2017年
アルツハイマー病研究の挫折はバイオジェン投資家への警告(12月21日)
認知症の人は今後30年内に3倍―WHOの取り組み―(12月7日)
アルツハイマー病は2060年までに2倍になると予測、しかし準備ができていない(12月7日)
「アルツハイマー型認知症の治療薬が2020年に実用化!?」(11月12日)
「日本発の認知症啓発リレー、当事者や家族ら300人が台北を走る/台湾」(11月6日)
ビシャンの屋台は認知症の人に食事を提供するにふさわしい最初の店(10月7日)
アイダホ州ボイシで「アルツハイマー病を終わらせるウオーク」開催(10月7日)
認知症の人の憩いの公園(9月11日)
今月は世界アルツハイマー病月間(9月1日)
認知症の人と家族のよりよい生活に向けた社会事業の支援(8月11日)
「正念場の認知症研究、新薬不発 発症前治療に転換」(7月17日)
「コンビニに認知症のインターン生 最高齢98歳 思いやり呼び掛け」(7月15日)
「オランダでは安楽死が「転倒する不安」「認知症」で認められる」(7月5日)
カナダは認知症国家戦略のある30番目の国(6月22日)

「特別寄稿 本能的 遠距離介護④ 介護のルール把握が重要」(6月20日)
元裁判官は認知症と診断され「生きる意欲を失くした」と自殺(6月7日)
「文大統領「認知症治療費、本人負担率10%以内に」」(6月3日)
アルツハイマー病の死亡率が過去15年間急増(5月26日)
「アメリカアルツハイマー病財団」のトランプ大統領予算への声明(5月23日)
保守党は論争となった「認知症税」の公約を幅広い反発で180度政策転換(5月22日)
認知症の看護師が就労継続へ(5月16日)
アルツハイマー病だからといって直ちに運転免許証を失うわけではない(5月16日)
「英国で認知症患者の旅行が人気の兆し」(5月16日)
「タイで「認知症キャラバン・メイト養成研修」が開催」(5月2日)
ノバルティスはアルツハイマー病を発症しない人への新薬を試みる(4月22日)
メガバンクが認知症の顧客を支えるために取り組む(4月12日)
認知症の発症率が低下している。しかも少しというわけではない(4月10日)
認知症クラブの会員は日本協会の人と着物や折り紙を楽しむ(4月7日)
イギリスの認知症研究者は2008年と比べ2倍増(3月14日)
ドバイの地域団体がアルツハイマー病の外国人居住者を支える(3月12日)
アルツハイマー病のファーストレスポンダー法、支持を得る(3月8日)
多くの家族が困難な認知症に取り組む(3月4日)
「見返りは巨大、失敗もいとわず-アルツハイマー病新薬開発競う各社」(3月3日)
認知症の人の緩和ケアが乏しい(3月1日)
元高等法院家事部長官が認知症と診断された後、自殺(2月23日)
ケベック州で終末期ケアに関する法律をアルツハイマー病に適応拡大で議論(2月22日)
2025年までに認知症関連経費は180億ドルとしてアルツハイマー病協会は認知症国家戦略を要請(2月15日)
「米メルク、アルツハイマー病治療薬の一部研究打ち切り-軽・中度対象」(2月15日)
「認知症ケアに変革が必要」と介護者の声(2月13日)
「スコットランド認知症賞」―適切に評価されていない陰の英雄たちの価値が注目される―(2月11日)
認知症の人をアメリカからイギリスに家族が空路で連れていき置き去り(2月4日)
新しい「認知症ガイドブック」(1月26日)
キャメロン前首相、「アルツハイマー病研究財団」の会長に就任(1月25日)
認知症デイケアセンターが開設(1月17日)
アルツハイマー病啓発月間の取り組み(1月7日


過去の資料(2004~2016年12月)


2017年


★アルツハイマー病研究の挫折はバイオジェン投資家への警告(12月21日/アメリカ)
アルツハイマー病の治療研究で「バイオジェンBiogen」の躓きで投資家は、将来より大きな危険を想い起すべきです。
アルツハイマー病治療の新たな別の試験が失望に終わりました。これはアメリカで最も期待に応えられていない医療のニーズに対する取り組みで製薬企業の一連の失敗に連なるもので、投資家は今後の試みにもっと懐疑的になるべきでしょう。
製薬企業のバイオジェンとエーザイEisaiは「共有する実験中のアルツハイマー病試験薬―BAN2401―は中間的な臨床試験の結果から成功と認定される基準を満たさなかった」と公表しました。研究は、さらに6カ月続けられますが状況は暗いようです。
このニュースは、バイオジェンの株主に新年を落胆させるものではありません。企業の株は、20日午前の取引で2%下落しましたが、今年中でみると20%以上上昇したままです。株主は、別のアルツハイマー病試験薬「アデュカヌマブaducanumab」の試験にさらに関心を示しています。バイオジェンは、完全な経済的権利を保持しています。投資家は、来年のこの薬の後期データの暫定的な見解に期待を寄せています。しかし、いずれ企業が薬の開発に成功するにしても、投資家が期待する大きな報酬に関して成功するという勝ち目へは冷めた目で加減されるできです。
アルツハイマー病の臨床試験の歴史的失敗の割合は99%を以上です。アデュカヌマブはアミロイドベータとして知られるタンパクを標的として作用しますが、最近注目されながら最近失敗した多くのアルツハイマー病の候補薬と同様の作用機序があります。
勝算にかかわらず投資家は、バイオジェンに成功の可能性があるとなんらかの信頼を持っています。この企業は中枢神経系薬について安定したビジネスを展開しており、5%の収益成長率、20倍の年間収益をもつ株、最大の製薬企業より高い評価を維持しています。その理由のひとつがアデュカヌマブに関する楽観論です。
今回のアルツハイマー病薬の失敗は、来年、さらにおおきな失望をもたらすかもしれないという投資家への警告です。
WSJ Dec. 21, 2017 Alzheimer’s Setback Is Warning to Biogen Investors
バイジェンのプレスリリース:Adaptive Phase II Study of BAN2401 in Early Alzheimer’s Disease Continues toward 18-Month Endpoint(December 21, 2017)
エーザイのニュースリリース: BAN2401の早期アルツハイマー病を対象としたアダプティブ臨床第II相試験を18カ月のエンドポイントに向け継続(2017年12月21日)
サイト内関連記事:「「Aβ仮説に確信」エーザイ アルツハイマー薬開発で勝負に―アデュカヌマブ前倒しで共同開発」(2017年10月25日)

認知症の人は今後30年内に3倍―WHOの取り組み―(12月7日/WHO)
地球規模で人口が高齢化するに伴い、認知症の人の数は2050年までに5000万人から1億5200万人になると予測されています。
世界保健機関World Health Organization(WHO)のテドロス・アダノム Tedros Adhanom事務局長(画像)は次のように述べています。
「毎年、ほぼ1000万人が認知症になり、このうち600万人は低中所得国です。その苦しみは甚大です。これは警報なのです。すなわち、私たちはこの増大する挑戦にさらに大きな注意を払わなければなりません。すべての認知症の人は、どこで暮らそうと、必要とするケアを受けることを保証しなけばならないのです」
全世界の認知症の年間推計費用は8180億ドルで、これは全世界の国内総生産の1%と同額です。全費用は、直接の医療費、社会的ケアと公的でないケア(介護者の所得損失)を含みます。2030年までにその費用は2倍以上―2兆ドル―になると推計されています。この費用は社会経済的な発展を弱体化し、保健と社会サービス―介護制度を含む―を圧迫します。
初めての地球規模の監視体制が発足
「世界認知症観察Global Dementia Observatory」は、今日WHOが立ち上げたウエッブによるプラットフォームですが、認知症の人と彼らの介護者のためのサービスの提供に関する進展が具体を国内でも世界でも追跡されるでしょう。それは、ケアと治療の提供のための国家政策、国家計画、危険性を減らす施策とインフラの現状を監視するものです。これには監視体制の情報と病気の負担に関するデータも含みます。
WHOの精神保健・薬物依存部のタルン・デュアTarun Dua部長は次のように述べています。
「これは認知症に関する初めての地球規模の監視体制で、複合的範囲のデータを含みます。この体制は進展の具合を追跡することを可能にするだけでなく、重要なことですが、どの分野で将来の努力が最も必要なのかについて確かめることもできます」
激励することで認知症と介護者支援の計画が生まれる
現在までWHOは、すべての所得レベルの21カ国(注)からデータを集めました。2018年末までに50カ国からデータが提供されるでしょう。
最初の結果が示すことは、データを提供した国々のほとんどは、計画、認知症啓発、認知症フレンド(地域活動への参加を容易にし認知症の人への偏見に取り組むなど)、支援の提供、介護者―ほとんどが家族―の研修などの分野で既に行動を起こしていることです。
報告した国のその他の情報
81%は、認知症啓発あるいは危険性軽減の活動を行っている。
71%は、認知症計画を持っている。
71%は、介護者の支援と研修を提供している。
66%は、認知症フレンド活動を進めている。
これらの滑動のすべては、「認知症2017・2025年に応じた公衆保健の全世界行動計画Global action plan on the public health response to dementia 2017-2025」でWHOが推奨しています。この「計画」はいくつかの分野―「認知症啓発と認知症フレンド」「認知症の危険性の軽減」「診断、治療、ケア」「研究と革新」「認知症介護者への支援」―での行動のための複合的な設計図を提供しています。
それは、政策決定者、医療と社会ケア提供者、市民社会団体、認知症の人と介護者によって取り組むことが可能な具体的な行動を示唆します。また「計画」は、認知症の人の人権を尊重し、ケアに関する計画に彼らを含めることの重要性に注目するまでに発展しています。どのような進展を観察することができるかのその目標についても計画に含まれています。
診断と研究には意義ある努力が必要
データを提供した国の14%しか、認知症と診断された人数が提示されていません。先の研究によると低中所得国の認知症の人の90%ほどは自身の状態について気付いていないのです。
またデータから研究を急速に進展させることの必要性が強調されています。近年、認知症治癒の研究への投資として利用される資金に関して心強い兆候がありました。しかし、さらなる研究が必要です。2016年、認知症に関する査読される雑誌での論文数は7000編近くありました。これと比較して同年、糖尿病については1万5000編以上、がんについては9万9000編以上でした。研究は、認知症の治癒を見付けるためだけでなく、予防、危険性の軽減、診断、治療、ケアの分野でも必要です。
「観測所」は、知識の貯蔵所を提供し、そこでは医療や社会ケアの権威者、医療専門職、研究者、市民社会団体が、国や地域の認知症の状態、地球規模の報告、政策助言、指針、認知症予防とケアのツールキットを見付けることができるでしょう。
認知症
認知症はいくつかの疾患の総称です。疾患の多くは進行性で記憶やその他の認知機能、行動に影響を及ぼし、日常生活を維持する個人の能力に有意に影響します。女性が男性より影響を受けやすい。アルツハイマー病は、認知症のもっとも多いタイプで全体の60から70%を占めます。その他の認知症として血管性認知症、混合型認知症があります。
編者ノート
WHOの全世界認知症観測所の作業は、カナダ、ドイツ、日本、オランダ、スイス、イギリス、EUの政府の支援を得ています。
より詳しい情報を希望する方は以下とコンタクトを取ってください。
Alison Brunier 
Communications Officer World Health Organization
Tel: +41 22 791 4468 Mobile: +41 79 701 9480 E-mail: bruniera@who.int
Fadela Chaib
Communications Officer World Health Organization
Tel: +41 22 791 3228 Mobile: +41 79 475 5556 E-mail: chaibf@who.int
注:Australia, Bangladesh, Chile, Costa Rica, Dominican Republic, Fiji, France, Hungary, Italy, Japan, Jordan, Maldives, Mauritius, Myanmar, Netherlands, Qatar, Swaziland, Sweden, Switzerland, Togo, Tunisia
WHO News release 7 DECEMBER 2017  Dementia: number of people affected to triple in next 30 years
編者:新しい事務総長はエチオピアの元保健大臣で元外務大臣。アフリカから初めて。

★アルツハイマー病は2060年までに2倍になると予測、しかし準備ができていない(12月7日/アメリカ)
国立保健研究所National Institutes of Health(NIH)の助成による研究によって驚くほどの予測を示されています。アルツハイマー病あるいはアルツハイマー病に至らない認知障害のアメリカ人の数は、人口の高齢化で加速され2060年までに2倍以上の1500万人になるでしょう。また、アルツハイマー病に成るおそれのある人達を含めた新しい研究方法によると、約600万人のアメリカ成人がアルツハイマー病あるいはアルツハイマー病による軽度認知障害であると、研究者は結論づけています。
新しい計算方法は、現行の方法よりは正確でアルツハイマー病の予防方法を評価することに有用であるようです。
NIHのプレスリリースに以下の解説が載っています。
「初めて、科学者らは、アルツハイマー病の可能性のある発症前の証拠が確かめられた生体指標などで、アルツハイマー病による障害もアルツハイマー型認知症も認めない人の数を算出する方法を試みた。発症前疾患の兆候を認めることはアルツハイマー型認知症になる危険性を高める。さらに研究者らは、複数の州のモデルを使って推移する状態の割合を因数分解し、このモデルによって、将来の患者数になにか可能性のある予防方法がどのように影響するかを推測することもできると研究者は述べている」
疾病予防管理センターCenters for Disease Control (CDC)によると、アルツハイマー病はアメリカで死因の第6位を占めています。アメリカとその他の国で、アルツハイマー病とその他の認知症や認知機能低下を含む状態は今後数十年間で急増すると予測されています。これは、全世界で人の寿命が伸びることによる皮肉な副産物です。問題は、アルツハイマー病の症状ではなく、病気の根源に立ち向かう薬が本当のところ無いことです。この分野で革新的な取り組みをしている企業―イライリリーEli LillyやメルクMerckなど―は多額の失敗をしました(但しバイオゲンBiogenはなお努力を展開している)。また、治癒を求めて、正確に何に焦点を絞るべきかについて、多くの科学者の間で合意がなされていません。
治療に関する選択肢が少ないことから、効果的な予防方法―食事療法、運動、脳ゲームなど―を発見するための出資金が増えています。しかし、こうした選択肢の評価に関して第一歩は、数値を明確にすることです。これには今回の新しい方法がより広い目標でもあるのです。
Fortune 12/07/2017 Alzheimer's Cases Are Expected to Double By 2060 and We're Not Ready for It)
関連情報
News Releases (NIH): New forecast shows 6 million with Alzheimer’s disease, cognitive impairment December 7, 2017
論文:Forecasting the prevalence of preclinical and clinical Alzheimer's disease in the United States Published online: December 06, 2017 Alzheimer's & Dementia 
画像:筆頭著者Ron Brookmeyer(Department of Biostatistics, University of California, Los Angeles, CA, USA)
編者:アルツハイマー病に有病率に関する新しい研究方法であるが、編者は論文の正確な論評ができない。生体指標などを駆使して発症前アルツハイマー病の事例を推計することで将来発症するアルツハイマー病の有病率を推計しようとするらしい。発症前アルツハイマー病の人がすべて発症するわけではないので予防方法の有用性についての評価にも利用できそうだということだろう。

★「アルツハイマー型認知症の治療薬が2020年に実用化!?」(11月12日/AERA dot.)
アルツハイマー型認知症の治療薬をつくるべく、各社が競って研究を進めている。週刊朝日MOOK「家族で読む予防と備え すべてがわかる認知症2017」では、研究の現場を取材した。
*  *  *
高齢化に伴い増加するアルツハイマー型認知症(以下、AD)に関しては現在、4種類の治療薬が存在する。しかし、日本では2011年7月を最後に、ADに対する新薬は登場していない。患者数が増加の一途をたどっている病気で、ここまで長期にわたって新薬が登場しないケースは珍しい。
この現象は日本特有のことではない。アメリカ研究製薬工業協会が15年7月に公表したAD治療薬の開発に関する報告書では、同協会会員の製薬企業が1998~2014年に臨床試験をおこなったAD治療薬候補127成分のうち、製造承認に至ったのはたった4成分。確率にして3.1%だ。一般的に、薬の開発では臨床試験に入ったもののうち10%強が患者に投与されるところまで行きつく。つまり、これはかなり低い成功確率なのだ。
AD治療薬の開発の困難さに関して、昭和大学薬学部薬理学講座教授の野部浩司氏は、「ADはいまだ原因が明確ではないにもかかわらず、新たな物質(新薬)の効果を評価することが求められている難しい領域」と語る。簡単に言うなら、正体のわからない敵に効果のわからない手段で立ち向かうという状態なのだ。
その理由に迫る前に、そもそもADが起きる仕組みを説明したい。ADはアミロイドβ(以下、Aβ)、タウと呼ばれるたんぱく質が塊を形成して脳内に蓄積することで神経細胞が死滅し、記憶障害などの症状が出る。この過程で神経細胞が弱っていき、神経と神経の間で情報伝達を担う神経伝達物質の量も異常になり、記憶力の低下に拍車がかかるとされている。現在ある4種類の治療薬は、いずれも神経伝達物質の量を調整し、記憶力低下を回復させる。
□Aβとタウの蓄積を止める薬が必要
しかし、この回復は一時的。この間にもAβやタウの蓄積で神経細胞の死滅は進行していくので、これら治療薬で神経伝達物質の量を調整しても意味がなくなってしまうからだ。より根本的な治療を目指すならば、Aβやタウの蓄積を止める薬が必要になる。
実はこのAβとタウの蓄積は、ADの原因とは断定できていない。進行とともに患者の脳内に蓄積が進むため「原因だろう」と推定されている仮説なのだ。
Aβ仮説とは、こうだ。Aβのたんぱく質は3段階あり、酵素によって切り出されてできた最初のAβはモノマーと呼ばれ、これが複数絡み合ってオリゴマーになり、さらにそれらがプラークという塊を形成して脳内に張りつき、徐々に神経細胞を侵してADに至る。段階を経るごとにAβは毒性を増していく。
仮説とはいえ現時点で最有力であるため、現在のAD治療薬開発の主流は、Aβをターゲットにしたものに集中している。多くはAβを排除する抗体(抗Aβ抗体)を注射で投与し、Aβを取り除こうとしている。ただ、仮説ゆえに開発途中で数々の困難にも直面している。
実際、16年11月、AD治療薬を開発する関係者や患者を落胆させた出来事が起きた。米の大手製薬会社・イーライリリーが、臨床試験を実施していた「ソラネズマブ」という抗Aβ抗体について、医薬品としての承認申請を行わないと発表したのだ。早期認可が期待されていたが、最終段階の国際共同臨床試験・EXPEDITION3の結果、偽薬と比べ、明確な有効性の差が示せなかったからだ。
既に12年には米ファイザーの抗Aβ抗体・バピネオズマブも十分な有効性が示せずに開発中止に追い込まれており、一見するとAβ仮説に希望の光はないかのように見える。
ところが、別のところでは明るい兆しが見え始めている。ソラネズマブの承認申請の断念に先立つ16年9月、イギリスの有力科学誌「ネイチャー」に米バイオジェンが開発する抗Aβ抗体「アデュカヌマブ」が初期の試験で有効性を示したことが報告された。
この試験では放射性診断薬を用いた陽電子放射断層撮影法(PET)という画像診断で、アデュカヌマブを投与した患者の脳内ではAβ量が徐々に減少することが明らかになったのである。
しかも、CDR-SB(臨床的認知症重症度判定尺度)、MMSE(ミニメンタルステート検査)といった認知機能テストでも、偽薬を投与した群に比べて病状の悪化は少なかった。このまま試験がうまく進めば22年前後に実用化が見込める。
米バイオジェンの日本法人バイオジェン・ジャパンの社長で研究開発本部長も務める鳥居慎一氏は、「アデュカヌマブが持つ特性と臨床試験の手法が良好な成績の理由だろう」と説明する。
具体的に説明すると、アデュカヌマブは前述のAβで最も毒性が高いとされる脳内のプラークを標的にしている。また、従来の抗Aβ抗体の臨床試験では、ある程度症状が進行した患者を対象にしていたが、アデュカヌマブでは、軽度あるいはその直前の前駆期と呼ばれる超初期のAD患者を対象としたのだ。
前駆期と呼ばれる患者は、自覚症状が少なく、医療機関になかなか足を運ばないため、臨床試験に組み入れるのが難しい。実はソラネズマブが承認申請を断念したのも、この辺に大きな理由がある。米イーライリリーの日本法人・日本イーライリリー研究開発本部の中村智実氏は、「ソラネズマブは軽度ADの患者で臨床試験をおこなったが、この段階でも症状はある程度進行しているため、対象として的確ではなかったとの専門家の意見は多い」と語った。
また、ソラネズマブはAβの第1段階であるモノマーを標的としていた。初期に血中にあるモノマーを減らせば、脳内のAβが血中に出てきてバランスを保とうとし、結果として脳内のAβが減るという「シンク仮説」に基づいた薬剤だったからだ。しかし、想定したほど脳内のAβは減少しなかった。
とはいえ中村氏は、「少ないながらも効果は認められたので、ソラネズマブが完全に失敗したとは思っていない」と語る。現在、新薬の臨床試験は中断したが、国際的な官民共同試験が進行しており、そこで成功すれば、再び日の目を見る可能性もある。
この対照的な結果は、他社の抗Aβ抗体開発にも影響を及ぼしている。Aβのプラークを標的とする「ガンテネルマブ」、オリゴマーをメイン標的とする「クレネツマブ」という2種類の抗Aβ抗体を開発する中外製薬。同社はアデュカヌマブの試験結果を基に、いずれの薬剤でも臨床試験の投与量を増量して臨床試験を再設計する方針を固めた。中外製薬のプライマリーライフサイクルマネジメント部の中谷紀章氏は、「Aβのなかでオリゴマー、プラークのどちらがADの主犯格かはまだわからない。今後われわれや各社の臨床試験の結果で、こうしたAβ仮説のさまざまな疑問が明らかになる」との見通しを示す
□AD克服へ 各社の挑戦は続く
アリセプトを開発したエーザイは新たに、抗Aβ抗体の「BAN2401」とβセクレターゼ(BACE)阻害薬の「エレンベセスタット」を開発中だ。BACEはある種のたんぱく質からAβのモノマーを切り出す働きをする酵素。BACE阻害薬はいわばAβの源流を断つ戦略だ。後者は全世界で合計2660人の患者を集め、二つの臨床試験を実施している。
各社とも互いを横目で眺めながら、まさにトライアル・アンド・エラーの連続で治療薬の開発を進めている。これらのうち最も早く患者に届くものは、うまくいけば20年前後に登場する見込みだ。
ただ、現在開発中のAβターゲットの治療薬はADの進行を遅らせる薬で、完全に治せるものではない。しかし、これは必ずしも暗いニュースではない。そもそもADの発症は60~70代に多い。今後登場する複数の薬でこれを10~15年遅らせることができれば、天寿にほぼ近づき、事実上のAD克服といえるからだ。
(取材・文/村上和巳)
AERA dot. 2017年11月12日 原文のまま

「日本発の認知症啓発リレー、当事者や家族ら300人が台北を走る/台湾」(11月6日/中央通訊社)
(台北 6日 中央社)認知症の患者や支援者らがタスキをつないで走る日本発の啓発イベント「RUN伴」(ランとも)が5日、台北市内で開かれた。若年性認知症の当事者で、同イベントの今年のアンバサダーを務める丹野智文さん(43)を始め、患者やその家族、一般の参加者ら約300人が2つのコースに分かれて市内を走り、沿道の観客から声援を受けた。
RUN伴は認知症の人とともに生きる社会を目指し、NPO法人、認知症フレンドシップクラブ(東京都)が2011年から毎年開催するイベント。海外での実施は今年が初めてとなる。台湾でのイベントは認知症の支援団体、台湾失智症協会や台北医学大学らが主催。4日の基隆市を皮切りに、26日までの土日に台北市や台中市、苗栗県など計8県市で実施される。
台湾失智症協会の徐文俊主任委員によれば、台湾の認知症患者数は年末までに27万人を突破する見通し。徐氏は、患者数の急速な増加は単一国家だけで解決できる問題ではないとし、アジア各国が力を合わせ、認知症にやさしい社会を作れればと期待を寄せた。
台湾の主催者によると、2019年までに各地でイベントを開催し、台湾一周達成を目指す予定だという。(編集:名切千絵)
フォーカス台湾 2017年11月6日 原文のまま
関連情報:台灣失智症協會 2017/11/06 [新聞稿] 千人RUN伴健走加油為日本台灣失智者打氣

★ビシャンの屋台は認知症の人に食事を提供するにふさわしい最初の店(10月7日/シンガポール)
10月6日、シンガポール・ビシャンBishanの中心部で実物大のホーカー・フードの写真シールがすべてのテーブルに貼られています。その椅子に座って英語と中国語の添付文を読むと、認知症の人のなかには正確に貨幣価値をわからない、間違った料理が提供される、不適切な調味料を頼むかもしれないことが書かれています。
さらにビシャン通り13の「キムサンレンフッドセンターKim San Leng Food Centre」の15人の屋台所有者は、認知症の可能性のある人を確認し支援するための研修を受けました。これはシンガポールで初めての認知症にやさしい屋台とされています。
また彼らは、屋台でのチェックリストも受け取っており、そこには注意することが説明されています。すなわち丁寧に、認知症と思われる人を急かさない、口論しない、自分の間が持てるようにするといった助言が書かれています。
これは、地区の慈善団体「リアン財団Lien Foundation」が運営する「私たちを忘れないで(Forget Us Not:FUN)」の活動です。
財団は、この活動を2016年初めに立ち上げ、1万8800人にいわゆる「認知症フレンドdementia friends」の研修を行いました。この研修に86の企業、行政機関、学校、宗教施設、ボランティア団体、財務機関、運輸機関から参加しました。
事実、この屋台は「ビシャンイーストトムソン選挙区Bishan East-Thomson Constituency」での認知症に優しい地域創りの主要な取り組みの一部です。
選挙区とFUNは共同し、さらなる地域活動の企画―学校での講義、研修、有名人による興行、学生美術コンテスト―も計画しています。そして、1年以内にFUNの傘下の3000人の認知症フレンドを養成する計画もあります。
同選挙区の草の根運動の指導者、ドムンド・リムEdmund Lim氏は「これはより若い世代を教育する方法です。私たちのような高齢者を介護することの重要性に気づいてほしい」と話しています。
また財団のリー・ポー・ワーLee Poh Wah最高責任者は「シンガポールは、認知症にやさしい地域創りを長く関わっている。日本では12年前にこの構想を導入し既に880万人の認知症フレンドが居ます。一人当たりでみるとシンガポールの20倍です」と話しています。
「シンガポール精神保健研究所Singapore's Institute of Mental Health」によると、シンガポールの60才以上の10人に1人は認知症です。
画像説明:屋台の内側に貼られた認知症の人への対応のチェックリスト。
Straitstimes  OCT 7, 2017  Bishan coffee shop's speciality: Catering to those with dementia - a first in Singapore)
編者:まだ始まったばかりの試みでありどのような成果が生まれるか未知だが、シンガポールの認知症への積極的な取り組みの一つとして紹介した。

★アイダホ州ボイシで「アルツハイマー病を終わらせるウオーク」開催(10月7日/アメリカ)
10月7日の土曜日、アオダホ州ボイシBoiseのクレイナー公園Kleiner Parkでのウオークでアルツハイマー病の家族と彼らが何と戦っていかを思い出させます。
「アルツハイマー病を終わらせるウオーク"The Walk to End Alzheimer's"」は、アルツハイマー病やその他の認知症を終わらせるために行われています。
アメリカでアルツハイマー病と戦っている人は500万人以上、アイダホ州で2万3000人です。アイダホ州南西部のトレジャーヴァレーTreasure Valleyに住む家族と同様に、番組「あなたのためにOn Your Side」の第6編集室でもアルツハイマー病でかなりの影響を受けています。
局のデジタルディレクターのJベウツJ Batesとニュースディレクターのグレンデル・レビーGrendel Levyは、共にこの病気で家族を亡くしています。彼らは、アルツハイマー病を終わらせるためのウオークに参加し、病気を食い止めるため機会を提供します。
ベイツは「これはまさに私が何かできる方法です。この病気について人はとても手のほどこしようがないと感じるからです」と話しています。
参加者は、花型の風車を持って、まだ治らないこの病気で人がどのように影響を受けるかを表明します。
オレンジ色は支援者、黄色は介護者、青色はこの病気と戦う人、紫色は家族を失ったことに関わる人を示します。若い女性は、最初にアルツハイマー病が治る可能性を示す白色の風車を持ちます。シャロン・エラーSharon Ellerさんは、2年前に夫を亡くしました。夫が夫らしくなくなっていく姿をみることは悲痛で、「結婚して50年、夫はもはや自分の名前も知らないのです。とても辛いことです」と話しています。
数百人のウオークで20万ドル以上の資金を獲得しました。治癒方法の発見を援助するだけでなく、365日の電話相談、支援グループ、無料学習会の活動資金にもなります。
集まったお金は、希望の庭の資金にも役立てられるでしょう。このリンクlinkをクリックするとこの目的のための募金をすることができます。
KIVI  Oct 7, 2017 Boise Walk to End Alzheimer's event at Kleiner Park)
関連情報:Alzheimer's Association  Alzheimer's Association - Greater Idaho Chapter
編者:アメリカアルツハイマー病協会が主催する年中行事の「ウオーク」は、全国600カ所以上で行われ、啓発と資金獲得を目的としているが、アルツハイマー病治癒の研究の混沌としているなかで集まった資金をどのように配分するのだろう。

★認知症の人の憩いの公園(9月11日/アメリカ)
数百万人のアメリカ人がアルツハイマー病やその他の認知症の人の介護で苦労しています。
ニューヨーク州ロングアイランド島に在るバビロン町Town of Babylonで介護家族のストレスに役立つために新しい公園が造られています。
バビロンの雇用者が、11日すばらしい天候に恵まれ、憩いの公園respite parkと呼ばれる建造物を創り始めました。
このは、ちょうど市庁舎の近くで、子供の遊び場の隣に在り、その狙いは平穏の場です。
バビロン町の職員ゲリー・コンペテロGerry Compitello氏は「これはもっぱらアルツハイマー病や認知症の高齢の親を介護する介護者や家族のためのものです」と述べています。
アメリカアルツハイマー病財団Alzheimer’s Foundation of Americaの推計によると、アルツハイマー病や認知症関連疾患に関わるロングアイランド島の人は5万人以上います。この財団はバビロン町に2万5000ドル助成金を授与し、財団が認知症の治療に役立つ全国的なモデルになることを期待するものが創ることになりました。
ドン・ドラパラRon Drapala氏は「発作に襲われ、頭がぐらぐらして忘れっぽい」と話しています。彼は元トラック運転手で、神経疾患で認知症になる可能性があります。彼は孫を連れて遊び場に行くのが好きで、現在、憩いの公園を訪ねることを楽しみにし「ここに来て、くつろぎ、子供が遊ぶのをみることができます。瞑想にふけることができる」とも話しています。
瞑想が目標で、これを達成するために、町の雇用者がレンガの歩道を改装し、安堵感をもたらすように花を植える予定です。
憩いの公園はUSB充電器を備え、誰もが携帯電話やスマホを使って、心地よい音楽を聴くことができます。
公園の池を観ることができる新しいベンチも備わるでしょう。
この場所はどこの家族も利用できます。ロングアイランドのセンターリーチCentereachに住み認知症と苦闘する家族を持つアンジェロ・マルツォッカAngela Marzocca氏にとって心地よい場所で「時々、介護される人のために家族は重要な選択をしなければなりません。ここはとても素敵な場所です」と話しています。
天気に恵まれると、この憩いの場所、また平安と静寂の場所は、今月末までに開園するでしょう。
CBSNewYork September 11, 2017 Respite Park For Dementia Patients Set To Open In Babylon
編者:憩いの園は建設途上でその効果は未定だが、ささやか取り組みとして紹介した。なお記事に内容が混乱している。公園が誰―認知症の人か介護家族か―のためのものか一貫性に欠く。

★今月は世界アルツハイマー月間(9月1日/ニュージーランド)
この9月は世界アルツハイマー月間World Alzheimer's Monthです。
9月23日、ウォンガヌイWhanganuiで紫色のティーシャツを着た一群の人たちが2017年メモリーウオーク2017 Memory Walkを行う様子をみることでしょう。
ウォンガヌイアルツハイマー病協会Alzheimer's Whanganuiのウエンディ・パーターソンWendy Patersonさんは言います。
「メモリーウオークは認知症を啓発するための年齢や能力に関係なくすべての人たちのためのものです」
「また現在認知症の人、かって認知症であったすべての家族や地域住民を称えるためのものです」
「この行事に参加する人は5ドルの登録料を払い紫色のティーシャツを受け取り、間違いなく印象的な光景になります」
ウオーカーは、タウポ岸壁Taupo Quayの.リバートレイダーズ市場Rivertraders Marketのシルバーグローブで午前10:15に集まります。
ニュージーランドアルツハイマー病協会Alzheimer's New Zealandは、2050年までに17万人のニュージーランド人が認知症になるだろう推測しました。
ニュージーランドの認知症の全費用はおおよそ170万ドルで、2050年までに約50億ドルになると推測されています。
メモリーウオークにつての情報は、メールadmin@alzheimerswhanganui.org.nzか電話
345 8833でシャロンさんまで問い合わせください。
アルツハイマー病にかんする2,3の事実
〇アルツハイマー病は認知症のもっともおおいタイプです。
〇認知症は脳を変化させ損傷を与える一群症状を示す総称です。
〇最も多い症状は、記憶、思考、行動、性格、感情の変化です。
〇誰もが認知症になりえますが、加齢とともに増加する傾向です。
〇認知症は進行性で予防、治癒、進行を遅くすることができません。
画像説明:昨年、北島のファンガヌイ川沿いで約140人が参加したアルツハイマー月間のメモリーウオークの様子
New Zealand Herald 1 Sep, 2017  It's World Alzheimer's Month
訳編者:認知症のなかには予防したり、治ったり、進行を遅くするものもあり、記事の説明は一部間違っている。

★認知症の人と家族のよりよい生活に向けた社会事業の支援(8月11日/インド)
認知症は、もっともありふれた退行性疾患で、主に高齢者に多い。この病気はとても広がっており、病気と闘っている人を知っているはずです。
認知症は、日常生活を妨げるほど精神機能がかなり低下した状態を包括する用語です。
その症状は、緩慢な認知機能の低下、感情面の問題、発言や言語の問題、自発性の低下などです。通常、意識は正常です。認知症と診断された人は必ず障害を持ち、介護者や家族を落胆させます。
2015年のWHOの報告書によると、全世界に認知症の人は4750万にいると推計されました。また65才以上の14人に1人が、なんらかのタイプの認知症になると言われています。さらに失望させることは、認知症になる危険性は5歳毎に2倍になります。
現在まで治療は見つかっていないので、重要なことは認知症の人の生活の質を改善し、介護者にとってとても重いストレスを軽減することです。
この取り組みは世界中の支援グループや認知症にやさしい地域創りで進められています。
「鳴り響く健康的な加齢(Echoing Healthy Ageing、略称EHA)」は、2012年にアムリタ・パティル・ピムパレAmrita Patil Pimpale氏がムンバイで設立し、介護者や認知症を認め老年医学的対象となる患者の専門職の研修を行います。
経営学の学位をもつ実践家のアムリタ氏は、この分野での経験がありません。
彼女は次のように述べています。
「イギリスの修士課程で介護改善施設のプロジェクトマネージャとして働いていました。その施設で老年医学的な介護や認知症に関心を持ちました」
彼女は多くの患者と接するなかで、祖母の状態が認知症の人にとても似ていることを実感し始め、さらに研究を進めて疑ったことが真実だと理解しました。
さらに彼女は思い出ながら次のように述べています
「しかし、私たちの誰も成す術がありませんでした。当時、認知症がよく認知されてはいなかったので、診断されたからといって有益なことはありませんでした」
こうしてアムリタ氏は認知症介護の研究に始めました。
彼女は、インドで無視された患者がどのように状態に置かれているか実感して、ムンバイに戻り、この課題に取り組む冒険的な事業を始める決心をしました。
彼女は思い出して、次のように述べています。
「最初の年、認知症介護について人々の啓発のために動き回りました。その成果はごく限られていたので活動を終了しました。その後まもなくEHAはUnLtd India(訳注:社会事業の起業家向けの支援組織)から働き掛けがありました。それは組織が船出するために文字通り帆を揚げるものでした」
EHAのスタッフは、よく研修を受けたソーシャルワーカーと臨床心理コンサルタントから成る小さなチームを持ち、1000人以上の介護者や専門職の研修を行いました。
またスタッフは、多くの病院と協同して研修プログラムや研修会を看護師のために実施しました。
EHAは、家族介護者へカウンセリングを行うなかで、将来患者に起こりそうなことや準備する必要があることについて彼らがはっきりと認識できるように支援します。また家族や雇われる介護者のための介護教室も開催しています。
またアムリタ氏は次のように述べています。
「休みのない介護で、時に疲労困憊が生じますが、研修を受けた専門職が週に2,3回、患者を訪ね共に過ごし、芸術療法、音楽療法、思い出療法を提供して患者の不安を軽減し、さらに主たる介護者が2,3時間の休息を取れるようにします」
またEHAは、ムンバイのバンドラBandraに在る「聖家族病院Holy Family hospital」と連携して、家族や介護者のための支援グループの集いを毎月開催しています。
EHAは、市内の二つの介護施設で相談員として働きながら、リハビリテーションセンターとも連携して高齢者の介護のための技術的な知識と支援を行っています。
9月は世界アルツハイマー月間の記念月ですが、EHAは500人の認知症チャンピオンを送り出す役割があります。チャンピオンは、認知症介護の実用的な認識を高め、認知症にやさしい地域創りを支援します。
EHAは、家族介護者のため週末の研修会を組織し始めており、インドが認知症の人と介護者をより包括的になることを希望しています。
認知症チャンピオン計画についてもっと知りたい方は、メールinfo@echoinghealthyageing.comまたは電話9167613665でEHAに問い合わせてください。
The Better India 11/08/2017 How a Mumbai Social Enterprise Is Helping Dementia Patients & Families Lead a Better Life
関連情報:Alzheimer's & Related Disorders Society of India
編者:民間企業として認知症介護の支援を展開している事例として紹介した。

★「正念場の認知症研究、新薬不発 発症前治療に転換」(7月17日/日本経済新聞)
アルツハイマー病に代表される認知症の治療研究に、大きな難題が突きつけられている。原因物質を取り除く新薬候補はいずれも患者で効き目が表れず、相次ぎ不発。発症前から治す必要があると発想を転換する動きが出始めた。国内では認知症を患う人が2025年に約700万人と12年の462万人から急増するとの見通しがある。研究は正念場を迎えている。
米製薬大手メルクは2月、認知症の6~7割を占めるアルツハイマー病治療薬の一部開発を中止すると発表した。「肯定的な結果が得られる可能性はほぼ無い」との評価を受けた決定だった。
16年11月にも米製薬大手イーライ・リリーが臨床試験(治験)を断念していた。同社の以前の治験では軽症患者で症状の改善をうかがわせる結果が出ていたが、最終段階で十分な効果を示せなかった。大手の相次ぐ開発断念で、研究戦略の見直しが迫られている。
アルツハイマー病は「アミロイドベータ」「タウ」という2つの原因物質が発症に関係するという説が有力だ。発症の10~20年前からアミロイドベータがたまり始め、次にタウがたまると脳の神経細胞が死滅し、記憶障害や認知機能の低下などが表れるとされる。
開発を中止した2つの新薬候補は、いずれもアミロイドベータを取り除く戦略だった。市販の治療薬は認知機能の低下をやわらげても認知症は治せない。新薬への期待が高かっただけに、失望が広がった。原因物質を無くせば病気の進行を阻めるとの考えには依然こだわりをみせる。
アルツハイマー病は1906年、ドイツのアロイス・アルツハイマー博士が初めて報告した。大手製薬会社がこぞって治療薬の開発に参入したが、ことごとく失敗してきた。ここ100年で医学が進歩して感染症などが治るようになり、アルツハイマー病克服の難しさだけが際立つ。寿命が延びた一方で人類は新たな課題に直面している。
治療薬の開発がなぜこれほどまでに難しいのか。脳は生きている状態では調べにくい。画像診断技術の発達で少しずつ原因物質がみえてきたが、詳しい振る舞いはわからない。物忘れなど老化現象と見誤り、診断も容易ではない。
手探り状態で頼りにしてきたのがアミロイドベータを原因物質とする仮説。新薬開発の失敗が続いても、そう簡単には捨てきれない。
国立長寿医療研究センターの柳沢勝彦研究所長は「薬を投与する時期が遅いのが失敗の一因だ」と推測する。
これまでの治療薬は認知症になった人を対象にしてきた。認知症を発症した段階で、すでに神経細胞が壊れている。ひとたび壊れ始めると食い止めるのは難しく「進行を完全に抑えることはできない」(日本イーライリリーの中村智実臨床開発医師)という見方だ。
米国立衛生研究所(NIH)やイーライ・リリー、米ハーバード大学などは、認知機能が正常な時からアミロイドベータを取り除く臨床研究にかじをきった。14年から始めた「A4」研究だ。日本からは東大が加わる。
 脳内にアミロイドベータがあっても、認知機能は衰えていない人で試す。発症が遅れるかを調べている。
無症状であってもアミロイドベータが見つかったら病気とみなすのは、ヤンセンファーマも同じだ。早いうちに治療しないと効果が出にくいという考えから、塩野義製薬が見つけた成分を用い、16年から産学協同の治験を始めた。
ただ、効果が確認できて予防となると、多くの高齢者が対象になる。「膨大な人数になり、医療費の観点から実用化は現実的ではない」との指摘は多く、新たな難題が立ちはだかる。
一方で別の原因物質を探る動きもある。英アバディーン大学のクロード・ウィシク教授は「従来のアミロイドベータに対する薬剤の効果は小さい。症状にかかわる別の物質のタウに対する治療が必要だ」と強調する。
これとは別に、脳にある免疫細胞「ミクログリア」の暴走が原因との説も取り沙汰され始めた。発症の原因を巡り、学説さえも定まっていない実情が治療の難しさを物語っている。
日経電子版 2017年7月17日 原文のまま
関連記事:"Stop Alzheimer’s before it starts" Eric McDade& Randall J. Bateman 12 July 2017 NATURE
編者:なかなかアルツハイマー病の薬物治療の入り口が見えない。

★「コンビニに認知症のインターン生 最高齢98歳 思いやり呼び掛け」(7月15日/エキサイトニュース)
(嘉義 15日 中央社)南部・嘉義市内のコンビニエンスストアで、認知症の高齢者6人がインターン生として働いている。年齢は72歳から98歳。「いらっしゃいませ」のあいさつを忘れたり、注文を間違えたりしながらも、懸命に仕事に取り組んでいる。
店長の羅淑芬さんは、高齢のインターン生はかわいらしいと話す。90歳の文さんは、これまで3回実習に来ているが、毎回「いらっしゃいませ」を忘れてしまう。だが、学習意欲は高く、来店客にコーヒーを入れた後に「コーヒーが入れられるなんて思ったこともなかった」とこっそり笑っていたという。84歳の金さんは、ビン南語で「ありがとう」「暇があれば寄って」など独自のあいさつで来店客とのコミュニケーションを図っている。(ビン=門構えに虫)
セブン-イレブン(統一超商)と共同でこの取り組みを実施する慈善団体、天主教中華聖母社会福利慈善事業基金会によれば、狙いは認知症に対する理解向上。黎世宏執行長(CEO)は、認知症患者と触れ合う経験を持ってもらえればと語る。
店内には、認知症患者がインターン生として勤務することを説明する張り紙を出し、行動や言葉でこれらの高齢者に愛と温もりを伝えてほしいと呼び掛けている。
認知症のインターン生を受け入れているセブン-イレブン新大業店では今後、毎週木曜の午前中にインターン生2人が勤務する。(江俊亮/編集:名切千絵)
エキサイトニュース 2017年7月15日 原文のまま
英文記事:Seniors with dementia work as trainees at Chiayi convenience store 2017/07/13 focustaiwan.tw

★「オランダでは安楽死が「転倒する不安」「認知症」で認められる」(7月5日/ダイアモンド)
浅川澄一(福祉ジャーナリスト、前日本経済新聞社編集委員)
高齢者の病院死亡率が世界最低のオランダ
オランダの高齢者ケアの視察を毎年のように続けている。今年6月もアムステルダム、ライデン、ホールンなどを1週間にわたり回った。
世界の高齢者ケアの現場をいろいろ見てきたが、オランダが最も先端を走っていると見極めたからだ。その指標は、病院での死亡者割合が世界で最も少ない国であることだ。
何処で亡くなるかが、その国の高齢者介護・医療への考え方やシステムを明確に示している。「大病院・大施設から在宅へ」という基本的な潮流は多くの先進国で共通している。「Aging in Place」というスローガンで示され、日本では「地域包括ケアシステム」と呼ばれる。
そのための施策として在宅医療と在宅介護がある。在宅医療と在宅介護が国中に浸透していれば、病院など医療機関での死亡率が下がる。
日本では80%弱の人が医療機関で亡くなる。とても多い。「病院信仰」が根強いためだ。欧州諸国では、ほぼ50%前後である。福祉先進国と言われるスウェーデンでは42%。その中で、オランダは30%を下回る唯一の国である
病院の他の死亡場所は施設と自宅である。ただ、施設と言っても、最近の欧州では、自宅にいる時とあまり変わらない環境や部屋づくりで、引っ越した「第2の自宅」になりつつある。
つまり施設の「自宅化」で、「自宅死」の多寡はあまり指標にならない。「医療機関(病院)」での死亡率の低さで、その国のケアレベルを図ることができる。そこで選ばれるのが、病院死亡率29.1%と、世界最低のオランダなのである。
世界で初めて安楽死法を法制化
今回のオランダ視察で、最も印象に残ったのは「安楽死」のあり方だった。安楽死とは、自分の死を自分の自由意志で決めること。延命治療を断り、緩和ケアを受けて旅立ちを待つのは尊厳死で、安楽死とは異なる。
オランダは世界で初めて安楽死法を法制化した国である。がん末期患者の苦しみを解放するため、が元々の理由だった。その後、終末期の枠が外され、精神的苦痛も加味されたと聞いていた。
ところが、今回、安楽死に立ち会った医師から、「歩き出すとすぐ転んでしまう。でも車椅子は利用したくないし、入院、入所も嫌」という高齢者が望みどおりに安楽死した事実を知らされた。さらに、認知症でも安楽死できた人の話も聞くことができた。
「許容範囲が広がり、ここまで受け入れられているのか」と驚いた。いずれも少数事例かもしれないが、事実は事実である。本人の意思、判断を第一に尊重する社会ならではと思う。家族任せ、医者任せの日本とは隔世の感がする。
首都のアムステルダムから北へ車で1時間弱のヘイロー市。3人の医師で開業している診療所を訪ねた。診察室は、ベッドがなければ医療機関とは思えない洒落たオフィスのような雰囲気。壁に10歳前後の2人の子どもの写真が大きく飾られている。その母親で院長のソニア・ボスキルさん(画像)に、最近手がけた安楽死について聞いた。
転倒不安で安楽死
今年に入って、家庭医(GP)として3人の高齢者の安楽死に付き合ったという。まず、ナーシングホーム(特別養護老人ホームに近い施設)に入所していた93歳の男性。
いろいろな老人性の病気を持っていたが、一番問題なのは身体が弱ってよく転ぶこと。ボスキルさんが会いに行くと、いつも「手助けは要らない。ひとりでやるから」と言い放つ、頑固な性格だ。
ところが、ある日。朝9時に起きて着替えを始めたが、午後3時になっても靴下をまだはいていない。衰弱が進んだためだ。彼は、以前から「私が自分で満足に体を動かせなくなったら、安楽死をしたい」とよく話していた。
去年の9月に続けて3回転んだ。その時も「もう安楽死したい」と言ったが、老人科の専門医師に診てもらうと「まだ早い。身体の訓練をしては」と言われ、ボスキルさんの紹介でリハビリセンターに連れて行った。そこでしばらくリハビリをして自宅に戻ったが、歩き出すと転んでしまう。
本人は「これ以上転ぶのは嫌だ。車椅子は使いたくないし、病院にも行きたくない。安楽死したい」と言い募る。何度話しても同じ答えだった。彼の息子にも状況を説明し話し合った。そこで、「私は彼の考えを受け入れることにした」とボスキルさん。
息子の考えが親の思いを代弁することはない。親は親、子どもは子ども。それぞれ独立した人格というのが常識だからだ。
安楽死を定めた法に従って、もう一人の別の医師にも彼は会って、安楽死の意思を伝えた。その医師も了解した。その後で、ボスキルさんは安楽死を「いつ、どのようにしましょうか」と彼に問いかけた。
2月のその日になると、息子がとびきり上等の服を買ってきて、彼に着せた。そして、いよいよベッドに横たわり、その時を迎える。と、彼が「ビールを飲みたい」と頼んできた。ゆっくりビールを飲み干してから、ボスキルさんが致死薬を投与。彼は亡くなった。
安楽死の条件として、終末期だけでないことがよく分かる事例である。車椅子を拒否して、安楽死を選ぶというのは、初めて聞いた。個人の意思を尊重する社会的規範が確立していればこそであろう
これまでにも、アムステルダムの安楽死協会の本部を訪ねて話を聞いてきたが、これほど具体的に医師の言葉で直接に語られることはなかった。ボスキル医師は、このあと一連の経緯を検証委員会に報告して、安楽死であることを認める報告を待った。「3ヵ月も待たされて不安だったが、きちんと認めてもらえました」という。
というのも、安楽死は犯罪であるが、法に定めたルールに則れば罪とならないからだ。
認知症で安楽死を望む
もう一人は認知症の人である。生物学者だった93歳の独身女性。10年前に「安楽死を望みます」という書類を書いていた。その時は健康だったが、次第に認知症が進み出していた。ほかの病気はなかった。
この1~2年は、専門の生物の写真や絵を見ても理解できなくなった。新聞を読むことが難しくなり、活字も分からなくなった。いつも周囲に「安楽死したい」と話していた。時折、「戦争が起きる」と言い出すこともあった。だがボスキルさんは「それは妄想ではない。意識が正常になる時もあった」という。ボスキルさんとは別の医師も、安楽死に賛成した。
安楽死の日が近づくと、音信が途絶えていた息子が遠方からやってきた。様々の書類を整理するための来訪だったが、「これほど母親と仲良く過ごしたのは初めて」と喜んでいた。本人は致死薬を「自分で飲む」と言って、その通りにした。
10年前に書き上げた安楽死の要望書は、その後、チェックされなかったが、本人の意思ということで、安楽死が認められた。
ボスキルさんは「このように、ナーシングホームに入りたくない、自宅で安楽死したいと言う高齢者は多い」と話す。たとえ、認知症になっても、その前の健康な時に意思表示しておけば有効だという。
オランダで安楽死した人は、2016年に6091人に上る。亡くなった人の4%である。安楽死を選んだ人のうち、がん患者が最も多いのは今も変わりなく68%、4137人だった。認知症の人は年々増えており、同年には141人で安楽死者の2.3%となった。5年前には49人で、同1.3%に過ぎなかった。
安楽死に大きく関わる「家庭医」という存在
オランダで安楽死法(正確には、要請による生命の終結及び自死の援助審査法)が成立したのは2001年。それまで30年以上にわたって議論されてきた。
1971年に「私の終末期を助けて」と、半身まひの母親に頼まれた女医のポストマさんが、モルヒネを投与して死亡させ、大騒動になった。裁判では有罪を宣告されたが、執行猶予付きの禁固1週間。実質的には容認された。
この事件を機に「議論を公開の場で」と世論が盛り上がる。1973年に「安楽死協会(正確には自由意志による生命の終結協会)」が設立され、王立医師会も認めて連携が図られる。1994年になると、最高裁が精神的苦痛を理由とする安楽死も認める。これによって、終末期という必要条件がはずれる。
安楽死法が施行された2002年以降は、7つの条件を満たせば安楽死と認められ、罪に問われないことになった。
それは、(1)本人が死を望んでいる、(2)家庭医が病状を正確に伝える、(3)家庭医でないもう一人の医師も承認する、(4)死後に検視官(医師)が問題がないか調べる、(5)死の経緯を検証委員会が調査――などである。
2011年には、死者13万6000人のうち、安楽死は3695人で2.7%。翌年は、安楽死が4188人で3%に上った。それが、2016年には4%だから、次第に増えてきていることは確かだ。必要条件から分かるように、安楽死には医師の関わりが欠かせない。まず、日常的に接している家庭医。そして第2の医師、最後に検視官である。なかでも最初の家庭医の判断が最も重要である。
オランダでは、全国民が自宅近くの地域の家庭医(診療所)に登録し、その家庭医からどのような症状でも診察を受ける。内科、外科、耳鼻科、皮膚科、小児科……と、歯科を除くすべての診療が同じ家庭医によって行われる。
その家庭医には、家族ぐるみで登録していることが多く、医師は普段から家族の健康状態をしっかり把握している。患者の人生の歩みやライフスタイルを家庭医は熟知しており、その延長線上で安楽死が問われる。
家庭医の紹介がないと大病院には受診できない。どの医療機関でも勝手に、自由に診察を受けられる日本のような「フリーアクセス」ではない。欧米や豪州ではオランダと同様な家庭医制度があり、日本がむしろ例外といえるだろう。
当事者と家庭医との長年の信頼関係は、こうした医療制度が土台にあることで成り立っている。
医師の「負担」
ボスキルさんの診療所があるヘイロー市に隣接するベルゲン市で、家庭医を引退したアイケ・スモーク医師からも話を聞いた。同医師は「医師と患者が上下関係ではなく、対等の水平な関係になっていないと、じっくり話を聞けないし、安楽死につながらない」と強調した。
それでも、目の前で「死」に関わるのは医師にとって大きな負担だという。
ボスキルさんは、「安楽死の実施日の前の晩は寝られません」と打ち明ける。この10年間で平均すると毎年4人ほど安楽死に出会っている。
断ることもできるが「私はプロですから。長年診てきた患者の意向を無視することはできません」ときっぱり言い放つ。この心構えはさすがだと思った。
でも、中には断る家庭医も少なからずいる。そんな時には、安楽死協会に相談すると、自宅周辺の診療所や医師を紹介してくれる。あるいは、最近立ちあがった「End of Life Clinic(終末期診療所)」(本部ハーグ)に連絡すると、登録している医師たちに辿り着ける。
「End of Life Clinic」には、安楽死を実施する医師が登録されているほか、安楽死に関わる情報センターの役割も果たしている。アイケ・スモーク医師は「家庭医が勉強する場になっていて、なかなかいい組織だと思う」と話す。
2016年に安楽死で亡くなった6091人のうち、家庭医が自宅で看取ったのは5167人と85%に達する。次いで多いのが、やはり自宅だが家庭医でなく「End of Life Clinic」の486人で8%である。残りの331人、6.4%が病院と高齢者施設を合わせた数値である。「End of Life Clinic」の割合が年々高まっており、安楽死全体の絶対量を増やしていると言えそうだ。
世界で、安楽死を制度として認めているのは、欧州ではオランダの隣国のベルギーとルクセンブルク、それにスイス。カナダも最近加わり、米国では、ワシントン、オレゴン、カルフォルニアなど6州に及んでいる。
ダイアモンドオンライン 2017年7月5日 原文のまま
サイト内関連記事:「「人生は完結」と思う高齢者の自殺ほう助認める動き、オランダ」(2016年10月14日)

★カナダは認知症国家戦略のある30番目の国(6月22日/カナダ)
カナダアルツハイマー病協会Alzheimer Society of Canadaは、法案C233 Bill C-233が可決されたことを祝います。法案は、アルツハイマー病とその他の認知症に関わる国家戦略を遵守するものです。カナダは、認知症が大規模に影響し費用がかかることに応える認知症国家戦略を展開する最新の国になります。
アルツハイマー病協会のCEOのポーリン・ターディフPauline Tardif氏(画像)は「50万人以上のカナダ人とその家族にとって、これは重要で画期的なできごとです。国家戦略によって、カナダで認知症の取り組みへ向けた連携が可能となり、みえる形でこうした人たちの生活に影響するでしょう」
法案の共同起草者であるボブ・ニコルソン閣下Honourable Rob Nicholson議員(ナイアガラフォールズ区)およびロブ・オリファントRob Oliphant議員(ドンバレーウエスト区)は、「社会福祉・科学・技術常任上院委員会Standing Senate Committee on Social Affairs, Science, and Technology」での指導力と支援に関して称賛されます。彼らは認知症の人、家族、介護者のために法案の熱心支持者でした。
アルツハイマー病協会は、認知症のカナダ人が最善の生活を送れるために、研究が推進され質の高いケアと支援を利用できるように認知症国家戦略をこれまで長く要請してきました。現在、カナダは国家戦略を表明し、その実施への作業を始めます。
協会と連邦政府の仲間たちは、カナダで初めての認知症国家戦略を創り、実施に向け政府、関係者、とりわけ認知症の人と連携して作業を続けることを楽しみにしています。
Benzinga June 22, 2017  Canada to become 30th country with national dementia strategy
関連情報
Bill C-233 National Strategy for Alzheimer's Disease and Other Dementias Act
National Alzheimer's and dementia plans(ADI)

★「特別寄稿 本能的 遠距離介護④ 介護のルール把握が重要」(6月20日/サンパウロ新聞)
寄稿:本能寺逢休(注)
ビジネスの世界を生き抜くうえで大切なことは、自分がどのようなゲームを戦っているのか、そのルールを理解することだといいます。これは介護にもピタリと当てはまります。
多くの人は、突然、降って湧いた老親の介護に戸惑い、ルールがわからないまま、手探りで介護を行うことになります。こんなサービスがあったらいいのに……。不便で非効率な制度に憤り、遠回りしていると、何か月もたって、自分が求めていたサービスが、すぐ目と鼻の先に身を潜めていたことに気づく。そんな瞬間があります。
家族が、介護に直面したときに不安の無限スパイラルに陥るのは、いつまで続くかわからないうえに、何をどうすればいいか見当もつかず、途方に暮れるからです。介護の世界でも、その国や地域の公的サービスのルールをできる限り早く把握することが重要なのです。
日本では、40歳から介護保険料を納めており、65歳以上の高齢者は原則、介護の必要度に応じて一定限度額まで1割負担(年金収入だけで年間280万円以上ある「高額所得者」は2割負担)でデイサービスや訪問介護を受けることができます。
独り暮らしで要介護1だった母の場合、2013年に利用を始めた当初は週2日、送迎付きのデイサービスで半日間、運動したり、レクリエーションをしたりして、月に3万6705円かかりました。実際に支払ったのは、1割負担の3311円に、6日分の昼食費を合わせ計6911円。
独り暮らしをしていた最後の月(15年11月)には、週4日、半日のデイサービスを利用して、月15万9349円。週3回、ホームヘルパーに調理や掃除をお願いして、月7万6736円。合計すると、月に23万6085円。母の年金を大きく上回り、このままでは大赤字です。
しかし、実費負担は、デイサービスが1割負担の1万1664円と、要介護1のサービス限度額を超過した全額負担分2万8214円など。ホームヘルパーは、1割負担だけで収まり、合計で6万2052円。初期に比べると、9倍に増えてしまいましたが、それでも年金だけで十分に賄える範囲内でした。
1割負担で公的介護サービスを受けられるというのは、高齢者にとっても、家族にとっても心強い制度ですが、利用するには、市区町村で要介護認定を受ける必要があり、申請には、医師の診断が不可欠です。つまり、医師から診断を受けられない限り、1割負担の公的サービスは受けることができないのです。
どんなに物忘れの症状があり、日常生活が困難になり、誰がどう見ても認知症という状態でも、私の母のケースのように本人が病院受診を強く拒否すると、いつまでたっても、公的サービスは受けられません。
そうなると、高額の民間サービスを利用するか、家族が、工夫を凝らして、介護をDIYするしかありません。親の収納や持ち物を大幅に減らして、日々の生活環境から混乱要因を取りのぞいたり、頻繁にかかってくる鍵や財布の紛失連絡に応じて、心当たりの場所まで電話で誘導したり……、色々知恵を巡らせるのですが、できることは限られています。 
要介護認定を受けるには、申請、医師の診断、認定調査員の聞き取りへの同席が必要で、申請から要介護認定が出るまでは通常、1か月かかるといわれています(図参照)。
遠距離介護をしている家族としては、帰省できる日や滞在期間が限られているので、1回の帰省で複数の手続きを済ませたいところです。私は1回目の帰省で、病院受診と申請書の入手を行い、2回目は、診断結果を聞きにいった翌日に調査員の訪問に同席。東京~神戸間の往復を2回に収めました。要介護認定の申請の流れを事前に把握しておくと、計画も立てやすくなります。
ブラジルの介護を取り巻くシステムはどうなっていますか。どのようなサービスがあり、どれくらいの費用がかかり、利用するにはどういう手順が必要か、この機に把握しておいてはどうでしょう。(つづく)
◇サンパウロにおける高齢者介護の現状
サンパウロ日伯援護協会によると、現在サンパウロ市内には市や州などの公的機関が運営する介護施設が10、民間の施設が60、教会やNGOの施設が85あるという。公的機関の施設の経費は市や州が負担するが、運営は福祉団体やNGOが行っている。しかし、市や州は財政難で医療費が削減されており、介護費用も少なくなっている。足りない運営経費は運営団体が補っているケースもあり、利用者の負担は少ないようだが、はっきりとした費用は分からないという。
民間の施設のデイサービス、例えば援協のさくらホームは週に2ないし3日、半日間という時間で行っている。さくらホームは入居者もいるので、一緒にアクティビティーをしたり、施設の器具を自由に使って時間を過ごす。
そして圧倒的に多いのがカトリック教会やNGOの介護サービスだ。各地域の教会が運営し、設備もしっかりしており、医者や看護師、介護専門の職員も常駐している。運営は全て寄付でまかなわれているため利用者は無料。このため、空席がなく、すぐに入居することはできない状態だ。
日本では各家庭に訪問してくれる訪問介護サービスがあるのだが、サンパウロ市の場合、厚生局が同種のサービスを扱ってはいるという。医者や看護婦が訪問診療を無料でするサービスもあるが、希望者が診察する医者の数より圧倒的に多いこととSUS(Sistema ?nico de Sa?de統一医療制度)病院ですら患者が廊下に放置されているような現状なので、無料訪問診察をするような医師はほとんどいないのが現状だ。
また、公的機関が運営する介護施設や介護サービスは、各地域に市役所の福祉事務所があり、そこで申し込んだ人のみ利用できる。サービスを受けられるのは60歳以上。重度の病気や障害、認知症の人は基本的には利用できない。条件は施設によって様々で一概には言えない。
さらに、寝たきりの状態のような重症者が利用できる施設も少ないながらあるので、市の厚生局へ相談すれば紹介してくれる。ただ、ブラジルではホスピスのような最後まで看取る終身ホームはほとんどない。
援協でもSUSの制度にのっとったホームを作る計画は数年前からあるが、現時点では実現していない。
介護や介護施設などについての相談はサンパウロ日伯援護協会福祉部長尾部長(日本語対応可)へ問い合わせるといい(電話11・3274・6518)。
注:本能寺逢休(ほんのうじ・あいく)=元新聞記者、2007―2009年リオデジャネイロ赴任。神戸で独り暮らしをしている母親を6年間、遠距離介護。その体験を「遠距離介護1」(www.amazon.co.jp/dp/B01HWPDOGM)にまとめて電子書籍で出版。介護関連の電子書籍に「遠距離介護2」、「認知症介護でビジネス力69%UP」がある。
(サンパウロ新聞  2017年6月20日  原文のまま
編者:情報の乏しいブラジルの介護に関する情報として紹介。

元裁判官は認知症と診断され「生きる意欲を失くした」と自殺(6月7日/イギリス)
審問会inquestによると、元高等法院家事部長官のニコラス・ウオールNicholas Wall卿(画僧)は認知症と診断されたのち、生きる意思を失くし、介護施設で自殺しました。
ウオール卿は、2010年に長官になりましたが、2012年12月、健康上の問題で退官しました。今年2月17日にセブノークスSevenoaksに在る「エミリー・ジャクソンハウスEmily Jackson House」の介護施設の自室で首を吊っているのが発見されました。
死亡時71才でこの数年間、稀な神経疾患である前頭側頭型認知症と最近診断されました。メードストンMaidstoneに在る「大司教官邸Archbishop’s Palace」での審問会で、彼は改善する希望を失い、家族を避けていました。
自殺当日の午前2時前、看護師が通常の見回りの間に彼がベッドにいないことに気づき、遺体を発券しました。二通の手紙が見つかりました。
ケント警察のロバート・グリーヴ巡査部長代理Acting DS Robert Grieveは次のように報告しました。
「一通の手紙は妻へのもので自宅に戻る希望が無くなったと信じていることが述べられています。彼は生きる意欲を失くしたのです。良くはならないだろう、婦人は生きつづけるべきだ、自分の時代は終わった、誰の責任でもないと述べ、彼のために夫人が行ってきたことに感謝しました」
診断前に書かれたもう一通の手紙のなかでウオール氏は「将来の希望がありません。家族の支えは有意義なものであり、自分の状態がひどくなり、記憶を失っていると思う」と書いています。
さらに審問会は巡査部長代理から以下のことを聴きました。
「ウオール氏を最後に見かけたのは遺体発見の前夜でした。その時、看護師は紅茶と薬を持って彼の部屋に入りました。看護師が述べるには、部屋に居る間、元長官は遅い時間だと冗談を言い、微笑んでいました。彼が本を読んでいるので部屋を出ました。
死因は懸架によると記録されています。第二の死因は前頭側頭型認知症でした。混乱した兆候は無く、疑問を呈する死ではありません」
アルツハイマー病協会Alzheimer’s Societyによると、前頭側頭型認知症は、認知症のなかで稀な型の一つで、ピック病あるいは前頭葉認知症とも呼ばれます。この病気は言語理解と行動や情緒をコントロールする脳の部分が変化します。脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞が死滅したり、神経回路が変化することで発症します。
自殺と結審された記録について北西ケントの上級検視官のロジャー・ハッチRoger Hatch氏は「自殺することがウオール氏の意図であったことが記述から明らかだ」と述べています。
彼の死後、家族法弁護士会Family Law Bar Association (FLBA)は「ウオール氏は、2012年の退官以降、病気と闘い続けました。自分が担当した事例の結果を考察する深く関わり思いやりのある判事だった」と表明しています。
審問会の後、ウオール夫人は意見を述べることを断りました。
the guardian 7 June 2017 Judge 'lost the will to live' after dementia diagnosis, inquest hears)
サイト内関連記事:元高等法院家事部長官が認知症と診断された後、自殺(2月23日/イギリス)

★「文大統領「認知症治療費、本人負担率10%以内に」」(6月3日/中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領(画像)が2日、公共部門の雇用創出を主な目的とする補正予算に認知症関連予算2000億ウォン(約200億円)を反映し、「認知症国家責任制」を実施する、と述べた。この日、ソウル細谷洞(セゴクトン)のソウル療養院で認知症患者と家族に会った席でだ。
文大統領はあいさつの言葉で「最も緊急な民生懸案の一つが認知症だと考えている。集計された数字だけでも認知症患者は69万人」とし「認知症患者に対して国と社会が共に責任を負わなければいけない」と強調した。来年からの本格施行を目指し、今月末までに認知症総合対策を出すよう保健福祉部に指示した。
文大統領は「認知症支援センターはわずか47カ所しかなく、40カ所はソウルにある」とし「支援センターを250カ所ほどに大幅に増やす必要がある」と述べた。また▽認知症治療の本人負担率を10%以内に縮小▽療養保護士の処遇の改善▽認知症患者に専門療養士を派遣する制度の導入--などを約束した。文大統領は「認知症になっても安心できるようにすると約束し、責任を負う」と話した。認知症国家責任制の導入に雇用予算を投入する背景については「(療養保護士ら)公共部門の雇用と連係するため」とし「今年下半期から最初の事業を始めたい」と語った。
文大統領はこの日、「私の母も90歳。私の親せきの中にも認知症が深刻な高齢者がいて、よく知っている」という話もした。また「認知症患者全員が療養等級を受けられるよう等級を大幅に拡大することが必要だ」と述べた。
中央日報日本語版  2017年6月3日 原文のまま

★アルツハイマー病の死亡率が過去15年間急増(5月26日/アメリカ)
「疾病管理予防センターCenters for Disease Control and Prevention(CDC)」は、アメリカでのアルツハイマー病に関して厳しい報告書(訳注)を公表しました。
CDCは、アルツハイマー病の死亡率は、1999年から2014年までの間、55%急増したことを認め、この病気にアメリカ人が今後、急速に増加するようです。
65才以上の約550万人がこの病気で、アルツハイマー病は、記憶を奪い、最終的に精神的身体的な能力を破壊する惨めで致命的な病気です。2050年までにその数は2倍の1億3800万人になると推計されています。
報告書は、「全国人口動態統計National Vital Statistics System」による州および郡の死亡診断書の記録を元にしました。
CDCの研究者は「死亡率が急上昇していることは人口の高齢化、医師がより早期に診断し、この病気を重視して報告することによるだろう」と述べています。
加齢に関係する身体的問題―心疾患や脳血管障害―を手術や薬で治療する力が一層進歩し、その結果、精神面でのうまくいかなくなる時間が増えたという厳しい現実があります。
「週間疫学報告Morbidity and Mortality Weekly Report」による新しいデータは、人種や民族による困惑させる違いを示しています。
すなわち、アルツハイマー病の死亡率の増加は、アフリカ系アメリカ人で99%、ヒスパニックで107%、アジア太平洋系アメリカ人で151%です。ちなみに白人で54%です。
「AOLタイムワーナーAOL Time Warner」の元上級管理者で「UsAgainstAlzheimer’s」を亡き妻のトリッシュTrishさんと共同して設立したジョージ・ヴラデンバーグGeorge Vradenburg氏(画像)は、政府、企業、科学者がもより関与することを長期にわたり要請してきましたが、話しています。
「CDCの結果のよって、この病気がどれほどの速さで進展し家族を破壊するか、またどのように治癒方法の開発を急がせる国の力を軽減させるような動きに反対することを継続しなければならないかといった一般人が必要とする認識を高めます」
今回の報告書で別の重要な変化―アルツハイマー病の人が死亡場所―が確認されました。2014年、ナーシングホームや長期介護施設での死亡がほぼ半数を占め、医療機関での死亡の割合と同じです。これらの数値は1999年以降、明らかに減少し、同期間、在宅で亡くなったアルツハイマー病の人の割合は13.9%から24.9%に増加しています。このことは病気の家族への影響に関わる公衆保健的視での重要な結果です。
研究者は「アルツハイマー病がものごとを消耗させる一面があり、患者と家族、そして介護施設への公的助成を行う州や郡の経済的、社会的な経費が増加する」と論文に書いています。
アルツハイマー病協会Alzheimer’s Associationによると、アルツハイマー病とその他の認知症にかんして今年、国が負担した医療介護費用は2億5900万ドルになるでしょう。このうち3分の2以上はメディケアとメディケイド給付によるものです。
さらに研究者は、この病気が患者だけでなく家族にも負担を強いることを認識する機会を提供し、介護者へのいっそうの支援を要請しました。
また研究者は次のように書きました。
「アルツハイマー病で亡くなる人だけでなく在宅で死亡するアルツハイマー病の人が増加のすることから、教育、レスパイトケア、在宅医療支援といった介入によってより多くの介護者が利益を得なければなりません。介入することで介護の負担が軽減されアルツハイマー病の人の介護が向上します」
(Washington Post  May 26, 2017  U.S. death rate from Alzheimer’s rose dramatically over 15 years. Why?)
訳注: Deaths from Alzheimer’s Disease ? United States, 1999?2014 CDC May 26, 2017

★「アメリカアルツハイマー病財団」のトランプ大統領予算への声明(5月23日/アメリカ)
本日、トランプ政権は2018会計年度の連邦政府予算を公表しました。それは「国立保健研究所National Institutes of Health (NIH)」の助成金を大幅に削減するものです。このなかには「国立加齢研究所National Institute on Aging (NIA)」―アルツハイマー病の研究の連邦助成金を調整する主要な組織―の2億9400万ドルの減額が含まれています。さらに、予算はメディケイの経費の大幅な削減を要請しています。州政府が受給資格により制限を加えることになるでしょう。「カイザー家族財団Kaiser Family Foundation」によると、地域に暮らす成人のメディケア受給者の4分1は認知症で、ナーシングホームの全入居者の半数が認知症です。提示された基準によってこうした人たちがケアを受けるのをかなり制限されることになります。
「アメリカアルツハイマー病財団Alzheimer’s Foundation of America (AFA)」の会長でCEOのチャールス・フッシーリオ・ジュニアCharles J. Fuschillo, Jr.(画像)は次のように述べています。
「AFAは、認知症の人とその家族へ最善のケアと支援を提供することに努める全国団体です。アルツハイマー病と関連疾患の人々を代表して、AFAはトランプ大統領の2018会計年度の連邦政府予算で提案された大幅な削減に強い関心を示しています。この予算は、アルツハイマー病の治癒方法を見出すための探求をかなり後退させ、質の高い介護・サービス・支援を利用することがかなり制限されるでしょう。
最近、AFAは連邦議会の関係者や支援者と密接に活動し、認知症研究の助成金を増やし、アルツハイマー病の打倒を国家の最優先課題としました。今年の初め、AFAはトランプ大統領にアルツハイマー病研究のために年間の助成金20億ドルを要請する書簡を送りました。これは指導的な研究者が2025年までに治癒方法を確立するに必要な額と述べています。「アルツハイマー病対策国家計画National Plan to Address Alzheimer’s Disease」(訳注)の主要な目標は2025年までに治癒方法または病気の経過を変える治療方法を見出すことです。期待できる研究に賢明な投資することによってのみ、その目標に到達できると期待しています。助成金の大幅な削減を求める大統領予算はアルツハイマー病の治癒方法の発見を危うくすることになります。
またAFAは、アルツハイマー病国家計画で明確に示されているように2025年までにこの国を治癒に至る実行可能な過程に置くために必要な助成金の保証を連邦議会活動で努力することを倍加するでしょう。さらに、AFAは治癒方法を見つけるまで質の高いケア・サービス・支援―これらは認知症の人と介護家族にとても大切な違いをもたらす―を利用できる保障のための活動をするでしょう。
現在、アルツハイマー病はアメリカの死因の第6位にあります。しかも主要な10位までの死因のなかで唯一治癒方法も強い影響力を及ぼす治療方法がない疾患です」
GLOBE NEWSWIRE May 23, 2017 Alzheimer’s Foundation of America’s Statement on the Trump Administration’s Proposed 2018 Budget
訳注:NATIONAL PLAN TO ADDRESS ALZHEIMER'S DISEASE: 2016 UPDATE 08/01/2016
編者:AFAより強力は団体Alzheimer's Associationはトランプ予算について声明をまだ示していないようだ。

★保守党は論争となった「認知症税」の公約を幅広い反発で180度政策転換(5月22日/イギリス)
テレサ・メイTheresa May首相(画像)は、22日朝、何万人もの人の介護費用を引き上げるための選挙公約―「認知症税dementia tax」と呼ばれる―を取り下げました。
首相はウエールズでの記者会見で次のように述べました。
「計画につての話合いを行います。どのような人たち―明確にされなかった―が負担すべきかの範囲について提案があるでしょう。提案したことの要旨は何も変わっていません」
ジェレミー・ハント保健大臣Health Secretary Jeremy Huntは次のように述べました。
「生涯、仕事に頑張り蓄えた人たちが、たまたま認知症のような病気になってもすべての資産を失うのではと心配しないように保障したいのです。介護に払う金額に上限を導入したいのです」
今回の動きは、提案に反対する不満が拡がることを抑える狙いのようです。21日に公表された投票に関して党派間の差が一桁となった労働党はこのように見ていますこのようにみています。
上級内閣Senior cabinetの閣僚は、介護の提案を180度政策転換することを示唆し始めました。21日、ボリス・ジョンソン外務大臣は「政策の転換についての関心を理解します。変化させる前に相談することを約束する」と述べています。
2015年、保守党は7万2000ポンドの社会的ケアに関わる総額の上限を示しました。保守党が選挙公約を発表した19日にこの提案は破棄したようです。
今回の選挙公約の細部については、自宅での介護について10万ポンド以上の資産をもつ人が負担することになっています。現在、この費用は大部分、国が負担しています。
180度の政策転換はほんの一部のことで、自宅で介護を受ける高齢者への負担を求めるという計画にそのまま残るでしょう。
Business Insider May 22, 2017 The Tories have U-turned on their controversial 'dementia tax' election pledge after a huge backlash)
編者:総選挙の最中のイギリスで政権保守党が引き上げようと提案する在宅の介護負担を「認知症税」と通称され批判的に受け止められ、保守党が選挙公約を改めようとする動きである。

★認知症の看護師が就労継続へ(5月16日/イギリス)
リバプールで開催された王立看護協会Royal College of Nursingの年次総会の投票で採択されました。
これを提案した看護師は「合理的な調整によって認知症の同僚の仕事を合わせることができる」と話しています。
しかし、この計画は議論され、患者に危険を及ぼしかねないと異議を唱える会員もいました。
ロンドンの認知症専門の看護師であるジョ・ジェームスJo James氏(画像左上)は、認知症の同僚を支えるための看護協会の取り組みを向上させる提案を行いました。
大会で彼女は次のように話しています。
「認知症と診断されて看護師は専門的な生活を終えることになるようです。一瞬にして認知症の看護師は、認知症の程度や影響にかかわりなく、看護師から患者になるようです。私たちは、差別に反対するしっかりした法律を持っています。しかし、しばしば認知症はこの法律の例外とみなされ、差別されます」
コベントリーおよびウォーリックシャーCoventry and Warwickshireの看護協会の幹事であるフィル・ノイエスPhil Noyes氏は次のようにはなしています。
「私は記憶障害のある多くの人を代弁します。これに取り組むなら、私たちはそうした人々ができるだけ長く極限まで仕事が続けられるようにします」
とはいえ多くの看護師はこのことに関心を示しました。
バークシャーの看護師、メリー・コドリングMary Codling氏は次のように話しています。
「私は認知症の人と共に成長し、この20年間、私の人生で変わらぬ課題でした。父は認知症で、外からみると彼はほとんど正常で日々の生活を営んでいました。しかし実際のところ、一方通行を行ったり来たり車を運転していました。認知症の看護師が患者に安全な業務を行うとどのように人は確信するのでしょうか」
またロンドンの上級麻酔専門士のシャーレイ・アリShirley Al,氏からも疑いの発言がありました。
彼女は次のように発言しました。
「極小のマイクログラムの量で薬を投与しています。私が認知症で仕事をしようとすると患者にどのように安全を保障するのでしょう」
ジョ・ジェィムス氏は、意義深い議論について同僚に謝意を示し、次のように話しています。
「仕事場での管理が難しいので、この件で看護協会の戦略が必要だと思います。自分たちの生活を失わないように苦闘しているからといって管理者から診断名を隠すことを望みません。正直なところ認知症の人が生まれていることを隠さないことが必要です。明らかなことですが患者を危険な目のやるべきではありません。しかしながら他の方法で看護することができます。認知症の一人の職員を雇いました。それは複雑な課題です。その人は私たちに教えてくれたのです。すばらしい見返りでした」
その後、看護協会会長のジャネット・デイビスJanet Davies氏(画像左下)は次のように話しています。
「イギリスは医療を含めてあらゆる状況で労働者が認知症になるだろう時代です。精神的あるいは身体的な障害があるからといって、必ずしも危険であるとは言えません。必要とする合理的な調整は人が危険の状況に置かれていなかどうか評価することです。そうしたことを行う能力をなければ重要な決定や試算は行わないでしょう」
BBC News 16 May 2017 Allow nurses with dementia to continue working
編者:認知症の看護師が仕事を続けられるための前向きな議論だ。通常ならどのように退職させるかが議論となりそうだが。

★アルツハイマー病だからといって直ちに運転免許証を失うわけではない(5月16日/カナダ)
サスカチュワン州アルツハイマー病協会Alzheimer Society of Saskatchewanは、5月17日の夜、全州を対象とした講演会を開催し、認知症の診断を受けて運転能力がどのように影響するかを解説します。
多くの人にとって車の運転は自由と自立を意味し、アルツハイマー病と診断されると不安が生じるようです。しかしアルツハイマー病と診断されたからといって直ちに運転免許証を失うわけではありません。
同病協会の第一連携コーディネーテーFirst Link co-ordinator(訳注1)コニー・シュナイダーConnie Snider氏(画像)は「病気はそれぞれ異なり進行も異なります」と話し、CBCラジオ・サスカトゥーンモーニングCBC Radio's Saskatoon Morningで次のように話しました。
「病気について知れば知るほど受け入れやすくなるでしょう。早期診断がとても重要で、認知症の人が将来計画を立てるチャンスが持てるのです」
このためアルツハイマー病協会が今回に情報に関する講演会を主催する理由の一つです。認知症の人や家族は経過を理解し、もう運転できなくなるかもしれないとの警告となるいくつかの症状に注意を向けることができるでしょう。
例えば、「A地点からB地点に行く時に迷うか?」「運転中に間違った判断するか?」「多くの違反切符をもらうか?」「原因を説明できない車の傷があるか?」などがテーマです。
最終的にはサスカチュワン州政府保険審査官が免許証を制限付きとするか、アルツハイマー病の人から取り上げるかの最終的決断をします。
この講演会は、サスカチュワン州ではテレヘルスセンターTelehealth centresで17日夜に行われます。サスカトゥーンでは市立病院に集まり、レジャイナReginaではワスカナリハビリセンターWascana Rehabilitation Centreに集まります。共に中部時間の午後7時に開始します。
CBC News May 16, 2017 Alzheimer's disease doesn't mean automatic loss of driver's licence
訳注①First link:ドクター等から確定診断を受けた?向けの早期介?システム。詳しくはこちらFirst Link program(Alzheimer Society of Canada)を参照。
認知症と運転に関するカナダアルツハイマー病協会のページDriving and transportation

★「英国で認知症患者の旅行が人気の兆し」(5月16日/ニューズウイーク日本版)
英国で、認知症患者向けの旅行が人気の兆しを見せているという。通常、認知症の人と介護者向けの旅行というと、介護者が休むことを目的としているものが多いようだが、認知症の本人にも楽しんでもらえる内容だ。
患者と介護者が共に楽しむ旅行
英国中央部レスターシャーにある会社「マインドフォー・ユー(Mindfor You)」は、認知症の人と、その介護者を対象に旅行を提供している。初年度の2015年に提供した旅行数は8回だったが、2016年には15回に増え、今年はさらに増えそうだという。マインドフォー・ユーのバル・ジョンソンさんがBBCスコットランドのラジオ番組『グッドモーニング・スコットランド』に出演して語ったとBBCが伝えた。
ジョンソンさんは番組で、通常の認知症患者向け旅行の場合、認知症を介護する人が休暇を取るための旅行となり、認知症の人は別の介護施設で過ごすことになると説明。しかし介護者は認知症患者の配偶者であることが多く、2人が別々に時間を過ごすことがストレスの原因にもなりうるという。「なかには結婚して60年以上、離れて過ごしたことなどないという夫婦もいます」とジョンソンさんはラジオで話した。
自身の経験から必要性を実感
マインドフォー・ユーのウェブサイトによると、共同設立者で最高経営責任者のキャロル・サージェント氏は、自身も認知症の実母と義母を介護しており、認知症を患う人が楽しめる旅行が少ないと感じていたことがきっかけで、同社を設立したという。
テレグラフによると、サージェント氏は80歳の母親エリザベスさんが従来的な「レスパイトケア」(介護者の負担軽減のために一時的に代わってケアを行う施設)に滞在した際、エリザベスさんは自分が「施設に送られた」ことに戸惑いや怒りを抱き、夫(サージェント氏の父)で介護者のジョンさんと離れ離れになってしまったことに動揺していたという。一方でジョンさんは、エリザベスさんが施設に滞在中ずっと、知らない人たちに囲まれて過ごしているであろう妻を心配していたという。
マインドフォー・ユーが提供する旅行は、認知症の人と介護者、2人が旅行の対象で、目的地はスコットランドのハイランド地方やウェールズ北部、イングランドの海辺デボンなど英国内12カ所。テレグラフの記事では、それぞれ認知症の配偶者を持つ3組の夫婦が、3人の介護士とともに5日間の休暇を楽しむ様子が伝えられている。この時は南イングランドのドーセットにあるコテージに滞在し、軽いエクササイズを楽しんだり、ホテルで食事を味わったり、蒸気機関車に乗ったりといったアクティビティをしたという。
滞在先までの交通手段は、自動車や電車、飛行機など、旅行者が選べる。自動車の場合はマインドフォー・ユーの車で自宅まで迎えに来てくれ、電車や飛行機の場合は、到着地の駅や空港まで迎えに来てくれる。電車に同乗して付き添うことも可能だという。
空港側も認知症旅行者をサポート
一方で公共交通機関も、認知症対応に力を入れ始めているようだ。英国最大の空港であるヒースロー空港と、ロンドン北部郊外にある英国第2位のガトウィック空港は2016年に、認知症にやさしい空港を目指すと発表した。
障害のある人たちの目線から空港の利用可能性について情報を発信しているサイト『リデュースド・モビリティ・ライツ』によると、特にガトウィック空港は2016年、「認知症にやさしいイノベーション賞」を受賞している。
グッドウィル航空相(当時)は、ターミナルの混雑やセキュリティ・チェックなどが原因で、飛行機での移動が認知症の人にとって怖いものである可能性を指摘。そのためガトウィック空港では現場スタッフの80%が認知症関連のトレーニングを受けており、ガトウィック空港自体も認知症介護について英国の全国職業資格レベル2の認定証を導入しているという。
どちらもロンドンの空港だが、こうした動きがあらゆる空港や公共交通機関で広がれば、認知症の人にとって旅行がもっと身近なものになるかもしれない。
なお日本でも、認知症などで介護を必要とする人も楽しめる旅行については、「介護旅行」や「トラベルヘルパー」というキーワードで検索すると、いろいろなサービスがあるようだ。
寄稿:松丸さとみ(画像右)
Newsweekjapan 2017年5月17日 原文のまま
サイト内関連記事:「ヒースロー空港、世界初の「認知症にやさしい空港」へ」(2016年8月16日/イギリス)
関連情報
Holidays and travelling Alzheimer's Society
Travel and Holidays Alzheimer Scotland - Action on Dementia June 2016 Information Sheet (pdf180K)

★「タイで「認知症キャラバン・メイト養成研修」が開催」(5月2日/アセアン ポータル)
在タイ日本大使館は、タイに在住する日本人に向けて認知症を正しく理解して貰う事等を目的として「認知症キャラバン・メイト養成研修」を6月15日に開催する事を発表した。
タイには大勢の日本人が在住しており、日本人の高齢者も6700人を超えていた。そのためタイ現地においても認知症の問題は人ごとではなくなっており、医学的な視点から正しく認知症について理解する必要が出てきた。そのため在タイ日本大使館は、認知症サポーターキャラバン事務局『こころのでんわ』と共催で、認知症を正しく理解して貰うための養成研修会を実施する事を決定した。
6月15日に開催される研修会では、認知症の人やその家族を応援する「認知症サポーター」をつくる講師や、講習会の運営役である「認知症キャラバンメイト」を養成する。参加費用は無料となり、対応言語は日本語のみとなる。なお、参加するためには事前登録が必要となり、6月8日までに担当(バンコク認知症キャラバンメイト事務局:bangkokcm1@gmail.com)まで連絡する必要がある。
アセアン ポータル  2017年5月2日 原文のまま
関連情報:大使館からのお知らせ 平成29年5月1日 「認知症キャラバン・メイト養成研修」開催

★ノバルティスはアルツハイマー病を発症しない人への新薬を試みる(4月22日/スイス・アメリカ)
ノバルティスNovartis(画像右:バーゼル本社ビル)は、二つの新しいアルツハイマー病薬を試みる最善の方法はアルツハイマー病を発症していない人に対するものと考えています。
スイスの大手製薬企業は、アルツハイマー病―心が奪われる病気―になる可能性の高い遺伝子を持つが、この病気の犠牲者にまだなっていない人を求めています。早期治療が、発病した病気に対する過去の試みよりうまくいくだろうことを証明する望みがあります。
アルツハイマー病研究の歴史は失望の記録です。昨年11月、注目されたイーライリリー社Eli Lilly & Co.のソラネズマブsolanezumabが、最終の臨床試験で失敗した最後の例でした。この薬は、脳のベータアミロイドと呼ばれるタンパクの塊―アルツハイマー病と密接に関連する-を除去することを狙ったものです。現在までのところ、アルツハイマー病の進行を遅くする薬を製造する企業はありません。
ノバルティスの新薬の一つ―CAD106―は、血中のベータアミロイドを除去するという免疫機構を活性化するように造られたものです。もう一つの薬―CNP520―は、ノバルティスがアムジェン社Amgen Inc.と協同して開発したもので、最初からベータアミロイドの形成を止めるように造られてものです。
ボストンのマサチューセッツ総合病院Massachusetts General Hospitalの神経科医のスティーブン・アーノルドSteven Arnold氏(画像左上)は「抗アミロイド戦略が始まるとすれば、最善の方法は予防を伴っているということです」と話しています。
まだ発症していない病気の治療を受ける患者、および発症しないかもしれないが治療を受ける患者は、計画遂行上および倫理的な課題が伴っています。
製薬企業は、今回の研究にAPOE4と呼ばれる遺伝子の二つのコピーを持った人の参加を求めています。二つのコピーを持っているからといって必ずしも発症するわけではありませんが、該当する人のおおよそ2%は、一般人と比較して認知症を発症する可能性は約3倍高いことが科学雑誌PLOS Medicineに最近発表されました(訳注1)。
アリゾナ州フェニックスに在る非営利団体の「バナーアルツハイマー病研究所Banner Alzheimer’s Institute」は、ノバルティスを支援して該当する患者を探しています、2015年末にこの活動を始めAPOE4遺伝子の検査を行っています。この研究所は、テレビや新聞に公告を掲載し、大量のダイレクトメールを送り、外来で催しを実行してジーンマッチGenematchと呼ぶ計画を展開しています。
現在まで、およそ3万5000人が契約し、試験のために自分の頬から採取した細胞を送ることに同意しています。バナーのピエール・タリオットPierre Tariot所長(画像左中)は「私たち、とても熱心な人たちに関わったようです。驚くことではありません。多くの人はアルツハイマー病の家族歴を持っている」と話しています。
バージニア州在住の71才のマーガレットMargaretさんは、2週間前、APOE4遺伝子の二つのコピーを持っていることを知りました。彼女は、今年初め、病院からそのことを知らされてジーンマッチと契約しました。この病院にアルツハイマー病の姉が入院しているのです。彼女は、このことを家族にまだ話していないので苗字は伏せておきたいとのことですが「ショックです。しかし、うまくいって病気を防いだり、進行を遅くすることができるなら、言うまでもないことですが私は参加します。思い悩む必要はない」と話しています。
契約する人たちのほんの一部の人たちが臨床試験に参加する資格を持つことになるでしょう。ノバルティスの研究に参加する人はAPOE4の二つの遺伝子を持つ、健康である、年齢が60才から75才の間ある、見かけ上アルツハイマー病の症状―認知機能の低下など―を認めない人です。現在のところ、臨床試験には予定のおおよそ1300人の参加者の10%以下の人が登録されています。
ジーンマッチの担当職員は、個々の参加者の遺伝子の検査結果を知りません。代わりに、コンピューターから電話のための名前のリストが提供され、そのうち何人かが遺伝子が適合しています。ジーンマッチは電話で臨床試験に相応しい人について伝え、近くに在る研究に参加する病院を教えることになっています。
参加者は、自分たちの遺伝子の検査結果を教えられます。通常、遺伝子カウンセラーが担当します。その前に、臨床試験の担当者が詳しい評価を行い、試験に相応しく参加する意思の有無を確認します。
ノバルティスの薬品開発の全世界規模でのトップのヴァス・ナラシムハンVas Narasimha氏は次のように話しています。
「とても重要なことは、この試験がとても高度に倫理的な方法で行われることです。患者が研究の対象として選ばれなければ、私たちが彼らに介入することはないでしょう。情報を提供する理由がないからです。今年の後半、ノバルティスはさらなる試験を始める計画です。それはAPOE4の一つだけのコピーを持つ人達を対するものです。おおよそ人口の4分の1を占める人たちが対象となると思われます。かれらは一般人口とくらべ軽度認知障害や認知症になる可能性が約1?多いのです」
アミロイドを破壊する一連の薬として注目されながら失敗した後、専門家はアルツハイマー病を打ち砕く正しい方法について二分されています。ノースカロライナ州ダーラムに在る「デューク大学ヘルスシステムDuke University Health System」の神経認知障害科のムラリ・ドレイスワミーMurali Doraiswamy科長(画像左下)は次のように話しています。
「現在この分野は、とても悲観的です。しかしノバルティスの研究は新たな方法を正当化する臨床試験の小さなグループに属します。私たちはこれまでの失敗した試験から多くのことを学びました。ノバルティスの洗練された研究方法は、アミロイド説を試す完璧に近いモデルでしょう。アルツハイマー病をの発症する危険性が増大することを知らされた一部の人たちに試験を絞っているということです」
記者:デニス・ローランドDenise RolandはウオールストリートジャーナルWall Street Journalの製薬企業担当。
Wall Street Journal April 22, 2017 Novartis Tests New Alzheimer’s Drug on People Who Don’t Have the Disease
訳注:PLOS Medicine:APOE-related risk of mild cognitive impairment and dementia for prevention trials: An analysis of four cohorts
March 21, 2017

編者:アルツハイマー病を発症する前と思われる人たちへの新たな予防的臨床試験の具体的な動きの一つとして紹介した。わが国ではノバルティスが高血圧治療薬の論文不正事件で問われているが、この研究に影響はないだろう。

★メガバンクが認知症の顧客を支えるために取り組む(4月12日/イギリス)
HSBC(訳注)は、認知症の顧客を支えることを意図した幅広い取り組みを明らかにしました。これは銀行がより包括的に利用者にやさしくなることを狙ったものです。
今月12日、銀行は、認知症の人と認知症の人を支えてその資産を管理する人たちのためにヒントや助言からなる指針を公表しました。現在、指針は全国的に広げる計画のなかで10の支店で試みられています。
HSBCは、イギリスでおおよど1700万人の顧客があり、この3年間アルツハイマー病協会Alzheimer's Societyとスコットランドアルツハイマー病協会Alzheimer Scotlandと連携を進め、認知症に対する人々の受け止め方を変える活動に対して、これらの団体に300万ポンドを提供しました。
おおよそ1万2000人の銀行員は認知症についてより理解を深め顧客を支える方法を知るために啓発教育を受けています。
アルツハイマー病協会のジェローム・ハーゲスJeremy Hughes事務局は次のように話しています。
「銀行へ行くことは認知症の人には大きな負担となる行為です。認知症の人にとって暗証番号や個人情報を覚えておくなど簡単で日常的な銀行との取引を長年、当然とみなしてきたことが、突然、予期しなかった問題となりうるのです」
アルツハイマー病協会によると、現在、イギリスにおよそ85万の認知症の人がいます。2021年までに、その数は100万になると推測されています。
認知症に多い症状は、記憶障害、コミュニケーションの問題、情報処理や計画の困難さですが、HSBCによると、これらの症状は資産管理上も問題となるのです。
イギリスHSBC(HBSC UK)の財産・小口銀行のトップのフランチェスカ・マックドナFrancesca McDonagh氏(画像)は次のように話しています。
「昨年、HSBCは音声認識技術―顧客が暗証番号を覚えるよりは単に声をパスワードとして使える―を導入しましたが、これはすべての顧客に銀行が利用しやすいようにする試みの一例です。自立して資産管理をできるようにすることが、認知症の人にとって自分の生活を管理できるようにすることが支えの鍵と理解しています。こうした団体との連携、銀行員の研修、指針の発行、認知症フレンドの啓発教育を通して、認知症の人が信頼する環境のなかで銀行との取引をしていると確信するのを支えるためにさらなるサービスを提供したい」
Independent 12/04/2017 HSBC rolls out initiatives to help customers living with dementia)
訳注:HSBCは Hongkong and Shanghai Banking Corporation の略称で1865年に香港で創設された香港上海銀行を母体として1991年に設立され1993年にロンドンへ本社移転。
編者:日本の地方銀行で認知症サポーター養成の取り組みはあるが都市銀行ではどうか?

認知症の発症率が低下している。しかも少しというわけではない(4月10日/アメリカ)
これまでのいくつかの小規模な研究によって、認知症の発症率の低下という傾向が認められました。最近の大規模な全国調査でこのことが確認されました。認知症の総件数は、人口の高齢化によって増えるでしょう。しかし、認知症になりやすさは有意に低下しました。この調査論文の筆頭執筆者であるシカゴ大学シカゴ高齢化人口学センターMichigan Center on the Demography of Aging (MiCDA)のケネス・ランガKenneth Langa教授(画像左上)は「1999年代初期の発症率と比較すると25~30%減少しています。また高齢になってから初めて認知症と診断される人が増えている」と推測しました。
このことは、私たちと同じくする疫学者のあいだで驚きとなっています。この人たちは、特に、アメリカの高齢者のなかで糖尿病―認知症の危険性を有意に高める―が急増していると報告しています。このことは、ニューヨークタイムズNew York Timesが「最善なことの医学的不思議:アメリカやその他裕福な国々で加齢に伴うありふれた病気が減少している:Medical Mystery of the Best Kind”: common diseases of aging are in retreat in the United States and some other wealthy countries」と題した事柄のもっと重要な傾向の一部です。
「全アメリカ経済研究所National Bureau of Economic Research」の最近の研究(訳注)によると「この20年間、寿命が増加したことが障害のない人生の期間をかなり伸ばしたこが伴う」と確認されました。言い換えると、長い人生は病気をかかえてより長く過ごすことを意味するだろうが、障害がなく過ごせる余命が一生の期間が伸びるより早く伸びています。よりよい心臓疾患の治療、よりよい視覚障害の治療―簡単に外来でできる白内障手術―は、よりよい診断と同様に人生を改善させることにおおいに寄与しています。しかし、これだけで障害のない高齢期の改善の傾向を説明することにはなりません。パーキンソン病、認知症、糖尿病は未だに私たちの大きな関心事ですが、全死亡率―すべての慢性疾患を統合した場合―は低下しています。こうした病気はそれぞれ加齢に関係しているのです。
カリフォルニア太平洋医療センター研究所California Pacific Medical Center Research Instituteのスティーブン・カミングスSteven R. Cummings医師(画像左中)は次のように示唆しています。
「すべてのこうした退行性疾患は、ある同じようなこと―老化する細胞内変化―を共有しています。細胞の老化過程は人に有利に変化しているようです。背伸びしているようなものです。しかし、老化の生物学はさらなる研究に取り組むことが基本で、とても必要なことです」
もっと多くの人は何故このこと―特に、認知症の発症率に関する良い知らせ―を知らないのでしょう。2012年のマリスト世論調査Marist pollによると、アメリカ人が最も恐れる病気として、アルツハイマー病がガンをわずかに超えました。その理由として、とても人間的なことですが、生存することに危険が伴うという恐れが立ちはだかるのです。背景の一部はマスコミ報道があります。ぞっとするような物語が人を捉え、認知症は怖いと見通すからです。こうした警告で研究費を集めるのです。代弁者でもある認知症を持ったクリスティン・ブライデンChristine Bryden氏は「偏見や恐れの原因は何でしょう。それは認知症の既成概念によります。認知症の人は理解できない人、何も覚えてない人、周囲で何が起こっているかわからない人という思い込みがある」と述べています。この既成概念が心の琴線に触れ、財布の紐を緩めさせ、研究、支援、サービスの資金を求めるのに使われます。それは「キャッチ22 Catch-22」(訳者:「どうにもならないジレンマ」の意味)なのです。アルツハイマー病の団体は、認知症の人が存在しなような人と私たちの想像させ偏見をより悪くします。
高齢の研究者のマーガレット・ガレットMargaret Gullette氏(画像左下)は、「もの忘れすることへの私たちの不合理な恐れは精神を深い浸食し、その結果、普通の記憶の衰えが恐怖をもたらし、診断が自殺念慮を起こす」と述べています。
認知症になる可能性は年齢とともに増えますが、この病気は典型的な加齢現象ではありません。私たちの恐れは、危険性の程度と内容に比例します。認知症の発症率が低下することは、この恐れを軽減することになります。世界が認知症の人にとってよりよい所になっているという事実は、ブライデン氏、シアトルモメンチアMomentia in Seattleのような草の根運動、老年科医で思想的指導者のビル・トーマスBill Thomas氏(画僧右上)といった著名な擁護者の活動の成果です。
トーマス氏は、彼の「エデン・オールタナティブEden Alternative」のナーシングホームに基づいた取り組みを提案しています。この人間的なコミュニティで認知症の人が元気になります。病気の治す方法がないので、トーマス氏は、持っている道具は文化であると指摘しています。仲間のほとんどは医学研究者ですが、それぞれ文化的な変化を経験して認知症に関わる偏見や苦しみを軽減する力を持っています。認知症の人から何を学ぶことができますか?情緒的な面でこの病気に向かい合うためにどのように学ぶことができますか、文化をより包括するものにするために私たちはどのように変わることができますか?
トーマス氏は、こうした考えを彼の「認知症破壊Disrupt Dementiaツアー」で取り上げます。このツアーは、認知症を取り込む世界は人間をも取り込む世界であるという考えを推し進めます。ツアーのメンバーで心理療法士のキリエ・カーペンターKyrie Carpenter氏(画像右中)は「その世界は、現在、認知症と呼んでいる状態へある種の治癒を提供します。ツアーは、映画、音楽、語り、最先端の研究の混合体でとてもよく受け容れられ従来の考えを覆す催しをなる」と話しています。
このツアーは、今週、カリフォルニアで始まりました。多分、近くの街にも来るでしょう。旅行プランをここでチェックしてください。怖がらないで。
寄稿:アシュトン・アプルホワイトAshton Applewhite(画像右下)
huffingtonpost  04/10/2017   Dementia rates are falling. And not just a little bit.)
訳注:Longer life, disability free: Increases in life expectancy accompanied by increase in disability-free life expectancy, study shows June 6, 2016 Science Daily
サイト内関連記事:アメリカで認知症の有病率が低下(2016年11月21日)
編者:紹介された活動の実態がいまひとつよく理解できないが、認知症に関わるちょっと興味をそそられる新しい動きのようだ。なお認知症発症率の低下の報告はこのサイトで何度が紹介した。ところでブライデンさんの認知症は何?

★認知症クラブの会員は日本協会の人と着物や折り紙を楽しむ(4月7日/イギリス)
今月4日、ロンドンのヘンドンHendonで「日本協会Japan Society」の人たちが「イギリス認知症クラブDementia Club UK(DCUK)」の会員と会い、着物を着て、日本文化を共有しました。
協会の人たちは、ヘンドンタウンホールHendon Town HallにDCUKの人たちを訪ね、折り紙を実演し、日本の生活と文化について話しました。その後、会員は伝統的な着物を着てみました。
DCUKは認知症の人と親しくなる団体であり、日本協会はイギリスと日本の文化の深くて持続的な繋がりを作ることを目的としています。
DCUKの議長で創設者であるリサ・ラッターCllr Lisa Rutter議員(写真中央桃色の浴衣を着て立つ女性)は次のように話しました。
「これはDCUKが会員のために行うちょっとして取り組みの一例で、誰をも受け入れ、すべての異なる文化を受け容れます。会員はこうした実り多い催しを楽しみます」
その他の活動として、ラジオ体操―体の柔軟性と血液の循環を改善する軽い運動―や、ロンドン地区のロータリークラブの次期ガバナーのマイケル・ホッジMichael Hodge氏の話を聞いたりします。
Times series 07/04/2017 Kimonos and origami as Dementia Club members meet and share ideas with Japan Society)
編者:Times seriesはロンドンの一地区で発行される週刊新聞。

★イギリスの認知症研究者は2008年と比べ2倍増(3月14日/イギリス)
「イギリスアルツハイマー病研究財団Alzheimer’s Research UK(ARUK)」は、人的能力を高めて大きな投資をもたらすと報告します。にも拘わらず、認知症の研究能力は、その他の重要な疾患とくらべ遅れています。
ARUK―イギリスの指導的な認知症研究の財団―の新しい分析によると、認知症に従事する科学者の数は、この6年間でほぼ2倍増えました。この報告書は、アバディーンで開催される年次研究会議で発表されました。それによると、認知症研究の資金が増額されることでイギリスの認知症研究の展望が大きく進展することを重視しています。しかし、この間、認知症と他の疾患との隔たりは狭まり、科学者による認知症の理解はおおいに進展しましたが、認知症のもつ重大は影響に比較すると認知症研究はまだ追いついてはいないことを明らかにされました。報告書の数値によると、認知症研究者1人に対して、ガン研究者は4人います。
報告書「ペースを保つ:認知症研究能力の進展Keeping pace: progress in dementia research capacity」(pdf2.6M)が公表され、財団が新しい「認知症統計拠点Dementia Statistics Hub」が立ち上げられました。この拠点は、認知症の最新の事実と統計および認知症研究に関するオンラインのワンストップ(訳注:一カ所で済むところ)です。
1012 年、ARUKは「認知症を打倒するDefeating Dementia」という影響を及ぼした報告書を公表しました。その報告書は、認知症がイギリス経済への膨大な負担を及ぼしているにも拘わらず、ガンなどの他の疾患とくらべて取り組む科学者が相対的に少ないことを明らかにしました。
その時以来、全国的にも世界的にも、認知症への戦いを増やす動きがあり、政府およびARUKのような財団による研究への投資が増大しました。この5年間、財団は、独自の分析を繰り返して投資の影響を調べてきました。
新しい報告書は、2008/2009年と2015/2016年との認知症研究の状況を比較して、次のことを明らかにしました。
○イギリスの認知症研究者の数は3209人(2008/2009年)から6141人(2015/2016年)とほぼ2倍。
○イギリスの認知症研究者の生産性は、1年間の科学論文でみると1614編から3169編と2倍近い。
○認知症研究者1人に対してガン研究者は6人から4人。
○イギリスの発表論文うち国際的共同研究の割合は51%から61%。
認知症研究者の数は増えはいるが、他の疾患の分野の科学者も全体数が増えています。その結果、認知症とガンの間での研究能力の開きは、なお6年の開きがあります。また分析によると、イギリスの経済への認知症の影響金額200万ポンドについて認知症研究者は1人であるのに対してガン研究者は10人です。
ARUKのヒラリー・エヴァンスHilary Evans事務局長(画像)は次のように話しています。
「5年前、わたしたちは、イギリス政府が認知症研究へ長期的支援に行うことを要求し、今日、大きな投資が及ぼす影響を知りました。資金の増加によってこの破壊的な病気を重視する科学者がより多くなり、新しい治療の研究でより多くの報告がされたことを知ることは心強いことです。現在、認知症の原因となる病気について以前より多くのことを理解しています。ただ今、人の生活を変えることになるだろう革新的なことへ向って知識を移行させる取り組みを進めています。また認知症研究は、増加する国際的な共同研究によって大いなる利益を得ています。EUから離脱することに同意したことで、この流れが続くことを確かなものにすることはとても重要なことでしょう。
また私たちは認知症研究に相応の評価を求めます。すなわち、低い地点から始め、他の疾患と同等なものに追いつこうとし、このペースを早めなければなりません。既に85万の認知症の人がイギリスにいます。新しい治療や予防が見つかれないと、その数は2025年までに100万人以上となるでしょう。ARUKで、私たちは研究を向上させ、さらに先に進める大胆な計画を持っています。私たちがこの世代の最大の医学的課題とすみやかになりつつあることに取り組むのであれば、さらに政府が継続的に重要視し、さらなる資金が必要です」
報告書の数値、最新の事実および認知症の統計を知るには、ARUKの認知症統計拠点www.dementiastatistics.orgにアクセスしてください。
認知症の影響と研究の進歩に関する私たちの新しいアニメ―声:女優のパム・フェリスPam Ferris―はこちらwww.alzheimersresearchuk.org/dementia-research-statisticsでみることができます。
Alzheimersresearch UK 14th March 2017 New figures reveal doubling of UK dementia researchers since 2008)
編者:わが国では取り上げることがないイギリスの話題を紹介した。

★ドバイの地域団体がアルツハイマー病の外国人居住者を支える(3月12日/アラフ首長国連邦)
絵画、工芸、クイリング、語り合いは高齢の外国人居住者のアルツハイマー病の発症を止めるのに役立つとして行われています。
地域団体―「忘れな草4get-me-not」―は、ドバイのジュメイラJumeirahに住む50人以上の居住者に教室を開きました。それは、アルツハイマー病の人を支援するために一連の催しを最初と期待されています。
アルツハイマー病は非可逆的ですが、研究によれば、コミュニケーション、記憶訓練、社会的集まりはその進行を遅くするのに役だちます。
「忘れな草4get-me-not」の創設者デジレ・ヴレッケンDesiree Vlekken氏は次のように話しています。
「目的はアルツハイマー病を啓発することで、高齢者を勇気づけて、できるだけ活動することを考えるようにします。悲しいことですが、アルツハイマー病は高齢者にもっとも多い。この破壊的な病気をうまく治す方法がないなかで、忘れな草のアルツハイマー・カフェAlzheimer’s Caf?は進行を遅らせるために脳と記憶活動に関わる支援をおこないます」
アルツハイマー病は脳の病気で、記憶や認知機能がゆっくりと壊れ、最終的に簡単な作業を行う能力も損なうのです。多くの場合、症状は60才代なかばで初めて現れます。
国際アルツハイマー病協会Alzheimer’s Disease Internationalによると、2016年アラブ首長国連邦UAEにはアルツハイマー病と診断された人は3000人と推計されています。これはとても小さな数ですが、診断されてない事例を考慮ると憂慮すべき病気です。有効な数を推計する最善の方法は、まずアルツハイマー病の偏見を取り除くことです。これは私たちが取り組んできました。最終的に、母体となるUAE遺伝病協会UAE Genetic Disease Associationからの支援で国レベルのアルツハイマー病政策を提案することを望んでいます」
今月7日のジュメイラでの行事と一部として、クイリングの専門家ヴィラジクマリ・ジャデジャVirajkumari Jadeja氏がグループ―60才代が多い―に紙細工お教えました(画像)。
彼女は次のように話しています。
「クイリングは目と手と頭の協同作業を改善するのに役立ちます。こうした芸術的な栄養が心を刺激し、鋭敏にすることによって記憶を改善します。こうしてアルツハイマー病の人を助けることはできないが、昔のように脳を使わないでいるすべての高齢者には役立ちます」
ドバイの高齢者地域グループのゴールドエッジグループGold Age Groupの議長のナシーム・デュラニNaseem Durrani氏は、次のように話しています。
「相互作用はとても重要です。ほとんどの高齢者とその家族は、身体の他の部分とともに脳を活発にして健康に保つことがどれほど大切かを認識していません。ほとんどの高齢者は退職時には自分の脳を理想的な状態に保っています。実際のところ健康な脳にアルツハイマー病を招き入れるようなものです。活発であることを認め知識を共有することによって病気と戦うことが地域の高齢者を助けることになるでしょう」
集会は毎月開催される予定で誰もが参加できます。
UAE遺伝病協会の議長で創設者のマーヤム・マータMaryam Matar医師は次のように話しています。
「私たちはハイリスクのグループを応援し定期的な会話や催しを計画しています。啓発は力づけ自信を与える鍵です。幸福と健康の認識に繋がっるという知識は地域で力です」
詳しい情報は4get-me-not.orgで得ることができます。
The National March 12, 2017 Dubai community organisation offers support for expats with Alzheimer’s)
編者:情報が乏しい中近東の国々での認知症に関わる活動として紹介した。ドバイに暮らす高齢のインドなどの外国人居住者への支援だが、ドバイの自国民にはどのような支援があるのか?

★アルツハイマー病のファーストレスポンダー法、支持を得る(3月8日/アメリカ)
3月8日、アルツハイマー病の人の家族や介護者がアラバマ州議会議事堂Alabama State Houseの周りに集まり、アルツハイマー病の人と接する「ファーストレスポンダーFirst Responders」のために研修を義務付ける法案を支持しました(画像)。
ローラ・ハル共和党議員Rep. Laura Hallが起草した法案HB310はアルツハイマー病など認知症の人に対応できるように必要な研修を州政府の各所管のすべてのファーストレスポンダーに求めるものです。
ハル議員は次のように話しています。
「母がアルツハイマー病で、夫もそうだったので大事なことと思っています。個人的なことですが、とても重要です。個々の介護者でなければ直面する問題について少ししかわからないと思います」
アメリカでは、500万人以上がアルツハイマー病で、毎日66秒ごとに誰かがこの病気になっています。またアルツハイマー病はアメリカ人の死因の第6位です。アラバマ州には9万人がアルツハイマー病です。
アルツハイマー病協会Alzheimer's Associationはハル議員の活動を支援してHB310導入の陣頭指揮を執りました。
アルツハイマー病協会ミッドサウス支部Alzheimer's Association, Mid South Chapterのプログラム・教育部長のブランディ・メディナBrandi Medina氏は次のように話しています。
「この法律は、警察官、消防隊員、救急医療隊員が認知症の人に直面したとき、よりよく自分たちのサービスを提供するだけでなく、認知症の人を支援できるようによりよく準備するものとなるでしょう」
昨年、州では30万3000人の介護者が3億4500万時間の無報酬の介護を行いました。2015年までに11万のアラバマ州の人がアルツハイマー病になるでしょう。
アラバマ州精神保健部のジェームス・パーデュJames Perdue氏は集会で次のように語りって両親がともにアルツハイマー病であることを理解し合いました。
「両親は自宅では他人のようでした。両親を知り好きな人達のあいだでも他人でした。私はそのことが理解でき、これと闘いました。この破壊的病気の母や父を引き取って介護したのです。できることは十分ではありません。励まし、継続し、諦めないで戦い続けます。私たちはいつかこの病気を打倒するでしょう。両親のためにそうしたい」
MontgomeryAdvertiser March 8, 2017  Alzheimer's 'First Responders' bill gains support
関連情報:ファーストレスポンダーについて(コトバンクより
ファーストレスポンダー:「最初の対応者」を意味し、救急隊に引き継ぐまで的確な応急手当てをする。欧米では定着しているが、日本では2012年に石川県加賀市塩屋町で住民組織のFR隊が全国で初めて発足。島根県や高知県などでも始まっているものの、例はまだ少ない。消防団の業務となる稚内消防署のFRは、119番通報を受け、救急隊を現場に出動させると同時に、分団長を通じて団員の出動を要請する。心肺停止かその可能性がある急病人や、のどに食べ物などを詰まらせた人の手当てを想定している。

★多くの家族が困難な認知症に取り組む(3月4日/韓国)
76才のキムさんは、眠っていた認知症の妻を絞殺したとして2年間、拘留されました。彼は「妻が病気になる前はとても幸せで、人生でそれ以上に望むことはありませんでした」と話しています。
二人は結婚して幸せな50年間のなか70才代でしたが、妻が夜間、突然、脳卒中になり、血管性認知症を発症しました。妻は介護施設で入居し、看護師とキムさんと二人の息子が思いやりのある介護を行っていましたが、彼女の記憶はいつとはなしに速やかに消えたのです。
妻は家族を認識できなくなっただけでなく、昔の大切な愛すべき母であり妻とは違って家族を認識できなくなりました。家族が面会に行くと、必ず彼女は暴言を吐いたのです。
キムさんは、2015年の裁判所の証言で「以前、妻は下品な言葉を話すことはありませんでした。まったく別の人間に変わってしまったようだ」と話しました。
キムさんと看護師は妻をベッドに縛って食べさせました。大声をあげ抵抗するからです。しかしキムさんはいつも目を離すことはなく、オムツを替え、生きておられるように食事を与えていました。
血管性認知症は脳の血液の流れが止まるか減少することで脳の機能が衰え、記憶障害やコミュニケーション、集中、論理的思考の能力が低下することが多い。アルツハイマー病はよく知られた認知症のもうひとつの型です。また認知症の人は失禁することが多い。
2015年のある日、キムさんは介護施設の訪問者用ベッドで眠らないで横になっていました。
子供のために自分と妻の命を絶つことを決めていたのです。妻を生かせておくために月額120万ウオン(1027ドル)を支払っていました。
妻を帰宅させ子供たちに遺言「あなたたちにお金を残さなくてすまない」と書きました。
眠っている妻を窒息させて殺し、自分で一瓶の殺虫剤を飲みました。しかし、その後彼は、病院のベッドに横になっていると知りました。その年、判決を受け3年間収監されました。
キムさんの事例は韓国で稀ではありません。保健福祉省によると、2016年に65才以上の認知症の人は68万人です。同省の推計によると、急速な人口の高齢化で2020年までにその数は84万人、2024年までに100万人、2050年までに200万人になるそうです。
不幸なことに、配偶者が殺す認知症の人は増えています。今年1月、インチョンのプピョンで自宅に居たコさんという84才の認知症の男性が同じく認知症の妻を重い物で殴って殺しました。二人は60年間、夫婦として暮らし3人の息子と5人の娘がいました。
コさんの妻は脳の損傷で4年前、認知症と診断されました。コさんは、自宅で妻を介護し、食事を与え、オムツを替えていました。しかし1年前、コさん自身も認知症を症状が出て、考えを伝えにくくなり、記憶障害も生じました。昼間の介護者を雇いました。子供たちは一緒に住んでいません。
コさんは「その夜に起きたことを思い出せない」と話しています。現在彼は、拘置所で精神科的な評価を受けています。
先月、テグで70才代の認知症の人が妻によって殺されました。
専門家とKorea JoongAng Daily系列の中央日報は、過去6年間のこうした事件18事例を分析しました。殺人者の72%は、夫によるものでした。保健福祉省によると、男性より女性に認知症の人が多く、全体71.3%を占めています。そうした事例で配偶者は平均して5.7年間、介護をしていました。
キョンギのヨンインのヒョジャ老年科病院Hyoja Geriatric Hospitalの神経科ハン・イルウHan Il-woo科長は次のように話しています。
「配偶者を殺す理由を分析すると、多くの人は子供へ負担をかけると感じて殺人を犯すようです。配偶者が病気の配偶者を介護させるのではなく、社会が彼らの負担に相応しい負担を共有することは欠かせません」
80才のキムさん―認知症の人の夫―は次のように話しています。
「食事を終えようと台所から出る時、居間に居る妻が暴力をふるいます。私がしていることを理解しないで揉み合って妻を窒息させ死なせました。子供に母親が病気だと知らせたくなかったのです。子どもたちにとってさらに負担となるからです」
ハン医師は次のように話しています。
「認知症の人の妻あるいは夫は、子供に知らせたくないために主たる介護者、あるいは唯一の介護者になることが多く、うつ状態になりやすい。これが多くの介護者が最終的に配偶者を殺し自殺する理由です」
西ソウルの梨花女子大学医療センターEwha Womans University Medical Centerの神経科科長のチョン・ジヒョンJeong Jee-hyang科長(写真)は次のように話しています。
「家族は互いに話し合い、負担を共有する必要があります。父親が認知症の妻を介護しているなら、子供は父親に毎日電話して慰めなければなりません。そうしないとうつ状態になるかもしれません」
しかし認知症の人のいる家族に負担を共有することは必ずしもうまくいくとは限りません。
インチョンで昨年、脳卒中になりさらに血管性認知症になった母親を二人の娘が介護していました。今、母親は43才の若い方の娘と暮らしています。年上の娘は近くで暮らし毎日訪問しています。娘たちは食事の度に母親と言い争っています。食べさせようとすると必ず癇癪を起すからです。
度々、在宅でストレスが認知症の人を介護する家族を襲い認知症の人に対して身体的虐待に生むことになります。保健福祉省によると、認知症の人の虐待1030件のうち72.2%は在宅で家族のよって起きています。
チョン医師は次のように話しています。
「高血圧や糖尿病の家族のための教育・研修プログラムはありますが、認知症の人の家族の研修プログラムは病院にひとつもありません。こうしたプログラムは認知症の家族に介護するやり方を決める人たちに役立つでしょう。病気がどのように進行し、認知症の人を介護することに伴う困難さを学ぶことができるからです」
専門家は、政府が公的な子供介護センターと似た認知症の人のための公的な介護施設を提供することを要望しています。
そしてハン医師は「認知症の人を介護することを重視した介護施設の組織的な増加が必要です。認知症の人と家族がともに介護できる安定した方法を見つけるのを支えなければならない」と話しています。
Korea JoongAng Daily Mar 04,2017 More families grapple with hardships of dementia
編者:韓国の認知症問題の深刻さを改めて知るも、記事で紹介されている専門家と言われる人たちのレベルを疑う。

★「見返りは巨大、失敗もいとわず-アルツハイマー病新薬開発競う各社」(3月3日/Bloomberg日本語版)
アルツハイマー病が新薬発見のルールを書き換えている。成功した場合の見返りがあまりに大きいため、数は少ないが一部企業は開発できるかどうか分からない新薬の追求に余念がない。
普段の生活にまだ支障がないような忘れっぽいという程度の人でさえ、臨床試験の対象候補になっている。アルツハイマーの兆候がないか早期に脳をスキャンして薬剤を投与すれば、これまでの失敗を大発見につなげることになるかもしれないと、スイスのバイオ医薬品会社ACイミューンのアンドレア・ファイファー最高経営責任者(CEO)は話す。同社と提携する医薬品大手のロシュ・ホールディングは今週、これまでの失敗にひるまず、進展した段階のテストを始めると発表した。
ファイファー氏の楽観姿勢は、医薬品業界がアルツハイマー治療薬開発で見せる異例に高いリスク許容のケーススタディーだ。米バイオジェンも治療薬に取り組んでいる。業界では既に100以上もの実験薬が失敗に終わり、その難しさを米製薬大手のメルクやイーライリリーが最近指摘した。両社は症状が進んだ患者ではなく、前触れの兆候を示す患者を対象に試験を続ける道を選んだ。
ラーン&ボドマー(チューリヒ)のファンドマネジャー、ビルギット・クロフ氏は「損の上塗りになっていないかという疑問は常にある」と指摘した上で、「成功すれば、とてつもなく大きな市場になるだろう」と語った。
サンフォード・C・バーンスタインのアナリスト試算によると、アルツハイマー病の進行を止める治療薬市場は米国だけで300億ドル(約3兆4300億円)規模に達する可能性がある。
クロフ氏の見方では、将来の新薬開発へのヒントがないかと医薬品メーカーが失敗事例も深掘りするのはアルツハイマー病以外ではがんのみ。患者の様子を見守る期間の長さなどを考えると、アルツハイマー病の方が試験にお金がかかりそうだ。
医薬品メーカー各社は臨床試験にこれまでいくら投資したかを明らかにしないが、カウエンのアナリスト、エリック・シュミット氏によれば、アルツハイマー病治療薬の最終段階の試験には2億ドル以上が必要になる可能性がある。この額はメラノーマのようながんの治療薬試験なら5000万ー1億ドルだろうと同氏は言う。
またACイミューンによると、アルツハイマー病の兆候を確認するための脳スキャンのアレンジや管理だけで、1回当たりのテストで1人当たり1万5000-2万ドルかかる。
約30年前のがん研究
それでも同社や他のメーカーはあきらめない。どんな失敗も最終的な成功への道を示してくれるからだ。研究者らは脳やアルツハイマー病について理解を深め、原因と考えられるアミロイドベータを攻撃する抗体の特定で前進する。ACイミューンのファイファーCEOは現在の状況を約30年前のがん研究に重ね合わせる。
同CEOは「今はやっと分子レベルに達し、このレベルでアルツハイマー病の研究を進めなければならない。これまでは科学的に十分ではなかった。だから大きな望みを抱いている」と話した。
イーライリリーでアルツハイマー病プログラムを率いるフィリス・フェレル氏も「近い将来にすぐ完全な治療薬ができるというわけにはいかないだろうが、病気の進行を遅らせる何かはわれわれが生きている間にできると思う」と指摘。同社が試験対象を認知症の症状を見せる以前の人々にも広げていることについては、「がんと同じ。ステージ4ではなくステージ1で早期発見したい」と話した。
原題:Why Big Pharma Is Willing to Lose Fortune Seeking Alzheimer Cure(抜粋)
Bloomberg日本語版 2017年3月3日 原文のまま

★認知症の人の緩和ケアが乏しい(3月1日/オーストラリア
ローズマリーRosemaryさん(画像)はメルボルンの外れに住んでいますが、夫のドンDonさん(同)―6年前にレビー小体型認知症と診断―を介護しています。
ドンさんは、診断を受けるほぼ10年前に認知症の症状があり、家庭生活を困難にするような不安、幻覚、妄想、攻撃的行動が認められました。
この数年間、これら症状のため救急入院し、高齢者介護施設が見つかるまで精神科病院に11カ月入院しました。多くの高齢者介護施設はレビー小体病と伝えると即座に入所を拒みました。
夫人は「ほとんどの高齢者施設の入居者は認知機能が低下していますが、施設はレビー小体病の症状の一部である攻撃的行動や暴力に対処できないと知っていると思う」と話しています。
現在、ドンさんは精神疾患や精神科的行動に特化した高齢者介護施設で生活しています。
これらの症状が内観や施設面でよく整備されており、職員は彼の行動面の症状を効果的に管理できます。
ローズマリーさんは週4日、片道1時間かけて自宅を出向き、反応しないことが多い夫と3、4時間過ごします。
別の日は、二人の子供がドンさんと面会して同じように過ごします。
身体を清潔にする、昼食を食べさせる、洗濯物を洗うほかに、夫人は、夫との人生の思い出になるものを持ち込み、音楽や歌やダンスを楽しみ、過去の自分たちの生活について話します。
さらに彼女は次のように話しています。
「椅子に座って何もしない状態にはしないで1日4時間夫と過ごします。人間味のある接触―文字どおりで比喩的な―を行います。誰もが優しくて愛情をこめて触れたり、抱きしめしる必要があります」
夫のためにこの施設を見つけたことで、彼女の生活の質が改善し、バランスのとれた生活を営むためのわずかな時間を持っています。
彼女はビクトリア州ウッドエンドWoodendの地元の認知症介護者グループとこうしたひと時を過ごします。そのグループでは、専門家の支援を利用し、認知症、介護者、緩和ケア団体についての情報を得るのに役立ちます。
またローズマリーさんは次のように話しています。
「地域では介護者の休息が適切に利用できません。グループは初期の認知症の人のための休息施設の建設に向けた資金獲得に忙しい。そのための作業がとても多くなりますが、だれかが始めなければなりません。夫のための緩和ケアはまったく始まってはいません。私の息子が終末期がんと診断された時は緩和ケアを速やかに利用できました。夫の医師は『診断された時、緩和ケアの問題が必ず生じますが、患者は緩和ケアについて考えたくない』と話しました」
ローズマリーさんは話を続けます。
「認知症の人も、家族と介護者も、緩和ケアについて考えたくないようです。また認知症の人にとって必要なことは、別な病気で亡くなる人の親族や家族よりさらに時間をかけることです」
地域で緩和ケアについての最近行われた介護者の集会で、彼女は次のように話しました。
「出席者のほとんどは認知症以外の病気の人の介護者でした。認知症について質問すると、認知症の緩和ケアを行う制度には資金が利用できないと言われました。夫が終わりに近づいた時期にあると人々が思い私が認識するようになる時期にはその制度が利用できると再確認することを望みます。何が利用でき、認知症の人とその家族らために特別に必要な支援、精神的で宗教的な繋がりを出向いて支えるどのような組織があり人間がいるのか出向いて話しをすべきです。こうしたことは最期の24時間に限って行うのではありません。人はまったく独りぼっちということはありません」
さらに彼女は次のように話しています。
「医療と高齢者介護に関係する政策立案者は、認知症の人にとってまだ重要なことがあることを認識しなければなりません。認知症の人は認識してないようですが、この人たちは間違いなく尊敬、尊厳、平穏、愛情を受ける資格があります」
AustralianAgeingAgenda March 1, 2017 People living with dementia face a lack of support on end-of-life care)
編者:認知症の緩和ケアの一部として終末期ケアについて論じたことはあるが日本でもなお認知症の緩和ケアについて十分に認識され議論され実行されているとは言い難い。以下の訳文が参考になる。
訳文:アルツハイマー病その他の進行性の認知症をもつ高齢者への緩和ケアと治療に関する提言2015 年 4 月(pdf500K)
出典:White paper defining optimal palliative care in older people with dementia: A Delphi study and recommendations from the European Association for Palliative Care  Palliative Medicine 2014, Vol. 28(3) 197?209(pdf800K)

★元高等法院家事部長官が認知症と診断された後、自殺(2月23日/イギリス)
イギリスの元高等法院家事部High Court Family Division長官のニコラス・ウォールSir Nicholas Wall卿(71才)(画像)は、最近、認知症と診断された後自殺しました。
家族は「彼は数年間、稀な神経疾患―前頭側頭型認知症―でした」と話しています。
ニコラス卿は、2010年に「高等法院家事部High Court Family Division」の長官になりましたが、2012年に健康問題で退職しました。
「家族法弁護士会Family Law Bar Association」は「彼は優しい判事で、自分の判例について深く関わっていた」と声明文で述べています。
ニコラス卿は、1969年に弁護士資格を得て、1993年に高等法院家事部の判事となりました。
その後、「雇用上訴裁判所Employment Appeal Tribunal」「行政裁判所Administrative Court」および「上訴裁判所 Court of Appeal」に勤務しました。
2011年、「タイムズTimes」のインタビューで彼は「同棲者法"live-in lovers" lawは、長期にわたって関係を持った婦人が関係が壊れた時、家や収入を失わないように守るだろう」と述べています。
その1年後、彼は、一組の男女が非難し合わないで離婚ができるようにすべきと提案し、
「無過失離婚no-fault divorceに反対する正当な意見は聞いていない」と述べています。
タイムズの死亡欄には、ニコラス卿が2017年2月17日に自殺した掲載されています。
家族は声明のなかで「最近診断されたある病気に数年掛かったことで自ら命を絶ちった」と述べています。
後任の家事部長官ジェームス・マンビーJames Munby卿は次のように話しています。
「ニコラス卿は、家庭生活、家族法の適切な運用、家事裁判の適切な管理と支援の重要性について情熱を込め平易な言葉でよく語りました。両親の諍いの渦中にある子供の苦しい立場について適切におおいに語りました。家庭内暴力が子供や家族生活に及ぼす影響について何度も深い関心を表明しました」
BBC 23 February 2017 Ex family court head takes own life after dementia diagnosis
編者:家族法でよく知られたイギリスの元判事の自殺に関する記事で主に彼の業績や人柄を称える内容だ。彼が認知症になり自殺に至る経緯については家族から情報も乏しいようで他のいくつかの英語サイトニュースを呼んでも詳細は不明だ。

★ケベック州で終末期ケアに関する法律をアルツハイマー病に適応拡大で議論(2月22日/カナダ)
ケベック州の州議会議員の間で、アルツハイマー病の人のように説明・同意が行えない場合に、合法的な医療行為による自殺幇助が妥当であるかどうかの公の議論を始める合意が成り立ってきました。
今月23日、ゲタン・バレット保健大臣Health Minister Ga?tan Barretteは、まだ深く関わってはいないが、主要な二つの野党―ケベック党Parti Qu?b?coisとケベック未来連合Coalition avenir Qu?bec―の要請に基づき、公の議論を始めることにしました。
終末期ケアend-of-life careに関するケベック州の法律は以下のとおり規定しています。
「苦しんでいると思われこと及び治癒しない病気であることに該当する人が、理解でき、生命を短くする医療行為による支援が得られることへ同意がなければならない」
アルツハイマー病などさまざまな型の認知症の人はこの法律の対象外です。
州政府担当官は、生前遺言によって前以って同意した人に法律の適応を拡大できる可能性を検討することになるでしょう。
ケベック州議会のヴェロニク・イヴォンV?ronique Hivon議員(画像)は「問題が起きないように当初の要請は対象となる人からのものであり、家族からのものではないことを常に保証することが必要だろう」と話しています。
イヴォン議員は終末期ケアの法律の制定を応援しました。法案は対象を限定し、何年もの間の諮問と議論の後でしたが、満場一致で採択されませんでした。彼女は、議会委員会でこの問題を詳細に検討することを要請しましたが、医学的にも倫理的にもとても複雑な問題だと話しています。
ケベック未来連盟の州議会議員のフランソワ・ボナーデルFran?ois Bonnarde氏は、母親が進行したアルツハイマー病で、微妙なこの問題に関して議論を要請しています。彼女の配布資料のなかで、感情に流されながらボナーデル議員は「状況からして、法律が承認され、母親が可能な時期に自らの要望を表示していたら、母の生命を終わらせるための医師の支援を既に求めた」と話しています。
全世界ではこうした事例に医療的支援を認めているのは二つの国―オランダとベルギー―だけです。
この問題の議論が今週、再開しました。その際、モントリオール在住の男性、ミシェル・カドットMichel Cadotte氏が、数年間アルツハイマー病だった妻の第2級殺人として告訴されたことが知らされました。妻の希望を受けれたと彼は主張しています。
Montreal Gazette February 23, 2017 Quebec opens door to expanding end-of-life law to Alzheimer's disease)
関連記事:Montreal man, 55, charged with 2nd-degree murder in disabled wife's death CBC News Feb 21, 2017
関連情報:MEDICAL ASSISTANCE IN DYING(pdf175K)(昨年5月、カナダアルツハイマー病協会の意見表明。緩和ケアの整備などが重要とする。

2025年までに認知症関連経費は180億ドルとしてアルツハイマー病協会は認知症国家戦略を要請(2月15日/オーストラリア)
オーストラリアアルツハイマー病協会Alzheimer's Australiaは、認知症が2025年までに年間、180億ドル(訳注1)の経費がかかるとして、認知症と闘う国家戦略を要請しています(訳注2)。
「オーストラリアの認知症関連経済経費2016~2056年"Economic Cost of Dementia in Australia 2016-2056"」(訳注3)と題する新しい報告書は同協会の委託でキャンベラ学University of Canberraによって作成されました。
同大学の研究グループは、認知症と診断される数が急増することを調べ、2056年までに100万人以上のオーストラリア人が認知症になると推計しました。
同グループによると、その増加はこの年に置き換えると、日々新たに237件の認知症の事例が生まれることになります。
また報告書は、認知症に要する一人当たりの年間経費は平均して3万6000ドルと認め、認知症との闘いがなければ、オーストラリアの経費全体は2025年までに年間180億ドルに膨張するとしています。
アルツハイマー病協会のグレーメ・サムエルGraeme Samuel会長(画像)は次のように話しています。
「この数値は警告で目覚まし時計のような役立ち、連邦政府が資金的裏付けのある認知症国家戦略を前進させるべきです。医学的画期的なことが起こらなければ今後40年間で640万人以上のオーストラリア人が認知症と診断され、その人たちの経費は1兆ドル以上となるでしょう。もし認知症の人を5%だけ減らせと、今から2025年までに570億ドルの経費を節約することになるでしょう」
さらに会長は次のように話しています。
「オーストラリアで認知症はすでに第2の死因です。社会的経済的な影響にもかかわらず、十分な資金的裏付けのある国家戦略―現在、認知症の人々によりよいケアと成果をもたらす―がありません。将来認知症になる人達の数を減らすことを試みる危険因子を軽減することに真剣に取り組んでいません。現在、何もすることがないと経費は増え続け持続不可能な経費になるでしょう」
オーストラリアアルツハイマー病協会は、病気の啓発の向上、診断方法の向上、認知症の人の支援制度、介護者の支援、質の高い高齢者施設介護の提供を要請しています。
キャンベラ在住の介護者であるダウン・マッケイDawn McKay氏は、在宅の介護者へのさらなる支援が必要とする国家戦略計画を歓迎します。
夫のグリンGlyn氏は、帰還退役軍人で、6年前に血管性認知症と診断されました。
彼女は次のように話しています。
「私たちは年をとり、夫を介護することがますます困難になることを知っています。休息ケアは支援としてとても役立ちます。夫の介護ができること、できるだけ長くできることを望みます。いつも夫のために居たいのです。とりわけ介護期間がとても長くなり、認知症が年々悪化するときにはとても疲れます」
さらに夫人は次のように話しています。
「少額の介護者給付やその他の経済的支援があることで、夫に最低限必要なことをますます実施できます。2週間に1回の自宅清掃がないと介護はできないでしょう。月1回、介護者手当から庭師に支払っています。こうして家に居ることができるのです。もし年間約3万6000ドルの経費のすべてを支払わなければならないなら、在宅生活はとても難しいことを知っています」
夫人はおおよそ20万人の地域介護者の一人であり、2025年までさらに5万5000人が必要となるでしょう。
ABC News Feb.15, 2017 Alzheimer's Australia calls for national dementia strategy as disease set to cost $18b by 2025)
訳注
1:1オーストラリアドル=訳88円(2月16日)。
2:オーストラリアにNational Framework for Action on Dementia 2015 - 2019(pdf800b)はある。
3:報告書"ECONOMIC COST OF DEMENTIA IN AUSTRALIA 2016-2056"(pdf1.2Mb)

★「米メルク、アルツハイマー病治療薬の一部研究打ち切り-軽・中度対象」(2月15日/ブルームバーグ)
米製薬会社メルクMerckは14日、アルツハイマー病の治療薬開発で軽度から中程度の患者を対象とする研究の打ち切りを明らかにした。アルツハイマー型認知症の治療薬をめぐっては、米同業イーライリリーが3カ月前に難しさを指摘したばかり。
専門家から成る独立した委員会が「プラスの臨床効果を見いだすチャンスは実質ない」と判断したという。一方、アルツハイマー病の前駆症状に対する酵素阻害剤ベルベセスタットの臨床試験は続けると、メルクは発表。試験を止めるほどの安全性上の問題はなかったと同委員会が結論付けたと説明した。
アルツハイマー病患者は世界中に4400万人前後おり、研究も10年以上行われているが、症状を和らげる新薬はなく、症状の進行を遅らせるのに有効と証明された薬もない。
メルクなどは、アルツハイマー病の原因と考えられるアミロイドと呼ばれるタンパク質の凝集(プラーク)に有効な薬剤開発を目指しているが、研究者の多くはこうしたプラークが脳内に蓄積された後では薬が効かないとの見方を強めている。
メイヨークリニック(ミネソタ州ロチェスター)のデービッド・クノップマン教授(神経学)は「認知症をいったん発症した人からアミロイドを取り除くのは、全ての牛が出ていった後の納屋の戸を閉めるようなものだとの証拠が積み上がっている」と述べた。
14日のメルク株は前日比プラスで取引を終えたが、ニューヨーク時間午後6時23分(日本時間15日午前8時23分)時点の時間外取引では2.1%安の64.30ドル。
原題:Merck Stops Alzheimer’s Study After ‘No Chance’ of Benefit (1)(抜粋)
ブルームバーグ日本語版 2017年2月15日 原文のまま

★「認知症ケアに変革が必要」と介護者の声(2月13日/イギリス)
優れたブロードキャスターだったデヴィッド・パリー・ジョーンズDavid Parry-Jones氏(写真)の配偶者ベティ・ジョージBeti George氏(写真)―BBCのラジオカムリRadio Cymru(訳注1)の司会者―は、ウェールズで認知症ケアの変革が必要と話しています。
パリー・ジョーンズ氏は2009年にアルツハイマー病と診断され、配偶者が在宅で介護しています。
ジョージ夫人は「ウェールズは医療と社会サービスの分断の被害を受け、介護者に十分な手当はなく、スコットランドではケアはかなり進んでいる」と話しています。
ウェールズ政府Welsh Governmentは、「認知症戦略行動計画Dementia Strategic Action Plan」(訳注2)に取り組んでおり、広報官は「政府は認知症関連団体および認知症の人と密に共同作業を進め、認知症の人と介護者への個別的な取り組みに関するチームを立ち上げている」と話しています。
ジョージ夫人は、配偶者を介護する日々の生活を映像に記録するためカーディフの自宅にカメラが入ることを承諾しました。
二人は40年以上前にBBCウェールズBBC Walesで知り合いました。
ジョージ夫人は思い出して「彼はとても親切で本当に優しい人でした。とてもハンサムでしたが、それ以上に人でした」と話しています。
診断後、ジョージ夫人は認知症啓発のために活動を続けてきました。
彼女は「ほかでは耳にすることがない人たちへの声をもたらすように感じる」と話しています。
BBCのドキュメンタリー「ベティとデヴィッド:言葉を失うBeti and David: Lost for Words」の撮影の期間、ジョージ夫人は、カーディフ大学Cardiff Universityで医学生のグループを訪問し彼らに「認知症ケアに本当に変革が必要です。こうした変革の役割を担うこと、あるいは始めるのを見たいと思う」と話しています。
また彼女はスコットランドのペイズリーPaisleyに在るウエストスコットランド大学University of the West of Scotlandを訪れ、専門家に会ってスコットランドでの認知症ケアへの取り組みを学びました。
スコットランドには「認知症の人の権利宣言」(訳注3)があり、診断を受けた後、本人と家族を支援する認知症連携ワーカーdementia link worker(訳注4)が関わります。
スコットランドアルツハイマー病協会Alzheimer Scotlandの政策と研究に関するアドバイザーのバーバラ・シャープBarbara Sharp氏はジョージ夫人に「認知症の人と家族は人権憲章を作成する中心に居て、これに政党が加わった」と話しました。
さらにシャープ氏は「これは世界で初めてのことです。認知症の人と家族は情報を知った連携ワーカーの支援を得る権利が有るという絶対的な責務を担っている」と話しています。
ジョージ夫人は次のように話しています。
「ウェールズがこの先例に従うことを望みます。連携ワーカーが関わり、道程が示され、手を携えるということは素晴らしいことだと思います。診断を受けた時、重い外傷を経験しました。生活をすこしでも過ごしやすくするために利用しながら、そうしたことを知って語り合える人を望みます。こうしたサービスはウェールズの人にとって望ましいと思います」
ウェールズ政府は「政府は、認知症のサービスに関してこの2年間に800万ポンド以上の追加資金を提供しました。これには診断後の直接的支援を提供する追加的プライマリーケアの認知症サポートワーカーadditional primary care dementia support workers(訳注5)への年間80万ポンドが含まれている」と表明しました。
スコットランドの訪問後、ジョージ夫人は次のように話しています。
「スコットランドの熱意と献身に感動しました。スコットランドもウェールズも社会的資源が限られていますが、だからといって認知症について語り、行動を起こすことを阻止するものではないと思います」
彼女はパリー・ジョーンズ氏の介護職を称賛し在宅ケアに全体として重要であるが一貫性がないとみて、「妥当な賃金が支払われないと問題は決して消えないだろう」と話しています。
これに関してウェールズ政府は次のように表明しています。
「政府は献身的な介護職の労働条件の改善に取り組んでいます。そのため介護職に関わる幅広い課題を検討する会議を開催しました。政府は現在、ゼロ時間契約zero hours contracts(訳注6)の在り方に影響するためにその概況を明らかにしました。こうした重要な労働者の労働条件を改善するその他の方法についても調べています」
ドキュメンタリーは2月13日(月曜日)の21:00GMTにBBC One Walesで放映されます。(訳注7)
BBC 13 February 2017 Revolution in dementia care needed, Beti George says
訳注
1:CymruはWalesのウェールズ語表記、Radio Cymruはウェールズ語で放送。
2:National Dementia Vision for Wales(pdf162K)
3:Charter of Rights for People with Dementia and their Carers in Scotland(pdf1.2K)
4:Dementia Link Worker - Edinburgh
5:new primary care support workers (Welsh Government 02 April 2015)
6:週あたりの労働時間が明記されないで結ばれる雇用契約。低賃金職種で増え、 専門職にも広がる。不安定な労働と低賃金労働の拡大を加速させている。
7:放映済だが、YouTube"Beti and David: Lost for Words"で観ることができる。
編者:UKを構成する4つの国―イングランド、スコットランド、ウェールズおよび北アイルランド―の間で認知症ケアの内容とレベルが異なるようだ。ウェールズが遅れているのBBC記事。

★「スコットランド認知症賞」―適切に評価されていない陰の英雄たちの価値が注目される―(2月11日/イギリス)
デーヴィッド・キャメロンDavid Cameron 前首相は、最近「認知症は高齢期の不可避な状態とすべきではない、認知症の人たちを支えるためにもっと多くのことが求められている」と述べました。
このためにスコットランドの人々と団体は既に日々、休むことなく活動しており、彼らの努力は今年後半の輝かしい受賞記念式典で称賛されるでしょう。
「スコットランド認知症賞Scotland’s Dementia Awards」は、認知症の人の生活を向上させるために一層の努力をしている最前線の人や団体を推薦することを広く呼びかけています。
この賞の6つの分野は、最善の教育企画、最善の継続的な革新的な介護、特別功労賞などで、登録受付中です。
昨年の最も革新的な協調の分野の受賞者は、エジンバラのインチビューケアホームInch View Care Homeでした。この団体は、「スコットランド土壌協会Soil Association Scotland」
との「生命のための食物Food For Life」の企画で受賞しました。
施設の庭が野菜の栽培地となり、車椅子でも利用できるビニールハウスを備えたものです。地元とのつながりだけでなく、入居者に新たな活力を提供しました。
インチビューの部長代理のエリーヌ・ペリーElaine Perry氏は以下のとおり説明します。
「リブルトン高等学校Liberton High Schoolの生徒はビニールハウスのドアを作り、また料理本に基づき入居者と一緒に作業しました。学校に食事の招待を受け、収穫した農産物を使いました。また高齢の世代と若い世代とが繋がり、入居者は子供たちと喜んで語り合いました」
最善の地域支援企画の分野では「ヒアーツーヘルプHere 2 Help」が受賞しました。
この企画は「バデノック・アンド・ストラスペイ地域移送会社Badenoch and Strathspey Community Transport Company」によって立ち上げられ、外出が困難な人のためのサービスを提供します。この企画のコーディネーターのヘレン・モリスHelen Morris氏は次のように話しています。
「私たちのボランティア運転手は、多くの顧客が孤独であり孤立していることを知っていました。とても頻繁にこの人たちが誰かと会うその時はボランティアがやってきて乗せます。それをボランティアの企画の一つで友達づくり企画です。ボランティアを募集し、一人暮らしの人をその関心事によって組み合わせます。その際1週間に1時間過ごすことができるか伺います。紹介した人たちは認知症の人のためであることを知りました。昨年、その割合は顧客の40%でしたが、現在は50から60%の間です。とてもやりがいがあり、昨年の受賞はボランティアとの素晴らしい活動への正しい評価でした」
スコットランドアルツハイマー病協会Alzheimer Scotlandのヘンリー・サイモンズHenry Simmons事務局長は「2017年がこの賞に関して最も祝うべき年となることを希望します。スコットランドの最善の認知症企画に招待して注目を浴びるようにしよう」と話しています。
スコットランド認知症賞は、「スコットランドアルツハイマー病協会」「スコットランドNHS教育機構NHS Education for Scotland」「スコットランドNHS保健機構NHS Health Scotland」および「スコットランド社会サービス協議会Scottish Social Services Council」の連携によるものです。
賞と全分野の一覧に関するより詳しい情報は、こちらscotlandsdementiaawards.org.uk
にアクセスします。
登録は3月31日午後5時まで、受賞式典は9月21日グラスゴーで行われることになっています。
Sunday Post 11 February 2017  Scotland’s Dementia Awards: Unsung heroes get the limelight they deserve)
編者:スコットランドの認知症対策で民活への期待の賞のようだ。

★認知症の人をアメリカからイギリスに家族が空路で連れていき置き去り(2月4日/アメリカ・イギリス)
15カ月前、イギリスのバス乗り場の駐車場で迷った様子で歩き回っているアメリカなまりの高齢者を見つけました。
その男性の捜索に手間取りましたが、アメリカ人男性、アール・ロジャー・カリーEarl Roger Curry氏という76才の認知症の男性(写真)であると公表されました。ロサンゼルス郡の事務官とイギリス警察官の捜索グループは、イギリスを訪問していた息子が彼を置き去りにしたとしていますが、息子のケヴィン・カリーKevin Curry氏は容疑を否認しています。
カリー氏は、昨年イギリス当局によってアメリカに送還され、現在、カリフォルニア州ベルフラウワーBellflowerのナーシングホームに住んでいます。
後見庁LA郡局L.A. County Office of the Public Guardianのコニー・ドラクスラーConnie D. Draxler副局長は「こうした事件は稀です。20年間この仕事をしています。他国でアメリカ市民が置き去りにされたのです。姥捨てのような事例は稀にありますが、これほど劇的な話は知らない」と話しています。
今週、BBCがこの事件を検証するドキュメンタリーを放映したことで強い関心を呼びました。
遺言検認裁判所probate courtに保管されている後見庁の書類によると、郡当局はカリー氏の保護を求め、家族のだれもが彼の責任者となるような準備をしていません。妻と息子は置き去りにするために海外に連れていたことに関するかぎり虐待をしたと、記録されています。
いくつかの文書によると、公的後見人public guardianは家族が2015年11月にイギリスに彼を置き去りしただけだと申し立てています。BBCのインタビューで息子は父親を置き去りにしたことに関わってはいないと否定しています。LAタイムズは、家族に接触できていません。
この事件に関していかなる刑事責任も訴えられていません。
カリー氏はイギリス中心部のフェレフォードHerefordに在るナーシングホームに数か月間、暮らしました。イギリス警察は国際刑事警察機構Interpolの支援を得て世界中を捜索しました。
イギリスのウエストマーシア警察West Mercia Policeによると、カリー氏が覚えている唯一のことは自分の名前“Roger Curry”だけですが、捜査官は背は高く、ほっそりし、白髪で細目で、北アメリカなまりで話すことを確認しました。
警察によると、カリー氏は土曜日の夕方に発見され、イギリスのスーパーテスコTescoで買った新しい服を着ていました。黒のパーカー、黒のジョギングパンツ、黒の靴下とランニングシューズを身に着けていました。
手がかりはほとんどなく、男性を特定するために捜査官は国際的にいくつかの公的要請を行いました。2016年5月、イギリスの警察は作業を一歩進め、"Roger"とみなされる男性を特定するものを公表しました。戦闘風のズボンと黒のブーツを身に着けた40才代の姿を描いたものです。ウエストマーシア警察によると、地元の病院では「歩くロジャー」として公表されました。ソーシャルメディアによるキャンペーンとして、警察はハッシュタグ#RogersLostIdentityを用いてフェイスブックやツイッターで話題を拡げました。
世界中のウエッブ捜索によって回答を求めたのです。ある女性は、彼がアール・ロジャー・カリーであると信じているとすすんで報告しました。彼女はその男性の写真をネットに提示しました。
最終的に当局は、カリー氏を誘拐した疑いで2016年4月、50才のイギリス男性を逮捕し、カリー氏が誰であるかを把握したのです。逮捕された男性は起訴されてはいません。
公的後見人による裁判所の書類によると、サイモン・ヘイズSimon Hayesという男性は、ヘリフォードでカリー氏を見つけ、救急車を旗を振って停めたのですが、カレー氏を見知らぬ人ではないと認めていました。
公的後見弁護士のウィリアム・サイアスWilliam C. Sias氏は、遺言検認裁判所の記録で、ヘイズ氏はカリー氏を見つけたと嘘を述べたと告白したと報告しています。
またヘイズ氏はイギリスの捜査官に次のように話しています。
「カリー氏の息子と妻は彼を入院させるためにイギリスに連れてきました。ケヴィン・カリー氏が自ら父親が道を歩き回っているのを見つけたと主張するように教えました」
ヘイズ氏に意見を求めましたが接触できていません。
さらに当局は、息子がL.A.のウィッティアーWhittierに住んでいると把握しています。また何人かの隣人が道に迷って近所を歩き回っていることが度々あったとBBCに話しています。
カリー氏は昨年7月にL.A.に戻りました。
ドラクスラー副局長は「カリー氏をアメリカに戻すための手配の間、後見庁LA郡局はイギリスでの捜査の詳細を知った」と話しています。
また公的後見人は以下のとおり話しています。
「カリー氏は、カイザー・パーマネントKaiser Permanenteの元登録看護師でアルツハイマー病および認知症と診断され、全面的な介護が必要でした。現在、カリフォルニア州ベルフラワーの食事付き介護施設board and care homeで暮らしています。他に行く所がありません」
公的後見人はカリー氏の保護者を探していますが、当局は「社会保障庁Social Security Administrationは、高齢者虐待および遺棄の疑いのため、彼の給付を親族に送ることを保留している」と話しています。
LA上等裁判所Los Angeles Superior Courtの判事は、カリー氏の利益と資産を守るために一時的な資産保全者を指名しました。
裁判所の記録には、郡弁護士county lawyersは、別のいくつかの家族も彼が必要とすることの世話ができないと指摘しています。この4月判事は、カリー氏の幸福を保証するために恒久的な資産保全者を指名するか否かを決めることになるでしょう。
Los Angeles Times 02/04/2017 Family flew man with dementia from L.A. to England, then abandoned him there, authorities allege
関連情報:Roger Curry: Mystery of abandoned man with dementia solved 30 January 2017 BBC
編者:日本でも保護された認知症の人の家族が不明で長く施設で暮らしている事例が報じられた。この国際版と言えるかもしれない。なおこの種の英語記事で使われる法律用語の的確な日本語訳には自信がない。

新しい「認知症ガイドブック」(1月26日/イギリス)
最近、認知症と診断されましたか?
認知症、その治療と支援やサービスなどについての理解を助けるために私たちのガイドブックをダウンロードするか注文しましょう。認知症でもできるだけよい状態で生活するため、また将来計画についての情報を得ましょう。
私たちのガイドブックは、最近、認知症と言われた人、その人達の親しい友人や家族のためのものです。また、介護を担う人たちに役立つ情報も載っています。
ガイドブックはいくつかの言語で読むことができます(訳注:日本語はなし)。
私たちの認知症ガイドブックの完全版ビデオを観ることもできます。ビデオで取り上げられた人たちの事例に関する補足なビデオも観ることができます。
Alzheimer's Society 26/01/2017 The dementia guide
編者:イギリスアルツハイマー病協会発行の「認知症ガイドブックThe dementia guide」は次からダウンロードできる。The dementia guide(pdf2M)
「目次」は次の通り。①認知症について②治療③よりよく生きる④将来計画⑤認知症の人のためのサービス⑥介護者支援⑦研究⑧アルツハイマー病協会のサービスと支援⑨役立つ他団体。

★キャメロン前首相、「アルツハイマー病研究財団」の会長に就任(1月25日/イギリス)
デーヴィッド・キャメロンDavid Cameron前首相(写真)は、「個人的な優先課題」として、「イギリスアルツハイマー病研究財団Alzheimer’s Research UK」の会長として新らたな任務に取り組む予定であると明らかにしました。ブレキジット(Brexit)の投票後、首相を辞任したその週に介護施設で認知症の婦人に会って認知症への戦いを支援したいと思ったと話しています。本日の「タイムズThe Times」の投稿で、婦人の手を握った時、彼女が何処に住んでいるのかも、傍に座っているのが誰であるのかもわからないと知った経験を述べています。記憶を失うということの絶望的な悲しみを痛感させたと彼は述べています。
THE SUN 25th January 2017 'A PERSONAL PRIORITY' David Cameron reveals new job as president of charity Alzheimer’s Research UK)
関連情報:Challenges we need to overcome David Cameron January 25 2017 The Times
編者:キャメロンは、首相在任中、「認知症への挑戦Challenge on Dementia」を主要な政策課題として国内国外で取り組んできた。しかしEU離脱国民投票で離脱派が半数を超えたことで昨年7月に首相を辞任し、9月に政界から引退した。その後、彼が引き続き「認知症への挑戦」に取り組むことを表明したことになる。これは天下り?

★認知症デイケアセンターが開設(1月17日/ジブラルタル)
ジブラルタルの新しい認知症デイセンター「ベラヴィスタデイセンターBella Vista Day Centre」は、昨日公開され、すでにアルツハイマー病など認知症の人達の小さなグループが利用しています。
定員に達するまで認知症の人は小さなグループでゆっくりと紹介され、最初の2,3人がサービスを利用し始めました。
元イギリス海軍病院ex-Royal Naval Hospitalの場所に在るセンターは、かつては毎日90人まで患者に食事を提供していました。認知症の人が診断を受け、安全を確保され、昼間に刺激を受ける空間を提供するのがセンターの目的です。
4階建てのビルには運動療法室、外来、静かな部屋、食堂、美容院があります。
センターは、昨日、ファビィアン・ピカードFabian Picardo首相(写真)とニエル・カストNeil Costa保健大臣によって公式に開設されました。サマンサ・サクラメントSamantha Sacramento男女参画担当大臣も開所式に出席しました。
首相は次のように述べました。
「こうした施設を統合する傾向があり、それを実行する必要があります。現行通りジブラルタルが先駆的な取り組みを進めるなら、認知症の人のためのこうしたデイケア施設を提供することは重要であり、ただちに実施すべきです。ジブラルタルには既に、認知症の人と診断された人がおおよそ300人居ます。この施設は90人が利用できるでしょう。この施設を利用できる認知症の人はジブラルタルのほぼ3分の1です」
Gibraltar Chronicle January 17, 2017 Dementia day centre opens its doors
訳注:「ジブラルタル」はイギリス領、人口約3万人。

★アルツハイマー病啓発月間の取り組み(1月7日/カナダ)
今後、認知症の人が増えるなかでオンタリオ州セントトーマス市City of St. Thomas は1月を「アルツハイマー病啓発月間Alzheimer’s Awareness month」と宣言しました。
「エルジン・セントトーマス・アルツハイマー病協会Alzheimer Society of Elgin-St. Thomas」の公教育コーディネーターのマジー・トレヴィットMaggie Trevittさんは次のように話しています。
「エルジン郡には現在、認知症の人が1448人います。その数は2020年までに1628人になると予測されています。この数値には10月から12月の間に認知症になった人の数は含まれていません。認知症は家族。友人、近所の人、地域の人にも影響を及ぼします。私たちは地域を認知症にやさしくするために支援する必要があります。偏見を打破し、だれもがふるさとと呼べる所を創らなければなりません」
彼女が今年取り組む計画の一つはエルジン郡で生活し勤務するすべての人に認知症を学んでもらうことです。アルツハイマー病など認知症の人に伴う偏見を打破しようとする計画です。たとえば、認知症の人が銀行に来て自分の識別番号を忘れたとき、行員はその人が何をしているのかがわかることで支えになります。」
カナダには65歳以上の45万人のカナダ人が認知症です。その数は次世代で倍増すると予測されています。
さらにトレビットさんは次のように話しています。
「アルツハイマー病と関連する病気は、治癒方法が見つからないと次の25年間のカナダのすべの病気のなかで経済的、社会的、医療費の負担となる最大の病気であることが知られています。私たちは地域のすべての市民がこの破壊的な病気がもつ広範囲な影響についてもっと認識することを求めています。認知症は通常、65才以上の人がなりますが、40才代といった早い時期に発病することもあります。全世界で3秒ごとに一人の認知症の人が生まれています。ということは私が話を始めてからすでに12人が認知症と診断されていることになります。カナダだけで毎年新たに2万5000人が認知症と診断されています」
エルジン・セントトーマスアルツハイマー病協会は毎月、郡のなかのいたるところの会場で介護者支援グループの会合を開いています。
the Weekly News 01/07/2017 January dedicated to Alzheimer awareness)


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