。
この新サービス対して日本医師会が異を唱えた。「日医ニュース2012年10月5日号」で、既存の「認知症サポート医との役割分担が不明確である。屋上屋を架すような施策は現場の混乱を誘発する」と横槍を入れる。6・18報告書が発表された直後から日医はこの「身近型……」の取り下げを厚労省に執拗にアピールし続けた。
その圧力に押されたのか、厚労省は3ヵ月後の「オレンジプラン」策定にあたり、何と「身近型……」は外してしまう。代わりに「早期診断を行う医療機関」を入れたが、呼称を変えて6・18報告書の斬新な内容を消してしまった。これを後日の日医ニュースでは「日医の指摘を受け……」と勝ち誇ったように記す。
訪問診療を今でも敬遠しがちな日医にとって、「身近型……」の創設は面白くないのだろう。「難癖をつけて消したかった」と関係者は見る。
実は、一方で厚労省は「病院モデル」を続けている。認知症疾患医療センターである。6年前に厚労省が作成した報告書「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」に基づいて始まった認知症の拠点病院だ。200ヵ所近い病院が指定されているが、多くの精神科病院が含まれている。同報告書の作成委員には病院系医療関係者が多い。厚労省内でも「病院モデル」を支持するグループが、「緊急プロジェクト」の作成に携わったと見られている。
訪問診療に熱心な診療所医師たちからは「介護保険でグループホームや認知症デイサービスなどが整い、生活に寄り添う地域密着の認知症ケアが浸透してきた。それをまた病院に戻そうというのは、時計の針を巻き戻すようなこと」と批判を浴びている。
6・18報告書は「緊急プロジェクト」に代わる認知症ケアの新しい提言であり、オレンジプランとして日の目を見た。ただ、「身近型認知症疾患医療センター」を外したため、画竜点睛を欠くことになったしまった。それほど病院系、医療系の政治的圧力が強いことを改めて浮き彫りにしたと言えるだろう。

“脱精神科病院”は結局進まない?「認知症サミット」で問われる日本の認知症ケア
その精神科病院が生き残り策を打ち出した。精神科病院の病床を居住施設に転換させようというものだ。退院した患者の部屋を改装して居住施設とし、既存入院者を移す。さらに空室には認知症高齢者を引き受けようという狙いだ
「生活するのは普通の場所がいい」「病院は暮らしの場ではない」「看板の掛け替えだ」と、精神障害の当事者や家族、支援団体などが反対運動をしてきたが、厚労省が7月1日に開いた「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」で承認された。
反対集会のアピール文には「統合失調症の入院者が激減し、余ったベッドを認知症の人で埋めようという経営戦略の一環として、次なる社会的入院が生まれていくことが危惧されます」とある。認知症高齢者の新たな収容施設となることが危惧されている。
英国では、2009年2月に政府が「認知症とともに良き生活(人生)を送る(認知症国家戦略)」(Living well with dementia(National Dementia Strategy)を発表した。保健省の下に認知症局を設け、首相のリーダーシップによって政策を推進し、「総合病院での不要な入院を減らす」など17の目標を掲げた。5年間を集中改革期間としている。
英国のほかフランスや米国でも国のトップが率先して総合的な国家戦略を掲げて取り組んでいる。日本ではまだそのレベルには達していない。
日本では、「暴力を振るわれる」「夜間にトイレ介助などで毎晩のように起こされる」などで自宅での同居が難しくなった家族が、医師やケアマネジャーに相談に行くと、精神科病院への入院を勧められることが少なくない。そのため「家族から頼まれ仕方なく」と精神科病院側の弁解がまかり通る。
一方で、日本の認知症ケアのレベルは介護保険施行以来、急速に高まり、北欧を追い越すグループ―ホームや宅老所(お泊りデイサービス)、個室ユニットの特養など居住系介護施設が各地で増えている。だが、同じ認知症症状なのに医師やケアマネの間違った判断で精神科病院に送られる認知症者もいる。そこではミトン型手袋や腹帯の身体拘束、日中もパジャマ姿など想像を絶する人権無視の世界が法に守られて現存する。天地の開きだ。
国はいまだに「脱精神科病院」に逆行する政策から脱却できていない。認知症施策がふらついているため、脱病院策に腰が引けてしまうようだ。オレンジプランの遂行如何で本気度が試される。
11月5、6日には日本で国際会議「認知症サミット」が開かれる。昨年12月ロンドンで開いた初の「G8認知症サミット」の関連会合として各国が相次いで開催している。「脱病院」を進める欧州諸国を招いての会議の場で、日本の認知症ケアのあり方が問われるだろう。
寄稿者:浅川澄一(写真) [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。
ダイヤモンド・オンライン 2014年9月24日 原文のまま
編者:よくまとまった論調なので紹介した。厚生省が先導した民間精神科病院が大多数を占めるわが国で厚生労働省が潰すことができないだろう。寄稿者の指摘する厚生労働省内の「生活モデル」派と「病院モデル」派の相剋は興味深いが、所詮、官僚の世界の話だ。

「迫真 認知症 ともに歩む(1)失う記憶 我が家はどこ」(9月22日/日本経済新聞)
横浜市に住む滝沢由紀子(83)は散歩に出かける夫の正(87)を見送った(写真左)。いつものように自宅の周りを歩き、昼食までには帰ってくると思っていた。2013年1月11日のことだ。
ところが、夕方になっても戻らない。冬まっただ中。ジャンパーは着ておらず、履物もサンダル。「もしや」。慌てて近くの交番に駆け込んだ。
午後11時半ごろ、警察署から電話があった。自宅から約2.5キロ離れた郵便局の裏で座り込んでいたところを警察官に保護された。パトカーに乗って帰宅した夫に「どうしたの」と尋ねても、「分からない」「覚えていない」。関東地方は翌週、大雪に見舞われた。「生きていたのが不思議。雪が降っていたら危なかった」と由紀子。その後、正はアルツハイマー型認知症と診断された。
滝沢夫妻に起こった出来事は日本各地で繰り返されている。そのことを示す数字が6月、警察庁から公表された。
 □   □
1万322件。昨年1年間に、認知症やその疑いがあり、徘徊(はいかい)するなどして警察に行方不明届が出された延べ件数だ。うち98%は警察が保護したり自分で自宅に戻ったりして1週間以内に所在が分かる。しかし約380人は事故などで亡くなった状態で見つかった。
「実態調査を各自治体にお願いしたいと思っている」。厚生労働相(当時)の田村憲久(49)は危機感をあらわにした。厚労省は今月19日になって、独自の集計で13年度の不明者の実数が5201人であると発表した。
なぜ、認知症の患者が行方不明になるのか。精神科医で筑波大教授の水上勝義(54)(写真右上)によると、目から入った情報を脳が適切に処理できなくなり、方向や距離感が分からなくなることが主因。夜間は特に、道に迷いやすくなる。記憶にも障害が出ることで、自分が今いる場所が自宅であると認識できず、そこから出ようとする場合もある。
我が家を見失った認知症患者が行き着くのが自治体の施設だ。昨年、警察が保護して身元が分からないまま自治体に引き継いだ人は157人。そのまま何年も施設での暮らしを強いられる人は少なくない。
「あ、一緒に住んでいた正ちゃんだ」。今年5月、埼玉県狭山市の路上で保護され、特別養護老人ホームに滞在していた男性の身元が分かった。知事の上田清司(66)が記者会見で男性の特徴や顔写真を公開したところ、親族が名乗り出た。男性が保護されたのは1996年。18年の歳月がたっていた。
保護された不明者の情報をどう扱うかは、個人情報保護の問題などもあって自治体によってばらつきがある。「警察庁として全国のデータベースを統一化し、そこからピックアップされるのが望ましい」。上田はこう指摘したが、肝心の国の動きは鈍い。
 □   □
「初めまして」。東京・永田町の議員会館。今春、中央省庁の官僚が名刺を交換していた。行方不明者の情報を持つ警察庁と、認知症対策を進める厚労省。認知症患者の行方不明者対策を聞こうと国会議員が呼んだが、両者は初対面だった。
既に問題への社会の関心は高まり、国会でもたびたび取り上げられていた時期だ。「今ごろ、何なんだ」。この国会議員はあきれたという。その後、両省庁は不明者の情報をどのように共有できるか、水面下で調整を始めた。
厚労省の推計によると、65歳以上の認知症患者は400万人を超える。徘徊などの問題や介護負担の重さに対する社会的関心が高まる一方、認知症を正面から見つめようとするまなざしも増えている。
東京・中野の映画館。スクリーンに映る高齢女性の姿を見て、観客は笑い声を上げ、そっと涙を拭う。映画監督の関口祐加(57)(写真右中)が実母の介護の日々をユーモラスに描いた「毎日がアルツハイマー」。動画サイトでの反響から映画化され、自主上映を含め3万人以上が鑑賞した。
作家の岡野雄一(64)(写真右下)が母親の介護体験を描いた漫画「ペコロスの母に会いに行く」も映画化され、キネマ旬報ベストテンで日本映画の1位に選ばれた。「忘れることは、悪いことばかりじゃない。母を見ていて、そう思います」。岡野は後書きでこうつづった。
(敬称略)
 ◇
「痴ほう」から「認知症」に呼び名が改められ今年で10年。認知症とどう向き合うのか。その最前線を追う。
日経WEB 2014年9月22日 原文のまま

「認知症患者の支援 「食事」が鍵」(9月21日/NHK)
認知症患者の支援 「食事」が鍵
21日は認知症への正しい理解と支援を呼びかける「世界アルツハイマーデー」です。
東京・港区では講演会が開かれ、医療関係者が認知症の人の生きる意欲につながる「食事」の支援が必要だと訴えました。
高齢化に伴い認知症の人は増え続け、国内では460万人を超え、世界ではおよそ4400万人に上ると推計されています。
世界アルツハイマーデーの21日、東京・港区では認知症の人への食事の支援をテーマにした講演会が開かれ、認知症の人を介護している家族や医療関係者などおよそ200人が集まりました。
認知症になると食べものを認識できなくなったり、食事をしたことを忘れたりするほか、飲み込む力が低下するため、低栄養になったり食べたものを詰まらせて肺炎を起こしたりする危険性が指摘されています。
講演会では、認知症の人が食事をとれるよう治療を行っている歯科医師の菊谷武さん(写真)が、認知症の人のかむ力や飲み込む力を見極め、食事がうまくいかない要因を把握することが大切だと指摘しました。そのうえで患者の状態に合わせて食事を細かく砕いたり味にメリハリをつけたりして、食べることへの意欲を引き出し、飲み込む力などの運動機能を維持することが必要だと訴えました。
菊谷さんは「認知症の人にとって食べることは生きる意欲につながるうえ、介護する家族にとっても大きな力になるので支援が必要だ」と話していました。
NHKNewsWeb 2014 年9月21日 原文のまま

★「栃木県内でも受け皿づくり進む 21日、世界アルツハイマーデー」(9月21日/下野新聞)
県内でも認知症による高齢行方不明者が問題化する中、地域を巻き込んだ受け皿作りが活発化している。介護者任せにせず地域が認知症を受け入れていくことが求められる超高齢社会。県によると、9市町が関係機関と住民が連携し徘徊する人を早期に保護するネットワーク事業を行っている。2015年初めのネットワーク設立を目指す壬生町内や、徘徊する人に対応する模擬訓練を始めている日光市内の動きを追った。21日は世界アルツハイマーデー。
◇ネットワーク作りに奔走 壬生・六美南部地区
19日、認知症の人をケアする壬生町壬生丁の小規模多機能ホーム、のぞみホームで開かれた研修会。
「支え合う、というと、どんなことをイメージしますか」。広島県のご近所福祉クリエーター、酒井保さん(53)が集まった地域の人約20人に問い掛けた。「支える側の姿を思い浮かべたでしょう。なかなか支えられる側のことを想像しないんです」と当事者目線を持つ大切さを訴えた。
研修会は、認知症があっても安心して暮らせるまちづくり活動の一環だ。
のぞみホームの管理者、奥山久美子さん(46)がこうした取り組みを思い立ったのは、1年半前のこと。
ホームを利用していたアルツハイマー病の男性(67)が散歩中、周囲からばかにされるような言葉をぶつけられ、自宅にこもりがちになったことを知った。
「徘徊も認知症の本人にとっては何か目的がある。閉じ込めてはだめ」と考え、奥山さんは歩き続ける認知症の人に付き添ってきた。それでも20年以上のホームの活動を振り返れば、路地で見失ったり、商店でトラブルになり警察を呼ばれたこともあった。
差別的な言葉に誇りを傷つけられ思い悩む男性。奥山さんは「地域の理解がもっと必要」と痛感した。
地元自治会、町社会福祉協議会、民生委員などに呼び掛け、13年春、「六美南部地区の地域福祉を考える会」を発足した。
これまで地域の人たちと一体となり、住民向けに認知症の人の気持ちを知ってもらう絵本コンサート、連続講座を実施。徘徊する人を保護するネットワークや模擬訓練の先進地を視察した。介護や生活支援について住民にアンケートし、結果を会報で紹介している。
11月2日、初の模擬訓練を行い、15年2月に開く予定のシンポジウムに合わせ、地区内のネットワークを立ち上げたい考えだ。
SOON 2014年9月21日 原文のまま

★「認知症の身元不明者、全国に35人 6人は10年以上保護」(9月20日/日本経済新聞)
厚生労働省は19日、今年5月末時点で医療機関や特別養護老人ホームなどで保護されている認知症の身元不明者が全国10都府県で35人いたと発表した。
35人は男性24人、女性11人。東京、埼玉、千葉、神奈川、静岡、愛知、京都、愛媛、福岡、沖縄の10都府県で保護されている。推定年齢は70代が18人で最も多く、80歳以上が10人、60代が6人、60歳未満が1人。保護期間は2~3年が8人で最も多く、10年以上は6人いる。30年以上の人もいるという。
認知症以外に、精神疾患や記憶障害による身元不明者は311人いた。
全国の自治体が2013年度に把握した認知症の行方不明者は5201人で、発見されていない人は132人。発見されたが死亡していたのは383人だった。
厚労省は19日、全国の自治体に対し、地域での見守り体制づくりや警察との連携強化を求める通知を出した。同省は6月、行方不明になっている認知症の人を把握するため、全国の自治体に実態調査を要請していた。
日経WEB 2014年9月20日 原文のまま
関連情報:行方不明になった認知症の人等に関する調査結果の公表等(厚生労働省老健局高齢者支援課認知症・虐待防止対策推進室 平成26年9月19日)

「エーザイの治療薬、別の認知症にも効能」(9月19日/日本経済新聞)
エーザイ、アルツハイマー型認知症治療薬「アリセプト」(一般名ドネペジル)について、「レビー小体型」と呼ぶ別の認知症にも効能・効果を認める承認を厚生労働省から得たと19日発表した。レビー小体型認知症の治療薬は世界で初めて。レビー小体型認知症は認知障害のほか、幻覚などの症状やパーキンソン病のような運動障害が起こる。
日経web 2014年9月19日 原文のまま)
関連情報:エーザイニュースリリース 「アリセプト」 日本でレビー小体型認知症に関する効能・効果の承認を取得 ―世界で初のアルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症治療剤に―(2014年9月19日)

「認知症、受診まで平均9カ月半 民間調査 診断への不安背景に」(9月16日/日本経済新聞)
家族に物忘れなどの異変が表れ、認知症を疑いながら、医療機関を受診するまでに平均で9カ月半かかっていることが16日、「認知症の人と家族の会」(京都市)などのアンケートで分かった。本人が受診を拒否したのが主な理由で、診断を受けることへの不安が背景にあるとみられる。
認知症にはさまざまな原因があり、患者が最も多いアルツハイマー型認知症は投薬で症状の進行を抑えられる。他にも早期診断で治療可能なものがあり、カウンセリングや医療体制の整備が課題といえそうだ。
アンケートは、製薬会社の日本イーライリリー(神戸市)が同会と共同で実施。昨年9月に会員に質問票を郵送し、465人が回答した。
家族が異変に気付いてから、患者本人が受診するまでの期間は「6カ月以上」が46.7%だった。中には「5年以上」(2.8%)、「3年以上、5年未満」(6.7%)など、長期間におよぶケースもあり、全体の平均は9.5カ月だった。
6カ月以上と答えた人に時間がかかった理由(複数回答)を尋ねると、「本人が病院に行きたがらなかった」が38.7%で最も多かった。「年齢によるものだと思っていた」(33.6%)、「本人に受診を言い出せなかった」(21.2%)が続き、家族が判断に迷ったり、本人を説得できなかったりする実態も浮き彫りになった。〔共同〕
日経web  2014年9月16日 原文のまま
関連情報:プレスリリース:認知症の人と家族の会の会員465名を対象にした「認知症の診断と治療に関するアンケート」結果発表 変化に気づいてから診断まで平均15か月、早期の「確定診断」の重要性が浮き彫りに(2014.09.17 Eli Lilly Japan)

★「JR根岸線 誤って線路進入か 認知症男性はねられ死亡」(9月5日/東京新聞)
横浜市栄区小菅ケ谷一のJR根岸線の線路上で四日、東京都北区の無職男性(81)が電車にはねられ死亡した事故で、男性は認知症を患っており、徘徊(はいかい)しているうちに誤って線路に進入したとみられることが、神奈川県警への取材で分かった。
県警栄署によると、男性は現場から約五十キロ離れた自宅で妻と二人暮らしだった。現金は持っておらず、名前や連絡先を書いた名札を首から下げていた。同日午前九時ごろ、妻が自宅で来客の対応をしていた際に一人で外出したとみられる。これまでも男性は一人で外を歩き回ることが多かったが、夕方には戻ってきていたという。
男性は、現場から百メートルほど離れた本郷台駅のホーム端の階段を下り、線路内に進入した可能性があるという。目撃者はなく、同駅の防犯カメラにも男性の姿は写っていなかった。
署は、男性が電車を使って移動してきた可能性もあるとみて、経路を調べている。
◇認知症患者 事故の実態分からず
踏切事故の遺族でつくる「紡ぎの会」代表の加山圭子(かやまけいこ)さん(59)(写真)=横浜市=によると、鉄道事業者が国土交通省に事故の届け出をする際、死傷者が認知症かどうかを知らせる義務はない。このため、認知症の人が巻き込まれた事故の件数は分からないが、加山さんは報道や国交省の資料などから少なくないとみている。「鉄道事業者は安全対策を歩行者のモラルに頼りすぎている」と指摘する。
認知症の高齢者が鉄道で死亡する事故をめぐっては、鉄道会社が家族に損害賠償を求めたケースもある。二〇〇七年、愛知県大府市で徘徊(はいかい)中の男性=当時(91)=が自宅から三キロ離れたJR東海道線共和駅構内の線路に立ち入り、列車にはねられて死亡した。
JR東海は家族に振り替え輸送の費用など約七百二十万円を求める訴訟を起こした。昨年八月の一審判決では、介護する妻と横浜市に住む長男に全額の賠償を命じ、家族が控訴。今年四月の二審判決では、JR東海に「駅の監視やホームの安全対策をしていれば、事故を防げた可能性もあった」と指摘し、賠償額を半減させて約三百六十万円の支払いを妻に命じた。家族とJR東海はともに上告している。
加山さんは「高齢化社会が進む中、踏切に誘導員を配置したり、駅のホームに可動柵を付けたりする対策を講じるべきだ」と話している。 (奥野斐)
Tokyo Web 2014年9月5日 原文のまま

「認知症の不明者増加、県警調査 1ヵ7月で40人」(9月5日/秋田魁新報)
県内で認知症の疑いのある人が徘徊(はいかい)などで行方不明になるケースが増えている。県警によると、今年17月は昨年同期より17人多い40人に上った。多くは無事発見されているが、行方が分からないままの人もいる。不明者の家族は日々、無事を祈りながら帰宅を待ち続けている。
県警は2012年から認知症の行方不明者の統計を取り始めた。生活安全企画課によると、認知症の疑いのある不明者は12年59人、13年62人と年々増加している。
このうち、今も行方が分かっていないのは12年2人、13年3人。今年は7月末現在で1人。一方、亡くなった状態で発見されたのは12年2人、13年5人。今年も複数いるという。
さきがけon the Web  2014年9月5日 原文のまま

★「認知症見守り事業強化 栃木県内初、不明情報メール 1日から日光市 11月には「命のカプセル」」(9月1日/下野新聞)
【日光】市は今秋から認知症の高齢者らの見守り事業を強化する。徘徊で行方不明になった際にいち早く情報提供する県内初の「にっこう認知症安心メール」の配信を1日から始めるほか、住所や氏名、緊急連絡先などを記載した情報シートが入る携帯用の小型アルミ筒「命のカプセル」を11月にも配布する。市内の認知症患者は約2500人とされており、市は早期の保護や身元確認、適切な支援に役立てる方針。
認知症安心メールは、高齢者の行方不明時に今市署や日光署から寄せられた情報を基に、発生日時や場所、性別、年齢、身体の特徴などを登録者へ配信するシステム。提供する個人情報は家族の承諾を得た範囲に限る。
市はカメラ機能付き携帯電話やスマートフォンで読み取る登録者用QRコードをホームページや広報紙で周知するほか、市内の認知症サポーター(個人約700人)に郵送し登録や見守りへの協力を求める。
一方、市は生活基盤が自宅にある認知症自立度Ⅱ以上の高齢者や若年性認知症者を対象に、「命のカプセル」(直径2センチ、高さ6センチ、重さ22グラム)を配布する。本人や家族から希望があった場合は、地域包括支援センターの職員らが判断し配布を決める。初年度は1千個を購入する予定で県内では壬生町に次ぎ2例目。
SOON 2014年9月1日 原文のまま
関連情報:壬生町高齢者見守りネットワークについて(PDF1499K)

★「認知症を地域で防止 千葉市が来月1日から「初期集中支援チーム」」(8月29日/産経新聞)
支援が必要な認知症のお年寄りらを早期に発見し、適切な医療・介護サービスの利用につなげようと、千葉市は28日、介護の専門知識を持つ訪問看護師らでつくる「認知症初期集中支援チーム」がそうした人たちをサポートするモデル事業の運用を9月1日に始めると発表した。厚生労働省が全国で推進している事業で、県内の自治体での設置は初めて。早期の医療やケアで症状の進行を遅らせ、住み慣れた地域での暮らしを継続してもらうことが狙いだ。
国の推計では65歳以上の高齢者の15%が認知症、ほぼ同数が軽度の認知障害とされ、千葉市内では介護認定を受けていない人など潜在的な人数も含め、約3万6千人が軽度以上の認知症とみられる。同チームは厚労省が対策の一つとして、平成24年度から各自治体の地域包括支援センターへの設置を促している。
同チームはケアマネジャー資格などを持つ訪問看護師2人と作業療法士の3人一組で、市あんしんケアセンター(地域包括支援センター)に寄せられた相談などを基に、認知症やその疑いがある人の自宅を訪問し、症状などに応じて支援方針を決定。本人から介護に関する希望を聞き取ったり、家族にサービスの紹介を行ったりする。
モデル事業は中央区にある5カ所の同センターのうち、中央、千葉寺、新千葉の3カ所で実施。初期集中支援による効果が確認できれば、来年度以降は市全域に範囲を広げてチームの設置を進めたいとしている。
産経ニュース 2014年8月29日 原文のまま

★「<9月はアルツハイマー月間>世界アルツハイマーデー記念講演会、東京と京都で開催」(8月27日/ケアマネジメントオンライン)
公益社団法人認知症の人と家族の会は、9月21日の世界アルツハイマーデーに向け、今年も全国各地で次の啓発活動に取り組んでいる。
世界アルツハイマーデーは、国際アルツハイマー病協会(ADI)が認知症への理解をすすめ、本人や家族への施策の充実を目的に1994年に制定された。一昨年から9月を世界アルツハイマー月間として世界各国で啓発活動を行っている。
今年は、世界アルツハイマーデー標語「認知症 見守る地域に つながる絆」から、「認知症の人の“徘徊”による事故を防ぐ」をコンセプトに、リーフレットやポスターを作成。社会問題となった、認知症の人の行方不明などの防止に役立てたい。
□「認知症 見守る地域に つながる絆」リーフレット
http://www.alzheimer.or.jp/webfile/wad2014ri-hu.pdf
9月21日夜には、JR京都駅前の京都タワーを認知症支援のシンボルカラーのオレンジ色にライトアップする。タワー横のビルの電光掲示モニターでも呼びかけ、視覚でも認知症への理解を訴える。
さらに、毎年多くの来場者がある記念講演会は、東京と京都で開催される。
詳細は以下の通り。
【東京会場】
□日時:9月15日(月・祝)13:30~16:00
□会場:四谷区民センター(東京都新宿区内藤町87)
□テーマ:「改正介護保険を介護者と考えよう」
□出演者:結城康博氏(淑徳大学教授、社会保障審議会介護保険部会委員)
□定員:450人
□参加費:無料
□申込方法:不要。直接会場を来場のこと。
詳細は以下を参照のこと。
http://www.alzheimer.or.jp/webfile/wad2014kouenkai-tokyo.pdf
【京都会場】
□日時:9月23日(火・祝)
□会場:龍谷大学校友会館響都ホール(京都市南区東九条西山王町31)
□テーマ:人形と語る「認知症の人の心のうち」
□出演者:江森けさ子誌(NPO法人峠茶屋・看護師)、今村俶子氏(NPO法人峠茶屋・介護福祉士)
□講演:「認知症のタイプによる理解と対応―前頭側頭型認知症を中心にして―」中西亜紀氏(大阪市立弘済院附属病院認知症疾患医療センター長)
□定員:350人
□参加費:1000円(会員500円)
□申込方法:下記サイトより申し込む
http://www.alzheimer.or.jp/page_id=7241
□■申込締切:9月12 日(金) ※ただし定員になり次第、締切
◎認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/
ケアマネジメントオンライン 2014年8月27日 原文のまま

「認知症高齢者の徘徊死亡7割は住居500メートル以内 高知大医学部が全国初の調査」(8月26日/高知新聞)
高知大学医学部は、徘徊(はいかい)中に死亡した認知症高齢者に関する調査をまとめ、25日発表した。高知大学医学部で法医解剖を行った19例が対象で、徒歩の場合は約7割が生活拠点から500メートル以内で亡くなっていたことなどが分かった。こうした調査は全国初で、徘徊死亡事故の予防に期待が持てそうだ。
高知大学医学部の橋本良明教授と古宮淳一学内講師が調査。対象は高知大学医学部が2003~2013年に法医解剖した女性10例、男性9例の計19例。平均年齢は82・1歳だった。解剖記録などを基に、死因や死亡場所、通報までの時間などを調べた。
19例のうち自宅に住んでいたのは18例、病院が1例。外出方法は徒歩が14例、自動車3例、自転車2例だった。死因は川や海などに誤って転倒、転落したことによる溺死が最も多い8例で、交通事故などによる外傷死が5例で続く。
死亡場所が特定できたのは15例。うち徒歩は11例で、生活拠点から最長で5・8キロのケースがあったが、8例は500メートル以内と身近な場所だった。
また外出してから3時間以内に警察などへ通報できたのは2例にとどまり、約2日後になったケースも1例あった。
責任執筆者の古宮講師は「500メートル以内の捜索や早期通報が重要。独居高齢者が増える中、認知症高齢者を社会全体で見守る態勢づくりに生かしてほしい」と話している。論文は米国の認知症専門医学雑誌オンライン版にも掲載されている。
高知県の推計では、昨年10月現在の認知症高齢者は約3万5千人とされている。
高知新聞  2014年8月26日 原文のまま
論文:A Descriptive Study of Elderly Patients With Dementia Who Died Wandering Outdoors in Kochi Prefecture, Japan  Junichi Furumiya, MD, PhD Yoshiaki Hashimoto, MD, PhD  August 12, 2014, AM J ALZHEIMERS DIS OTHER DEMENTIAS



★「高齢社会、認知症とどう付き合う 老老介護の世帯5割超える」(8月13日/福井新聞)
記憶障害、徘徊(はいかい)、幻覚症状…。福井県内で要介護認定を受けている認知症の人は2万6千人を超え、2005年比で1万人以上増えている。県は本年度から、65歳以上(要介護認定者を除く)に質問表を送付し、回答してもらうチェックリスト形式の検診を県内全域で実施。早期に認知症を発見することで症状の悪化を防ぐ狙いだが、医療機関での受診を嫌がるケースもあり課題の一つとなっている。
□5分おきの電話
「今日、村本さんに会ったんだってね」。福井市の水本咲子さん(42)=仮名=の携帯電話に、実家の母美智子さん(67)=仮名=から連絡があった。「お店で偶然会ったのよ」と答えると、美智子さんは「そう」と言って電話を切った。
5分後、咲子さんの携帯が再び鳴り、母は全く同じ口調で「今日、村本さんに会ったんだってね」。さらに5分後にも電話。咲子さんは初めて口にした。「お母さん、さっきも同じこと電話してきたよ」。「そう…」。電話はここで終わった。
美智子さんは、60歳を過ぎたころから、同じ言葉を繰り返すようになりアルツハイマー病と診断された。つい最近、初めて自転車で迷子になった。症状は着実に進んでいる。
□機能低下補う
県内で要介護認定を受けている認知症の人は2万6374人(今年4月現在)で、05年の1万5715人から67・8%増えた。県の認知症疾患医療センターに指定されている松原病院(福井市)の松原六郎代表理事(63)(写真)は「高齢化が進めば、認知症はさらに増える」と見通す。
認知症は約5割がアルツハイマー病、約2割が脳血管性といわれる。松原代表は「脳血管性は、血流を確保すれば治る可能性があり、アルツハイマー病は薬、ウオーキングやプールなどの有酸素運動、計算や音読などの知的プログラムで機能低下を抑えることができる」と話し、早期発見、早期治療の重要性を訴える。
□受診率は24%
県は本年度から、国指定の健康チェックリストに「趣味への関心がなくなった」「置き忘れがしばしばある」「時々道に迷う」など県独自の項目を追加し、16市町の65歳以上の家族がいる家庭に質問表を送付している。
昨年度はモデル事業として鯖江、越前市、越前町で実施。この結果、機能低下の疑いがある1563人に医療機関の受診を勧めたが、受診率は24%にとどまった。認知症と診断されることへの怖さが、背景にあると見られる。
しかし、鯖江市認知症地域支援推進員の西村栄子さん(51)は「薬の開発は進んでおり、認知症はもう特別な病気ではない」と強調する。
□「離婚したい」
厚生労働省の調査によると、介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護を担うのも65歳以上という「老老介護」の世帯の割合は5割を超えた。
認知症の美智子さんも、71歳の夫と一軒家で2人暮らしだ。夫婦の気安さからか、夫はしばしば美智子さんに「さっき聞いたわ」「何度も言うな」と、叱り声を飛ばす。
その夫の言葉が、美智子さんは何よりも辛い。そして娘が実家に寄るたびに、声を潜めて「もう離婚したい」と訴える。
松原代表は「認知症の人は、相手の顔色や口調に対して、敏感になる傾向がある」。心穏やかでいられなくなり、自殺に追い込まれることもあるという。
福井新聞 2014年8月13日 原文のまま

★「古民家改修しデイ施設 福住の介護拠点に 山ゆりの里、9月開所へ」(8月7日/丹波新聞)
社会福祉法人福住山ゆりの里 (篠山市福住、 山鳥嘉彦理事長) が、 今年9月初旬―中旬、 デイサービスセンターとして開所することをめざし、 福住の国重要伝統的建造物群保存地区内の築140年ほどの古民家を改修している。 古民家を利用したデイサービスセンターは珍しく、 首藤風 (かざし) ・副施設長は 「なじみのある環境で気軽に利用していただける施設にしたい」 と話している。
同法人はこれまで認知症に対応した通所介護サービスを行ってきたが、 一般の通所介護を始めようと物件を探していたところ、 空き家の古民家があることを知り、 今年6月から工事を始めた。
延べ床面積は約220平方メートル。 当初は小規模型で開所し、 将来は通常規模型を目指す。 さまざまな活動や訓練など約70のメニューを用意し、 利用者が自分で選べる 「自己選択型」 のデイサービスにする。 そのメニューの一つに陶芸があり、 電気窯や七宝焼きの窯なども設ける。 また、 お風呂でくつろげるよう、 浴槽はヒバを使い、 壁を石板や杉板張りにする。 中庭を残して落ち着く空間にし、 イベント時にも使えるようにする。
このほか、 体が不自由な人のために手すりやスロープなどを設置したほか、 体がさほど不自由でない利用者に、 自宅に帰っても安全に移動できるよう、 わざと段差を残し、 利用者が自宅で自立して生活できるように工夫する。
また、 福住のまちなかにあるため、 地域の介護予防や介護教室の拠点として地域に開かれた施設にする。
場所は、 福住まちづくり協議会の拠点施設 「さんば家ひぐち」 の向かいで、 篠山暮らしお試し住宅 「福住わだ家」 の隣。
丹波新聞 2014年8月7日 原文のまま

★「認知症不明者の発見サイト開設 厚労省HPに」(8月5日/共同通信)
厚生労働省は5日、身元の分からないまま保護されている認知症高齢者を家族が捜しやすくなるよう、同省ホームページ(HP)に特設サイトを開設した。各都道府県のHPを結び、身元不明者の年代や性別などの情報を見ることができる。都道府県を越えて行方不明になっている場合でも発見できるようにするのが狙い。
厚労省によると、現在は千葉県や静岡県が発見時の状況や手掛かりなどを公開し、広く情報提供を求めているが、個人情報保護のために公開していない自治体もあるという。
47News 2014/08/05 原文のまま
関連情報
「行方のわからない認知症高齢者等をお探しの方へ(身元不明の認知症高齢者等に関する特設サイト)」厚生労働省
身元不明の認知症高齢者等に関する特設サイトの設置及び運用について(厚生労働省)(pdf80K)

★「4コースで認知症治療のプロ育成 金沢大拠点、官民ネット」(7月31日/北國新聞)
金大は30日、富大、福井大、金沢医科大と共同申請し、文部科学省の課題解決型高度 医療人材養成プログラムに採択された「北陸認知症プロフェッショナル医養成プラン」の 概要を発表した。金大を拠点に3大学、地域医療機関、自治体、民間企業を加えたネット ワークをつくり、認知症に関する最先端の知識を持つ「認プロ」を4コースで育成する。 超高齢化社会で課題となる認知症医療の水準を北陸から高め、世界で模範となるモデルの 構築を目指す。
プランでは、定員1~3人程度の4コースを設定する。大学院生を対象に4大学すべて に設置するメーンコースの「認知症チームリーダー養成」は、最先端の脳科学や診療技術 、予防法などに加え、患者のケアなどを講義、実地で学ぶ。認知症医療の分野で国際的な 活躍を目指す意欲的な学生を募って、「スーパープロフェッショナル医」に育てる一貫教 育コース、認知症関連で興味のある分野を集中的に学ぶコースもある。
各地域医療機関の医師を対象にしたコースも設ける。認知症の早期発見や予防などに関 する研修により、保健師や介護士らと連携した包括的支援ができる医師を増やす。金大が 認知症の有病率の調査や予防に関するプロジェクトを行っている七尾市などの自治体や、 診断機器の開発を進める計測機器メーカーの横河電機などとも連携する。
プロジェクトリーダーを務める金大医薬保健研究域医学系の山田正仁教授(神経内科学 )によると、認知症医療は専門医養成の態勢が不十分で、全国的に質、量ともに不足して いる。日本認知症学会が認定する専門医は全国で827人(2014年3月現在)で、人 口10万人当たり0・7人にとどまる。金大などのコースでは、学会認定医に要求される レベルを上回る多角的な知識、技術を備えた専門医を育成できるとしている。
金沢市宝町の十全講堂での発表会見では、山崎光悦学長(写真右から2人目)が「金大が中核となり、認知症 の最先端診療を支えなければならない。重責を感じている」と語った。
山崎学長は4月の就任時に策定した大学改革計画「YAMAZAKIプラン」の中で、 臨床研究と先進医療を担う人材育成を課題に掲げており、「今回の採択で、教育力だけで なく研究力が強化される」と期待を寄せた。
並木幹夫金大附属病院長(写真右端)は、自身が責任者の「北陸高度がんプロチーム養成基盤形成プ ラン」(北陸がんプロ)になぞらえて、「『認プロ』の略称を使おうと思う」と述べ、テ レビ会議やインターネット講座「eラーニング」を使った養成システムを紹介した。「患 者への情報発信も重要な取り組みだ」と強調した。
会見には、井関尚一医薬保健研究域・学域長(写真右から3人目)、山田正仁医学系教授(写真左端)が同席した。
北國新聞 2014年7月31日 原文のまま

★「認知症、高齢者の1割突破/県試算、15年に3万人」(7月22日/四国新聞)
香川県内の65歳以上の認知症高齢者数は2015年に3万人となり、初めて高齢者人口(29万3千人)の1割を突破することが、県の試算で分かった。25年には3万9千人に増えるなど、状況が深刻化することが見込まれる。県長寿社会対策課は「高齢化の進展に伴い、今後、さらに認知症高齢者数の増加が予想される。地域が一丸となって高齢者を支える体制づくりが必要となる」と危機感を募らせている。
推計値は認知症施策や、医療と介護現場の連携強化策などを盛り込む「第6期県高齢者保健福祉計画」(15~17年度)策定に向けた基礎資料として試算した。厚生労働省が発表した高齢者に占める認知症者の比率予測を、県内の高齢者推計人口にかけて割り出した。
全国の認知症高齢者数は、10年の280万人に対して15年345万人、25年470万人と、急上昇することが想定されている。県内では10年を2万5千人と推計、15年は5千人増となる。その後は20年3万4千人、25年3万9千人と、10年間で年平均900人ずつ増加していくことが見込まれる。高齢者に占める認知症者の比率は10年が9・5%、15年は10・2%、25年にはさらに12・8%となると予測している。
県が11年度、第5期計画を策定する際に行った試算では、認知症高齢者数を15年2万7800人、25年3万2500人と推計していた。今回の試算と比較すると、25年は6500人も多くなっている。
同課は「今回の推計で、前回より高齢者人口が増加したことが状況悪化の要因」と指摘。今後、第6期計画の策定に当たり、地域のかかりつけ医に対する認知症研修や、認知症サポーターの養成などを進め、地域の支援ネットワーク構築をより強化していく方針。
SHIKOKU NEWS  2014年7月22日 原文のまま

「徘徊高齢者捜索の「SOSネット」 早期発見へ釧路管内8漁協が加入」(7月17日/北海道新聞)
【釧路】認知症などで徘徊(はいかい)し行方不明になった高齢者を捜索する「釧路地域SOSネットワーク」に、釧路管内の8漁協が加わった。全道に84あるネットワークで、漁協の加入は初めて。乗組員ら5千人以上の連携で、これまで目の届きにくかった未明や明け方などの時間帯、港などでの捜索態勢の強化が期待される。
同ネットワークは、釧路管内8市町村が対象地域。届け出を受けた警察が、市町村のほか、地域FMやタクシー会社など約350機関に協力を依頼して捜索する。1994年に釧路地区障害老人を支える会(たんぽぽの会)の呼びかけで発足し、全国へ広がった。
加わったのは白糠、釧路市、釧路市東部、昆布森、釧路機船、厚岸、散布、浜中の8漁協。釧路、弟子屈、厚岸の3署の提案に各漁協が応じ、11日付で正式メンバーとなった。
釧勝地区漁協組合長会の会長を務める柳谷法司・白糠漁協組合長は「働く時間帯が違う利点を生かして、注意深く地域を見守りたい。早期発見に協力し、多くの命を救いたい」と話す。
事務局の釧路保健所によると、同ネットワークには昨年度、55件の捜索依頼があり、そのうち52件を保護、3件が死亡だった。(大沢祥子)
Doshin Web 2014年7月17日 原文のまま
編者:先日NHKでも紹介されたが徘徊高齢者の早期発見の体制で先駆的な釧路の取り組みは健在だ。1994年、現「認知症の人と家族の会」が滋賀県で開催した全国研究集会で釧路の家族の会の報告がきっかけとなり全国的な取り組みへと拡がる。
参考資料:「認知症と30年」(月刊「介護保険情報」2011年4月号~2012年4月号掲載 pdf1.76M)

「介護疲れの悲劇防げ ケアラー支援へ連合会結成」(7月10日/東京新聞)
高齢者や障害者に対する無償の介護者(ケアラー)を支援する法整備を求める動きが、新たな展開を迎えている。介護者を支援する全国の団体が6月28日、東京に集まり、連合会を結成。介護者支援の必要性を社会に訴え、支援策の実現を目指す。 (佐橋大)
連合会の参加団体の一つで、高齢者などの家族を支援する団体の関係者、研究者ら十数人からなる日本ケアラー連盟(東京)によると、ケアラーは自らの健康を顧みず、介護に全力を傾ける人が多い。精神的に追い込まれ、虐待に発展したり、自殺や殺人事件に発展したりすることもある。介護疲れによる体調不良や、介護のために離職し経済的に困窮したり、社会から孤立したりする問題も指摘されている。介護保険法など既存の法律は、介護を受ける人の支援が中心で、介護者への配慮は少ない。
同連盟は発足した四年前から、介護者支援の裏付けとなる法律の制定などを提言してきた。しかし、連盟共同代表で、NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン(同)理事長の牧野史子さんによると、施策としては「進んでいない」という。
一方で、在宅の医療・介護の推進を目指す「地域医療・介護総合確保推進法」が六月成立し、高齢者を介護する家族らの負担増加が懸念されている。「介護者支援団体が、塊として声を上げていく必要がある」(牧野さん)との認識から、全国で介護者の支援をしている団体に連合会への参加を呼び掛けた。
発足会には、連合会に加わる十二団体のメンバーら約四十人が参加した。ケアラーズカフェや茶話会、介護者の集いの開催、介護者の支援者の養成といった、さまざまな活動の報告があった。アラジンや、認知症の人と家族の会愛知県支部(愛知県東海市)や、NPO法人てとりん(同県春日井市)のように、電話で介護者の相談を受け付けているところもある。
参加者の多くからは、活動資金の確保が課題に挙がった。「介護の制度などの情報をほとんど知らない介護者もいる」との報告もあった。
今後は年一回程度の情報交換会の開催のほか、介護者支援の法制化に向け連合会として提言をしていくという。
      ◇
日本ケアラー連盟のつくった「介護者支援法案」の要綱案によると、介護者の生活プラン作成や相談事業を行う「介護者支援センター」や、レスパイト(休息)施設などの整備を市町村に求め、国には介護者の実態調査や、介護者手当の支給、就業機会の提供といった具体的な支援策を検討するよう求めている。
牧野さんは「法案には、介護者がアセスメントを受ける権利も盛り込みたい」と話す。在宅介護をする人が、健康状態などのチェックを受けられ、それに基づき、助言や支援などを受けられるようにする仕組みだ。
ケアラー連盟共同代表で日本女子大家政学部教授の堀越栄子さん(写真右)は「今回集まったのは主に高齢者の介護をする人を支援する団体だが、ケアラーは、要介護認定をされた高齢者を介護する人に限らず、障害のある子を育てている人や病気の家族を看病している人も含んでいる。幅広くケアラーを支援する制度を目指すべきだ」と指摘する。
東京新聞 2014年7月10日 原文のまま

「認知症患者宅へ診療班 各市町村に設置めざす 県が推進協」(7月9日/山梨日日新聞)
山梨県認知症対策推進計画(県版オレンジプラン)の策定に向け、県は8日、県地域包括ケア推進協議会を発足させ、初会合を開いた。県側が、医師らが初期の認知症患者宅に訪問診療するチームを各市町村に設置することや、専門医療を提供する認知症疾患医療センターを増やすなどの骨子案を示した。〈樋川義樹〉
協議会は医療、保健、福祉関係者ら30人で構成、山縣然太朗山梨大教授が会長に就いた。県版オレンジプランのほか、高齢者福祉サービスの基本目標をまとめた健康長寿やまなしプラン(いずれも2015~17年度)の内容を審議する。甲府・県防災新館で開かれた初会合では、県側がオレンジプランの骨子案を提示した。
骨子案によると、初期の認知症患者が病院受診を拒否するケースが多いため、医師や看護師らが自宅を訪れ、早期治療につなげる「認知症初期集中支援チーム」を各市町村に設置する。また現在、県立北病院(韮崎市)と日下部記念病院(山梨市)にある、専門医療を提供する認知症疾患医療センターを他地域に増やしていく。認知症予防に効果的な事業を全県に広げるために各事業の「評価基準」を設け、認知症サポーターの県民総参加を推進する。
委員からは「認知症高齢者の消費者被害を防ぐ観点を重視してほしい」「1人暮らしの高齢者の認知症を早く発見するための仕組みが必要だ」などの意見が出た。
一方、県側は健康長寿やまなしプランの骨子案も提示。「高齢者が自宅で暮らし続けられる地域づくり」「高齢者の尊厳の保持と安全の確保」など四つの柱で構成する。
県は協議会の意見を基に年内に各プランの素案をまとめ、来年度から3年間で取り組む施策の方向性を決める。
山梨日日新聞Web版 2014年7月9日 原文のまま)

「徘徊高齢者助けるぞ 京都の児童ら路上で声かけ」(7月8日/京都新聞)
認知症による行方不明者が増加している問題を受けて、京都市左京区岩倉の明徳小児童が7日、同区の中町公園一帯で、徘徊(はいかい)する高齢者を助ける模擬訓練に取り組んだ。子どもたちは認知症について学習し、高齢者への声かけを実践した。
明徳児童館と岩倉地域包括支援センターが企画し、各地域団体もボランティアで協力。児童館を利用する児童約60人が参加した。
最初に児童は明徳児童館で「認知症サポーター講座」を受けた。同センターの職員が絵や寸劇を交えながら、「認知症は脳の病気」と説明した。
続いて、スタッフ3人が認知症の人の役を演じて地域に散らばり、14グループに分かれ児童たちが探し出して救う訓練を行った。児童はスリッパ姿でうろつく人に対して、「こんにちは」「どうされましたか」と丁寧に声をかけ、大人に助けを呼ぶまでのやりとりを練習した。
(京都新聞 2014年7月8日 原文のまま)



「認知症診断の新技術 先進医療として承認」(7月3日/NHK)
厚生労働省は、脳内の画像を見てアルツハイマー病などを原因とする認知症かどうかを診断する新たな技術を、医療費の一部を保険で負担する「先進医療」として承認しました。
アルツハイマー病などを原因とする認知症は、脳梗塞などによる認知症とは異なり、画像診断では見つけることが難しいとされ、これまでは主に医師が患者に問診して診断を下してきています。
こうしたなか、厚生労働省は3日、専門家による会議を開き、脳内の画像を見てアルツハイマー病などを原因とする認知症かどうかを診断する新たな技術を、医療費の一部を保険で負担する「先進医療」として承認しました。
この技術は、脳内でブドウ糖が吸収される状況を撮影し、その画像から脳のどの部分の機能が落ちているのかを調べて病気の有無を診断するもので、厚生労働省は、「先進医療」に承認されたことで、患者の経済的な負担がある程度軽減されるとしています。
NHKNewsWeb 2014年7月3日 原文のまま
編者:「先進医療」についてはこちら。既に神戸大学医学部附属病院での家族性アルツハイマー病の遺伝子診断が認められている。承認を受けると医療機関での初診料などの保険医療については3割の自己負担が適応されるが、検査本体は全額負担である。

「「認知症徘徊ネット」活用を 春日井市、PR強化へ」(6月26日/中日新聞)
行方が分からなくなった認知症の高齢者を捜す春日井市の「認知症徘徊(はいかい)・見守りネットワーク(かえるネット春日井)」に登録する高齢者数が伸び悩んでいる。昨年七月の運用開始から間もなく一年。市介護保険課は「万一の際には早期発見が見込める。まずは登録を」と呼び掛ける。
同課によると、要介護と要支援の認定を受けた市内の高齢者で、認知症の人は一万七百八人。このうち、寝たきりでなく、徒歩などで移動が可能な人は三千六百七十四人とされる。
普段、徘徊しない人でも、帰り道が分からなくなる心配もあるため、市が多くの認知症高齢者に、かえるネット春日井への登録を期待しているが、登録数は二十五日現在、わずか四十二人にとどまっている。
登録者数が増えない理由を、同課の波多野正人課長は「周囲に認知症や、徘徊することを知られたくないという心理があるからでは」と推測する。
同市如意申町のサービス付き高齢者住宅「あいゆうの森」の奥山敏伸さん(36)も、かえるネット春日井への登録を入居者やその家族に勧めている。「入居者が突然、行方知れずになるのは心配。まだ登録しなくても大丈夫と思うのだろうが、命を大切にしてほしい」と話す。
かえるネット春日井では、徘徊した高齢者の捜索に協力する市民ボランティアの登録も六十九人にすぎない。捜索のネットワークを市内全域に張り巡らし、効果を高めるには到底足りない。
市では、こうしたボランティアになれる対象を、市主催の認知症サポーター養成講座の受講者に限定している。受講者は毎年五百人ほどいるが、携帯電話の使用が苦手な高齢の人も多く、登録者数増に結び付いていない。
目標とする登録者数は、認知症高齢者が八百人、市民ボランティアが六百人。今後は、介護サービス事業所などと協力し、これまで以上にPRに力を入れる。
波多野課長は「一人でも多くの人が春日井で最後まで暮らせるよう、ネットワークを活用してほしい」と話している。(蓮野亜耶)
Chunichi Web  2014年6月26日 原文のまま
編者:「伸び悩み」の原因は何か。市民が気軽に登録できるような環境にあるのか。そうした環境のなかで42人が妥当な登録数かもしれない。図は「認知症徘徊・見守りネットワーク(かえるネット春日井)」より。

「<認知症5学会>運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドライン示す」(6月19日/ケアマネジメントオンライン)
公益社団法人日本老年精神医学会ほか認知症に関係する5学会は、ホームページ上で「わが国における運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドラインについて」を公表している。
昨年、一定の病気等に係る運転者対策に関して道路交通法の一部が改正され、平成25年6月14日に公布された。認知症に関しては、以下の3点が新たに設けられた。
1)免許を受けようとする者等に対し、病状に関する公安委員会の質問に対し虚偽に回答した者に対する罰則
2)認知症等を診断した医師による任意の届出制度
3)認知症の疑いのある者を医師の診断までの間、暫定的に3か月の範囲で運転免許証の停止
このなかで、2)の認知症等の診断の届出に関しては治療あるいは医師患者関係等に種々の支障を及ぼす可能性があり、慎重な対応が求められる。
そのため、認知症に関係する5学会が合同で届出に関するガイドラインについて協議・策定し、その内容を示している。
ガイドラインの主なものは以下のとおり。
医師が認知症と診断し、患者が自動車運転をしていることがわかった場合には、自動車の運転を中止し、免許証を返納するように患者および家族(または介護者)に説明して、その旨を診療録に記載する。
・認知症の診断の届出をする際には、患者本人および家族(または介護者)の同意を得るようにする。
・届出をした医師はその写しを本人もしくは家族(または介護者)に渡すようにする。
・家族または介護者から認知症がある患者の運転をやめさせる方法について相談を受けた場合には、本人の同意を得ることが困難な場合も含め、状況を総合的に勘案し相談を受けた医師が届出について判断する。
なお、ホームページでは、「わが国における運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドライン」および「わが国における運転免許証に係る認知症等の診断の届出ガイドラインQ&A(pdf70K)」を示している。
http://www.rounen.org/    
◎警察庁交通局運転免許課の通達(平成26年4月10日)
http://www.npa.go.jp/pdc/notification/koutuu/menkyo/menkyo20140410.pdf
◎日本老年精神医学会
http://www.rounen.org/
ケアマネジメントオンライン 2014年6月19日 原文のまま

「「認知症カフェ」役割増す 専門家参加など多様化」(6月19日/日本経済新聞)
認知症の高齢者や家族らが集う「認知症カフェ」が各地に誕生している。同じ境遇の人と悩みを共有する場は以前からあったが、最近は医療・介護の専門職から助言を受けたり、地域住民と交流を深めたりするなど、内容も多様化。国内の認知症患者は2020年に400万人を超える見通しで、今後役割は増しそうだ。
かごに山積みになったリンゴを1つずつ選び、じっと見つめる認知症の高齢者ら。「あなたが選んだのはどんな色ですか」。周囲から問いかけられると、黄色や茶色など様々な色のクレヨンでリンゴを描き始めた。「いい香り」「ざらざらでへこんでいる」。独特の感性を言葉に乗せる高齢者の表情は明るい
6月上旬、島根県浜田市で開かれた「オレンジカフェ」(写真)。「臨床美術」と呼ぶ催しに70~80代の患者4人と支援者ら計13人が集まった。視覚や嗅覚を刺激して認知症の進行や発症を予防するために開発されたプログラムに取り組んだ。
講師を務めた同市高齢障がい課の職員、吉川優子さん(51)は日本臨床美術協会が定める指導資格を持つ。「五感をフルに使うことで普段あまり使わない右脳が活発に働く」と話す。認知機能の改善が期待できるほか、「『楽しい』という感覚を持ったまま帰宅し、家族も患者に接しやすくなる」(吉川さん)。
カフェは市が1月に開設した。島根県内では初の試みで、月に2回市内の高齢者施設で開く。一般の認知度を高めようと、2回に1回は懐メロの合唱会や電子レンジで簡単にできる料理などのイベントを企画。代表の斎藤亨子さん(77)は「認知症への理解を深めるきっかけになれば」と話す。運営費は市からの補助金年8万5千円で賄う。
認知症カフェは英国やオランダの取り組みが知られる。カフェ形式による幅広い交流を通じ、進行を遅らせたり家族が悩みを共有したりするほか、一般の人の理解を深める狙いもある。国も13年度から始めた認知症対策で推進を盛り込んだ。自治体や医療関係者、地域住民らが運営に携わる例も目立つ。
京都市の「オレンジカフェ今出川」もその1つ。京都大付属病院神経内科の武地一医師らが中心となり、京都府内で初めての認知症カフェとして12年オープンした。同病院で認知症患者向けの「もの忘れ外来」を担当する武地医師は「初期や若年のため、介護保険サービスを使いにくい人のケアをどうするか悩んでいた」ときっかけを語る。
カフェでは65歳より前に発症する若年性認知症患者の支援に力を注ぐ。「働いている人が多く、家族が受け入れるにはハードルが高い」(武地医師)ためだ。毎回20人ほどの参加者のうち大半は75歳以下で、中でも若年性は3割を占める。体力のある参加者も多いので川辺や周辺の施設を散策する機会を設けるなど、気軽に参加できる環境づくりに知恵を絞る。
「それでは開店します」――。神奈川県川崎市宮前区の「土橋カフェ」は町内会が主催する形式だ。公民館で1カ月一度のペースで開く。誰でも自由に出入りできるのが特徴で、参加者は50~60人ほど。参加者らは100円で飲み放題のコーヒーや抹茶、菓子をつまみながら、世間話に花を咲かせる。
「年寄りがふらっと立ち寄れる場所を作りたかった」と町内会副会長の老門泰三さん(74)。エプロンをつけ、ウエートレスとして注文をとる患者もいる。老門さんは「自由に、勝手に、気ままに。お仕着せではない今のスタイルが根付いていけばいい」。
公益社団法人「認知症の人と家族の会」(本部京都市)が昨年まとめた調査報告書によると、多くのカフェが運営資金の確保に困り、スタッフも不足していることが明らかになった。認知症への偏見も依然根強く、開設には地域住民の理解と協力が欠かせない。
同会理事で調査研究委員会委員長を務める鈴木和代さんは「認知症患者はカフェに行くことで自分を認めてもらえる。引きこもりがちな患者の居場所として重要だ」と指摘。その上でカフェは介護保険を受けられるまでのつなぎの役目もあるとして、「国や自治体が責任を持って支援する必要がある」と話す。
◇            ◇
□20年、患者400万人超へ 厚労省「施設中心」を転換
厚生労働省の推計によると、介護が必要な認知症の高齢者は2012年の時点で305万人。20年には410万人、25年には470万人に増える見通しだ。症状があっても介護保険制度を利用していない人や認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)の人も含めると、高齢者の4人に1人は認知症かその予備軍という状況だ。
厚労省は「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を策定、13年度から実施している。従来の施設中心の施策から、「住み慣れた地域で暮らせる社会づくり」(高齢者支援課)に方針転換。認知症カフェは柱の1つで、認知症の人や家族を支える「認知症サポーター」を12年度末の350万人から17年度末に600万人に増やすことなども掲げる。
一方、警察庁のまとめでは、認知症が原因で行方不明になったとして、昨年1年間に家族などから警察に届け出のあった不明者が1万人を超えたことも判明。警察や自治体との連携強化も課題になっている。(江口博文、藤井将太)
日経ウエッブ版 2014年6月19日 原文のまま
サイト内関連記事:「「若い人と交流、元気出た」 小樽で「認知症カフェ」 おしゃべり楽しむ」(2014年5月26日)

★「認知症不明者の個人情報扱いに指針を 京都府内初の対策会議」(6月14日/京都新聞)
徘徊(はいかい)で行方不明になる認知症高齢者の急増や、身元が分からないまま長年施設などで過ごす人がいる問題を協議するため、京都府と府警、府内26市町村の担当者約70人が13日、緊急の対策会議を京都市上京区内で開いた。京都では初めての取り組みだが、警察や行政、施設の連携不足や、個人情報の取り扱いなど課題の多さが浮かび上がった。
行方不明者の捜索では、詳しい個人情報が早期発見につながる。認知症などで本人の意思が確認できない場合も多い。自治体の担当者からは、どの程度まで公開していいのか戸惑う声が相次いだ。府福祉・援護課は「個人情報も大事だが命に関わる問題。全国的なルールが必要」と、国にガイドラインの策定を求める。
京都府警によると、今年1月から5月末までの間に家族らからの届け出で捜索したものの死亡していた人が5人、行方が分からないままの人が3人おり、対策は急務だ。しかし、市町村によって、行方不明者を捜索する取り組みに差があることも明らかになった。
向日市では、徘徊(はいかい)が多い高齢者の家族の同意で情報シートを事前に作成し、行方不明時は民生委員やスーパー、タクシー会社などに情報提供する仕組みを作っている。こうした施策は一部の自治体にとどまっており、府は各市町村に調査を行い、先進事例の共有化を図る。
名前や戸籍などが判明しないまま保護されている人がいる問題では、施設入所後、引き継いだ行政と警察との連携が希薄になる問題が指摘された。入所後も会話から身元につながる情報が出る可能性もあり、府警は行政に「ささいなことでも新たな情報があれば提供してほしい」と求めた。
府や府警、京都市の担当者らでワーキンググループを近く立ち上げ、行方不明者の早期発見に向けた仕組み作りや情報共有のあり方を探る。
京都新聞 2014年06月14日 原文のまま
サイト内関連記事:「徘徊高齢者、早期発見へ 京都・向日市が情報シート」(2014年5月28日)
編者:新しいがあって当たり前の動きだ。

★「認知症疑いの高齢者保護で感謝状(山形県)」(6月9日/日本テレビ)
感謝状が贈られたのは、山形工業高校情報システム課の講師・成沢清一さん(43)。成沢さんは、5月30日の夜、西川町本道寺の国道112号で自転車を引いて鶴岡方向に歩く70歳代の女性を発見。人気のない山道だったため声をかけたところ、「左沢にいく」と話すなど成沢さんは女性が認知症ではないかと思い自宅まで送り届けた。県警察本部によると、去年県内で、認知症の疑いがあり行方不明となった高齢者は合わせて119人。このうち自力で帰宅したのは10人、発見されたのは94人、亡くなった人は15人だった。ことしも4月末までに30人の届け出があるという。[ 6/9 21:01 山形放送]
日テレニュース24 2014年6月9日 原文のまま
編者:「徘徊」の認知症疑いの高齢者を市民が保護したという具体的な事例だ。もっともたまたまか、成沢氏が認知症サポータのためか。

「認知症で警察が保護 身元不明は13人」(6月6日/NHK)
認知症による徘徊(はいかい)などで去年、警察に保護されたものの、先月末の時点で、名前や住所などの身元が分からない人が全国で13人に上ることが、警察庁のまとめで分かりました。
認知症やその疑いがあり、徘徊するなどして行方不明になる人が、年間1万人に上っている問題では、群馬県館林市で、身元が分からず施設で暮らし続けた女性が、家族と再会するまで7年間かかるなど、課題が浮かび上がっています。
警察庁のまとめによりますと、認知症による徘徊などで去年、警察が保護し、自治体に引き渡した人数は157人で、このうち先月末の時点で、名前や住所などの身元が分からない人が全国で13人に上ることが分かりました。
警察庁が身元不明の人数について公表するのは初めてです。
認知症のため身元が分からない人を巡っては、埼玉県内の施設で18年間暮らしている男性の身元が5日、82歳の男性と確認されたほか、京都府宇治市と京都市で7年前と去年、身元が分からない男性2人が保護されていることが明らかになっており、今後、さらに増える可能性があります。
警察庁は、警察に保護されたものの身元が分からず市町村に引き継がれた人について、市町村からの要請に応じて写真などを閲覧できる台帳を作成し、警察署などに備え置くなど身元確認の対応を強化することにしています。
NHKNewsWeb 2014年6月6日 原文のまま
関連記事:「認知症行方不明者 厚労省が実態調査へ」(6月8日/NHK)
認知症による徘徊(はいかい)などで行方不明となる人が年間1万人に上っている問題で、厚生労働省は行方不明になった人について、介護の必要度や介護サービスの利用状況など、実態を調べる初めての全国調査を近く始めることを決めました。
認知症やその疑いがあり、徘徊するなどして行方不明になる人が年間1万人に上っている問題では、警察庁が行方不明者の届け出件数などのデータをまとめているだけで、国は詳しい実態を把握できていません。
このため、厚生労働省は、全国の自治体を対象に行方不明者の実態を調べる初めての調査を、近く始めることを決めました。
調査では、ことし3月までの1年間に行方不明になった人について、介護の必要度や介護サービスの利用状況などを調べるほか、保護されたものの身元が分からず、施設などで暮らす人についても報告するよう求めることにしています。また、警察や行政、それに地域が連携して行方不明者を捜す「SOSネットワーク」と呼ばれる取り組みの導入状況についても調べることにしています。
厚生労働省は、ことし秋ごろまでに調査結果をまとめ、実効性のある対策につなげたいとしています。
NHKNewsWeb 2014年6月8日 原文のまま

「認知症で身元不明、北海道内の事例ゼロ 道が全179市町村を調査」(6月3日/北海道新聞)
認知症の高齢者らが行方不明になり、家族の元に戻れずに身元不明のまま長年にわたり保護されているケースが全国的に相次ぐ中、道は2日、道内では同様な高齢者らの事例は確認されなかったと発表した。札幌市を含む全179市町村に調査した。
道によると、5月末に全市町村の担当部署に確認した結果、保護された後、少なくとも3カ月以上氏名不詳のままだった人は、2013年度までにはひとりもいなかった。ただし、徘徊(はいかい)などによる高齢者の行方不明事案は毎年全道で多発していることから、道保健福祉部は「地域の見守り態勢を強めたい」としている。
Doshin 2014 年6月3日 原文のまま
編者:事例ゼロが普通となればよいが、北海道で何故一例もない理由は何だろう。

★「認知症 身元不明18年に光明 情報公表…正吉さんでは」(6月3日/東京新聞)
一九九六年に埼玉県狭山市で保護され、身元不明のまま市内の特別養護老人ホームで十八年間暮らしている認知症の男性が、九六年ごろから行方不明になっている東京都渋谷区の男性の可能性が高いことが二日、関係者への取材で分かった。県があえて男性の情報を広く公開したことが、それまで乏しかった手掛かりを一気に引き寄せた。 (上田融、堀祐太郎)
複数の関係者によると、渋谷区の男性は野村正吉さん。保護された男性も「ノムラショウキチ」(写真)と名乗っている。野村さんは同区で親族と同居していたが、九六年秋ごろ行方不明になった。親族は警察や渋谷区に届け出たが、手掛かりはなかった。隣に住んでいた男性(87)によると、親族はその後、転居したという。
狭山市によると、「ノムラ」さんは九六年十月二十二日、同市青柳の道路脇で倒れているところを県警狭山署員に保護された。当時は推定五十~六十歳。市は近隣自治体や都内の福祉事務所にも照会したが身元は分からず、以来、市内の特養ホームで保護を続けてきた。
二〇〇七年に群馬県館林市で保護された東京都の認知症の女性が先月、家族と再会したのを受け、埼玉県は県内市町村に同様の事例の有無を照会。先月二十七日に「ノムラ」さんの情報を公表した。本紙などが報道したところ、野村さんの親族から県に連絡があったという。
関係者によると、親族の説明などから県は「有力な情報」と判断。今後、面会をするかどうかを親族に確認するとみられる。
渋谷区の野村さん宅の隣に住んでいた男性は「報道を見て、すぐにあの野村さんだと思った。本人だとすれば、隣人としては素直に喜びたい。ただ、長い間、離れていたので、親族としては複雑な思いがあるだろう」と話していた。
◇不明1万300人 家族の対応限界
行方不明の高齢者は増加傾向にある。警察庁によると、認知症が原因で行方不明となった全国の高齢者は二〇一三年時点で約一万三百人。前年比約7%増えており、認知症予防に加え、行方不明者を防ぐ対策が急務となっている。
警察庁によると、認知症による行方不明者の集計は一二年から始まり、同年は九千六百七人。このうち所在確認された三百五十九人は発見時にすでに死亡していた。
自治体も対策を急いでいる。東京都によると、現在都内で保護された三人が身元不明のまま入院中。一〇年度から都内全区市町村などへの照会システムを運用しているが、このうちの一人は保護から二年が経過しても身元確認ができない。
神奈川県では昨年度末時点で九人が保護され、七人の身元は判明したが、一人は身元不明のまま死亡。七十代とみられる女性の身元は依然分かっていない。千葉県や茨城県も先月から市町村とともに調査を開始。今月中に結果をまとめる。
認知症の人と家族の会(京都市)の高見国生代表理事は、「家族が懸命に介護しても徘徊(はいかい)は防ぎきれない。社会全体で知恵を絞らなければ。警察や介護事業所、コンビニなどを巻き込んだ公的なシステムも必要だ」と話す。
日本認知症ケア学会理事の繁田雅弘・首都大学東京教授は「道を行ったり来たりしたり、駅券売機の前でうろうろしているお年寄りには勇気を持って声をかけ、一人一人がよい意味で『おせっかい』になるべきだ」と話している。
TokyoWeb 2014年6月3日 原文のまま
サイト内関連記事:「保護の男性、施設に18年 認知症で身元分からず」(2014年5月27日)
編者:18年間進行してないようだが、どのタイプの認知症なのだろう。

「認知症高齢者は生協が見守ります 自治体500超と協定」(6月1日/産経新聞)
各地の生活協同組合が自治体と認知症高齢者らの「見守り協定」を結ぶ動きが広がっている。日本生活協同組合連合会(日本生協連)によると、5月時点で41都道府県の82生協が、約520市区町村や22道府県とそれぞれ締結。店舗や配達先で高齢者の様子に目配りし、異変があれば行政側と連携して安全を守り、行方不明になるのも防ぐ。
国が増やそうとしている「認知症サポーター」に認定された職員も3月時点で56生協の約2万人に上る。生協は住民と接する機会が多く、日本生協連は「特性を生かし、安心して暮らせる地域づくりに貢献したい」としている。
厚生労働省研究班の推計では、65歳以上の認知症高齢者は平成24年に462万人。警察庁によると、認知症が原因で行方不明になったとの届け出は24、25年とも約1万人に上った。
日本生協連によると、生協と自治体との間で、協定を結ぶ動きが始まったのは19年からで、現在の協定数は730件超。これまでに、認知症サポーターに認定された生協職員が、店舗内で「自宅が分からなくなった」と戸惑う高齢者に声を掛け、家に帰れなくなるのを防ぐなど、協定が生きた例があった。
産経ニュース 2014年6月1日 原文のまま
関連資料:「広がる生協と自治体の「地域見守り協定」39都道府県の80生協が、自治体などと677協定を締結」(日本生協連 ニュースリリース 2014年04月10日)
編者:認知症に限定した取り組みではない新しくはない生協連のニュースを産経が取り上げた訳は?写真は配食サービスの様子。

「簡単に認知症早期発見 都がチェックリスト、医療機関などで配布」(5月31日/産経新聞)
舛添要一知事は30日の定例会見で、高齢者本人や家族などが簡単に認知症を早期発見できるようQ&A方式の「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を作製したと発表した。区市町村や医師会、一部医療機関などで配布している。
チェックリストは専門機関監修のもと作成され、A4サイズ12ページのパンフレット「知って安心 認知症」の中に掲載されている。
「5分前に聞いた話を思い出せないことがあるか」「貯金の出し入れや、家賃や公共料金の支払いは一人でできるか」など10項目の質問に対し、それぞれ頻度や可否を4段階の中から選ぶ。レベルに応じて1~4点が加算され、20点以上の場合は「認知機能や社会生活に支障が出ている可能性がある」として医療機関などへの相談を勧めている。
都内では認知症の高齢者数は平成25年の約38万人から37年には約60万人まで急増すると見込まれており、舛添知事は「今後とも認知症の早期発見、診断、対応の取り組みをはじめ、さまざまな対策を展開していきたい」と述べた。
産経ニュース 2014年5月31日 原文のまま
関連情報:報道発表資料「認知症の早期発見・診断・対応を進めるために 「自分でできる認知症の気づきチェックリスト」を作成しました」(平成26年5月30日 東京都福祉保健局)
パンフレット「知って安心 認知症 認知症の人にやさしいまち 東京を目指して」(pdf2.20MB)
編者:パンフレットはよくできている。

「日本精神神経学会がDSM-5翻訳版を発表,disorderの訳語に「症」を追加」(5月29日/MTPro)
日本精神神経学会は5月28日,精神疾患の分類と診断の手引き(DSM)第5版(DSM-5)の病名・用語翻訳ガイドライン初版を公表した。一部の疾患概念の原語に“disorder(s)”が使用されているものについて,従来の「障害」に加え,新たに「症(群)」の訳語を採用。例えばAutism Spectrum Disorderについては「自閉スペクトラム症」となる。
児童や親が受ける影響,「不可逆的」との誤解生じる恐れを考慮
GL策定の目的について,序文ではDSM-5の病名や用語に対し,さまざまな訳語が用いられることによる混乱を予防することと説明。
訳語の作成は精神科関連15学会・委員会により行われた。基本方針として①患者中心の医療が行われることからよりわかりやすく,患者の理解と納得が得られやすい,②差別意識や不快感を生まない,③国民の病気への認知度を高めやすい,④直訳が相応しくない場合,アルファベット病名はなるべく使用せず意訳する―の4点が掲げられた。
今回の訳語策定の最大のポイントとして,GLでは原語でdisorderが使用されている疾患概念について,これまで主に用いられていた「障害」に加え,「症」が採用されたことが示されている。児童青年期の疾患の診療に関係する専門学会などから,「病名に“障害”とつくことは,児童や親に大きな衝撃を与える」「disabilityの障害(碍)と混同され,しかも“不可逆的な状態にある”と誤解を生じることもある」などの提案や意見が寄せられたため。
ただし,一律に「障害」を「症」とした場合,過剰診断・治療につながる可能性を懸念する反対意見があったこと,旧病名がある程度普及しているとの理由から,新しい訳語をこれまでの訳語に併記することとされた。GLでは過剰診断や治療につながる懸念が示された一例として「パニック症/パニック障害(Panic Disorder)」,第4版から引き継がれ,病名が普及している一例として「うつ病(DSM-5)/大うつ病性障害(Major Depressive Disorder)」が挙げられている。
同GLは今後も改訂されていく見通し。(坂口 恵)
MTPro 2014年5月29日 原文のまま
関連資料:DSM-5病名・用語翻訳ガイドライン(pdf600K)
編者:今回のガイドラインはDSM5そのものについての見解や批判は表明されていない。あくまでも訳語に限定している。認知症についてはMajor Neurocognitive Disordersを認知症(DSM5)とし、Mild Neurocognitive Disordersrを軽度認知障害(DSM5)としており、下位分類はMajor or Mild Neurocognitive Disorder Due to Alzheimer’s Diseaseをアルツハイマー病による認知症(DSM5)またはアルツハイマー病による軽度認知障害(DSM5)などとしている。これではDSM-5がDementiaを破棄しNeurocognitive Disordersとして意図が反映されない訳語になっている。もっとも認知症が定着しるなかでMajor Neurocognitive Disordersをメジャー神経認定障害とすると用語の混乱を招くだろから、従来の日本語用語を踏襲したのだろう。それにしても軽度認知障害を疾患とすることには異議あり。

「精神科病床を大幅削減へ 長期入院解消で厚労省」(5月29日/佐賀新聞)
厚生労働省は29日、全国に約34万床ある精神科病床を今後、大幅に削減する方針を固めた。医療上の必要性は低いのに地域で受け皿がないため長期入院する「社会的入院」の解消に向け、新たに「地域移行支援病床」という区分を設定。2016年度以降の診療報酬改定などで病床削減と患者の退院を誘導し、先進国の中で突出して多い精神科の入院患者を減らす考えだ。
精神障害者の長期入院問題に関する有識者検討会に同日、構造改革案として示した。検討会は地域移行に向けた対策を6月中にも報告書にまとめる。
厚労省案によると、地域移行支援病床では、生活能力を向上させる訓練を提供。現在は許可が必要な外出を自由にし、より「生活の場」に近い病床として、患者の退院を促す。
患者が退院して不要になった病棟については、福祉施設などへの転換を認める。ただ「単なる看板の掛け替え」との批判があるため、(1)外出の自由(2)外部の福祉サービスの利用が可能(3)プライバシーの尊重―を条件とし、病院とは異なる環境を担保する。
現在、入院医療に携わっている医師や看護師ら病院職員については、退院患者を地域で支えられるよう、訪問診療・看護や外来の診療所への配置転換を促すほか、手厚い人員が必要な急性期患者への対応に集約する。
精神科病院に1年以上の長期間入院している患者は約20万人に上り、10年以上も約6万5千人いる。認知症による入院も増えており、長期入院のうち約3万人は認知症患者。
佐賀新聞  2014年5月29日 原文のまま
編者:民間病院が多い精神科病院で看板の掛け替えで生き延びるだろう。少しでもましな「地域移行支援病床」の方が良いかもしれない? それにしても厚生官僚は耳触りの良い新語を作り出すのが得意だ。これと一緒か別か「病棟転換型居住系施設」という構想もある。これについては「急浮上する「病棟転換型居住系施設」の問題:杏林大学教授長谷川利夫(pdf140K)」の指摘が参考になる。

★「盛岡の認知症女性が京都に 府警が帰路付き添う 」(5月29日/岩手日報)
京都府警右京署は28日、盛岡市に住む認知症の女性(72)が京都市内で見つかり、署員2人が地元まで付き添って引き渡したと明らかにした。女性は独り暮らしで身寄りがなく、盛岡市が受け取りに来るのを拒否したための異例の措置という。
盛岡市生活福祉課の担当職員は「ほかの都道府県に迎えに行くことは今までなく、距離的に遠かったこともあり、引き受けに行くことはできなかった」としている。
右京署によると、右京区の寺の職員が27日朝、境内でうつむきながら立っている女性を発見、同署に通報した。京都を訪れた経緯は不明だが、所持品の住基カードなどから住所が分かり、盛岡市が通院の支援もしていることが判明した。
発見前には、女性とみられる人物がJR山陰線の線路内に立ち入ったのが目撃されており、同署は女性だけで帰らせるのは危険と判断。署員がJR盛岡駅まで同行し、盛岡市職員に引き渡した。
岩手日報WebNews 2014年5月29日 原文のまま)
編者:我が家の近くでの出来事だ。旅のできる認知症の人は京都を訪れるのか?女性が発見された寺とは天龍寺妙智院(写真)とのこと。
編者:その後のネット報道で女性が「お告げがあった」が話していると報じており、認知症ではなく「妄想症」あるいは「統合失調症」かもしれない。

★「認知症の人を見分け声をかける研修会」(5月28日/NHK)
認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題を受け、はいかいしている認知症の人を見分けて声をかける方法を学ぶ研修会が埼玉県志木市で開かれました。
研修会は志木市宗岡地区にある地域包括支援センターが地元の団地で初めて開きました。
団地の住民や警察官のほか、地域で高齢者を見守ろうという市の取り組みに参加している新聞販売店の従業員などおよそ80人が参加しました。
この中で講師を務めたセンターの所長が、認知症の人がはいかいしているのを見分けるポイントとして、雨が降っているのに傘を差していない、靴を履いていない、といった事例を紹介しました。
そして、相手が警戒感を持たないよう「ゆっくりと近づき、相手の目線に合わせて、笑顔でゆっくりと声をかけることが大切です」と説明していました。
このあと、はいかいしている認知症の人に声をかけるという想定で練習が行われました。
参加者たちは穏やかな口調で、「こんにちは、何かお困りですか。どちらにお住まいですか」などと呼びかけていました。
参加した40代の男性は、「困っている人を見かけたら、声をかけるということを会社全体に広めていきたい」と話していました。
研修会を開いた地域包括支援センターの飯田敦所長は、「認知症の人がはいかいして事故に遭ったという報道を見て、ひと事ではないと思った。家族の見守りには限界があるので、市民の観察力を高め一声かけることで救われる命があることを繰り返し伝えていきたい」と話していました。
NHKNewsWeb 2014年5月18日 原文のまま

「徘徊高齢者、早期発見へ 京都・向日市が情報シート」(5月28日/京都新聞)
認知症の高齢者が外出して行方不明になるケースが多発する中、京都府向日市では恐れがある高齢者の写真や特徴を記した「『要救護者』情報シート」(写真の左半分)を事前に作成する取り組みを進めている。不明時に向日町署や協力機関にファクスを送り、迅速に捜索が開始できる。一方で登録者数は19人にとどまり、関係者は「早期に動くことが命を救うことになる。万が一に備えて登録してほしい」と呼びかけている。
「徘徊(はいかい)しても安心なまち」を目指し、乙訓地域では向日市の地域包括支援センターが、2011年に初めて導入した。
11年2月に実施した徘徊する高齢者を捜索する訓練で、警察や福祉など関係者だけでは限界があることが分かった。そこで地域に協力してもらおうと、先進地の福岡県大牟田市を参考にして仕組みを作った。
情報シートには氏名や性別、年齢のほかに身体や会話の特徴、よく行く場所などが記され、顔写真と全身写真が掲載されている。
捜索の初動が遅れると遠方まで行ってしまい発見は困難になる可能性が高い。家族への聞き取りや写真の手配などを省いて、捜索開始までの時間を短縮するのが狙いだ。
不明になった際には医療機関や福祉施設、日ごろに行くような地域の商店、外回りが多い新聞販売店など計165協力機関にファクスで捜索への協力を求める。発見されれば、ファクスはシュレッダーで破棄してもらう。
個人情報を取り扱うため、家族の同意が必要となる。地域包括支援センター職員のほか、普段から対象者に接しているケアマネジャーの協力を得て同意を得ている(写真の右半分が同意書)。
だが、登録者数は19人と伸び悩んでいる。過去には行方不明になって死亡して発見される例が乙訓地域であり、最悪の事態を避けるためにも登録者数をいかに増やすかが課題となっている。
捜索の中心となる向日町署は情報シートについて「早期の発見につながる効果的な仕組みだ」とする。
向日市中地域包括支援センターの石松友樹センター長は「理解を広げる努力をして協力機関も増やし、地域全体で見守る優しいまちづくりを目指したい」と話している。
相談は同センターTEL075(921)1550。
京都新聞 2014年5月28日 原文のまま

「認知症患者徘徊で行方不明、東胆振で倍増 昨年は43件 苫小牧市、情報メール配信」(5月28日/北海道新聞)
【苫小牧】認知症患者が徘徊(はいかい)などで行方不明となり、捜索願が出された事例が全国で相次ぐ中、苫小牧署管内(東胆振1市4町)でも昨年、同様の事案が43件発生し、前年の2倍超に上っていたことが同署の調べで分かった。ほとんどは、その後発見されたが、1人は死亡した状態で見つかった。苫小牧市が本年度、行方不明者情報を民生委員らに電子メールで一斉配信するサービスを導入するなど、各自治体も対策を強化している。
同署によると、認知症や認知症の疑いのある人の行方不明者の捜索願は2012年が20人で、このうち2人が発見時に死亡していた。昨年は43人のうち、1人が死亡で1人が未発見。今年は4月末現在で8人で、うち2人が死亡となっている。
今年3月には苫小牧市内の入所施設から行方不明となった男性(85)が翌日、数キロ離れた市営住宅の敷地内で死んでいるのが発見された。過去に暮らしていた地域に戻ろうとして施設から行方不明となる高齢者が多いという。
東胆振では1998年、行方不明高齢者の早期発見を目的に、道や地元自治体が「東胆振SOSネットワーク」を設立。苫小牧署が苫小牧保健所経由で各自治体や高齢者施設に対し、行方不明者の特徴をファクスなどで伝える仕組みだ。ただ、保健所経由では時間を要するため、本年度、同署から各自治体に直接、情報提供する体制に見直した。
さらに苫小牧市は本年度、同署からの情報を基に、事前登録した民生委員らに行方不明者情報をメール配信する独自のサービスを導入。一般市民も登録でき、介護福祉課は「多くの方に使ってもらい、より迅速な捜索につながれば」と期待する。
安平町は12年12月から衛星利用測位システム(GPS)機能付き携帯電話を認知症高齢者らに無償貸与しており、現在は5人が利用。実際に捜索に使われた事例はまだないが、年々利用者が増えているという。
高齢化が進む中、認知症高齢者の行方不明事案は今後も増加が懸念される。苫小牧署生活安全課の斎藤英樹課長は「地域の見守りの強化に加え、高齢者の衣類に名前や住所を書いておくなどすると早期発見につながる」と助言している。(石川仁美、野口洸)
Doshin Web 2014年5月28日 原文のまま
編者:完璧な「徘徊」早期発見の方法はないのだろう。いくつかの方法を組み合わせることが重要だ。

「保護の男性、施設に18年 認知症で身元分からず」(5月27日/産経新聞)
認知症などで身元が分からず長年、介護施設などに保護されている高齢者が埼玉県内でも2人いることが27日、分かった。保護した自治体は県や県警と連携して身元の確認を進めているが、特定に至っていない。
県によると、保護されているうち1人は60代ぐらいの男性で、平成8年に狭山市内で倒れているのが見つかった。別の1人は70代ぐらいの女性で、17年に日高市内で同様に保護された。
2人は認知症とみられる症状で氏名や住所などを説明できず、身元に繋がる所持品もなかった。保護した両市は生活保護などの手続きをとったうえで、県内の施設で保護している。
県によると、25年度、県内で身元不明の高齢者が一時保護されたケースは36件にのぼり、32件は24時間以内に身元が判明、残りもすでに解決している。
上田清司知事は定例の記者会見で、警察による捜査のほかに、都道府県でも保護した人の身元を確認できる枠組みを検討する意向を示した。
産経ニュース 2014年5月27日 原文のまま
サイト内関連記事:「認知症行方不明 身元確認「効果的な手法検討」」(2014年5月13日)

★「「若い人と交流、元気出た」 小樽で「認知症カフェ」 おしゃべり楽しむ」(5月26日/北海道新聞)
【小樽】認知症の高齢者や家族、地域住民が交流する「認知症カフェ」が24日、小樽市稲穂1のサンモール一番街商店街で開かれ、大勢の人でにぎわった。認知症カフェは介護や暮らしの悩みを地域で共有しようと厚生労働省が推進しており、市内での開催は初めて。
市内赤岩で特別養護老人ホームを運営するノマド福祉会が「オレンジカフェはる」と題して企画。カフェ形式で特養ホームの職員らが認知症に関する相談を受け付けた。
商店街の買い物客や特養ホームの入居者、家族連れらが次々と訪れ、手作りスイーツを食べながらおしゃべりを楽しんだ。
子供たちが駄菓子を買い、店番役の高齢者と触れ合ったほか、手織り機の「さをり織り」でコースター作りに挑戦する人たちもいた。
特養ホームに入居する女性(87)は「若い人たちと一緒にいると元気が出て幸せですね」と笑顔を見せた。ノマド福祉会は今後、定期的にカフェを開催する予定。油谷香織常務理事は「多くの人に喜んでもらえて何より。カフェにより施設の敷居を低くして認知症への理解を広めていきたい」と話していた。(竹中達哉)
Doshin 2014 年5月26日 原文のまま
サイト内関連記事:「<セカンドライフ>「認知症カフェ」 気軽に集い、患者に生きがい」(2014年2月12日)

「京都府内での不明認知症患者保護、初の年間2000人ペース」(5月22日/産経新聞)
□府警、各署で講習会「まずは見守る/目をあわせ話す/ゆったり関わる」
府内で今年に入って行方不明となり、保護された認知症患者が4月末までに700人を超え、過去5年間で初めて、年間2千人を上回るペースとなっていることが21日、府警への取材で分かった。認知症による行方不明者は全国的に増加傾向にあり、府警では各署で専門家による講習会を行うなど、対策を進めている。(飯塚隆志、鈴木俊輔、北崎諒子)
                  ◇
府警生活安全対策課によると、府内で昨年1年間で保護された認知症患者は、1838人。平成21年から毎年1800人前後で推移していたが、今年は4月末までに前年同期比で95人増の705人となり、年間2千人を超えるペースとなっている。
こうした状況を受け、府内各署が、署員に認知症患者保護のための講習会を行うなどの対策を進めている。昨年148人を保護した宇治署でも14日、介護福祉士らから認知症の高齢者らへの対応方法を学ぶ講習会を初めて実施し、署員約80人が受講。認知症の人の状態を知り、見守る「認知症サポーター」となった。
講習会では洛和会ヘルスケアシステム(京都市)の介護福祉士らが講演。「認知症になると物忘れが激しくなり、考えるスピードが落ち、元気がなくなる」と特徴を説明。
「後ろから声を掛けるとびっくりして怒り出すことがあるので、目をあわせて話す」「まずは見守り、ゆったりと関わる」など、認知症患者と接するポイントを説明した。
その後、道ばたで目的もなく歩いている高齢者を発見した想定で、接し方の実演もあった。
2人がかりで強引に警察署に連れて行こうとするケースでは、高齢者役の女性が「やめてください。私は家に帰るんです」と抵抗。
一方、1対1で目をみてじっくりと話しかけたケースでは、曖昧ながらも自宅の場所を聞き出すことができた。
また川端署も21日、地元の地域包括支援センターの職員を招いて「認知症あんしんサポーター講座」を開き、署員約40人が熱心に耳を傾けた。
京都市左京南地域包括支援センターの鈴木豊子センター長は「驚かせない・急がせない・自尊心を傷つけない」と認知症の人への接し方のポイントを紹介。
質疑応答では、署員から「家族にモノを盗まれたと訴える認知症の人にはどう対応すれば良いのか」という質問も出たが、市白川地域包括支援センターの社会福祉士は「否定はせずに、モノを無くした不安感を聞いて寄り添うことが重要」とアドバイスした。
府警では、数年前から各署が独自に対策を進めており、専門家による署員向けの講習会も今月に入って、両署のほか向日町署や東山署などでも行なわれた。京丹後署では、担当の署員が地元の福祉センターに出向いて対処法を学んだ。
府警の担当者は「認知症患者対策は府内でも重大な問題となっている。専門家の力も借りながら対策を進めていきたい」としている。
産経ニュース  2014年5月22日 原文のまま
編者:京都府だけで年間、2000件ということは、先に警察庁が公表した年間1万件は認知症で「徘徊」で不明になった人はごく一部にすぎないのか。行方不明になっても警察に届けない事例、家族が付き添ったりして行方不明にならない「徘徊」の事例を含めると一体、何件なのか!?
なお記事中の「家族にモノを盗まれたと訴える認知症の人にはどう対応すれば良いのか」という署員の質問であるが、認知症ではなく妄想症の場合も少なくない。対応はセンター職員の回答でよい。
掲載写真は山形県寒河江警察署員の認知症サポーター養成講座(2014年2月28日)の様子(山形新聞2014年3月1日「警察初の認知症サポーター 寒河江署員を対象に養成講座」より)


「上田の自治会、在宅介護のNPO設立 医師・薬剤師らと連携へ」(5月20日/信濃毎日新聞)
長野県上田市中心部の新田(しんでん)自治会で、自治会と地元の医師、薬剤師らが連携し、住民の力を生かして高齢者の在宅介護を目指すNPO法人「新田の風」が発足した。理事長になった地元の内科医井(い)益雄さん(62)(写真右上)の呼び掛けで、3年前から準備。「認知症対策」「住民とのふれあい交流」などの5チームを設け、多くの住民を巻き込んだ高齢者の支援に取り組んでいく計画だ。
井さんは高齢者を診察する中で、「核家族化や高齢化で家族による介護は難しい」と在宅医療の必要性を意識し始めた。地元の薬局経営者や知り合いの介護関係者に相談して2011年、厚生労働省の補助金を得て活動を開始。住民に呼び掛け、認知症や介護の勉強会などを開いてきた。
副理事長に就いた社会福祉法人恵仁福祉協会(上田市真田町長(おさ))の宮島渡常務理事(写真右下)も取り組みに参加。「老人施設のない新田で安心して住むには近くに施設が必要」と、同法人として小規模多機能型居宅介護施設「新田の家」を5月1日に開所した。
17日の第1回総会には、住民ら24人が出席。井さんは「医療や福祉の関係者と地域住民が連携する取り組みは全国でも珍しい。今後も知恵と力を出し合いましょう」と述べた。来賓で、NPO設立に対し助言した日本大(東京)大学院の坂田寿衛(ひさえい)教授(71)=横浜市=は「地域の医療を動かしてほしい」と激励した。
総会では本年度の活動方針を確認。「認知症対策」のチームは、住民が認知症患者への接し方を学ぶ講座を開講する。患者や家族の必要に応じて、食事作り、話し相手、ごみ出しなどの役割を受講者に割り振るとした。このほか、新田の家の運営支援や、地元の北小学校の児童と高齢者の交流にも取り組むと決めた。
信毎WEB 2041年5月20日 原文のまま

「太良高生、認知症学ぶ 地域支え合いへ」(5月18日/佐賀新聞)
認知症への理解を深め、支え合いの地域づくりの一助にしようと、太良高(たらこう)(山口孝校長)で15日、認知症サポーター養成講座が開かれた。福祉分野などを学ぶ1、2年生40人が、認知症の症状や徘徊(はいかい)している高齢者を見掛けた時の対処法などを学んだ。
佐賀大や県内自治体など6者で取り組む認知症総合サポート事業の一環で、高校での開催は初めて。太良高校は、就業体験の提供などで地域の協力を得ており、その恩返しと生徒の自己肯定感の醸成につなげようと企画した。
この日は、佐賀大医学部の堀川悦夫教授が「認知症は老化の延長で、誰もがかかり得る病気」とし、記憶障害や見当識障害などの症状が鬱(うつ)状態や徘徊(はいかい)などの行動につながることを説明。徘徊している人を見掛けた時の対応の心得を「驚かせない。急がせない。自尊心を傷つけない」と紹介し、相手の視野に入ってからゆっくりと笑顔で話し掛けるように伝えた。
2年の峰松啓太さん(16)は「誰でもなる病気と知り驚いた。認知症の人に会ったときには、教わった接し方を参考にして優しく声を掛けたい」と話した。渡邊成樹教頭は「社会に出てからも役に立つ知識。卒業までに全校生徒に受講させたい」と話している。認知症サポーターは、患者や家族を見守る「応援者」で、講習を受ければ認定される。認定者は3月31日現在全国で約499万人、県内は5万105人。
佐賀新聞  2014年5月18日 原文のまま
編者:認知症サポーターは500万人近くになった。認知症の妻を新たに美容院に連れて行くが、美容師が認知症サポーターだったら助かる。

「認知症高齢者 見守る壬生町 徘徊対処「命のカプセル」配布へ」(5月18日/東京新聞)
認知症の高齢者が行方不明になる例が全国的に増えていることを受け、栃木県壬生町は、徘徊(はいかい)の恐れがある人に、自分の名前や持病を書いた紙を入れる携帯ケースを無料配布する。常に首から下げてもらうことで、自分の名前や住所を忘れてしまった人を助ける狙いだ。 (大野暢子)
ケースは、福祉関連の商品を開発しているYHTC(東京都町田市)の「命のカプセル」という商品。壬生町によると、自治体が導入するのは首都圏で初めてという。
中の紙には、緊急連絡先やかかりつけ医、処方箋を書く欄もある。全長約六センチのアルミ製で、重さ約二十グラムと軽いのが特徴。防水加工が施されており、緊急時用の薬も入れることができる。
配布は、町が昨年、六十五歳以上のみで構成される世帯のために始めた「町高齢者見守りネットワーク事業」の一環。十五日現在、百三十四人の見守りチーム員(登録制)が四百七十三世帯に対し、新聞がたまっていたり、物干し場の洗濯物が何日も放置されていたりしていないかを目配りしている。
町は、認知症患者へのケアをさらに手厚くするため、カプセル五百個を準備。今後、民生委員の意見を聞きながら、必要度の高い高齢者のうち希望者に配布する。菅野久美子・高齢福祉係長は「カプセルを携帯する人だけでなく、誰もがカプセルの役割を知り、徘徊の疑いがある人の救助に役立ててほしい」と話す。
県警生活安全企画課のまとめでは、二〇一三年に行方不明になった県内の認知症患者、またはその疑いのある人は百三十五人。うち七人が死亡、五人が未発見だ。統計を始めた一二年は行方不明者が百四十人、うち死亡が九人、未発見はゼロ。未発見者の増加が深刻な問題となっている。
同課の佐藤輝二次長は「自宅の敷地内で発見された人や、道路沿いを歩いているところを見つかった人もおり、事例はさまざま。六十五歳以下の不明者も一定数いる」と指摘する。
県内の各警察署は〇六年、事件や事故、行方不明者の情報を配信する「地域安全情報メール」(登録制、通信費のみ負担)を開始。四月末現在、十一万三百七十八件の登録があり、不明者の年代や外見の特徴などを伝えている。
Tokyo Web  2014年5月18日 原文のまま
編者:お勧めの方法ではない。総合的な「徘徊」対策の一環として導入することには異議はないが、これで何か解決しと自治体の役人が思ったら困ったことだ。という記者のコメントもほしい。

「不明女性(85)が遺体で発見 村山市(山形県)」(5月17日/日テレNews24)
死亡したのは、村山市土生田の無職・佐藤タニエさん(85)。警察によると、佐藤さんは16日午前から村山市富並の介護施設でショートステイを利用していたが、午後2時半頃に姿が見えなくなり、職員が近くを捜したものの見つからず警察に届け出た。警察と消防などから約100人が出て、17日早朝から周辺の最上川沿いや山などを捜索し、午前11時頃、施設から約800メートル離れた農業用水路で、佐藤さんが死亡しているのを家族が発見した。水路は幅1メートル、水深20センチから50センチほどで、佐藤さんに目立った外傷はなく、警察が死因を調べている。佐藤さんは認知症との診断を受けていたという。[ 5/17 17:55 山形放送]
(日テレnews24 2014年5月17日 原文のまま

「認知症行方不明 身元確認「効果的な手法検討」」(5月13日/NHK)
認知症のため身元が分からず、7年間施設で暮らし続けてきた女性が12日、東京の67歳の女性と確認された問題で、古屋国家公安委員長は閣議のあとの記者会見で、行方不明者の身元確認について「より効果的な手法を検討したい」と述べました。
7年前に群馬県館林市で保護されたあと、認知症のため身元が分からないまま、介護施設で暮らし続けてきた女性が、NHKの放送をきっかけに12日、東京の67歳の女性と確認されました。
警察は、届け出が出された全国の行方不明者の名前や住所などをオンラインのシステムで共有していますが、顔写真や服装などの情報は登録する仕組みになっておらず、多くの手がかりがありながら、女性は7年間、身元不明のままでした。
古屋国家公安委員長は13日の記者会見で、「積極的に行方不明者の発見や保護に努めていくことは警察の責務だ」と述べたうえで、「どのような取り組みが一番いいのか、関係者としっかり相談しながら、より効果的な手法について検討していきたい」と述べ、行方不明者の身元確認の在り方を検討する考えを示しました。
NHKNewsWeb 2014 年5月13日 原文のまま
サイト内関連記事:「認知症の女性 7年ぶりに夫と再会」(2014年5月12日)
編者:認知症で行方不明者についても早期発見・保護は基本的に警察庁の業務なのだ。
関連記事:「厚労相「認知症 地域ぐるみの支援態勢を」」(5月13日/NHK)
田村厚生労働大臣は、参議院厚生労働委員会で、認知症やその疑いがあり、行方不明になる人が年間1万人近くに上っていることを受けて、認知症の人や家族を地域ぐるみで支援する態勢を整えていく考えを示しました。
この中で、田村厚生労働大臣は、認知症やその疑いがあり行方不明になる人が年間1万人近くに上っていることについて「認知症の人が行方不明にならないよう地域の結束力が重要だ」と述べました。
そのうえで、田村大臣は自治体や警察、住民などが連携して行方不明になった人を探す「SOSネットワーク」という仕組みを各地で導入することや、認知症に対する住民の理解を深めるため行われている「認知症サポーター」の講習の受講者を全国で600万人まで増やすことなど、認知症の人や家族を、地域ぐるみで支援する態勢を整えていく考えを示しました。
NHKNewsWeb 2014年5月13日 原文のまま

「認知症の女性 7年ぶりに夫と再会」(5月12日/NHK)
認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間およそ1万人に上っている問題で、無事、保護されたものの認知症のため身元が分からず7年間、群馬県内の施設で暮らし続けている女性についてNHKが番組で放送したことをきっかけに12日、夫が面会し、東京の67歳の女性と確認されました。この女性については下着に名前が書かれているなど多くの手がかりがありましたが、7年もの間、身元不明のままでした。
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になっている人が全国で年間およそ1万人に上っている問題で、NHKが全国の自治体などを取材した結果、無事、保護されたものの認知症のため名前や住所などの身元が分からず、施設などで今も暮らしている人が先月1日時点で少なくとも4人いました。
このうち平成19年に、群馬県館林市で保護されたあと、身元が分からないまま7年間、介護施設で暮らし続けている女性について、11日にNHKスペシャルで放送したところ、身元に関する情報が相次いで寄せられました。
これがきっかけとなり、夫が12日、館林市内の施設で面会し、女性は東京・浅草の柳田三重子さん(67)と確認されました。
三重子さんは4年ほど前から寝たきりになっていて、7年ぶりに再会した際、夫の滋夫さんは三重子さんの名前を何度も呼びかけ、手を握っていました。
滋夫さんによりますと、三重子さんの行方が分からなくなった直後、警察に届け出たほか、自分たちでもチラシを作って地域に情報提供を呼びかけたものの、手がかりは得られなかったということです。
柳田さんを巡っては、保護されたとき身に着けていた靴下に「ヤナギダ」、下着に「ミエコ」といずれもかたかなで書かれているなど多くの手がかりがありましたが、7年もの間、身元不明のままでした。
認知症のため身元が分からないまま施設で暮らしている人を巡っては先月、大阪市内の施設で暮らす男性がNHKのニュースをきっかけに兵庫県内の74歳の男性と判明し、2年ぶりに家族と再会しています。
「神様はいるのではないか」
7年ぶりに三重子さんと再会した夫の滋夫さんは、「妻がいなくなって警察に捜索を依頼し、自分たちでチラシを貼ったが、情報はなく、ほかに探すすべがなくなり、月日がたつごとに諦めの気持ちが増していた。きょうがちょうど41回目の結婚記念日で、神様はいるのではないかと思った。一方で、覚悟はしていたものの、妻の病状は厳しく、今後の生活への戸惑いはある。いなくなってまもなく警察に保護され、その時点で名前が分かっていたはずで、もう少し早く見つかっていれば、病状を遅らせたりすることができたのではないかと思うので、とても残念だ」と話しています。
三重子さんは元アナウンサー
三重子さんは大学を卒業後、4年間、ラジオ局「ニッポン放送」でアナウンサーなどとして勤めていました。
入社した新入社員を紹介する社内報の中で、三重子さんは「“言葉”の魅力に取りつかれ、日本語の一語一語が持つ美しさを音に出せるようなアナウンサーになりたい」と抱負をつづっています。
三重子さんは音楽番組などのアナウンサーを勤めたあと、編成部や演出部などを担当し、昭和48年3月にニッポン放送を退職したということです。
かつて同僚だった男性は、「アナウンサーとしてとても大切な情景描写が、大変上手なアナウンサーでした。一緒に音楽番組を担当しましたが、明るくて気配りのできる女性でした」と話していました。
保護の経緯は
三重子さんが保護されたのは、7年前の平成19年10月30日午前0時半ごろでした。
群馬県館林市にある東武鉄道館林駅の近くの路上で、「後ろからついてくる女性がいる」という通報があり、交番で保護されました。
身なりは整っていましたが、認知症のため名前や住所が言えなかったため、警察は館林市に対応を委ねました。
館林市は旅先で病気などで倒れた人を意味する「行旅病人」として法律に基づいて市内の介護施設で保護しました。
名前をうかがわせる有力な手がかりがあり、靴下にはかたかなで「ヤナギダ」、下着には「ミエコ」と書かれていました。
しかし、保護されたとき、「クミコ」としか名乗らなかったため、館林市は保護の手続きに必要だとして「柳田久美子」という仮の名前をつけました。
また生年月日も外見から推測して昭和20年1月1日として住民票を作りました。
このほか身に着けていたものにも身元につながると思われる手がかりがありました。
指輪は3つ持っていて、そのうち結婚指輪とみられるものの内側には「5.12」「S to M」と彫られていました。
柳田さんは保護された当時、笑顔があふれ、よく歌を歌っていましたが、次第に表情が失われ、4年ほど前からは寝たきりになったということです。
家族の対応は
家族によりますと、三重子さんは東京・浅草で夫の滋夫さんと母親の3人で暮らしていました。
三重子さんは、行方不明になる2年ほど前の58歳ごろから物忘れが目立つようになり、その後、若年性のアルツハイマー型の認知症と診断されていました。
行方が分からなくなったのは平成19年10月29日の夕方です。
デイサービスから帰宅し、近くに住む親族を訪ねたのを最後に行方が分からなくなり、家族は警察に届け出たということです。
滋夫さんによりますと、警察は三重子さんの顔写真を載せた公開手配のチラシを2万から3万枚作成し、群馬県を含む関東6県の交番などに貼り出したと説明したということです。
また家族もポスターを作って地域で情報提供を呼びかけたということです。
しかし、手がかりはつかめなかったということです。
ほかに家族で捜すすべもなくなり、滋夫さんはこのまま見つからなければ、ことしの年末にも法律上、死亡したものとみなす失踪宣告の手続きを行うことを検討していたということです。
「身元不明」警察の対応は
警視庁は柳田さんが行方不明になった2日後の平成19年10月31日、地元の浅草警察署が家族から家出人の届け出を受けていました。
届け出に基づいて、警視庁は全国の行方不明者の情報を共有するオンラインシステムに「柳田三重子」という名前と読みがな、それに身長などの体の特徴を登録したということです。
また、翌年の1月、浅草警察署は柳田さんの家族が作った顔写真や服装などを記載したチラシを関係する県に配布したということですが、チラシの枚数やどこの県に配布したかは記録が残っておらず、確認できないとしています。
一方、群馬県警察本部から警視庁の本部には、柳田さんが保護された平成19年10月30日と、入所する施設が決まった11月1日の2回、「迷い人」として顔写真や服装などを記載した文書が送られていました。
しかし、名前は記されていなかったということです。
ちょうど相前後して家出人の届け出を受けていた浅草警察署に、警視庁の本部からこの文書が回ることもなく、警視庁がこの「迷い人」を柳田さんと認識することはできませんでした。
今回、柳田さんの所在が判明したことについて警視庁は、「発見するまでに7年かかったことは残念で、今後一層行方不明者の早期発見に努めたい」と話しています。
NHKNewsWeb 2014年5月12日 原文のまま
サイト内関連記事:「“認知症”で行方不明 何度も繰り返す実態」(2014年5月11日)



「“認知症”で行方不明 何度も繰り返す実態」(5月11日/NHK)
認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人に上っている問題で、NHKが、行方が分からなくなったことがある120人余りの家族にアンケートした結果、行方不明になった回数は平均で6.3回に上り、何度も繰り返されている実態が明らかになりました。
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして、警察に届けられた人は、おととし1年間に全国でおよそ1万人に上り、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。
NHKは詳しい実態を明らかにするため、行方が分からなくなったことがある全国の125人の家族にアンケートを行いました。
その結果、行方不明になり、警察に通報したり家族などで捜したりした回数は、平均で6.3回に上ることが分かりました。
また、全体の78%が行方不明を複数回経験していて、最も多いケースで70回あったと答えるなど、行方不明が何度も繰り返されている実態が明らかになりました。
また、捜す際、警察や周囲に協力を求めることに、ためらいがあるかどうか尋ねたところ、「大いにある」と「どちらかと言えばある」を合わせると74%に上りました。実際、警察のほかに誰に協力を求めたか複数回答で尋ねたところ、「家族・親戚」が68%と最も多くなっているのに対し、「ケアマネージャー」や「近所の人」といった家族以外はいずれも20%台にとどまっていました。
認知症に詳しい、認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は、「行方不明が繰り返されているにもかかわらず、SOSを出せず苦慮している家族の姿が浮き彫りになった。問題を家族だけに押しつけず、社会全体で解決を図っていく本格的な対策を、国や市町村は急ぐべきだ」と話しています。
NHKNewsWeb 2014年5月11日 原文のまま
サイト内関連記事:「認知症で行方不明、届け出1万300人…昨年」(2014年5月9日)
編者:編者は在宅介護を始めた当初、4回経験した。特殊な鍵を付けることで無くし、警察の世話にはなったが届け出はしなかった。NHKは「徘徊」を避けて誤解を招くが「行方不明」と呼ぶ。一時的に行方不明になったとの意味でほとんどは発見・保護されている。行方不明者とは、警察に行方不明者届が出された者の数である。届けられてない「徘徊」件数はどれほどなのだろうか。警察庁の発表(pdf260K)によると2011年中の行方不明者(警察に行方不明者届が出された者の数)は約8万人で、毎年減少している。
11日のNHKスペシャル「"認知症800万人"時代 行方不明者1万人~知られざる徘徊の実態~」で釧路市の先駆的な取り組みが紹介された。「認知症の人と家族の会」が1994年滋賀県で開催した第10回全国研究集会で、北海道支部釧路地区家族会が「徘徊老人早期発見ネットワーク」ち題して、厳冬の地で徘徊が死に至ることもある地域で早期発見・保護する取り組みをした初めて試みが継続されていることは心強い。

「二審も家族に賠償命令 認知症徘徊電車訴訟で名古屋高裁」(4月24日/日本経済新聞)
愛知県大府市で2007年、電車にはねられ、死亡した認知症患者の男性の家族に対し、JR東海が列車遅延などの720万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日、名古屋高裁であった。長門栄吉裁判長は一審・名古屋地裁に続き、男性の妻の責任を認めた上で、約360万円の賠償を命じた。男性の長男については一審判決を変更し、賠償責任を認めなかった。
認知症患者の急増が見込まれる中、家族の責任を認めた判断は介護現場にも影響を与えそうだ。
一審判決によると、07年12月7日、認知症の男性(当時91)が大府市のJR共和駅内で、電車にはねられ死亡した。自宅で妻と長男の嫁が介護していたが、男性は2人が目を離した間に外出した。
昨年8月の名古屋地裁判決は「見守りを怠った過失」があるとして、男性の妻らに請求全額にあたる約720万円の支払いを命令していた。
控訴審では(1)男性が徘徊(はいかい)することが予見できたか(2)家族の徘徊防止策は十分だったか――が主な争点となった。
高裁は今年1月、双方に和解を勧告。成立しなかった。
日経電子版 2014年4月24日 原文のまま
サイト内記事:「認知症:115人鉄道事故死 遺族に賠償請求も」(2014年1月12日)
関連記事
「認知症鉄道事故裁判でJR東海が上告」(5月8日/NHK)
7年前、愛知県の91歳の認知症の男性が電車にはねられて死亡した事故を巡り、JR東海が遺族に賠償を求めた裁判で、2審の名古屋高等裁判所が賠償額を1審の半額にした判決について、JR側は不服として最高裁判所に上告しました。
平成19年、愛知県大府市のJR共和駅の構内で、近くに住む認知症の91歳の男性が電車にはねられて死亡し、JR東海が事故で生じた振り替え輸送の費用など、およそ720万円の賠償を遺族に求めました。
1審は、遺族である男性の長男と当時85歳の妻の責任を認めて賠償を命じました。
先月、2審の名古屋高等裁判所は、長男については責任を認めませんでしたが、妻については「配偶者として男性を見守り介護する監督義務があったが、監督が十分でなかった」として責任を認めたうえで、JR側にも監視が十分でない点があったなどとして、賠償額を1審の半分に減額して、およそ360万円の支払いを命じました。
この判決を不服として、JR側は8日最高裁判所に上告しました。
NHKNewsWeb 2014年5月8日 原文のまま

「認知症の人 鉄道事故で64人死亡」(4月23日/NHK)
認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが鉄道会社が国に報告した鉄道事故を分析した結果、認知症の人が徘徊(はいかい)するなどして起きた事故は、この8年余りの間に少なくとも76件に上り、このうち64人が死亡していたことが分かりました。
認知症やその疑いがあり、徘徊などで行方不明になったとして警察に届けられた人は、おととし1年間に全国で1万人近くに上り、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。
NHKが鉄道会社が国に届け出た鉄道事故の報告書を情報公開請求して分析した結果、「認知症」ということばが使われるようになった平成17年から去年までの8年余りの間に認知症の人が徘徊するなどして起きた事故は、少なくとも76件に上り、このうち64人が死亡していたことが分かりました。
さらに死亡した人の遺族を取材した結果、少なくとも9人の遺族が事故のあと、鉄道会社から振り替え輸送などの名目で数万円からおよそ720万円の損害賠償を請求されていたことも分かりました。このうち、愛知県で起きた事故を巡っては、JR東海が死亡した認知症の男性の遺族に賠償を求めて裁判を起こし1審は去年、家族が注意を怠ったなどとしておよそ720万円の支払いを命じ、認知症の人の家族などの間には「24時間見ていることはできず、実態を理解していない」などという波紋が広がっています。
これについて東北大学の水野紀子教授(写真)は「家族の責任が問われると認知症の人を外出させなくなるおそれがある。社会全体の問題としてどう負担するか考えていく必要がある」と話しています。
NHK Web News 2014年4月23日 原文のまま


太郎さんは特殊なケースなのか。認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子研究部長は「超高齢社会では人ごとでなく、同様のケースが身近で増えることは確実だ。これまでも太郎さんのような存在と対面しているが、実態把握も対応も進んでいない。一刻も早く本名を取り戻し家に戻れるように、国や自治体が本格的に対策に乗り出すべき時期だ」と話している。【銭場裕司、山田泰蔵】
毎日jp 2014年4月19日 原文のまま
編者:例外的な事例と思われるが、「無縁社会」で起こりえるのだろう。なお、「太郎さん」は知的障害者とも疑われるが状況は同じだろう。
関連記事
「老いてさまよう:認知症で緊急一時保護 身元探し綱渡り 夫婦で症状、届け出困難」(4月22日/毎日新聞)
認知症の疑いがあって身元が分からず自治体が緊急一時保護した人は約6年間で少なくとも546人に上るが、同居する家族がいても警察に行方不明者届が出されない事例が生じている。夫婦2人暮らしでともに認知症の疑いがある「認認介護」とみられるケースも多く、超高齢社会の深刻な課題が浮かぶ。【山田泰蔵、銭場裕司】
「認知症らしい人を路上で保護したのだが……」
昨年6月、東京都北区役所の夜間当直に警察から電話が入った。高齢の女性で服装が乱れ、街をさまよっていたようだが、意思疎通が難しく、所持品を調べても身元が分からないという。
既に午後10時半を過ぎ、病院での診察やこれ以上の身元調査は難しい。当直から連絡を受けた高齢福祉課の職員が緊急一時保護の手続きを取り、契約していた介護施設に入所させた。
身元が分かったのは翌日だ。過去に何度も警察に保護されていた女性で、出勤した警察官が名前と顔を知っていた。女性は夫と2人暮らし。夫も認知症の疑いがあり、妻の度重なる行方不明に慣れて届けを出さなくなっていた。北区の担当者は「今回は偶然身元が分かったが、同居人がいても届けが出されないケースが増えるのでは」と危惧する。
大阪市では、身元が5日間判明しなかったケースがあった。2011年8月に郵便局でたたずんでいる女性を通報を受けた警察が保護した。女性は氏名も生年月日も言えず、市が施設に緊急一時保護したが、女性に該当する行方不明者届は出されなかった。
身元判明のきっかけとなったのは女性の大家だった。女性の姿をしばらく見ないことを心配して通報したという。女性と夫はともに80代。2人暮らしだったが、この夫も認知症の疑いがあり届けを出せなかったという。
東京都葛飾区では昨年7月、路上をとぼとぼと歩く高齢の男性が警察に保護された。会話も成立しないほど認知症が進み、身元は分からない。施設に緊急一時保護するため区役所で聞き取りしていたところ、容体が急変して病院に救急搬送された。心臓に病気があった。数日後、関西の家族から「父が帰宅していないようだ」と連絡があり、ようやく身元が分かった。
職員が男性の自宅を訪れると、2人暮らしの高齢の妻も認知症が進み、夫が帰宅しないことも分からない様子だった。男性は自宅に戻れず、妻は区の支援で在宅介護サービスを受けながら1人暮らしを続けている。
毎日新聞の調査では、緊急一時保護された546人のうち1人暮らしとみられる人は141人で、家族と同居していた人も多いとみられる。葛飾区の担当者は「都市部の高齢者は特に孤立化を深めている。夫婦で暮らしていても深刻さは1人暮らしとあまり変わらない」と指摘している。
◇法的仕組み不備、対応にばらつき
約6年間で546人という緊急一時保護の人数は、実際にはこの数にとどまらないとみられる。緊急事態に対応する明確な法律の定めはなく、各自治体の対応にばらつきがあり、正確な件数などが把握できないためだ。
身元の分からない認知症の高齢者を守るため、各自治体は「徘徊(はいかい)高齢者緊急一時保護」などの名称で、受け皿となる施設を事前に確保し対応している。こうした自治体は近年増加し、毎日新聞の調査では32自治体(東京23区は13、政令市・県庁所在市は19)が要綱を設けていると回答した。
だが、要綱がなく状況に応じて対応する自治体や、路上生活者と同じ扱いで生活保護の部署が担当する自治体もある。こうした対応の大半は、今回の調査で得られた回答件数に含まれていない。対応には警察や他の自治体・部署との連携が欠かせないが「個人情報保護法の影響で情報共有が難しい」と語る自治体担当者も多い。
毎日jp 2014年4月22日 原文のまま
「緊急一時保護:認知症高齢者ら546人 5人が「仮名」」(4月22日/毎日新聞)
認知症などの疑いで警察に保護された高齢者らのうち、名前が分からないために自治体が介護施設に暫定入所させるなど「緊急一時保護」の対象となった人が、2008年度からの約6年間に少なくとも546人いたことが毎日新聞の調査で分かった。本人が氏名や住所を話せず、引き取る人も見つからないために取られた措置で、年間の実施件数はこの6年でほぼ倍増していた。大半はその後、身元が判明するが、現在も身元不明のまま仮の名前が付けられた人が少なくとも5人いることも判明した。
毎日新聞は23月、全国の政令市と県庁所在地の市、東京23区の計74自治体を対象に緊急一時保護の実態を尋ねた。
現在も身元不明のままの人は、大阪市で12年3月に保護されて「太郎」という仮名が付けられ毎日新聞が情報提供を呼び掛けている男性のほか、目黒区で保護された男性、葛飾区の女性、横浜市の女性、松山市の男性。認知症や記憶障害などの疑いがあり、緊急一時保護の期間(自治体ごとに異なりおおむね12週間)を過ぎても身元が分からず現在は生活保護などを受けて施設や病院で生活している。
緊急一時保護が実施されたのは32自治体の計546人。認知症以外の病気や詐病と判明した人なども一部含まれる一方、豊島区、川崎市、名古屋市など統計的に実施件数を把握していない自治体も多いため、実際の人数はさらに膨らむ可能性が高い。
内訳は、23区中14区の計315人と、12政令市と政令市ではない6県庁所在市の計231人。23区は新宿126人(一部に高齢者虐待対応も含む)▽北54人▽葛飾28人▽荒川24人の順で、新宿はターミナル駅の新宿駅近くの交番で保護される人が多い。市は大阪71人▽神戸49人▽横浜46人▽福岡20人など大都市に集中していた。
年度別にみると、08年度は65人で、以後は09年度76人、10年度87人、11年度85人、12年度111人。13年度(14年2月までの集計)は122人に増加した。
◇家族、引き取り拒否も
道に迷った高齢者を家族が引き取りに来るようなケースは大半が警察の保護段階で解決しており、緊急一時保護に至るのは、氏名が言えないほど症状が重く身近に家族がいないなどさまざまな事情が重なった場合だ。ある自治体の担当者は「身元判明後は親族らに引き継ぎ、その後の生活は把握できていない。在宅生活を続けることが難しく施設に入る人が多いのではないか。家族や元々いた施設に引き取りを拒否されたこともある」と話している。【山田泰蔵、銭場裕司】
◇緊急一時保護
道に迷った高齢者などを見つけた警察は法令上、原則24時間を超えて保護できない。それを超える場合は、自治体が健康と安全を守るため施設に預けるなどの対応を取っている。「徘徊(はいかい)高齢者緊急一時保護」などと呼ばれるが、法律に明確な定めはなく、自治体がそれぞれの手法で対応している。介護施設に最大12週間の預かりを頼むケースが多く、病院や一時宿泊所を使う場合もある。
◇緊急一時保護され現在も身元不明でいる仮名の人
保護年月   保護場所 性別
11年 9月 横浜市  女性
12年 3月 大阪市  男性
 同  6月 目黒区  男性
 同 10月 葛飾区  女性
13年 6月 松山市  男性
(記憶障害などの人も含む)
毎日jp 2014年4月22日 原文のまま

「認知症で行方不明 1年で1万人近くに」(4月16日/NHK)
認知症やその疑いがあり、「はいかい」などで行方不明になったとして警察に届けられた人が、おととし1年間に全国で延べ1万人近くに上り、このうち死亡が確認されたり行方不明のままだったりする人が合わせて550人を超えることが、全国の警察本部への取材で分かりました。
こうした実態が明らかになるのは初めてで、専門家は「まだまだ氷山の一角で、国は詳しい分析を行い有効な対策を打ち出す必要がある」と指摘しています。
NHKは、ことし2月、おととし1年間に認知症やその疑いがある人が「はいかい」などで行方不明になったケースについて全国の警察本部を対象にアンケート調査を行いました。
その結果、行方不明になったとして警察に届けられた人は全国で延べ9607人に上ることが分かりました。
このうち、川に転落したり交通事故にあったりして死亡が確認された人は351人に上りました。
さらに、その年の末の時点でも行方不明のままの人も208人いたことが分かりました。
都道府県別で死者数が最も多かったのは大阪で26人、次いで愛知が19人、鹿児島が17人、東京が16人、茨城が15人となっています。
行方不明のままの人の数は愛媛が最も多く19人、次いで愛知が17人、兵庫が16人、東京が15人、大阪が14人となっています。
警察への届け出はいずれも延べ人数で、家族などから通報があれば原則受け付けている大阪が最も多く2076人、次いで兵庫が1146人に上りましたが、最も少ない長崎で7人、山梨が8人と大きな開きがありました。
正式な届け出前に保護されたり死亡が確認されたりする人もいるほか、神奈川、千葉、埼玉の3つの警察本部では、いち早く捜索を行うため、正式な届け出前に電話などでの連絡と同時に一時的所在不明者として受理する制度もあり、実際の死者や行方不明者の数はさらに多いとみられます。
こうした実態が明らかになるのは初めてで、認知症の問題に詳しい認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は「今回明らかになったのはまだまだ氷山の一角で、今後、認知症による高齢者は増え『はいかい』の問題はより深刻化していくことが予想される。国は、正確な実態を把握するとともに詳しい分析を行って、有効な対策を打ち出していく必要がある」と話しています。
はいかい 国の施策は
「はいかい」は認知症の症状のひとつです。
自分のいる場所や時間の見当がつかなくなる認知機能の障害が主な原因とされ、長年の生活習慣などと結びつき、いろいろなパターンの「はいかい」を引き起こすとされています。
初期のころは、方向感覚が薄らいでも周辺の景色をヒントに道を間違えないで歩くことができますが、暗くなると道に迷うこともあります。
症状が進行すると、近所で迷子になったり、夜、自宅のトイレの場所が分からなくなったりするほか、到底歩いていきそうにない距離を歩いて出かけようとすることもあります。
さらに不安や緊張などが加わるとその傾向が一層強くなり、自宅で暮らし続けることが難しくなるケースもあります。
国は、認知症になっても病院に入院せずできるだけ自宅で暮らし続けられるよう、訪問介護や訪問看護のサービスの充実やグループホームなどの施設の整備を進めています。
さらに行方不明になった場合、警察や行政、それに地域が連携して地域ぐるみで捜す「SOSネットワーク」と呼ばれる取り組みも行われています。
この取り組みは、平成7年警察庁が全国の警察本部に呼びかけたことをきっかけに全国的に広がり、厚生労働省も自治体に財政支援をするなどしてネットワーク作りを促しています。
しかしネットワークの中にはほとんど稼働していないケースもあり、認知症の人が安心して外出できる街をどのように実現していくのか課題となっています。
おととし時点で高齢者の15%と推計
厚生労働省の研究班によりますと、国内の認知症の高齢者はおととしの時点で462万人に上り、高齢者の15%に達すると推計されています。
また、認知症の予備軍とされる「軽度認知障害」の高齢者は400万人に上ると推計され、国内の認知症とその予備軍の高齢者は合わせて860万人余り、高齢者の4人に1人に上っています。
厚生労働省によりますと、このうち介護サービスを利用する認知症の高齢者は305万人と推計されています。
高齢化が進むにつれて今後も増え続けると予測されていて、来年には345万人、6年後には410万人、団塊の世代が75歳を迎える11年後、2025年には470万人に増加する見通しです。
NHK News Web  2014 年4月16日 原文のまま
関連記事
「認知症と気付かぬうち行方不明になるケースも」(4月16日/NHK)
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが行方不明になった人の家族などを取材した結果、周囲の誰も認知症だと気付いていない段階で行方不明となり、なかには死亡して見つかる人も出ていることが分かりました。
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして警察に届けられた人は、おととし1年間に全国でおよそ9600人に上り、このうち351人の死亡が確認されています。
NHKは詳しい実態を調べるため、過去5年間に全国で行方不明になったとして警察や自治体に届けられたおよそ400人について取材しました。
このうち、家族や介護関係者などから当時の状況について詳しく取材できた60人を分析した結果、およそ10%に当たる少なくとも7人が、家族など周囲の誰も認知症だと気付いていない段階で行方不明になっていたことが分かりました。
なかには死亡したり今も見つからなかったりする深刻なケースも3人いました。
いずれの人も行方不明になってから家族が振り返ってみると、親戚の名前が分からなくなったり、ごみ捨て場所を間違えたりするなど、認知症の前兆のような行動があったということです。
認知症に詳しい本間昭医師は「はいかいはある日突然起こるのではなく、はいかいに至る前には認知症の進行を示すいろいろなサインが現れている。早く治療すれば徘徊のリスクを減らすことができるので、ふだんの生活で少しでもおかしいと気付くときがあれば、年のせいだと片づけずに早く受診してもらいたい」と話しています。
NHK New Web 2014年4月16日 原文のまま
「認知症で行方不明後に死亡 約3割が独居」(4月17日/NHK)
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが、行方不明となり死亡した人の家族などを取材した結果、1人暮らしの人が全体のおよそ30%に上ることが分かりました。
専門家は「認知症になっても自宅で暮らし続けられるようにしようという、国の政策が実現されていないことを示すもので、早急な対策が必要だ」と指摘しています。
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして、警察に届けられた人は、おととし1年間に全国でおよそ9600人に上り、このうち351人の死亡が確認されています。
NHKは詳しい実態を調べるため、過去5年間に全国で行方不明になったとして警察や自治体に届けられた、およそ400人について取材しました。
このうち死亡が確認された112人について、家族や介護関係者などから当時の状況を詳しく取材した結果、1人暮らしの人が33人と、29%に上ることが分かりました。
なかには、症状から1人暮らしが困難だと介護関係者が判断したものの、すぐに入所できる施設が見つからず、そのまま自宅で暮らした結果、行方不明となり死亡した人もいました。
国は、認知症になっても精神病院に入院せず、できるだけ自宅で暮らし続けられるよう、訪問介護や訪問看護のサービスの充実や、グループホームなどの施設の整備を進めていますが、こうした国の対策が、増え続ける認知症の人を十分に支えることができていない実態が浮き彫りになりました。
これについて、認知症の問題に詳しい本間昭医師は、「国の政策を実現するための手立てや資源が不足し、現場が追いついていないことを示している。早急に対策を考え、問題を解決していく必要がある」と話しています。
NHK NewsWeb 2014 年4月17日 原文のまま
「認知症で不明 まず身近な場所捜して」(4月18日/NHK)
認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが、行方不明となり死亡した人の家族などを取材した結果、自宅から1キロ以内の比較的近い場所で遺体が見つかったケースが全体のおよそ60%にの上ることが分かりました。専門家は「先入観を持たずに、身近な場所から丁寧に捜してほしい」と指摘しています。
認知症やその疑いがあり、徘徊などで行方不明になったとして警察に届けられた人は、平成24年の1年間に全国で1万人近くに上り、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。
NHKは、この5年間に全国で行方不明となり、そのあと死亡が確認された人のうち、家族や自治体などから当時の詳しい状況を取材できた94人について、遺体の発見状況を分析しました。
その結果、自宅と遺体の発見場所の距離は、1キロ以内と比較的近い場所が55人と最も多く、全体の59%に上ることが分かりました。
次いで1キロから5キロ以内が22人、5キロを超えたのが17人でした。
また、見つかった場所の中には、水がほとんど流れていないふたが閉まった用水路の中や、住宅と塀の間の狭い場所など、通常、入り込むと思わない所で見つかるケースも少なくないことが分かりました。
認知症に詳しい認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は、「認知症の人は、症状によっては狭い場所に入る傾向もみられるため、捜す際はこんな所に行くはずがないと先入観を持たずに、まずは身近な場所から丁寧に捜してほしい」と指摘しています。
NHKNewsWeb 2014年4月18日 原文のまま
「厚生労働相「認知症の問題 力入れる」」(4月18日/NHK)
認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題について、田村厚生労働大臣(写真右)は「大きな社会問題でしっかりと力を入れていきたい」と述べ、認知症の人を見守る自治体や地域の取り組みを支援していく考えを示しました。
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして警察に届けられた人は、おととし1年間に全国で1万人近くに上り、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。
NHKが、過去5年間に全国で行方不明になったとして警察や自治体に届けられたおよそ400人について取材したところ、1人暮らしの高齢者で死亡のリスクが高まることや、認知症だと周囲が気付かないうちに行方不明になるケースが相次いでいるなど、深刻な実態が明らかになっています。
これについて田村厚生労働大臣は、18日の閣議後の会見で「非常に大きな社会問題で、行方不明はいつ起きてもおかしくない。地域ぐるみの態勢作りにしっかりと力を入れていきたい」と述べました。
そのうえで、認知症になっても安心して外出できるよう、警察や自治体それに地域が連携して認知症の人を見守る取り組みを支援していく考えを示しました。
NHKNewsWeb 2014年4月18日 原文のまま
「認知症 保護しても誰か分からぬケースも」(4月19日/NHK)
認知症やその疑いがあって行方不明となる人が年間1万人近くに上っている問題で、NHKが全国の自治体などを取材した結果、無事、保護されたものの認知症のため名前や住所などの身元が分からず施設などで今も暮らし続けている人が少なくとも4人いることが分かりました。
専門家は「認知症を巡る警察や自治体の取り組みが分断されている象徴で、情報の共有が必要だ」と指摘しています。
認知症やその疑いがあり、はいかいなどで行方不明になったとして警察に届けられた人は、おととし1年間に全国で1万人近くに上り、このうちおよそ350人の死亡が確認されています。
NHKが全国の自治体などを取材した結果、無事、保護されたものの認知症のため名前や住所などの身元が全く分からず、施設などで今も暮らし続けている人が少なくとも4人いることが分かりました。
このうち、おととし3月、大阪市の路上で保護された男性は認知症のため名前や住所が伝えられず、所持品などからも身元は特定できなかったということです。
大阪市は生活保護などの受給に必要だとして男性に「太郎」という仮の名前をつけ、外見から仮の生年月日も「昭和17年1月1日」と決めて大阪市内の介護施設で保護しています。
この4人以外にも、身元が分からないまま施設などで死亡した認知症の人もいるということです。
また警察庁によりますと、行方不明になってから親族などの元に戻るまで1年以上かかった人も、おととし1年間で8人いるということで、保護されたものの長期間、身元が分からないケースはさらに多数に上るとみられます。
これについて認知症介護研究・研修東京センターの永田久美子部長は「認知症を巡る警察や自治体の取り組みが分断されている象徴だ。このままでは認知症の高齢者の増加に伴いこうしたケースは今後、増えていくと考えられ、関係機関が情報を共有することが必要だ」と指摘しています。
NHK News Web  2014年4月19日 原文のまま
編者:認知症の人の「徘徊」の全国的な報告は以前、警察庁から発表されたことがあるが、今回の調査報告は遅きに失するという印象だが、この結果を踏まえて全国規模の認知症の人の「徘徊」対策を期待したい。しかしが、厚生労働省と内閣府警察庁とが連携した対策を立てられるか疑問だ。こうした状況下、いくつかの自治体で「徘徊」への取り組みがなされてはいるが、認知症の人が自治体管内で移動するとは限らないので、全国規模の体制も同時に必要だ。「徘徊」は認知症に関わり、速やかに生命にもかかわる重要で困難な課題だ。諸外国でも取り組みがなされてはいるが、決め手に欠く。結論的に言えば、さまざまな取り組みを組み合わせることであろう。このあたりの私見をブログ「認知症あれこれ、そして」の「認知症の気になる二つの記事―「徘徊死」と「若年性認知症」―」(2011/11/11)で述べた。それにしても「徘徊」の末、数か月行方不明で亡くなっているらしい認知症の親を探す娘の姿には涙ぐむ。「NHKスペシャル"認知症800万人"時代 追跡 埋もれた"徘徊" 行方不明者(仮)」が2014年5月11日(日)午後9時00分~9時49分に放映の予定だ。

★「iPS細胞を用いたアルツハイマー型認知症治療薬の研究がスタート」(4月12日/財経新聞)
iPS細胞を用いたアルツハイマーの治療薬の研究がスタートした。いよいよiPS細胞の実用化が目前となった。厚生労働省によると、アルツハイマー病とは脳の細胞がゆっくりと死んでいくため発症する病気であるため、細胞を再生するiPS細胞活用はもってこいの研究だ。
富士フイルム株式会社と京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、患者由来のiPS細胞を用いてアルツハイマー型認知症治療薬「T-817MA」に関する共同研究を開始した。
富士フイルムは、グループ会社の富山化学工業株式会社にて、アルツハイマー型認知症の治療薬の研究を進め、強力な神経細胞保護効果と神経突起伸展促進効果を有し病態動物モデルでも高い治療効果を示す「T-817MA」を見出した。現在、米国で「T-817MA」の第II相臨床試験を進めており、バイオマーカーの解明に取り組んでいる。
一方、CiRAの研究チームは、患者由来のiPS細胞から分化させた神経細胞でアルツハイマー型認知症における神経細胞死や、40~43個のアミノ酸が連なってできたタンパク質の断片であるアミロイドベータの分泌などを調査した結果、アルツハイマー型認知症患者の原因遺伝子によってそれらに差があることを解明した。
今回、富士フイルムとCiRAは、CiRAの解明結果を活用して、アルツハイマー型認知症患者由来のiPS細胞から分化誘導させた神経細胞を用いた共同研究を行う。そして、「T-817MA」の有効性を予測するバイオマーカーの特定やアルツハイマー型認知症患者の治療に対する新たな臨床試験の方法の確立を目指す。
また、細胞生育・増殖のための足場である、富士フイルムの「リコンビナントペプチド(RCP)」を用いて、iPS細胞の樹立や神経細胞への分化誘導の効率化に関する検討も実施する。従来iPS細胞を使った創薬研究では、培養皿の中で、ある疾患の患者由来iPS細胞を、疾患の標的になる細胞に分化・誘導していた。そして、その細胞を使用して疾患の治療薬となりうる有効成分を見つけ出す研究が行なわれてきた。しかし、これはすべて培養皿の中でのデータ取得に留まっていた。
それに対し、今回の共同研究は、患者由来iPS細胞を用いて得た培養皿の中のデータを、実際のヒトの臨床試験でのデータに付き合わせて解析することが特長だ。患者由来iPS細胞を用いて培養皿の中と実際の臨床試験を直接結びつけることは、これまでになかった新たな研究方法であるとしている。研究の成果に期待したい。(編集担当:慶尾六郎) 記事提供元:エコノミックニュース
財経新聞 2014年4月12日 原文のまま

「袴田さん釈放後もずっと「支える」」(4月11日/中日新聞)
◇支援団体代表の楳田さん
一九六六年に清水市(現静岡市清水区)のみそ製造会社の専務一家四人が殺害された袴田事件で、静岡地裁が袴田巌(いわお)さん(78)(写真右上)の再審開始を決めてから十日で二週間。釈放された袴田さんは東京都内の病院で心身の療養に専念し、回復を待って静岡県に戻る予定だ。支援団体「袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会」代表の楳田(うめだ)民夫さん(63)=同市駿河区=(写真右下:事件現場付近で)は半世紀ぶりの自由を得た袴田さんを支える思いを新たにしている。
「拘置所から出た夜はビールを飲んですぐ寝ちゃったよ」「朝、主治医と病院の庭を散歩した」
面会している弁護団や支援者が数日に一回、袴田さんの様子を電話で教えてくれる。「本当に良かった」。思わず頬が緩む。
決定が出た三月二十七日。楳田さんは静岡地裁前ではなく、静岡市内の認知症患者のグループホームにいた。報道で袴田さんに拘禁症と認知症の疑いがあると知り、昨夏、ホームヘルパー二級の資格を取得。釈放に備え、昨年末からグループホームで週四回、利用者の食事を作り、入浴やトイレの介助を学んできた。
袴田さんの姉秀子さん(81)(写真右上)が暮らす浜松市で二人の生活が始まれば、資格を生かして支えるつもりだ。「毎日とはいかないが、のんびりとした暮らしをサポートできれば。今はその経験を積んでいる」と話す。
社会問題に関心を持ち、市民運動などにも参加するうちに事件を知り、三十年前に袴田さんの支援を始めた。「冤罪(えんざい)を証明する材料はないか」と考えを巡らせ、犯行時の着衣とされた「五点の衣類」に着目。犯行後にみそタンクに隠したと認定した確定判決の判断を覆そうと、衣類の変色度合いを確かめるみそ漬け実験を行い、今回の再審開始決定を後押しした。
数年前から、事件の「解決」の意味を折に触れて考える。冤罪被害者の多くが釈放後、支援体制がなくなり社会に適応できていないと聞き、穏やかに暮らしてもらうことこそ、その答えだと思うようになった。「無罪を勝ち取れば弁護団は解散するかもしれないが、僕はずっと支えたい」。だから決定の日もグループホームの仕事に向かった。
再審開始の可否は、東京高裁が静岡地検の即時抗告を審理している。「『巌は元気だから大丈夫だよ』って秀子さんから言われるのが一番いい」。快気を伝えてくれる電話を心待ちにしている。(山田雄之)
ChunichiWeb 2014年4月11日 原文のまま

★「高齢者見守りで協定 京都・向日市と市内郵便局が締結」(4月2日/京都新聞)
京都府向日市と市内の全郵便局は、高齢者見守りネットワーク事業の連携協定を結んだ。認知症高齢者らが地域で安心安全に暮らし続けられる体制の充実を目指し、地域に密着した事業者と行政が手を取り合って安否確認や孤立化防止などに取り組む。 市と3月31日付で協定を結んだのは、向日町、向日町寺戸、向日森本、向日上植野、向日町駅前、向日物集女の6郵便局。
各郵便局は日常業務の中で、郵便物などがポストにたまっていたり、窓口応対や郵便物の受け渡しの際に高齢者に異変を感じたりした場合、市に連絡する。市は地域包括支援センターなどと協力して状況確認を行い、適切な対応をとる。
市は、高齢者が住み慣れた地域で生活を送り続けられるように支援するため、高齢者と接する機会が多い民間事業者や地域組織と連携した見守りネットワーク構築を目指している。郵便局をはじめとして、新聞販売店や介護保険事業所、老人クラブなどとも連携を深めていきたい考えだ。
一方、郵便局も地域に根ざした業務の特長を生かし、各地で見守り活動に参画している。一昨年には当時の日本郵便事業会社甲西支店・水口支店が甲賀市と「地域見守り支援活動」の協定を締結。昨年には亀岡郵便局が亀岡市と要支援者の見守り活動の協定を結んでいる。
長岡京市とも協定を結ぶ予定という向日町郵便局の石田良明局長は向日市との調印式で「行政との連携を強化し、お客様や地域社会に貢献していきたい」と話した。
また、向日町寺戸郵便局の原田守局長は「高齢者と会話することが大事。今まで以上にしっかりと接していきたい」、向日森本郵便局の中村隆志局長も「市内6郵便局が地域に合わせて高齢者を見守っていきたい」と述べた。
久嶋務市長(写真の右から2人目)は「郵便局は高齢者と接する機会が多く、異変に気づくのは行政より早い。地域の支え合いを局員の方とともに行っていきたい」と期待を込めた。
京都新聞 2014年4月2日 原文のまま

「終末期の透析見合わせで提言」(3月28日/NHK)
腎臓を患う患者が受ける人工透析について、専門医で作る学会は、回復の見込みがない終末期になった場合、患者があらかじめ書面で意思表示を行う「事前指示書」などがある場合は透析の見合わせを検討することなどを盛り込んだ提言をまとめました。
人工透析を受けている患者の平均年齢はおよそ67歳と年々高齢化していて、それに伴って病気や認知症で患者の判断能力がなくなった際にいつまで透析を続けるかが課題となっています。
透析の専門医で作る日本透析医学会は28日に理事会を開き、透析患者が回復の見込みがない終末期になった場合の治療方針の決め方について提言をまとめました。
それによりますと、終末期に透析治療を継続するか見合わせるかは患者の意思を尊重するとしたうえで、患者に対して判断能力がなくなる前に意思を表明する「事前指示書」を作成する権利があることを説明するとしています。
そして全身の状態が極めて悪くなり、事前指示書で患者自身の意思が示されている場合や、家族が患者本人の意思を推定できる場合は、透析の見合わせを検討するとしています。
日本透析医学会の水口潤理事長(写真)は、「患者や家族の意思を尊重した医療にすることが最大の目的です。提言をきっかけに自分の最期をどうするのか患者も考え意思表示してほしい」と話しています。
NHKNewsWeb  2014年3月28日 原文のまま
編者:提言は未だ公表されていないようだ。具体的な提言は不詳。

「「認知症高齢者、安心して出歩けるまちに」小諸市が靴用ステッカー」(3月26日/信濃毎日新聞)
小諸市は4月から、徘徊(はいかい)などの症状がある認知症高齢者らの靴のかかとに貼る反射材のステッカーを導入する。当事者や家族の申請に基づきステッカーを無料で配布。街でステッカーを付けた人を見掛けた際には、引き留めたり声を掛けたりしてもらう。
ステッカーは赤と黄色の2種で、市セーフコミュニティ推進協議会のシンボルマークが入る。黄色は「声掛け」の対象。付けた人を見掛けた場合、「どこへ行くのですか」などと話し掛け、道案内することなどを市民に求める。赤色は1人で出歩かないことが前提の「保護」の対象で、見掛けたらすぐに引き留め、市役所の高齢福祉課に連絡するよう求める。
同課によると、2009年度~本年度、市内の高齢者が外出したまま行方不明になった事例は年2~11件で、昨年度と本年度はそれぞれ1人が亡くなって発見された。
昨年、市内の医師から対策として「当事者が服にバッジを着けて目印にしてはどうか」とのアイデアを聞いた市職員が、市地域包括支援センター職員の「靴のシールだと常に付けていられる」との助言も参考に、ステッカーを考えた。
市高齢福祉課の担当者は「黄色のステッカーを付けた人に声を掛けて、何も困っている様子がなければそのまま出歩いてもらえばいい」と説明。「ステッカーが市民に浸透することで、認知症の高齢者でも安心し、堂々と出歩けるまちになってほしい」としている。
信毎WEB  2014年3月26日 原文のまま
編者:いいアイデアだ。以前編者は靴の横に連絡先の電話番号を書くことを勧めた。


編者:こうした取り組みが拡がってほしい。

「2014京都府知事選挙 (3)福祉・医療 私がやる」(3月25日/京都新聞)
京都府内の少子高齢化は急速に進んでいる。国立社会保障・人口問題研究所は2040年の府内の高齢化率が約4割に達する一方、14歳以下の人口は1割を下回ると推計している。女性1人が生涯に産む子どもの平均数を示す合計特殊出生率は全都道府県中46位(12年)と低い。子どもを産み育てやすい環境整備と合わせ、都市部や農村部を問わず安心して暮らせる医療や福祉の充実が求められている。(届け出順)
尾崎望候補 無新
少子化対策 子ども貧困対策室設置
女性が生涯に産む子供の数を示した合計特殊出生率は全国都道府県で2番目に低く、安心して子育てできる京都をつくる。
子どもの医療費助成制度は中学校卒業まで拡大する。償還払い制度を撤廃し、窓口負担をなくす。
また子どもの貧困問題が社会問題となる中、「子どもの貧困対策室」を設置し、貧困事案の早期発見や支援体制の整備、継続的対応ができる庁内横断的な体制づくりを進める。
公的保育を後退させずに、認可保育所建設による待機児童の解消を図る。障がい児を含む学童保育体制の抜本的整備に向け、市町村と事業所支援策を拡充する。
「ひとり親家庭支援自立支援センター」の機能も充実する。
医療格差解消 府立医大の定員増やす
医師不足をはじめとする地域医療の崩壊は深刻だ。安心の医療・福祉を実現するには、地域住民の視点に立って府と医師会や大学病院、医療関係団体が連携することが重要だ。
医師確保に向けては京都府立医科大の定員を増やすとともに、知事をトップにした「府医師確保・地域医療充実特別対策チーム」を発足させる。医療・福祉は地域経済のボトムアップにとっても欠かせない重要な産業だと位置づけることも、マンパワーを確保する上では大事だ。
山城北医療圏では小児科医を確保し、小児救急体制の整備・充実を進める。また府立医科大付属北部医療センターには常勤の脳神経外科医を配置し、府北部の救急医療体制の強化を目指す。
高齢者・障害者 日常生活圏で保健予防
障害者や高齢者を含むすべての人が日常の生活圏域で安心して暮らせる京都を目指す。町内会や学区単位で支え合う「地域医療包括ケア協議会」をつくり、医療機関や保健所、福祉事務所などが一体となって地域ぐるみで保健予防に取り組むなど、保健・医療・福祉が連携し「安心の網の目」を張り巡らせる。
在宅で必要な医療・介護が量的にも質的にも保障される体制づくりに向け、在宅医療の連携拠点や介護サービス拠点の整備を進める。特別養護老人ホームの計画的な建設も進める。
「応益負担」を求める障害者総合支援法は、障害者の費用負担が大きい。早期撤廃を求め、誰もが人間らしく生きられる施策を進めていく。
山田啓二候補 無現
少子化対策 婚活から育児総合支援
少子化がこのまま進めば日本は大変な状況になる。国全体を挙げて取り組むべき課題であり、国に刃を突き付けてでも対応を迫る覚悟だ。そのためにも自分たちがまず率先して取り組む姿勢を示さないといけない。今回の政策の中心と位置付けている。
まずは「少子化対策条例」を制定し、婚活から子育てまで総合的な支援の仕組みをつくる。その上で、婚活総合支援センターをつくり、保育園や幼稚園に関する経済的負担を軽減する「第3子からの子育て支援金制度」を創設する。
子どもの医療費負担を軽減する子育て支援医療助成制度の中学生までの対象拡大や、保育所整備による待機児童ゼロについて市町村と検討を進める。
医療格差解消 病院再編など体制拡充
京都府は人口10万人あたりの医師数が全国1位だが、地域ごとのバランスに課題がある。とりわけ府北部は厳しい医療環境にあるため、府立与謝の海病院を昨年4月に府立医科大付属の北部医療センターにして機能を充実し、地域の病院や診療所への医師派遣数は以前の4倍に増えた。
今後はさらに派遣数拡大など地域医療基盤の強化を進めていく。地域医療再生基金による舞鶴市での病院再編なども動きだしており、今までにない手厚い医療体制をつくっていける。ドクターヘリも含めた救急体制も徹底的に向上させる。
丹後、中丹、南丹、山城北、山城南の医療圏ごとに目指すべきビジョンをつくり、府内全域で医療機能を強化していく。
高齢者・障害者 認知症にオランダ方式
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるため、オール京都で医療と介護、福祉を一体的に提供する「京都包括ケア」を実現する。特にリハビリテーションと認知症対策、看取り対策は3大プロジェクトとして徹底的にやっていく。
認知症対策では治療だけでなく、ケアから在宅での生活支援まで行うオランダ方式の「認知症総合センター」をつくる。日本で初めての取り組みであり、モデルとなるものを立ち上げたい。障害者施策では、障害の有無に関わらず誰もが人格と個性を尊重し合うための条例をつくった。条例にうたう共生社会の実現に取り組んでいく。雇用確保も重要で、障害者雇用率を今の1・9%から2・2%に伸ばす。
京都新聞 2014年03月25日 原文のまま
編者:わが国にはないオランダ方式という「認知症総合センタ」ーの内容を知りたい。

★「寝たきり高齢者への胃ろう、政府が抑制へ-診療報酬を減額」(3月24日/ブルームバーグ日本語版)
3月24日(ブルームバーグ):日本政府はチューブで胃に栄養を投与する胃ろうを受ける寝たきりの高齢患者抑制に初めて動き出した。
厚生労働省は医療機関に支払われる胃ろう手術の診療報酬を減らし、在宅医療を促進する方針だ。日本で胃ろうを受けている高齢者は約26万人。巨額の公的債務を抱える日本は、患者の早期退院を促すことにより、年間医療費38兆5000億円のさらなる増加に歯止めをかけたい考えだ。
嚥下(えんげ)機能検査を実施し、寝たきりの人が口で食べるためのリハビリを促進する医療機関に対して、厚労省は診療報酬を上乗せする方針。診療報酬の改定は4月1日に施行される。日本が胃ろうの診療報酬を減額するのは初めて。
日本尊厳死協会の副理事長を務める医師の長尾和宏氏は、「食べるということは人間の最も大事な尊厳の一つで、それを評価するということを歓迎すべきだ。人間の尊厳を守るために国は動いたということだ」と話す。
胃ろうは欧米では標準的な医療行為ではないが、世界で最も急速に高齢化が進む日本では一般的に行われている。末期患者や認知症の高齢者の延命のために使われることが多く、厚労省によると、何の評価も行われずに胃ろうを受ける人が4分の1近くに上るという。
厚労省によれば、胃ろう手術の診療報酬は1件当たり約10万700円で、これが4月から40%減額されて6万700円となる。一方で、手術前に嚥下機能評価が行われば2万5000円が加算される。
新たなルールの影響について、全国老人福祉施設協議会・老施協総研運営委員会の尾関英浩委員長は、患者の多くは重度の認知症を患っており、評価やリハビリを受けさせるとなると外来に行かなければならず、ストレスやリスクが大きくなる可能性を指摘した。
水道橋東口クリニックの辻彼南雄院長は、新ルールにより新たな胃ろうのケースが減ることが見込まれる一方で、口での食事には準備を含め1時間半程度かかるため、家庭に負担がかかるとの見方を示した。
原題:Japan Moves to Limit Bedbound Elderly On Feeding Tubes:Health(抜粋)
ブルームバーグ日本語版 2014年3月24日 原文のまま
編者:この記事で初めて知った。診療報酬をいじって医療をコントロールするのが厚生労働官僚の手だが、露骨すぎる。広く国民的議論を勧めるべきだが、医療費抑制あるいは「適正化」に繋がるという保証がないのだろう。なお元の英語版はKanoko Matsuyamaという日本人ライターの記事だ。

「「ヤングケアラー」子どもにも介護の重荷」(3月19日/中日新聞)
国が高齢者介護の場を施設から在宅へ移そうとする中、家族の負担が増している。家族の形態も変化しており、若者が介護の担い手となる「ヤングケアラー」の問題が浮かび上がってきた。
二月二十三日、介護の担い手を支援する一般社団法人「日本ケアラー連盟」の主催で、シンポジウム「介護を担う10代・20代の子どもたち」が東京都内で開かれた。この中で成蹊大の渋谷智子講師(写真右上)は、若者による介護が増えている兆候を指摘した。
渋谷さんは昨年、医療ソーシャルワーカーなどでつくる東京都医療社会事業協会の協力で、会員アンケートを実施。四百二人の回答のうち、35・3%が「十八歳以下の子どもが家族のケアをしていると感じた事例がある」と答えた。背景には少子高齢化と並行し、家族の在り方が変わったことがある。家族の層が薄くなり、孫の手を借りないと介護ができない家族もある。
渋谷さんは「祖父母だけでなく、障害や病気を持つ親のケアをする子もいる。重過ぎる役割を抱え、自分は家にいなければと、進学や就職をあきらめる子もいる」と言う。
シンポでは英国での取り組みも紹介。チャリティー団体「子ども協会包摂プロジェクトThe Children's Society Include Project」は、二〇〇〇年から介護を担う子どもたちが集う「ヤングケアラーフェスティバル」を毎年開くなど、問題提起してきた。
支援の第一歩は介護を担う子どもを見つけること。把握できれば公的サービスを選ぶ上でも、子どもの負担が軽くなる方法を考えることができる。英国ではプロジェクトの働き掛けで、介護の必要な人に、子どもが関わっているかどうか尋ねる考え方が拡大。子どもへの配慮を法律で義務付けようとの動きもある。
英国政府も調査に乗り出し、一一年の調査で、子ども人口の2%に当たる約十七万人がヤングケアラーとされた。一方、別の機関では同8%との調査もあり、実態把握の難しさも表れている。
日本での調査はなく、まずは問題を広く知ってもらうため、同連盟はホームページ上に専用サイトを開設している。
◇「相談できずに孤立」
仙台市の秋保(あきほ)秀樹さん(25)(写真右下)は十六歳から六年間、祖母の介護をした元ヤングケアラーだ。
祖母が認知症を発症したのは、秋保さんが高校二年生の時。「母と祖母の三人暮らし。家計は働く母にかかり、昼間は自分がみるしかなかった」。祖母は夜中も騒ぎ、世話に追われた。進学を目指していたが遅刻が多くなり、三年生を待たずに休学、やがて退学した。「相談できる友人は誰もいなかった」
その後は昼は介護、夜はアルバイトの生活。それもままならなくなり、最後の一年は介護に専念した。最終的に祖母は施設に入り、三年前に亡くなった。「目の前の現実に追われ、自分に助けが必要ということは思い付かなかった」と振り返る。この経験から、秋保さんは今年二月、「わかものケアラーの会」を立ち上げ、勉強会を始めた。
「あちこちでたくさんのヤングケアラーが孤立し、一人で悩みを抱えてつぶされつつあるのだと思う。そういう人たちをつなげていきたい」と話している。(三浦耕喜)
ChunichiWeb 2014年3月19日 原文のまま

「認知症の母親、暴行受け死亡 容疑の47歳息子逮捕/川越署」(3月17日/埼玉新聞)
認知症の母親に暴行を加えたとして、川越署は16日、傷害容疑で川越市的場2丁目、会社員大塚一好容疑者(47)を逮捕した。母親は病院に搬送されたが死亡が確認され、同署は容疑を同致死に切り替え、遺体を司法解剖して暴行との因果関係などを調べる。
逮捕容疑は、16日午後7時ごろ、川越市藤間、母親のよし子さん(75)方で、よし子さんの頭などを手で数回殴り、全治不明のけがを負わせた疑い。
同署によると、暴行後、よし子さんがぐったりしたため、大塚容疑者が119番。現場に駆け付けた同署員に、「自分が殴った」と認めた。よし子さんは認知症で1人暮らし。同容疑者と都内に住む妹(43)が交代で介護していたという。
大塚容疑者は「普段はすぐ寝てくれるが、この日は寝てくれず、言うことを聞かなかったので殴った」と供述している。
埼玉新聞 2014年3月17日 原文のまま

京都府「きょうと認知症あんしんナビ」を開設(3月17日)
京都府と京都地域包括ケア推進機構は3月17日に認知症に関するサイト「きょうと認知症あんしんナビ」を開設し、「支援者のための若年性認知症京都オレンジガイドブック」を公表しました。
関連情報:「支援者のための若年性認知症京都オレンジガイドブック」(pdf23M)

「認知症高齢者の捜索訓練」(3月16日/西日本新聞)
徘徊役の特徴をメールなどで参加する住民らに伝え、捜索する。大牟田市の住民団体「はやめ南人情ネットワーク」が、「認知症になっても安心して徘徊できる街」を目指して2004年に始め、07年には同市が訓練を主催し、市内全域へ拡大した。全国的に「大牟田方式」として注目され、現在は100を超える自治体に広がる。
どうする高齢社会=徘徊者早期発見へ 地域で備え 捜索訓練 北九州で始動 認知症お年寄り急増見通し
○GPSの普及が課題に
認知症のお年寄りが徘徊(はいかい)して行方不明になるケースを想定した捜索訓練が、北九州市でも始まった。同市では認知症のお年寄りが3万1千人を超え、「急速に増加する」(市高齢者支援課)見通しだ。行方不明のままになったり、死亡して発見されたりする「最悪の事態」も起きており、地域で早期発見のネットワークづくりが欠かせない。
捜索訓練は昨年3月、小倉南区の守恒校区で住民有志が始めた。同11月に同区の長尾校区でもあり、今年2月には守恒校区で2回目の訓練があった。
訓練で、浮かび上がったのは衛星利用測位システム(GPS)端末の有効性だ。2月の守恒の訓練には住民ら125人が参加。「お年寄りが行方不明」との想定で、徘徊役の2人に自由に歩き回ってもらい、うち1人にはGPS端末を持たせ、効果を調べた。
参加者らは、公園や住宅街の道路などを捜索。スマートフォンを持つ十数人の捜索役は、画面に映る地図で徘徊役の位置を確認しながら行方を追い、残る約100人の捜索役はGPSを持たない徘徊役をあてもなく探した。結果は歴然だった。GPS端末を持つ徘徊役は開始37分で保護されたのに対し、持っていない徘徊役は、大勢で捜したにもかかわらず発見まで1時間4分かかった。
主催した住民団体「守恒SOSネットワーク会議」の笹月二男会長(写真右)は「捜索にGPSは欠かせない」としみじみ話す。
    □  □
市によると、市内の認知症のお年寄りの捜索願は2012年度は210件。うち5人が亡くなり、1人が行方不明のままだ。
守恒校区は2年前、行方不明者を「地域の目」で捜してもらおうと、届け出があった人の名前、年齢、服装などの情報をメールで一斉配信する取り組みを始めた。配信する登録者は約900人いるが、それでも捜索は容易ではない。
守恒の訓練では移動範囲を「校区内」に限ったが、実際は無制限。介護施設の関係者によると、タクシーで市外に出たり、新幹線に乗って京都駅で発見されたりした例もあるという。
 市は2000年度からGPSを使った「位置情報検索サービス」(端末のレンタル料は1カ月525円)を実施するものの、利用者は84人にとどまる。「わが家には関係ない」「うちのじいちゃんは大丈夫」といった危機意識の低さが、「いざ」というときの備えに結びついていないという。 
    ◇   ◇
全国の20政令市で、65歳以上の高齢化率が26・2%と最も高い北九州市。戦後の高度経済成長をけん引した高齢者に、安全に、生きがいをもって暮らしてもらうために、行政や地域社会は何をすべきか。課題や取り組みを随時掲載します。
西日本新聞  2014年3月16日 原文のまま

「仮設住宅高齢者36%認知症か」(3月15日/ NHK)
東日本大震災で被災し、宮城県気仙沼市などの仮設住宅で暮らしている高齢者の36%、およそ3人に1人に認知症の可能性があることが東北大学などが行った簡易検査で分かりました。
専門家は「検査方法は異なるが、厚生労働省の全国の推計値の28%より割合が高く、対策が必要だ」と指摘しています。
検査は東北大学の研究グループと宮城県気仙沼市が、去年、気仙沼市などの仮設住宅で暮らす65歳以上の高齢者およそ700人を対象に、タッチパネル式のコンピューターで日時を確認したり、同じ図形を選んだりするなどの方法で行いました。
その結果、認知症の可能性がある人が252人で全体の36%、およそ3人に1人に上りました。
この方法は、認知症とその可能性がある人をまとめて抽出する簡易検査で、脳の画像なども使って判定する確定診断とは異なりますが、厚生労働省がおととし時点の推計値として公表した、認知症の高齢者15%、将来認知症になる可能性ある予備軍13%と合わせた28%と比べると1.3倍ほど高くなっています。
検査を行った東北大学の古川勝敏准教授(写真右)は「確定的な診断結果を示すものではないが、一定の信頼性はある」としたうえで、「国の推計値よりも高く、震災で家族や友人を失った絶望感や、漁業、水産業、農業などのなりわいを失くし、生活環境が大きく変わったことが認知機能に影響を及ぼした可能性があり対策が必要だ」と話しています。
NHKNewsWeb 2014年3月15日 原文のまま
編者:にわかには信じがたいが、認知症ではないが認知機能の低下している状態も含めればありうる。http://www3.nhk.or.jp/news/index.html

「認知症の客適切対応 事例想定、店長ら学ぶ つくばで講座」(3月6日/茨城新聞)
客として来店した認知症患者への適切な対応を学んでもらおうと、スーパーのカスミ(つくば市)は5日、同市西大橋のカスミつくばセンターで、店長ら約200人を対象とする「認知症サポーター養成講座」を開いた。受講した店長はサポーターに認定され、今後は患者や家族に対する見守りや声掛け運動を行う。
同講座は、同社が県と県認知症普及啓発企業連携事業の協定を結んだことを受け実施。認知症介護に関する専門知識を持つ同市のキャラバンメイトの久保知子代表ら会員12人が講師を務めた。
久保代表らは高齢化社会が進展する中で認知症患者が増加し、客として来店する可能性も増えると想定。寸劇を交え、客側が「財布を忘れた」「買い物をした覚えがない」と言い出した際など、レジで起こり得る事例への店長や従業員の適切な対応を紹介した。
久保代表は「患者は自分が間違っているとは思っていないので、いったん話を受け入れて落ち着かせてほしい」と訴えた。家族の連絡先が分からない場合は、各市町村役場の地域包括支援センターへの連絡を勧めた。
参加した店長らは「今後あり得ることで、従業員にも心構えとして受講を勧めたい」などと話した。 
茨城新聞 2014年3月6日 原文のまま
編者:こうした取り組みはよい。多くの場で試みてほしい。認知症の妻は3か月に1回、美容院に行っているが、そこでの店員の適切な対応には感謝している。

「エーザイ、米バイオジェンと認知症新薬を共同開発」(3月5日/日本経済新聞)
エーザイ(4523)は5日、米バイオ医薬品大手のバイオジェン・アイデックBiogen Idec(マサチューセッツ州)とアルツハイマー型認知症(AD)治療薬を共同開発すると発表した。認知症の症状改善や進行抑制を狙った新薬の開発に注力する。バイオジェンの神経変性疾患の領域での開発ノウハウを活用することで、開発の精度向上や期間短縮を図る。両社は米国での生産では提携しているが、新薬の開発で提携するのは初めてという。共同開発した新薬の販売促進でも協力する。
両社はエーザイが開発中のAD治療剤「E2609」と「BAN2401」の臨床試験を共同で進める。今回の契約により、エーザイはバイオジェンによる2つのAD治療剤の開発に今後参加できる。エーザイはバイオジェンから契約一時金を受け取るが、2014年3月期の業績見通しは変更しない。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
日経WEB  2014年3月5日 原文のまま
関連情報:ニュースリリース
(2014年3月5日)「エーザイ株式会社とバイオジェン・アイデック・インクがアルツハイマー型認知症治療剤に関する共同開発・共同販促契約を締結 -アルツハイマー型認知症の病態進行を抑制する薬剤創出力を強化-」
(2012年7月19日)「BACE 阻害剤 「E2609」の初めての臨床試験データがAAIC で発表される」
(2010年9月2日) 「アルツハイマー型認知症の原因とされる神経毒性を有するプロトフィブリルをターゲットとする新規モノクローナル抗体BAN2401臨床試験を開始」
編者:日本よりアメリカの方が臨床試験を行いやすいようだ。アリセプトの時もそうだったが、アリセプトのようなヒット商品は望めそうにない。

「認知症地域支援推進員、設置自治体は約1割- 厚労省調査」(3月4日/ キャリアブレイン )
国が掲げる「認知症施策推進5か年計画」の“旗振り役”として期待される「認知症地域支援推進員」を設置する自治体は、全自治体の約1割にとどまることが、厚生労働省の調査で分かった。また、都道府県の間で大きな地域格差が生じていることも明らかとなった。既に半分以上の自治体で設置済みの県がある一方、全く設置されていない県もあるという。【ただ正芳】
「認知症地域支援推進員」は、認知症疾患医療センターや医療機関、介護サービス、地域の支援機関をつなぐコーディネーターとしての役割を担う存在で、2011年に導入された。国は、国庫補助の対象とするなどして、その普及に努めてきた。
ところが、厚労省が昨年12月段階での各自治体における設置状況を調べたところ、「認知症地域支援推進員」を置いている市区町村は198で、全自治体(1742)の11.4%にとどまった。
□都道府県間で大きな“格差”も
都道府県別にみると、その設置率が管内の全市区町村の5%未満だった都道府県が7道県あった。一方、「認知症地域支援推進員」を設置する市区町村が全体の20%以上の都道府県は、9府県。最も設置率が高かったのは熊本県で、55.6%にあたる25の市町村で設置されていた。
この結果について、厚労省では「自治体別に実施状況にばらつきがあるなど、必ずしも十分な設置状況とはいえない」(認知症・虐待防止対策推進室)と指摘。14年度予算案では、「認知症地域支援推進員」の設置を地域支援事業の交付金の対象とするなどして、その普及をさらに推進する方針だ。
CBnews 2014年03月04日 原文のまま
編者:「認知症地域支援推進員」については認知症辞典を参照されたい。

「福井市が認知症対策を強化 職域越え検討委設置へ」(3月1日/中日新聞)
福井市は二〇一四年度から、認知症対策を強化する。医療、介護、福祉の専門家が連携して認知症施策検討委員会を立ち上げ、それぞれの分野の課題を把握、役割を明確化させる。早期発見・診断、適切な治療・ケアの体制も確立し、住み慣れた地域での生活を後押しする。県によると、認知症対策で職域を越えた組織づくりは「県内で聞いたことがない」としている。
検討委は年に二回、開催。医師やケアマネジャー、民生委員らが互いの取り組みを報告し、課題の解決策を検討する。かかりつけ医の認知症に対する意識をどう高めるかも考える。市介護保険課の担当者は「これまで各分野の連携がとれていなかった。役割が明確化されれば、施策確立につながる」と話す。
早期対応では、認知症初期集中支援チームの設置を予定しており、県から認知症疾患医療センターの指定を受けている松原病院(福井市)に委託する。チームは高齢者相談窓口「地域包括支援センター」の情報を基に、看護師と社会福祉士ら二人以上で高齢者宅を訪問。認知症を早期発見し、医療機関につなぐ。
本人が受診拒否する場合は会議で対策を練り、必要があれば医師が出向く。年間、五十件の訪問を見込む。
認知症カフェや認知症サポーター養成講座も実施する。市は一四年度当初予算案に、認知症対策事業として千四百万円を計上した。
市によると、認知症の疑いがある市民は一二年度末で八千四百三十八人(前年度比二百五十一人増)と、高齢化に伴い増加傾向にある。(山本洋児)
(Chunichi Web 2014 年3月1日 原文のまま

「認知症共同研究で協定 熊大病院と台湾の大学」(2月27日/熊本日日新聞)
熊本大病院(熊本市中央区本荘)は27日、台湾の国立成功大病院(台南市)と、認知症の医療・介護を中心に共同研究や人材交流を進めるための協定を結んだ。熊本大病院と海外の医療機関との交流協定は初めて。
台湾でも日本と同様に高齢化が進んでおり、認知症患者への医療や介護の充実は急務。このため、「熊本モデル」と呼ばれる医療機関の県内ネットワークを持つ熊本大病院に協力を呼び掛けた。
今後は病院・大学間で認知症治療に関する共同研究や、研究者の相互派遣などを実施。他の疾患をテーマにした交流も図る。
同日は熊本大病院で締結式があり、関係者約30人が出席。成功大病院の白明奇教授は、「台湾の認知症医療は日本よりも約20年遅れている。熊本大スタッフとの共同研究や、ケアシステムの充実、国民への啓発に取り組みたい」と協定の効果に期待を寄せた。
熊本大の池田学教授(神経精神医学)は「介護に対する家族の考え方などが似ている台湾のケアシステムを参考にしたい。互いの得意分野を生かし、交流を進めたい」と話した。(田中祥三)
くまにちコム 2014年2月27日 原文のまま

「<セカンドライフ>「認知症カフェ」 気軽に集い、患者に生きがい」(2月12日/東京新聞)
全国で約500万人とされる認知症患者。本人や家族が住みやすい地域づくりの取り組みとして、各地で「認知症カフェ」が開設されている。指針となる「ガイドライン」をつくる動きも始まった。 (三浦耕喜)
認知症カフェは、認知症の本人と家族が安心して過ごせる場として設けられる。「カフェ」を名乗るのも、気軽に集いやすい雰囲気をつくるためだ。
患者本人は社会とつながり、生きがいを感じるきっかけとなる。家族も苦労を語ることで心の支えとなる。医師やケアマネジャーなどの専門家も加われば、必要なケアを受ける入り口にもなる。
厚生労働省が二〇一二年九月に策定した認知症施策推進五カ年計画「オレンジプラン」で、認知症カフェが支援策として公式に位置付けられ、開設が相次ぐきっかけとなった。
だが、運営手法は模索段階で一定していない。「認知症の人と家族の会」が昨年三月に発表した調査報告でも、多くのカフェで人材や資金、ノウハウなどで問題を抱えていることが明らかになった。
報告では、認知症カフェの先駆けであるオランダの「アルツハイマーカフェ」や、英国の「メモリーカフェ」などで、カフェを始める上のガイドラインがある点を指摘。日本でも、質を保ちつつ各地に広げる方法としてガイドラインは有効、と提唱した。
先月二十六日には早稲田大学とNPOの共催で「認知症カフェフォーラム」が開催。カフェづくりを支援してきた大倉山記念病院(横浜市)精神科物忘れ外来の高橋正彦医師(写真右)は「実態を調査した上で、日本での在り方についてガイドラインを検討したい」との考えを示した。今後一、二年かけて検討する方針だ。
気軽さを追えば茶話会にとどまり、ケアに片寄れば場所を変えたデイサービスになりかねない。認知症カフェが有意義に機能するポイントについて、高橋氏は「本人、家族、地域住民、専門家が対等な立場で参加できる場であるとともに、個別の問題にも解決策を紹介できることが重要」と話す。
◇誰もが心軽くなる
埼玉県川越市に6日、認知症カフェ「オレンジカフェ川鶴」がオープンした。もともと、市民グループ「チームひだまり」が空き店舗を借りて地域交流カフェを開いていたところで、月1回開かれることとなった。
当日の参加者は認知症患者の家族、地域住民、社会福祉士など10人ほど。妻を世話する男性(81)の話にメモする手が止まった。「言い争いが多くなった」との話が、故郷の両親と重なったのだ。
「昔の女房とは違うと分かっているんだけど、つい言葉がきつくなってね…」と男性。記者の両親は認知症とは診断されていないが、明確な線引きがあるわけでなし。互いの老いに戸惑っている部分もあるのだろう。そんな気づきもカフェに参加すればこそ。心が軽くなるのは、本人や家族だけではないと実感した。
「女房には『ごめん』と思う。でも、ここでは言えるけど、女房には言えないんだよね」と男性。ふと、父も同じように思っているのだろうかと考えた。
Tokyo Web 2014年2月12日 原文のまま
サイト内関連記事:「社会とつながる場に 認知症カフェ、中部でも次々」(2014年2月8日) 
編者:最近、マスコミの認知症カフェへの関心が高いようだ。「認知症対策」における有効性について検証が必要だ。

「特集◎認知症は病気じゃない 
《Vol.1》プロローグ 認知症という“個性”に向き合う
《Vol.2》先達に学ぶ(1)本人にとっての「居心地よさ」を追求 きのこエスポワール病院院長 佐々木健氏」
《Vol.3》先達に学ぶ(2)悩む家族を救う“法則”を編み出す 川崎幸クリニック院長 杉山孝博氏」
《Vol.4》先達に学ぶ(3)「家から出す」ことも治療の一環 内田病院理事長 田中志子氏」
《Vol.5》早期診断の勘所 加齢による物忘れか、認知症かで迷ったら…」
《Vol.6》抗認知症薬の使い方 「進行を遅らせる薬」と説明することが不可欠」
《Vol.7》BPSD対応の基本 BPSDの原因疾患や病期を念頭に訴えの背景を探る」
《Vol.8》BPSD対応のコツ(1)まずは患者の言動を受け止めよう 大事に至る例の見極めも必要」
《Vol.9》BPSD対応のコツ(2)【物取られ妄想】介護者と離れる時間を作る」
《Vol.10》BPSD対応のコツ(3)【幻視】「見えていても危害は加えない」と説明」
《Vol.11》BPSD対応のコツ(4)【徘徊】外出を止めずに一緒に散歩を」
《Vol.12》BPSD対応のコツ(5)【過食】前頭側頭型の糖尿病患者には注意」
《Vol.13》BPSD対応のコツ(6)【危険運転】注意喚起しカルテに記入」
《Vol.14》BPSD対応のコツ(7)【薬物療法】少量×数日を心掛ける
(2月10・11・13・14・17・18・19・20・21・24・25・26・27・28日/日経メディカル)


「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.1》プロローグ 認知症という“個性”に向き合う」(2月10日/日経メディカル)
ほぼ全ての診療科の医師に、認知症と向き合うことが求められている。認知症は従来型の医療で対応できるような病気ではない。患者の病状を検査だけで把握することも、薬物だけで治すこともできない。“病気”と捉えて抑え込もうとするのではなく、患者の“個性”と捉えて本人の生活を支える視点が重要だ。
介護だけでなく、医療でも認知症をしっかり診てほしいというニーズが高まっている。産科と小児科を除けば、あらゆる診療科の医師が認知症と向き合わざるを得なくなる。しかし認知症には、検査や薬物療法だけでは生じた問題に応えられないという難しさがある。
厚生労働省の研究班によれば2012年、65歳以上の認知症患者は推計約462万人。近年では、受診患者の大半が認知症もしくは認知症疑いという医師も珍しくない。認知症の専門的な診療は他の医療機関に任せたとしても、認知症のある患者の診療は避けられない。
例えば、糖尿病を患う70歳代女性は最近、物忘れが目立つようになった。かかりつけ医は糖尿病内科が専門のため、女性は認知症の診断のために専門の医療機関を受診。その結果、アルツハイマー型認知症と診断され、介護保険で訪問介護を受けることになった。ホームヘルパーが1日3回の血糖降下薬をきちんと飲ませるようになったところ、女性は低血糖を起こし、意識障害で救急搬送された。どうやら女性は、かなり前から1日1回程度しか薬剤を服用していなかったようなのだ─。認知症のある患者への対応を知っておかなければ、自身の診療にも支障を来す。
介護に頼ってきた認知症
認知症の診療はこの20年ほどで大きく変わった。MRIなどの画像検査が手軽にできるようになったことに加え、90年代以降、レビー小体型認知症などの疾患概念が確立し、画像検査で原因疾患を突き止めることができるようになった。99年には、アルツハイマー型認知症の治療薬であるドネぺジル(商品名アリセプト)が発売され、認知症は治療の対象として認識され始める。2000年に介護保険制度がスタートすると、社会における認知症の知名度は一気に高まった。
「ただしそれ以降、認知症は医療よりも介護に大きく依存する存在となった印象だ」と熊本大神経精神医学分野教授の池田学氏(写真左上)は振り返る。認知症グループホームなどが整備され、国内の認知症ケアのレベルが上がったことなどが要因だ。ところがここに来て、認知症を医療でもしっかり診てほしいというニーズが顕在化している。
「本来、認知症を支えるには医療と介護の両輪が必要だ」と池田氏は話す。認知症の診断と治療に加え、基礎疾患の治療や服薬管理、行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)への対処、介護への橋渡しなど、医療の役割は多岐にわたり、認知症の経過とともに変遷する(図右上)。絶えず医療が必要なわけではないが、かかりつけ医はいつでもアクセスできる相談先であり、入院につながるセーフティネットとしての役割も持つ。
厚労省は認知症を地域で診る方針を打ち出してきた。13年度から始まった「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」では、早期診断や早期対応、介護との連携などが図れるよう、「かかりつけ医認知症対応力向上研修」や「認知症サポート医養成講座」の受講者を増やしたり、診断や急性症状への対応などを手掛ける「認知症疾患医療センター」の更なる整備を進める(図右下)。
14年4月の診療報酬改定では、「診療所型」の認知症疾患医療センターを新たに設けるほか、認知症や高血圧、糖尿病といった複数の慢性疾患を持つ患者の主治医機能を評価する加算などを新設する方向だ。認知症の診断や深刻な急性症状への対応などは別として、産科と小児科を除けば、あらゆる診療科の医師に認知症の患者や家族と向き合うことが求められる。
薬物だけでは治療できず
もっとも、認知症は認知機能や遂行機能が低下して、日常生活や社会生活に支障を来す病態だ。検査だけで病状を把握したり、薬物だけで症状を治すことはできない。グループホームなどの運営を手掛け、全国訪問看護事業協会事務局長を務める宮崎和加子氏(写真左中)は、「夜眠れなければ睡眠薬、暴力を振るうから向精神薬など、家族の訴えだけを聞いて薬剤だけ処方されるケースは多い。その結果、薬剤の影響で一日中ぼーっとしてしまう人もいる。本人が生活していく上で医療は欠かせない。しかし、安易に薬剤を使うのはやめてほしい」と指摘する。
国内初の認知症専門病院を作ったきのこエスポアール病院(岡山県笠岡市)院長の佐々木健氏(写真左下)は「個々の患者にはそれぞれ個性があり、暴力を振るったり徘徊をすれば、そこにはそれぞれに理由がある。認知症患者だからと一括りにするのではなく、個々人が生活を続けていけるよう助けるのが私たちの仕事だ」と話す。
認知症は、いわば患者の“個性”のようなもの。“病気”と捉えて抑え込もうとするのではなく、“個性”と捉えて生活を支えることが重要だ。認知症の診療とは、医師がその“個性”に向き合うことでもあるのだ。
では一体、医師はどのように認知症の患者と関わればいいのか。まずは長年、認知症診療を手掛けてきた3人の医師の診療現場を見てみよう。久保田文=日経メディカル
日経メディカル 2014年2月1日 原文のまま
編者:私も一度インタビューを受けたことがあるNMの優れた記者の記事として紹介する。

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.2》先達に学ぶ(1)本人にとっての「居心地よさ」を追求 きのこエスポワール病院院長 佐々木健氏」(2月12日/日経メディカル)
認知症という“個性”を持つ患者に対して、医師はどのように関わるべきか─。認知症専門病院や家族会、慢性期病院で患者や家族と長年向き合ってきた先達たちがいる。3人の医師に、認知症の患者と向き合うための秘訣を明かしてもらった(文中敬称略)。
 「ええの、着とるのう。正月はどうしてた?」
 「家にいた……」
今年1月、岡山県の西南部、笠岡市にあるきのこエスポアール病院の外来診察室。院長の佐々木は大きな声で、認知症の80歳代女性に話し掛けていた。同行の息子によれば、広島の実家から女性の姉が遊びに来たという。カルテを見ながら佐々木が、実家のある町について話を振ると、女性はうれしそうに昔話を始めた。ひとしきり会話が続いた後、佐々木は女性に切り出した。
 「今嫌なこと、困ってることはないか?」
 「すぐ、忘れる……」
 「それは不自由か?」
 「不自由では……ないなあ」
 「そうかあ。僕も、新しいことは覚えなくてもええと思うよ」
佐々木が気楽に放った一言で、診察室は笑いに包まれた。
受診前のテストの結果、患者の認知機能は以前より低下していた。しかし佐々木は、「本人の気持ちも落ち着いて、物忘れとも折り合いがついている」と判断。自身の考えを居残った家族に説明し、使っていた抗認知症薬を継続することにした。
「外来では、認知症の本人が何を思っているのかをよく聞いて、気持ちよく通ってもらうことを心掛けている」と佐々木は話す。数多くの認知症患者と付き合う中で、どれだけ認知症が進行しても患者はそれぞれに悩んだり、考えたりしながら生きていると感じてきた。「だから、短時間の外来でも、それぞれの性格や家族関係、価値観を理解しながら良い人間関係を作って、本人に楽しく過ごしてほしい」と佐々木は話す。その根底には、認知症の患者との関わり方を長年問い続けてきた佐々木なりの考えがある。
「徘徊する患者はどこに?」
きのこエスポアール病院は1984年、国内初の認知症専門の精神科病院として誕生した。認知症は当時、器質性の精神疾患と捉えられており、入院しても劣悪な環境下に置かれて“派手な”BPSDを呈する患者が多かった。同院を開設した佐々木は当初、BPSDを短期でコントロールするのが自分の役目と考えた。BPSDを示す入院患者に対しては向精神薬を投与したり、徘徊する患者に対しては、佐々木の発案で院内に設置した回廊式廊下を歩いてもらったりした。しかし半年余りで、向精神薬による薬物療法の限界に気づく。当時、認知症への効果が期待されていた脳循環代謝改善薬を使ってもみたが、手応えは感じなかった。
試行錯誤を繰り返していた佐々木の考え方が根底から変わったのは1995年。スウェーデンを訪れ、現地の認知症ケアを視察したことがきっかけだ。病院であれグループホームであれ、スウェーデンでは認知症の人が思い思いの装いでコーヒーを飲んだり、タバコを吸ったりと普通に暮らしていた。徘徊する患者はどこにもおらず、「重症の患者はどこかに隠しているのではないか」と疑ったほどだった。
個々人が安心できる、居心地のいい空間を作れば、こんなにも落ち着くのか─。スウェーデンの認知症ケアに触れ、佐々木は自分たちのやってきたことが間違いだったと実感した。これまでは、認知症患者を「特殊な人」として一括りにし、認知機能向上の訓練やリハビリ、薬物療法を行っていた。しかし患者にはそれぞれ個性があり、徘徊するのにもそれぞれに理由があるはずだ。
よく考えてみると、認知機能向上の訓練も回廊式廊下での徘徊も、決して本人のためではなく、どれも家族や職員が困らないようにするためにやっていたのではなかったか。そもそも認知症の患者は「生活を続けていこうとする人」であり、彼らが望んでいるのは、普通の生活を続けることなのではないだろうか。「個々人の生活をもっと大切にし、本人が普通の生活を続けていけるよう助けるのが私たちの仕事なのでは、と考えるようになった」と佐々木は振り返る。
終末期の関わり方も模索
そして2000年前後から、同病院や関連の老人保健施設などは徐々に生活空間として生まれ変わった。病室を区切ってユニットに分け、ユニットごとに台所とリビングを設けて、生活感のある空間にしつらえた。少人数のユニットごとに職員を固定し、住み心地がいいと感じられるように、インテリアも各ユニットの職員が自由にコーディネートできるようにした。
すると、ある患者は尿意を催すとイライラして徘徊し、別の患者は便秘でも5日目には便通があることなど、職員が一人ひとりの患者についてよく理解できるようになった。佐々木は、「あえて言うなら生活療法。向精神薬を極力減らし、ケアと抗認知症薬を基本にしたが、次第にBPSDはなくなった」と振り返る。
施設であれ病棟であれ外来であれ、大切なのは認知症の個々人が居心地いいと思える空間を作ることだ─。佐々木は今、終末期にある認知症患者にも何らかの働きかけができないかと考え、研修を受けた作業療法士や介護士によるタクティールタッチを試み始めた。タクティールタッチはスウェーデン発祥のマッサージの一種で、手を患者の身体に優しく置いたり撫でたりし、不安や筋緊張などの緩和を図る手法だ。
認知症は長い経過の末に、やがて寝たきりになり、最期を迎える。「診断された患者を最期まで診ることが認知症の医療だと思う。その中で、いかに最期までいい関わりができるかを模索し続けていきたい」と佐々木は話している。
佐々木氏の認知症との関わり方
○普通の生活を続けることを助ける
○病棟でも外来でも本人の居心地よさを重視する
○軽度の時期から終末期まで関わる
日経メディカル 2014年2月12日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.3》先達に学ぶ(2)悩む家族を救う“法則”を編み出す 川崎幸クリニック院長 杉山孝博氏」(2月13日/日経メディカル)
時々しか会わない親戚にはしっかりした態度で話すのに、身近で世話する家族には非難の言葉ばかり浴びせるという認知症患者は少なくない。こうしたケースでは家族が辛い思いをし、介護を続けるのも苦しくなる。家族のそうした戸惑いは、患者を不安にさせ、BPSDは一層激しさを増すという悪循環に陥る。
川崎幸クリニック院長の杉山(写真右)は、戸惑う家族に対し、認知症の患者のこうした行動は、乳幼児と同様だと、次のように家族に説明する。「小さい子は母親には甘えても、父親や他人にはそうした態度を取らないもの。それは、母親を絶対的に信頼しているから。認知症患者も同じで、嫁でもヘルパーでも、最も身近な介護者に強い症状を出すのではないだろうか。実際私たちだって、他人にはよそ行きの振る舞いをするのに、家族にはぞんざいな態度をとりがちだ。だから、たまに会う親戚にしっかりした態度を見せるのは、当たり前のことなのではないかと思う」─。
自分を責め患者を隠す家族たち
これは、杉山が独自に作った“法則”の1つ。認知症の症状は、身近な人に対してより強く出るという「症状の出現強度に関する法則」だ。この法則を説明すると、家族は「今後も介護を続けよう」という気になる。「薬や検査は認知症の医療のごく一部。そもそも画像検査の結果をいくら説明されても家族の悩みが消えるわけではない。重要なのは、患者の生活について聞きながら、合点のいく説明をして、家族にどうすればいいか分かってもらうことだ」と杉山は話す。
1981年、知り合いの医師から請われ、発足したばかりの「呆け老人をかかえる家族の会」(現在は「認知症の人と家族の会」)の神奈川県支部を立ち上げる手伝いをすることになった。杉山は当時、認知症の患者をそう多く診ているわけではなかったが、「医学的なアドバイスをすればいいのかな」ぐらいの気持ちで家族の会の集いに出向いたという。しかし杉山が目にしたのは、認知症患者の振る舞いを理解できず、ただ悩み、苦しんでいる家族の現実だった。
「痴呆」や「ボケ」と呼ばれていた当時、認知症は疾患として認識されていなかった。BPSDも、夜中に騒いだり失禁したり、徘徊したりするボケ老人の異常な行動として理解されていた。原因も分からず、「じいさんがボケたのは嫁のせいだ」というような言われよう。自分を責め、世間の目が向かないように患者を隠す家族が多くいた。
患者の言動が理解できないために家族は混乱し、介護の仕方も分からなくなる。もしその言動に納得できれば、家族はもっと楽に介護できるのではないか─。そう感じた杉山は、多くの家族の声を聞くうちに、患者の言動に共通の特徴があることに気づく。
あえて“法則”と名付ける
家族の会に関わり始めてから数年後、杉山は発見した共通の特徴を1つずつ法則としてまとめ、講演などで家族に説明し始めた。あえて法則と名付けたのは、普遍性を強調することで、家族がより受け止めやすくなるだろうと期待してのことだ。「レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症の初期の患者などで、必ずしも当てはまらない法則もあるが、ある程度進行すれば、どの認知症にも同様に当てはまるものだ」と杉山は言う。
杉山の示した「法則」を聞き、家族は「その通りだ」と一様に納得した。家族が納得したのは、杉山が提示した法則が「現象」として目の前の患者に合致したからだけではない。どの法則も、仮に認知機能が低下したら、自分にも当てはまるだろうと思われたからだ。「自分のこととして共感できなければ、家族は『分かった』と感じられない。でも一度共感し納得できれば、それからは強い気持ちで介護できるようになる」と杉山は語る。
当初、5つから始まった法則は何度も改訂を繰り返し、09年には「9大法則・1原則」になった(表1)。杉山は外来や訪問診療で認知症と診断された患者の家族に対し法則を説き、300円のパンフレットを購入してもらう。有料とするのは、印刷代などの意味もあるが、「真剣に読んでもらえるから」(杉山)という理由が大きい。
杉山の法則はこれまで、書籍やパンフレットなどの形で、100万人近い患者家族や医療介護関係者に利用されている。地方で行われた講演会の後、「9大法則・1原則」(右)が載った書籍をボロボロになるまで読んだという認知症患者の家族が駆け寄ってきて、感謝されたこともある。杉山の法則は、患者家族の苦しみを和らげる何よりの“治療薬”となっている。
杉山氏の認知症との関わり方
○治療薬や検査は認知症医療のごく一部に過ぎない
○生活上の悩みを聞き、必要な対応を家族に説明する
○家族に自分のこととして「共感」してもらう
日経メディカル 2014年2月13日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.4》先達に学ぶ(3)「家から出す」ことも治療の一環 内田病院理事長 田中志子氏」(2月14日/日経メディカル)
近年、世界の認知症ケアの基本となっているのが、「パーソン・センタード・ケア」と呼ばれる考え方だ。一律のケアを流れ作業のように提供するのではなく、ケアに当たってその人の個性や価値観を尊重しようという理念であり、1990年代に英国の社会心理学者によって提唱された。
身体拘束を解いて回る日々
内田病院理事長の田中は当初、パーソン・センタード・ケアの理念を頭では理解していた。しかしある時からそれを、体感的に理解できるようになったという。現在田中は、この理念を「自分がされたくないことはしない」と解釈し、加えて「本人がどうしたいかに耳を傾けること」だと考えている。だから、通常の診療で患者に聞くのは、「今、気持ちいい?」と「どうしたいですか?」の2つ。これまで田中が実践してきたケアもそれと同様で、患者がされたくないことを止め、患者が楽しめることを増やすという極めてシンプルなものだ。
結婚を機に医局を出た田中は95年、父親が理事長を務めていた内田病院に勤め始めた。その実家の病院で、一般病床や老人保健施設の認知症専門棟に入院していた高齢者の多くが点滴などのために身体拘束されている光景を目にする。当時同院は、有床診療所から病院と老健へ転換したばかり。外科医の父親は手術や当直で手一杯で、病棟管理もスタッフ教育もおざなりだった。
「これは間違っている」と考えた田中は、その日からひたすら拘束を解いて回った。しかし夕方病棟を回ると患者は再び拘束されている。多くの看護師にとっては、拘束するのが当たり前になっていた。拘束を見つけては解き、見つけては解きという看護師とのいたちごっこは半年ほど続いた。
そんな時だ。認知症を患い、気力も全く感じられなかった女性患者の拘束をいつものように解いていたところ、患者と目が合い、小さな声で「ありがとうね」と言われたのだ。これまで重度の認知症患者が、こんな風に能動的に振る舞えるとは考えておらず、田中は自分の思い違いに気づく。注意して見てみると、多くの患者と目が合った。田中はその時、働きかけが人を変えられるかもしれないと感じた。
ちょうど同じころ、糖尿病で認知症の女性が入院することになった。女性と同居していた夫が持病で別の病院に入院することになり、女性一人では火の始末が不安と考えられたからだ。女性には「糖尿病が悪くなったから入院しましょう」と説明していたが、血糖コントロールに問題はなかった。いわゆる社会的入院だ。ところが病院に来るなり女性は、「嘘つき! この前、どこも悪くないと言ったじゃないか!いろんなことが分からなくなっていく不安な気持ちが、あんたには分からないでしょう!」と叫んだのだ。認知症患者には病識がないと考えていた田中は、女性の言葉に驚いた。
「なぜ家に帰りたかったのか、何が不安だったのか、あの時もっと聞いていれば、何かができたかもしれない。きっと居心地が悪かったんだと思う。でも、多くの認知症患者との出会いを通じ、『やればやるだけ良くなる』と確信して認知症のケアにのめり込んだ」と田中は振り返る。
縛らない看護を実践する看護師がいると聞けば、病院に招いて勉強会を開催し、全ての患者の拘束が解けるようになった。ベッドから落ちてしまう患者には畳を敷き、布団で寝てもらえるようにした。黒いドロドロしたミキサー食を目にすれば、新聞に載っていた管理栄養士に連絡を付けてソフト食の導入を試みた。
実物を触ったり食べたりしながら絵を描くアートセラピーが認知症に良いと聞けば、自ら協会に出向いて体験し、通所リハビリのメニューに取り入れた。「あれこれ取り組むうちに人脈も広がった。パーソン・センタード・ケアをはじめとする認知症のケアの知識や技術も豊富になり、分かったつもりになっていた」(田中)。
パチンコ台も野菜栽培も治療
しかし03年、ある認知症の研修で田中は、「ディメンシア・ケア・マッピング」に出会い、知識としては理解していたパーソン・センタード・ケアが、現実には実践できていなかったと思い知る。ディメンシア・ケア・マッピングとは、研修を受けた観察記録者が認知症の人の視点に立って様々なケアを客観的に記録し、その結果をフィードバックしてケアを改善する手法のこと。「実際に行ったケアを記録してみると、自分たちは良かれと思って押し付けるばかりで、認知症の人の意向や気持ちを汲んでいなかったと反省した」(田中)。パーソン・センタード・ケアについて、冒頭の解釈が出来上がったのはこの頃のことだ。
最近、田中の視点は個々の患者から地域へと広がりつつある。病院や訪問診療、介護施設、グループホームなどで認知症患者に関わるだけでなく、認知症が重症化する前の患者を自宅に訪ねる取り組みに注力。患者の中には無気力になり、医療機関への受診を拒んだり、通所リハビリやデイサービスの利用を渋ったりする人が少なくない。しかし、家にこもりきりになると、認知機能だけでなくADLも徐々に低下してしまう。
そうした患者を家から出すことも、治療の一環だ。通所リハに来たがらない患者がパチンコ好きだと聞けば施設内の一室にパチンコ台(記事冒頭写真)を置き、認知症患者の多くが兼業農家だったと気付けば病院の脇に200坪程度の畑を設けて本格的な野菜栽培を始める。関連法人でトレーニングセンターを立ち上げ、高齢者の介護予防に役立てる取り組みも始めた。若いスタッフは、野菜の栽培法を伝授してもらったり、体力作りをサポートしたりして、高齢者と交流するようになった。
「高齢者がやりがいを感じながら社会参加できる機会を作ることは、誰が認知症になっても支えられる地域を作ることでもある」と田中は話す。もはやその活動は、医療や介護の枠だけに収まらなくなりつつある。
田中氏の認知症との関わり方
○自分がされたくないことはしない
○本人が「できること」「したいこと」に応える
○認知症の人が普通に社会参加できる地域を作る
日経メディカル 2014年2月14日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.5》早期診断の勘所 加齢による物忘れか、認知症かで迷ったら…」(2月17日/日経メディカル)
最近物忘れが目立つという60歳代の男性が近医を受診した。以前より無気力になったものの、明らかな生活障害は認められない。長谷川式簡易知能評価スケール(20点以下で認知症疑い)は19点で、認知機能が著しく低下しているわけでもない。CT検査でも異常は見つからない。果たして認知症だろうか──。
鑑別に挙がる慢性硬膜下血腫や急性期脳梗塞、うつ病などを否定できてもなお、認知症かどうかを判断できない症例は存在する。八千代病院(愛知県安城市)神経内科部長の川畑信也氏(写真)は「徘徊や食べたことを忘れているなど、明らかな生活障害などがあれば認知症の診断はそう難しくない。しかし早期の場合、アルツハイマー型認知症と加齢に伴う物忘れは症状が似通っている」と話す。アルツハイマー型認知症では、本人の病識が薄かったり、深刻に捉えていなかったりする傾向が、加齢に伴う物忘れでは本人が必要以上に心配する傾向があるため、中には自覚の有無が診断の手掛かりになることもある。ただし、認知機能がさらに低下したり、生活障害が出てきたりしてからでないと、診断が付かないケースがあるのも実情だ。
無理にその場で診断しない
「患者や家族がおかしいと思っているのであれば、『歳のせいだから大丈夫』で片付けてしまうのは危険だ。こうした症例に出会った場合は無理にその場で診断せず、患者や家族に現在の病状を説明した上で、経過観察してほしい」と川畑氏は話す。経過観察の後に認知症だと把握できれば、早くから介護との連携を図ったり、本人や家族に認知症について理解してもらい、BPSDを防ぐために事前に手を打つこともできる。
早期で診断に迷う症例には、どう対処すればいいのか。具体的には、アルツハイマー型認知症と加齢に伴う物忘れの区別が現時点では難しいことを伝えた上で、診断を下すために経過を見ることの重要性を説明。経過を見た後で、「結局はアルツハイマー型認知症だった」となることも考え、川畑氏は「副作用に注意した上で、前もって抗認知症薬の投与を始めるのも選択肢だ」と話す。仮に薬剤を投与しない場合でも、半年から1年後に再び受診してもらい、認知機能や生活障害の有無を確認することが必要だ。
中には、専門的な認知機能検査、MRI、脳血流SPECT検査などから診断が付く症例もあるので、専門の医療機関への紹介も考慮したい。阪大精神医学分野講師の数井裕光氏は「最近では、物忘れの性質や認知機能検査、画像検査などの結果から、認知症に至っていないアルツハイマー病と診断される例もある」と話している。
日経メディカル 2014年2月17日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.6》抗認知症薬の使い方 「進行を遅らせる薬」と説明することが不可欠」(2月18日/日経メディカル)
アルツハイマー型認知症に対しては現在、3種類のコリンエステラーゼ阻害薬と、1種類のNMDA受容体拮抗薬が使用できる。認知症の患者に対し、多くの医師が経験的に実施しているのが、自発性の低下や意欲の減退、無関心が見られる“おとなしいタイプ”にはまずコリンエステラーゼ阻害薬を、易怒性や興奮が目立つ“活発なタイプ”にはまずNMDA受容体拮抗薬であるメマンチン(商品名メマリー)を投与するという使い分けだ(図:患者のタイプに応じた抗認知症薬の使い分け(川畑氏による))。「認知機能の低下を抑えることに加え、コリンエステラーゼ阻害薬には行動や感情、言動の活発化が、メマンチンには易怒性などの安定化が期待できる」と八千代病院(愛知県安城市)神経内科部長の川畑信也氏は話す。
介護者の事情、患者の服薬状況などによっては、1日1回投与の薬剤、錠剤以外の貼付剤やゼリー剤、液剤などを選ぶことになる。「いずれも少量から開始し、消化器系の副作用などが出ないかどうか、投与開始後に確認することが欠かせない」と川畑氏。貼付剤の使用部位に発疹やかぶれを認める場合は、ローションで保湿後に貼付したり、ステロイドの外用薬を使うなどの対応が必要だ。
なお、抗認知症薬は、高血圧や糖尿病の治療薬のように効果が明確には分かりにくい。十分な説明をせずに投与すると、「認知症が治るのではないか」と患者や家族に過剰な期待を与えてしまったり、効果が実感できないからと勝手に服用をやめてしまうリスクもある。川畑氏は「投与に当たっては、認知症を治すのではなく、あくまで認知機能低下の進行を遅らせる薬だと説明することが重要だ」と話す。
また、大井戸診療所の大澤氏は、「抗認知症薬をいつまで続けるかも考えるべき」と指摘する。現在、高度のアルツハイマー型認知症に投与できるのは、ドネぺジル(アリセプト他)とメマンチンの2つ。投与をやめる時期について明確な線引きがあるわけではないが、「画像上で脳の萎縮が相当程度進んだとき」「車いすになったとき」「寝たきりになったとき」「食べられなくなったとき」などで、家族の同意が得られれば投与を中止するケースがあるようだ。今後は、投与中止の時期についても考えつつ、治療薬の投与を行う必要があるだろう。
日経メディカル 2014年2月18日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.7》BPSD対応の基本 BPSDの原因疾患や病期を念頭に訴えの背景を探る」(2月19日/日経メディカル)
根治療法がない中、医師に求められるのは本人や家族が悩み苦しむBPSDへの対応だ。レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症など、疾患によって出やすいBPSDは異なる。個々の患者の言動には理由があり、様々な視点でその背景をひも解くことが重要だ。
認知症という診断が付いて抗認知症薬などが処方されても、今のところ根治は期待できない。熊本大神経精神医学分野教授の池田学氏は「根治療法がない中で、本人や家族が最も悩み苦しむのがBPSDであり、その対応に医療が求められている」と話す。認知症と向き合う以上、BPSDは避けて通れず、その対応は患者の予後を左右する。「家族にしっかり病態を理解してもらい医師がタイムリーにサポートできるかどうかで、介護施設への入所の時期も大きく違う。認知機能が低下するスピードが遅くなるというエビデンスも多い」と池田氏は話す。
初期の無為・無関心にも介入を
認知症診療においては、「原因疾患をきちんと診断した上で、それぞれの認知症の典型的な経過や疾患別のBPSDの特徴を押さえることが重要だ」と阪大精神医学分野講師の数井裕光氏(写真左上)は話す。認知症の原因疾患には様々あるが、頻度が高いのは順に、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症(ピック病)だ。血管性認知症は脳梗塞や脳出血の部位によって症状が異なり、レビー小体型認知症は認知機能の変動や幻視、パーキンソン症状を特徴とする。前頭側頭型認知症は、性格変化や周囲への配慮に欠けた行動などが目立つ認知症だ。
原因疾患の特定は、治療薬の選択だけでなく、BPSDを防いだり治したりするのにも役に立つ。これまでの研究から、原因疾患に応じて出やすいBPSDが異なることが分かっている。1999年、数井氏らが所属していた兵庫県立高齢者脳機能研究センター(現在:兵庫県立姫路循環器病センター)で、入院した認知症患者のBPSDを調べたところアルツハイマー型認知症では妄想やうつ、易刺激性が起きやすく、レビー小体型認知症では妄想や幻覚が生じやすいと分かった(図右上:原因疾患別に見られたBPSDの頻度 95年8月から98年3月に兵庫県立高齢者脳機能研究センターに入院した認知症患者が示したBPSDの頻度。対象は240人のアルツハイマー型認知症、23人のレビー小体型認知症、24人の前頭側頭型認知症。(出典:J Neuropsychiatry Clin Neurosci 1999;11:498-503.))。
BPSDは原因疾患だけでなく病期によっても表れやすさが異なることから、原因疾患と病期に応じて家族教育を実施し、BPSDに対応することが有用だ。例えば軽度から中等度のアルツハイマー型認知症では、物盗られ妄想を含む妄想が目立ちやすい。「あらかじめ妄想が起きる可能性や対処法(特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.9》BPSD対応のコツ(2)「【物取られ妄想】介護者と離れる時間を作る」)を伝えておき、家族が適切に対応できればBPSDはほとんど問題にならない」(数井氏)。
唯一、いずれの疾患にも高頻度で認められるのが、無為・無関心(アパシー)だ。「無為・無関心は初期の認知症患者の多くに見られるが、初期の段階では介護者に大きな負担が掛からないことからあまり注目されていない」と熊本大の池田氏は指摘する。しかしそのまま放置すると、意欲や感覚機能の低下を起こし、本人も張り合いをなくしてADLの低下を招くという悪循環に陥る。「無為・無作為に対しては、家族の協力を得て家庭内での役割づくりやデイサービスなどを勧めることが肝心だ」と池田氏。もっとも、無為・無作為はうつとの鑑別を要することもあり、必要に応じて専門の医療機関に紹介することも考慮したい。
一般的にはどの認知症でも中期以降にBPSDが目立つようになり、思い悩む家族が増える。しかしさらに認知症が進行すると、BPSDは軽減していくことが多い。「中期の激しいBPSDに疲労困憊している家族には、『今が最も顕著な時期であり、悲しいことではありますが、認知症が進行するとBPSDは軽減します』と説明すると家族に、もう少し頑張ろうという意欲がわき、現状を受け入れやすくなることがある」と数井氏は言う。
BPSDだけでなく、本人の病識(認知機能などが低下していることの自覚)も原因疾患や病期によって傾向がある。「アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、血管性認知症では、初期は病識が比較的保たれ、進行するとともに薄れていく。一方、前頭側頭型認知症は初期から病識の障害が強いことが多い」(数井氏)。
群馬大リハビリテーション学講座教授の山口晴保氏(写真左中)「らは、軽度認知障害、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症患者と、その家族を対象に11項目の質問に答えてもらい、患者の認知機能低下や遂行機能障害の程度を評価(表:認知症の初期症状11質問票)。患者と家族の評価結果を比較したところ、認知症が進行するほど、患者の病識が低下することが明らかになった(図右下:アルツハイマー型認知症の病期と病識の程度 13人のMCI、73人の軽度、21人の中等度アルツハイマー型認知症患者とその家族に質問(表)に答えてもらい、評価結果を点数化して比較。患者の自覚と家族の認識には差があり、進行するほど患者の病識が低下すると分かった。(出典:Dement Geriatr Cogn Dis Extra 2013;3:351-59.))。山口氏は「病識が低下して自己の能力を過大評価するのがアルツハイマー型認知症の特徴。こうした認知症の本質を家族が理解できないと、本人の振る舞いで家族との軋轢が生まれる」と指摘する。
山口氏は必要に応じ、質問の結果を家族に見せる。すると家族は患者の自己評価の高さを理解し、失敗をいちいち指摘しないようになる。「初期の段階から本人への接し方を分かってもらい、失敗を指摘せずに笑顔で接してBPSDの予防を図ることが重要。本人に日常生活で役割を持ってもらうなど、家庭で工夫をしてもらうきっかけにもなる」と山口氏は話す。
患者や家族の不安も意識
そもそもBPSDは、原因疾患そのものに加え、心理状態、生活環境、社会環境、本人の性格など様々な要因が絡み合って起きる。かつては様々な誤解があったものの、今ではBPSDの背景には何らかの理由があると考えられるようになった。大井戸診療所(群馬県伊勢崎市)理事長の大澤誠氏(写真左下)は「BPSDの背景を様々な視点でひも解くことが診療そのものだ」と話す。
様々な視点とは、原因疾患や病期、本人の快・不快(したいこと、したくないこと)、本人の職業歴や趣味、人間関係、生活環境、身体状態、服薬状況などなど。家族から「怒りっぽくなった」という訴えがあれば、それがいつからどのような時に起きるのかを踏まえ、どこかに理由があるのではと探る。その結果、便秘であったり、家族の態度であったり、生活リズムであったりといったBPSDが生じる要因に思い当たれば、薬剤を減らしたり、本人への接し方を工夫したり、介護サービスの利用を考えたりする。状況によっては入院に至るケースもある。ただ、「医師は本人の暮らしを直接見ているわけではない。家族や介護者にモニタリングの重要性を分かってもらい、診療時には本人にも家族にもよく話を聞くことが大切だ」(大澤氏)。
診療に当たっては、患者や家族に不安感を与えないことも求められる。認知症患者は、慣れない環境や人間関係で症状が悪化することがある上、患者や家族の心理状態がBPSDに結びつくことも少なくない。数井氏は、「BPSDの根底には、患者本人の不安があると思う。たとえ患者に理解の障害があり、言語での意思疎通が難しくても、初診時から『ずっと支えます』『安心してください』というメッセージを医師が言葉や態度で伝えることが肝心だ」と話している。
日経メディカル 2014年2月19日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.8》BPSD対応のコツ(1)まずは患者の言動を受け止めよう 大事に至る例の見極めも必要」(2月20日/日経メディカル)
BPSDに薬物療法を行う前に、まずは身体合併症や薬剤の影響を疑うことが大切だ。物盗られ妄想や幻視、徘徊など原因疾患によっては薬物を使わずに対応するコツがある。糖尿病患者の過食や自動車運転は、大事に至る可能性もあるので注意が必要だ。
妄想や幻視、暴力、抑うつといった認知症患者のBPSDに対して医師は、どのように対応すればいいのだろうか。アルツハイマー型認知症の物盗られ妄想や前頭側頭型認知症の周遊など、原因疾患や症状によっては対処法がある程度決まっているものもある。ただ、そうした対処法が奏功しなかったり、症状の背景が分からない場合は、薬物療法も選択肢となる。
BPSDに薬物療法を行うに当たっては、身体合併症や服用中の薬剤の影響をチェックすることが欠かせない(表:薬物療法を進める前のチェックポイント(「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」から一部抜粋)。2013年7月、厚労省は「かかりつけ医のためのBPSDに対応する向精神薬使用ガイドライン」を発表した。ガイドラインの作成に当たっては、日本認知症ケア学会(事業担当者は理事長の本間昭氏)がかかりつけ医を対象とした向精神薬の使用実態調査を実施。調査では、かかりつけ医が広く向精神薬を投与している実態が判明した。そのためガイドラインでは、「BPSDには非薬物的介入が第一選択」という原則が強調されている。
薬剤がBPSDの原因の場合も
そもそもBPSDの中には、具体的な理由が存在したり、身体合併症や薬剤によって引き起こされているものがある。いつからどのような状況でBPSDが起きたのか、生活環境や家族との人間関係を踏まえた上で、患者や家族の話をしっかり聞くことを忘れないようにしたい。「便秘や抗菌薬投与時の下痢などの不快感をうまく伝えられず、易怒的になったり、落ち着きがなくなるケースは少なくない。発熱や頭痛のしんどさから、不活発になる場合もある」と阪大精神医学分野講師の数井裕光氏は話す。既往歴や腹部の触診などで身体合併症がないかどうかを見落とさないようにすることが肝心だ。
薬剤によってせん妄やBPSDが生じたり、悪化したりすることも知られている。特に認知症患者には高齢者が多く、複数の薬剤を投与されている例がほとんど。熊本大神経精神医学分野教授の池田学氏は「せん妄やBPSDで紹介されてくる患者の半数以上で薬剤を整理している。すると何割かはそれだけで良くなる」と話す。せん妄やBPSDを引き起こしたり悪化させる薬剤として知られているのは、抗パーキンソン薬、抗不安薬、睡眠薬、抗うつ薬、H2受容体拮抗薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド、抗アレルギー薬、抗コリン薬など。
BPSDの原因が薬剤である可能性も念頭に個々の薬剤を疑う視点を持っておきたい。「便秘などの持病、患者の家族関係や生活環境などについては、かかりつけ医こそよく把握している。BPSDに対して薬剤を投与する前に、身体合併症の有無や薬剤の影響などについて、必ず一度は疑ってほしい」と池田氏は話している。
日経メディカル 2014年2月20日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.9》BPSD対応のコツ(2)【物取られ妄想】介護者と離れる時間を作る」(2月21日/日経メディカル)
軽度から中等度のアルツハイマー型認知症でよく見られるBPSDが物盗られ妄想だ。女性患者が、嫁やヘルパーなど身近な介護者に財布や通帳を盗まれたと訴えるケースが多い。
物盗られ妄想の出現メカニズムは、どのようなものなのだろうか。アルツハイマー型認知症患者では認知機能障害により、財布や通帳の場所、自分の置かれた状況、対人関係などについて正確な情報が把握できなくなる。
加えて、認知機能障害で日常生活は失敗の連続となり、自信を喪失して不安や緊張が増大。これまで自分が金銭管理をしていたといった自負がある一方で、介護される負い目や、立場が逆転した変化なども感じている。「不正確で断片的な情報を用いて整合性を取ろうとするものの、不安や負い目などが影響して、さらに判断を狂わせる。その結果、物盗られ妄想が生まれるのではないか」と阪大精神医学分野講師の数井裕光氏は話す。
では、どうすればいいのか。介護者に求められるのは妄想発言を否定せず、患者の言葉や不安な気持ちを受け止めて和らげる態度。その際、「そう感じるのですね」という相づちが有効だ。見つからないものを一緒に探すと落ち着くこともある。ただしその場合、患者に見付けてもらうのは良いが、介護者自身が見つけてしまうと更なる誤解を生むことにつながる。不安を払拭し、安心感を持ってもらうため、日常でできる役割を担ってもらうことも大切だ。こうした対応でも解決しない場合は、日中にデイケアやデイサービスに通うなど、介護者と離れる時間を作ることも考える。
「ちなみに欧米では、物盗られ妄想の出現率に性差は見られない」と熊本大神経精神医学分野教授の池田学氏は話す。欧米では高齢になっても男女が別々に金銭管理しているのに対し、国内の高齢者では今のところ女性が金銭管理している場合が多く、社会的背景が性差につながっていると考えられている。池田氏は、「家事や金銭管理を男女で分担するのが当たり前の世代が高齢者になる時代には、性差が見られなくなる可能性が高い」と話している。
日経メディカル 2014年2月21日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.10》BPSD対応のコツ(3)【幻視】「見えていても危害は加えない」と説明」(2月24日/日経メディカル)
存在しないものが見える幻視、見間違いによって起きる錯視は、レビー小体型認知症の初期から見られるBPSDの1つ。明確な原因は不明だが幻視では子どもや動物、幽霊が見えたり、錯視では壁のシミやカーテンが人の顔や動物に見えたりすることが多い。患者は、「見えている人や動物が自分を襲ってくるのでは」と恐れている場合が多いようだ。
幻視は、本人にとっては実際に見えているものなので、むやみに否定せず、介護者は訴えを受け止めることが重要だ。不安が強く、興奮が見られるような場合は、介護者が見えている幻視を追い払うふりをしたり、「薬をまいたから大丈夫ですよ」と答えたり、実際に無害な消臭スプレーを使うことも考えられる。幻視は暗いところで見えやすいため、照明を付けたり部屋を明るくする手もある。
加えて診療時には医師が、「脳の具合が悪いので人や動物が見えているように感じますが、あなたに危害を加えることはありません」と繰り返し説明することが効果的だ。
「レビー小体型認知症の患者は、記憶障害が比較的軽度であるため、繰り返し説明すれば覚えてもらえる」と阪大精神医学分野講師の数井裕光氏は話す。多くの場合、幻視に音は伴っておらず、「音が聞こえないのは、視覚認知の異常だからです」と説明すると、患者により納得してもらいやすい。錯視は、それを誘発する原因となっている壁のシミや雑音などを取り除くことが有効だ。
日経メディカル 2014年2月24日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.11》BPSD対応のコツ(4)【徘徊】外出を止めずに一緒に散歩を」(2月25日/日経メディカル)
高頻度に認められ、しばしば大事に至る徘徊。阪大精神医学分野講師の数井裕光氏は「『目的の分からない外出行動』という点では同じように見えても、疾患によって原因や対応法が異なる」と話す(表A:アルツハイマー型認知症の徘徊と前頭側頭型認知症の周徊(数井氏による))。アルツハイマー型認知症の徘徊は中期から後期にかけて認められる。多くの場合、今いる場所に対する不安感や疎外感を感じていることが誘因となり、徘徊につながる。認知機能や視空間認知能が低下しているため、徘徊すると道に迷う可能性が高い。介護者は外出を止めるのではなく、一緒に散歩するなどした上で、本人が落ち着いてから戻るとよい。「上着を探してから行きましょう」「今日は会社は休みです」などと伝えて、外出から関心をそらすのも手だ。
一方、前頭側頭型認知症の初期から見られる常同的周遊は、いつも同じ経路を散歩したいという常同行動の1つだ。本人の強い欲求があるため、外出を止めることは難しい。ただ、同じ経路を周遊することや、視空間認知能が保たれていることから道に迷うリスクは比較的低い。ただし、前頭側頭型認知症では、世間の目を気にせず我が道を行く行動を取る傾向がある。経路に饅頭屋があれば、衝動的に饅頭を取って支払いをせずに食べてしまうなど、万引きに間違えられるようなことも起きる。「このような場合は、あらかじめ店に事情を説明しておくなどの対策をとるといいのではないか」と数井氏は提案する。

日経メディカル 2014年2月25日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない《Vol.12》BPSD対応のコツ(5)【過食】前頭側頭型の糖尿病患者には注意」(2月26日/日経メディカル)
アルツハイマー型認知症では中期以降、食事をしたこと自体を忘れたり満腹中枢が障害され、過食に陥る例がある。特に問題になるのは、糖尿病患者のケースだ。糖尿病に関しては、高インスリン血症やインスリン抵抗性がアミロイドβ蛋白質の分解を抑え、アルツハイマー型認知症の発症を増やす可能性が知られている。物忘れにより、インスリンの自己管理も、比較的早期から難しくなる。
楽しみを奪わないよう、糖尿病でも経口薬で厳しく管理しつつ好きに食べてもらうという医師は多い。何らかの手を打つ場合、「糖尿病の配食サービスの利用や、1回の食事の量を減らして回数を増やす、低カロリーの食べ物をテーブルの上などに置いて小まめに食べてもらうといった対策が考えられる」(阪大精神医学分野講師 数井裕光氏)。また、不安感や手持無沙汰感が過食を引き起こしている可能性もあるため、デイケアなど他に楽しみを作ることも大切だという。
ただ、前頭側頭型認知症の糖尿病患者で、甘い物を好んで際限なく食べる場合は要注意だ。「前頭側頭型認知症では、病識がない上に認知機能が比較的保たれていることが多く、自分で甘いものを買って過食しているケースもある」と熊本大神経精神医学分野教授の池田学氏は指摘する。実際に、家族の知らないところで大量のアイスクリームを食べて糖尿病性昏睡に陥った例を経験した医師もいる。「このようなケースでは、深刻な事態に至る場合もある。必要に応じて、行動制限を目的に短期入院させるなどの対応も必要だろう」と池田氏は話している。
日経メディカル 2014年2月26日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない《Vol.13》BPSD対応のコツ(6)【危険運転】注意喚起しカルテに記入」(2月27日/日経メディカル)
あらゆる認知症患者で問題になる自動車運転。道路交通法の改正で、75歳以上の免許保持者は09年以降、免許更新時に時間の見当識と手掛かり再生、時計描写の3項目からなる講習予備検査を受検。記憶力や判断力が低下していると判定され、更新前1年以内に一定の違反歴があれば、医師による臨時適性検査を受けることになった。検査で認知症と診断されれば免許が原則取り消される。
ただ、何度も検査できることや、今の項目では脳血管性認知症を見つけ出しにくいこと、若年が多い前頭側頭型認知症は対象外となることなどから、完璧な制度とは言い難い。仮に事故が起きれば、家族ばかりでなく医師も善管注意義務違反などで訴えられるリスクがある。熊本大神経精神医学分野教授の池田学氏は「患者や家族、医師自身を守るためにも、認知症患者と介護者に対し、必ず一度は運転のリスクを注意喚起し、『認知症では運転を中止することが基本です』と説明してほしい。また、注意喚起した事実をカルテに書き残しておくことも不可欠だ」と話す。
そもそも高齢者は運転能力が低下して事故を起こすリスクが高い。「日常診療で危ない運転をしていないかを確認し(表B)、背景に認知症がないかを疑うきっかけにしてほしい。ただし、最終的な判断と責任は公安委員会にあることを、家族や患者に理解してもらうことも重要だ」と池田氏は話す。

日経メディカル 2014年2月27日 原文のまま

「特集◎認知症は病気じゃない 《Vol.14》BPSD対応のコツ(7)【薬物療法】少量×数日を心掛ける」(2月28日/日経メディカル)
BPSDに対しては、やむを得ず薬物治療を行うことも考えられる。ただ、前述した日本認知症ケア学会による使用実態調査では、異食や徘徊、介護への抵抗など、有効性について報告がないBPSDに対して向精神薬が処方されていた。八千代病院神経内科の川畑信也氏は「幻覚や妄想、暴力行為に対して抗不安薬を用いる例も見かけるが、効果が期待できないばかりか、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬の抗コリン作用によってせん妄や転倒、BPSDの増悪などが起きる可能性もある」と指摘する。
幻覚、妄想、攻撃性、焦燥には抗精神病薬、抑うつ症状やうつ病には抗うつ薬といった具合に、有効性が期待できる薬剤を投与するのが基本となる。また、抗精神病薬の多くは認知症には適応外使用となる。使用する際は、適応外使用であることも含めて、患者や介護者に説明することが不可欠だ。
加えて、どの薬剤もごく少量から投与を開始し、投与後の状態の変化を十分観察することが原則(表C)。川畑氏は「チアプリドであれば1日25mg(細粒は1日10mg)、リスペリドンであれば1日0.5mgまたは1mgから始めるなど、添付文書の成人用量にとらわれる必要はない。ふらつきなどが出現する可能性もあるので、処方は朝食後や昼食後ではなく、夕食後か就寝前にするのもポイントだ。処方期間も3~5日、長くても1週間とし、患者の症状を小まめに確かめることが求められる」と話す。投与開始後は、常に減量や中止ができないか考えることも必要だ。

日経メディカル 2014年2月28日 原文のまま

「社会とつながる場に 認知症カフェ、中部でも次々」(2月8日/中日新聞)
軽度の認知症の人や、その家族が集い、お茶などを飲みながら語り合う「ケアラーズカフェ」や「認知症カフェ」が、中部地方でも増えてきた。閉じこもりがちな本人と家族が楽しい時を過ごし、社会とつながる場に、という願いで運営されている。
愛知県東海市の名鉄太田川駅・高架下にある市観光物産プラザ。その喫茶スペースでは、認知症の人と家族の会愛知県支部が昨年九月から、毎週土日の午前十時半~午後三時に「ケアラーズカフェ日向家(ひなたけ)」を開いている。
会の世話人が認知症の人の話し相手になり、介護する家族らの相談に乗る。スタッフは認知症に詳しく、家族も本人も一般的な喫茶店より安心できるといい、利用者同士でも歓談の輪ができる。介護相談専用のブースもある。日曜日の午後には、介護する人にリラックスしてもらうための無料イベントも。介護で凝った体をほぐす簡単なマッサージ法の講座があったり、介護する人らがミニコンサートを開いたり。
若年性認知症の妻の介護と仕事を両立し、昨年十二月にフォークソングのミニコンサートを開いた同市の杉本弘さん(56)は「イベントは気分転換になる」と話す。県支部の尾之内直美代表は「ケアラー(介護する人)や認知症の人が和める場にしたい。将来はカフェを常設化し、相談の面談も毎日できるようにしたい」と意欲的だ。
      ◇
福井県では昨年、認知症カフェの開設が相次いだ。認知症医療の専門病院、県立すこやかシルバー病院(福井市)は、病院から少し離れた市内の空き店舗で、九月から毎週土曜日に認知症カフェ「心愛(ここあ)」(写真)を開いている。
孤立し、引きこもりやすい初期の認知症の人には、気楽に集える場所が必要と伊藤達彦院長が提案。認知症の人や家族ら毎週十数人が訪れている。診断を受けていない人もいる。
コーヒー代は百円。認知症に詳しい看護師や精神保健福祉士らがいて、話し相手になる。手芸や囲碁なども楽しめて会話が弾む。「毎週、ここに来るのが楽しみ」と市内の女性(78)。家族からの介護相談は、店舗の二階でじっくり聞き、本人への関わり方の助言などをする。
認知症は初期のうちから周囲の対応を工夫することで、本人の混乱が減らせて地域で暮らし続けられる確率が高まる。その確率を高め、本人にも人と交わることで刺激を受けてもらうのがカフェの狙いだ。
このほか福井県鯖江市が昨年十一月から、毎週火曜日に市中心部で「オレンジカフェさばえ」を、福井市の有志らが同年九月から月一回、市内各地で認知症カフェ「トマリギ」を開く。
      ◇
富山市の認知症カフェ「ぽーれぽーれ」は認知症の人と家族の会富山県支部が昨年四月から運営。現在は毎週水曜日の午後に開催。若年性認知症の人もスタッフを務める。「若年性認知症の人が働けるというメッセージも発したい」と県支部の勝田登志子事務局長は話している。(佐橋大)
Chunichi Web 2014年2月8日 原文のまま

「認知症啓発へ協定 茨城県とカスミ」(2月8日/茨城新聞)
声掛け、見守り対応 サポーター講座開設
認知症に対する正しい理解の普及へ向け、県とスーパーのカスミ(つくば市、藤田元宏社長)は7日、認知症普及啓発のための連携協定を県庁で結んだ。同社は従業員や地域住民らを対象に認知症サポーター養成講座を開く。
締結式で、橋本昌知事(写真の右)は「認知症は県内でも年々増えている。地域を挙げて支えないといけない。多くの店舗を通じた普及への協力はありがたく、大きな力になると期待する」とあいさつ。藤田社長(写真の左)は「地域の一員として認知症への正しい知識を従業員が身に付け、地域と一緒に認知症の人たちを支える一役を担いたい」と語った。
同社はまず、本県を含む5県146店舗の店長はじめ従業員を対象に養成講座を開き、150200人単位でサポーターを増やしていく考え。講座は一般市民にも広げる。認知症の来店客にも適切に対応し、見守りや声掛けを行う。
県長寿福祉課によると、県内の認知症高齢者は現在約11万人いるとされる。県は偏見を持たずに認知症の人や、その家族を温かく見守り対応できるサポーターの養成に努めている。
(綿引正雄) 
茨城新聞 2014年2月8日 原文のまま
イギリスではアルツハイマー病協会とスーパーの運動がある(サイト内関連記事:アルツハイマー病協会の認知症地域巡回展示始まる2013年5月12日

「田辺三菱 新規機序のアルツハイマー型認知症薬で国際共同P3開始 17年終了予定」(2月6日/ミクスOnline)
田辺三菱製薬はこのほど、日本などアジア地域の権利を持つ新規アルツハイマー型認知症治療薬MT-4666(米一般名:encenicline)の国際共同フェーズ3(P3)が開始されたと発表した。日本は今春にも同試験に参加する。主要評価項目のデータ収集は2017年1月に終える予定。MT-4666はα7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト作用を有する1日1回投与タイプの経口薬。同社によると、既存薬と比べて副作用の低減などが見込まれるという。
MT-4666(EVP-6124)はエンヴィヴォ社EnVivo(米マサチューセッツ州)の創製品で、田辺三菱は09年に日本を含むアジア地域での独占的開発および販売に関するライセンスを取得している。欧米などが参加する国際P3はエンヴィヴォ社が主導しているが、国内治験は田辺三菱が実施する。
P3にはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬などで治療中または治療歴のある軽度~中等度アルツハイマー型認知症患者約1600人を対象とする。MT-4666高用量群と低用量群、プラセボ群にランダムに割り当て、26週間の治療効果を二重盲検で検証する。
田辺三菱は、「国際共同第3相試験への参画を通してMT-4666の開発を加速させ、アルツハイマー型認知症の患者さんに有用な治療薬を一日でも早く提供することができるようエンヴィヴォ社と協力してまいります」とコメントしている。
mixonline 2014年2月6日 原文のまま
ニュースリリース:新規アルツハイマー型認知症治療剤 MT-4666国際共同第3相試験を開始 (2014年2月3日発表)
編者:根治薬ではないが、アリセプトと比べ効果はどうか?

★「石川県内、認知症3万6千人 65歳以上の12%と推計」(1月31日/北國新聞)
石川県内の65歳以上の30万9301人(推計値)のうち、認知症とみられる人が1 1・8%に当たる3万6390人になるとの推計を、県が2012年の調査結果を基に3 0日までにまとめた。認知症の人は県の予測を上回るペースで増加しており、2005年 の初調査より、約1万4千人増えたことになる。県は、認知症の人はさらに増えるとみて いる。
県内の医療機関で受診し、国の判定基準で、日常生活に支障を来すような症状・行動や 意思疎通の困難さが多少みられても、誰かが注意していれば自立できる「ランクⅡ」以上 と診断された人を「認知症」とした。ランクⅡは5段階中、2番目に程度が軽い。
県が3年ごとにまとめる「県長寿社会プラン」によると、65歳以上に占める認知症の 人の割合は、初調査の05年が9・2%、08年が11・0%、11年が12・0%と高 まってきている。
認知症の人が増える理由として、県は発症リスクが高まる75歳以上の人口増加を挙げ た。
14年の認知症の65歳以上の推計値を、県は05年時点で2万9534人としていた が、08年には3万5535人に修正した。現時点の推計値をみても、認知症の人の増加 ペースは県の予測を上回っている。
全国の65歳以上でランクⅡ以上の人は、10年は9・5%で、15年に10・2%に なるとみられている。石川の比率は全国水準より高い。
県内では、認知症患者やその家族を支える「認知症サポーター」が4万人を超えている 。県は2005年度から10年間で1万人を養成することを目標としていたが、これを大きく上回っている。
県は「認知症の傾向がある人は推計値より多いと思われる。地域で暮らせる環境づくり や、適切なケア態勢を整備していく」(長寿社会課)としている。
北國新聞 1月31日 原文のまま
編者:都道府県の認知症の発現率や推計数も必要なのだ。

★「「認知症の人と家族の会」が初のPRポスター」(1月27日/京都新聞)
「認知症の人と家族の会」(京都市上京区)はこのほど、1980年の結成以来初となる同会のPRポスターを作った。全国の支部や関係施設をはじめ、希望者に無料配布している。
厚労省の調査で昨年、65歳以上の4人に1人が認知症とその「予備軍」であることが判明し、「今こそ存在を知ってもらわなければ」と作製を決めた。
ポスター(A2判)には「ひとりで悩まないで認知症のこと つながれば希望が見えてくる」と記載。当事者や介護者が孤独に陥らないように願いを込めた。問い合わせは同会TEL075(811)8195。
京都新聞  2014年01月27日  原文のまま

「認知症 入院・外来時、適切対応を 県が勤務医らに初の研修会」(1月22日/新潟日報)
認知症の高齢者が増えている中、症状のある入院、外来患者にどう対応したらいいかを学ぶ研修会が、長岡市の長岡赤十字病院で開かれた。対象は県内の病院に勤務する医師や看護師ら。認知症についての正しい知識をもとに、適切な医療を提供していくため、県が主催した。
これまで開業医を対象とした研修は行っていたが、勤務医らを対象にしたのは初めて。18日の研修会には、長岡地域を中心とした12の医療機関から約80人が参加。医師や看護師のほか、ソーシャルワーカーや検査技師、理学療法士などさまざまな職種の人が集まった。
研修では認知症の基礎知識を学んだ後、参加者によるグループワークを実施。アルツハイマー型の認知症がある82歳の男性が、誤嚥(ごえん)性肺炎で緊急入院した事例について考えた。
この男性は、看護師がたんの吸引をしようとすると蹴ったり、消灯後にベッドからしきりに下りようとしたりするという設定だった。参加者たちは「入院していることを理解していないのでは」「トイレに行きたいのかもしれない」などと行動の理由を考えた上で、病院のスタッフや家族、福祉関係者と協力しながら、どのように解決できるか話し合った。
講師を務めた、長岡赤十字病院の認知症看護の認定看護師(43)は「これが正解というものはなく、スタッフ間でじっくり話し合うことが大事。ぜひ今日の経験を自分の病院に持ち帰って実践してほしい」と締めくくった。
参加した長岡市の看護師(42)は「認知症のお年寄りへの接し方など、ほかの病院で働く人たちの考えが聞けてよかった。今後も開催してほしい」と話していた。
新潟日報モア 2014/01/22  原文のまま
編者:身体疾患で医療を受ける認知症の人への医療機関での対応は残された課題の一つだ。こうした研修はおおいに拡ろげ、続けてほしい。

★「甲府市の認知症簡易判定事業 周知、ケア充実が課題」(1月21日/山梨日日新聞)
甲府市が、無料の簡易検査などで認知症の早期発見につなげようと、2月から始める「市もの忘れ相談」事業。いきなり病院にかかるよりも抵抗感なく受けやすいという触れ込みだが、認知症関係団体からは周知や発見後のケア、関係機関との連携で細かな対応を求める声が出ている。
事業は、市と地域包括支援センターが無料の簡易テストや問診を行い、認知症の疑いのある人はかかりつけ医や専門医への受診を勧める。気軽に受けられる環境を整え、認知症治療に重要な早期発見の数を増やすのが狙いだ。
ただ、認知症に関する相談業務を行う「認知症の人と家族の会山梨県支部」(あした葉の会)の平井出設子名誉会長は「何より周知が重要。利用につなげなければ意味がない」と指摘する。
同支部によると、もの忘れを「年相応のこと」と捉える人は多く、「自分は大丈夫」と思い込み受診に至らないケースは多い。市は広報やホームページ、高齢者へのチラシ配布などで周知する考えだが、平井出さんは「誰もが関わる可能性がある身近な問題であることを丁寧に説明しなければ、人ごとで終わりかねない」と訴える。
アフターケアの充実を求める声もある。日本認知症ケア学会が認定する認知症ケア上級専門士の資格を県内で初取得した、看護師松本恭子さん(61)は認知症について、「『自分が自分でなくなる』という人格に関わる病だけに、受け入れられない人が多い」と説明。それだけに簡易検査で認知症の疑いが出た人への「検査のやりっぱなし」を懸念する。
認知症対策の先進県とされる熊本県は、精神科病院や介護関係者らの連携に重点を置く。その取り組みの一つが「認知症地域連携パス」の試行だ。患者の受診歴や生活状況をまとめた手帳で、医療機関や介護事業者らの共通認識を高め、常に状況把握しながらケアにつなげる。
同県認知症対策・地域ケア推進課担当者は「連携の濃さが支援の充実に直結する」と強調する。
甲府市は担当医や認知症サポート医、医療機関などの間で書面を通して相談、報告を徹底するとしているが、手帳のようなシステムはない。市福祉部は「本人をサポートしていく有効な手段。先進地の多彩な取り組みも参考に、よりよい体制を築くようにしたい」としている。
山梨日日新聞Web版 2014年01月21日 原文のまま
編者:甲府市の安直な認知症対策で、当然の意見、提言だ。

「室蘭市の「介護マーク」普及進まず、利用者の反応上々」(1月15日/室蘭民報)
室蘭市が2012年度(平成24年度)、道内自治体として3番目に導入した「介護マーク」の普及が伸び悩んでいる。周知不足や介護中であることを知られてしまう抵抗感などが要因とみられている。半面、利用者の反応は上々で、介護に対する偏見をなくすために、普及の拡大を求める声が上がっている。
「妻をトイレで介助する際、変な目で見られた」「通路で介助中、時間を掛けゆっくりと移動していたため、あからさまに嫌な顔をされた」―。
介護マークは、認知症のお年寄りを介護する人のこのような経験を踏まえ、介護中であることを分かってもらうために、導入する動きが広がっている。
道高齢者保健福祉課によると、道内では、室蘭市のほか小樽市、新ひだか町など8市町がマーク入りのプレートなどの配布を始め、3自治体が導入を予定。豊浦町、白老町など40自治体が導入を検討している。厚生労働省も普及を後押しする。
室蘭市は、認知症の高齢者約2300人(2012年10月現在)のうち、家族と同居している人の半数に当たる700人の利用を見込んだ。首から下げるプレート800枚とベスト700枚を、道の補助金を活用して整備した。
希望する人に、介護マークが入ったプレートとベストを無料で貸し出しているが、今のところプレートは33枚、ベストは12枚にとどまる。市高齢福祉課は「周知不足をはじめ、ベストは目立つために介助する人、される人の双方で抵抗を感じる人がいるかもしれない」と分析する。
一方、通院介助の場面で使っているという、御崎町の認知症対応型生活介護のグループホーム「ひだまりの家」の施設長、加藤栄吉さんは(64)は「ベストが目印となって、周囲の人たちが手を貸してくれたり、気を配ってくれます」と重宝がる。
市は、利用者が思っていたよりも少ないため今後、PRに力を入れる方針。3月に実施する利用者アンケートを踏まえて具体策を考える。市高齢福祉課は「介護マークのニーズは一定程度あると考えており、もっとPRして普及させたい」と話している。
介護マークに関する問い合わせは、市高齢福祉課、電話0143・25局2872番。
(野村英史)
室蘭民報Webnews 2014年1月15日 原文のまま
編者:ちょっと目立つすぎだ。私は着ない。

「認知症の妻は凍死か 北区・高齢夫婦死亡」(1月12日/東京新聞)
昨年暮れ、東京都北区赤羽のアパートで、年老いた夫婦の遺体が見つかった。妻(79)は夫(75)の死後に凍死したとみられ、認知症だった。妻の介護担当者は何度も連絡を取ろうと試みたが、遺体発見は死後1カ月以上たってから。プライバシーの壁が結果的に発見の遅れにつながった面も否めない。 (堀祐太郎)
夫婦が寄り添うように暮らしていたアパートは、JR赤羽駅から続く商店街の外れにある。1Kで家賃は四万円台。住民に夫婦のことを尋ねても「住人同士はあまり話をしないので」と言葉少なに話す。
代わりにアパートの管理人が「奥さんは車いすに乗っており、外出の際はご主人がおぶって三階から下りていた。少なくとも十数年前から住んでいました」と教えてくれた。
北区や赤羽署によると、妻は糖尿病や慢性心不全を患って車いす生活となり、二〇〇五年に要介護認定された。区が委託する介護事業所のケアマネジャーが車いすの点検に月に一回、自宅を訪れていた。
ところが、昨年十一月の電話に応答せず、その後も計八回したが出ないため、十二月上旬にアパートを訪ねた。「ケアマネジャーはプライバシーの問題で、すぐにドアを開けることをためらったようです」と区の担当者。この時、ドアにカギはかかっていなかった。
隣人らが「入院したのでは」と話したので、ケアマネジャーは妻の複数のかかりつけの病院に連絡を取ったが、「個人情報で答えられない」などと言われ、入院の有無が確認できなかった。その後、用事で区を訪ねた際、「夫婦と連絡が取れない」と伝えた。
十二月二十八日夕方。夫の親族とケアマネジャー、区職員らがアパートを訪ねた。二人は居間であおむけの状態で死んでいた。夫は昨年十月三十日、妻のかかりつけの病院で薬を受け取ったのを最後に連絡が途絶えていた。解剖の結果、夫はこの直後に脳疾患で死亡し、妻はしばらくして凍死したとみられた。
遺体から離れた所にスイッチが入ったままの電気毛布があった。妻は認知症のため暖を取れなかったとみられる。食事の世話も夫がしていたといい、炊飯器にはご飯が残っていた。
年の瀬に起きた夫婦の孤立死。区の担当者は「ケアマネジャーは積極的に夫婦の所在確認に努めていた」と語った。
◇相次ぐ「家族の孤立死」 自治体苦慮
高齢者らの孤立死が問題化する中、最近は先に同居の家族や伴侶が亡くなり、その後に家族の世話が必要な人も亡くなる「家族の孤立死」が相次いでいる。
北区では七十五歳以上の高齢世帯を対象に民生委員らの見守りを実施しているが、亡くなった夫婦は申し込んでいなかった。区の担当者は「奥さんの世話をご主人ができていると考えていた」ことを異変に気付くのが遅れた一因に挙げる。
都内では二〇一二年、立川市で母親=当時(45)=の死亡後、知的障害の息子=同(4つ)=が孤立死したとみられる事案が起きた。厚生労働省は各自治体に民間事業者や地域と連携して見守り強化を要請した。
それでも自治体の担当者は「介護や見守りは人と人との付き合いの問題で、ケースはそれぞれ異なる。どのくらい連絡が取れなかったら行政に報告すべきかなど、機械的な取り決めはしにくい」と明かす。
孤立死問題に詳しい淑徳大総合福祉学部の結城康博教授は「プライバシーの壁もあるが、ケースによって無理してドアを開けるなど積極的な対応を取る自治体もある。室内を確認すれば命を救えるかもしれないし、仮に亡くなっていても死者への尊厳の観点から、早く発見してあげなければならない」と指摘している
Tokyo Web 2014年1月21日 原文のまま

「認知症の知識普及へ中学生講師 岡山県内初、真庭の馬場さん認定」(1月9日/山陽新聞)
真庭市台金屋の久世中学校3年馬場美紗樹さん(15)(写真)が、岡山県内の中学生としては初の「認知症キャラバン・メイト」になった。同市の同メイト事務局の市地域包括支援センターによると全国で5人目という。馬場さんは「正しい知識の普及に貢献したい」と張り切っている。
キャラバン・メイトは、認知症の人や家族を支援する「認知症サポーター」養成講座の講師役を務めるほか、認知症の知識の市民への普及啓発にも取り組む。自治体などが開く6時間の養成研修を受けて修了証を受けるとなれる。同センターによると昨年11月末現在、真庭市には292人のメイトがいる。
馬場さんは、昨夏に参加したボランティア活動の事後研修会で同メイトがユーモアのある寸劇などで症状の実例や適切な対処法を伝える講演会に参加。亡き曾祖父が認知症だったこともあり、同メイトの活動に興味を持ったという。
同センターの誘いで昨年11月中旬に開かれた同メイトの養成講座を受講。「認知症にいろいろな種類があることを初めて知った」と専門的な知識に驚いたというが、症状や予防方法の勉強、患者を地域で支える方法を考えるグループワークなどを大人に交じってこなし、無事修了した。
「認知症は家族の誰がいつなるか分からない。機会があれば友人にも学んだことを伝えたい」と馬場さん。同メイトの活動では、寸劇による啓発活動に興味があるという。「将来、看護師になりたいので、キャラバン・メイトの経験も生かしたい」と意気込んでいる。
山陽新聞WebNews 2014/1/9 原文のまま

「世田谷区、認知症の在宅生活支援 」(1月9日/日本経済新聞)
マホやタブレットでもご覧いただけます。
東京都世田谷区は9日、都立梅ケ丘病院の跡地に整備する福祉施設の事業計画を発表した。認知症高齢者のサポートセンターなどが入る施設を2棟整備し、高齢者や障害者が在宅で医療・福祉サービスを受けられる支援拠点にする。2019年度の開設を目指す。
予定地は小田急梅ケ丘駅に近い約1万6500平方メートル。都立梅ケ丘病院の跡地の一部で、都は同区に土地を売却する方針。区が建設、運営する複合棟と、社会福祉法人などに土地を貸す民間施設棟を設ける。
区複合棟は地上4階建てを想定し、認知症高齢者の在宅生活サポートセンターが入るのが特徴。地域の介護拠点である地域包括支援センターをバックアップし、認知症に詳しい看護師や作業療法士、臨床心理士などを派遣する。「ケアマネジャーと連携し、高齢者の実情に応じて自宅で生活できるプランの作成を支援する」(同区)という。
同じ施設に入る福祉人材育成・研修センターを活用し、担い手も養成する。健診を受け付ける保健センターや初期救急診療所なども設ける。
民間施設棟は7~8階程度の建物にする計画。訪問看護やリハビリにも対応する高齢者支援施設と、障害者のショートステイや施設の入所支援などにあたる施設の整備を民間事業者に委ねる。
用地取得などにかかる初期投資は173億円を見込み、財源は区債などで賄う。区と民間施設棟の運営事業者との間で協議会も設け、高齢者が在宅で療養、生活できるようにする事業も検討する。
日経電子版 2014年1月9日 原文のまま