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2012年
ナーシングホームでの認知症ケアの最低基準を要求(2月7日)
アルツハイマー病の危険性があるか調べる簡易テスト(2月3日)
政府は認知症政策を実施すべき(2月3日)
認知症で壊された生活(2月3日)
重度のアルツハイマー病の人でもつながりを持てる4つの方法(2月1日)
「[オピニオン]国の認知症への対応」(1月26日)
字は大きくてコントラストが良いと認知症の人の認知機能によい(1月22日)
オランダの「認知症ヴィレッジ」がスイスに導入予定(1月21日)
「認知症の高齢者を守った豊山犬 」(1月18 日)
政府は2025年までに有効なアルツハイマー病治療を希望(1月17日)
認知症と戦う家族たち(1月16日)
認知症の妻を殺した夫が収監(1月14日)
看護師が認知症の人を箒で殴る(1月14日)
「認知症コストは196兆円、介護者の負担浮き彫り―欧州」(1月11日)
認知症の人に必要な精神的健康に応えよう(1月10日)
アルツハイマー病の試練のなかで見つけた愛(1月9日)
アルツハイマー病啓発月間(1月5日)
2011年
モンテッソーリ法は認知症の高齢者に相応しい(12月29日)
地震後、認知症ケア棟のある高齢者ホームが開所(12月21日)
革新的治療薬で「長い別れ」を短縮(12月21日)
先住民に文化的に配慮された認知症の評価とケア(12月16日)
経管栄養の導入に迷う(12月11日)
認知症支援グループが政党に要望(12月6日)
アルツハイマー病世代:この30年間で学んだこと(12月2日)
多角的非薬物療法が認知症の進行を抑える(12月1日)
認知症サービスの削減を止めるよう(11月29日)
アルツハイマー病の啓発(11月27日)
「行方不明男性、フェイスブックのおかげで発見 フィリピン」(11月24日)
タッチパネルで思い出を語り合う(11月22日)
治らないアルツハイマー病は何もの?(11月21日)
認知症の診断後の自殺(11月17日)
経管栄養は認知症の人の願いと価値観に基づくべき(11月13日)
認知再構成法は認知症の介護家族に有効(11月11日)
「オランダで初めての重度認知症患者に安楽死」(11年9日)
デイケアセンターの資金不足(11月6日)
地震の影響で苦闘する認知症介護家族(11月5日)
「「認知症、介護…日本に学べ」韓国で日本映画話題」(11月5日)
認知症の人への薬物的拘束で医師が服役のおそれ(11月2日)
認知症は国の優先課題(10月26日)
アルツハイマー病の人に白内障手術はよい(10月25日)
アルツハイマー病にはチームアプローチ(10月24日)
高齢者の10人に一人が認知症(10月24日)
アルツハイマー病は残忍だ(10月20日)
「ドラム療法」(10月20日)
介護経験者が現役介護者を支える(10月20日)
キューバのアルツハイマー病の人は2030年までに2倍(10月18日)
認知症サービスの利用待機者が増えている(10月18日)
アルツハイマーカフェはアメリカで少ない(10月16日)
認知症の人たちらが国会にデモ(10月14日)
「【日本版コラム】日本製のアザラシ型ロボット、米国にも浸透中 影木准子の米国ロボット最前線」(10月 13日)
アルツハイマー病協会が運転について話し合うときの情報(10月11日)
アルツハイマー病の進行を左右する要因(10月9日)
「認知症ショップ」オープンへ(10月7日)
「アルツハイマー病最前線 Vol.1:アルツハイマー発症前診断・早期治療に向け、大規模国際研究が加速」(10月6日)
フンボルト郡でのアルツハイマー病ケアの取り組み(10月4日)
抗認知症薬を服用すると施設入居が遅くなるようだ(10月2日)
認知症の人には薬より裏庭がよい(10月1日)
認知症の妻を窒息死させ、夫は入水自殺(9月28日)
「物語を話す」ことは認知症の人の生活の質に良い(9月26日)
アルツハイマー病ケアがアメリカ経済をダメにするだろう(9月26日)
増えるアルツハイマー病を減らす適宜な行動(9月25日)
認知症について講演(9月24日)
「認知症でも、自分らしくいられる場所」(9月24日)
第5回「全国認知症研究フォーラム」開催(9月22日)
認知症外来の開設が急務(9月22日)
アルツハイマー病の臨床前診断と倫理的課題(9月19日)
認知症の人に「笑い」がよい(9月18日)
世界アルツハイマーデーに併せ啓発活動(9月18日)
認知症の人の小規模グループホームでの介護の質は高い(9月15日)
ハバナで世界アルツハイマーデー(9月7日)
アルツハイマー病治療薬の失敗から学ぶ(9月7日)
「アルツハイマー病をなくすウオーク」への参加の呼びかけ(9月2日)
施設での認知症の人への新たな取り組み(8月29日)
「利用者の満足度を第一に スウェーデンの高齢者福祉施設」(8月24日)
「“眠れる”中国の巨大介護マーケット- 介護企業の海外展開(上)」(8月23日)「海外で介護を受ける時代がやってくる?- 介護企業の海外展開(下)」(8月24日)
アルツハイマー病の間違った概念を改める時(8月16日)
アルツハイマー病の6つの検査の利点・欠点(8月15日)
アルツハイマー病国家戦略についてアルツハイマー病の人や家族らの公聴会(8月14日)
「韓国で介護難民が少ない本当の理由 社会保障制度を分析する―その3「介護」」(8月8日)
介護職の認知症介護の研修―ケアマルタの取り組み―(8月7日/マルタ)
アルツハイマー病の妻と夫の心中(8月5日)
アルツハイマーカフェが孤立を軽減(8月1日)
ホスピスは終末期の認知症の人とその家族に有用(7月29日)
人は、なぜアルツハイマー病になりやすいか(7月25日)
血管性認知症の新しいガイドライン(7月21日)
認知症ケアの改善の取り組み(7月19日)
アルツハイマー病は女性の問題(7月18日)
停滞するアルツハイマー病治療薬の開発(7月18日)
デイサービスは介護家族のストレスを軽減(7月18日)
「コロンビア:中部の貧困の村、見えぬ恐怖 アルツハイマー病遺伝子、6人に1人」(7月14日)
アルツハイマー病の人の治療に演劇(7月13日)
認知症ケア専門士(7月12日)
アルツハイマー病の人に介護と愛情を(7月8日)
アルツハイマー病の遺伝検査と相談の新しいガイドライン(7月7日)
病院と診療所に認知症専門チームを導入(7月4日)
ディルノー委員会は自己負担軽減の高齢者ケア改革を勧告(7月4日)
認知症介護の経済的負担の在り方を検討(6月30日)
ドネペジルとメマンチンの併用が増えている(6月28日)
認知症の人と歌劇団との合同合唱団(6月27日)
認知症の人の安楽死に医師は慎重(6月26日)
宿泊ケアが試行的に始まる(6月26日)
「ピーター・フォークさん死去=「刑事コロンボ」で人気」(6月25日)
在宅介護で高齢者の人権が守られていない(6月21日)
認知症ケアのありふれた鍵(6月17日)
若者が認知症の人との繋がりを見つける(6月14日)
アルツハイマー病薬研究の資金が乏しい(6月14日)
高齢者を介護する人が増加(6月14日)
アルツハイマー病の作家が自殺幇助の映画を擁護(6月14日)
認知症の人に卓球―ゲームそして治療―(6月10日)
認知症地域ロードショウは10万人の家族の命綱(6月10日)
アルツハイマー病の人の追跡器機(6月9日)
「アルツハイマーに効く?介護付き住宅で暮らす人々が子猫セラピーで元気に」(6月6日)
スタンフォード病院の認知症家族への特別な支援プログラム(6月2日)
「虐待老人ホーム…入居者を縛る・殴る・尿飲ませる=河南」(6月2日)
認知症の正しい診断がなされていない(5月31日)
非定型抗精神病薬でアルツハイマー病の人の認知機能が低下(5月28日)
「最期を選ぶ(5)米の指示書 医師が記入も」(5月27日)
認知症の人のケアの「プレゼンス」アプローチの勧め(5月26日)
認知症ケアの向上に『もっと私のことを』計画(5月25日)
入居者が「声出し読書グループ」と一緒に読書(5月23日)
もの忘れへの異常な怖れ(5月21日)
メモリークリニックの現状と役割(5月16日)
入居施設を併設する認知症ケアセンター開設へ(5月16日)
認知症の人を何もできなくなった人ではない(5月15日)
アルツハイマー病とその日その日を好きなように生きる(5月13日)
「【闇の大人たち】第25回:台湾ルポ 迷える老人を探せ!」(5月10日)
「認知症とがんを患う夫婦、息子家族の旅行中に自殺」(5月10日)
アルツハイマー病啓発週間(5月9日)
認知症の人のキーを取り上げるのは難しくはない(5月8日)
認知症高齢者の経管栄養導入についての家族の受け止め(5月6日)
安楽死は終末期の議論の一部に過ぎない(5月3日)
10代の子にも認知症ケアで役割がある(5月3日)
認知症の人の口腔ケアの取り組み(5月1日)
アルツハイマー病の人の精神科病院への強制入院を却下(4月27日)
アルツハイマー病の予防にダンスホールで踊るのもよい(4月25日)
「認知症サービスコーディネーター」の重要な役割(4月20日)
「エディターズ、ロンドン・マラソンを完走」(4月20日)
「認知症の夫の首絞めて殺害した70代拘束」(4月20日)
新しいアルツハイマー病診断基準についての注意(4月19日)
新しいアルツハイマー病の診断基準(4月19日)
「メマンチンは軽度アルツハイマー病には無効、中等度に対してもエビデンスが不十分」(4月19日)
政府は忍び寄る認知症危機を認識(4月15日)
「認知症カフェ」またひとつオープン(4月14日)
アルツハイマー病に家族で立ち向かうラテン系アメリカ人(4月11日)
相談「マンションで一人暮らしの認知症の女性に管理委員会は何をすべきか」(4月10日)
お笑いは認知症の人に良い(4月10日)
「米国の専門医の半数以上がサプリを利用」(4月8日)
安全な認知症介護が致命的に欠乏(4月7日)
認知症の人の家族にとって追跡器機は支え(4月6日)
認知症の人の裁判は可能か(4月3日)
認知症は医療制度を壊す(4月2日)
アジアに忍び寄る認知症の急増(3月)
アルツハイマー病に立ち向かうユタ州(3月28日)
向精神薬は高齢者に危険(3月28日)
75歳で認知症チェックを勧める(3月28日)
認知症:アメリカを壊すかもしれない静かな危機(3月24日)
安楽死について議論(3月21日)
認知症の人を介護する人は1500万人、33%にうつ症状(3月)
高齢者の専門的救急医療に取り組む病院(3月14日)
アルツハイマー病の人の介護者の関心事(3月12日)
アルツハイマー病:私の経験(3月7日)
台湾の新しいデイサービスセンター開設(2月25日)
認知症の父親に介護する娘が撃たれる(2月22日)
認知機能障害の高齢者の財務(2月16日)
マサチューセッツ州へのアルツハイマー病協会の働きかけ(2月8日)
認知症高齢者への非定型抗精神病薬の使用が減少(2月7日)
マレーシアの認知症デイケア(2月6日)
アルツハイマー病の研究をする83歳の医師(2月4日)
アルツハイマー病の早期発見の検査は意義があるのか(2月1日)
芸術療法:アルツハイマー病の人の見方と生活を変える(1月28日)
アルツハイマー病診断の進歩と退歩―アミロイドスキャン―(1月28日)
認知症の人の最期を心地よく(1月23日)
アルツハイマー病の二人の親を持つ子供を支える(1月23日)
認知症の人を支える地域を(1月19日)
アルツハイマー病薬の使用制限を廃止(1月18日)
アルツハイマー病になるのを恐れる父(1月17日)
アルツハイマー病の女性が隣人に無視され凍死(1月17日)
睡眠剤は高齢者の転倒と認知機能低下を招く(1月13日)
認知症の課題に取り組み始めた中国(1月12日)
アルツハイマー病薬と有望視され第3相臨床試験中の薬で副作用の疑い(1月11日)
認知症の人を地域で支える(1月7日)
「アルツハイマー病の家族を助けてください」(1月7日)
行方不明の男性が低体温で死亡(1月3日)
アルツハイマー病の人の支援に学校訪問(1月2日)
ベビーブーマーが高齢者になる(1月1日)
情報
脳を守るための10の方法
アルツハイマー病-過去と現在-この20年の歩み-
アルツハイマー病の権利書
アルツハイマー病患者からの10の願い
ナーシングホームの入居者の権利(1987年アメリカ)
★ナーシングホームでの認知症ケアの最低基準を要求(2月7日/アメリカ)
認知症を擁護する人たちは、マサチューセッツ州の法律の欠陥を改めることを州議会議員に本日、要請しました。その欠陥とは、認知症ケアの研修を受けていない職員がいるにもかかわらず、認知症ケア棟があると施設が宣伝しているということです。
200人ほどの支援者が州議会議事堂に集まり、マサチューセッツ州公衆保健省Massachusetts Department of Healthに法案を支持すると要請しました。公衆保健省は、ナーシングホームと監督し、認知症ケア棟がある施設の最低基準を決める部署です。
タフツヘルスプランTufts Health Planの運営主任で、アルツハイマー病協会マサチューセッツ・ニューハンプシャー支部Alzheimer’s Association of Massachusetts and New Hampshireの政策委員会議長であるトーマス・クロスウエルThomas Croswell氏(写真左1)は「多くの施設で優れたケアが行われてはいますが、どこも同じケアというわけではありません。これは利用者にとってリスクとなる」と話しています。
2005年の連邦政府報告によると、44の州で、特別な認知症ケアを提供する施設での研修、職員配置、安全などを要件としました。
マサチューセッツ州の法案では、認可したすべてのナーシングホームでは特別な認知症の研修をすべての介護職、アクティヴィティ担当者、管理者が受けることが要件となるでしょう。
ケンブリッジの民主党員で州議会の高齢者合同委員会Joint Committee on Elder Affairs議長のアリス・ウォルフAlice Wolf議員(写真左2)は法案の共同提案者ですが、次のように話しています。
「すべての認可した施設で職員の認知症研修が義務付けられることが重要です。ナーシングホームの半数以上の入居者が認知症であり、認知症ケア特別棟で生活しているとは限らないのです。さらに、法案では、認知症の人向けのアクティヴィティを行っている認知症ケア特別棟に特別なプログラムがあることも規定します」
また支援者らは次のように話しています。
「ナーシングホームで認知症の人に相応しいアクティヴィティを提供しないことが多いのです。そのため認知症の人に特徴的な興奮や徘徊を悪化させることになっています。これまでの7年間、類似の法案が提出されましたが成立しなかったのです。それらの法案は認知症ケア特別棟に限定した職員配置を規定していたのですが、職員が多く配置されたからといってケアが必ずしもよいとは限らないと反対する人がいたのです」
ナーシングホームの業界団体であるサチューセッツ高齢者ケア協会Massachusetts Senior Care Associationのスコット・プラムScott Plumb副会長(写真左3)が、協会は今回の法案に賛同し、次のように話しています。
「法案は、州にある施設でのアクチヴィティ、施設、研修といった分野で合理的な条件お向上させ、職員の最低要員といったもっと議論すべきであり費用のかかるおそれのある問題については触れないことになりました」
研修の最低基準を設けるという法案は、アルツハイマー病協会や支援グループの連合団体が開発した認知症ケアのより広範囲な計画が含まれるでしょう。
州の高齢者事務局Executive Office of Elder Affairsのアン・ハートシュタインAnn Hartstein長官(写真左4)は、州議会議事堂での集会で次のように公言しました。
「州のパトリックPatrick政権は公的に今回の法案を受け入れています。これによって次の5年間にわたってアルツハイマー病の人の介護と治療へのアクセス、介護者支援およびその他のケア分野の改善することを目標としました」
(boston.com 02/07/2012 Proposal requires minimum standards for dementia care in Mass. nursing homes)
編者:アメリカではナーシングホームは州政府の監督のもとにあり、州ごとに取り組み具合が異なるようだ。我が国では全国一律に自治体が施設監督をしているが、第3者評価を含めどの程度機能しているのだろう。経費のかかる職員増員はアメリカの施設でもかならずしも賛同されていない。職員を増やしたからといってケアのレベルが上がるわけではないが、増員することに越したことはない。
★アルツハイマー病の危険性があるか調べる簡易テスト(2月3日/アメリカ)
身近な人がアルツハイマー病になる危険性があるかどうか判定できる簡便テストが開発されました。21項目のテストで、正常なもの忘れとアルツハイマー病になる可能性があるとされるもの忘れとを区別します。このテストは家族や友人が行うものです。
このテストは90%の精度で、アルツハイマー病の前の状態とされる軽度認知障害(MCI)を見つけるものです。この障害がある人の15%以上は、2年内にアルツハイマー病になるとされています。アルツハイマー病の治療法がないので、このテストを受けたくないという人もいるでしょう。
この簡便テストは、アメリカのアリゾナ州にあるバナーサンヘルス研究所Banner Sun Health Research Instituteの専門家らが約100人の正常者と軽度認知障害を対象にいくつかの質問の有効性を調べた結果、開発したもので、老年医学雑誌BMC Geriatricsの2012年2月号に掲載されました。
このテストでは、「同じ日に、同じ質問や話を繰り返しますか?」などいくつかの質問は特に重視されています。21項目の質問は「はい」か「いいえ」で答えられ、「はい」の場合は点数が1または2が加算され、合計は0点から27点です。0点から4点までは問題なし,
5点から14点は軽度認知障害が疑われます。15点以上は既にアルツハイマー病を発病している疑いがあるとされます。
今回の研究主任のマイケル・マレクアハマディMichael Malek-Ahmadi氏(写真左)は次のように述べています。
「人口の高齢化により、簡便な方法でアルツハイマー病を早期に把握することの必要性は高まっています。テストの結果を本人が勝手に判断しないで、かかりつけ医に受診しましょう。5点上の人は専門医の指導を必ず受けることです」
(Daily Mail 3rd February 2012 Take the Alzheimer's test: The 21 questions that can reveal if YOU are
at riskおよび論文:Informant-reported cognitive symptoms that predict amnestic mild cognitive
impairment(pdf170K))
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質問項目 |
はい |
いいえ |
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1 |
もの忘れがありますか? |
1 |
0 |
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2 |
あるとしたら、もの忘れは2,3年前より悪くなっていますか? |
1 |
0 |
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3 |
同じ日に、同じ質問や話を繰り返しますか? |
2 |
0 |
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4 |
約束を忘れたり、家族が代わって約束しなければなりませんか? |
1 |
0 |
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5 |
月に1回以上、間違った場所に物を置きますか、あるいは置き場所を間違えて見つけられなくなりますか? |
1 |
0 |
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6 |
物が見つからないと、誰かが動かした、隠した、あるいは盗んだと疑いますか? |
1 |
0 |
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7 |
年月日や時刻がわからなくなりますか、あるいは1日1回以上、日付を新聞やカレンダーで確かめますか? |
2 |
0 |
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8 |
なれない場所でどこにいるかわからなくなりますか? |
1 |
0 |
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9 |
屋外で移動するときに道を迷いますか? |
1 |
0 |
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10 |
身体的な障害とは別に、お金を扱うことが難しいですか? |
1 |
0 |
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11 |
身体的な障害とは別に、請求の支払いや金銭管理が難しいですか、あるいは能力的に心配なため家族が代わって行いますか? |
2 |
0 |
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12 |
薬をのんだことを覚えたり、あるいは薬をのんだかどうか確かめるのが難しいですか? |
1 |
0 |
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13 |
運転が難しいですか、あるいは運転が危ないと家族が思いますか、あるいは身体的な障害とは別な理由で自分から運転を止めましたか? |
1 |
0 |
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14 |
電化製品などを扱うのが難しいですか? |
1 |
0 |
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15 |
身体的な障害とは別に、自宅の修理や家事が難しいですか? |
1 |
0 |
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16 |
身体障害とは別に、趣味を止めたり、少なくしましたか? |
1 |
0 |
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17 |
なれた環境で道に迷うことがありますか? |
2 |
0 |
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18 |
方向感覚が低下していますか? |
1 |
0 |
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19 |
言葉や名前が出にくいですか? |
1 |
0 |
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20 |
家族や友人の名前がわからなくなりますか? |
2 |
0 |
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21 |
親しい人たちの顔がわからなくなりますか? |
2 |
0 |
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合計 |
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| 0点~4点:は問題なし 5点~14点:軽度認知障害の疑い 15点以上:アルツハイマー病を発病の疑い |
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編者:軽度認知障害の概念については疑問が多いが、正常と軽度認知障害の簡便な判定テストなので紹介した。あくまで参考情報として利用されたい。
★政府は認知症政策を実施すべき(2月3日/インド)
地球規模のアルツハイマー病協会である「国際アルツハイマー病協会Alzheimer's Disease International (ADI)」の議長にインド人として初めて選ばれたヤコブ・ロイK Jacob Roy医師(写真)は次のように述べています。
「ケララ州は、認知症の人に配慮した症状を緩和させる介護施設のネットワークを立ち上げる必要がります」
ケララ州に10万以上の認知症の人がいます。認知症は治るものではありませんが、州政府は症状を緩和する介護体制も持っていません。
さらにロイ医師は「在宅介護のニーズもあります。もの忘れ外来はかなりの支援となっています。この課題を州政府が取り組むことを時期している」と述べています。
この問題はケララ州で高齢者が増えるに伴い一層高まるでしょう。
1992年に「アルツハイマー病・関連疾患協会Alzheimer's and Related Disorders Society of India (ARDSI)」を立ち上げたロイ医師は次のように述べています。
「私たちは大規模なキャンパーンを進めて、この問題への認識を高めようとしています。さらに国際的な団体も政府がこの問題を優先課題とすることに関与することになるでしょう」
インド医学研究委員会Indian Council of Medical Researchは、この協会が3年間の認知症調査を実施することを承認し、調査はまもなく始まります。
またロイ医師は「認知症は、糖尿病や高血圧と同じく非伝染性疾患として認知されるべきです。フランスやオーストラリアなどの国では、この問題へ明確な戦略をもっている」と述べています。
第21回社会的公正・活性化・保健5カ年計画委員会Committee for Social Justice and Empowerment and Health for the 12th Five Year Planの委員にも選ばれたロイ医師は次のように述べています。
「予防から管理まで、こうした国では国レベルで承認された認知症ケアのさまざまな側面を明らかにしています。最優先の勧告として、認知症を医療の主流に移し政府から常時支援を受けることができるにすることです。認知症を進行を遅らせる多くの方法を私たち持っています。身体を動かすことが少ない生活は脳の健康を破壊します。定期な運動は脳を活発にし、認知症の発症を遅らせます」
(Times of India Feb 3, 2012 City lacks palliative care for dementia patients)
編者:ロイ医師は20年近い友人でインドの認知症ケアの第1人者で、その向上に努めている。彼はもともとまた今も小児科医であるが、父親がアルツハイマー病になったとき、この病気について医師たちの無知で、在宅介護の支援が皆無であることを知ってインドで初めて取り組んだ。
★認知症で壊された生活(2月3日/南アフリカ)
アルツハイマー病など認知症は人の考えや能力を変えてしまい、もとには戻らないのです。支援があっても認知症は、本人にも介護者にも対処が難しい。
南アフリカでも同様で、伝統的な支援の枠組み―地域、家族、医療―が認知症の人にとっては他の場合より役立ってはいないのです。以下、ある家族の戦いと悲しみの物語です。
午前4時32分、ジョイス・ピターソンJoyce Petersonさん(74歳)は、娘と義理の息子のベッドのそばに立っていました。娘のジーン・エラスムスJean Erasmusさんは目ざめカーテンに母親の影を認めました。ジョイスさんは、ジーンさんに対してそれまでにないような口ごもった話し方をしていました。
昔はしっかりした女性でしたが、今はおどおどし狼狽するようになったのです。
ジーンさんの夫のディオンDeonさんを超えてベッドのそばの灯りをつけました。そしてスリッパをはいて灯りを消しました。
ジーンさんは、母親を抱き寄せ、やさしく「ママ、ベッドに戻りましょう」と話しかけました。
二人は部屋を通って、脚を引きずる母を助けて暗闇のなかの障害物を避けて歩きました。。母親のジョイスさんはいつも口ごもり、ジーンさんには何もしません。寝ている家族を起こしたくないのです。母とだと思い、自責の念にかられながら「おかさん、今、してください」と話しかけます。その寝室で母親と孫娘のナターシャNatashaが使っていますが、ジーンさんは母親のシングルベッドのシーツを引っ張り出したところ、濡れているのです。ため息をつき、がっかりしながら母を見つめて「あーまたか」とため息をつきます。しかし、ジーンさんは自分を不憫に思うことはしないで、母に注目するのですが、気分が落ち込みます。
ジーンさんは「お母さん、はずかしい、今、これでいいの」と話しかけ、しばらく母を強く抱きしめます。そして長い夜の上着に着替えさせます。もう夜に眠れないでしょう。
ジーンさんは、夜明け前、キッチンに立ってコーヒーを用意したり洗浄器に食器を入れたりすることは稀ではありません。処方された薬を使った経験から、ジーンさんは、母親の夜間の不穏をよくしようとするのは諦めました。今は、5時間から6時間の睡眠です。
ジーンさんは、母親の行動がおかしくなっても、わけがわかりませんでした。母親が、それまでとは違った人への変り、もの忘れが多くなり混乱し、攻撃的な行動が現れるようになっても、ただ傍観するだけでした。
さらに、感情の変化、ときどきの罵声や大声は予期できませんでした。さらにジーさんは
「母は自分を危ない目にあわせるようになりました。裏のドアを閉めるのを忘れると彼女が外を目的もなく歩きまわることになるでしょう」と話しています。
(Sowetan live 2012/02/03 Sad story of a life devastated by dementia)
編者:南アフリカのある家庭での認知症の母親を介護する娘の話。在宅介護はどこも同じ様子だ。同国の認知症への社会的支援や対策は知らないが、アルツハイマー病協会はある。1999年、ヨハネスブルグ近郊で開催された国際アルツハイマー病協会の国際会議に出席したことがある。
★重度のアルツハイマー病の人でもつながりを持てる4つの方法(2月1日/アメリカ)
マックス・ウオーラックMax Wallackさんの曽祖母は、人生最期の数週間を過ごしていました。彼女は、認知症施設で生活をしていましたが、話すことも飲み込むこともできず、いつもで逝ってしまいそうな状態だったのです。
その頃、マックスさんは10代で曽祖母の世話をしていました。その施設で看護助手の人が赤ん坊を連れてきたときに起こったこと驚くような経験を次のように話をしています。
「曽祖母は、赤ん坊を見ると表情が明るくなったのです。そして話をして赤ん坊がとてもかわいいと実際に言ったのです」
アルツハイマー病のどの段階でもその人に伝わる4つの方法―アクティヴィティーがあります。こどもの訪問はその一つで、マックスさんが若い時に気付いたことです。そのほかには、ペットの訪問、音楽を聴いたり演奏したりすること、手工芸品を見たり作ったりすることです。
子供の訪問
子供は、認知症の人に大人ではできないことが多い情緒的に深いレベルでの交流ができるということはよく知られたことです。大人が部屋の入ってきても認知症の人は無表情かもしれませんが、アルツハイマー病の末期でも子供が入ってくると微笑みに変わることがあるのです。
このように子供はアルツハイマー病の人をうまく交流できることが多いのです。それがどのように可能なのかを検討するために、アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationのサイトで調べてみるのもよいでしょう。アルツハイマー病の人と子供にできる101の活動(101 Activities)が載っています。
孫や子供たちが訪問するときに準備することは、医師の指導が必要かもしれません。子供が訪問を希望し、心地よいと感じることを確認しましょう。祖父母がアルツハイマー病である子供向けの解説書として「おばあちゃんはアルツハイマー(Grandma has Alzheimer's)」がよいでしょう。
ペットと訪問
オハイオ州シンチナッティにあるアロイスアルツハイマーセンターAlois Alzheimer Centerのスーザン・ジルスターSusan Gilster事務局長(写真右上)は次のように話しています。
「子供と同じように、動物が大人より認知症の人と深く触れ合うことが多いのです。認知症の人が長い間、経験してない触れることの喜びの一つが、ペットの訪問で生まれるのです。その訳は動物が相手を判断しないということです。動物は、無条件に認知症の人を好きになり、認知症の人の歓びに積極的に動物の愛情として表現するのです。柔らかい毛皮、顔面じゅうをなめる湿った舌、さらに吠えることも、認知症の人の全面に微笑みをもたらします。センターで重度のアルツハイマー病の人を犬がなめました。そのとき訪問者が『この犬のピーターは知らない人には普通なめたりしない』と認知症の人に語りかけると認知症の人はすぐに『この犬はとても相手を選ぶのね』と言ったのです。何カ月ものあいだ女性が初めて見せた明晰さがあるという証拠だったのです」
音楽と聴いたり演奏する
音楽もまた、アルツハイマー病の人に深いレベルで繋がりを持つ力があります。認知症の人の健康や社会的機能に前向きな影響を示します。重度のアルツハイマー病の人で家族の顔もわからなくなり、自分で服も着れなくなり、五分前のことも忘れてしまってから長くたって人でも抒情詩などの歌も歌うことがあります。実際、音楽は多くの重度の認知症の人が反応する唯一のものかもしれません。
アメリカ老年医学会American Geriatric Societyのグレッグ・ウオーショーGregg Warshaw元会長(写真右中)のアルツハイマー病の人にでも驚くほど心に浸透します。ほとんど歩けない人が、立ちあがり音楽に合わせてダンスを始めたのを見たことがあります。ほかに人たちも手をたたき歌い始めたのです」
私の家族の一人、エドワード・テオドールEdward Theodoru医師、のためにクラッシック音楽のバイオニストを雇ってアロイスアルツハイマーセンターのナーシングホームにある彼の部屋で演奏してもらいました。私は彼をバイオリニストのとなりに座らせたところ、それまでみたことがないような満足げな表情をしえいました(写真右上)。
認知症の人にどのように音楽を試みるかについては「音楽とアルツハイマー病:関わり、安心し、家族への喜びをもたらすために音楽をどのように試みるかは"Music and Alzheimer's Disease: Using Music to Engage, Comfort and Bring
Joy to Your Loved Ones"」を読んでみましょう。
工芸品と見たり作る
レスター・ポッツLester Potts氏(写真左下)は、笑顔がほとんどなくなっていましたが、アートテラピーを行うアルツハイマー病向けデイケアセンターに通うようになって変わりました。彼は、これまで絵を描いたことはまったくありません。しかし印象に残るような絵を描き始めて国民的称賛を受ける芸術家になりました。
アルツハイマー病協会によると、安全で社会との繋がりのある環境のなかで芸術を通して表現して繋がってゆく能力は、コミュニケーションの困難さを少なくし認知症の人の自尊心を高めるのに役立ちます。創作する過程も芸術作品そのものと同じように重要で意義あることなのです。
アルツハイマー病協会は、「創造の記憶Memories in the Making」と呼ぶプログラムを提供しています。これはアルツハイマー病など認知症の人にとってユニークな美術プログラムです。このプログラムは、安全で芸術的表現に役立つ環境を備えることで、創造的で、かつ非言語的なコミュニケーションの方法を提供し、芸術をとおして貴重な一時を過ごす手段を提供するものです。
認知症の人のためにさまざまな方法での芸術活動を用意することができます。水彩画、クレヨン画、切りぬき帖、粘土細工がよく使われます。認知症の人が外出可能なら美術館へ行くのは、とても有益でしょう。芸術作品を鑑賞するだけでも音楽を聴くと同じように認知症の人に穏やかにすることがわかります。
こうしたこと―子供、ペット、音楽、芸術―は私たちは準備できることです。こうしたことをアルツハイマー病の人に試みてみると、そのことが本人だけでなく家族にとっても大いに報われることになるでしょう。
寄稿者:マリー・マーレイMarie Marley氏(写真右下)は介護経験者で、”Come Back Early Today: A Memoir of Love, Alzheimer’s and Joy”の著者。
(TheHuffingtonPost.com 02/ 1/2012 Connecting With Alzheimer's Patients -- Even in the Latest Stages of the Disease)
編者:我が国では常識的なアクティビィティだが、4つのうち、どれが誰に合うかは一概には言えない。またその効果も人さまざまである。
★「[オピニオン]国の認知症への対応」(1月26日/東亜日報)
6年前に老いた母を見とった朴さんは、今も自責の念に苛まれている。認知症を患っていた母は、1日の半分以上を正常な精神状態でないまま過ごし、たまに朴さんと顔を合わせると数十年前の記憶を思い出してはひそひそと呟くように言葉を発した。しかし、一人で用を足すことができないほど症状が悪化すると、70代の老人である朴さん夫婦は、ついに自宅での介護を断念した。母は老人ホームに入れられてから、半年も経たたないうちにこの世を去った。重症の認知症老人らと一緒に入れられたため、会話が途絶えると食事の量が減り、健康状態が急激に悪化したのだ。
◇韓国の65歳以上の老人のうち、約9%が認知症に苦しんでいる。認知機能が低下し認知症にかかる可能性の高い、軽い認知障害の老人は4人に1人の割合となっている。認知症患者の10人中1人が40~50代の中年だ。認知症は、患者の品位や生活の質を落とし、家族には精神的、経済的負担を与え、「家庭破壊犯」とも言われている。高齢化や核家族化が進むと、「老人の子供」が認知症の両親の世話をしているうちに病気になることもある。健康保険公団は、認知症による社会・経済的費用を年間7兆ウォン以上と試算している。
◇認知症が完治する治療剤などないが、あらゆる種類の認知症は早期に発見し、積極的に治療をすれば、重症化を遅らせ、日常生活に支障を無くすこともできる。しかし、認知症の症状を、避けられない老化現象と捉えたため、治療の時期を逃し、その結果診療費が大きく増えるケースが多い。先進各国は、最初に認知症の症状が現れてから1.4年後に受診しているが、韓国はその2倍近い2.7年後に診療を受けているというデータもある。最近の出来事や人の名前を記憶することができず、簡単な道具も扱えないような初期症状が現れたら、直ちに病院を訪れるべきだと、専門家らはアドバイスしている。
◇昨年に認知症管理法を公布した政府が昨日、施行令案を議決した。国家認知症管理委員会を立ち上げ、政府が直接、認知症の予防や患者の管理を行う。保健福祉部長官が5年ごとに認知症管理に関する総合計画を、関連の中央行政機関の首脳や地方自治体長に通知すれば、彼らは毎年認知症管理を巡る実施計画をまとめることになる。老人を対象に、6ヵ月ごとに認知症の検診を実施する案も盛り込まれている。認知症患者を抱えている家庭にとっては、いかなる福祉政策よりも嬉しいニュースだ。選挙を意識した一過性の政策ではなく、苦痛をしっかりと受け止め、それを減らすための実行計画が求められる。
?亨三(イ・ヒョンサム)論説委員(写真)
(東亜日報日本語版 2012年1月26日 原文のまま)
関連記事:「急がれる認知症対策」(KBS WORLD日本語版 2011-08-04)
編者:昨年韓国政府が制定して「認知症管理法」は日本にはない国家プロジェクトのようだ。産業、芸能などと同様、ここにも韓国政府の主導体制が現れているようだ。日本が遅れる?!
★字は大きくてコントラストが良いと認知症の人の認知機能によい(1月22日/アメリカ)
ナーシングホームや高齢者センターで最も人気がある遊びのビンゴは、人との繋がりだけでなくそのほかの利点もあります。ビンゴのコントラスを強くし字を大きくすると、アルツハイマー病やパーキンソン病で認知機能障害や視覚障害のある人にとって思考する能力と遊ぶ能力を高めることがわかりました。
ケースウエスタンリザーブCase Western Reserve University大学、ボストン大学Boston University、ブリッジウオーター州立大学Bridgewater State Universityの研究者らは報次のように報告しています。
「健康人と障害者との比較するなかで改善した機能の全般的な結果から、認知機能を高めるために簡単にできる介入方法として視覚面で介入の意義が示されました」
研究結果は、“Bingo! Externally supported performance intervention for deficit
visual search in normal aging, Parkinson’s disease, and Alzheimer’s disease”
と題する論文が雑誌「Aging, Neuropsychology and Cognition」の電子版2011年11月9日版に掲載されました。
ケースウエスタンリザーブ大学のマンデル応用社会科学部Mandel School of Applied Social Sciencesの心理学者のグローブ・ギルモアGrover C. Gilmore部長(写真左上)によると、人は年をとるにしたがいコントラストを視覚的機能が低下し、認知症の人でとくにその傾向が強い」と述べています。
大学の感覚研究室Perception Labで精力的に研究を行ってきたギルモア氏はさらに「しかし、どのように視覚障害によってこうした人たちの認知機能や遊ぶ能力に影響を受けるかについてはほとんど知られていない」と述べています。
今回の研究者たちは、字の大きさ、コントラスト、視覚的な複雑さが異なるカードで試験し、どのように視覚障害が認知機能に影響与えるかを調べました。研究に参加者した対象者は、19人の若い成人、14人のアルツハイマー病と疑われる人、およびこれに相当する13人の健康な成人、17人の認知症はないアルツハイマー病の人、20人のパーキンソン病、およびこれに相当する健康な成人でした。
研究者がコンピューターで作成したカード―大きさ、明るさ、コントラストが異なる―でビンゴを参加者が遊んでいる間に、研究者は年齢や健康の程度でグループ分けした人たちの成績を比較しました。
その結果、字のコントラストとサイズを変化させることで成績が改善することがわかり、たとえば、軽度の認知症の人でも健康な同じ年齢の人と成績レベルが同じになるのです。ただいさらに進んだ認知症の人ではこうした変化はほとんど見られませんでした。
今回の研究を指導者のボストン大学のアリス・クロニンゴロンブAlice Cronin-Golomb氏(写真左下)は、ギルモア氏と認知症の人での視覚障害と認知機能について研究を20年間共同で行ってきました。彼女らは、パーキンソン病の人で模擬的な霧状態のようなコントラストが低い状態では運転機能に影響がでることが分かっています。
今回の研究から分かったことですが、生活環境やテーブルでコントラストを強くすることによって認知症の人―弱いコントラストでの認知機能が低下する―が、家のなかで安全に動け、食事も改善します。たとえば、白い部屋に黒いソファを置くことで室内のコントラストを改善し、認知症の人たちが動きやすくなるのです。さらに認知症の人が、暗いテーブルクロスで白い皿と食器を使うことで、あるいは皿の色とコントラストが強い食事を用意するとより多く食べるのです。
研究者は次のように述べています。
「コントラストを強くすることは、『外的支援能力介入Externally Supported Performance Interventions (ESPI)』として知られた介入方法です。こうした介入は認知症の人や視力障害のある人たちが、より長く自立して生活ができ、日々の仕事をこなし、生活を楽しみ、本を読むといったことができるようになるのです」
(Alzheimer's Weekly January 22nd - January 29th, 2012 Contrasting Colors & Larger Type Enhance Thinking in Dementiaおよび論文Bingo! Externally supported performance intervention for deficient visual search in normal aging, Parkinson's disease, and Alzheimer's disease)
サイト内関連記事
編者:当たり前と思われていることが不完全だが科学的に証明された。認知症や視力障害の人には字は大きくコントラスをはっきりさせよう。
★オランダの「認知症ヴィレッジ」がスイスに導入予定(1月21日/スイス)
アムステルダムの郊外にある認知症施設を参考にして、スイスの開発業者がアルツハイマー病など認知症の人のためのヴィレッジの建設する計画を持っています。総額2700万ドルをかけてスイスの1950年代の空間を作ろうとするものです。しかしこうした考えを誰しもがよいとは思っていません。
アムステルダムの郊外にある認知症介護施設のホゲウエイHogeweyはヴィレッジタイプで、通りの表示、小さなノーム像gnome figurinesが置かれた前庭、レストラン、美容院、スーパーマケットなどがあります。他の施設と違うのは、重い認知症の男女150人が住んでいることです。かれらは自由にヴィレッジを歩くことができますが、外には出られません。この施設は認知症ケアの先駆者が考えたもので、施設の介護者は、それぞれの場面で、庭師や美容師やセールスマンの様な服装をしています。
現在スイスでは、ベルンBern州のヴィートリスバッハWiedlisbachに認知症ヴィレッジが建設されることになりました。まだ計画の段階ですが、ヴィレッジは現在在る介護施設の隣接して造られ「認知症の人のためのヴィレッジVillage
For People With Dementia」を呼ばれることになっています。その地域の代表らは、この計画を既に承認しています。
開発会社のジェネラウマネージャーのマーカス・ヴェグトリンMarkus Vogtlin氏(写真左1)「現在、男女合わせて100人定員の認知症ヴィレッジを計画していますが、さらに先は200人以上あるいは300人定員に拡大することになるでだろう」と話しています。
建設には5年から7年かかる予定で、経費は約2700万ドルの予定です。
ホゲウエイを訪問したヴェグトリン氏は「不安のない雰囲気が印象的だった。認知症の人たちは落ち着かなくなり攻撃的になることが多いのですが、そこでは認知症の人たちは落ち着いて満足げでした」と話しています。
ヴィレッジは認知症の人によく見られる、動き回るという特異的な状態に応えるものです。
さらにヴェグトリン氏は次のように話しています。
「スイス版の建築とデザインによって認知症の人が、たとえ現在何が進んでいることを覚えることはできなくても、過去の記憶を持っているという特徴に配慮したものになるでしょう。したがって施設は、認知症の人たちが50歳代の頃の外観となるでしょう。認知症の人が心地よい空間になり、『時を遡る旅』とも呼ぶことができます」
ホゲウエイには23の小さな家があり、入居者は7種類の内装―家庭的、インドネシア風など―を選ぶことができます。
ヴェグトィン氏は付け加えて「私たちのヴィレッジでは選択肢は二つです。田園風か都会風かです」と話しています。
建物は2階建てまでで切妻屋根で、1950年代の前庭があり、診療所、カフェ、映画館、売店も設けられることになっています。ヴィレッジ内のドアはすべて開いたままです。
「ここで今」に合わせる
すべての専門家が認知症ヴィレッジをすばらしい考えだとはみなしているわけではありません。
チューリッヒZurich州のウエッジコンWetzikonに在る知症施設であるゾンバイドSonnweidのマイケル・シュミーダーMichael Schmieder所長(写真左2)は次のように話しています。
「ヴィレッジの考えは認知症の人を騙してその人たちには正常と見せようとするものです。
150人の入居者の介護施設では模範的と考えています。施設内ではすべての認知症の人が自由に動くことがでるのです。私たちは、認知症の人が自由に動ける1.5キロメートルの空間を用意しています。認知症の人は境界に向かって走り続けるということはありません」
ゾンバイドでは、1500万ドルの経費で定員を増やさないで建物だけ大きくために使われました。
さらにシュミーダー氏は「認知症の人と過去の生活様式と結びつけるという考え方には同意しません。4つ星のホテル並みの良さ提供しています。認知症の人は、『ここで今』を生きているのです」と話しています。
ベルン州の担当者はヴィートリスバッハの計画を歓迎しています。高齢者や障害者に関わる部署の長であるマークス・ルースリーMarkus Loosli氏(写真左3は次のように話しています。
「それはすばらしい。その考えに賛同します。ヴィレッジの環境のなかで認知症の人は、よりよく、尊厳を持って意義ある生活を送ることができるでしょう。昔に戻るということで認知症の人は安心し生活の質を高めることになるのです。しかし、ヴィレッジという考えはすべての認知症の人に当てはまるわけではありません。それば相応しいのは介護施設の入居者の半分ほどです。そうした事実を知っておく必要があります」
維持可能な解決策を求める
スイスでは、現在、認知症の人が10万7000人います。その数は20年以内に2倍になると予測されています。おおよそ60%の認知症の人が、現在、在宅で介護されています。しかしこれは維持なのでしょうか。多くの家族は、既に疲れきっています。一人暮らしの超高齢者の数も急増しています。
スイスアルツハイマー病協会Association Alzheimer Suisseは、何年もの間、国レベルの認知症戦略を提言してきました。ドイツでは「認知症アクションAktion Demenz」戦略があり、これは近隣でケアしようとする戦略で、認知症の人が親しみある場所で生活できるするものです。2008年にチューリッヒで始まった計画―「ハウスベズッヘ“Hausbesuche SIL(家庭訪問―社会医学的な個人の解決法Home Visits Socio-Medical Individual Solutions)」は、認知症の人のケアに親族、隣人、友人を巻き込もうとするものです。
スイスアルツハイマー病協会のビルギリッタ・マーテンスソンBirgitta Martensson事務局長(写真左4)は次のように話しています。
「異なるケアの制度が必要です。認知症―最もよく知られているのはアルツハイマー病ですが―は平均10年続き、いろいろな状態に変化するのです。認知症ヴィッジは進行した認知症の人にはよい解決方法で不安なく自由に動け回ることができます。しかし、そうしたヴィレッジは外から隔離されています。ゲットーではないのですが、違います。ヴィレッジは入居者を守る環境を提供し、多くの空間を用意でき、どのような能力でも技術でも利用できるのです。自らが満たされたという感覚をもたらすこともで、自分自身に何もすることがなく全面的に介護に頼るようなる事を避けられるのです」
(Worldcrunch January 21st, 2012 Welcome To “Dementia Village,” A European Experiment In Long-Term Alzheimer's
Care)
編者:オランダで町と住宅を一緒にしたような認知症の人向けの新しい施設が拡がっているようだ。これをスイスに取り入れようとする動きがある。認知症カフェはオランダで始まっている。アルツハイマー病協会の活動も活発だ。オランダは認知症ケアで先駆的取り組みがあるようだ。スイスアルツハイマー病協会の事務局長が指摘しているように認知症は様々な状態があり、さまざまな認知症の人がいるので一つの方法だけですべてを解決できるものではない。多様なケアが必要なのだ。
★「認知症の高齢者を守った豊山犬 」(1月18 日/民団新聞)
韓国江原道の江陵市に住む認知症の男性(85)が12日、300㍍離れた山中に入り、道に迷ったまま倒れてしまった。気温は氷点下10度。家族の通報を受けて捜索に出た警察は男性を発見。見ると、一緒に出た生後2カ月の豊山犬が男性のお腹の上にうずくまっていた。普通ならば凍え死んでいるところだったが、豊山犬が離れずに暖めていたおかげで一命を取り留めた。
(民団新聞 2012年1月18日 原文のまま)
追加情報
「韓国の忠犬、倒れた主人温め救う 厳寒の山中で」(1月19日/共同通信)
【ソウル共同】韓国東部の江原道江陵の山中で12日、男性(87)が倒れて動けなくなったものの、一緒にいた子犬が厳寒の中でずっと寄り添い体を温め続け、男性は無事救出された。子犬は「主人の命を救った忠犬」として話題になっている。MBCテレビが19日までに伝えた。
同テレビなどによると、子犬は北朝鮮の名犬、豊山犬の血を引く生後2カ月の白い犬。男性が親犬とともに大事に育てており、12日は初めて一緒に外出した。
男性は認知症の症状があり、12日夕方から行方が分からなくなり、家族の届け出で警察が捜索。約5時間後、自宅から約300メートル離れた山中で発見された。
(NEWS47 2012年1月20日 原文のまま)
編者:救ったのは子犬だった(写真右下)。韓国には「早期発見システム」は無いのだろうか。
★政府は2025年までに有効なアルツハイマー病治療を希望(1月17日/アメリカ)
アメリカ連邦政府は、アルツハイマー病に関わる野心的な目標をもった計画を立てています。それは、2015年までにアルツハイマー病の治療と予防について効果的方法を開発しようとするものです。
オバマ政権は、初めて国家アルツハイマー病計画National Alzheimer's Planを進め、病気のよりよい治療方法を見つけ、アルツハイマー病の人によりよい日々の介護を提供することを目指しています。
計画の全体的な目標に関する公にされた草案によると、2025年を最終期限としてはいますが、その目標に向けて必要を研究をどのように助成するかの詳細は明らかにされていません。現在のアルツハイマー病の治療は、一時的に症状を軽減するだけで、よりよい治療方法を発見するという作業がいらだたしいほど遅れたままなのです。
アルツハイマー病の専門家からなる委員会は2日間にわたる会議を開催しました。17日は、この春までに予定の最終的計画が目標にどのように応えるのかに関して政府に助言することにしました。
会議の議長でメイヨークリニックMayo Clinicのアルツハイマー病の専門家であるロン・ピーターセンRon Petersen医師(写真左上)は「私たちは家族からの仕事が非常に重いものであることを思い起こさせてき」と話しています。
しかし、会議に影響することは財政危機という現実です。連邦政府がアルツハイマー病研究にどの程度の経費を提供するのか不明なのです。さらに州政府では、アルツハイマー病予算を削減しています。
ニューヨーク州保健局New York State Department of Healthのダヴィッド・ホッフマンDavid Hoffman氏(写真左下)は、州のアルツハイマー病対策を監督する人ですが、「実質的な資源がないなかで、こうしたことを決めることはありません。ニューヨークでは、爪でしがみついているような状態です」と話しています。
推計540万人のアルツハイマー病など認知症の人がいます。これは死因の第6位で、この病気は人口の高齢化により確実に増えています。2050年までに1300万人から1600万人の人がアルツハイマー病になり、医療や介護を合わせて1兆ドルと推計されています。
国家計画は、認知症の医療面と社会面の両方について取り組むことになっており、擁護団体らは計画を進めるための期限を決定すべきだと催促しています。
草案によるとその他の目標は次のとおりです。
○適宜な診断の改善。最近の報告によると、現在、アルツハイマー病の人の約半数は、正式な診断を受けていません。これは偏見や、診断を受けてもすることがないきることは何もないとの思い込みなどによるのです。診断を受けて、症状のよくする治療にくわえ、家族で計画を立てることが可能となります。さらに早期に病気を知ることで病気の進行を遅させる方法を科学者が見つけることにつながれば早期診断はきわめて重要なのです。
このため、草案では、全国的に一般向けの啓発活動を始めることを示唆されており、より多くの人たちが認知症の早期の警告となる兆候を知ることになります。さらに毎年、メディケアによる健康訪問の際、記憶機能評価を含めることも草案に盛り込まれています。
○家族への支援や研修を改善し、家族が認知症の人にとってどのような社会資源を利用できるか、また認知症が進行するなかで何を予期すべきかを知ることになります。
ニューヨークでの研修では、家族が認知症でよくある問題の対処方法を知り、支援を受けながら長く家庭で認知症の人を介護する方法も教えられます。ホフマン氏は、「研修費用は、ナーシングホームよりはるかに安い」と話しています。
アルツハイマー病の人は日常生活の簡単な行動の能力をゆっくりと失い、それが10年以上かかって進むのです。
昨年の夏から秋にかけて行われた全国各地でのタウンミーティングで、家族は政府の保健担当官に、介護者らが健康を損なったり経済的の損失することがないようして、家庭が認知症の人を人生の最期まで生きるような支援に確実に応えるような国家計画を要請しました。
(CBS January 17, 2012 US wants effective Alzheimer's treatment by 2025)
編者:アルツハイマー病治療の研究が停滞した原因の一人がペーターソン医師ではないと思えるが、従来の概念や方法論を持った彼を議長にして新しいアルツハイマー病研究が展開するのだろうか。といってこれにとって代わる新しい概念や方法論をもった研究者がまだ生まれていないのが現状だ。彼に議長をやってもらうしかないのだろう。なお、本記事でアルツハイマー病と認知症の数字が混同されているようだ。アルツハイマー病協会はアルツハイマー病の人が540万人といているが、記事ではアルツハイマー病を含めた認知症全体で同数としている。
★認知症と戦う家族たち(1月16日/カナダ)
マリー・キャロランMarie Carolanさんは、10年前にレストラン「ワイトツラッフルWhite Truffle」の奥で行われた集まりを忘れることはないでしょう。
現在、オレンジヴィレに住む79歳のマリーさんの夫のジョゼフJosephさんは、パーキンソン病で、さらにレビー小体型認知症(LBD)になりました。
毎月、介護者のマリーさんは、オレンジヴィレに在るアルツハイマー病の小さな支援グループの人たちと会っていました。
マリーさんは「信じられますか、そのグループが、現在は自分たちの建物を持っているのです」と「デュッフェリン県アルツハイマー病協会Alzheimer Society of Dufferin County」について話しています。さらに彼女は「グループの介護者たちが私にとって最も助けとなりました。かれらは既に道を下っていたのです」と付け加えまし。
2004年に夫のジョゼフは亡くなりましたが、マリーさんは、そのグループが12年間とても支えになったことを忘れてはいません。この間に、彼女は、介護者であり、病気と闘う姿を見ていたのです。そしてマリーさんは前向きに生きようとアルツハイマー病協会の会合に出席し、現在、同じような状況にある人たちに助言しているのです。
さらに彼女は「トンネルの端には光がありません。 雲のうえにも希望の兆しもありません」と嘆き、「しかし少なくとも生活上の多くの束縛を軽くするためのことはできます。それは私が経験したことであり助言することです。このために私が集まりに参加するのです」と話しています。
現在、この地域のアルツハイマー病協会は認知症に人と共に暮らす人たちで、約200家族が参画しており、2,3年前の3倍ほどに増えました。
事務局長のローリ・タルザLaurie Turza氏(写真左の右端)によると、一人の認知症の人は12人に影響を与えます。県全体でこうした家族は600家族あるいは700家族以上になるでしょう。
タルザ氏は「とても痛ましいことです。しかし、同時に、家族と協会の人たちは、病気という旅を通して新たに日々、経験します。私たちがよりよくすることことを知っている」と話しています。
1月29日午前9時半から、支部の協会はオレンジヴィレハイランドモールOrangeville Highlands Mallで毎年行っているメモリーウオークを開催します。
これは協会の最大の行事で、認知症の啓発とアルツハイマー病など認知症の人を支援する事業の資金集めのためのものです。オレンジヴィレの催しは「アルツハイマー病啓発月間Alzheimer Awareness Month」を締めくくるものでもあります。
今年のメモリーウオークWalk for Memoriesのボランティア主任のイヴォネー・ウイレムスンYvonne Willemsen氏は、報道情報ととして「これは1年間のなかで協会最大の資金集めです。今年は特に2万ドルの資金獲得を目標とするメモリーウオークにする必要がある」と話しています。
協会は、既に支援グループをシェルバーンShelburne とオレンジヴェレOrangevilleに発足させており、今年はグランドバレーGrand Valleyにもう一つのグループが結成されることになっています。
協会のサービスは、早期の教育、本やビデオの貸出、個人や家族の支援、友愛訪問、悲しみの支援、医療職の教育などです。
社会との繋がりを意図したファーストリンクFirst Linkのコーディネーターのジェニファー・マッカラムJennifer McCallum氏(写真左の左端)は報道情報として「家族の繋がりを支援するために地域で利用できるサービスを提供しています。家族支援の私たちの役割は、病気との旅のすべてをカバーすることです」と話しています。
これがマリーさんにとって最も役立つタイプの本当の支援でした。彼女と5人の子供たちは、ジョゼフさんがゆっくりと衰え人間の殻に入ってゆくのを見ていたのです。
そのマリーさんは「パーキンソン病を発病し認知症の人を併発する前、ジョセフは実践的な夫で家族に関わる計画に喜んで仕事をしていました。パーキンソンとLBDが彼を襲ってすべてが変わってしまった」と話しています。
さらにマリーさんは「見ているのが怖かった。彼の強さが彼から吸い取られていったのです」と話しています。
でもマリーさんは幸運でした、彼女は強い支援システムを持っていたのです。家族はとても協力的でジョゼフさんの介護で彼女を支えました。
マリーさんは次のように話しています。
「不幸なことに、とても多くの人がそうしたシステムを持っていません。ほとんどの介護者はうつ状態になります。1日24時間、1週間7日、いつも自分にできる最善のことをしようとしているからです。彼らは妥協しないのです」
ダフェリン県アルツハイマー病協会はアルツハイマー病など認知症の人へと介護者へのサービスを提供しています。
年次メモリーウオークで歩く、寄付する、ボランティアをすることを希望する人は、電話519-941-1221かメールinfo@alzheimerdufferin.orgで連絡ください。
(Orangeville.com Jan 16, 2012 Battle against dementia)
★認知症の妻を殺した夫が収監(1月14日/イギリス)
認知症の妻の症状に対処できなくなり窒息死させた献身的な夫収監されました。
マルコルム・ベアードンMalcolm Beardon氏(79歳)(写真左上)は、妻のマーガレットMargaret氏(78歳)と、いつもお互いに世話をして、施設には決して入れないと約束していました。
退職した元バスの運転手の夫は、妻の記憶障害と、夫と認識できなくなって話がきつくなり対応が難しくなりました。
50年間、一緒に住んだ自宅のベッドで彼は首を絞めました。寝る前に彼が着替えさせようとしたとき、妻が他人を思い込み「汚い老人」と責めたのです。
昨日の裁判で12カ月間の収監になりました。裁判では、人命の敬虔さを保つ義務があるされました。
彼の息子は、裁判所に釈放を求めて手紙で「私は母を無くしました。また父も無くしたいと思いません」と書きました。家族は傍聴席で泣き悲しんでいました。
イギリス南部のサムレストに在るウエリントン・チャーチフィールドに住むベアードン氏は、自分をコントロールできなかったことによる殺人と認め、エクスタークラウン裁判所でのグラハム・コッテルGraham Cottle判事(写真左下)が12カ月収監と判決し、次のように述べています。
「この事件はユニークで苦痛を伴うともなう刑を判決することなり、意見も分かれたままです。あなたは58年間夫婦として生き、16歳のとき妻に会って結婚しました。共に深く献身的で2人の子供を育てました。人生の後半、妻が認知症になり症状が悪化し介護が不可能なほどになりました。あなたは支援を断り、悲劇的な結果からしてそうした決定をしたことは疑問です。あなたは誇り高い人ですが、高すぎて、もはや対処できないということが受け入れられなかったのです。とりわけ彼女が死んだ日は難しい状況でした。あなたの言葉で話すと、叩いて首を絞めて殺したのです。あなたがしたことは、きっと残された人生のなかで脳裏から去ることはないでしょう」
さらに判事はバードン氏の収監について次のように述べています。
「これは安楽死でもなければ、自殺ほう助に近いものでもありません。何年も愛してきた妻へ、一時的に自分をコントロールできなくなったことによる人命の断絶なのです。あなたの置かれていた状況はとても難しく問題が多く心打つものですが、これは多くの家族が経験しており、とても重い病気の配偶者や家族を介護しているのです。こうした事件を悲劇ととらえることはとても意義ある理解ではありますが、人命の尊厳という原則が、収監を猶予することで、軽くみられるかもしれないのです」
(thisissomerset January 14, 2012 Jail for elderly man who killed dementia wife)
編者:こうした事件は日本では情状酌量ということになりかねないが、イギリスの判事の判断は一考に値する。それにしても社会的サービスに頼らないと決めた夫の行動は、我が国でも起こっており、これからも起こるだろう。社会サービスとの繋がりを早く作る作業が欠かせない。
★看護師が認知症の人を箒で殴る(1月14日/スウェーデン)
看護助手が箒の頭で認知症の人を叩いたと疑われています。この事件は、南スウェーデンのバスタドBastadに在るスコースリーデン高齢者ホームSkogsliden's geriatric home(写真右)で起きました。
同僚が上司に告げることで事件が発覚しました。
地元紙Helsingborgs Dagblad (HD)によると、看護助手が清掃部屋に行って箒を持っていたのを見ていました。それから看護助手は、箒で認知症の入居者の車椅子を押し、頭や顔を箒で叩いたのです。
医療部長のスザンナ・ハーチングSusanne Hertting氏(写真左)は「何年もこの仕事をしてきましたが、こうしたことは聞いたことがない」と話しています。
ホームの管理者は「入居者がけがをしたり検査を指示されたようなことはない」と報告しています。
ホームが厳重に忠告された今回が初めてではありません。
国の保健福祉委員会National Board of Health and Welfare (Socialstyrelsen)は、昨年、この施設に忠告しました。不十分な数の職員、入居者が希望したときにシャワーを利用できないなど、認めがたいことが指摘されました。
しかしハーチング氏は、先週の出来事は以前からの欠陥とは関係ないと考え、「個人的な問題です。私たちのすべての職員がすばらしい仕事をしており、仕事がどれほどきつくても、上司に不満があっても、罪のない人を叩くことはありません」と話しています。
なお今回の看護助手は、以前、薬の窃盗の疑がありますが起訴保留のままです。
(The Local 14 Jan 12 Nurse beat dementia patient with broom)
編者:スウェーデンでも施設での身体的虐待がニュースになるようだ。なお記事は英語版のスウェーデンニュースで、固有名詞の呼び方に間違いがあるかもしれない。
★「認知症コストは196兆円、介護者の負担浮き彫り―欧州」(1月11日/メディカルトリビューン)
英オックスフォード大学医療経済研究センターのRamon Luengo-Fernandez氏(写真左上)らは,東方拡大を進める以前の2004年時点の欧州連合(EU)加盟国15カ国を対象に,認知症に関する介護や医療,薬剤などのコストのほか,家族などによる介護で発生する無報酬の労働コストや生産性の損失などを含めたコストを推算したところ,2007年は計1,650億ポンド(約196兆円)に上ったと、米医学誌「Journal of Alzheimer's Disease」(2011; 27: 187-196)に発表した。
68%は家族介護コスト
今回のLuengo-Fernandez氏らによる試算では,2007年の認知症コストの68%を家族や友人などによる無報酬の介護(インフォーマルケア)のコストが占め,次いで26%を居住型ホームやナーシングホームなどを含むソーシャルケアのコストが占めた。また,各国の医療システムにおけるヘルスケア関連コストは5%,認知症にかかるまたは早期死亡などによる生産性の損失コストは1%と推算された。
認知症患者1人当たりのヘルスケアおよびソーシャルケアのコストを合算した額は,ルクセンブルクが最も高く,スウェーデン,英国が続いた。対象となった15カ国の平均コストは8,623ポンド(約100万円)だったが,各国間に大きなばらつきが見られた。
15カ国全体の認知症患者数(未診断例を含む)は推計で640万人に上り,全人口の1.6%を占めた。英国では患者数は100万人弱と推計された。
介護で失われた時間を評価すべき
今回の研究では,対象となった15カ国で,認知症患者(約440万人)が親族や友人などによる無報酬の介護を119億時間受けていたものと推定し,そのコストを推算した。
Luengo-Fernandez氏は「認知症は欧州諸国に甚大な影響を与えており,その負担の大部分が無償で介護する人々にかかっている」と指摘。「無報酬の介護は,愛情のこもったケアであることに価値が見いだされている。しかし,資源は経済用語で言うところの機会費用として評価されるべきで,家族介護の場合,認知症の家族を介護するために失われた,本来はほかの仕事に費やせたはずの時間を評価すべき」と主張している。
また同氏は,認知症コストで無報酬の介護に次いで大きな割合を占めたのは,多くの患者が最終的に必要とするナーシングホームや居住型ホームにおける長期介護の費用だったことに触れ,「これまで医療システムの議論では,ソーシャルケアの存在が忘れられがちだった。英国ではソーシャルケアの財源は中央集権化されておらず,国と自治体の予算,自己負担金が財源となっているが,こうした財源は十分注目されてこなかったようだ。これは,多くの欧州諸国でも同様だ」と指摘している。
南欧では無報酬の介護が多い
また,北欧諸国と南欧諸国との間で異なる特徴が認められた。例えば,英国や北欧諸国では南欧諸国に比べて認知症患者1人当たりのヘルスケアおよびソーシャルケアのコストが高いことが分かった。
この分析結果の背景について,Luengo-Fernandez氏らは「単純に,これらの国々が富裕国であることが一因だろう」と分析。「富裕国では薬剤や医療のコストが特に高い傾向にある。例えば,英国の顧問医や一般医(家庭医)の給与はスペインの同レベルの医師と比べ著しく高い」と説明している。
また,北欧諸国では南欧諸国に比べて施設介護の割合が高いことも分かった。その要因として,同氏らは「南欧では女性の就業率が低いため,娘や息子の配偶者が介護を担う傾向が強い。こうした場合,家族介護者が介護に伴う負担に加え,心理的ストレスまで引き受けることになる。また,家族のきずなをより強く重んじる南欧では,施設介護に頼るのは思いやりがなく怠慢だとの考えが根強い傾向もあり,こうした文化的差異も影響しているものと考えられる」と述べている。
解決策は治療・予防研究
英国の認知症研究への助成額は,調査した15カ国全体の40%に達し,英国は他のどの国よりも認知症研究に潤沢な資金を当てていることが分かった。しかし,心筋梗塞など冠動脈性心疾患やがんなどの研究資金助成と比べ,認知症研究への資金助成はその経済的負担の割に不十分であることが,英国の先行研究で明らかにされている。
アルツハイマーリサーチUKのRebecca Wood理事長(写真左下)は「アルツハイマー病により損なわれた人生を統計で測ることはできないが,財政難のこの時代には,認知症研究への資金助成の妥当性を示す強力な経済的根拠を示さなければならない」とした上で,「今回の研究では,欧州で認知症の影響が深刻なことが示された」と評価している。
また,同理事長は「認知症ケアの負担は,患者の夫や妻,息子や娘といった無償介護者に重くのし掛かっている。かつてないスピードで高齢化が進み,認知症患者が増加するのに伴い,家族介護者も増加しつつあることは、憂慮すべきことだろう。認知症をめぐる問題の唯一の解決策は,認知症による影響の軽減と,患者のQOL(生活の質)向上,さらに治癒を目指した治療と予防の研究だ」と述べている。(編集部)
(健康百科 2012年1月11日 原文のまま)
★認知症の人に必要な精神的健康に応えよう(1月10日/アメリカ)
アルツハイマー病など認知症の人は精神的健康上の問題―認知症の他にうつ状や不安など―をもっていることが多いのです。いつも頼ってきた記憶がはっきりせずに不確です。人生で培ってきた知識や技術も失っています。人間関係も変わったり無くなっています。通常、職場、家庭での活動や楽しむことが難しくなります。最終的には、金銭、計画、外出、食事、掃除、入浴の世話をする人たちが必要となるのです。認知症の人のアイデンティティ、プライド、満足などが無くなり、認知症の人は悲しく、怖れ、怒りを抱き、ときに彼らの行動が介護者の問題となるのです。
こうした明確な真実は、アルツハイマー病など認知症の人数が今後20年間で急激に増えることへの国家的な準備な進める事柄に含めるべきです。
良い知らせとして、昨年1月に法律となった「国家アルツハイマー病プロジェクト法National Alzheimer's Project Act (NAPA)」に基づき、アメリカ保健社会福祉省U.S. Department of Health and Human Services (HHS)が認知症に関する長期計画を推進し始めたことです。
このプロジェクトの計画諮問委員会には、多くの連邦政府の関係部署にくわえ、薬物乱用・精神保健局Substance Abuse and Mental Health Services Administration (SAMHSA)が加わっています。昨年12月中旬、SAMHSAは、専門家による小グループを立ち上げ、認知症の人が経験する精神保健上の問題に応えることの重要性について勧告しました。今月17日と18日に開催される次回の諮問委員会の会議でこの勧告が生かされることを願っています。
悪い知らせは、認知症に関わる国家の優先事項についての争いがあることです。
優先項目の一つとして、あるいは唯一つとしてアルツハイマー病の治癒の研究に投資すべきであり、すくなくともこの病気の不可避的な機能低下を止める薬の発見研究に投資とすべきと主張している人たちがいます。たとえば、雑誌Alzheimer's and Dementiaの論説で、「2020年までにアルツハイマー病予防キャーペーンCampaign to Prevent Alzheimer's Disease 2020」を行っているザヴェン・ハチャトリアンZaven Khachaturian氏(写真右上)は、「最終的に重要なことは、アルツハイマー病研究の社会資源とその財源を配布するに際して意義あるシステムが構築されるような信頼できる行動計画を立てることです。とりわけ、アルツハイマー病の障害や予防の介入方法を発見し開発することです」と主張しています。
また医学的研究な約束があっても、すでに認知症になった540万人、今後20年間で新たに認知症になるだろう500万人から600万人には役立たないだろう信じている人たちもいます。認知症の人を支える人間的ケアによって可能性のある最善の生活の質を提供することが最大の目標と、私たちは信じています。これは生物医学的研究と競合するのではなく、追加すべき必要なこととみなしています。
しかし、より人間的でより効果的なサービスや支援の必要性について関心ある人たちの間でさえ、精神保健サービスの重要性についての論争があるのです。
ひとつは、心と体の分離という時代遅れの見解によるものです。認知症の精神症状は身体的な原因によります。このことから多くの人は、アルツハイマー病の身体的原因に関する治療を重視することを主張し、精神保健の問題として認知症を捉えていまい人たちがいます。心と体は表裏一体の関係にあり、身体面も精神面もともに視野に含めた介入によって認知症の人と家族が最善の生活の質が維持される必要があると信じている人たちがいます。
認知症の人と介護者の生活について多くの精神保健上の問題が生まれています。ハチャトリアンの論説が載った同じ雑誌の最新号で、ジョンズホプキンスメモリーセンターのコンスタンチン・リケトスConstantine Lyketsos氏(写真左中)らは、神経精神症状はアルツハイマー病など認知症の中核症状であると論じ「うつ状態と無関心、言語的および身体的興奮、あるいは後期の幻覚、妄想、攻撃性は、とりわけ精神保健的介入―とくに非薬物的介入―の取り組むが必要であり重要です」と述べています。
精神面の理解によって、たとえ診断されるような精神疾患を持っていなくても、認知症の人と介護家族の生活に質が改善するのです。認知症は、どうしようもない恐怖と思われがちですが、多くの認知症の人たちは安心した生活を送っているのです。認知症の人が、自尊心を持ち、安心できる世界で生きられるように支援することは彼らのとってとても重要な目標となります。
こうした精神保健上の課題は、障害者の介護の80%を提供している介護家族にも関係することです。かれらは、「燃え尽き」になりやすいうつ状態、不安、身体疾患を発病する危険性が高いのです。ニューヨーク大学医療センター精神科のメアリー・ミッテルマンMary Mittelman氏(写真左下)の信頼できる調査によれば、心理的支援によって介護家族は直面するストレスをもちながらもよりよい生活を支えることになり、結果的にナーシングホームへの入居を18カ月遅らせことができるのです。
もし、国家アルツハイマー病計画がこうした認知症の側面を反映するのでなければ、認知症の人と家族の生活は、はるかに悪化するでしょう。こういうわけで、私たちは、認知症の人と家族の精神保健が国民の中核的な優先項目として計画に盛り込まれることを要求するのです。
寄稿者マイケル・フリードマンMichael Friedman氏(写真右)は精神保健分野で40年以上勤め、現在、コロンビア大学ソーシャルワーク・公衆保健学部で教えている。
(HuffingtonPost 1/10/12 Meet the Mental Health Needs of People With Dementia)
編者:認知症の人の精神保健は新しい視点だ。寄稿者は国の認知症対策が医学研究に偏らないで総合的対策の必要性を主張している。我が国では認知症対策を統括する部署が不在であり、総合的対策の必要性についての議論が望まれ、私も参画したい。
★アルツハイマー病の試練のなかで見つけた愛(1月9日/アメリカ)
アルツハイマー病が、私たちを一緒にしてくれましたのです。この病気は、想像していた以上に強い親密な関係をもたらしてくれました。
でも私が初めてドロシーDorothy(写真の右)に会ったとき、私の人生でもっとも悲しい時期に関わるとは想像もしませんでした。
私たちは高齢者ダンスで出あいました。ドロシーは9年前に夫がなくなり、私は、数年前離婚していたのです。彼女は神学の博士号を持っていましたが、私がながく無信仰のままでした。ダンスをしている間、それぞれに異なる背景について冗談を言い合ったりしました。私は呼吸器の病気の治療を受け、彼女はボランティア活動に優れた才能を発揮していました。
最初から、すべてうまくいったというわけではありませんでした。ドロシーの大きな家は衣類の袋で一杯で、彼女は玄関で寝袋に寝ていたのです。これらは認知症の初期症状だったのかどうか、私にはわかりませんでした。彼女が私の家のベッドを見た時、すぐに引っ越したかったようです。
私たちは、歴史的に由緒あるダンス―そのほとんどビクトリア時代の―の一団に加わりました。南北戦争を再現することにもなりました。私たちが、タンゴやワルツを教え、タンゴのショーもしました。お互いに踊りながらの人生の一時を過ごしていました。
次第に、私が彼女のために多くのことをしていることに気付きました。魅力的で社交的な彼女の世話をすることは楽しみだったのです。おかしな行為が何年もかけてゆっくりと増えました。私たちが結婚しない時、私が彼女のすべての生活を引き受けることになったのです。
彼女が初めて失禁した日のことはこれからも覚えているでしょう。私たちは医療機関に居て、私が眼科医に受診したばかりでした。その建物のロビーの磨かれた御影石の床に水たまりがありました。後に別の失禁にも出あいました。
彼女の愉快な人柄は変わりませんが、立つったり歩いたりしたくなくなったのです。ボランティアの助け―とくに階段で―を頼む必要がありました。また私といつも一緒に歩くことは実際的ではなく、いつも身体をまげたりのばしたりして私の身体を擦り減らすことになりました。
介護施設に入る時が来ました。そこで、彼女は私以上によい介護を受けることになるはずでした。ドロシーは、すぐに施設に順応して、必要が介護を受けることを理解していました。しかし、私にとっては心痛むときが始まったのです。皮肉なことに、彼女が認知症の被害者であり私もまた被害者の一人なのです。彼女は認知症の夢の世界の満足しているようですが、私にとっては毎日、彼女が去ってしまったというこの今失ったとことをどれほか思い起こさせているのです。
アルツハイマー病は、彼女がいないという空白の感情を満たすような親密感をもたらしました。ドロシーを介護したということは、私の一生涯の経験であり、私が亡くなるまで大切な償いと満たされる時でもありました。
追記:寄稿者のジョウン・サイモンズJohn Simons氏(写真の左)は、現在、毎日、ドロシーさんに昼食を食べさせに通っています。
(Los Angeles Times January 9, 2012 My Turn: Love formed in Alzheimer's crucible)
編者:アルツハイマー病への肯定的な思いだ。同じアルツハイマー病でも二人の性格と関係が状態に関与しているのだろう。なおお二人の写真は発病前のもの。
★アルツハイマー病啓発月間(1月5日/カナダ)
カナダ・オンタリオ州に在るケノーラKenora地区でも1月は「アルツハイマー病啓発Alzheimer Awareness月間」で早期診断の利点を宣伝し。今年のキャンペーンのテーマは「面と向かいましょう'Let's face it!」です。
ケノーラ/レインリバー地区アルツハイマー病協会Alzheimer Society of Kenora/Rainy River Districtsのリン・モファットLynn Moffatt事務局長(写真の左端、右端は市長、あと二人は市議)は、最近の研究成果を引用しながら次のように話しています。
「まだカナダ人は、認知症の症状を単に老化とみています。カナダ人の50%近くが、症状が出て1年以上して家庭医を診察しています。このうち16%が2年以上経過しています。診断が遅れることで、治療の大幅に遅れ、薬、支援、疾病管理に関する意義のある情報を得られないことになります」
昨年の秋、アルツハイマー病協会Alzheimer's Society of Canada が行ったオンライン調査によると、受診が遅れる最大の理由は、症状が加齢の一部で最終的に無くなると信じていることでした。また39%は、症状は一時的なもので深刻にとらえていないのです。さらに4分の1以上は、受診することを拒否し、症状が悪くならないのなら受診する必要はないとみていました。
あらに事務局長は「認知症の症状は、正常な加齢現象とは異なります。一般の人たちがアルツハイマー病の10の症状10 warning signs of Alzheimer's diseaseを知ることを勧めています。症状を知ることで準備ができるのです」と話しています。
調査結果によると、回答した人の75%は、認知症の人を介護している人で、治療から症状管理までに利用できるようになりより早く診断を受ければ良かったと回答しています。また78%は、認知症の人とできるだけ長く自宅で生活したいと答え、63%は、病気によりよく対処し病気と共に生きることは早期診断によって可能だとしています。
ケノーラ/レインリバー地区アルツハイマー病協会は、アルツハイマー病やその他の認知症について個人や家族が初めて診断を受けるのを支援するファーストリンクFirst Linkプログラムを行っています。
さらにモファット氏は次のように話しています。
「現在在る学習、サービス、支援を早期に利用することで、認症の人やその家族はとてもよい結果を得ることができます。認知症の知識や理解を増やし、より自信をもって問題に立ち向かい、将来計画、ストレス軽減、悲しみを防ぐ、そして認知症と共に暮らしながらでも生活の質を改善することに役立つのです」
一般の人たちがアルツハイマー病協会のオープンハウスを訪れることを歓迎しています。そこでは、脳の健康、予防、制度、ボランティアの機会について学び、扱い方も経験できます。また、バーチャル認知症ツアーVirtual Dementia Tour―コミュニケーションとケアを改善することが実証されているユニークな相互作用と効果的な方法―に参加してアルツハイマー病の人になったように歩く体験もできます。ツアーは、スーパー8モーテルSuper
8 Motelで1月24日の12時から午後4時までと、6時から8時まで体験でき、1回のツアーに20分です。予約は、電話(807) 468-151またはメールashley@alzheimerkrr.comで。
(MinerandNews 05/01/2012 Alzheimer Awareness Month)
2011年
★モンテッソーリ法は認知症の高齢者に相応しい(12月29日/カナダ)
認知症の高齢者がレトロな雰囲気なかでアクティビティを熱心に行い、自分が役立っていると感じさています。
リリアン・ケンプLillian Kempさん(写真左上の左)は台所のテーブルに身をかがめ、子供たちを育てた時期に彼女と家族がテーブルを囲んで座っていようにも見えます。
彼女は、洗濯物を分け、靴下を組み合わせ、たたんで洗濯籠のなかに積み重ねます。そして取り出し、また同じことを繰り返しています。また、紙製のコップにマフフィンを詰めるのが好きで、これも繰り返してやっています。
ケンプさんは、カナダ・オンタリオ州のナイアガラにある高齢者施設「アッパーカナダロッジUpper Canada Lodge」(写真右)のレトロな台所に居ます。この内装を新たにしたり、昔の時代に合わせています。このことが認知症の人や記憶障害のある人を支え、過去の記憶を思い出させる雰囲気のなかにいて、心地よいようです。
彼女のアクティビティは、モンテッソーリMontessoriの教育法を反映したものです。この教育法の対象となる子供から高齢者までの年齢幅の片方にあって役立っているのです。認知症の人を活発にし、刺激を与えるというこの方法は、ここ10年の間に、次第に受けいれられてきました。使わないために失われたようなみえる認知症の人の活動性をよみがえらせるのにも役立っています。
チャトーガーデンズChateau Gardensの施設の奥にある小さなラウンジは、1930年代から50年代の様式に似せて作られ、入居者が自分たちにとって最もよく残っている記憶の時代―若い頃や子育ての時代―を思い出させるのです。
部屋の一角に寝室や育児室に似せた家具が置いてあり、乳母車、新生児用ベッド、実物大の赤ちゃん人形や人形服も置かれています。さらに外観が30年代で機能は最新式のラジオがあり、その横に心地よさそうな椅子があります。
デイヴ・バウアーDave Bauer氏―ロッジのプログラム管理者ですが―は、多くの入居者が乳母車を押したり、新生児用ベッドのそばで椅子に座ったりして、ラジオで音楽を聞いたり、人形に気をもんだりしている様子を観ています。
バウアー氏は次のように話しています。
「ご婦人たちは、生きているような赤ちゃん人形をあやしたり、散歩に連れて行ったり、昼寝に赤ちゃん人形をベッドに寝かせたりします。また別の人たちは、部屋に入って座って旧式のラジオで音楽を聴いています。朝、大きな出窓から陽の光のなかで日向ぼっこをしている人もいます」
化粧台では入居者が、服、ハンドバック、帽子などを探せるようになっています。
部屋の反対側は1950年代の台所になっており、耐熱合成樹脂のテーブルやクロムメッキの椅子が備わっています。これに青緑色のビニール製の張り布が張られおり、家族と過ごす一時やパンを焼いた思い出がよみがえるように壁に視覚的に理解できる思い出の光景が書かれています。
入居者には、洗濯物をたたむといった繰り返しできるアクティビティに参加するよう勧められます。こうして若い頃の自分の世界で過ごすことになるのでしょう。
傍のテーブルは、事務所で働いていた人たちのために計算機や、座ってタイプしたことがある人たちのためにタイプライターを用意されています。
大きなラウンジには、入居者とともに職員が使うモンテッソーリ道具が棚に一杯置かれています。アクティビティは、さまざまな運動や記憶能力を網羅して入居者に意味のあることができるようにされています。色や数字で対象物を分類するといった簡単なアクティビティもあります。
一連のアクティビティを職員が行っています。何人かの職員は、マックマスター大学McMaster Universityのギルブレア加齢研究センターGilbrea Centre for Studies in Agingでモンテッソーリ法の研修を受けています。またこうしたアクティビティは、ボランティアや家族らも利用します。
さらにバウアー氏は次のように話しています。
「認知症の人との仕事やアクティビティの鍵は、認知症の人が親しみを覚え日常生活のなかで使ることを対象とすることです。ある入居者は編み物が好きで、何を編むかは問題ではありません。同じ毛糸を何度も使うことができます。こうした運動機能を改善しながら、何か生産的にことをしていると感じることになるでしょう。認知症の人は、特別な運動機能や仕事を再学習したり、繰り返すことを可能とする「手続記憶」は保たれており、たとえば、ある色のゴルフボールをおわんから取り出しては戻すということを繰り返すことでスプーンでスープを飲むために必要な運動機能を改善することができます。あるいは、布を渡して壁の埃を取ったり、箒で床を掃除することもできます。本当のように見えたり、役立っていると感じさせるアクティビティを行うことは、目的なく歩きまわったり、何時間もただ座っているよりはよいのです」
マリア・モンテッソーリMaria Montessori((写真左下)写真右)は、1870年イタリア生まれで、精神医学、教育、人類学の分野で業績があります。彼女は、個々の子供は特別な可能性をもって生まれており、その可能性が発揮できるような環境を作ることで発達すると信じていました。モンテッソーリ法は、五感に根差したもので、日々の生活のなかでの対象に関わり、失敗することも認めながら構造化されたアクティビティの実施を含めています。
この10年間、こうした活動がアルツハイマー病や認知症の人に構造的に取り組まれ、失われた多くの能力―自分で食べという能力も含め―を向上させるのに役立っています。
最後にバウアー氏は次のように話しています。
「多くのアクティビティは入居者をより自立させますが、他の人たちにとっては単に自分によりよい感情を抱くというだけのこともあります。彼らが感じられることをするように促すことで自己評価を高めることも生産的なことなのです」
(Niagara Advance 12/29/20110 Montessori methods help seniors suffering from dementia)
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日本モンテッソーリ教育綜合研究所
編者:紹介記事の取り組みは回想法に類似し必ずしも真新しい内容ではないが、アクティビティの根拠がモンテッソーリ法である。この方法は我が国で障害児の教育現場で応用されているようだが、認知症ケアの現場での取り組みは聞かない。Activitiesに適切な意訳がないのでアクティビティと音訳した。
★地震後、認知症ケア棟のある高齢者ホームが開所(12月21日/ニュージーランド)
クライストチャーチでレストホーム(rest home 「自立型老人ホーム」と訳される)と認知症ケア施設が新たに開所することで、地震後の不足した市のベッドを補うことになると期待されています。
ハルスウエルHalswellにある「アンソニワイルデング退職者ビレッジAnthony Wilding Retirement Village」に、今月19日、新しいレストホームと認知症ケア棟がオープンしました。
600万ドル(1ニュージーランドドル≒70円)の計画により、2月の地震で不足したレストホームの建設が急速に進められたのです。
ライマンヘルスケアRyman Healthcareが所有するビレッジは、全部で148人分のベッドが有り、このうち80ベッドが要介護高齢者用で33ベッドが認知症高齢者用です。
ライマンの最高責任者のサイモン・チャリーズSimon Challies氏(写真)は次のように話しています。
「ベッドの要望がとても高いのです。地震後考えて最初のことは、レストホームと認知症用部屋を優先的に始めることでした。最善の方法と思いました。地震後、閉鎖するところが多く、市から避難された人たちにとって戻る時の選択枝は多くはありませんでした。新しい棟は6カ月間で建て、複合施設として68ベッドを追加しました。メリーハウMairehauに100万ドルかけての新たしい建設を始めたばかりで、レディアイザックLady Isaacビレッジは定員400人ほどの施設になるでしょう。中心施設でも仕事も始めており、120ベッドの認知症ケア用、レストホームおよび要介護高齢者施設ができるでしょう。このビレッジは、来年の早い時期にオープンする予定です」
(stuff.co.nz 21/12/2011 Rest home opens with dementia-care wing)
参考情報:ブログ「日刊ニュージーランドライフ」に、「ニュージーランドの高齢者施設は主に、Rest home(自立型老人ホーム), Hospital care(要介護老人ホーム), Dementia Unit(認知症ユニット)、Apartment(ケアつき住宅)の4つに分類されます。」と記載あり。
★革新的治療薬で「長い別れ」を短縮(12月21日/アメリカ)
17年前、レーガン元大統領は、「長い別れ」と呼ばれる手紙でアメリカ国民へアルツハイマー病と診断されたことを表明しました。胸が痛くなるほど、この手紙を読んだ人たちに大統領として職務を全うできたことを感謝しました。さらに手紙で「私は、ただ、この痛ましい経験からナンシーを救う方法を願っているだけです」と書きました。
その後、レーガンの国民への別れの思いは、何千人という親や配偶者に私的に伝えられたのです。アルツハイマー病は、現在、治癒はできないのですが、いつの日か予防が可能となり管理され治癒できるところまで発展するとの望みを伴っています。
今日、アルツハイマー病は、医学的状況のなかで突出したものと理解されていますが、私たちは、レーガンの願いを満足させるところの近くにいるのでしょうか。
この自問は重要です。アルツハイマー病は2050年までに全世界で85人に1人がなると推計されています。十分な証拠にもとづくアルツハイマ病関連費用は、全く個人的なこと―祖父は私を誰か分からなくなったとき7歳でしが、その時の戸惑いをまだ覚えています―から、経済的な側面―多くの専門家はアメリカだけで年間約1億ドルの社会的な経費があると推測している―まであるのです。
より希望が持てる研究分野の一つが生物製剤―ワクチンのような―です。これは、高脂血症薬のリピトールのような化学的に合成された薬と比較して、医療では比較的新しい分野で、生きた組織から採取される薬です。科学者は、生物製剤について十分のその可能性を理解し、高く評価し始めたばかりですが、がんや関節炎、そしてアルツハイマー病のように治りにくく多彩な病気に適応されると約束されています。
しかし、医学の発展には十分な革新的開発を受け入れる環境が欠かせません。それは競争と支援に関わる余裕のある管理構造を伴うもうものです。新しい政策で、競合的でかつ創造的な状況を作り、結果的に革新な治療をもたらすものです。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は、現在、こうした疑問に直面しています。生物製剤の開発に明確な基準を設けるべきことに加え、模倣薬―生物製薬後発品―の普及が避けらないのです。しかし、後発品は合成化学薬とは異なり、厳密に同一薬であるか確認できないのです。生きた組織から抽出した薬は、多くの場合似てはいますが、決しては同じでものではありません。
よく知られているように、後発薬はブランド薬よりかなり廉価です。しかし、化学的薬品と違い、模造した生物製剤の後続品を発展させる課程がはっきりしていません。FDAの問題は、生物製剤類似薬を製造したい会社にどのような安全な課程を認可するのということです。こうした製薬会社は初期研究への投資―通常、数億ドル―をしていていないので、後発薬を安く売れるのです。
3つの課題を指摘できます。
第1は、患者に安全な薬を提供することが重要です。明らかなことですが、生物製剤後発品とオリジナルの生物製剤との間には小さな違いはあるでしょう。患者に害を及ぼさないことを保障する唯一の方法は、後発品にも臨床試験を行うことです。
第2は、EUが2003年に生物製剤後発品の管理手順を制定しましたが、アメリカは、わかりきったことをやり直す必要性はないという利点があるのです。
第3は、私たちは従来の製薬企業から価値があり、ときに痛みのあること学習をしてきました。偽薬という問題があるのです。薬が効果と提供の連鎖に関してのサーベイランスは、偽薬を発見し予防することに役立ち、さらに予期しない副作用の監視にもつながります。生物製剤後発品がアメリカ市場で認可される前に、追跡可能なシステムがあるべきです。
今日、多くの家族が、レーガン元大統領の「長いお別れ」に直面しています。さらに多くのアルツハイマー病の人が、病気によって記憶が奪われるようになって、家族が直面するであろう痛みについて良く知っています。生物製剤が、「長い別れ」を短縮したり、無くするかもしれません。これは私たちの世代での合理的な望みであり目標なのです。しかし新しく開発さえる生物製剤―同じく後発品―が先駆的にかつ全面的に追求することによってアルツハイマー病の人の安全が守られるでしょう。
寄稿者:ジョン・ホルトンJohn Horton氏(写真)はポートランドに在る薬情報提供サイトのレジトスクリプトLegitScriptの会長で、全国医薬品管理政策局U.S. Office of National Drug Control Policyの元局次長で、政府の全国合成薬管理戦略National
Synthetic Drug Control Strategyの第一立案者で、2003年から2007年まで大統領の全国薬品管理戦略National
Drug Control Strategyの共同立案者でした。
(Huffington Post 12/21/11 Medical Innovation and Shortening the Long Goodbye)
編者:寄稿者はアルツハイマー病の根本治療薬―その一つの免疫療法薬―の開発に楽観的なようだ。彼の主張は開発されたあとの話である。
★先住民に文化的に配慮された認知症の評価とケア(12月16日/カナダ)
カナダ先住民First Nationsで初めての認知症の人に対して医療スタッフが先住民の言葉で話しかけると、介護家族は認知症の人の振る舞いが変わること―穏やかになること―に気付きことが多いのです。
北オンタリオ医科大学Northern Ontario School of Medicineの人間科学部Human Sciences Divisionの医療人類学者のクリスティーン・ジャクリンKristen Jacklin准教授(写真左上)は「これは重要な現象だ」と話しています。
現在、ジャクリン准教授は、オンタリオ州の6地区の12先住民共同体でカナダ先住民がアルツハイマー病と関連疾患についてのどのような知識を持ち、態度を示し、受け止めているかの研究をしています。研究目標は、先住民の人と家族に対して認知症ケアの相応しい受け止めと適切な介入と予防方法を向上させることです。
ジャクソン医師は次のように話しています。
「先住民は、西洋文化とは異なった方法で認知症の経験や症状を明確に説明することを知りました。認知症をより自然にそった見方があるのです」
西洋医学は、記憶障害や徘徊などの認知症の行動を精神的混乱と見なす傾向にありますが、多くの先住民共同体では、老人から子供への「まじない的変転」の旅とみなしているのです。
さらにジャクソン医師は「現実の世界と霊的な世界とを結びつける出入口とみている」と話しています。
先住民地区社会と本流の社会とでは、老化に関する信念の在り方が異なるので、認知症になった先住民に対しては文化的に相応しい診断や介護が受け入れやすいのです。
テームズのオネンダ居留区Oneida Nation of the Thamesでのカナダアルツハイマー病協会Alzheimer Societyの先住民ファーストリンクプログラムFirst Nations First Link (First Link) Programのコーディネーターであるロビン・シャワノーRobin Shawanoo氏(写真左中)は「たとえ些細な変化も違いが生まれます。先住民リンクでは、オンタリオ州のロンドンとミドルセックスの先住民で認知症になった人に相談、教育、研修、啓発、擁護の支援を提供している」と話しています。
先住民リンクでの治療方針は、文化、伝統、スピリチュアリティの要素を取り入れたものです。シュワノー氏は、認知症の人の家を訪問し、認知症をめぐる家族の関心や信念を理解しながら評価するようにしています。病気の治療よりは、認知症の人と家族を全体的に彼のやり方で「まじない的変転」で対応しています。
またシャワノー医師は次のように話しています。
「私は病気という観点から認知症を見ていません。彼らが何を必要としているかを注目するのです。認知症の早期であれば、できるだけ安全な環境にするために何をすべきか考え、病気の進行を遅らせる方法についても検討します。西洋医学的視点から離れて個々人が全体的として―精神的、身体的、霊的、情緒的に―何が必要なのかに目を向けなければなりません。病気というラベルを貼る事を心配しないでよいでしょう。
認知機能を活発にする鍵は、儀式や伝統的な行事に高齢者を参加させることです。二言語を話す人は、なんらかの理由で認知症になる可能性が低いのです。脳を活発にする方法はなにであり文化的な感性を保つようにすることです。自分たちの歌を歌い、自分たちの言語を学び、自分たちの工芸を学ぶのです」
先住民の言語でコミュニケーションをとることは、相互の認識に介在するギャップを埋めることができます。
さらにジャクソン医師は次のように話しています。
「認知症に関する先住民の用語群は、軽度、中程度、重度の症状を具体的に区分するに十分なほど特異なものです。病気の進行というよりは、人が何を経験しているかをより多く言い表しているのです。これらは、認知症の人、介護者、医師、サービス提供者などの間の会話に関係します」
シャワノー氏は、カナダ先住民を評価する文化的に適切な方法を用いています。たとえば、「モントリオール認知機能評価Montreal Cognitive Assessment (MoCA)」の言語認知テストにある「キルトと毛布」の違いを質問するでしょう。彼は、認知症の改定スクリーニングテストが文化的に考慮された方法で医師と先住民とのコミュニケーションに役立つことを希望しています。
さらにシャワノー氏は次のように話しています。
「MoCAの発案者であるジアド・ナスレディンZiad Nasreddine医師(写真左下)との共同作業で、私たちが挑戦した最大の事柄は、アフリカあるいはアジアの三つの動物―サイ、ラクダ、ライオン―の絵を見せる標準的なテストについてです。これらをオネダ居留区では三つの動物―カメと熊と狼―に置き換えました」
(Indian Country Today Media Network.com December 16, 2011 Holistic Healing: Addressing the Need for ‘Culturally Competent’ Dementia
Assessment and Care)
編者:先住民での認知症の課題はオーストラリアで積極的に取り組まれているが、カナダでもがんばっているようだ。先住民の文化的霊的背景への配慮が重要ということだ。
★経管栄養の導入に迷う(12月11日/アメリカ)
私の父(写真左)は、大腿骨の手術の翌朝、冷凍コーヒーと甘いものを持ってくるように私に頼みました。フラペチ-ノとドーナツを持って病院に行ったのですが、そのうち一つが父を殺しそうになりました。
父は、息苦しそうになり顔色が青くなってきました。自分の死を怖れが目に現れたのです。母(写真左)と妹が助けを求め、3,4人の看護師と医師が来ました。
医師は父の名前を呼び、看護師の一人はベッドの後ろの吸引チューブを持ち出し、父の喉に挿入し気道をふさいでいた何かを吸引することができました。
こうしたことは稀ではないのです。父のように脳血管障害などの慢性疾患の人が、喉の筋肉が弱っていることを経験から学びました。嚥下障害は、息をすることもが難しく、また飲み込むという単純な行為で危険な状態になってしまうことがあるのです。ほんの少しの食物を肺まで吸い込むと、肺炎を起こしたり、死に至ることもあります。
これとは別に尊厳の問題があります。母は「熟年はそれほど素晴らしいことではない」と話しています。
60歳代の夫が子供のようになって、なすすべもなく母は見守っているだけです。父は、歩いたりトイレに行くのに助けが必要で、食べているときも注意が必要です。
数週間前、父は、退院してナーシングホームに入りました。そこでは、ピューレした食品や濃い液体を食事として食べさせていましたが、父は、しばしば、食べるのを拒み、家に連れて帰ってほしいと言うのです。
できないことを話すのは難しいことです。父にとって選択肢はますます少なくなり、食べられないと経管栄養が唯一の選択肢となることでしょう。
母と妹は、毎日父を訪ねていますが、この問題で疲れきっています。妹は、自分の健康上の問題―卵巣がんで脳転移―を持っており、父に残されたわずかの楽しみが亡くなることを考えると動揺するのです。
何をすべきか、誰が決めるべきなのか?
確かに、父に選択肢を説明できるようにすべきでしょうが、経管栄養がないと父は死んでしまうようです。しかし、管は不愉快であり感染症や合併症を起こす可能性が常にあります。
軽度ではなるが進行している認知症の父が、胃に埋め込まれた管から食物が与えられることの意味を理解できるそうにありません。また父が拒否するとしても、それを決定する能力があるのでしょうか?
こうした場合、事前指示書advance directivesがあるとしても、さまざまな質問をされても簡単に答えられるとは限りません。両親の後見人に相談したところ、事前医療指示書advance health care directiveの書類に両親とも記入していることを知りました。父が本当に何を望んでいるか知りませんでしたが、父が次の項目にチェックしていることを知りました。
私は、次の場合、延命を求めません。
① 比較的短期間のうちに死にいたるような不治で非可逆的な状態にあるとき、あるいは
② 意識がなくなり、合理的で医学的正しく意識は回復しないと判断されるとき、あるいは
③ 治療することで起こりうる危険や負担が、予期される利益を超えるだろうとき。
父がこうした望みに従って自ら決定できない場合、母が代わって決定できる代理人となっています。
父はPOLST (Physicians Orders for Life-Saving Treatment、延命治療医師指示書)として知られる別の種類の指示書には記入していません。POLSTは、より特殊で呼吸器や経管栄養について詳しい支持をするものです。不幸なことに、父が代替治療について十分に検討するとき家族が複雑なこの種の話し合いをしていなかったのです。
「いつ諦める」のかという決定をしなければならない辛い立場に母が置かれているのです。現在の医療指示書では、父のような人を重度で衰弱した状態のままにすることになるのです。これは一般人にとてつもない費用を伴うもので、人間的で情け深い方法といえるのでしょうか。
ある医師は私に次の話してくれました。
この国の細分化された医療制度によって、父が経管栄養を行えるような既に組み込まれた動機が在るのです。医師も病院も費用は支払われ、ナーシングホームも利益を得るでしょう。メディケアでは100日以上の給付を保障しており、家族がこの費用を直接払うわけではありません。唯一損失を受けるのは一般納税者なのです。父もその一人といえます。父は、既に切開され検査を受け、夥しい薬が投与されています。しかしますます病み、憤り、うつ状態になっているのです。
現在、父は、人工関節を付けていますが、ほとんど歩けません。食事が好きなのですが口から食べることはできません。彼の部屋の壁には、どのように飲み込むかの説明書きがあります。
父は明らかに人生の終末に近いのですが、感謝祭のときは笑顔になりました。私の娘を抱いて私たちが家族であることを思い出していたのです。私の弟は「父の尊厳だけを問題とすべきであり、手術もいらない。これ以上の苦しみもいらない。1月に300錠以上の薬もいらない。励ましもいらない。理学療法もいらない。拒否もいらない」と話しています。
妹は泣いていますが母は泣きません。
母は次のように話していました。
「始めたからには止めることができないでしょう。父がまともな人間なら経管栄養は望まないだろう。多分、キリストが彼を連れてゆくのであって私たちがいかなる怖れ多い決定をすべきではないだろう」
次回は、終末期の決定に際しての法的医学的検討課題について読者のためのガイドおよびカリフォルニア州の医師による自殺ほう助が合法化どうかについて見解を述べます。
(Los Angeles Times 12/11/2011 A terrible choice to ponder)
投稿者のスティーヴ・ロペスSteve Lopezはジャーナリストでコラムニスト(写真右)。
関連資料:Advance Health Care Directive Form Instructions(pdf70K)
編者:アメリカにおける経管栄養の導入の現状を垣間見られるコラムだ。経管栄養で医師も病院もナーシングホームも経営的に潤っており、その負担は一般納税者という指摘は興味深い。
★認知症支援グループが政党に要望(12月6日/ジブラルタル)
ジブラルタルアルツハイマー病・認知症支援グループGibraltar Alzheimer and Dementia Support Group(GADSG)は、先週、次回の選挙で争う3つの政党と話し合いをもち、要望しました。
グループの委員会と家族支援グループのメンバーは、会合に向けて各政党に前以て要望リストを提出しました。このリストには、アルツハイマー病など認知症の人が利用できる施設を速やかに開設すること、家族・介護者・専門職・一般の人たちへの啓発と情報提供、現在および将来の戦略・目標および活動計画などが明示されています。
グループの関係者は次のように述べています。
「各政党は、質問への回答に1時間以上かけ、政党の見解や将来の提案を示しました。私たちの会員は個人的な経験などに基づく関心なことと提案を提出しました。
この病気についてこの地域での認識が一般的に欠けており、全体的にも政策が乏しく、認知症の人が直面している問題に最善に対応するにはどのようにしたらよいかの全体的な政策が乏しいのです。
多くの認知症の人が必要とすることに応えるような医療や施設を設けることが難しいことを認めはしますが、私たちは、3つの政党は認めていることに効果的に応えるためにすべきことは多いと感じています」
GADSGは、話し合いの時間を持ってくれたことで政党に感謝を表し、さらに、この病気が求めることに応えるべき将来の政策や施設を発展させることで3政党が関わり発展させると表明しいうことに喜びを表明しています。
このグループは、毎月第1と第3の木曜日の午後8時から9時半までラインウオール通りLine Wall RoadにあるエミルホステルEmile Hostelのとなりの会議場Conference Centreで集いを行っています。一般の方の参加を歓迎しています。連絡は、伝言メール56001422かEメールgadsg_secretary@hotmail.comで。
(Gibraltar Chronicle 6th December 2011 ALZHEIMER AND DEMENTIA GROUP MEET THE POLITICIANS)
グループの連絡先:The Gibraltar Alzheimer's and Dementia Support Group, P.O. Box 1196, Gibraltar Tel: +350 2007 1049 Email: adsupportgroup@hotmail.com
編者:人口3万人ほどのイギリス領土ジブラルタルの認知症支援グループの貴重な活動記事。小さい地域での認知症の人と家族への支援活動は容易ではないだろう。
★アルツハイマー病世代:この30年間で学んだこと(12月2日/アメリカ)
1980年代初め、ほとんどのアルツハイマー病の人は単に「老衰」と分類されていました。配偶者や子供たちは、施設介護を受けることナーシングホームに入居するまで、在宅で介護する責任がありました。
その後、アルツハイマー病など記憶障害を伴う疾患の診断、理解、介護についてはおおきな前進がありました。これまでの30年間にやっきた進歩を振り返ることは、今後の数十年間で何を新たに優先すべきかの判断に役立つでしょう。
診断、治療、教育
69秒ごとに新たなアルツハイマー病の人が生まれ、65歳以上の高齢者の8人に1人がこの病気です。30年前、誰もその病名を知りませんでした。1850年から1977年までニューヨークタイムズNew York Timesの記録からアルツハイマー病について調べてみると、この病気は1906年に遡って既に認めらているにもかかわらず、わずか一つの記事しかこの病気について触れていませんでした。
アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationは、今日、その資源は多くの人にとってかけがえないものですが、1980年に初めて設立されました。1982 年には、ロナルド・レーガンRonald
Reaganが、公的な「アルツハイマー病啓発Alzheimer's Awareness」週間を宣言しました。しかし多くの人が混乱や記憶障害は老化の一症状とみていのです。そのため、治療、診断、もっと重要な介護や介護者への関心はほとんどなかったのです。
アルツハイマー病の根本的な治療についてはまだ見通しがありませんが、アメリカ食品医薬品局FDAは5種類の薬を承認していますが、これらは病気の症状を軽減するのに役立つものです。これらは過去20年間に開発されたもので、目下、新しい多くの治療法が研究中です。
介護
1970年代以前は記憶障害の人への社会資源やサービスは実際のところ何もなかったのです。こうした人の介護は、在宅かナーシングホームで行われていました。幸いなことに1980年代に大きな変化が起こりました。ナーシングホームnursing homeで提供される施設内の医療モデルの介護から介護生活共同体assisted living communityでの入居者中心の社会モデルの介護へと移行したのです。
ちょうどこの時期、介護生活共同体の先駆者であり、サンライズシニアーリビングSunrise Senior Livingの創設者でもあるポール・クラーセンPaul Klaassenとテリー・クラーセンTerry Klaassen(写真左上)が入居者―記憶障害の有無に関係なく―を第一とする介護とサービスを創り上げました。最高の生活の質を目指すだけでなく、入居者の希望を尊重し、アイデンティティ、自立、尊厳を促そうとするものでした。
介護生活共同体の企業が成長するなかで、記憶障害のある入居者に特別に専用棟や別個の施設が作られました。その家庭的な仲間は、安全で制限のない生活環境を作り、共同体意識を促しました。その後、建築家は記憶障害のある入居者に、歩く道順を見つけやすく、危ないという感覚を少なくすることが組み込まれた環境の工夫を進めることで見当識感覚を持たせるような設計を注目するようになりました。先駆的な設計は、浴室の自動センサーによる照明とコントラストのある配色、明るくてコントラストが生まれるような明るさ食卓用器具の配置などであり、これらすべてが尊厳と自立をさらに促すのです。
2000年初めまで、わずかの介護生活共同体の企業が、特に軽度認知障害または初期のアルツハイマー病の入居者向けの特別な体制とサービスの必要性を認識していました。こうした体制とは、初期の記憶障害の症状を持つ高齢者を支えて、記憶障害の進行を遅らせることを目的にした認知機能の刺激、社会参加、相互支援、ストレス軽減を勧める活動に関わるように工夫されたものです。最近になってやっと、生涯学習、精神的身体的運動、社会参加、ストレス軽減、適切な栄養が認知機能活動を促す重要な要因であることが研究から示唆されました。
介護の提供
30年前、アルツハイマー病など記憶障害をきたす疾患の人が見当識障害や異なる時と場所のなかで生活しているみえる人たちを支える最善の方法―合意されることはほとんどない―はなかったのです。この状況が1982年に変化したのです。この時、世界的に有名なソーシャルワーカーであるナオミ・フェイルNaomi Feil(写真左下)が、自らのセミナーの成果―「ヴァリデーション:フェイル法」―を出版しました。これは介護者に見当識障害のある高齢者と共感的コミュニケーションを取る方法を紹介しているのです。現在、何千という介護専門職がヴァリデーション技術―認知症の人と内的世界に注意を払う―を使うための研修を受けています。この方法は信頼を生み尊厳を保つ支えとなるものです。
記憶障害の人への介護は、大規模グループからより親密なグループへと変化してきました。こうして共通の趣味に注目し目的意識と親密な感覚を促すことになります。ほとんどの介護は、生活の質を高めるために組み立てられた活動を伴う社会参加が注目されています。
将来
この30年、アルツハイマー病など記憶障害のある疾患の人の介護を改善する方向で進んできたように、将来はさらなる約束されること―特に技術の分野で―見ることになるでしょう。安全志向の器機―運動センサー付き警報機やGPS内蔵靴―がもっと増えて、一層、自立できるでしょう。また科学者は脳画像機器による検査や血液検査によって、より早期の介入が可能となるかもしれません。コンピューターを使った脳健康や家族同士の遠距離コミュニケーションがもっと普及して記憶障害の人たちに社会的な繋がりを維持するのに役立つでしょう。
誰も、今の世代に治癒を見つることを期待しています。今後研究が進展し予防や危険因子管理がより強調されるかもしれません。その時まで、私たちにできる最も重要な進歩とは、アルツハイマー病など記憶障害により影響を受けた人たちへの教育、研修、支援を続けることです。
寄稿者:リタ・アルトマンRita Altman氏(写真右)は看護師でサンライズシニアーリビングSunrise Senior Livingの記憶ケア・企画副部長です。
(HuffingtonPost 12/2/11 The Alzheimer's Generation: What We've Learned in 30 Years)
編者:アメリカで最王手の高齢者介護施設企業のスタッフの寄稿で施設中心ではあるが、簡潔にまとめられている
★多角的非薬物療法が認知症の進行を抑える(12月1日/ドイツ)
ドイツのエアランゲン・ニュールンベルグ・フリードリッヒアレキサンダー大学Friedrich-Alexander University of Erlangen-NUrnbergの精神科のエルマー・グレッセルElmar Graessel教授(写真左上)らのグループは、認知症の人への非薬物療法が認知機能および日常生活活動へどのような効果があるか12カ月間の無作為対照試験―一重盲検―を行いました。
対象者は、ドイツ・バヴァリア州の5カ所のナーシングホームに入居するアルツハイマー病など原発性退行性認知症の人で、介入方法は、1グループ10人のグループに分け第1段階では、すべてのグループでそれまで服用していた抗認知症薬を服用を続け、またナーシングホームの通常の活動を続け、第2段階に入ると介入グループには、標準化された非薬物療法のMAKS法((M:ボーリング、クロケット、バランスなどの運動、A:簡単な食事の用意、ガーデニング、手工芸などの日常生活動作、K:一人またはグループで行うパズルなどの認知機能刺激、S:たとえば幸せについて語り合ったり歌や賛美歌を歌うスピリチュアル的活動)を2人の療法士がプで1週間6日、1日2時間行いました。介入しない対象グループでは通常のケアを受けました。認知機能についてはアルツハイマー病評価スケールAlzheimer's Disease Assessment Scale (ADAS-Cog)で、日常生活活動については拡大版日常生活活動テストErlangen Test of Activities of Daily Living (E-ADL test)で介入開始前と12カ月後に評価を行いました。
その結果、対象者553人のうち、119人が試験を行う条件を満たし、実際には98人が試験を受け、12カ月後までに試験が終えたのは61人でした。
介入グループと非介入グループとを比較すると、12カ月の間に前者で認知機能とADLが安定し、後者では低下していることを認めました。とくに認知症とADLで軽度および中程度の人たちについては介入のよい効果を認めました。
この研究論文は、BMC Medicine の2011年12月1日電子版に掲載されました。
この結果についてグレッセル教授らは次のように述べています。
「特別な介入方法による非薬物療法の方が抗認知症薬による薬物療法より日常活動機能の維持がよく、薬より2倍の有効でした。今回の介入方法はアリセプトなどの薬と比べ認知機能の改善においては少なくとも同等です。この介入方法によって認知症の人の生活の質を高めることを期待しています。さらにこの介入方法が1年以上にわたって認知症の進行をどの程度止めるかどうかを確認したい」
イギリスアルツハイマー病研究Alzheimer’s Research UKの開発部長のマリー・ジャンソンMarie Janson医師(写真左下)は「この結果が大規模な研究で再確認されると、認知症の人の生活をおおいに改善することになるだろう」と述べています。
(Telegraph 01 Dec 2011 Puzzles, bowls and singing 'can halt dementia'および論文Non-pharmacological, multicomponent group therapy in patients with degenerative
dementia: a 12-month randomised, controlled trial )
編者:MSKSの詳しい内容を知りたいが、標準化された多角的非薬物療法が薬物療法と同等かより効果的だという報告である。費用対効果からみても有意義だ。介護の現場―在宅でも施設でも―で普及を試みてもよいのではないか。見方を変えると高価なアリセプトなどの薬物療法が効果があったとしてもこの程度ということになる。なお一重盲検法とは、試験を行う人と判定する人が異なることでこの種の介入試験では、薬の二重盲検の臨床試験―どの患者に試験薬を服用させたか試験する人も判定する人も知らない―は不可能であり、「試験する人の思い」が結果に反映される可能性は否定できないという弱点がある。
★認知症サービスの削減を止めるよう(11月29日/イギリス)
83%の人は、認知症の人とその介護者へさらに支援が必要であり、72%の人は、認知症ケアが予算削減によって犠牲になることを恐れています。
これは、「認知症行動連盟Dementia Action Alliance(DAA)」が行った調査による結果の一部で、認知症に対して連携したこの連盟がロンドンで初めて年次会議を開催するときに公表されます。もし、こうした怖れが現実になると、何十万人という人たちが、食事、入浴、排泄といった日常活動に自宅での必要不可欠な介護を受けないままにされることになるでしょう。また必要なとき質の高い施設介護を利用できなくなるでしょう。
現在の状況のなかで、高齢者の社会的ケアの削減(36%減)は、その他の地方自治体が行うサービス―子供向けサービス(18%減)、ゴミ回収(15%減)、図書館(5%減)―より多いことを止めるべきと多くの人が望んでいます。今回の調査は、2000人以上を対象にDAAに代わってYouGovが行ったものです。
DAAは、認知症に関わるサービスを守るために多くのことが実行されるべきと要請しています。
イギリスのアルツハイマー病協会Alzheimer's Societyのジェレミー・ハーゲスJeremy Hughes事務局長(写真左上)は次のようい述べています。
「この調査によって人々がようやく認知症の人の窮状を認識し始めたことが明らかになりました。低水準の支援になることで自分たちの期待が裏切られ、多額の削減を実施されると、状況がより悪くなるだけだと人々が判断しているのです。私たちが置かれている切迫した経済状況を誰もが無視できませんが、質のよい認知症ケアは経済的な理にかなっているということも無視できません。よりよいケアによって入院が必要になったり、必要以上に早期に介護施設に入居することを防ぐことで経済的な有益なのです。もっと重要なことは、よりよいケアによって人々が質の高い生活を営むことができるということです。私たちはまさにこれを獲得しなければなりません」
「成人社会サービス責任者協会Association of Directors of Adult Social Services (ADASS)」のピーター・ハイPeter Hay会長(写真左下)は次のように述べています。
「ADASSは、認知症に関して起こっている私たちに必要なことでの大きな変化に対応するための新しいた取り組みを支え、勧めてきました。虚弱な人々へのサービスの個別化、成人ケア分野での法制度の変化に関しての司法委員会Law Commissionへの助言、および成人社会ケアの資金に関するディルノー委員会Dilnot Commissionの勧告をおおいに歓迎することなどです。21世紀に必要となるケアの新たな制度を創るため、私たちは、緊急に、実行と法律と資源に関しての変革が緊急に必要なのです」
ロンドン在住のダヴィッド・シムズDavid Sims氏(43歳)は、血管性認知症の母親の在宅介護を取り仕切っていますが、次のように述べています。
「母親ができるだけ長く家族の住む家で生活してほしい。毎日、母親の世話―最も欠かせない食事の用意など―のために介護職を雇っています。彼らは、ただ座って母親と話す―これも大切なことですが―だけで時間が過ぎることが多くなるでしょう。母親を訪問している一人の介護職は、自分の決められた仕事時間以外にも訪れ、母がよい状態かどうか確かめています。彼女の支援が無くなることなど考えたくはありません」
DAAは、2010年10月に発足し、慈善団体、公的団体、民間団体などおおよそ80団体から構成されています。認知症へ社会が対応について根本的な変革をもたらし、認知症の人の生活の質を改善することを目指していいます。
(Alzheimer's Society Published 29 November 2011 Dementia services need to be protected from cuts)
編者:我が国ではあまり報じられないがイギリス政府は財政再建のために社会サービスの削減を強力に進めている。認知症に関係するイギリスの現状、制度、イギリス英語を正確かつ十分に理解してないことがあるが、イギリスの動きは我が国と関係ないとは言えない。
★アルツハイマー病の啓発(11月27日/キプロス)
キプロスアルツハイマー病協会フマグスタ支部Famagusta Branch, Cyprus Alzheimer’s Associationは、昨日、1周年記念を祝いアルツハイマー病の人や家族が直面する問題について公に議論しました。
キプロス神経学遺伝学研究所Cyprus Institute of Neurology and Geneticsのシニアーコンサルタント神経学者のサッヴァス・パパコスタSavvas Papacosta医師の講演がありましたが、これはアルツハイマー病にの啓発のための一連の地方講演の最初のものです。
アルツハイマー病協会のジェニファー・パーソンズJennifer Parsons氏は次のように話しています。
「私たちは小さな集まりですが、活動に関わる人は誰もとても献身的です。電話相談と支援受け付けを始めたばかりです。私たちが本当の望んでいたことで、私たちが支援できることを多くの人に知ってほしいのです」
昨年まで、キプロス東側はアルツハイマー病協会に代表者を出していない唯一の地域でした。この地域のグループは、パラルミニParalmini、パロタラスProtaras、アイアナパAyia Napa区域を担当し、資金獲得とグループ名を周知する組織するメンバーの寄付にのみ財政的に頼っています。
さらにパーソンズ氏は次のように話しています。
「この国で、もっとアルツハイマー病について知ってもうことです。隠すべきことではありません。この病気になる可能性を知れば知れほど、より多くの人がこれについて語るようになるでしょう。それが私たちの目標なのです。私たちは、助言や具体的な支援―毎週数時間の介護者休養など―を提供しています」
このグループには、認知症のさまざまなことについて助言をする有資格で現役の看護師がいます。基金状況が改善すれば、看護師は協会の有給スタッフにしたいとのことです。
アルツハイマー病協会のクリスティーナ・ディプリChristiana Dipli会長は次のように話しています。
「アルツハイマー病で最悪の問題の一つは、教育と知識が乏しいことです。ファマグスタ地区でも多くの人がこの病気の症状を持っていることを知っています。悲しいことに、病気への無視が多いのです。アルツハイマー病の人がいても、家族は年のせい―これは間違った判断―と考えるのです」
アルツハイマー病は、進行性退行性疾患で脳細胞を破壊し情報―特に記憶―を伝達する神経伝達物質が崩壊します。
またパーソンズ氏は次のように話しています。
「認知症の早期の特徴的な症状を知ることが重要です。気分、判断、性格の突然の変化、コミュニケーションや日々の仕事をこなすことが難しくなることなどの症状です。医師によると、状態は時間とともに悪化し、ますます他人の依存的になります。国内外で人口の高齢化が進み、こうした状態は誰もが直面することなのです」
もっとも最近の国の調査によると60歳以上認知症の人が1万4000人で、このうちアルツハイマー病が9500人です(訳注:キプロス共和国の人口は約80万人)。キプロスの人口が高齢化するので、認知症の人は今後急速に増えると推計されています。
パーソンズ氏はさらに次のように話しています。
「保健大臣はキプロスについて支援が乏しいことをよく認識しています。他のヨーロッパ諸国と同じように地域に標準的な支援がないのです。約20人に地域看護師はいますが、この地域には一人もいません。島全体で看護師がほとんどいないことを考えると、利用できる支援がいかに少ないかがわかるでしょう」
昨年、政府は次のような計画を発表しました。
○認知症の人と家族を支援する戦略的計画を創り、連携、多角的および費用効果の視点から問題を取り組む
○早期診断に関する公的および専門家への啓発の改善
○認知症の人への質の高い1次、2次、3次医療の提供
○認知症の人と介護者への在宅、地域および特別介護施設での支援の社会ネットワークの提供
アルツハイマー病協会ファマグスタ支部についてさらに情報を得たい人は、ジェニファー・パーソンズ氏に電話(番号:99-172197)してくださいください。
補足
アルツハイマー病の発症を疑わせる10の症状
1. 日常生活を混乱させるほどのもの忘れがある
2. 計画を立て問題を解決することが困難になる
3. 家、仕事場、レジャーで馴れたことを終わりまで出来にくくなる
4. 時間や場所について混乱する
5. 視覚および空間的関係の理解が難しくなる
6. 話したり書いたりするうえでの言葉の問題が生じる
7. 置き場所を間違え、来た道順を思い出せなくなる
8. 判断力が低下する
9. 仕事や社会的活動から引きこもる
10. 気分や性格が変わる
(CyprusMail November 27, 2011 Raising Alzheimer's awareness in the east)
関連情報:キプロスアルツハイマー病協会の連絡先
Pancyprian Association of Alzheimer's Disease
Stylianou Lena 47, Flat 1
6021 Larnaca
Cyprus
Tel: +357 24 627 104
Fax: +357 24 627 106
Email: alzhcyprus@cytanet.com.cy
編者:分断国家のキプロスのギリシャ系キプロス共和国にあるキプロスアルツハイマー病協会(ADIに加盟)の活動を同国の認知症の現状の垣間見る記事だ。なお補足の10の症状はアメリカのアルツハイマー病協会の提示したのと同じ内容で本サイトでも紹介している。
★「行方不明男性、フェイスブックのおかげで発見 フィリピン」(11月24日/AFPBB News)
【11月24日 AFP】フィリピンで、行方不明になっていた認知症の男性(78)が、フェイスブック(Facebook)のユーザー数万人の助けで2週間ぶりに家族のもとに戻った。男性の娘が23日明らかにした。
ルイス・マティアス(Luis Matias)さんは今月11日、マニラ(Manila)の自宅を出たまま行方がわからなくなった。警察が捜索したが、発見できなかった。
妻のアウレリア(Aurelia Matias)さん(73)は、以来、夫の情報を求め、背中に夫の写真を掲げて街頭に佇むようになった。この物悲しい後ろ姿のモノクロ写真が21日にフェイスブックに掲載されたのが事の始まりだった。
掲載したのは、「Reddie Js」を名乗るアマチュアカメラマン。「あのような形で夫を探している彼女を見て、心が痛んだ。助けようと思いました」と振り返る。
この写真はその後、6万1000回近くシェアされた。そして翌22日、自宅から歩いて30分ほどの場所でフラワーボックスに腰掛けている男性をフェイスブックのユーザーの1人が見つけ、ラジオ局に通報した。
娘のノルマさん(48)はAFPに対し、「わたしたちはフェイスブックの使い方さえ知らないけれど、本当に大きな助けになりました。母さんは希望を失いかけていたんです。母さんを撮影して写真を掲載してくれた方には本当に感謝しています」と述べ、「父さんは母さんの初恋の人だったんですよ」と付け加えた。
(AFPBB News 2011年11月24日 原文のまま)
★タッチパネルで思い出を語り合う(11月22日/イギリス)
スコットランドにあるダンディー大学University of Dundeeの博士課程の学生が、認知症の人が介護者とのコミュニケーションをとりやすくするコンピュータプログラムを開発しました。
ゲンマ・ウエブスターGemma Webster博士(25歳)(写真)は、介護者がタッチスクリーンを触って認知症の人とのさまざまな生活歴が含まれたソフトを創り上げました。
この研究者は、「担当する認知症の人について忙しい介護職が知ることの助けになるだろう」と話しています。
「イギリス研究委員会Research Councils UK」は、この博士が進める「ポートレイトPortrait」プロジェクトを支援する1万ポンドの賞金を与えました。
ソフトウエア―は、認知症の人の人生のなかの重要な出来事をデジタル化した年代記と家系などその他の個人情報が含まれています。
今年の9月に博士課程を修了しましたがウエブスター博士のソフトがコミュニケーションを容易にし、介護者が認知症の人の人生の情報を短時間で知ることができるようになっています。
博士は次のように述べています。
「介護者と認知症の人とのコミュニケーションの方法を確立することで、認知症の人の健康や幸福への重要な関わりを保つことができます。その人の過去を知る事は、興味があったことなど重要な情報を得ることで介護者を助け、コミュニケーションを高めることになります。こうした情報は、認知症の人の記憶と家族との話し合いで得られるものではありません。特に、入院あんど健康状態が最優先され状況では、「ポートレイト」が役立ちます」
ウエブスター博士は、ランカスター大学Lancaster Universityでポストドクターについたばかりで、イギリス研究委員会の助成によってこのソフトが介護施設などで使われるよにすることを希望しています。
(BBC 22 November 2011 Software shows dementia patient's biography)
編者:我が国で開発された「センター方式」の方が優れいるように思うが、認知症の人の昔の写真などをタッチパネル方式のデスプレイをみながら語り合うのもよい。
★治らないアルツハイマー病は何もの?(11月21日/アメリカ)
アルツハイマー病のすべての研究者は、事実、「知性を奪う病気は心が引き裂かれる」ということに同意しています。しかし、治すことも、明らかに進行を遅らせるような薬を生み出してこなかったこの30年間の研究ののち、多くの研究者が、「治癒が在りえない病気とは何なのか」と問うています、もし不幸なことに、それが加齢―皮膚の皺、骨粗鬆症、心疾患など―の一部であり避けられないとすれば、それは何なのか、とも問うています。
アルツハイマー病の雑誌Journal of Alzheimer's Diseaseの今年の12月号に掲載された論文は、南フロリダ大学University of South Floridaのミン・チェンMing Chen医師が指導する研究グループによるもので、グループは「恐ろしいほどの社会的圧力によって、治る病気としてアルツハイマー病に注目するように科学者に圧力がかけえられた」と示唆しています。数多くの研究にもかわわらず、病気の原因が分からないままでも、今なお期待されたような大きな進展はありませんでした。研究者は、アルツハイマー病の治療を放棄するとは言ってはいません。事実はこの反対で、病気の背景にあるあくどい病原体を探すということとから、脳内の神経伝達物質を操作するということまでの努力を、再度、集中して行うべきと信じています。この反対は、治癒への追及を重視しないで、代わりに老化の一部として認知症をとらえ、効果的な予防や治療を追求することです。この考え方をとる研究者は、糖尿病、高血圧などの危険因子―アルツハイマー病になりやすいと信じられる―をよく管理し、社会活動を通して老化する脳を活性化することの重要性を強調しています。
ベビーブーマーが高齢化するなかかで、認知症はより大きな社会的、医療上の問題となるでしょう。科学者が、自分たちの役割と方向性を常に再評価し、資金投入の優先順位を検討してこなかったとすれば、同じ過ちをしてしまうかもしれません。いうまでもなくアルツハイマー病のより効果的な治療を求めるべきです。ある指導的な研究者らは、自分たちが本当に、アルツハイマー病の中核で分子的な変化を遅くすることの近づいていると信じています。ミネソタ州にあるメイヨクリニック・アルツハイマー病研究センター Mayo Clinic's Alzheimer's Disease Research Centerのロナルド・ピーターセンRonald Petersen所長(写真)によると、別の研究者たちは、複合的要因によってアルツハイマー病の発病するのであり難題だと指摘しています。
チェン医師は次のように述べています。
「何年もの間、アルツハイマー病の研究者は、認知症の人が増加することで生じるであろう社会的負担への怖れを抱いて努力してきました。こうして治癒など期待できない道を歩ことになったのです。しかし、病気による怖れはとても強く、これが合理的な動機であることが多かったのです。研究の優先順位について再検討することはよいことです。私が最終的に希望することは、研究者が討論することで方向を変えたり、治癒か予防かという二者択一の選択肢を選ぶことを止めることです。なにか大胆なことを探し求めることは合理的です。人が月に到着し、かっては不治の多くの病気が治るようになりました。しかし、アルツハイマー病が老化の原因によるものとなれば病気ではないのです」
とにかく、まだなにもないのです。
(Los Angeles Times November 21, 2011 Alzheimer's: What if there's no cure?)
関連情報:Scientific truth or false hope? Understanding Alzheimer's disease from
an aging(Journal of Alzheimer's Disease Volume 24, Number 1, April 2011 3-10)
編者:LATの社説で筆者は不明だがアルツハイマー病研究の現状を簡潔に指摘している。とはいえど、これからどうするの。記事で取り上げたJADの12月号掲載論文が見当たらない。かわりに同じChen医師の2011年4月号掲載論文を紹介する。
★認知症の診断後の自殺(11月17日/アメリカ)
アメリカのミシガン大学精神科Department of Psychiatry, University of Michiganのリサ・セイフライドLisa S. Seyfried医師(写真左上)らのグループは、認知症の人の自殺の要因とその手段について調べ、増加する認知症の人たちなかでの自殺の危険性を減らす方法について役立てるための調査をしました。
退役軍人省の2001年から2005年の間のデータに基づき全国規模で遡る疫学調査で、対象者は、60歳以上の認知症と診断された人(29万4952人)で、このうち241人(0.09%)が自殺しました。
自殺した認知症の人としなかった認知症の人とを比較したところ、白人、うつ状態、精神科病院入院歴、抗うつ剤または抗不安剤の処方歴のある人に多いことを認められました。またナーシングホーム入居歴は自殺の減少要因でしたが、身体的合併症との関係は認められませんでした。自殺の時期は、認知症と診断されて間が無い時期に多いこと(75%)、および、より若い年齢層で多いことも認められました。自殺の手段として銃器がもっとも多いく(73%)、これに服薬または首つりが続きました(共に10%)。
こうした結果から、研究グループは、銃器の管理と状態の評価を認知症高齢者に初めて治療計画を立てるときの重要事柄―特に、うつ状態や不安の症状のある人について―とすることを勧めています。なお本研究は主に男性を対象としたもので、同じことが女性に当てはまらないかもしれないとしています。
この研究論文は、アメリカ・アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationの発行する雑誌Alzheimer's & Dementiaの2011年11月号に掲載されています。
この結果についてセイフライド医師らは、「認知症の人でうつ状態の人には適宜な状態確認と介入によって自殺の危険性を軽減することになるでしょう」と話しています。
オーストラリアのシドニーにあるニューサウスウエールズ大学精神科精神科School of Psychiatry University of New South Walesのブライアン・ドレイパーBrian Draper教授(写真左下)は、今回の研究には加わっていませんが、次のように述べています。
「がんと同じように、認知症がどのように捉えられるかその概念を形成し始めなければならないと思います。共に厳しく生命を脅かす病気です。ショックは、多くの場合―アルツハイマー病になるという最悪の恐怖を知り―心理的に乗り越え難い挑戦であり、うつ状態はよくある診断後の反応です。多くの人たちは診断時に軽度にうつ状態になっています。通常、自殺は診断を受けたあとの早い月に行われます。同じことががんの診断後―たとえ予後がそれほど悪くなくても―に見られます」
さらにドレイパー医師は次のように述べています。
「65歳未満の若い人が認知症を発症することは最大の心理的挑戦です。一般的に生命を脅かす病気は若い人の方が大きな課題となり、うつ状態や自殺傾向が相対的に、より多く起こりやすいのです。別な要因として、ベビーブーマーは、その前の世代より、アルツハイマー病や認知症についてよく知っており、診断もより早い時期に行われていことが挙げられます。20年前は、心配で自分から受診する人はほとんどいませんでした。ほとんどの場合、家族や友人が問題に気付いて対応していたのです、現在は、患者自身が記憶などの変化に気付くことが多くなっています。認知症に気づくことによって、状態についてより多くを考えることで、うつ状態や自殺になりやすい傾向が高まっていると思われます。自殺の可能性に、周囲の人たちがもっと気づく必要があり、診断後は、患者が告知により適応できるよう適切な支援体制を保障する必要があります」
(Medscape November 17, 2011 Suicide Risk Greatest Early After Dementia Diagnosisおよび論文Predictors of suicide in patients with dementia)
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編者:自殺の頻度はかなり低いため,認知症のなかでは必ずしも重要な問題でないかもしれない。しかし我が国での認知症の人の自殺頻度は不明であり、アメリカの数値と同じとすると全般の自殺頻度よりは高い。診断後の支援を念頭に置きながら認知症の告知がなされる必要がある。
★経管栄養は認知症の人の願いと価値観に基づくべき(11月13日/アメリカ)
医学研究の証拠によると、経管栄養は精神に影響するだけなく食べる能力にも影響する終末期の認知症の人の生存や総合的にみた結果を改善しないと、長く示唆されてきました。
あなたがアルツハイマー病の人の介護者なら、こうした決定―病気の終末状態を変えることができないような状態のアルツハイマー病の人に経管栄養を行うかどうか―に直面することでしょう。
こうした質問がされたとき、多くの介護者は、自分たちが何を望んでいるかによって反応していることに私は気付いています。この種の質問への答えは「正しいのですか」あるいは「最善の方法なのですか」との問いに沿ったものでしょう。
答え方として、アルツハイマー病の人本人が決定すべきではないのでしょうか。
前以て、アルツハイマー病の人とこの問題について話し合ったことがあるのでしょうか。家族と話したことがあるのでしょうか。
私の場合、母とずっと前に話し合いました。彼女が私たちにしてほしいことを明確に理解できたのです。
もし認知症の人がかなり長く生きられるのなら、生きるために経管栄養が必要です。食べ方を忘れ、飲み込むこともできなくなるからです。
アルツハイマー病の人は自分にされるであろうことを前以て考えてことがあるのでしょうか。必要な法的書類が整っていますか。あるいは、代わって誰かに決定してもらうようにしていますか。
ターミナルケアは患者の願いと価値観を反映したものにすべきである。
ブラウン大学Brown Universityとハーバード大学医学部Harvard Medical Schoolの研究者は、入院している進行した認知症の元ナーシングホーム入居者に経管栄養を行うことについて、その決定方法が改善されることを要請しています。
この研究者の立場は8年間の研究結果によります。彼らは、経管栄養の実施が病院によってまちまちであることに気付きました。さらに全国の急性期病院の25% で、経管栄養が導入されやすい状態の人たちの10人に1人に経管栄養を行われていした。また急性期病院の12%では、経管栄養がまったく行われていなかったのです。
この研究の論文が、アメリカ医師会American Medical Associationの雑誌JAMAの2010年2月10日号に掲載されています。
ブラウン大学ワレンアルパート医学部Warren Alpert Medical School of Brown Universityの地域保健医療科の教授でその論文の筆頭執筆者であるジョン・テノJoan M. Teno氏(写真左上)は「研究結果から、進行した認知症の人での経管栄養の導入決定については認知症の人を支える決定過程がどの病院に入院するかによるということを示唆している」と述べています。
経管栄養の頻度は入院100件に対して0から39までで、平均、入院100件あたり6.5件です。
テノ教授らの研究グループは、2800近くの病院について調査しましたが、さらに2000年から2007年にかけての28万件以上の入院についてメディケアの請求に基づく調査を行い、入院したナーシングホームの入居者で66歳以上の進行した認知症の人における経管栄養の頻度について調べました。この期間に進行した認知症の入居者を少なくとも30件の入院を扱った病院について調べたのです。
その結果、終末期に積極的な延命医療を行う文化的背景のある病院は、経管栄養を行う傾向が3倍近く高く、非営利の大病院にこの傾向を認めています。農村地域にある医学部をもたない小病院では経管栄養を行う頻度は少ないのです。
ハーバード大学医学部の准教授で論文の第2筆頭執筆者であるスーザン・ミッチェルSusan Mitchell氏(写真左下)は、「進行した認知症の人にどのような治療の決定過程があるのかを調べる必要性がある」と指摘しています。
またミッチェル准教授は「急性期病院で、ナーシングホーム入居者で進行した認知症の人の願いや価値観を反映するような決定が保障されているか検討べき」と要望しています。
さらに、テノ教授は次のように話しています。
「認知症の人の宗教的願い反映して経管栄養を始める場合もあり、例外を常に設けるべきです。患者が、結果に関係なくどのような生命維持治療を受けるかという宗教的願いを持っているなら、私たちはそうして希望を尊重するような社会となるべきです。こうした決定が患者の願いと価値観に基づくような保障が必要です」
テノ氏自身、脳血管障害のあと終末状態になり2008年10月15日に亡くなった母親の死を念頭におい次のように話しています。
「母は、もし終末期状態の病気になれば経管栄養は行わないように依頼しました。これは母に医療について説明したのちの願いと価値観であり、医療制度がこうした重要な決定について臨死患者の願いと価値観を考慮することが保障されることを希望します。医療制度を改めながら患者の選択を保障することが鍵なのです」
この研究者グループは、ウエブサイトLTCFocUS.orgで、進行した認知症の人への経管栄養の病院別頻度について公表することになっています。
寄稿者、ボブ・デマルコBob DeMarco 氏(写真右)はサイトAlzheimer's Reading Roomの創設者で、介護経験者です。
(Alzheimer's Reading Room November 13, 2011 Are Feeding Tubes a Good Alternative for Dementia Patients?)
論文Hospital Characteristics Associated With Feeding Tube Placement in Nursing
Home Residents With Advanced Cognitive Impairment
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編者:本サイトで既に昨年2月10日付で本サイトに紹介した調査論文に関連した記事。終末期の認知症の人への経管栄養導入が、たまたま入院した病院によってまちまちであることを明らかにしている。このことは我が国でも経管栄養の在り方について検討されているが、病院でまちまちであることは念頭におく必要がある。
★認知再構成法は認知症の介護家族に有効(11月11日/イギリス)
認知症の人を家族の介護はとてもストレスが多い。論文の新しい評価によると、特別な心理療法が介護者のストレス、不安、うつ状態を軽減することがわかりました。
認知症の人の介護家族は、身体的な慢性疾患の介護者よりも、負担が多く、うつ状態になりやすいいことがわかっています。
「証拠に基づく療法」にそった論文評価によると、認知再構成法(cognitive reframing)は認知症の人を介護している家族のストレスを軽減するのに役立つことがわかりました。
認知再構成法は、ネガティブあるいは間違った想定や思考によって異なった考えを抱くことを注視し、適応した行動を促し、不安やうつ状態を軽減するような捉え方にもってゆこうとするものです。また認知再構成法は、典型的には、心理学者などからの研修を受けた精神医療専門職によって行われる認知行動療法cognitive behavioral therapy (CBT)のひとつです。
このたびの評価は、認知症介護への心理社会的介入に注目しながら、認知再構成法の特別な効果に初めて焦点をあてたものです。
この評価の結果は、医学研究を評価する国際組織であるコクランコラボレーションCochrane Collaborationの出版物であるコクランライブラリーCochrane Libraryの最新版に掲載されています。
評価した研究者は、認知症に関する教育を行うなどのさまざまな介入によって介護家族にどのように利益が得られているか、また介護責任を担わなければならないという信念やニーズがどのように変化したかをみました。
オランダのラウトバウト大学ネイメヘン医療センターRadboud University Nijmegen Medical Centreのミラ・ヴェルノイジ‐ダッセンMyrra Vernooij-Dassen教授(写真左上)は「この」療法によって介護者の思考や理解の変化し、多くの人に前向きな感情に変わりストレスが軽減するのに役立つということを知った」と話しています。
研究者は、認知再構成法による介入を受けた介護者は、不安やうつ状態の症状が少なく、介護に関わるストレスや苦悩が少ないと感じることを見つけました。
しかし、認知再構成法が介護者自分のストレス管理に役立つとしても、療法を受けても認知症介護者であるという負担や介護技術が変えるわけでもありません。
にもかかわらず認知再構成法は、認知症の人とのより積極的な関係を生みだすようです。
さらに教授は「介護者が自滅的な状態からより建設的な思考への再構築することができたということは、とてもおおきな変化です」と話しています。
証拠に基づく評価の研究で、7つ論文―認知症の人の介護家族に対する無作為対照試験の結果―を検討しました。どの試験も、認知再構成法に限定したものではなく介入の主な要素として認知再構成法が行われたのです。
アメリカのAlzheimer’s Associationアルツハイマー病協会の医療ソーシャルワーカーのベス・カルマイヤーBeth Kallmyer氏(写真左下)は次のように話しています。
「アルツハイマー病は慢性の進行性で死にいたる病気です、この病気の人を在宅で介護することには多くの困難な課題が伴いますが、それは報われるものです。認知症の人の介護家族のストレスを軽減する方法は今後もっと重要となるでしょう。認知再構成法は、介護家族を個別的に支援する多くの一連の相応しい介入方法の一つです。介護者をよりよく支援し教育する方法についての知識を向上させるため、もっと研究が必要なのです」
また教授は、認知症介護者は一人で負担する必要はないと強調し、「支援のひとつとして認知症についての思考や理解を再構築することで積極的な結果が得られる」と話しています。
(psychcentral November 11, 2011 Psychotherapy Technique, Cognitive Reframing, Aids Dementia Caregivers)
関連資料:Cognitive reframing for carers of people with dementia
関連情報:認知再構成法の解説「¥ある状況に対する自分の考え方・受け止め方が、自分の感情や行動をネガティブにしてしまうことがあります。認知再構成法は、そのような考えに対処するアプローチです。状況を客観的に捉え、自分を苦しくさせている「考え」に気づき、バランスの取れた考え方を身につける練習をします」(「ジュンクリニック」のサイトより)
編者:我が国での認知症の人を介護する家族への心理療法の試みは少ないようだ。在宅介護の条件を整えることが介護家族にとって基本的要件であるが、条件を整っていても介護者が心理行動的問題を抱えることはある。その場合の支援の選択肢として認知行動療法が有効かもしれない。しかし、この療法を行える人が圧倒的に少ないと思われる。
★「オランダで初めての重度認知症患者に安楽死」(11年9日/ポートフォリオ)
オランダで初めての、重度認知症患者への安楽死が行われていたことがわかった。安楽死が実施されたのは64歳の女性で、以前から「もし重度の認知症となった場合には安楽死を希望する」旨を書面で残していた。
その後この女性は認知症が進み通常の生活を送るのが不可能な状態となっていた。混乱し、怒り、泣き叫ぶ中、この安楽死のみを懇願していた。
女性は公式には自分の意志を伝えられる状況にはなかったが、安楽死認可委員会にて今回の安楽死要請が認められた。
この女性のホームドクター、ド・フリーズ医師によれば、今回の安楽死は、オランダにおける安楽死実施に大きな影響を与えるものだとしている。これまで自分の意志が伝えられない患者には安楽死は実施されなかったが、ある条件の元では可能であることが実証された。
オランダでは安楽死は担当医師が、患者からの安楽死の依頼が真剣でかつ自己の意志によるものであることを確信したときにのみ可能となる。今回の安楽死は、患者がまだ重度の認知症になる前に書面で意志を書き残していたことが、キーとなった。自分の子供を認知できない状態になったとき、それは彼女にとっては悪夢だった。彼女の夫と子供たちは彼女の意志を支持し、3月にこの安楽死が行われた。
(Portfolio 2011年11月9日 原文のまま)
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編者:オランダでは認知症の人の安楽死は合法的であり実施されている。通常は意思表示ができる状態であり認知症としては重度でない。この事例は意思表示ができない状態での実施として「初めて」とされている。
関連情報:「認知障害進んだ患者で初の安楽死、オランダ」(11月10日/AFPBB News)
【11月10日 AFP】「オランダ死の権利協会(NVVE)」は9日、オランダで3月に重度のアルツハイマー病の女性(64)に安楽死が行われていたことを明らかにした。オランダで認知障害が進んだ患者に安楽死が行われたのは初めて。
オランダは2002年4月、世界で初めて安楽死を合法化した。オランダで安楽死が認められるには、医師が治療不能と診断した病気で極度の苦痛を受けており、患者本人が完全な知的能力があるときに、安楽死を希望する意思を示していたことなどが条件になっている。
NVVEの広報担当者は、この女性はアルツハイマー病が進行した状態が長期におよんでいたが、数年前から安楽死を希望する意志を示していたことを明らかにし、今回の事例は、患者が明確に安楽死を希望していてもアルツハイマー病が進行した患者の安楽死を拒否してきた医師たちへのメッセージになると述べた。
オランダでは安楽死の事例は全て、安楽死が認められる条件を満たしていたか調べるため、医師や法律家、倫理専門家から構成される5つある委員会のうちの1つに報告される。今回の女性患者がこの手続きを終えているかは明らかになっていない。
オランダでは過去に、安楽死を自殺ほう助とみなして関係者に禁固刑が言い渡された例もあった。
(AFPBB News 2011年11月10日 原文のまま)
★デイケアセンターの資金不足(11月6日/グアム)
この2年間、ジェスサ・デュネナスJesusa Duenasさん(80歳)は、バリガダデイケアセンターBarrigada Adult Day Care Centerにバスで通っていました。センターは、身体機能の低下した人や障害のある高齢者が交流、手工芸、ビンゴを楽しむところです。車椅子の乗った彼女は、そこを「職場」と呼び、娘のパッティ・マスガPatty Masgaさんに「今日、仕事に行く」と言っています。デュエナスさんは職場に行くのが好きで、週末は行けないので家族はバリガダセンターまで車に乗せて、誰もいないことを見てもらいます。
しかし、彼女が好きなセンターは、今、難しい時期にあります。島に在る二つのデイケアセンターは、カソリックソーシャルサービスCatholic Social Service(CSS)が運営し、公衆保健・社会サービス局Department of Public Health and Social Servicesが助成しています。CSSのダイアナ・カルヴォDiana
Calvo事務局長の話によると、合計で6万ドルの予算削減が行われていますが、同時に、センターは利用者をさらに増やしています。
昨年、バリガダダセンターと、アルツハイマー病など認知症の人をみるグアムギネフリー認知症ケアセンターGuma Ginefli'e Dementia
Care Centerは、それぞれ、35人の利用者がいましたが。今年、二つのセンターで、さらに26人を追加してみることになりました。
カルヴォ氏は次のように話しています。
「CSSは、もともと、増加する運営費にみあうだけの予算が与えられていました。しかし、センターは、公衆保健局が費用削減し始めると、契約書の再交渉を強いられ、新契約でデイケアセンターに約6万ドルが減額されました」
デェナスさんは、バリガダセンターの無料のサービスに頼っている42人の高齢者の一人で、それを頼りにしているは高齢者だけではなく、娘さんのマスガさんも同様にセンターに頼っています。センターなくしては、マスガさんも家族のために一人で母親を介護しなければなりません。
マスガさんは「センターなければ、仕事を続けられないだろう」と話しています。
予算削減によって、もっとも必要な物品―ゴム手袋、食器洗剤、トイレットペーパ-、漂白剤など―を節約することになりました。
ギネフリーのプログラム管理者のジュリー・ペレス氏は「私たちはこれ以上用意できるものはない」と話しています。
介護時間を減しながら、すべての利用者の介護することは不可能で、スタッフの勤務時間を削減する代わりに、バリガダセンターのペレス・ティモテオPerez Timoteo氏とマリー・ティモテオMarie Timoteo氏のプログラム管理者は、別の犠牲をしなければなりませでした。
二人は、自分自身の給料を削ったのです。新たに提示されたスタッフの役職―有資格の臨床看護師と認定され、患者の薬を管理ことができるように昇格―でも資金的裏付けがありません。デイケアセンターで薬を患者に渡すという計画は中止になりました。センターで登録看護師を1時間長く置くことができなくなったためです。事務や家事の物品の予算もなくなり、ティッシュ、ゴミ箱などの清掃用品の資金もありません。
公衆保健局の一部署である高齢者課は、高齢者を介護するために数人のサービス請負者を雇っています。同課の公表している数値によると、CSSへの助成のうち14万6000ドルが削減されました。CSSは、デイケアセンターのほかに在宅介護、虐待の緊急保護サービスも行っています。
CSSのジェッセ・キャタヘイJesse Catahay副理事長は「政府が風邪をひいたら、私たちが肺炎になる」と話しています。
公衆保健局のジェームス・ギランJames Gillan局長は「公衆保健局の予算は4年前に4600万ドルから2900万ドルに減額した」と話しています。
最近の政府の総点検によって、すべての政府の部署で予算の15%を保留されるよう要請されていますが、実施は容易ではないでしょう。高齢者へのサービスが最初に削減された項目の一つで、先週、送迎サービスと毎日の食事宅配数の上限を下げると発表されました。
これについて局長は「この削減は総点検によるものではない」と話しています。
保健局は高齢者サービスを削減することを決めました。その他のサービスを削減することによって、政府の助成を失う怖れがあります。高齢者ケアの助成の多くは地域からのもので、連邦政府から高齢者サービスへはわずか40万ドルです。地元からの基金は580万ドルです。
二つのデイケアセンターの他には、この島に身体障害あるいは精神障害の高齢者が利用できるサービスはありません。ただし、セントドミククケアホームSt. Dominic's Senior Care Homeがありますが、待機者がいます。
カルヴォ氏は「昨年、CSSは、少なくとも4人のデイケアセンター利用者をその施設に入居させようとしました。デイケアセンターには相応しくないからでした」と話しています。
デイケアセンターのスタッフは自分らの勤務時間を減らして就労を維持していますが、在宅の補助看護師は、不幸にしてそれができません。彼らは勤務時間を2週間で70時間から68時間にへらされたのです。
CSSの在宅サービスブログラムの管理者のメリー・カマチョMary Camacho氏は「数年前のある時期、毎週フルタイムで80時間の勤務があった」と話しています。
マーベル・アグオンMabel Aguon氏は、16年間、補助看護師として在宅介護を担ってきましたが、彼女は次のように話しています。
「私が担当する高齢者の多くは、一人暮らしで、買い物、清拭に介助が必用です。彼らを支えないのは、とてもかわいそうです。1日7人に利用者がいて、新しい時間短縮で、利用者から利用者までの間を急ぎます。サービスを提供するに十分な時間ではありません。自分のことも考えなければなりません。給与が減額され自分の支払いが難しいのです。私たちの多くは、給料日から給料日までやっとで生活しています」
カマチョ氏は次のように話しています。
「CSSは、32人の補助看護師が在宅ケアに実施しています。彼女らは450人以上を担当しています。利用者の4分の1は、一人暮らしで介護者がいません。サービスへの要望がありますが予算の削減で自分なりのやり方で仕事をしなければなりません」
カルヴォ氏は次のように話しています。
「デイケアセンター、ケースマネジメント、在宅サービスの予算削減を含め、基金の再交渉でほとんど12万ドルの減額となります。基金を補うために、私たち非営利団体は、資金調達を計画しています。このなかには11月末の洗車があります。デイケアセンターに必要な用品のカップ、ペーパータオルといった物品の寄付を受け付けています。また年間の提サービスを支えるために1万9000ドルの寄付を集めなければなりません」
マスガさんは次のように話しています。
「デイケアのニーズなにであれ、私は喜んでもっと支援します。とてもすばらしいしい仕事を続けるスタッフに感謝しており、彼らのことは、目立たないところに置かれるのではなく、社会で広く認知される価値があります」
(guampdn.com Nov. 6, 2011 Adult care centers lose funds)
編者:アメリカ領のグアムでの高齢者社会保障の制度は私は知らないが、本土と同様に削減製作が影響している。多くの日本人がグアム観光に行くが、その島での高齢者や認知症の人のデイケア、在宅ケアについて考えたことがないのだろう。日本の経験を生かす場にはならないか。なお、写真の人は文中の人ではない。
★地震の影響で苦闘する認知症介護家族(11月5日/ニュージーランド)
メロディ・ツリアウMelody Tuliauさんは、母親を銀行に連れていくのを諦めました。速やかなしなければならないことに1時間も苦心するのです。母親が自分の名前を書くのに戸惑って涙ぐむのです。
ツリアウさんは「母はとても混乱していました。自分の名前を書けるはずだと思っていたのが書けないからです」と話しています。
母親のジャネット・マウンセルJanet Maunsellさん(63歳)は、アルツハイマー病で状態が悪くなっています。
ツリアウさんは、カンタベリーCanterburyで起こった地震による激変に対処しながら認知症の人を介護している数千人の人たちの一人なのです。
彼女は4人の子供の母親でフルタイムで仕事をしながら、ニューブライトンNew Brightonにある壊れた施設が取り壊されるのか修理されるのかを聞きたいのです。
2月の地震でツリアウさんの家事に大きく混乱し、さらに母親を苦労して介護しているので一層、緊張したのです。
ツリアウさんは次のように話しています。
「家では水がでませんのでシャワーもできないし下水も利用できませんでした。化学的処理によるトイレを母にはわからないので問題でした。母は心身の働きが低下しました。地震でトイレの問題が生まれ、今トイレは利用できますが母の問題はそのままなのです」
ツリアウさんは、母親がアルツハイマー病のより悪化した状態に向かっていると信じています。トイレの問題が解決されないと24時間介護の施設に母親を入れることにしています。
さらにツリアウさんは「母は泣き続けたり、かんしゃくのような大声を上げることが多くなりました。自分でできないとわかると、泣き始めます。また近所を歩き回り始めました」と話しています。
ツリアウさんは、幸運にも、タイムアウトTime Outの介護者が週に1回訪問してくれ、カンバベリーアルツハイマー病協会Alzheimers Canterburyのボランティアが毎週、散歩に連れて行ってくれます。
同協会の管理者のラル・キャンベルDarral Campbell氏は、次のように話しています。
「母親が外に出かけるのはよいことです。家にはすることが多くて母親が困惑するのです。私たちは、もっとボランティアがほしいのです。50人の認知症の人が1人のボランティアの援助を待っています。アルツハイマー病協会は、毎年行っている5月の資金集めの街頭行動を中止しなければなりませんでした。通常、集まる約3万ドルがないなかで確実に増えた業務の増加に対処しています。全体として、地震の影響が介護者に及んでいます。かれらは影の英雄です。介護する自分の荷物が増え、さらに認知症の人のための日々の支援もしなければなりません。協会は、認知症の人が在宅で暮らすことがもっとも幸せであると考え、彼らを地域で支えるための社会資源として貢献しています。一般的に認知症の人は、規則的であること、決まったやり方ですること、親密であることによって、より対処しやすいのです。こうしたことが地震が相当、影響を受けました。決まったやり方ができない、家や人や道が変わった、店がなくなったのです。こうしたことすべてに、誰もが最善だったときいに面食ったのです。これは認知症の人にとっては、とても重大なことです」
(stuff.co.nz 05/11/2011 Dementia carers are quake's unsung heroes)
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編者:ニュージーランドの地震に影響についての新たな報道だ。日本の3.11にも関連する。
★「「認知症、介護…日本に学べ」韓国で日本映画話題」(11月5日/中国新聞)
【ソウル共同】認知症と介護をテーマにした日本映画「折り梅」(松井久子監督)(写真)が韓国で劇場公開され、話題を呼んでいる。韓国では将来、急速な高齢化の進行が予測され、介護問題や独居老人の増加が深刻化するのは確実。韓国の配給会社は「老いや家族の問題を考えるきっかけにしてほしい」としている。
実際の介護体験記を基にした「折り梅」は、日本では2002年に公開された。アルツハイマー型認知症と診断されたしゅうとめを、同居する嫁が衝突を経ながら理解していく話で、原田美枝子さんや吉行和子さんが出演。日本の観客数は延べ200万人を超えたという。
韓国の配給会社関係者が映画のDVDを入手したのをきっかけに劇場公開が実現。題名を「大切な人」とし、9月からソウルなど各地で順次上映中。高齢者に配慮して字幕ではなく、韓国語の吹き替え版を作った。
韓国統計庁によると、同国の65歳以上の人口割合は10年は11%だが、50年には38%に達する見通し。配給会社チョアの金秀貞理事は「韓国で老いや認知症を正面から取り上げた作品はなかっただけに、多くの人に見てもらいたい」と話す。
松井監督は「時代に左右されない家族の姿を受け止めてほしい」と話している。
(中国新聞 2011年11月5日 原文のまま)
★認知症の人への薬物的拘束で医師が服役のおそれ(11月2日/イギリス)
医師らは、認知症の人を鎮静させるために死亡する怖れのある「薬物的鎮静」として抗精神病薬を使わないようにする計画によると、最高5年間の服役が科せられることになるでしょう。
ポール・バーストーPaul Burstow保健大臣(写真)は、「毎年、抗精神病薬を服用することで1800人が死亡していると推計され、さらに多くの人が脳血管障害などの重篤な副作用を受けている」と話しています。
介護施設の職員は、興奮したり混乱している認知症高齢者をおとなしくさせるための薬は安易な方法とみましています。
昨年、大臣は、高齢者介護施設の入居者と認知症の人への抗精神病薬の処方件数を今月末までに当時の18万件から6万件ほどに減らすことを目標としていました。しかし、その後の情報から、その見通しが明るくなく目標は失敗との証拠があります。
大臣は「現在の合意された方法で処方を3分の2までに減らすことができないなら、政府は法律を改正して、抗精神病薬の処方を「意思決定能力法Mental
Capacity Act」のもとで自由確保の剥奪に相当するだろう」と述べ、本日、リバプールで開催される「第6回イギリス認知症会議6th UK Dementia Congress」(pdf2.3M)の講演でその法律の詳細が報告されるでしょう。
政府の計画によると、医療職は、プライマリケアトラストや地方政府に抗精神病薬を処方するまえに承諾申請が義務付けられているようです。新しい法律では違反に対する罰則は、故意の無視として有罪となった人には最高5年間の服役が科せられるでしょう。
(telegraph.co.uk 02 Nov 2011 Dementia doctors may face jail for using chemical cosh)
関連情報:Mental Capacity Actの日本語解説
編者:厳しい法律で日本では考えにくい。認知症の人への抗精神病薬が日常的に使われ減少していないと深刻な事態との認識に立ってのことであろう。それにしても抗精神病薬で認知症の人を鎮静させることが自由を奪うとの視点は日本では乏しい。これが薬物的拘束の禁止の理念なのだろう。我が国では抗精神病薬の使用実態も明らかでない。
★認知症は国の優先課題(10月26日/ニュージーランド)
ニュージーランドの認知症の人数は次の30年以内に2倍になり、家族と、すでに既に重い負担となっている医療制度への要求が増大します。
オークランド工科大学Auckland University of Technology(AUT)の研究員のグレース・オサリヴァンGrace O’Sullivan氏(写真左上)によると、認知症と診断されたからといって人生が止まるわけではないのです。
彼女は、地域の認知症の人の日常生活を研究していますが、28日にAUTのキャンパスで開催される認知症ケアの会議で認知症の影響について議論します。
オサリヴァン氏は「認知症と診断されると、知らないことへの恐怖と将来への失望に引きつがれることがあります。ニュージーランドでは人口の高齢化が進むなかで認知症と診断された人の生活の質の改善を考えなければなりません」と話しています。
彼女は、作業療法の優れた支持者であり、高齢者には生活の質への権利があるとすることでよく知られた推進者ですが、認知症の人についての彼女の業績が認められ雑誌「ノースアンドサウスNorth and South」で、2010年の「年間ニュージーランド人New Zealander of the Year(保健・医療部門)」に指名され、同じ年「フランチェスルーサーフォールドレクチャーFrances Rutherford Lecture賞」も受賞しました。
現在、認知症はニュージーランドでは65歳以上の死因の第4位です。現在、ニュージーランドには認知症の人が4万1000人以上いますが、2050年までにこの数は2倍になるでしょう。
さらにオサリヴァン氏は次のように話しています。
「認知症は医療の国家的優先課題とすべきです。衰退させるこの病気に人と経済と社会の面での影響についてもっとなされるべき時なのです。認知症と診断されて人生が止まるものではありません。診断を受けた人と家族にとって、生活の在り様は永久に変わってしまいます。認知症を社会がどのように受けとめるかは、認知症の人がどのように自分自身を見なしことに大きな影響を与えます。これは、認知症の衰弱させる症状へどう対処するか、最終的に彼らの人生への影響にどう対処するかその能力をも左右するのです」
ニュージーランドで認知症への財政的費用は7億1200万ニュージーランドドル以上ですが、すべてのOECD諸国の認知症研究への資金面では最下位です。
さらに彼女は「家族がなんらかの支援を受けていると、在宅で認知症の人を介護する必要がある」と話しています。
世界的な認知症の専門家で、スコットランドにある「スターリング大学認知症サービス向上センターStirling University’s Dementia Services Development Centre」の所長のジュン・アンドリュJune Andrew教授(写真左中)は、今回の会議で講演する予定です。彼女は、認知症サービスの改善のため、政府、地方団体および保健サービス団体から世界的に招請されています。最近、ロバート・ティファニー国際賞Robert Tiffany International Awardを受賞し、講演もしています。シドニーの「認知症センターDementia Centre」のコルム・カニンガムColm Cunningham所長(写真左下)も会議で講演する予定です。彼は、書籍「急性期治療における認知症の人のケア‘Caring for People with Dementia in Acute Care Settings」の共同執筆者です。
認知症ケア会議は、10月28日金曜日午前9:00からからAUT(AF会議センターAF Conference Centre)で開催されます。
(auckland.scoop October 26, 20110 Dementia rates to double within 30 years, predicts AUT researcher)
★アルツハイマー病の人に白内障手術はよい(10月25日/フランス)
10月22日から25日までアメリカ・フロリダ州のオーランドで開催された2011年アメリカ眼科学会年次会議American Academy of Ophthalmology (AAO) 2011 Annual Meetingで、フランス・パリのテノン病院Tenon Hospitalのブリジット・ギイラールBrigitte Girard医師(写真左上)が、アルツハイマー病の人の白内障手術がよい影響を及ぼすと発表しました。これは彼女らの研究チームが「アルツハイマー病の視力と生活Life from Vision in Alzheimer Disease (VIVA)」という4カ月におよぶ介入追跡調査によるものです。
ジラール医師は次のように述べています。
「研究の目的は、進行した白内障によって視力障害をもつアルツハイマー病の人にたいして白内障手術を実施することが神経心理学的にどのような利点があるかを評価することです。その際の私たちの仮説は、進行したアルツハイマー病の人では白内障によって認知機能障害を悪化させ、コミュニケーションを困難にするというものです」
調査は、手術後の1カ月と3カ月の時点で評価し、主な評価対照と方法は、患者の行動(Neuropsychiatric Inventory)、介護者の負担、認知機能(MMSE、Alzheimer's Disease Assessment Scale)、自律性(Instrumental Activities、Autonomy questionnaire)、うつ状態(Geriatric Depression Scale, Cornell Scale for Depression in Dementia)としました。
評価の結果、「変化なし」および「改善」は「結果良好」とみなしました。
対象者は、パリに在る老年科外来のアルツハイマー病の人で46人です。手術はすべて同一の病院で行いました。42人には水晶体超音波乳化吸引法( phacoemulsifications)を行い41人には眼内レンズ術を行いました。手術時の興奮について調査の対象外としました。また37人に局所麻酔が必要でした。
対象者は、平均年齢が86歳、85歳以上が23人、90歳以上が9人で、82%が女性でした。
調査の結果、白内障手術で視力が優位に改善し、行動―特に睡眠行動―が改善し、うつ状態が軽減しましたが、これはとくに認知症が軽度の人でみられました。他方、興奮や行動が増えた人もいました。手術後の介護者への負担は25%改善しましたが、25%で悪化がみられ、これは特に興奮が増えたためです。
さらにジラール医師の次のように述べています。
「今回の調査は、世界で初めてのものでアルツハイマー病の人への白内障手術の利益に関するものです。アルツハイマー病の人でも視力は十分に改善しましたが、手術によって認知症全体の状態が変わったわけではありません」
アリゾナ州・ツーソンにあるフィッシュカインド・ベイクウエル・モルツマン・アイケア・手術・センターFishkind, Bakewell & Maltzman Eye Care and Surgery Centerのウリアム・フィッシュカインドWilliam Fishkind所長(写真左中)は次のように述べています。
「これはすばらしい研究です。私たちは、よい日もあれば、よくない日もあり、患者の結果がまちまちだろうと思っていました。しかし、たとえ認知症があっても、生活の質を向上させることができ、介護も改善するということを証明して正しい方向を示した第1歩の研究です。こうしたことが往々にして起こることを知ってうれしい」
ペンジルバニア州コロラドスプリングヘルスパートナーズColorado Springs Health Partners PCのスティーヴン・デウェイSteven Dewey医師(写真左下)は次のように述べています。
「これは対象事例の研究ではありません。白内障手術を受けなかった患者たちを対照とした研究ではないのです。もしそうした研究であれば、白内障手術がアルツハイマー病の人を助けるのに間違いない利益をもたらすと理解できるでしょう。しかし手術を受けない対照群は、多分すべての患者が悪くなることでしょう」
この研究は、パリ公的病院助成Assistance Publique-Hopitaux de Parisの援助によるものです。ジラール医師は、経済的利害関係のある団体ないと公表しました。フィッシュカインド医師は、アボットメディカルオプチックスAbbott Medical Optics、レンズAR LensAR、ティーメメディカルパブリッシャーズThieme Medical Publishersと利害関係があると公表しました。デウエイ医師は、アボットメディカルオプティクスとマイクリサージェリーテクノロジーMicrosurgical Technologyと利害関係があると公表しました。
この論文は、アメリカ眼科学会American Academy of Ophthalmology (AAO)の2011年年次会議2011 Annual Meetingで2011年10月25日に発表され、抄録番号はPA085です。
(medscapetoday October, 25, 2011 Cataract Surgery Helps Patients With Alzheimer Disease)
関連情報:AAOニュースリリ-スMood, Cognitive Ability and Sleep Patterns Improve in Alzheimer’s Patients After Cataract Surgery
編者:記事の指摘どおり対照群のない調査で主観的介入が入りうるので結果の解釈は慎重でなければならないが、白内障による視力障害のあるアルツハイマー病の人が白内障手術を受けることによるデメリットは少ないとみてよいだろう。なお、この報告は学会の口頭発表で論文自体は見つからない。それにしても通常の医学記事で研究結果のコメントをする人についても利害関係のある団体について公表するようことには驚く。我が国では報告者は利害関係を公表しなければならないが、記事でのコメントまでということはない。
★アルツハイマー病にはチームアプローチ(10月24日/アメリカ)
アルツハイマー病はアメリカの死因の第6位で、障害の主要な原因です。毎年約1830億ドルがアルツハイマー病に関係したケアに使われ、これが2050年までに10兆ドルになると推計されています。
現在進められている研究の標的は、アルツハイマー病の進行を効果的に抑え治療を向上させるために脳の早期変化と早期診断です。しかし、この目標が実現するまではアルツハイマー病の人たちのケアが必要です。
現在、利用できる薬はおだやかな効果しかありません。また試験中の多くの治療法は、アルツハイマー病がアミロイドという脳細胞に毒性がある蛋白の蓄積によって起こるという仮説に基づいて行われています。
しかし、これらの治療法は効果がありません。
慢性的に経過する病気の特性および現在使える薬の効果が限定的であることから、アルツハイマー病には医師、ソーシャルワーカー、その他の専門職による多職種のチームで取り組まれるのがもっとよいのです。
医師は、病気の評価、診断、治療の技術を提供します。ソーシャルワーカーは、アルツハイマー病の人たちを教育し、家族全体を支え、さまざまな地域にある資源の連携を図ります。
アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationは、家族らへの教育と支援についてはとても重要な資源です。介護者を支えることは、薬と同じぐらい有効です。理学療法士、作業療法士、言語療法士、薬剤師などもアルツハイマー病の人たちを支えます。ホスピスや緩和ケアは病気の最期でとても役立ちます。
アルツハイマー病に関して進歩が続くことを期待します。国家アルツハイマー病プロジェクト法National Alzheimer's Project Act が、最近、法律となりました。その諮問委員会は、この病気の全体像をよりよく理解し、研究やケアの努力へ直接的に支援するために発足されました。
この地域では、レキシントンで初めての加齢と認知症に関するマーケスベリーシンポジウムMarkesbery Symposium on Aging and Dementiaに、全国から集まった研究者が、故ウイリアム・マーケスベリWilliam Markesbery医師―ケッタッキー大学サンダースブラウン加齢センターUniversity of Kentucky Sanders-Brown Center on Agingの長い所長―の貢献に賛辞を寄せました。
寄稿者:グレゴリー・クーパーGregory Cooper医師(写真)は、セントラルバプテスト病院Central Baptist Hospitalのバプテスト神経センターBaptist
Neurology Centerの神経科医です。
(Kentucky.com Oct 24, 2011 Team approach best for treating, dealing with Alzheimer's)
編者:アメリカの一神経科医の簡潔明快なコメントであるが、具体的に病院でどのように取り組まれているか知りたい。
★高齢者の10人に一人が認知症(10月24日/香港)
2008年に行われた調査によると、香港の70歳以上の10人に1人は認知症―記憶、思考、言語、判断が影響を受ける―です。
保健局Department of Healthと香港中文大学Chinese University of Hong Kongが2008年に共同で行った調査には、家族調査として無作為に選ばれた6100人が参加しました。このうち2073人の高齢者が、疑いまたは明らかな認知症の可能性があること判定されました。
この結果が昨日発表され、60歳以上では認知症は7.2%、70歳以上では9.3%でです。
認知障害関連連盟Cognitive Disorders Concern Allianceの議長で神経科医であるヴィンセント・モク・チュントンVincent Mok Chung-tong教授(写真左)は次のように述べています。
「この数値から香港には7万人以上の認知症の人がいることになります。このうちアルツハイマー病が約63%です。この人たちの90%はこの問題を認識をしておらず、病気が進行してしまうまで医療を受けようとはしません」
家族は、症状があきらかなって日常生活を壊れる前に認知症の早期診断の要となります。
56歳の呉氏は、80歳の母を10年間介護することで欲求不満になり、攻撃的行動、感情の起伏、幻覚、いわれのない非難に対処するのが難しいと話しています。母親を介護している彼を助けるために妹さんが8年前ニュージーランドから香港に帰ってきました。
モク医師は「病気が治らないにしても、薬で進行を遅らせたり、介護者の負担を軽減することはできる」と話しています。
フランシス・マク・ユーソウFrancis Mak Yun-sau氏(写真右)は、有名なディスクジョッキーですが、母親が認知症と診断されてから6カ月に67歳で死亡しましたが、次にように述べています。
「母は、1年に4回、行方不明になりました。2004年には3日間行方不明になったのです。電話で私を夕食に呼ぶのを止めた時、何か悪いことがあるのかと思いました。その時電話番号のダイアルを回ることができないことがわかりました」
2006年の国際アルツハイマー病協会Alzheimer's Disease Internationalのレポートによると、香港の認知症の人数は2005年の6万人で、2050年には33万になると推計されています。
(The Standard Monday, October 24, 2011 One in 10 seniors hit by dementia, study finds)
関連情報:香港アルツハイマー病協会Hong Kong Alzheimer's Disease Association
★アルツハイマー病は残忍だ(10月20日/カナダ)
認知症の人が急増していることは社会政策に困難な課題となるでしょう。
アウグスト・アッハターホルトAugust Achterholtさん(写真左上の左)は、話が好きで、とりとめのない長い話は、家族のちょっとした楽しみでもありましたが、最近の数年間は、笑うこともなくなりました。
アッハターホルトさんは、多くのことを忘れるようになり、家族を名前も忘れ、職業で話しかけるようになりました。母国の言葉―ドイツ語―で話すことが多くなったのです。さらにうつ状態にもなり、ブリティシュコロンビア州(BC)のサレイSurreyに在る自宅で24時間の介護が必要となってしまいました。自宅では55年間連れ添った妻のエリカErikaさん(写真左上の右)が、今年の初め脳血管障害になり世話ができなくなりました。
現在、彼は83歳でまったく話ができません。ツォーニイアルツハイマーセンターCzorny Alzheimer Centreで生活し車椅子で寝ている状態で、妻は彼の手を握り、娘のモニカ・ブランバーダーMonica Brabanderさんが彼についての次のように話しています。
「たった一つの言葉で言い表すと、アルツハイマー病は『残忍』です。ゆっくりと父は混乱し怒るようになり、本当のキツイことでした」
2009年、カナダアルツハイマー病協会Alzheimer Society of Canadaが発行した報告書「上げ潮:カナダ社会への認知症の影響Rising Tide: The Impact of Dementia on Canadian Society(pdf3.7M)」によると、アッハターホルトさんはカナダの48万人の認知症の人の一人です。2008年の1年間で65歳以上のカナダ人でアルツハイマー病など認知症に新たになった人は10万3700人で、5分毎に1人なっていることになります。しかし2038年までに、その新患者は毎年25万7800人―2分間に1人―になり、2030年までに認知症の人数は112万5000人になると予測しています。
全国的にみると、直接の経済的負担は2008年で99億カナダドルで、2038年には、生産性の損失、労働者の社会からの撤退などを勘定して970億カナダドルの社会的費用が予測されています。
BCでは、現在、認知症の人は7万人ですが、その数は、ベビーブーマーの高齢化で増えるでしょう。この「認知症津波」に準備はできているのでしょうか、一言でいえば「ノー」ですと、BCアルツハイマー病協会Alzheimer Society of B.C.のCEOであるジーン・ブレイクJean Blake氏(写真左中)が話しています。
ツォーニイアルツハイマーセンターは、施設のようには見えないのです。三つのコッテジとラベンダーやマツガサギクの庭、サレイの田舎道にそった建物で、田舎の静養所という印象です。
36床のこの介護施設は、デザイン面でも落ち着いています。施設の構造は、認知症介護に関わる総合的で人中心の視点が反映されています。共同使用のキチン、リビング、暖炉があり、各入居者は部屋の外側に「思い出ボックス」を備え写真や思い出の品を展示しています。猫やウサギがホールで動き回り、中心部では音楽療法、レクレーション、温泉設備、ヘアーサロンで、ホールではピアノがあってダンスもできます。
このセンターの管理者のドリー・フェルスターDorrie Ferster氏は「全くの人中心のケアで、私たちがどのような介護をするかの視点です」と話しています。
家族はその違いに気付き、昨年の冬にアッハターホルトさんがここに移りましたが、娘のブラバンダーさんは「父がここで生活することはとても良いと感じ、私たちにとってセカンドハウスのようなものです」と話しています。
この施設はの2007年にオープンしましたが、寄贈者のマリリーン・スチュワートMarilyn Stewart氏の父のマイケル・ツォーニイMichael
Czorny氏の名前が付けられました。彼は9年間、この病気と闘い、その記念として1000万カナダドルと3.2ヘクタールの土地が寄贈されたのです。この施設は、フレイザーヘルスFraser Healthのネットワークの一部ですが、増えた介護の需要に応えて72床に拡張中です。
さらにブレイク氏は次のように話しています。
「ことは圧倒的です。現在、予算上のことを考えるととても大きな問題です。これはカナダだけでなく地球規模の問題です。信じられないほどの家族への影響と社会全体への波及効果を見ることになるでしょう」
アルツハイマー病の基本的に避けられない危険因子は加齢です。2008年、60歳以上のカナダ人でアルツハイマー病の人は7%を占め、90歳以上では49%を占めました。
親や兄弟がアルツハイマー病だと発病の危険性は高まります。その他の危険因子は、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病、頭部外傷、うつ状態、肥満です。
若い人もアルツハイマー病になり、65歳未満のアルツハイマー病のカナダ人は7万人います。
BC州の主たる紹介先であるBC大学University of B.C.のアルツハイマー病・関連疾患クリニックAlzheimer Disease and Related Disorders Clinicで臨床准教授で行動神経科医のディーン・フォティDean Foti医師(写真右上)は39歳のアルツハイマー病の人を診た経験があり、次のように話しています。
「50歳未満のアルツハイマー病の人のほとんどは家族歴を持っています。しかし、50歳代および60歳代初めアルツハイマー病の人の多くは家族歴がありません。発病する理由がわかりません。不思議なことです。何故、アルツハイマー病になるのかその原因を私たちは知らないのです」
BC大学の麻酔学・薬学・治療学部Department of Anesthesiology, Pharmacology and Therapeuticsのジェームス・マックラーノンJames McLarnon教授(写真右中)は、アルツハイマー病の秘密を明かそうとしてきましたが、次のように話しています。
「治癒が遥か先にあることを認めています。臨床的に証明された薬物療法の希望が近づいているという事は、現在ないのです」
科学者は治癒を目指して研究していますが、私たちの医療制度を相応しいものにしなければならないでしょう。
ビクトリア大学University of Victoriaの加齢センターCentre on Aging加齢センターの社会学者であるニーマ・チャッペルNeena Chappell教授(写真左下)は次のように話しています。
「制度を根本的に入れ替えなければなりません。医療制度は、現在、高齢化社会に対応できていませんが、まだ若い世代の急性疾患に対処するためのシステムに向かっているのです」
サイモンフレザー大学Simon Fraser Universityの老年学研究センターGerontology Research Centreのグロリア・ガットマンGloria Gutman名誉教授(写真右下)は次のように話しています。
「認知症ケアの専門職の教育では、認知症の人の混乱した行動が脅えと理解できるようにすることが重要です。たとえ研修を受けた職員でも多くの施設が身体を洗う乾かすといった介護のための職員も少なく、彼らは良い介護の証となる人中心のケアといったことに関わる余裕がないのです」
アルツハイマー病:診断と予防
アルツハイマー病の早期診断はとても重要です。もし診断を受けていないと自動車事故、服薬の間違い、金銭の間違い、行方不明などにつながります。
しかし、アルツハイマー病の早期警告の症状はよく理解されてはいません。症状として、断片的な記憶喪失、学習やしなれた作業が困難、集中できない、道に迷う、言葉がでにくい、間違って物を置く、曖昧な判断、気分、行動、性格の変化があります。
病気が進行すると、自分の生活歴、現在の出来事、家族まで忘れ始めます。
アルツハイマー病は元に戻ることはありません。予防は最善の医療です。予防として、上手に食べる、運動する、頭部外傷を防ぐ、社会的知的活動を続ける、禁煙、ストレスや鬱状態を管理する、人との繋がりを保つことがあります。
さらに定期的に医師の診察を受け、記憶や知的機能に関心をもつことです。
診断を受けたあとは支援を求めましょう。
BCアルツハイマー病協会の認知症電話相談1-800-936-6033に電話してみましょう。
または協会のサイトwww.alzheimerbc. org を見て協会が提供している支援について知りましょう。
(The Province October 20, 2011 One word: 'brutal')
★「ドラム療法」(10月20日/イギリス)
イギリスのロウストフトでは、新しいビジネスとしてドラムがドンドン叩かれています。
人事担当だった人がストレスと軽減し人に自信を与えるようにドラムと叩くという新しいビジネスを始めました。
ロウストフのアヴェニューに住むカチナ・チャップマンKatina Chapman氏(41歳)(写真左)は、自らの精神性に基づくビジネス「光の螺旋Spiral of Light」を始めました。これはドラム療法を通して人々を助けようとするものです。
チャップマン氏は、20年近く個人企業で働き、その後4年近く人事を担当者としてプスイッチのオトレイ大学Otley Collegeで仕事をして、それを辞めて新しい事業を始めたのです。
チャプマン氏は次のように話してします。
「3月に大学を辞め、自分の仕事を始めました。いつも代替療法に関心があり、2006年、結晶療法crystal therapyの研修を受けました。4月にはウイルシャイアーにあるイギリス音療法学院British Academy of Sound Therapyで音療法コースを終了しました。音療法とその実践を多く行ってきました。理想はグループで行うことです。父は92歳で認知症ですが昼食にぶらりと来ては、ドラムを叩き始めました。彼がドラムの片方にいて私が反対側に居てリズムを打ちました」
その後彼女は、地元のデイケアセンターに行き高齢者と一緒に音療法を行いました。
さらに彼女は次にように話しています。
「2つ3つのゲームから始めました。何か活動的なことをするのはよいことだとよく言われます。それは本当に素敵な演奏でした。彼らが椅子に座っているあいだ、できることをしてもらうのでとてもよいのです。施設とコンタクトをとりその反応に驚きました」
彼女は、認知症の人と一緒に行い、数週間後に第2回の演奏のため戻ってきたとき、彼らは「ドラム婦人」と覚えおり、自分たちが演奏したリズムを思い出したのです。
また彼女は、学習障害のあるオトレイ大学の学生と一緒に演奏もしました。
大学のサンドラ・グラントSandra Grant氏は次のように話しています。
「学生は本当にその演奏を楽しんでいました。カチナさんが再び戻ってくることを希望します。彼女は、本当に熱心で効果をもたらす人だからです」
さらにチャプマン氏は次のように話しています。
「大学で演奏は、とてもよく受け入れられたようでした。学生はいろいろな楽器によく反応していました。父が認知症の人と実施するという着想を与えてくれました。良いことに、音楽の才能がなくてもよく楽譜を読めなくてもよいのです。ここから有益なことを見出すことができます。やり遂げようとする点は、人々に自信を持たせることです。私が人事の仕事をしていたとき、ストレスで病気になった人たちをみました。彼らに自分の人生を管理できるよう応援したいと思っていました」
この仕事にについてさらに知りたい人は、サイトwww.spiraloflight.co.ukをみてください。
(EDP24(Eastern Daily Press24) October 20 2011 Lowestoft woman starts drum therapy business to help dementia sufferers)
編者:ドラム療法は初めて知った。音楽療法の一つであり、音楽療法の基本かもしれない。日本やアメリカで以下の団体があるが、認知症の人への取り組みはよく分からない。
日本:Rhythm in Life(リズムインライフ)ドラムサークルファシリテーター協会(DCFA)
アメリカ:DAD (Drums and Disabilities)
★介護経験者が現役介護者を支える(10月20日/イギリス)
認知症の人を介護した経験のある元介護者が、新たに介護することになった人たちを支えという新しい制度が、ロンドンのウオルトハムフォレストWaltham Forestで最近、始まりました。
この「保護企画」は、ウオルトハムフォレスト介護者協会Waltham Forest Carers Association (WFCA)によって始められ、認知症の人と家族を助けるさまざまな方法を追求しています。
WFCAの介護支援者コーディネーターのマジー・プレイルMaggie Playle氏は次のように話しています。
「介護者サポーターは、他のひとにはない特異なことができ、たんに話を聴き、前向きな激励をして、経験や支援を共有できます。このユニークな制度の目的は、新たに介護することになった人が地域で活発に生活する力を高め、これまでにはない異なる生活への挑戦を認識し受容することにあります。最近、認知症の人を介護することになった人は、病気の異なる段階での介護上の問題に直面し、とくに最初の一年間、それに合わせるのがとくに難しいのです。介護経験者が、そうしたときにどのように対処するかを助言します。認知症に合わせ、その変化に対処することは、大変なストレスの原因となり、介護者に大きな負担感を引き起こします。この介護者支援者プログラムは、介護者が対処するのを助ける一つの方法です」
この計画にボランティアとして関心がある元介護者は、短期間の説明会に参加し、情報冊子を利用することができます。
今回の画は、国立保健研究所National Institute of Health Research、国民保健サービス北ロンドン東ロンドントラストNHS North London East London Foundation Trustおよびカレッジロンドン大学University College Londonのよって助成されています。
またWFCAは、介護者の中核となる所と一連の支援グループを作るため委員会から委託されたものです、
(thisislocallondon.co.uk/ 20th October 2011 WALTHAM FOREST: Dementia carers support scheme launched
編者:元介護者が現介護者を支えるということは「家族の会」がある程度、実績がある。それをイギリスの一地域でボランティアとして組織化しようとするものらしい。
★キューバのアルツハイマー病の人は2030年までに2倍(10月18日/キューバ)
ハバナ医科大学の神経退行性疾患病理研究所のフアン・リーブレ・デ・リロドリゲスJuan Llibre de Rodriguez所長(写真後列左から2番目)は次のように述べています。
「キューバにはおおよそ13万人のアルツハイマー病がいて、その数は2030年までに2倍になります。キューバは60歳以上の人が人口の17.9%を占め、ラテンアメリカで高齢者が2番目に多い国です。今後10年間でこの数は25%増えます。65歳以上ではアルツハイマー病になる人の割合は5歳ごとに2倍になる傾向があり、85歳では約50%の人がアルツハイマー病です。認知症は、一般的に医療、社会、経済の問題となりつつあり、とくにキューバのように寿命が長い国では問題なのです。このためこの国で予防についても検討すべきです。世界には3600万人の認知症の人がおり、全人口の0.5%ほどを占め、急速に増えています」
ロドリゲス所長は、第5回ラテンアメリカアルツハイマー病会議V Latin American Congress of Alzheimer'sの組織委員会議長でもありますが、会議前会議の一つは、キューバでのあ治療経験からアルツハイマー病の管理に関する理論的実際的なガイドラインの適応がテーマです
18日からキューバで始まる国際会議には、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカの20以上の国から研究者が参加します。
(cubaheadlines 10 / 18 / 2011 Alzheimer's in Cuba will double for 2030)
サイト内関連記事
編者:写真はADIの10/66 dementia research groupのサイトに掲載された2006年の10/66グループの会議のときの写真で、以下の説明がある。
The investigators at Bellagio, 2006 ? Back row Natalya Mikhaylova, Juan Llibre de Rodriguez (Cuba), Daisy Acosta (Dominican Republic), ES Krishnamoorthy (India), Cleusa Ferri (UK), Ana Luisa Sosa (Mexico), Melanie Legg (ADI, UK), Mira Josic de Hernandez (Venezuela), Martin Prince (UK) ? Front Row (Ana Lichatriowicz (BBC, UK), Richard Uwakwe (Alambra, Nigeria), Kathleen Hall (USA/ Nigeria project), Mariella Guerra (Peru), Renata Sousa (UK), Aquiles Salas (Venezuela), Yueqin Huang (China)
★認知症サービスの利用待機者が増えている(10月18日/アイルランド)
アイルランドアルツハイマー病協会Alzheimer Society of Irelandは、認知症サービスの利用待機者が昨年と比べ20%増えていると非難しています。
人口構成の変化と認知症になる高齢者が増えている結果、休息ケア(レスパイトケア)、デイケア、在宅ケアへの要望が増えています。2009年でサービスへの要望は単年で3分1増加したのです。
政府の予算前に受け付ける要望のなかで、アルツハイマー病協会は、アルツハイマー病の人へのケアを提供する団体への政府の資金を一層削減しないことを要請しています。協会は、現在、政府からの1150万ユーロの助成を受けています。
昨年、予算が85万ユーロ分削減されました。協会は、さらに削減されることで年々多くなっている要望に応えられなくなると恐れています。また協会は、政府に2013年までに国家認知症戦略を公表することの約束を要請しました。
認知症は、人口に占める高齢者が増えるにしたがい、人口面の時限爆弾とされてきました。現在、アイルランドに認知症の人は4万4000人(このなかには65歳未満の4000人も含む)いると推計されていますが、この数は2026年までに7万人以上、2036年までに13万になると予測されています。
アルツハイマー病協会の事務局長のモーリス・オコネルMaurice O’Connell氏(写真左)は、「政府が財政的に困難なことは認識しはいますが、将来的にもサービスがうまく提供できるように資金とサービスについては柔軟に対応したい」と話しています。
(The Irish Times October 18, 2011 Dementia waiting lists up by 20% in the last year)
編者:ヨーロッパの国々が財政的に困難な状況にあるなかアイルランドも認知症関連予算が削減されている。日本も例外ではないだろう。これに対して日本も含め各国で認知症の人と家族がどう対処したらよいのだろうか。それにしてもアイルランドアルツハイマー病協会は政府から年間10億円以上の助成を受けている。2007年の年次報告書簡易版(ASIAnnual Report 2007 pdf 1.56 MB)を見ると協会が行うケアサービスの支出にほぼ同額の政府助成があり政府の委託事業を行っているようだ。
★アルツハイマーカフェはアメリカで少ない(10月16日/アメリカ)
アルツハイマーカフェAlzheimer's cafeは、リラックスできる普段の環境のなかで認知症の人と家族を支援します。社会性のあるその環境は、参加者が自分自身であるように支えます。
アルツハイマーカフェは、ユニークな社会性のある環境で、参加者は認知症に関して話し合うことができます。目標とするところは、認知症の人と家族が日々経験していることを犠牲と捉えたりせず軽視しないで受容的な雰囲気を作ることです。カフェは、喫茶店やレストランに作るべきではなく、食事で引く付けるものでもありません。昔ながらの社会性のある親密さ、心地よさ、田舎のカフェの特徴をもった雰囲気が重要なのです。
どこにアルツハイマーカフェの作るか
アルツハイマーカフェは、喫茶店風の雰囲気が必要で、たとえば地域センターや図書館の会議室のようなグループで集まるに相応しい集会室に作ります。学校の教室や教会の社交室も検討してよろしい。集いは毎月、午後か夕方に開くのに相応しいなら地域のレストランでもかまいません。毎月、定期的に使用できる集いの場を見つけましょう。
集いの場所についての特別に注意すべきことは、ナーシングホームや介護付き施設はアルツハイマーカフェに最善でなないということですが、最後の手段としては使ってもよいでしょう。その場合、日課のなかに出かけることを機会も用意しましょう。施設の入居者、家族、介護者が1,2時間、医療施設的な雰囲気から離なれて外出できるようにします。カフェは、支援グループの集いにように社会的な集まりです。
アルツハイマーカフェに用意するもの
トランプ用机や折り畳み式の椅子は催しものに役立ちます。机はテーブルクロスで覆います。ろうそくやテーブルの中央に装飾物を置くのもよろしい。部屋をほの暗くし、ろうそくの火で雰囲気を作るのもよろしい。クラッシク音楽やイージーリスニングのよう軽いバックグランドミュージックを流します。ポンチ、小さいサンドイッチ、クッキーなどの用意するのも望ましい。集いと参加者による共感の集いを始めます。参加者はゲストスピーカーの話を聞いたり小さなグループに分かれて話し合います。短時間の演芸を楽しめるとよい。
アルツハイマーカフェの概念と目的
アメリカ退職者協会American Association of Retired Persons(AARP)の機関誌AARP Bulletinの2011年4月号によると、カフェの普及は14年前のオランダで始まりました。記事のなかでステイシー・ギリアムStacy Gilliam氏は「カフェはアルツハイマー病の人と介護家族に安全な空間を提供し、同じような経験を分かち合い、話し合ってリフレッシュする」と書いています。
オランダアルツハイマー病協会Dutch Alzheimer Societyの冊子「アルツハイマーカフェ:設立のための指針マニュアルThe Alzheimer's Cafe: A Guideline Manual for Setting One Up(pdf76K)」に書かれているようにカフェは次の三つの目的があります。
1. 認知症の医学的心理社会的側面の情報を提供します。
2. アルツハイマーカフェは、認知症の問題について人のなかで話すことの重要さを強調し、しかもカフェが認知され社会的に受け入れられることも重要です。
3. カフェが、認知症の人と家族が孤立するのを防ぎ、解放されるように促します。
アメリカでは普及が遅い
アメリカでアルツハイマーカフェは、ニューメキシコのサンタフェで2008年に初めて開設されました。今日までその考えが受け入れられるのにとてもゆっくりしています。カリフォルニアの新聞「サンタバーバラインディペンデントSanta Barbara Independent」の寄稿者のサム・ルーミスSam Loomis氏(写真左)は、アメリカでの反応が乏しいことにふれ、2011年の7月の記事に次のように書いています
「ペッパーズエステイトPeppers Estateがカリフォルニアで最初のカフェを立ち上げる。
アルツハイマー病の研究やアルツハイマー病の人へのサービスの資金が乏しいことがカフェの普及が遅い原因の一つでしょう。ヨーロッパで普及しているのにアメリカで開設されたとはほとんど聞きません。たった一つのカフェがニューメキシコのサンタフェに在ることを確認しています。540万人のアメリカ人のこの病気のために、アルツハイマー病など認知症の研究と関連団体への資金的支援が乏しいのです」
アルツハイマーカフェは、アルツハイマー病の人、家族、介護者に有効なのでしょうか?
ヨーロッパやイギリスででカフェが普及していることから判断すると、有効なようです。カフェで、アルツハイマー病の死に至る経過を遠慮なく話す、声を出して話すということが容易なのです。集いに参加する人たちは他の人がどのように病気を管理し、どのように同様の経験を共有しているのかもっと学ぶことができます。
カフェの考え方はアメリカでは受けいれられるのでしょうか?時間が経てばわかるでしょう。アルツハイマー病などの認知症に大きな関心を持たれていないようです。個人レベルでも連邦政府レベルでも研究への資金が不足しています。アメリカの高齢者の生活を高め拡張することを意図した前向きなどのような努力のチャンスはあわれなほど、はずかしいほど遅いのです。
参考文献
Dementia Weekly (Online): "The Alzheimer's Cafe" (Edited by Peter Berger, 2010).
AARP Bulletin (Hardcopy) "Alzheimer's Caf: A Place to Recharge" (Stacy Gilliam, April 2011, page 8).
Dutch Alzheimer Society (PDF): "The Alzheimer's Cafe: A Guideline Manual for Setting One Up" (Gemma
MM Jones, 2001). Translated from the original document ‘Handleiding Alzheimer
Cafe’ by Bere Miesen and Marco Blom(pdf76).
Santa Barbara Independent (Online): Peppers Estate to Host California's First Alzheimer's Cafe" (Sam Loomis, 2011).
(suite101.com Oct 16, 201 Dementia Support Groups Set New Trend with Alzheimer's Cafe)
サイト内関連記事
編者:アメリカでは普及してないがわが国ではどうか。滋賀県の藤本クリニックの「もの忘れカフェ」は先駆的であるが、それに続くものがないようだ。「もの忘れカフェ」「アルツハイマーカフェ」「認知症カフェ」などと呼ばれる「活動」の知名度と概念が広がらない。また制度的に現行の医療保険、介護保険あるいはその他の制度で導入は可能なのか。それにしても世界で最もアルツハイマー病に関心が高いと思っていたアメリカで、研究も社会的支援も後退していおり、「関心が乏しい」「恥ずかしい」とは意外だ。
★認知症の人たちらが国会にデモ(10月14日/オーストラリア)
イタ・バットローゼIta Buttrose氏(写真左上の左)は、政府が認知症の予防、治療、研究のための資金を大幅に増やす運動の一環として自分の「純潔さ」を国会議事堂の芝生に投げ捨てました。これは、昨日、300人以上の認知症の人、介護者、医療専門職ら(写真左下)が旧国会議事堂Old Parliament HouseからフェデレーションモールFederation Mallまで行進した時のことでした。バットローゼ氏は、オーストラリアアルツハイマー病協会Alzheimer's Australiaの会長ですが、自分が抗議行動をしたことがない人ではないことを誇りをもって参加者に「国会議事堂の芝生に自分の純潔さを捨てると思ったことはない」と告白しました。
2050年までに認知症になるオーストラリアはほぼ100万人ですが、その人たちを支援したいという決心でバットローゼ氏はこの運動に参加したのです。
彼女は次のように述べています。
「政府の新しい資金500万ドルが今後5年間にこの増大する病気のために使われる必要があります。しかし最近、連邦政府の予算について認知症サービスや認知症研究に追加的資金がないことを知ってショックありうろたえました。最も関心を持たなければならないことは、政府が2013年以降、認知症イニシアティブDementia Initiativeを終了させるという事実です。我が国で認知症は、もはや優先的に取り上げられる保健上の課題ではないのです。政府はどうしてその決定したのか不可解です。認知症は全国的な保健上の優先課題とすべきです。こうしたわけで、今日、ここでみなさんが選んだ代表―国会議員に、あなたがたに必要だとする意見を議員に代表していないと告げるべきです」
オーストラリア首都特別地区のジララン在住の夫人ジュディー・ウールステンクロフトJudy Woolstencroft氏(写真左上の右)は、パートナーのクリス・ウイルクスChris
Wylks氏が56歳のとき2007年にアルツハイマー病と診断されて以来、常時介護してきました。
ウールステンクロフト氏は次のように述べています。
「パートナーは教師で、当初はうつ状態と診断されました。医師は、若いアルツハイマー病と診断したくないと説明し、正しい診断を受けるのにさらに10カ月が必要でした。この間、クリスは適切な治療と援助を受けたり、将来計画が立てられませんでした。こうしたことは他の病気ではありえません。若いアルツハイマー病の人への適切な制度が乏しい」
ウイルクス氏は、月に一泊二日の休息ケアを利用し、オーストラリア首都特別区アルツハイマー病協会Alzheimer's ACTを通して他のサービスを利用しましたが、政府の資金が2013年以降になくなるということは危機的状況に置かれます。
政府の保健高齢者省Department of Health and Ageingの精神保健加齢担当大臣のマーク・バトラーMark Butler氏(写真右)臣は、政府が認知症の人を支えるためにさらになすべきであることを認め、「個人的な視点ですが、認知症についての一般の人たちを啓発し理解させるための運動をもっとすることは、事態をよりよくすることになるでしょう」と語っています。
(The Canberra Times 14 Oct, 2011 Buttrose brings star power to dementia funding protest)
編者:我が国では「認知症の人と家族の会」が、国会ではなく、政府の厚生労働省に要望、陳情するという形をとってきた。
★「【日本版コラム】日本製のアザラシ型ロボット、米国にも浸透中 影木准子の米国ロボット最前線」(10月 13日/ウオールストリートジャーナル日本版)
これまでこのコラムでは主に米国で開発された、または開発中のロボットについて書いてきた。今日は日本製のロボットが米国において活躍の場が増えている話を紹介したい。そのロボットは「パロ」だ。
パロはアザラシの赤ちゃんをモデルにしたロボットで、体長57センチメートル、体重3キログラム弱。センサーによって、なでられたり抱きかかえられたりする状態を検知し、それに応じて瞬きをしたり頭・手足を動かすなど反応を変えられる自律型ロボットだ。産業技術総合研究所の柴田崇徳主任研究員が開発し、日本では2005年3月に発売された。認知症患者に対するセラピー効果があり、日本では広く報道されているので、ご存知の読者も多いと思う。
米国では2009年9月に米食品医薬品局(FDA)から医療機器としての承認を受け、その年の12月に発売された。知能システム(本社富山県)で手作り生産されたものが、同社の米国法人のPARO Robots U.S.によって輸入販売されている。米国における価格は1体6000ドル。(日本での価格は35万~42万円)。ひと月200ドルのリース制度があり、支払分の残金をまとめて払えば購入することも可能だ。
パロが会話の媒介役
先月、パロをその3か月前に使い始めたというシリコンバレーの病院を、開発者の柴田氏といっしょに訪問する機会があった。メンロパーク市にある退役軍人病院だ。ここの長期滞在ケア施設のアケイディア棟には、第2次世界大戦やイラン・イラク戦争などで従軍した比較的高齢の、中度~重度の認知症を患っている患者14人が住んでいる。
ここでは、作業療法士のキャシー・クレイグ氏とレクリエーション療法士のクリスティーナ・イー氏が主に4~5人の患者に対してほぼ毎日、パロを使って接している。決まった時間に数人の患者の前にパロを置いてやり取りを促すといった使い方だけでなく、「病院を出たいと騒ぎ出した患者にパロを与えると、1時間くらい抱いて落ち着くなど、(緊急時にも)役立っている」とクレイグ氏は言う。
実際にパロを使っている現場を見学させてもらった。
「あー、小さなクマがやってきた。ほー、いいクマだねー」と鳴き声の真似をするボブさん。「いや、これはクマじゃなくてアザラシだよ。かわいいね。ほれシーリー、笑ってー」と応対するスコットさん。1時間前のことを忘れてしまう患者たちにとって、パロの名前は「ホワイティー」、「ブロンディ」、「シーリー」、、、と日替わりだ。
お年寄りたちはパロをなでながら短い会話をする。無言でパロの毛を熱心にくしでとかす人もいる。パロがいなければ、じっとうつむいて1人の世界に閉じこもることが多いお年寄りたちだ。「こんなに彼らが交流する姿は長い間見たことがない」と患者の生活クオリティーの責任者であるレバン・ヘンドリックス氏は驚く。
ここの病院でパロが使われるようになったきっかけを作ったのは、医師で高齢患者を専門とする心理学者のジェフリー・レイン氏だ。同氏が、80代の女性の認知症患者が毎日泣き叫ぶのをなんとか解決したいと考えた。この女性患者を落ち着かせられる唯一の方法が犬を使ったアニマル・セラピーだったが、残念ながら犬が訪問してくる頻度は少なかった。そこで何か代替策はないかとインターネットで検索したところ、パロについて書かれた記事を見つけ、柴田氏とコンタクトを取った。この女性に対するパロの効果はてき面だったという。
医療機関で利用が広がる
米国でパロが発売されてもうすぐ2年だが、これまでの米国における販売台数は約50体だ。日本ではすでに約1700体が販売されているので、それに比べると数はまだ少ない。日本では「ペット代替」としてのニーズが高く、これまで有名百貨店が代理店となってきたことから、7割近くが個人による購入だ。一方、米国ではほぼすべてが医療福祉施設向けであるのが、米国市場の大きな特徴である。
柴田氏によると、各医療福祉施設はパロを導入するにあたって、倫理委員会や感染予防委員会などで審査を行う必要があり、それを通るのに半年から1年ほどがかかる。その後、1~2体を導入して半年から1年間の臨床試験を実施。その結果を踏まえて、予算に応じてパロが導入されている状況で、「たいへんな時間がかかっている」(柴田氏)。また、パロはまだ保険の対象になっていないことから、導入コストは各施設が負担しており、景気が悪いことも影響していると考えられる。
レイン医師は言う。「パロは米国の他の医療施設でも役立つと思うが、高価な機械であり、どういった患者に対して最も効果的であるかについて、もっと研究が行われなければならない」。そこで、メンロパーク市の退役軍人病院では今後、パロを使うことによって患者を落ち着かせるために与える医薬品の量が実際に減っているかどうかを調べるほか、パロの効果を定性的に記録する方法を検討するという。これまでは試験的にパロを使ってきたが、これからは本当の研究に発展させる方法を見つけたいとのことだ。
柴田氏によると退役軍人系の病院ではシリコンバレーのほか、ワシントンでもパロが使われ始め、海・陸・空軍系のそれぞれの高齢者向け施設にも導入済みだ。また、多数のホスピスを運営するイリノイ州のパッセージズ・ホスピスではパロを訪問セラピーに利用しており、2010年8月から1年間で130カ所以上の高齢者向け施設でパロを使ったロボット・セラピーを行った。サービスを受けている施設が、自前でパロを購入するために、募金活動をしていているところもあるという。(米国におけるパロの導入状況については、一覧表がある)
パロを使い始めたころ、「最初は看護師の間で、かわいいぬいぐるみだとしか思われていなかった」とレクリエーション療法士のイー氏は振り返る。しかし、「今はそれ以上の効果があるという認識が広がり始めた」(同氏)。米国各地でパロの臨床試験データや利用体験談が蓄積され、それらが徐々に公になれば、ますます利用者が増える可能性が高い。
米国における「導入のハードルは非常に高いが、それだけ真剣に検討をしていただいたうえで導入されており、導入後は積極的に利用して満足していただいている」と柴田氏は語っていた。
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影木准子(かげき・のりこ)(写真右)
北海道大学工学部を卒業後、日本経済新聞社で13年間、記者として働く。うち1997-2001年の4年間は同社シリコンバレー支局勤務。現在はシリコンバレー在住のフリーランス・ジャーナリスト。コンシューマー向けロボットの開発・市場動向に最大の関心があり、この分野の米国を中心とした海外における最新情報をGetRobo
Blog(http://www.getrobo.com/getrobo_blog/)などで発信している。
(WSJ日本版 2011年10月13日 原文のまま)
編者:認知症介護の現場ではロボットへの違和感はあるだらう。認知症の妻の介護のなかで飼っている猫を媒体にした会話は頻繁にある。それがバロでもかまわないと思う。
★アルツハイマー病協会が運転について話し合うときの情報(10月11日/アメリカ)
アルツハイマー病の人は100%、最終的に誰もが安全には車の運転ができなくなります。
家族は、いつ、どのように鍵を取り上げるか悩んでいます。
運転には機敏な反応と早急な問題解決が必要です。アルツハイマー病が進行性疾患であることからして、アルツハイマー病の人は誰もが運転できなくなるのです。アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationは、危機的な問題を起こす前に―理想的にはアルツハイマー病の人が話し合いや決定過程に参画できる時に―運転について話し合うことを提案しています。
アルツハイマー病協会の医療ソーシャルワーカーのベス・カルマイヤーBeth Kallmyer氏(写真左上)は次のように話しています。
「運転は人の自律に関係すること多く鍵を渡すことはとても情緒的でストレスの多い過程です。こうした困難ことについての話し合う持つ前に、この問題を選んで自らに学ぶことは関係者にとってその過程を容易なものにするのに役立ちます」
こうした会話を助けるために、アルツハイマー病協会は、運転と認知症に関わる内容の異なる4つの短編ビデオを作りました。ビデオを観ることによって、家族がどのように話し合いを始めるか、アルツハイマー病の人の特別な反応にどう答えるかの考え方を知る事ができるでしょう。あるビデオでは、早期のアルツハイマー病の婦人が、もはや運転が出来なくなった時には子供に介入してもらうという契約を書きます。別のビデオでは、アルツハイマー病の人がかなり抵抗する場合、もはや運転できないことについて助言する医師の処方箋を入手する方法を提示しています
各ビデオの最後に、家族が運転について話し合う時に使えるヒントや技術の一覧があります。このビデオは、アルツハイマー病協会のサイトの「認知症と運転情報センターDementia and Driving Resource Center」のページから自宅で観ることができます。このセンターには、どのような時、運転が安全でないか、別な移動方法を見つける、運転評価を得るなど有用な情報が含まれています。今回の企画は、運輸省全国高速運転安全管理局Department of Transportation's National Highway Traffic Safety Administrationの助成を受けました。
全国高速運転安全局National Highway Traffic Safety Administrationのダヴィッド・スティックDavid Strickland長官(写真左下)は次のように話しています。
「アルツハイマー病の人から鍵を取り上げることについて話し合うことはとても難しいことです。とくに自分の能力が低下したことを認めたくなかったり、あるは認められない場合にそうです。認知症の人が尊厳をもって運転から退くことを支援するためにアルツハイマー病協会とともにこうした重要な教材を作ったことを誇りに思います」
早期のアルツハイマー病の多くの人は運転を続けることができます。しかし、安全性を確かめるための現在の状態を評価する必要があります。アルツハイマー病協会の助言から運転を止めるのはどのような時かを以下に示します。
| ○なれた場所に移動する仕方を忘れる ○運転表示を見のがす ○渋滞時に判断が遅く不確実になる ○適切でない速度で運転する ○運転中に怒ったり混乱する ○曲がり角にぶつかる ○車線を守もりにくくなる ○交差点で間違いをする ○ブレーキとアクセルのペダルがわからなくなる ○以前とくらべ運転しての帰りが遅くなる ○運転中に目的地を忘れる |
アルツハイマー病協会は、運転契約の実例と地域に居る運転評価専門家についての情報を提供しています。認知症と運転についてより詳しくはwww.alz.org/driving
まで。
(PRNewswire Oct. 11, 2011 Alzheimer's Association Offers New Tools to Aid Difficult Driving Conversations)
★アルツハイマー病の進行を左右する要因(10月9日/アメリカ)
研究者によるとアルツハイマー病の人の記憶や認知機能の低下の進み具合は多様です。
○1/3は、最初の5年間は顕著には低下しない
○1/3は、診断を受けてから最初の5年間でかなり低下する
○1/3は、最初の5年間で急速に低下する
○平均して、アルツハイマー病の人は、診断を受けてから8年から10年間生存する。しかし20年ほど生存する人もいる。
関連事項
○アルツハイマー病の女性は同じ病気の男性より長生きする
○アルツハイマー病のアメリカ人はアルツハイマー病のない同年齢の人の半分ほどの期間生存する
○高齢であること、他に健康問題があること、診断までの期間が長いこと、介護のレベルは生存期間を短縮する要因である
ジョンズホプキンス大学医学部Johns Hopkins University School of Medicineの精神科の非常勤准教授であるミッシェル・ミールケMichelle Mielke医師(写真左)らは、特定のアルツハイマー病の人で記憶や認知機能をどのように低下するのか予測する信頼できる方法について研究しています。上のアルツハイマー病の人の分類のどれに該当するかがわかると、家族、介護者、医師にとってよりよい治療や支援ができるでしょう。
ミールケ医師らは、患者の血液中の二つの脂質の割合を計ることに研究しています。その研究論文が「アルツハイマー病雑誌Journal of Alzheimer’s Disease」に掲載され研究論文の筆頭著者がミールケ医師ですが、「ある脂質とアルツハイマー病の進行との関係があることを確信した」と述べています。
ミールケ医師らは、2年間、アルツハイマー病と診断された100人以上の人の脂肪についての情報を分析したところ、二つの脂肪―スフィンゴミエリンsphingomyelinとセラミドceramide―に注目しました。これらの脂肪は身体全体に在ります。血漿中のスフィンゴミエリンの濃度が高いほど、またセラミドの濃度が低いほど、アルツハイマー病の進行は遅いのです。
これはセラミド、炎症、細胞死との間に何か関係があると推測されました。セラミドが少ないと脳細胞死が少ないのです。こうしてアルツハイマー病の進行が遅くなることの説明になるのです。
ミールケ医師は、既に軽度認知障害の初期の研究で同じような関係を示しました。その場合は、セラミドが高いほど記憶に関係する脳の部位の萎縮が大きかったのです。別な研究者によると、セラミドの濃度がアルツハイマー病斑を作るβアミロイドの濃度に関連していることを示しました。
アルツハイマー病の進行程度を推計するということが、この研究で大きな可能性を示しました。さらに多くの可能性として、アルツハイマー病に挑戦するこれらの脂肪レベルをコントロールする方法を見つけることです。たとえば、スフィンゴミエラーゼと呼ばれる酵素がありますが、スフェンゴミエリンをセラミドに代謝させるのです。このことからスフィンゴミエラーゼ阻害剤がこの過程を阻害し、結果的にアルツハイマー病の進行に介入することになるかもしれません。ミールケ医師は次のように述べています。
「現在まで臨床試験の物質はどれもが何ら利益を示しされませんでした。多分、私たちは見方を変える必要があり、答えは血液中で測定可能なこれらの脂質でしょう」
(Alzheimer's Weekly October 9th - October 16th, 2011 How Quickly Does Alzheimer's Progress?)
関連情報:論文Plasma Sphingomyelins are Associated with Cognitive Progression in Alzheimer’s
Disease Journal of Alzheimer’s Disease Volume 27, Number 2, IN PRESS
編者:アルツハイマー病の新たな研究するに値する領域のようだ。アルツハイマー病治療に繋がる可能性もありそうだ。
★「認知症ショップ」オープンへ(10月7日/ドイツ)
認知症の人と介護者ための「認知症ショップDemenzladen」が南ドイツでオープンします。認知症の人が100万人以上いるドイツでは初めてのショップです。
「忘れやすい人を忘れない」をスローガンに、二人の元介護専門職は、スイスで既にオープンして成功してヨーロッパの人たちの関心を集めていますが、南ドイツのフライブルグループで新たにショップを開設する準備をしています。
ヘルムート・マザンダーHelmut Mazander氏(写真左上)とビート・ワイスBeat Wyss氏(写真左下、バーゼル)の二人は、老年学に詳しいく加齢の社会的生理的生物学的特徴についての専門家で、認知症にまつわる偏見を打破することを目的として、この現代的なの話題を慎重に扱うことが緊急に必要であると述べています。
マザンダー氏は次にように述べています。
「何年も認知症のため孤独で恥ずかしく思って人たちを見てきました。彼らの介護者もどこの頼ってよいか知りません。無視されることが多い認知症の影響を受けている人たちの生活の質を高めることを支援したのです」
認知症は、本人にも家族にも悲劇であり、人口が高齢化するなかでありふれたことになるのです。
「ベルリン人口開発研究所Berlin Institute for Population and Development」の2011年の認知症報告書(2011Demenz-Report、pdf2.8M)によると、ドイツには認知症の人が約130万人いて、2030年までに200万人、2050年までに260万になると推計されています。
二人は、9カ月前、最初の認知症ショップをスイスのバーゼルに開所しました。スイスで認知症の人や家族への支援が乏しく、不満が増大していることを知ったからです。
このショップは絶望的なスイス人が利用するだけでなく、ヨーロッパ中の人たちに注目されました。ここでは専門的な知識を提供するたけでなく、個別的な繋がりも作ります。ワイス氏は「みんな平等に扱います」と話しています。
認知症を持ちながら生きるための具体的な生き方を助言したり、ベッドでの排尿を知らせるモニターといった最新器機を提供もします。
こうし器機によって認知症の人の生活に尊厳と快適さを提供すると信じるマザンダー氏は、次のようにも話しています。
「安全のための器機のほかに認知症の本も販売しており、認知症の人に相応しい休暇向けの場所も準備します。認知症の人と介護者と家族に休息を提供し介護ストレスを軽減するものです」
さらに個別の電話相談もドイツ語、英語、スペイン語で利用できます。
またそのショップでは、介護者のための研修会を行いますが、積極的な在宅介護のから失禁対処などいろいろなコースがあります。忙しい病院では受けにくい個別的な対応も行い、研修を受けた介護者チームによる訪問介護も行っています。
州の制度とは別に、二人は自分たちの方法で臨機応変でかつ先駆的活動ができるという自由さを持ち合わせています。マザンダー氏は「なんでもします。私たちが経験したことをもとに最善と思った方法でできる」と話しています。
ドイツの初めての認知症ショップは来年の夏までにオープンの予定です。
(The Local (ドイツ版) 7 Oct 11 Dementia shop and advice centre comes to Freiburg)
関連情報:Demenzladen Basel
編者:認知症の人と家族のための地域で支える新しい活動のようだ。「認知症なんでもショップ」とでも言えそうだが、民間の経営で有料なのだろう。
★「アルツハイマー病最前線 Vol.1:アルツハイマー発症前診断・早期治療に向け、大規模国際研究が加速」(10月6日/日経メディカル)
アルツハイマー病の進行を食い止める「根本治療薬」の誕生が待たれる中、バイオマーカーを使った大規模な国際観察研究(WW-ADNI)が進められており、発症前の脳病態の進行過程が徐々に明らかになってきている。アルツハイマー病研究の最前線についてレポートする。
全文はこちら
(NM Online 2011年10月6日 原文のまま)
★フンボルト郡でのアルツハイマー病ケアの取り組み(10月4日/アメリカ)
全国的にはオバマ大統領の初めて政策として認知症研究と介護者支援とを共同で行うことにした国家計画が進められていますが、州や地方レベルでアルツハイマー病など認知症で影響受けた人たちを支援し介護するために何が進められているかもっと近くで見ることが大切です。昨年の春、カリフォルニア州が初めてのアルツハイマー病州計画Alzheimer's Disease State Planを発表しました。その計画は、アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationとカリフォルニア州保健社会福祉局California Department of Health and Human Servicesとの官民の連携で進められてきました。その計画には6つの目標と勧告が挙げられ2021年までにアルツハイマー病ケアを改善することを狙ったものです。アルツハイマー病と診断されることによる偏見を少なくすることはなににも増して必要なことです。計画は、一般の人たちへの啓発が必要なことを強調し、偏見を減らすための正しい教材を提供するものです。カリフォルニア州アルツハイマー病・関連疾患諮問委員会California Alzheimer's Disease and Related Disorders Advisory Committee―州計画の背景となる考えに賛同するグループから成る―の委員の一人は、フンボルト郡Humboldt Countyを代表するドレリー・ハイスラーDorelee Heisler氏(写真左上)です。彼女は、アルツハイマー病など認知症と生きる人たちの代弁者だけでなく、彼女自身もアルツハイマー病なのです。ハイスラー氏は自らの経験を次のように述べています。船着き場からボートやカヤックに乗り移ろうとしたことがあるでしょう。片方の脚をボートにもう片方の脚を船着き場に置きます。ボートが動きだすと、ボートと船着き場の両方に脚を置いたままたで懸命になります。私にとってそれはアルツハイマー病の世界なのです。ボートがアルツハイマー病で、船着き場がそれ以外の世界です。私はできるだけ多く二つを持とうと努めましたが疲労困憊しました」
ハイスラー氏は州の計画に賛同して、次のように話しています。
「州の計画は重要です。アルツハイマー病で人が抱いている多くの怖れを少なくするだけでなく、病気とともに生きる家族を支援するためのこれに代わるものとして理解や方法が提示されています」
ハイスラー氏は、地元のフンボルト郡認知症ケア連合Humboldt County Dementia Care Coalitionに参加することで地域の人たちを啓発し支援する計画に取り組んでいます。
フンボルト郡は、いろいろな面で特異で、その一つが認知症ケアへの取り組みです。一例としてのこの連合があり、これがフンボルト高齢者資源センターHumboldt Senior Resource Centerを後援しています。連合は郡全体からの会員で構成され、関心ある地域在住の人、組織、企業家、医療職およびアルツハイマー病の人が含まれます。センターの主な目標は、認知症ケアを改善し、認知症に対応可能な地域づくりを支援することです。
連合は、アルツハイマー病など認知症について地域での啓発の必要性を認識しています。これに応えて、アルツハイマー病など認知症の基礎教育に関心あるグループ―高齢者居住施設、サービス提供団体、診療所、教会―に出向くための講演者局Speakers Bureauを新設しました。教育課程はほぼ終わり、連合の加盟会員は12月に役割を与えられる発表があるでしょう。
認知症ケア連合は、年間をとおして地域の専門職や介護者に研修の機会も提供しています。
この郡には二つのすばらしいデイケア―フンボルト郡高齢者資源センターの一部であるユレカデイサービスEureka Adult Day Health Servicesとマドリバーデイケア―Mad River Adult Day Health Careがあります。これらのセンターは、質の高い認知症介護が得意で、家族と介護施設の要となるパートナーであり、郡の住人に質の高い介護を受けられるようにしています。
デイケアは、利用料平均1時間約15ドルのサービスを提供しますが、地域で利用できる介護に関する選択肢の一つです。デイケアの支援なしに地域で暮らすことはできないでしょう。デイケアのこのプログラムは、精神的身体的に活発にし、孤独を減らし、健康状態を改善し、機能の低下を防ぐものです。内容は、治療目的の活動、ゲーム、健康チェック、社会活動、食事、栄養相談、理学療法、作業療法、言語療法を含みます。
参加者の一人は次のように話しています。
「デイケアは社会との繋がりの機会を提供してくれます。他人がどのように自分たちの問題を乗り越え、どのように生きているかを知ることで私は自信を強くしました。治療面では、将来起こりうることを改善するための希望が与えられます。職員からの介護と心使いは素晴らしい。来た時に気分が悪くても2時間以内に私を笑わせるのです。息子は、看護師などの職員と私が支えている場所を知っているので安心しています」
カリフォルニア州が提示しているデイケアへの助成中止については多く人が注目しています。大きな懸念材料ですが最終的には法廷で決着されることになるでしょう。しかし、地域でサービスを提供するこうしたプログラムを続けるためにあらゆる努力がなされています。
フンボルト郡は、フンボルト高齢者資源センター内でアルツハイマー病情報センターAlzheimer's Resource Center(写真左下)を運営しています。このセンターは、介護者に支援と教育を行い、無料でさまざまな本やビデオを借りられる図書室があり、フンボルト郡とデルノルテDel
Norte郡の介護者支援グループも担当しています。初期の記憶障害者のためのフレンズカフェFriends Caf?も開設し、季刊「アルツハイマー病ニュースレターAlzheimer's
Newsletter」も発行しています。このセンターは、アルツハイマー病など認知症を伴う旅について家族を方向づける重要な出発点でもあります。
ハイスラー氏は自分の経験とサービスを関連づけて、次のように述べています。
「時とともにボートは波止場からますます遠くへ離れてゆきます。アルツハイマー病というボートに乗らなければならない時がくるでしょう。しかし、残りの世界と繋がったロープがあり、これでできるだけ多くの連絡をとるのに助けとなるでしょう。私にとってロープはアルツハイマー病資源センターとデイケアでしょう」
寄稿者のハッヘルリッグス氏Rachael Riggsは、ハンボルト高齢者情報センターHumboldt Senior Resource Centerにあるアルツハイマー病資源センターAlzheimer's Resource Centerの企画管理者です。詳しくはwww.humsenior.orgのサイトから情報を得てください。高齢者資源センターは、活動、暖かい昼食、宅配、ケアマネジメント、デイケア、アルツハイマー病サービス、介護オンブズマン、月刊機関誌「高齢者ニュース」を提供しています。
(Times-Standard 10/04/2011 Looking at Alzheimer's care from a local perspective)
★抗認知症薬を服用すると施設入居が遅くなるようだ(10月2日/イギリス)
リヴァプール大学心理保健社会研究所Institute of Psychology, Health and Society Liverpool Universityの精神科医エマド・サリブEmad Salib医師らのグループは、コリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)の服用と施設入居の時期との関係について調べました。セントヘレンスSt
Helensにあるピースレイクロス病院Peasley Cross Hospitalの精神科外来の患者で2006年にChEIを処方されていた339人について4年間追跡して介護施設への入居時期を調べました。対象者のうち、作為的に127人はChEI(74%はドネペジル、14%はガランタミン、8%はリバスチグミン、非該当のメマンチンが4%)が処方され、その他の212人については処方されませんでした。
追跡期間中の最初の30カ月間の中間にあたる12カ月目で、服用していた人と服用していなかった人とを比較したところ、前者で施設入居が少ないことがわかりました。しかし、追跡の最終時点でみると、二つのグループで施設入居の可能性について有意の差は認められませんでした。
この研究から2.5カ月間に、ChEIの服用と介護施設への入居時期が遅れることとが関係していると示唆されますが、今回の研究は介入試験ではなく観察試験によるもので、服薬と入居時期との因果関係の因果関係の明らかにされたとはいえません。
この研究論文は王立精神科医会Royal College of Psychiatristsの雑誌The Psychiatrist2011年10月号に掲載されました。
この調査結果についてサリブ医師は次のように述べています。
「認知症の人が介護施設に入居することは、本人にも家族にも苦痛を伴うことです。ほとんどの介護家族は、できるだけ長く自宅で介護したいと希望しています。入居を遅らせることにつながるどのような方法も重要です、証拠が正しいことを確かめなければなりません。こうした理由から「国立臨床研究所National Institute for Health and Clinical Excellence (NICE)」がこの分野でさらなる研究を勧告していることを歓迎します」
(MentalHealthy 02/10/2011 Old people's admission to care homes delayed by anti-dementia drugおよび論文Use of anti-dementia drugs and delayed care home placement: an observational study)
編者:アリセプトを服用すると施設入居が遅くなるという報告は以前カナダのを読んだことがある。今回の調査は無作為対照試験ではなく、外来診療でChEIを処方したグループとしないグループとで比較したものであり、ChEIが処方されなかった理由が明確ではない。このため結論は効果は示唆するが曖昧である。なおイギリスのNICEは軽度のアルツハイマー病にアリセプトは費用対効果で意義がないとして一時、適応を認めなかったことがある。それにしても1,2年の入居の遅れはChEIの有効性を示すものなのか。
★認知症の人には薬より裏庭がよい(10月1日/オーストラリア)
認知症のマヤ・クズニクMaya Kuznikさん(写真右)が、初めて高齢者介護施設ブパナーウィーBUPA(British United Provident Association)Narweeに着いた時、明らかに興奮して何時も何かすることがないか探していました。
彼女はホールを歩き回り、何を言いいたいのかはっきりしないのに出会う誰にでも話しかけるのです。また物を出したりしまったり、あちこちで椅子に座り、テーブルでナイフやフォークを移し替えたりしていました。
入居2,3週間後、その施設は、認知症の人に相応しい裏庭を利用できるようにし、チョーク、ロープ、土いじり用道具が備えられています。まもなくクズニクさんは、絶え間ない不安からより生産的な趣味を楽しめるようになりました。不安な行動は、頻度の面でも強さの面でも鎮まったのです。しかもこれは彼女だけのことではないのです。
ブパケアサービスBupa Care Servicesは、昨年、施設のうち7カ所で70人の入居者のために裏庭の導入を試みました。導入後6週間で、興奮や攻撃的行為が30%の減少し、うつ状態が平均21%減りました。
認知症の人の90%ほどは、何らかの行動上の混乱―行ったり戻ったりから大声をあげる暴力など―を経験します。オーストラリアのナーシングホームの入居者の28%以上は、こうした症状を抑えるために抗精神病薬が処方されています。
この種の薬は、鎮静、パーキンソン病様震え、転倒、認知機能低下、体重増加、コレステロール、糖尿病、脳血管障害の悪化、さらには死亡といった副作用があります。
理論的には、この薬は最後の手段とすべきですが、「広く使われ、結果的に認知症の人に不利益になっている」と専門家は話しています。
オーストラリアアルツハイマー病協会Alzheimer's Australiaの研究管理者のクリス・ハサーリChris Hatherly氏は、「おとなしくなるのを期待しているのでしょう」と示唆しています。
さらに彼は次にように述べています。
「抗精神病薬は、本来、幻覚、妄想、統合失調症の症状などの精神病的症状の治療のためのものです。抗精神病薬が処方されている認知症の人にはこうした症状はほとんどありません。基本的に、管理のためであり、一種の化学的拘束です。
抗精神病薬を服用した人のわずか16%にしか利益が出ていません。にもかかわらず何故、広く使われているのでしょう」
ハサーリ氏ら専門家は、適切な介護技術に欠けている職員に金をかけず彼らに時間的余裕がないことを非難しています。
今年7月発行のイギリス医師会雑誌BMJに、抗精神病薬や抗うつ薬を含む通常のケアと段階的疼痛管理法の効果を比較したノルウエーの研究結果が載りました(訳注)。352人の中程度から重度の認知症の人にとって鎮痛剤のアセトアミノフェンが、危険で高価な抗精神病薬より行動上の問題―とくに興奮―を減らすのに最も効果的だったのです。8週間で、アセトアミノフェンが認知症の人の70%の行動を改善しました。
痛みは、通常、よく評価されずまた管理もされていません。認知症の人は社会的に受け入れられる方法で自分の不満を表現することができないため興奮や暴力的行動が起こるのです。
ニューサウスウエールズ大学University of NSWの精神科医のブライアン・ドラッパーBrian Draper医師(写真左上)は、認知症や高齢者に関係した心理的課題の専門家ですが、鎮痛剤はまだ緊急的対応の候補薬ではないと警告しています。認知症は状況判断や会話の理解の能力を低下さるので、間違ったコミュニケーションや乏しい理解が多くなるのです。彼は「容易に間違った解釈をしてしまう」と話しています。
たとえば、ある認知症の人にとっては、職員がシャワーをしようとするとそれが恐怖や暴力と思い込み、職員に反撃することになるのです。別の認知症の人は、異性の職員が自分の服を着替えさせようとすると困惑するのです。
さらにドラッパー氏は次のように述べています。
「問題が、日々のどのような活動や状況のなかで生じているか、そのパターンを探し、認知症の人の背景は好みを理解することで、簡単な別個の方法で問題を解決することができることが多いのです」
理想的には、施設が小さいユニットに分割され、十分明るく、認知症の人が道順を見つけやすく、くつろげる多くのスペースがあることが望ましい。ブパが試みている裏庭のような家庭的な雰囲気は、認知症の人を穏やかにし自信を持たせるのに役立ちます。
そしてドラッパー医師は「多くの施設は重度の認知症の人を介護するようには設計されていません。その結果、抗精神病薬が使われる」と話しています。
専門家は次のように指摘しています。
「薬はそれぞれの存在する役割があります。行動上の大きな混乱のある認知症の人にとって薬が唯一の助けになります。特に背景となるきっかけが明らかでない場合です。この場合、脳内の神経伝達物質の変化が原因からもしれないので抗精神病薬が役立つことになるでしょう」
これは、ハサリーとドラッパーおよびNSW大学認知症共同研究センターUNSW's Dementia Collaborative Research Centreのヘンリー・ブロダティHenry Brodaty所長(写真左下)が同じくする見解です。しかし抗精神病薬が必要な場合、認知症の人にできるだけ短期間できるだけ少量で処方されるべきです。さらにブロダティ所長は「治療は定期的に検討されるべきだ」と述べています。さらに彼は「ナーシングホームで認知症の人を診る時、抗精神病薬は中断します。認知症の人があまりに鎮静状態にあり、混乱し、頻繁に転倒するからです」と述べています。
ナーウィーに戻ると、クズニクさんは十分な介護職のなかで、草を集め、洗濯物を干し、卵を拾い、鶏に餌をやっています。落ち着かないということはほとんどなくなっています。
彼女の薬は? 量が減らされました。
ブロダティ医師は満足することでしょう。
(The Australian October 01, 2011 Backyard better than medicine for dementia patients)
訳注:論文Efficacy of treating pain to reduce behavioural disturbances in residents
of nursing homes with dementia: cluster randomised clinical trial BMJ
17 July 2011
編者:日本でも常識となっているケアである。しかし不思議なことに我が国の介護施設で抗精神病薬がどのように使われているかのデータや報告を知らないし、学会などからの警告を聞いたことがない。
★認知症の妻を窒息死させ、夫は入水自殺(9月28日/イギリス)
検死官は、「妻を窒息死させた夫の行為は人間を荒廃させる病気の最期にあった妻の尊厳を守るための慈悲の思いからである」と述べています。
2009年11月、北アイルランドのエニスキレンEnniskillenに住むビル・バーブーBill Barbour氏(89歳)は、アルツハイマー病の末期の妻アンAnne(83歳)(写真左上)を殺し、その後、自宅近くの湖に入水自殺しました。
検死官によると、夫人の状態はとても悪く、事件の2009年の11月の後6カ月後には亡くなるようであったとのことです。
夫人は、自分の子供を認識できず、基本的な事柄を思い出せず、近くの公園で混乱して歩いているのを発見されたことがあります。
夫のバーブー氏は、ポルトラ王立学校Portora Royal Schoolの元教師で、主な介護者でした。
夫婦の息子のジェームス・バーボーJames Barbour医師(写真左下)は、夫婦が亡くなる二日前に、「父は、母は施設で世話になるべきだと話していました。また限界が来たようなことを私に相談しのだと思う」と述べています。
11月24日、夫人の死体は友人のシェイラ・フィリップスSheila Philips氏がスリゴ通りSligo Roadにある自宅で発見し警察に電話しました。彼女の夫のジョンJohn氏がバーブー家の裏口の戸に紙が挟まれているのを見つけたのです。その紙にビル氏が「妻は2階に居る」と書いており、夫人が2階に上がるとアン氏の頭がプラスチック製の袋で覆われているのを見つけたのです。
また夫は、前夜いつものチェスクラブの集まりに姿を見せなかったので不思議に思われました。ダイバーのチャールズ・コックセッジCharles Cocksedge警察官は、翌日、湖で水深4メートルところにうつ伏せでになっている夫の死体をを発見しました。
「認知症は誰にとってもとても品位を落とす病気で、無駄なまま病気でいなけれならないのです。長く生き過ぎた」という人もいます。
検死官のブライアン・シェラードBrian Sherrard氏は、夫は慈悲の行為(赦免行為act of mercy)で妻を窒息させたと裁定し、「バーブー夫婦は明らかにプライバシーにも尊厳にもとても気遣っていた」述べています。
バーブー医師は次のように述べています。
「父は母の願いを実行したと信じています。母は、かなり明確に、もし希望のない状況から自分自身を救いだすことができなくなれば、死にたいと思っていました。父はそれを聴いて母の望みにそったことを行ったのです」
(BelfastTelegraph 28 September 2011 Man killed dementia-hit wife in 'act of mercy' before drowning himself
)
サイト内関連記事
編者:この事件は2009年にサイトで紹介した。今頃になって裁判が結審したのだろうか。それにしても今月28日に浜松市で起きた認知症に関わる老夫婦の心中事件と似ているようだ。
★「物語を話す」ことは認知症の人の生活の質に良い(9月26日/アメリカ)
私たちは、毎日、認知症について悪いニュースを読みます。アルツハイマー病はまだ治らない、認知症介護の費用はベビーブーマーの高齢化で爆発的に増える、日々の介護のストレスなど。これとは反対に、「タイムスリップスクリエイティヴ物語を話すプロジェクトTimeSlips Creative Storytelling Project(TCSP)」は、認知症の人と家族と介護者にとって珍しくよいニュースを提供しました。このプロジェクトは、新しくて自由で相互的な物語を話すサイトを立ち上げたのです。サイトの開設は、「全国成人デイサービス協会National Adult Day Services Association (NADSA)」の年次会議で行われました。
写真と言葉を使ってサイトの参加者の創造性を引き起こすように刺激します。タイムスリップは、認知症の人が自分たちの想像力を引き出し、他の認知症の人や介護者や家族との繋がりを造り、記憶が欠落したり間違った答えをすることを恥ずかしいと心配することもなく自分を表現できるような楽しく気楽な方法を提供します。この新しいサイトの訪問者は、サイトが用意している思い出ライブラリーにある何百という画像と質問で生まれる物語を、認知症の人と一緒に座り、読み、作り、共有することができるのです。また一緒の物語を、全国にいる家族とオンラインで創ることもできます。
ウンスコンシン大学ミルウオーキー校加齢・地域センターUniversity of Wisconsin Milwaukee's Center on Age & Communityのアンネ・バスチングAnne Basting所長(写真左上)は、NADSAの会議で次のように話しました。
「家族は認知症と格闘して、日々管理的な介護に疲れはてています。この新しいサイトで、病気にのみ集中することから離れ、成長し学び遊びながら一時を過ごすことができるような創造的で積極的な方法を提供します。タイムスリップスは、記憶への関心から想像力を楽しむ機会に代えて、誰もが物語を話す力を生む楽しい経験となります」
タイムスリップスは介護の現場で証明され、今、誰にでも役立つものです。
タイムスリップスの元型は、介護施設で試され、認知症にように認知機能障害をもった人のコミュニケーションを助けるように特別に工夫されたものです。1998年からタイムスリップスは、2000人以上の専門職の研修を行いました。また二人で評価された研究によると、タイムスリップの物語を話すという活動によって認知症の人に日々の生活で得る喜びを増すということが示唆されています。ナーシングホームでは、職員と入居者との社会的関わりを増やすことにも繋がっています。
2011年に発行された著書「アルツハイマー病と診断されてからのよりよい生活Living Well After the Diagnosis of Alzheimer's Disease」の共同執筆者で医療ソーシャルワーカーのリサ・グワイサーLisa P. Gwyther氏(写真左下)は「新しいサイトは、家族が新しい方法で互いに話を一緒の作れるような魅力的で簡便なきっかけを提供している」と話しています。
タイムスリップスで研修を受けることもできます。
サイト訪問者は、タイムスリップスを無料で利用できますが、認知症グループなどさまざまな場でこれを利用する予定のある人nは研修を勧めています。研修を受けた人にTCSPは個人向け、団体向けの認証書を発行しています。
タイムスリップスでのオンライン研修は、認知症の人および高齢者サービス、芸術、教育などの分野の指導者たちに支持されてきました。最近、認知症と診断されたデイヴ・シーハンDave Sheehan氏は、「私は覚えられませんが想像することはできますという啓示は、私の知性と心と魂を祝福した」と述べています。
タイムスリップスについて
最初、TSCSPは、専門向けに制作された遊び、芸術作品、本、そして今はサイトと通して広く物語を共有するように何千という物語を作り、そのメッセージを拡げています。タイムスリップのサイトは、オープンソース、ウエッブデザイン、顧客向けソウトウエアー、大小の会社のウエブサイトやアイデンティティ開発を得意とするスウエイデザインSway Design によって開設されました。
タイムスリップスの創始者のアンネ・バスチング氏は、UWMのペック芸術学部Peck School of the Artsの舞台准教授で、「記憶を忘れる:認知症の人によりよい生活を創るForget Memory: Creating Better Lives for People with Dementia」(ジョンズホプキンス大学出版部Johns Hopkins University Press 2009年発行)の著者で、ごく最近、ソージョンシアターSojourn Theatre およびルーサーマノー Luther Manorと共にペネローププロジェクトPenelope Project の作家であり制作者です。
新しいタイムスリップスのサイトは、ジェイコブ・ヴァレリアランゲロース財団Jacob and Valeria Langeloth Foundation、ピッカー研究所Picker Institute、エクステンドケア財団Extendicare Foundation、ヘレンベイダー財団Helen Bader Foundationおよび退職研究財団Retirement Research Foundationからの支援を得て開発されました。
(MarketWatch Sep 26, 2011 Good News on Dementia Care: Storytelling Program Improves Quality of Life)
編者:回想法の一環として我が国で問い入れてもよいサイト例だ。「思い出館」と違い、どこでも誰でも楽しめ役立つサイトとなろう。
★アルツハイマー病ケアがアメリカ経済をダメにするだろう(9月26日/アメリカ)
現在、アメリカにはアルツハイマー病の人が540万人います。かれらの脳細胞は破壊され、記憶力と運動機能が低下し、家族や見慣れた物の認識が出来なくなり、自分の行動を理解することがとても困難になり混乱するということになります。
こうした人540万人の人を適切に介護するために、全国のナーシングホームの有給の看護師と同時に、1500万人の無給の介護者―ほとんど家族―が必要です。
アルツハイマー病協会Alzheimer’s Associationは、こうしたすべての介護に年間1830億ドルが必要と算出しています。悲しいことに、ほとんどのアルツハイマー病の人、ベッドから起こす、衣服を着せる、食べさせる、トイレに連れて行くといった私たちが当たり前と思っている簡単な行為のために日々の介助が必要なのです。
もし治癒方法が見つからなければ―現在のところその希望はない―、認知症の人の数は、3倍の1500万人になるでしょう、その半数は1日24時間1週間7日間、高くつく介護が必要な人となるでしょう。アルツハイマー病協会は、この病気が身体面から始まり脳の神経細胞の束の間での伝達が阻害されることが多くなるとしています。最終的に、神経細胞の束がある種の斑によって侵入され衰え、いずれは死滅させられるのです。
こうした斑が多くなってとてつもなく高い介護費用がいるにも拘わらず、この病気の研究に向けられるお金は、がん、心疾患、エイズの研究で使われる額のごく一部なのです。国立保健研究所National Institute of Healthは、アルツハイマー病の予防や治癒の研究では遅れていますが、2011年の資金として約4億5000万ドルを向けるとしています。
ジョンズホプキンJohns Hopkins大学の心理学と神経科学の共通分野のマイケラ・ガラガーMichela Gallagher教授(写真左)は次のように述べています。
「国の医学研究の予算削減の怖れは、『治療されない患者の嵐』がやって来ることを意味します。アルツハイマー病は、医学的解決というレーダーにはまだ映っていないのです。
解決方法を見つけるのがとても困難という課題があります。治癒のための臨床試験が行われている療法がほとんどないのです。たとえば、大手製薬企業のイーライリリーEli Lillyは、治療薬の可能性がある候補薬に莫大な額の投資をしましたが、臨床試験第3相で中断しました。薬が患者の状態を良くするのではなく悪くしたのです。
研究者が見つけたことは、アルツハイマー病の早い時期に介入すべきだということです。私たちに時間的余裕はありません」
「メイヨークリニックアルツハイマー病会報Mayo Clinic’s Alzheimer’s Bulletin」は、研究者が脳でどのようにして斑形成を防ぐか免疫細胞を使って見つけようとしていると報じています。斑を除去しようとすると脳細胞も殺すことになるでしょう。メイヨーは、ある薬に似た物質が破壊する蛋白を早く破壊することができると信じています。MRIは、他の神経退行性疾患と比較してアルツハイマー病の早期診断を行うために使われています。
FDAが承認する5つのアルツハイマー病薬がありますが、これらは症状の進み方を一時的―最大6カ月から12カ月間―に遅くすることはできます。もし、アルツハイマー病になる可能性を下げたいなら、煙草を止め、身体的活動を活発にし、肥満や糖尿病を避ける食事を摂り、コレステロールを下げる薬を飲みましょう。しかも今日始めることです。
記事はフォーブのスタッフであるロバート・エンズナーRobert Lenzner氏(写真右)。
(Forbes 9/26/2011 Alzheimer's Care Could Well Devastate The US Economy)
編者:タイトルのわりには記事の内容は常識的だ。アルツハイマー病の状態の多様性についてよく理解してないように思う。
★増えるアルツハイマー病を減らす適宜な行動(9月25日/インド)
インドではとてつもない数の370万の人がアルツハイマー病です。この病気は、他の認知症と同様に痛ましい退行性神経疾患です。
インドアルツハイマー病・関連疾患協会Alzheimer’s and Related Disorders Society of India (ARDSI)は、増加しているこの脅威を少なくするために早期診断と早期介入が必要性だと訴えています。アルツハイマー病は2030年までに2倍になると推測されており、限られた時間のなかで必要なことを政府と民間から速やかに注目し行動してこの心配すべき状況に対処しようとしています。全国的に初めての民間団体であるARDSIは、国際アルツハイマー病協会Alzheimer’s Disease International (ADI)の正式会員で「認知症インド報告Dementia India Report」(pdf3.8M)に驚くべき事実を挙げています。なおADIは、世界76カ国のアルツハイマー病協会の国際的連合組織です。
いくつかの研究によると、アルツハイマー病など認知症の人の現在の治療費はおおよそ1590億ルピー(訳注本日1ルピー=1.6円)ですが、2030年までに3270億ルピーの2倍になると推測されています。ARDSIの全国議長のジェイコブ・ロイ・クリアコーズJacob Roy Kuriakose医師(写真)は「私たちの国では、認知症への認識がとても乏しいのです。推計では、60歳以上の370万人のインド人がこの痛ましい病気で、女性が210万人、男性が150万人がアルツハイマー病など認知症なのです」と話しています。
同協会は報告書で以下のことを指摘しています。
○ 認知症の370万の人数は2030年までに2倍になると予測されている。
○ 治療費は、2030年までに1590億ルピーから3270億ルピーと2倍になると予測されている。
○ 政府もNGOもともに、治療上のとても大きなギャップを埋めるように前進すべきだ。
インドでの治療上の大きなギャップとは、アルツハイマー病など認知症の90%が見過ごされたままであることです。さらに、診断がされたとしても、介護者や家族は病気について知らないままであり、どこで支援を得てよいか知りません。現在行われている9月18日から24日までの「全国認知症啓発週間National Dementia Awareness Week」の行事に関連してジェイコブ医師は、認知症の人と家族が必要なことに応え、問題を軽減するための認知症戦略の発展と政策の形成の集中する必要性を強調し、この社会に多いこのアルツハイマー病など認知症にたいして無視と偏見をなくすために行動計画を作成することが重要であると訴えています。
インドの中央政府も地方政府も、認知症の啓発を高め、介護ための労働力を培い、保健制度を強化するなどさまざまな国家戦略を作成することがこの病気への姿勢です。
実際に受けている介護と必要な介護との間のサービス上の明らかなギャップを埋めるために、ARDSIは、次の計画を要請しています。
○ 認知症に関する全国的な啓発、知識、理解を推進すること
○ 家族と介護者が要となる役割であることを認識し支えること
○ 多角的な認知症ケアモデルを展開すること
○ 認知症の人のための政策と法整備を進めること
○ 政府は今後の5年間計画に認知症ケアを含めること
○ 認知症の人と家族にとって早期発見と医療と社会的支援へアクセスしやすい施設を設けること
○ 地域支援を向上させること
ARDSIは、非宗教性で非営利のボランティア団体で、1992年から認知症の介護、支援、研修、研究を目指してきました。さまざまな集いを通して一般の人たちに認知症についての知識を拡げるための前線に居て、休息ケア、デイケア、施設ケア、メモリークリニック、家族、医師、看護師、ソーシャルワーカーの研修に懸命に取り組み全国事務所と全国14カ所の支部によって全国的な調査を進めています。
(merinews 25 September 2011 Timely action required to curb growing prevalence of Alzheimer's)
編者:長いお付き合いのロイ医師は来年からADIの議長に就任予定。
★認知症について講演(9月24日/バルバドス)
全世界で9月21日は世界アルツハイマーデーWorld Alzheimer’s Dayで、この日を記念してさまざまな活動が行われました。
バルバドスでも、この日に「認知症のさまざまな姿‘Faces of Dementia’」をテーマに、全国公務員同盟National Union of Public Workers (NUPW)のダルケス本部で講演が行われました。
講演会にはかなりの人々たちが集まり、カナダ・モントリオールにあるユダヤ総合病院Jewish General Hospitalのスーザン・ヴァティクナスSusan Vaitekunas医師が、テーマにそった講演をしました。ヴァティクナス医師は、老年科医であり、認知症―認知症の人や病気の新しい治療の試みなど―について経験が深い医師です。
彼女は、医師がさまざまな型の認知症をどのように診断するか、また症状と進行度および治療などについて話しました。
講演から得られた情報は啓発的なものであり、参加者と相互的な講演で理解しやすいものでした。
ヴァティクナス医師は次にように話しました。
「認知症について理解する一つに方法は玉ねぎを想像するとよい。玉ねぎは、種を植え、成長して大きく成り始めると層を形成します。人間が成長するとき多くの記憶、技術、経験を積みますが、それが層を成して形成され、時とともに外の層から剥がれてゆきます。
認知症は、記憶などの機能が低下することで個々の人の生活に多くの変化を及ぼします。アルツハイマー病は、認知症の一つの型で、次第に悪化します。家族にアルツハイマー病人がいた家族歴があれば、注意することが重要です」
ヴァティクナス医師によると、病気が診断されることで患者だけの問題ではなく、医師は家族、介護者、友人にも告げなければなりません。患者の生活歴は重要であり、患者は忘れているということを周囲の人が覚えていないかもしれないからです。
日日の生活やすることが正確でなくなるかもしれません。認知症の人が、うつ状態になったり譫妄になったりすることで診察が必要なこともあり、身体的な検査、記憶や思考の心理検査、血液検査、CTやMRIの脳画像検査などが行われます。
講演中、参加者にさまざまなスライドを示して認知症の人の脳と健康な人の脳の機能の違いなどを指摘しました。
認知症は、軽度、中等度、重度または終末期への段階的に進みますが、ヴァティクナス医師はこうしたことを少しでも避けるのに役立つ方法があるとして、マリファナやコカインといった「路上の薬」をのまない、よく睡眠をとる、社会的な繋がりを保つこと、多量の酒やたばこを控えることがあると指摘しました。
新しい治療については、すばらしい可能性が生まれつつあります。現在行われている免疫療法試験で、脳内の斑に対する抗体を注射する方法です。これによって病気の原因となる斑に対して免疫系統が反応するのです。
ヴァティクナス医師は「もし斑を取り除くことができて病気を取り払うことができるかどうかいつことは興味深い」と話し、最後に「認知症は認知症の人だけでなく、その人たちを介護する人も支援しなければなならいことを覚えておいてほしい」希望して、講演を終わりました。
(The barbados advocate 9/24/2011 Lecture explores ‘faces of dementia’)
関連情報:国際アルツハイマー病協会の正式会員であるバルバドスアルツハイマー病協会Barbados Alzheimer's Association の連絡先。
Room #3 Bethesda, Black Rock, St Michael, Barbados
Tel: +1 246 438 7111 Fax: +1 246 427 4256
Email: barbadosalzheimersassociation@caribsurf.com
編者:カリブ海でもとイギリス領の小さな島国でも世界アルツハイマーデーの取り組みがある。なぜカナダの老年科医が呼ばれたのかわからないが、玉ねぎの例は私も講演の時よく使った。「人の記憶は玉ねぎが芯から外に向かい、古い記憶から新しい記憶へと層状に形成される。アルツハイマー病になると外の皮から芯に向かって皮が剥がれるように新しい記憶から古い記憶へと失われる」と。
★「認知症でも、自分らしくいられる場所」(9月24日/スイス)
高齢化と共に、日本同様、スイスでも認知症患者が増えている。次々に消えていく記憶。思い出せない家族の顔。心に残る大切な思い出も、これまで築いてきたプライドも、認知症は容赦なく奪い去る。
認知症患者に対する最善のケアが模索されている中、多くのメディアから賞賛されている介護施設がチューリヒ郊外にある。
認知症患者専門の介護施設「ゾンヴァイト(Sonnweid)」は不安な心の世界を生きる認知症患者一人ひとりに寄り添った介護を目指し、人の尊厳を最大限に重視している。
光が降り注ぐ大きな窓。気持ちを落ち着かせるような青い廊下。緑に覆われた広い庭にはカラフルな彫刻でできた噴水が心地よい音をたてている。チューリヒ州ヴェチコン(Wetzikon)にあるゾンヴァイトは、まるで素敵な保養所を思わせる。
長期滞在者からデイサービス利用者など約150人の重度認知症患者が利用し、若い人では40代もいる。平均滞在期間は2.5年間。入居者の95%はここで生涯を閉じる。入居者はみんな「住人」と呼ばれ、施設内ならどこでも自由に心赴くまま歩き回れる。使用中のトイレを除けば、カギのかかった部屋は原則的に一つもない上、壁で空間を仕切ることを極力避けたオープンな構造になっている。
スタッフはパートも含め、約240人。コックであろうと、清掃員であろうと、スタッフ全員が認知症患者の介護に関してきちんと教育を受けている。
一人ひとりに合った介護
ゾンヴァイトは認知症の程度によって、グループホーム、ハイム、集中介護部門「オアシス」の3カ所に入居者を分けている。ハイムとオアシスはゾンヴァイトの敷地内にあり、グループホームは車で5分ほど離れた町の住宅地にある。
グループホームは一つの住居に6人から10人規模で共同生活をする場所で、個室があり、台所やリビングなどは共有する。ゾンヴァイトには4つのグループホームがあり、計33人が暮らしている。ここにやってくる人は、手助けさえあれば、料理や電話など大体のことは自分できる人たちだ。スタッフはサポート役として、買い物や食事の手伝いをし、住人ができなくなってしまったことを補う。一緒に何かをやるか、ただその場でみんなの様子を眺めるかは本人次第。ここでの基本は、人とのつながりを持つこと、人のそばにいることだ。
人の話す言葉があまり分からなくなり、社会的能力も失われてしまった人は、ハイムに入居する。基本的に2人部屋で、ゾンヴァイトの住人の大半(約100人)がここで暮らし、一生を終える。歌や工作など、一応のプログラムはあるが、それを一緒にやるかやらないかは住人の自由。スタッフがギターをかき鳴らして歌えば一緒に歌ってみる。興味がなかったらほかのところへ行って、好きなように時間を過ごす。スタッフは良きパートナーとなって、その住人が今という時間を精一杯生きられるよう、最期までサポートする。
認知症のみならず、身体的にも重度の介護が必要な人には「オアシス」がある。現在7人の住人が暮らしている「オアシス」は、120平方メートルと間取りが大きく取られ、その広い天井は、朝は温かみのある太陽の色、夜は星の輝く夜空に人工的に変わる。朝にはコーヒーのいい香りが漂い、寝たきりとなっても朝食の時間だと分かる。個室ではないので、周りに人がいることも感じられる。
家族介護はいずれ限界に
「症状の程度にもよるが、自宅での介護にはいずれ限界が来る。仕事をする傍ら認知症の家族を介護し、満足のいく生活を送れる人などほとんどいない」と施設長のミヒャエル・シュミーダー氏は話す。
実際、夫に週3回面会に来るという初老の女性は、夫がここで暮らしていることに非常に満足していると話す。のんびりとオープンテラスでくつろぐ夫に、女性は聞いてみた。「ここでの暮らしはどう?」。少し間をおいて、男性はゆっくりと答えた。「とっても、いい」
たとえ質問の意味がよく分かっていなくても、また自分の状況を把握していなくても、ただ妻と一緒に外の空気を吸い、お茶を飲むという今の瞬間に、男性は満足している。その事実をこの男性は短い言葉で語ってくれたようだ。
気持ちに寄り添う
ゾンヴァイトが実践する介護の基本は、住人の「ウェルネス」。住人にとって居心地のいい場であるために、住人を「患者」ではなく「パートナー」と見なし、常に住人と同じ高さの「目線で接する。
「私の夫はどこへ行ったの?」と、すでに20年前に亡くなっている配偶者の姿を探す住人には、「ご主人がここにいらっしゃらなくて、寂しいのですか」と声をかけ、住人の悲しい気持ちを認める。決して、主人が亡くなった事実を説得しようとはしない。
「悲しかったり、寂しかったりする気持ちをありのまま認める。それだけで、自分が他人に受け入れられたと安心できる。これは何も認知症患者に限ったことではない。あなたも自分の気持ちが他人に認められたら嬉しいでしょう」とシュミーダー氏は話す。
鏡に映った自分の姿を見て、「あ、お母さん」と言った住人の女性。記憶がごっそりと消え去り、母親が生きていた頃の自分に戻ってしまったという。認知症患者がどんな世界を、いつの時代を生きているのかを把握するのは難しい。だが、シュミーダー氏にとって、それは大した問題ではない。「住人がどんな世界に生きていようと、みんなが求めていることはただ一つ。それは、どこにいようとも、自分が受け入れられていると感じること」
物忘れが激しくなっても、意思疎通ができなくても、「その人に残る心」を大切にし、同じ目線で接する。人の尊厳を重視するゾンヴァイトは、スタッフの養成や外部に向け講義なども行っており、ヨーロッパを中心に世界中から見学者が訪れている。
「人の尊厳を基本にする介護が広まるよう、ゾンヴァイトが認知症介護の原動力になれば嬉しい」と、シュミーダー氏は力強く言った。(鹿島田芙美 ヴェチコンにて)
(swissinfo.ch 2011年9月24日 原文のまま)
★第5回「全国認知症研究フォーラム」開催(9月22日/オーストラリア)
本日、シドニーのウエズレイカンファレンスセンターWesley Conference Centreで第5回「全国認知症研究フォーラムNational Dementia Research Forum」が開催され、認知症の優秀な研究者たちが、最新の研究をアツハイマー病の予防と治療にどのようにつなげるかを論じ学び合うために集まりました。
2日間の会議の第1日目の主要なテーマは、ニューサウスウエールズ大学University of New South Walesに拠点をおく「認知症共同研究センターDementia Collaborative Research Centre」からロンダ・ネイRhonda Nay教授(写真左上)が楽しくも困惑する課題について報告しました。教授は、「ビクトリア・タスマニア研究センターStudy
Centre for Victoria and Tasmania」を運営している「認知症タイムTIME for Dementia」の議長でもありますが、
最初、参加者に向かって「今朝、セックスした人はだれ」と尋ね、介護施設における高齢者介護での性的なことについて話し始めました。介護を受ける高齢入居者の立場に立つことを参加者に訴えました。
性と高齢者はデリケートな課題であることを受け入れながら、彼女は、施設の部屋にいる両親がセックスする前に自分の子供の承認を求めますかと問いました。答えは「いいえ」でしょうが、高齢者介護施設の入居者の子供が大人になって親の性交に関わって相談を受ける必要はないと指摘しました。自分の年老いた両親の性的活動について施設職員がその子供に尋ねるべき理由はないのです。
高齢者と性の問題は、これまで、入居者自身に関わることではなく、この問題を議論するのを好まなかった高齢者を介護する職員、医師など医療専門職は嘘は言わないという程度のことでした。
この問題について25年間余り関わってきたネイ教授は「性はどこにでもあることですが、高齢者となると、私たちは問題にして腰を落ちつけて真剣に取り上げることになるのです。
職員―とくに高齢者の性について想像できないような若い職員―はこの問題について話し合うのが難しいそうです」
エイ氏は、4カ所の調象施設で性について人々が話しやすいようにな評価方法―特にセックスする介護を受けている認知症高齢者について―を開発したと発表しました。
この全国フォーラムの開会式でNSW州知事のマリー・ヴァシールMarie Bashir教授(写真左中)が開会であいさつをして、「フォーラムの組織関係者とオーストラリアアルツハイマー病協会Alzheimer’s Australiaへ賛辞を送り、認知症の人と家族の生活に変化をもたらした彼らの情熱とアルツハイマー病が治らないとすれば新たな解決を見出すという貢献について述べました。さらに彼女は、今回のフォーラムの要となる認知症擁護者と実際に従事している人たちとが一体となることの重要性を強調し、「高齢者は忘れてはならない重要な人たちです」とも語りました。
そのあとの開会式では、オーストラリアアルツハイマー病協会の会長でよく知られたメディア関係者で女性実業家のイタ・ブットローゼIta Buttrose(写真左下)氏の講演がありました。ブットローゼ会長は、現在実施されている「認知症啓発週間Dementia Awareness Week」では認知症により多くの資金と政治的活動が必要であり、そのため国家認知症戦略の導入し、認知症と国家保健優先事項National Health
Priorityに2013年以降も含めることを要請しました。さらに会長は、「認知症についてよりよい地域的な認識が必要性であり
私からみて認知症への国家的取り組みが長く遅れており、認知症にまつわる問題で高齢者介護は別のものではなく、むしろ医療全体に関わることです」と話しました。
さらに彼女は「残念なことに、オーストラリアアルツハイマー病協会、介護者、認知症の人への関心は、政府からはかなり無視された」と語り、政治家が耳を傾ける行動を要請しました。最後にオーストラリアアルツハイマー病協会はキャンベラの国会議事堂への行進に参加することを出席者に呼び掛けて講演を終えました。この行進は10月3日に行われる予定で、政府が認知症のための投資を現行どおりかそれ以上に増やし、認知症を国家保健優先事項に含めることも要求するものです。
第5回全国フォーラムは、全国に3カ所ある認知症共同研究センターでの研究および診断、治療、管理についての最近の研究結果を報告し、新しい研究者に技術と考えの展開する討論の場を提供するものです。
本日の全体会議では、心と体の運動、運動と認知機能、認知症の合併症などが報告されました。明日は、カナダのマックギル大学McGill Universityのジョン・ブライトナーJohn Breitner精神科教授(写真右)が、「アルツハイマー病の予防―現実的な目標か―」と題して講演します。
(australian Ageing agenda 22/09/2011 Sex, dementia, exercise and more)
★認知症外来の開設が急務(9月22日/パキスタン)
イスラマバードに在るシファ国際病院Shifa International Hospital(SIH)の著名な神経科医たちは、政府と民間の分野で、認知症外来と介護施設の設立を要請しました。これは世界アルツハイマーデーWorld Alzheimer’s Dayを記念してSIHの神経科が9月21日に開催した「認知症の多様性Faces of Dementia」と題する会議でこのことを報告しました。
その後会議は、同じくイスラマバードに在るパキスタン医学研究所Pakistan Institute of Medical Sciences(PIMS)のモハマド・タリクMohammad Tariq教授(写真左上)、SIHの神経科長のイスメイル・カトリIsmail Khatri医師(写真左下)およびその他のSIHの神経科医―アルサラン・アハメドArsalan
Ahmad医師(写真右上)、アザール・サイードAzhar Saeed医師、マイムーナ・シディキMaimoona Siddiqui医師(写真右下)―などの専門家を含めてQ&A方式で行われ、医師らは質問に詳しく答えていました。
SIHの准教授でコンサルタントの神経科医のアルサラン・アハマドArsalan Ahmad医師は、次のように話しました。
「認知症は、脳のびまんせい性疾患で知性、行動、性格が進行性の衰退し、アルツハイマー病は高齢者に最も多い型の認知症で高齢期の障害の主な原因のひとつです。65歳以降で認知症は5歳ごとに2倍になります」
さらにアハマド医師は次のように述べています。
「2002年、パキスタンには約577.5万人(訳注)の認知症の人がいましたが、全世界では3560万人で、2030年までに6570人になると推計されています。
認知症は脳の進行性退行性疾患群の総称で、記憶、思考、行動、感情が影響を受けます。症状は、記憶障害、適切な言葉が言いにくい、言葉の理解が難しい、なれた仕事が出来にくくなる、性格や感情の変化です。
個々人が違うように、認知症も影響は個々人で異なります。全く同じ経過をたどる認知症の人はいません。性格、全般的な健康状態、社会状況が認知症を決める重要な要因です。
早期診断は有用です。これによって、介護者は病気の進行に対応でき、認知症の人自身が財産や法的課題について自分の能力が低下する前に決める機会を得ることができます。さらに認知症の人自身が、現在ある治療法を受けるよい機会も持つことができるのです」
結論としてアハマド医師は、認知症の認識が人々に広まり、高齢者を診るときに認知症の有無を確かめるように一般の医師の教育が重要としています。
(Tribune September 22, 2011 World Alzheimer’s Day: Govt urged to set up dementia clinics)
訳注:この数値は間違いだろう。2005年にイギリスのマーチン・プリンスらの報告によると、2005年でパキスタンには認知症の人が35万2000人と推計している。詳しくはサイト内記事。
関連情報:パキスタンアルツハイマー病協会
★アルツハイマー病の臨床前診断と倫理的課題(9月19日/アメリカ)
最近の研究によると、アルツハイマー病を早期に発見できる医学的診断技術が進むことで多くの複雑な問題が生じています。
例えば、
自分が早期のアルツハイマー病であるかどうか知りたいか?
自分のアルツハイマー病の発病リスクがあるかどうか知りたいか?
医師は発病の危険性についてどのように告知すべきか?
症状はないが発病している状態―臨床前―で仕事をしている多くの人が新たに診断されるとどうなるのか?
問題が複雑なのは、アルツハイマー病を早期に発見する技術が在っても、病気の進行を止める有効性が証明されている薬などの介入方法がまだないことにもよります。
ペンシルヴァニア大学医学医療倫理部生命倫理センターCenter for Bioethics, Departments of Medicine and Medical Ethics, University
of Pennsylvaniaのジェイソン・カーラウイッシュJason Karlawish教授(写真)は、今回の論文で臨床前アルツハイマー病の診断について安全で効果的な方法の課題について論じています。
この論文は、神経学雑誌Neurologyの電子版9月14日版に掲載され、雑誌では10月11日号に掲載されることになっています。
最近の医学の進歩によて、近い将来、症状のため日常生活の能力に影響を与え始めるような症状が現れる前に、医師が臨床前アルツハイマー病と告げられることになるでしょう。
カーラウイッシュ教授は次のように述べています。
「現在、診断のシステムを開発し、臨床前アルツハイマー病の診断にともなう課題の解決方法を見つけなければなりません。
「コレステロールをコントロールすることで心筋梗塞などの心疾患を防ぐのと同じように、アルツハイマー病の患者になる前にアルツハイマー病を発病するまでの時間的問題だけです。病気が進行すると自立性が奪われるというこの病気の独自の状態が起こり、そうなる危険性があるかどうかを臨床前の診断を受けることで予防方法が必要となります」
個々人のリスクを知りたいという欲求も、またアルツハイマー病の危険性がについて知ることによる反応も、あるいは初期のアルツハイマー病と診断されることへの反応は、とてもまちまちなのです。
多くの事例からわかったことは、アルツハイマー病の生体指標の検査結果によって、人は不安や重いつ状態になるかもしれないのです。
これについてカーラウイッシュ教授は、研究者や臨床医は、臨床前診断に伴う精神的身体面影響を追跡し、対応についての最善の方法と開発し普及させることを勧めています。
こうした問題は、将来、生命倫理の重要な課題となるでしょう。たとえば、有効なアルツハイマー病への介入方法が見つかると、最も利益が得られるであろう人に優先的に利用できるかという課程が生まれます。
予知できるという証拠があって、その人のリスクだけでなく、集団全体でのリスクも評価すべきです。特に、進行を止めることに失敗して影響を受ける人が多くなることもあるのです。
「全国アルツハイマー病教育計画National Alzheimer’s Education Program」が提案されています。この計画は、研究結果を臨床前の人に活かすようにすることです。
さらにカーラウイッシュ氏の次のように述べています。
「アルツハイマー病は障害と同義語ではありません。臨床前アルツハイマー病の人が日々の生活―運転、財務、労働―に消極的になったり、早すぎる時期い制限されるべきではなく、法律や政策は、そうした人たちへの偏見や差別、あるいは発病したときの財産などが奪われるといった搾取から保護されるような改定が必要です。
臨床前アルツハイマー病を見つけることは、アルツハイマー病という津波をどのように予防し、そうした状態を見つけることから生まれた課題に圧倒され何もしないということではありません」
(psychcentral 2011年9月19日 Early Detection of Alzheimer’s Presents Ethical Dilemmaおよび論文:Addressing the ethical, policy, and social challenges of preclinical Alzheimer disease)
編者:楽観的な見解だ。臨床前アルツハイマー病は病気なのか、患者なのか。アルツハイマー病の発病にいたる過程がまだよく解明されていないし、予防も必ずしも確立してはいあにし、治療薬がないといったなかで前臨床アルツハイマー病と診断してよいのか。差別、偏見を助長するおそれが大だ。あるいは心筋梗塞の予防のためと延々と抗脂血症薬―だれにもが予防できるわけでではない―と同様にアルツハイマー病予防薬を勧めたい製薬企業のためなのか。
★認知症の人に「笑い」がよい(9月18日/オーストラリア)
ナーシングホームの認知症の入居者は、「ユーモア療法士humour therapist」の楽しい訪問を受けたり、「笑いの達人laughter boss」の注意深い監視のもとでの職員の介護を受けたりすると、お堅い介護よりは興奮することが少ないことが分かりました。
認知症の人の感情、興奮度、行動および社会的関わりについてユーモアの効果があるかどうかを確かめるため、ニューサウスウエールズ大学University of NSWの研究者によるスマイルスタディSMILE studyが行われ、この研究に36施設の400人が参加しました。
研究者は、「ユーモア財団Humour Foundation」の共同創設者で、かつ子供病院の患者を元気づける「道化師先生clown doctor」として活躍する「ユーモア療法士」のジャン‐ポール・ベルJean-Paul
Bell氏(写真左上)と共同で研究しました。
ベル氏は、子供病院での道化師先生の服装を、エレベータ係に替えて「ユーモアボーイhumour valet」となり、ほとんどが認知症のナーシングホームの入居者の200人に3カ月間関わりました。
ベル氏は、旧式の電話器で架空の人に話しかけながら笑いを誘い、入居者が欲しがるものを聞きながら魔法の杖を振りたりしました。
ナーシングホームの職員も「笑いの達人」になる研修を受け、陽気な雰囲気を保つために日常生活で介護職がユーモアを取り入れるようにしたのです。
研究主任のリー-フエイ・ロウLee-Fay Low医師(写真左下)は次にように話しています。
「ユーモア療法を受けた入居者は、攻撃的行動、徘徊、大声、同じ行動を繰り返すといった興奮が20%減少しました。その結果から、ナーシングホームがもっと勇気づけられ日常活動のなかにもっとユーモアを取り入れることになるでしょう。認知症の人が。ユーモアを体験し、認知症のない人と同じ様に多くの楽しみを経験できるのですが、異なったことに楽しみを見出しいるということがわかりました。多くの施設では、集中してしなければならない仕事が多く、まずは入浴、シャワー、食事、掃除をしなければと考えている職員が多いと思います。彼らはとても忙しくて入居者の医療面や身体面で必要なことに専ら目を向け、情緒的な必要なことに配慮することを度々忘れます。この研究で明らかにした陽気さが情緒的に必要なことの一つと思います」
ベル氏は、「アートヘルス研究所Arts Health Institute」を立ち上げ、高齢者介護の職員にナーシングホームでどのようにユーモアを取り入れるかについて教え、多くの入居者に変化を生じていることに驚いています。
ベル氏の経験。「大人しく座って、一言も話さない入居者がいました。次の12時間以上で、快活になり、ゆっくりと一言、二言、話すようになりました。そしてしばらくして挨拶をして言葉を交わすようになりました。新しエネルギーが彼女なかに再生しのたです」
(Sydney Morning Herald.com.au September 18, 2011 Dose of laughter good for dementia: study)
関連情報:Humour (laughter) Therapy in Residential Aged Care Facilities by practiceLee-Fay
Low(pdf3M)
編者:研究論文は見つからないが記事としての紹介である。介護施設に訓練や研修を受けた専門職や介護職がユーモアと取り入れるのは意義があると思う。私の認知症の妻はテレビで吉本新喜劇を見て笑って機嫌がよくなり穏やかなるのだ。日常的な介護でもユーモアは必要であり有意義だと思う。オーストラリアの介護施設でのこうした取り組みが日本で行われているとは聞かない。テレビで我が国の小児病棟にアメリカで訓練を受けた日本人の道化師が入っているのを観たことがある。その道化師が認知症の人への取り組むことを期待したい。もっとも我が国では認知症への笑いの効果についての研究はあると聞く。
★世界アルツハイマーデーに併せ啓発活動(9月18日/台湾)
台湾の医療専門職は、認知症の最も多い型のアルツハイマー病について啓発活動を、毎年9月21日と決っているWorld Alzheimer's Day世界アルツハイマーデーの前夜祭りで、早期に発見し治療することで認知症の人や家族にとって大変な違いがあることを強調しました。
「アルツハイマー病と関連疾患台湾カソリック財団Taiwan Catholic Foundation of Alzheimer's Disease and Related Dementia
(CFAD)」のテン・シーシンTeng Shih-hsiung事務局長(写真右中央)は、「現在、世界中にアルツハイマー病の人が3600万人いると推計されている」と話しています。さらにカーディナルチエン病院ヤヨンヒ分院Cardinal Tien Hospital Yonghe branchの管理者でもあるテン氏は「台湾では12万人以上のアルツハイマー病の人がいますが、そのうち3万3700人が診断を受けているにすぎなくて、残りの人は治療をうけていない」と話しています。
アルツハイマー病協会に関して地球の状況の悪くなっているとの視点から、国際的団体である国際アルツハイマー病協会Alzheimer's Disease Internationalは、9月を「世界アルツハイマー月間World Alzheimer's Month」と決め、人々が日々この病気との闘いに加わり、その問題について一般人たちの認識を向上させるよう勧めています。
さらにテン氏は次のように話しています。
「アルツハイマー病は、一般に、質問を繰り返す、短気あるいは猜疑的になるなど性格が変わる、判断が衰える、外出でたびたび行方不明になる、日々の作業での認知機能が低下するといった症状が現れます。こうした症状を自然な加齢現象の伴う自然現象とみるなどアルツハイマー病について間違った考えが広がっています。またアルツハイマー病の人には希望がなく諦めるしかないとの間違った考えもあります」
こうした考えから症状を無視して取り組みが遅れることで結果的に、うつ状態、認知障害の進行、人間関係の悪化といったことが生じることがあるのです。
テン氏は、「アルツハイマー病の人の状態とその生活は、早期に治療を受けることが改善することがあり、情緒的にも知的にも安定することになる」と強調しています。
よく知られたエンタテイナーのスン・ユーとエラSun Yueh and Ellaは、アルツハイマー病につての一般の人の認識を高めるための支援活動に加わるボランティアです。
エラさんの話では、86歳の祖母がアルツハイマー病の症状を表わし、5、6年前に家族を他人と間違えたのです。しかし、現在、彼女の状態や家族との関係は、治療と受けることで明らかに改善されました。彼女は、「高齢者の脳は、記憶が溜まったバケツのようなもので、適切な反応をしないと水のように漏れてしまう」と話しています。
さらに、愛情と介護と治療が合わさって、容器のなかの価値ある水が漏れるのを遅くなると、そのやり方を勧めています。
台湾では、アルツハイマー病の人はすべての行方不明者のおおよそ半数を占め家族に不安や怒りを生むことになっています。高齢者福祉を進めている多くの団体の専門家は、効果的に追跡で行方不明の高齢者を探すことができるGPS機能をもった携帯電話や手首バンドを使うことを勧めています。
また専門家は、高齢者に家庭的で温かい雰囲気をつくることで安心感を強め、日々の活動の予定を立て、屋外での活動を一緒に行うことが役立つと話しています。
CFADのテン氏は、アルツハイマー病に関する質問には電話(02) 2332-0992かサイトwww.cfad.org.twで喜んで答えると話しています。
(The China Post September 18,2011 Medical experts promote Alzheimer's awareness)
編者:CFADはADIに加盟している台湾失智症協会Taiwan Alzheimer's Disease Association (TADA)とは別団体。
★認知症の人の小規模グループホームでの介護の質は高い(9月15日/オランダ)
オランダのマーストリヒト大学公衆保健プリマリーケア学部保健サービス研究科Department of Health Services Research, School for Public Health and Primary
Care, Maastricht Universityのエズラ・ファン・ザデルホッフEzra van Zadelhoff氏(写真)らの研究グループは、オランダで伝統的な認知症の人のナーシングホームが非個別的、受け身的な介護、技術の欠落、身体拘束などの欠点を持っているのに対して、これに代わるものとしてグループホームgroup
living homeがあります。しかしそこでの経験についての研究はほとんどありません。このため、認知症の人ためのグループホームの入居者、介護家族、看護職の経験と介護経過につてのその受けて止め方について調べることにしました。
調査は、オランダ南部にある二つのグループホームで、できるだけ実態に沿って自然なかたちで、介護の質的な面についてのデータを6カ月間集めました。日々の生活、介護、活動について系統的で参加型観察実施しました。さらに半構造化面接(訳注1)を、入居者、家族、看護職に対して行い、そのデータは、「トロント・ケア倫理枠組みTronto’s care ethical framework」(訳注2)に沿って帰納法的(訳注3)に分析しました、
グループホームでは、個別的介護、入居者の個人的必要性に注目するためのそれが可能となるような会を設定されていました。入居者のよい状態に注目し、より敏感に受け止めることが増えていることが、よい介護の徴候と見られ、トロント・ケア倫理モデルTronto’s care ethical modelを尊重し大切にした介護を受ける時期に連動していました。しかし誰が介護の責任を担うかの時期には緊張を生じました。すべてではありませんが入居者と家族が責任を担い自己介護を行うことを望むこともできました。結果として、グループホームはよい介護が可能な状況をつくり、注意することと敏感であることを高めていました。そこでの緊張は、責任と業務とが新しい段階にさしかかることに関係していうようでした。この結論が臨床看護に妥当であるかは、必要性や敏感性へ注目することは、ナーシングホームでの認知症の人へのよい介護を行う看護職がとても重要なことがわかりました。
この研究論文は、臨床看護雑誌Journal of Clinical Nursingの2011年9月号に掲載されました。
今回の研究についてザデルホッフ氏は次のように述べています。
「2040年までに全世界で認知症の人が8000万人になると推計されています。現在まで認知症の人への伝統的な介護は大規模なナーシングホームで行われてきました。
しかし、多くの国で小規模なグループホームでの介護を行うことが多くなりました。そこでは普通の生活を近づけ、より家庭的な環境をつくっています。これらがオランダ、ドイツ、スウェーデン、日本でのグループホームの概念です。
私たちの研究は、二つのグループホームのユニットを対象として、おおよど30カ月間、行いました。それぞれのユニットで10人の認知症の人へ介護を行いました。両方とも南オランダの都市部にある伝統的な大規模で非営利のナーシングホームの敷地内に在りました」
ユニットは、共用のリビングとキッチンを中心とした構造で、8人の入居者は自分の家具をそなえた個室で、12人は2人部屋です。ユニットは家庭的な雰囲気を造るような内装を施しています。
すべての入居者は24時間の介護が必要で、これは9人の高齢者ケアの経験がある看護職(20歳から60歳まで)で行いました(フルタイムで7.2人に相当)。看護職は、洗濯、掃除、キッチンでの食事の用意などの家事は認知症の人と一緒に行い、散歩や運動や歌などの活動を計画実施しました。
多職種―医師、心理士、理学療法士、作業療法士―のチームは必要に応じて関わりました。二つのユニットとも、人生の最期まで暮らす入居者と「生活中心のホーム」の考え方から生まれたものです。
研究チームは、8日間に32時間の観察を行い、5人の入居者、4人の家族、4人の看護職に対して詳細な面接を行いました。
重要な指摘事項は次のとおりです。
認知症の人について
入居者は、家に居ると感じており、日中はリビングによく集まり、話をしたり、コーヒーを飲んだり、読書したりしています。日々の活動は安定して混乱を招かないものです。また認知症の人は、家事的活動―テーブルを並べる、皿洗いなど―に参加することができ、このことでアイデンティティを保持し、より家庭にいるとの感じを補っています。
「好きな時に自分の部屋で過ごせますが、そうすることはあまい多くはなく、他の人とリビングに居るのが好きです」
「いつもここで洗濯しますが、家でもいつもしていたことです」
介護家族について
家族は、ナーシングホームよりグループホームの方でよい頻繁に関わることができます。家族は、鍵を持って定期的に面会する傾向があり、訪問者としてよりグループホームの一員として扱われ、個別的な介護や雑事を助けました。介護家族の多くは、こうしたレベルの関わりが困難なことを自覚し、このため緊張が生じたようです。しかし、ほとんどの介護家族は訪問を楽しみ、日々の活動に関わり、必要があれば介護していたことのある入居者の受診予約をしたり、教会や美容院に連れて行きます。
「家に居るようで、とても喜ばしいことです」
「母はここが家とおもっています。伝統的なナーシングホームのユニットでは知らない人が多いのですが、ここでは誰をも知っています」
看護職について
看護職は、入居者とよい関係をつくり必要性にそった個別的介護をすることができます。しかし、看護師がそのことがよい情緒的に接触していると感じており、自分たちの臨床看護や専門的看護との隔たりと妥協しなければなりません。ほとんどの場合、看護職は入居者と一緒に個別的な介護を行うことができましたが、事例によっては、介護の責任を誰が持つべきなのかについては合意が得られませんでした。
「看護職として、通常の介護より関わりが多いと感じました。入居者には関わるがより強くより密接であったと感じます」
「互いに仲良くやり、家政婦のような経験もし、家族のように生活します」
ザデルホッフ氏は次のように話しています。
「私たちの研究で分かったことは、認知症の人のその人中心のケアを行う鍵は、人が自分自身になることができ、家族と普通の日々の活動に関わることができる環境のなかで生活することができるかどうかということです。
しかし、このやり方に問題がないわけではありません。看護職は入居者と関わりが多くなりますが、このことが自分たちの臨床看護や専門的看護との隔たりに葛藤することになります。研究した介護家族は、グループホームの介護にどの程度関わりたいのかということについてはバラつきがあり、このようなあかで緊張が生まれることがあります」
(News Medical 15/09/2011 Good care in group home living for people with Small nursing homes for people with dementia provide good quality care, domestic environmentおよび論文Good care in group home living for people with dementia. Experiences of
residents, family and nursing staff)
訳注1:面接を次の3つに分類する。構造化面接:調査面接のように質問項目や順序が決められており,それにしたがい面接者が主導して面接を行う。半構造化面接:質問項目は決められているが順序は決められていない面接。非構造化面接:カウンセリングなどのような面接で用いられ質問項目も決まっておらず自由に行う面接。
訳注2:トロント倫理枠組みToronto’s Ethics frameworkについてhttp://www.toronto.ca/ltc/ethics.htm
訳注3:帰納とは、個別的特殊的な事例から一般的普遍的な規則法則を見出そうとする推論方法。
編者:オランダは認知症の人の施設介護への取り組みや早かったが、大規模介護施設への反省から小規模グループホームが見直され、その実態と利点についての研究報告といえる。この記事には日本の名前が載っているが、我が国ではグループホームを経験的に認知症の人によいとされているが、それを証明する研究報告は知らない。なとオランダでの介護施設では看護職の役割は重いようで、介護職の存在と役割についての情報は知らない。
★キューバハバナで世界アルツハイマーデー(9月7日/キューバ)
アルツハイマー病に関する詳しい健康教育が、9月21日の世界アルツハイマーデーWorld Alzheimer's Dayまで旧ハバナ科学文化会館で行われます。これはハバナ製薬博物館Havana Pharmaceutical Museum(元La Reunion Drugstore)が後援します。これは最も意義ある集会の一つで、アルツハイマー病の親を介護する人たちが互いに話し合い、この退行性神経疾患の予防についても話し合われます。
別の分科会は高齢者の健康と自己治療の危険性に関するもので、ハバナ大学医薬食品研究所Pharmacy and Food Institute of the University of Havana(pdf500K)の研究者が講演します。
この分科会は、ハバナ市歴史局Havana City Historian's Officeによって企画された健康計画の一環で、専門家との話を通じて慢性疾患の予防を啓発するのが目的です。
また別の企画は、アルツハイマー病の人の家族が病気について予防と管理をもっと学べるようにするものです。
世界保健機関と国際アルツハイマー病協会によって始まった9月21日の世界アルツハイマーデーは、アルツハイマー病の人の介護について世界中でひろく啓発する日です。
(WWW.Cadenagramonte.cu 07 September 2011 Cuba Marks World Alzheimer's Day)
編者:キューバのアルツハイマー病協会は国際アルツハイマー病協会の会員で事務局は以下のとおり。
Seccion Cubana de la Enfermedad de Alzheimer, Policlinico Docente Playa,
Proyecto Alzheimer, Avenida 68 # 29B y 29F, Playa Ciudad de la Habana,
C.P. 11400,Cuba
Tel:+537 220 974 Fax: +537 336 857 Email: mguerra@infomed.sld.cu
★アルツハイマー病治療薬の失敗から学ぶ(9月7日/アメリカ)
ハーバード大学医学部Harvard Medical Schoolおよびブライハム婦人病院Brigham and Women’s Hospitalの神経科教授のデニス・セルケDennis J. Selkoe医師(写真左上)は次のように述べています。
「近年、可能性のあったいくつかのアルツハイマー病薬の試験は失望する結果となりましたが、重要なことをこの失敗から学ぶことができます。研究結果を分析すると、もっともよく調べた薬で鍵となる問題は、人での臨床試験に移る前に研究室での基本的な試験を終えてはいなかったということです。この分野で十分に注意していなかったということは非難されるべきと思います。研究者は最善を尽くしてはいますが、人で試験する前によい薬なのかどうかを十分に考えてすべての動物実験を行っているとは思いません」
セルケ氏のこうした分析論文が雑誌Nature Medicineに本日―2011年9月7日―掲載されています。
その論文のなかで、アルツハイマー病の研究を20年余り行ってきたセルケ氏は、私たちの知識で重要なギャップを他の科学者が理解するのに役立つように、その方法論的課程を整理しています。
セルケ氏が分析した薬の一つは抗炎症剤のR-フラビプロフェンR-flurbiprofenに関することですが、この薬はアルツハイマー病の指標であり、認知症にいたる神経細胞を傷害すると考えられている脳のアミロイド蛋白斑を減らすと期待されていました。
彼は「薬の試験は失敗と報じられよくなかったのです。その薬の効果が現れるほどの脳内の濃度にはいたらなかったことがわかった」と述べています。
期待された別の薬はアルツヘメドAlzhemedでしたが、「動物実験で現れるだろうと思われていたことが起こらないで失敗し」と彼は述べています。
セロケ氏は、エラン社Elanの創設者の一人ですが、この会社はジョンソン&ジョンソンJohnson & JohnsonおよびファイザーPfizerと共同してバピネウズマブBapineuzumab―略称バピBapi―と呼ばれる別の薬の臨床試験を行っています。彼はその会社のコンサルタントです。
アルツハイマー病協会Alzheimer’s Associationの全国本部の医学科学担当主任であるウイリアム・タイスWilliam H. Thies氏(写真左上)は次のように話しています。
「基本的に必要な科学的なことについて完璧ではなかったというセロケ氏に同意します。しかし、問題は科学者にあるのではなく、この研究を進めるための連邦政府の資金が欠けてことにあります。実行することの問題ではなく、資源の問題なのです。脳に侵入する分子の通過あるいは受容体の活性化の意義について知ることができことになる基礎研究に資金が使われていないです。国立保健研究所NIHは、がん研究に年間60億ドル以上、心疾患研究に40億ドル以上、HIV・AIDS研究に30億ドル以上を使っていますが、アルツハイマー病研究には年間で4億8000万ドルなのです。アルツハイマー病はアメリカ人の10位内の死因で予防も治癒も進行を遅らせることもできない唯一の原因疾患なのです。過去50年間、脳を奪い去るこの病気についての理解は進みましたが、科学者はなお基本的な疑問で行き詰まっています。私たちは何が原因でアルツハイマー病を現れ、何が原因で通常の脳から認知症にいたる道を歩むのかを知りません」
本日掲載の論文でセルケ氏は「明らかに人で行う実施する前に、動物や実験室での試験を進めることの重要性については、軽度のアルツハイマー病の症状を示し、あるいはまったく症状がない人で試験を行うことでも同様です」と述べています。
増加している研究者がこの視点を共有し、潜行する病気の進行を遅らせることに影響する最大の可能性は、がん、高血圧、糖尿病といった他の慢性疾患と同様に、初期、あるいは最も治療の可能が高い状態の時期に病気をやっつけることです。
(boston.com 09/07/2011 Key lessons in Alzheimer’s drug failures, top Mass researcher saysおよび論文Resolving controversies on the path to Alzheimer's therapeutics)
編者:アルツハイマー病アミロイド原因説派の標準的な見解だが、これでうまくいくのだろうか。またアルツハイマー病協会の人も金さえかければ治療に繋がる研究ができると単純な発想に思える。
★「アルツハイマー病をなくすウオーク」への参加の呼びかけ(9月2日/アメリカ)
アメリカ・イシノイ州にあるマコンブMacombでは、アルツハイマー病協会Alzheimer’s Associationが主催する「アルツハイマー病をなくすウオークWalk To End Alzheimer’s」の一環としてライアネ・ルーベンLynne Ruben氏は、父親と叔母を思い出して、またマコンブ地区AARP (American Association of Retired Persons:アメリカ退職者協会)のチームの一員として毎年行われマックドナーMcDonough郡の第14回ウオークに参加します。催しは、シチズンバンクプラザで9月17日(土)午前10時から始まります。
ルーベン氏は、1995年に「ウオーク委員会Walk Committee」に参加し、当時はマコンブ地区AARPの代表でした。参加することで認知症についてよりよく理解するのに助けになったと話しています。父親が認知症になっただけでなく、彼の姉にあたる叔母も2000年にアルツハイマー病と診断されたのです。
ルーベン氏は「47歳の時から、認知症が介護家族にどのように影響することを知りました。10年間、毎年1回父を訪ねて1月間一緒に暮らし、この間姉が休みを取ることができました。父の記憶障害、運動傷害そして行動の変化を知ることができ」と話しています。
アルツハイマー病は増加し、全国では死因の第6位です。ベビーブーマーが高齢化するなかで、アルツハイマー病の人は急速に増え、現在の540万人以上になるでしょう。
ルーベン氏は、自分の役割をアルツハイマー病協会の目標についてAARPに知ってもらうこととし、いずれはAARPとアルツハイマー病協会がアルツハイマー病の治癒方法を見つけるための資金を増やすために州レベルで共同してウオークを行うことを希望しています。
彼女の父親は15年間認知症で2010年の5月に亡くなり、叔母はそれより2年早く亡くなりました。
「アルツハイマー病をなくすウオーク」は単なるウオーク以上のものです。マコンブ地区で参加者予定の250人以上の人たちは、アルツハイマー病、この病気の原因にどのように関われるのか、認知症の人を擁護する機会、研究の最新情報、臨床試験への参加について学ぶことができます。さらに、3マイルのウオークは、参加者が有意義な催しに参加し、アルツハイマー病の人たちを称える機会でもあります。
本日からアルツハイマー病支部のサイトから、または支部に電話をしてチームと作り、ありは参加を登録できます。100ドルを寄付したすべての参加者に記念のティーシャツがもらえます。
昨年のウオークではマコンブAARPチームが資金集めのトップでした。2006年にウオークに参加して以来、アルツハイマー病に毎年3000ドル以上の資金を集めてきました。ルーベン氏は5年間のうち最近の4年間、ウオークで最高額の資金集めの個人タイトルを持っています。
アルツハイマー病協会セントラルイリノイ支部Alzheimer’s Association Central Illinois Chapterのニッキ・ヴルガリス-ロドリゲスNikki Vulgaris-Rodriguez事務局長は次のように話しています。
「アルツハイマー病協会のウオークに参加することでアルツハイマー病との戦いに、マコンブの市民が参加することはとても大切なことです。資金集めはこの地区に住む2万1500人のアルツハイマー病の人の治療と支援に使われます。さらに極めて重要な病気の研究を進めることにも繋がるのです」
(McDonoughVoice.com Sep 02, 2011 Local Alzheimer’s Walk is Sept. 17)
編者:アメリカのアルツハイマー病協会が長く行ってきた街頭での啓発、資金集めの運動を今年はWalk To End Alzheimer’sと呼んでいる。国際アルツハイマー病協会の世界アルツハイマー啓発月間と連動して9月に全国各地で行われることが多くなったようだ。我が国ではこのウオークのやり方を真似ているのが千葉県の認知症メモリーウオークである。
★施設での認知症の人への新たな取り組み(8月29日/イギリス)
多くの年金生活者が高齢化して、悲しいことに、認知症になる人が増えています。寿命が延びて100歳以上で誕生日を迎える人が増え、認知症の人も増えるということは単純な事実なのです。2038年までにイギリスの認知症の人は今の2倍の140万になると推計されています。もはや自立して生活ができない認知症の人を家族が積極的に支える最善の方法を探さなければならなくなっています。介護施設でも専門職による認知症ケアの要求が増えています。
登録慈善団体のシェフケアSheffCareは、シェフィールドSheffield市内に11か所の介護施設を運営していますが、このうち認知症の入のためにその25%を当てています。先駆的な施設はスプリングフイールドSpringwoodの施設で、ここでグループで初めて専門職による認知症施設を導入し認知症の人に相応しい24室を用意しています。この施設は、居室の他に多くの小部屋があり、いろいろな活動の空間があり家族も一緒に過ごすこともできます。市内南部では、グループのカテライCotleigh居住区内に認知症の人用の施設を造りました。さらにグループで四つの施設を認知症介護用に転用することになっています。
この先駆的なスプリンウッド計画は、管理者のアニタ・ブランドAnita Bland氏(写真左中)によって進められています。彼女は次のように話しています。
「認知症ケアを成功させる鍵は入居者と家族の双方に適切な支援を提供することです。屋外、散歩、買い物、家事などの生活の楽しみを活かすことで入居者らの幸せを維持したのです。入居者の満足感と機能維持が重要です。認知症の人と家族とに関わることを目指しています。私たちの役割は、個々の人を知り、彼らが日々生きるに値するようにして、自分たちの能力を維持し、新しいことも始めるように励まし、目的意識が持てるようにして、家族や友人が一緒に楽しめる訪問のなかで日常的な仕事にも関わるようにしています」
その対策の鍵のひとつは、家族と過ごせる料理室を造る事でした。馴染みのない空間ではなく親しみのある空間でのくつろいだ雰囲気のなかで過ごすことができます。
アニタ氏は次のように指摘しています。
「特に若い人たちに訪問を勧めるときに大切です。家族や友人が質の高い一時を過ごすことがこともまた重要です。日々、誰の訪問もなく寝室で終日過ごすようなことは自然なことではありません。子供たちが違和感を覚えないように、家族料理室―居心地がよく親しみのある家庭的空間―を用意することで誰でもくつろぐことができます」
料理室では入居者がパンを焼いたり花飾りをしたりといった活動が楽しめます。こうしたことは彼らが昔行ったであろうことで、現在の自分の存在感覚を保持するのに助けるとなりえます。
あらにアニタ氏は次のように話しています。
「私が知るある婦人は、『魚と揚げ物店』で長く働いていました。そのため誰よりも早くポテトを揚げることができます。彼女が人生の重要な時期をできるだけ続けるべきことを実感しました。注意しておれば、まったく危険がないこともわかりました。食器を洗う、衣類をすすぐ、外で乾かす、アイロンをかけるといった簡単な日常作業でも同じことです。自宅では認知症の人にとって家事は危険をともなうでしょうが、施設の専門職チームが見守っているなかで簡単な作業は昔同様に日常の一部になるのです」
シェフケアの最高責任者のダンカン・ベルDuncan Bell氏(写真左下)は次にように話しています。
「最近の多くの施設では家事を取り上げることが入居者を助けていると捉えています。しかし実際は、日常生活のすべての面に入居者が参加することで最善の反応あるのです。安全に行うことができています」
さらに先駆的な試みとして「エンパシードルEmpathy Dolls(同情人形)」を取り入れたところ、予期せぬ反応が見られました。
アニタ氏は次のように思い出しながら話しています。
「若い面会者がたまたま人形を置いて帰ったとき、入居者がそれを抱き上げて話しかけたのを観て人形が持っている効果を実感しました。とても静かな紳士がいますが、彼は人形を見せると、自分の子供か孫のように思いやりと記憶がよびさまされました。すばらしい経験でした。人形で第2の子供時代に入るとか、単に人形と遊んでいるというものではありません。人形がしていることは基本的な養育本能を満足させ、抱く、話す、あやすといった接触を提供し、愛情と思いやりを与え、失われた言語的コミュニケーションを刺激するのです。記憶が若い時に戻っているような入居者には、自分を世話をしなければならない子供のある親と思い、子供が帰宅しないと心配することがなくなりました」
さらにスプリングウッドのチームは、仲間同士の交流感覚を呼び覚まし感覚面の刺激や運動をも支えるのに役立つペットと一緒に面会することで、犬療法という積極的な効果も見つけました。
ガーデニングや普通の外出など日々の行為は生き生きした新たな関係を生みだし、認知症の人が散歩に行けなくなるのではという家族の心配を軽減していま。適切な見守りもとで生き生きした刺激を提供する心地よい運動なのです。
スプリングウッドのある男性入居者は、他人を助けるのが好きで、店に買い物に婦人と一緒に行ってバッグを持ったり、タクシーのドアを開けたりしています。
アニタ氏は次のように話しています。
「介護文化の変化を観るべきです。人をもっと見守り、介護のなかで尊厳に注意し、その人中心の介護を行うべきであり、決まり切ったことはしないとことです。病名を知ることだけでなく持続する幸せを目指しています。認知症の人によく水分を摂ってもらい、栄養状態がよく新鮮な空気を吸い、認知症をもった人生のずれを埋めることができると感じています。入居者、職員、家族が一緒に仕事をすることで、私たちは入居者―とくに認知症の人―の日常生活を変えることができます。
雇用年金局Department for Work and Pensionsの報告によると、2011年現在で20歳、50歳、80歳の平均余命を比較しています。20歳では、祖父母より3倍、100歳になり、両親より2倍、100歳になりえます。2011年に生まれた女性は、その3人に1人が100歳を迎え、男性は4人に1人が迎えることができます。1931年生まれの人と比較して2011年生まれの人は100歳になれる可能性は8倍ほどなのです。国立統計局Office for National Statisticsの推計によると、2066年までにイギリスの50万人以上が100歳以上になるとされています。
(The Star 29 August 2011 Sheffield care homes coping)
編者:イギリスのある介護施設での認知症ケアの取り組みを紹介した記事だが、この程度のことは日本ではあたりまえになっていると思う。こうした施設が改めて紹介されるということは、イギリスにはまだよくない施設があるということなのだろうか。この30年間で私たちはイギリスからは「パーソンセンタードケア」と「認知症マッピング」を学んだが、当地ではどのように活かされているのだろうか。
★「利用者の満足度を第一に スウェーデンの高齢者福祉施設」(8月24日/佐賀新聞)
高福祉社会として知られるスウェーデン。先日,フィールドワークの一環としてベクショー市内にある市営と民間委託の高齢者福祉施設を訪ねた。どのような人でも,ともに協力しながら生活できる社会を目指す「ノーマライゼーション」。北欧発祥というこの基本理念に即した2つの施設では,高齢者がより豊かに暮らせる工夫が各所にこらされていた。ベクショー市の郊外にある市営の高齢者福祉施設=写真=。「H」の字に配置された建物には,症状や体の機能に応じて緑,青,黄,赤の4部門に分けられた高齢者が入居している。緑と青は,在宅ケアは難しいが,比較的健康な高齢者,黄は認知症,赤は身体障害者の建物を意味する。福祉施設というより,介護付きのアパートだ。
緑と赤,青と黄の間には中庭があり,花や木々が風に揺れていた=写真=。天気が良い時は庭に出てコーヒーを飲んだり,散歩したりするという。施設の外と極力同じように生活する。ノーマライゼーションの理念が体現された空間だ。
黄の建物に入った。認知症の入居者をケアする黄の部門は,この施設で最も基礎的な機能を担う。施設に隣接して高齢者向けアパート=写真右下=が建っており,このアパートに住む高齢者のホームヘルプも行っている。
実際に入居者が生活している部屋を見学できた。1人部屋だが,10畳はありそうな広さで,トイレやソファ,テーブル,キッチンも付いている。「なるべく今までと同じ暮らしができるように」と,家具類はベッドを除いて使いなれたものを持ちこめる。
認知症や身体障害者の入居者がキッチンを使うことは難しいが,設備上の区別があるのはノーマライゼーションの理念に反するため,全ての部屋に一般家庭と同様のコンロや流しが設置されている。家族が訪問した際には料理も作れる。家族の写真や絵も飾られており,入居者にとっては「自分の家」と同然なのだ。
ノーマライゼーションの対象は,入居者や家族だけではない。スタッフも働きやすいように,身体障害者が入居する部屋には寝ながら体を洗えるシャワーベッドがある。「入所者にもスタッフにも快適な環境です」とスタッフは話した。
近くの保育園から園児たちがやって来て入居者と交流したり,入居者にニュースを読み聞かせたりする取り組みもあるなど,ソフト面も充実している。施設では准看護師や介護士の資格を持ったスタッフが働くが,緊急時には医師や看護師がすぐに駆けつけるシステムも導入されている。
ベクショー市内には,民間委託の高齢者福祉施設もあり,資金面で市からの補助を受けている。3階建ての建物のうち,短期滞在型の利用者をケアする1階部分は市営,長期滞在者が入居する2・3階は民間会社が管理しているという。設備や運営コストは市営と変わらない。「市も私たち民間会社も運営する目的が同じなので,上手く協調できています」と,相談役を務める女性チーフは言う。
施設の運営は点数制。利用者の満足度や要望への対応などの項目で採点される。サービスは入居者のものという考え方があるためだ。例えば,民間委託施設の評判が悪いと契約を打ち切って市営にするか,入札をして別の会社に変更する。この施設を運営する民間会社も,近くにある別の施設を落札したばかりという。
一方,民間会社に運営を任せると利益と効率性を求めすぎ,利用者が不利になる場合も出てくる。「利益追求も行いますが,入居者や家族の満足度との両立を第一に考えます。入居者がこの施設から離れてしまわないように努力します」と女性チーフ。
入居者や家族の満足度を高めるために,この民間会社では上品で丈夫な食器を用意したり,家族で誕生日パーティを開ける広い部屋を設けたりしている。施設に入居する最高齢者は99歳。「来年は100歳のパーティがここで開かれるでしょう」と女性チーフは笑う。
もちろん,スウェーデンの高齢者福祉にも課題はある。部屋が不足気味になって,希望する部屋や施設に入れなかったり,スタッフの待遇改善がまだまだ必要だったりするようだ。それでも高い税金を財源にして,新しい施設が設置され続け,スタッフの待遇は5年前に比べて大幅に良くなったという。先ほどの民間委託施設の3階は,実はまだ使われていない。市からの委託が正式に決まれば,入居が始まるという=写真は未入居の部屋=。日本のように「どこを探しても入居できる施設が見つからない」というわけではなさそうだ。
約940万人が暮らすスウェーデンと,1億2000万人がひしめく日本を単純に比較することはできない。しかし,高齢者や施設に対する思いには,日本で参考にできる部分もある。少なくとも上記の2施設では寝たきりの高齢者をひとりも見なかった。なるべく今まで通りの生活ができるように配慮されているからだろう。
利用者の満足度を第一に―――。スウェーデンでの試みはこれからも続く。 (中原 岳)(写真右)
(ばってんがサイト 2011年08月24日 原文のまま)
★「“眠れる”中国の巨大介護マーケット- 介護企業の海外展開(上)」(8月23日/キャリアブレイン)
団塊世代が75歳以上になる2025年に向け、日本国内の介護マーケットは右肩上がりの成長拡大を続ける。高齢化の進展で、介護業界は一見、安泰と思われがちだ。それにもかかわらず、ここにきて中国など海外への進出を試みる介護企業の動きが本格化してきた。介護企業はなぜ、海外を目指すのか―。最新の動きを探った。(外川慎一朗)
埼玉県を中心に認知症高齢者グループホームや介護付有料老人ホームを展開するウイズネット(さいたま市)は、中国東北部の大連市内で介護人材の養成を開始した。
昨年4月、現地企業と合弁で、高齢者施設の職員研修に関するコンサルティング企業を設立。介護人材の研修講座を開き、今年5月には1期生となる10人の修了生が輩出した。カリキュラムはホームヘルパー2級講座をベースとした独自のもので、施設実習はないものの、入浴、排泄、食事のいわゆる「三大介護」を網羅している。
同社が大連市で介護人材の養成を始めたのは、通所介護などを軸とした施設「社区養老サービス」の開設認可を大連市で得たためだ。第1号施設は市の中心部・西岡区で今年10月にオープンさせる予定で、急ピッチで準備を進めている。そこには訪問介護の事業所やショートステイ、福祉用具の展示場も併設する。研修修了者の一部を社員として採用し、サービスの提供に当たる。
今後は、このサービスの積極展開を目指す方針で、まず年内に3か所程度の開設にこぎつけたい考えだ。将来的には、通所介護やショートステイなどをパッケージ化して中国の施設介護サービスである「養老院」に販売することを目指す。高橋行憲社長は「現在は養老院が単独で運営されているが、在宅サービスを併設する形を標準化させ、養老院全体のレベルアップを図っていきたい」と意気込む。
同社が目指しているのは、「現在日本で行われている介護」を中国国内で普及すること。高橋社長はそれを「日式介護」と呼ぶ。日本と同様に、富裕層だけでなく年収80万-200万円程度の中所得層までもターゲットとする。
最大の課題は「具体的な日式介護のイメージが、全くと言っていいほど知られていない」(高橋社長)(写真左上)ことだという。そこで、リフト車による送迎や機械浴、電動ベッドといった日本では既に取り入れられているものを「日式介護」の目玉に据える。「便利だと認識されれば、こうしたものは一気に広まるだろう」(同)との予測の下、「日本の介護レベルの高さ」で中国でのブランディングを目指す。
富裕層ターゲットの戦略も
中国の富裕層をメーンターゲットにした介護ビジネスの展開を目指す企業もある。JASDAQ上場のロングライフホールディング(大阪市)は今年10月5日、中国の青島市内に高級有料老人ホームをオープンする。地上27階建てで、このうち高齢者の居室部分は5階から上の161室。1階から4階には、現地の病院がテナント出店するクリニックのほか、スポーツジム、映画館、中華と和食のレストランといった施設も併設している。日本で高価格帯の有料老人ホームを手掛けている強みを生かし、中国でも高級志向を追求する。
ホームで提供される介護サービスは、現地の企業グループとロングライフが昨年11月に設立した合弁会社が手掛ける。同社は今後10年間で、中国国内に50か所のホームを開設したい考え。当面は10月オープンの第1号施設の成功に全力を傾けるが、青島での第2号、第3号の開設も検討中だという。
同じ富裕層向けサービスでも、居宅サービスの展開を目指す企業もある。全国で通所介護事業所や介護付有料老人ホームを運営するリエイ(千葉県浦安市)は今年5月、中国の北京市に高齢者施設運営のコンサルティングを手掛ける子会社を設立した。「中国では民間の有料老人ホームの建設が始まっているものの、立派な建物だけあって介護サービスのソフト部分が不足している」(経営企画部の田中克幸部長)ことから、まずは介護サービス全般のコンサルティングに取り組むことにした。中国では日本の介護福祉士のような「養老護理員」の養成制度が既にあるため、それに日本式の介護技術に関するカリキュラムを加える形での介護人材の育成を行うという。
さらに今後は、北京大学校病院と上海の企業との3者で合弁企業を設立し、北京市内で通所介護や訪問介護のサービス提供を始める予定。北京では年内、上海では来年の事業開始を目指している。保険外のサービスであるため、基本的には経済的に余裕のある富裕層をターゲットに据えている。
商機も危険性はらむ?
介護企業が海外進出に乗り出し始めた背景について、介護・医療をめぐる海外ビジネスに詳しい多摩大総合リスクマネジメント研究所の真野俊樹教授(写真左上)は、「いずれ日本国内の介護マーケットは伸び悩みの時代を迎えるが、中国は日本と比較にならないほど多くの高齢者が生まれる。これを商機ととらえ、中国が高齢化のピークを迎える前に、地盤固めをしておきたい思惑があるのだろう」と指摘する。
介護分野がまだ開拓されていない中国は、まさに“眠れる”巨大マーケットというわけだ。真野教授はさらにこうした見方も示す。
日本では介護保険制度の創設から10年が経過し、これから介護業界の序列が大きく変わることは考えにくい。海外進出の背景には、国内での自社の成長に限界を感じている面もあるのではないか」
一方で、介護企業の海外展開に詳しい福祉サービスの第三者評価機関「ケアシステムズ」(東京都千代田区)の和田俊一代表は、中国での介護ビジネスは危険性もはらんでいると警鐘を鳴らす。
「中国での事業展開には、高齢者介護に関する高い専門性に加え、地元資本との提携なども必要とされる。コンサルタント的な業務だけにとどまるのか、それとも地に足の着いたビジネスを行うのか、基本的なスタンスを明確にする必要があるだろう。日本のケアマネジメントのシステムはかなり高いレベルではあるが、ノウハウを提供した後に『もう結構です。お引き取りください』などと言われかねないことを覚悟しておくことも必要だ。海外に進出するにしても、現地の人をターゲットとするのではなく、逆に日本人を呼び込んで介護を受けてもらうビジネスの方が現実的なのかもしれない」
(キャリアブレイン 2011年08月23日 原文のまま)
「海外で介護を受ける時代がやってくる?- 介護企業の海外展開(下)」(8月24日/キャリアブレイン)
海外に進出する介護企業がターゲットとしているのは、何も現地の人だけではない。日本国内の高齢者をターゲットに、海外での介護拠点整備に着手する企業も現れ始めた。(外川慎一朗)
埼玉県を中心に認知症高齢者グループホームや介護付有料老人ホームを展開するウイズネット(さいたま市)の高橋行憲社長は、中国で「日式介護」の普及を目指す理由についてこう語る。
「将来的には、日本の高齢者が中国で暮らしながら十分な介護を受けてもらう、というスタイルもありだなと考えている。日本人が現地にわずか数百人程度では寂しいだろうが、例えば30万人程度いれば、日本人にとって寂しさを感じることのない環境を創出することもできると思う」
同社が目指しているのは、日本人が希望すれば、日本国内だけでなく中国でも十分な介護を受けられること。このため、「親日的」ともいわれる中国東北部の大連市内で日本式の介護サービスの普及を目指し、介護人材の養成や介護基盤の整備などを手掛けている。
日本人向けビジネス、中止も
将来の日本人向けビジネスの足場固めをする企業がある一方で、過去に海外での日本人の高齢者向けビジネスをやめた企業もある。
全国で通所介護事業所や介護付有料老人ホームを運営するリエイ(千葉県浦安市)は2003年、タイのバンコク市内で日本人向けサービスアパートメントの運営事業を始めた。
現地企業と合弁で法人を立ち上げ、看護業務を担う「ナースエイド」の養成課程に介護の独自カリキュラムを組み込み、日本人向けの介護を担えるスタッフ60人を養成した。養成したスタッフが、ロングステイする現地の日本人に介護サービスなどを提供する―。これが、当初同社が描いたビジネスモデルだった。さらに日本とタイの間でEPA(経済連携協定)が早期に結ばれれば、養成した人材を日本の介護現場に送り込めるとの思惑もあった。しかし、この事業は利用者の伸び悩みで収益化に至らなかった上、介護人材の日本への受け入れも実現しなかったため、4年で休止することになった。
ところが同社は、今年8月から同市内で再び介護人材の養成を始めた。年内には第1期生の養成を終え、本格的にビジネスとしてスタートさせることを目指す。病院によるナースエイドの養成課程に介護のカリキュラムを組み込むという、かつてと同じ手法。だが、介護人材を養成する前提がこれまでと異なる。以前はタイでロングステイする日本人向けの人材養成だったが、今回は経済成長を続けるタイの富裕層を対象に訪問介護を担ったり、施設に派遣したりする職員の養成に切り替えた。
「これまでのようなロングステイする日本人向けのビジネスにはあまり期待していない。それより、日本ほどではなくても、タイにも一定数の富裕層はいる。それと同時に、家事を手伝う『お手伝いさん』の文化もある。『介護もできる一段レベルの高いお手伝いさん』を求めるタイの高齢者の需要は高いと判断した」(経営企画部の田中克幸部長)
海外進出に向け「企業と業界は理念の確立を」
福祉サービスの第三者評価機関「ケアシステムズ」(東京都千代田区)の和田俊一代表は、日本人高齢者を対象に介護サービスを提供するビジネススタイルについて、「将来的には一定のニーズが見込める」と指摘する。
「海外で勤務し、海外旅行を楽しむことが現実のものとなった団塊世代には、海外で生活することにあまり抵抗感を持たない人もいる。その上、物価も安いとなれば、余生を海外で過ごそうという人も出てくるはずです」
その一方で和田代表は、物価の安い海外の介護拠点が、所得の低い日本の高齢者の受け皿に位置付けられてしまいかねない点を懸念する。本人の意思とは関係なく、低所得の高齢者が“送り込まれてしまう”危険性をはらんでいるという。
「いずれにせよ、海外における介護拠点の創出は、人の人生にかかわる大事な問題だ。企業や業界全体がどんな理念を持ってやるのか、また、国はどう考えるのかなど、大きな視点で検討を進めることも必要になってくるだろう」
(キャリアブレイン 2011年08月24日 原文のまま )
★アルツハイマー病の間違った概念を改める時(8月16日/アメリカ)
ペンシルバニア州立大学医学部Penn State College of Medicineの人たちの論説によると、
アルツハイマー病の一般的な概念は、原因に関する主流的理論を含め、変更する必要があります。この論説はJournal of Alzheimer’s Diseaseの2011年のVolume 25, Number 4に「アルツハイマー病が変わる:アミロイドボックスの外で考える“」というタイトルで掲載され、論者の一人の同医学部のダニエル・ジョージDaniel
George氏(写真左上)は次のように述べています。
「科学者がまもなくアルツハイマー病を克服するだろうという一般的な信頼は間違っています。一般にアルツハイマー病の話を聞くと、いずれ一流のアメリカサクセス物語が表明されることになっているとされるのです。近い将来、バイオテクノロジーによって高齢者を苦しめる地球規模で増加し広がり何10年にも及ぶ記憶を奪う盗人を克服できるだろうと言われているのです。不幸なことですが、この科学的物語は混乱が少し多くなっています」
アルツハイマー病に原因に関する現在の主流の科学的理論とは、脳への毒性があるアミロイド蛋白斑が神経死の原因とするものです。しかし、ジョージ氏と共同論者のフロリダ大学University of Floridaの特別研究員のサイモン・ダルトンSimon D’Alton氏(写真左下)は、「こうした理論は立証できではない前提であることが明らかにされつつある」と述べています。
さらにジョージ氏は次にように話しています。
「脳を悪化させるいわゆる毒性斑が脳に現れる以前に起こる老化に関係した要因があります。アルツハイマー病が毒性蛋白といった一つだけの原因で起こるものではなく、原因は多要因であり、当初考えられていたことよりはるかに複雑であるのです。アルツハイマー病をあたかもウイルスといった単一状態で起こるとして治療を試みることはできません。これは病気に関する正直な素描です
この10年間に、20種類近い薬の臨床試験が失敗したのは、アミロイドボックスという考え方に騙された結果なのです。毒性蛋白が現れる前に起こっている本当の原因に立ち向かうのではなく、結果として現れた蛋白を取り除こうと試みているにすぎないのです。
これは、石油会社が、川に漏れた油を、汚染したり拡大するのを少なくしたり防いだりするといった上流での状態を管理するのではなく、従業員に川岸で油を汲み出すことに限定しているようなものなのです。
実は私たちは、脳におけるアミロイドの役割について知ってはいません。アミロイドが単に毒性があるだけというより、保護的作用が在るとする証拠も多いのです。
アルツハイマー病の発病過程については、実はあまりよく理解されてはいないので、この病気の革新的治療法が今後20年間に生まれないようです。これに代わり、老化する身体のなかで徐々に起こる機能低下に伴う慢性的で多要因的で長期にわたる症候群としてのアルツハイマー病の本来の性質を基とした治療方法に移行する必要があります。こうした老化に伴う多くの変化は、ライフスタイル―健康的食事、身体運動、毒性物質との接触を少なくする、心理社会的ストレスを減らす、目的ある社会的相互作用、外傷性脳損傷の予防と治療―変えることによってかなり減ずることができます。
人々は人生のなかでこうした過程をたどって年を重ねているように、脳を健康に保つチャンスを増やすことができるということを知る必要があります。薬やワクチンという方法は近い将来には実現しそうにないのです。
こうした理解は、老化する脳を愛おしく思いながら生きながら、その脳を守ることに役立つのです。さらに、私たちが老化過程の影響を受けやすいということは、脳の老化による変化が特に強く出た人たちとへの繋がりを感じるべきなのです。その人たちに、衰退過程という病気モデルに伴う偏見、社会的無視、恐怖ではなく、目的を見つけること、価値ある社会的役割、受容といった姿勢でもって私たちが支援することができるのです」
(Penn State Live August 16, 2011 Researchers: Time to clear up misconceptions about Alzheimer'sおよび論文Changing Perspectives on Alzheimer’s Disease: Thinking Outside the Amyloid
Box)
編者:アルツハイマー病の疾病概念の修正を訴えるだけでなく、病者への倫理的姿勢まで論じた内容は、私の友人であるワイトハウス医師が”The Myth of Alzheimer's“で展開していることで同感すうが、医学雑誌に医学者といより医療人類学を専門とするダニエル・ジョージ氏の見解を医学雑誌が取り上げた。
★アルツハイマー病の6つの検査の利点・欠点(8月15日/アメリカ)
アルツハイマー病診断のため医師は、いくつかの検査を組み合わせて臨床的な評価をします。しかしアルツハイマー病の診断は、もっぱら除外診断を繰り返して行っています。検査によって、アルツハイマー病でない認知症についても分かることもあります。アルツハイマー病の臨床試験を実施している全国80か所の学術施設の共同体である「アルツハイマー病共同研究Alzheimer's Disease Cooperative Study」の代表で神経科学者であるポール・アイゼンPaul Aisen医師(写真)は「診断にハイテクがいつも必要というわけではありませんが、それを使って診断することが多い」と話しています。
診断のために行われる主な6つの検査を紹介します。
1. 簡便型認知機能スクリーニング検査
これは、診療所でもできる認知機能を評価する心理テストです。
実施内容:簡単の認知機能検査は、問題になる思考機能―軽度認知障害あるいはアルツハイマー病によるもの―があるかどうかを調べます。
ミニメンタルステート検査Mini-Mental Status Exam(略称:MMSE)は最もよく知られた認知機能検査ですが、これに似た検査として以下のものがあります。
Modified Mini-Mental State Exam (MMMSE)
Mini-Cog exam
Montreal Cognitive Assessment (MoCA)
St. Louis Mental Status Exam (SLUMS)
Addenbrooke's Cognitive Examination-Revised (ACE-R)
Computer-Administered Neuropsychological Screen for Mild Cognitive Impairment (CANS-MCI)
Blessed Orientation-Concentration-Memory Test (BCOM)
Cognitive Function Test
7-Minute Screen
利点:こうした簡単な認知機能検査は、5分から15分で行えます。アルツハイマー病が疑わしいとさらに詳しい検査が必要となります。また認知症の人を追跡して認知機能の変化を調べることもできます。
欠点:これらは予備的な検査で簡単な認知機能スクリーニング検査だけでアルツハイマー病の診断はできません。結果な異常であってもアルツハイマー病でないこともあります。教育レベルが高く、知的能力が高い人では認知機能障害を見落とすことがあります。またアルツハイマー病でもっとも障害を受けやすい言語、論理といった機能障害は見分けることができません。
実施場所:ほとんどのプライマリーケア医、老年ソーシャルワーカー、もの忘れ外来で行っています。素人が在宅で行うことができる検査もあります。
料金:記憶関連の精密な検査や診療の費用とは別で低料金か無料です。
2. 神経心理テスト
実施内容:神経心理テストは、口頭での質問と書く、話すといった検査を併せたもので、認知機能の程度を詳しく知ることができます。記憶、言語、空間視覚、注意、運動機能、実行機能などを調べます。臨床医は、複数の検査を行って結果を解釈します。アルツハイマー病の診断のための神経心理検査はとして次のものがあります。
Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status (RBANS)
Cambridge Neuropsychological Test Automated Battery (CANTAB)
Neuropsychiatric Inventory (NPI)
利点:神経心理テストは、特に初期あるいはわずかな認知機能低下を確認するために特別に行われます。またアルツハイマー病とその他の認知症を鑑別するため、精神機能のどの部分が障害されているかを詳しく確認できます。これらの結果は個々の治療に際して役立ちます。
欠点:テストには2時間から8時間かかり、標準的な神経科的検査や診察とは別に行われます。被験者にとって退屈でまたストレスにもなります。
実施場所:臨床心理士や精神科医などの専門家がいるところで行われ、検査結果の解釈もこの専門家が行います。もの忘れ外来に神経心理士が居ることは少なくありません。
料金:まちまちですが500ドルから5000ドルです。通常、検査料に1時間当たりの臨床医料が加算されます。多くのテストはメディケアや他の医療保険の対象となっています。
3. 脳画像検査
実施内容:CTとMRIでは脳の構造的変化を観ます。PETは脳の代謝面の変化を観ます。
利点:画像検査の主な目的は、記憶障害の原因やその他の認知症の原因―脳外傷、腫瘍、脳血管障害など―の有無を把握することです。PETはアルツハイマー病と前頭側頭型認知症との鑑別に役立ちます。
欠点:脳画像は通常、静脈内に造影剤を注入します。これで副作用を起こすことがあります。MRIは閉所恐怖症的感覚を起こしたり、ペースメーカーなどの器機を装着した人では行えません。
実施場所:CTとMRIは紹介されて大規模病院や脳画像検査センターで行われます。PETは広くは実施されてはいません。
料金:MRIは1500ドルから3000ドル、PETは3000ドルから6000ドルです。これらの検査はメディケアや民間医療保険の対象になっているようです。研究目的の場合は無料です。
4. 遺伝子検査
実施内容:アルツハイマー病の遺伝子検査は、発病の危険性を高めることに関係するいくつかの遺伝子のDNA解析です。遺伝子検査は、記憶に関係する症状があっても基本的検査の一部として行われるものではありません。三つの特別な染色体の単一遺伝変異による遺伝性若年期アルツハイマー病の発病リスクを確かめることができます。また遺伝子検査は、アポリポ蛋白E APOEの三つの型のどれにあたるかについても調べます。人口の4分の1以上の人がAPOE4の変異を持っていますが、高齢期のアルツハイマー病の発病の危険性をわずか上げるものです。
利点:遺伝子検査点は、すべてのアルツハイマー病の約1%にあたる若年期アルツハイマー病の家族歴を持っている人には有益です。三つの変異の一つを持つとアルツハイマー病を発病する危険性が高くあると予知することになります。APOE遺伝子の検査は、一般的に研究対象でその有無で分類するのに有益と考えられています。
欠点:この検査は、高齢期のアルツハイマー病の99%近くの人たちにはあまり意味がありません。APOE4遺伝子変異はアルツハイマー病の発病した人の3分の1に認められますがこの変異を持たない多くの人でもアルツハイマー病なることがあるのです。
実施場所:医師は、遺伝学者―遺伝子専門家と遺伝相談員―に紹介します。国立アルツハイマー病細胞管理所National Cell Repository for Alzheimer's Diseaseでの遺伝子研究に登録して調べることもできます。消費者向けの遺伝子検査会社―23andme や Navigenics―はオンラインで、APOE-4 遺伝子のDNA分析を行っています。
料金:こうした検査は遺伝相談も含め約150ドルです。研究目的の場合は無料です。個人的にオンラインによるDNA分析では200ドルから400ドルです。
5.脳脊髄液検査
実施内容:脳脊髄液は腰椎穿刺で採取されアルツハイマー病の人の脳に在ある生体指標―斑を形成するアミロイド蛋白と神経源線維を形成するタウ蛋白―を測定します。
利点:脳脊髄液検査は生体指標によって、アルツハイマー病の臨床症状が現れる前の状態でもあるかどうか確かめられます。軽度認知障害の人でアミロイド前駆蛋白生体指標(APPPB)があることは80から90%の割合―もっとも研究中の数値ですが―でアルツハイマー病を発病することが予測されます。
欠点:腰椎穿刺は身体に害を及ぼしかねない行為で経験ある専門医が行うものです。穿刺は不愉快で、感染、出血、痛みといった合併用が少なくなりません。検査室の多くはこの新しい専門的な検査を実施できる体制にはありません。生体指標があることが何を意味するのか十分に理解するために長期間の被験者の追跡が行われてはいません。
実施場所:神経科医が居る特別な記憶センターで受けるのが最善です。そこでは神経科医が日常的に腰椎穿刺を行っています。もの忘れ外来では、その結果をどのように理解するか教えられます。検査を行う臨床試験の参加者になることも必要かもしれません。
料金:一回に200ドルから800ドルで、この検査のための予備的検査と専門医料の費用が
加算されます。研究目的では無料です。
6.PETアミロイド検査
実施方法:PETを使った新しい検査が、アルツハイマー病のすべての人の脳に認められるアミロイドと呼ばれる物質を検知するために研究者によって行われています。
利点:この検査は、現在、アミロイドが無い場合はアルツハイマー病でないことと確かめるのに役立っています。いずれこの検査は記憶障害が明らかになる数年前の早期にアルツハイマー病であると正しく確認することができるようになるでしょう。また軽度認知障害の人がアルツハイマー病まで進むかどうかを決めるのにも役立つようです。
欠点:脳のアミロイドを確認するこの検査は、現在、研究目的で行われているにすぎません。診断や治療に役立つことがまだ証明されていないのです。この脳画像検査は高価であり、症状が現れる前のアルツハイマー病の人の発症を遅らせるに役立つのでないならで広く行われる有用な検査とはならないようです。
実施場所:現在のところ、この検査は臨床試験としてのみ行われています。
料金:研究対象者は無料です。
現在、アルツハイマー病の確定診断は死後の脳解剖でのみ可能です。医師は利用可能な検査を行って他の認知症の病気である可能性を除外したのち「アルツハイマー病らしい」と診断しています。
(caring.com August 15, 2011 Alzheimer's Tests: Pros and Cons of the 6 Main Options)
編者:よくまとまった認知症関係の検査の解説だ。やはりアメリカの検査料金は安くはないが、CTやMRIが大病院にしかないというのに診療所にもある我が国は異常なのだろう。地震国なのに原発を多数持っているのとなにか根は同じ様な気がする。
★アルツハイマー病国家戦略についてアルツハイマー病の人や家族らの公聴会(8月14日/アメリカ)
今週、サンフランシスコのユニオンスクエアーに在るホテルの宴会場は300人ほどの人でいっぱいでした。なんらかのかたちでアルツハイマー病に関係する人たちばかりで、介護者が多かったのですが、初期のアルツハイマー病の人もいました。さらに医学研究や高齢者介護の分野で従事している人、アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationの人たちもいました。
その集会は、オバマ大統領が今年1月に署名した新しい法律「アルツハイマー病国家戦略National Alzheimer’s Project Act (NAPA)」に基づく全国の一連の公聴会ツアーの一部でした。
連邦政府から出席した聞き取り役は、保健福祉省Department of Health and Human Servicesの副次官補のドナルド・ムールズDonald Moulds氏(写真左上)でした。
この集会についてはアルツハイマー病協会が新しい法律に施行にあたって主要な人たちを招集したのです。アルツハイマー病でもっとも影響を受ける人たちが自分の言葉で意見を述べ、期待に応えるために政府が行うできことの枠組みを作ことを支援することになります。
発言者の一人は、アルツハイマー病研究者で同じ病気になったレ・リン・バークRae Lyn Burke氏(写真左下)で、彼女は「連邦政府がアルツハイマー病への投資額が少ない」と憤慨し、「NAPAは自分の救うのには遅すぎたが、今後アルツハイマー病と診断されるであろう何百万というベビーブーマーたちにとって希望となる必要がある」と述べました。
もしエイズと同じくらいの金額がアルツハイマー病のための資源に投資されておれば、同様のよい結果がうまれただろうと主張する人も多くいました。エイズは、先進国ではもはや管理可能な病気になっています。
アルツハイマー病の基礎知識が不足しており、プライマリーケア医師の治療についての多くのが話がありましたが、ある医師は「アルツハイマー病の診断と治療は、現行の医療制度の最大の弱点の一つに直面しています。医師は診断するために多くの時間を要しますが、短時間に診て検査の指示することで報酬を得ているのが現状です。これではアルツハイマー病の診断に役立ちません」と意見を述べていました。
介護者の話が最も胸を打ちました。
アルツハイマー病で家族を失い、また失いつつあるというだけでなく、大きな個人的な犠牲のうえにあるのです。社会的資源がほとんどないなかで、24時間365日の孤立した介護をしているのです。ある介護者は「NAPAが介護者を補償する制度を見出してほしい。家族を支えるための介護者は仕事も医療保険も辞めている」と話しています。議論となったことは、納税者にとってアルツハイマー病の人を家で看るみる方がナーシングホームに入れるよりはるかに安いという事実についてでした。
サンフランシスコでの開催された集会は、今後各地で行われる多くの公聴会の最初の一つです。NAPAの狙いは、国家をアルツハイマー病に関する初めての国家戦略の展開に向けようとすることです。公聴会でのすべての意見や情報は収集され、この秋に健康福祉省の幹部に提示される報告書になる予定です。
(NBC BAY AREA Aug 14, 2011 The Personal Side of Alzheimer's Disease)
関連情報:a short fact sheet on NAPA(Alzheimer's Association)(pdf36K)
訳注:バーク氏は現在63歳で、バイテクの研究者として数社で肝炎やアルツハイマー病のワクチンの開発に従事する。当初、掛算ができなくなり2008年にアルツハイマー病と診断された。
(Deseret News Aug. 13, 2011 Alzheimer's researcher, now a patient, still fights diseaseより)
編者:今年の1月に成立したNAPAが施行される。この法律により、連邦政府にアルツハイマー病年次対策の議会への報告、アルツハイマー病の人と低所得者へのサービスの向上などの年次勧告、連邦政府による研究、医療、社会サービスの年次評価および委員会の開設を行うことになっている。アメリカでのアルツハイマー病対策の新しい展開であるが、現在の財務状況からしてその効果は楽観的ではない。なお、法文では「アルツハイマー病」は「アルツハイマー病とその関連認知症」と意味する。
★「韓国で介護難民が少ない本当の理由 社会保障制度を分析する―その3「介護」」(8月8日/日経ビジネス)
韓国ではつい最近まで高齢者介護は家族が担うものとされてきました。老人福祉法の第3条には「国家と国民は敬老孝親の美風良俗にともなう健全な家族制度が維持・発展するように努力しなければならない」と規定されています。
これは高齢者介護については「先家庭保護、後社会福祉」という基本方針を提示したもので(※1)、儒教思想に基づく考え方だと言えます。儒教思想の影響を受けている点では、日本も韓国も同じですが、韓国ではその影響が現在でも日本より強く残っています。
しかしそのような韓国でも、家族による高齢者介護は様々な限界に直面しています。日本の介護保険法に相当する、老人長期療養保険法案の提案理由で述べられているように、韓国は世界でも例のないスピードで高齢化が進行しています。急激な高齢化により認知症など日常生活が難しい高齢者が増加し、核家族化や女性の社会進出などにより介護が必要な老人を家庭で世話することが難しくなっています。
家庭の介護費用負担も重くなり、高齢者介護問題は社会全体で解決しなければならない深刻な問題になりました。このため、儒教思想が色濃く残る韓国でも、介護保険を導入することで、高齢者介護を社会で担うことが必要となっているのです。
このシリーズでは、年金、医療保険は、高齢者には厳しく、公費負担はできる限り抑えた制度であることを指摘してきましたが、介護保険はどうでしょうか。結論から言うと、介護保険についてもやはり、総じて高齢者に厳しく、公費負担は少なく抑えられています。
介護保険料は若者含め広く負担
韓国の介護保険(韓国での名称は「老人長期療養保険」ですが、以下では「介護保険」とします)は、2001年8月15日(光復節)に当時の金大中大統領が導