認知症の情報(海外)2012年


2012年
認知症の死亡が心疾患より多い(12月30日)
節約のための高齢者の「非人間的な国外追放」(12月29日)
アルツハイマー病の人の居場所確認システム(12月29日)
介護者は認知症の人の車の鍵を握る(12月28日)
連邦議会の認知症国際比較の報告書(12月28日)
アルツハイマー病発病の可能性の検査は必要か(1月26日)
BBCのアルツハイマー病特集(12月26日)
行方不明のアルツハイマー病の夫人、無事発見(12月23日)
アルツハイマー病の安楽死適応法案(12月18日)
認知症を配慮したデザインを急性期病院に(12月)
認知症の人が凍てつく屋外で見つかる(12月12日)
アルツハイマー病の薬による予防は妥当な選択か(12月5日)
アルツハイマー病の深部脳刺激療法試験始まる(12月5日)
「〈スペシャリストに聞く〉レヌー・ウボン医師 Elderly Care Nursing Home」(11月23日)
認知症の人の難しい症状を減らす6つのステップ(11月21日)
アルツハイマー病の診断が治療をはるかに凌ぐことによる課題(11月15日)
保健省の政務次官、テレメディスンも運用する地域病院を視察、称賛(11月11日)
「認知症患者の自殺相次ぐ」(11月9日)
「認知症フレンド」100万人養成計画(11月8日)
新大統領は、何故アルツハイマー病と闘わなければならないか(11月6日)
診断待ち期間を18カ月から3か月に短縮(11月4日)
NSWではナーシングホームに毎年2000ベッドが必要(11月4日)
「メモリーサービス」全国に普及(10月/イギリス)
「認知症の妻を殺害後に自殺、夫を逮捕」(10月30日)
アルツハイマー病の人は投票所へ行けるか?(10月28日)
ハリケーンがアルツハイマー病の人を危険に追いやるおそれ―災害時の準備―(10月27日)
介護施設で認知症の人が殺人の疑い(10月26日)
スコットランドで初めての「認知症にやさしい街づくり」計画(10月22日)
アルツハイマー病は家族の経済的負担(10月20日)
「認知症の80代をなぜ一人で山に放置したのか 」(10月20日)
家族や友人が語り合うアルツハイマーカフェ(10月19日)
アルツハイマー病の人で抗精神病薬を止めると症状再発(10月18日)
病院での認知症ケアを改善する新しいガイド(10月17日)
毛の微量元素と認知症のハーブ療法の可能性(10月16日)
製薬企業は認知症研究から去ろうとする(10月15日)
殺人容疑者はアルツハイマー病の疑い(10月12日)
「中国、60歳以上認知症の発症率は4.2%」(10月10日l)
アルツハイマー病治療の展望(10月7日)
認知症と共に生きる:明日への希望(10月4日)
アルツハイマー病予防登録(10月3日)
認知症の人が芸術を通して記憶を見出す(10月2日)
キャンプの虐待被害者は認知症(10月2日)
絵本が認知症の人の記憶を呼び戻す(10月2日)
朝までのナイトケアで介護者に休息(10月1日)
安楽死が増えている(9月26日) 
認知症協会がデイケアセンターを開設(9月26日)
認知症の人を警察官が間違って射殺(9月24日)
認知症の人の介護者向けの支援パック(9月23日)
アルツハイマー病撲滅のため450人が歩く(9月23日)
認知症を国民的課題として取り上げよう(9月22日)
「アルツハイマー型認知症に関する国際調査より 正確かつタイムリーに診断する上での様々な課題が明らかに」(9月21日)
「認知症患者がいる家庭の78%で「経済的打撃」」(9月20日)
認知症啓発キャンペーン(9月17日)
認知症の人の津波に準備ができてない(9月16日)
消防救助部が認知症に取り組む(9月14日)
「昨年の死亡者25万7千人 過去最多に=韓国」(9月13日)
総合病院に「認知症にやさしい病棟」がオープン(9月11日)
アルツハイマー病治療の選択(8月29日)
アルツハイマー病候補薬ソラネズマブの有効性認めず(8月24日)
認知症の人を追跡する機器(8月19日)
認知症にやさしい地域づくりの7つの方法(8月17日) 
認知症の人が終末期ケアについて述べる権利(8月16日)
支援グループはアルツハイマー病の偏見を変える(8月11日)
政府が認知症を保健優先課題とする(8月9日)
アルツハイマー病治癒の誇大宣伝を止めよう、認知症の人のケアを学ぼう(8月6日)
初期アルツハイマー病の人の介護者支援の取り組み(8月4日)
「韓国の認知症患者、4年で27%急増」(7月30日)
「革新的」な認知症介護施設がオープン(7月23日)
ファイザーのアルツハイマー病薬の臨床試験、効果認めず(7月23日)
認知症の医療も社会支援も乏し(7月23日)
行方不明の認知症の人を追跡するGPSシステム導入へ(7月23日)
認知症カフェがオープン(7月23日)
ゴア政府は認知症外来を検討(7月23日)
ネッスルがアルツハイマー病の医療用食品発売へ(7月19日)
認知症の人の在宅生活を支援する新しい方法―認知症ケアコーディネーター―(7月19日)
アルツハイマー病免疫療法の臨床試験結果(7月17日)
問題多い介護職派遣会社(7月15日)
遺伝性アルツハイマー病は発症の25年前から脳に変化(7月12日)
行方不明の認知症の人を探す新しい取り組み(7月4日)
認知症の診断に1年以上待つ(7月3日)
刑務所に初めての認知症棟(7月3日) 
アイルランドで最初のアルツハイマーカフェ―介護家族と本人の支え―(7月2日)
「「介護施設の高齢者にも性生活を楽しむ権利」、豪論文」(6月26日)
89歳の認知症の人が運転して若者を殺す(6月20日)
10月はレビー小体病啓発月間(6月7日)
認知機能スクリーニングテスト(GPCOG)(6月)
中所得国の認知症の罹患率は高所得国とほぼ同じ(5月25日)
アルツハイマー病のさまざまな側面(5月19日)
問題多い認知症の在宅介護職―読者の経験―(5月18日)
政府のアルツハイマー病計画は非現実的と批判(5月15日)
急速に増加する認知症の人にもっと多くのデイケアセンターを(5月15日)
生活習慣の脳への影響をナンスタディから学ぶ(5月9日)
重度認知症の人への終末期ケアの取り組み(5月4日)
抗精神病薬に頼らない認知症ケアに取り組むナーシングホーム(4月30日)
「認知症の妻と一緒に授業する老教師=中国ネットユーザーを感動させた物語―中国」(4月29日)
ブロードキャスター、アメリカで認知症を語る(4月25日)
アルツハイマー病協会は認知症を国の優先課題にすべきと政府に要望(4月24日)
高齢者の前頭側頭型認知症の特徴(4月23日)
認知症の人の生活の質を高める革新的デザインを公募(4月18日)
FDAが承認したアミロイド画像検査薬の倫理的課題(4月13日)
アルツハイマー病協会は認知症にやさしい地域を目指す(4月13日)
アルツハイマー病の7人に1人は一人暮らし(4月13日)
アルツハイマー病治療の開発の現状(4月11日)
「認知症は公衆保健優先策 WHOとADIがリポートで呼び掛け」(4月11日)
認知症介護チャンピオンが活動開始(4月10日)
高齢者ケア制度は認知症の人に適さない(4月9日)
新しい診断基準で「dementia」がなくなる(4月5日)
アルツハイマー病の妻とコラムニストの夫が心中(3月30日)
ユーモア療法は認知症の人に役立つ(3月29日)
忍び寄る認知症危機に行動の時(3月29日)
「増える自殺ほう助 2009年は約300件に」(3月29日)
認知症介護のため増税賛成が多数(3月29日)
キャメロン首相「認知症の啓発、ケア、研究の予算を大幅増額」と声明(3月26日)
中国でアルツハイマー病の人が増える(3月18日)
「高齢ドライバー 家庭医による運転適性の評価では認知機能の検査が鍵」(3月15日)
UCLAは認知症の人と家族への革新的なケアを始める(3月14日)
ドネペジルとメマンチンの併用の意義はない(3月8日)
世界のアルツハイマー病の人の写真集(3月7日)
認知症は地球規模の健康問題の時限爆弾(3月7日)
マレー人に認知症を啓発(3月4日)
オランダの安楽死の現状(2月26日)
刑務所で認知症高齢者が増える(2月25日)
「高齢者の死亡リスク,非定型抗精神病薬間で2倍の差」(2月24日)
認知症の人に厳格な運転規則の予定(2月21日)
とても大切なアルツハイマー病支援センター開設(2月19日)
「増え続ける認知症の人」(2月19日)
「老夫婦の日常、ベスト報道写真2011」(2月17日)
認知機能刺激療法で認知症の人の生活の質が改善(2月16日)
認知症が予想を超えて増える(2月13日)
ナーシングホームでの認知症ケアの最低基準を要求(2月7日)
アルツハイマー病の危険性があるか調べる簡易テスト(2月3日)
政府は認知症政策を実施すべき(2月3日)
認知症で壊された生活(2月3日)
重度のアルツハイマー病の人でもつながりを持てる4つの方法(2月1日)
「[オピニオン]国の認知症への対応」(1月26日)
字は大きくてコントラストが良いと認知症の人の認知機能によい(1月22日)
オランダの「認知症ヴィレッジ」がスイスに導入予定(1月21日)
「認知症の高齢者を守った豊山犬 」(1月18 日)
政府は2025年までに有効なアルツハイマー病治療を希望(1月17日)
認知症と戦う家族たち(1月16日)
認知症の妻を殺した夫が収監(1月14日)
看護師が認知症の人を箒で殴る(1月14日)
「認知症コストは196兆円、介護者の負担浮き彫り―欧州」(1月11日)
認知症の人に必要な精神的健康に応えよう(1月10日)
アルツハイマー病の試練のなかで見つけた愛(1月9日)
アルツハイマー病啓発月間(1月5日)


★認知症の死亡が心疾患より多い(12月30日/スウェーデン)
この数十年間、スウェーデン人の死亡原因で心疾患が最も多かったが、現在、より多くのスウェーデン人が認知症で死亡しています。
医療の向上や健康的な生活様式により、心疾患が減少し、さらに心疾患の人の死亡も減っています。
この情報は、新聞スウェーデンの新聞Dagens Nyheter (DN)が報じた「全国保健福祉委員会National Board of Health and Welfare (Socialstyrelsen)」の統計分析を基にしています。
2011年、6874人のスウェーデン人が心疾患で死亡しましたが、2001年より4300人減っています。
2011年、8000人以上のスウェーデン人が認知症(老衰を含む)で亡くなりました。これは、2001年の32%増です。アルツハイマー病がスウェーデンの認知症死亡で最も多い原因です。
人口の高齢化がこの急増の一因と考えられます。
同時に、スウェーデンで死因として最も多い疾患による死亡が減少した要因も考えられます。
例えば、インフルエンザや肺炎による死亡数はこの10年間で25%減少しています。
スウェーデン人は、喫煙、脂肪の多い食べ物を減らしたので、心臓血管系疾患による死亡率が減少しました。
しかし、炭水化物が少なく脂肪が多い食事が普及するにつれてこの傾向は逆転するかもしれません。
ウメア大学Umea Universityの研究によれば、スウェーデン人の血中コレステロースの平均値は上昇しています。
全国保健福祉委員会の研究者であるマリア・ダニエルソンMaria Danielsson氏(写真)は「これは心配すべき増加です。心臓血管系疾患で死亡する人の数が減少すると確信できない」と述べています。
スウェーデンでこの10年間、がんによる死亡率は医学研究が進んでいるにも関わらず変化がありません。
肺がん患者での死亡はなお増加しています。
The Local Sweden's News in English  30 Dec 12 Dementia bigger killer than heart attacks
編者:日本では認知症を死因とする死因統計はない。ただし2011年の死因統計によると死因がアルツハイマー病とする死亡数は5 394件である。なおスウェーデンの人口は約900万。

節約のための高齢者の「非人間的な国外追放」(12月29日/ドイツ)
介護経費が高騰するなかでドイツの弱い高齢者が、東ヨーロッパやアジアの廉価な介護施設へ国外追放されています。
ガーディアンThe Guardianによると、経費節約のため親族から離れて外国の退職者施設へ移るドイツ人が増えています。これを社会福祉関係団体は「非人間的な国外追放」と呼ばれています。
一部の民間の医療提供者は外国に介護施設を建て、政府管轄の保険者も、外国で被保険者を介護できるかどうか検討しています。
ドイツの社会政治擁護団体である「ドイツ社会協会Sozialverband Deutschland (VdK)」は「多くのドイツ人は自国で退職者施設に入ることができないということは、おおいに警告するきことである」と見解を表明しています。
同協会のウルリケ・マシャーUlrike Mascher会長(写真左上)は「現在のドイツを作り上げた人たちが追放されることは認められないだけでなく、これは非人間的なことです」と述べています。
ドイツから送り出される高齢者のほとんどが行く先は東ヨーロッパです。調査によると、2011年で約7146人がハンガリーに、3000人がチェコに、600人以上がスロバキアに行きました。その他、スペイン、ギリシャ、ウクライナに移住し、さらにはタイヤやフィリッピンといった異なる大陸の国々にも移っています。
外国の退職者施設に移された高齢者の多くは「別の選択肢がなかったから、経費が安く、介護のレベルが高い外国に移住せざるをえなかった」と言い、他方別な人たちは「やむおえなかった」と言います。
外国の介護の経はドイツの3分の1ほどで、多くの人は介護の質はかなり高いとみています。
しかし、社会福祉活動家は怒り、高齢者の海外退職者施設への移住を「非人間的な国外追放Inhumane Deportation」と呼んでいます。
ドイツ・アルツハイマー病協会Germany's Alzheimer Societyのザビーネ・ヤンセンSabine Jansen会長(写真左下)は次のように述べています。
「認知症の人はどのように違うのかわからないだろうと考えられて移住させられることに特に関心を持っています。認知症の人―とくに自分のアイデンティティを保持しようとする人―は、親しみある文化的環境のなかで生活することがとても重要です。とりわけ認知症の人は全く異なる文化のなかで全く異なる言語のなかで自分自身を位置づけることが難しいのです」
Medical Daily Dec 29, 2012  Germany Accused of "Inhumane Deportation" of Its Sick and Elderly to Save Money
関連情報:Germany 'exporting' old and sick to foreign care homes(guardian.co.uk, 26 December 2012)
編者:初めて知った話だ。同じユーロ圏であることによる移住しやすさがあるだろうが追認しがたい流れだ。わが国では個人的な移住や零細企業がフィリッピンに介護施設を建ててそこに日本の高齢者を送るということがあるが、例外的だと考えている。また大々的に海外への認知症の人の移住はないと思う。

アルツハイマー病の人の居場所確認システム(12月29日/ニュージーランド)
ニュージーランドの北島にあるワイカト警察署Waikato Policeは、アルツハイマー病で行方不明になった高齢者を捜索するこれまでにない技術を使った有効な方法があると結論づけ、今後より多くのシステム契約者が増えると期待しています。
ワイカト捜索救出斑Waikato Search and Rescue Squadのブライアン・コーノースBrian Connors警察官は次のように述べています。
「アルツハイマー病のジェームス・ゴールズワースJames Goldsworthy氏は、午前11時少し過ぎた頃、ワンガマタWhangamataに居ました。これはオーシャン通りOcean Rdに在る自宅から行方不明になった家族が報告してから4時間以上経っていました。見つかったとき、どこにいるか少し戸惑い、水分が必要でしたが、元気な様子でした。幸い、彼はラジオ波追跡システムに契約加盟していました。これはテームズThamesの保管してある追跡機器が到着しシステム(写真左)が作動して始めて16分で彼の居場所を的確に把握できました」
さらに警官は次のように述べています。
「ワンダサーチWanda-Searchと呼ばれるこのシステムは追跡可能なラジオ波のシグナルを発信するペンダント(写真右)を付けた人を追跡します。医師に勧められたり、あるいはアルツハイマー病関連支援でこのサービスを利用します。コロマンデルCoromandelの人たちの場合、脳外傷や自閉症の子供もこれを利用できます。そのシステムはこれまでものと比較して優れものです。今年初め、私たちは今回を同じような状況に遭遇しましたが、行方不明の人を探すのに680時間を要しました。今回は15分ほどでした。ワンダサーチシステムの価値に認めながら、海岸の捜索を行った地元のサーフライフセービングクラブSurf Life Saving Club、目撃要請に応じた一般の人たち、および困難な状況にあった彼を公にしたメディアに感謝したい」
New Zealand Herald Dec 29, 2012 Search system locates missing Alzheimer's sufferer
編者:ラジオ波による捜索はわが国では知らない。活用するとしても比較的狭い地域となろう。

介護者は認知症の人の車の鍵を握る(12月28日/オーストリア)
オーストリアのグラーツ医科大学神経学科Department of Neurology, Medical University of Grazのラインホルト・シュミットReinhold Schmidt教授(写真)らのグループは、認知症の人の運転中止について、介護者の特徴だけでなく認知機能、運動および行動の要因および合併症の影響について調べました。
調査対象者は、オーストリアの認知症登録追跡調査Prospective Registry on Dementia (PRODEM)に参加する240の在宅の認知症の人で、運転歴があるかまたは現在も運転している人たち(平均年齢:74.2歳、女性:39・8%、アルツハイマー病:80.8%)です。運転中止の理由ついては標準的な質問票で認知症の人と介護者を評価するものです。認知機能はMini-Mental State Examination (MMSE), CERAD 神経心理テスト および Clinical Dementia Rating (CDR)で、日常生活機能(ADL)はDisability Assessment for Dementiaで、行動はNeuropsychiatric Inventory (NPI)で、介護者負担はZarit 負担スケールで調べました。
その結果、運転中止グループ(145人)のなかで、介護者の判断が「受け入れがたい危険性」によるが136人(93.8%)、自動車事故が8人(5.5%)、運転免許取り消しが1人(0.7%)でした。女性、構成能力、日常生活能力低下は、単独に有意で運転中止と相関しました。多変量解析を行ったところ、現在提案されているMMSEとCDRを含む高齢者の運転適応評価スクリーニング方法のどれも、運転中止と有意に相関するものを認めませんでした。
結論として、認知症の人が運転を止めるかどうかを決めるのは介護者の危険予測で、交通事故や運転免許取り消しによるものではありません。女性、構成能力障害、ADL低下が運転中止の可能性を高めます。こうした要因のどれか好ましくない運転に関連しているとすれば、高齢者の運転能力を評価する実際的な要因を勧告する前に決定するに必要なことは私たちのデータから導き出すことができます。
この論文は、PLOS Oneの2012年12月26日版に掲載されました。
今回の報告によると臨床的に認知症と診断された人の3分1ほどは運転を続けているのです。いくつかの研究によると、軽度から中程度の認知症の人の46%は運転を続けており、認知症の人で自動車事故の危険が高まるとされています。しかし認知症の人の運転中止に影響する要因についてはこれまでほとんど知られていません。
免許更新政策は国によってかなり異なり、アメリカでは州によっても異なります。臨床医は認知症の人が運転に適しているかどうかの基準をほとんど持ち合わせておらず、世論に依拠しているのが現状です。
いくつかの医学団体は、認知症の人の運転能力の評価の役立つであろういくかの評価方法や試験―CDRやMMSEなど―を提案しています。
これに関連してシュミット教授らのグループは「MMSEの価値は疑わしい。想定された運転能力について認知症スクリーニング試験の予測的な役割を評価する最近のデータからはその有意な相関を示すことができなかった」と述べています。
なお今回の調査の限界として、シュミット教授らは調査対象者がもの忘れ外来に受診し、介護者が本人を調査に参加することを同意しているという条件です。介護者がいない場合、運転中止に影響する要因は異なるかもしれなとしています。
MedPage Today December 28, 2012 Caregivers Hold Keys to the Car for Seniorsおよび論文Driving Cessation and Dementia: Results of the Prospective Registry on Dementia in Austria (PRODEM)
サイト内関連記事:「高齢ドライバー 家庭医による運転適性の評価では認知機能の検査が鍵」(2012年3月15日)
編者:認知症と運転は古くて新しいテーマだ。今回の調査では、介護家族の意見が最も影響が強いという常識的な結論だが有意義だ。家族が危ないと思えば、その段階で免許証を取り上げるのが一番簡単で有効のようだが、この場合でも認知症の人と介護家族との関係、介護家族の報告の信憑性、法律の改正などなど課題が山積する。なおオーストリアの認知症と運転免許に関する制度の情報がない。

連邦議会の認知症国際比較の報告書(12月28日/アメリカ)
今月、「アメリカ連邦上院加齢特別委員会United States Senate Special Committee on Aging」は、5か国―アメリカ、オーストラリア、フランス、日本。イギリス―が、アルツハイマー病など認知症高齢者の増加にどのように対応しているかを検討した報告書Alzheimer’s Disease and Dementia: A Comparison of International Approachesを公表しました。
各国とも認知症への戦略を持っています。このなかでも進んでいる国とそうでない国があります。とりわけ、フランスは2001年にアルツハイマー病など認知症への国家的対策を始め、現在、第3期国家計画を実施中です(フランスに関しては英語版France - National Plans for Alzheimer and related diseasesを参照)これに対して、アメリカは今年5月にアルツハイマー病への初めての国家計画を発表しました。
報告書は、5か国すべて実行されているいくつかの方策に焦点を当てています。これには「、より効果的な研究連携の努力、より信頼のおけるアルツハイマー病の診断、医療職の認知症ケアの関する研修の改善などが含まれます。
当ブロクの読者に最も関心ある国際的な視点からし増大している別な傾向があります。アルツハイマー病など認知症の人を施設ではなく在宅で生活してもらい、在宅で治療や介護の支援を整えようとしていることです。
加齢に関する今週のブログで読者がフォローしたことが家族への負担であることを知っています。とりわけ、アメリカのほとんどの中産階級の家族は、政府が提供する在宅サービス(入浴、着替え、排せつなどを介助する職員)およびデイケアやレスパイトケアがとても少ないか、ないに等しいということです。
アルツハイマー病の人を在宅で介護することが必要であり、人間的なのでしょうか。これは、疲労困憊しとても困難なこの作業をこなすのに介護者が、経済的、身体的、精神的な支援が得られるという前提での話なのです。また進行したアルツハイマー病など認知症の人たちを支える施設が、財政的にも職員の面でも運営面でも乏しくないという前提での話です。こうして支援がないと家族を介護にまかせて満足できないでしょう。
新しい報告書のなかで3つの図は、介護家族に期待することについて他の国よりアメリカが異なるほど低く評価されていることがわかります。
第1の図(60ページ)(左上)は、65歳以上の住民への有償の介護サービスを提供している国の支援を比較したものです。この支援には、アルツハイマー病など認知症およびその他の慢性疾患による障害で介護を必要とすべて住人を対象としたものです。これには介護家族の無償の支援は含まれません。
オーストラリア、日本、フランスおよび「経済協力開発機構(Organization for Economic Cooperation and Development : OECD)」に加盟するその他の30か国と比較して、アメリカがどこに位置するか観ましょう。有償の介護については、これらの国よりアメリカがはるかに少ないのです。
第2の図(64ページ)(右上)から在宅介護へ有償支援にどれほどの額が支払われているかがわかります。これもデータはアルツハイマー病など認知症に特化したものではありせんが、認知症が介護を必要とする高齢者には最も基本的なことです。高齢者が施設より在宅を希望しているにも拘わらずアメリカは、在宅の有償介護を提供する量において満足できるものではありません。
第3の図(75ページ)(右下)は家族についてのものです。有償の介護支援が少ないか利用できない場合、家族は無償の介護者になる道のりを歩むことになると予測しますが、まさに図がそれを示しています。アメリカの多くの介護者は、介護時間は1週間に10から19時間が34.2%、20時間以上が30.5%と、フランス、オーストラリア、イギリスに近い数値を示していますが、これらの国々ではアメリカ以上に有償の介護が提供されています。一体どこの国で最も辛い私的な介護者が世話をしているのでしょう。それもまたこのアメリカなのです。
私にとって取り除くべきことは明確です。こうした国々は緊密に連携して基本的な社会的責任として介護を取り込んでいるのです。他方アメリカは取り入れていません。私たちは取り入れないか、あるいは取り入れるまでは、この国の介護者は、世界で最も豊かで進んだ国々のなかにあって最も苛立ち、ストレスが多く、負担が重いなかに置かれるのでしょう。
NYTのJudith Graham (写真左)のブログEnd-of-Life Care December 28, 2012 United States Lags in Alzheimer’s Support
報告書:Alzheimer’s Disease and Dementia:A Comparison of International Approaches(pdf3M)
編者:議会が認知症対策でアメリカが遅れていることを認めた報告書だ。よく調べよくまとめられている国際比較報告書だ。優れた報告書が作成されても公的介護支援が簡単には導入できないのがアメリカだ。銃保持がいかに危険かの優れた報告書が何冊も作られても銃社会は変わらない。なお報告書なかで日本の現状は比較的正確に報じられている。

BBCのアルツハイマー病特集(12月26日/イギリス)
BBCラジオBBC radioはヘルスチェックHealth Checkの番組で、12月26日アルツハイマー病特集番組Alzheimer’s specialを放送しました。その概要は以下のとおりです。
ランセットLancetに掲載された最新の「世界疾患負担研究Global Burden of Disease Study 2010」は、5年以上かけて50か国を網羅し、アルツハイマー病など認知症による死亡が1990年から2010年の間に3倍以上増えたと報告しています。アルツハイマー病は65歳で20人に1人ですが80歳以上では5人に1人です。低所得国の人が長生きするようになったことにより死亡数が増加しました。
国際アルツハイマー病協会Alzheimer's Disease Internationalの議長でインド・ケララ州を拠点としているヤコブ・ロイJacob Roy医師(写真左上)は、一般的にどのように診断されるかを説明します。
アルツハイマー病では明らかな脳細胞の減少があり、脳容量の変化を同じ人で異なる時期のスキャン画像で比較確認できます。この技術を使ってアメリカの南カリフォルニア医科大学Medical University of South Carolinaのマリア・ヴィットロ・スパムピナトMaria Vittoria Spampinato准教授(写真左下)は、アルツハイマー病での男女の脳の違いについて興味深いことを解明にしました。
アルツハイマー病が進行すると典型的な症状は、記憶障害、混乱です。引退したロンドンの歯科医のドミニク・ベッティDominic Battyさんは妻ジルJillさんに介護を受けていますが、二人はアルツハイマー病と共に生きることを語ります。
ヤコブ・ロイ医師は「多くの人は自分がアルツハイマー病であることを知りません。世界のどこ―特に途上国では―に住んでいようが、診断されないままのことがかなり多い」と話します。
アルツハイマー病の解明されてない多くのことの一つは、軽度認知障害の人の10%しかアルツハイマー病にならないで、その他の人はそのままか、なかにはよくなることもあるということです。これについてロンドンカレッジ大学神経学研究所UCL Institute of Neurologyのニック・フォックスNick Fox教授(写真右)らは詳しく研究して、症状に気付く前の何年間に脳に変化が起こっていることを示唆しています。
BBC radioの放送のタイトルは以下のとおりで音声で聞くことができます。
Making a diagnosis
Changes in brain volume
Living with Alzheimer’s
Global rates of diagnosis
Very early diagnosis
BBC radio 26 December 2012 Alzheimer’s special)

★行方不明のアルツハイマー病の夫人、無事発見(12月23日/アメリカ)
サンデエゴ保安官事務所San Diego Sheriff's Departmentは、フォールブルックFallbrookで12月22日に行方不明の女性を捜索しました。62歳の夫人、サンディ・ウエッブスターSandy Websterさん(写真左)は、家族によるとアルツハイマー病です。夫は「妻が22日、白のキャデラックCTX(写真右)(ナンバープレイト:California 5CCK113)を運転しているのを見たのが最後」と話していました。夫人は、上はオレンジ色のセーター、下は白のジーンズを着ていましたが、数年間運転もしていなければ免許証も持っていません。
夫人の居場所についてなにか情報があれば、保安官事務所(電話:858-565-5200)まで連絡してください。
この情報をCBC8で22日の午後6時半に報じました。
同日午後7時頃、ガス欠状態の車がメサ大学通りMesa College Driveの南行き道路で見つかり、は無事でした。夫人は道に迷ったが外傷はなく、70キロ北に在る自宅に夫と一緒に帰りました。
Cbs8.com Dec 23, 2012 Missing woman with Alzheimer's found safe)
編者:アメリカのネットではこうした認知症の人の行方不明情報が多い。キャデラックに乗って「徘徊」とはアメリカらしい。

アルツハイマー病の安楽死適応法案(12月18日/ベルギー)
ベルギー議会は10年に制定された安楽死法への明らかな変化について検討し、がんなどより少ない疾患の人やアルツハイマー病の人へ安楽死を認めるようとしています。
17日、改定案は、社会党から議会に提出され、他の政党も承認する様子ですが、何時、議会で議論されるかは未定です。
社会党党首のテーレイ・ギートThierry Giet氏(写真左)は「改定することは、劇的な変化や私たちが対応しなければならないとても悲惨な事例を考慮して、法案を現状に合わせようとするものだ」と述べています。
法案は、判断能力があり、不治の病気であり、緩和できない苦痛を伴う場合でより少ない疾患の人たちに拡大するものです。
2002年、ベルギーはオランダの次に安楽死を合法化した第2の国ですが、18歳以上に限定されています。
社会党のフィリップ・マホーPhilippe Mahoux国会議員(写真右)は、改定案を支持していますが「自分たちの将来を決める能力のある若者の事例があります。議会はアルツハイマー病の人にも慈悲の死の拡大を検討することになろう」と述べています。
昨年、オランダでアルツハイマー病の人に初めて安楽死が適応されました。
2011年のベルギーの公式記録によると、おおよそ1133人―ほとんどが終末期がん―が安楽死を選びましたが、全死亡例の約1%です。
今年、長期に刑に服している重篤な疾患の人がベルギーの安楽死法により囚人として初めて死を適応されました。
FRANCE 24 18 December 2012 Belgium looks at euthanasia for minors, Alzheimer's sufferers
サイト内関連情報:「時の法令1670号, 44-46, 2002年7月30日発行 民主化の法理=医療の場合  ベルギーの安楽死容認法 星野一正」

認知症を配慮したデザインを急性期病院に(12月/イギリス)
適切な空間デザインで自宅や介護施設で認知症の人の安全を高め自己管理の能力が向上します。しかし不適切なデザインによって急性期病院に深刻な影響を及ぼします。認知症の人の多くは高齢であり、急性期病院の入院患者で必要以上に問題視されます。不適切なデザインは、認知症の人の入院期間を長くします。さらに、譫妄、失禁などの随伴症状的な事故―転倒など―が起きやすくなります。認知症の人に相応しい改修がなければ転倒など―高価で辛い―が起こるのです。改修は影響が強いが価格は低いのです。
新築の初期計画で「認知症にやさしい」デザインを取り入れられなければ、改修や定期管理の際に明らかに異なるデザインを取り入れることは可能で、比較的低価格なのです。
スコットランドにある「スターリング大学認知症サービス開発センターDementia Services Development Centre at the University of Stirling」が推奨する急性期病院のデザインは、有効性なことが研究による証拠に基づきます。認知症の人は、物事を覚えることはが難しいが、意義あること問題によっては解決が可能なのです。さらに加齢に伴う感覚機能や身体機能の障害を持っていることが普通です。この障害を補う能力も低下した人たちがいます。必要な時に電気のつけ忘れやメガネの着け忘れだけなのでしょう。認知症は、とてもストレスが大きく異常なほどの疲れの原因となります。このため穏やかな環境が不可欠です。
センターの勧告は、3つの異なるレベルの証拠に基づいたものです。もっとも有力な証拠は認知症の人で行われた研究に基づきますが、こうした例は多くはありませんし、必ずしも正確ではないのです。この種の研究への投資は乏しいからです。たとえばイギリスでは最近まで認知症研究の経費は、がんの12分1でした。しかし認知症の経費は、がん、心疾患、脳血管障害より多額なのです。センターの証拠を示す研究によると、認知症の人が滑らかで、つやのない、単色の床でよりよく歩けるのです。床を磨くことは止めましょう。深部感覚障害のある人は、磨かれた床は濡れていると勘違いし、歩き方を変えでつまづきやすくなるのです。
2番目に強力な証拠は、感覚障害や身体障害の推定に基づきます。よく知られたことですが、認知症の人は、忙しい建物のなかで方向を見つけること、表示に注意すること、あるいは別な方向を見つけることが難しくなります。こうしたことからコントラストの色を使うことが推奨されます。さらに表示を壁の低くい位置におかれることも推奨されます。高齢な人―男性も女性も―は、私たちより小柄であることが多く、前かがみで目を上に向けることができません。このため表示を大工に床から1メートル以下に取り付けてもらいます。明るさのレベルもとても重要です。加齢とともに網膜の黄色性変化が生じるからです。物を適切に見ることができるようにして認知症の人の混乱を確実に減らせます。
報告:ジュン・アンドリュースJune Andrews教授(写真)。スターリング大学応用社会部認知症サービス開発センター長。
(IPA Bulletin Vol. 29, No. 6 December 2012 Dementia Design in Acute Hospitals)
資料:IPA Bulletin Vol. 29, No. 6 December 2012(pdf1.2M)
サイト内関連記事:「総合病院に「認知症にやさしい病棟」がオープン」(2012年9月11日)
編者:急性期病院で認知症の人の身体疾患治療を進めるための病院デザインは重要な項目ではあるが、唯一の項目ではない。医療職の知識と技術も重要である。認知症の人に適切な医療を提供するか急性期病院の議論がわが国でも乏しい。

認知症の人が凍てつく屋外で見つかる(12月12日/イギリス)
ロンドン北部の凍てつく屋外で夜間生き延びた認知症の男性の家族は、発見に協力した警察に感謝しています。
12月1日、イタリア生まれの84歳のジョバンニ・ニグリGiovanni Negri氏(写真中央、家族と)は、息子のジュアンカルロ・ネグリGiancarlo Negri氏の家に妻のアニタAnitaと夜一緒に戻っているところで行方不明になりました。
家族は、父親が探しても見つからないでは混乱し最悪のことを恐れました。警察官、警察犬、ヘリコプター、赤外線探知器で捜索が行われましたが12月2日の午前3時に中止されました。
しかし家族の祈りは応えられました。警察官は、息子さんの家のドアを叩いて父親が隣の裏庭に身体が冷えて横になっているところを発見されたと伝えました。
隣人が気づいてすぐに警察に電話し羽毛布団で包んだのです。
14時間その自然環境のなかに居て低体温症になりましたが治療で厳しい試練がありました無傷で回復しました。発見された日の午後4時までにチェイスファーム病院Chase Farm Hospital で十分な食事を摂ることができました。
義理の息子のピーター・シッコーネPeter Ciccone氏は、義父の発見を支援した人たちを称賛して、次のように言いました。
「義父に何が起こったのかあれこれ何が起きているのか考え、怖かったのです。警察は土曜日の夜に対処しなければならない問題が多いのです。私たちにとって最大の安心の源は彼らが行っていることすべてです。警察官のプロ意識、献身、情熱は素晴らしかった」
North London Press 12 December 2012 Dementia sufferer has a lucky escape
編者:イギリスでは日本のような地域的な認知症の人の早期発見システムはないようだ。しかし日本でもなお警察主導の捜索活動が主だ。

アルツハイマー病の薬による予防は妥当な選択か(12月5日/カナダ)
今年11月28日、カナダ・トロントにあるオロレストランOro Restaurant(写真右)でトロント大学神経学科行動神経学教室Behavioral Neurology Section of the Division of Neurology, University of Torontoが年4回開催しているディナーミーティングで、私(ピーター・ホワイトハウスPeter Whitehouse)(写真左上)は「トロント認知症研究連盟Toronto Dementia Research Alliance」(pdf560K)の代表であるベリー・グリーンバーグBarry Greenberg先生(写真左下)と「アルツハイマー病を薬学的1次および2次予防は解決になるか"Be it resolved that is is likely to achieve primary and secondary prevention of Alzheimer’s disease with pharmacological approaches”」というテーマで議論しました。ベリーも私も行動神経学教室長のモリス・フリードマンMorris Freedman先生に招待されたことおよびミーティングの多くの優れた参加者に感謝しました。トニー・ランTony Lang先生(神経学科長)もいました。参加者の何人かはTDRAの関係者です。
ベリーは、臨床医としてまた科学者として当然なことではあるが薬の力への信頼があります。このことから参加者にとって解決が難しい課題で私は反対の立場に置かれることになりました。ミーティングの最後に賛否の投票が行われ、私は全般的な姿勢で少し移動があると信じていました。その結果は薬での解決を支持する人たちと、それに反対する人たちはほぼ均等でした。
ベリーと私は多くの点で意見が一致しました。たとえば、アルツハイマー病は不均等な状態であること、学術的科学者は薬の開発でトランスレーショナル科学(橋渡し科学)面で改善が必要であること、加齢関連認知機能障害age-related cognitive impairmentの問題はとても大きな臨床的社会的な課題であることです。
まずベリーは、最近のアミロイドワクチン試験の結果を報告しました。一般的には失望とされてはいないことではあるが、効果が認められるグループのデータがあると彼は指摘しました。この研究からより大きな研究につながり、生体指標を臨床的測定に活用することが定期的な身体面での証拠を十分に示すことになるだろう指摘し、私も同意しました。
私は次のように指摘しました。
「その分野でそのような薬の研究があふれています。臨床試験の第2相分析ではなんらかの効果を示すグループがいましたが、第3相ではそれが示されてはいません。アメリカ連邦食品医薬品局FDAは、臨床結果を測定する方法のひとつとしていかなる生体指標も承認していません。アルツハイマー病の臨床前状態や軽度認知障害の新しいガイドラインや決定的な神経病理学的基準がないことは、治療標的について混乱していることを示唆しました」
これに対してベリーは、FDAが生体指標が有効な結果測定の方法となりうる合理的な議論を始められると示唆しましたが、私は、薬の効果の規模が小さく、なんらかの効果があったとしても、よい大きな人口でどの程度影響があるかは疑わしいと指摘しました。
私たち二人は共に薬物経済学的考察の重要性には同意しましたが、病気そのものの経過を変えるような物質によってアルツハイマー病に関わる経費が節約されるだろうとするベリーに私は同意しません。というのは、それでアルツハイマー病の人の余命が長くなり、結果的に医療費がさらに高騰するからです。
また私は、すべて薬の開発だけに焦点を当てることによって、効果的な心理的環境的な介入が無視されることになるだろうと指摘しました。私とベリーは、運動や食事といった要因が認知機能低下を防ぐことには同意しました。
さらに私は、次のように指摘しました。
「予測される薬の経費は、年間5万ドル(訳注)またはそれ以上であること、薬がなんらかのわずかな効果があったとしても、この経費でかなり多いアルツハイマー病の人たちに使うことは許されなくなるでしょう。社会が直面しているその他の多くの優先すべき医療があります。子供の健康であり、地球規模の気候変動による伝染性疾患などの形態の変化などです。言い換えれば、アルツハイマー病について多様で効果的な治療法を開発できたとしても、優先ずべき健康課題は現在の持続可能な医療制度を破壊するかもしれないのです」
私たちは共に、年齢関連認知機能障害の臨床的社会的課題に応えるべき効果的方法の必要性については同意して議論を終えました。また私は、TDRAが認知症への計画的試験的介入に向けてより広範な立場から追求することをよろこんで支援したいと付け加えて述べました。
今回の議論についてのこの記事が公正で適切なまとめであることを望み、ベリーも含めたほかの人たちの意見た示されることを歓迎します。
Myth of Alzheimer's December 5, 2012  The Great Debate: resolved that it is likely to prevent Alzheimer’s disease with drugs
訳注:将来開発されるだろうアルツハイマー病新薬の年間一人当たりの経費が500万円ほどみているようだが根拠不明。
編者:ホワイトハウス医師のサイトMyth of Alzheimer'sにあるブログに掲載された興味ある記事で紹介した。彼はアルツハイマー病を単独疾患とみておらず、複合的要因による状態であり病気として扱わず、代わりに「加齢関連認知機能障害age-related cognitive impairment」と呼ぶ。

★アルツハイマー病の深部脳刺激療法試験始まる(12月5日/アメリカ)
ジョンズホプキンスメディスンJohns Hopkins Medicineの研究者は、先月、初期のアルツハイマー病の人の脳にペースメーカのように刺激機器を外科的な方法で植え込みました。これはアメリカで最初のこの種の手術です。機器は、何千というパーキンソン病の人の治療で行われてきた脳深部刺激療法で、アルツハイマー病の記憶を高めたり認知機能の低下を回復させる可能性のある療法とみられています。
この療法は、連邦政府の助成を受けた複数施設での臨床試験で、アルツハイマー病の進行を遅らせたり阻止することを意図した臨床研究です。現在。臨床試験が失敗した薬物療法に代わり低電圧の電気的刺激を脳に直接送る療法です。
2010年に予備的な安全性の研究の一部として、カナダでこの機器が6人の軽度のアルツハイマー病の人に植え込まれ、神経活動の指標となるブドウ糖代謝の亢進が13か月間確認されました。通常、アルツハイマー病ではこの期間にブドウ糖代謝が減少します。
ジョンズホプキンス病院Johns Hopkins Hospitalでは、神経外科医のウイリアム・アンダーソンWilliam S. Anderson医師(写真)が、12月に同じ機器を2番目となる人に植え込む計画です。
来年中に同病院のほか北アメリカの4か所の施設でアドバンススタディADvance Studyの一環としてアルツハイマー病で試験に参加する意思表示ができるおおよそ40人の人にこの脳深部刺激植え込み術が行われる予定です。
この研究に使われる機器はファンクションニューロモデュレーションFunctional Neuromodulation社の製品です。
パーキンソン病での15年以上にわたるおよぶ刺激療法deep brain stimulation (DBS)の成果は、震えが少なくなり薬を減らすことができるといったものです。この深部刺激療法は他の治療で効果を認めないうつ病や強迫性障害にも試みられています。
手術は、頭蓋骨に穴を開け、脳の片方の円蓋部にワイヤーを植え込みます、円蓋部は学習や記憶形成の部位である海馬への情報の伝達回路です。ワイヤーはペースメーカのような刺激装置に接続され1秒間に130回脳に電気的刺激を送ります。
この試験では半数のアルツハイマー病の人では手術後2週間刺激が送られ、残り半数の人では1年後に刺激が送られる計画です。本人も手術した医師もアルツハイマー病の人の誰がどちらのグループかはわからのようにされます。
ScienceDaily Dec. 5, 2012 In U.S. First, Surgeons Implant Brain 'Pacemaker' for Alzheimer's Disease
編者:アルツハイマー病の電気的刺激療法と言えるが、その効果は限定的と思われる。またパーキンソン病の人と同様に、この療法を受けられる人もまた限定的だろう。余り展望のなさそうなこのした療法を試みなければならないほどアルツハイマー病治療が行き詰まっているという印象だ。

「〈スペシャリストに聞く〉レヌー・ウボン医師 Elderly Care Nursing Home」(11月23日/タイ)
邦人援護活動で外務大臣表彰、日本人患者も受け入れる介護施設
1954年チョンブリ県シラチャー生まれ。タイ有数の進学校トリアム・ウドム・スクサー高校を卒業後、医学で知られるマヒドン大学に入学する。1年後、日本文部省からの奨学金を得て日本に留学。東京外国語大学で1年間日本語を勉強、京都大学医学部で6年間学ぶ。卒業後は京大附属病院で1年間の産婦人科の研修、その後タイに帰国。マヒドン大学附属ラマティボディ病院で研修医を1年間、都内私立病院で11年間、現在のバンコク病院は20年近くに及び、日本人クリニック医長を務める。2008年には自らの介護施設「Elderly Care Nursing Home」を開設、2009年にはタイにおける邦人援護活動の功績により、「平成21年度外務大臣表彰」を受賞。
治療後に始まる介護
―バンコク病院で日本人クリニック医長を務めるかたわら、自ら介護施設を開設されているとのことですが?
医師として長年さまざまな患者さんを診察、治療にあたりながら、何とかしなければならないと思っていたことがありました。疾病によっては後遺症が残り、退院して自宅に戻っても1人で生活できない、面倒を見てもらえないといった方たちが数多くいますが、タイにはそのような方たちを受け入れる施設がほとんどないということです。
言われた病気を治すことだけが医師の義務ではありません。後遺症を抱える患者さん、治療が困難な病気と闘う患者さんを率先して受け入れる施設が必要と感じ、2008年に「Elderly Care Nursing Home」を開設しました。
―どのような方たちが施設を利用されているのでしょうか?
脳梗塞などの脳卒中で倒れて治療後も後遺症が残っている方、さらには合併症を引き起こしてしまっている方、アルツハイマーなどの認知症を抱えている方など、1人っきりの生活や面倒を見てくれる家族がいないなど、自宅で療養するのが困難な方たちです。
施設名のとおりシニアがほとんどですが、若い方も入院しています。入院期間に制限はありません。5年という患者さんもいらっしゃいました。日本人で施設を利用している方は常時3名ほど、長い方で3年になります。
邦人援護で外務大臣表彰
―日本人患者の介護で外務大臣表彰を受賞していらっしゃいますが?
大きな出来事として2つありました。1つはカンボジアで倒れた若い日本人の方の看護です。同国の国境の町からタイ側の国境の町に搬送され、そのまま同地の病院に運び込まれました。在タイ日本国大使館の関係者より連絡と援護の依頼を受け、病院を探し当ててバンコクまでの移送に必要な救急車を手配、治療および看護を引き受けました。
もう1つはバンコクで心臓病を患った60代の患者さんの受け入れです。病院で治療を受けて退院、自宅療養となったとき、帰る先がない、という問題が発生したため、介護施設で引き受けました。入院中、患者さんに代わって日本の年金の状況を確認、最終的には受給できるようになり金銭的な問題も解消しました。このような日本人の患者さんへの対応で2009年、外務大臣表彰をいただきました。
―タイの介護施設事情というのは?
日本の老人福祉施設や老人ホームに相当する施設はありません。シニアに特化した病院が建てられると話題になっていますが、介護施設ではなくあくまでもシニア向けの病院のようです。デイケアやデイサービスのような介護施設も、バンコクの渋滞事情や医療事情を考えると実現は難しいでしょう。
「Elderly Care Nursing Home」に似た施設は少数ながらありますが、完全介護ではありません。そもそも医療関係者が不足しており、医師の診察も月一がせいぜいという施設がほとんです。
タイでも始まった高齢化社会
―「Elderly Care Nursing Home」の態勢は?
近接する病院からの看護師や介護師が交代で勤務してくれています。これによって必要な人材を確保して24時間体制を維持。施設規模は現在30床、看護師、介護師、医師などスタッフは20名です。酸素吸入などの処置にも対応、医師の診察も定期的に行なっています。
看護師や介護師が足りなければ、24時間介護は無理です。特に認知症の患者さんは常に気をつけていないと、身の回りを汚してしまったり、暴れ出してケガをしたり、物を壊してしまったりします。何度もベッドから落ちて同じところをケガするといった事故は珍しくなく、縫ったばかりのところをまたぶつけて血を流しながら入院してきた患者さんもいます。大人が暴れ出すと力があるので、子どもを扱うようにはいきません。
医師の問診や診察が月一ペースでは合併症への対応は困難です。「Elderly Care Nursing Home」でも、高血圧と糖尿病を患っている患者さんがさらに骨折。食欲低下、疲労などでベッドから動けなくなってしまったことがあります。心配になって話を聞いてみると、あまりに疲れるので下半身のマッサージを受けたとのことでした。
この病状でマッサージを受けたとなると、心配されるのは合併症です。診察していみるとやはり肺塞栓症を併発していました。このように、医師をすぐに呼べる態勢でないと完全介護はできません。
―仕事とはいえ、みなさん大変なのではないでしょうか?
もちろん大変です。しかしタイもすでに高齢化社会が始まっています。今後さらに、シニアに対するケアで経験豊かな医療関係者が必要になってきますし、国としても介護システムの構築に乗り出していかなければなりません。
「Elderly Care Nursing Home」も空きは数床、ほとんど埋まっている状況です。退院しても戻って来られる患者さんもいます。このような介護施設がすでに求められているのです。
―歳を重ねていくに従って気を付けるべきことは?
自らの持病を把握しておくことです。年1回、定期的な検査を受け、薬の投与だけで済ませてはいけません。体は動かせるうちは動かしてください。
「Elderly Care Nursing Home」へは、空きがあればすぐに入院できます。決して高級感はありませんが費用は安く設定していますので、病気、けが、痴呆症などで長期療養が必要な方や、短期でも介護する家族が不在時などに利用いただいています。
―ありがとうございました
住所:67/43-47 Moo 7 Phaholyothin Rd., Anusawaree, Bangkhen, Bangkok 10220
電話:0-2552-7535~37 ファクス:0-2552-7539
日本語連絡先 携帯:081-815-0064  Eメール:renubol@yahoo.com
(newsclip.be 2012/11/23  原文のまま)
編者:タイの認知症医療や介護の一端を知ることができると紹介した。

認知症の人の難しい症状を減らす6つのステップ(11月21日/アメリカ)
認知症の人の行動変化は、アルツハイマー病など認知症で最もよく見え、混乱させ、痛ましい症状の一つです。症状は、混乱、繰り返し要求する、争いが多くことから、徘徊、幻覚、自己抑制できないことまであり、自傷につながることもあります。こうしたことは認知症の人と介護家族の生活の質に関わります。症状は医師にとっては難題です。多くの薬に副作用があり、あまり効果的ではないことがわかっているからです。行動変化の早期の症状を把握するということは、日常的に実施されてはおらず、行動変化が生じる危険因子が見過ごされ、最終的にナーシングホームなど高価な介護施設への入居が促されるのです。
しかし、医師が行動の管理方法を早期に、既に行われている治療に集約できるのであれば、多くの認知症の行動症状は、薬がなくてもよく対応できます。
これについてロ-ラ・ギトリンLaura N. Gitlin教授(ジョンズホプキンス大学看護学部Johns Hopkins University School of Nursing)(写真左上)、コンスタンチン・ライケツォスConstantine G. Lyketsos教授(同大学医学部Johns Hopkins School of Medicine)(写真左中)およびヘレン・カレスHelen C. Kales准教授(ミシガン大学老年医学センターUniversity of Michigan Geriatrics Center)(写真左下)の論文「認知症の行動症状の非薬物的管理“Nonpharmacologic management of behavioral symptoms in dementia"」で論じています。この論文は、アメリカ医師会雑誌(Journal of the American Medical Association)2012年11月21日号の"Clinician’s Corner”に掲載されており、認知症で最も多い行動症状を臨床医に気付かせて効果的に管理するための次の6つのステップの概要が述べられています。

① 早期に行動症状を把握する
② 症状を確認する
③ 症状のきっかけや危険因子を指摘する
④ 適切な介入方法を選ぶ

(例:毎晩、何度も起きるので、常時、穏やかにするように試みるが、
暗いところに一人で怖いと声を上げる場合、介入方法は認知症の人の部屋に常夜灯を使うだけでよいかもしれない。
あるいは夕方、家族との長い散歩を追加するのもよりよい睡眠につながるかもしれない)
⑤ 介入方法が効果あるか確かめる
⑥ 認知症の人の進行を長期に追跡する 

ギトリン教授は次にように指摘します。
「この6つのステップは認知症の人の通常の医療の一部とすべきです。認知症の人に関わるすべての臨床―プライマリーケア、もの忘れ外来、病院、介護施設など―において実施されるべきです。臨床医は、家族や介護者に認知症と行動症状(およびその原因)について教える重要な役割を担っています」
臨床医は、介護者が行動症状の直面しないようにするための道具と戦術を提案できます。認知症の人の混乱や見当識障害を減らすために、介護者に日々の介護を些細で簡単な方法に変え、日常的に行うようにすることを促します。技術的に低い介入方法によって症状を軽減し、救急外来を受診して生じる不必要な医療費を少なくすることができます。
ライケツォス教授は「このシステムと一定の方法を幅広い適応することは、認知症に最も課題となる多い症状について臨床面および新たな薬物療法や非薬物療法の向上を推進することになる」と述べ、またカレス准教授は「現在の薬物療法の限界と危険を考えると、証拠に基づく非薬物療法を取り入れることは不可欠だ」と指摘します。
(Newswise 11/21/2012 Steps to Reduce Dementia’s Most Troubling Symptoms )
論文:“Nonpharmacologic management of behavioral symptoms in dementia(JAMA Vol 308, No. 19, November 21, 2012?2029)(pdf273K)
編者:BPSDの非薬物療法を具体例を挙げて総論的に述べている論文。無償で購読できる。

★アルツハイマー病の診断が治療をはるかに凌ぐことによる課題(11月15日/アメリカ)
アウイルダ・ヒメンネスAwilda Jimenez氏(写真左上)は、昨年、もの忘れがひどくなって夫のエドウインEdwin氏は、恐怖で身震いしました。妻の母親が50歳代でアルツハイマー病になったのです。61歳の妻もその病気になるのだろうか心配したのです。
アルツハイマー病の診断の新しい脳の画像検査があることを知り、不安な思い出妻に検査を受けさせることに同意し、本心は恐れをなくしたかったのです。今年6月、アリゾナ州でその検査を個人的な希望で受けた最初の人が妻だと医師が話していました。
フェニックスにあるバンナーアルツハイマー病研究所Banner Alzheimer’s Instituteの脳画像検査部長のアダム・フライシャーAdam S. Fleisher医師(写真左中)は「画像検査は明らかに陽性です」と話しました。
この時からヒメンネス夫妻は、衝撃的な知らせに対処する戦をしました。アルツハイマー病研究の新時代の問題―病気の治療よりはるかに凌ぐ診断の能力―に直面しています。アルツハイマー病が認知症になり死に至るというどうしようもなく進行するのを止めたり、明らに遅くすることさえも可能な方法が何もないのです。
よい選択肢がないヒメンス夫妻のような家族、自問することはといえば、違った人生を過ごし準備しようとしたいのなら、試験的な薬の臨床試験に参加することなのだろうかということです。
夫のヒメネス氏は「画像検査の結果が陰性であってほしかったのです。陽性だと知った時、がっかりした」と話しています。
新しい脳の画像検査は、今年の6月から一般に利用できるようになりましたが、早くも
普及しています。画像検査でアミロイド斑を表示する検査薬(Amyvid)を販売しているイーライリリーEli Lillyによれば、国内で既に300か所以上の病院や画像検査センターで受けることができ、それらは主だった大都市にあります。
画像検査で脳の斑―ベータアミロイドと呼ばれる蛋白質―が表示され、かつ認知症を認めることでアルツハイマー病と診断できるのです。認知症ではあるが多数の斑を認めない場合はアルツハイマー病ではありません。亡くなるのを待って死亡解剖で脳の斑が多数あるかどうかを知るという必要はもうなくなったのです。
メディケアを含む多くの保険者は、この新しい画像検査―検査料が数1000ドル―にまだを保障していません。さらに検査を受けることに重大なリスクが伴います。すなわち連邦政府の法律によって、被保険者や被雇用者に遺伝子検査の結果によって差別することを禁止していますが、画像検査にはこのことが適応されてはいないです。脳の斑がある人は介護保険の加入することが拒まれるのです。
連邦政府の食品医薬品局Food and Drug Administration(FDA)は、画像検査の解釈について憂慮し、医師が検査を始める前に正確に画像を解釈できることを説明したうでで検査を行うべきであるとしています。
イライリリーによれば、現在、700人の医師がこの資格を持っています。このほかの診断目的の画像検査にはこうした条件はありません。
別の日常的に行われてはいないのですが、FDAは放射線科医が患者に結果について何も話さないことは要請しています。
FDAの医療画像製品Medical Imaging Products部長の放射線専門医でもあるウエイン・リーベスDwaine Rieves氏は「かれらは一般的に臨床情報を別の画像検査の解釈に利用するというふうに研修を受けている」と述べています。
しかし、臨床情報は放射線科医が背景となる病気と疑っていることと自分たちの理解が一致するようになかば無意識に変えることになるようです。
アルツハイマー病について、リーベス医師は「臨床的印象は間違った解釈につながります。このことは画像解釈の分野では大きな変化といえる」と述べています。
他のアルツハイマー病の専門家と同様に、フライシャー医師は、アミロイド画像検査の何年ものあいだ研究の一部として使ってきました。これらの結果からFDAが検査薬を承認するにいたったのです。研究段階で被験者は画像検査の結果について報告を受けていません。しかし現在、一般に利用できる画像検査では、この規則が変わりました。
ヒメンス家で夫は、家族の大黒柱でしたが、母親の介護のためニューヨークからアリゾナへ移り、コンピューター技師の仕事を失いました。画像検査に数1000ドルを払うことは彼らに不可能ではありませんでした。フライシャー医師はサンラディオロジーSun Radiologyのマンテイ・シン・スラMantej Singh Sra放射線科医を見つけました。その事業を始めるのにとても熱心でスラ医師はヒメンス夫人の画像検査を無料で行うことにしました。
スラ医師の画像検査の後、ヒメンス夫婦はフィッシャー医師のところも戻り、検査結果を知ったのです。
フィッシャー医師は、ヒメンス夫人の脳のあまりの多くの斑を見つけて悲しみ、彼女に不安のため精神科医に紹介し、さらに試験的薬の臨床試験に参加することを勧ました。
しかし、夫はこの勧めを好みませんでした。予期しない副作用を心配したのです。
ヒメンス氏は「実際は受けさせてたくなりますが、どう判断したらよいかわかりません。妻にどのようにリスクを持つかもわからない」と質問しています。
ニューヨークのマウントサイナイ医療センターMount Sinai Medical Centerのサムエル・ガンディSamuel E. Gandy医師(写真左下)-患者のほとんどは裕福な人たち―は、医療センターの画像検査料3750ドルを彼らが躊躇なく支払っていたことを知りました。彼は、少なくとも週1回、アルツハイマー病の症状がはっきりしない人で脳の斑があるとおもわれる場合、検査を指示してきました。
彼のほとんどの患者は氏名を伏せることを希望しました。介護保険が加入できなくなることを恐れ、また個人的なこととして扱われることを希望するのです。
ニュージーランドから来た婦人は、ある医師からアルツハイマー病と告げられ、別の医師からは前頭側頭型認知症―アルツハイマー病より若い年代に発症し進行が速い稀な脳疾患-と告げられました。脳の画像検査を受け、結果的に前頭側頭型認知症でした。不幸なことにとガンディ医師は「彼女にすることは何もありません。薬の臨床試験さえない」と述べています。
また別のパーキンソン病と診断された男性は、全身的に動きにくく、認知症もがありました。この場合、パーキンソン病ではなく最初からアルツハイマー病だったのではないかと疑われ、画像検査の結果、アルツハイマー病だったのです。
ガンディ医師の最初の患者は、アレキサンダー・ドレフスAlexander Dreyfoos氏で、80歳で電気技師でビジネスマンでした。かれは自分の経験が広く知られることを喜んで希望した数少ない人の一人でした。かれは自立して裕福で、個人的なことや保険について心配してはいませんでした。
しかし、彼はアルツハイマー病をとても気にかけていました。彼の母親は79歳で亡くなりましたがアルツハイマー病だったのです。
ドレフス氏は「母は衰退し私が誰であるかがわからなくなりました」と述べ、自分の記憶が抜け落ちるという症状を自覚するようになり、さらに「2,3年前、仕事の面で既にトップではないと自覚した」と述べています。
ドレフス氏は、民間会社に依頼してDNAを調べ、アポE4-アルツハイマー病の発病の危険性を高める-という遺伝子を持っていることを知りました。
さらに彼は、マサチューセッツ総合病院Massachusetts General Hospitalで脳の萎縮があること―アルツハイマー病の典型的な症状―を知りました。さらに記憶や論理の心理検査を受けて、医師から心配だと言われたのです。
彼は最後にカンディ医師を訪ね、間違いなくアルツハイマー病だと試験的な薬の治験を求めました。ガンディ医師は、アルツハイマー病を疑って画像検査を勧めましたが、アミロイドの異常沈着は認められず、カンディ医師、アルツハイマー病ではないと告げました。
ドレフュス氏は驚き「すばらしいことだ」と言いました。
ガンディ医師は「アルツハイマー病があるらしいとされる人の30%ほどは画像検査で否定されることがわかりました。しかし、結果が悪かった人には苦慮している」と述べています。
ヒメネス氏は、妻の病気の進行を遅くすることを期待して、ネットで見つけた療法-ウコン、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、オキアミ油、銀杏エキス、ココナツオイル―を妻に飲ませています。これらが効くという証拠はありません。各療法には月額5ドルから15ドルがかかっていますが、彼は「何をしているだろう。この病気について無援な気持ちになるので何でも試したくなる」と述べています。
彼は、将来のことと、金銭的にどうするのか心配しています。診断名を知らなかった方がよかったのかと迷い「経済的にも、精神的にも、霊的にも私は衰えています。すべてが危機に瀕している」と述べています。
NYT November 15, 2012 For Alzheimer’s, Detection Advances Outpace Treatment Options)
編者:脳のアミロイド画像検査についての功罪について簡潔に述べた記事だ。それにしてもアルツハイマー病研究の第一人者のガンディ医師が裕福な患者しか扱わないというのは記者の揶揄か。

保健省の政務次官、テレメディスンも運用する地域病院を視察、称賛(11月11日/イギリス)
イギリス保健省Department of Healthの政務次官Parliamentary Under Secretary of Stateで医師であるダン・ポルターDan Poulter氏(写真左の左)は、エアデール総合病院Airedale General Hospitalは、認知症高齢者をどのように扱うかの方向性について先駆的だ」と称賛しました。
ポルター政務次官は、イルクレイIlkley選出のクリス・ホプキンKris Hopkins議員(写真右)を伴って、ステートンSteetonにある病院を訪問し、認知症高齢者に病院がどのように必要が支援をしているか見学しました。
二人は、エアデールのテレメディスン(遠隔医療)Telemedicineの施設を訪れました。そこでは患者とのコミュニケーションのテレビ会議システムを使うことで診断や医療機器を受け取るためには病院に通う必要がないことを示しています。
議員は第4病棟を案内され、患者のハンナ・ムーアバイHannah Moorby氏(写真左の右)とその娘のジョン・ハリソンJoan Harrison氏(同中)と歓談しました。
セントラルサフォックとノースイプイッチCentral Suffolk and North Ipswich選出の議員でもあるポツター政務次官は次のように述べています。
「政府は5000万ポンド以上を病院と介護施設で認知症にやさしい環境づくりに投資することにしています。認知症高齢者をよりよく世話ができるように、また尊厳をもってケアを提供するためにもっと多くのことに関わります。今日、それがこの病院で行われているという本当によい事実を知りました。特に、病院のテレメディスンは、高齢者が自宅にいても支援が受けられることを保障し、健康上の問題を医師や看護師が把握することができ、農村地帯の住んでいる人たちに助言できます。こうして入院する必要のない人たちへのよりよいケアの方法です」
さらに次官は「病院は認知症の人へのケアで素晴らしい」と称賛し、「これは保健省に持ち帰るべきことで『ヨークシャーYorkshireから学ぶ』と言いたいし、ここエアデールで実行されている仕事をとても誇りに思います。職員もとても熱心で人々の生活の質を本当に改善している」と述べています。
WharfedaleObserver 11th November 2012 Health minister praises Airedale Hospital staff for dementia services
訳注:写真は次官が患者とその娘と話している様子。
編者:議員で政務次官が地元の病院を訪問して評価し、政策を宣伝し、それを地元メディアが紹介するというわが国にもありそうな記事だ。日本では離島などで行われているテレメディスンは限定的に活用されるべきものだろう。

★「認知症患者の自殺相次ぐ」(11月9日/朝鮮日報)
「荷物になりすまない」
認知症を患っていた高齢者の自殺が相次いでいる。今月7日午後0時35分ごろ、慶尚南道昌原市馬山合浦区山湖洞の2階建て住宅の居間で、Aさん(84)が死んでいるのを長男(61)が発見し、警察に届け出た。Aさんは掛け布団の上にまっすぐな姿勢で横たわり、枕元にはAさんが飲んだとみられる農薬の空き瓶が転がっていた。
また、Aさんの腹の上には現金90万ウォン(約6万6000円)が入った巾着袋が置かれ、口の周りには農薬が付着していた。なお、遺書は見つからなかったという。
Aさんの長男は「朝食を取った後、山に行き、正午ごろに帰宅して昼食の準備をし『お母さん、ご飯だよ』と呼んだが、返事がなかったため部屋に行ったところ、意識がなかったため119番に通報した」と話した。通報を受け救急隊が出動したが、Aさんはすでに死亡していた。
Aさんは長男夫妻と一緒に生活していたが、10年前から認知症や脳卒中のため馬山医療院で治療を受けていた。
家族は「Aさんは最近『息子たちの荷物になってすまない』とたびたび口にしていた」と証言した。
また、Aさんは以前にも、数回にわたり自殺を図っていたことが分かった。
警察は「巾着袋に入っていた金は、Aさんが受け取っていた小遣いを集めたものとみられる」と話した。外傷など他殺の痕跡がないことから考えて、家族に負担を掛けることを苦にしたAさんが自ら命を絶ったものとみて、経緯について調べを進めている。
一方、ソウルでも認知症を患っていた70代の女性が自ら命を絶った。永登浦警察署は7日、認知症を患っていたBさん(70)が、6日午後に永登浦区大林洞の自宅で首をつり死亡した、と発表した。警察によると、Bさんは10年前に脳出血を起こして以降、行動に不自由をきたすようになったが、2年前からは認知症も患っていた。夫(71)は警察の事情聴取に対し「妻の認知症は軽微な方だったが、内向的な性格のため、自分が認知症を患ったという事実を悲観し、かなりストレスを受けていた。認知症がさらにひどくなるのではないかと、かなり気に病んでいた」と話した。Bさんは夫が外出した隙に、居間で首をつったとのことだ。 昌原= 姜仁範(カン・インボム)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2012年1月9日 原文のまま
編者:自殺が相次ぐとは、ちょっと大げさだが、わが国で認知症の人の自殺の統計は知らない。

「認知症フレンド」100万人養成計画(11月8日/イギリス)
政府は、イギリス(イングランド)で2015年までに100万人の「認知症フレンドDementia Friends」を養成し、認知症の症状を見分け認知症の人を支援できるようにします。これは、イギリスの70万人がなっている認知症の啓発計画の一部です
デヴィッド・キャメロンDavid Cameron首相は、「認知症は国家的危機であるが、理解はびっくりするほど低い」と述べています。
人々が長生きするようになり認知症の人数は次の30年間で2倍になると推測されています。
政府は、認知症フレンド制を始めますが、これは300万人のボランティアを養成した日本の似た制度から取り上げたものです。
全国の仕事場や市民ホールでの集いで、認知症とは何か、認知症になるとはどういことなのか、認知症症状のある人に会ったときに支えるために何をしたらよいか、などについて解説があるでしょう。慈善団体、企業、よいひろく一般の人たちが加わることが望まれます。
さらに首相は「この国で認知症に取り組むという挑戦を過少評価できません」と述べています。
認知症への研究予算を2015年までに倍の6600万ポンドにすることを首相は約束しました。
首相は次のように述べています。
「イングランドだけで認知症の人は70万近くいますが、その半数ちかくは診断を受けていません。認知症の一般的認識は驚くほど低いです。認知症フレンド計画を通して、初めて100万人が症状に気付き支援をする方法を知ることになるでしょう」
保健省ジェローム・ハントJeremy Hunt, Health Secretary大臣(写真左上)は次のように述べています。
「イギリスがヨーロッパで認知症に最もよい国となることを希望しています。あまりの多くの認知症の人が必要な支援や理解がなく、孤立し孤独で恐れを抱いています。認知症の人と介護者が買い物や友人と過ごすといった日々の活動ができにくくなっていると感じることは避けなければなりません。来年を認知症の人の理解を高めた年とするように計画を実行します」
認知症フレンドの人には勿忘草バッジがもらえ、この制度の経費は240万ポンドでしょう。
アルツハイマー病協会Alzheimer's Societyのジェミリー・ハーゲスJeremy Hughes事務局長は次のように述べています。
「認知症の人によりよい生活を支援するために100万人を結集させるものです。私たちはこの目標に応えるだけでなく、それを乗り越えることができると私は自信をもっていま。認知症はすべての人の問題であり、私たちがその解決に一端となる必要があるのです」
イギリスアルツハイマー病研究所Alzheimer's Research UKの研究部長であるエリック・カランEric Karran医師(写真左下)は次のように述べています。
「イギリス経済にとって年間230億ポンドの費用からして、誰も認知症が無視できる問題ではないことを認めます。アルツハイマー病など認知症の治療を見つけることは簡単な仕事ではありませんが、本当に人々の生活を変革するために取組まなければなりません」
BBC News 8 November 2012  Million 'dementia friends' wanted for training
関連情報:YouTube "Dementia Friends by Alzheimer's Society"
編者:日本の認知症サポーター制度が取り上げられたことを喜びたい。認知症サポーターはWHOの今年の報告書Dementia :A public health priority(pdf5.1M)でも紹介された。

新大統領は、何故アルツハイマー病と闘わなければならないか(11月6日/アメリカ)
ビッグアなイディアBig Ideaがあります。アメリカの指導者―誰になろうと―は痛みを伴う弱らせる心の病気と国が戦うことを要請すべきです。アメリカ人は非政治的なビッグなアイディアに飢えています。それは、定期して元気づけたりするだけのものではなく、家族の日々の生活を改善するものでなければなりません。
私が謹んで提案するビッグなアイディアとは、アルツハイマー病への戦いです。
なぜアルツハイマー病なのか? その訳は、人口統計学的に衝撃的で急速に広がり治癒できない致命的な病気だからです。家族を感情的にも経済的にもバラバラにもぎ取ってしまいます。元に戻らないなら病気であり、どの家族にも必ず影響を及ぼすのです。
アルツハイマー病は、アメリカで死因の第6位です。上位10つの死因のうち唯一予防も治癒も、遅くらせることもできない病気です。脳血管障害、心疾患、乳がん、エイズといった病気の死亡率は過去10年間で低下していますが、アルツハイマー病は66%増えているのです。
人が退職する年齢まで生きていたらアルツハイマー病になる危険性があります。現在、65歳の8人に1人がアルツハイマー病で、家族か知人の誰かがこの苦しい試練を経験することになるでしょう。
この恐るべき病気についてのビッグなアイディアは、アメリカス魂を鼓舞させ、苦しみを伴う病気を予防しようとするものです。
私たちにとって最後のビッグなアイディアはいつだったのでしょうか。私たちの世代のほとんどは月への競争について言及します。ビッグなアイディアの目標は、元気をつけ、刺激を与え挑戦し、一見克服できないような課題に耐えてアメリカ人に犠牲を要請するかももしれません。人類の幸福に欠かせない利益を予期しない方法で振り落すこともあります。最後のビッグなアイディアによって私たちは月面に着陸しました。おおよそ65年の間―おおよそ人の寿命ですが―にアメリカ人はライト兄弟が初飛行したキッティホークKitty Hawkから月に着地した静かの海Sea of Tranquilityまで行ったのです。
さてアルツハイマー病について考えてみましょう。この病気は退行性神経疾患で脳の神経細胞が破壊され、記憶、思考、発語が進行性に障害され、行動の変化ももたらします。不可逆的な病気です。愛する人、夫、母らが、私たちからゆっくりと離れてゆくのを見つめるという深くも悲劇的な痛みを伴います。各人にとっての感情的な傷は悲痛なものです。アルツハイマー病の人にとって子供たちが他人になるという苦悶、自立を失いという無力感、呑み込み方も呼吸の仕方も忘れるという最期の恐怖があります。
治癒するのであれば私たちにもたらすだろう直接的で具体的な利益は驚くべきものです。現在、540万人のアメリカ人がアルツハイマー病で2050年までに1600万人に急増するでしょう。直接的な医療費の年間経済負担はおおよそ2000億ドルで、2050年までに1兆1000億ドルに急騰するでしょう。おおよそ今年の連邦政府の全予算赤字に匹敵する額です。
アルツハイマー病の影響は地球規模でとらえられています。全世界で1800万人がアルツハイマー病であり、その数は今後10年間で2倍になるでしょう。費用は全世界のGDPの1%に相当すると推計されています。世界の人口が増加しかつ高齢化するので、とくに途上国ではアルツハイマー病の有病率が劇的に増えるでしょう。アルツハイマー病の発病の危険性は齢とともに倍々で増え、とくに60歳以降でこの傾向が見られます。
私たちはアルツハイマー病についてほとんど知らないのです。原因もわかっていません。遺伝が関与するという証拠は増えていますが、食事、生活様式、居住地によってアルツハイマー病になりやすいかどうかも分かっていません。確かなことはアルツハイマー病が年齢と共に倍々に増えるということ、そして遺伝的素因を持った人が発病しやすいということです。
アルツハイマー病を理解と発見を目指すいくつかの財団が設立されてきました。昨年、アルツハイマー病の1万1000人以上と症状がないほぼ同数の高齢者の遺伝的分析結果がネイチャージェネチックスNature Geneticsに報告されました(訳注)。これはヴァンダービルト大学Vanderbilt University、ペンシルバニア大学 University of Pennsylvania、マイアミ大学University of Miamiよびボストン大学Boston Universityの大学群が指導してで行われアメリカの44の大学と研究所が参加したもので、新たにアルツハイマー病に関係する4つの遺伝子が見つかりました。
研究者は新しい治療薬を試験し、症状を管理したり遅くすることを試みています。食品医薬品局FDAが承認したアルツハイマー病の薬はわずかで、アリセプト、エクセロン、ナメンダなどです。これらの薬はすべてではないが患者の症状を軽減することができます。革新的で重要な薬はまだありません。
アルツハイマー病のビッグなアイディアにアメリカを向けさせるという新しい大統領への要請は新たに政府の制度を求めるというものではありません。
言わんとしていることは、アルツハイマー病を治すために断固として関わり国民と国民の創造的な精神を結集するということです。その内容は、アルツハイマー病の生体指標の研究の発展、改革的な治癒、予防、治療のためmの小規模な研究環境の整備、最善の臨床医療計画と実施の共有、新しいケアモデルの開発、発明と技術移転的研究が可能な環境改善です。さらにアルツハイマー病の危険因子や早期発見に向けた診断のための生体指標を確認し、記憶障害や異常な認知機能の老化現象についての斬新な治療や予防の方法を開発することです。
ビッグなアイディアは、治癒方法を発見し、人の損失や苦しみを少なくし、臨床的・医学的な革新に向かい、人生をすべての面で改善することでしょう。
表向き、過去のビッグなアイディアは国民のプライドでありつづけましたが、この国や全世界に具体的な利益を得るという流れができました。アメリカ航空宇宙局NASAの技術は人工心臓や気象衛星を生みました。こうしたハリケーン・サンディのような恐るべき嵐の警告を発しました。宇宙探査で使われた技術は、作物の分野に拡がり、古い絵画の修復、多発性硬化症といった病気の治療の助けになっています。
アルツハイマー病を治癒するということで国民の連帯を図ることの効果はあります。医学的な革新―医療器具から薬まで―は、過去2、30年の間にアメリカ経済の基礎的な力でしたが、こうした優位は中国やヨーロッパからの増大する競争によって速やかに浸食されています。アメリカはビッグアイディアに飢えています。大統領、これを現実のものとしましょう。
投稿者のウイリアム・H・フリストWilliam H. Frist医師(写真)は、全国的に評価の高い心臓移植外科医で、アメリカ上院多数党院内元総務で、「癒す手をとおしての希望Hope Through Healing Hands」とテニシースコアーTennessee SCOREの議長。
The Week November 6, 2012 Why President Obama (or Romney) must tackle Alzheimer's )
訳注:Common variants at ABCA7, MS4A6A/MS4A4E, EPHA1, CD33 and CD2AP are associated with Alzheimer's disease Nature Genetics 43,429?435(2011)
編者:やや抽象的な議論で、既にアメリカで始動しているNational Alzheimer's Planについて触れていないが、大統領選挙に伴う著名な医師の提言として聞く。

★診断待ち期間を18カ月から3か月に短縮(11月4日/イギリス)
イギリスのブリテンの認知症の人は40万以上。
2020年までにその数は100万になると予測。
適切に診断される割合が、今回の改革で倍になる推測。
科学の進歩により認知症と診断されるまでの期間は18か月から3か月に短く改められることになっています。
デイヴィッド・キャメロンDavid Cameron首相(写真左上)は、今週、複数の脳外来の連携を創ることで、アルツハイマー病と診断さらたときに既に支援が遅すぎるという苦しみを無くしようと公表するでしょう。
専門家は「早期診断は、早期の認知症の人たちさらに18か月の自立した生活をもたらし、病んで高齢の何十万人の人たちの生活を変えることになる」と述べています。
ブリテンには認知症の人が40万人以上いますが、診断を受けていないため必要な介護と支援が提供されないままでいます。さらに診断確定までに1年半待たなければなりません。
今月8日に首相が保障することになっている、最新技術によって記憶障害などの症状がある人は3か月で診断を受けられことになります。
認知症が疑われる人は、地元のGP(一般医)の診療所でiPadを使った一連の検査を受けることができます。わずか10分で、そのソフトが正常と記憶障害を鑑別することができます。この検査で認知症が疑われた人は、さらに国民保健サービスNHS)の「脳健康センター」に紹介されます。センターでは、さらに詳しい記憶検査を行われMRIを受けます。
MRIで、脳萎縮や記憶に関係する血管の損傷といった認知症を証拠を検知します。その結果は、GPに返送されることになっています。
また政府は、移動診断車の資金をつぎ込みますが、これはGPの診療所の外に駐車してなんらかの方法で検査を受けられるようにするものです。
こうした認知症の正確な診断率は42%から80%と2倍改善されると期待されます。これは首相が今年の初めに「認知症への挑戦Challenge on Dementia」を公表したときに決められた数値です。
首相は、1980年代から1990年代にかけてのエイズへの戦いに匹敵するアルツハイマー病の対する運動を立ち上げると公約しました。
認知症の人は、現在の67万人から2020年までに100万人になると推測されています。
昨夜、首相は次のように述べました。
「認知症は本人とその家族にとてつもない負担を強いる破壊的な病気です。迅速な診断が、認知症の人へ素晴らしい幸せをたらします」
イギリスの科学者や企業の革新的な取り組みは、生活をよい方向に変化させることになるでしょう。そしてイギリスが研究でもビジネスでも優れていると世界に表明できるでしょう。
政府は、中小規模のビジネスや大学に最新の技術による医療の開発を後押しするため「バイオメディカルカタリストBiomedical Catalyst」という基金を通して計画に3900万ポンドを投資することにしています。
第1号の「脳健康センター‘Brain Health Centre’」はサウスロンドンにあるモズレイ病院Maudsley HospitalのメモリークリニックMemory Clinic atに開設されるでしょう。
診断用移動車はサセックスで試みられます。それがうまくいけば全国的に展開されるでしょう。
アルツハイマー病協会Alzheimer’s Societyは、認知症の人と介護者が計画のなかで十分に考慮され、かれらに必要なことが保障され、2か所の脳健康センターの試みで200人の認知症の人が検査を受けるという当初の他の影響を与えるように評価が行われるのであればこの計画を支持するでしょう。
イギリスでは認知症の人10人のうち6人が診断を受けていません。
専門家は「問題は多くの人がかかりつけのGPに認知症の問題を明らかにしなかったことであり、誤診されてきたのかもしれないし、ただ診断を待つだけといったことがある」と述べています。
提案されている制度で診断がより早くより正確に行われることになり、画像検査が簡単に利用できることようになることが希望されます。
国際アルツハイマー病協会Alzheimer’s Disease Internationalは「早く診断されることで認知症の人は自分たちに能力がある期間に今後の計画を立てやすくなり、とても重要なことですが、どのようなケアを受けるかの決定ができる」と見解を表明しています。
早期介入することで、医師は認知機能を改善することができるかもしれないし、うつ状態を治療し、施設入所を遅らせることができ、この分だけ自立生活がより長く営めることになります。
高血圧や乏しい運動は認知症の発症につながりますが、さらに研究者は早期から生活様式を改めることが認知症の進行を遅らせるかどうかについて研究しています。
アルツハイマー病協会のジェローム・ハーゲスJeremy Hughes事務局長(写真左中)は次のように述べています。
「イギリスに認知症の人が80万人いますが、その半数ほどしか診断を受けていません。今後、認知症の人が2倍に増え経費も急増するので、認知症を新しく早い時期の診断できる方法を開発することは不可欠です。この技術によって、意義ある診断を待つ時間少なくなる可能性があります。認知症の人は診断を受けることによる情報とサービスが提供され、十分な利益と支援が得られるようにする必要があります」
認知症の全国的な臨床指導者であるアリステール・バーンスAlistair Burns教授(写真左下)は「革新的確信な技術で認知症の初期症状を見つけるのに役立てるようにし、彼らがよりよい支援とケアを受けられる期間を過ごせるようにすべだ」と述べています。
この計画はIXICOとケンブリッジゴグニッションCambridge Cognitionの企業によって実施されます。これらはキングズカレッジロンドンKing’s College London、ブライトン大学University of Brighton、サセックス大学University of SussexおよびインペリアルカレッジロンドンImperial College Londonと連携してiPadのソフトを開発しました。
Mailonline 4 November 2012 The fast-track dementia test: PM to announce creation of new NHS hi-tech brain clinics that will help cut diagnosis time from 18 months to just three)
編者:イギリスでは認知症の診断に1年半も待たされる!?診断からケアへの流れの政策のなかで、研究や介護に投資して世界をリードし、ひいてはビジネスに繋げたいとする戦略はイギリスもなかなかしたたかだ

NSWではナーシングホームに毎年2000ベッドが必要(11月4日/オーストラリア)
ニューサウスウエールズNew South Wales(NSW)州は、爆発的に増えると予測される認知症に対応するため、今後38年間、毎年ナーシングホームに2000ベッドと認知症ケアを専門とする看護師を数百人雇用する必要であるでしょう。
この新しい数字は、2050年までにほぼ100万人のオーストラリア人が認知症になり、全国的には主な死因となるだろうことを示しています。
オーストラリアアルツハイマー病協会NSW Alzheimer's Australia NSWの最高責任者のジョン・ワトキンスJohn Watkins(写真)氏は次のように述べています。
「私たち協会は2億オーストラリアドルの資金公約を緊急要請しました。研究によると少なくとも3分の1の認知症は予防できると信じられているからです。オーストラリア保健福祉研究所Australian Institute of Health and Welfareは、NSWでは現在の認知症の人が10万人いますが、今後40年で3倍に増えると推測しています。オーストラリアの高齢者施設は限界点に達するでしょう。この到来することに準備できているとは自信がありません。地方、州、連邦のすべての政府に役割がありますが、今のところ、どの政府も実施していません」
ヘンリー・ブロダティHenry Brodaty教授が指導するNSW保健省認知症政策チームNSW Health's Dementia Policy Teamは、2015年以降の認知症ケアに関する長期計画がないとみなしています。
news.com.au  November 04, 2012 NSW dementia cases set to explode
編者:とてつもない数字だ。オーストラリアは2010年で人口2200万人、高齢化率13.5%。

「メモリーサービス」全国に普及(10月/イギリス)
「メモリーサービスMemory services」がイングランド全域で開設され、初期の認知症症状のある人に医療や社会的ケアの専門職に繋げます。このサービスは、キングカレッジロンドン精神医学研究所King's College London's Institute of Psychiatry(IoP).のサベ・バナージーSube Banerjee教授(写真)らが先駆的に行ったものです。
メモリーサービスでは、診断、診断の説明、適切な治療と必要な支援を紹介するものです。
この新しいサービスは、バナージー教授らが創設し有意義なものと見なしたサウスロンドンに在るクロイドンメモリーサービスCroydon Memory Serviceに倣ったものです。
バナージー教授は次のように述べています。
「認知症の人は早期に診断されればされるほどよい。診断によって、認知症の人は自分の生活を自分で管理し選択でき、将来のことや計画を受け入れることになります。早期診断によって、認知症の人と家族は自分たちの受けるケアについての決定するに必要な情報を得ることができます」
バナージー教授が、初めて、クロイドンメモリーサービスを始めたとき彼は精神医学研究所の精神保健・加齢科教授Professor of Mental Health and Ageingで、サウスロンドン・モーズレーNHS基金South London and Maudsley NHS Foundation Trustのコンサルタントでもありました。当時、多くの認知症の人は早期の診断を受けていませんでした。
2007年の発行された評価報告によると、クロイドンメモリーサービスが開設されてから、実質的にかなり多くの人が認知症と診断されました。また現在進められている調査によると、メモリーサービスが臨床的にも費用対効果面でも有効とされました。
さらにバナージー教授は次のように述べています。
「メモリーサービスで、人々が施設へ入所させるのではなく、自分たちの家で支援を受けることが可能となりました。生活の質が改善したのは認知症の人本人だけでなく家族もです」
クライドン方式によるメモリーサービスの全国ネットワークが作られることは、2009年に始まったイングランドの認知症国家戦略National Dementia Strategy―認知症と上手に生きる―の最初の5年間の中核的成施策となりました。ベナージー教授は、戦略の共同執筆者に任命され、2006年から2010年までの間に高齢者の精神保健に関する保健省Department of Health の専門助言者として出向しました。2011年、かれは保健省のメモリーサービスを委託する最善の方法に関するNHS指針作成を担当するグループの議長になりました。
2011年のNHS情報センターNHS Information Centreの報告によると、特別に委託されたメモリーサービスについては全国的には開設されています。しかし2012年5月、デヴィッド・キャメロン首相は、彼の提言する「認知症の挑戦dementia challenge」に関連してイングランドのあらゆる地域でメモリーサービスが開設さに向けた政府の委託を再度提言しました。
認知症への首相の挑戦―2015年までに認知症のケアと研究を大いにる改善し提供する―では、65歳以上の3人に1人が認知症になるだろう、また2012年、イングランドで67万人が認知症ですが、ブリストルとランカスターの人口を合わせた数に等しく、この数は次の30年間で2倍になるだろうとしています。
イギリス精神科学会Royal College of Psychiatristsは、メモリーサービス全国認証制度Memory Services National Accreditation Programmeを立ち上げ、イングランド全域でメモリーサービスの質が均一で高いことを保障するようにしました。
認知症への首相の挑戦の文書では「政府はすべてのメモリークリニックがこの制度のもとで認証されるように推奨する」と書かれています。
クロイドンメモリーサービスの設計図が重要なことは、バナージー教授が、メデリックアルツハイマー基金Fondation Mederic Alzheimerと国際アルツハイマー病協会Alzheimer's Disease International (ADI)の共催の「2010年アルツハイマー病賞‘2010 Alzheimer’s Award’」を受賞したことで認められました。この賞は2011年にカナダのトロントで開催された第26回国際アルツハイマー病協会国際会議26th International Conference of ADIで授与されました。ADIのマーク・ウオルトマンMarc Wortmann事務局長は「自分たちの地域で認知症ケアを改善したいと望む人は誰もが、クロイドンメモリーサービスのモデルから学ぶべきだ」と述べています。
Institute of Psychiatry October 2012  Memory services opened across England
関連情報:Memory assessment service for the early identification and care of people with dementia (02 March 2012 NICE)
編者:イギリスの公的制度として政府の全国的委託事業のメモリーサービスがある。メモリーサービスはメモリー憶評価サービスMemory assessment serviceと呼ぶのが正確で、評価するが治療する場ではないようだ。なお紹介記事は研究所(IoP)とベナージー氏の自己自讃的で、メモリーサービスがイギリスで実際にどのように役立っているのか知らない。

「認知症の妻を殺害後に自殺、夫を逮捕」(10月30日/朝鮮日報)
認知症が招いた70代夫婦の悲劇
認知症を患う妻を殺害した後、自ら命を断とうとした70代の男が警察に逮捕された。ソウル永登浦警察署は、今月19日午後9時ごろ、ソウル市永登浦区文来洞の自宅マンションで、認知症を患う妻(74)の首を絞め死亡させた疑いで、L容疑者(78)を逮捕した、と29日発表した。
警察によると、L容疑者は2年前から認知症を患っている妻の介護を続けてきたが、日を追うごとに妻の症状が悪化したため悩んでいたという。警察の調べに対しL容疑者は「50年以上連れ添った人が、毎日のようにおかしな行動を取り、醜い姿を見せるのをつらく感じた。妻が病気になって以来、いっそのこと一緒に死んだ方がましだ、とたびたび思うようになった」と供述した。パク・サンギ記者
朝鮮日報日本語版 2012年10月30日 原文のまま
編者:悲劇は日本も同じだが悲劇を防ぐ手立てがないわけではない。韓国では社会的地域的な予防策はあるのだろうか。

アルツハイマー病の人は投票所へ行けるか?(10月28日/アメリカ)
この質問は簡単ではありません。
アルツハイマー病など認知症で長い旅を始めたばかりの人にとって投票する権利は、とても貴重な権利で喜んで控える人はほとんどいないでしょう。
しかし、選択できる能力があるかどうか、またその能力をどのように決めるかについて議員の関心事となりました。指導的な専門家がこの問題をすべて解決するように最善をつくしています。
どの州の議員も、異なる認知障害の投票者にとって、公平で理にかなっていると思われるガイドライン作りに取り組んでいます。
精神科医、神経科医、神経心理学者、弁護士および権利擁護者は、この間、国会議員が扱うことになる課題を決定する方向で作業を進めています。
認知症と診断を受けた後、ほとんどの人は、ある時点で疑問―投票権を失う方が先か、投票を受け入れる許容度を制限する法が先か―を認識するようになります。
これは認知症の人にとってとても胸の痛む問題です。認知症の人は生涯、自分たちが指導者を選べる権利を実行してきたのです。
認知症の人の家族もこの問題に直面しますが、問題がますます複雑になって、怒りや悲しみや無援といった感情を抱きつつ苦闘しています。
こうしたなかで良い知らせとして、一貫しており協調的で集中的なやり方でこの問題に応える作業を進める計画があります。
ペンシルバニア大学アルツハイマー病センターUniversity of Pennsylvania Alzheimer’s Disease Centerが主催する「認知症投票計画Dementia Voting Project」は、このテーマに関する優れた情報源です。また「高齢者が実施しやすい投票:認知障害の影響"Facilitating Voting as People Age: Implications of Cognitive Impairment"(pdf46K)」という報告書には詳しい計画の記載があります。
アルツハイマー病の人など認知障害のある人がどのように投票すべきであり、投票を行えるようにし、投票するようになるか、というやっかいで不愉快な問題が、この計画にかかわる多分野の専門家のチームで検討されています。
各州は、この問題についてそれぞれの見解や法律を持っています。しかし、連邦裁判所は2001年に「ドエ投票能力の基準“Doe Voting Capacity Standard”」を承認しました。これは投票権を実施する能力を判定する質問票とされています。
アメリカ心理学雑誌American Journal of Psychiatryで、「アルツハイマー病の人の投票する能力The Capacity to Vote of Persons With Alzheimer’s Disease」という演題の研究論文があります。この論文で、研究者は、アルツハイマー病の人の投票能力を把握する方法として「ドエ質問票」への有効性を測定しました。
しかしドエ基準は、認知障害の人の投票権を実施する能力について答を提供するかもしれませんが、客観的な評価であるにもかかわらずとても痛みを伴う問題には応えてないようです。次の疑問は残ります:「アルツハイマー病の人が指導者を選ぶのを阻止する権利は誰にあるのか?」
Alzheimer's Weekly October 28th - November 4th, 2012 Can a person with Alzheimer’s go to the Polls?
サイト内関連記事:「判断能力が不十分な人の投票判断能力が不十分な認知症や知的障害者などの場合、選挙権はどうなりますか。」(2010年6月29日)
編者:妻が認知症になって投票所に行くことにした。認知症の人は投票できるかどうか区役所の選管に聞いたら、できないという規定はないので投票できるとのことでした。投票所で、妻の後ろに居て、返答に困ると私が答え、誰の名前を書いてよいか迷っていると私が指示した。特に投票所で問題にはならなかった。だれもどうしてよいか分からないのだ。
認知症と選挙権について成年後見制度の後見型被後見人になると自動的に選挙権が剥奪される仕組みについて議論があるが、認知症と選挙権についての議論はほとんどないのがわが国の現状だ。これに対してアメリカでは、認知障害と投票について全国的な話題となり、専門家集団の研究と議論が行われていることを大統領選まじかに知る。

ハリケーンがアルツハイマー病の人を危険に追いやるおそれ―災害時の準備―(10月27日/アメリカ)
東海岸に急接近している超大型のハリケーンサンディは、ニューヨーク州中部の人たち―とくにアルツハイマー病の人―かなりの危険をもたらすおそれがあります。
これから起るかもしれないこと関心が高く、アルツハイマー病協会セントラルニューヨーク支部Alzheimer’s Association Central New York Chapterが実行できる安全対策を提唱しています。
協会支部のジャレッド・パヴェンティJared Paventi氏は「アルツハイマー病は記憶の病気です。人々は自分たちの周囲で起きていることを知っていますが、アルツハイマー病の人は正しく理解できないことがある」と述べています。
この支部はセントラルニューヨークの14の郡の地区を担当し、この地区にアルツハイマー病の人が4万6000人います。
暴風雨によってアルツハイマー病の人は介護者から離れ離れになることもあり、興奮して、感情が激しく噴出するかもしれません。
協会は暴風雨に際して介護者が以下の緊急用物品を用意することを勧めています。
○ 廉価な浮遊用品
○ マジックテープのついた靴
○ 失禁用品
○ 枕や何か抱ける玩具のような物
○ 薬
○ 代理権などの法的書類の写し
○ 医療記録の写し
アルツハイマー病協会は24時間の電話相談を行っており、病気の相談や介護者支援を行っています。電話:1-800-272-3900。
syracuse.com October 27, 2012  Hurricane Sandy could put Alzheimer's patients at risk
サイト内関連記事:財団がハリケーン被災のアツハイマー病の人に支援(2005年8月31日)(下記の全文訳付き)
関連記事:Alzheimer’s Association offers tips to safeguard individuals with dementia in advance of Hurricane Sandy( October 27th, 2012 alzcny)
関連情報:Disaster Preparedness( 2007 Alzheimer’s Association)(pdf70K)

介護施設で認知症の人が殺人の疑い(10月26日/カナダ)
イーストバンクーバーEast Vancouverの介護施設での女性の死亡に関係する高齢の男性が警察署の留置所に居ます。
26日、ブライアン・モンターギュBrian Montague警察官(写真左)は次のように述べています。
「倒れて頭を打った84歳の女性については、25日の午後にあった911番電話で警察は対応しました。彼女は、医療補助者によって病院に搬送されましたが、悲しいことに亡くなり。バンクーバー警察署Vancouver Police Departmentの殺人班は、現在、女性が別の居住者によって倒され転倒して怪我をしたとの報告を受け、現在、捜査中です。この件で79歳の同じ施設の居住者の男性が逮捕されました。捜査は男性の医学的経過の把握と事件への認知症の影響について決めることにしています」
サイモンフレイザー大学老年学研究所Gerontology Research Centre, Simon Fraser Universityの所長で老年学者であるアンドリュー・シックスミスAndrew Sixsmith氏(写真右)は次のように述べています
「認知症のために、危険のない状況であっても恐れや怒りの反応を示すことがあります。認知症の人は自分の周りで起きていることを誤解することがよくあります。このため、社会的に受け入れがたい行動を取ることもあるのです」
カナダにはアルツハイマー病の人が50万人以上いますが、その数は2038年まえに2倍になると推測されています。
さらにシックスミス所長は次のように述べています。
「アルツハイマー病の人は他人にどのような危険をおよぼすか理解してないかおもしれません。目下、こうした状況を改めるためにほとんど何もされていません。人々は認知症の治療を製薬企業の薬に期待してはいないのです、これは社会的問題のままです。大いに問題となりうる状況に置かれているこうした人たちを私たちはどう支えたらよいのでしょうか」
CBC News Oct 26, 2012 B.C. senior pushed to her death in care home

★スコットランドで初めての「認知症にやさしい街づくり」計画(10月22日/イギリス)
スコットランドのグラスゴーに近いマザーウエルMotherwellという町は、認知症にやさしい環境づくりに向けて町の中心部を改革することにしました。人々が高齢化する課題に合わせたこの計画はスコットランドでは最初の街としてその方法が検討されています。
マザーウエル計画は、スコットランドアルツハイマー病協会Alzheimer Scotlandがその概要を創り、ノースラナークシャー議会North Lanarkshire CouncilとNHSラナークシャ-NHS Lanarkshireおよび「エクスペリエンスフォーラムの声Voice of Experience Forum」と連携されています。この計画は、地域の支援を得るために、これらの組織が協力して地域の企業に、認知症に関わる具体的なヒント、どのように認知症にやさしく接するか,また認知機能が低下した大人とどのようにコミュニケーションを取るかなどについて助言することになっています。
この計画に参加する人たちは、自分たちの住む環境から不必要な雑音をなくしたり、辛抱強く認知症の人に対応したり、また定期的にサービスを利用する人たちに安らぎの場所を提供することなどについて助言が受けられます。
住居と社会事業を担当するサム・ラブSam Love議員(写真左)は次のようい説明しています。
「認知症の人は、日々の通常の活動―買い物、外出、図書館や教会やカフェに行く、友人と会うといったこと―ことがとても大切だと各自言います。しかし、彼らは自信をなくして、こうした活動がとても難しくなり困惑し外出を控えるようになるかもしれません。簡単な方法で、私たちはこうした人たちが気楽に暮らせるよういすることができます。マザーウエルにある企業に依頼して誓約を結び認知症のある顧客を理解と尊厳を敬愛を持って対応するようにお願いします」
ノースラナークシャーに認知症の人が4300人いると推計されていますが、スコットランドアルツハイマー病協会の啓発担当のカースティ・ヤニクKirsty Yanik氏は、認知症にやさしい計画を進めることがとても重要であるとが信じて、次のように述べています。
「認知症の人のおおよそ60%は自分たち地域で生活―施設ケアではない―を送っています。このことため、自分たちの地域で認知症について理解をかなり向上させ、認知症を人を支える地域のさまざまなサービスや支援を提供する方向で作業することがきわめて重要なのです。私たちはマザーウエルの動きを歓迎します。これは簡単ではあるが有意義な変化をもたらすことを確かめ、認知症の人、介護者、パートナー、家族の生活の質を改善することにつながるのです」
homecare.co.uk 22-Oct-12  Vision for Scotland's first dementia friendly town centre
サイト内関連記事:認知症にやさしい地域づくりの7つの方法(8月17日/イギリス)
編者:認知症にやさしい地域づくりはイングランドでは既に始まっているが、スコットランドは計画中のようだ。

★アルツハイマー病は家族の経済的負担(10月20日/アメリカ)
マーヴェル・ワットコットMarvelle Whatcott氏は、毎日、郵便物を受ける役目をしていましが、日によっては郵便物を確かめに何度となく郵便受けをのぞくこともありました。
息子のケヴィン・ワットコットKevin Whatcott氏は(写真左1)彼女が2009年に80歳で亡くなるまで介護していましたが、次のように話しています。
「それが母の仕事でした。それがなにか大切な存在と感じられる事柄だったのです。母はアルツハイマー病と診断されても、つねに何かすることはないかと探していました。家族の一員であることを望んでいたのです。母を一人にしておくと、暗いところで長椅子に座っていたでしょう。しかし、それは幸せではなかったのでしょう」
病名を知ると、最初、家族全員が戸惑い、精神的にも身体的にも重荷になります。
さらにワットコット氏は次のように話します。
「母が、時々、同じことを繰り返す欲求にうまく対処する方法を習得すると、家族全体がより献身的になります。いったん理解できると親密になりました」
、ワットコット氏は、元弁護士であり、ユタ州でのよりよい介護資源の必要性を知って、ホームウオッチングケアギバーHomewatch CareGiversは創設しまた。
彼はまた次のように話しています。
「何年もかけて多くのことを学びました。支援が必要な人のためには家庭に入りました。家族の誰もができない時でも人が自分の家にできるだけ長く住むことを助け、ナーシングホームでのケアを受けることによる出費を抑えることになります」
アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationによると、この病気による出費の多くはは入院や入所によるものです。
アルツハイマー病ケア・画像研究センターCenter for Alzheimer's Care, Imaging and Researchの所長でユタ大学University of Utahの神経科教授でもあるノーマン・フォスターNorman Foster医師(写真左2)は「人々が高齢化し、長生きするので、ユタ州に居るとアルツハイマー病による生活の変化に直面する人数が劇的に増える」と、ヒンクレイ政治研究所Hinckley Institute of Politicsが開催したアルツハイマー病に関する特別な公開討論会で公言しました。
さらにフォースタ医師は次のように述べています。
「アルツハイマー病は患者自身への影響だけでもなく、医療問題だけでもなく、家族を巻き込み、隣人や子供たちにも影響します。アルツハイマー病と診断されることで患者の家族は強い精神的な負担を強いられ、大きな経済的影響も受けるのです」
全国的にみると、アルツハイマー病に関係する年間の経費は2000億ドルで、これに税金によるメディケアやメディケイドの1400億ドルが加わります。
ユタ州では、この病気の人が3万2000人以上いますが、その介護の80%ほどは家族が提供しています。おおよそ13万2000人の介護者が在宅で1億5000万時間以上の介護を提供しているのです。これは年間18億ドルの価値に相当するものです。しかし、この貢献によって家族の機能が失われ経済的な困窮に陥ります。
州のアルツハイマー病協会と全国的な医療擁護団体は、これから予測される津波とその経費に対処するユタ州独自の計画を要請しています。
ソルトレイク市の民主党議員であるカレン・モーガンKaren Morgan氏(写真左3)は次のように述べています。
「ユタ州は全国38州とワシントンDCなかの一つの州ですが、アルツハイマー病に関する州計画を発表し細部を決める過程にあります。ユタ州の認知症の関する計画は今年の初め採用されましたが、さらに準備を進めて立法化します。ユタ州の政治的経済的な状況からして計画を実現するには困難が伴いますが、州の人たちが病気についての認識を高め偏見を取り去ることが計画の支援になります」
ユタ州のホラデイHolladayに住むビル・ブルーノBill Bruno氏は、最近83歳の父をアルツハイマー病の合併症で亡くしましたが、次のように話しています。
「アルツハイマー病はほとんどの人たちには禁句なのです。10年以上、父はこの病気と闘ったと思っています。私は父の介護のために一緒に暮らし始め、新たな現実が生活となりました。朝から夜まで誰かを最低限の介護をしました。父と24時間365日を過ごすまでは、この現実を誰も知りません。介護は家族のとってチームでの努力でした。だれもその負担に耐えるということはできません。同じ様な状況にある介護者グループの支援が利用できました。グループの人たちは友人となり拡大した家族のようなものです」
彼は家族を介護している人たちに次のように助言しています。
「情報を得ることに躊躇しないことです。病気について知ることは辛いことで。辛いことを避けようとするのは自然です。病気、介護、関連するすべてのことについてのより多くの情報を知れば知るほど状況はよくなります」
ユタ州のアルツハイマー病計画は介護者や一般の人たちが利用しやすい数多くの情報を提供する意図があり、計画の最初の目標は「認知症に目覚めたユタdementia-aware Utah」を創ることなのです。
アルツハイマー病協会ユタ支部Alzheimer's Association Utah Chapterのスポークスマンのニック・ズロNick Zullo氏(写真左4)は次のように述べています。
「これはゲームの始りです。何年かけて進歩をするでしょう。計画を進めるだけであれば費用は必要ありませんが、公的部門と私的部門の連携、および高齢化に関係する部門と政府との連携は必要です。アルツハイマー病に関する最大の誤解は加齢によるものとすることです。加齢はアルツハイマー病など認知症の危険因子ですが、それだけが原因ではありません。これは病気であり、正常な加齢現象ではありません。加齢とするものだけとするなら65歳以上の人は誰でもアルツハイマー病になります。アルツハイマー病は、高齢者だけがなるものではありません。歴史的にみても、最初にこの病気と診断されたのは43歳の人で55歳で亡くなりました」
またフォスター医師は次のように述べています。
「現在ある特殊は方法はより多くの人たちの診断を助けています。病気の適切な管理の要望が増えるのであれば、より適切な方法でアルツハイマー病の関係する医学分野を後押しています」
引退した元学部長のビル・ミラーBill Miller氏(67歳)(写真右上)は、毎日、妻のバーヴァリー・ミラーBeverly Miller氏(66歳)とお膳立てrunning interferenceをしています。妻は3年ほど前にアルツハイマー病と診断されましが、二人はアルツハイマー病大使として活動し、州の役人に会い、人々の病気の見方を変えることを期待しています。
ミラー氏は次のように話しています。
「突然、私はお抱えの運転手になったり、料理人になります。二人でやってきたこと以上に多くのことをこなしています。どの暮らすか、どこで暮らすか、起こりうることも考えなければなりません。妻はアルツハイマー病の初期から中期に在りますが、近い将来、同じ方法では不可能となる時が来ることを知っています。日々のほとんどは、いつものとおりのようにみえますが、実際はそうではありません。すべての機能をを持っていた人が衰えることを見るのは悲しいことです。そこに居るのですができなくなることによる不満はやさしくはありません。アルツハイマー病の人の介護は、単なる高齢者の介護とは異なります。ユタ州の議員たちはこの病気の影響を理解していないようです。将来、医療が危機に直面するでしょう。政府や議員たちの適切な反応と理解と実感を期待します。今後、何年後には起こるかもしれないことを考えるだけの余裕はありません。それまで妻の最善の生活を楽しめるように支援し続けましょう。彼女はいつもしていたことができなくなりました。これが同じ人であり、同じ人ではないのです。とても悲しいことです」
寄稿者:ウエンディ・レオナルドWendy Leonard氏(写真右下)
デザートニュースDeseret Newsの記者ですが、日常的にはニュース速報を担当しながら、医療、医薬品、交通に関係する課題について執筆している。
ksl.com October 20th, 2012 Alzheimer's disease creates financial burden for families
編者:アメリカのひとつの州でのアルツハイマー病に関わる現状を伝える記事として紹介する。アルツハイマー病への偏見が根深いようだ。なお右中の写真は同記事に説明はないがソルトレイク市在住でホームウオッチケアギバーを利用しているパーソニックPersonick夫妻の在宅生活の一端をうかがわせるので掲載した。

「認知症の80代をなぜ一人で山に放置したのか 」(10月20日/東亜日報)
李明博(イ・ミョンバク)大統領の姻戚のイ・グンイ氏(87)が行方不明となってから5日目となっているなか、警察はこれと言った手がかりをつかめずにいる。大規模な捜索を行っている慶?北道(キョンサンブクド)・青松(チョンソン)警察署は19日から、捜索人数を1日70人から300人あまりへと増やし、捜索範囲も5キロから10キロへと拡大させている。イ氏が最初の行方不明地点から遠くへと離れた可能性があると判断したからだ。
イ氏の行方を捜すのが難しい理由は、その周辺の里山が大変険しい上、深い谷間が多いからだ。この地域は里山であるが、普通の勾配が60~70度を越えており、大人も簡単に登るのが難しい地域だ。警察の関係者は、「さらに時間が経つことになれば、イ氏の生き残りの可能性が下がるだろうと見て、ヘリまで動員して、捜索を行う計画だ」と語った。
イ氏の行方は依然分かっていない。事件当日のほかは、これといった目撃者や目撃情報もない。警察の一部からはなぜ、家族が認知症を患っている80代の年寄りを、一人で山に放置したがという疑問が持ち上がっている。また、大人も登りづらい山で、イ氏が見つかっていないことは、誰かによって連れ去られたためではないか、という推測も出ている。
同日、記者が訪れた最初の行方不明場所のマツタケ農場の小屋は、標高約300メートルのところに位置している。高くはないが、勾配が激しく、数歩踏み出しただけで、すぐ息切れがする。あるところは手で木を握ったり、土に手をついたりしながら登らなければならないほどだ。村のある松江里(ソンガンリ)までの往復には1時間ほど掛かった。イ氏の家族は、数十年前から、毎年この時期になると、マツタケの採集のために小屋を立てて、1ヵ月間暮らしてきたという。周辺の里山は、イ氏の所有だという。
ビニールテントで作られた小屋は、約30平方メートル(9坪)の広さであり、就寝はもとより、炊事のスペースもある。周辺は数歩歩いただけでも、いたるところが崖となっている。イ氏は15日午前、家族らが生活必需品を買いに行っていた間、ここから姿が消えた。
警察の関係者は、「イ氏の様子の映っている防犯カメラのある村は、小屋から南のほうに約1時間ほど離れている」とし、「イ氏は村まで降りてきており、村で犯罪に会った可能性も排除していない」と語った
東亜日報日本語版 2012年10月20日 原文のまま
編者:韓国の認知症の一端をうかがえる記事として紹介した。

家族や友人が語り合うアルツハイマーカフェ(10月19日/アメリカ)
5年前、妻のパトリシア氏がアルツハイマー病になったことがはっきりした夫のロイ・ホッジズRoy T. Hodges 氏にとってそれはとても辛いことでした。カリフォルニアのベンチュラVenturaに住むホッジズ氏(79歳)は妻のパトリシア氏も同じ年ですが、次のように話しています。
「1年前、彼女はいつも物忘れするようになりました。最終的には、介護する人が必要となるでしょう。まだそこまではなっていませんが、ゆっくりその状態に向かっています」
ホッジズ氏は高齢者の小さな集いに参加していました。それはアルツハイマーカフェAlzheimer's Cafe(写真右)と呼ばれ、支援を求める人たちの集まりヴェチュラタウンハウスVentura Townehouseの退職者コミュニティで毎月第3水曜日の午後、無料で開催されています。
町が全貌できる7階で開催されるこの催しの特徴は、生の演奏を聴き、チョコレートのかかったストローベリーや果物やチーズなどの軽食が提供されることです。ホッジス夫妻は2人の子供とは別居していますが、さらにロイ氏は次のように話しています。
「私が一人ぼっちではないことを知り、同じような経験を通してほかの人たちとこれからどうするかを話するのに役立ちます。アルツハイマー病の家族に持つことはほとんど誰もが初めての経験です。最初に何をしようか迷い、アルツハイマーカフェは自然な形での第1歩です」
アルツハイマーカフェは、認知症の人、家族、介護者および友人が安心して心地よい雰囲気のなかで、他の介護者、ボランティア、医療専門職と一緒に過ごせる場です。
アルツハイマー病協会カリフォルニア中部支部Alzheimer's Association California Central Chapterのベンチュラ郡担当主任のローズマリ-・フォレスゴーソンRosemary Flores-Gordon氏(写真左下)は次のように述べています。
「カフェを訪れる人たちは、精神的な安定、学習、社会的接触を求めて来るのです。ここの目標は、認知症の人と介護者に社会的な場social outletを提供することです。とても重要で、アルツハイマー病になると友人を失い孤立しますが、病気への偏見があるからです。こうした社会的な場はまだ十分に在りません」
カフェの設立にはジム・デュランJim Duran氏(51歳)(写真左下)が関わっています。彼が16歳のときベンチュラの回復病院で仕事を始めて高齢者との経験が始まりました。デュラン氏は次にように述べています。
「1992年、叔母は私の母親のようなものでしたが、彼女が42歳のときアルツハイマー病になり52歳で亡くなりました。私たち家族は、家族の誰かがアルツハイマー病になり、しかも若い時に発病することがどういうことかを知りって10年間過ごしたのです」
2004年から、彼はサイプレスプレイスシニアーリビングCypress Place Senior Livingで働き、そこで、アルツハイマー病の人と積極的に関わりました。またヨーロッパで始まったアルツハイマーカフェについても知ったのです。
その施設で先月初めてのアルツハイマーカフェを始めたデュラン氏はさらに次のように述べています。
「私は職員に協力し、アルツハイマー病協会のスタッフを招待して私たとのパートナシップを創ることにしました。今日もなお順調です。これはベンチュラ市のすべてで必要としたものなだと知ったのです。家族は本当に同じ話題で他の家族とうまくいくと感じているのを観ました。集いは教育的でもあり私的社会活動です。介護者は再び、精神的社会的支援を得て、社会的な場で専門職と会い、私的な相談助言を受ける機会となります」
彼の個人的な目標は、ベンチュラの高齢者施設のすべてに働きかけ自分たちのコミュニティでアルツハイマーカフェを勧め、導入することです。
またデュラン氏は次のように述べています。
「こうしたカフェは家族と認知症の人に安心できる場を提供するでしょう。彼らは2時間の間、互いに支えあい、学び、食事と催しを楽しみ、新しい友人を作ることができます」
Ventura County Star October 19, 2012   Alzheimer's cafe is place for families, friends to discuss disease
サイト内関連記事:認知症カフェがオープン(7月23日/オーストラリア)
編者:アメリカの地方でのアルツハイマーカフェの取り組みとして紹介した。民間の高齢者介護施設が地元のアルツハイマー病協会と連携して運営する無料のカフェだ。

アルツハイマー病の人で抗精神病薬を止めると症状再発(10月18日/アメリカ)
ニューヨーク州立精神医学施設老年医学部Division of Geriatric Psychiatry, New York State Psychiatric Instituteのデヴァンジェ・ドヴァナンDevangere P. Devanand教授(写真左上)らのグループは 、精神病的症状や興奮や攻撃性の症状で抗精神病薬を使われ症状が改善しているアルツハイマー病の人が薬を中止してどのように変化するかよく理解されていないとして臨床試験を行いました。
対象者は、上記の症状があるアルツハイマー病の人180人で抗精神病薬の一つのリスペリドンrisperidone(訳注:商品名リスパダール)(平均投与量:0.97g/日)を服用している人がわかるように16週投与されました。
リスペリドンが効いた人を2重盲検法で無作為にグループ分けしました。第1グループ、同じ薬を32週続け、第2グループは同じ薬を16週続け、その後偽薬を16週続け、第3グループには試験開始から偽薬を32週続けました。なお症状が再発した時点で試験は中止しました。
試験前、リスペリドンは精神病症状や興奮の重症度を減じましたが、副作用の錐体外路症状―震えや運動障害など―が少し増えました。180人のうち112人が薬の効果があると判定しました。さらにこのうち110人を無作為に3つのグループ分けしました。その結果、試験開始16週後、リスペリドンを服用していたグループより偽薬を服用していたグループで症状の再発がより多く認めました。次の16週間での症状の再発はリスペリドンを続けたグループより偽薬に変更したグループでより多く認めました。グループ分けしたのちで副作用および死亡の発症頻度はグループ間で有意差は認めませんでした。
このことから精神病症状や興奮症状がありリスペリドンを4か月から8か月間服用しで症状が軽減したアルツハイマー病の人については服薬を中止することで症状の再発が多くなるという相関関係を認めました。
この研究論文はアメリカの医学雑誌New England Journal of Medicineの2012年10月18日号に掲載されました。
近年、抗精神病薬についてアメリカ食品医薬品局U.S. Food and Drug Administrationは認知症の人で死亡率が高くなるとするblack-box warning(訳注:医薬品添付文書で最大に注意すべき副作用情報)にあたる薬とみなしています。
今回の研究結果についてドヴァナン医師は次のように述べています。
「介護する人は、この種の薬を認知症の人服用することで死亡が増加することを注意すべきです。しかし抗精神病薬を服用して重大な副作用もなく効いていてば続けるべきです。またナーシングホームの職員は、認知症の人に3から6か月以上、抗精神病薬を使う場合、記載された注意情報を知らせる責任があります。また薬を中断するときは注意が必要です。抗精神病薬で効果的で副作用が多くなければしばらく続けたよいが、十分に観察すべきです」
ニューヨーク市にあるモンテフィオーレ医療センターMontefiore Medical Centerの老年精神科グレイ・ケネディGary Kennedy科長(写真左下)は、今回の研究には参加しませんが、次のように述べています。
「アルツハイマー病の人にどれだけの期間、抗精神病薬を使うかを決めることは容易ではありませんが、その人が薬によく反応している場合はその薬の頼ることになります。アルツハイマー病の人の興奮や攻撃性を治療することは、本人や介護者によってかなり異なります。アルツハイマー病の人が危険なことがあり、また介護するのはとても難しい場合があります」
USNews Health October 18, 2012  Some With Alzheimer's Better Off Staying on Antipsychotics: Studyおよび論文Relapse Risk after Discontinuation of Risperidone in Alzheimer's Disease
編者:抗精神病薬が有効と思われるアルツハイマー病の人については大きな副作用がない限り続けてよいとする研究報告だ。リスペリドン限定。有効であれば薬を止める必要はないようだが、再発した興奮や攻撃性を抗精神病薬の薬だけで対応してよいか。そもそもリスペリドンを含む非定型抗精神病薬がBPSD(認知症の行動心理症状)に有効とは広く認められてないなかで、論文はこの種の薬の使用を追認し後押しするくことになる恐れがある。ちょっと危ない論文だ。

病院での認知症ケアを改善する新しいガイド(10月17日/イギリス)
病院でアルツハイマー病など認知症のある患者をケアを改善するに役立つ新らしいガイドが出版されました。
イギリス看護協会Royal College of Nursingで作成されたガイドは、病院で認知症ケアの標準を作成する鍵に看護師が関わるのに役立つものです。
このガイドでは、認知症の患者を安心させることに優れた医療専門職が介入することも含まれます。専門職らは、認知症の人を介護する時間を持ち、介護者との連携を向上させ、早い時期に認知症であろうと見当づけ、すべての介護が個々人に合わせることです。
新しいガイドは、情報、指針、この課題をさらに調べる詳しい方法を提供しています。ガイドは、すべての看護師だけでなく、病院の管理者などにも利用されることを意図しています。
テレビのパーソナリティのアンジェラ・リッポンAngela Rippon氏(写真左上)はアルツハイマー病協会Alzheimer’s Societyの大使でもありますが、動画で情報を提供します。これは医療職だけでなく患者や介護者の視点から介護を観たものです。
イギリスでは、認知症の人が病院ベッドの25%ほどを占め、75歳以上の高齢者患者の入院の10人に4人が認知症なのです。
看護協会の認知症プロジェクト主任のラッヘル・トンプソンRachel Thompson氏(写真左下)は次のように述べています。
「病院のケアで改善が必要なことで、認知症の人の場合は特に難しく不安を伴います。今回のガイドや動画が病院職員が自分たちの勤務場所で改善するのに役立つことを望みます」
保健省で認知症に関する全国臨床担当部長のアリステー・バーンズAlistair Burns教授(写真右)は次のように述べています。
「いくつかの病院では既に自分たちの認知症ケアを実施していますが、その他の病院では変革が必要です。病院で働くすべての人たちがこの資料を利用し、実際のケアを提供するのに役立てることを勧めます」
NursingTimesnet 17 October, 2012 New guide to help improve dementia care in hospitals
関連資料
Commitment to the care of people with dementia in general hospitals(動画あり)
Dementia: Commitment to the Care of People with Dementia in Hospital Settings (pdf 552.8KB)
Commitment to the care of people with dementia in general hospitals: pocket guide (pdf1.3MB)
Commitment to the care of people with dementia in general hospitals: checklist to identify achievements and areas for further development (pdf 722.2KB)

関連情報(同ガイドより)

一般病院における認知症の人へのケアの関与
1. 職員は情報を受け、訓練され、ケアするに十分の時間を持つ
2. 認知症の人の別な指示がなければ、介護家族や友人はケアのパートナーとみなされる
3. 認知症評価は、そのおそれのある人すべてに行われ、早期に判定され、適切なケアを支援する
4. ケアプランはその人中心に行われ、個人が必要とすることに対応し、栄養、尊厳、快適、無失禁、リハビリテーション、アクティビティ、緩和ケアを支援する
5. 環境は認知症にやさしく、自立と幸福を支援する
Commitment to the care of people with dementia in general hospitals
1. Staff need to be informed, skilled and have enough time to care.
2. Family carers and friends are seen as partners in care, unless indicated otherwise by the person living with dementia.
3. A dementia assessment will be offered to all those at risk, to support early identification and appropriate care.
4. Care plans will be person-centred, responsive to individual needs and support nutrition, dignity, comfort, continence, rehabilitation, activity and palliative care.
5. Environments will be dementia friendly and support independence and well-being. 

よい認知症ケアのためのSPACE
よい認知症ケアを支援する要素トップ5位
1. 職員は研修を受け、介護する時間を持つ
2. 介護者とはパートナーシップの作業を行う
3. 評価と早期の判定を行う
4. ケアプランはその人中心で個別的である
5. 環境は認知症にやさしい
Make SPACE for good dementia care
The top five ingredients for supporting good dementia care
1. Staff who are skilled and have time to care
2. Partnership working with carers
3. Assessment and early identification of dementia
4. Care plans which are person centred and individualised
5. Environments that are dementia friendly. 

編者:わが国でも世界的にも認知症ケアで取り組みが遅れている分野の一つが一般病院における認知症の人のケアだと思う。紹介したイギリスの看護師向けのものではあるが、病院職員だれにも有益と思われる。イギリス看護協会の指針は内容的に常識的と思われるが、わが国でも病院における標準的な認知症ケアガイドの日本版が作られることをおおいに期待したい。

毛の微量元素と認知症のハーブ療法の可能性(10月16日/タイ)
タイのシンクロトロンライト研究所Synchrotron Light Research Instituteの研究員のワンウイサ・パッタナシリウイサワWanwisa Pattanasiriwisawa氏(写真)は「タイの研究者による今回の研究に基づき3年から5年以内に認知症の人に有効なハーブ療法が開発されると思う」と述べています。
研究によると、認知症の人は正常の人より毛の中のカルシウム、塩素、リンの微量元素を多く含んでします。研究対象者は30人を対象とし半分はアルツハイマー病、パーキンソン病などの認知症の人ですべて60歳以上です。
さらにワンウイサ氏は「研究は粒子加速シンクロトロンを使って行われ、1年以上かかった」と述べています。
この研究は同研究所の支援を受け、研究グループにスラナリー工科大学Suranaree University of Technologyのジャルワン・シリタペタウイJaruwan Siritapetawee准教授とナコンラチャシマラジャナグリンドラ精神科病院Nakhon Ratchasima Rajanagrindra Psychiatric Hosptalのウンチャレー・シリリテプタワウイUnchalee Sirithepthawee医師が加わっています。
またワンウイサ氏は「今回の発見は意義があります。人毛中のカルシウムや塩素やリンの含有量が認知症判定の指標になる可能性があるからです。また今回の発見は脳障害と高濃度の微量元素の関連のこれまでの研究結果と合致します」と述べています。
この研究論文は、雑誌Journal of Synchrotron Radiationの最新号に掲載されました。
ジャルワン准教授は「タイには80万人の認知症の人がいますが、ほとんどは60歳以上です。認知症の原因は多様で、過重なストレス、遺伝、化学物質の被爆が多い」と述べています。
ワンウイサ氏は「多くの研究者は研究の結果にもとづきハーブについて調べ始めました。その過程には多くの資金と時間が必要でしょう。しかし、認知症の人へのタイのハーブ療法は5年以内に見つかると確信する」と述べています。
THE NATION  October 16, 2012 Herbal cures for dementia possible: study
関連情報:論文Trace element analysis of hairs in patients with dementia.(J Synchrotron Radiat 17(2):268-72 (2010) )
編者:認知症の診断方法として毛の微量元素の含有量を測ることは未だ認知されていない。また論文は最新号ではなく2010年に掲載されている。それにしても検査方法がハーブ療法にどうつながるか理解できないが、タイでの認知症研究の一端として紹介した。なおワンウイサ氏は東京理科大学での研究歴があるようだ。タイには「アルツハイマー病と関連疾患協会ARDA」があり国際アルツハイマー病協会に加盟している。

製薬企業は認知症研究から去ろうとする(10月15日/オーストラリア)
オーストラリアのアルツハイマー病研究の何人かの専門家は「おどろくほど多くの製薬企業が認知症治療の研究を放棄しつつある」と語っています。
神経画像検査や診断技術はかなり進展していますが、この病気を治すほど治療の進歩はほとんどないのです。
オーストラリアの市場には一握りの薬があるだけで、製薬企業が莫大な投資をしたが臨床試験が失敗したと報告されています。
オーストラリアの指導的な認知症専門家のうち3人は、認知症の問題が膨張しているが、その解決の選択肢が萎縮していると述べています。
ニューサウスウエールズ大学University of New South Walesの老年精神医学科のヘンリー・ブロダティHenry Brodaty教授(写真左上)は次のように述べています。
「認知症は費用面で膨大になりました。地球規模でみると、認知症に関わる費用は年間6000億ドル(訳注)です。国の経済規模でみると、世界の第18位の経済国に等しいのです。会社でみると、経済活動が最大の会社になります」
アルツハイマー病の研究には大きな傾向がありました。およそ1世紀前、アルツハイマー病が初めて適切に確認されました。今年は、記憶障害や思考障害の症状が現れる25年ほど前にこの病気が始まっていることが確認されたのです。
しかし、認知症の人、家族、医師にとって治療面での進歩は絶望的なほど遅いのです。
ガーバン研究所Garvan Instituteで、神経の可逆性と再生の研究の主任のブライス・ヴェッセルBryce Vissel医師(写真左中)は次のように述べています。
「新薬の臨床試験はとても高価についた失敗ですが、アルツハイマー病のある主要な状態を原因として標的にしてきたので、世界規模で共同研究している科学者の大きな集団は臨床試験のデーターを詳細に分析しようとしています。ごく最近、実際今年のことですが、こうした臨床試験からの情報の得て、利益につながる可能性が示唆され、まだこの時点では研究を放棄すべきではないヒントがあるのです。しかし、いくつかの薬については製薬企業は諦めました」
8月以降、いくつかの製薬企業が、さらに薬の臨床試験を進めることを保留しています。軽度から中程度のアルツハイマー病の人に効果を認めなかったからです。
プロダティ教授は次のように述べています。
「薬の臨床試験の失敗から、アルツハイマー病について知られている最も基本的なことへの疑問が起こり始めました。他方、薬物療法をより早くから始めるかどうかについての疑問も提示されています。アルツハイマー病の経過を変える薬はありません。これまで聖杯Holy Grail―渇望の品―を見つけるかのように試験が繰り返されました。私たちはこの病気と止める薬を見つけることができるでしょうか。今までのところ失敗はしましが、より早い時期に治療を始めることはよりよいようです。一度、水面に氷山が現れると治療するにはあまりに遅いのです。1年前の経済的分析でアメリカ、ヨーロッパ、イギリスおよび日本でのアルツハイマー病薬の市場の総費用が予測されましたが、新世代のアルツハイマー病治療によって10年後まで年間140億ドルの市場価値があるとされました」
問題は、アルツハイマー病研究と発展には底なしの投資が必要なことです。
アデレード大学University of Adelaideの薬学のアイアン・マスグレイヴIan Musgrave上席講師(写真左下)は、次のように述べています。
「投資は容赦なく下方曲線をたどっています。2010年の時点で、新薬の開発に10億ドルが投資されたとしても、かなり大きな変化が生まれるとは言えません。市場に認めさえる手続きが困難なので、どの薬でも途中脱落するでしょう。製薬企業は、リスクが低くて利益が確保される分野に投資して金で解決しよとしています。世界的な不況のなかで、すべての製薬企業は研究部門を削減し中枢神経系の研究部門の不釣り合いなほど削減されています。たとえば、アストラゼネカ、ファイザー、ノバルティス、メルク、グラクソースミスクラインAstraZeneca, Pfizer, Merck, Novatis and GlaxoSmithKlineは、すべて明らかに神経科学部門を縮小しています。この部門で相対的に最大の打撃を受けるのがアルツハイマー病分野です」
またヴェッセル医師は次のように述べています。
「こうしたわけで政府はもっと深く調べるべきです。認知症にかかわる費用が2060年までに830億ドルになるとするのであれば、認知症研究にもっと多くの資金を出すことに気付くべきです。現在、オーストラリアで2400万ドルを投資していますが、年間2億5000万ドルの要請があります。これは、今後私たちが直面するであろう費用に対してとるにたりほどのものです」
ABCNews  Oct 15, 2012 Drug firms walking away from dementia research
訳注:10月16日現在で1オーストラリアドルは約81円。
編者:アルツハイマー病の薬物療法の臨床試験がたて続けて失敗したことを受けてのオーストラリアの研究者のわかりやすい見解だ。さらなる投資をするといってもどのような方向性をもった研究にするのか不明まはた曖昧だ。薬に限定しないで予防や非薬物療法の分野の研究をも対象とすべきだろう。

殺人容疑者はアルツハイマー病の疑い(10月12日/オーストラリア)
キャンベラで最も高級な通りで高齢の隣人を残虐に殺害した容疑者の男性がアルツハイマー病かもしれません。また殺人容疑者は事件について記憶がないと証言しています。
ルイジ・コスタLuigi Costa氏(写真左上)は、今年7月22日にキャンベラのレッドヒルRed HillのマッガウエイMugga Wayにある自宅で、テレンス・フリーボディTerrence Freebody氏(写真左下)を殺害したと告発され裁判中です。
彼は保釈を求めていますが、本日、再び延期されました。裁判所がMRIやCTを含む法医学的検査にさらに時間をかけることを容認したためです。
その決定によっ、殺人容疑者の保釈申請が4か月引き続いたことになります。
精神科的評価が10月29日の次の裁判に取り上げられれば、コスタ氏の保釈がありえるでしょう。
コスタ氏は、事件当日、緊急電話のトリプルゼロ(000)をかけ、加害者が屋内にいると報告したことで告訴されています。
緊急電話を受けた担当者は、コスタ氏からの電話の最中、背後にうめき声を聞いたの報告しており、また警察官が家に到着し、外見上、ナイフによる外傷を受け居間で死亡していフリーボディ氏を発見しました。
コスタ氏は、そばの浴室で見つかり、アルコール検査で合法的運転が可能な上限値の3倍以上の0.157を示しました。
本日の裁判でコスタ氏が精神科的な評価を受け、アルツハイマー型認知症のうたがいがあると報告され、かれの認知障害によって重度の記憶障害が起こっている可能性が指摘されました。
さらに、この精神障害によってコスタ氏が計画や判断が困難になったために起こした殺人容疑であると証言されました。
コスタ氏が最近の出廷の際、弁護士はかれの精神状態のよりよく評価するため特別な時間を要請しました。しかし、裁判所は神経学的画像検査がまだ終わってないとの証言を受けました。
被告弁護士のジョン・パーネルJohn Purnell氏は、専門家の診察を受けられるように保釈を要求しました。
ヴァラポーン・オスボーンVaraporn Osborne氏(57歳)は、裁判所に自分の3つのベッドルームうち一つを提供することと証言しました。彼女は、公務員でタイ料理店のオーナーですが、被告人の精神科受診の予約をとったり、コスタ氏が飲酒しないことを確認したり、保釈条件に違反することがある場合に報告することができませす。
裁判所は、彼女とパートナーがコスタ氏を監視できるが、2人とも就労しているため被告が一人にされるおそれがあるとの証言も受けました。
ピーター・ディングウオールPeter Dingwall判事は、保釈請求の受理をさらに3週間中断しました。拘置所のアレキサンダーマコノチーセンターAlexander Maconochie Centreを通して神経学的画像検査を受けられるようにしましたが、この種の画像検査はセンターでできないなら、専門家の支援を得るために保釈となるかもしれません。
弁護士は、控訴局長官Director of Public Prosecutionsから簡単な証拠をまだ受けとっていないので、弁護するにふさわしい事例ではないと法廷に述べました。
ジョン・ランディ上席検事Senior Prosecutor John Lundy氏は、犯罪現場から採取した多くの生物学的物証に関する法医学的分析を待っていると述べました。これに関する証言は11月30日であり、コスタ氏はセンターで再拘留のまま10月29日の次の審理に出廷するでしょう。
canberratimes.com.au October 12, 2012  Murder accused may have alzheimers, court told
編者:アルツハイマー病らしい殺人事件容疑者がオーストラリアの裁判でどのように扱われているかを紹介するための記事。わが国でも認知症の人が人を殺す事件があるが、その件数や起訴、裁判の実態はよく知らない。

★「中国、60歳以上認知症の発症率は4.2%」(10月10日/China Radio International)
10月10日は世界精神保健デーに当たります。高齢者の精神保健に関心を持ってもらおうと、衛生省は今年のテーマを「高齢者の健やかな精神、幸福な晩年」にしました。また、老年性認知症(アルツハイマー)やうつ病などの精神的疾患は高齢者の心身の健康を著しく脅かしていることも分かりました。
中国衛生省疾病予防コントロールセンターの孔霊芝副局長は10日、「中国では60歳以上の人口のうち、老年性認知症の発症率は4.2%で、北京市では65歳以上の人口のうち、うつ病の発病率は4.4%だ」と明らかにしました。
また、孔副局長によりますと、中国は高齢者の精神保健において、多くの課題に直面しているということです。まずはサービス資源の不足です。医療機関の精神科ベッド数は世界平均では4.36なのに対し、中国は1.58しかありません。世界平均と比べてかなりの差があります。次に、プロの介護者の不足です。いま、中国では、精神科専門の医師は2万人余り、看護婦は3万5千人ぐらいで、日増しに増えつつある精神保健サービスのニーズに応えられていません。そして、患者自身の医療に対する保障能力はまだ弱く、強化する必要があるということです。
孔副局長の話では、2010年から2012年まで、各級政府は154億元を投入して548ヵ所の精神保健医療機関の改築、拡張工事に当てるほか、精神保健医療機関608ヵ所の基本医療設備の整備を支援したり、精神保健に携わる人のトレーニングに力を入れ精神保健サービスのレベルをアップさせるということです。(10/10 Lin、高橋)
CRI日本語版 2012年10月10日 原文のまま
編者:中国の60歳以上の認知症の有病率は中国独自の調査によるものではなくWHOの今年の報告書Dementia: A Public Health Priority(pdf)のよるものと思われる。また中国政府の60歳状の人口推計数(1015年)が2億2100万人(「高齢化進む中国 60歳以上、2025年には3億人突破へ」2012.6.26 産経ニュース)とすると認知症の人数は930万人となる。

★アルツハイマー病治療の展望(10月7日/ロシア)
アルツハイマー病治療の新しい薬の臨床試験がサンクトペテルブルグで行われる予定です。病気がかなり早期に握されるとこの薬で認知機能の悪化を防ぐことができるかもしれません。
専門家の推計によると、ロシアには多くのアルツハイマー病の人がいて、全世界ではさらに多い。脳細胞が死滅するこの病気は、記憶や知的機能が必ず低下し深刻な行動面での問題が起こります。今日、アルツハイマー病は老年期認知症の第一原因です。
病気に関わる状態はとても深刻で、現在、社会に直面する医療と社会面での主要な挑戦の一つとしてみなされています。しかしロシアではこの病気について一般の人の詳しい理解が乏しい。診断能力の限定的で、社会的支援が乏しいく、患者は必要な治療を受けなままであることが多いのです。またアルツハイマー病の症状は加齢による状態と簡単に見間違えてしまうことがとても多いのです。
ロシアの専門家は「早期の診断と適切な治療によって病気の過程をかなり改善できる」と指摘しています。しかし薬物治療がとても遅れています。ロシアの二つの施設―サンクトペテルブルグ老年医療社会センタSaint Petersburg Geriatric Medical-Social Centre(写真右)ーと軍事医学アカデミーMilitary Medical Academy―は、アルツハイマー病とその他の神経退行性脳疾患の新しい治療薬の国際的臨床試験の一端を担います。
1985年に開設された老年医療センターは、、国連の老年医学の専門家によって審査を受けヨーロッパのこの種の研究所のなかでトップ10にありました。センターの専門家は、アルツハイマー病の人など高齢者の支援と治療を課題としています。軍事医学アカデミーは、18世に創設され、現在、国の最良の医学研究所の一つであり、最高の軍医研修センターとみなされています。
新薬は既に長期にわたる臨床試験の初期段階の試験が進めらています。これは可能性のある副作用を明らかにするためもので健康な人で行われます。こうした薬物試験の参加者はすべてボランティアです。
提案されている治療はとても先駆的であり、アルツハイマー病が脳の悪化が未だ生じてない早期に把握できると考えられています。静脈注射で投与される薬はベータアミロイドと呼ばれ、脳組織にあって脳のを萎縮させる物質のアポポロテインを壊すとされるものです。
臨床試験は同時に19か国で行われますが、薬の最終的な効果判定はまだ先のことです。
老年医療センターの専門家は「おおいに期待される結果は、2年間の研究と分析の後のことです」と指摘しています。たぶん、アルツハイマー病の患者は長く待つことになりますが、治療の可能性は私たちのささやかな希望の灯です。
Eurasia Review October 7, 2012 Alzheimer’s Treatment On The Horizon?
関連情報:ロシア・アルツハイマー病協会の連絡先
Association for Support of Alzheimer's Disease Victims, 34 Kashirskoye shosse
115522 Moscow, Russia Tel: +7 495 324 9615 Fax: +7 495 114 4925
Email: sigavrilova@yandex.ru  
Web: www.alzrus.org
編者:早期投与が検討されているバピメウズマブの臨床試験のことらしい。紹介記事から情報が乏しいロシアの認知症医療の一面がうかがえる。なお上記のロシア・アルツハイマー病協会は、最近、国際アルツハイマー病協会の再加盟した。

★認知症と共に生きる:明日への希望(10月4日/ネパール)
「私の母は、この2,3か月、すこし混乱するような行動が見受けられます。自分の部屋を忘れたり、灯はついているのに浴室へ行けないのです。会いに来た自分の兄弟の名前を忘れます。こうした問題を彼女に聞いてもいらいらすることが多く、また別に時は泣いたり愚痴の言ったりします」
これは、ネパール政府の優秀な事務官の報告です。彼の母親は学識ある教授で5年前に引退し現在70歳です。
彼女の経過を聞いたところ、私は少し心配になり、認知障害があるようなので、彼に私の外来に連れてくるように頼みました。このの婦人は、数年前まで活発な専門的な生活を送っていたので、認知症の一つ―アルツハイマー病が強く疑われる―ではないか関心が強かったのです。この病気は、障害が増し介護者への情緒的負担を増します。
認知症は、今日、私たちの社会で話し合われる新しい話題というものではありません。統計的に示されているように、4秒ごとに世界のどこかで誰かが認知症になっています。71秒ごとにはアルツハイマー病です。今日、全世界で3000万人がアルツハイマー病であり、この病気は65歳以上の約10%を占め、65歳以上では10年ごとに2倍に増えるので。現在、世界で人口の高齢化が進み、85歳以上では50%がアルツハイマー病です。
認知症は、唯一の病気ではなく、脳の障害によっておこる一群の症状―記憶障害、失認、失語、失行などで日常生活の機能が障害され、人格が変わり、感情や行動面での問題が生じる―を表す用語です。この病気の個々人に障害―自己ケア、職業能力、家族および社会的つながり―を起こすだけでなく、介護者のストレスを高めます。この病気の偏見はは強いままです。このことから、今年の世界アルツハイマーデーWorld Alzheimer’s Dayのテーマ「認知症:共に生きる“Dementia-living together”」であり、これはもっとも適切で認知症の人と介護者の人たちのが認知症を理解できるようにすべきであり、病気について知り合いともに歩むべきなのです。
認知症のなかの20%ほどは、甲状腺など内分泌障害、物質中毒、薬物中毒、感染症。ビタミン欠乏症などによるもので治ったり良くなるものもあり、原因が明らかにされ治療を受けることで回復する可能性があります。同様に、うつ状態のような精神障害は、記憶障害を伴うことがあり、うつ性偽認知症として広く知られています。
アルツハイマー病の管理でもっとも重要なことは介護者のストレスを軽減することです。
ストレスは介護者に、怒り、悲しみ、気分不安定、頭痛、背部痛、集中困難、睡眠障害(ある種の燃え尽き症候群)を起こすことがあります。介護者は、この病気の経過、症状、管理方法、予後、そして前もって最終的に起こりうる状態にについて学ぶべきです。
時に認知症の人は、電解質や神経伝達物資のバランスが崩れたり、対処能力障害のために感情面や精神面の症状を示すことがあり、介護者が病気の知識が乏しいといっそう心配するかもしれません。こうしたことは、夕方に起こる夕暮れ症候群であり、譫妄のような状態になることがあります。そうした状態のとき、場所や時間の見当をつけたり、気分転換を図ったり、また薬物が必要なこともあります。
同様に、記憶障害のある認知症の人は財産管理、家庭における責任、社会的な責任をこなすことができなくなるかもしれません。こうした責任は、認知症の人が選んだ近い親類にまかせる準備も必要となるでしょう。認知症の人の情緒やストレスに関連した状態を診るために医師に加え、認知症の人の介護者にも、精神科医、臨床心理士、ソーシャルワーカーの特別な注意が必要です。緩和ケアや終末期ケアについては自由かつオープンに介護者と話し合われるべきです。
私たちは、連携しながら偏見の問題を最小限にすべきです。状況はまだ憂慮すべきですが、認知症に対処している私たちがすべての希望を捨てたわけではありません。認知症の課題に取り組むため世界中で研究が行われています。神経伝達物資(おもにアセチールコリン)を標的としていくつかの薬が既に使われています。遺伝子レベルの研究も進展しています。幹細胞移植という選択も望みがあるようです。
トンネルの最後に必ず明かりがあります。そして、よりよい明日への希望を抱きながら、誰もが認知症と共に生きていきましょう。
寄稿者:アジャイ・リサールAJAY RISAL医師(写真)はデデュリケル病院Dhulikhel Hospitalの精神科医。
The Himalayans  2012-10-04  Living together with dementia: Hope for tomorrow
関連情報:ネパールアルツハイマー病・関連認知症協会Alzheimer and Related Dementia Society Nepal
連絡先:P.O Box- 1011, Pacific Building, Ramshah Path, Kathmandu
Tel: +9 771 443 3073 Helpline: 98 5115 5220 Fax: +9 771 443 0413 Email: sapkotanidesh@gmail.com
編者:簡潔でわかりやすい啓発的記事だが、すべてのネパール人の現状をどの程度反映しているかわからない。ネパールの協会は国際アルツハイマー病協会のまだ会員ではない。

アルツハイマー病予防登録(10月3日/アメリカ)
研究者が次のように述べています。
「テキサス州にアルツハイマー病の人が4万人いると推計されています。この病気のテキサス人と世界中の人たちのためにのネットでつながるコミュニティがスタートしました。アルツハイマー病の人に誰にも医療職以外に少なくとももう一人の介護者がいます」
アルツハイマー病の人や介護者たちとオンラインでつながった「アルツハイマー病予防登録Alzheimer’s Prevention Registry」を「バナーアルツハイマー病研究所Banner Alzheimer’s Institute」が創設しました。
「アルツハイマー病予防企画Alzheimer's Prevention Initiative」の副所長で医師のジェシカ・ラングバウムJessica Langbaum氏(写真)は「誰もが重要な役割を担うことができます。登録すると、予防研究分野で解明された最新のニュースや情報が提供される」と述べています。
さらに、オンラインコミュニティーでは最新の情報と研究成果が常に更新さられ、登録におって、アルツハイマー病の人、介護者、医師などの専門職らが破壊的な病気がおよぼす影響に関心を持てるようになります。
さらにラングバウム医師は次のように述べています。
「登録した人は、アルツハイマー病の治癒や効果的な予防的治療を支える強い声となります。またアルツハイマー病と戦うのに不可欠な研究へ参加が要請されるでしょう」
今のところ、アルツハイマー病はアメリカの死亡原因の第6位にあり、その10位までうち唯一効果的な治療や治癒がない病気です。
続けて同医師は「多くの人にとって、アルツハイマー病は待機している病気なのです。アルツハイマー病の兆候や症状を現れる前に病気が始まっていることを研究者は知っているます」と述べています。
この「アルツハイマー病予防登録」は、2013年6月までに全国で10万人の登録を目指しています。
CBS DFW October 3, 2012  Researchers Create Alzheimer’s Prevention Registry
編者:アメリカではこうしたネットを使ってアルツハイマー病研究への参加者を募っているようだ。単に登録させるだけでなく、登録者にアルツハイマー病の最新の情報提供も行う。

認知症の人が芸術を通して記憶を見出す(10月2日/ドイツ)
美術は、愛や家族といった人間的なテーマに根源的に関わります。ベルリンの美術館では美術の力を引き出し、認知症の人たちが記憶に呼び戻させるような特別なツアーを実施しています。
美術館である高齢の婦人「もうすこし大きな声で。こんなことはわからないわ」と言います。別な車椅子の人は「連れて行って」と命令しています。
美術館ガイドのジャクリーン・ホッフマンネイラJaqueline Hoffmann-Neira氏(写真左)は少し自信がありません。彼女はこうした人を案内したのが初めてなのです。
彼女は、意図的に唯一つのテーマ―母性愛―に関連する絵画を選びました。ボッチチェリやラファエルの子供を抱いた聖母の絵画(写真右上と中)は、誰もが関係する根源的な感情を呼び起こします。実際、こうした絵画は、7人の来館者の記憶を呼び起こしたようです。
しかし、彼女が「この子供は誰ですか」と尋ねると、誰も応えません。最終的に彼女が「イエスです」と言うと、高齢でりっぱな服装をした紳士が「もちろんそうです。他に誰がいますか」と答えるのです。
ガイド付きツアーは、ベルリンの絵画館Gemaldegalerieの実験です。アルツハイマー病や認知症の人のための美術館のツアーは、ドイツの他の都市ではよく行われています。ベルリンは認知症にやさしい多くの活動で有名なのですが、今回の提案は斬新です。働きかけた認知症の母がいるベッチナ・ヘルドBettina Held氏です。この件に関してドイツのアルツハイマー病協会Deutsche Alzheimer Gesellschaftは熱心で、ベルリンの国立美術館は速やかに応えました。このための研修プログラムが9月半ばの最初のツアーガイドのために準備されました。
音楽が、ただちに認知症の人の記憶や感情を呼び起こすことはよく知られています。しかし、絵画が集団的な記憶や個人的な記憶にも同様の効果があるということは、広くは受け入れられていません。ベルリンの絵画館は、こうした来館者に関係ある文化的な場面に参加できる空間を創ろうとしています。
これらのツアーは、2,3の絵画だけに集中し認知症の人たちが持つ動機に合わせて特別に選ばれて行われます。「愛」や「風景」は、認知症の人も含め誰の記憶や感情を高めるます。グループが小さいとガイドは個々人の反応に対処できます。
車椅子の婦人は、「もう座っておれない」と叫び、介護者は彼女の別の場所に移動させます。また定期的に必ずトイレまで連れてゆく必要の人もいます。こうした場合、ホッフマンネイラ氏は「よろしい。先に進み、すぐに休憩とします」とも言います。
介護者に支えられながら認知症の人が、一人ひとり次の部屋に移動します。壁にもたれかかりながら、カラヴァッジョの「愛」Caravaggio's "Amor"の絵画(写真右下)を観ます。2.3人の人の笑い声が聞こえるます。特に「愛」の絵画は、刺激的な若者の裸で観る人をどきっとさせます。来館者がガイドに「あなたの初恋はいつ」と聞きます。
少しあとにホッフマンネイラ氏は「こうしたツアーは与えそして得るものです」と話しています。グループは日付といった特別なことは忘れてしまっていますが、「私にとっても楽しい経験です。当初は相手に合わせるこおが多かった」と彼女が話しています。
別のグループは、ロビーで座ってコーヒーやクッキーを楽しんでいます。さらにホフマンネイラ氏は、ゆっくり美術館に着き、ツアーが始まるまでに環境になじむことが重要なことを知りました。
今回の4人の来館者のうち2人は家族が在宅介護しています。マルゴット・ゼーラーMargot Z?hler氏は83歳で、家族を的確に理解しているわけではないが、笑いながら話しています。最初の絵画―オランダの風景画―を観るとき、彼女は、はるかに自信を持ち、地平線に見えるものは何かと質問されると、「水」だと答えます。彼女は身振り手振りで表現し、はるかに頭が冴えており熱心でもあります。
別の3人の来館者は、とてもよく集中していますが多くは語りませんが、画家でガイドのビーギット・ベルマンBirgit Bellmann氏は「絵画がどれほど詳しく描かれているかを説明し、記憶と感情に関心をもちた」と話しています。彼女は美術館を訪れる人たちが楽しめると信じています。絵画に詳しいうえにベルマン氏は、最終的には来館者が自分自身で風景画を描くような過程を導入したいと考えています。
このゼーラー氏は ぼやけた青、歪んだ帯、太陽を描くのですが、他人のために絵画が同じように作られるわけではありません。
マリーゼ・ウェーゲMarliese Werge氏は92歳でグループでは最も高齢です。彼女は、キャンバスの前に座って「絵画を観るのは楽しみです」と話しています。
彼女は家がどこにあるかを正確には知らないのですが、帰宅して休みたいのです。また美術館を訪れたいと言っています。
1時間30分のツアーが終わると来館者は疲れ切っています。ツアーガイドが認知症の人にどれほど期待できるかは、時間と経験かけていっそう明らかになります。現在、9月の準備期間が終わり、美術館がツアーを定期的に提供したいとしています。
Deutsche Welle英語版 02.10.2012  Dementia patients find their memory through art
サイト内関連記事:アルツハイマー病の人たちに美術館を開放(2006年4月16日)
編者:こうした活動はわが国ではほとんどないようだ。日本人の文化に占める美術の関わりが少ないためかもしれない。確かにヨーロッパに行くと多くの都市に美術館があり、おびただしい絵画が展示されている。

★キャンプの虐待被害者は認知症(10月2日/ガーナ)
ガーナアルツハイマー病関連疾患協会Alzheimer’s and Related Disorders Association Ghana (ARDAG)の事務局長のエスター・デイEsther Dey夫人は、9月29日に「キャンプの犠牲者は医学的にみて認知症の状態の人です。認知症は、脳の状態に関連した症状の総称で、公衆保健の深刻な課題です」と述べています。
デイ夫人は、こうした知識を地域活動の参加者に知ってもらい 高齢者の病気の啓発につなげようとして次のように述べています。
「認知症は、人間の精神機能―記憶力、理性的判断、日常作業能力、意思疎通など―が進行性に低下する特徴があります。脳と神経系をおかすこの病気は、狂気、支離滅裂な思考など異常な症状を示すので、非人間的な虐待を受けキャンプで拘束されている曖昧な理となっています。病気を頑固に無視する家族や地域の人たちによる犯罪です」
さらに事務局長は次にように説明しています。
「世界保健機関WHOによると、全世界の認知症の人は2030年までに6570万人になると推測されています。2050年までには今日の3560万人の70%増加し、毎年、新たに770万人が認知症になっています。これは4秒ごとに新たに認知症と診断されていることになります。治療や介護の年間推計経費は6040億ドルです。
認知症の最も多い原因はアルツハイマー病(約70%)ですが、血管性、レビー小体型、パーキンソン型の認知症もあります。また遺伝性疾患(ハンチントン病など)、ダウン症、感染症―HIVやクロイツフェルトヤコブ病など―による認知症もあります。
認知症は、経済的に発展した地域の方が途上地域―もっども研究はほどんどない―より発病率が高いことがわかっています。
途上地域で少ないということは、生存率が異なる、偏見による家族が隠す、医療支援を求めることに躊躇する、高齢者の通常の人生最期の状態と感じる、誤診する、事例発見の方法が欠如することによるものです。
ガーナの協会は非営利団体で、認知症の啓発を進め、全国に認知症の人のための最新のリハビリテーションセンターを設置することを目標にしています。
わが国で精神保健法が採択されると、こうした病気について全国的な認識が高まることになるが、さらに高齢者のための法律発布への活動を進め当局に要請しています。
デイ事務局長は、家族や認知症の人に近い地域の人たちは、キャンプでの非人間的な虐待を認知症の人に行わないように助言しています。認知症は医学的な状態であり専門家が管理することができるものです。
GhanaWeb  2nd October 2012 Victims of Witches Camps Could be Sufferers of Dementia - Executive Director
編者:キャンプで認知症の人が虐待を受けていることに関してガーナのアルツハイマー病協会の事務局長の見解を載せた記事を紹介した。ガーナの認知症の現状の一端を知ることができる。掲載した写真はキャンプの様子と思われる。リハビリテーションセンターとは何かよくわからない。

絵本が認知症の人の記憶を呼び戻す(10月2日/ドイツ)

絵本は、高齢で認知症のドイツ人にはっきり記憶を呼び起こします。著者のベアーテ・ウォルフBeate Wolf氏(写真左上)とイラストレーターのトーマス・ハウボルドThomas Haubold氏(写真左中)がワイマール共和国の時代から1960年代まで時代に認知症の人を連れて行くということは、ドイツ独特の挑戦です。


(クリックで拡大)

ウォルフ氏にとって、認知症の人がアッハ、ハと笑う時があるということは、介護施設で何年も働いて初めての経験でした。彼女の仕事は、認知症の人の施設やアパートを訪れ、日常活動を支援することです。
彼女は「話す、ポテトを剥く、買い物に行くといったことでが、これらは認知症の人がそれまで続けてきた最期にしていることです」と話しています。
こうした訪問のなかで、ある高齢者が自分の生活歴を語ることによって、ますます活き活きとしてきました。婦人は突然、立ち上がって「自分の人生の本を書けるかもしれない」と叫びました。そうした本を書き上げたわけではありませんが、ウォルフ氏は自分の方法でそれを実行しました。
「よい思い出を呼び戻す」と宣伝するイラスト付きの絵本は変わった本と聞こえるかもしれません。絵本は一般的に子供のためのものですが、これは違います。もとものタイトルは「Daran erinnere ich mich gern(私はあなたを覚えている)」で、明らかに高齢者のためのもので、やはり絵本なのです。ハウボルド氏のイラストは 記憶を活性化し、思い出を呼び戻し、急速に薄れた自伝に色づけをします。また認知症の人のアイデンティティの感覚を保ったり再度、獲得することを促します。各ページに衣服、家具、製品あるいは近代的な電化製品が注意深く置かれています。これらはドイツの高齢者にとってシンボルであり、それぞれが意味が込められています。


(クリックで拡大)

ほどんどのドイツの高齢者が気づくことですが、絵本の少年はセーラー服で1950年代によく見かけられました。またピアノの上に二つの木の彫刻があることも多くの人が気づいています。これは、チェコに近いドイツのエルゼビルゲ地方の彫刻です。
これについてハウボルド氏は「50年代や60年代は、東ドイツに住んでいる親族からもらっていました。また小さな回転木馬やろうそくをよく持ってきました」と話しています。タバコおじさんの絵も描かれていますが、これはクルミ割り器の大きさでパイプから本当の煙が出ます(写真右)。こうした連想によって明かな記憶、ときには関係のない記憶まで呼び起こします。
著者のウォルフ氏は次のように話しています。
「ある人は『そのドレスは私がよく着ていました。それを着て卒業ダンスに行った』と話す婦人がいました。介護者は、以前知らなったことを知るようになります。認知症の人は0が特別に楽しむ紅茶もあり家で飼っていた犬もあります」
32ページはぼんやりしたパステル調のイラストで1920年代のものです。その後のできれば楽しく曲がりくねった道は30年代から50年代のシンボルです。これらは現在の認知症の人たちにとって基本となる年代です。この間のドイツの主要な出来事を考えるとこの年代でポジティブな思い出を呼び覚ますことはハウホルド氏にとってもウオルフ氏にとっても困難な作業でして。
ワイマール共和国は、失業、超インフレ、第1次世界大戦後の賠償の時代でした。二人にとって困難なことは、最も傷つけることになる経験に関わることを取り上げることでした。二人は「ネガティブなことは外し直面しないようにしました。認知症の人の多くは、自分の愛する人をなくしたり、この期間に戦争体験がある」と話しています。
しかしながら、認知症の人たちに困難な事柄をまったく避けたというわけではありません。楽しいキャンプの場面の絵本にはキャンプファイアー、ギター、アコーデオン、たくさんの干し草があふれていますが、男子も女子も「ヒットラーユース」のユニホームを着ています。


(クリックで拡大)

ウォルフ氏は次のように話しています。
「ナチズムについて話したそうな人がいても、きっぱりと止めるべきです。だれであってもそうです。絵が大なり小なりこの問題を提供しています。ネガティブな記憶は認知症の人には本当に傷つきます。建設的なことではないし、絵本の目標でもありません。できるだけポジティブに感情面での効果があるように絵本を作りました」
セントマチナス財団St. Martinus Stiftはアルツハイマー病や認知症の人の介護施設が小さな町エメリッヒアンラインEmmerich am Rheinに在りますが、そこの介護者のエヴァ・ビーンホーヴェンEva Wienhoven氏(29歳)(写真左下中央)は4、5人のグループでこの本を使ってきましたが、「認知症の人はほとんどポジティブに反応する」と話しています。
特にこの本は施設にある「記憶の部屋」で効果的なのです。その部屋は小さいが、50年代の家具、家庭用品、壁紙、カーテン、古いレコード機、手彫りのゲーム台があります。
ある疑問が生じるかもしれません。すなわち、イラストや絵画は一般的に、現実世界を創ろうとするアンティークよりも認知症の人に影響が強いのか?また50年代の写真の方が記憶を呼び戻すのにもっと役立つのではないか?。
ビーンホヴェン氏はそのようには考えないで、「この本で認知症の人たちをその時代に連れて行けます。写真あるいは家具などの物はそのときだけで、また個別的です。イラストでは、全体的な話題を提供できる」と話しています。
ポジティブな記憶の呼び戻すという本の目標は、機能しているようです。

(クリックで拡大)

「ある婦人が『私たちにはいつも庭に鶏がいました。1年に1回、ブランデーを創るときブランデーのから果物を取り出し鶏にやります。すると鶏は酔っぱらって狂ったように庭を走り回りる』とはなしました」
鶏は婦人が好きな動物であることがわかります。
88歳の両親がともに認知症の、ある男性は家でその絵本を、ほとんどは父親と読みますが、この絵本が注釈付きで、オンラインで利用できるように強く勧めました。
その男性は次のように話しています。
「絵は役立ち、父と私や介護者とが共に持っている記憶を支えとなります。父の人生のいろいろな場面に簡単に戻れます。父が思い出す能力があるからです。読んだ最後に、彼は本を自分でつかみ取ろうとしました」
Deutsche Welle 02.10.2012 Picture books jog memory for dementia patients
編者:この絵本"Daran erinnere ich mich gern"はアマゾンで購入できる。高齢者向けの絵本としてわが国に「あるばむ―人には尽きない話がある」(アニカ 2003年発行)があるようだが、アマゾンに注文しよう。ところでわが国の回想法では、認知症の人の思い出したくない記憶はどう扱われているのか知らない。

朝までのナイトケアで介護者に休息(10月1日/アメリカ)
午後10時過ぎ頃、ほとんどの高齢者は就寝しているとこですが、認知症の高齢者のグループは、「ラバンバ」に合わせて、踊ったりタンバリンやマラカスを振って騒々しいくしています。
81歳の女性は、ニューヨークのブロンクスにあるナーシングホームの連れてこられた多くの認知症の人の一人ですが、「これはパーティーだ」と言っています。ホームは、夜明けまで一連の歌会、手芸、治療を提供しています。
プログラムは、アメリカで稀なもののようですが、認知症の人ためのある種の「ナイトキャンプ」といったものです。認知症の人たちは、夜間、眠らないで起きて興奮し、暗くなると怯え迷いやすいのです。
介護と多種多様のアクティビティを提供して在宅のアルツハイマー病など認知症の人に明け方までの時間を満たし、介護者―通常、息子や娘―に貴重な夜間の睡眠時間を提供するものです。
「リバーデルのヘブライホームHebrew Home at Riverdale」が提供している「エルダーサーヴアトナイトElderServe at Night」と呼ばれるプロラムを利用している82歳の父の息子であるロバート・ガルシアRobert Garcia氏(写真右上)は「このプログラムがないと、父はひどい状態になり私は狂っていたでしょう。父は夜眠りません。まんじりともしないのです。なにか活動するものが必要です」と話しています。
ブロンクスのアパートで妻と3人の子供と住むガルシアさんは、さらに「父がこのプログラムに行く前は、父は夜通し起きて大声を出し家族の誰もが眠れませんでした。みんな起きて娘が『おじいちゃん、どうして大声を出すの、機嫌が悪いの』と聞きました。いまは父が朝、帰宅してぼんやしていている私をみながら、一晩中していたことを話します」と語っています。
多くのナーシングホームは一時的な「休息ケア(レスパイケア)」を提供し、介護者が眠り、休息を取ることができるようにしていますが、ヘブライホームのナイトケアはこうしたサービスの隙間を埋めるものです。
しかし利用用が高いこうしてプログラムは稀なもので、アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationの職員は「他でやっているとは知らない」と話していますす。
ヘブライホームの会長でCEOのダニエル・ラインゴールドDaniel Reingold氏(写真左上)は次のように話しています。
「無宗派のナイトケアは1998年に始まりました。事例研究からわかったことですが、ナーシングホームへの入居する最大の理由は介護者が眠れないということでした。認知症の人は真夜中午前3時に起きて、鍋ややかんを叩き、夕食を用意していると思ったり、外出することもあります。介護者からの話では、認知症の人が外出しないように家族がドアの前にマットを敷いて寝たりしています」
多くの認知症の人はメディケアMedicaidの給付を受けていますが、この制度からブライホームには1夜で140ドルおよび送迎の74ドルが支払われます。
ロバート・エイブラムスRobert Abrams氏(写真左中)は、ニューヨークプレスビテリアン病院NewYork-Presbyterian Hospitalの老年精神科医ですが、「睡眠の問題は認知症ではよくあることで「日暮れ症候群」として知られる症状の一つです。暗闇によって混乱や恐怖が生じるので、ヘブライホームでは夜間は薄暗くしています。終夜のアクティビティムは、無理やり寝かそうとして自然に反して戦うよりはよいことです」と話しています。
シカゴのアルツハイマー病協会の家族サービス部長のルース・ドリューRuth Drew氏(写真左下)は「多くの家族は認知症の人を在宅で介護していのですが、それを可能とするには介護者自身が健康でなければなりません。夜よく眠れないと健康ではおれません」と話しています。
多くの認知症の人は昼間は自宅で数時間しか眠りません。ヘブライホームで夜を過ごしながら、アクティビティが34人―60歳代から90歳代―に提供されます。ほとんどの人はまず料理から始めます。バナナの皮をむき、スライスして、ブドウやブルーベリを加えフルーツサラダを作ります。
ゆくり認知症の人に英語かスペイン語で、物の色や形を尋ねます。何人かの人はサラダが出来る前に各自のやり方で果物を食べてしまいます。
その他の夜間のアクティビティとしては、ナーシングホーム内のほとんど人がいないホールを歩く、ポップコーン食べながら映画を観る、気がのると人はホームの周りを散歩する、近所のクリスマスの飾りつけの光を見るといったことがあります。
また静かな部屋では、進行した認知症の人が穴に釘を差し込むといった簡単なパズルを行います。あるいは自分の手に砂や水をかけて触覚や思い出を楽しみます。
プログラム部長のデボラ・メッシナDeborah Messina氏(写真右下)は「認知症の人は、何年も浜辺に行ったことはないのです。たぶん好きな思い出なのでしょう」と話しています。ある暗い部屋は、録音した自然の音、心地よいアロマ、きらきらする光で満ちており、やさしい刺激を提供します。認知症の人はときどき、うとうとします。休みたい認知症の人のための休憩室がありますが、半時間ほど椅子でうたたねすることがもっと多いのです。
さらにメッシナ氏は「これは外泊のようなもので、ちょっとしたパーティーであり、お泊りのようでもあり、認知症の人は午前中に家に帰りますが、十分に眠れたわけではない」と話しています。
FOX News October 1, 2012 Overnight dementia 'camp' allows caregivers rest)
サイト内関連記事:認知症高齢者が朝までのナイトケアを利用(2008年8月16日)
編者:介護保険導入前までは特別養護老人ホームでナイトケアを提供する制度があった。現在、自費で利用できるナイトケアがあるが、デイケアと合わせて実質的に入居と同じ介護形態の通所施設があり、不適切な介護実態があると聞く。

安楽死が増えている(9月26日/オランダ)
9月25日のオランダのメディア(訳注1)によると、2011年のオランダでの安楽死の件数は18%増えて3695件です。これは2009年の13%増加、2010年の19%増加にあたります。
事実、2006年から2011年までにその件数は確実に増加しており、各年で1,923, 2,120, 2,331, 2,636, 3,136, 3,695件の安楽死がありました。.
安楽死はオランダの全死亡件数の2.8%を占めています。
さらに、初期認知症の人の安楽死は、前年の2倍の49件、精神疾患の安楽死は13件で前年の2件と比べ500%の増加となっています。
しかし、こうした統計数は、ずべての物語のほんの一部にすぎないようです。
医学雑誌ランセットLancetの2012年7月11日号(訳注2)に掲載された論文は、2010年のオランダでの安楽死やエンドオブライフについて1990年、1995年、2001年、2005年と比較研究したものです。
この研究論文は、2010年については、すべての安楽死例の23%が報告されてなく、この年の安楽死は3136件ではなく3859件とみています。
2001年の報告された安楽死はオランダの全死亡の5.6%ほどで、深い持続的な鎮静によるものです。
こうした死亡例のかなりの事例は医師による深い鎮静によるもので、死にたいという明確な意思表示に基づくもので曖昧な意思表示は排除されています。
最近、私が報告したように、オランダでの公式の安楽死件数は年々増加していますが、こうした死は、オランダの医師が患者の生命を意図的なモルヒネの過剰投与、水分投与の中止および鎮静によって恣意的に終わらせるといる全死亡件数のごく一部なのです。
オランダの安楽死は管理されていない。
2005年、イギリス上院は、オランダ方式の法律に基づくと、年間、安楽死件数は1万3000件以上を見ることになろうと推計しました。オランダの安楽死がどのように増えているかについては、かなり低い推計によることになるのでしょう。
私は、「すべりやすい坂道(危険な先行き」-長い受身的な変化-という言葉で確信をもって表現できません。オランダで私たちが見ていることは、よい正確には「ゆっくしとした拡大」であり、患者の範疇が次第に広がるということによる意図的な拡張なのです。
最近、私は、アメリカのオレゴン州(1998年以来、450%増加)とスイス(同じ期間で700%増加)で自殺幇助の急激な増加について書きました。
これらから学ぶことは明らかです。一旦、安楽死や自殺幇助の法律が緩和されると、夜が昼の後にくるように確実に広がるということです。
出典:元一般外科医でクリスチャンメディカルフェローシップChristian Medical Fellowship(イギリスを拠点として4500人の医師と1000人の医学生が会員)のCEOであるピータース・サウンダーPeters Saunders医師(写真)のブログ掲載(訳注3)
nationalrighttolifenews.org/news/ September 26, 2012 Patients with dementia and psychiatric illnesses included as Dutch euthanasia cases rise steeply
訳注1:13 psychiatric patients were helped to die last year(25 September 2012 dutchnews.nl)
訳注2:Trends in end-of-life practices before and after the enactment of the euthanasia law in the Netherlands from 1990 to 2010: a repeated cross-sectional survey(pdf1M)
訳注3:http://pjsaunders.blogspot.com/2012/09/patients-with-dementia-and-psychiatric.html
サイト内関連記事
編者:オランダの安楽死の動向への警鐘だ。オランダでは患者の意思表示が安楽死の重要な要件であるが、それができない認知症の人の安楽死が認められた。

★認知症協会がデイケアセンターを開設(9月26日/マレーシア)
マレーシアのペラ認知症協会Dementia Society of Perakは、最近、この地域では最初のデイケアセンターを開設しました。
デイケアセンターの目的は、介護者の負担を軽減し、認知症の人の生活の質を改善することです。
認知症協会会長のエスター・エベネザーEster G. Ebenezer医師によると、認知症の人の介護者が認知症の理解がないと、介護に疲れ、ストレスが多くなります。
エベネザー医師は次のように話しています。
「認知症の人は記憶機能た低下し、集中することが困難になり、性格が変わることもあります。介護はストレスが多く、しばしば疲れ、うつ状態になります。センターは、認知症の啓発、介護者と認知症の人のリハビリテーションを行います」
センターは、ジャランフーチョンニットJalan Foo Choong Nyitに在り、開設は国の保健委員会議長のマー・ハン・スーンMah Hang Soon医師(写真左から2人目)が執り行いました。
マー医師は「認知症は誰でもなりうるものです。人種、性別、教育、社会的地位は関係ありません」と話しています。
このセンターに、政府は1万マレーシアリンギットRinggit Malaysia(1RM=約25円)を、マレーシアアルツハイマー病財団Alzheimer's Disease Foundation Malaysia (ADFM)は5000RMを寄付しました。
この開所に政府の社会福祉局のチョン・パイ・キーChong Phaik Kee局長と財団のウグ・ビ・カラヴァーニ・カルピアNg. By Kalavaani Karupiah氏も出席しました。
New Straits Times  26 September 2012  Dementia Society opens daycare)

★認知症の人を警察官が間違って射殺(9月24日/アメリカ)
シアトルの警察官が射殺したのは77歳の認知症の人でした。
「ヘンリー・リー・シニアHenry Lee Sr.は認知症などの病気でした」と息子のヘンリー・リー・ジュニアHenry Lee Jr.氏が話しています。
孫息子のガルリエル・リーGabriel Lee氏は、祖父は元建設労働者で一人暮らしであり、この3年間の記憶が失われている」と話しています。
シアトルのキング群King Countyの医学検査官は「死亡した男性の名前を確認する業務中のことだ」と述べています。
警察署は「男は自宅の外で混乱し、自分の医療警告連携サービスを使って991に電話しました。彼は鉄砲を持っており、玄関で警察官と会った日曜の夜、撃たれた」と述べています。
関係した警察官のマーク・ジャミーセンMark Jamieson氏は次のように述べています。
「彼は外で明かりのことを話していました。武器を持っており、使うことは怖くなと言っていました。また彼は挙動不審な人についても話していましたが、そうした人は居ませんでした」
さらに警察は「その男は武器を手放すようとの命令を拒否しました。二人の警察官が発射して死んだ」と述べています。
警察官には傷はなく、発砲に関する調査中は有給休暇をとりますが、これは通常の処置です。
その男性がなぜそうして行動をとったか不明です。
ジャミーンセン氏は「彼がどのように考えていたのわかりません」と述べています。
その男性が通報して混乱したのは、医療的に危険な状態にあるような人が車に乗っており、そのことを消防署に通報したことによる反応によると判明しました。
ガルリエル・リー氏は次のように話しています。
「祖父はなお法的能力がありますが、忘れやすかったのです。鉄砲を多く持ってたのですが、父がほとんどを処分しました。いつもいい人で、子供のとき、釣りに連れっていってくれました」
Associated Press 09/24/2012 Family: Man shot by Seattle police had dementia
編者:アメリカやカナダの多くのマスコミが取り上げた事件。わが国では起こりにくいだらう。警察官が認知症について知識があれば対応は異なったかもしれないが、鉄砲社会のアメリカでは今後も起こりうる事件だろう。

認知症の人の介護者向けの支援パック(9月23日/シンガポール)
シンガポールの健康増進局Health Promotion Board (HPB)は、介護者自身のケアを支援し、利用できる支援を得るための認知症公衆教育計画Dementia Public Education Planの一環としてネットによる学習コースからなる介護者向けの支援パックを立ち上げました。
認知症の人は、現在の2万2000人居て、2030年までに8万人に増加していると推測されており、シンガポール人が認知症と生きることから認知症の人と生きること、そして地域で介護者を支援しながら「認知症と共に生きる」ことの意味を考えることをこの運動は意図しています。
ガン・キム・ヨン保健大臣Health Minister Gan Kim Yong(写真)は、今朝、タオパヨホールToa Payoh Auditoriumで「ともに生きるLiving Together」をテーマとした運動を宣言しました。
タントックセン病院Tan Tock Seng Hospitalと連携して、HPBは、家の安全移動展示を造り、これは認知症の人のために家をどのように改善するか介護者に教える出張展示されます。
Todayonline Sep 23, 2012 Caregivers of dementia patients get resource pack from HPB)

アルツハイマー病撲滅のため450人が歩く(9月23日/アメリカ)
ノースダコタ州 ディキンソンのテレーズ・アンソニーTherese Anthony氏は、過去10年の多くのことを忘れました。2週間前に彼女は亡くなりましたが、家族は、アルツハイマー病の霧を透してあることが見えるのです。それは「あなたは私の太陽“You Are My Sunshine”」という歌です。
アンソニー氏の孫娘のアリソン・スマルトAllyson Smalt氏は次のように話しています。
「祖母はアルツハイマー病とこの10年間、闘ってきたました。子供の頃から覚えていた歌のひとつがその歌です。病気がどれほど進んでも、彼女はその歌詞を覚えていました」
今日、日曜日に、チームテレーズTeam Thereseの30人近いメンバーは、オツシンゴ公園Otsiningo Parkに「2012年アルツハイマー病撲滅グレートビンガムトンウオーク2012 Greater Binghamton Walk to End Alzheimer’s」の啓発と資金のために集まりました。
アンソニー氏の写真を貼ったこがも色のTシャツで統一し、会員はブルーと黄色の花の風車を持っていました。これはアルツハイマー病の家族が亡くなったこと、そして今もアルツハイマー病の人を気にかけていることを現在介護していていることを示するものです。
「私たちはまだ悲しんでいます。まだ彼女のことを気にかけています。啓発は重要です。祖母が診断されたとき、その病気について多くを知りませんでした」
主催団体は次のように述べています。
「ウオークのために450人以上の人が日曜日の参加しました。短い距離を歩く人もいましたが、多くの人が長い距離を歩き、車イスを使う人もいて、最終的に介護、支援、研究のための6万300ドル以上の寄付を集めて終わりました」
参加者はすべて、「病気の人の家族から多くを奪ってしまう破壊的なこの病気を世界からなくすために」という目的で集まりました。
ウオークの支援団体である「統一メソジストホームズUnited Methodist Homes」の会長で実行委員長のブライアン・プッチーニBrian Puccini氏は次のように話しています。
「私は、この地域がこの課題のために結集し支援することをうれしく思います。私たちは、記憶を奪うこの病気が思い出となる日を楽しみにしています」
pressconnects.com Sep. 23, 2012 Hundreds walk through Otsiningo Park to end Alzheimer's
関連資料:Walk to End Alzheimer's
編者:アメリカのアルツハイマー病協会が9月の世界アルツハイマー月間に合わせて全国各地で展開するウオーク(メモリーウオークとは言わない)の1例。

認知症を国民的課題として取り上げよう(9月22日/バングラデッシュ)
全地球的に人口が高齢化しています。医療の改善により人は長くよりよく生きるようになりましたが、同時に、非伝染性疾患が増えています。WHOによると、現在3560万人の認知症の人が全世界にいて、2050年までに3倍になると推計されています。認知症は本人だけでなく家族にも影響します。さらに特筆すべきは、認知症の人の60%ほどが低中所得国にいて、日に日に増えています。
認知症は、他の非伝染性疾患とおなじく特別な病気ではありません。知的機能が障害され、通常の活動や人間関係ができにくくなります。感情のコントロールが難しく、性格の変化や行動上の問題が生じます。
別の推計によると、認知症の10%は65歳前に始まります。65歳以上では有病率は5歳ごとに2倍になります。家族歴、ダウン症、軽度認知障害、脳血管障害などが危険因子ですが、このうちコントロールできないものと、できるものがあります。後者として高血圧、高脂血症、糖尿病などがあります。現在、認知症の治療も進行を抑えることもできませんが、多くの治療法が試みられています。
認知症はとても重い負担を家族に、認知症の人を介護している人に強います。ほとんどの場合、こうした介護は家族および地域の公的でない支援で行われ、介護者はほとんど女性です。バングラデッシュでは、人々は認知症にとても関心があるとくわけではありません。通常の加齢の一部と捉えている人もいます。他方、認知症の理解に欠けているため恐怖や偏見が生まれます。我が国も認知症の負担に直面しているので、社会の各層で認知症についての啓発が至急に必要で、認知症の人の生活の質を向上させなければなりません。政府は再度、啓発運動を行い、運動を進めるための組織的運動を保障する重要な役割があります。
これには広範な公衆保健の取り組みが必要で、介護と認知症の人と介護者の生活の質の改善を図ります。こうした活動の目標や目的は、認知症に関する新たな政策を創り、現在の保健政策や計画を統合した計画を創ることです。いくつかの先進国では政府が、政策、計画、戦略を立ち上げ、認知症の影響に対応しています。バングラデッシュ政府や関係者は、認知症の人の生活の質をよりよくするために認知症と戦う計画を速やかに立ち上げるべきです。
寄稿者のタニア・タスニンTania Tasnin氏は、バングラデシュ政府保健家族福祉省保健局非伝染性疾患課NCD Unit Directorate General of Health Services、Ministry of Health and Family Welfareのコーディネーター補佐です。
The Financial Express 22・09・2012 OPINION Dementia: A public health concernより)
編者:記事の内容は正確かつ適切と思う。紹介記事が掲載されたFEはバングラデッシュのニュースサイト。同国に全国規模のアルツハイマー病協会Alzheimer Society of Bangladeshがあり、国際アルツハイマー病協会に加盟している。事務局:Alzheimer Society of Bangladesh, Hall Para,PO:Thakurgaon-5100, Thakurgaon Sader, Bangladesh Tel: +88 0172 049 8197 Email: alzbangladesh@yahoo.com
健康・社会問題山積のバングラデッシュで認知症に取り組むことは容易ではないだろう。国民のなかで認知症のどのような問題があるのかの把握、既存の医療や社会サービスの提供、官民の新たな認知症サービスの創設などが必要だ。この分野で先駆的なインドが参考になろう。

「アルツハイマー型認知症に関する国際調査より 正確かつタイムリーに診断する上での様々な課題が明らかに」(9月21日/産経新聞)
日本イーライリリー株式会社
本プレスリリースは、イーライリリー・アンド・カンパニーが9月19日(米国現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したものです。内容および解釈について英文オリジナルが優先されます。http://www.lilly.comをご参照ください
アルツハイマー型認知症に関する国際調査より
正確かつタイムリーに診断する上での様々な課題が明らかに
半数近くの医師が、アルツハイマー型認知症には「誤診がしばしばある」と回答
米国インディアナ州インディアナポリス - イーライリリー・アンド・カンパニーは、約1,000名の医師を対象に、アルツハイマー型認知症の正確な診断に関する課題への取り組み方及び意識を評価した、「アルツハイマー型認知症に関する国際医師意識調査」の結果を、本日(米国時間9月19日)発表しました。この調査は「世界アルツハイマーデー(2012年9月21日)」 に向け、リリー社の依頼により、アデルフィ・リサーチが米国、英国、フランス、イタリアおよび日本の5カ国で実施したものです 。
調査結果によると、調査に参加した5カ国の医師の半数近く(45%)2が、アルツハイマー型認知症について「誤診がしばしばある」と回答しました。また約半数(48%) が、アルツハイマー型認知症の診断時期は、効果的な介入を行うには「常に」あるいは「しばしば」遅すぎると回答しました2。また、アルツハイマー型認知症の正確な診断に影響する最も一般的な課題として医師が挙げた点は、正確な診断のための検査方法や、患者および介護者と医師間のコミュニケーションが十分ではないこと、また、患者自身が疾患を受容し難いこと、でした2。
さらに、アルツハイマー型認知症の早期診断には、様々なメリットがあると医師が考えていることが明らかになりました。例えば、「症状が悪化する前に機能障害や認知機能の低下を抑制するため、できる限り早く治療を始められる」、「将来に向けた調整と準備のため患者と介護者がより多くの時間を確保できる」といった点です2。特に2番目の点は、米国(85%)及び英国(83%)の医師が最重要事項として挙げています2。一方で、早期診断のデメリットとして、「患者・介護者にとっては不治の病とされる認知症の告知になる」や「家族や友人から孤立する可能性」等が示されています2。
正確な診断への課題
正確な診断のための検査方法の不足
アルツハイマー型認知症の正確な診断を下すために利用できるツールに関して、大半の医師の回答は「まあまあ満足している」(57%)でした2。適切な診断を行う上での最大の課題として、「正確な診断のための検査方法の不足」(65%)が全ての国の調査参加医師から挙げられました2。
コミュニケーションの不足
調査に参加した医師の75%は、アルツハイマー型認知症についての話し合いは、患者と介護者主導で行われたと回答しました2。またそのうちの44%は、患者・介護者が話すのは、「アルツハイマー型認知症を疑い始めて、しばらくたってから」と回答しました2。また医師の約40%は、正確な診断を下すために必要な情報が、患者・介護者から十分には得られなかったと回答しました2。一方、臨床的なエビデンスが十分ではない中で、より早期に正確な診断を下すためにはどのような情報が必要であるかという点については、症状の種類と現れた期間、及び日常生活への影響の程度、機能低下の進行状況、および家族歴等の情報が役立つと回答しました2。
「アルツハイマー型認知症は、診断が下るまでの道のりが非常に複雑で、患者さんや介護者の方にとって様々な感情が交錯する中、医師に重要な情報を伝えることは難しい状況かと思います。主治医とより密接な協力関係を築くための方法が示された今回の調査結果が、患者さんや介護者の支援に役立つことを願っています。」と同社のアルツハイマー型認知症チームのシニア・メディカル・ディレクターのエリック・シーマーズは述べています。
疾患の受容の難しさと、誤解や偏見
医師が患者にアルツハイマー型認知症の診断を告知する際の難しさとして、「患者が疾患を受け入れられない」(65%)、「社会的な誤解や偏見」(59%)が挙げられました2。また、大半の医師(71%)がアルツハイマー型認知症について、少なくとも、ある程度の誤解や偏見があると回答し、英国およびフランスでは最も偏見が強い(81%)という結果が示されました2。さらに調査に参加した医師によると、「個人の自由が奪われること」(78%)、「恥ずかしいことだと思うこと」(63%)、「社会的に孤立する可能性」 (60%)が、患者および介護者から共通して挙げられた誤解や偏見でした2。
「アルツハイマー型認知症の診断に直面した患者や家族にとって、疾患に対する誤解や偏見は大きな懸念となり、衰弱が進行するこの疾患を受け入れることを一層難しくしています。」と国際アルツハイマー病協会(ADI:Alzheimer’s Disease International)専務理事のマーク・ウォートマン氏は述べています。「私たちは、アルツハイマー型認知症をはじめとする認知症と共に生きる患者さんがより良い支援が受けられるよう、一般の方に対し、この疾患の理解を得るための啓発活動を引き続き行ってまいります。」
このような重要なニーズに対応するため、リリー社、 国際アルツハイマー病協会 (ADI) およびその他の関係団体は協力して、患者・介護者と医師のより効果的な対話をサポートする啓発資材を作成することを計画しています。患者や介護者が、深刻な問題を示唆する重要な認知症状を特定でき、情報や懸念を医師に的確に伝えられると言った点に重点をおいた資材を予定しています。
アルツハイマー型認知症について
アルツハイマー型認知症は認知症の最も頻度の高い形態であり、記憶など認知機能の低下を引き起こします。アルツハイマー型認知症の原因は、正確にはまだ不明です。この深刻な疾患の原因となる病理に変化を与え、症状の進行を抑制する既承認の治療方法は現在のところなく、特定の症状を軽減する治療選択肢に限られています 。国際アルツハイマー病協会(ADI)によると、2010年現在の世界の認知症患者数は推定で 3,560万人で、毎年の新規患者数は770万人にのぼります (これは、4秒ごとに1人が発症しているということです)4。患者数は2050年までに1億1,500万人に達すると推測されています 。様々な推定がありますが、米国におけるアルツハイマー型認知症患者数は540万人にも達するという専門家の見解があります3。
「アルツハイマー型認知症に関する国際医師意識調査」について2
このアルツハイマー型認知症に関する国際医師意識調査は2012年7月11日から 2012年8月20日にかけて米国、英国、フランス、イタリアおよび日本の医師に対して行われ、合計で996名の医師が調査に参加しました。医師の内訳はプライマリケア医、精神科医、神経科医、老年科医および老年精神科医(英国のみ)です。
なお、調査の質を高めるため、次の条件を満たす医師を対象としました。
・診療経験が2~30年であること。
・プライマリケア医および神経科医については、業務の70%以上の時間が患者の直接診療に当てられていること。
・老年科医、精神科医および老年精神科医(英国のみ)については、業務の50%以上の時間が患者の直接診療に当てられていること。
・全ての医師は過去3か月間で10名以上の患者を診療し、そのうち 50%は19歳以上の患者であったこと。
・全医師は日常的にアルツハイマー型認知症の管理を行っていることを示すこと。
・全医師が同意書および有害事象の報告基準に同意していること。
イーライリリー・アンド・カンパニーについて
イーライリリー・アンド・カンパニーは、米国インディアナ州インディアナポリスに本社を置く、革新を追求する医薬品のリーディング・カンパニーです。世界各国の自社研究施設や外部の優れた科学的研究機関との提携による最新の研究成果を用いて、各治療領域で豊富なポートフォリオの医薬品を開発しています。
詳細はホームページでご覧ください。http://www.lilly.com
産経ニュース 2012年9月21日 原文のまま
英語原文:New International Survey Reveals Multiple Barriers to an Accurate and Timely Alzheimer's Disease Diagnosis; Nearly half of all physicians surveyed report Alzheimer's disease is "often" misdiagnosed(INDIANAPOLIS, Sept. 19, 2012 /PRNewswire)
編者:調査結果は想定範囲のものだ。国別の違いはないのだろうか。

「認知症患者がいる家庭の78%で「経済的打撃」」(9月20日/ Innolife)
認知症患者がいる家庭の79%は、勤労所得が減る経済的困難を経験していることが明らかになった。
大韓痴呆学会が痴呆患者の保護者百人を対象に調査した結果、回答者の51%が勤労時間が減少し、27%は完全に退職したことが分かった。また、月平均所得2百万ウォン以下の保護者は、専門看病人を雇用せずに、一人で世話をするという回答が66%を占め、低所得層であるほど保護者の経済活動を難しいと調査された。
イノライフ 2012年9月20日 原文のまま
関連情報:大韓認知症学会Korian Dementia Association

認知症啓発キャンペーン(9月17日/インド)
「世界アルツハイマー月間World Alzheimer’s Month」を記念して「メモリーウオーク2012 Memory Walk-2012’」がハイデラバードで実施されました。
グレターハイデラバード市共同体Greater Hyderabad Municipal Corporation(GHMC).のモハメド・ハジド・フッセインMohammed Majid Hussain市長(写真左上)は、認知症の理解と認知症の人への支援のために政府とNGOと病院の協力を呼び掛けました。
市長は、世界アルツハイマ月間を記念しが9月16日(日)にメモリーウォークに参加し、「人間の歩行」と語り、「インド認知症レポート2010 Dementia India Report-2010」(訳注下)のテルガ語版を公表しました。この催しは、インドアルツハイマー病・関連疾患協会のハイデラバードデカン支部Hyderabad Deccan Chapter of Alzheimer’s and Related Disorders Society of India (ARDSI),ニザム医学研究所 メモリークリニックNizam's Institute of Medical Sciences (NIMS)Memory Clinic,アシャ病院Asha Hospitals、ヤショダ病院Yashoda Hospitalsによって組織されました。
GHMC理事のクリシュナ・バブKrishna Babu氏は「こうした催しは、多くの人たちが認知症および病気の認知症の人、家族、介護者への影響について知らないので、とても重要だ」と話しました。
NIMSのドハルマ・ラクチャクDharma Rakshak所長とアシャ病院のK.チャンドラシェンカールK. Chandrashekhar議長も出席しました。
NLMSの神経学部副教授で協会支部長のスバリナ・アラディSuvarna Alladi医師(写真左下)は「認知症は進行性の脳疾患で、記憶障害を起こし、通常の機能も障害する」と話しました。
協会支部の事務局長であるルクハナ・アンサリRukhsana Ansari氏は「ハイデラバードには3万人の認知症の人がいると推計されています。インド認知症レポートは重要で、インドでの病気の有病率や認知症の対処方法を知ることができる」と話しています。
メモリーウオークは、市内のジャラヴィハールJalaviharからスタートし、市民広場People’s Plazaを通り、もとの場所に戻って終了しました。
The Hindu September 17, 2012 Campaign to create awareness on dementia in Hyderabad
関連資料:THE DEMENTIA INDIA REPORT 2010(pdf2.5M)

★認知症の人の津波に準備ができてない(9月16日/イギリス)
この10年のうちに認知症の人が100万人以上になると推測されていますが、十分な介護施設がありません。
イギリスの認知症危機はとても大きく、今の介護施設や医療制度では、まもなく認知症の人の津波に対処できなくなるだろう、と専門家は警告しています。根本的な組み換えをしなければ、何十万という認知症の人が、単に無視されたということによる問題に、将来、直面するだろう、とも警告しています。
世界アルツハイマーデーWorld Alzheimer's Day前日、および保健省のDepartment of Health による3カ月間の全国認知症啓発活動の開始前に、研究者や政府の元顧問は「現在の対応が続くなら、医療制度は今後、飽和状態になるだろう」と述べています。
65歳以上の3人に1人が認知症―心がゆっくり壊れる病気―になるでしょう。イギリスには80万人以上の認知症の人がいますが、この数は10年以内に100万人以上に増えると推測されています。全国調査によるとイギリス人は、がんや死以上に認知症を怖がっていますが、アルツハイマー病協会Alzheimer's Societyによる最近の調査では、55歳以上の10人に1人以下しか家族がこの病気になったときの対処計画が持っていません。
キングスカレッジロンドンKing's College Londonの加齢関連疾患の教授で、アルツハイマー病協会の研究部長でもあるクリーヴ・バラードClive Ballard氏(写真左1)は次のように述べています。
「現在の制度がこのまま継続されるなら、無視に伴うモデルを受け入れることになるでしょう。無視が唯一可能な選択なのです。
さらに10年以内に計画を立てても、多分、遅すぎるでしょう。砂のなかのダチョウが頭をのぞかせているような状態なのです。
今の制度の許容量は現在、飽和状態です。1980年代の介護施設では認知症の人が20から25%でした。10年前で3分の2です。現在は、さらに80%以上でしょう。近く、もっと多くの施設を必要となるでしょう。すべての社会サービス制度や医療制度もまたまもなく拡大することになるでしょう」
今年初め、首相は国民的危機national crisisとしてこの問題を取り上げました。保健省は、今月21日にイングランドでの啓発活動を始めました。その目的は、認知症の可能性のある人が症状を止め、援助を得る方法を知らせようとするものです。認知症の人の70%ほどは診断を受けていません。イングランドの南西部の一部では、認知症の人のわずか27%しか自分が認知症であることを知らないのです。保健省のよると、年間、介護施設で1万人の空きがあるが介護施設数は減っています。
社会的ケアと支援担当の大臣であるノーマン・ランブNorman Lamb氏(写真左2)は次のように述べています。
「認知症は最も恐れられ、誤解されている病気の一つです。多くの人は、症状が加齢による避けられないものであり、することはほとんどないと信じています。
運動によって、認知症の人と困難な会話をどのように行うかの助言をすることになるでしょう。また、すべての人が認知症をよりよく理解するのに役立ち、偏見を乗り越え、重要になるこの問題に共に取り組むことを希望します」
今週の運動は、首相の「認知症への挑戦Challenge on Dementia」の一部ですが、認知症や神経性退行疾患の研究費を2015年までに毎年6600万ポンド以上と2倍にすると約束しています。これはイギリスを認知症ケアと研究の分野で指導的な立場に変えようとする動きの一部です。最近の統計によると、全世界で認知症の人は3500万人いますが、2005年には1000万人以上と記録されました。しかし、財団「イギリスアルツハイマー病研究Alzheimer's Research UK」の事務局長のシャーリー・クレイマーShirley Cramer氏(写真左3)は「研究資金が増えることは大いなるスタートではあるが十分のものではない」と述べています。
イギリスでは、認知症に年間230億ポンドの費用がかかっています。これは、がんの2倍、心臓疾患の3倍、脳血管障害の4倍です。しかし、認知症の政府の研究費はこれらの疾患の研究費全体の2.5%です。最近の数値では、4分の1はがんで、認知症とくらべ政府や慈善団体からの資金は12倍です。
さらにクレイマー氏は次のように述べています。
「成人の病気や社会ケアの制度の負担は、人口構成の変化の伴い最悪の事態になっています。
このことを考慮しないで、10年間このままにしておくと、完全な崩壊に直面するでしょう。すべての認知症の人に必要なケアを提供する余裕がなくなるでしょう。NHS(国民保健サービス)は、この事態に対処できないでしょう。地域で認知症の人をみるべきところをベッドの上で人生を終えることになります」
保健省によれば、政府の改革は、在宅で人々を支援することを目指したもので、新たに追加される2億ポンドの基金は、高齢者や障害者のために特別な家を開発するためのものです。しかし、イングランド、ウエールズ、スコットランドでは、認知症の人はすべての病院のベッドの4分の1を占めていると推計されています。
認知症に関して研修を受けた初めての専門職である看護師のジェニー・ベルJeni Bell氏(写真左4)は、現在、サザンプトン総合病院Southampton General Hospitalに勤務しますが、「一般的に、誰もこの課題にしっかりと対処しようとしません。適切に資金が使われることもほとんどありません。個別に正しく対処する人はいますが、制度全体に取り組もうとはしない」と述べています。
彼女の病棟は、認知症の人を支えるように改築し、図や色でドアを表示しています。彼女はさらに次のように述べています。
「私の病院だけなのです。みんなが変わる必要があり、またそれを維持するため病院の職員を支えることが必要だと認識しなければなりません」
ジャネット・クランプトンJanet Crampton氏(写真左5)は、保健省の前職員で、政府の国歌認知症戦略に関わりわりましたが、現在は「ジョゼフロウンツリー財団でJoseph Rowntree Foundation」の認知症にやさしいヨーク市に創りの方法についての報告書―来月、公表の予定―を指導しています。彼女は次のように警告しています。
「なんらかの支援を必要とするすべての人々の津波です。もっと根本的に考え始めなければ、より積極的な支援を必要としている人たちで私たちのサービスを一杯になるでしょう。
「国家認知症戦略」では、早期診断を勧めていますが、それを保障するものがないと意味がありません。法に基づいた部署は前向きな計画を立てるのには相応しくありません。統計を持っているのですが、必ずしも将来に投資するとは限らないのです」
事例研究
「課題をうやむやにする」
ヴィッキー・グラハムVicki Graham氏(67歳)はウイルトシャーのマルメスベリーMalmesbury, Wiltshire在住ですが、夫のジャミー氏(65歳)の介護者です(写真右1)。彼は、5年前、若年性アルツハイマー病と診断されました。元IT管理者の彼は、現在、読むことも書くこともできなく、自分の考えを伝えることも難しいのです。
妻の話。
「ジャミーがよく立ってスピーチをしていたのですが、突然、言葉を失うことを知りました。今、夫はすべてを理解することができますが、自分がしていることの理由を説明できません。私の目標は、自宅に生活することですが、私は、今何が起きているのか知りません。認知症は、うやむやにされてきました。最終的な結末を知り、今後、治癒が見つらなければ、私が向かっている先のことを理解していいます」
トーカイTorquay在住のノーマン・マクナマラNorman McNamara氏(54歳)(写真右2)は、レビー小体型認知症です。
5年前に診断され、夜間の恐怖や幻覚が現れ、ボタンをはめたり、靴ひもを結んだりできません。妻のエレン・マクナマラElaine McNamara氏の介護を受けながら、夫は認知症の症状にいての地元の企業のためのガイドラインを発行しました。
彼の話。
「診断されたとき、まったく打ちのめされました。ゴミ集積場のいるように感じたのです。今、背広姿で認知症について会見しますが、妻がシャワーを浴びさせ、朝、用意しなければならないということは誰も知りません。とても不満になります。日によって私はどこに住んでいるのかわからなくなるので外出できません。私は18人の孫がいます。もっとも早くできることは諦めることだったのでしょうが、祖父が病気を闘っていることを知らせています」
Independent 16 September 2012 Britain unprepared for 'tsunami' of dementia patients
訳注:報告者のサラー・モリソンSarah Morrison氏(写真左3)は、インディペンデントの記者。
編者:この時期、イギリスで認知症関係に議論が盛んなようだ。危機意識さえある。日本では危機意識はなく、なんとかなると思っているのだろう。

消防救助部が認知症に取り組む(9月14日/イギリス)
全国的に自治体の消防救命部が認知症対策の参画するという画期的な公約が勧められています。
この公約は、スタッフォドシャー大学Staffordshire Universityが主催した会議で公にされ、そ内容は認知症の啓発、認知症の人に相応しい施設改善、および認知症にやさしい地域Dementia friendly communitiesづくり運動へ参加するというものです。全国で14部が既に参加を表明しており、イングランド・ウエールズの49部すべてがこの参加することを期待しています。こうすることで認知症の人の生活を守り、できるだけ長く自宅での生活を可能とするでしょう。
今年の5月、首相が始めた全国認知症挑戦dementia challengeは、認知症の人が必要とすることに公的機関を統合しようとするものです。ケント郡消防救助部Kent Fire and Rescue Serviceは、優れた取り組みをする「チャンピオングループChampion Group」のひとつとしてこの分野で指導的な活動を行っています。このグループには、ロイズTSB Lloyds TSB(銀行)、イ・オンEon(電気)、ファーストグループFirst Group(運輸)、BT(通信)などの大手の会社および認知症の人が含まれます。
このグループは、アルツハイマー病協会Alzheimer's Societyの大使であるアンジェラ・リッポンAngela Rippon氏(写真左上)と事務局長のジェレミー・ハーゲスJeremy Hughes氏(写真左中)が指導しています。
今年の秋には認知症にやさしい地域創りの進捗状況が首相に報告されます。
ハーゲス事務局長は次のように述べています。
「緊急時であろうが、通常時であろうが、認知症の人の安全点検については、消防士が彼らを保護し支援する重要な役割を担っています。火事に直面すると私たちだれもが動揺しますが、他人が自分を家から連れ出す理由がわからない認知症の人にとってはそうした経験は一層、心的外傷となるでしょう。消防士が認知症を理解することで、火事に認知症の人が対応するのを支援できるだけでなく、火事を起こさない方法を勧めるでしょう。
イギリスには80万人の認知症の人がいます。医療分野や社会サービス分野の専門職が認知症に取り組む前線の唯一の人たちではありえないし、あるべきではありません。認知症にやさしい社会にするためには、消防救助チームのように私たちすべてが役割を持っているのです」
ケント郡消防救助部のアン・ミリントンAnn Millington事務局長(写真左下)は次のように述べています。
「火事の影響はとても大きいものですが、助言と支援によって、安全面を少し変えることで大きな違いを生むことができます。全国の消防救助部は地元で素晴らしい仕事を既に行っています。私たちは、支援を必要とする人たちを特定するため他の部署の人たちと密接になるように努めています。認知症への首相の取り組みは認知症の人に安全な地域づくりに向けての仕事をするのに大きな機会となります。
ケント郡消防救助部のすばらしい人たちからなるチームは、毎月100人ほどの認知症の人に活動しています。認知症の人の自宅での安全と自立を支援などしていますが、その活動は無料で行うもので、特別な研修を受けたチームが認知症の人と介護者を訪問し、評価し、基本的な助言を行います。具体的には、レンジの消し忘れが多くなったときの調理器自動消火、防火性毛布や鍵のかかるソケットの提供などです」
Alzheimer's Society 14 September 2012 Rescue chiefs light fire under dementia challenge
サイト内関連記事
編者:イギリスでは政府の認知症挑戦に沿って各地で認知症にやさしい地域づくりが進んでいるようだ。一部な取り組みではあるが消防救助の活動をアルツハイマー病協会が評価している。我が国では「徘徊」で警察庁が取り組んだ経緯はあるが、認知症で消防庁が取り組んだという話は聞かない。一人暮らしの認知症の人を危険だからと地域から排除してはいないように思うが。

「昨年の死亡者25万7千人 過去最多に=韓国」(9月13日/中央日報)
【ソウル聯合ニュース】韓国統計庁は13日、「2011年死因統計」を公表した。
それによると、昨年の死亡者数は25万7396人で、関連統計の作成を始めた1983年以来で最も多くなった。死亡者数は5年連続で増加している。男性が前年比0.6%増の14万3250人、女性が同1.0%増の11万4146人。
死亡率(人口10万人当たりの死亡者数)は513.6人と前年比0.3%(1.6人)増え、2年連続の増加となった。男性死亡率は571.1人で、女性(456.0人)の1.25倍に当たる。
3大死因は悪性新生物(がん)、脳血管疾患、心疾患で、前年と同じだった。3大死因により死亡した人は死亡者全体の47.4%を占める。
死因4位から10位までは自殺、糖尿病、肺炎、慢性下気道疾患(慢性気管支炎など)、肝疾患、運輸事故(交通事故など)、高血圧性疾患の順だった。10年前と比べ、自殺が8位から4位に、肺炎が11位から6位に上昇した。
特に、アルツハイマー病が初めて女性の死因10位以内に入った。昨年のアルツハイマー病による女性死亡者数は人口10万人に対し6.6人と、前年の5.7人(死因11位)より増えた。
年齢別では、10代、20代、30代の死因1位がいずれも自殺で、50代、60代、70代、80歳以上はがんが1位だった。
がんによる死亡率は前年比1.1%減の142.8人で、1999年以来12年ぶりに減少に転じた。男性は肺がん、肝臓がん、胃がん、女性は肺がん、胃がん、大腸がんの順で死亡率が高い。
一方、昨年の自殺者数は1万5906人で前年比340人(2.2%)の増。1日平均43.6人が自殺していることになる。10代の自殺率は前年比6.8%急増した。
生まれてから1年以内に死亡した乳児は1435人で、前年に比べ73人(4.8%)減少した。
中央日報日本語版 2012年9月13日 原文のまま
編者:アルツハイマー病を死因とするとアメリカでは6位だが、韓国では女性にかぎり10位。わが国の厚生労働省の「2010年人口動態統計(確定数)の概況」によると、アルツハイマー病を死因とする死亡数は男女合計で4 166人、人口10万人に対する死亡率は合計で3.3人(男性2.5人、女性 4.1人)で、女性については韓国の3分の2である。それにしても韓国も自殺が多い。

総合病院に「認知症にやさしい病棟」がオープン(9月11日/イギリス)
イギリスのハンプシャーにあるサザンプトン総合病院Southampton General Hospitalは、認知症の人の介護と医療を改善するため「認知症に優しい」新病棟を開設しました。
認知症の人は、病院という環境―とくに治療のときに―ではとても混乱しやすいのです。こうした認知症の人の特別な必要性に応えるために病院がこの企画に投資したのです。
新しい病棟は革新的な取り込みがあり、認知症の人が自分の部屋を覚えやすくするため明るい色のドアや、視覚的な記憶を助けベッドの番号ではなく傘、灯台、ヒトデといった絵による情報を提供します。
また立ち入り禁止の洗濯場や職員室は、周囲の壁に合わせた外観にします。ナースステーションは、テーブルを低くし「受付」という名前にしています。認知症の人が安心して近寄りやすくするためです。
さらに、書類は戸棚にしまい空間を整頓します。病院の面会時間の制限をなくして、介護者や家族が夜でも昼でもいつでも訪れることができます。
この病院は、イギリスで初めての病院所属の専門看護師を導入しました。今まで認知症看護を専門とする精神科看護師は、アドミラルナースAdmiral Nursesと呼ばれていますが、地域の看護チームの一員でした。新たな病院のポストとして、アドミラルナースは、臨床関係職員を把握し、研修や向上計画を監督することになります。こうして認知症の人の体による言語を理解し、言語的交流をしない人たちに対処する方法を理解することになるでしょう。
worldinteriordesignnetwork(WIDN)11-Sep-2012 Southampton General Hospital opens dementia-friendly ward
編者:認知症の人に相応しい療養空間と介護システムを取り入れた総合病院の病棟が日本にもほしい。

アルツハイマー病治療の選択(8月29日/アメリカ)
540万人以上のアメリカ人がアルツハイマー病です。この病気は認知症の一つでアメリカでは死因の第6位です。アルツハイマー病と診断された人は、その後、平均8年間生存します。なかには年齢や健康状態によって、20年間生きる人もいます。悪化する症状を遅くしたり、生活の質を改善する治療法はあります。生活の質は、アルツハイマー病の人にとっても家族や介護者にとって大切なことです。この病気を治す方法はありません。
薬物療法という選択
アメリカ食品医薬品局Food and Drug Administration(FAD)は、二つのタイプの薬―コリンエステラーゼ阻害剤とメマンチン―を承認しています。これらは、混乱、思考や論理の障害に伴う症状を治療するものです。
アメリカのアルツハイマー病協会Alzheimer's Associationによると、現在の薬でアルツハイマー病の原因である脳細胞の損傷を止めることはできませんが、脳の神経細胞の伝達に関わる化学物質に影響してある期間、症状を軽減したり維持するのに役立つようです。ときどき医師は、この二種類の薬を一緒に処方します。アルツハイマー病の認知機能の変化に大量のビタミンEを処方する医師もいます。
マウントサイナイ医学部アルツハイマー病研究センターAlzheimer's Disease Research Center, Mount Sinai School of Medicineの精神科部長であるメアリー・サノMary Sano氏(写真左上)は次のように述べています0。
「とても重要なことの一つは、できるだけ早くアルツハイマー病の兆候や症状を確認することです。アルツハイマー病はとても破壊的であり、誰もが心配な病気です。最初の症状はさまざまで、記憶障害、仕事がうまくこなせない、家族から不平などです。症状があれば専門的な評価を受けるべきです。とても早期に把握できる認知機能検査もあり、多くの研究の成果も利用できます」
臨床試験
アルツハイマー病の症状を治療するだけでなく、できればアルツハイマー病の進行を止めたり、遅くする薬の研究が進められています。新しい治療法の開発には臨床試験に参加するボランティアが必要です。
アルツハイマー病協の医学科学部部長のウイリアム・サイスWilliam Thies氏(写真左中)は次のように述べています。
「研究に参加しようとするボランティア精神は、アルツハイマー病の研究を進めるための最大の方法です。その次に、連邦政府の研究助成を確実に増やす必要があります。研究への投資は、今後数十年、増加するアルツハイマー病のアメリカ人のケアに要する費用よりはるかに少ない負担ですむでしょう」
認知ダイナミック財団Cognitive Dynamics Foundationの代表で、アラバマ大学University of Alabamaの准教授で、アメリカ神経学会American Academy of Neurologyの会員であるのダニエル・ポッツDaniel Potts氏(写真左下)はアルツハイマー病治療の臨床試験について次のような提案をしています。
1.サイス氏によると、第一に医師に話してみることです。医師は、有益と思われる地元または特別な研究について知っているかもしれません。国立保健研究所National Institutes of Health(NIH)が支援するアルツハイマー病センターAlzheimer's Disease Centersあるいは地元の専門的な記憶外来あるいは神経科外来で試験が行われているかもしれません。NIHのアルツハイマー病教育情報センターAlzheimer's Disease Education and Referral Centerは現在行われている試験の詳しい情報を提供しています。
2.アルツハイマー病協会は臨床試験に関するよい情報源です。
3.その他のオンライン情報源として、NIHが運営するClinicalTrials.govのサイトがあり、さまざまな臨床試験の情報を公開しています。
さらにポッツ氏は次のように述べています。
「現在、50ほどのNIH助成のアルツハイマー病に関連して臨床試験が進められています。このなかには症状が出る前のアルツハイマー病の早期の病的変化を把握する新たな方法として生体指標、家族性のアルツハイマー病の遺伝子を考慮した臨床試験、治療に有益な検査物質の試験などがあります」
ごく最近の臨床試験でアルツハイマー病の原因となる蛋白のひとつであるアミロイドの生成を抑えるガンマーグロブリン(IvIg)の受動免疫療法の試験についての報告がありました。
さらにポッツ氏は次のように述べています。
「その他、神経成長因子が脳へ効果的な治療法かどうかが調べられています。糖尿病のある治療法がアルツハイマー病にも試されてきました。ブドウ糖を脳が活用する能力とアルツハイマー病とに関連があると考えられているからです。またホルモン置換療法、高コレステロール血症治療薬、てんかん治療薬、脳に毒素的に作用するアミロイド蛋白生成の関連酵素を阻害する物質などの臨床試験が行われています。
こうした試験に関するサイトで検索すると、掲載された試験の安全性と有効性のおおまかな評価を知ることができます。
こうした試験は誰にとっても安全なのですが、医師に相談し質問してみましょう。
もっとも大切なことは、被験者の医学的状態、服薬状況、医学的な危険因子から試験に参加できるかどうかが決められます。薬の安全性が最重要な事柄です。
アルツハイマー病の予防には生活様式の変化―運動や地中海風料理など―が重要であると強調したい」
さらにサノ氏は次のようなことを薦めています。
「家族歴を調べ、身近な家族がアルツハイマー病になったからといって必ずしも同じ病気になるわけではありません。アルツハイマー病を予防したい人たちでの臨床試験を始める予定です。これは最先端の研究で、研究に参加すると将来的に可能性のある危因子を見つけることにつながるでしょう」
非薬物療法という選択
アルツハイマー病の側面のひとつは行動の変化です。この変化は、服薬、環境、その他の医学的状態によって増幅されます。行動の変化は、焦燥、うつ状態、怒り、爆発、幻覚へと進むことがあります。行動の変化の非薬物療法のなかには、そのきっかけを見つけることも含まれます。そのきっかけが視力障害かもしれません。コミュニケーションがうまくできなくて、病院やナーシングホームといった新しい環境で混乱するのです。週刊「認知症ケアチップスDementia Care Tips」は、ホームウオッチケアギバースHomewatch CareGiversが無料で公開しているもので、認知症の症状に関する工夫やヒントを提供しています。
アルツハイマー病協会によると、行動症状の主な原因はアルツハイマー病の脳のよるものとしても、検査によって行動の関与する状態で治せるものがあるかもしれません。アルツハイマー病の人は睡眠障害をきたしやすいのでが、疲労がその症状を悪化させる可能性があり、さらに在宅の介護者が睡眠不足になることにもつながるので、非薬物または薬物的治療が勧められます。非薬物療法のなかには、定期的な食事、昼寝、就寝、朝、陽を浴びる、一日の早い時間帯の毎日の運動、アルコール、カフェイン、ニコチンを避ける、就寝前にある種の薬を避ける、適度な温度の部屋で夜間の明かりをつけるといったことがあります。
アルツハイマー病協会のサイトには、そのほか代替療法、科学的な証拠への関心、ハーブ療法やサプリメントの副作用についても見解が示されています。ハーブなどの安全性と有効性は、証言、伝統、あるいはかなり小規模な科学的研究の結果に依るとされています。
寄稿者のリーン・レイノルズLeann Reynolds氏(写真右)はホームウオッチケアギバーズの会長。
(huffingtonpost healthy-living 08/29/2012 Now What? Treatment Options for Alzheimer's Disease )
編者:常識的な内容で新しい知見や助言は乏しい。アルツハイマー病協会など見解を紹介し、主体性のない寄稿だが、わかりやすいので紹介する。

★アルツハイマー病候補薬ソラネズマブの有効性認めず(8月24日/アメリカ)
イライリリーEli Lillyは、本日2012年8月24日、ソラナズマブsolanezumabの軽度から中程度のアルツハイマー病の人での2重盲検法による二つの第3相臨床試験で認知障害と機能障害に関する当初の有効性を示す目標を達しなかったと発表しました。ただし、二つの試験を統合したデータ分析では、認知機能の低下を有意に遅らせる効果を認めました。なお1%以上の副作用は、倦怠、発疹、不快が候補薬のグループに多く観られました。
リリーの会長でCEOのジョン・レヒレイターJohn C. Lechleiter氏(写真左)は「ソラネズマブ研究は初期の目標を達しませんでしたが、認知機能の低下を遅くする効果を認めたことに力を得ています。有識者と今後の可能な方法について話し合うつもりです」と話しています。
また同社の副会長でリリー研究所長Lilly Research Laboratoriesのジャン・ルンドバーグJan Lundberg(写真右)氏は「統合したデータからアミロイド説の妥当性が証明されたと信じています。これは抗アミロイド物質が認知機能の低下を遅くすることを示した初めての第3相臨床試験の結果なのです」と話しています。
Eli Lilly August 24, 2012 Eli Lilly and Company Announces Top-Line Results on Solanezumab Phase 3 Clinical Trials in Patients with Alzheimer's Diseaseより)
サイト内関連記事
編者:ファイザーのバピメウズマブbapineuzumabに続いて抗アミロイド剤がアルツハイマー病には無効となり全滅か。わずかな有効性に期待を託して商品化を進める意味があるのか。
なお、bloomberg.co.jpのニュースサイトで「米イーライ・リリー:認知症の進行に改善結果-治療薬試験で」(2012/08/24)と誤解を招く不正確な記事が掲載されている。

認知症の人を追跡する機器(8月19日/マレーシア)
プートラマレーシア大学UNIVERSITI Putra Malaysia (UPM)の研究者は、アルツハイマー病の人の移動を追跡する機器を創作しました。
「アルツハイマー病リアルタイム位置確認システムAlzheimer’s Real Time Location System (ARTLS)」と呼ばれるこの機器は、ワイヤレスの追跡機器(タグ)(写真右)でポケットに入り認知症の人が日常生活に支障を及ぼしません。
タグの位置は、ラジオ波で介護者が2次元空間で動きを観ることでできます。
同大学のアブドル・ラシード・モハメド・シャリフAbdul Rashid Mohamed Shariff准教授(写真右)は次のように述べています。
「この機器は介護者がリアルタイムで認知症の人を監視でき、行方不明になるといった危険を防ぐ可能性があります。認知症の人が1日何度となくダイニッグに入って食べている場合、どのようにしてそのことを介護者は知るのでしょうか。介護者は認知症の人の動きを調べることで適切な対応をすることができます。医療職の人にとっても認知症の人について薬の効果を化学的分析をしなくもてこの機器で監視することができます。ほとんどの人は決まった日常生活を送っていますが、認知症の人は違います。昨日したことを忘れて、正常でない頻度で行動していうかパターンを機器は示すこともできます。この機器を商品化することを目指しています」
先月の「デザイン・リサーチ・イノヴェイション博Design, Research and Innovation Exhibition」でこの機器は金メダルを獲得ました。この機器を導入することで認知症の人のために配置されるデイケアセンターの職員数を少なくするのに役立つかしれません。
さらにアブドル・ラシード氏は「政府がこのシステムを高齢者施設を導入しやすいように助成金を提供できる」と述べています。
アルツハイマー病は、判断、短期および長期の記憶などの基礎的能力が低下する医学的状態です。
「世界アルツハイマーレポートWorld Alzheimer Report」によれば、認知症の人は全世界に3600万人いると推計され、20年ごとに2倍になり、2030年に6600万人、2050年に1億1500万人になると推測されています。
アルツハイマー病など認知症の有病率は、60歳以上のマレシア人の14.3%と推計されています。
the star online August 19, 2012 Keeping track of Alzheimer’s
編者:開発された追跡機器は専ら室内用のようだ。地域での追跡はどうしているのだろう。記事からマレーシアの認知症ケアの内容を知ることができそうだ。

認知症にやさしい地域づくりの7つの方法(8月17日/イギリス)
認知症の問題を解決するために医学的な進歩に頼ることができません。わずかな種類の薬の効果が限られており、新しい薬の開発には数十年かかるでしょう。
しかし、ケアをよくしたり病気を理解することで速やかな効果を期待できます。認知症にやさしい地域づくりは、こうしたやり方の一歩です。今年5月、キャメロン首相が発表した「認知症への挑戦Dementia Challenge」のもとで、2015年までイギリスで少なくとも20か所の市町村が一斉に活動を始めます。その狙いは、認知症の人に何が必要なのか自ら考えることです。認知症の人の最大の問題の一つは恐れです。住んでいる地域の中心街で対応できなくなるのでは、銀行で困ってしまうのでは、あるいは駅に行く道を間違うのではという恐れなどです。認知症にまつわる偏見のため多くの認知症の人が助けを求めることを止めて家に閉じこもり孤立するのです。
1.中心街
北ヨークシャーNorth YorkshireのリポンRiponにあるアプトンパイAppleton's Pieの店は1867年創業ですが、認知症にやさしいと宣言した町で最初の支援活動を始めた会社のひとつです。レジから離れた静かな場所に特別に研修を受けた4人の店員が対応し、認知症の人の買い物や釣銭の勘定を支援し、購買日が書かれた茶色の紙袋を提供しています。
この店の共同オーナーであるアンソニー・スターンAnthony Sterne氏(写真左上)は次のように話しています。
「認知症の人に関わる会社を運営する友人が、認知症の人は安心して外出できないと思って家に閉じこもると私に教えてくれました。ささやかで基本的なことを支援できれば認知症の人が店にもっと気楽に来られるようにすべきです。とても忙しい店なので、せかしてレシートを渡さないようにしたり、客の変化によく気がつくようにできる静かな場所があることはとてもよいことです」
2.自宅
ケント消防救命部Kent Fire and Rescue Serviceには専門家チームがあり、無料で病弱な高齢者の自宅を訪問して安全を確認し、自宅で安全に自立して生活できるようにします。チームは、無料の防火毛布や調理器具、付けっぱなしの時に自動的に消す機器、風呂の湯が溢れないようにする機器を提供します。
報道担当のサンドラ・マイケルSandra Michael氏は次のように話しています。
「認知症の夫が自分のパジャマを電子レンジで温めたと、その夫人から支援を要請されました。夫人はレンジを止めて、キッチンのソケットにロックできるカバーを取り付けました。これで、さらに何年か自立した生活ができるでしょう」
3.移動
ヨークYork駅の鉄道警察Transport Policeは、高齢者や混乱した旅行者に出会うことが多いと、どのように簡単な方法で指示するかなど支援のための研修を受けました。彼らは、認知症の人と介護者が旅行する自信をつけるため、鉄道を使った1日旅行を企画しています。
ソーシャルケアコンサルタントのジャネット・ディーンJanet Dean氏(写真左下)は次のように話しています。
「ヨークでは多くの人が鉄道で働いており、鉄道で旅行しており、駅は彼らが共に居る場です。仕事や友人のために駅に居るかもしれません。人々は駅に引きつけられるのです」
4.スーパー
スーパーのウエイトローズWaitroseやテスコTesco、銀行のネーションワイドNationwide やロイズLloydsなどの大手企業は、認知症にやさしい会社になると署名しました。スーパーでは、歓迎店員greetersの導入を試みています。彼らは、店の前に立ち、客を呼び込み、通路や商品の場所を案内して買い物を助けます。銀行では、忘れた暗証番号にどう対処するかを検討し、認知症にやさしい手続きの導入を共同で検討しています。すべての銀行、住宅組合、保険会社で利用できることが期待されるような一連の規則になるでしょう。このため25の金融関係団体などによる初めての会合が9月に予定されています。
5.旅行
ヨーク市York City の職員は、認知症の人を支援できる旅行地として市の在り方に投資しようとしています。明快で役立つ旅行ガイドを記憶障害や混乱しやすい人に提供して通りを歩く時にとても安全だと思ってもらうようにします。
ディーン氏は次のように話しています。
「散歩好きな60歳代の女性が行方不明になりました。夫は警察に電話し、警察は警報を出し、全市のバスの運転手に通報されました。夜間に駐車していた運転手が路線バスのなかで彼女を発見しました」
6.スポーツ
認知症の人の1日行事を企画して招待してインドアスポーツに相応しい「カーペットクロケット」、ボッチアBocciaというラケットゲーム、健康を維持に相応しいダンスのズンバゴールドZumba Goldなど新しいレジャーが試されています。
ディーン氏は次のように話しています。
「認知症初期に能力を低下し始め、ゴルフから排除され、ブリッジクラブで歓迎されなくなるかもしれません。認知症の人には相応しい単純な活動が必要です。身体的な問題だけでなく参加できないという恐れがたびたびあります。ガイド付きの自転車旅行はペダルは踏めるが街に出かける自信がない人には相応しいのです。迷って家に帰る道がわからなくなるのを恐れています。ガイドがあればその問題は解決します」
7.診療所
GP(一般医)のあいだで、受付係を再教育して認知症の人が予約を取りやすくしようとする動きがあります。
ディーン氏の次のように話しています。
「認知症に人に初めて接する人たちには研修が必要です。わかりやすい言葉で話し、複雑な質問は避け、時間をかけることです。早いペースの社会に生きていますが、ペースを落とすことです。忍耐、親切、理解でもってよりよい反応が生まれるでしょう」
記者:同紙の健康担当編者ジェレミー・ローレンスJeremy Laurance氏(写真左)
Independent 17 August 2012 Seven ways to make our cities better places for those with Alzheimer's )
編者:イギリスで比較的新しく良識的と言われる新聞Independentは、最近、認知症をよく取り上げている。この記事も「認知症にやさしい地域づくり」の在り方を具体例を示しながら提案している参考になる記事だ。

★認知症の人が終末期ケアについて述べる権利(8月16日/イギリス)
初期の認知症の人は、医療職とソーシャルワーカーのもと指針に基づき、どのように、どこで死を希望するか述べる権利が与えられるべきです。
国民保健サービスNHSの監視役でもある「イギリス国立臨床研究所National Institute for Clinical Excellence(NICE)」の新しい指針案によると、地域の保健当局らが認知症と診断された人で判断能力が保たれている間にできるだけ早く人生の最期のケアについての選択を検討できる機会を与えることを要請しています。
ごく一部の人たちは、終末的状態の病気であるとき、どのような治療を受けたいかについてコミュニケーションを取れることが研究からわかっています。
医師、推進運動家、教会の指導者たちは、毎年10万人にほどの人たちが自分たちの意思が記録されていないために病院ではなく、親しい友人や家族に囲まれて自宅で死を迎える機会が失われていると警告してきました。
この度、イギリス高等法院High Courtが、「死ぬ権利right-to-die」に関して注目される二つの事例について判決が公表されました。
トニー・ニッックリンソンTony Nicklinson氏(写真左上)および AMまたはMartinと呼ばれている男性は、いわゆる「ロックドイン症候群locked-in syndrome」で意識ははっきりしているが、動くことも話すこともできない状態です。
ニックリンソン氏は、コンピューターでツイッターを通して世界とコミュニケーションを取ってきました。コンピューターが彼の目の動きを感知するのです。彼は致死量の鎮痛剤を医師が自分に投与しても、それを殺人として訴追されないような免責を希望しています。
他方、マーチン氏は、スイスにあるディグニタスDignitas診療所の自分を連れていけるボランティアの許可を求めています。
公訴局長官Director of Public Prosecutionsの最近の指針によると、思いやりによって家族や親しい友人に限り自殺を幇助したことで訴追はされないだろうとういうことです。
二つの事例は、今後数年間死ぬ権利についての進路を決めるように思われます。
しかし、終末的な病気の人へのよりよいケアを訴える推進活動家は、注目される事例と自殺幇助の議論は、少数の人たちに影響するのですが、これらは終末ケアのより広い問題を曖昧にすると言っています。
現在、慢性的な病気や終末的な病気を持った人は、自分たちが登録している一般医GPと「今後のケア計画advance care plan」を作成できるのです。その計画とは、どのようにケアを受けるか、自宅に留まりたいか、どのような状況の場合に蘇生術を受けたいかといったことが含まれます。
しかし、実際、多くの人は、その機会が持てることも、それがあることさえも知りません。最近の調査によると、GPの3分の1しか、そのことについて患者と話し合ったことはないないことがわかりました。
今回の新しい指針は、認知症の人にその機会があることを保障し、医療費を支払うNHSの担当者だけでなく医療職やソーシャルワーカーにも責任があることになるでしょう。
「緩和ケア全国委員会National Council for Palliative Care」のサム・ターナーSam Turner氏(写真左下)は次のように述べています。
「これはとてもよいことです。人々は終末期ケアの話し合いを止めたいと望んではいません。これは難しい課題で、認知症の人とそうことで話したくはないのです。しかし、そうした話し合いをしないことによって、認知症の人にその機会をつくらないことになります」
Telegraph 16 Aug 2012 Dementia patients given right to say on end-of-life care)
編者:ニッケルソン氏の死ぬ権利の訴えはイギリスで話題になったが、それを却下された後の22日、自宅で肺炎で死亡(享年58)。

支援グループはアルツハイマー病の偏見を変える(8月11日/アメリカ)
ちょっと自分の名前を忘れるようになるまでは、ジョークで自分たちを「忘れるI Forge」と呼んでいましたが、速ぐに「ワイルドバンチWild Bunch」と言い換えました。
アルツハイマー病の人や介護者は、毎月のありあわせの食事を持ち寄って集まり10代のときのように楽しんでいます。そこでは、もの忘れを皮肉り、くすくす笑ったり、笑いこけたりして、ワインをどれだけ飲んだか忘れてしまいます。
オレゴン州のビーヴァートンBeavertonの北隣りに在るオークヒルズOak Hillsの会長で12人の社交グループを始めたデイヴ・カスウエルDave Caswell氏(写真左1)は「もの忘れについて話したり笑ったりして、負担を軽くすることができる」と話しています。
治ることはなく悪くなるのを遅くらせることができるだけの脳の病気で、これまで2年間、繋がりを持ってきてもタブーはなかなかなくなりません。年取って「気が狂う」ことを恐れるために支援を求めなくなり孤立感を強くするのです。
ワイルドバンチのほか、ビーヴァートンで毎月開催されているアルツハイマーカフェ Alzheimer's Cafeのような集まりは、病気の偏見や孤独を乗り越えるのにとても重要です。
最近、オレゴン州で初めて全州的なアルツハイマー病計画が公表されましたが、病気への一般人の認識を高めることが必要だと強調しています。
その報告書は、擁護団体のさらなる結びつき、医学的および社会サービスの専門職の一層の研修、アルツハイマー病と関連する認知症についての中核的なウエブサイトの開設を要請しています。
オレゴン州にアルツハイマー病の人は約7万6000人居て、16万5000人以上の無償の介護者―多くは配偶者、家族、親友―が居て、とても情緒的身体的に強いストレスがあると報じられています。
アルツハイマー病協会オレゴン支部Alzheimer's Association Oregon Chapterプログラム部長のクリストラン・グロンダルKristrun Grondal氏(写真左2)はつぎのように話しています。
「一般の人たちは、通常の加齢に伴うよくある症状―ときどき鍵を忘れることなど―とアルツハイマー病の症状との違いを知りません。このことは20年前のがんにまつわること似て一般の人たちの恐れが高まるのです。介護者とアルツハイマー病の人のために社交的な場を持ち、孤立を防ぎ、アルツハイマー病の人に多いストレスを少なくすることが必要なのです。人々がなんらかの行動をとり、必要なことに合ったサービスを作っていることをとてもうれしく思います」
生涯の友人であるカッピイ・ランディKappy Lundy氏(71歳)とバーバラ・トンプソンBarbara Thompson氏(67歳)(写真左3)は、社交グループで別の二人連れから支援を得ることができました。二人は結婚してから友情が強くなり、ルンディ氏は軽度認知障害のトンプソン氏の介護者となりました。
ワイルドバンチは、互いに知らない人たちの雑多な集団として始まりました。もの忘れに関する8カ月の一連の集いから、既婚の5組とよい友人のままでいる2人の婦人が、自分たちの人生でもっとも親しみのある経験をこの場で共有したのです。集いが終わっても彼らは解散したくなかったのです。
カスウエル氏は次のように話しています。
「妻と私は会合から帰宅していました。こんな経験は初めてだと言いました。集いで知った人たちを本当に好きになり、互いに世話をするようになりました。集いを自分たちで開いてもう一度に招待したい」
彼らのディナーパーティーは孤独の人たちの休養の場となり、自家製のチキンを話題にしてなんでも語り合えて、日々の不満―運転を諦め、携帯を取り上げられ、おむつをあてがわれ―を鎮めることができました。妻のハリーHallie氏(75歳)(写真左4)がアルツハイマー病と診断されたからカスウエル氏は、愛していた妻―熱心な乗馬愛好家で4人の子供の母親―と病気とを別にとらえなければなりませんでした。
さらにカスウエル氏は「私たちは一緒です。妻を怒らないで病気を腹立たしく思います。妻に不満を抱かないで忌まわしい病気に不満を持ちます。妻は病気のボランティアにではありません」と話しています。
この二人はすばらしいひと時を過ごします。彼女はトレーダージョーTrader Joe'sの店で声を出して泣いきくずれたことがあります。彼は、支払い、料理、運転、洗濯、食器洗浄機で食器を洗うといったことをしています。以前、彼がこうしたことをしなかったわけではありませんが、今は、彼を助けてくれる人がまったく居ないです。
ハリー氏(75歳)は、夫につらくあたり、次のように話しています。
「罪なことではありません。そうしたいわけではないのです。ただ悲しいだけなのです。本当に悲しいのです。ワイルドバンチがなかったら、何をしたかを知ろうとはしないでしょう」
ワイルドバンチは不文律で運営されています。必要な時はいつでも、電話があると支援があります。電話によって病人に食事を用意したり、運転を諦めたアルツハイマー病の人を車に乗せたり、コーヒーを飲みながらのおしゃべりをするのです。ほかの人たちも親しくなる適当な場を見つけてほしいと望んでいます。
ミルトン・アマラルMilton Amaral氏は、アルツハイマー病の妻メメMemeのレイクオスウェガLake Oswego在住の介護者ですが、「グループではとても意気投合しています。いろいろなことをしながら楽しみや悩みを共有している」と話しています。
ワイルドバンチとは別に、ビーヴァートンでは、毎月、無料のアルツハイマーカフェがサウスミニスターブペスビテリアン教会Southminster Presbyterian Churchで開催されており、介護者の負担を軽減しています。
このアルツハイマーカフェはオランダで普及したものですが、その同じ理念でキャシーアイヤーズKathy Ayers氏(写真左5)―オレゴン州ノースウエト地区に在るライフウオークスLifeWorks診療所のソーシャルワーカー―、とスザンナ・ヴァンスライクSuzanne Van Slyke氏(写真左6)―看護師―の二人は、オレゴンでアルツハイマーカフェを初めて開設しました。
このカフェには誰もが参加できますが、社交的な人と話し合った後、専門家―介護施設の代表や高齢者ケアに詳しい弁護士など―による簡単な講義があります。
エイヤーズ氏は「ほとんど決まりはありません。質問をして答を知る機会でもあり、助けが必要されるとしかるべきところが紹介される」と話しています。
オレゴン州メッツガーMetzgerに住むワレン・アネスWarren Aneys氏(76歳)は、アルツハイマー病の妻ジョイスJoyce氏の病気について状態を知るために集いに参加しましたが、彼自身が自分の記憶が低下しているのでテストを受けると言い、「犬をつれて散歩に出かけています。家でだらだら過ごさないようにしています。することが少ないとわずかしかできることが見つからない」と話しています。
アイネイ氏は、科学が好きなる州の元野生動物生物学者ですが、妻が病気になったからといって冒険を止めないと決めました。二人は52年間チームで、タヒチからボラボラまで旅したのです。
エイネス氏は妻のために今は単純な日々です。食べる、寝る、水中クラも行くなどです。
その彼は「私たちは込み入った会話をすることはできません。私が会話を休んで何を話すか苦しむ」と話しています。
しかし彼は妻の治療を止めたくはないと思っています。次の目的地はオーストラリアではなく、小学校以来、二人で話し合って訪れたいと夢見た場所です。二人は施設の近くに住んでおり、スティーンズマウンテンズSteens Mountainsや氷河が削った峡谷を訪ねます。
エイネス氏に似てワイルドバンチはゆっくりと活動を続けるでしょう。
アルツハイマー病のメメ・アマラルMeme Amaral氏(72歳)(写真左7)は「アルツハイマー病で単純で静かな時を過ごすことができます。その病気を私たちを一緒にする接着剤と呼んでいる」と話しています。
(SFgate August 11, 2012 Support groups help with stigma of Alzheimer's)
関連情報:State Plan for Alzheimer’s Disease and Related Dementias in Oregon(July 2012)(pdf770K)

政府が認知症を保健優先課題とする(8月9日/オーストラリア)
本日(8月10日)はオーストラリア連邦政府、州、特別区の保健大臣にとって保健政策で初めて認知症を重要な慢性的な健康状態であると認める機会になります。
「長く生きて、よりよく生きるLiving Longer, Living Better」に関して連邦政府は、州や特別区の保健大臣に認知症を国家的健保健政策の課題とよう同意を求めています。
この歴史的合意の結果、認知症は、がんや心臓疾患などその他の8つの国家的保健優先課題(訳注)に含めることになります。
オーストラリア・アルツハイマー病協会Alzheimer’s Australiaは、10年以上にわたって認知症を高齢者ケア政策の一部としてだけでなく、主要な健康状態とみなして対応し擁護してきました。
私たちがこの課題を擁護活動の中心に置いた理由は簡単です。保健政策において認知症を真剣に取り上げるならば、認知症が加齢の自然現象の一部ではなく、発病の危険因子があり病的経過をたどる他の慢性疾患―がんや心臓疾患など―として理解することに役立つからです。
認知症は人生の最期―多分、既に高齢者ケアを受ける状態―の時に限ってなる状態といる神話が続いています。認知症はそうした場合だけでなく、若い世代でもなります。多くの認知症の人たちは、地域で生活し、地域でよい治療とよい管理を利用できようにする必要があります。がんや心臓疾患と同じく認知症は理解された危険因子があり、予防的な保健活動の対象の一部とすべきです。
ほとんどのオーストラリア人は、認知症と他の疾患―とくに心臓疾患、糖尿病、肥満―との関係について理解していません。これらの疾患をよく管理することによって認知症になる危険性を減らすということはとても重要です。肥満、糖尿病、喫煙に関する予防的健康政策は、身体面の健康を維持するだけでなく、脳の健康を支えることになることをもっと啓発すべきです。
1996年、オーストラリア政府は、国家保健優先分野National Health Priority Areasを創設しました。これは連邦政府と州の健康政策についてその目標をかかげたもので、国に有意義を影響をおよぼし、保健分野での一般人の啓発を高めるものです。政策決定は、認知症の人、家族、地域にとてつもなく重要です。
認知症について私たちの考えを変えるにはかなり期間が必要でした。重要なことは、認知症は高齢者ケアの変革だけでなく、保健政策の活動にも焦点を当てたものにすることです。
認知症の人の治療やケアは、適宜な診断から始まり、ケア計画、財産、法的事項で認知症を人を支えることが明らかになりました。利用者にとって関心な事は、診断が遅れることです。最初の症状が現れてから平均して3年後に診断されています。
認知症と確認されてことによって、入院治療の質に影響を及ぼし、転倒が多くなり、入院期間が長引き、混乱することが多くなります。これは単に認知症の人の生活の質を落とすだけでなく、入院経費を増やすことになるのです。
保健大臣が認知症を優先課題として決定することによって、認知症を日陰から明るいところに引き出し、急速に増えている認知症に対する計画が立てられるのです。またこの決定によってオーストラリアの医療制度での認知症への対応を促すことになります。さらに保健大臣が認知症国家計画の改定に向けた取り組みを認めることになります。
認知症の人にとって、国家的政策が必要なだけではなく、新しい計画の実施とその資金も必要です。「長く生き、よりよく生きる」という高齢者ケアの改革の一部として「認知症に取り組むTackling Dementia」へ政府が関わる行動が求められています。
この一連の施策で連邦政府は、医療と高齢者ケア制度の二つの分野で認知症に対応するため2億6840万ドル(約220億円)の支出を約束しました。この施策には、適宜な診断に応え、病院を認知症に相応しい安全な場所とし、認知症ケアの質を改善することが含まれています。
長期的政策の改革には超党派的な支援が必要です。2005年のハワード政権の認知症に対する計画を資金的に応援することを決定―「認知症優先施策Dementia Initiative」―したことが、認知症に関するジラード政権の作業につながっています。これは世界で初めてのことでした。
まだ戦いが残っています。認知症研究はその他の主要な慢性疾患と比較しても資金が少なといういことに引き続き関心を持たなければなりません。研究は、新しい治療法を開発する鍵と認知症になる危険性を減らす方法を持っています。これは、来年度予算に向けたオーストラリア・アルツハイマー病協会の「認知症と戦うFight Dementia」という運動の中心となるでしょう。
今日が、認知症の人、家族、彼らのために代って活動している私たちを祝福する日となると私は希望しています。オーストラリアは、認知症の課題を優先的に取り上げることにおいて世界の指導的な立場にあり続けるでしょう。このことが、今日および将来においてオーストラリア人に必要な医療や高齢者ケアの計画に有利となるのです。
寄稿者:イタ・ブットローゼIta Buttrose氏(写真)は、オーストラリア・アルツハイマー病の会長。
canberratimes.com.au August 9, 2012 Moving dementia out of the shadows
訳注:オーストラリア政府の8つの保健優先課題は次のとおり。1. Arthritis and musculoskeletal conditions 2. Asthma 3. Cancer control 4. Cardiovascular health 5.Diabetes mellitus 6. Injury prevention and control 7. Mental health 8. Obesity
編者:オーストラリアアルツハイマー病協会の先駆的運動もあり、オーストラリア政府の認知症の診断から予防までの広範囲にわたる取り組みを注目したい。

アルツハイマー病治癒の誇大宣伝を止めよう、認知症の人のケアを学ぼう(8月6日/アメリカ)
アルツハイマー病の最新の治癒について、いたるところに新しいニュースが満ちています。それには唯一の問題があります。どれもが本当ではなということです。
明らかに詐欺のものもあります。しかし、多くのは重大な研究についての過剰の解釈もあります。物語をしています。そのなかにはアルツハイマー病の戦いの主要な飛躍かもしれません。
ロチェスター大学医学部Medicine at the University of Rochesterの老年科准教授で、エデンオールタナティヴEden Alternativeの理事であるアル・パウワーAllenPower氏(写真左上)は、認知症の研究が行われるとき、どのような科学であってほしいのかの考え―それは貪欲な研究でないことをありえないのですが―が一緒になってよい科学を打ち負かすといった驚くことを先日ブログChangingAgingに投稿しました。私たちは解決が間近であるように示唆するあらゆる噂、間違った誘導、生半可な研究を信じたくなるほどの準備ができて治癒を信じたく思うのです。
パウワー氏は次のようにこの問題について書いています。
「メディアは、たとえ将来、飛躍的に進歩する可能性が少しでもあれば、そうしたあらゆる研究について混乱を助長させてきました。また研究者が必ずこうしたやり方で取り上げ、メディアの誇大宣伝を使って自分たちの名前を人目を引くようにしています。
研究の目標を決めるについて研究を導き報告する方法を現実的なものとして考える時にあります。無責任な報告は研究の目標に貢献することもなく、認知症の人の生活を改善する努力にも悪影響があるのです」
彼の主張はまったく正しい。ひとつは、結果的に大切なお金が治癒や予防を目指した研究に注ぎ込まれます。、また他方、すでに認知症になった人たちにとってよりよいケアを学び研修を受け介護者の支援に役立つ資源がほとんどないことにもなるのです。
お金をめぐるこうした争いは、長く続いてきました。製薬会社、大学などの学術機関、アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationのような注目度の高い団体は、治癒と治療のための研究費を増やすことを相当に重要視しています。
オバマ政権は、最近、アルツハイマー病に対する国家計画を発表しましたが、それは治癒や予防をかなり重視したものです。この計画でホワイトハウスが使いたいとする1億5600万ドルのわずか15%しか認知症の人と介護者の支援に使われません。しかもその経費の多くは、彼らに直接に使われるではなく、資料収集のためのものです。
確かに国家計画は臨床面の支援と介護者への支援の必要性について正しく表現しています。しかしそれと優先順位とは別なのです。多くのお金は治癒と予防を目的とした研究に使われます。
この目標について私たちは次のように二つのことを考えたいものです。第一は、認知症は100ほどの違った型があり、それぞれ別個の原因で、それぞれの追求方法があるいということです。第二は、こうした病気を治す有効な薬の開発による利益は莫大なもので製薬会社は、政府の支援があろうがなかろうが、治癒や予防の方法を見つけるための企業作業を続けるだろうということです。
私たちは治癒に向けた作業を続けるべきではないと言っているのではありません。もちろん続けるべきです。
研究それ自体が重要というだけでなく、長く高齢者を擁護してきたAARPのジョン・ローサーJohn Rother氏(写真左下)が同意しているように、国の介護財政の危機の最善の解決方法が認知症の治癒かもしれないのです。
しかし、現在までのところ、私たちは研究から、この種の病気はとても複雑で治癒や治療への進歩がかなりゆっくりしているということを学びました。このため私たちは、認知症の人たちのケアに何が最善なのかを学ぶための作業を続けるべきです。
Forbes 8/06/2012 Stop Hyping Alzheimer's Cures, Learn to Care for People Who Have the Disease)
ブログ投稿記事:The “Science” of Dementia Research By Dr. Allen Power on July 31, 2012
訳注:ハワード・グレックマンHoward Gleckman氏(写真右)はフォーブスの定期寄稿者で”Caring for Our Parents”の著者。
編者:アルツハイマー病薬の臨床試験の失敗から、こうした考え方が拡がるだろう。それにしてもアメリカのアルツハイマー病協会が製薬企業と同列で利益を生む団体とみなされているようだ。アルツハイマービジネスの団体という話は聞いたことがある。

初期アルツハイマー病の人の介護者支援の取り組み(8月4日/アメリカ)
スターバックStarbuck夫妻のような家族にはライフラインのような制度がまもなく無くなろうとしています。その制度である「ケアの早期パートナー(Early Partners in Care 略称:EPIC)」は1年前にアルツハイマー病の人とその家族へのサービスを提供し始めました。
マイク・スタバーックスさんは、3年ほど前にアルツハイマー病と診断され、妻のジュディさんが将来計画の支援としてこの制度を利用しています。ジュディさんは「病気が進んでおり、もっと情報がほしく、ストレスが多かった」と話しています。
マイクさんの症状が重くはなかったとき、二人の将来は家族にとっても、彼女が救助と呼ぶEPICからの支援も不確かなものでした。
今年9月、この制度への助成が終わるので、アルツハイマー病協会支部は、この制度と社会資源を必要とする人たちが続いて利用できるような方法をにわかに見つけようとしています。
デザートサウスウエスト支部Desert Southwest Chapterのフィル・キャルPhil Carll氏(写真)は「助成と私的な寄付とでこの制度が続けられると期待しています。これは生活の質に関することで、この制度がないと人々は困難に直面することになる」と話しています。
スターバック夫婦は結婚してから47年間一緒に暮らし、互いに支え合ったおり病気が進んで助けがますます必要になっています。
abc15.com August 4, 2012 Alzheimer's program losing funding
関連情報:EPIC - Early-stage Partners In Careについて
アルツハイマー病協会デザートサウスウエスト支部Desert Southwest Chapter of the Alzheimer's Association、アリゾナ州立大学経済保障学部高齢者成人サービス学科Department of Economic Security Aging & Adult Services, Arizona State University、および地域高齢者支援協会Area Agencies on Agingの共同チームは、EPICについて発表することをうれしく思います。
EPICは、初期の記憶障害の人とその介護者に無料の教育と研修を提供することでストレスを減らし、よい状態を高め、問題解決の支えを提供します。
現在、80人ほどの初期記憶障害の人と介護者の参加を求めています。個人の秘密厳守を厳守しながら面接に受けてもらい、話し会いを始め、3か月から6カ月間のでこの制度の改善に目指しています。
無料の教育的な話し合いのテーマは次のとおりです。
○初期の記憶障害とその影響
○関心あること、ストレス、苦悩をどう管理するか
○記憶障害による変化にどう備えるか
○将来にどう関与し計画を立てるか
(Alzheimer's Association - Desert Southwest Chapterのサイトより)
編者:EPICは必ずしも全国的に行われてものではなく、その有効性についての研究と位置付けられているようだ。そのサービスも啓発、精神的支援、相談といったもので、具体的な介護支援ではない。試験摘な制度なので助成が中断するのだろうか。

「韓国の認知症患者、4年で27%急増」(7月30日/朝鮮日報)
代表的な老人性疾患、認知症の患者が韓国で急増している。急速に進む高齢化の影響で、65歳以上の認知症患者数は今年の53万4000人から13年後の2025年には100万人以上に急増すると見込まれている。
韓国政府によると、今年の65歳以上の認知症患者数は、認知症有病率の全国調査を開始した08年(42万1000人)に比べ、わずか4年間で26.8%増加した。これは、同期間の高齢者人口増加率17.4%(501万6000人から589万人に増)をはるかに上回る。認知症患者数は、20年に80万人、25年には103万人に増加し、50年には237万9000人と、高齢者8人に1人の割合に達すると見込まれる。
認知症患者が急激に増加している中、近い将来に認知症を完治できる画期的な薬が開発される見込みもない。そのため手遅れになる前に、認知症に対する人々の予防意識を高める必要がある。
認知症は、老化により脳組織を破壊する異常なタンパク質(ベータアミロイド)が脳内に蓄積し、脳組織が萎縮することによって発症する。記憶を司る海馬が萎縮すると物忘れなどの症状が出るようになり、大脳が萎縮すると認知機能や言語機能が失われる。こうしたアルツハイマー型認知症は患者全体の50-70%を占める。
ソウル峨山病院神経科のイ・ジェホン教授は「脳細胞が破壊された状態では、薬物による再生が不可能だ。認知症の薬は早くから服用すれば効果が高く、症状の悪化を多少遅らせることができる」と話す。神経医学界は、こうした認知症の早期発見、早期治療で症状の悪化を2年遅らせることができれば、20年後の認知症患者数を20%減らせると見込んでいる。
また、血管に動脈硬化が起こると、脳の血管が狭くなったり詰まったりして、時折軽い脳卒中を起こす。これにより脳機能全般が弱まり、発症する疾患が脳血管性認知症で、全体の20-30%を占める。そのため、高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満など、動脈硬化の原因となる慢性疾患を治すことが、認知症の予防にもつながる。
建国大病院神経科のハン・ソルヒ教授は「慣れたことを繰り返し行うよりも、常に新しいことに接して学習することが、脳細胞の活性化に役立つ。新聞を読んだり外国語を勉強したり、知らないことに対する探究活動が認知症の予防に効率的だ」とアドバイスする。
政府は29日、先の国家政策調整会議で取りまとめた認知症管理の総合計画を発表した。それによると、政府は初期の認知症患者の発見に力を入れるため、75歳以上の一人暮らしの高齢者、75歳になる高齢者に優先的に検診を実施する。また、軽い認知症を抱えた患者が老人長期療養保険(介護保険に相当)の給付を受けられるよう、長期療養3等級(日常生活で一部他人の助けを必要とする状態)の認定基準を55点から53点に引き下げた。さらに身体機能だけでなく、認知機能の障害も等級の評価に反映されるよう、関連項目の比重を調整する方針だ。
こうした対策に伴い、認知症患者の家族に対する支援も手厚くする。認知症相談ホットラインを開設するほか、日帰り旅行やストレス管理など多彩なプログラムを運営していく予定だ。
金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2012年7月30日 原文のまま
編者:患者数調査の方法がわからないが、4年間で2回行えるとなれば、わが国の「患者調査」に類似した方法と思われる。これでは正確な有病者数は示されなく、受診した患者数を把握したにすぎない。なお受診した認知症の人が増えることは、必ずしも好ましくないとはいえない。

★「革新的」な認知症介護施設がオープン(7月23日/イギリス)
3000万ポンド(約36億円)をかけたアンカーAnchorの介護施設が明日、オープンします。日々の生活に応じて選択できるようにした共同生活を強化するような新しい介護モデルを導入したイギリスで最初の介護施設です。
アンカーは、イギリス最大の非営利で高齢者へ住居や介護を提供する組織ですが、ロンドン南西部のサレーSurreyのウエストバイフィートWest ByfleetにあるウエストホールWest Hallは、大胆で新しい理念に沿ったイギリスでは革新的な介護施設になると表明しています。
施設の介護は、個々人を中心とした計画および支援的環境のなかで、その人に必要なことと願望に合わせて提供されます。職員は、利用者に介護と生活様式が選べるように意見を述べる機会を用意し、入居者が日々に生活のなかで自律性を保てるようにするものです。
アンカーは、入居者が尊厳ある支援と長期にわたる確実な人間関係を作ことができるように介護職の業務を保障し、入居者自身が決める希望と日課に対応できるよう各介護職が最大5人までの入居者を担当することにしています。
ウエストホールのすべての職員―雑役係から庭師まで、料理補助人から料理長まで―は、総合的な利用者介護の方法と認知症を理解する研修を受けることになっています。こうした研修によって、入居者が直面する日々の問題についてすべての職員が理解できるようになるので。
介護施設の建物は、同じ理念にそって設計され、技術者、設計者、認知症専門家が緊密に連携して作業をし、介護が必要な人たちの生活の質を高め、自立した生活が送りやすい環境を作ります。
これには以下のことが含まれます。
○ベッドのフレームにセンサーが埋め込まれ、各自の睡眠、就寝、入浴などの日課のパターンを監視します。利用者が、夜間、浴室で転倒することがあると、センサーが個人の動きの異常さを認識し職員に警報します。このことで他の施設でよく行われている夜間の睡眠チェックによって入居者の睡眠が乱されるということが避けられます。
○「記憶の箱」が各人の部屋の入り口に埋め込まれます。ここに利用者が家族の写真など個人的な物を展示します。こうして認知症の人が自分の部屋だと認識し、自分の物として使えるようにします。
○各寝室の外に独特のタッチ板を用意します。タッチ板の表面に認知症の人の記憶を助けような表示があり、簡単に自分の居る場所が確認できます。
○建物の各階は鮮明な配色が施されます。利用者が自分の環境に慣れることを目指し、自分の部屋のある階を認識できるようにします。
○寝室には透明のパネルの棚を備えます。不透明な棚では認知症の人が不穏になることがあるからです。掃除された棚によって住む場所と個人の持ち物を確認できることで、不安を軽減します。
○トイレの外部に家庭菜園のスペースを備え、すべての入居者が活発な生活を送り自分で庭いじりをすることができます。建物内部で一番近いトイレまで長く歩かなければならないという心配をすることがありません。こうして外での活動に高齢者が参加できないことに気遣いする必要はありません。
○共同のリビングやダイニングが各階の中央部に在ります。介護施設という共同体にすべての人が利用できる広々とした建物外部のスペースもあります。こうしたところで社会的な活動に相応しい環境が提供され、職員が勧めて利用者が利用し始めます。
施設内には図書室や美容室もあり、入居者にとって心地よさと当たり前の生活であると感じられるようにしています。また自分の部屋から離れて、くつろぎたい人たちが心安らげる静かな部屋もあります。中央の食堂と個人的に食事ができる部屋が選ぶことができ、家族や友人と会ったり、一緒に食事をとることもできます。
現在、イギリスは、16歳以下の人口より65歳以上の人口が多く、その数は増加しています。2051年までに、認知症の人は170万人以上になると予測され、そのための介護システムを用意すべきと、アンカーは表明しています。アンカーの理事長のジェン・アシュコフJane Ashcroft氏(写真)は次のように述べています。
「人口の高齢化にともない要求は進化しており、介護提供業者は必要なことに応える時です。ウエストホールは、アンカーの計画の一部であり、次の5年間で1100の物件を作り、高齢化人口に相応しい理想的な住居を提供する支援をします。私たちの理念は、大胆な歩みであり、今現在必要としている人たちを支援しながら、来るべき世代のために質の高い介護の道を提供しようとしています」
carehome.co.uk 23-Jul-12 "Revolutionary" dementia care home to launch in UK
編者:アンカーのサイトを観ると、民間経営のウエストホールが認知症の人に特化して施設でなく、またイギリスの富裕層を狙った高額で高級な介護施設だと知る。これだけ投資できれば記事に列記したことはできて当たり前で革新的もなんでもない。イギリスでも確実に介護格差が広がっているのだろうか。

★ファイザーのアルツハイマー病薬の臨床試験、効果認めず(7月23日/アメリカ)
最も注目されているアルツハイマー病の試験的治療の大掛かりな臨床試験で、試験薬の有効性が認められませんでした。
ファイザーPfizerは、23日、試験薬バピメウズマブbapineuzumabが臨床試験第3相でアルツハイマー病の人の認知機能や日常生活機能を改善させる効果を認めなかったと発表しました。
同社は詳細な結果を公表してはいませんが、9月のある医学会で報告することだろうと説明しています。しかし、この臨床試験の中心的な指導者であるライサ・スパーリングReisa Sperling医師(ボストンのブライハム・婦人病院アルツハイマー病研究治療センターBrigham and Women’s Hospital Center for Alzheimer Research and Treatment長)(写真左上)、は、会見のなかで、「効果はなにもなかった。目安となる認知機能でも日常生活機能でも一つも臨床面での有効性が証明されなかった」と述べています。
確かに、ほどんどの医師もウオール街のアナリストもこの薬が成功すると予想はしていませんでした。第2相試験の早期で既に統計学的に優位な効果が示されいていなかったからです。
さらに、この臨床試験に参加したアルツハイマー病の人は軽度から中程度のアメリカ人1100人ですが、すべての人がアポE4という遺伝子―アルツハイマー病の発病の危険性を高め、悪化させる―を持っっていました。臨床試験の第2相で、遺伝子を持たない人よりはもった人でなんからのある効果が観察されていたのです。
現在進められている同薬のその他3つの臨床試験ですが、ひとつはこの遺伝子を持った人で、残り2つは持たない人で行われています。持たない人での試験結果は数週間内に報告されるでしょう。アルツハイマー病の人の約半数はこの遺伝を保持しています。
バピメウズマブは、ファイザーとジョンソンアンドジョンソンJohnson & Johnsonの共同で開発されてきました。またアイルランドの製薬企業であるエランElanが出資しています。
この試験薬は、脳に毒性がありアルツハイマー病の原因と多くの科学者が信じているベータアミロイドという蛋白に結合する抗体です。
イライリリーEli Lilly & Companyも、ベータアミロイドに対する試験薬ソラネズマブsolanezumabという抗体を開発しています。
バピネウズマブは、ベータアミロイドを除去し形成を阻止することを狙ったいくつかの試験薬で臨床試験で効果がなかった最も新しいい物です。この失敗からベータアミロイドがアルツハイマー病の犯人なのかという疑問が生じています。
しかし、多くの専門家は「薬が使われたのがアルツハイマー病の発病過程のあまりに遅い時期であり、アミロイドが形成される前の時期に除去ではなく形成阻止が最善である」と述べています。
ニューヨークにあるマウントサイナイ医学部認知健康センターCenter for Cognitive Health at the Mount Sinai School of Medicineのサミュエル・ガンディSamuel Gandy所長(写真左下)は次のように述べています。
「アルツハイマー病の症状に対する臨床試験は25年遅いのです。症状が現れる25年ほど前からアミロイド斑は形成されているのです。今回の結果にとても驚いているわけではなく失望していもいなません」
アルツハイマー病を予防することを目指した臨床試験は、認知機能の症状が明きらかになる前に、画像検査などの検査でアミロイド斑を確認して行われるもので、開始されようとしています。
現在のアルツハイマー病の薬は症状に対してしばらくは有効ですが、その背後にある発病過程を変えるものではありません。もし今回の二つの試験薬が成功していたら毎年、数十億ドルを獲得できたでしょう。
もし成功していれば製薬企業の株が上昇したかもしれませんが、失敗は予測されていたので株にかなりの損を与えてもいません。ファイザーは、結果の発表数時間後で1セント下がり、ジョンソンアンドジョンソンはほどんど動きがありません。しかし、規模の小さい会社エランは、試験薬の失敗で大きな損失があり、数時間後、19%ちかく下落して11ドルです。
NYT July 23, 2012 Alzheimer’s Drug Fails Its First Big Clinical Trial
関連記事:AD治療薬候補のbapineuzumab,第Ⅲ相試験で評価目標達成せず(MTpro 2012年7月25日)
ファイザーのプレスリリース:Pfizer Announces Topline Results Of First Of Four Studies In Bapineuzumab Phase 3 Program (July 23, 2012)
編者:ニューヨークタイムズはアルツハイマー病の臨床試験薬の結果を株式ニュースで取り上げている。ということは同社も予測された結果と冷静に受け止めているのだろう。それにしても、新たな臨床試験が計画されているが、発病25年前から試験薬ののむという気の遠くなりまた怪しい臨床試験をどのように実施するのだろう。
関連記事:「米ファイザーとJ&J、アルツハイマー病治療薬の開発中止」(8月 7日/ロイター)
[ニューヨーク 6日 ロイター] 米製薬大手ファイザー(PFE.N: 株価, 企業情報, レポート)とジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)(JNJ.N: 株価, 企業情報, レポート)は、アルツハイマー病治療薬、バピヌズマブ(bapineuzumab)の開発を取り止めると発表した。臨床試験(治験)で期待された効果がみられなかったため。
これ以上の治験およびフォローアップ研究は行わず、第3・四半期にこれに関する費用を計上する。
ファイザーは7月23日に、バピヌズマブの軽度から中度の症状の患者を対象とした後期段階の重要な臨床試験4つのうちの最初の臨床試験で有効な結果が得られなかったと発表した。アルツハイマー病を発症させる可能性が高いとされる遺伝子型ApoE4を持つ人を対象に行われたこの治験では、投薬の目標だった認識能力や生活機能の改善はみられなかったという。
ファイザーの薬品開発部門の責任者は声明で「治験結果に非常に失望している。中・軽度の患者に著しい進歩を提供する機会を失ったことに衝撃を受けている」と述べた。
J&Jは治験の中止に関連した費用3億─4億ドルを第3・四半期に計上する予定としている。
発表を受け、ファイザー株とJ&J株は時間外取引で共に下落した。
ファイザー株とJ&J株については、業界アナリストから、多くの投資家はアルツハイマー病治療薬が成功した場合の保険として保有しているとの指摘が出ていた。アルツハイマー病治療薬は、有力な収益源となり得る。アナリストの間ではバピヌズマブの年間売上高がゼロ─10億ドル超と予想されていた。
アルツハイマー病治療薬をめぐる関心は、イーライ・リリー(LLY.N: 株価, 企業情報, レポート)が開発中のソラネツマブ(solanezumab)に移る。
ロイター日本語版 2012年8月7日 原文のまま

認知症の医療も社会支援も乏し(7月23日/スリランカ)
スリランカの人口の急速な高齢化に伴い、認知症が増えています。しかし医療専門職は診断の訓練を受けていません。認知症の啓発を高め、認知症の人と家族へのケアを行う指導的な活動を進めている財団がこの国にあります。
ヴァサティ・ウーエラシンゲVasanthi Weerasingheさんは、3人の子供を持つシングルマザーです。首都コロンボの郊外のウスウェタケヤワUswetakeiyawaにある小さな一部煉瓦で一部板で作れた家に住んでいます。
彼女は、近くにある3軒の家事でわずかの収入を得ています。子供たちの養うことに加え、彼女の母親のメアリー・マーガレット・ペレラMary Margaret Pereraさんを介護しています。
涙を浮かべなばら彼女は「ほどんど自分も子供たちも食べていけません。母に必要な薬とよい食事をどのように手に入れたらよいのにでしょう」と話しています。
彼女には介護の問題があり、彼女が言うには母親の『気がおかしい』のです。この8カ月間、母親はますます攻撃的になっています。
彼女は、母親が認知症あるいはアルツハイマー病であると聞いたことわけではなりませんが、毎朝、仕事で家を離れるときは自宅に隣接した小さな納屋の梁と母親を長いロープで結び付けています。
彼女は次のように話しています。
「他に何ができるのでしょう。母は、私たちが若い時、父親が亡くなってから私と6人の兄弟姉妹を育てました。私は、家族のなかで最も若く、私の夫が家を出てからは私を助けるために来たのです。兄弟姉妹の誰も母を介護する私を助けようとはしません。私は母を見捨てることはできません」
隣人する小屋は近所の人たちが立てるのを手伝ってくれました。小屋は床が泥、梁がコンクリート、周囲が板です。部屋は暗く湿気を多く、尿の悪臭がします。
彼女は「夜間、『寝かせて静かにする』ために近くの医師から鎮静剤をもらった」と話しています。今のところ夕方、母親はおとなしく、落ち着いています。
しかし、明日は、様子が異なり、混乱して攻撃的になり、どうしようもない方法を取らなければならないかもしれませんん。
こうした状態は彼女ひとりではないのです。スリランカの多くの家族は、高齢の家族の介護に苦労しており、医学的な状態に対しての治療方法を知りません。
医師らは「スリランカは人口の急速な高齢化により認知症が流行っている」と話していますが、認知症とは何か、どのように診断するのか、治療はどうするのかといったことについて一般の人たちも医療分野の人たちも認識が乏しいのです。また認知症の人にとっての別な問題があり、それは社会的偏見と介護費用です。この国のひとつの財団が、この状況を変えるために奮闘しています。
世界銀行World Bankによれば、スリランカは、世界で最も急速に高齢化が進んでいる国の一つです。この国の60歳以上の人は2050年までに人口の3分の1近くになると予測されています。
アルツハイマー病など認知症の人の生活の質を改善し家族を支援する地域な組織である「スリランカアルツハイマー病財団Lanka Alzheimer’s Foundation」の創設者で会長のタミ・タミテガマDr. H.B. “Tami” Tamitegama氏(写真の左、右は夫人)は次のように話しています。
「スリランカで認知症の人は増えています。しかし確定的な統計はないのですが、15万人ほどいるとみています。奇跡的な治療法が発見されなければ、この数は徐々に増加し、2040年から2050年の間までに50万人ほどになるでしょう。アルツハイマー病は認知症の最も多い型で、原因となる100以上の身体疾患を包括する総称です。Alzheimer's diseaseは、dementiaに否定的な意味合いがあるので、これに代わる言葉として度々使われています。
認知症は病気になった人だけでなく、その家族にも同時に影響します。このことから、すべての大家族で少なくとも一人の認知症の人がいることになろだろうから、スリランカのほとんどすべての人にとって認知症は身近になるでしょう」
United Press International July 23, 2012 Stigma prevents treatment of dementia in Sri Lanka
編者:医師ではないタミ氏とは親しい。彼は啓発活動だけでなく、医療分野より先行してスリランカで初めて認知症デイケアセンターを立ち上げ、同国の認知症センター的な役割を担っている。しかしこうした民間による活動だけで増加する認知症の人と家族を支えることはできないと思う。

★行方不明の認知症の人を追跡するGPSシステム導入へ(7月23日/韓国)
韓国の健康福祉省Ministry of Health and Welfareは、行方不明になった認知症の高齢者を発見するGPSシステムの導入を検討しています。
同省の担当者は「GPS機器はベルトやネックスレスに装着して認知症の人を追跡しやすくする」と話しています。
しかし、このサービスは、現在の進めれられているプロジェクトで不具合がないことが確かめられ初めて採用されます。他方、チャンナム地区警察署Chungnam Provincial Police Agencyは、今月初めに独自にのサービスを始めました。
保健福祉省の担当者は次のように述べています。
「認知症の高齢者にGPSシステムを導入することを検討していますが、採用となれば認知症の人が居住地から離れて帰宅しない時に家族が速やかに発見できるでしょう。警察署は現在、プロジェクトを進めており、それがうまくいくならサービスを始めるでしょう。通常、認知症の人はこうした機器を取り付けることを拒むことがよくあるので、システムが効果的に情報提供するのか調べなければなりません。また、システムが人権侵害にあたる部分がないか慎重に検討します」
現在、認知症の人は本人確認の札を付けて、認知症であることを表明できるようにしています。
警察署は、GPS追跡システムの試験を始めました。認知症の人が行方不明になったときにあまりに多くの警察官が動員されてきたらです。
警察担当者は次のように述べています。
「チャンナム地区事務所Chungnam Provincial OfficeとKT(韓国通信会社)が連携して7月2日にこのシステムを創設しました。7都市の520人にシステムを広げる計画です。現在、機器を配布する段階です。試験的プロジェクトの一環として家族から応募を受けていますが、今月の17日までに178人が応募しました。反応がかなり早いとみていますが、機器の配布に入っています。このシステムが導入されると多くの時間とお金が節約できるでしょう」
昨年まで、韓国の認知症の人数は49万5000人ですが、2020年までに75万人に増えると予測されています。545万人の高齢者の9.1%が認知症ですが、毎日、20人が行方不明になています。
Korea Times 07-23-2012 GPS device to track Alzheimer’s patients
編者:韓国の健康福祉省は行方不明の認知症の人を探す方法としてGPSを取り入れようとしている。これとは別に、警察関係者は、行方不明の認知症の人を探すのに多数の警察官が動員されてきたので、より効率的な方法としてGPSを取り入れようとしている。二つの意図が異なるのが興味深い。韓国では日本のように地域的な行方不明の認知症の人を見つける体制はないようだ。

認知症カフェがオープン(7月23日/オーストラリア)
オーストラリア・シドニー近郊に在るリバーウッドコミュニティセンターRiverwood Community Centreに認知症カフェの開設され、認知症の増加の取り組み始めました。
連邦政府の助成を受けたセンターのカフェは、認知症の人、家族、介護者が出会い、繋がりをつくることを目指したものです。
連邦政府の高齢者・精神保健大臣のマーク・バトラーMark Butler氏(写真中央)とバンクスBanks選挙区選出の連邦国会議員のダーリル・メルハムDaryl Melham氏(写真左)はセンターを訪れ先駆的取り組みを称賛しました。
このセンターはこのカフェに連邦政府から3500AU$(約28万円)が助成されました。
バトラー大臣は「認知症の人の数は増加するなかで革新的な解決方法は、認知症の人を活発にし地域での生活できるようにすうことに必要である」と述べました。
メルハム議員は次のように述べています。
「NSWで最も先駆的なNGOの多くはこの選挙区に在ります。このセンターのすべてのスタッフを誇りに思います。孤立しているという思いは、しばしば認知症の人と介護者を圧潰しかねないもので、私たちが人々と繋がりを持っているという思いになるようにすることは良いことです。この新しい認知症カフェで、認知症の人、家族、介護者がコーヒーを飲みながら同じような問題を経験した人たちの繋がができるようにすべきです」
またバトラー大臣は次のように述べてます。
「連邦政府は、認知症の人、家族、介護者を支援する整備を進めています。政府の新しい一連の高齢者ケア改革計画『より長く生きる、より良く生きるLiving Longer Living Better』で37億AU$(訳3000億円)を提供します。このなかに全国的に増加している認知症への取り組む分の2億6840万AU$(約215億年)が含まれます」
Express 23 Jul 12  Dementia cafe to open at Riverwood Community Centre
サイト内関連記事
編者:オーストラリアでは連邦政府の施策として認知症カフェの普及が図れているようだ。なお写真の左はセンター長のポーリン・ガランガーPauline Gallagher氏。

★ゴア政府は認知症外来を検討(7月23日/インド)
7月16日、ゴアGoa州政府のラクスミカント・パルセカーLaxmikant Parsekar保健大臣(写真左)は次のように述べました。
「ゴアに5000人の認知症の人が居ると推計されていますが、彼らが適切なケアや治療を受ける具体的な取り組みは何もありませんでした。このためゴアに認知症外来を始めることができるか検討しています」
大臣は、「州の認知症」と題するモーヴィン・ドディノMauvin Godinho州議会議員(写真右)の質問に書面で次のように回答しました。
「ゴア医科大学Goa Medical Collegeの神経学科と精神医学・人間行動研究所Institute of Psychiatry and Human Behaviourが認知症の診断を行ってきました。認知症に関して政府が行うとなれば、医科大学の3人の神経科医とおよび研究所の8人の専門家がいて、彼らが認知症の医療を行っています。さらに民間病院に何人かの神経科医がいます。さらゴアの医師が認知症を扱うに相応しいかどうかについては、現在まで、認知症の啓発が拡がらず、認知症の医療を受ける人はほどんどいません。このことから、現在の数の医師で相応しいと思います」
Times of India Jul 23, 2012 Goa government may start dementia clinics in state

★ネッスルがアルツハイマー病の医療用食品発売へ(7月19日/スイス)
ネッスルNestleは、アメリカの企業アクセラAcceraにアルツハイマー病の医療用食品ブランドを公開化を支援のため出資しました。世界最大の食品グループが健康と栄養ビジネスの分野を拡大しようとしています。
ネッスルヘルスサイエンスNestle Health Science―食品と薬品に重複する成長分野の利益を得るために昨年設立-は、7月18日、「アクセラに特定しない出資を行った」と発表し、理事の席を獲得しましたが、詳細な財務状況は明きらかにされていますせん。
アクセラは株式非公開企業で、主なブランドのアクソナAxonaはアメリカで軽度から中程度のアルツハイマー病の3万人以上に処方されています。
ネッスルは次のように説明しています。
「現在、進めている臨床試験によると、アクソナはアルツハイマー病の人への代替的なエネルギー源を提供します。アルツハイマー病では脳はブドウ糖を利用できにくくなっており、アクソナで結果的に記憶や認知機能を改善します」
ネッスルは、コーヒーの「ネスカフェ」、チョコレートバーの「キットカット」、スープの「マギー」の製造企業としてよく知られていますが、今回の投資によってアクソナについて規模を拡大した臨床試験のデータを集めることになるでしょう。
スイスを拠点とするネッスルは、昨年、新しい健康科学研究所に約5億フラン(約400億円)を投資すると発表しました。これは今後10年間かけて栄養の研究を行うものですが、先月、臨床試験を進めるための新しい臨床開発ユニットを開設しました。
ネッスルは、医療用食品が成長が可能な分野とみており、人口の高齢化により医療費の予算が制限されるなかで治療より予防が注目され、胃腸、代謝、脳健康を注目しています。
モーニングスターMorningstarのアナリストによると、栄養や店頭販売の医薬品の市場は毎年、5%増加し、2015年までに2000億ドルに達すると予測されています。
昨年、ネッスル健康科学は、アメリカ企業のプロメテウスラボラトリーズPrometheus Laboratories-消化器系の診断と治療のための検査や薬品を製造―を、またイギリスを拠点とするCMアンドDファールマCM&D Pharma-腎疾患の患者用のチューインガムを製造―を買収しました。
Huffingtonpost healthy living 07/19/2012 Nestle Invests In Alzheimer's Medical Food)
サイト内関連記事
編者:世界最大手で多国籍の食品メーカのネッスルがいよいよアルツハイマービジネスに乗り出した。効果は不確かだがネッスルが販売すれば売れるだろう。近く日本でも発売されるかもしれない。どうする。

★認知症の人の在宅生活を支援する新しい方法―認知症ケアコーディネーター―(7月19日/アメリカ)
ジョンズホプキンス大学医学部Johns Hopkins University School of Medicineの研究は、バルチモアに住む認知症などによる記憶障害の高齢者の社会資源を提供し相談に応じつことでが、在宅でうまく生活をつづけられるような機会を多くし、住人のほとんどに好感をもたれています。
18カ月に渡る「在宅で自立を最大限にするMaximizing Independence at Home (MIND)」試みの一部として、「認知症ケアコーディネーターdementia care coordinator」が高齢者y宅に入り、さまざまな生活と介護に応えようとするものです。こうした介入によって、在宅生活を続けることができなくなり入院や介護施設へ移ることを遅くしようとするものです。
同医学部の精神医学・行動科学科の准教授で今回の試みの指導者のクインシー・マイルス・サマスQuincy Miles Samus氏(写真)は「このプロジェクトは、生活の質を犠牲にすることなく、相応しい場で年をとれるように支援することが可能なことを示した」と述べています。
この結果はアルツハイマー病協会国際会議2012 Alzheimer’s Association International Conference 2012で報告されることになっています。
あらにサマス氏は次のように述べています。
「高齢者は、通常、家に住む続けたいのですが、今回の試みの体制でその可能性を高めました。人口高齢化のなかで、今回の試みが、地域で認知症ケアが効果的かつ有効に提供される指針になることを希望します。認知症の人の在宅生活は費用対効果からしても流れになっています。今回の予備的研究で数字としては示してはいませんが、自宅を離れ、入院、リハビリテーション施設やナーシングホームや介護施設へ入所することは自宅より費用が高いのです」
認知症の人は地域で増えている中断で、記憶や思考の障害が現れ、日常生活に支障をきたし身の回りのこともできなくなります。このことは身体面の障害、さらには医療面の問題に、また知的障害による危険性が高まります。現在、認知症の治療はありません。
この予備的試みの対象者は地域在住の70歳以上の303人―記憶障害、もっぱら認知症または軽度認知障害のある人―で、このうち110人は在宅訪問と認知症ケアコーディネーターが介入しました。110人の一人ひとりに認知症ケアコーディネーターが担当しました。コーディネーターは、高齢者の変化を観察し、複合的で必要なことについての評価を行ないました。その評価項目は、適切な診断を受けたか、適切な服薬をしているか、問題となる行動はないか、治療を受けてない身体状態ー高血圧、聴力や視力などーです。
コーディネーターは、住宅の安全性、栄養、食事について点検しました。テレビを観ているだけでなく、有意義な活動に参加しているかも観ました。、また自動車の運転、出歩るくといった個人的な安全についても評価しました。さらに必要なのだが対応してない地域にある資源の有無について確認しました。
こうした支援のほか、試みでは認知症や記憶障害の教育を介護者と本人に行い、問題解決のため私的な相談も行いました。さらに事前指示や遺言といった法的な事柄についても話し合いました。コーディネーターは、1月に少なくとも1回は家族と接触し必要に応じてその回数を増やしました。
研究は始めた頃、高齢者にとって必要なことに応えられていない多くのことがあることに気付きました。対象者の90%は住居と個人的な安全性の問題があり、65%ほどは通常の医療が必要であり、52%は有意義な活動を行っておらず、48%は法的な計画が必要でした。
試みが終わる頃、対象者のうち認知症ケアコーディネーターの定期的な訪問を受けている人たちは、訪問を受けてない人たちより自宅を離れたり死亡することが対照群より少なく、より長く自宅に留まることを認めました。さらに、介入グループでは必要なことにより多く対応しており、安全と法的事柄でよりよく応えらていることを認めました。
認知症ケアコーディネーターは、この試みのまえに記憶障害の人のケアについての特別な研修を受けた専門職ではありません。コーディネーターは、講義および実地に認知症の観察など特別な研修を受け、看護師や医師が支援しており、事例について毎週、会って検討するようにしました。この経験から比較的簡単に認知症ケアコーディネーターが技術は獲得できることもわかりました。
最後にサマス氏は「今回の結果から、私たちの在宅ケアモデルが将来的により広く利用されるべきであることが示唆されている」と述べました。
newsmedical July 19, 2012  Dementia patients allowed to live at home thanks to new research program
編者:認知症ケアコーディネーターは日本のケアマネジャーに近いか。公的な医療保険も介護保険もないアメリカで知症高齢者が置かれている状況は日本以上に厳しいようだ。こうして新しい職種への期待があるのだろう。

アルツハイマー病免疫療法の臨床試験結果(7月17日/アメリカ)
カナダ・バンクーバーで7月14日から19日まで開催されている「アルツハイマー病協会国際会議2012 Alzheimer's Association International Conference 2012 」で7月18日、臨床試験の途中ではあるが、初めて長期治療でアルツハイマー病の進行を止めたと認められた結果が報告されます。
この治療法は、「免疫グロブリン静脈投与法/ガンマガード(IVIG/Gammagard)」と呼ばれるもので、少人数の被験者に免疫グロブリンが投与されました。これはバクスターインターナショナルBaxter Internationalが進めてきたこの治療法で、アメリカの540万人を襲う不治で脳を破壊するアルツハイマー病についてここ9年間、新たな治療法が見つからず不満な時期を超えて生まれたものです。
被験者は、すで症状があるアルツハイマー病の人で、ほとんど改善は認められませんでしたが、3年間、認知機能、記憶、日常生活機能、感情がさらに低下するということは認められませんでした。
致命的な病気であるアルツハイマー病は何年もかけてゆっくり進行し、人格、記憶、認知機能が崩れ去りますが、これを止める治療法はありません。
今回の臨床試験を指導してきたニューヨークのウエルコーネル医科大学Weill Cornell Medical Collegeのノーマン・レルキンNorman Relkin氏(写真左上)は「最終的な試験が成功すれば、今後の治療の方向を示すでことになるでしょう。現在の鍵は、この病気のアキレス腱を見つけること」と話しています。
国際会議では17日に3つの臨床試験の最新情報が研究者から提供されました。免疫療法がアルツハイマー病の予防法となるかどうかをを調べることになるでしょう。これらの臨床試験は、まだ症状がない人たちで行われることになるでしょう。セントルイスにあるワシントン大学医学部Washington University School of Medicineが行った最近の研究から、アルツハイマー病の症状が出る25年前に脳に変化が始まっていることが示めされました。
さらにレルキン氏「私たちの結果の重要なことは、免疫療法が多いに期待が持てるということを示したことだと思う」と話しています。
ガンマガードは、免疫障害の疾患の治療として既にアメリカの食品医薬品局Food and Drug Administration(FDA)で承認された薬品です。健康な人が提供した血漿から作られ、抗体が豊富なのです。ウイルス感染などの副作用があります。390人の被験者で行っっている最終的な臨床試験の結果が来年の1月に報告されるはずですが、安全性と効果が確認される必要があります。
レスキン氏は次にように述べています。
「実際に使用されるとしてもガンマガードは供給量が限られています。血液製剤であるため高価で投与量の費用は3000ドルから6000ドルで、人の体形によって量が変わります。24人の被験者による試験では、当初偽薬が使われていた5人については、機能の低下が認められましたが、ガンマガードを最大量使うように変更されましてからは機能低下の速度が遅くなりました。最も効果があった被験者は、1週間2回、36カ月間、ガンマガードをの投与を受けた人で、3年間、機能低下を認めませんでした
ハーバード大学医学部Harvard Medical School神経学教授のライサ・スパーリングReisa Sperling氏(写真左下)は次のように述べています。
「レルキン氏の研究が示しているのは、アルツハイマー病をどのように治療するかの枠組みが変化しているということです。最終的に、この病気を治療し予防する方法を見つけられるだろうと思います」
現行および将来の免疫療法の臨床試験は、異なった方法で進められますが、脳のアミロイド斑を標的とすることは同じです。アミロイド斑は、神経を損傷し、最終的には神経を死滅させると考えられいます。
さらにレルキン氏は次のように述べています。
「ガンマガード療法は二つの過程で効果があるようで、ひとつはアミロイド斑の影響を和らげ、もうひとつは炎症による神経損傷を止めることによるようです。しかし、二つともどのアミロイド斑を除去するものではなく、一度かなり進行してしまった症状を改善するものでもありません。今回、3つの臨床試験についてまず議論されることは、症状が出る前のどの時期に始めるかということです。この臨床試験ではアルツハイマー病の遺伝変異を持って最終的に発病する人たちに行われます。
この方法は以下の3つのグループで行われます。
A4 Trial: Anti-Amyloid Treatment of Asymptomatic Alzheimer's Disease Cooperative Study (Harvard Medical School and Brigham and Women's Hospital)
Dominantly Inherited Alzheimer Network ? Therapeutic Trials Unit (the Washington University School of Medicine)
Alzheimer's Prevention Initiative (Banner Alzheimer's Institute)
アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationの医学科学部門長のウイリアム・シース William Thies氏(写真右上)は次のように述べています。
「臨床試験を始めた頃は、症状がある被験者の免疫療法は、夏の終わりに終了すると思われますが、残念な結果となるでしょう。多くの免疫療法がアミロイド斑を標的とすることは、脂質を形成するコレステロールをスタチンが標的として心疾患を予防することに繋がることと同じです。スタチンは、当初は既に心疾患になった人を治療するために使われました。現在、スタチンは世界中のもっとも広く使われている薬です。アルツハイマー病をさらに早期に治療を開始するという動きがあります。今年5月に政府が立ち上げた意欲的で新しい計画では、2025年までにアルツハイマー病を予防できることを要請しています。
国立加齢研究所National Institute on Agingのアルツハイマー病臨床試験Alzheimer's Disease Clinical Trialsの計画部長のローリー・ライアンLaurie RyanLaurie Ryan氏(写真右下)は次のように述べています。
「脳の変化の25年間のなかで早期について私たちが知っていることを考慮すると、治療が早期に始めるべきと理解しています。現在、アルツハイマー病の薬を明日にでも持つと思ってはいませんが、10年以内にこうした臨床試験の薬の一つがFDAで承認されることは可能となるでしょう」
(USA TODAY July 17, 2012 Gammagard therapy offers hope for Alzheimer's patients)
訳注:臨床試験中の免疫療法薬は以下の3種と実施企業。
Bapineuzumab(Pfizer Inc. and Johnson & Johnson’s Janssen Alzheimer Immunotherapy unit)
Solanezumab(Eli Lilly & Co.)
Gammagard(by Baxter International Inc.)
編者:やはり効果はあったとしてもわずかであり、しかも高価すぎる治療法だ。製薬企業はさらなる適応の拡大を狙って、早期のアルツハイマー病での効果を期待して臨床試験を拡大したいようだが、たとえ聞いたとしてもその効果は限定的であろうし、高すぎて使える人は富裕層となる恐れがある。

問題多い介護職派遣会社(7月15日/アメリカ)
介護職派遣会社は良いのもあれば認知症の人に危ない会社もあります。
家族の介護のため介護職派遣会社を利用するとき、介護諸悪にが犯罪歴がないか、薬物検査は受けたか、介護経験はあるのか、研修を受けたかなどをついて十分に調べておいた方がよいようです。
ノースウエスタン医学部ノースウエスタン大学ファイン医学部Northwestern University Feinberg School of Medicineが今回行った調査で問題が明らかになりました。全国的な調査によると介護職派遣会社は、クレイグスリストCraigslist(訳注)に掲載されているかどうかに関係なく、無作為に他人を認知症の高齢者の家に派遣しています。その際、連邦政府の犯罪歴や薬物犯罪歴を調べず介護職の資格を偽り経験や必要な研修を受けさせているとは限りません。
同医学部の準教授で、ノースウエスタン記念病院Northwestern Memorial Hospitalの医師でもあり、今回の調査を指導したリー・リンキストLee Lindquist氏(写真)は次のように述べています。
「よい派遣会社もあれば、悪い会社も多い。消費者は、こうした会社に期待する安全で質が高い介護職を雇っていないないかもしれないことを知っておく必要があります。とくに認知障害のある高齢者に危険なこともあります」
この調査論文は、アメリカ老年医学会雑誌Journal of American Geriatrics Societyの7月13日号に掲載されました。
老年科医でもあるリンキスト医師は、個人的にも外来で高齢者に同伴する質の悪い介護職を多くみてきたので「有給の介護職は資格がないので、ぞっとするような人たちが実際、高齢者を危険な目に合わせている」と述べています。
リンキスト医師は、103歳の人を診察しましたが、その人に読み書きができない介護職が付き、自分の薬と103歳の人の薬をごっちゃにして、自分の薬を間違って高齢者にのませたのです。また別の人では、体重が10%減って縟創ができました。適切な食事を与えずベッドから起き上がらせなかったのです。
リンキスト医師は次のように述べています。
「介護職にとって、座らせてテレビを見させている方が楽なので高齢者の食事介助したり移動させたりしないのです。
調査したいくつかの会社に聞いたところ、就労応募者に実際行った適正審査のテストの名前を挙げてもらったところ、'National Scantron Test for Inappropriate Behavior' など 私たちの知る範囲では、存在しないテストでした。よく理解できる消費者でなければ、会社が騙しているとはわからないでしょう。よい派遣会社と悪い会社を見分けることは難しい。多くの会社が洗練されたウエブサイトを開設しており派遣キャーペインを行っているのです。
高齢者を実際に傷つけるおそれのある重大な問題があります。こうした派遣会社はよくは管理されてないなかで、人口の高齢化にともない急速にその必要性が高まっています。かなりの利益を生むビックビジネスとして多くの人がこの分野に参入しています」
今回の研究では、消費者からみた調査対象者と全国180の企業として、雇用方法、適正検査方法、研修、技術能力評価および監督について調べました。
その結果が以下のとおりです。
○派遣会社の55%が連邦政府の身元調査を実施していない。
リンケスト氏の解説
「多くの会社は、連邦政府や州政府の情報に基づく身元調査を行ってないし、独自の身元調査も行っていません。ウイスコンシン州からイリノイ州に在る人は移住した場合、その人が高齢者の虐待、窃盗、レイプを犯した恐れがあって会社はその事実を知らないままになるなります」
○3分の1の会社しか薬物検査を実施していない。
「高齢者が鎮痛剤―麻薬も含め―をのむことが多いことを考えると、危険なことです。有給の介護職が違法な薬物使用者かもしれないし常習者とし高齢者の薬を簡単に使った盗んだりすることができるのです」
○3分の1の会社しか介護能力を試していない。
「介護者の技術能力を判定する一般的な方法は「顧客反応」ですが、高齢者や家族が介護職が不適切に技術を行っていると会社に報告することができるようにします。介護職が何か悪いことしていると認知症の高齢者が理解することはできないでしょう。多くの会社(58.5%)は、介護職からの自己報告を受けていますが、これは介護職自身が自分の能力を記載するように求めたものです。求職のとき、多くの人は実際に何をするか理解しないまま、できると回答します。会社が介護職をチェックしないまま高齢者宅へ派遣することも知っています」
○一貫性のない介護職の監督
「会社は、当初は頻繁に―少なくとも月1回―監督者が介護職を把握するため派遣先の家を訪問すべきですが、こうした監督を行っている会社は30%でした。しかし驚くことに、多くの会社は監督することについてて検討はしているものの、介護職に電話でどのよう仕事が進んでいるかを聞いたり、従業員が給与を受けとるために立ち寄ったときに聞くことで監督していると考えているのです。自分の家に住み続けたいと希望している高齢者にとって有給の介護職は重要な役割を果たします。一般的に介護職により高い基準を求めるべきですが、短期的には高齢者が会社を通して有給の介護職を雇うとき何を検討すべきか知っておく必要があります」

以下の10の質問は有給介護職を雇う前に会社に聞いておくべきことです。
1.介護職をどのように採用していますか。また採用するに際して何が必要としますか。
2.採用前に介護職にどのような適正審査を行っていますか。犯罪歴―州と連邦の―や薬物依存歴をどのように把握していますか。
3.介護職は蘇生術を行う資格がありますか。あるいは健康関連の研修を受けてことがありますか。
4.介護職は保険に加入し、会社を通して保障されていますか。
5.自宅に介護職を送る時、彼らにどのような能力―身体を持ち挙げる、移動させる、家事、個別的な介護技術(入浴、着衣、排泄、行動管理や認知支援など)―を期待しますか。
6.介護職が何ができるのかをどのように評価しますか。
7.正社員の介護職が契約どおりのサービスを提供しないとき、代替の介護職を会社としてどのような方針で提供しますか。
8.利用者からある介護職に不満があるとき、代替の介護職を送りますか。
9.会社が定期的に在宅介護の質を評価するために監督者を提供しますか。またその頻度はどうですか。
10.介護職の監督は、電話で、経過報告書で、あるいは高齢者宅で直接に行いますか。
Alzheimer's Weekly July 15th - July 22nd, 2012 10 Questions to Ask Before Hiring a Caregiverおよび論文Hiring and Screening Practices of Agencies Supplying Paid Caregivers to Older Adults
訳注:アメリカなどで不動産や求人など情報を都市ごとに掲載するサイト。
編者:アメリカの記事や論文にあるcaregiverは何を指すのかよく理解できなかったが、この記事ではっきりした。アメリカの派遣会社が雇用している介護職は資格、犯罪歴、薬物依存歴、研修の有無も問われないまま、認知症の人などの在宅介護支援に無視できないほど浸透しているようだ。それにしても調査に回答した会社でもひどいが、回答してない会社はもっとひどいのだろうか。アルツハイマー病の治療薬の開発をする国で、アルツハイマー病の人を介護する現場とのギャップがひどいのか。

★遺伝性アルツハイマー病は発症の25年前から脳に変化(7月12日/アメリカ)
ワシントン大学医学部Washington University School of Medicineの神経学のランドル・ベイテマンRandall Bateman教授(写真左上)らの「優性遺伝性アルツハイマー病ネットワークDominantly Inherited Alzheimer Network」の研究グループは、発症するまで何年もかかるアルツハイマー病の病理的過程の過程と程度についてはよく理解されていないとして、常染色体優性のアルツハイマー病についてその経過を調べました。この型のアルツハイマー病は発症する年齢を予測でき、症状が出るにまでの病理的変化の状態とその程度の時期を知ることができるのです。
調査参加者は発症が予測可能な128人でした。この人たちの基本となる臨床的評価、認知機能評価、脳画像検査、脳脊髄液検査、血液検査を行いました。この検査を行った時の参加者の年齢と、その親がアルツハイマー病を発症した時の年齢から、参加者の発症までを予測年齢(親が発症した年齢-参加者の現在の年齢)としました。
その結果、予測発症までのおおよその年数と検査結果の関係は以下のとおりでした。
25年前:脳脊髄液中のアミロイドベータ42の濃度低下
15年前:ピッツバーグ物質BPittsburgh compound BによるPETによるアミロイドベータの沈着像の所見
15年前:脳脊髄液中のタウ蛋白の濃度上昇
10年前:大脳の代謝低下とエピソード記憶の障害
5年前:心理テストMMSEおよびで臨床状態Clinical Dementia Ratingで認められる全般的認知機能障害
3年前:認知症の診断基準を満たす症状
なお、これらのことは高歴期に多い散発的発症のアルツハイマー病に適応できるものではないかもしれないと報告者は述べています。
この論文はアメリカの医学雑誌New England Journal of Medicine電子版の2012年7月12号に掲載されました。
この結果についてベイテマン教授は次のように述べています。
「アルツハイマー病が自分自身、家族、あるいは友人によって気付かれる症状がでる前に脳で一連の変化が起きています。今回の研究から滝が流れるような症状の変化の時刻表が示されたようです。アルツハイマー病の予防的治療を計画するためには病気のがどのように起こるかをもっと知ることであり、その時刻表が薬物試験を成功させるために有用となるでしょう」
アメリカの国立加齢研究所National Institute on Agingの臨床試験部長であるローリー・ライアンLaurie Ryan医師(写真左中)は次のように述べています。
「こうした素晴らしい研究成果から、アルツハイマー病の認知機能低下や記憶障害といった最初の症状がでる前に病気は始まっているという私たちが長く想定したことが初めて確認したことになります。参加者はアルツハイマー病のうち稀で遺伝的な型で、発病の危険性を保持した人たちですが、こうした病気の理解から高齢期に発症するアルツハイマー病について理解を高めることになるでしょう」
イギリスのアルツハイマー病協会Alzheimer's Societyのクリーヴ・バラードClive Ballard教授(写真左下)は次のように述べています。
「今回の貴重な研究は、脳に重要な変化―たとえそれが遺伝型のアルツハイマー病としても―が、症状が出る数10年前に始まっていることを明らかにしました。このことは、これからのアルツハイマー病の診断や治療に大いに影響するかもしれません。この結果は非遺伝型のアルツハイマー病の人にも適応できるかもしれないが、確定的なことは言えません。さらにアルツハイマー病というこの複雑な状態について明確な関連性を確かめる研究がdさらに必要です」
Telegraph.co.uk  12 Jul 2012  Five signs that predict Alzheimer's disease 25 years before memory fails: study および論文Clinical and Biomarker Changes in Dominantly Inherited Alzheimer's Disease
編者:興味深い研究だが、研究に参加したアルツハイマー病が確実に発病する人たちには酷な研究だ。

行方不明の認知症の人を探す新しい取り組み(7月4日/イギリス)
認知症の人が行方不明になったとき見つける近隣の人たちによる新しい方法が「ネイバーフッド・ウオッチNeighbourhoodWatch」(訳注1)の一環として「ネイバーフッドレターンNeighbourhood Returns」がオックスフォードシャーOxfordshireで開発されました。
初めて行方不明になるオックスフォードシャーの認知症の人は毎年460人以上と推計されています。そしてこの地域の介護施設の約40%が、施設から外出者の行方不明を経験しています。
国民保健サービス・オックスフォードシャーNHS Oxfordshireは、カウンティcounty(訳注2)の中核的な保健関連トラストですが、この地域で住民の8000人以上が、2016年までに認知症と診断されると確実視しています。これは2010年の20%増です。
ネイバーフッドレターンは、オックスフォードのラパート・マックシェンRupert McShane医師(写真の中)の助言によっています。彼は、オックスフォードNHS財団トラストOxford Health NHS Foundation Trustの老年精神科医です。
マックシェン医師は、ウオーンフォード精神科病院Warneford Mental Health Hospital,に勤務していますが、次のように述べています。
「認知症の人が行方不明になると、家族や介護者にとって認知症の人に対処できないと受け止め、施設に入れることを決める最終的の分岐点になることが多いのです。これは、いつ受診するのかを話し合う時に似ています。認知症の人が行方不明になると介護者にはとてもストレスになるなります」
今回の体制は、バンバリーBanbury近くの在るデディデントンDeddingtonで最近試みられたものですが、認知症の人が行方不明になるかもしれないと、役立つだろう詳しい情報―電話番号、写真、見つけやすい場所、基本的な服薬情報―を介護者が登録します。
実際に行方不明になると、地域のボランティアのチームが行方不明になったとの連絡を受け地域で発見の支援をします。
この制度は現存するネイバーフッド・ウオッチと共同で行います。このウオッチと契約するとレターンとも契約するオというプションを提供することになるでしょう。
テームズヴァリー警察Thames Valley Policeの管轄区域では既に約5万人の人が今年終わりまでに実施される制度に参画することになっています。しかし、この制度を運営する人たちは、もっと多くの人が必要だと言っています。
プロジェクトの管理者のリチャード・パントリンRichard Pantlin氏(写真の左)は次のように述べています。
「この地域で初めて行方不明になる認知症の人は年間約460人以上と推測しています。これは家族や介護者にはとてもストレスになります。この体制には捜索中の警察官が参画します。行方不明の認知症の人を安全かつ速やかに帰宅させることで、家族は安堵し、警察署への依頼を少なくし、ひちては介護施設への入居を少なくするということで家族だけでなく、カウンティ自治体への財政面で恩恵を受けることになるとでしょう」
またマックシェイン医師は「これは万能薬ではありません。問題を完全に収拾させるものではありません。しかし革新的な方法が実施され、行方不明の認知症の人の場所をができるだけ早く確認し、本人と家族の不安を軽減することになる」と話しています。
このプロジェクトは、19.1万ポンドのビッグロータリ基金で運営され、テームズヴァリー警察署、オックスフォード健康NHS財団トラストおよびエッジUKオックスフォードシャーAge UK Oxfordshireの支援も受けることになっています。
全てのサービス運営の計画となれば、このオックスフォードシャーで実施されたあとノーサンプトンシャーNorthamptonshireで実施されるでしょうが、一旦立ち上げるとネイバーフッド・ウオッチのプログラムに完全に移行する予定です。
妻のキャサリーンKathleenが認知症になり2010年に75歳で亡くなりましたが、その夫ブライアン・バセルBRIAN Bushell氏はこの制度を歓迎しています。
バシェル氏の同僚でデディントン在住のウエンディ・バロウズWendy Burrows氏は、集落での初めての試験的なプログラム運営に関わりました。その試験では地域のボランティアが行方不明者と想定されました。ボランティアが12での認知症で帰宅者となりうまく見つけることができました。
バシェル夫妻の祖父は次のように述べています。
「彼女は認知症の攻撃的症状によって歩く力が失われたので行方不明にはなりませんでした。多くの介護者や認知症の役を受け持ったボランティアたちと歩いていると、この行方不明になることの非道さを認識したのです。ある夫人のことを聞きました。彼女は、夜間ネグリジェ姿で行方不明になり5キロほど先で見つかりました。これはとてつもなく心配なことです。キャサリーンが認知症と診断されたとき彼女を施設にいれるなど私が生きている限りあり得ないと言ったのを覚えています。誰も状況は異なるが、家から出さないようにするのは容易なことではありません」
Oxford Times 4th July 2012 First scheme to find missing dementia patients)
訳注1:NeighbourhoodWatchは犯罪防止のための民間の監視システム。
訳注2:カウンテcountyはイギリスのイングランドなど4つの国countryの下部行政区で郡などと訳されることもある。
編者:イギリスのアルツハイマー病協会のサイトで「徘徊」に関する助言は少ない。行方不明になったら警察に届けることくらい。地域また全国的な対策が整っていないのだろうか。それにしても地域の犯罪防止のための自主的監視グループが行方不明の認知症の人の早期発見に使うことに日本でおおよそまねはできない。

認知症の診断に1年以上待つ(7月3日/イギリス)
国会の上院・下院議員の報告書によると、多くの認知症の人が診断や治療を受けるのに驚くほど遅れているという問題に直面しています。
認知症全党国会グループAll-Party Parliamentary Group on Dementiaは、一般医GPが診断を受ける際の壁とみられることが多いと報じています。
この報告書では、もの忘れ外来の予約をとるのに1年以上待たされていると報じています。
イングランド保健局Department of Health in Englandは、記憶関連サービスは増えていると表明しています。
今回の調査によると、認知症の診断の割合に大きなばらつきがあり、イギリス全体で認知症の人のわずか43%しか正式な診断を受けていないと推測され、スコットランドでは64.5%と最も高く、北アイルランドでは61.5%、イングランドで41.0%、ウエールズが最も低くて37.4%です。
この報告書は、認知症の人、家族、さらには納税者にとって早期診断による利点についてはしっかりした証拠があると報じています。
イギリス全体では、政府の政策にこのことが反映され、キャメロン首相が最近、政策を強化し、イングランドでの認知症国家改革を立ち上げました。
しかし調査によると、診断と治療への障壁が在ることが明らかになりました。これは1000人以上の介護者、GP、病院の専門家から提出された回答から得られた証拠によります。
回答のなかで、一般の人の認知症への理解が乏しいことが指摘されています。回答した介護者の3人に1人は、認知症の人がGPの診察を受けるのに1年以上待っとのことです。
この報告書は、多くの人がGPを診断のための門番というより障壁とみなしていると報じています。
記憶関連サービスの利用についても、そのばらつきが大きいことも認められています。人によっては、もの忘れ外来の予約に1年以上待たなければならなかったと報告しています。もっとも、数週間でよかったと回答して人もいます。
また報告書は、診断後の情報提供や支援が何もなかったことが多いとも報じています。
今年3月、首相は、国民的危機として認知症を取り上げる、その戦略の一環として認知症の診断を劇的に増やすことを要請しました。
この要請には、一般人を啓発し、GPに認知症の評価、診断、支援を進めるためのもの忘れ外来への紹介を促すことも含まれていました。
この報告書は、GPや他の医療職の研修、記憶関連サービスの適正化の向上に向けた一層の投資を勧告しています。
国民保健サービス連盟NHS Confederationのジョ・ウエッバーJo Webber氏(写真左上)は次のように述べています。
「認知症はNHSが直面する最大の課題の一つです。明らかなことですが、保健サービスのあらゆる面は、認知症の人が増加していることによる必要性―GPの診察室から病棟まで―に対応しなければなりません。私たちは、誠実に、まだそこには到達してないと言わなければなりません」
イングランドのケアサービス大臣のポール・バーストウPaul Burstow氏(写真左下)は、早期診断の重要性について認め、次のように述べています。
「多くの地域で素晴らしい活動をしてはいますが、まだ地域格差はあまりに大きい。このために記憶関連サービスをどのように増やす方法があるかの検討を進めています。これには公認されたサービスの量を増やし、地域のNHSの理事らは自らの地域で必要性のマップを造るようにな活動を含めています」
BBC News 3 July 2012   Report highlights 'barriers' to dementia diagnosis
報告書:House of Commons All-Party Parliamentary Group on Dementia "Unlocking diagnosis" The key to improving the lives of people with dementia July 2012(pdf2M)
編者:わが国で発症から診断までの期間についての報告はあるようだが、わが国のもの忘れ外来によっては受診するのに数カ月待たされることもあるらしい。

刑務所に初めての認知症棟(7月3日/ニュージーランド)
ニュージーランド最大規模(定員1000人)でウエリントン郊外にあるリムタカ刑務所Rimutaka prisonは、今年遅く、国内では初めての認知症棟を開設することになりました。
矯正局Corrections Departmentは、「きわめて依存度が高い棟high dependency unit」は、65歳以上でシャワーを浴びるなどの日常活動が一人では困難な65歳以上の120人の受刑者の一部の人のために導入することを決定しました。
国家矯正保健監督Corrections National Health Managerのブロンウイン・ドナルトソンBronwyn Donaldson氏(写真左上)は次のように述べています。
「年末までに新棟が開設してほしい。依存性が高い棟は、65歳だからといって入るものではありません。最大20人の受刑者から始めることにしています。失禁などで日常活動が一人ではできない人たちのためのものとなるでしょう」
ニュージーランドで最高齢の受刑者は児童虐待の罪で入所中ですが、彼女の弁護士メアリー・モアーMary More氏(写真左中)は次のように述べています。
「機が既に熟しています。裁判所がますます多くしかも入所期間が長いの受刑者を送っており、刑務所が高齢化していることを刑務局が認識する必要があります」
彼女の訴訟依頼人のドナルド・リンディントンDonald Liddington氏(75歳)は、1980年代、1990年代に若い女性のレイプ事件で予防拘禁中です。彼は刑務所ではあまりに病気がちであり、地域ではとても危険人物です。
精神保健基金Mental Health Foundationの最高責任者のジュディ・クレメンツJudi Clements氏(写真左下)は次のように述べています。
「こうした受刑がこれまでなかったことに驚きます。しばらくは、一般的な受刑について、そして受刑者の精神保健面の必要なことにどのよう対応するかに関心が生まれています。高齢化する刑務所があることは、独自の矯正計画が必要です」
nzherald.co.nz Jul 3, 2012 Rimutaka prison to open first dementia unit
編者:紹介記事では認知症について直接触れてないが、依存度が高い人に含まれとみてよいだろう。

アイルランドで最初のアルツハイマーカフェ―介護家族と本人の支え―(7月2日/アイルランド)
認知症の人も介護者も社会的接触を持ち、経験を共有する場ができました。
テレビ司会者のミリアム・オッカラガンMiriam O'Callaghan氏(写真)は、アイルランドで初めてのアルツハイマーカフェAlzheimer Cafeを開設しました。ここでは、認知症の人と家族、友人、介護者らが専門職と訪れ、くつろげて快適な雰囲気のなかで経験を交換したり、友人が生まれ、また課題について議論します。
既にこの種のフェが、多くの家族にとって大切な生活の支えであることは理解されいます。これまで、認知症に関わるこうした人たちの精神的な支えがほとんどないか、全くなかったのです。

利用者ミリアム・ウエランMiriam Whelan氏の場合
ミリアム氏が、初めて夫のニオールNiall氏になにか重大なよくないことが起こっていると気付いたのは、4年前、家族内のお祝いをした翌朝のことでした。「夫はお祝いのことを覚えていません。自分が誰であるかもわからなくなったのです」と話しています。
彼女は、担当の一般医GPに電話したところ、診療所の夫を連れてくるように言われました。それまで夫は元気で、医師は飲みすぎたためだろうと言っていました。これでみながほっとして「母は二日酔いで父を医師に連れてゆこうとした」と言う家族もいました。
ミリアム氏は次のように話しています。
「しかし2,3ヶ月後、夫の記憶が断片的になり、夫は自分が好きな兄が亡くなったことを覚えていません。この時、GPは頭部CTといろいろな検査を受けさせ、その結果、夫は血管性認知症であることがわかりました。スペインで休暇を過ごしているとき、夫がホテルから出て3時間ほど行方不明になりました。警察官、救助員、ホテルの職員が全員で探しました。たまたま、ホテルから450メートルほどのところで見つかりました。これが外国で休日を過ごす最後となりました」
帰宅してからニオール氏の記憶は急速に崩れ始めました。現在、彼は、妻と3人の子供たちにすべて頼り介護を受けています。
さらにミリアン氏は次のように話しています。
「失ったことで最も淋しいことの一つは、夫と話し合うことができなくなったことです。
それまでは、ニュースや最近の出来事、その日にあったことをよく話していました。彼は私の支える人であり最善の友人で、私を笑わせていました。今は繋がりのある会話はありません。コミュニケーションもほとんどありません。子供に頼らないでどのように対処したらよいかわかりません。認知症の人を介護することはとても孤独なことなのです。アルツハイマーカフェは私の生活を変えました。そこで夫が生き返り、微笑み、幸せになるのは驚くほどです。認知症にとってカフェの社会的な役割、またそこから生まれる幸せが好きです。私たちは家族のように生きてゆきます。毎月のカフェが楽しみです」

利用者ダーモット・スレヴィンDermot Slevin氏の場合
ダーモット氏(72歳)は、自分が2年前にレビー小体型認知症(LBD)と診断されたときに、注意すべき症状には気付いていませんでした。
ダーモット氏や次のように話しています。
「ショックでした。GPは一般的な検査を受けるため紹介してくれてから、その病気と診断されるとは考えてもみませんでした。私の記憶障害はわずかで心配することはありません」
妻を亡くしたすダーモット氏は、一人暮らしで定期的に買い物や映画に行き、パブに行ってビールを飲み、さらに成長した二人の息子と一緒に過ごすのが好きです。彼は自分の現在の状態を「中間地点」と呼んで、さらに次のように話しています。
「自分の状態が進行しており、ある状態になると支えが必要でしょう。現在は日々の生活に影響することはありませんが、ときどき集中するのが難しかったり、会話の繋がりを見失ったりしますが、これも元に戻ります。『鍵を忘れない』といった注意書きをして、かなりうまくできています。料理や掃除をして自立した生活を送ろうとしています。将来のことは気にかけません。その日その日をあるがままに暮らすのがよいのです」
彼はアルツハイマーカフェの毎月の催しを楽しみにしています。
さらに彼は次のように話しています。
「カフェはうつの最善の治療法の一つです。昨年、胆石になりうつになりました。カフェでの支えは、新らたな人生を提供してくれました。親交を楽しみ、そこには本当の思いやりがあります。偏見を伴う認知症は隠れた問題です。認知症であると知られることになにも躊躇することはなく、むしろ認知症についておおいに話してほしいものです。幸い、早く気付いて治療を受けることができ、生活の質の改善したり、その期間を長くすることができます。早期発見が鍵です」
(Irish Independent July 02 2012 Welcome to the Alzheimer Cafe,where families can find a lifeline)
サイト内関連記事
編者:紹介記事は「認知症の介護」と「初期・軽度認知症の人へ」のページにも掲載しています。

「「介護施設の高齢者にも性生活を楽しむ権利」、豪論文」(6月26日/ オーストラリア)


【6月26日 AFP】セックスは基本的人権の1つだが、高齢者の介護施設では往々にして入所者たちの性生活は否定される。しかし、年老いてもセックスの喜びは変わらず、むしろ高齢者たちにとっては残された数少ない楽しみのひとつでもあると、オーストラリアの研究者らが専門誌「

Journal of Medical Ethics

(医療倫理ジャーナル)」に発表した論文の中で指摘している。
科学的根拠に基づいた介護を実践する豪高齢者施設「

Australian Centre for Evidence-Based Aged Care

」の職員らによる論文によると、自宅では性生活を楽しんでいた初期の認知症患者も、施設に入所したとたん状況は一変する。施設におけるプライバシーの欠如、職員らが持つ老いに対する先入観、さらに自分が行う行為への承諾意思を示すことが困難な入所者について起こりうる法的問題を施設側が恐れていることなどが、主な要因だ。
しかし、論文は「人間関係の形成、肉体的な親密関係、性的な表現、これらはみな基本的人権であり、高齢化の過程においてもごく自然で健康的なことだ」と主張する。
だが、ほとんどの介護施設で、入所者が性生活を続けることを念頭においた指針はなく、職員訓練も行われていない。 
高齢の認知症患者についてはインフォームドコンセントを得る基準の法的設定が難しいという点は、論文筆者らも認めるが、入所者の性生活を否定する根拠にはならないと論文は結論付けている。

AFPBB News

日本語版 2012年6月26日 

原文のまま


英語版:

Care centres deny elderly the right to sex: paper


論文:

Dementia, sexuality and consent in residential aged care facilities(J Med Ethics doi:10.1136/medethics-2011-100453)


サイト内関連記事

89歳の認知症の人が運転して若者を殺す(6月20日/イギリス)
89歳の認知症の人が中央分離帯の道路で反対車線を運転して10代の人を殺しました。
シャロット・ピットウエルCharlotte Pitwellさん(19歳)(写真)は、友人がロンドンにちかいバッキンガムシャイアーでシトロエンを運転しているときのただ一人の同乗者でしうた。その車にスタンレイ・トムリンソンStanley Tomlinson氏の車が衝突したのです。
トムリンソン氏は、最近、認知症であることがわかり、昨日、ピットウエルの家族が、政府に、将来、高齢の運転手が運転に適しているかどうかを確かめる試験を受けさせることを明記した法律の改正を求めることを要請すると公表しました。
父のアンディーAndy氏(42歳)は、キャメロン首相に「法律を改正」という簡単がメッセージを送ると話しています。
事故のときシャロットさんはシートベルトをしてたのですが、トムリンソン氏の運転するフォード車で衝突して道路に投げ出されてたのです。
トムリンドン氏は事故では傷は軽かったのですが、今年の初め病気で死亡しました。
昨日、検視官のリチャード・ハレットRichard Hulett氏は、この事件が検討されるべきとの家族の要請を支援し、政治家がこの問題に注意を向けるべきだと述べています。
今年の3月公表された「安全運転国会諮問委員会Parliamentary Advisory Council for Transport Safety (Pacts)」の報告によると、スピード違反など交通違反をした高齢の運転手が安全に運転できるか確かめるために特別な訓練課程に高齢者を送るべきとしています。
また現在、70歳以上の600万人が運転していますが、35年前はその数は100万人以下でした。
また報告書は、国家的な政策として取り上げることを要望し、高齢の運転手が自分や他人に危害を加えないことを確かめる方法を実施し、また年齢的にも健康面でも車を管理するに相応しい能力ではないと自発的に再試験を受けるという提案もしています。
現在60歳代の約80%は運転免許証を持っており、今後20年ほどは運転するでしょう。30歳代では80%以上が運転免許を持っており、少なくとも2050年まで運転を続けるでしょう。
ピットウエル氏の要請は、反響をよび、昨年、ジャッキー・マッコードJackie McCord氏がキャンぺーんを始めました。彼は、16歳の娘、カッシーCassieさんを年金生活者が交通事故で殺しました。この人は運転しないように数日前、警官の注意を受けたばかりでした。
マックコード夫人は、「カッシー法Cassie's Law」と呼んで、法律を改正し警官が道路で運転するに相応しくないとみなしたら直ちに運転免許証を失効できるようにする運動を展開しています。
カッシーさんは学生ですが、昨年2月に彼女が住む街の歩道にそって歩いていたところ、87歳のコリン・ホースフォールColin Horsfall氏が、縁石に乗り上げて彼女にぶつかったのです。
ホースフォール氏は衝突3ヶ月後に死亡しましたが、事故の3日前に樹にぶつかったのでずが、警官は直ちに彼を運転できないようにすることはできませんでした。
マッコード夫人は、この問題が国会で必ず論議されることを意図してネット上で請願活動を立ち上げましたが、次のように話しています。
「法律に抜け道があることが信じられません。医学的にみて運転に相応しくないとされる人が道路で運転できないように警官が排除できないのでしょう。官憲が運転免許証を一時的に失効することができる法律を要請しています。私たちの運動は家族にとって重要です。悲しむことより何か役立つことをしています」
Telegraph 20 Jun 2012 Teenager killed by dementia patient, 89, driving on the wrong side
関連情報:Driving and dementia(イギリス・アルツハイマー病協会)
編者:イギリスでの認知症の人あるいは高齢者と運転に関する事情を垣間見る記事だ。認知症の人や高齢者が交通死亡事故を起こすと、認知症の人や高齢者すべてが悪いように受け止められる。わが国では警官が運転が危険と判断した場合、一時的に運転免許証を取り上げることができるのか。それにしても認知症の人らの運転の取り締まりを強化するような運動はなぜかわが国では知らない。飲酒運転や小児殺傷の交通事故では法律改正などの運動が起こる。

10月はレビー小体病啓発月間(6月7日/アメリカ)
「レビー小体型認知症協会Lewy Body Dementia Association (LBDA)」は、本日、全国的に展開する10月啓発運動の「思い出月間A Month To Remember」を立ち上げました。協会は、各地でレビー小体型認知症(LBD)の啓発を行うためのの「断固、LBDAと共にStanding Strong with LBDA」の運動にボランティアが参加することを呼びかけています。LBD啓発運動は、全国的で草の根的な取り組みによってレビー小体型認知症一般の人たちと医療専門職に啓発しようとするものです。
この運動の参加者は、レビー小体型認知症がよく知られた病名にするため、地域や診療所に教材を配ったり地域支援活動や資金集めの催しを組織することなど、いくつの方法に参画できます。
LBDは、アメリカで130万人と推計されている人とその家族に影響しています。現在、LBDの症状が、アルツハイマー病やパーキンソン病など良く知られた病気の似ているため、相当、診断されないでいます。多くの医師などの医療専門職は、まだLBDに慣れていません。早期診断は、生活の質を高めることにつながる重要な早期治療に欠かせません。
LBDAのアンジェラ・ヘロンAngela Herron会長は次のように述べています
「高齢のアメリカ人が増えるなかで、一生のある時点で周囲の人だれかがLBDでになるでしょう。一般の人たちも、プライマリーケアの医師や看護師もこの認知症について聞いたことがないのです。さらに、とても難しいこの病気の管理に取り組みことにくわえ、LBDの家族は自分が教育者であり擁護者であるという予期しない役割を担っていることも知ります」
LBDAは全国の啓発運動の参加者が地域での「希望の拠点」の加わることで地元での相互支援にかかわることを勧めています。協会の「希望の拠点」は、LBDの家族や友人が地域で介護者とLBDの人のための資源のネットワークを造り、LBDの社会的・教育的な取り組みに参画できるような機会を提供します。LBDAの啓発運動「思い出の月間」に参画し、もっと情報を得るために協会のサイトwww.lbda.org/go/awarenessをご覧ください。
LBDAについて
非営利団体でレビー小体型認知症の啓発を高め、認知症の人、家族、介護者を支援し、科学的な進歩を促進させることを意図しています。地域支援活動、教育、研究を通して、LBDAは、この病気で影響を受けた人たちを支援します。この病気と団体についての詳しい情報はwww.lbda.orgをご覧ください。
Newswise June 7, 2012 Lewy Body Dementia Association Is Making October “a Month to Remember” with Volunteers “Standing Strong” with LBDA to Promote Awareness
関連情報:「レビー小体型認知症家族を支える会」
編者:認知症別の認知症関連団体が生まれ独自に活動をしていることは日本と似ている。

★認知機能スクリーニングテスト(GPCOG)(6月/国際アルツハイマー病協会)
世界的に人口の高齢化の伴い認知症の人も増加しています。一般医General practitioner (GP)は高齢者への重要な医療提供者で、認知症のスクリーニングテストを実施したり、認知症を診断するのに最善の立場にあります。しかし調査によると、GPは時間的余裕がなく、スクリーニングの手段を持っていないために軽度の認知症をかなり見逃しているのです。
「一般医向け認知機能評価General Practitioner Assessment of Cognition (GPCOG)」が開発され、プライマリケアでの特別の役割に応え、信頼できる認知機能スクリーニングテストとしてを利用しやすいのです。このテストは時間効率がよく、実施方法が簡単で、集団でのテストとして評価されてきました。さらにGPが直面する特別な課題に応えて、GPCOGは患者(質問項目9)と介護者(6項目)の両者への簡便な質問からなっています。
介護者からは価値ある情報を聞き出すことができます。このテストは、認知症の人と介護者の年齢、性別、教育歴の影響を受けるものではありません。効果的に最大限の時間をとって2人から別々に聞き出しますが、多くの場合、テスト全体の時間は5分を超えることはありません(おおよそ患者に3分、介護者に2分未満)。
これまで認知症のスクリーニングとして汎用されてきたMini-Mental State Examination (MMSE)やAbbreviated Mental Test (AMT)などのテストと比べ、GPCOGは、認知症や認知機能障害を見つけるのに劣るとしても、その機能は優れています。
臨床医にとってGPCOGは無料で利用でき、GPCOGのウェブサイトを使ってテストすることも可能です。紙と鉛筆でできるテストであり、サイトを使っって自動的に点数がわかり、さらにその後の必要で相応しい標準的検査を指示します。
2012年4月30日現在、GPCOGは有効なテストとみなされており、英語、イタリア語、フランス語、中国語の各版があります。さらにアラビア語、アフリカーン語、クロアチア語、ドイツ語、ギリシャ語、日本語、朝鮮語、マルタ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、スペイン語、タイ語、ベトナム語に翻訳されています。
このテストは、心理機能測定と時間効率のよさからプライマリーケアで使われる3つの異なる認知症スクリーニングテストの一つとして、異なる専門家によって評価され推奨されました。GPCOGのサイトが向上し認知症スクリーニングテストが全世界の一般医が無料でマウスをクリックするだけに行えるのです。
GPCOGについての情報、関連出版物、有効性を示す研究についてはGPCOGのサイトwww.gpcog.com.auで確認してください。
(ADI Global Perspective June 2012 Volume 22 No. 2(pdf400K) The General Practitioner Assessment of Cognition (GPCOG) A brief screening tool for primary care)
編者:この認知機能スクリーニングテストは2002年に既に公表されているが、正式な日本版がまだない。編者の翻訳版を以下に示す。
GPCOG 英語版(pdf19K) 日本語版(三宅訳)(pdf140K)

★中所得国の認知症の罹患率は高所得国とほぼ同じ(5月25日/イギリス)
イギリスのキングスカレッジロンドン精神医学研究所保健サービス・人口調査部世界精神保健センターCentre for Global Mental Health, Health Service and Population Research Department, Institute of Psychiatry, King's College Londonのマーチン・プリンスMartin Prince教授(写真)らの10/66認知症調査グループ10/66 Dementia Research Groupは、低および中所得国の認知症の罹患率(ある期間内の発病率)が、高所得国より少ないとするこれまでの調査結果について、改めて調べることにしました。
まずグループは、グループ作成の診断基準と、アメリカ精神医学会の診断基準のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM) IVの両方で認知症を判定することにし、さらに調査査開始時の死亡率、認知症の発症因子―年齢、性別、教育レベル、識字、労働歴、資産―を把握しました。対象者は、キューバ、ドミニカ共和国、ベネズエラの都市在住の65歳以上の人、およびペルー、メキシコ、中国の都市と農村在住の65歳以上の人で、追跡調査を始めてから3から5年後にグループとDSM-Ⅳの診断基準で認知症の事例かどうかを確認しました。また調査対象地域での死亡率についても情報を得ました。亡くなったた参加者については、友人や家族から死亡前に認知症の可能性があるかを確かめました。
調査開始時、1万2887人の参加者を面接しました。このうち1万1718人には認知症を認めませんでした。このうち8137人(69%)は、再度、面接し、結果的に3万4718人年を追跡できました。グループの認知症の基準では、罹患率は1000人年で15.2と30.3の間にあり、これはDSM-Ⅳの基準(9.9から15.7)によるより1.3から2.7倍高いことになります。死亡率は、調査開始時に認知症があった人の方が認知症のなかった人より1.56~5.69倍高いことを認めました。死亡前の認知症の罹患率が高いことを示唆していますが、これを含めると全体の認知症の罹患率はさらに4~19%高くなります。10/66の基準による認知症については、年齢、性別、低い教育レベルと相関し、労働歴とは相関しませんでした。
この結果から、認知症の認知機能予備力が予防効果があるとすると同じ証拠が得られたことになり、中所得国でも高所得国と同じく、教育、識字、言語流暢性が認知症への実質的に予防に関与することが示されました。
この研究論文はイギリスの医学雑誌The Lancetの電子版2012年5月23日号に掲載されました。
この研究は、中所得国での認知症に関する過去最大規模の一つで、裕福な国々と認知症の罹患率がほぼ同じであることを示しています。これまで専門家は、認知症は中所得国では高所得国より少ないと考ていましたが、6カ国で10年にわたる今回の調査で認知症の罹患率がほぼ同じであることが認められました。
この結果についてプリンス教授は次のように述べています。
「ほとんどの認知症は中低所得国で生まれています。現在、世界中の認知症の人の3分の2は中所得国に居ます。しかし治療の格差はとても大きく、90%の認知症の人が診断を受けていないのです。治療もケアもまったく無いのです。
全世界で認知症の人はおおよそ3600万人で、20年ごとに倍になります」
教授らの研究が示すように、今後40年間、認知症と診断されるだろう人のほとんどは途上国なのです。
アメリカでは認知症はDSMの診断基準で判定されますが、多くの専門家は、この基準では軽度や中程度の認知症を見逃すと思っています。このためプリンス教授らはより把握しやすい基準を設けDSMと比較しています。
さらにプリンス教授は次のよに話しています。
「基本的に、十分に発達し機能のよい脳は、神経細胞や神経組織の喪失あるいはそれらのネットワークの損傷が少なく、結果的に認知機能の問題は少なく判別できないような症状となるのです。
中所得国では軽度から中程度の認知症を把握して、認知機能の低下が避けられないことを家族が準備し、そのことで介護が改善されることが望まれます」
VOA May 25, 2012 Study: Dementia in Middle Income Countries Rivals that of First Worldおよび論文Dementia incidence and mortality in middle-income countries, and associations with indicators of cognitive reserve: a 10/66 Dementia Research Group population-based cohort study
編者:国際アルツハイマー病協会ADIのなかで発足した10/66認知症調査グループは、おもに低中所得国での認知症の疫学調査を行い、貴重な情報を提供している。今回も中所得国での認知症に罹患率だけでなく、その危険因子についても調べ、高所得国でのこれまでの結果と基本的に同じであることを示した。10/66は、世界の認知症の人の66%が低中所得国に居るにもかかわらず研究費は全世界の研究費の10%に過ぎないという意味である。このグループは、単なる科学的な調査結果を得ることだけでなく、低中所得国で認知症へ政府や社会が取り組む際の情報提供となることをなることを期待しています。編者はプリンス教授をよく知るが、"No treatment and no care whatsoever"と言う彼の悔しい思いが伝わる。

アルツハイマー病のさまざまな側面(5月19日/アメリカ)
グレン・キャンベルGlen Campbell(写真左1)は、1986年にヒットした曲が聞こえてくるようですが、昨年、アルツハイマー病であることを公表しました。バイハム劇場Byham Theaterで今晩の彼の演奏曲目は「ラインストーンカウボーイRhinestone Cowboy」「私の心にやさしくGentle on My Mind」などの優れたカントリーものをピッツバーグの人たちに彼が演奏する最期のチャンスです。
このコンサートは、「キャンベルのサヨナラツアーCampbell's Goodbye Tour」の一環で、ファンに感謝し音楽ビジネスから離れることを告げるものです。昨年、76歳になったキャンベル歌手は、最後のCDで 「キャンバスの幽霊Ghost on the Canvas」を発売しました。その歌の一つは「よりよい平和A Better Place」の歌詞に「ある日、私はわからなくなり、神よ、私の過去が邪魔する」というものです。
キャンベルは、アルツハイマー病と戦っていることを明らかにした有名人の一人です。アルツハイマー病は、退行性脳疾患で2050年までに1600万人のアメリカ人がなると推測されています。
先月は、パット・サミットPat Summitt(写真左2)がアルツハイマー病であることを公にしました。
テネシー大学University of Tennesseeで37季節勤めたあと退職しました。大学ではレディーボランティアズLady Volunteersという女性バスケットチームのコーチをして、これまで8回全国チャンピオンになりました。昨年59歳でアルツハイマー病と診断されたのです。
また歌手のボビー・ヴィーBobby Vee(69歳)(写真左3)は、最近、軽度のアルツハイマー病と診断されたと明らかにしました。彼のサイトwww.bobbyvee.comには彼のブログにリンクしていますが、閲覧者は、彼に感謝し楽しい思い出を共有できるのです。
アメリカでは540万人がアルツハイマー病と推計され8人に1人になのです。アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationによると、68秒に1人が新たにアルツハイマー病になっています。アルツハイマー病の効果的な治療法が見つからないと2050年には、33秒に1人がアルツハイマー病になると推計されています。
今月16日、オバマ大統領政権は、「国家アルツハイマー病計画National Alzheimer's Plan」を立ち上げ、二つのことを実施することにしました。将来の治療と現在の人を支えることを目指したものです。
この計画のひとつは、アルツハイマー病になりやすい人を対象とした初めての予防研究に、もう一つは効果が期待されるインスリン鼻腔スプレー療法の研究に対する助成です。
これらの計画は、昨年、法制化された「国家アルツハイマー病プロジェクト法National Alzheimer's Project Act」の要件を満たすものとして立てられたものです。この法律は2025年までにアルツハイマー病の治癒と予防方法の発見することにあります。
ピッツバーグ大学医療センターUniversity of Pittsburgh Medical Center(UPMC)の老年医学科のネイル・レスニックNeil Resnick教授(写真左4)は次のように述べています。
「アルツハイマー病と診断された人たちは医療関係部署や代理人を指定することが欠かせません。彼らが能力がないなら、そうすることで重要な医療決定を行うことができるのです。また介護にかかる可能性のある費用について財務面での計画を立てることも重要です。もし、生存中にしたいことを成し遂げる時があるなら、いまがそのチャンスです。旅行や仕事や人生でなし終えたいと思うことだけでなく、人生の最期をどのように過ごすかそのあり方を考えることも含むのです。しばらく家族に語っていなかったり、誰かと少し離れていたり、友人と接触してなければ、今がそれを行う時期なのです」
さらに教授は思違いについて以下のように注意を促しています。
「ほとんどの人はアルツハイマー病にならなくてなったり人生を全うしています。90歳でも、半数はアルツハイマー病ではありません。また多くの人は軽度から中程度なのですが、時とともに生活面で支障をきたすことがありますが、前からあった別の病気によるものかもしれません。」
アルツハイマー病協会グレイトペンシルバニア支部Alzheimer's Association GreaterPennsylvania Chapterで市場・交流コーティネーターのキラ・ウオルターズKira Walters氏は次のように述べています。
「アルツハイマー病はアメリカ人の死因の第6位です。がんや心疾患などトップ10に入る病気のなかでアルツハイマー病は予防方法も治癒もない、進行を遅らせる方法もない唯一の疾患です。他の主な病気による死亡は減っているのですが、アルツハイマー病による死亡は増加し続けています」
同支部の教育・地域活動コーディネーターのロイス・ルッツLois Lutz氏は、アルツハイマー病の人、介護者、配偶者の支援グループを運営していますが、次のように述べています。
「ほとんどの人は既に何かおかしいと知っていますが、最終的に診断を受けて納得するものです。自分の状態に名前がついた後に、次の段階に進むことができるのです。
ある夫婦では夫が診断を受けてから、いくつかのクルーズを楽しみました。
アルツハイマー病の人が、怒り、うつ、自立性の喪失とう状態に取り組まないということではありません。診断を受けることの利点は、各人の人生への病気の影響は3年から20年にも及ぶことがありのです。
アルツハイマー病は他の病気よりかなり違うと話しています。たとえばがんの場合、診断されたら、多分1,2週間以内の治療が始まるでしょう。最初から生活は変わるのです。アルツハイマー病の場合、毎月、毎年、生活が変化するといことはありません」
ピッツバーグ大学University of Pittsburghの神経学科の准教授で、アルツハイマー病研究センターAlzheimer Disease Research Centerの中核的臨床グループの副部長であるエリック・マックデイドEric McDadeド氏(写真左5)は次のように述べています。
「アルツハイマー病が議論されるときに言われる「生きたままの死」といった誇張に賛同すべきではありません。
アルツハイマー病になったことを知った時、人生から退却すべきというものではありません。人生を続けることで積極的なことがあることを知っています。それはたやすいというわけではなく、最悪の事例を観たこともあります。かとって悲観的な見通しばかりというわけでもないのです」
アルツハイマー病協会は24時間の電話相談が行っています(番号:800-272-3900)
政府の新しい計画
アルツハイマー病は人口の高齢化のともなう一層大きな怖れです。すでに500万人以上がこの心を破壊する病気になっています。今月16日に採択された初めての国家アルツハイマー病計画は、そうした怖れを少なくし、既に長く病気の家族を支援することを目指したものです。
5つの目標
○2025年までにアルツハイマー病を効果的に治療し予防する方法を見つけること。
初めて政府は、今年のアルツハイマー病研究―認知症をよくする可能性が確認されているインスリン鼻腔スプレー法の有効性を調べる研究を含む―に5000万ドル以上を支出することになっています。
○今現在、よりよい介護を提供すること。
多くの医師は、アルツハイマー病の初期症状を認識してはいません。限られた時間内で医師は介護する方法も知りません。医師のよりよい研修と、毎年行うメディケアの健康訪問時に、アルツハイマー病の症状の有無をチェックする計画があります。
○家族や介護者への支援を拡充すること。
政府のサイトwww.alzheimers.govでは、家族が地元どのような社会資源を利用できるかを知ることができます。政府の計画は、家族がアルツハイマー病と診断されたとき、前以て計画を立てるに際して支援するための多くの作業、アルツハイマー病の人が在宅で過ごすためのより多くのサービス、および介護者が自分たちの健康を守るための方法が要請さあれています。
○アルツハイマー病についての一般の認識を高めること。
診断が遅れないように偏見と家族の孤立を少なくする。
○アルツハイマー病への取り組みを改善し、病気の影響に関するデータを集め、計画が役立っているかどうかを調べます。
Triblive.com May 19, 2012 Faces of Alzheimer's: Celebrities bring visibility to disease
編者。これまで報じられてきたことで特に新たな情報はない記事ではあるが紹介した。アメリカで昨年、法制化され、今月起動したようだ。我が国では戦略も戦術もないまま認知症対策が進められている。認知症の人の既存の数値さえ怪しくなっている。

★問題多い認知症の在宅介護職―読者の経験―(5月18日/イギリス)
イギリスのアバディーンに住む婦人のジャネット・メイトランドJeanette Maitland氏(写真)は、認知症の夫がこの1年間に106人の異なる訪問介護職の世話になったと告げ、こんない多くの介護職が夫(写真)の尊厳という基本的な人権を無視していると話しています。
夫は認知症に関連する病気で先週亡くなりましたが、アバディーン市議会は夫人の指摘したことについて調査することにしています。
BBCのサイトを見ている人たちから、自分たちの介護経験が以下のように伝えられています。
○ケイ氏(認知症の人の義理の孫娘)デヴォン在住
私の母方の祖母は認知症で、毎日、違った介護職が訪れます。
わざわざ祖母をドライブに連れていくより、一杯の紅茶を用意する方が楽なのでしょう。
訪問介護が始まった最初の2,3カ月間、祖母の名前を正しく覚えようとしないで、ノートに書いてある3つの異なる名前で呼びかけていました。
ほとんどの介護職はとても若く、短期間その仕事について、ほかによい仕事があれば転職します。
また風呂の手すりのことで、地方担当者と猛烈に言い合いしなければなりません。
彼らの反応は、要望したことは制度にあり今手続きを踏んでいるというが尋常です。
これでは制度上は整っても無いに等しいのです。
他の選択肢があれば、そちらを選びます。
祖母は、自分の家にいたくてたまりません。私たちは出来るだけ長く、そこで生活できるようにさせたいのです。
祖母のクラニーさんは、89歳で、いつも賢く、そうして性格です。
彼女は、戦争中に婦人空軍で勤務し、人生ほとんど農業に従事しました。彼女は、すべての高齢者のように、今以上のよいサービスを受けるに値します。
○スウ氏(認知症の親の娘)ウエストミッドランズ在住
3年前、父は認知症と診断されました。妹と私は父をどうあつかってよいかとても困っています。
個別的な介護が父にとって本当の課題なのです、父は身体を洗ってもらうことを嫌がります。
そのことで父は興奮して強制的に精神病院に送られました。
その後、父は腹部の症状があり、別の病院に転院されました。病院の介護専門職は父が強制入院していたことを知らなかったので、これが難しい問題となりました。
社会サービスと精神保健サービスとの連携した対応がおこなわれていません。
冷静にみると、認知症であることはとても尊厳を損なうことになるのです。
父が専門職にゆだねられなければならないため、私たち家族は父のことで責任を果たせないことがあります。
専門職は、正しいことをはっきり言うかもしれませんが、実際は違います。
意図的に非情というわけではありませんが、彼らの姿勢と制度は変えなければなりません。
情報の共有と家族の介入をさらに向上させるため社会制度と医療制度の相互連携を人間味のある戦略とする必要があります。
人生の最期に、苦痛と尊厳のなり環境で暮らすことになるのなら、寿命が延びることは、必ずしも良いことではありません。
○ルーシー(神経科看護師)オックスフォードシャイアー在住
現在、イギリスでは介護職がとても不足しています。
残念ながら多くの人がしたがるという仕事ではないのです。
好意をもって従事する人はいますが、給与が少なくプレシャーが多いのです。
私は看護師ですが、ケアパッケージcare packageが準備できるまで病院で何カ月も待つ患者が多いのです。
地方の病院では、ケアパッケージ専門の病棟を新たに設けなければなりません。
一旦、ケアパッケージが提供されると、通常、納税者は自己負担を強いられます。
しかし、連携したこの種の介護が提供するのにどれほど難しく、また高額であることがあまり知られていないと思います。
認知症の人にとっては、少数の介護職グループがよい。
しかし国民保健サービスNHSが直面している財政的な制限はありますが、標準的には質のよい介護であれば、制度として施設や病院よりは自分自身の家で過ごすことができることが喜ばしいのです。
○マーチン・バトラー氏(脳血管障害の親の息子)スコットランド・ファイフェ在住
11年前、母は脳血管障害の後遺症で統合性運動障害と診断され、歩行ができませんでした。
介護の基準は、地域によってかなり異なっていますが、母の場合、ファイフェの介護職らと積極的です。
介護職は、介護に必要なことを十分な評価をしました。入院しなければならないときはいつでも再評価します。
母が診断を受けてから、介護職は彼女の世話をする8人の介護専門職からなるグループが在りました。
1日4回訪問する2人の定期介護職が居ました。
終末や休日は、別の介護職が訪れますが、母を担当しているグループは7から8の介護職で構成されていましたが、ほとんど4人で行っていました。
今年の初めの母の葬儀のとき、4人の介護職を招待して家族と一緒に過ごしました。彼らに敬意を表したくで制服を着るように頼みました。
介護職が不足だとしても、母の場合、そのことがサービスに影響するということはありませんでした。
BBC 18 May 2012 Dementia care: Your stories
関連記事:Aberdeen dementia patient 'had 106 carers' 18 May 2012 BBC
編者:イギリスにも我が国と似通った状況があるようだ。介護職の低賃金、人気のない仕事、転職が多いこと、医療と介護の連携の乏しさ、地域格差など。しかし記事を読むかぎり我が国のほうがよさそうに思う。

★政府のアルツハイマー病計画は非現実的と批判(5月15日/アメリカ)
オバマ政権と国立保健研究所National Institutes of Healthはアルツハイマー病について共同して、2025年までに脳を破壊するこの病気の効果的な治療に向けた精力的な目標を設定しました。
その計画は、「他の病気に私たちが行ってきたことをアルツハイマー病へ明確で国家的な標的と関心」をもたらすことを意図したものです。これは今月15日にNIHで開催された会議で保健福祉省Health and Human Servicesのキャスリーン・セベリウムKathleen Sebelius長官(写真左上)の発言です。
しかしアルツハイマー病の専門家はこうした公約への反応は楽観的なものではありません。病気への関心を向けることが唯一の助けだとう言う人たちもいれば、目標が現実的ではないと言う人たちもいます。
ほとんどの人は、アルツハイマー病に国家が集中することには役立っていると言います。現在、この病気は540万人のアメリカ人の脳を破壊し、1500万人の介護者を拘束しています。さらに人口の高齢化にともない数は確実に増えるでしょう。
しかし何人かの専門家は、政府の努力する範囲はこうした事態を変えるに必要な一部に過ぎないと指摘します。
マウントサイナイ医科大学Mount Sinai School of Medicineでアルツハイマー病の研究の教授であるサミュエル・ガンディSamuel Gandy医師(写真左中)は次のように述べています。
「アルツハイマー病に関心を集め、研究資金が一時的に増額されることはとても重要なことです。しかし有意義は影響をもたらすためには少なくとも1ケタ多いも数値が必要です」
NIHは、アルツハイマー病研究に2011年会計年度で4億4800万ドルをつぎ込みました。これに対してがん研究は55億ドル、HIV/AIDSでは31億ドルです。今までのところアルツハイマー病へのこの程度の改善は失望されています。現在、この病気には治癒させるこことはできず、治療は一時的に症状を軽減するものなのです。
いままでのところ多くの研究は、脳のアミロイドを標的としています。この蛋白の集まりに対して病気を予防したり改善できるかどうかの研究が行われています。しかし、多くの研究にもかかわらず答えにはまだ手がとどいていません。
メイヨークニックMayo Clinicで神経学の教授であるリチャード・カセッリーRichard Caselli医師(写真左下)は次のように述べています。
「アミロイドを治療の標的としたことにはよい理由がありましたが、失望に変わりました。まず挑戦すべきことはよい別の標的を見つけることです」
ケースウエスタンリザーブ大学Case Western Reserve Universityの神経学教授のピーター・ホワイトハウスPeter Whitehouse医師(写真右上)は次のように述べています。
「政府の計画を成功させるにはNIHがアルツハイマー病の研究の対象をもっと広げるべきです。病気と闘う患者を支援し、地域計画、食事、運動などの予防を含めるべきです。
アルツハイマー病研究の領域がやや歪です。いつも特効薬とか唯一の分子を標的とするといったことがあります。本当に、公衆保健に目を向ける必要があります。もっとも効果的に介入するような薬ではないでしょう」
また別の専門家は、「政府の努力を 計画は病気と闘っている現在の努力を改善するに過ぎない」と定義しています。
アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationの会長でCEOのヘリー・ジョンズHarry Johns氏(写真右中)は「明らかに革新的な目標です。これまでと異なることは私たちが目標を持ったということです」と述べています。
シベリウス長官は次のように述べています。
「今後13年間でアルツハイマー病の治療を向上させ、患者、家族、介護者によい支援を改善するという政府の目標が新たな一歩です。アルツハイマー病と予防と効果的に治療という目標に応えるロードマップです」と述べています。
このロードマップには、アルツハイマー病研究に費やすNIHの資金の数百万ドルが含まれます。さらに二つの試験が間もなく始まります。一つは初期アルツハイマー病に可能性のある治療法―インスリン鼻腔スプレー法―の臨床試験に800万㌦、もう一つはアルツハイマー病の脳の特徴的なアミロイドを標的にした可能性のある治療法の研究に1600万ドルです。後者は、南米コロンビアで行われるもので、健康ではあるがアルツハイマー病のなりやすい遺伝変異を持った人たちに行われます。
今年1月、オバマ大統領President Obamaが著名して法制化された「国家アルツハイマー病計画法National Alzheimer's Project Act」の構想の一部として2012会計年度でアルツハイマー病研究に5000万ドルが、2013会計年度には1億ドルが当てられます。
NIHのフランシス・コインズFrancis Collins所長(写真右下)は次のように述べています。
「政府の公約によって研究者が病気の探究している現在の努力のテンションが上げります。
アルツハイマー病をめぐる姿として多くの新事実を持つことでアルツハイマー病への科学的に特異な時期に現在あるといえます。しかし、こうしたことは私たちがこれまでやってきたなかで祝福するといったものではなく、これから向かうところを知るために気を引き締めるというものなのです」
アルツハイマー病協会によると、認知症の人の介護には今年だけで2000億ドルが使われています。これが2050年までに1兆ドルに達するのです。この病気は身体的にも精神的にも人を荒廃させるだけでなく、家族や介護者にも影響するのです。
追い詰められている介護者を支援するため、政府はサイトwww.alzheimers.govを立ち上げました。これでアルツハイマー病の人、家族、介護者が認知症の情報を得たえい、どこで支援が得られるかを見つけることができます。このサイトに2600万ドルが使われ、さらにこれには地域的支援、テレビ、ラジオ、ネットあるいは屋外広告などによる一般向けの啓発活動がもまれます。
セベリウス長官は「政府の努力によって2050年までにアメリカでこれまでとはとても異なるアルツハイマー病像に生まれることを望みます」と述べています。
またカッセリー医師は「意欲的であるかといえば、そうです。かならずしも悪いことではないのです。目標となる日付をおくことで、だれにとっても明らかに緊急性を感じ、向かうべき目標を持つことで、再び、助けになる」と述べています。
ABC News  May 15, 2012 Critics Call Government's Alzheimer's Plan Unrealistic
関連情報
Alzheimer’s Research Summit, The Alzheimer’s Disease Research Summit 2012: Path to Treatment and Prevention(May 14-15, 2012)
Insulin Nasal Spray(NIH October 3, 2011)
Study to test antibody crenezumab for preventing Alzheimer's(USA TODAY 05/15/2012)
アメリカ政府のアルツハイマー病の人の介護者向けサイト:alzheimers.gov
編者:日本ではこうした動きと議論は起こらないのだろうか?

急速に増加する認知症の人にもっと多くのデイケアセンターを(5月15日/インド)
ラクシミ・ラオLaxmi Rao氏は、3年前に、初めて母親が何かおかしいと気付きました。母親は、ラオ氏の家に居たり、彼女の妹の家妹に居たりということが繰り返されていましたが、その母親は、間違ってべつの建物に入るようになったのです。それは高齢者にあるうっかりした間違いといったものではなく、別の状態の現れでした。さらに母親は75歳ですが、料理をそのままにしたり、料理そのものを忘れるのです。
ラオ氏は「母がもの忘れしはじめ、しかも毎日のその状態が続いた」と話しています。ライ氏は老年学の修士であり、速やかに母親を受診させました。診察した医師は「脳のある部分がアルツハイマー病の第一期の状態だ」と指摘しました。
不幸なことですが、ラオ氏のような事例はインドでは普通ではなく、例外的なのです。高齢者ケアを展開するNGOの「シルバー全盛財団Silver Innings Foundation (SIF)」と連携しているラオ氏は「ほとんどの家族は、もの忘れは加齢に伴う自然なことで両親や祖父母が認知症であることを認めません。彼らがとても深刻な間違いをしていると実感するまでに病気はより進行してしまう」と話しています。
事実、無関心や認識がないということは、この国でとても恐ろしいでことです。インドでは今後15年内に60歳以上の認知症の人が激増します。世界保健機関WHOが最近発表した研究によると、2026年までに、マハーラーシュトラMaharshtra州(州都:ムンバイ)では認知症が123%増加するを推測されています。これは「ある種のシルバー津波」ですと、SIFのサイレシュ・ミシュラSailesh Mishra理事長(写真)は話しています。
さらに悪いことに、私たちはこうした急速な認知症の増加に準備をほとんどしてないのです。
さらにミシュラ氏は次のように話しています。
「認知症について専門的に相談できるセンターはムンバイ市だけでたったの4カ所しかありません。認知症に関する研修を受けた相談員の数が絶対的に少ないのです」
ムンバイのナイル病院Nair Hospitalの老年精神科准教授のアルカ・サブラマニアンAlka Subramanian医師は次のように話しています。
「相談も治療も神経性退行疾患である認知症には不可欠なことです。介助者や病棟介助者の数が十分ではありません。認知症の人は気分が変わりやすく攻撃的になりやすく、また見当式障害や混乱になりやすいので、認知症の人の生活のなかで最も困難な時期に彼らを導くことができる研修を受けた相談員が必要です」
リオ氏は、フルタイムの仕事を辞め、母親の介護のために在宅での仕事に代えました。この州の対策が乏しいことを残念に思っています。
さらにラオ氏は「愛は、母に提供できる最善の治療です。毎日の欠かさない仕事として、ヒンズーの古い映画音楽に聴いたり、新聞を一緒に読んで母の脳を刺激するようにしています」と話しています。
またサブラマニアン医師は「認知症に研究資金を増やすことに加え、高齢者のためにデイケアセンターと研修を受けた相談員がもっと必要です。こうしたことで認知症を対処することが見通せる」と話しています。
DNA .dnaindia  May 15, 2012 WHO predicts Maharashtra rise in dementia cases)
サイト内関連記事:「政府は認知症政策を実施すべき」(2012年2月3日)
編者:インドの認知症への取り組みが遅れていることについては何度も指摘されている。最も専門家と言われる人についても相応しい理解をしているとは言えないようにも読める。
これはインタビューを受けた専門家の考えなのか、記者の考えなのかわからない。

生活習慣の脳への影響をナンスタディから学ぶ(5月9日/アメリカ)
「女子修道院で生活することはこの世界での生活の質に関わることになる」とは、修道女の生活習慣を調べた研究者の結論です。
数年前、神経科医のデイヴィッド・スノーデンDavid Snowden氏(写真)は、ミネソタ州に在る「ノートルダム修道女集団School “Sister’s of Notre Dame”」で生活する修道女の統計に興味を持ちました。修道女は28歳以上で、90歳以上でも健康に生活しており、100歳以上の2.3人の人に興味を抱きました。スノーデン氏は次のような質問
「ここの修道女たちの行っていることで、私たちが行っていないこと何か? またそれが高齢期の生活の質にどう影響しているのか?」
「日々、多くの人たちが直面している世界でのストレスや孤独といったことがない「健康的でバランスのとれた生活スタイル」に生きることの影響によるのか?」
「あるいは、女性が優位で知的活動を続けていることを選んだためなのか?」
「彼女らの運動は生きてゆくなかで生活の質にある大きな部分の役割をしているのか?」
親しみをこめて「スーパーナン“Super Nuns”」と引用されるが、こうした婦人たちの抗範囲な生活の質は、定期的に知的に、身体的に、霊的に活動することで人生というゲームに身を置くという簡単な考えがどうようの脳の反応するかについては、現在、認識が高まっています。
スノーデン氏が修道女の生活の最終段階をえて調べることができた脳の約半分はアルツハイマー病の重度の状態なのですが、症状として記憶障害や身体的制限を認めていないのです。
修道女の生活の基本要素は次のことです。
教育
修道女の教育レベルが高いほど結果がよい。若い時に教育を受け、日々、読書、学習、知的活動を続けた人は、思考、処理、論理の能力を使って人生というゲームでより長く知的な生活を送っています。
信仰
修道女は信仰の生活を送り、それにあった生活スタイルを選ぶことになります。研究者は、この健康的な生活スタイルによってと人生の最期に生活の質が高まると認めています。
運動
研究に参加した修道女は、早朝から夕暮れまで一日中、身体的に活発でした。
修道女ジェーン・フランシスJane Francisさんは、健康な脳を持つために重要なことを次のようにまとめています。
パズルから野球観戦や編み物まで考え続けることで予想外に生活の質をよく高め、さらに「遊び」が必要なことを学んだのです。考えに一つにまとめると、「すべては脳のなかにある」と言うことができます。知的で身体的な活動を通して脳を養うという方法は、すくなくとも、一つの結果―知的によい状態Mental wellness―をもたらします。
HamptonRoads.com 09 May 2012 The Nun study; what can our heavenly sisters teach us about their “habits” and its effect on the brain and Alzheimer’s disease?
関連サイト:The Nun Study
編者:世界的に知られたナンスタディであるが、アメリカのいち地方サイトの簡単な紹介記事を紹介した。

重度認知症の人への終末期ケアの取り組み(5月4日/イギリス)
研究者は「進行して終末期の認知症の人にどのような介護が最善なのかの証拠は乏しい」と言います。
今週、優れた保健関連のある慈善団体がイギリス首相に手紙を書いて、政府が行う「認知症への挑戦」の一部になりうる方法を推奨しました。
この新しい方法は、南ロンドンに在るいくつかの介護施設で試みられています。
「ナマステNamaste」と呼ぶ方法ですが、「その人が保持している精神を尊重する」という意味です。
自分のために声を出せない、話しもできない重度の認知症の人に対して介護施設で開発されたものですが、認知症の人は動くこともできず、感染症しやすく、のみ込むことも難しいのですが痛みは感じていることがあります。
多くの施設での実態は、認知症の人を部屋に長くおいたままにしたり、テレビの前に何時間も置かれているのです。南ロンドンのBromleyにあるパークアヴェニューPark Avenue介護施設では、昨年の夏、職員がナマステ法を取り入れ。
この方法は、アメリカで開発されたものですが、音、接触、匂い、味を使って感覚を穏やかにするものです。毎日、特別の共有空間で行われます。重度の認知症の入居者は、ナマステの部屋に集まり。挨拶され、身繕いをされ、身体をもまれ撫でてもらいます。CDで鳥の声をやさしい音を流し、職員は甘い物を食べてもらい口を湿らせ、好きな古い写真について語り合います。
グレニス・アイロットGlenis Aylottさんは、父親のジョ・オートレイJoe Oatleyさんが数週間前にこの施設で亡くなったのですが、その時のことを「最期の日々は平安で尊厳がありました。部屋全体の雰囲気がよく静けさがあり、それで私は穏やかになり、父もまた穏やかな様子でした」と話しています。
この施設の看護師であり、チームリーダーのジャスリン・アジームJasrin Azeem氏次のよに話しています。
「昨年、ナマステ法を始めてから、介護がとても目的を持ったものになりました。私たちはナマステ法を行って100%満足しています。入居者の一緒に座り、話しかけ、理解する時間を持つのです」
この方法の中核は、重度の認知症の人が終末期にあること、そのために優先すべきことは緩和的介護を通して平安と心地よさを提供するということを認識することです。
マリーキューリー緩和研究ユニットMarie Curie Palliative Research Unitのリズ・サンプソンLiz Sampson医師(写真左上)は次のように話しています。
「多くの介護施設や病院では、こうしたことを取り組み第一歩が難しいのです。医療や社会サービスで働く人たちは、ケアの目標を変えなければならないことが高齢者であることを見てきました。その取り組みの第1歩を歩きだすのがあまりに遅くて残念なことに、高齢者が急性期病院か救急室(イギリスでaccident and emergency(A&E) departmentという)のストレッチャーの上で亡くなっているのです。
時期を失う
さらにサンプソン医師は次のように話しています。
「重度の認知症についての理解が欠落しているためにこうしたことが起こるのです。残念なことに、最近、首相は認知症への挑戦のなかで「終末期ケア」「重度の認知症」「重度の認知症の人への必要なケア」について語っていないのです」
今週、いくつかの優れた慈善団体―「スライダーSue Ryder」「ギリス認知症Dementia UK」「全国緩和ケア委員会National Council for Palliative Care (NCPC)」を含む―が、首相に手紙を出しました。この団体は、首相が認知症ケアの改善に向けた介入について称賛したのですが、チームで行う終末期ケアを見過ごされていると次のように警告しました。
「発足した『チャンピオンChampion』は、グループで挑戦に関わることが認知症介護と、終末期ケアではこの役割が重要な部分であることを正しく取り入れるべきです」
これに対して保健省Department of Healthは次のように見解を述べています。
「私たちは認知症の人の終末期ケアに改善に取り組むNCPCが政府にとって優先的な大切な団体と見なしています。この課題は認知症国家戦略National Dementia Strategyの重要な事柄としており、こうしたわけでNCPCを首相の3つ認知症チャンピオングループの重要な会員の一つとしているのです」
南ロンドンの6つの介護施設で行われているナマステ法の試験が、重度認知症の人のケアの有意義であるとする見解を示してほしいと、研究者は希望しています。この研究は、セントクリストファーホスピスSt Christopher's Hospiceの顧問看護師であるジョ・ホックレイJo Hockley氏(写真左下)によって指導されています。
彼女は次のように話しています。
「現在は事例報告的な研究ですが、私たちがチームとして一緒の作業しながらチームとしてよりよく職員が関わっていることを知ることになるでしょう。彼らがより価値があると感じたなら、かれらが提供するよりよい活動が入居者や家族によりよい介護につながるでしょう。その可能性はおおいにあると思っています」
BBC News 4 May 2012 Severe dementia care: Homes try new approach
編者:重度の認知症の人へ介護や終末期ケアの取り組みはイギリスでも途上段階なのだろう。この記事を読むと、我が国と似たところもあり、我が国のレベルも低くはないと思う。
イギリスでも急変すると認知症の人を救急外来に連れて行くようだが、ストレッチャーの上に死亡というは我が国ではあまり聞かない。
ちなみに今月、浜松で開催される第13回認知症ケア学会では、終末期ケアのシンポジウムが行われ、終末期ケアの報告も多いようだ。
なお、我が国で「ケア」と「介護」が未定義で曖昧に使わて用語が混乱しえいる。この訳でも厳密に使い分けてはいない。編者は、「介護は直接的な支援(食事や入浴の介助など)」とし「ケアは生活全般の支援(医療的介入、居住環境、徘徊早期発見システムなど)」と区分けして定義している。

★抗精神病薬に頼らない認知症ケアに取り組むナーシングホーム(4月30日/アメリカ
マージョリー・ボンテンポMarjorie Bontempoさんは、リトルトンLittletonに在るナーシングホーム「ナショバヴァリーライフケアセンターLife Care Center of Nashoba Valley」(写真右)に移って変わった婦人です。この施設の職員は、単に入居者をおとなしくさせる抗精神病薬を信用していません。
医師は、彼女に1年前から抗精神病薬を処方していました。優れた裁縫職人であり家族をまとめる控えめな婦人だったのですが、アルツハイマー病になってから食事を拒み怒りっぽく混乱する女性に変わってしまってから薬を処方されました。
娘のパッティ・シネットPatty Sinnettさんは「薬は母の攻撃的な症状を軽減したのですが、ぼんやりするようになったと」と話しています。
ナショバの看護師は、ボンテンポさんから強力な鎮静剤を止めました。
シネットさんは次のように話しています。
「しばらくして訪問したら、母が活動部屋でクラークケーブルの映画を観ていました。母は、普通の人のように私に映画のすべてを話し始めました。この1年間で彼女と会話したのは初めてです」
リトルトンの施設は、抗精神病薬に頼らないで認知症に伴うことが多い興奮や破壊的行為を治す、全国でまだ少ないが増加しているナーシングホームの一つです。
ライフケアセンターやこれに似たナーシングホームでは、個々の入居者に合わせた介護を行い、親しみやすく心地よいように努めています。職員は、入居者の過去を詳しく調べ、嗜好、趣味、業績を知ります。記憶が薄らいでも残っている中心となる感情を利用するようにしています。
グローブ紙The Globeがこの日曜日に報告しましたが(訳注)、多くのナーシングホームは、攻撃的な入居者に対して抗精神病薬になお重く依存しています。これらの入居者のほとんどは、ナーシングホームを監督する官庁が薬を使用を許可する条件を満たしていません。連邦政府は、認知症の高齢者に抗精神病薬を使うと致命的な副作用があることを警告してきました。
ナーシングホームの運営企業の指導者は次のように述べています。
「薬は入居者や職員を守るために限り使われるべきで、非薬物的な対応を試みるには、特別な研修が必要ですが、職員はほとんど受けていません。またもっと多くの職員が必要です。薬物の監督する官庁は、認知症の入居者が示す困難な行動を管理するのに薬がとくに有効だとは証明されていないのです。本来使われる状態―統合失調症などの精神疾患―以外に認可外ではあるが抗精神病薬を処方することは認められています」
連邦政府の資料をグローブ紙で分析したところ、精神障害のないナーシングホームの人へのこの種の薬の使用量は2005年から減少しています。ナショバでは6年前から抗精神病薬の使用を減らしました。この時、抗精神病薬の使用が認められている精神疾患ではない入居者の4分の1近くがこの薬を服用していました。2010年にはそれがゼロとなったのです。
この動きの中心となったのは新しく看護部長になったナンシー・ラロックNancy LaRock氏でした。彼女は、入居者のファイルを徹底的に調べ、120人の入居者のうち約30人に抗精神病薬が使われていました。その半数ほどは薬を使うような状態でないことを明らかにしました。
ロック氏は精神科ケアの経験があり、薬を止めることにして、別な方法について職員研修を始めました。
ラロック氏は次にように述べています。
「最大の課題の一つは家族からのものです。本人はこの薬を簡単に服用していたので、続けるように望んでいる家族からの抵抗に会いました。私は、抗精神病薬で本当の姿がわからなくなると理解していました」
ナーシングホームは、アルツハイマー病棟が円形で入居者が廊下で行き止まりにならないで歩き回れるようにし、田園のなかに施設があり庭に放牧している羊とラマまで飼われています。
エレン・リヴィンソンEllen Levinson事務局長は「2匹のゴールデンレットリーバーが玄関で訪問者に挨拶します。動物が入居者を穏やかにする効果があることを知った」と話しています。
27床のアルツハイマー病棟の壁には動物の絵が描かれ、窓には鳥の餌箱がかけられています。ときどき介護職は、ラマをホールを通ってアルツハイマー病棟まで連れてきます。執拗に歩き回っていた入居者が立ち止まってその堂々とした生き物を撫でるのです。
活動と介護は、入居者の人柄と能力の合わせます。
88歳のリチャード・ピンカムRichard Pinkhamさんは元電気技師で、職員はペンキはけ、計測テープなどの道具を備えた道具箱を彼に用意します。
ボンテンポさんは、2010年に初めて入居した時は食べることを拒否しましたが、ホットチョクレートが好きなことがわかり、毎日、職員が、食事の初めに一杯のホットチョコレートを用意します。彼女のこれで食欲が高まるり、その結果、攻撃的になることは稀になりました。
認知症ケア棟のプログラム部長のエリカ・ラッブErica Labb氏は「マージョリーはダンスを本当に楽しんでいます。それについて話すようにします。相応しいコンボを見つけるまで、試行錯誤で新しいことを試みてきた」と話しています。
入居者の多くが話ができなくなっているので、彼らの行動―涙、叫び、手を打つ、笑顔―でコミュニケーションを図ります。
さらにラッブ氏は「シャワーの間に誰かが争うようなことがあれば、彼女が怖れるかもしれないので脚から流す」と話しています。
職員は、家族に入居者がアルツハイマー病になる前の性格など―好きな入浴時間、好きな食べ物、趣味、心温まる出来事など―について詳しく聞き取ります。
アルツハイマー病協会マサチューセッツ・ニュハンパシャ州支部Alzheimer’s Association of Massachusetts and New Hampshireの医療サービス副部長のポウル・ライアPaul Raia氏(写真左上)は「抗精神病薬に頼らないで認知症の人を介護することはナーシングホームの職員が探偵になる必要がある」と話しています。
ライア氏は、認知症介護についてナーシングホーム職員の研修を行っています。職員ができるはずのきっかけを見付けるように、難しい行動を体系的に追跡することを勧めています。最近の事例では、男性の入居者が不意に別の入居者を叩きました。かれの行動を探って看護師が、昼間に限り叩いていることに気付きました。しかも部屋のある部分に居るときだけなのです
そこでライラ氏は「光が彼の目を痛めることを知りました。デイルームですることは、彼の目に光を当てないということだけでした。こうして同じことが再び起こることはありません」と話しています。
ヴァージニアの二つのナーシングホームの医療部長のジョナタン・エヴァンスJonathan Evans医師は「私は認知症の人に何年も抗精神病薬を処方してきました。負担がかかる職員と、薬が役立つと信じる家族からの圧力を感じることがたびたびでした」と話しています。
エヴェンス医師は、アメリカのナーシングホームの医師の全国団体である「アメリカ医療部長協会American Medical Directors Association」の次期会長に選ばれましたが次のように述べています。
「私はすべての問題に解決方法があると思う医師として訓練されています。もっとも広く使われる解決方法が薬です。しかし、薬がすべての問題に役立つわけではありません」
エヴァンス医師は、政府が致死的副作用があると警告してからは認知症の人への抗精神病薬の処方を辞めました。
さらに彼は「認知症で問題となる行動の背景に治療していない関節炎や感染があったり、怖れからのものかもしれない」と話しています。
他の介護職の教育にかれの会長職としての立場を活かすことにしました。
彼は、認知症の人が言葉より非言語的コミュニケーション―同じ目線でのやさしい接触―を理解して、これによく反応することが知りました。
エヴァンス医師は、ナショバを含め全国28州にある200以上の施設を管理するアメリカライフケアセンターLife Care Centers of Americaのコンサルタントでもありますが、「これらの行動は神経反射のように原始的で生物的な反応だ」と話しています。
全国でさまざまな方法が開発され抗精神病薬を使わないで行動を職員がよりよく理解し、よりよく管理できるようにしようとしています。しかし研究者は、どの方法が最善であるかお決めるいたっていませんす。
薬に頼らない方法には労働力が必要です。
グローブ紙の分析によると、ナーシングホームの職員数と抗精神病薬の使用の間に相関があることがわかりました。ナーシングホームの監督官庁の勧めに反して抗精神病薬を服用している入居者の割合が高い施設では看護師および看護補助者の数が少ない傾向があります。
こうしたナーシングホームは典型的にはメディケイドによる入居者が多く、政府の保険制度の被給付者より民間保険の被給付者よりはるかに少ないナーシングホームでは職員を雇うほどの給付がありません。
レヴィンソン事務局長の話によると、ナショバのアルツハイマー病棟の入居者の半数は、民間保険であり、施設は毎日、入居者一人につき412ドルを受取り、メディケイドの入居者では1日184ドルです。
グローブ紙の分析によると、この結果、ナショバは州の平均より多い職員を雇えるほどの贅沢ができるのです。
これに対してレヴィンソン事務局長は「お金は職員の助けになりますが、正しい指針には高いお金はいりません」と話しています。
ナショバは、他の入居者を傷つけるような闘争的行動の既往がある人は受け入れません。典型的には、歩けて身体が大きく、強く、攻撃的な男性は拒まれます。
しかし、フェニックスにあるビーティチューデスキャンパスBeatitudes Campusのように対応が難しい認知症の人を介護する施設でさえ抗精神病薬に頼らないようにしています。連邦政府の資料によると、薬の使用が正当化できない疾患で薬に頼る入居者の割合は、2005年に31%だったのが、2010年には19%に減じています
ビーディチューデスの研究・認知症プログラム部長のテナ・アォンザTena Alonzo氏(写真左下)は次のように述べています。
「施設の狙いは抗精神病薬の使用を減らすことにではなく、個々の入居者ができるだけ心地よく暮らすことです。入浴、食事、活動は職員の日課に応じるのはなく入居者の好みに応じて組み立てられます。こうすることで抗精神病薬は確実に減ります。人が心地よければ、なにもやりやすくなり、職員が辞めることはないのです」
連邦政府の資料では、ビーティチューデスは国全体の平均より50%看護師の勤務時間が多いのです。これについてアロンゾ氏は「快適な介護を狙うことで実質的に他の分野よりコストを減らすことができる」と話しています。
まだ公表されていない研究によると、ビーティチューデスでは、職員が定期的に失禁のある入居者をトイレに連れて行くのを介助することで、おむつの費用を少なくしています。
さらにアロンゾ氏は次のように述べています。
「健康サプリメントの費用も劇的に減りました。認知症の人は食欲を減らすので、チョコレートなど好きな食べ物を提供すると、食べることにもっと関心を抱きます。チョコレートは認知症の人の曇を通してみることができます。認知症の考え方を変えることはできませんが、感じ方を変えることはできます」
(Boston.com April 30, 2012 Finding alternatives to potent sedatives Nursing homes increasingly take new tack in dealing with dementia)
訳注:A rampant prescription, a hidden peril(April 29, 2012, Globe)
編者:我が国では常識的なことと思われるが、学ぶこともある。日本の介護施設での抗精神病薬との関わりについての報告を知らない。また施設での認知症介護にどのくらいの介護職が必要なのかの報告もないのだろうか。公的医療保険と民間医療保険で運営されるナーシングホームはかなり良いところとかなり悪いところが混在しているようだ。なおアメリカのナーシングホームは医療施設と位置付けられる。

「認知症の妻と一緒に授業する老教師=中国ネットユーザーを感動させた物語―中国」(4月29日/中国)
2012年4月27日、山東商報は、認知症の妻を連れて授業を続ける老教師について伝えた(写真)。江蘇科技大学南徐学院の章先生。70歳を過ぎた老教師で、すでに定年を迎えているが、学生の人気が高くいまだに授業を続けていた。近年、妻が認知症になったため、妻を連れて授業をしているという。妻は教室の最後尾に座っているが、時々教壇の前までやってきてしまうこともある。
ある学生がこの話をマイクロブログに投稿したところ話題となった。これこそ本物の愛情ではないか、妻をいたわる姿を見せることこそ本物の教育ではないかと絶賛する声も多い。大学には取材の申し込みも殺到しているが、章先生はすべて断っている。妻を連れて授業することはそもそも学生に申し訳ないことだと考えているためだという。(翻訳・編集/KT)
Record China. 2012年4月29日 原文のまま
編者:心温まる話だろうが、社会的支援が皆無に近い中国では認知症の妻を夫一人で介護しなければならないのが現状なのだろう。

ブロードキャスター、アメリカで認知症を語る(4月25日/アメリカ)

ドキュメンタリー番組で有名なイギリスのブロードキャスター、ルイ・スルーLouis Theroux氏(写真左上)が、アメリカ・フェニックスで取材したドキュメンタリーが4月26日にBBCで放映された。以下はその前にBBCのサイトに載った番組のエピソードである。

ナンシー・ヴォーガンNancy Vaughan氏は、魅力的で活発な話し上手な女性です。彼女は90歳近くですが、なお多くのきらめきと人を引き付ける婦人です。ニューヨークのモデルとして全盛期の頃のように何度も振り向かなければならなりませんでした。
しかし、彼女は自分の名前も、62年間結婚したこと、さらに英語の基本言語の多くも思い出しにくくなっています。
ナンシーさんは、進行したアルツハイマー病なのです。
日のよく照る晩秋の日に、私は、ナンシーさんと夫のジョンJohnさんをアリゾナ州フェニックスに在る彼らの自宅を訪問しました。キッチンで親密に語り合い、しばらくは、彼女が知的によい状態と信じたほどです。
彼女の微笑みは魅力的で、身体も元気でした。彼女とは簡単な話し合いを続けられましたが、「記憶の問題はありますか」とたずねると、きっぱりと「ない」と答えたのです。
しかし、夫のジョンさんが、直接的に「ナンシー、あなたの名前は」と聞くと、ちょっと当惑し、「ブレッド」と少し間違って答えました。私は、それが結婚前の彼女の名前かもしれないと思ったのですが、実際はジョンソンでした。
二人の生活は現実から離れたようになり、いろいろストレスが多いのです。ジョンさんは、自分のことがわかりやすいように彼女に夫の名札を付けています。
また彼は、自分たちの結婚式の写真をキッチンに貼り付け、彼女が混乱したときに、自分たちが結婚していることを示すことができるようにしました。
ジョンさんは、常時ナンシーさんの世話をしています。彼らには子供がなく、介護の負担を軽くするのを助けてくれる家族もいません。ナンシーさんが、介護施設へ入るだけの財産はありません。
88歳のジョンさんは、高齢者でなんとかこなしている多くの人たちと同じように24時間の介護が必要なのです。

ジョウンさんとナンシーさんは、決して例外的の人たちではありません。これは、人口が高齢化するになかで私たちに向かってゆっくり近づく津波なのです。
65歳以上のアメリカ人の8人に1人がアルツハイマー病―もっとも多い認知症の原因―とされています。85歳以上ではほぼ半数の人がアルツハイマー病です。医学のおかげで身体的により長く生きるようになったのですが、精神面がこれに伴わないのです。
フェニックスほど、これを証明する場はありません。フェニックスは長くアメリカの高齢者のメッカでした。年間とおしての太陽と乾燥砂漠の熱に惹かれるのです。
現在は、ますます、もの忘れし混乱する人たちの最高の都市です。
フェニックスは認知症の人の介護と治療では先駆的です。

そのうち、常に介護が必要な人たちが最も行きたい施設の一つがビーチチューデスBeatitudesです。
ここは、出入口が管理された複合施設で、多くの建物に隠れるように記憶支援別館があります。
この施設で暮らすほとんどの人は、重度の記憶障害があり、身の回りのことができないほどで、たびたび混乱し妄想を抱くこともあります。
入居者は存在しない侵入者を自分は見たと思い込み、財布を見つけられないので誰かが盗んだと思うことは少なくありません。
ブラッドフォード大学Bradford Universityを拠点とする心理学者のトム・キトソンTom Kitson氏の影響などを受け、ビーチチューデスの介護職は、矛盾しない、入居者の妄想に沿う、論争は避ける、衝突は少なくする、困っている人の注意をそらす、気をそらして楽しい活動を用意するなどのといった方針を持っています。
職員は、できるだけ薬を使わないようにしています。臨機応変で入居者の思いがけない行動や症状に合わせ、彼らが急いでいると感じるなら、夜間の廊下を歩き回ってもらい、各自の日課にそって入浴、食事、睡眠をとりい、昼夜いつもでも軽食やチョコレートを提供しています。
ここで私は2週間、最高の一時を過ごし、職員の行為を直接観ることができました。

私が知った一人は、ゲイリー・ギリアムGary Gilliam氏(69歳)で、彼は若い頃、歯科医として成功し軍隊でも生活しました。
私が会った時、彼はビーチチューデスで暮らして数か月でした。記憶。曖昧でしたが、現役の歯科医で基地に居ると思違いをして過ごしていました。
ゲイリーさんは、朗らかで、はしゃぎ、いつもジョークを言い、しばらくしてから進んだ認知症であることを知ったほどです。
彼は短期記憶に問題があると私に話すのですが、介護施設に居るとは思っていません。しかし職員は、彼に反論しないで、ゲイリーさんの思う現実に沿うようにしています。
本当に、夕方になると、彼は基地での自分の勤務が終わったと思い、バッグに詰めて出口を探し始めます。
職員は、「少し遅い」「暗くなった」「明日の朝、出かけよう」と話しかけながら、なだめてもう一晩、過ごすようにさせます。あるいは、職員が「歯をみてほっしい」と頼んだりします。こうして彼は。歯科医になって自分の予定を忘れるのです。
ゲイリーさんは、結婚していることを忘れることもあります。30年近く一緒の妻、カーラさんは、存命しており健康で度々面会に来ています。
彼の棟の人たちとの交際がとても多く、二人の女友達がいて恋人同士として楽しんでいましたが、どれほど親密なのかははっきりしませんでした。
わたしが、妻のカーラさんの面会に同伴したとき、奇妙な愛の三角形関係、あるいは2番目の女友達を含めると四角関係を見ることになりました。驚いたことにゲイリーさんは、妻を女友達の一人と思っているのです。
カーラさんは「これで訪問がもっとうまくいっています。夫は彼女らに新しい友人を連れてくるのが好きなようです」と話しています。
しかし、カーラさんは自分の痛みとアルツハイマー病になった愛する人の変わりようを理解するようにしていることに私は心打たれました。

この施設で私が見た最大のば訪問の場面は、若い男性のデイヴィド・ワトソンDavid Watson氏と母親のゲイルGailさんの二人でした(写真左下)。
ゲイルさんはとても老いたという人ではありませんが、認知症はかなり早く進みました。彼女は、施設内の記憶支援棟―もっとも進んだ人たちが暮らす―の4階に居ました。もはやは話がまったくできないのですが、身体は健康で廊下を歩き回り、物を拾ったり人に近づいたりして、繰り返し音を鳴らし続けるのです。
デイヴィッドさんは、母親に古い写真を見せます。母親を抱いて歩き回るのを止めようとします。私に気付く様子はありません。
デイヴィッドさんは「姉たちはもう面会に来ない。厳しいことです」と話していました。
少しして、母親は息子にもたれかかり両手に息子の顔をはさむのです。
「これがあるので私は面会に来ています。こうしたことが時々あり、それでよい」と彼は明らかに感動しながら話していました。

私のフェニックス滞在が終る頃、ジョンさんに勧められ妻のナンシーさんの世話を半日ほどしました。私は彼が少し休養がとれると期待したのですが、それよりもっと重要なことは、毎日ジョンさんが過ごす生活のささやかな一部を垣間見ることができたのです。
介護者としての自分の役割を終えて結果は複合的なものでした。私たちはボール投げをしてガラスを壊し、散歩を初めましたが辞めたのです。
時々ナンシーさんは、私が誰か当惑していました。正確にいうと、その家で私が何をしているのか当惑したのです。しかし、私たちは、楽しみ、音楽を聴き、ランチを一緒に食べ、写真を見、些細な災難をくすくす笑ったりしました。
私は、「ナンシーさんがどのくらい残っていると思いますか」と聞きたところ、元技師らしく正確な数値で「30%」と答えました。それから頭を叩きながら、「残りはまだ安全に私のなかに記憶がのこっている」と言いました。
今回の滞在は奇妙にもロマンチックな一時でした。
認知症が人を破壊すすることは、信じられないほど観ることに動揺します。病気によって人が混乱したりもの忘れすることを期待しません。人口現象からして、悲しいことですが、私たちの人生にこれまでになく増えることでのようです。
しかしフェニックスでの滞在から、私はある前向きな気持ちになれることを教わりました。
認知症で多くのことが奪われますが、残っている者もあるのです。言葉や記憶を超えて人間があり、よい言葉が使えなくてもスピリットがあり、かっての人間との連続性があるのです。
この病気に出会っても適切な支援があれば、多くの人たちは学ぶことができ、適応することができ、親や配偶者を愛する方法を見つけることができるのです。
BBC 25 April 2012 Louis Theroux on dementia: The capital of the forgetful
訳注:Tom Kitsonは”Dementia Reconsidered“の著者Tom Kitwoodトム・キッドウッド のこと。彼の認知症の見方に関する簡潔は英文解説Experience Dementia 7 Insightsが参考になる。
編者:すばらしい体験記だが、なぜイギリスの記者がアメリカの高齢者施設で報告しなければならないのか理由がわからない。イギリスがアメリカから学ぶことがあったのだろう。またアメリカとイギリスの認知症ケアの比較した報道も望む。

★アルツハイマー病協会は認知症を国の優先課題にすべきと政府に要望(4月24日/ニュージーランド)
ニュージーランドアルツハイマー病協会Alzheimers New Zealandは、認知症を今世紀に直面するもっとも厳しい健康問題であることを政府に要請しています。
アルツハイマー病協会は、最近、オーストラリア政府が認知症関係にほぼ2億7000万オーストラリアドル(AUS)を支出すると公表したことで勇気づけられ、これが政府になんらかの方法で影響を与え、将来、財政的な対策を始めることを希望しています。
オーストラリア政府は、高齢者ケア改革の一環として、今後5年間で2億6940万AUD
を支出する予定であり、このなかには高齢者介護施設や在宅の認知症の人への追加支出として1億6430万ドルが含まれ、残りは早期診断の推進に使われることになっています。しかしこの額はオーストラリアアルツハイマー病協会Alzheimer's Australiaが要望して支出額5億ドルには及びません。
最近、イギリス政府が認知症研究の費用をこれまでの2倍とすると発表したことに関連して、オーストラリア政府の財政的支援が、他の国の政府に不可避的な認知症の増加への準備を取り組むことにつながるでしょう。ニュージーランドアルツハイマー病協会は、現在、政府がこの問題で動き、認知症を今世紀、最大の健康危機と認識することを要請しています。
今月、世界保健機関World Health Organisation (WHO)から発表された報告書は、認知症の罹患率が全世界の人口の急激な高齢化の伴い爆発的に増え、今世紀で最も深刻な社会経済的現象であることを指摘しています。全世界の認知症の人は、2010年に3560万人で20年ごとに倍増し2030年には6570万人、2050年には1億2450万人になると推測されています。
ニュージーランドでも、人口の高齢化にともない近い将来に認知症が大きな比率を占めると予測されています。今日、我が国では記録上4万4000人ほどの認知症の人がいるとされていますが、「2011年世界アルツハイマー病報告書World Alzheimer Report 2011(pdf1.1MB)」によると、認知症の人の60%ほどしか診断を受けていないので、実数はかなり高いと推測されています。ニュージーランドのすべての認知症の人の約半数は介護家族と一緒に生活し、その人たちの多くは24時間の介護を受けていますが、政府からの支援は少ないか、皆無なのです。
今年、「国家認知症戦略National Dementia Strategy(pdf500KB)」の第3年目に入ろうとしています。この戦略は2010年5月に国会で採択されました。その戦略とは、認知症の人と介護者へのよりよい支援のための明確な行動を起こすことです。病気を持ちながら日々の課題に直面している人たちと、この分野の関係者との協議に基づく記録が残されています。さらに戦略は、この分野を支出が欠かせない鍵と認識しています。さらに戦略には、早期診断、病気の管理、適切な質のサービス、在宅介護者へのよりよい支援、研修を受けた労働力の拡充が含まれています。
認知症国家戦略の成功は、政府が認知症の社会的経済的な影響の認識し、認知症を優先課題として採用するかどうかにかかっています。ニュージーランドで認知症に関係するグループは、戦略の課題で実施すべきことを充実させるように活動しているのでが、政府はこの戦略を公式に採用していません。
アルツハイマー病協会のマーチン・ブルークスMartin Brooks議長(写真)は次のように述べています。
「政府は認知症を国家的危機として認識する必要があり、この分野へ適切に投資し、将来の認知症の有効に支出するように最善を尽くして準備をすべきです。昨年、認知症関連の予算は4400万ニュージーランドドル(NZD)ですが、これは正しい方向への第一歩ですが、さらに在宅の認知症の人を支援するに必要は追加支出が必要です」
「ニュージーランドアルツハイマー病協会の認知症経済影響報告(2008年)Alzheimers New Zealand Dementia Economic Impact Report (2008)(pdf4.7MB)」によると、認知症の人が高齢者施設に3カ月遅れて入居することで政府の支出を6230万ドル節約できます。協会は、政府の高齢者に関わる戦略の一環として、認知症の人を在宅で介護している人たちのよりよい支援を長い期間、擁護してきました。
アルツハイマー病協会は、政府が、認知症を国家的健康問題の優先課題として取り上げ、認知症を国家的危機として認識し、将来の認知症に意義あるような支出に向けた最善の準備に向けて適切に助成することを要求しています。
nzDoctor.co.nz 24 April 2012 Alzheimers New Zealand urges New Zealand government to recognise dementia as the most serious health crisis to be faced this century
サイト内関連記事
編者;国会で採択された認知症国家戦略を政府が認めないとはどういうことなのか、予算的裏付けのないスローガンなのかよくわからない。

★高齢者の前頭側頭型認知症の特徴(4月23日/イギリス)
イギリス・リバプールにあるウオルトン神経学神経外科学センターWalton Centre for Neurology and Neurosurgeryの神経病理部のアティク・バボリーAtik Baborie氏らのグループは、65歳以上の高齢者の前頭側頭葉変性症frontotemporal lobar degeneration (FTLD)の事例、臨床的特徴および神経病理学的特徴が、若年者のFTLDとの違いについて後ろ向きの疫学研究を行いました。
北東イングランドにある地域神経科学センターRegional Neuroscience Centreで25年間の事例を調らべ、高齢者のFTLDが11事例と若年期が19事例を比較しました。
その結果、高齢者のほとんどのFTLDは、行動面の特徴―抑制困難、進行性洞察障害、情緒不安定―は若年者と同じであるが、記憶障害は高齢者で91%と若年者の36%より多いことを認めました。また高齢者で前頭葉と側頭葉の重度の萎縮は若年者より少なかった。
ニューキャッスル総合病院Newcastle General Hospitalでのすべての認知症の高齢者の剖検のうち高齢者のFTLDは3.2%を占めました。
結論として、高齢者のFTLDの発症年齢は、平均、73.5歳で若年者では49歳でした。また発症期間は高齢者で平均57.7月、若年期で84月でした。高齢者のFTLDは、若年者とは別な形で在り、主な特徴は、臨床的に言語障害や語義障害より記憶障害や行動面の変化が多く認められ、神経病理学的特徴としてアルツハイマー病とは異なり海馬の硬化は高齢者のFTLDで多く、前頭葉と側頭葉の重度の萎縮は若年者と比べて少なかった。認知症の臨床で高齢者のFTLDはあまり認識されていないが、非定形的なアルツハイマー病を示す高齢者ではこの疾患を考慮すべとしています。
この研究論文は、神経学雑誌Archives of Neurology電子版2012年4月23日版に掲載されました。
medpagetoday April 23, 2012 Frontotemporal Dementia Seen in Elderlyおよび論文Frontotemporal Dementia in Elderly Individuals
編者:高齢期の前頭側頭型認知症の報告は少ないようだ。若年期とは違った症状、経過を示すとの論文だ。

★認知症の人の生活の質を高める革新的デザインを公募(4月18日/イギリス)
保健省Department of Healthと連携したデザイン委員会Design Councilは、認知症の人の生活の質を高める5つに革新的解決策を支援、助成してきました。
今年の3月、デヴィッド・キャメロンDavid Cameron首相は、認知症へ挑戦すると表明しました。これは政府のためではなく社会すべてのためで、3つの鍵となる分野―医療と介護の改善、認知症にやさしい地域作り、研究の推進―での挑戦です。
デザイン委員会は、認知症の人が望んでいるできるだけ長い自立した生活が送れるようにする適切な支援を挑戦としました。
認知症は、政府にとっても保健省にとっても重要な課題です。次の8月、デザイン委員会と保健省は、国家的課題として認知症の人と家族の生活がより簡潔でより快適でより楽しめる製品とサービスに関する新しいデザインを検討し開発するチームに助成することにしました。
認知症の人が生活するための課題に関して、専門家による5つのチームに合計36万ポンドを助成し、5か月間で実用的な試作品やビジネスモデル開発を支援しようとするものです。
このプロジェクトについてケアサービス大臣Care Services Ministerのポール・バーストローPaul Burstow氏(写真左上)は次のように述べています。
「認知症は人口高齢化のなかで最大の課題の一つです。現在、イギリスに75万人の認知症の人がいますが、次の30年間で2倍になります。健康的な状態に改善し、このための経費の増加を監視しながら、厳格に考え、これまでとは違う行動をとる必要があります。早期診断を受けた認知症の人を適正に支援することによって認知症の人はよい長く、よりよい生活を続けることができます。私たちは、認知症の人の症状を注目するのではなく、その人の生活を最大限に活かすためにどのように支援がよいのか、創造的な考えを刺激したいのです」
グリーングロス男爵夫人Baroness Greengross(写真左中)は、どのような優れたアイディアを期待しているか次のように説明しています。
「増えつぐける認知症の人が本当に必要としていることに応えるため、革新的な考えが必要です。の新しく多様でいろいろな人たちがすぐに必要ことに応えるべき創造的で革新的が重要であることを反映した素晴らしい提案がなされるべきです」
デザイン委員会CEOのデヴィッド・ケスターDavid Kester氏(写真左下)は次のように述べています。
「デザイナー、企業家、地域が認知症の人の生活を変えるようなプロジェクトのなかで仕事をすることは、とても興奮する場です。認知症がイギリスのあらゆる家庭に影響するだろうし、現に影響しているのです。これまでとは違い、新たな曲がり角を通過することになると思います」
人が認知症をもちながらよりよく生きるということは、アルツハイマー病協会Alzheimer’s Societyにも歓迎されてきました。ジェレミー・ハーゲスJeremy Hughes事務局長は次のように述べています。
「認知症ケアのすべての分野で劇的で革新的なことが必要です。幅広いく専門家が挑戦することで、実際の変化―大小を問わず―のきっかけとなる可能性があります。イギリスの75万人の認知症の人の生活を変えるのに役立つことでしょう。認知症は、だれにも影響をする可能性があるのです。適宜な診断と正しい支援によって、認知症であってもよりよく生きることはできます」
5つのデザインの試作品が4月26日のデザイン委員会のイベントで発表される予定です。5の新しく革新的な解決策は、認知症の人の生活の質を改善し、認知症に優しい地域づくりの発展に寄与するでしょう。
homecare.co.uk 18-Apr-1012 Innovative designs to improve quality of life for people with dementia
編者:Design Councilがどのような組織がよく分からないが、国が進んで認知症の人のケアもモデルを公募しているようだ。

FDAが承認したアミロイド画像検査薬の倫理的課題(4月13日/アメリカ)
アルツハイマー病に関係するアミロイド斑を診断する画像検査薬は治療につながらないのです。
4月6日、アメリカ食品医薬品局FDAはアミヴィッドAmyvid (一般名:florbetapir)を画像検査薬として承認しました。これはアルツハイマー病に関係するアミロイド斑を生きた人で画像として観ることができ、アルツハイマー病の診断薬とされるものです。この薬剤は、放射線製薬企業アヴィッドAvidの創設者でCEOのダニエル・スコヴロンスキーDaniel Skovronsky氏(写真左1)とペンシルバニア大学医学部放射医学科Department of Radiology, University of Pennsylvaniaのハン・クンHank Kung教授(写真左2)によって開発されました。
FDAは、承認にあたって慎重に扱い使用を制限したうえで承認しました。すなわち、この薬剤を使った脳画像診断で陰性の結果がでればアルツハイマー病ではないとし、陽性の結果が出た場合でもアミロイド班は確かにあるがアルツハイマー病と確定診断されるものではないとされます。
ペンシルバニア大学医学部アルツハイマー病センターAlzheimer's Disease Center メモリーセンターの臨床医ジェイソン・カーラウイッシュJason Karlawish准教授(写真左3)はこの見解に同意して次のように述べています。
「私だと少なくとも認知機能障害が数カ月続く人―持っているものを見つけにくくなった人など―で、この薬剤を使うでしょう。アルツハイマー病を直接に診断するためには使いません」
さらに准教授は、初期アルツハイマー病の発症の確認にアミロイド画像検査をもっと積極的に使うかどうかについて次のように述べています。
「アミロイド斑がアルツハイマー病の原因するアミロイド説を強化する多くの証拠を待っています。今後2年から5年以内に、アミロイド説が有意義な説となるかもしれません」
しかし同じペンシルバニア大学放射線医学科の研究者ベイバック・サブーリイBabak Saboury氏は、アミヴィッドに反対する批判的な論評の共同執筆者で、FDAが承認した画像化物質を認めたことはアミロイド説を不当に重要視していると心配し「FDAの承認は合法化が目的なのだ」と述べています。
一度、薬剤が承認されるとその背景の考え方に挑戦することはとても難しくなるのです。
これについてクン教授は「このためにFDAが承認するまでに長い時間がかったのです。かれらは承認をとても慎重に扱い、一つ一つの言葉に苦悶していた」と述べています。
倫理的問題
画像化薬剤を市場に出すことで関係者に倫理的課題が浮かび上ってきます。例えば批判する人は、その薬剤が現在よりもっと人々を傷つけることになるかもしれないのです。
さらにサブーリイ氏は次のように述べています。
「アミロイド斑を取り除く薬はないので、その薬剤を急いで市場に出すべきではありません。アルツハイマー病が治癒も治療もできないとき、被験者が発病のリスクがあることを知ることがどれだけ役立つのでしょう、また発病の危険性を知ることは辛いことでしょう。医師がアミヴィッドを使うかどうかを決める時、こうしたことを考慮しなければなりません」
こうしたことを例外的ですが心配する理由はドイツで研究に参加したある婦人が、アミロイド斑の陽性反応が出たことを知って自殺したのです。もっとも多くの場合、臨床試験に参加した人たちには対処できていました。
またカーラウイッシュ准教授は「いくつか医師グループは、この薬剤の適切な使い方の指針を作る作業を現在進めている」と話しています。
この画像化薬剤が流通することで抗アミロイド薬の開発を早めることになるかもしれません。広く使われることでアミロイド斑を除去するという進歩がより多くの患者で確認が可能となるでしょう。
ペンシルバニア大学3年生のマティーン・モグベルMateen Moghbel氏は、アミヴィッドの批判論評を初めて書いた学生ですが、彼を心配することはこの薬剤がアルツハイマー病の診断に使うことができること、アルツハイマー病薬の価値が確認できるということに十分な証拠がないということです。現在、FDAは、こうした使い方を認めているわけではありません。
しかしながら承認が意図した結果が来るとは限らないのです。ペンシルバニ大学の放射線医学科のアバス・アラヴィAbass Alavi教授(写真左4)は次のように述べています。
「FDAの承認は、否定診断に関心があるだけですが、医師はアミヴィッドを使った検査で知りうる情報をすべて知ることができるでしょう。多くの人たちはこの薬剤を手に入れるいでしょうが、保険会社は支払わなく高価になります」
家族は画像化薬剤と将来利用できるかもしれない抗アミロイド薬が使うことに熱心になるでしょう。こうしたことでモグベル氏は、しっかりした基礎を得たいと望み、「薬剤が市場に出る前にもっと調べておくべきだ」と話しています。
クン教授は次のように忠告しています。
「研究は製薬企業の主導で進められます。研究費は高額でFDAの条件を満たすには何百万ドルも必要なのです。営利会社のみ薬剤を市場に出して患者に役立つような研究をする資金を持っています。私たちの研究所でアミロイド説の研究は難しいのです。理想的な状況下で、研究費を出してくれる人があれば研究します。しかし企業は、研究を納得させるだけの資産的動機で商品化する可能性が必要なのです」
クン教授は「市場に在る医師と患者が薬剤が役立つかどうかで決める」と話しています。
スコヴロンスキーCEOとクン教授のアヴィッドはアミロイド画像化薬剤を開発する競争で最も小さい会社です。類似の薬剤が、バイエルヘルスケアーBayer Healthcare、GEヘルスケアーGE Healthcare、アストラゼネカAstraZenecaで進められています。
クン教授は「これはアミヴィッドの勝利です。市場に最初に出た物が優位です」と話しています。今週、彼は、研究所のすべての人を祝福しチョコレートを送りました。
なおアミヴィッドは6月に市場出る予定です。
The Daily Pennsylvanian April 13, 2012 Alzheimers drug Amyvid raises ethical questions
編者:最近アメリカで初めて承認された脳のアミロイド斑を生体で画像化する薬剤についての議論だ。さまざまな問題や課題が提起され興味深い。いずれ日本でも使われることになるだろう。症状がない人がアルツハイマー病の診断のための画像検査としては勧められないが、本人が受けたいという場合、医師は拒めるのか。この種の検査でも遺伝診断と同様に検査前後の十分な説明やカウンセリングが欠かせない。

アルツハイマー病協会は認知症にやさしい地域を目指す(4月13日/台湾)
社会の高齢化に伴い退行性脳疾患の人が増えるため、台湾でも認知症にやさしい地域づくりが大切です。これは世界保健機関WHOが最近公表して報告書に応じたものです。
台湾アルツハイマー病協会Taiwan Alzheimer's Disease Associationの湯麗玉タン・リユTang Li-yu事務局長(写真左)は「台湾では、50年後には25人のうち1人が認知症と診断されるだろう」と話しています。
この驚くべき増加の割合は、今週初めWHOから公表された数値に近いものです。報告書では、2050年までに認知症の人の数が3倍になると推測しています。
認知症の人と家族に役だっている支援モデルを紹介するために開催された記者会見でタン事務局長は「だれにも起こりうる病気」と話しました。
ある推計によると、台湾では認知症の人は19万人以上です。ちなみに台湾の人口はおおよそ2300万人です。
こうした人たちへのサービスを向上させるために改善するために、タン氏と協会は、より多くのデイケアセンターが地域に作られるべきだと訴えています。
昨年、元大統領のチェン・シュイビアンChen Shui-bian氏は、台北にある彼の建物の一つを協会に月額2000台湾ドル(63US$)で貸し、それが認知症高齢者のセンターに改修されました。
センターの1階に5つの寝室があり認知症の人と家族が利用し、月々の利用料を負担します。
利用している女性は「センターのおかげで私の重荷が軽くなりました」と話し、彼女はヨガを楽しみ、88歳の夫はカラオケを歌っています。この女性は、週に1回、センターに通い、他の認知症の人や家族と交流し「私が楽しんでいるときに夫がいなくなることを心配する必要がないので、とても幸せ」と話しています。
focus taiwan 2012/04/13 Organization calls for dementia-friendly communities as cases rise
サイト内関連記事(1年ほど前の同じセンターを紹介した記事)
編者:タン氏は私の台湾の友人。彼女が中心となって来年、台北で開催される国際アルツハイマー病協会国際会議の準備を進めている。それにしても認知症の人と家族への社会的支援は台湾ではまだ整ってはいないようだ。認知症に優しい地域とは、デイケアセンターを設ければよいというものではなく、認知症の人と家族への理解の基づく包括的な支援体制が不可欠だ。関連情報:28th Conference of Alzheimer’s Disease International (ADI)

アルツハイマー病の7人に1人は一人暮らし(4月13日/アメリカ)
カリフォルニア・サンホセに住むアーサー・マックカフェリーArthur McCaffery氏は2年前にアルツハイマー病と診断されました。
彼は初めて「自分の変化を実感するまで病気を否定していましたが、仕事をしていたとき約束を忘れることがあり、電話がかかったことも忘れることがありました」と話しています。
マックカフェリー氏は子供がなく、近くに親しい家族もいません。これがアルツハイマー病の人の増加の状況です。
アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationが4月8日に公表した報告書によると、アツハイマー病の7人に1人が一人暮らしです。
アルツハイマー病協会北カリフォルニア支部Alzheimer's Association Northern California.のプログラム主任のエリザベス・エドガーリーElizabeth Edgerly氏(写真)は「彼らは転倒や外傷の危険が高く、利用できる医療を受ける能力を持っているとは限りません」と話しています。
問題は増えています。多くのアルツハイマー病の別の町や州に住む家族から離れて住んでいるからです。
ときどき子供たちは、親の病気で危機的に状態―請求の支払い忘れや受診の予約忘れ、転倒など―に至るまで気付かないのです。
マックカフェリー氏は、診断後、資産管理から受診予約まですべてのことで支援が必要と認識し「3,4年前の能力ではありません。介護付き住宅に移ることにしました。そこで必要な支援が得られ、自由は確保できる」と話しています。
ベビーブーマーが高齢になり、アルツハイマー病の人数は2050年までに3倍の1600万人になると予測されています。国の財政的な負担は相当なものです。
アルツハイマー病協会の報告書では、アルツハイマー病に関連した医療費だけでも今年2000億ドルを国が支払うことになるだろうと推計しています。
メディケアやメディケイドはそのうち400億ドルを支払うでしょう。
報告書は、経費が高い理由の一つが、アルツハイマー病の人は高齢期に日常的介護を必要とすると示唆しています。
もう一つの理由として、アルツハイマー病の人は糖尿病や心疾患のような重篤な慢性疾患を一つ以上持っていることが多く介護が込み入っていることとしています。
調査からさらに以下のような事実が明らかになりました。
○アメリカのアルツハイマー病の人は540万人
○ 高齢のアメリカ人の8人に1人がアルツハイマー病
○アルツハイマー病はアメリカ人の死因の第6位で、上位10位の死因のなかで防ぐことも、治すことも、遅くすることもできない唯一の疾患
○1500万人以上の人が無給の介護をしており、アルツハイマー病など認知症人について2100億ドルに相当する介護。
○ケアへの支払いは2012年でアメリカで2000億ドルになると推測。
nbc33tv. April 13, 2012 New study finds one in seven Alzheimer's patients live alone
報告書:2012 Facts and Figures Alzheimer’s disease facts and figures(4/8/2012)(pdf1.3MB)

アルツハイマー病治療の開発の現状(4月12日/アメリカ)
MDベッカーパートナー社MD Becker Partners LLCは、投資顧問会社管理と生命科学産業を中心とした企業戦略のコンサルタント会社ですが、「2012年:アルツハイマー病の薬剤開発の重要な年2012: A Pivotal Year for Alzheimer’s Disease Drug Development」と題する新しい報告書を閲覧できると発表しました。この会社の二人の代表社員のよって書かれた報告書は、臨床試験の候補とな製品およびアルツハイマー病の新しい治療法を開発する30以上の生命科学企業の概観を提示しています。
報告書の要点と結論は以下のとおりです。
○アルツハイマー病の無作為対照試験まで進んだ候補薬剤の多くはベータアミロイドを標的としたもので、報告書の重要な部分である。
○アルツハイマー病の進行を遅くしたり反転させるための研究や開発を進める第2標的はタウである。
○アルツハイマー病治療として期待される多くの物質のなかで重要なことが2012年に得られると期待される。このなかにはイーライリリーsolanezumabのソランズマブsolanezumab、ジョンソンアンドジョンソンJohnson & Johnson (JNJ)、ファイザーPfizer Inc. (PFE)およびエランElan Corporation plc (ELN)のバピネウズマブbapineuzumabおよびノシラ/グルッポゼルチア Noscira/Grupo Zeltiaのチデグルシブtideglusibの第3相試験が含まれている。
○追加的な臨床試験から得られた肯定的な結果、アルツハイマー病の発見や監視の新しい方法の導入、およびアルツハイマー病の原因や生物学の理解の進歩によってこの分野への関心や投資が増える。
○最近の進歩という視点から、アルツハイマー病の治療の成功は今年の初め頃、起こると結論づける。
marketwatch April 12, 2012 MD Becker Partners Releases White Paper: “2012: A Pivotal Year for Alzheimer’s Disease Drug Development”
関連情報:“2012: A Pivotal Year for Alzheimer’s Disease Drug Development.”(要約版)(pdf2.7MB)
編者:楽観的な報告書だ。予測したようには革新的に治療法が今年の始めに起こっていないようだ。なおアルツハイマー病治療候補訳のtideglusibはあまり知られていないが、代謝阻害剤の一種である。

「認知症は公衆保健優先策 WHOとADIがリポートで呼び掛け」(4月11日/共同通信PRワイヤー)
【ジュネーブ11日PRN=共同JBN】世界保健機関(WHO)と国際アルツハイマー病協会(ADI)が11日公表したリポートは、認知症を世界の公衆保健優先策にするよう各国政府および政策決定者に呼び掛けている。この新しいリポートは、世界的な認知症の影響に関する権威ある総括である。世界的に実施された価値ある最高の活動と実践的ケーススタディーに加えて、同リポートは中・低所得諸国の得難い統計数値など包括的なデータ収集を含み、従って認知症こそまさに世界的問題であることを劇的に強調している。
「認知症:公衆保健優先策"Dementia: A Public Health Priority"」と題するリポートを準備するため、WHOおよびADIはロンドン大学精神医学研究所およびインド脳神経化学研究所の研究者を中心とする4つの専門家作業グループにリポート作成を委嘱した。
WHOの精神保健・物質乱用部門ディレクターのシェカール・サクセナShekhar Saxena博士(写真左上)は「WHOは認知症問題の規模と複雑さをよく知っており、認知症を重要な公衆保健優先策として見なすよう関係諸国に呼び掛ける。194のWHO加盟国の中で現在まで、わずかに8カ国が全国的な認知症計画を実施中、さらに数カ国が計画中である。われわれは他の諸国もこれに続くことを期待しており、このリポートが計画作りと実施の出発点として利用して欲しい」と語った。
ADIのマーク・ウォルトマンMarc Wortmann理事長(写真左中)は「認知症に罹った人々とその家族、コミュニティー、国民保健制度に与える衝撃的な影響によって、認知症は公衆保健危機であるとともに社会的、財政的な悪夢でもある。世界中で、認知症の新規患者が4秒に1人生まれている。われわれの当面の保健制度は、寿命が伸びていることから認知症危機の拡大に対処することができない。このリポートは認知症に罹った人々の生活とその看護者を改善するためなすべき多くのことを示している」と語った。
WHO/ADIリポートの公表は、世界的な公衆保健専門家ピーター・ピオットPeter Piot博士(写真左下)による熱心な行動呼び掛けに続くものである。同博士はUNAIDS(国連共同エイズ計画)の元事務局長でHIV/AIDSを間違いない死亡宣告から対処可能な病気に変えるため世界を導くよう支援した。ピオット博士は最近行った講演の中で、認知症特にアルツハイマー病を「時限爆弾」と表現して、世界的な高齢化人口の中で急速に増えていると述べた。ADIの調査研究によると、そして今回はWHOリポートでさらにその正当性が付与されたように、世界で認知症に罹って生活している人々の数は、2010年に3560万人と推計され、20年ごとにほぼ倍増して2030年には6570万人、2050年には1億1540万人に達するという。今日の認知症と1980年代のHIV/AIDSとの間の驚くべき相似を示していることについて、ピオット博士は世界が同様のレベルの緊急性と協調的リソースを持って認知症と取り組むべきだと訴えた。同博士は「世界が警鐘を必要とするならば、このグローバルな危機に対して行うべきである。われわれは少なくともHIV/AIDSに払った関心を持ってアルツハイマー病を治療する以上の選択肢はないと考える」と語った。
「認知症:公衆保健優先策"Dementia: A Public Health Priority"」は4月11日から以下のサイトでダウンロードすることができる。www.alz.co.uk/sites/default/files/WHO-dementia-a-public-health-priority.pdf(pdf2.7MB)
▽WHOおよびADIについて
世界保健機関(WHO)は国連システム(http://www.who.int/en/)内の健康に関する監督・調整機関である。
国際アルツハイマー病協会(ADI)は、それぞれの国で認知症に罹った人々とその家族を支援しているアルツハイマー病団体の世界的連盟組織である。詳細はhttp://www.alz.co.ukを参照。(了)
共同通信PRワイヤー 2012年4月11日 原文のまま
編者:編者は介護者に関する第4作業部会の委員として参画した。

認知症介護チャンピオンが活動開始(4月10日/イギリス)
いわゆる「認知症介護チャンピオンdementia care champion」の最初100人が 、スコットランドで行動を始め、認知症介護の標準を改善するでしょう。
病院の第一線の医療職から選ばれた人たちは、ウエストスコットランド大学University of the West of Scotlandとスコットランドアルツハイマー病協会Alzheimer Scotlandの研修を受けました。
スコットランド政府Scottish Governmentは、すでに認知症国家戦略National Dementia Strategyの一環として、2013年までに300人のチャンピオンを選択し研修を行う計画を立ち上げていました。認知症チャンピオンは、この戦略の啓発を促し、よりよい介護の標準を高めます。認知症介護を専門とするスコットランドアルツハイマー病協会の看護師が、スコットランド全域の保健部署に採用されてきました。
他方、スコットランド政府のニコラ・スタージョン保健省長官Health Secretary Nicola Sturgeon(写真左上)は、次のように述べています。
「2013年に向けて、国による診断後の支援の目標を導入し、認知症と診断された人がその後に必要とする支援を受けられるようにします。
スタージョン氏は言います。介護施設や病院ではあらゆる状態にあるすべての高齢者に最善の介護を提供することが私の個人的な最優先課題です。現在、スコットランドに8万2000人ほどの認知症の人がいると推計していますが、その人数は今後25年間で2倍になると予測しています。国民保健サービスNHSと地方当局は認知症の人と家族の尊厳と自立と希望に応えられるようなレベルのケアが必要なことを理解しよく整備しなければなりません」
スコットランドアルツハイマー病協会のヘンリー・サイモンズHenry Simmons事務局長(写真左中)は次のように述べています。
「スコットランドは、認知症の重要な課題の一つに直面してうまくやってきました。それは認知症の人を前向きになるように励まし早期診断が受けられるようにしたので。最近の統計を比較して、イングラン・ウエーズよりすぐれた方法を示してきました。認知症と診断を受けた人々とその家族のための1年間、診断後の支援を保証する国の関わりは完璧な方法です」
保守党の保健担当スポークスマンのジャクソン・カーローJackson Carlaw氏(写真左下)は次にように述べています。
「認知症はスコットランドとNHSに直面する唯一最大の課題の一つです。新しい認知症チャンピオンにおおいに期待しています。認知症が治るという予測ができないなか、かり高齢まで生きる人たちが増えるなかで、NHSで対処できると単純には言えません。私たちは進んで改革し、今後伸びる独立した部署と共に作業を進める必要があります」
Press Association. 10/04/2012 Dementia care champions begin work
サイト内関連記事
編者:認知症ケアについてはスコットランドの方がイングランドより進んでいるようだ。

高齢者ケア制度は認知症の人に適さない(4月9日/オーストラリア)
オーストラリア連邦政府の委託を受けたオーストラリアアルツハイマー病協会Alzheimer's Australiaの新しい報告書は、高齢者、家族、介護者のおおかたの見方が高齢者ケア制度が認知症の人に適していないと指摘しています。
全国的な聞き取り調査から、認知症の人が認知症の各段階での欠点―初期診断を受けることの難しさから不適切な介護や施設まで―への不満が明かされました。
保健高齢者省Department of Health and Ageingから委託された報告書は、消費者が自分たちに必要なサービスを得ることができないこと不満を抱き、利用できてもサービスに柔軟性がなく質が低い感じることが多いことも指摘しています。
適切なサービスを利用することの難しさは、認知症の行動・心理症状が重い認知症の人や若年期認知症の人について顕著であると指摘しています。
精神保健高齢者担当マーク・バトラー大臣Mental Health and Ageing Minister Mark Butler(写真)は次のように述べています。
「認知症の人を介護する家族が感じている実際の苦悩や不満を指摘したこの報告は正しい理解に役立ちます。高齢者のおおかたの見方は、単純にいって高齢者ケア制度が認知症の人と家族の必要性に応えてないということです。高齢者にとって、認知症に特異的なケアとは閉鎖的な施設とみています。家族は、認知症の人とできるだけ長く在宅で暮らすことを望んでいますが、在宅生活を可能にする適切な支援を現在の制度が提供していません」
地域統合ケアCommunity care packageは、不適切であり柔軟性もありません。利用するまでの長い待機期間、費用の不透明性、人為的障壁のため家族が混乱することが多いのです。
さらに大臣は「会議での意見から高齢者や家族は認知症のすべての面について適切に研修を受け、それにふさわしい賃金を受けとる高齢者介護職を希望している」と述べています。
報告書は、生産性委員会Productivity Commissionの見解をまとめた「オーストラリア高齢者ケアCaring for Older Australians」に基づき諮問され、オンラインでの調査と約1000人が参加した全国16カ所で会議内容が含むものです。
この報告書は、生産性委員会が地域(特に休息ケア)、施設および広範囲な保健制度での認知症ケアにおいて高齢者ケアに関わる問題を過小評価していると指摘しています。
認知症は、オーストラリア人が直面する加齢に関係する最大の病気であり、毎週1600人が認知症と診断されています。革新的な研究がないままだと、認知症の発病率は次の20年間で2倍になると推測されています。
The Australian April 09, 2012  Aged-care system fails dementia patients
編者:報告書がネットで入手できなく詳細不明であり、分かりにくい記事ではあるが紹介した。

★新しい診断基準で「dementia」がなくなる(4月5日/アメリカ)
もし私がアルツハイマー病あるいは別の型のdementiaと診断されても、「dementiaになった(demented)」とか、「dementiaである」と言われたくありません。
dementiaは含みの多い言葉で、何百年の間、嫌なことを連想させる重い負担を強い、この病気をもって生きている人たちの本当の姿を誤解させてきました。グーグルでdementiaを検索すると、語源的にはラテン語のdeは「無」を、mentiaは「心」を意味する言葉mentからものもあでdementiaは「気が狂った」を意味することをすぐ知ることになります。同様に、現在でもdementedは、「気違い」「狂った」「ばか」といった言葉と同義語なのです。現在、アメリカでは540万の人がアルツハイマー型dementiaがいると推計されています。不当なことに多くの人たちが狂っていると見なれ、狂っていると呼ばれて、そのような人として扱われているのです。
近年、こうした状態をより穏やかに、より正確にラベルを付けるという試みは上手くいきませんでした。memoryケアは、dementiaケアにつながると公正なやり方ですが、これでdementiaに関連する広範囲な認知機能障害―注意、計画、決定、言語、構造的および視覚的感覚、社会的認識、学習、そして記憶―のすべてを含めることにはなりませんでした。さらに、その他の多くのdementia―血管性、前頭側頭型、レビー小体型など―では記憶障害が必ず現れるとは限りません。
アメリカ精神医学会American Psychiatric AssociationのDSM-5特別委員会の作業におかげで希望が見えてきました。これはDSMという手引きを改定するための選ばれた精神医学の専門家のグループです。「精神障害の診断と統計の手引きThe Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (DSM) 」は、医学、精神医学の専門家がアルツハイマー病などのdementiaを診断するときに使う参考書です。改定版ではdementiaに代わる新しい言葉"major neurocognitive disorder" (MNCD)(三宅仮訳:メジャー神経認知障害)に推奨されています。
DSM-5の特別委員会の見解は次のとおりです。
○言い換えられる用語では、以前の能力よりレベルから低下していることを基準とする。
○これまでのdementiaの基準は、アルツハイマー病を基として、すべての型のdementiaでは記憶障害を必須症状としました。しかし、HIV関連認知機能障害、脳血管障害、前頭側頭葉変性症、外傷性脳障害などの神経認知障害では、言語、実行機能などの症状が主症状で最初からある障害であり、また障害を受けた脳の部分や病気の自然経過によって症状はことなるとの認識が深まっています。
○新しい診断基準は、DSM全体の改定をあいまって、障害よりは残っている能力を重視します。
私はこれはよいと思います。神経科医の診察室を想像すると、医師は「メジャー神経認知障害」と診断するのです。医学専門職が、いずれはdementiaという言葉に含まれた軽蔑的で偏見のある言外の意味を認識することになると心強く思います。なおDSM-5は、2013年の5月に公表される予定です。
新しい手引きが新たに定着するには時間がかかるでしょう。医療の関わる保険会社、病院、老年科医、精神科医、神経科医、プライマリーケア医、看護師、ソーシャルワーカーなどに影響し、また困惑させるでしょう。
また一般の人たち―とりわけ家族―に対して、新しい言葉で放送しその意義を説明するメディアに取り上げ方が影響するでしょう。この新語は、在宅でのdementia介護の状況に伴うおそれを一部を取り去るには時間がかかるでしょう。
10年、20年後、私たちは、振り返って、dementiaというラベルを知らぬ間に貼っていたこが大変残忍な行為の一つのみなすことになるでしょう。
寄稿者マルゲリート・マントーラオトMarguerite Manteau-Rao氏(写真)は、臨床ソーシャルワーカーでPresence Care Projectの共同創始者である。
huffington post  04/ 5/2012 Will New DSM-5 Diagnosis End 'Dementia' Stigma?
サイト内関連記事
編者:認知症の診断基準として世界的に広く使われているアメリカ精神医学会のDSMは1994年に第4版の改定後、2000年、説明文を一部改定したDSM-IV-TR以降、改定されていない。来年DSM-5が公表される予定だが、認知症連は大幅に改定される予定だ。記事のとおりdemenitaという用語がなくなり、major neurocognitive disorder (なおminor neurocognitive disorderは軽度認知障害MCIとされるらしい)が提案されている。この改定は、dementiaが偏見、誤解を招くことが主たる理由ではなく、記憶障害を必須症状とはしないことなどによるらしい。我が国で痴呆を認知症に代えた言葉の変更に止まらず、心断基準まで変更することになるようだ。



★アルツハイマー病の妻とコラムニストの夫が心中(3月30日/アメリカ)

ニューヨークタイムズNew York Timesにアルツハイマー病の妻のことを最近、寄稿したペンシルバニア州のコラムニストが、妻を銃殺して自殺しました。家族は、深い献身からの行為であるとみています。
チャールス・スネリングCharles Snelling氏と妻のアドリーネAdrienne氏(ともに81歳)(写真左)の遺体が29日、自宅で発見されました。
家族は声明のなかで「父は母の人生を終わらせ、自分の人生も終わらせました。家族のだれにもとって本当にショックですが、これは父の深い献身と愛から行為であることを理解している」と述べています。
検死官は、チャールス氏は銃殺による自殺とみなしていますが、妻の剖検の結果については保留しています。
チャールス・スネリング氏は、地元の政治仲間では突出した人物で、NYTのコラムニストのダヴィッド・ブルークスDavid Brooks氏の要請にこ応えて、昨年の終わり、70歳以上の人が自分の人生で成し遂げたことや学んだことについて見直した随筆を書きました。
12月にNYTのサイトで紹介された随筆のなかでスネリング氏は、自分が成功し幸せな人生の転換点として、一目ぼれした若い女性が認知症の人なり介護することになった課題を複雑な思い出で振り返りました。
彼は次のように書いています。
「私たちが結婚し最初の年、夏が近づいて、妻に『どこに旅行にいく』と聞きました。すると彼女は『一体何の話をしているの』と答えたので、私は『この夏に旅をしないの』と聞くと、彼女は、『結婚したばかりのあなたは仕事を怠けるの』と言ったのです」
二人は、彼が幸運とよぶ人生で5人の子供を持ちました。かれは裕福でよい関係の家族の生まれでした。
しかし、6年前アルツハイマー病がやってきました。
さらに彼は次のように書いています。
「愛する妻を介護することが私の勤めであり私の喜びであるということはまったくありませんでした。結局のところ、妻は55年間、あらゆる方法で私の世話をしてきたのです」
空の家族は「チャールスとアドリーネはすばらしい両親であり祖父母でした。61年間の結婚生活で私たちに与えてくれた愛は完全なものでした」と話しています。
スネリング氏は、民間航空のパイロットであり、アレンタウンの市議会議長を4年間務め、さらに首都ワシントンの二つの空港を管理する機構の議長も務めました。
WSJ March 30, 2012 Man who wrote about Alzheimer's kills wife, self
関連情報:The Life Report: Charles Darwin Snelling (NYT December 7, 2011)
編者:81歳にして認知症の妻と心中した男性の記事であるが心中の理由が読めない。

ユーモア療法は認知症の人に役立つ(3月29日/ニュージーランド)
ニュージーランドで認知症の人は今後30年内に2倍になるでしょうが、新しい療法―ユーモア療法humour therapy―が認知症の人の状態を改善するかもしれません。
「道化師先生Clown doctor」のジーンポール・ベルJean-Paul Bell氏(写真左)は、ユーモア療法について今週のウエリントンでの高齢者サービスServices for Older Peopleで講演と実演を行います。
ベル氏は「ユーモア療法は、平均20%ほど認知症の人の興奮レベルを下げることが証明されている」と述べています。
彼は、オーストラリアでユーモア財団Humour Foundationを設立し、実践的な取り組みであるプレイアップPlay Upを始めました。身体で表現するコメディーがアフガニスタンの国境をどのように超えたかを示す2009年のドキュメンタリーの題材にもなりました。
身体を使ったコメディーは、ニュージーランドの病院の医療を補充するものとして実施されえきました。プレーアップのグループ―積極的な繋がりを強化するのに使われる―は言語機能を促進し、認知症の人が自分でユーモアを体現することをもたらしています。
今年の会議NZCCSS Services for Older People Conference
のテーマは、「一緒の前へ動く“Moving Forward Together”」です。ほかの演者らは、認知症ケアの文化を変える、認知症の霊的な特徴といったテーマで講演することになっています。
3news 29 MAR 2012 Humour therapy could aid dementia patients
サイト内関連記事
編者:認知症介護にユーモアや笑いを日常的に取り入れているが、認知症の専門的なユーモア療法を行う人は知らない。

忍び寄る認知症危機に行動の時(3月29日/オーストラリア)
認知症が急増するなかで、自分が受ける医療、ターミナルケア、財産管理ができなくなった時のため、もっとオーストラリア人は急いでその計画を立てる必要があります。
オーストラリア人のわずか55%しか遺言書を持っていません。さらに介護、後見人、法定代理に関する法的に有効な意思表示を書いている人はわずかです。
オーストラリアのアルツハイマー病協会Alzheimer's Australiaの報告書は、こうした個々時の計画を促すため連邦政府に全国的な啓発運動を要請しています。
さらに報告書は、一般医師GPが、患者とくに初期の認知症の人に対して重要な役割を担い、本人が意思表示ができる能力を持っている間に、準備することの重要性の情報を提供しながら、支援することも要請しています。
協会は、こうしたことを調整することによってナーシングホームの入居や在宅高齢者ケアを利用する条件が整うことを期待しています。
協会NSW支部の事務局長のジョン・ワトキンスJohn Watkins氏(写真左)は「これは国民が一般的に話したい話題ではありません。しかし多くの人は避けたい話題のため遅れてしまうということを知っている」と話しています。
報告書は、オーストラリアでのしのびよる認知症の流行を明らかにし、認知症の人数は現在の28万人から2050年までに94万3000人増えると推計しています。この増加の割合は地域によってことなります。
介護者、認知症の人、サービス提供者からの聞き取りによると、こうした人たちが将来計画を立てることの価値を理解していないうえに、こうした情報がどこで得られるかも知らないし、GPなどの医療専門職からは支援が得られていないことも明らかになりました。
こうしたワトキン氏は「この課題は、認知症の人だけのことではありません。私たちが終末期について考え始めると、こうした計画を作ることにとても真剣になる」と述べています。
さらに報告書は、GPが新しい医療保険制度Medical Benefits Schemeの給付項目を活用して将来の医療計画を立てることについて患者が支援することも勧告しています。
smh.com.au March 29, 2012 Time to act as dementia crisis looms, says reportおよびThe Australian March 29, 2012 Dementia rates set to triple
編者:紹介されている報告書がネットで見つからないが、日本ではあまり議論されない課題として記事を紹介した。

「増える自殺ほう助 2009年は約300件に」(3月29日/swissinfo.ch)
2009年、スイスでは300人近くが自殺ほう助を依頼した。過去12年間、自殺ほう助の件数は増加する一方だ。依頼者のほとんどは55歳以上。半数近くががんを患っていた。
これらは連邦統計局(BFS/OFS)が3月27日に初めて発表した、1998年から2009年までの自殺ほう助に関する統計の結果だ。
自殺ほう助の件数は1998年には50件以下だったのが、2007年と2008年には約250件に、また2009年には300件近くまで増加。2009年は、死亡数1000件につき4.8件が自殺ほう助による死亡だった。
初期に自殺ほう助を依頼したのは男性より女性の方がいくらか多く、2001年以降その傾向が顕著化した。スイスでは、判断力があれば年齢に関係なく自殺ほう助を受けることができるが、これまででは55歳以上が9割を占めている。35歳以下はわずか1%に過ぎない。
自殺ほう助を受けられるのはもはや生き続ける意味がないと見受けられる人で、重病を患っている場合が主だ。統計によると、依頼者の44%が生前がんを患っていた。パーキンソン病や認知症などの神経変性疾患を理由に挙げた人も14%に上る。うつ病は3%だった。
州による違い
1998年から2009年までの平均では、死亡件数1000件当たり3件が自殺ほう助によるものだ。州別に見て最も多かったのはチューリヒ州で5.6件、次にジュネーブ州の4.4件が続く。アッペンツェル・アウサーローデン準州、ヴォー州、バーゼル・シュタット準州およびシャフハウゼン州も平均を上回った。
自殺ほう助の件数が増加する一方で、自殺そのものの数は減少傾向にある。1980年代半ばには年間1600人以上の自殺者が出たが、2009年には1105人に減少した。2009年は自殺4件につき1件が自殺ほう助によるものだった。
スイスにはエグジット(Exit)やディグニタス(Dignitas)などの自殺ほう助団体があり、利己的な理由によらない限り、自殺のほう助を行っている。両団体の報告によると、2010年には合わせて354件の自殺ほう助を行った。
エグジットの副社長ベルンハルト・ズッター氏は、スイス国営テレビ・ドイツ語放送SF1のニュース番組の中で次のように増加の理由を語った。「スイスの人口は増加し、寿命も延びる一方。そんな中で重病を患う人も多い。また、エグジットの知名度も上がり、数年前に比べると社会の許容度も上がった。そのため会員数が増え、それと同時に会員が病気になる確率も上がったということだろう」
国際比較は困難
自殺ほう助の国際比較の材料は少ない。ベルギーで報告されている自殺ほう助(延命措置の中止を含む)件数は、2002年に法的基盤を整えて以来増加を続け、2009年には死亡件数1000につき7.9件となっている。
オランダでも延命措置の中止を含む自殺ほう助の報告が義務付けられているが、2010年の自殺ほう助は1000件につき2.3件にとどまっている。
swissinfo.ch 2012年3月30日 原文のまま
関連情報:Assisted suicide in Switzerland 1998–2009 BFS/OFS 27.03.2012

認知症介護のため増税賛成が多数(3月29日/アメリカ)
アルツハイマー病の人の介護など長期の介護に必要なとき、どのように負担するか知っていますかい?
ほとんどのミネソタ州の人は、日常生活―食事、入浴、服の着脱など―を支えるためのサービスにどのように負担するかを考えてもいません。さらに介護を積極的に続けるための計画も持っていないのです。
ミネソタ州の人の多く(52%)は、生活支援のサービスをどのように負担するかの計画を持っていません。介護関係の団体である「Long-Term Care Imperative (LTCI)Aging Services of MinnesotaCare Providers of Minnesotaの連合―」が新たに行った調査の結果は図のとおりです。
1965年、メディケイド Medicaid―連邦と州の制度で貧困の高齢者に限定した介護費用の給付―が発足しましたが、当時、アルツハイマー病は医学雑誌に限定された用語でした。現在、10万人のミネソタ州の人がアルツハイマー病です。ミネソタ州議会Minnesota State Legislatureのためにミネソタ州高齢者委員会Minnesota Board on Agingが作成した報告書Preparing Minnesota for Alzheimer’s Reportによると、治療方法がないと2050年までにアルツハイマー病の人は25万人になりその費用は200億ドルを推計されています。
ミネソタ州の人が、わずかな望みに託したり自分を貧しないで、適切なサービスと、適切な時に、適切な場所で受けられる新しい方法を創設する時です。
図の説明:
10%:民間介護保険の加入者
52%:介護が必要なときの準備がない
39%:介護計画を持たない
52%:介護利用は高齢者の権利と思う
38%:介護利用は特典と思う
52%:現在または過去に介護者であった
68%:介護者の手当の増額に賛成
85%:在宅および地域での介護の資金増額に賛成
77%:ナーシングホームの質の向上の基金の増額に賛成
75%:介護負担のため生命保険の現金化に賛成
73%:民間介護保険を企業が提供することに賛成
64%:介護サービスの改善のための税金増額に賛成
寄稿者:エリック・シュバートEric Schubert氏(写真)は、ミネアポリスを拠点とする先駆的な非営利の高齢者住宅と高齢者サービスを提供するエクメンEcumenの副会長。
startribune  March 29, 2012 Would You Support Increased Taxes to Pay for Your Alzheimer’s Care?
編者:公的介護保険制度がないアメリカの現実をミネソタ州の記事を例に紹介した。

キャメロン首相「認知症の啓発、ケア、研究の予算を大幅増額」と声明(3月26日/イギリス)
認知症の研究への特別な資金は、イギリスのケアにおける国家的危機に取り組む政府の中核的公約となります。
デーヴィッド・キャメロンDavid Cameron首相(写真左上)は、イギリスを認知症ケアの分野で世界的指導者になることを見たい、と述べました。
ケアの関わる活動家らに幅広く歓迎されたこの政府の動きのなかで、首相は、研究費を2015年までに6600万ドルに倍増すると約束しました。また首相は、認知症の診断と啓発が改善されることも期待しています。
イギリスでは約80万の認知症の人がいると、また社会的費用は230億ポンドと推計されています。今後10年間で、認知症の人は100万人になるとも推測されています。
キャメロン首相は次のように述べました。
「私たちの時代の最大の課題の一つは、静かな危機と呼び、こっそりと生活を破壊し家族を引き裂く認知症ですが、その影響の大きさのわりに、ほとんど認識されていません。認知症はほんとうに恐ろしい病気です。これに国家が対応してこなかったことは恥ずべきことです。認知症の診断、理解、啓発の程度はとても低く、社会全体でないかのように扱ってきました。これは国家的危機として扱うべきです」
この問題に対処するため首相は、一連の対策に着手しました。その一部は既に発表されていますが、今後さらに明らかにされるでしょう。
このなかには研究費の増額、20カ所での「認知症にやさしい地域dementia-friendly communities」―個人、企業、国が連携して認知症の人を支える地域―づくりの推進も含まれます。
保健省Department of Healthは、この秋に一般向けの啓発活動を始め、病院で認知症であるかどうかを調べられるような資金的裏付けも行うでしょう。現在は、公的に診断を受けた認知症の人は10人に4です。
さらに首相は「この施策でイギリスが認知症研究で世界の指導者になるでしょう」とも述べています。
「イギリスアルツハイマー病研究Alzheimer's Research UK」は、今回の施策は認知症を抑える戦いの転機となると報じています。
またイギリスのアルツハイマー病協会Alzheimer's Societyのジェレミー・ハーゲスJeremy Hughes事務局長(写真左中)は「ケアの向上へのこれまでにない進歩だ」とも述べています。
地方政府協会Local Government Associationの地域委員会のデーヴィッド・ロジジャーズDavid Rogers議長(写真左中)は次のように述べています。
「高齢者へより公正で簡単に支援するように、また社会の最も弱い者が必要とすることに応えるように速やかに行動を起こす必要があります」
BBC 26 March 2012 Dementia: PM promises push to tackle 'national crisis'
編者:イギリスもいよいよ動き出したようだ。アメリカも動き始めた。日本はどうか。まずは関係者、国会議員、政府による「認知症国家戦略会議」を提案したい。

中国でアルツハイマー病の人が増える(3月18日/アメリカ)
中国の公衆保健の進歩によって寿命が著しく延びました。平均寿命が1995年に60歳以下でしたが、現在は74歳です。しかし、こうした改善によって60歳以上の高齢者の数が増え、この年代でいろいろな認知症、とくにアルツハイマー病が多くなるのです。
アルツハイマー病は、最も多いタイプの認知症ですが、そのほか血管性認知症やレビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などの認知症もあります。それらは進行性で、記憶、思考、行動、日常生活の活動能力の低下を伴います。65歳未満でこうした病気が始まることもありますが、65歳以降では発病する可能性は5歳ごとに約2倍に多くなり、個人的にも経済的にも社会的にも相当の費用が必要となります。
世界アルツハイマーデー報告書2009 World Alzheimer’s Report 2009(pdf1.9M)によると、国際アルツハイマー病協会Alzheimer’s Disease International (ADI)は、世界中で認知症の人は3560万人と推計しています。この数は20年ごとに2倍になり、2030年には6600万人、2050年には1億1500万人になると推測されています。またこの報告書によると、現在、中国にはアルツハイマー病の人が530万人います。この数からしてアルツハイマー病など認知症が21世紀の重要な保健および経済的危機の要因の一つなのです。
各国においても認知症の経済的影響については十分に認識されはいません。ADIの統計によると、世界中の認知症に伴う総費用は2010年で6040億アメリカドルと推計されています。また、認知症が一つの国としたら、世界で18番目に大きい経済規模となり、これはトルコとインドネシアの間に位置します。その費用は、今後50年間で急増し、ADIは2030年までにその時点での認知症の人の推計数から費用は85%の増加を推測しています。
「中国アルツハイマー病プロジェクトChina’s Alzheimer’s Project (CAP)」は、都市部の認知症の人の75%は適切な時期に診断を受けていないと推計しています。農村部で診断を受けていない割合はさらに高いでしょう。この病気についての認識が高まっているにもかかわらずこうした状況があるのです。
中国では、国内に約700の病院ありますが、このうち唯一で最高に質が高い病院が、アルツハイマー病の総合的な診断と治療を行うことができるようになりました。CAPによると、このアルツハイマー病を扱った経験のある医師は全国で約1000人です。さらにCAPは、中国で1000万人ほどの高齢者を介護する人が不足していると推計しています。
いくつかの状況のためにこの病気を扱う急速な進歩が妨害されています。このなかには、大衆の保健教育のレベルが低いことがあり、アルツハイマー病の予防に向けた国家的な大衆の健康研究プロジェクトがないことがあります。しかしCAPは、多くの地方政府はアルツハイマー病の人の介護施設の立ちあげるために努力していると指摘しています。
医療へのアクセスとその利用は深刻な状況にあります。とくに農村部では、さらに認知症の人を家族―多くの家族がよりよい経済的状態を求めて都市部へ移動―が介護しなくなっているという問題があります。都市部の住人にとってはアクセスはよいといても、病気や障害を持つものは都市社会で最貧グループになるのです。
現在、中国政府は大衆に認知症教育を行っており、また上海などの大都会では認知症の人を介護する新しい施設を建設する計画を進めています。しかし、認知症の介護に関わる深刻な問題があり、国は不十分な社会的支援を改善していません。
最大の課題は、専門的介護を誰が担うのかということです。とくに1990年代に中国政府は、国による経済的支援制度を無くしたのです。国民にとっての社会的セイフティーネットが脆弱であり、民間保険では認知症の人の検査や特別な介護については給付外としています。
ADIは、すべての国が認知症国家戦略を持つべきであり、早期診断と早期介入を勧告しています。同時に、プリマリーケアが受け入れる量を増やし、認知症の仮診断が行える基本診察能力を保持し、当面の管理が行えるように向上させることを勧告しています。
この病気による影響を考えると、アルツハイマー病など認知症が、全般的に、個人、家族、社会に関わる緊急な要求を行うべきであり、これに応える新しくて革新的な方法が求めら得ているのです。中国は最も高齢化が早い国のひとつですが、いろいろな認知症の人の数は確実に増えます。この課題に早い時期に直面すればするほど、中国社会が、よりよく、より支援的な社会になることでしょう。
寄稿者のシーザー・ケララCesar Chelala医師(写真)は、国際的な大衆健康に関するコンサルタントです。
Women's International Perspective March 18, 2012 China Faces Increasing Numbers of Alzheimer’s Patients
編者:ケララ医師が指摘するように、認知症が急増しているにもかかわらず中国政府は政策も方針も示さないという深刻な状況がある。これを部分的に補完するものとして民間団体のChina’s Alzheimer’s Projectがあることを初めて知った。国際アルツハイマー病協会に加盟する中国アルツハイマー病協会とは無関係のようだ。なお今年の秋、北京で国際アルツハイマー病協会アジア太平洋地区会議が開催される。

「高齢ドライバー 家庭医による運転適性の評価では認知機能の検査が鍵」(3月15日/メディカルトリビューン)
〔独フランクフルト〕ドイツでは,普通運転免許に定期更新制度はなく,高齢になっても講習や試験を受けることなく運転を続けることができる。しかし,その一方で高齢ドライバーによる事故が多いことが問題となっている。そのため,高齢ドライバーの免許更新に特別な規定を設けることが検討されているが,高齢者への差別になりうると反対する意見も出ており,議論が続けられている。このような状況の中,家庭医が高齢ドライバーの運転適性評価を行う場面が増えている。聖エリザベス病院(ヴェルベルト)老人医療科のIngo Fusgen教授(写真左上)らは,第34回認知症の未来フォーラムのワークショップで「運転適性は認知機能に依存するため,高齢者では認知症の検査が重要である」と述べ,有効な運転適性検査法について紹介した。
全事故の4分の1は服薬による運転能力低下が原因
Fusgen教授は「高齢者は運転を制約されると,自主性が侵害されているように感じるようだ」と説明している。しかし,隣国のフランスでは60歳以上の高齢者は2年ごと,76歳以上では毎年,運転免許の更新を申請しなければならず,そのほかの国でもずいぶん前から高齢ドライバーを対象とした免許更新制度があり,更新時には運転適性検査が実施される。
高齢者は,視力,聴力,反応力の低下など自然な老化過程により,安全に運転する能力が損なわれている可能性がある。ドイツでは,70?85歳の高齢者の77%が2種類以上の慢性疾患に罹患しているが,こうした患者の交通事故のリスクは健康人の2.6倍に上るとされている。
そのほか,服薬により運転能力が低下して事故を起こすケースも多く,全事故の25%を占める。オピオイドにより疼痛が軽減され,再び運転できるようになるなど,薬剤が運転にもたらす利点はあるものの,休薬期や用量変更時に事故を起こすリスクも指摘されている。
1?2年ごとに認知機能検査を
ドイツでは,自らの運転適性に注意を払うよう求められているが,これは認知機能が正常であることが前提となっており,認知症であれば実現できない。そのため,F?sgen教授は「交通事故防止のためにも,高齢ドライバーの認知機能低下を早期に発見する必要があり,1?2年ごとに認知機能検査を行うべきである」と指摘。診断法として, Mini Mental State Examination(MMSE)や時計描画検査が適しており,両検査を併用したスクリーニングの感度は80%,特異度は90%であると強調した。
認知症患者の運転適性に関する3件の先行研究によると,患者の認知症タイプや病期により結果に違いはあるものの,いずれの研究でも,認知症でない者より認知症患者の方が走行テストの成績が低かった。ただし,アガプレシオン・フランクフルター・ディアコニークリニック(フランクフルト)内科・高齢者科のRupert Pullen博士は「このことが必ずしも交通事故の増加につながるわけではない」と指摘。「認知症患者による交通事故件数の増加が認められた研究は1件のみで,その研究でも発症後3年以内の患者で交通事故リスクがわずかに上昇したにすぎなかった」と説明した。
軽度の認知症では運転可能か判定困難
認知症ガイドラインは,軽度の認知症の場合,運転が可能か否かを明確に判定することはできないとしている。精神測定検査は認知機能障害の客観化には有用であるが,その結果と運転能力との相関は低く,MMSEとの相関係数は0.4?0.6にすぎない。臨床的認知症尺度(Clinical dementia rating;CDR)の方が信頼性は高いが,検査に30?45分かかるため,診療所での実施には向かない。
一方,患者自身とその家族に対して患者の認知機能や運転状況に関する簡単な質問を行う「リスクドライバー」という検査法が有用であることが証明されている。これにより,患者の運転能力を簡便かつ迅速に評価できる。
そのほか,ドイツ自動車連盟(ADAC)も高齢ドライバーのために運転適性検査を実施している。同検査では,ドライバーは教官の同乗の下,テスト走行を行い,教官と結果について話し合う。その際,教官は座る位置や複雑な交通状況での対応など安全運転のためのアドバイスを行い,テスト走行で重大な危機的状況が生じた場合には,そのことを率直に伝え,必要に応じて医師による検査を依頼する。ただし,この検査は医療心理学的検査(MPU)の簡易版ではないし,運転適性に関する判定書も発行されない。また,そのときの運転状況に対する評価でしかないことを念頭に置く必要がある。
これに対し,中等度?重度の認知症の場合は安全運転が保証されない。医師はこれについて患者に十分に説明する義務があるが,従う患者は少ないようだ。例えば,ある研究によると,車を運転しないよう注意を受けた失神経験のある認知症患者104人のうち95人はその後も運転を続け,運転を中止したのはわずか9人であったという。
そこで,T?Vヘッセン(フランクフルト)の主任医であるHannelore Hoffmann-Born博士(写真左下)は,T?Vヘッセンが提供している「KONDIAG」というプログラムを利用することを勧めた。同プログラムでは,交通医学と交通心理学を専門とし,守秘義務が課された中立的立場の医師が運転適性を評価して判定書を作成,要望があれば,安全運転のためのアドバイスを行う。患者自身はもちろん,家族や医師も患者の運転適性をより正確に把握することができ,判定書は証明にもなる。
説明書へ署名得るのを忘れずに
ボーフムの弁護士であるBarbel Schonhof氏は法的な立場から,医師に向け「認知症患者に対し,運転するのはふさわしくないと判断した時点でそのことを患者に十分説明し,その旨を記載した書類に患者の署名(場合によっては,患者の家族の署名も)を得るべきである。そうしなければ,損害が発生した場合に医師が賠償請求を受けることがある」と説明。また,患者が運転をやめることを拒否した場合は,公共の安全が優先され,医師の守秘義務は解除されることも指摘した。

では,認知症患者が運転をやめることを拒否している場合,家族はどのように対処すればよいのだろうか。シュツットガルト・アルツハイマーコンサルティングの臨床心理士であるG?nther Schwarz氏は「医師や臨床心理士による的確なアドバイスが大きな助けとなる」と強調。しかし,それでも運転をやめない場合は(1)自動車の鍵を隠す(2)自動車を目の届かない場所に駐車する(3)バッテリーを外すなど自動車を運転できないように操作する(4)自動車登録を解除する?といった対処も必要としている。ただし,Pullen博士は「老人医療の観点からは,患者の自立性と可動性をできる限り維持することが最も高い目標であることに変わりはない」と述べた。
MTpro 2012年3月17日 原文のまま
サイト内関連記事

★UCLAは認知症の人と家族への革新的なケアを始める(3月14日/アメリカ)
アメリカ人の540万はアルツハイマー病です。カリフォルニア州では約48万人です。85歳以上のおおよそ半分がこの病気です。認知症の負担は全体的に重く、認知症の60~80%がアルツハイマー病です。
痛みを伴うこの病気は、家族、友人、介護者に重く影響を与えています。医療は優れたサービスを提供し、地域的な組織は支援をしていますがが、認知症の人と周囲の人の人たちの健康に応じる総合的なサービスが提供されていないのです。
家族は、適切な介護やサービスを見つけられないことが多く、見つけたとしても複雑なサービスを利用するように導いてくれる人がほとんどいないのです。
UCLAの老年科のダヴィット・ルーベンDavid Reuben科長(写真左1)は次のように述べています。
「UCLAには、既に一流の老年科、神経科、精神科、プライマリーケア科があります。しかし、総合的で連携したケアがありません。その結果、UCLAが認知症の人と家族に十分には応えられていないのが現状です」
こうしたニーズに応えるためにUCLAは、新たに「UCLAアルツハイマー病・認知症ケアUCLA Alzheimer's and Dementia Care」というプログラムを立ち上げます。これは、認知症の人と家族のために総合的で連携ある介護、社会資源、支援を提供するものです。
元大統領のロナルド・レーガンRonald ReaganとナンシーNancy 夫人の娘であるパッティ・デイヴィスPatti Davis氏(写真左2)は、アルツハイマー病との戦いを長く擁護し、、今回のプログラムの主要なメンバーとなるでしょう。
ナンシー夫人は次のように述べています。
「1994年にレーガン大統領がアルツハイマー病と診断されたとき、この病気はほとんど知られませんでした。アルツハイマー病の人も家族も暗闇に置かれ、何を期待して、病気の被害にどう対処してよいか分かりませんでした。人々がアルツハイマー病の家族について語ることはほとんどなく、秘密にしなければならないことのようでした。さらに学ぶ場所もなく、誰も話してくれないし、気持ちを共有する人たちもいませんでした。一人ぼっちで怖かったのです。多くの人たちにとって孤独な一時でした。このため新しいプログラムが在ることがとてもうれしいのです。パッティがこのプログラムjの一端を担っていることをとてもうれしいし、誇りに思います。多くの人たちを助けるに間違いありません」
全国の医療センターのモデルとして役立つこのプログラムは、ロナルドレーガンUCLA医療センターRonald Reagan UCLA Medical Center、UCLA医学部UCLA Department of Medicineの老年学科、UCLA精神医学行動科学部UCLA Department of Psychiatry and Biobehavioral Sciencesの老年精神学科、UCLAのダヴィッド・ゲフェン医学部David Geffen School of Medicineおよびある一人の寛大な寄付者によって支援されています。
デイヴィス氏は、UCLA老年精神医学科UCLA Division of Geriatric Psychiatryの老年心理学科のリンダ・アーコリLinda Ercoli科長(写真左3)と共に、アルツハイマー病の人の家族のための支援グループを指導することになるでしょう。
デイヴィス科長は次のように述べています。
「私の家族もひろく注目をあびながら父と10年間過ごしたので、これは親しみある役割です。支援グループのプログラムは、アルツハイマー病の人の家族に起こる孤独や恐怖を軽減するために多くのことを行うでしょう」
UCLAアルツハイマー病・認知症ケアのプログラムの次の三つから成り立っています。
○認知症登録の創設
○登録した人のニーズ評価
○評価に基づく個別的な認知症ケアプラン
ケアプランには次のことを含みます。
○神経科、精神科、老年科の専門職による相談
○病気の進行の観察と合併症の観察
○「アルツハイマー病を乗り越えるパッティ・デイビスPatti Davis' Beyond Alzheimer's」を通した支援グループ
○UCLA倫理センターによる相談を伴う進んだケアプラニング
○看護師による積極的な認知症ケアマネイジメント
○入院―身体的問題についてはサンタモニカにあるUCLAの老年科特別ケアユニット、または精神医学的・行動上の問題についてはUCLA老年精神医学ユニットのスチュワード・リンダ・レズニック神経精神病院Stewart and Linda Resnick Neuropsychiatric Hospital
○紹介―適切な治療の試みためUCLAメアリー・S・イーストンアルツハイマー病研究センターMary S. Easton Center for Alzheimer's Disease Researchへ紹介、サービスを受けることが適切な場合は、アルツハイマー病協会ロサンジェルス支部Los Angeles chapter of the Alzheimer's Associationまたは地域的な団体への紹介―
○在宅訪問―必要な場合、認知症の人の住宅環境の改善のため―
このブログラムの主な寄付者で支援者でもあるロサンジェルスに住み、長くUCLAを支援して人が、キャロル・コリンズとジャームス・コリンズCarol and James A. Collins氏です。彼らは、5年の間、プログラムを確立し支援するために数百万ドルの寄付しました。コリンズ氏の寛大な贈り物は、現在の計画中の最初の5年間の予算の半額にあたります。
ジャームス・コリンズ(写真左4)は次にように述べています。
「キャロルと私は、喜んで、UCLAのアルツハイマー病・認知症ケアプログラムを支援します。私たち家族は、何年もの間アルツハイマー病の母と兄との個人的な経験をしています。このプログラムがこの病気に関わっている家族にとってすばらしい利益をもたらすでしょう」
UCLAのダヴィッドゲッフェン医学部の老年医学科は、総合的に診る外来と入院のために便利は場所で提供しています。これは高齢者の生活の質を改善し保持するためのUCLAのプログラムと共同したものです。
UCLAの老年科医は、65歳以上で全般的に健康な人たちを管理し、また高齢者に多い疾患―記憶障害、認知症、転倒、不活発、尿失禁、関節炎、高血圧、心疾患、骨粗鬆症、糖尿病―の治療を行う専門医です。専門的な研修を受けた結果、UCLAの老年科医は、治療に際して豊富な知識で、幅広い健康に関係した要因―医学的、心理学的、社会的―を検討することで応えることができます。
UCLA精神医学・行動科学部の老年精神科、およびジェン&テリー・シメル神経科学人間行動研究所Jane and Terry Semel Institute for Neuroscience and Human Behaviorは、精神医学的な疾患をもつ高齢者のための総合的ケアを提供します。実際のサービスは、UCLAのスチュアート&リンダ・レスニック神経精神病院および神経精神・行動健康サービスのクリニックで提供されます。
UCLA Newsroom March 14, 2012 UCLA to launch unique, comprehensive Alzheimer's and dementia care program
編者:認知症の人と家族のための総合的ケアを提供しようとするもので、今後の活動を注目したい。UCLへの寄付者は多いのに驚く。もっともこのサービスを利用できる人は限られていないか。それにしてもナンシー夫人が1994年の時点でアルツハイマー病の情報がとても少なかったということは間違いではないか。

ドネペジルとメマンチンの併用の意義はない(3月8日/イギリス)
キングスカレッジロンドン精神医学研究所Institute of Psychiatry King's College Londonのロバート・ハワードRobert Howard教授(写真左上)らの研究グループは、軽度から中程度のアルツハイマー病の治療にドネペジルなどのアセチールコリンエステラーゼ阻害剤が有効なことは認められているが、中程度から重度のアルツハイマー病への有効性についてはは知られてないので臨床試験を行いました。
対象者は地域在住のアルツハイマー病の人で3カ月以上ドネペジルを服用しアルツハイマー病が中程度から重度(MMSEで5ポイントから13)の295人を4つのグループ(①そのままドネペジルを続ける、②ドネペジルを止め偽薬に代える、③ドネペジルを止めてメマンチンに代える ④ドネペジルと続けメマンチンを追加する)に分け、52週間追跡しました。その結果をミニメンタルステート検査MMSEと日常生活機能ADLSで判定しました。臨床的に有意義とした最低限の変化はMMSEで1.4ポイント、ADLSで3.5ポイントとしました。
結果を分析したところ、ドネペジルを続けたグループはドネペジルを止めて偽薬に代えたグループに比べMMSEで1.9ポント、ADLSで3.0ポントの改善を認めました。メマンチンのみのグループは偽薬のグループと比べてMMSEで1.2ポント、ADLSで1.5ポント改善しました。ドネペジルのみのグループはメマンチンのみのグループと、またメマンチンのみのグループはドネペジルと比べて共に有意な違いは認めませんでした。またドネペジルとメマンチンの併用グループはドネペジル単独より有意な改善を認めませんでした。
結論として中程度から重度のアルツハイマー病ではドネペジル単独で続けることが12カ月の追跡で認知機能、生活機能ともに改善していることを認めました。
この研究論文は、アメリカの医学雑誌New England Journal of Medicineの2012年3月8日号に掲載されました。
1日50ペニー程度の治療でアルツハイマー病の後期の人がさらに数カ月意義ある自立した生活と意味ある会話を続けることができることがわかりました。
現在、イギリスではドネペジルとメマンチンをアルツハイマー病の初期の約50万人が服用しています。一旦、アルツハイマー病がある点を超えて進行すると、通常、有効でないとして薬が処方されなくなります。
しかし、今回の試験でイギリスの45万人の進行したアルツハイマー病の人にもこれらの薬が有効であることがわかりました。
この結果についてハワード教授は「私たちが初めて、アルツハイマー病の後期で重度の人にこれらの薬の治療を続けることが有意義であることの確固とした証拠を得た」と述べています。
この研究を助成した団体の一つであるイギリスのアルツハイマー病協会Alzheimer’s Societyのクリーヴ・バラードClive Ballard教授(写真左下)は、次にように述べています。
「この結果からは、今日の45万人以上、さらに将来、アルツハイマー病になる人たち生活を変える可能性を示唆しています。残念なことですが、こうした治療を止めると行動症状が悪化するということを私たちは知っています。またよく行われることは、こうした症状を予防したり遅らせだろう抗認知症薬を使わないで、鎮静剤で行動症状を管理するために処方されることが多いのです」
イギリスでは約50万人がアルツハイマー病と推定されており、その60%は適切な診断を受けていません。そのため重要な薬やケアも受けていないことになるのです。こうした研究結果からイギリスの国民保健サービスNHSの監視役である国立臨床研究所NICEが速やかに後期のアルツハイマー病の人にこうした薬を医師が新しい指針を示すことを促すでしょう。
現在、ドネペジルの価格は1日50ペンーで、メマンチンは1日2.80ポンドですが、この価格は2,3カ月後に少なくとも半額になるでしょう。
DailyMail 8 March 2012 Hundreds of thousands of dementia patients could be helped by drug breakthrough および論文Donepezil and Memantine for Moderate-to-Severe Alzheimer's Disease
編者:我が国も含めドネペジルとメマンチンの併用がアルツハイマー病治療に多用されているが、今回の研究で併用療法は意義がないとされた。ドネペジルまたはメマンチン単独で有意義とされたが、改善はMMSEでそれぞれ1.9ポイント、1.2ポントとわずかだ。しかもその効果も一時的―2,3カ月症状を遅らせる―である。イギリスと日本の薬剤価格を比べると標準的な1日投与量ドネペジル5mgが日本で280円、イギリスで75円、メマンチン10mgがそれぞれ360円、430円である。

世界のアルツハイマー病の人の写真集(3月7日/アメリカ)
社会学者で写真家のキャシー・グリーンブラットCathy Greenblat氏(写真左上)は、アメリカ・ニュージャージー州立ラトガーズ大学Rutgers Universityの社会学名誉教授で、世界中のアルツハイマー病の人と家族の写真を撮ってきました。三大陸で、自宅、もの忘れ外来、施設を訪れました。今週、アルツハイマー病の多様性を紹介する2番目の写真集「愛、喪失、笑う人:アルツハイマー病を違って見るLove, Loss and Laughter: Seeing Alzheimer’s differently」が刊行されます。同時に世界各地で写真展を開催します。
グリーンブラット氏によると、アルツハイマー病が異なる姿を示すということは、アルツハイマー病の人が十分かつ豊かに生きることを援助するための鍵です。この多様性は彼女の写真から見えますが、アルツハイマー病の人が活発で精神的に刺激になるのに芸術や音楽の重要性を彼女は強調します。
グリーンブラット氏は次のように述べています。
「芸術療法は初期でも進行した場合でもアルツハイマー病の人に役立ちます。とくに音楽は集中力を改善し、鬱積した気持ちを解消するのにとても役立つ方法です。音楽は脳の多くの部分が関与しておりアルツハイマー病の人は、たとえ重度の認知障害があっても、たびたび生の音楽に接することが有意気です。芸術という言葉は、できるだけ広く解釈し、創造的に物語を語ることや文化的な場所を訪問することも含めで理解すべきです。たとえば、芸術療法では地元の芸術ギャラリーや自然史博物館を訪問し、見たものについて話し合ったり解釈することも含むのです」
今回の写真集の発行にはスコットランドの活動的なアルツハイマー病の人であるリンダ・ホッグLynda Hogg氏(写真左中)が初めに関わります。彼女は個人的な経験を雑誌に載せてきましたが、グリーンブラット氏は次のように述べています。
「写真集は美しく表現され心動かされる個人的物語として最高です。アルツハイマー病と診断された人として、病気にためにたとえ認知機能が低下しても生き、ものごとに関わってっていると感じる喜びを知ることができ、アルツハイマー病の人の喜び、愛、笑いに触れることができます」
グリーンブラット氏のもっとも感動的な写真のひとつは、結婚して63年になるオハイオ州在住のレンLenとベッテBetten夫婦のものです。当初、夫のレン氏は自宅で妻のベッテを介護していましたが、最終的にベッテ氏の認知障害が悪化したので介護施設に移しました。彼女の写真集で彼は次のように述べています。
「彼女が家に帰ってこれるように、なにもかもそのまま家に残しています。しかし長い間、帰ってくることが本当でないことを知りました。妻を失ってしまったのです。彼女を家に戻してくれるならアメリカ軍の勲章青銅星章をあげましょう」
すべてのアルツハイマー病の人に共通している唯一のことは、現在、アルツハイマー病の治療方法が無いということです。グリーンブラット氏の写真集や展示は、医学的栄養製造会社のニュートリシアNutriciaからの支援を受けています。この会社は栄養摂取と認知症の進行との関係について臨床試験を行っています。数年前、栄養豊富なドリンクでアルツハイマー病の症状を減らすのに役立つとして大きく取り上げられました。さらに2010年に発表された予備的臨床試験の結果では、ドリンクがアルツハイマー病初期の人で言語的想起の改善を示しましたが、その他の症状の変化はありませんでした。期待が待たれていますが、マサチューセッツ工科大学Massachusetts Institute of Technologyのリチャード・ワートマンRichard Wurtman教授(写真左下)が基礎的研究を行い、動物実験である栄養が脳の樹状突起棘の数を増やしていることを示しました。
しかしアルツハイマー病が治るまで、グリーンブラット氏は個別的なアプローチが治療の最善の方法であり、治療方法を発見する科学者にとっては平均的なことと一般的なことが有用であると信じています。
介護者は、つねに二人として同じアルツハイマー病の人はいないことを覚えておくことです。アルツハイマー病はあらゆる階層の人たちに影響し、それぞれ自分の方法で病気の付き合うのです。
写真展は、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジUniversity College LondonのノースクロイスターズギャラリーNorth Cloisters Galleryで3月16日まで開催されます。その後、スイス・ジュネーブの世界保健機関WHO本部およびに国連ビルUnited Nations Building (Palais de Nations)に移って展示されます。写真集は国際アルツハイマー病協会Alzheimer’s Disease International が推奨しており、ライオンプレスLyons Pressから今週、発行されます。
newscientist 7 March 2012  Alzheimer's around the world, through a personal lens
編者:編者がニース在住アメリカ人のグリーンブラット氏と初めて接触したのは、事務局長をした2004年京都で開催したADI国際会議の時である。彼女が会議場で複数の写真を展示をしたいとメールで申し出があり、無料で受けることにし、細部にわたる打ち合わせの結果、展示することができた。展示解説書(pdf200K)および写真(展示ボードの前に立つグリーンブラット氏)さらに彼女から会議前後に日本の認知症ケアの現場を写真で記録したいとの要望があり、京都の洛和会グループを紹介した。いくつかのグループホームを訪問したときの写真が今回の写真集に掲載さいれている。このこともあり写真集の協力者として編者の名前が載っている。なお彼女の1冊目の写真集は「ALIVE WITH ALZHEIMER'S」(2004年発行)である。

認知症は地球規模の健康問題の時限爆弾(3月7日/イギリス)
地球規模の健康問題の専門家であるピーター・ピオットPeter Piot教授(写真左上)は、「認知症を地球規模の最大の課題であり、世界の健康問題の第1位の優先順にすべき」と国際会議で要求するでしょう。
ロンドン衛生・熱帯医学大学London School of Hygiene and Tropical Medicineの学長で、国連UNの前事務次長であり、国連合同エイズ計画UNAIDSの前事務局長でもありピオット教授は、国際アルツハイマー病協会Alzheimer’s Disease International(ADI)の国際会議会議(ロンドンエクセルセンタ-London's Excel Centreで3月7日から10日まで開催)の開会式で世界の状況を取り上げるでしょう。彼は、世界保健機関World Health Organisationが、がん、糖尿病、肺疾患、心疾患と同様に認知症を世界の健康の優先課題として宣言すべきと要請するでしょう。さらに彼は、国連総会で精神保健と認知症に関する特別な会議を要求し、世界の指導者が認知症の多くの人たちの生活を変える行動計画を取り上げることと要望するでしょう。
ピロット教授は次のように述べています。
「今日、全世界に3600万人の認知症の人がいますが、私たちの世代で認知症はもっとも無視された地球規模の健康課題です。認知症の人は2025年までに1億1500人―現在のイギリス人口のほぼ2倍―が全世界で認知症になるでしょう。私たちがエイズから学んだことは、今投資することが後の救いとなるということです。認知症を打ち勝つ地球規模の行動計画を持つことが、多くの人たちに変化をもたらす第1歩です」
ADIが提唱している行動計画では、世界の国々の指導者が次のことに関わることを要請しています。
1. 研究に投資し、他の国と連携して研究を進めること。
2. 一般人および保健専門職らに認知症の症状を間違いなく認識できるように教育すること。認知症と上手く生きることができるように情報、支援および治療を利用できること。
3. 各国で認知症の正確な姿をわかるように診断の割合を記録すること。
4. 認知症の経済的社会的な影響についての共同研究を進めること。
5. 人々が認知症になる危険性を減らす保健戦略を向上させ共有すること。
国連合同エイズ計画はピロット教授の指導のもと、エイズを地球規模の課題とし、資源を活用し、エイズウイルスの世界的な感染の予防と治療を提供することを支援しました。
イギリスアルツハイマー病協会Alzheimer's Societyのジェレミー・フーゲスJeremy Hughes事務局長(写真左中)は次のように述べています。
「イギリスでは認知症に対処することに失敗した方法がこの病気の大災難の処方せんとなるのです。イギリスでは認知症の人の49%しか診断を受けておらず、研究費も認知症はがんと比べて8分の1です。私たちの保健と社会ケアの仕組みは他の国のモデルにすべきです。行動計画に関わり認知症の人によりよい将来を築く方法を知ってもらって状況を変える今がそのチャンスです」
イギリスには75万人の認知症の人がいます。この数は2021年までに100万人になるでしょう。脳がゆっくりと働かなくなって認知症の人は、洗濯、食事、トイレといった日常生活のことでもがくのです。イギリスでは認知症は、がん、心疾患、脳血管障害の合わせたより高くついています。
また、作家のテリー・プラチェットTerry Pratchett氏(写真左下)も、ADI国際会議の開会式で講演する予定です。この会議に、これまでになく多くの認知症の人が、政治家、有名人、科学者と一緒に出席するでしょう。国際会議は、革新的な研究について指導的な科学者の発表があり、認知症の人のワークショップもあります。
詳しくは国際会議サイトadi2012.orgをご覧ください。
Alzheimer’s Society 7 March 2012 Dementia is a global health timebomb ? global health expert Professor Peter Piot
編者:第27回になるADI国際会議には既に公表されている抄録集Abstract(25Mpdf)によると日本から川島教授の全体講演(演題:認知機能訓練)と6つの演題が発表される。日本から数10人の参加者があると予測している。

マレー人に認知症を啓発(3月4日/シンガポール)
シンガポールの健康増進委員会Health Promotion Board (HPB)は、シンガポールに住むマレー人に精神的によい状態mental well-beingや認知症の危険因子を減らすことの重要性について認識を高めるために、モスクやゲイランセライ地域センターGeylang Serai CCと共同して、精神的によい状態を目指したプログラムである「心を育むNurture Your Mind」のマレー版を発表しました。
HPBによると、60歳以上のマレー人の認知症の有病率は、シンガポール全体の5.2%より高いのです。中国人とインド人の他の民族グループと比べて最も高いのです。
HPBの調査によると、マレー人は他の民族より認知症の症状についての知識が劣っています。
この8週間の一連の活動を伴う会議のプログラムの参加者は、認知症やうつだけでなく精神的によい状態をもたらす方法を学びます。
HPBの最高責任者のアンハックセンAng Hak Seng(写真)氏は「高齢者に認知症は正常な加齢の一部ではないことを知ってもらい、精神的に活発であるための方法を教えることが重要だ」と述べています。
またHPBは、健康的なライフスタイルのためのコーナーをモスクに設置して、人々が健康についた学び、健康プログラムに参加し、モスクのボランティアを健康大使Health Ambassadorに育てる予定です。
来年までにHPBは、13か所のモスクと共同して南東地区に住むマレーの高齢者にマレー語による「心を育む」プログラムに参加してもらう計画があります。
シンガポールには60歳以上の認知症の人が約2万8000人いて、この数値は2020年までに5万人に増加すると予測されています。
TODAY Mar 04, 2012 Raising awareness about dementia among Malays
サイト内関連記事
編者:主に中国系、インド系、マレー系からなる多民族都市国家のもつ課題だろう。認知症の人と家族への公的支援が乏しいシンガポールでシンガポールアルツハイマー病協会が啓発、家族会、デイサービスなどを活発に展開している。

オランダの安楽死の現状(2月26日/オランダ)
私、ニコル・ベレNicole Belle(写真左)の個人的な経験からオランダの医療制度を知ることができました。ある日、オランダで雨の降る道で滑って腕をねんざしました。外来で治療を受けましたが、アメリカのように多額の請求を受けることなく歩いて帰りました。
オランダはアメリカよりもっと進歩的で、自発的な意思に基づく安楽死制度があります。
オランダの法律では、医師が不治の病気であると診断しなければなりません。また患者は安楽死を決定するための十分な知的能力を持ち、さらに自発的に繰り返し安楽死を実施することを要請しなければなりません。また別の医師が診断に同意したことを文章で提出しなければなりません。くわえて死後、医師、法律の専門家や倫理の専門家で構成される委員会が、安楽死に必要な条件が満たされたかどうかを立証することが求められます。
しかし昨年末、初めての事例ですが64歳の進行したアルツハイマー病の女性に安楽死が実施されました。この人は安楽死を何年にもわたって希望していたということが重要視され、実施されたのです。
ワシントンにあるオランダ大使館のカーラ・バンディCarla Bundy報道官によると、安楽死は相対的にみてありふれた亡くなり方ではありません。年次報告によると2010年、委員会に報告された安楽死件数は3136で、2009年より19%増加していますが、2010年で安楽死はオランダの全死亡数13万6058の2,3%にあたります。
さらに同じ年次報告によると、委員会は担当部署に報告された安楽死のうち、義務規定にそって医師が行わなかった事例は9例でした。安楽死を受けた患者の80%以上が癌で、ほぼ80%の患者は自宅で亡くなっています。
医学雑誌NEJM(New England Journal of Medicine)の2005年の調査によると、安楽死のうち、患者の明確な要請がないまま死亡させた事例は全体の0.4%でした。この調査は安楽死法が実施されたのちで、その割合は実施後半分に減ったと結論づけています。
Nicole Belle's blog Crooks and Liars  February 26, 2012  Santorum Claims Rampant Euthanasia in Dutch Elderly
関連情報:End-of-Life Practices in the Netherlands under the Euthanasia Act(N Engl J Med 2007; 356:1957-1965May 10, 2007)
編者:「へそ曲がりでうそつき」とでも訳せるタイトルのブロクで見解の述べているベレ氏は共和党の大統領候補選に出馬して中絶、安楽死反対を主張するサントラムSantorum元議員(写真右)が、オランダの安楽死について誤解していると指摘するブロクのうち安楽死に関する部分を翻訳した。

刑務所で認知症高齢者が増える(2月25日/アメリカ)
ゼセル・モントゴメリー・シニアーSecel Montgomery Sr.氏は、女性の腹、胸、喉の無数に激しく刺して殺害しました。25年間ほど終身刑で服役していますが、刑務所では喧嘩をしたり、刑務官を脅かしたり、マリファナを吸ったりしました。
それにもかかわらず、最近、彼は特別な役割をまかされました。カリフォルニア男性刑務所California Men’s Colonyでは彼を含めた殺人犯が、アルツハイマー病など認知症の囚人の世話を手伝い、とても親密な仕事で認知症の囚人を支えています。
ジョキン・クーズJoaquin Cruz氏を含め認知症の人が刑務所に増えています。クルーズ氏は殺人犯ですが、現在、精神的に混乱しトイレの水なのかに自分の兄の姿がみると言うのです。また、ウロルター・グレゴリーWalter Gregory氏は短期記憶機能が低下して自分の昔の犯罪―飛び出しナイフでガールフレンドを刺し殺してバラバラにした―を生き生きと思い出すのです。さらに彼は、最近「彼女の目を切り取った」と言い張っています。
囚人の認知症についてはあまり報じられていませんが、急増している状況に多くの刑務所は対応しきれないでいます。犯罪を厳しく取り締るという政策は予期せぬ結果を招き、長期服役が増え、結果的に高齢の囚人が増えることになったのです。アメリカの刑務所の160万人の囚人の約10%は終身刑で、さらに11%の囚人は20年以上服役しています。
今も多くの高齢者が刑務所に送られています。2010年、55歳以上の9560人が服役を宣告されましたが、これは1995年の2倍以上です。ニューヨークを拠点とする人権団体の「ヒューマンライツウオッチHuman Rights Watch」の報告Old Behind Barsによると、同期間で55歳以上の囚人はほぼ4倍となり12万5000人近くです。
認知機能障害の囚人が何人いるかを調べたことはありませんが、専門家は囚人はあきらかに一般市民より認知症になりやすいと話しています。かれらは多くの認知症の危険因子―低い教育、高血圧、糖尿病、喫煙、うつ、薬物乱用、争いなどによる頭部外傷―の多くを持ってからです。
多くの州では、15歳早くして50歳以上の囚人について検討しています。
多くの刑務所が、すでに定員超過で職員も少ないなかで、認知症の囚人が特に困難な課題となっています。ひとつは彼らは高くつくのです。高齢の囚人は、若い囚人より3倍から9倍医療費が高いのです。また彼らを食いものにする他の囚人から守らなければなりません。認知症で妄想や混乱が生じ、さらに刑務所という限定された空間のため感情を強く表れ、刑務官や他の囚人を攻撃することもあり、他人の独房に迷い込み不本意にも争いを起こすこともあるのです。
「高齢化する囚人:アメリカの矯正の危機Aging Prisoners: Crisis in American Corrections」の著者で社会学者のロナルド・アデイRonald H. Aday教授(写真左上)は、刑務所で認知症の人が驚くほど増えています。かれらをどのようにみるのだろう」と述べています。
現在、多くの刑務所がこの問題に直面しています。刑務所の多くは、できれば認知症の囚人をナーシングホームに移したいのですが、暴れることが多いため州政府が仮釈放を嫌がり、ナーシングホームも彼らを受け入れたくないのです。
ニューヨーク州では高額は経費で、認知障害の囚人の別棟を設け、専門の介護職を雇い、1ベッドあたり年間9万3000ドルをかけているのです。一般刑務所の囚人では年間4万1000ドルです。ペンシルバニア州など他の州では、認知症研修のために精神医療職を送っています。
しかしルイジアナ州やカリフォルニア州など苦労している刑務所は、高額でもなく危険性少ないだろう方法をとっています。囚人を教育して認知症の囚人の日々の世話の多くをやらせるというものです。
カリフォルニア男性刑務所では、認知症の囚人を助ける囚人がゴールドコートGold Coatsと呼ばれています。かれらの黄色のジャケットが標準的な青と対照的だからです。この刑務所の心理学者のチェリー・スティードCheryl Steed氏は「彼らなしには認知症の人をよくみることはできないでしょう」と話しています。
クルーズ氏の予約を取るために同伴してからゴールドコートのジェームス・エヴァース氏は、レンガ色の独房まで連れて帰りました。そのとき彼らは裸にして身体検査を行う刑務官に出会いました。
クルーズ氏は60歳ですが、かれは偽のコカインを売った人を殺したため刑務所にいることがほとんど思い出せないのですが、刑務官がかれを調べようとしたとき混乱して抵抗したのです。エヴァース氏は「彼はアルツハイマー病です。あなたが聞きいていることを拒否しているのではありません」と説明しようとしました。
刑務所は海岸沿いの山脈の影になりますが、ゴールトコートたちは月に50ドルが支払われ障害ある囚人の状態について多くの刑務官よりよく知っています。ハンマーで男性を殺して終身刑に服しているゴールドコートのフィリップ・バーヂックPhillip Burdick氏は「ゴールドコートたちは、アルツハイマー病協会の研修を受け、認知症に関する分厚いマニュアルを受け取っています。クルーズ氏が違う方の脚に靴をはめるようになり、どこでも下着を降ろして入浴しようとし始めた時に彼が最初に気付いた」と話しています。
2009年にこの制度が始まる前は認知症の囚人が、しばしば争いの原因となっていました。この制度を始めた心理学者のヴェッチナ・ホーデル氏は「全体の雰囲気が敵対的だった」と話していますが、彼女は自分が殴られるのを避けるのがやっとでした。現在は、ゴールドコートらがその行動のほとんどを吸い取っています。
ラモン・カニャーナスRamon Cañas氏は、自分の車を盗んだヒッチハイカーを殺したゴールドコートですが、次のように話します。
「世話をしている囚人に振り回され、唇が大きく分厚くなり、メガネも壊れました。現在、約40人に囚人に6人のゴーエウドコートがいます。彼らは、多くの体液に触れるので、外科用手袋をしています」
攻撃されやすい人を守る
ゴールドコートたちは、認知症の囚人を暴力をふるい虐待し略奪する囚人から守っています。 ゴールドコートのスティーヴン・ベリーSteven Berry氏―元海軍信号手で義理の妹を殺し妻を殺人未遂―は、認知症の囚人のポケットから盗むんでいた二人の囚人を、急いで近づき捕え、刑務官を呼びました。
ゴールドコートらは、刑務官に寄りそったり特典があるとして、いやがらせを受けたり蔭口を言われます。バルディック氏が言うように、認知症の人は食堂で先の割れたスプーンのような基本的な物を忘れ始めるので彼らの世話をしています。ゴールドコートは、特別にゆっくり食べる人のためのテーブルで彼らの傍に座ります。そこでは通常の10分から12分以上時間をかけて食べることができます。
囚人が認知症の人の食べ物を盗もうとすると、ゴールドコートのモントゴメリー氏は、「そのクッキーは返しなさい」と怒鳴ります。「君はだれ。警官」と囚人は大声で言います。モントゴメリー氏は「そうだよ、警官だ」と言い返します。
専門家の話では、刑務官が思うより、多くの囚人が認知症なのです。刑務所の通常の業務のために、もの忘れなどの症状がはっきりしなくなります。矯正担当官はアルツハイマー病として囚人を見直さないで、攻撃的な囚人として罰則を科すことが多いのです。
MHM(Mental Health Management)Servicesサービスの臨床部長のシャーレン・バルボザSharen Barboza氏は刑務官の研修を担当する刑務所精神保健提供者ですが、彼は、「質問に適切に応えないで攻撃的であることは、悪い行動をみなすことです」と話しています。
ニューヨーク州の認知障害者用棟は5年前に活動を始め、84人の囚人の世話をしてきましたが、この連合の心理学者のポール・クラインマンPaul Kleinman氏は「この制度では私たちが本当に選んでこなかった多くの囚人がいます。適切に気付かれなかった」と話しています。
アメリカでは540万人の人がアルツハイマー病です。この数は2040年までに2倍になると推計されています。MHMの臨床専門家であるジョン・ウイルソンJohn Wilson氏は「専門家は刑務所のアルツハイマー病は2倍から3倍の速く増えるだろうと考えています。認知症になりにくくさせる保護因子―複雑は仕事、かなり社会的要素の多い環境、楽しめる活動―が刑務所では無きに等しいからです」と話しています。
55歳以上の囚人が1万3000人近くいるカリフォルニア州は、認知症の囚人へ適切な介護が提供されそうにないことを認めてホーデル氏は、ゴールドコート制度を始めた時に、地元のアルツハイマー病協会に、囚人の研修を依頼しました。協会支部のサラ・バーレットSara Bartlett事務局長(写真左下)は、自分自身もまたプログラム部長のアーリーン・ステップタットArlene Stepputat氏も男性刑務所に女性が安全であるか心配しました。また暴力的な重犯罪者が繊細な介護を行えるか疑っています。
二人の女性は、在宅で認知症の人を介護するための研修をした人たちより囚人のほうがより感受性があり、認知症の人につながる複雑な感情が少ないことに驚きました。ステップタット氏は、「かれらはもっと容易に仕事を一緒にできる」と話しています。
カリフォルニア州男性刑務所の主任心理学者のヘリベルト・サンチェスHeriberto G. Sanchez氏は「囚人は外の世界の人が思っていたよりは物事の識別ができる」と話しています。ある人が評価表に「人間的な気持ちにしてくれてありがとう」と書いているのです。
ステード氏は「刑務所はゴールドコートが5年から10年間の、欠点のない行動記録を所持することを要請する」と話しています。現在までのところ、たったひとりだけゴールドコートが仕事から外されました。ホーデル氏は「彼は、認知症の人が乱暴な食べ方をしたなどの問題があった」と話しています。
囚人のためにその仕事は関心が高い。囚人の他の仕事やより手当がよく、囚人記録をよくするのです。
二人のゴールドコートは仮釈放されました。
こうした人たちの一人でもあるシュワン・ヘンダーソンShawn Henderson氏(46歳)は、1985年に二人を殺した犯人として1985年に25年の刑を言い渡されましたが、現在次のように話しています。
「唾や便や尿をかけられ罵声も浴びせられる仕事をしたことが、出所後の生活に役立ちました。道でそうした人に出会っても、今は以前よりもっと同情的になることができ、当局に話していることで密告者とみなすことはしません」
ゴールドコートは運動教室や記憶を刺激し見当識障害を軽減するように仕組まれた集いを運営しています。囚人を医師に連れてゆき、仲介者として働きます。
またたびたび手際よく行うことが必要です。73歳のある囚人は毎朝のよう門のそばに立って、なかり前に亡くなった母親が連れて行ってくれるのを待っています。度々彼は、母親がいなくなるのではと心配してシャワーを拒むのです。ゴールドコートのエバースEvers氏は「お母さんは、着く前に、あなたがシャワーを浴びることを望んでいる」と話し、彼を言いくるめて中に入れました。
飛び出しナイフで女友達に残忍に扱い身体の一部をゴミのなかに投げ棄てて逮捕され終身刑に服しているグレゴリー氏(71歳)が「彼女を殺し別な女とセックスしたその部屋に戻される」と話す時は、もっと繊細に扱う必要があります。また彼は認知症だとは思っていませんが、頭の上でモップが壊れたり自分が仮釈放されるだろうという妄想をもって当局に手紙を書いていることなどの症状が次第にいろいろ現れています。
このグレゴリーの世話をしている、サミュエル・バクスターSamuel Baxter氏は同僚を銃で致命傷をおあせ6回発砲したのですが、ベッドメーキングや予定を彼にやさしく思い出させ、「グレゴリー氏があなたのところに来ること許さなければなりません」と話しています。
バクスター氏は「1年前、私は『私がシャワー室でこうした大人を助けて連れて入り、若者たちが洗いましょう』とは言えなっただろう」と話しています。
ゴールドコートは「仕事することから感動する」と話しています。バーディクBurdick氏は、35年の服役中の間に妻をエイズで、16歳の娘を自殺で失い、「私は壊れた人間」と言っていました。さらに彼は「認知症の人はありがとうと言わないことが多いのですが、かれらは私をたたくだけですが、それが何を意味しているか知っている」と話しています。
カニャーナス氏は「他人になんら感情を抱いていませんでした。私は略奪者でしたが今は保護者です」と話しています。
まだ、ゴールドコートはレオン・バーハムLeon Bahamをどのように助けてよいが考えられないのです。
バーハムBaham氏(71歳)は1年前、認知症と診断されたとき、精神科医のラッセル・マークスRussell Marks医師は「涙を流している相手である妻を殺したことが彼の罪であることを理解していないかのように妻を愛おしく思っている」と指摘しています。
最近、バーハムしから話を聞きましたが、彼はぼんやりと思いだして「血だらけだ。妻があなたと言った」と話しました。
マーク医師は次のように話しています。
「彼は、繰り返し、危機管理センターに移されました。一度、床に尿をしたあと、自分の頭を叩いていました。他人に唾を吐かないようにマスクが必要だったのです。時計が盗まれたと信じ切っている人たちを殺すと脅かしているのです」
間違った独房に入ろうとした後、彼はスティード医師に「私は自殺するでしょう。そして私はこうした生き方を望まない」と語っています。
バーハム氏は精神科病院に送られ鬱状態が少しよくなって帰ってきました。しかし、彼は庭で混乱することが多いのですが、「私がなぜ出ていこうとしたのか忘れました。ほんのちょっと衰えている」と話しています。
まだバーハム氏は、ゴールドコートの助けを頑なに受けないでおり、彼らにお金を払わなければならと信じています。彼にジャケットを渡したバーディック氏のように、間接的な支援は、これまで彼が受けていたすべてのものです。
バーハム氏は「彼らを必要としない。私はモンスターだった」と話しています。
セシール・モントゴメリー氏はゴールドコートとしての彼の仕事で示した思いやりは、1987年に彼が起こした殺人事件では見られなかったのです。彼は、酒のために金を求め、元義理の妹が拒んだ時、「私は彼女を殴って意識不明にし、縛ってさしました」と話しています。それから彼は手を洗い、車に乗りたいと電話したのです。
彼は自分の指紋をついた物をわしずかみにし、赤子の甥をひとり残してその場を去りました。
モントゴメリー氏は26年の刑を言い渡され、17年間は、命令に従わないとして警備が厳重な刑務所で服役しました。そこでプルノという禁止された酒を造りました。
2000年に、47歳の彼は大麻を所持していたのを見つけられ、さらに刑務官を脅したとして告訴され、懲罰房に鍵をかけて閉じ込められ、変わると決めたのです。
認知症の囚人の家族は、モントゴメリーのような囚人が、現在とても重要な責任を持っていることを冷静に受け止めているようです。クルーズ氏の姪のローラ・エクルンドLaura Eklund氏は「刑務官が私たちに彼が仮釈放されることを希望しているかどうか聞きました。しかし、家族は丁重に断りました。正直なところ、彼が刑務所で受けている介護を私たちにはできそうにありません」と言いました。
クルーズ氏は反省するようになったとき、それは彼が世話をしている兄のようなセルジオ氏によるものとよく信じています。興奮しないように、独房の鏡をテープでとめました。
さらにモントゴメリー氏は次のように話します。
「クルーズ氏に自信をもたすようにしますが、クルーズ氏が鍵をかけられて独房に居る場合、自分も囚人ですが、自分の独房から出られてとしても、クルーズ氏の部屋には入れません。その場合、厚い金属性のドアの小さな窓を通してクルーズ氏に話しかけます」
NYT  February 25, 2012 The Vanishing Mind Life, With Dementia
編者:ニューヨ-クタイムズの科学分野のコラムニスト、パム・ベラックPAM BELLUCK氏(写真右)の刑務所における認知症高齢者に関する興味深い長いレポートである。すべてを翻訳すのに時間がかかりそうで、翻訳終了次第、順次訳文を掲載する。
我が国でも同様の問題が生じていると聞いたことがあるが、まとまったレポートは知らない。ネット検索すると「介護ニュース・NET」に「認知症受刑者:高齢化で激増 医療刑務所は受け入れ拒否(2008年 01月 05日」を見つけた。

「高齢者の死亡リスク,非定型抗精神病薬間で2倍の差」(2月24日/メディカルトリビューンMTpro)
米・施設入所者7万5,000人のコホート研究
米食品医薬品局(FDA)は2005年,認知症を伴う高齢者の非定型抗精神病薬の使用と死亡率上昇の関連について警告しているが,個々の薬剤のリスクについては不明だった。米ハーバード大学ブリガムアンドウイメンズホスピタルのKrista F. Huybrechts氏らは,米国の施設入所高齢者7万5,445人を対象としたコホート研究の結果,薬剤によって全死亡リスクが異なり,ハロペリドールはリスペリドンの約2倍だったことを報告した(BMJ 2012; 344: e977)。最もリスクが低い薬剤はクエチアピンだった。
用量依存の関係あり
Huybrechts氏らは,Medicaid,Medicare,The Minimum Data Set(MDS),米国死亡記録,national assessment of nursing home qualityのデータをリンクさせ,2001~05年にナーシングホームに入所していた65歳以上の高齢者のうち,非定型抗精神病薬の新規使用者7万5,445人について調べた。分析対象はアリピプラゾール1,849人,ハロペリドール5,904人,オランザピン2万2,919人,クエチアピン1万5,776人,リスペリドン2万7,936人,ziprasidone1,061人だった。
Cox比例ハザードモデルを用い,propensity scoreで調整した治療開始後180日間の死亡リスクを比較した結果,全死亡の調整後ハザード比は,リスペリドンと比べ,ハロペリドールで2.07(95%CI 1.89~2.26)と増加。一方,クエチアピンでは0.81(同0.75~0.88)と低下した。アリピプラゾール,オランザピン,ziprasidoneについては,リスペリドンと比べて臨床的に重要な違いはなかった。
薬剤の影響を使用開始後の期間別に見ると,ハロペリドールについては,40日未満で調整後ハザード比2.34(同2.11~2.60),40~79日後で1.32(同1.02~1.71),80~180日後で1.46(同1.07~2.00)と,使用開始直後の死亡リスクが最も高かった。
また,使用量別(高用量,中用量~小容量)で分析すると,クエチアピンを除く薬剤では,用量依存性に死亡リスクは増大した。
認知症,行動障害の有無にかかわらず結果は同様だった。
死因(循環器疾患,脳血管疾患,呼吸器障害)別の分析でも,すべての死因死亡について,ハロペリドールでのリスク上昇,クエチアピンでのリスク低下が認められた。
同氏らは,この研究結果は明らかな必要性がない限り高齢者に非定型抗精神病薬を使うべきではないという概念を強固にするものだとしている。
同研究に対する付随論評(BMJ 2012; 344: e1093)でOxford Health NHS Foundation TrustのJenny McCleery氏は「安全性の問題でハロペリドールを避けることは支持されるが,クエチアピンが認知症の神経精神症状に有効であるという高い品質のエビデンスはない」という点も指摘。医療資源の不足の中で非薬物ベースの治療が困難と感じる医師が多い中,非薬物療法による介入とサービスの在り方を実利的に探る必要性を強調している。
(木下 愛美)
MTpro  2012年2月25日 原文のまま
論文:Differential risk of death in older residents in nursing homes prescribed specific antipsychotic drugs: population based cohort study
編者:記事中の薬剤の一般名はリスペリドン(例:リスパダール)、ハロペリドール(例:セレネース)、クエチアピン(例:セロクエル)、アリピプラゾール(例:エビリファイ),オランザピン(例:ジプレキサ),ziprasidone(臨床試験中)。
なお、記事と一部重複するが論文の結論として、抗精神病薬―引用記事のタイトルの「非定型抗精神病薬」は「抗精神病薬」の間違い―と死亡との因果関係を示すものではなく、高齢者がもつ疾患によるものかもしれないが、明確に必要性がないかぎり高齢者に抗精神病薬を使うべきでないとない。また使用量が増えれば死亡率も増え、とくにハロペリドールで最も高く、クエチアピンでもっとも低い。
ナーシングホームの高齢者で抗精神病薬が処方されているということはそのほとんどが認知症の人とみてよいだろう。

認知症の人に厳格な運転規則の予定(2月21日/カナダ)
カナダ・オンタリオ州のボブ・チャレリーBob Chiarelli運輸大臣(写真左1)は認知症の人に今年中、厳格な運転規則が適応されることを予告し、次にように述べています。
「州の人口の高齢化が進み、認知能障害のドライバーが増え、道路を安全にすることを最優先とします。この問題にさらに注意を向ける必要があると思います。今年の後半6カ月間から1年間になんらかの強化策を始めなます。
多くの認知症高齢者が把握されずに運転が認可されている制度を全般的に強化することになるでしょう。
オンタリオ州運輸省Ministry of Transportation Ontarioは、次のような改定を検討しています。
○家庭医が認知障害のドライバーを運輸省に通知する
○高齢のドレイバーに厳しい路上試験を行う
○10代のドライバーのように、夜間の運転や高速道路での運転を制限する免許制度を導入する。
オンタリオ州は、北アメリカで高齢者の制限付き運転免許を取り入れてない最後の法治地区です。この制度では、暗い所での視力低下や高速道路での速度では運転できないような神経機能のある高齢者に運転制限をします。
大臣は「この方法の利点と欠点について意見を聞いたが、現在、さらに検討を進めている」と述べています。
オンタリオ州は、カナダの他州と同様に、認知症になったり運転の安全を保つ認知機能が低下する高齢ドライバーの増加に直面しています。認知症は、脳機能に影響を与え複雑な決定を行う能力が低下し、さらに進行すると決定しなければとの認識がなくなるようになります。
クイーンズ大学Queen’s Universityの調査によると、オンタリオ州で認知症のドライバーは、現在、4万5000人で、2028年に10万人近くなるとでしょう。
オンタリオ州では、法的に家庭医が認知症の人を運輸省に報告する責任があります。しかし、トロントのサニーブルックヘルスサイエンスセンターSunnybrook Health Sciences Centreの調査によると、重大な衝突事故を起こすような医学的にみて適切でないドライバーのうち約3%しか家庭医によって事前に報告されているにすぎないのです。
しかし「医師が担当する患者の運転を止めるべきかどうかを何時報告するか―とくに認知症の初期の場合―を決めることについて適切な研修を受けてなない」との批判があります。
これについて大臣は次のように述べています。
「確かに、一理あります。認知障害の拡がっていることは困惑します。運輸省も医療職もこの広がる早さに可能なかぎり適宜に対応し、共に必要な政策を進めなければなりません。慎重かつ急ぐべきです。医師に役立つよりよい研究が行われるべきで、この分野で運輸省と医師らとのさらなるコミュニケーションが維持さえるべきです。個人的な見解ですが、多くの家族が高齢者に運転免許証を諦めるように促していることを知っています。実際、多くの高齢者が自発的に免許証を返還しています」
90歳のロマ・リーヴェスRoma Reeves氏は、クライスラーセブリングChrysler Sebring(写真右)を手放しました。オンタリオ州ミシソガのロマ氏は、56年間運転してきたが昨年12月の誕生日の1週間前に自発的に運転を止めたのです。
リーヴェス氏は次のように話しています。
「運転中に神経質なっていました。他のドライバーは私のことを気遣っていました。事故を起こしたり入院することになればもとには戻らないでしょう。車を手放して最悪なことは欲求不満になることです。したい事をしたい時に出かけてすることができないのです。しかし入院するよりははるかによいことだと自分に言い聞かせています。現在、車は子供にたよるか、自分ためにタクシー会社の高齢者クーポン券を買っています」
彼女は、次のように政府に丁寧な提案をしています。
「現在の方法では認知症の人を把握できないので80歳以上の高齢者に強制的運転試験を強化してほしい。私が最後に受けた試験場で、ある男性は決められた用紙にすべての必要事項を書き込もうとはしていたのですが、できないようでした。しかし、その場で職員は質問に答えられるように親身に助けていたのです」
さらに次のような批判があります。
「運輸省は、研究者が作成は難しいとする、不公平に関係ない人まで該当者することなしに早期に危険性のある患者を医師が見つけるのに役立つ科学的方法に、十分な注意を払っていません」
この目的のテストは既に多くあります。さらに、この種のテストとしては最大の一つであるキャンドライブ研究プロジェクトCandrive research projectなどは、科学的根拠のあるテストを期待されてはいますが、完成までにさらに2年を要するでしょう。
トロント大学University of Torontoの心理学のコンスタンチン・ザクザニスKonstantine Zakzanis教授(写真左2)は、最近、15分間でできるオンラインのスクリーニングテストを開発しました。これは医師から患者や家族まで役立ち認知障害の早期の症状を把握するものです。
教授は次のように述べています。
「これはブレインクスリーンBrainScreenとよび、運転には欠かせない重要な認知機能である空間認知機能、記憶、情報処理速度を調べるものです。オークヴィルOakvilleを拠点とする「精神保健・幸福北半球センターHemisphere Centre for Mental Health & Wellness」と共同で開発し、他の方法では把握できないような問題を指摘できるでしょう。私たちは自分や他人を傷つける危険性がある高齢者という津波を経験しているのです」
政府が規制を強調すると、高齢者擁護者は多くの高齢者がその対象になると気付かっています。
カナダ高齢者擁護団体グループのCARP(Canadian Association of Retired Personsの略称で現在の正式名法はCanada's Association for the Fifty-Plus)のスーザン・エンSusan Eng副会長(写真左3)は次のように述べています。
「年齢差別主義Ageismは誰もが認識してはいるが話題にしたくない事柄です。私たちの団体は多くの高齢者に優れたドライバーであり、紙やコンピュータで行う室内試験より路上試験が最も優れた方法であると信じています。この方法を要求してきましたが、運輸省はあまり耳を傾けませんでした」
現在、民間で行われる路上試験の料金はおおよそ550ドルです。限られた高齢者予算では法外に高い料金なのです。この試験は、医師が報告した後に行われるものです。
カナダアルツハイマー病協会Alzheimer’s Society of Canadaのスポークスマンであるメアリー・シュルツMary Schulz氏(写真左4)は次のように述べています。
「家庭医は政府からもっと支援を必要としています。怒って回答を拒む患者が新たな問題を起こしているからです。現在、医師は糖尿病の管理や血圧のコントロールが悪い患者を診ています。こうした立場にある家庭医は、報告することの欠点と利点を計るという難しい立場に置かれています」
カナダ家庭医協会College of Family Physicians of Canadaのフランシーン・ルミールFrancine Lemire医師(写真左5)は次のように述べています。
「認知症の早期発見は、こうした患者の怒りを食い止めるひとつの簡単な方法です。認知症の症状が顕著になる前にそれを認識することで、医師は家族と次に起こるであろうことを率直に話すことができるようになり、さらに運転を止めることについても会話ができるようになります」
thestar.com  Feb 21 2012 Ontario says tougher rules expected for drivers with dementia
編者:認知症や認知機能の低下した高齢者の車の運転の問題は一筋縄ではいかないという記事だ。州政府は医師の報告義務や一律な試験でふるい分けようとする。不適格者から一様に免許証を取り上げるのではなく、制限付き運転の免許も検討に値する。高齢者擁護団体は高齢者の残存機能を尊重し路上試験を要望するが、予算上不可能である。最初に高齢者を診る医師は初めから運転を止めることを取り上げないので認知症の話から入る方がよいという。認知障害のある高齢者や認知症の人の運転については、どのように把握するか、どのように運転制限をするか、制限した後の支援をどうするか、さらには免許証がなくても運転しようとする認知症の人への対応をどうするかなど多様で多角的な視点や手段が求められる分野だ。我が国では、試験と医師の診断書によって一律に免許証を取り上げるだけに終わっている。

とても大切なアルツハイマー病支援センター開設(2月19日/キプロス)
キプロスアルツハイマー病協会Cyprus Alzheimer’s AssociationのファマグスタFamagusta支部は、明日、パラリムニParalimniに新しい支援センターを開設し、認知症の専門的な知識と支援に関連することを提供します。
この地区では初めてとなるセンターは、教育、激励、研修を受けた看護師のサービスを提供して、アルツハイマー病の挑む人々が、病気を受け入れ、乗り越え、そして取り組むのを支援することを目的としています。
アルツハイマー病協会のジェニファー・パーソンズJennifer Parsons氏は次のように話しています。
「アルツハイマー病や認知症や認知症の人の介護についての情報が得られるでしょう。私たちは、よい食事と脳の運動を勧めています。また、さまざまなタイプの認知症についての情報を提供します」
最新の地域的調査によると、キプロスには60歳以上で認知症の人が14000人居て、そのうち9500人がアルツハイマー病です。キプロスの人口が高齢化しているので、この数は急速に増えると予測されています。
開会式は正午から行われ、パラキムニ市のアンドレアス・エコノモウAndreas Economou副市長がテーブルカットします。その後、地域のイギリス国教会とギリシャ正教の司祭が
祝福します。
開会式のあと、センターは、毎週、火、木、土曜日(午前10時から午後1時)に相談に応じます。
アルツハイマー病協会は、最近、かなり発展しました。昨年までは、キプロスの東部は全国団体であるキプロスアルツハイマー病協会が関わらない地域でした。
昨年11月、協会は1周年記念事業を行い、一般の人たちに認知症の人と家族が直面する問題について話し合いました。
キプロス神経学遺伝学研究所Cyprus Institute of Neurology and Geneticsの上級神経学者のサッヴァス・パパコズタSavvas Papacosta医師の報告がありました。
新しいセンターは、すべて寄付によって賄われており、会員が募金動を組織し、協会の宣伝も行っています。
さらにパーソンズ氏は次のように話しています。
「私たちは、昨年、大きくなり、新会員も加わりました。ある男性は、素晴らしい名前と思いますが『記憶の小道を歩こう』とい呼ぶスポンサー付きのウオークを行うことで資金集めを支援したいと望んでいます」
またセンターは、認知症に明らかな症状についての詳しい情報も提供します。その症状とは、感情、判断、性格の変化、コミュニケーションや日々の仕事が難しくなることです。状態は、通常だんだん悪くなり、このため認知症の人と一緒に暮らす人は、ますます他人を頼らなければなくるでしょう。
協会は、ギリシャ語と英語の電話相談を月曜から土曜日(午前8時から午後8時)に行っています(電話:23740022)。
Cyprus Mail February 19, 2012 Vital Alzheimer’s support centre opens
サイト内関連記事
キプロスアルツハイマー病協会の連絡先
Pancyprian Association of Alzheimer's Disease
Stylianou Lena 47, Flat 1, 6021 Larnaca, Cyprus
Tel +357 24 627 104 Fax: +357 24 627 106
Email: alzhcyprus@cytanet.com.cy

「増え続ける認知症の人」(2月19日/スイス)
平均寿命が長くなるにつれ、認知症になるスイス人の数も増加している。しかし、患者の看護にかかる費用は莫大になり、早急の対応策が求められている。スイス社会はこの状況に対してどのように対処すべきなのか。
現在、認知症患者の数は約11万1000人。しかし、2050年までにその数は26万6000人に達すると予測されている。
保険会社アリアンス・スイス(Allianz Suisse)の人口統計「デモクラフィックパルス(Demographic Pulse)」によると、世界中の認知症患者の数は2050年までに今日の3倍になり、1億1500万人を越えると推測されている。
特に増加が目立つのはヨーロッパの長寿国スイスや、世界で2番目に平均寿命が長い日本だ。しかしスイスでは、生活の質が高くなったお蔭で、健康を保ちながら年齢を重ねる人が比較的多い。
とはいえ、長生きにも代償はある。年を取ると必ずしも認知症になるわけではないが、長生きをする人はいつか認知症になる可能性があることを念頭に置かなければならない。そうなれば、身体の機能が低下し、脳の働きも悪くなる。思考能力は落ち、忘れっぽくなり、場所や時間の感覚も鈍くなる上、いつか最愛の人のことも分からなくなる。これは本人だけでなく、家族にとっても辛いことだ。
全国的な認知症対策
現在、認知症患者の約6割が自宅で看護をしてもらっている。そのため、世話をする家族に大きな負担がかかり、家族が限界を感じてしまう。今日、既に介護ホームに暮らす高齢者の大部分が認知症患者のため、多くの施設が認知症患者専門の看護士を必要としている。認知症患者の数は劇的に増加しており、早急に将来の見通しや対応策を立てることが必要だ。
スイスのアルツハイマー病協会(Alzheimervereinigung)はこのような状況から、この数年間、国を挙げての認知症対策を求めている。そこで、国民議会(下院)、また全州議会(上院)の専門委員会は認知症政策のコントロールを求める二つの動議を可決した。
アルツハイマー病協会は、認知症の対策とそのための資金の必要性を強調する。「これによって認知症患者を世話する家族や看護士は、安心して日常生活を送ることができる。また、自分でできることはできる限り自分でするように認知症患者に奨め、できるだけ自立していられるように促すことで、看護が必要になる時期を著しく遅らせることができる」
自立を可能にする技術
脳が正しく機能しなくなった認知症患者ができる限り自立して質の高い生活を送るためにはさまざまな補助手段がある。例えばGPS(全地球測位システム)が組み込まれた、持ち運びができる小さな機械があるが、これを使うことで認知症患者が限られた範囲内を自由に動き回れるようになる。もし患者が安全圏外に出た場合は、看護士の携帯に警告メッセージが送られ、警告を受けた看護士はどこに認知症患者がいるのか、どれくらいの早さで移動しているのかを即座に把握することができる。
家族や看護士は、GPS機能付きの機械を使用することで認知症患者に振り回されることなく普段の生活を続けることができる。そして認知症患者の動きたいという欲求も満たされる。さらに、彼らが社会生活に参加することによって認知症の進行を遅らせることも可能だ。
また、ドアやベッドの角に取り付けるセンサーも非常に役立つ。患者がベッドから離れたりドアが開いたりするとアラームが作動する。この機能のお蔭で看護士や家族は夜間の数時間安心して眠ることができる。
老人病学者のヘルムート・マツァンダー氏は認知症患者の安全についてバーゼルで開催された集会で「認知症の進行具合に応じて最新技術を駆使した補助手段を適切に利用すれば、認知症患者はできるだけ長期間自立して生活することができる」と語った。
認知症は老化の一種
バーゼルで長年看護師として働き、認知症患者施設の共同経営者でもあるマツァンダー氏は、認知症患者に対して自由で革新的な看護を求めている。「認知症になることは至って普通のことで、これも人生のうち。我々は認知症になることを否定せずに、上手く対処することを学ばなければならない」
認知症の人がこの社会で心地よく暮らすために改善すべきことが山積みされているとマツァンダー氏は言う。「残念ながら認知症の人が社会から隔離されるということが頻繁に起きている」
しかし逆の例もある。チューリヒ近郊のヴェツィコン(Wetzikon)にある介護施設「ゾンヴァイト(Sonnweid)」は認知症患者が自由に動き回れる施設として手本となっている。全てのドアに鍵はかかっておらず、庭だけが垣で囲まれている。
スイス初の認知症患者用の村
ベルン州のヴィードリスバッハ(Wiedlisbach)でも別のプロジェクトが計画されている。オランダの都市ホーゲヴェイ(Hogewey)(写真左下)を手本にしたスイス初の認知症患者村が5、6年かけて建設される予定だ。村には診療所、カフェ、キオスク、映画館があり、住人は保護された空間の中で自由に動くことができ、自立しているという気分を味わうことができる。
アルツハイマー病協会長のブリギッタ・マーテッソン氏は、「認知症の症状が進んでいる人に認知症患者用の村を提供するのは良い考えだ」とこのプロジェクトを支持している。
「認知症患者がある村の中で生活しているという気分を味わうために、オープンな環境の中でできる限り社会生活を自主的に営めるように考慮しなければならない」とマツァンダー氏は言う。村の敷地の周りに大きな壁が立ちはだかる「アフリカの村」であってはならないと言う。「それならば単にモダンな介護施設を建設すればよいのだ。このプロジェクトについてあれこれ語る必要もない」
最も重要なことは、認知症患者が自由かつ安全だと感じられる環境を作ることだ。「看護士が一般患者ではなく認知症患者に対して上手く対処できるように良く訓練されており、家族が看護の際に協力的であれば、認知症患者は自由でいながら安全だと感じるだろう」
(独語からの翻訳、白崎泰子)
swissinfo.ch 日本語版 2012-02-19  原文のまま
サイト内関連記事
編者:「認知症は老化の一種」は間違いだ。誤訳ではないかとドイツ語の原文で確認したが、誤訳ではない。高齢になればなるほど認知症、とくにアルツハイマー病になりやすいことで老化が関係した状態ではあるが、通常の老化ではなく異常な老化としてみるべきだろう。もっとも看護師を言わんとしている、老化に関連が強い認知症を受容しながら、どう向きあうかと問うという視点には同意する。

「老夫婦の日常、ベスト報道写真2011」(2月17日/ナショナル ジオグラフィック)
アルゼンチンの首都ブエノス・アイレスにある自宅の居間で、65年間連れ添った伴侶の手を引く89歳のマルコス。アルツハイマー病をテーマにしたシリーズ写真が、2011年世界報道写真コンテスト「日常生活」部門の組写真1位を獲得した。
タイトル「Never Let You Go(決して1人にしない)」のとおり、マルコスは妻のモニカが2007年にアルツハイマー病と診断されてから、2011年7月に息を引き取るまで片時も離れずに介護したという。
「遠く離れた戦場の写真でなくても、賞に値するという好例だ」と審査を担当したジョエル・サルトル氏は話す。「生活の中にも優れたモチーフはある。日常に深く考えを巡らし、慈愛に満ちた写真に仕上げている」。
National Geographic News日本語版 February 17, 2012 原文のまま
受賞組み写真:2012, Daily Life, 1st prize stories, Alejandro Kirchuk"Never Let You Go"

認知機能刺激療法で認知症の人の生活の質が改善(2月16日/イギリス)
グループで行う認知機能刺激療法―話し合、ゲーム、ガーデニングなど―は、軽度から中等度の認知症の認知機能を高め、生活の質などが改善することが、コクランCochraneの研究論文を評価するグループが認めました。
イギリス・ウエールズにあるバンガー大学Bangor Universityの心理学部老年心理学科のボブ・ウッズBob Woods教授(写真)らは、認知機能刺激療法で個々の人の認知機能がある程度、改善することが認められたとコクランライブラリーCochrane Libraryで報告しています。
改善が認められたのは、生活の質、幸福度、コミュニケーションおよび社会的相互反応ですが、感情、行動、身体機能の障害は改善が認められませんでした。
この結果から評価グループは、認知症の人と家族は『知的運動』が記憶や思考の低下を遅らせることに役立つだろうと助言されることが多いと報告していますが、実際にそのようなのです。
こうした療法は、1950年代に「リアリティーオリエンテーションreality orientation」として知られた方法から始まっています。この療法は、認知症の人に日付、場所などを反復練習させます。しかし、評価グループは、この方法は認知症の人に無神経なもので人気がなくなったと指摘しています。これに対して最近の認知機能刺激療法の試みは、知的運動をより楽しくすることが強調されています。
評価グループは「こうした療法は思考や記憶の全般を刺激することを狙った広範囲な活動であり、現在と過去にあった出来事や感心のある話題についての話し合い、言葉ゲーム、パズル、音楽、パン作りやガーデニングなどの具体的活動を含む」と説明しています。
今回行われた論文評価は、刺激療法を行うグループと対照グループのどちらかに無作為に分けられた認知症の人の総数が718人となる15の試験に関して行われました。試験参加者は、認知機能障害が軽度から中等度の人で、さらに重度な人やアルツハイマー病の人を含む試験もありました。認知機能を刺激する介入時間は30分から90分、回数は週1回から5回でした。
認知機能刺激療法の利点は、試験終了時およびその後の1カ月から3カ月でも認められています。4つの試験では、認知症の人の自己報告による生活の質と幸福度が対照グループと比較して同様な改善が認められました。しかし、自己報告でも職員による報告でも気分の変化は認めていません。また、日常生活機能、基本的な自己ケア、全般的な行動機能、過敏や欲求や気難しさといった問題行動については刺激療法で改善は認められませんでした。さらにこの種の療法で家族が介護しやすくなったわけではありません。
なお評価グループは、論文評価を行った試験では対象者が少なく、試験の質も低いものが多い指摘しながら、グループは、認知機能刺激療法で自己報告による生活の質と幸福感の改善は有意であったと結論づけています。
MedPage Today February 16, 2012 Group Exercise for the Brain Helps Dementiaおよび論文:Cognitive stimulation to improve cognitive functioning in people with dementia)
編者:記事で指摘しているように、こうした認知機能刺激療法の評価は対象者が少なく、薬の臨床試験のように無作為2重盲検法が行えないので、その評価は難しいが、限定的ではあるがなんらかの効果は認められたとするのが今回のコクラン評価とみたい。ウッズ教授は2004年に京都で開催した国際アルツハイマー病協会の国際会議にゲストスピーカーとして参加している。

認知症が予想を超えて増える(2月13日/スウェーデン)
ウメア大学Umea Universityの最新の研究によれば、時々刻々、スウェーデン人は認知症になる危険にあります。この警告的な報告は、85歳以上の人たちの認知症になる危険性についての主要は文献研究によるものです。
ウメア大学Ume? Universityの老年医学のY.グスタフソンYngve Gustafson教授(写真左)は「この5年から7年で認知症の人の人口に占める割合は40%増えた」と話しています。
2000年代の初めから研究者は、いわゆるゲルダスタディGerda studyを行い、スウェーデンとフィンランドの二つの地方での高齢者について観察し、ほぼ10年間の追跡調査を終えました。その結果は、85歳以上の人たちでは、5年から7年前と比べ、認知症やうつ状態が急増していることがわかりました。
研究のコーディネーターのM.グスタフソンMartin Gustafson氏は「もしこれらの数値が本当であれば、以前の予測値を再検討しなければならないでしょう。以前の認知症の人の推計値が正しくないかもしれない」と話しています。
Y.グスタフソン教授によると、認知症の人の人口比は西ヨーロッパ全体で急増しているようです。他の国の同僚たちも、同様の傾向を報告しています。
今回の調査結果の数字を国全体に当てはめると、2050年までに認知症の人が25万人とする計画上の現在の数値は有効でなくなるでしょう。
さらにグスタフソン教授は「たとえ、私たちの推計値の少ない数値でみたとても、認知症の人がさらに10万人多くなるとなるのです。特別な施設に居るわずか9万人についても考慮しなければなりません。これもかなり増えるので地方自治体政府の現計画をはるかに超える」と話しています。
(Stockholm News 2012-02-13 Alarming increase in dementia)
編者:レポートは読んでいない。我が国の認知症高齢者の数は厚生労働省の推計値があるが、その見直しは必要ないのか。これについての私見をブログ「高齢者の15.7%が認知症?!」で述べている。

ナーシングホームでの認知症ケアの最低基準を要求(2月7日/アメリカ)
認知症を擁護する人たちは、マサチューセッツ州の法律の欠陥を改めることを州議会議員に本日、要請しました。その欠陥とは、認知症ケアの研修を受けていない職員がいるにもかかわらず、認知症ケア棟があると施設が宣伝しているということです。
200人ほどの支援者が州議会議事堂に集まり、マサチューセッツ州公衆保健省Massachusetts Department of Healthに法案を支持すると要請しました。公衆保健省は、ナーシングホームと監督し、認知症ケア棟がある施設の最低基準を決める部署です。
タフツヘルスプランTufts Health Planの運営主任で、アルツハイマー病協会マサチューセッツ・ニューハンプシャー支部Alzheimer’s Association of Massachusetts and New Hampshireの政策委員会議長であるトーマス・クロスウエルThomas Croswell氏(写真左1)は「多くの施設で優れたケアが行われてはいますが、どこも同じケアというわけではありません。これは利用者にとってリスクとなる」と話しています。
2005年の連邦政府報告によると、44の州で、特別な認知症ケアを提供する施設での研修、職員配置、安全などを要件としました。
マサチューセッツ州の法案では、認可したすべてのナーシングホームでは特別な認知症の研修をすべての介護職、アクティヴィティ担当者、管理者が受けることが要件となるでしょう。
ケンブリッジの民主党員で州議会の高齢者合同委員会Joint Committee on Elder Affairs議長のアリス・ウォルフAlice Wolf議員(写真左2)は法案の共同提案者ですが、次のように話しています。
「すべての認可した施設で職員の認知症研修が義務付けられることが重要です。ナーシングホームの半数以上の入居者が認知症であり、認知症ケア特別棟で生活しているとは限らないのです。さらに、法案では、認知症の人向けのアクティヴィティを行っている認知症ケア特別棟に特別なプログラムがあることも規定します」
また支援者らは次のように話しています。
「ナーシングホームで認知症の人に相応しいアクティヴィティを提供しないことが多いのです。そのため認知症の人に特徴的な興奮や徘徊を悪化させることになっています。これまでの7年間、類似の法案が提出されましたが成立しなかったのです。それらの法案は認知症ケア特別棟に限定した職員配置を規定していたのですが、職員が多く配置されたからといってケアが必ずしもよいとは限らないと反対する人がいたのです」
ナーシングホームの業界団体であるサチューセッツ高齢者ケア協会Massachusetts Senior Care Associationのスコット・プラムScott Plumb副会長(写真左3)が、協会は今回の法案に賛同し、次のように話しています。
「法案は、州にある施設でのアクチヴィティ、施設、研修といった分野で合理的な条件お向上させ、職員の最低要員といったもっと議論すべきであり費用のかかるおそれのある問題については触れないことになりました」
研修の最低基準を設けるという法案は、アルツハイマー病協会や支援グループの連合団体が開発した認知症ケアのより広範囲な計画が含まれるでしょう。
州の高齢者事務局Executive Office of Elder Affairsのアン・ハートシュタインAnn Hartstein長官(写真左4)は、州議会議事堂での集会で次のように公言しました。
「州のパトリックPatrick政権は公的に今回の法案を受け入れています。これによって次の5年間にわたってアルツハイマー病の人の介護と治療へのアクセス、介護者支援およびその他のケア分野の改善することを目標としました」
boston.com 02/07/2012 Proposal requires minimum standards for dementia care in Mass. nursing homes
編者:アメリカではナーシングホームは州政府の監督のもとにあり、州ごとに取り組み具合が異なるようだ。我が国では全国一律に自治体が施設監督をしているが、第3者評価を含めどの程度機能しているのだろう。経費のかかる職員増員はアメリカの施設でもかならずしも賛同されていない。職員を増やしたからといってケアのレベルが上がるわけではないが、増員することに越したことはない。

★アルツハイマー病の危険性があるか調べる簡易テスト(2月3日/アメリカ)
身近な人がアルツハイマー病になる危険性があるかどうか判定できる簡便テストが開発されました。21項目のテストで、正常なもの忘れとアルツハイマー病になる可能性があるとされるもの忘れとを区別します。このテストは家族や友人が行うものです。
このテストは90%の精度で、アルツハイマー病の前の状態とされる軽度認知障害(MCI)を見つけるものです。この障害がある人の15%以上は、2年内にアルツハイマー病になるとされています。アルツハイマー病の治療法がないので、このテストを受けたくないという人もいるでしょう。
この簡便テストは、アメリカのアリゾナ州にあるバナーサンヘルス研究所Banner Sun Health Research Instituteの専門家らが約100人の正常者と軽度認知障害を対象にいくつかの質問の有効性を調べた結果、開発したもので、老年医学雑誌BMC Geriatricsの2012年2月号に掲載されました。
このテストでは、「同じ日に、同じ質問や話を繰り返しますか?」などいくつかの質問は特に重視されています。21項目の質問は「はい」か「いいえ」で答えられ、「はい」の場合は点数が1または2が加算され、合計は0点から27点です。0点から4点までは問題なし,
5点から14点は軽度認知障害が疑われます。15点以上は既にアルツハイマー病を発病している疑いがあるとされます。
今回の研究主任のマイケル・マレクアハマディMichael Malek-Ahmadi氏(写真左)は次のように述べています。
「人口の高齢化により、簡便な方法でアルツハイマー病を早期に把握することの必要性は高まっています。テストの結果を本人が勝手に判断しないで、かかりつけ医に受診しましょう。5点上の人は専門医の指導を必ず受けることです」
Daily Mail  3rd February 2012  Take the Alzheimer's test: The 21 questions that can reveal if YOU are at riskおよび論文:Informant-reported cognitive symptoms that predict amnestic mild cognitive impairment(pdf170K)

 

質問項目

はい

いいえ

1

もの忘れがありますか?

1

0

2

あるとしたら、もの忘れは23年前より悪くなっていますか?

1

0

3

同じ日に、同じ質問や話を繰り返しますか?

2

0

4

約束を忘れたり、家族が代わって約束しなければなりませんか?

1

0

5

月に1回以上、間違った場所に物を置きますか、あるいは置き場所を間違えて見つけられなくなりますか?

1

0

6

物が見つからないと、誰かが動かした、隠した、あるいは盗んだと疑いますか?

1

0

7

年月日や時刻がわからなくなりますか、あるいは11回以上、日付を新聞やカレンダーで確かめますか?

2

0

8

なれない場所でどこにいるかわからなくなりますか?

1

0

9

屋外で移動するときに道を迷いますか?

1

0

10

身体的な原因ではなく、お金を扱うことが難しいですか?

1

0

11

身体的な原因ではなく、請求の支払いや金銭管理が難しいですか、あるいは能力的に心配なため家族が代わって行いますか?

2

0

12

薬をのんだことを覚えたり、あるいは薬をのんだかどうか確かめるのが難しいですか?

1

0

13

車の運転が難しいですか、あるいは運転が危ないと家族が思いますか、あるいは身体的な障害とは別な理由で自分から運転を止めましたか?

1

0

14

電化製品などを扱うのが難しいですか?

1

0

15

身体的な原因ではなく、自宅の修理や家事が難しいですか?

1

0

16

身体的な原因ではなく、趣味を止めたり、減らしましたか?

1

0

17

なれた環境で道に迷うことがありますか?

2

0

18

方向感覚が低下していますか?

1

0

19

言葉や名前が出にくいですか?

1

0

20

家族や友人の名前がわからなくなりますか?

2

0

21

親しい人たちの顔がわからなくなりますか?

2

0

合計

 

0点~4点:問題なし
5点~14点:軽度認知障害の疑い
15点以上:アルツハイマー病を発病の疑い 

編者:軽度認知障害の概念については疑問が多いが、正常と軽度認知障害の簡便な判定テストなので紹介した。あくまで参考情報として利用されたい。

政府は認知症政策を実施すべき(2月3日/インド)
地球規模のアルツハイマー病協会である「国際アルツハイマー病協会Alzheimer's Disease International (ADI)」の議長にインド人として初めて選ばれたヤコブ・ロイK Jacob Roy医師(写真)は次のように述べています。
「ケララ州は、認知症の人に配慮した症状を緩和させる介護施設のネットワークを立ち上げる必要がります」
ケララ州に10万以上の認知症の人がいます。認知症は治るものではありませんが、州政府は症状を緩和する介護体制も持っていません。
さらにロイ医師は「在宅介護のニーズもあります。もの忘れ外来はかなりの支援となっています。この課題を州政府が取り組むことを時期している」と述べています。
この問題はケララ州で高齢者が増えるに伴い一層高まるでしょう。
1992年に「アルツハイマー病・関連疾患協会Alzheimer's and Related Disorders Society of India (ARDSI)」を立ち上げたロイ医師は次のように述べています。
「私たちは大規模なキャンパーンを進めて、この問題への認識を高めようとしています。さらに国際的な団体も政府がこの問題を優先課題とすることに関与することになるでしょう」
インド医学研究委員会Indian Council of Medical Researchは、この協会が3年間の認知症調査を実施することを承認し、調査はまもなく始まります。
またロイ医師は「認知症は、糖尿病や高血圧と同じく非伝染性疾患として認知されるべきです。フランスやオーストラリアなどの国では、この問題へ明確な戦略をもっている」と述べています。
第21回社会的公正・活性化・保健5カ年計画委員会Committee for Social Justice and Empowerment and Health for the 12th Five Year Planの委員にも選ばれたロイ医師は次のように述べています。
「予防から管理まで、こうした国では国レベルで承認された認知症ケアのさまざまな側面を明らかにしています。最優先の勧告として、認知症を医療の主流に移し政府から常時支援を受けることができるにすることです。認知症を進行を遅らせる多くの方法を私たち持っています。身体を動かすことが少ない生活は脳の健康を破壊します。定期な運動は脳を活発にし、認知症の発症を遅らせます」
(Times of India Feb 3, 2012 City lacks palliative care for dementia patients)
編者:ロイ医師は20年近い友人でインドの認知症ケアの第1人者で、その向上に努めている。彼はもともとまた今も小児科医であるが、父親がアルツハイマー病になったとき、この病気について医師たちの無知で、在宅介護の支援が皆無であることを知ってインドで初めて取り組んだ。

認知症で壊された生活(2月3日/南アフリカ)
アルツハイマー病など認知症は人の考えや能力を変えてしまい、もとには戻らないのです。支援があっても認知症は、本人にも介護者にも対処が難しい。
南アフリカでも同様で、伝統的な支援の枠組み―地域、家族、医療―が認知症の人にとっては他の場合より役立ってはいないのです。以下、ある家族の戦いと悲しみの物語です。
午前4時32分、ジョイス・ピターソンJoyce Petersonさん(74歳)は、娘と義理の息子のベッドのそばに立っていました。娘のジーン・エラスムスJean Erasmusさんは目ざめカーテンに母親の影を認めました。ジョイスさんは、ジーンさんに対してそれまでにないような口ごもった話し方をしていました。
昔はしっかりした女性でしたが、今はおどおどし狼狽するようになったのです。
ジーンさんの夫のディオンDeonさんを超えてベッドのそばの灯りをつけました。そしてスリッパをはいて灯りを消しました。
ジーンさんは、母親を抱き寄せ、やさしく「ママ、ベッドに戻りましょう」と話しかけました。
二人は部屋を通って、脚を引きずる母を助けて暗闇のなかの障害物を避けて歩きました。。母親のジョイスさんはいつも口ごもり、ジーンさんには何もしません。寝ている家族を起こしたくないのです。母とだと思い、自責の念にかられながら「おかさん、今、してください」と話しかけます。その寝室で母親と孫娘のナターシャNatashaが使っていますが、ジーンさんは母親のシングルベッドのシーツを引っ張り出したところ、濡れているのです。ため息をつき、がっかりしながら母を見つめて「あーまたか」とため息をつきます。しかし、ジーンさんは自分を不憫に思うことはしないで、母に注目するのですが、気分が落ち込みます。
ジーンさんは「お母さん、はずかしい、今、これでいいの」と話しかけ、しばらく母を強く抱きしめます。そして長い夜の上着に着替えさせます。もう夜に眠れないでしょう。
ジーンさんは、夜明け前、キッチンに立ってコーヒーを用意したり洗浄器に食器を入れたりすることは稀ではありません。処方された薬を使った経験から、ジーンさんは、母親の夜間の不穏をよくしようとするのは諦めました。今は、5時間から6時間の睡眠です。
ジーンさんは、母親の行動がおかしくなっても、わけがわかりませんでした。母親が、それまでとは違った人への変り、もの忘れが多くなり混乱し、攻撃的な行動が現れるようになっても、ただ傍観するだけでした。
さらに、感情の変化、ときどきの罵声や大声は予期できませんでした。さらにジーさんは
「母は自分を危ない目にあわせるようになりました。裏のドアを閉めるのを忘れると彼女が外を目的もなく歩きまわることになるでしょう」と話しています。
Sowetan live 2012/02/03 Sad story of a life devastated by dementia
編者:南アフリカのある家庭での認知症の母親を介護する娘の話。在宅介護はどこも同じ様子だ。同国の認知症への社会的支援や対策は知らないが、アルツハイマー病協会はある。1999年、ヨハネスブルグ近郊で開催された国際アルツハイマー病協会の国際会議に出席したことがある。

重度のアルツハイマー病の人でもつながりを持てる4つの方法(2月1日/アメリカ)
マックス・ウオーラックMax Wallackさんの曽祖母は、人生最期の数週間を過ごしていました。彼女は、認知症施設で生活をしていましたが、話すことも飲み込むこともできず、いつもで逝ってしまいそうな状態だったのです。
その頃、マックスさんは10代で曽祖母の世話をしていました。その施設で看護助手の人が赤ん坊を連れてきたときに起こったこと驚くような経験を次のように話をしています。
「曽祖母は、赤ん坊を見ると表情が明るくなったのです。そして話をして赤ん坊がとてもかわいいと実際に言ったのです」
アルツハイマー病のどの段階でもその人に伝わる4つの方法―アクティヴィティーがあります。こどもの訪問はその一つで、マックスさんが若い時に気付いたことです。そのほかには、ペットの訪問、音楽を聴いたり演奏したりすること、手工芸品を見たり作ったりすることです。

子供の訪問
子供は、認知症の人に大人ではできないことが多い情緒的に深いレベルでの交流ができるということはよく知られたことです。大人が部屋の入ってきても認知症の人は無表情かもしれませんが、アルツハイマー病の末期でも子供が入ってくると微笑みに変わることがあるのです。
このように子供はアルツハイマー病の人をうまく交流できることが多いのです。それがどのように可能なのかを検討するために、アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationのサイトで調べてみるのもよいでしょう。アルツハイマー病の人と子供にできる101の活動(101 Activities)が載っています。
 孫や子供たちが訪問するときに準備することは、医師の指導が必要かもしれません。子供が訪問を希望し、心地よいと感じることを確認しましょう。祖父母がアルツハイマー病である子供向けの解説書として「おばあちゃんはアルツハイマー(Grandma has Alzheimer's)」がよいでしょう。
ペットと訪問
オハイオ州シンチナッティにあるアロイスアルツハイマーセンターAlois Alzheimer Centerのスーザン・ジルスターSusan Gilster事務局長(写真右上)は次のように話しています。
「子供と同じように、動物が大人より認知症の人と深く触れ合うことが多いのです。認知症の人が長い間、経験してない触れることの喜びの一つが、ペットの訪問で生まれるのです。その訳は動物が相手を判断しないということです。動物は、無条件に認知症の人を好きになり、認知症の人の歓びに積極的に動物の愛情として表現するのです。柔らかい毛皮、顔面じゅうをなめる湿った舌、さらに吠えることも、認知症の人の全面に微笑みをもたらします。センターで重度のアルツハイマー病の人を犬がなめました。そのとき訪問者が『この犬のピーターは知らない人には普通なめたりしない』と認知症の人に語りかけると認知症の人はすぐに『この犬はとても相手を選ぶのね』と言ったのです。何カ月ものあいだ女性が初めて見せた明晰さがあるという証拠だったのです」
音楽と聴いたり演奏する
音楽もまた、アルツハイマー病の人に深いレベルで繋がりを持つ力があります。認知症の人の健康や社会的機能に前向きな影響を示します。重度のアルツハイマー病の人で家族の顔もわからなくなり、自分で服も着れなくなり、五分前のことも忘れてしまってから長くたって人でも抒情詩などの歌も歌うことがあります。実際、音楽は多くの重度の認知症の人が反応する唯一のものかもしれません。
アメリカ老年医学会American Geriatric Societyのグレッグ・ウオーショーGregg Warshaw元会長(写真右中)のアルツハイマー病の人にでも驚くほど心に浸透します。ほとんど歩けない人が、立ちあがり音楽に合わせてダンスを始めたのを見たことがあります。ほかに人たちも手をたたき歌い始めたのです」
私の家族の一人、エドワード・テオドールEdward Theodoru医師、のためにクラッシック音楽のバイオニストを雇ってアロイスアルツハイマーセンターのナーシングホームにある彼の部屋で演奏してもらいました。私は彼をバイオリニストのとなりに座らせたところ、それまでみたことがないような満足げな表情をしえいました(写真右上)。
認知症の人にどのように音楽を試みるかについては「音楽とアルツハイマー病:関わり、安心し、家族への喜びをもたらすために音楽をどのように試みるかは"Music and Alzheimer's Disease: Using Music to Engage, Comfort and Bring Joy to Your Loved Ones"」を読んでみましょう。
工芸品と見たり作る
レスター・ポッツLester Potts氏(写真左下)は、笑顔がほとんどなくなっていましたが、アートテラピーを行うアルツハイマー病向けデイケアセンターに通うようになって変わりました。彼は、これまで絵を描いたことはまったくありません。しかし印象に残るような絵を描き始めて国民的称賛を受ける芸術家になりました。
アルツハイマー病協会によると、安全で社会との繋がりのある環境のなかで芸術を通して表現して繋がってゆく能力は、コミュニケーションの困難さを少なくし認知症の人の自尊心を高めるのに役立ちます。創作する過程も芸術作品そのものと同じように重要で意義あることなのです。
アルツハイマー病協会は、「創造の記憶Memories in the Making」と呼ぶプログラムを提供しています。これはアルツハイマー病など認知症の人にとってユニークな美術プログラムです。このプログラムは、安全で芸術的表現に役立つ環境を備えることで、創造的で、かつ非言語的なコミュニケーションの方法を提供し、芸術をとおして貴重な一時を過ごす手段を提供するものです。
認知症の人のためにさまざまな方法での芸術活動を用意することができます。水彩画、クレヨン画、切りぬき帖、粘土細工がよく使われます。認知症の人が外出可能なら美術館へ行くのは、とても有益でしょう。芸術作品を鑑賞するだけでも音楽を聴くと同じように認知症の人に穏やかにすることがわかります。

こうしたこと―子供、ペット、音楽、芸術―は私たちは準備できることです。こうしたことをアルツハイマー病の人に試みてみると、そのことが本人だけでなく家族にとっても大いに報われることになるでしょう。
寄稿者:マリー・マーレイMarie Marley氏(写真右下)は介護経験者で、”Come Back Early Today: A Memoir of Love, Alzheimer’s and Joy”の著者。
TheHuffingtonPost.com 02/ 1/2012  Connecting With Alzheimer's Patients -- Even in the Latest Stages of the Disease
編者:我が国では常識的なアクティビィティだが、4つのうち、どれが誰に合うかは一概には言えない。またその効果も人さまざまである。

「[オピニオン]国の認知症への対応」(1月26日/東亜日報)
6年前に老いた母を見とった朴さんは、今も自責の念に苛まれている。認知症を患っていた母は、1日の半分以上を正常な精神状態でないまま過ごし、たまに朴さんと顔を合わせると数十年前の記憶を思い出してはひそひそと呟くように言葉を発した。しかし、一人で用を足すことができないほど症状が悪化すると、70代の老人である朴さん夫婦は、ついに自宅での介護を断念した。母は老人ホームに入れられてから、半年も経たたないうちにこの世を去った。重症の認知症老人らと一緒に入れられたため、会話が途絶えると食事の量が減り、健康状態が急激に悪化したのだ。
◇韓国の65歳以上の老人のうち、約9%が認知症に苦しんでいる。認知機能が低下し認知症にかかる可能性の高い、軽い認知障害の老人は4人に1人の割合となっている。認知症患者の10人中1人が40~50代の中年だ。認知症は、患者の品位や生活の質を落とし、家族には精神的、経済的負担を与え、「家庭破壊犯」とも言われている。高齢化や核家族化が進むと、「老人の子供」が認知症の両親の世話をしているうちに病気になることもある。健康保険公団は、認知症による社会・経済的費用を年間7兆ウォン以上と試算している。
◇認知症が完治する治療剤などないが、あらゆる種類の認知症は早期に発見し、積極的に治療をすれば、重症化を遅らせ、日常生活に支障を無くすこともできる。しかし、認知症の症状を、避けられない老化現象と捉えたため、治療の時期を逃し、その結果診療費が大きく増えるケースが多い。先進各国は、最初に認知症の症状が現れてから1.4年後に受診しているが、韓国はその2倍近い2.7年後に診療を受けているというデータもある。最近の出来事や人の名前を記憶することができず、簡単な道具も扱えないような初期症状が現れたら、直ちに病院を訪れるべきだと、専門家らはアドバイスしている。
◇昨年に認知症管理法を公布した政府が昨日、施行令案を議決した。国家認知症管理委員会を立ち上げ、政府が直接、認知症の予防や患者の管理を行う。保健福祉部長官が5年ごとに認知症管理に関する総合計画を、関連の中央行政機関の首脳や地方自治体長に通知すれば、彼らは毎年認知症管理を巡る実施計画をまとめることになる。老人を対象に、6ヵ月ごとに認知症の検診を実施する案も盛り込まれている。認知症患者を抱えている家庭にとっては、いかなる福祉政策よりも嬉しいニュースだ。選挙を意識した一過性の政策ではなく、苦痛をしっかりと受け止め、それを減らすための実行計画が求められる。
?亨三(イ・ヒョンサム)論説委員(写真) 
東亜日報日本語版 2012年1月26日 原文のまま
関連記事:「急がれる認知症対策」(KBS WORLD日本語版 2011-08-04)
編者:昨年韓国政府が制定して「認知症管理法」は日本にはない国家プロジェクトのようだ。産業、芸能などと同様、ここにも韓国政府の主導体制が現れているようだ。日本が遅れる?!

字は大きくてコントラストが良いと認知症の人の認知機能によい(1月22日/アメリカ)
ナーシングホームや高齢者センターで最も人気がある遊びのビンゴは、人との繋がりだけでなくそのほかの利点もあります。ビンゴのコントラスを強くし字を大きくすると、アルツハイマー病やパーキンソン病で認知機能障害や視覚障害のある人にとって思考する能力と遊ぶ能力を高めることがわかりました。
ケースウエスタンリザーブCase Western Reserve University大学、ボストン大学Boston University、ブリッジウオーター州立大学Bridgewater State Universityの研究者らは報次のように報告しています。
「健康人と障害者との比較するなかで改善した機能の全般的な結果から、認知機能を高めるために簡単にできる介入方法として視覚面で介入の意義が示されました」
研究結果は、“Bingo! Externally supported performance intervention for deficit visual search in normal aging, Parkinson’s disease, and Alzheimer’s disease” と題する論文が雑誌「Aging, Neuropsychology and Cognition」の電子版2011年11月9日版に掲載されました。
ケースウエスタンリザーブ大学のマンデル応用社会科学部Mandel School of Applied Social Sciencesの心理学者のグローブ・ギルモアGrover C. Gilmore部長(写真左上)によると、人は年をとるにしたがいコントラストを視覚的機能が低下し、認知症の人でとくにその傾向が強い」と述べています。
大学の感覚研究室Perception Labで精力的に研究を行ってきたギルモア氏はさらに「しかし、どのように視覚障害によってこうした人たちの認知機能や遊ぶ能力に影響を受けるかについてはほとんど知られていない」と述べています。
今回の研究者たちは、字の大きさ、コントラスト、視覚的な複雑さが異なるカードで試験し、どのように視覚障害が認知機能に影響与えるかを調べました。研究に参加者した対象者は、19人の若い成人、14人のアルツハイマー病と疑われる人、およびこれに相当する13人の健康な成人、17人の認知症はないアルツハイマー病の人、20人のパーキンソン病、およびこれに相当する健康な成人でした。
研究者がコンピューターで作成したカード―大きさ、明るさ、コントラストが異なる―でビンゴを参加者が遊んでいる間に、研究者は年齢や健康の程度でグループ分けした人たちの成績を比較しました。
その結果、字のコントラストとサイズを変化させることで成績が改善することがわかり、たとえば、軽度の認知症の人でも健康な同じ年齢の人と成績レベルが同じになるのです。ただいさらに進んだ認知症の人ではこうした変化はほとんど見られませんでした。
今回の研究を指導者のボストン大学のアリス・クロニンゴロンブAlice Cronin-Golomb氏(写真左下)は、ギルモア氏と認知症の人での視覚障害と認知機能について研究を20年間共同で行ってきました。彼女らは、パーキンソン病の人で模擬的な霧状態のようなコントラストが低い状態では運転機能に影響がでることが分かっています。
今回の研究から分かったことですが、生活環境やテーブルでコントラストを強くすることによって認知症の人―弱いコントラストでの認知機能が低下する―が、家のなかで安全に動け、食事も改善します。たとえば、白い部屋に黒いソファを置くことで室内のコントラストを改善し、認知症の人たちが動きやすくなるのです。さらに認知症の人が、暗いテーブルクロスで白い皿と食器を使うことで、あるいは皿の色とコントラストが強い食事を用意するとより多く食べるのです。
研究者は次のように述べています。
「コントラストを強くすることは、『外的支援能力介入Externally Supported Performance Interventions (ESPI)』として知られた介入方法です。こうした介入は認知症の人や視力障害のある人たちが、より長く自立して生活ができ、日々の仕事をこなし、生活を楽しみ、本を読むといったことができるようになるのです」
Alzheimer's Weekly  January 22nd - January 29th, 2012 Contrasting Colors & Larger Type Enhance Thinking in Dementiaおよび論文Bingo! Externally supported performance intervention for deficient visual search in normal aging, Parkinson's disease, and Alzheimer's disease
サイト内関連記事
編者:当たり前と思われていることが不完全だが科学的に証明された。認知症や視力障害の人には字は大きくコントラスをはっきりさせよう。

★オランダの「認知症ヴィレッジ」がスイスに導入予定(1月21日/スイス)
アムステルダムの郊外にある認知症施設を参考にして、スイスの開発業者がアルツハイマー病など認知症の人のためのヴィレッジの建設する計画を持っています。総額2700万ドルをかけてスイスの1950年代の空間を作ろうとするものです。しかしこうした考えを誰しもがよいとは思っていません。
アムステルダムの郊外にある認知症介護施設のホゲウエイHogeweyはヴィレッジタイプで、通りの表示、小さなノーム像gnome figurinesが置かれた前庭、レストラン、美容院、スーパーマケットなどがあります。他の施設と違うのは、重い認知症の男女150人が住んでいることです。かれらは自由にヴィレッジを歩くことができますが、外には出られません。この施設は認知症ケアの先駆者が考えたもので、施設の介護者は、それぞれの場面で、庭師や美容師やセールスマンの様な服装をしています。
現在スイスでは、ベルンBern州のヴィートリスバッハWiedlisbachに認知症ヴィレッジが建設されることになりました。まだ計画の段階ですが、ヴィレッジは現在在る介護施設の隣接して造られ「認知症の人のためのヴィレッジVillage For People With Dementia」を呼ばれることになっています。その地域の代表らは、この計画を既に承認しています。
開発会社のジェネラウマネージャーのマーカス・ヴェグトリンMarkus Vogtlin氏(写真左1)「現在、男女合わせて100人定員の認知症ヴィレッジを計画していますが、さらに先は200人以上あるいは300人定員に拡大することになるでだろう」と話しています。
建設には5年から7年かかる予定で、経費は約2700万ドルの予定です。
ホゲウエイを訪問したヴェグトリン氏は「不安のない雰囲気が印象的だった。認知症の人たちは落ち着かなくなり攻撃的になることが多いのですが、そこでは認知症の人たちは落ち着いて満足げでした」と話しています。
ヴィレッジは認知症の人によく見られる、動き回るという特異的な状態に応えるものです。
さらにヴェグトリン氏は次のように話しています。
「スイス版の建築とデザインによって認知症の人が、たとえ現在何が進んでいることを覚えることはできなくても、過去の記憶を持っているという特徴に配慮したものになるでしょう。したがって施設は、認知症の人たちが50歳代の頃の外観となるでしょう。認知症の人が心地よい空間になり、『時を遡る旅』とも呼ぶことができます」
ホゲウエイには23の小さな家があり、入居者は7種類の内装―家庭的、インドネシア風など―を選ぶことができます。
ヴェグトィン氏は付け加えて「私たちのヴィレッジでは選択肢は二つです。田園風か都会風かです」と話しています。
建物は2階建てまでで切妻屋根で、1950年代の前庭があり、診療所、カフェ、映画館、売店も設けられることになっています。ヴィレッジ内のドアはすべて開いたままです。
「ここで今」に合わせる
すべての専門家が認知症ヴィレッジをすばらしい考えだとはみなしているわけではありません。
チューリッヒZurich州のウエッジコンWetzikonに在る知症施設であるゾンバイドSonnweidのマイケル・シュミーダーMichael Schmieder所長(写真左2)は次のように話しています。
「ヴィレッジの考えは認知症の人を騙してその人たちには正常と見せようとするものです。
150人の入居者の介護施設では模範的と考えています。施設内ではすべての認知症の人が自由に動くことがでるのです。私たちは、認知症の人が自由に動ける1.5キロメートルの空間を用意しています。認知症の人は境界に向かって走り続けるということはありません」
ゾンバイドでは、1500万ドルの経費で定員を増やさないで建物だけ大きくために使われました。
さらにシュミーダー氏は「認知症の人と過去の生活様式と結びつけるという考え方には同意しません。4つ星のホテル並みの良さ提供しています。認知症の人は、『ここで今』を生きているのです」と話しています。
ベルン州の担当者はヴィートリスバッハの計画を歓迎しています。高齢者や障害者に関わる部署の長であるマークス・ルースリーMarkus Loosli氏(写真左3は次のように話しています。
「それはすばらしい。その考えに賛同します。ヴィレッジの環境のなかで認知症の人は、よりよく、尊厳を持って意義ある生活を送ることができるでしょう。昔に戻るということで認知症の人は安心し生活の質を高めることになるのです。しかし、ヴィレッジという考えはすべての認知症の人に当てはまるわけではありません。それば相応しいのは介護施設の入居者の半分ほどです。そうした事実を知っておく必要があります」
維持可能な解決策を求める
スイスでは、現在、認知症の人が10万7000人います。その数は20年以内に2倍になると予測されています。おおよそ60%の認知症の人が、現在、在宅で介護されています。しかしこれは維持なのでしょうか。多くの家族は、既に疲れきっています。一人暮らしの超高齢者の数も急増しています。
スイスアルツハイマー病協会Association Alzheimer Suisseは、何年もの間、国レベルの認知症戦略を提言してきました。ドイツでは「認知症アクションAktion Demenz」戦略があり、これは近隣でケアしようとする戦略で、認知症の人が親しみある場所で生活できるするものです。2008年にチューリッヒで始まった計画―「ハウスベズッヘ“Hausbesuche SIL(家庭訪問―社会医学的な個人の解決法Home Visits Socio-Medical Individual Solutions)」は、認知症の人のケアに親族、隣人、友人を巻き込もうとするものです。
スイスアルツハイマー病協会のビルギリッタ・マーテンスソンBirgitta Martensson事務局長(写真左4)は次のように話しています。
「異なるケアの制度が必要です。認知症―最もよく知られているのはアルツハイマー病ですが―は平均10年続き、いろいろな状態に変化するのです。認知症ヴィッジは進行した認知症の人にはよい解決方法で不安なく自由に動け回ることができます。しかし、そうしたヴィレッジは外から隔離されています。ゲットーではないのですが、違います。ヴィレッジは入居者を守る環境を提供し、多くの空間を用意でき、どのような能力でも技術でも利用できるのです。自らが満たされたという感覚をもたらすこともで、自分自身に何もすることがなく全面的に介護に頼るようなる事を避けられるのです」
(Worldcrunch January 21st, 2012 Welcome To “Dementia Village,” A European Experiment In Long-Term Alzheimer's Care)
編者:オランダで町と住宅を一緒にしたような認知症の人向けの新しい施設が拡がっているようだ。これをスイスに取り入れようとする動きがある。認知症カフェはオランダで始まっている。アルツハイマー病協会の活動も活発だ。オランダは認知症ケアで先駆的取り組みがあるようだ。スイスアルツハイマー病協会の事務局長が指摘しているように認知症は様々な状態があり、さまざまな認知症の人がいるので一つの方法だけですべてを解決できるものではない。多様なケアが必要なのだ。

「認知症の高齢者を守った豊山犬 」(1月18 日/民団新聞)
韓国江原道の江陵市に住む認知症の男性(85)が12日、300㍍離れた山中に入り、道に迷ったまま倒れてしまった。気温は氷点下10度。家族の通報を受けて捜索に出た警察は男性を発見。見ると、一緒に出た生後2カ月の豊山犬が男性のお腹の上にうずくまっていた。普通ならば凍え死んでいるところだったが、豊山犬が離れずに暖めていたおかげで一命を取り留めた。
民団新聞 2012年1月18日 原文のまま
追加情報
「韓国の忠犬、倒れた主人温め救う 厳寒の山中で」(1月19日/共同通信)
【ソウル共同】韓国東部の江原道江陵の山中で12日、男性(87)が倒れて動けなくなったものの、一緒にいた子犬が厳寒の中でずっと寄り添い体を温め続け、男性は無事救出された。子犬は「主人の命を救った忠犬」として話題になっている。MBCテレビが19日までに伝えた。
同テレビなどによると、子犬は北朝鮮の名犬、豊山犬の血を引く生後2カ月の白い犬。男性が親犬とともに大事に育てており、12日は初めて一緒に外出した。
男性は認知症の症状があり、12日夕方から行方が分からなくなり、家族の届け出で警察が捜索。約5時間後、自宅から約300メートル離れた山中で発見された。
NEWS47 2012年1月20日 原文のまま
編者:救ったのは子犬だった(写真右下)。韓国には「早期発見システム」は無いのだろうか。

政府は2025年までに有効なアルツハイマー病治療を希望(1月17日/アメリカ)
アメリカ連邦政府は、アルツハイマー病に関わる野心的な目標をもった計画を立てています。それは、2015年までにアルツハイマー病の治療と予防について効果的方法を開発しようとするものです。
オバマ政権は、初めて国家アルツハイマー病計画National Alzheimer's Planを進め、病気のよりよい治療方法を見つけ、アルツハイマー病の人によりよい日々の介護を提供することを目指しています。
計画の全体的な目標に関する公にされた草案によると、2025年を最終期限としてはいますが、その目標に向けて必要を研究をどのように助成するかの詳細は明らかにされていません。現在のアルツハイマー病の治療は、一時的に症状を軽減するだけで、よりよい治療方法を発見するという作業がいらだたしいほど遅れたままなのです。
アルツハイマー病の専門家からなる委員会は2日間にわたる会議を開催しました。17日は、この春までに予定の最終的計画が目標にどのように応えるのかに関して政府に助言することにしました。
会議の議長でメイヨークリニックMayo Clinicのアルツハイマー病の専門家であるロン・ピーターセンRon Petersen医師(写真左上)は「私たちは家族からの仕事が非常に重いものであることを思い起こさせてき」と話しています。
しかし、会議に影響することは財政危機という現実です。連邦政府がアルツハイマー病研究にどの程度の経費を提供するのか不明なのです。さらに州政府では、アルツハイマー病予算を削減しています。
ニューヨーク州保健局New York State Department of Healthのダヴィッド・ホッフマンDavid Hoffman氏(写真左下)は、州のアルツハイマー病対策を監督する人ですが、「実質的な資源がないなかで、こうしたことを決めることはありません。ニューヨークでは、爪でしがみついているような状態です」と話しています。
推計540万人のアルツハイマー病など認知症の人がいます。これは死因の第6位で、この病気は人口の高齢化により確実に増えています。2050年までに1300万人から1600万人の人がアルツハイマー病になり、医療や介護を合わせて1兆ドルと推計されています。
国家計画は、認知症の医療面と社会面の両方について取り組むことになっており、擁護団体らは計画を進めるための期限を決定すべきだと催促しています。
草案によるとその他の目標は次のとおりです。
○適宜な診断の改善。最近の報告によると、現在、アルツハイマー病の人の約半数は、正式な診断を受けていません。これは偏見や、診断を受けてもすることがないきることは何もないとの思い込みなどによるのです。診断を受けて、症状のよくする治療にくわえ、家族で計画を立てることが可能となります。さらに早期に病気を知ることで病気の進行を遅させる方法を科学者が見つけることにつながれば早期診断はきわめて重要なのです。
このため、草案では、全国的に一般向けの啓発活動を始めることを示唆されており、より多くの人たちが認知症の早期の警告となる兆候を知ることになります。さらに毎年、メディケアによる健康訪問の際、記憶機能評価を含めることも草案に盛り込まれています。
○家族への支援や研修を改善し、家族が認知症の人にとってどのような社会資源を利用できるか、また認知症が進行するなかで何を予期すべきかを知ることになります。
ニューヨークでの研修では、家族が認知症でよくある問題の対処方法を知り、支援を受けながら長く家庭で認知症の人を介護する方法も教えられます。ホフマン氏は、「研修費用は、ナーシングホームよりはるかに安い」と話しています。
アルツハイマー病の人は日常生活の簡単な行動の能力をゆっくりと失い、それが10年以上かかって進むのです。
昨年の夏から秋にかけて行われた全国各地でのタウンミーティングで、家族は政府の保健担当官に、介護者らが健康を損なったり経済的の損失することがないようして、家庭が認知症の人を人生の最期まで生きるような支援に確実に応えるような国家計画を要請しました。
CBS January 17, 2012  US wants effective Alzheimer's treatment by 2025
編者:アルツハイマー病治療の研究が停滞した原因の一人がペーターソン医師ではないと思えるが、従来の概念や方法論を持った彼を議長にして新しいアルツハイマー病研究が展開するのだろうか。といってこれにとって代わる新しい概念や方法論をもった研究者がまだ生まれていないのが現状だ。彼に議長をやってもらうしかないのだろう。なお、本記事でアルツハイマー病と認知症の数字が混同されているようだ。アルツハイマー病協会はアルツハイマー病の人が540万人といているが、記事ではアルツハイマー病を含めた認知症全体で同数としている。

認知症と戦う家族たち(1月16日/カナダ)
マリー・キャロランMarie Carolanさんは、10年前にレストラン「ワイトツラッフルWhite Truffle」の奥で行われた集まりを忘れることはないでしょう。
現在、オレンジヴィレに住む79歳のマリーさんの夫のジョゼフJosephさんは、パーキンソン病で、さらにレビー小体型認知症(LBD)になりました。
毎月、介護者のマリーさんは、オレンジヴィレに在るアルツハイマー病の小さな支援グループの人たちと会っていました。
マリーさんは「信じられますか、そのグループが、現在は自分たちの建物を持っているのです」と「デュッフェリン県アルツハイマー病協会Alzheimer Society of Dufferin County」について話しています。さらに彼女は「グループの介護者たちが私にとって最も助けとなりました。かれらは既に道を下っていたのです」と付け加えまし。
2004年に夫のジョゼフは亡くなりましたが、マリーさんは、そのグループが12年間とても支えになったことを忘れてはいません。この間に、彼女は、介護者であり、病気と闘う姿を見ていたのです。そしてマリーさんは前向きに生きようとアルツハイマー病協会の会合に出席し、現在、同じような状況にある人たちに助言しているのです。
さらに彼女は「トンネルの端には光がありません。 雲のうえにも希望の兆しもありません」と嘆き、「しかし少なくとも生活上の多くの束縛を軽くするためのことはできます。それは私が経験したことであり助言することです。このために私が集まりに参加するのです」と話しています。
現在、この地域のアルツハイマー病協会は認知症に人と共に暮らす人たちで、約200家族が参画しており、2,3年前の3倍ほどに増えました。
事務局長のローリ・タルザLaurie Turza氏(写真左の右端)によると、一人の認知症の人は12人に影響を与えます。県全体でこうした家族は600家族あるいは700家族以上になるでしょう。
タルザ氏は「とても痛ましいことです。しかし、同時に、家族と協会の人たちは、病気という旅を通して新たに日々、経験します。私たちがよりよくすることことを知っている」と話しています。
1月29日午前9時半から、支部の協会はオレンジヴィレハイランドモールOrangeville Highlands Mallで毎年行っているメモリーウオークを開催します。
これは協会の最大の行事で、認知症の啓発とアルツハイマー病など認知症の人を支援する事業の資金集めのためのものです。オレンジヴィレの催しは「アルツハイマー病啓発月間Alzheimer Awareness Month」を締めくくるものでもあります。
今年のメモリーウオークWalk for Memoriesのボランティア主任のイヴォネー・ウイレムスンYvonne Willemsen氏は、報道情報ととして「これは1年間のなかで協会最大の資金集めです。今年は特に2万ドルの資金獲得を目標とするメモリーウオークにする必要がある」と話しています。
協会は、既に支援グループをシェルバーンShelburne とオレンジヴェレOrangevilleに発足させており、今年はグランドバレーGrand Valleyにもう一つのグループが結成されることになっています。
協会のサービスは、早期の教育、本やビデオの貸出、個人や家族の支援、友愛訪問、悲しみの支援、医療職の教育などです。
社会との繋がりを意図したファーストリンクFirst Linkのコーディネーターのジェニファー・マッカラムJennifer McCallum氏(写真左の左端)は報道情報として「家族の繋がりを支援するために地域で利用できるサービスを提供しています。家族支援の私たちの役割は、病気との旅のすべてをカバーすることです」と話しています。
これがマリーさんにとって最も役立つタイプの本当の支援でした。彼女と5人の子供たちは、ジョゼフさんがゆっくりと衰え人間の殻に入ってゆくのを見ていたのです。
そのマリーさんは「パーキンソン病を発病し認知症の人を併発する前、ジョセフは実践的な夫で家族に関わる計画に喜んで仕事をしていました。パーキンソンとLBDが彼を襲ってすべてが変わってしまった」と話しています。
さらにマリーさんは「見ているのが怖かった。彼の強さが彼から吸い取られていったのです」と話しています。
でもマリーさんは幸運でした、彼女は強い支援システムを持っていたのです。家族はとても協力的でジョゼフさんの介護で彼女を支えました。
マリーさんは次のように話しています。
「不幸なことに、とても多くの人がそうしたシステムを持っていません。ほとんどの介護者はうつ状態になります。1日24時間、1週間7日、いつも自分にできる最善のことをしようとしているからです。彼らは妥協しないのです」
ダフェリン県アルツハイマー病協会はアルツハイマー病など認知症の人へと介護者へのサービスを提供しています。
年次メモリーウオークで歩く、寄付する、ボランティアをすることを希望する人は、電話519-941-1221かメールinfo@alzheimerdufferin.orgで連絡ください。
Orangeville.com Jan 16, 2012  Battle against dementia

★認知症の妻を殺した夫が収監(1月14日/イギリス)
認知症の妻の症状に対処できなくなり窒息死させた献身的な夫収監されました。
マルコルム・ベアードンMalcolm Beardon氏(79歳)(写真左上)は、妻のマーガレットMargaret氏(78歳)と、いつもお互いに世話をして、施設には決して入れないと約束していました。
退職した元バスの運転手の夫は、妻の記憶障害と、夫と認識できなくなって話がきつくなり対応が難しくなりました。
50年間、一緒に住んだ自宅のベッドで彼は首を絞めました。寝る前に彼が着替えさせようとしたとき、妻が他人を思い込み「汚い老人」と責めたのです。
昨日の裁判で12カ月間の収監になりました。裁判では、人命の敬虔さを保つ義務があるされました。
彼の息子は、裁判所に釈放を求めて手紙で「私は母を無くしました。また父も無くしたいと思いません」と書きました。家族は傍聴席で泣き悲しんでいました。
イギリス南部のサムレストに在るウエリントン・チャーチフィールドに住むベアードン氏は、自分をコントロールできなかったことによる殺人と認め、エクスタークラウン裁判所でのグラハム・コッテルGraham Cottle判事(写真左下)が12カ月収監と判決し、次のように述べています。
「この事件はユニークで苦痛を伴うともなう刑を判決することなり、意見も分かれたままです。あなたは58年間夫婦として生き、16歳のとき妻に会って結婚しました。共に深く献身的で2人の子供を育てました。人生の後半、妻が認知症になり症状が悪化し介護が不可能なほどになりました。あなたは支援を断り、悲劇的な結果からしてそうした決定をしたことは疑問です。あなたは誇り高い人ですが、高すぎて、もはや対処できないということが受け入れられなかったのです。とりわけ彼女が死んだ日は難しい状況でした。あなたの言葉で話すと、叩いて首を絞めて殺したのです。あなたがしたことは、きっと残された人生のなかで脳裏から去ることはないでしょう」
さらに判事はバードン氏の収監について次のように述べています。
「これは安楽死でもなければ、自殺ほう助に近いものでもありません。何年も愛してきた妻へ、一時的に自分をコントロールできなくなったことによる人命の断絶なのです。あなたの置かれていた状況はとても難しく問題が多く心打つものですが、これは多くの家族が経験しており、とても重い病気の配偶者や家族を介護しているのです。こうした事件を悲劇ととらえることはとても意義ある理解ではありますが、人命の尊厳という原則が、収監を猶予することで、軽くみられるかもしれないのです」
thisissomerset January 14, 2012  Jail for elderly man who killed dementia wife
編者:こうした事件は日本では情状酌量ということになりかねないが、イギリスの判事の判断は一考に値する。それにしても社会的サービスに頼らないと決めた夫の行動は、我が国でも起こっており、これからも起こるだろう。社会サービスとの繋がりを早く作る作業が欠かせない。

看護師が認知症の人を箒で殴る(1月14日/スウェーデン)
看護助手が箒の頭で認知症の人を叩いたと疑われています。この事件は、南スウェーデンのバスタドBastadに在るスコースリーデン高齢者ホームSkogsliden's geriatric home(写真右)で起きました。
同僚が上司に告げることで事件が発覚しました。
地元紙Helsingborgs Dagblad (HD)によると、看護助手が清掃部屋に行って箒を持っていたのを見ていました。それから看護助手は、箒で認知症の入居者の車椅子を押し、頭や顔を箒で叩いたのです。
医療部長のスザンナ・ハーチングSusanne Hertting氏(写真左)は「何年もこの仕事をしてきましたが、こうしたことは聞いたことがない」と話しています。
ホームの管理者は「入居者がけがをしたり検査を指示されたようなことはない」と報告しています。
ホームが厳重に忠告された今回が初めてではありません。
国の保健福祉委員会National Board of Health and Welfare (Socialstyrelsen)は、昨年、この施設に忠告しました。不十分な数の職員、入居者が希望したときにシャワーを利用できないなど、認めがたいことが指摘されました。
しかしハーチング氏は、先週の出来事は以前からの欠陥とは関係ないと考え、「個人的な問題です。私たちのすべての職員がすばらしい仕事をしており、仕事がどれほどきつくても、上司に不満があっても、罪のない人を叩くことはありません」と話しています。
なお今回の看護助手は、以前、薬の窃盗の疑がありますが起訴保留のままです。
The Local 14 Jan 12 Nurse beat dementia patient with broom
編者:スウェーデンでも施設での身体的虐待がニュースになるようだ。なお記事は英語版のスウェーデンニュースで、固有名詞の呼び方に間違いがあるかもしれない。

★「認知症コストは196兆円、介護者の負担浮き彫り―欧州」(1月11日/メディカルトリビューン)
英オックスフォード大学医療経済研究センターのRamon Luengo-Fernandez氏(写真左上)らは,東方拡大を進める以前の2004年時点の欧州連合(EU)加盟国15カ国を対象に,認知症に関する介護や医療,薬剤などのコストのほか,家族などによる介護で発生する無報酬の労働コストや生産性の損失などを含めたコストを推算したところ,2007年は計1,650億ポンド(約196兆円)に上ったと、米医学誌「Journal of Alzheimer's Disease」(2011; 27: 187-196)に発表した。
68%は家族介護コスト
今回のLuengo-Fernandez氏らによる試算では,2007年の認知症コストの68%を家族や友人などによる無報酬の介護(インフォーマルケア)のコストが占め,次いで26%を居住型ホームやナーシングホームなどを含むソーシャルケアのコストが占めた。また,各国の医療システムにおけるヘルスケア関連コストは5%,認知症にかかるまたは早期死亡などによる生産性の損失コストは1%と推算された。
認知症患者1人当たりのヘルスケアおよびソーシャルケアのコストを合算した額は,ルクセンブルクが最も高く,スウェーデン,英国が続いた。対象となった15カ国の平均コストは8,623ポンド(約100万円)だったが,各国間に大きなばらつきが見られた。
15カ国全体の認知症患者数(未診断例を含む)は推計で640万人に上り,全人口の1.6%を占めた。英国では患者数は100万人弱と推計された。
介護で失われた時間を評価すべき
今回の研究では,対象となった15カ国で,認知症患者(約440万人)が親族や友人などによる無報酬の介護を119億時間受けていたものと推定し,そのコストを推算した。
Luengo-Fernandez氏は「認知症は欧州諸国に甚大な影響を与えており,その負担の大部分が無償で介護する人々にかかっている」と指摘。「無報酬の介護は,愛情のこもったケアであることに価値が見いだされている。しかし,資源は経済用語で言うところの機会費用として評価されるべきで,家族介護の場合,認知症の家族を介護するために失われた,本来はほかの仕事に費やせたはずの時間を評価すべき」と主張している。
また同氏は,認知症コストで無報酬の介護に次いで大きな割合を占めたのは,多くの患者が最終的に必要とするナーシングホームや居住型ホームにおける長期介護の費用だったことに触れ,「これまで医療システムの議論では,ソーシャルケアの存在が忘れられがちだった。英国ではソーシャルケアの財源は中央集権化されておらず,国と自治体の予算,自己負担金が財源となっているが,こうした財源は十分注目されてこなかったようだ。これは,多くの欧州諸国でも同様だ」と指摘している。
南欧では無報酬の介護が多い
また,北欧諸国と南欧諸国との間で異なる特徴が認められた。例えば,英国や北欧諸国では南欧諸国に比べて認知症患者1人当たりのヘルスケアおよびソーシャルケアのコストが高いことが分かった。
この分析結果の背景について,Luengo-Fernandez氏らは「単純に,これらの国々が富裕国であることが一因だろう」と分析。「富裕国では薬剤や医療のコストが特に高い傾向にある。例えば,英国の顧問医や一般医(家庭医)の給与はスペインの同レベルの医師と比べ著しく高い」と説明している。
また,北欧諸国では南欧諸国に比べて施設介護の割合が高いことも分かった。その要因として,同氏らは「南欧では女性の就業率が低いため,娘や息子の配偶者が介護を担う傾向が強い。こうした場合,家族介護者が介護に伴う負担に加え,心理的ストレスまで引き受けることになる。また,家族のきずなをより強く重んじる南欧では,施設介護に頼るのは思いやりがなく怠慢だとの考えが根強い傾向もあり,こうした文化的差異も影響しているものと考えられる」と述べている。
解決策は治療・予防研究
英国の認知症研究への助成額は,調査した15カ国全体の40%に達し,英国は他のどの国よりも認知症研究に潤沢な資金を当てていることが分かった。しかし,心筋梗塞など冠動脈性心疾患やがんなどの研究資金助成と比べ,認知症研究への資金助成はその経済的負担の割に不十分であることが,英国の先行研究で明らかにされている。
アルツハイマーリサーチUKのRebecca Wood理事長(写真左下)は「アルツハイマー病により損なわれた人生を統計で測ることはできないが,財政難のこの時代には,認知症研究への資金助成の妥当性を示す強力な経済的根拠を示さなければならない」とした上で,「今回の研究では,欧州で認知症の影響が深刻なことが示された」と評価している。
また,同理事長は「認知症ケアの負担は,患者の夫や妻,息子や娘といった無償介護者に重くのし掛かっている。かつてないスピードで高齢化が進み,認知症患者が増加するのに伴い,家族介護者も増加しつつあることは、憂慮すべきことだろう。認知症をめぐる問題の唯一の解決策は,認知症による影響の軽減と,患者のQOL(生活の質)向上,さらに治癒を目指した治療と予防の研究だ」と述べている。(編集部)
健康百科 2012年1月11日 原文のまま

認知症の人に必要な精神的健康に応えよう(1月10日/アメリカ)
アルツハイマー病など認知症の人は精神的健康上の問題―認知症の他にうつ状や不安など―をもっていることが多いのです。いつも頼ってきた記憶がはっきりせずに不確です。人生で培ってきた知識や技術も失っています。人間関係も変わったり無くなっています。通常、職場、家庭での活動や楽しむことが難しくなります。最終的には、金銭、計画、外出、食事、掃除、入浴の世話をする人たちが必要となるのです。認知症の人のアイデンティティ、プライド、満足などが無くなり、認知症の人は悲しく、怖れ、怒りを抱き、ときに彼らの行動が介護者の問題となるのです。
こうした明確な真実は、アルツハイマー病など認知症の人数が今後20年間で急激に増えることへの国家的な準備な進める事柄に含めるべきです。
良い知らせとして、昨年1月に法律となった「国家アルツハイマー病プロジェクト法National Alzheimer's Project Act (NAPA)」に基づき、アメリカ保健社会福祉省U.S. Department of Health and Human Services (HHS)が認知症に関する長期計画を推進し始めたことです。
このプロジェクトの計画諮問委員会には、多くの連邦政府の関係部署にくわえ、薬物乱用・精神保健局Substance Abuse and Mental Health Services Administration (SAMHSA)が加わっています。昨年12月中旬、SAMHSAは、専門家による小グループを立ち上げ、認知症の人が経験する精神保健上の問題に応えることの重要性について勧告しました。今月17日と18日に開催される次回の諮問委員会の会議でこの勧告が生かされることを願っています。
悪い知らせは、認知症に関わる国家の優先事項についての争いがあることです。
優先項目の一つとして、あるいは唯一つとしてアルツハイマー病の治癒の研究に投資すべきであり、すくなくともこの病気の不可避的な機能低下を止める薬の発見研究に投資とすべきと主張している人たちがいます。たとえば、雑誌Alzheimer's and Dementiaの論説で、「2020年までにアルツハイマー病予防キャーペーンCampaign to Prevent Alzheimer's Disease 2020」を行っているザヴェン・ハチャトリアンZaven Khachaturian氏(写真右上)は、「最終的に重要なことは、アルツハイマー病研究の社会資源とその財源を配布するに際して意義あるシステムが構築されるような信頼できる行動計画を立てることです。とりわけ、アルツハイマー病の障害や予防の介入方法を発見し開発することです」と主張しています。
また医学的研究な約束があっても、すでに認知症になった540万人、今後20年間で新たに認知症になるだろう500万人から600万人には役立たないだろう信じている人たちもいます。認知症の人を支える人間的ケアによって可能性のある最善の生活の質を提供することが最大の目標と、私たちは信じています。これは生物医学的研究と競合するのではなく、追加すべき必要なこととみなしています。
しかし、より人間的でより効果的なサービスや支援の必要性について関心ある人たちの間でさえ、精神保健サービスの重要性についての論争があるのです。
ひとつは、心と体の分離という時代遅れの見解によるものです。認知症の精神症状は身体的な原因によります。このことから多くの人は、アルツハイマー病の身体的原因に関する治療を重視することを主張し、精神保健の問題として認知症を捉えていまい人たちがいます。心と体は表裏一体の関係にあり、身体面も精神面もともに視野に含めた介入によって認知症の人と家族が最善の生活の質が維持される必要があると信じている人たちがいます。
認知症の人と介護者の生活について多くの精神保健上の問題が生まれています。ハチャトリアンの論説が載った同じ雑誌の最新号で、ジョンズホプキンスメモリーセンターのコンスタンチン・リケトスConstantine Lyketsos氏(写真左中)らは、神経精神症状はアルツハイマー病など認知症の中核症状であると論じ「うつ状態と無関心、言語的および身体的興奮、あるいは後期の幻覚、妄想、攻撃性は、とりわけ精神保健的介入―とくに非薬物的介入―の取り組むが必要であり重要です」と述べています。
精神面の理解によって、たとえ診断されるような精神疾患を持っていなくても、認知症の人と介護家族の生活に質が改善するのです。認知症は、どうしようもない恐怖と思われがちですが、多くの認知症の人たちは安心した生活を送っているのです。認知症の人が、自尊心を持ち、安心できる世界で生きられるように支援することは彼らのとってとても重要な目標となります。
こうした精神保健上の課題は、障害者の介護の80%を提供している介護家族にも関係することです。かれらは、「燃え尽き」になりやすいうつ状態、不安、身体疾患を発病する危険性が高いのです。ニューヨーク大学医療センター精神科のメアリー・ミッテルマンMary Mittelman氏(写真左下)の信頼できる調査によれば、心理的支援によって介護家族は直面するストレスをもちながらもよりよい生活を支えることになり、結果的にナーシングホームへの入居を18カ月遅らせことができるのです。
もし、国家アルツハイマー病計画がこうした認知症の側面を反映するのでなければ、認知症の人と家族の生活は、はるかに悪化するでしょう。こういうわけで、私たちは、認知症の人と家族の精神保健が国民の中核的な優先項目として計画に盛り込まれることを要求するのです。
寄稿者マイケル・フリードマンMichael Friedman氏(写真右)は精神保健分野で40年以上勤め、現在、コロンビア大学ソーシャルワーク・公衆保健学部で教えている。
HuffingtonPost 1/10/12 Meet the Mental Health Needs of People With Dementia
編者:認知症の人の精神保健は新しい視点だ。寄稿者は国の認知症対策が医学研究に偏らないで総合的対策の必要性を主張している。我が国では認知症対策を統括する部署が不在であり、総合的対策の必要性についての議論が望まれ、私も参画したい。

★アルツハイマー病の試練のなかで見つけた愛(1月9日/アメリカ)
アルツハイマー病が、私たちを一緒にしてくれましたのです。この病気は、想像していた以上に強い親密な関係をもたらしてくれました。
でも私が初めてドロシーDorothy(写真の右)に会ったとき、私の人生でもっとも悲しい時期に関わるとは想像もしませんでした。
私たちは高齢者ダンスで出あいました。ドロシーは9年前に夫がなくなり、私は、数年前離婚していたのです。彼女は神学の博士号を持っていましたが、私がながく無信仰のままでした。ダンスをしている間、それぞれに異なる背景について冗談を言い合ったりしました。私は呼吸器の病気の治療を受け、彼女はボランティア活動に優れた才能を発揮していました。
最初から、すべてうまくいったというわけではありませんでした。ドロシーの大きな家は衣類の袋で一杯で、彼女は玄関で寝袋に寝ていたのです。これらは認知症の初期症状だったのかどうか、私にはわかりませんでした。彼女が私の家のベッドを見た時、すぐに引っ越したかったようです。
私たちは、歴史的に由緒あるダンス―そのほとんどビクトリア時代の―の一団に加わりました。南北戦争を再現することにもなりました。私たちが、タンゴやワルツを教え、タンゴのショーもしました。お互いに踊りながらの人生の一時を過ごしていました。
次第に、私が彼女のために多くのことをしていることに気付きました。魅力的で社交的な彼女の世話をすることは楽しみだったのです。おかしな行為が何年もかけてゆっくりと増えました。私たちが結婚しない時、私が彼女のすべての生活を引き受けることになったのです。
彼女が初めて失禁した日のことはこれからも覚えているでしょう。私たちは医療機関に居て、私が眼科医に受診したばかりでした。その建物のロビーの磨かれた御影石の床に水たまりがありました。後に別の失禁にも出あいました。
彼女の愉快な人柄は変わりませんが、立つったり歩いたりしたくなくなったのです。ボランティアの助け―とくに階段で―を頼む必要がありました。また私といつも一緒に歩くことは実際的ではなく、いつも身体をまげたりのばしたりして私の身体を擦り減らすことになりました。
介護施設に入る時が来ました。そこで、彼女は私以上によい介護を受けることになるはずでした。ドロシーは、すぐに施設に順応して、必要が介護を受けることを理解していました。しかし、私にとっては心痛むときが始まったのです。皮肉なことに、彼女が認知症の被害者であり私もまた被害者の一人なのです。彼女は認知症の夢の世界の満足しているようですが、私にとっては毎日、彼女が去ってしまったというこの今失ったとことをどれほか思い起こさせているのです。
アルツハイマー病は、彼女がいないという空白の感情を満たすような親密感をもたらしました。ドロシーを介護したということは、私の一生涯の経験であり、私が亡くなるまで大切な償いと満たされる時でもありました。
追記:寄稿者のジョウン・サイモンズJohn Simons氏(写真の左)は、現在、毎日、ドロシーさんに昼食を食べさせに通っています。
Los Angeles Times January 9, 2012 My Turn: Love formed in Alzheimer's crucible
編者:アルツハイマー病への肯定的な思いだ。同じアルツハイマー病でも二人の性格と関係が状態に関与しているのだろう。なおお二人の写真は発病前のもの。

★アルツハイマー病啓発月間(1月5日/カナダ)
カナダ・オンタリオ州に在るケノーラKenora地区でも1月は「アルツハイマー病啓発Alzheimer Awareness月間」で早期診断の利点を宣伝し。今年のキャンペーンのテーマは「面と向かいましょう'Let's face it!」です。
ケノーラ/レインリバー地区アルツハイマー病協会Alzheimer Society of Kenora/Rainy River Districtsのリン・モファットLynn Moffatt事務局長(写真の左端、右端は市長、あと二人は市議)は、最近の研究成果を引用しながら次のように話しています。
「まだカナダ人は、認知症の症状を単に老化とみています。カナダ人の50%近くが、症状が出て1年以上して家庭医を診察しています。このうち16%が2年以上経過しています。診断が遅れることで、治療の大幅に遅れ、薬、支援、疾病管理に関する意義のある情報を得られないことになります」
昨年の秋、アルツハイマー病協会Alzheimer's Society of Canada が行ったオンライン調査によると、受診が遅れる最大の理由は、症状が加齢の一部で最終的に無くなると信じていることでした。また39%は、症状は一時的なもので深刻にとらえていないのです。さらに4分の1以上は、受診することを拒否し、症状が悪くならないのなら受診する必要はないとみていました。
あらに事務局長は「認知症の症状は、正常な加齢現象とは異なります。一般の人たちがアルツハイマー病の10の症状10 warning signs of Alzheimer's diseaseを知ることを勧めています。症状を知ることで準備ができるのです」と話しています。
調査結果によると、回答した人の75%は、認知症の人を介護している人で、治療から症状管理までに利用できるようになりより早く診断を受ければ良かったと回答しています。また78%は、認知症の人とできるだけ長く自宅で生活したいと答え、63%は、病気によりよく対処し病気と共に生きることは早期診断によって可能だとしています。
ケノーラ/レインリバー地区アルツハイマー病協会は、アルツハイマー病やその他の認知症について個人や家族が初めて診断を受けるのを支援するファーストリンクFirst Linkプログラムを行っています。
さらにモファット氏は次のように話しています。
「現在在る学習、サービス、支援を早期に利用することで、認症の人やその家族はとてもよい結果を得ることができます。認知症の知識や理解を増やし、より自信をもって問題に立ち向かい、将来計画、ストレス軽減、悲しみを防ぐ、そして認知症と共に暮らしながらでも生活の質を改善することに役立つのです」
一般の人たちがアルツハイマー病協会のオープンハウスを訪れることを歓迎しています。そこでは、脳の健康、予防、制度、ボランティアの機会について学び、扱い方も経験できます。また、バーチャル認知症ツアーVirtual Dementia Tour―コミュニケーションとケアを改善することが実証されているユニークな相互作用と効果的な方法―に参加してアルツハイマー病の人になったように歩く体験もできます。ツアーは、スーパー8モーテルSuper 8 Motelで1月24日の12時から午後4時までと、6時から8時まで体験でき、1回のツアーに20分です。予約は、電話(807) 468-151またはメールashley@alzheimerkrr.comで。
MinerandNews 05/01/2012 Alzheimer Awareness Month