2013年の介護保険の情報


2013年
「ひとりを生きる:認知症対応グループホーム サービスの質に差=池田敏史子/東京」(12月23日)
「福山27施設 宿泊デイ提供」(12月10日)
「社会保障ナビ 介護施設の食費・居住費の見直し」(11月19日)
「在宅介護 特区で負担減 岡山1月スタート」(11月9日)
「訪問看護に機能強化型…24時間態勢、看取りも」(11月3日)
「連続30日以内、届け出も 千葉県「お泊まりデイ」でガイドライン」(11月2日)
「<認知症家族会>負担引上げ・給付抑制に反対するアピールを採択」(10月31日)
「重い認知症、特養で受け入れ 厚労省方針」(10月30日)
「企業経営揺るがす大量「介護離職」時代!老親の世話で仕事続けられない」(10月26日)
「地域密着型介護、8割が利用50%未満 検査院が改善要求」(10月22日)
「【ゆうゆうLife】高齢者が支え合う「小規模多機能型居宅介護」で生きいき」(10月10日)
「社会保障ナビ 特養の入居条件見直し案」(10月8日)
「業界初重度認知症を倍額保障する公的基準連動型の介護保険を発売」(9月30日)
「住み慣れた土地離れて迎える人生の終幕…増え続ける「介護移住」老親も家族も切ない選択」(9月27日)
「介護施設死亡事故倍増、誤嚥が多発 県内」(9月22日)
「介護保険移行:「年齢差別、許さない」 提訴の浅田さん、怒りの会見/岡山」(9月20日)
「杉並区が静岡・南伊豆町に特養開所へ 都市部での不足解消 東京」(9月13日)
「小規模福祉施設のスプリンクラー基準が大幅強化へ」(9月11日)
「特養「要介護3」から 厚労省 入所基準を厳格化へ」(8月26日)
「社会保障改革 「自助」で痛み求める 工程法案の骨子決定」(8月22日)
「「1人看護師」存続危機…宮城・石巻」(8月21日)
「入所待ち1万2495人 県内特養ホーム 震災前より1549人増 避難生活の長期化影響」(8月17日)
「地域につながる空間築く 宅老所「よりあい」 特養を計画 自然に移り住める“家”に」(8月15日)
「高齢者に負担増 社会保障会議が最終報告書」(8月6日) 
介護保険料滞納5億2千万円 熊本市の高齢者 (8月6日)
「高齢者、幼児、障害者 一体型デイサービス始動 旭川の「晴れるや」 初の富山型」(7月13日)
「豊田市が介護職員に研修 たん吸引、チューブで栄養補給」(7月10日)
「牧御堂町に南部薬品「グループホーム 奏」-認知症進行抑制に回想法取り入れ」(7月7日)
「介護給付費、膨張続く 11年度は保険開始時の2倍超」(7月3日)
「特養に「昭和の居酒屋」」(6月29日)
「【暮らし】介護保険サービスと障害福祉サービスの運用柔軟に」(6月27日)
「年齢・立場の違い 「ふれあいに自信」」(6月26日)
「ゆうゆうLife 東京・国立市に「認知症対応チーム」」(6月13日) 
「認知症発見、歯科医が一役 患者の変化をチェック」(6月13日)
「認知症 明日へ [グループホーム]進む重度化 対応に限界も(6月11日)
「<認知症の人と家族の会>負担引上げ・給付抑制に強く抵抗―総会アピール全文―」(6月7日)
「[介護の値段]在宅」(上)保険で自己負担1割(下)非営利活用 安く充実(6月4-5日)
「認知症患者の服薬管理が困難な行動「薬の飲み忘れ」「薬の飲みすぎ」が約80%!-認知症患者の服薬管理についての実態調査-」(6月4日)
「新倉敷駅近くにデイサービス施設-「不親切な親切」スローガンに」(6月3日)
「記者の目:認知症高齢者の施設受け入れ=中西啓介」(5月14日) 
「臨床美術で認知症予防 イメージ膨らませ絵描く 金沢市のデイサービス導入」(富山新聞)
「「介護で離職」男性13%が経験 女性は27% 親と同居の中高年調査」(5月12日)
「福祉施設を応援 京都府が認証制度」(5月10日)
「24時間介護、実施は7% 導入初年度、厚労省調査」(5月9日)
「41%の施設で違反是正せず 認知症グループホーム」(4月27日)
「資生堂、「ライフクオリティー事業」を開始~2015年度中に3000施設での展開めざす」(4月19日)
「高齢者介護6割「負担」北九州市認知症実態調査」(4月18日)
「【千葉】利用者増える「お泊まりデイ」 県、指針作り急ぐ」(4月13日)
「原発避難区域 介護給付費が大幅増加」(4月11日)
「介護保険外サービスの利用者100人超に NPO法人ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会」(4月6日)
「倉敷の特養待機3540人 定員2倍超、05年度以降最多」(4月5日)
「グループホームが破産 県内介護事業者で初」(4月4日)
「日本の介護を救うのはプロレスだ! 斉藤 正行・日本介護福祉グループ副社長に聞く 鈴木 信行」(4月4日)
「クイックVote 外国人による介護・看護に賛否拮抗 第126回 編集委員大石格」(4月3日)
「病に倒れた伴侶支える 40~50代の選択」(3月18日)
「24時間訪問介護、全国で 大手が拠点拡大」(3月14日)
「112万人介護保険料増 生活保護引き下げ影響」(3月8日)
「グループホーム大手 メディカル・ケア・サービスが訪問介護事業に進出」(3月5日)
「訪問介護、人材育成競う ニチイ学館は認知症の対処法研修」(3月5日)
「介護事故 話し合いで解決 「調整人」が仲介、裁判回避」(3月2日)
「詐欺:介護保険の補助持ちかけ、車椅子男性から住宅改修費詐取 折尾署、容疑で土木作業員を逮捕/福岡」(2月20日)
「介護給付金不支給は不当 岡山市の男性が提訴へ」(2月18日)
「長崎のグループホームで火災 4人死亡、2人意識不明」(2月9日)
「要介護度改善で報酬 品川区 1段階で月2万円」(2月6日)
「「介護疲れ」殺人未遂容疑で逮捕 長男が母親の首絞める」(1月31日)
「全国の要支援・要介護者における認知症患者数は204万人、疑いまで含めると255万人に~ケアマネジメント・オンライン 認知症に関する介護現場の実態調査結果調査より~」(1月28日)
「復興住宅 老老介護が深刻」(1月27日)
「行き場のない低所得高齢者 受け皿いまだ整わず」(1月19日)
「サービス付き高齢者住宅 自治体の保険財政圧迫」(1月12日)
「[ニュース最前線]高齢者による介護支援好調 秋田市」(1月9日)



2013年


★「ひとりを生きる:認知症対応グループホーム サービスの質に差=池田敏史子/東京」(12月23日/毎日新聞)
認知症の親を抱える人からの相談が多くなっている。病状が進行すると在宅ケアが難しくなり、介護施設への入居を希望する。今日では程度の差こそあれ、介護施設入居者の8割強は認知症のある人たちとされる。
さまざまな受け入れ施設があるが、認知症の人にとって暮らしやすいと言われているのが認知症対応グループホーム。5?9人がユニットと呼ばれる一つのグループとなり、スタッフと共に生活する。ほとんどのホームが入居一時金なしで、生活費は都市部で月18万円前後。個室は6畳ほどで、トイレは完備もあれば共用もある。
できるだけ自宅に近い環境や暮らしが、認知症の人に安心感を与えるとの観点から、身近な生活用品や思い出の品の持ち込みを可能にし、中には大きな仏壇を運び入れる人もいる。スタッフと一緒に洗濯物をたたんだり、食事の支度や買い物をするなど、ホーム内でできる家事を手伝いながら生活するのが他の介護施設との違いだ。
プライバシーが確保され、少人数だけに目が行き届き、スタッフとの対話が多い点がグループホームの特徴だが、サービスの質には差がある。食事は重要な共同作業の場だが、質の高いホームでは入居者それぞれの生活経験や症状に応じた役割分担を行う。スタッフの言葉遣い、入居者の経歴、プライドへの配慮も行き届いている。これらが充実したホームは、食事の皿数も多く、利用者も笑顔だ。
一方で、全てではないが、スタッフが主に食事を作っているホームでは、単品で手早く出せるメニューが多い。管理面で疑問に思うこともある。立ち上がろうとする入居者の手を引っ張り「まだ席を立ってはだめ。ごちそう様をしてから」と幼児のように扱うケースも。入居者の表情も硬く、緊張した様子が見受けられる。
人の出入りが多いホームが望ましい。認知症の人の住まいは時に問題の顕在化を難しくさせる。さまざまな人が出入りすることでチェックが働く。何より1人で出歩けなくなった人にとって、出会いがうれしいひとときになるのは間違いない。<シニアライフ情報センター代表理事・池田敏史子>
毎日jp 2013年12月23日 原文のまま

「連続30日以内、届け出も 千葉県「お泊まりデイ」でガイドライン」(11月2日/千葉日報)
利用者のプライバシーや安全確保が課題となっている高齢者向け宿泊介護サービス「お泊まりデイ」で千葉県は1日、「連続利用は最長30日」などとする独自のガイドラインを施行した。事業者選びに役立ててもらおうと届け出・公表制度も導入。法的拘束力はないが、県は「守られない場合は指導を行い、利用者の安全確保を図りたい」としている。
お泊まりデイは介護保険の適用外のため宿泊環境や消防設備、職員配置などの問題が指摘されている。
2011年の県の調査によると、県内でお泊まりデイを行っているのは121カ所。約8割が連続利用日数「1カ月以内」だったが、中には4年もの長期サービスを提供している事業所も。宿泊スペースに仕切りがなかったり、防火設備がないケースも確認された。
ガイドラインでは連続利用は原則30日以内とし、男女同室とならないよう配慮すること、介護職員または看護職員を常時1人以上確保することなどを規定。宿泊室の1人当たりの面積を四畳半程度(7・43平方メートル)以上としたほか、消防法上で必要な設備の整備を求めた。
ちばとぴ 2013年11月2日 原文のまま
関連記事:「急増!お泊りデイサービス ~在宅介護の実態~」(NHK 2012年12月7日)
関連情報:お泊りデイサービス協会

「<認知症家族会>負担引上げ・給付抑制に反対するアピールを採択」(10月31日/ケアマネジメント)
公益社団法人・認知症の人と家族の会は、10月12日、2013年度支部代表者会議にて、介護保険制度改革における負担引上げ・給付抑制に反対するアピールを採択した。
支部代表者会議アピールは、6月1日に採択した総会アピールに続くもので、介護保険制度改革における負担引上げ・給付抑制に反対し、とりわけ「要支援の人を介護保険の給付対象からはずし、市町村の支援事業に委ねる」「一定以上の所得がある人の利用料を2割に引き上げる」改革案に強く抵抗、撤回を求めている。
以下、その全文を掲載する。

安心を保障する介護保険・社会保障制度を目指し行動しよう
       2013年度支部代表者会議アピール
本日、私たちは、全ての都道府県から192 名の会員が参加して、支部代表者会議を開催しました。
10月1日、政府は消費税の8%への引き上げを来年4月1日から実施すると発表しました。消費税増税と負担増・給付抑制の二重の負担という「道理に合わない」ことが現実のものとなりつつあります。この動きは私たちが望む方向と真っ向から対立するものです。
6月1日の総会で、私たちは「増税の一方で負担引き上げ・給付抑制は道理にも合わない-予算の使い道に知恵を絞ろう」とするアピールを採択し、この動きに強く抗議する意思を表明しました。しかし、8月6日の「社会保障制度改革国民会議」報告は、予算の使い道には踏み込まず、「公助」の後退、「自助」への転化の考え方のもとに、負担増・給付抑制を積極的に打ち出しました。その方向に沿って、厚生労働省から負担増・給付抑制の具体案が社会保障審議会に示されました。
その中で、私たちが特に容認できない提案は、①要支援の人を介護保険の給付対象からはずし、市町村の支援事業に委ねる。②一定以上(被保険者の5人に1人が対象になる年金収入280万円以上)の所得がある人の利用料を2割に引き上げる、というものです。
私たちは次の理由から、これらの提案を撤回すべきであると考えています。
イ 早期発見・早期対応の認知症ケアの原則に反する
ロ 厚生労働省の認知症施策(オレンジプラン)の初期対応重視の方向性と矛盾する
ハ 利用の抑制によって重度化が速まり、保険財政の負担を増大させる
ニ 増税と負担増・給付抑制の二重負担は生活への不安をあおる
ホ 生活への不安は、消費の抑制を招き、経済活動を停滞させる
軽度認知障害の人が400万人と発表され社会に大きな衝撃を与えました。「要支援外し」はこの人たちを、全国一律のサービスから市町村任せにしようとするもので、サービスが向上する保障はどこにもありません。
私たちは、負担増・給付抑制をやめ、さらに歩を進めて、社会保障を充実させ生活への不安をなくして、心の余裕と健全な消費を生み出し、経済活動を活性化させる-そのような、誰もが老いても病んでも、安心して暮らせる社会の実現を願っています。そのために、予算に占める社会保障費の割合を大幅に引き上げるよう強く訴えます。
今よりずっと貧しかった戦後間もなく、先人たちは、知恵を絞り、大変な努力をして国民皆保険・皆年金の制度を実現しました。その困難の大きさを考えれば、今の困難を乗り越える知恵もきっとあるはずです。一人でも多くの人が、私たちの主張に賛同していただき、それぞれの立場で声を挙げ、行動してくださるよう心から訴えます。
以上

◎認知症の人と家族の会 http://www.alzheimer.or.jp/
ケアマネジャーのための専門サイト【ケアマネジメントオンライン編集部 土倉】
ケアマネジメントオンライン 2013年10月31日 原文のまま

「重い認知症、特養で受け入れ 厚労省方針」(10月30日/日本経済新聞)
厚生労働省は30日、特別養護老人ホーム(特養)への入所を症状の重い「要介護3」以上に限る改革案に例外をつくる方針を決め、専門部会に示した。認知症で常に介護が必要な人などは、入所を認める。給付費の膨張を抑える改革の手が緩む懸念がある。症状が軽い人の介護費用の伸びを75歳以上の人口増加率並みに抑える案も、正式に示した。
厚労省は、2015年度から特養ホームへの入所要件を厳しくし、要介護3~5の中重度者に限って新規入所を認めるとした案を、社会保障審議会介護保険部会に提示済み。これに自治体などから慎重な意見が相次いだため、例外を認める方針を決めた。
厚労省が例示したケースは、(1)認知症高齢者で常時の見守り・介護が必要(2)家族によるサポートが期待できず、地域の介護や生活支援の供給が十分でない――など。これらを軸に指針としてとりまとめる考えだ。
介護保険を利用する認知症高齢者は280万人(10年時点)で、うち約15%の41万人が特養ホームに入所し、特養入所者の8割以上を占める。
特養に入れなくなる要介護1~2では、全体の7割弱が認知症だ。厚労省案の例外にあたるのは、中でもより症状の重い人に絞られる見込み。だが「入所制限が曖昧になるのではないか」などの懸念が、介護保険部会の複数の委員から示された。
また厚労省は、15年度から市町村が手がける症状の軽い要支援者向けの介護予防費用に上限を設け、伸びを抑える案も示した。30日の衆院厚生労働委員会では、現状の「予防給付」のままだと年5.5%増のペースで伸びるのに比べ、75歳以上の増加率並みの年3.5%増に抑えると、25年度時点で約1650億円の費用節減になるとの試算を示した。
日本経済新聞WEB版 2013年10月30日 原文のまま

「企業経営揺るがす大量「介護離職」時代!老親の世話で仕事続けられない」(10月26日/J-CAST テレビウォッチ)
平成24年の国の実態調査で、働きながら介護する人は291万人いて、うち6割が40~50代、その4割が男性だった。40代、50代は働き盛りだ。介護が仕事に響くとしたら、「日本の経済を揺るがしかねない」(評論家・樋口恵子氏)(写真右1)のは間違いない。
商社の丸紅は近ごろ転勤を望まない人が増えたため実態調査をした。結果は衝撃的だった。すでに介護をしている人が11%、2016年に介護に直面する可能性のある人が84%もいたのだ。「こんなに大きな数字とは。仕事に穴があく、経営に直結する」(人事部長)
広報部部長代理の田中郁也さん(52)は神戸に認知症の父親(85)がいる。一人息子で、妻は自分の親の介護で手一杯だ。これまで6か国に駐在したが、次の海外勤務は「当面は無理。親はいつまでも元気と錯覚していたが、現実をつきつけられた」という。
介護のための退職者は年間10万人
中西久雄さん(51)(写真右2)は運送会社の優良ドライバーだった。7年前に母親が倒れ、自宅で介護している。介護が始まったころに妻とは離婚している。姉も入院し ていて、中西さんが働けるため、老人ホームへの入居順位は低い。「オレの役割だ」と割り切り、デイサービス、訪問介護を利用したが、食事から排泄までの世話が必要になって会社を休むことも増えた。会社はさまざまに優遇してくれたが、申しわけなくなって自ら退職した。
いま自由になる時間は介護サービスがくる3時間だけ。新聞配達のアルバイトしかできず、母親の年金を入れても収入は月12万円にすぎない。3年前から生活保護を受けている。「母親のせいにはできない。そう思ったら顔に出る。母親にそんな顔できますか?」
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子・戦略室室長(写真右3)は「両立できないから退職という思い込む人は、サービスも使わずだれにも相談せず、抱え込むタイプが多い」という。こうして退職する人が年間10万人もいる。
介護支援制度は(1)介護休業1回93日(2)介護休暇年5日(3)短時間勤務などが柱だ。矢島さんによると、利用者は数%程度だという。一番多いのは年次有給休暇の利用で3割、何も利用しない人が5割もいる。「いまの制度は、家族に働いていない人がいることが前提になっていて、これが問題です」という。
利用者の仕事や都合に合わせる「小規模多機能型居宅介護」
新しいサービスを目指す動きもある。「小規模多機能型居宅介護」がそのひとつだ。ある共働きの夫婦は要介護の母親を残して朝8時に出勤する。午前9時半に介護施設の職員が迎えにくる。施設は食事と入浴をさせるが、他の施設と違って、家族の都合に合わせて柔軟な利用ができる。
たとえば、急に残業が入っても、電話1本で利用時間を延長できる。宿泊も可能で、ヘルパーの自宅訪問もできる。これらの組み合わせが24時間365 日可能なのだ。まさに理想だが課題もある。
国の報酬は要介護度によって違う。要介護度が低い人が多いと報酬も少なくなる。施設の運営者は「要介護度が低くてもかかる人手は同じ。人件費 が6割ですから」という。施設の半数が赤字なのだ。
他に、サービスの使い方を工夫して両立を目指す試みもある。ケアマネージャーの石山麗子さん(写真右4)は、「いまの制度は高齢者本人の支援が原則で、介護者のケアが不十分。家族も含めて支援しないといけない」という。石山さんは介護者に入念な介護プランを作るよう指導している。
大介護時代を前に、2015年には育児・介護休業法の見直しがある。矢島さんは、「1回3か月となっている休業を、必要な時に分割してとれるようにする必要があります。介護者も知識をもたないと」という。
いま50歳の人の親は大方75歳~80歳。やがてだれもが直面する現実は、何十年も前からわかっていたことではないか。足し算と引き算も満足にできない役人と近視眼の政治家をもった不幸。「倍返しだ」と怒鳴りたくなる。
NHKクローズアップ現代(2013年10月24日放送「どうする介護離職~職場を襲う『大介護時代』~」)
J-CAST テレビウォッチ 2013年10月26日 原文のまま

「地域密着型介護、8割が利用50%未満 検査院が改善要求」(10月22日/日本経済新聞)
厚生労働省の交付金を使って整備された地域密着型の介護サービス施設のうち、25都道府県の326施設の利用状況を会計検査院が調べたところ、8割で利用率が50%を下回っていたことが22日、分かった。交付金約43億円が有効に活用されていないとして、検査院は同省に改善を求めた。
調査の対象は、2006年度の介護保険法改正で導入された地域密着型の介護サービスのうち、1カ所で宿泊や訪問介護などを利用できる「小規模多機能型居宅介護施設」と、認知症の高齢者向けの「認知症対応型デイサービスセンター」。11年度は小規模多機能型で上限3千万円、認知症対応型で同1千万円が市町村を通じて事業者に交付される。
検査院によると、06~11年度に25都道府県で整備された326施設のうち、255施設で平均利用率が50%を下回っていた。そのうち94施設は利用率が30%未満で、8施設は昨年度末時点で休廃止していた。オープンしてから一度も利用がない事業所も8施設あった。
利用が低調な理由を調べたところ、主に通所の利用を想定していた小規模多機能型では、実際は宿泊を中心とした利用を望む声が多く、需要に関する事前の調査が不十分だった。
厚労省は「利用が低調な事例があることは承知しており、今後は事例ごとに理由を確認して再発防止に努めたい」(高齢者支援課)としている。
日本経済新聞web版 2013年10月22日 原文のまま

★「【ゆうゆうLife】高齢者が支え合う「小規模多機能型居宅介護」で生きいき」(10月10日/産経新聞)
□高齢者の技術・能力を生かす
お年寄りは支えられるだけの存在ではない-。そんな哲学でケアをする事業所がある。神奈川県藤沢市にある「あおいけあ」では、要介護の高齢者が公園のゴミ拾いや清掃などの「社会貢献」に携わる。介護事業所は今後、地域の交流拠点になることも期待されている。1つのモデルになりそうだ。(佐藤好美)
「あおいけあ」が運営する介護事業所「おたがいさん」。4LDKの大きな民家に、要支援や要介護の高齢者らが通ったり、泊まったりし、ここから介護ヘルパーに来てもらうこともできる。認知症の利用者が多く、平均要介護度は1・7。介護保険で「小規模多機能型居宅介護」と呼ばれるサービスだ。
この朝、7、8人の高齢者がスタッフに手を引かれて公園へ向かった。ゴミ拾いのためだ。公園では、車椅子の女性がトングで吸い殻をつかむ。作業はのんびり、休み休み。それでもゴミ袋はいっぱいになった。
「おたがいさん」では、利用者が公園の清掃や草むしり、児童の登下校の見守りにも携わる。「散歩」には見向きもしない高齢者が「草取り」には腰を上げるという。加藤忠相社長は「介護の目的は、世話されるお年寄りを作ることではない。じいちゃん、ばあちゃんは社会貢献が好きで、ボランティアだってできる。それなのに、介護の現場では『役に立たない人』にされてしまう。社会貢献は身体機能の向上になるし、『ありがとう』と言われれば、本人の達成感や生きがいになり、表情が生き生きとしてくる」と言う。
社会貢献だけでなく、地域づくりにも熱心だ。事業所には垣根がなく、小学生や近所の人が敷地の小道を通っていく。スタッフは子連れ勤務OK。放課後は子供たちが家にランドセルをほうり投げて遊びに来る。「おたがいさん」の玄関には小さな駄菓子屋があり、認知症の高齢者が店番をする。計算は子供の仕事。「草団子の会」や「流しそうめんの会」などのイベントでは、子供が一緒に準備をし、模擬店も出した。
                   ◇
要介護の人も「仕事」に携わると、てきめんに生き生きとする。敷地内のデイサービス事業所「いどばた」(平均要介護度2・3)でもケアの哲学は同じだ。
朝10時、元表具師の男性(86)が木工道具を抱えてやってきた。リビングでイベント用の花作りが始まっても身の入らぬ様子に、笑顔のスタッフがそぐわぬ大声で声を掛けた。耳の遠い男性への配慮だ。
「この本棚に、このファイルをこう入れたいんだけど、棚が狭いのよ。入るようにならないかなぁ」
「簡単だよ、そんなこと。棚を動かせばいいんだ。じゃあ、そいつが先だな。こいつは後だ」
作りかけの花を投げ出し、男性は意気揚々と持参のドライバーで棚を外し始めた。
「人の世話にはならん」「あんなチーチーパッパができるか」と、デイサービスを嫌がる男性は多い。だが、この事業所には男性も嫌がらずにやってくる。スタッフが個々の高齢者から得意技を聞き出し、ケアに反映するからだ。隣接する畑は「畑仕事をする人がいたから畑を作った」(加藤忠相社長)(写真右下)。
喫茶店のマスターだった利用者からは看板メニューを聞いて、アメリカンクラブハウスサンドイッチを作ってもらう。それまで一言も話をしなかった元マスターが、以後は人とかかわるようになった。元大工さんには物置を作ってもらう。みそ造りも、庭木の手入れも洗車も、利用者と一緒にするという。
                   ◇
□「一人の人間としてケアを」
認知症の人の自宅での暮らしを支援する精神科医、上野秀樹さんの話「生産年齢人口と高齢者人口を比べ、何人で支えるという図がある。高齢者が常に支えられる存在と見なされることに違和感を覚える。『退職したら悠々自適』の国と違い、日本人は働くのが好きで、引退したくない人が多い。だったら、日本の民族的、社会的ニーズにあったケアがあっていい。周囲が世話をする存在だと思い、そう接すると、お年寄りは世話をされる存在になる。だが、廃用症候群で寝たきりの人でも筋トレで筋力が回復すると、姿勢が良くなり、歩く。トイレで排泄(はいせつ)できるようになると、表情の輝きが変わり、生きる力や誇りを取り戻す。社会や地域に貢献できると、生きる価値を周囲にふりまけるようになる。重度で世話されていた人が、自分から動くようになる。『あおいけあ』では高齢者を世話される対象でなく、生活する一人の人間としてとらえるケアを徹底している。若者が支えないで済むよう、お年寄りが元気で一緒に、人間として生きられる社会を作ることが大切だ」
                   ◇
【用語解説】小規模多機能型居宅介護
登録利用者は約7万人。政府は平成37年度に40万人分の整備を目指す。中学校区規模での支え合いとサービス整備を行う「地域包括ケア」に向け、厚生労働省は次の介護保険法改正で小規模多機能型居宅介護について、単身者や老老世帯を支えるヘルパーサービスの充実▽地域住民にも支援できるよう運営基準の見直し-などを検討する。事業所が介護予防をはじめ、地域のたまり場やボランティアの拠点になることも狙っている。
産経ニュース 2013年10月10日 原文のまま

★「業界初重度認知症を倍額保障する公的基準連動型の介護保険を発売」(9月30日/産経新聞)
プルデンシャル生命保険株式会社(代表取締役社長兼CEO 一谷昇一郎)は9月30日、3つのタイプの介護保障商品の販売を開始しました。
「介護終身保険(認知症加算型)」は、お客さまが将来、重度の認知症※になられた場合の保障を充実させた商品です。公的介護保険制度の要介護2以上に認定された場合等に介護年金をお支払いし、さらに重度の認知症※になられた場合は、介護年金に加えて、同額の認知症加算年金をお支払いします。認知症の介護には、通常の介護以上に経済的負担が重くなるケースが多いことを踏まえ開発しました。公的基準と連動した介護保障に認知症の保障を加算した商品は業界初(注)となります。
また、「米国ドル建介護終身保険(認知症加算型)」は、業界初(注)の外貨建介護保障商品となり、通貨分散により将来のインフレリスクなどに備えることが可能です。同時に販売を開始しました「介護一時金保険」、既にご提供中の「終身介護保険」と併せ、介護保障商品のラインナップを拡充し、お客さまのさまざまなニーズにお応えしたいと考えております。
(注)2013年9月時点、当社調べ
※「重度の認知症」とは、つぎのすべてに該当する場合をいいます。
1. 器質性認知症と診断確定されていること
2. 意識障害のない状態において見当識障害があること
3. 「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準 (平成5年10月26日老健第135号厚生省老人保健福祉局長通知)」に基づく対象者の認知症の程度が「III」、「IV」または「M」のいずれかであると判定されていること
産経ニュース 2013年9月30日 原文のまま

「住み慣れた土地離れて迎える人生の終幕…増え続ける「介護移住」老親も家族も切ない選択」(9月27日/J-cast)
急速に進む高齢化社会のなかで、大都会の高齢者が地方へと移って介護を受ける「介護移住」が広がり続けている。大都会では高齢者施設の整備が追いつかず、東京では4万人が安い特別養護老人ホーム(特養)の空きを待っていて、遠方の住み慣れない土地でケアを受けざるを得ない現状だという。
行政のなかには地方に介護施設を作る「遠隔地特養」の動きも出ているが、まだ緒についたばかりで課題も多い。老いて安心して暮らせる終の棲家をどうすれば手に入れることができるのか。
特養入所待ちの高齢者は全国で42万人―高地価の大都市部では困難な増設
高齢者は75歳を過ぎると体調を崩すことが多くなり医療や介護に頼る。世界に例を見ないスピードで高齢化の波が押し寄せる日本は、2025年までに75歳以上の高齢者が60%以上増える地域として、東京、名古屋、大阪の3大都市があり、埼玉、千葉両県では倍増すると見られている。
なるべく施設に頼らず、住み慣れた地域で在宅の生活を最後までまっとうできるように介護や医療の支援を充実させていく―これが国の基本方針らしい。都市部高齢者の特徴のひとつは、所得の高い人が少なくない一方で、生活の苦しい低所得層が圧倒的に多いこと。それらの高齢者にとっては国の基本方針など絵に描いた餅だ。
国の支援で比較的安い料金で利用できる特養の入所待っている高齢者は全国で42万人にのぼるという。とくに3大都市圏では地価が高いことから用地の確保が困難なうえ、財政が苦しいなどの理由で施設の整備率は全国平均を下回っている。
晩年を住み慣れない遠方の施設でケアを受けながら孤独な生活に耐える高齢者も、時折面会に訪れる家族も切ない思いに耐えているのが現実だ。都心から40キロ離れた茨城県取手市の特養に入所している父親を訪ねて、自宅の川崎市から2時間半かけてやってきた娘は、勤務先から休みをもらい1か月ぶりの面会だった。母親は別の施設に入っている。
もともとは娘は自宅で認知症の両親の介護をしていた。しかし、夜中の徘徊が激しくなり施設に預けることにしたのだ。当初、安く入居できる特養を探したが、待機者が300人もいてすぐに入居でき状況ではなかった。次に民間の有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅を探した。近いところはどこも月々の利用料が2人で30万円以上もかかり断念せざるを得なかった。行き着いた先は2人で20万円以下の取手市の介護施設だった。夫婦はバラバラだが、それもやむを得ない選択だった。
「遠隔地特養」でリロケーションダメージ…認知症やうつ症状
そうしてなかで首都圏の自治体の中にはさまざまな悪条件下で新たな施設の整備に取り組む動きも出てきている。東京・杉並区は特養を今年(2013年)新たに70床、来年は161床オープンする予定だ。だが、待機者は1944人もいる。新たに都心に建設するのはもはや限界と考えた末、かつて区の養護学校があった静岡県南伊豆町の跡地に特養を建設することにした。
行政機関がよその県内に高齢者施設を作るのは全国でも初のケースだが、これには越えねばならない厚い壁もある。現在の制度では、南伊豆町の施設に入居した場合、医療費や介護費用は杉並区が負担するが、生活保護を申請したり、75歳になって後期高齢者医療制度に移行したりすると静岡県や南伊豆町の負担になり、受け入れる自治体の負担が増えてしまう。
厚労省は今年5月から都市部の高齢者対策について検討を重ね、介護移住の課題についても検討を行なってきた。このほど出された報告書には、県外から高齢者を受け入れる自治体の費用負担については制度改革が必要だと答申された。それでもまだ課題は残る。
社会保障政策に詳しい中央大学の宮本太郎教授(写真右上)はこう解説する。「社会的階層性というのか、お金がないから地方を選択せざるを得ないとなると、これはまた問題だと思うんです。高齢者が馴染みがない土地に移住すると、リロケーションダメージ(移住することによる精神的悪影響)と言いますが、大きく環境が変わったときに認知症が進行したり、ウツ症状がでてしまうことが危ぶまれるんです。
それでも、当人の意向というより、家族の状況を考えて空気を読んで『行こう』というかもしれない。さらに、移住先のサービスの質を考えると、極端な話、虐待が起きたり、不正の請求があったときに十分チェックできるのか心配になります」
国谷裕子キャスター(写真右下)「地方自治体の住民でないゆえに必要なサービスを受けられないケースも出てくるでしょうね」
宮本教授「認知症のお年寄りの集中介護サービスは移住してきた人は現実には受けられない。施設などの住まいはあるが、行政のトータルのサービスは受けられないという問題に繋がりかねません」
そこで国や東京都、とくに猪瀬知事にはひと言いいたい。東京五輪招致に成功し、おもてなしの心で巨大な箱物をつくるのに狂奔するのも結構だが、慣れない土地で家族と離れ孤独に耐える高齢者、仕事の都合でたまにしか面会にいけない切ない家族が急増していることにも気配りを忘れないで欲しい。モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2013年9月25日放送「安住の地はどこに~広がり続ける『介護移住』~」)
J-castテレビウォチング 2013年9月27日 原文のまま

「介護施設死亡事故倍増、誤嚥が多発 県内」(9月22日/愛媛新聞)
愛媛県内の高齢者介護施設での死亡事故が2012年度、40件を超え、前年度から倍増していることが、県長寿介護課のまとめで分かった。食事介助中などに利用者が食べ物を詰まらせてしまう誤嚥(ごえん)による死亡事故が多発しており、同課は6月、県内事業所に誤嚥事故防止の徹底を求める通知を初めて出している。
 県長寿介護課によると、県内施設の12年度の死亡事故は42件(11年度20件)。施設別では、特別養護老人ホームが15件(同3件)と最も多く、他施設に比べ利用者の介護度がより重いことが一因とみられる。ほか、短期入所生活介護(ショートステイ)6件▽介護老人保健施設5件▽認知症グループホーム4件―など。
 原因別では誤嚥が16件(11年度8件)で、全体の4割近くを占めている。次いで多いのが、心不全や転倒による骨折で、それぞれ数件だった。
愛媛新聞Online 2103年9月22日 原文のまま
編者:ちゃんと原因を分析しほしい。注意だけで済むものか。

★「介護保険移行:「年齢差別、許さない」 提訴の浅田さん、怒りの会見/岡山」(9月20日/毎日新聞)
65歳になったことで、障害者自立支援法に基づく自己負担なしの訪問介護から、負担のある介護保険に移行させられた中区の浅田達雄さん(65)(写真右の右の人)。19日の提訴後、北区の岡山弁護士会館で記者会見し「このままでは生きていけない。年齢による差別は許さない」と怒りをあらわにした。
脳性まひのため体が思うように動かず、食事や風呂、排便などの日常生活に支障がある。障害者自立支援法に基づく月249時間の介護はどうしても必要だった。
だが、2月に65歳になり、介護保険への移行を促す岡山市から同法による介護を打ち切られた。ぎりぎりの生活を強いられ、トイレで転び、助けを求める日もあった。体調を崩して入院もし、「命をつなぐために何とかしなければ」と思い、3月に泣く泣く介護保険を申請した。
それでも浅田さんは、「高齢になって負担が増えるのはおかしい」と、岡山市の決定を不当として、県に審査請求した。県は7月、「一切の自立支援給付を行わないとした市の処分は不当なものといわざるを得ない」としつつも、「介護保険法による新たな支給決定により、65歳になる以前と同程度の障害福祉サービスは支給されている」などとして、請求を棄却した。
県の判断に納得できず、浅田さんは今回の提訴に踏み切った。この日は、同じような問題に悩まされている65歳前後の県外の障害者も駆けつけ、「先頭に立ち、粘り強く頑張る」と意気込む浅田さんに拍手を送った。
浅田さん側弁護団の呉裕麻弁護士は「障害者自立支援法が定める介護保険優先原則が憲法違反だとする訴えは全国で初めて」とし、「憲法違反だと思っても、サービスがなくなることを恐れてやむを得ず介護保険を申請する人は全国にたくさんいる。浅田さんの勇気ある提訴によって、現状のおかしさを最後まで追及したい」と話している。【原田悠自、五十嵐朋子】
毎日jp  2103年9月20日  原文のまま)
編者:制度の根幹に触れる訴えだ。基本的に両制度を統合すべきだと考えるが、歴史的背景、厚生労働省の担当部署の違いなどで難しいらしい。

「杉並区が静岡・南伊豆町に特養開所へ 都市部での不足解消 東京」(9月13日/産経新聞)
都市部で特別養護老人ホーム(特養)が不足している問題で、東京都杉並区の田中良区長は、静岡県南伊豆町に開所予定の区域外特養に対する支援を厚生労働省に要望した。
通常、特養は、都道府県が定める介護保険事業支援計画に基づいて設置されるため、区域を越える設置は異例。田中区長は「都市部の土地を取得する負担は大きい。都心よりも人手をかけて質を向上できる可能性もある。新特養を全国的な先駆けにしたい」と話す。
平成28年開所予定。予定地は、ぜんそく転地療法で使用し、24年3月に廃園になった「区立南伊豆健康学園」の跡地を利用する。子や孫らが観光を楽しみながら祖父母に会いに来る新たな保養地型の特養として、家族の満足度を高められる可能性もあるという。
要望は、厚労省老健局長に対して行い、静岡県知事(代理)と南伊豆町長も同席した。具体的には、入所者が75歳を迎えた場合に国民健康保険の住所特例が後期高齢者医療保険制度に引き継がれず、施設所在地の財政を圧迫する現行制度の是正や、区域外施設への入所がしやすくなる仕組みづくりへの支援を求めた。
産経ニュース 2013年9月13日 原文のまま
編者:杉並区民「夏の家」と異なり、そこで生活する特養があまりに離れての開設は歪な対策に思える。また開設地区の高齢者は利用できない、開設地区の自治体の負担増などの課題がある。

「小規模福祉施設のスプリンクラー基準が大幅強化へ」(9月11日/日経BP)
スプリンクラー設備の設置基準が大幅に強化される見通しだ。消防庁は2013年2月に長崎市で発生した認知症高齢者グループホーム火災を踏まえて開催してきた検討部会の報告書を9月6日、公表した。原則として、認知症高齢者グループホームにスプリンクラー設備の設置を義務付けることを提言した。
報告書では認知症高齢者グループホーム以外にも、自力避難が困難な人が入所する小規模社会福祉施設で同様の危険性があると指摘。消防庁は現在、開催中の「障害者施設等火災対策検討部会」で合意できれば、認知症高齢者グループ以外の小規模社会福祉施設についても、スプリンクラー設備の設置を義務付けたい考えだ。
具体的には消防法施行令別表第1(6)項ロで規定されている用途の施設を対象にする。障害者施設等火災対策検討部会の結論が出る今秋にも、消防庁は法令改正の手続きに入る予定だ。法令が改正されれば、スプリンクラー設備については原則として、すべての小規模社会福祉施設に遡及適用となる。
現行制度では、延べ面積275m2以上の小規模社会福祉施設についてはスプリンクラー設備の設置を義務付けている。長崎市の火災は275m2未満の施設でスプリンクラー設備が設置されておらず、死者5人、負傷者7人を出した。
消防庁が13年2月に実施した調査では、275m2未満の小規模社会福祉施設は7189。このうち高齢者福祉施設の3910施設で、スプリンクラー設備が設置されているのは約47%の1853施設だった。障害者福祉施設では2221施設のうち、11%の249施設にしかスプリンクラー設備が設置されておらず、設置対象基準の見直しが議論されていた。

報告書では例外として、一定面積以下ごとに準耐火構造などで区画されて、居室や廊下における延焼拡大が抑制された構造の場合は、スプリンクラー設備を設置不要とするとの見方が示された。例えば、おおむね3室以内ごとに準耐火構造の床や壁で囲まれて、不燃性の高い天井・内装となっているものなどだ。
スプリンクラー設備の設置義務のない施設では、未設置の理由として費用負担の問題が挙げられる。その点について報告書は、国の介護基盤緊急整備等臨時特例基金の助成制度や日本政策金融公庫による融資制度の活用を促している。
さらに長崎市の認知症高齢者グループホームの火災では違法な増改築が繰り返されるなど建築基準法違反も問題となっていた。国土交通省では13年3月に全国1万1745施設の認知症高齢者グループホームに対し、防火・避難関係規定への適合状況を調査。違反を把握したものは15.2%の1778件で、既に1047件は是正済みとなっていることが明らかとなった。報告書では、消防部局、福祉部局に加え、建築部局間での情報共有や連携体制の構築を求めた。
ケンプラッツ 2013年9月11日 原文のまま

★「特養「要介護3」から 厚労省 入所基準を厳格化へ」(8月26日/産経新聞)
厚生労働省は25日、特別養護老人ホームの入所基準を厳しくする方針を固めた。入所できるのは原則として、手厚い介護が必要で自宅では負担が重い「要介護3」以上の高齢者からとする方向だ。要介護度の低い人は在宅へ、という流れを進め、制度維持のため給付費を抑制するのが狙い。介護保険法を改正、平成27年度からの実施を目指す。
28日に再開する社会保障審議会の介護保険部会で議論を本格化させる。
社会保障制度改革国民会議の報告書は、特養の入所者について「中重度者に重点化」と明記。改革の工程を示すプログラム法案の骨子でも、26年の通常国会に介護保険法改正案を提出し、27年度をめどに実施していくとした。
厚労省は報告書を踏まえ、特養に入所できる高齢者を要介護3以上の中重度者とし、比較的軽度の要介護1、2の高齢者は新規入所を制限する。
要介護1、2の高齢者が特養を利用する理由として「介護者不在、介護困難、住居問題」が大きいとする調査結果もある。このため厚労省は自宅がない要介護1、2の高齢者向けには空き家などを活用して住まいを確保、買い物や食事などの生活支援も合わせて行う仕組み作りを進める。
厚労省によると、25年4月審査分の1人当たりの介護サービス費用は、在宅が約12万円に対し特養の利用者は約28万円。
23年度の特養の新規入所者14万人中、要介護3~5が約12万人と9割近くで、要介護1、2は1万6千人だった。
産経ニュース 2013年8月26日 原文のまま
編者:わかりやすい基準だが、これが適切な基準とはいえない。従来通りの「総合判定」でよいだろう。また入所できない認知症の人たちを地域でどう支えるかが重要だ。

「社会保障改革 「自助」で痛み求める 工程法案の骨子決定」(8月22日/東京新聞)
政府は二十一日の閣議で、社会保障制度改革に関し、個別の法案を提出する時期や実施時期などの工程をまとめたプログラム法案の骨子を決定した。骨子は「自助・自立を基本とする」と明記。介護保険法改正案を二〇一四年の通常国会に提出し、一五年度に実施する日程を盛り込んだ。家族や地域の負担を重くする「自助」を重視し、高齢者や高所得者に痛みを求める見直し案が並んだ。
政府は法案を秋の臨時国会に提出し、成立させる方針。個別の改革法案は一四年以降、順次国会に提出する。
骨子は政府の社会保障制度改革国民会議が五日にまとめた最終報告を踏まえて作成。地域などで助け合う「共助」で自助を補い、それでも困窮などで対応できない場合のみ税金を財源とする「公助」で生活を保障する方針を明記した。
介護保険では(1)軽度の「要支援」者を保険の対象から外し、介護保険を財源にして市町村の判断で独自の事業をできるようにする(2)現行は一律一割の利用者負担を高所得者だけ引き上げる-などの改革を盛り込んだ。
医療保険では、七十~七十四歳の窓口負担を、新たに七十歳になる人から段階的に一割から二割に引き上げる方針を明記。法改正は必要なく、厚生労働省は一四年度からの実施を目指す。七十五歳以上は一割を維持する。
紹介状なしに大病院を訪れる患者への定額の自己負担導入や、大企業の健康保険組合の負担増などは一四~一七年度に順次実施。法改正が必要な項目は一五年の通常国会に提出する。
Tokyo Web 2013年8月22日 原文のまま
サイト内関連記事:「高齢者に負担増 社会保障会議が最終報告書」(2013年8月6日)


「入所待ち1万2495人 県内特養ホーム 震災前より1549人増 避難生活の長期化影響」(8月17日/福島民報)
県内の特別養護老人ホームの4月1日現在の入所申込者(待機者)は1万2495人で、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故前の平成22年同期より1549人増加したことが県の調査で分かった。県は原発事故に伴う避難生活の長期化で介護が必要な高齢者が増えていることなどが要因とみている。数年入所を待ち続けている例もあり、福祉関係者からは避難している待機者の健康を懸念する声が出ている。
□施設追い付かず
平成21年以降の重複申し込みを除いた待機者数は【表】の通り。各年とも4月1日時点の状況をまとめたが、23年は震災と原発事故の影響で7月1日時点で集計した。相双地区で休止している施設の待機者数は除いた。
待機者は少子高齢化や核家族化のため、震災前から年々増加する傾向にあった。しかし、震災直後の23年は1万289人と前年より減少したが、避難所や仮設住宅で暮らす高齢者が増えた24年に待機者が急増した。25年も同水準で推移している。
 施設の定員を増やしているが、待機者のペースに追い付かないのが現状だ。22年は定員8784人に対し、待機者数は1万946人だった。25年は22年に比べ、定員は1041人増えたが、待機者は減らず、逆に1549人増となった。
待機者数について県高齢福祉課は「仮設住宅の暮らしが長期化するなど生活環境の変化から介護を必要とする高齢者が増加している」と分析している。
□「数年」のケースも
相双地区の25年4月の待機者数は前年同期に比べ139人増加した。稼働しているのは相馬市などの8施設で、他の6施設(定員500人分)は利用休止となっている。そのため、避難先の市町村の施設に入所希望を出さざるを得ない状況が続いている。
南相馬市は待機者に占める避難者数を把握していないが、家族の分離などで震災前より入所希望者が増加しているとみている。市介護保険係の担当者は「仮設住宅の生活で運動不足や引きこもりがちになり体調を崩す高齢者が目立つ。震災関連死にもつながりかねない」と危機感を抱く。
いわき市は市民だけで1700人の待機者を抱える。双葉郡から避難し、市内の施設に入所を希望する高齢者もおり、実際の待機者はさらに多いとみられる。
市内の特別養護老人ホームかしま荘(定員80人)では現在、400人以上が待機している。震災後に、それまではゼロだった双葉郡からの入所希望が増えたという。担当者は「要介護・要支援度の重い人を優先的に手続きを進めているが、入所までに数年を要するケースがある」と説明する。
施設関係者からは県と市町村に早急な対策を求める声が出ている。
福島民報  2013/08/17 原文のまま

「地域につながる空間築く 宅老所「よりあい」 特養を計画 自然に移り住める“家”に」(8月15日/西日本新聞)
□くらし天気図□
住み慣れた地域で生きるお年寄りを支える宅老所「よりあい」(福岡市)が、特別養護老人ホーム(特養)の建設に乗り出した。本人本位で制度の枠にかかわらず支援する「よりあい」が目指すのは、独居で認知症が進んだりして在宅が限界になったとき、抵抗感なく自然に移り住める“家”だ。専門職だけでなく住民やボランティアなど地域にネットワークを広げながら、安心できる環境を築いている。
福岡市内に2カ所の通所などの施設がある「よりあい」は昨年4月、同市城南区別府に3カ所目を新設。隣接する古い民家と敷地(約2120平方メートル)を運営の理解者の募金などで購入した。この支援者は市民グループ「よりあいの森をつくる会」を設立。必要になった際にお年寄りが移り住める居場所をつくるため、まず、民家を住民との交流の場に改修した。毎週土曜日、互いに持ち寄った食材などで「いちにちカフェ」が始められ、経費を差し引いた売上金を建設資金に寄付している。
敷地内に樹木が多く、森のような民家は都会のオアシスといった風情。近所の人が楽しみに来店するようになり、「支援が必要では」という気になるお年寄りの相談も持ち込まれる。資金づくりのバザーなどに来店した人が趣旨に賛同して「できることを」とボランティアを買ってでることも。子どもからお年寄りまで集える空間が育っている。
☆    ☆
今月初めの「カフェ」は福岡県福津市のまちづくり団体メンバーが担当。「よりあい」のお年寄りと客が一緒にくつろいだ。福津市の都郷なびさん(31)は「ここは効率を求めるのでなく、人を大事にしている。私たちの活動にも通じる」と刺激を受けた様子。
最初はバザーの客だった木下絹江さん(71)=福岡市早良区=は、着物をリフォームして販売益を寄付する市民グループ「絹の会」の指導役になった。高校時代に障害者になった次男を支え「いつか人の役に立ちたいと思っていたことが実現できる」と約10人のメンバーに指導中だ。材料は、長年お年寄りが身につけた着物が多く「大切な思いがよみがえるお手伝いができる」と笑顔を見せる。
デンマークで児童ソーシャルワーカーだったスチュワート・イーストさん=福岡市城南区=もカフェに来たのを契機に、子どもたちのパン作り教室を開く。「ここでは、お年寄りの姿が見える。地元の人と触れ合える」と語る。人々が多様につながって応援する特養は、福岡市に認可されれば2015年春に開所予定だ。
○川俊太郎さん招き慈善演奏会 9月7日、福岡市で
「よりあい」の特養計画を応援する「みんなで老人ホームをつくるぞ!」チャリティーコンサートが9月7日午後1時半から、福岡市早良区の西南学院大チャペルで開かれる。詩人の谷川俊太郎さん=写真=と「よりあい」代表の村瀬孝生さんが対談。谷川さんと音楽グループ「DiVa」のコンサートもある。
入場料3500円。定員650人(先着順)。8月23日締めきり。申し込みは電話で「よりあい」=092(845)0200。ホームページ(http://yoriainomori.com/)に詳細。
西日本新聞 2013年8月15日 原文のまま)

★「高齢者に負担増 社会保障会議が最終報告書」(8月6日/東京新聞)
政府の社会保障制度改革国民会議(会長・清家篤慶応義塾長)は5日、首相官邸で会合を開き、医療、介護サービスを中心に、高齢者や高所得者に負担増を求める最終報告書を決めた。6日に安倍晋三首相に提出する。
政府は報告書に沿って医療や介護など個別のテーマごとの法案提出時期をまとめた「プログラム法案」の要綱を今月下旬に閣議決定する運び。プログラム法案は秋の臨時国会に提出し、成立させる方針だ。
プログラム法の成立後、政府・与党内で個別のテーマごとの具体的な検討を進める。関連法案は二〇一四年以降、順次国会に提出していく考えだ。
報告書は世代間・世代内の公平性を確保するため、高齢者にも応分の負担を求める方針を打ち出した。
高所得者については介護保険の利用者負担(一割)や、高額な医療費の月ごとの自己負担限度額の引き上げ、年金の課税強化などを検討する。具体的な高所得者の基準は示されていない。
介護を必要とする度合いが低い「要支援」者を保険サービスの対象から外し、市町村に委ねる案を提示。財政力の弱い地方自治体が家事援助やデーサービスの利用を制限する可能性もあり、サービスの地域格差の拡大が懸念される。
Tokyo Web 2013年8月6日 原文のまま

★「介護保険料滞納5億2千万円 熊本市の高齢者」(8月06日/熊本日日新聞)
熊本市で2001年度分以降の介護保険料を滞納している65歳以上の高齢者が、今年5月末時点で延べ1万7961人、滞納額が累計5億2千万円に上っていることが6日、分かった。
市によると、滞納者は低所得層に多い傾向があり、「生活に困り、納める余裕がない」「介護サービスを使わないので必要ない」などの理由を挙げるという。
市高齢介護福祉課によると、65歳以上の介護保険料の納付方法は2種類。年金から自動的に差し引かれる「特別徴収」は、収納額の9割を占め、滞納は生じない。一方、窓口で納付書を使って納める「普通徴収」は、12年度で徴収予定額の約2割が滞納されている。
普通徴収は▽年金額が年18万円未満▽65歳を迎えたり、転出入したりして手続きが済んでいない-などの人が対象。
介護保険料の滞納が続くと、介護保険法に基づき、通常1割負担の介護サービス利用料が変更され、(1)一時的に全額自己負担(後日9割償還)(2)一定期間3割負担になる-といった「給付制限」の措置が取られる。
熊本市の65歳以上の被保険者は16万1千人(5月末時点)で、12年度分の滞納者は5766人。収納予定額93億9千万円に対し、収納率は97・8%だった。滞納者は年5千人前後発生し、後日の納付などで次第に減る。
同課は「ある程度収入があっても納めない人がいるが、いざ介護サービスが必要になった際、給付制限が取られて困ることになる。通知や訪問などで滞納者を減らしていきたい」としている。(井上直樹)
くまにちコム 2013年8月6日 原文のまま

★「高齢者、幼児、障害者 一体型デイサービス始動 旭川の「晴れるや」 初の富山型」(7月13日/北海道新聞)
【旭川】高齢者、幼児、障害者らが一緒の施設で過ごす「富山型」と呼ばれるデイサービス施設が、旭川市内に初めて開設された。同市内の鈴木宮子さん(58)が管理者を務める「デイサービス 晴れるや」(末広3の4)で、鈴木さんは「どんな人でも家族のように過ごせる場所をつくりたい」と話している。
「富山型」は地域に根ざした一つの施設に障害者、高齢者のデイサービスや子育てサロン、児童館の機能を持たせ、世代間の交流を図るもので富山県で1993年に始まった。
従来は縦割り行政の影響で「高齢者」「障害者」に特化した施設ばかりだったが、富山の取り組みとその成果が全国に知られるようになり、道内でも開設されるようになった。
旭川市内には現在デイサービス施設が約100カ所あるが、市介護高齢課によると、「富山型」は7月1日に開設された「晴れるや」が初めてだという。
鈴木さんは社会福祉士、介護福祉士、保育士などの資格を持ち、市内の大規模デイサービス施設などに勤務経験がある。8年前にテレビ番組で「富山型」の存在を知ってから、「自分も旭川で同様の施設をつくりたい」との思いを温めてきた。
昨年7月から5カ月間、毎月富山県に通い、施設運営のための研修を受け、「特定非営利活動(NPO)法人晴れるや」を設立。木造2階建ての1軒家を借り、介護福祉士の大石奈苗さん(31)ら3人のスタッフと共にオープンにこぎつけた。
鈴木さんは富山県で見学した施設について、「高齢者が赤ちゃんの面倒を見たり、障害がある人たちと子供たちが遊んだり、一人一人ができることをしながら、生き生きと過ごしていたのが印象的だった」という。
「晴れるや」は火曜~土曜の午前9時~午後4時半が利用時間で、定員は1日10人。介護保険や障害福祉サービスによる利用が可能で、制度に当てはまらない人は4時間千円、1日2千円の利用料金がかかる。食費は500円。問い合わせは鈴木さん(電)0166・73・8734へ。(田辺恵)
Doshin 2013年7月13日 原文のまま

★「豊田市が介護職員に研修 たん吸引、チューブで栄養補給」(7月10日/中日新聞)
介護職員を対象にした「たん吸引等研修」が豊田市西山町の豊田地域医療センターで開かれている。医療行為であるたん吸引などができる介護職員を育て、医療、介護と切れ目のないサービスが受けられるよう、豊田市が県内の市町村で初めて「研修機関」になって開催した。
たん吸引や、胃に栄養のある液体を投与することなどは医療行為に当たるため、医師と看護職員だけに許されていた。法改正で二〇一二年度から、介護職員や特別支援学校教員らも研修を受ければ、一定の条件の下でできるようになった。
研修は病院や特別養護老人などが県に申請して登録機関になり、実施する。しかし市内には少なく、受講料も高額。たん吸引などの処置が必要な高齢者が退院して福祉施設に入ろうとしても、受け入れ態勢が取れていないため入居できない場合があるという。
豊田市は本年度、研修事業に五百七十万円を予算化。自らが登録機関として研修を始めた。期間は六月一日から八月末までを予定。五十時間の講義や、人形を使った演習などをする。受講料は一万円(一部免除の人は八千円)。市内の介護、福祉サービス事業所で働く職員を対象に公募したところ、二十人が集まった。
六日は、医療センター看護部の梅本典子病棟師長が豊田地域看護専門学校(西山町)で講義をした。口から栄養を摂取できない患者に、チューブを使って消化管に液体を投与する「経管栄養」について説明。チューブを紹介し、使い方を教えた。
受講者のうち二十~六十代の七人は有料老人ホーム「ラルガヴィーダ」「ラルガパティオ柿本」に勤める。両施設を運営する医療法人「双樹会」介護部門の河合福子代表によると入所施設、訪問介護、デイサービスなどさまざまな分野から参加した。「介護職員が目の前で処置の必要な場合に出くわすこともあり、知識や技術を学んで対応できるようにしたい」と話す。
登録研修機関としての期間は五年。市介護保険課の担当者は「ニーズを把握しつつ、期間中は続けていきたい」と話している。(古根村進然)
(Chunichi Web  2013年7月10日 原文のまま
編者:介護職が行える医療行為とは「口腔内の痰の吸引」と「胃瘻による経管栄養」、また介護職が行える医療外行為とは「体温測定」「血圧測定」「パルスオキシメーターの装着」「切り傷,擦り傷,やけどの処置」「医薬品の使用介助」「爪切り」「口腔ケア」「耳垢除去」「ストマ処置の介助」「自己導尿の介助」「浣腸」。この問題についてはサイト内情報「介護現場における医療的行為―医療行為と医療外行為―と留意点」で論じている。

「牧御堂町に南部薬品「グループホーム 奏」-認知症進行抑制に回想法取り入れ」(7月7日/岡崎経済新聞)
岡崎・牧御堂(まきみどう)に7月1日、「グループホーム 奏(かなで)」(岡崎市牧御堂町、TEL 0564-64-4110)がオープンした。
「グループホーム奏」外観
 建物面積は約554平方メートル。1人部屋9室を1ユニットとして、正面玄関を挟みほぼ左右対称に2ユニット18室を備える。リビング、ダイニング、キッチン、風呂、トイレなどはいずれのユニットにも用意する。
認知症対応型共同生活介護の施設で、自宅を出て同施設で共同生活を営む。専門スタッフが24時間態勢で対応する。
施設長の千葉広也さんは「当施設では、開けにくい鍵にしてあるがカバーを付けるほど完全に閉じ込めはしない」と話す。各個室や主要な場所に見守りカメラを設置するほか、大きな窓など外へ出られる場所にはセンサーが付いており、足で踏むと感知して介護スタッフが持つPHSに連絡が入る。「徘徊(はいかい)をしようとした場合に知らせるようになっている。出られるものならどうぞ」とまで。
千葉さんは宮城県出身。2011年、震災後に岡崎に引っ越し、「なんぶの郷」(若松町)のグループホーム「リズム」で勤め、今回のオープンで同施設長に就いた。「利用者皆さまにとって私は家長のようなもの。『あんたが大黒柱かね』と言われるとうれしくて、そうですと答えている」
共用スペースの多目的室には古いテレビや電話、アイロンなど昭和20年代~30年代に使われた日用品などを並べたコーナーも。「『回想法』といって、認知症の人は新しいことは覚えていなくても、古い記憶は残っている場合がある。認知障害の進行を遅らせる一助になれば」と千葉さん。
入居費は、家賃のほか管理費・水道光熱費・食費など月額13万5000円とおむつ・尿もれパッドなど日常生活費。入居時の一時金は無料。岡崎市在住で要介護認定(要支援2)および要介護認定・認知症診断を受けている人が入居対象になる。
経営は南部薬品(八帖北町)。医療用ガス設備事業のほか、「ナンブ薬局」を西三河に5店舗を展開する。
介護事業部門は、有料老人ホーム「ハーモニー」・デイサービス「アンサンブル」・グループホーム「リズム」・ショートステイ「メロディ」の複合高齢者施設「なんぶの郷」のほか、サービス付き高齢者住宅「ハートケアメゾン みなみの風」が庄司田と八帖にある。
同社グループは「デイサービス和ごころ」をフランチャイズ展開する「メディケア・ステーション」(八帖北町)も。6月1日に「デイサービス和ごころ 羽根」(羽根町)、7月1日に「デイサービス和ごころ 桃花台」(小牧市)を相次いで開設。そのほか現在、豊田市・尾張旭市などに7施設を展開する。
「グループホームは、自宅にいるような感覚で楽しく共同生活を送ってもらう場所。そのほかの介護施設やサービスも、それぞれ介護の必要度合いに応じて選んでもらうお世話もする」
岡崎経済新聞 2013年7月7日 原文のまま

「介護給付費、膨張続く 11年度は保険開始時の2倍超」(7月3日/日本経済新聞)
高齢化で介護保険の給付費の膨張が続いている。厚生労働省が3日発表した2011年度の介護保険事業状況報告によると、税金と保険料で賄う公的な給付費は前年度比5.1%増の7兆6298億円で、過去最高を更新した。介護が必要だと認定された人は531万人で4.8%増。ともに保険制度が始まった00年度の2倍超に膨らんだ。
介護保険サービスは原則、65歳以上で市町村から要介護認定を受けた人が費用の1割を負担して利用する。公的な給付費と利用者負担を合わせた費用総額は前年度比5.1%増の8兆2253億円となった。
12年3月末の65歳以上人口は2978万人で、うち要介護認定者が占める割合は17.3%に上る。前年度を0.4ポイント上回った。00年度との比較では6.3ポイント上昇した。少子高齢化が進み、高齢者のうち75歳以上が49%までに増えるなかで、介護を利用する人とサービス提供にかかる費用の膨張が加速しつつある。
65歳以上の1人当たりの給付費(サービスを利用しない人も含む)を都道府県別にみると、上位は中国・四国や東北、九州が占め、下位は関東や東海が多い。最も多い沖縄県(約31万円)と最下位の埼玉県(約19万円)で約1.6倍の開きがある。
「施設の給付費が高いと、1人当たり金額も高まる」(厚労省)。金額上位の地方では特別養護老人ホームなどの施設の入所者が多いのに対し、施設そのものが不足する都市部が下位にとどまった可能性がある。
厚労省は「要介護認定者は当面増え続ける」とみており、介護給付費の増大のペースをいかに抑えるかが課題だ。認定者のうち、介護の必要度が高い要介護3~5の区分の人は199万人(37.6%)で、残る要介護1、2の人や要支援者は相対的に低い。
政府の社会保障制度改革国民会議では、要支援者は見守りや配食など日常生活の支援の利用が多いため、介護給付の対象から外すべきだとの議論が出ている。今秋から本格化する介護保険制度改革の焦点になりそうだ。
日経Web 2013年7月3日 原文のまま
関連資料:介護保険事業状況報告 平成23年度介護保険事業状況報告(年報) 年度次 2011年度

「特養に「昭和の居酒屋」」(6月29日/十勝毎日新聞)
【幕別】社会福祉法人「幕別真幸協会」(林照男理事長)は地域密着型小規模特養「ふらっと札内」(町依田379)内に、昭和30年代の居酒屋を再現したカフェスペースを新設した。入所者やその家族らに好きな食事やお酒を味わい、会話を楽しんでもらうのが狙い。赤ちょうちんや北の屋台(帯広)で使っていたカウンターを配置するなど本格的で、月2回程度、“開店”する考えだ。
店名は「昭和ふらっとカフェ」。入所者に青春時代を思い起こしてもらうのが目的。同カフェのオーナーを務める宇佐見美佐子介護課長は「昔を振り返ることは『回想法』といって脳を活性化し、認知症予防にもつながるとされる」と説明する。
昨年6月に「ふらっと横町」の名称で同施設内のフリースペースを昭和30年代風に改装、利用者らに気軽に立ち寄ってもらう回想ルームを設置、実際使っていた小物などの展示を始めており、カフェスペースもその一角を仕切って設けた。
職員が「店長」となり、原則、入所者らが希望する料理や飲み物を提供する。札内寮など同協会のグループ全利用者160人が対象。1回の参加人数は5人までで、ランチでもスイーツでも対応する。カウンターは北の屋台で実際に使っていた物を譲り受け、店内に酒の空き一升瓶を並べ、天井には赤ちょうちんを提げるなど本物感を演出。宇佐見課長は「こうした空間は管内では珍しいのでは」としている。
26日に開店。この日は札内寮の佐久間直美介護係長が「店長」となり居酒屋を展開。同寮の大場巖さん(90)と米澤禎晃さん(79)を刺し身や日本酒などでもてなした。5月に入所したばかりの大場さんは「懐かしい気持ちになった。昔はよく居酒屋で遅くまで飲んで妻にしかられていたのを思い出した」と話していた。
WEB TOKACHI  2013年6月29日 原文のまま

「【暮らし】介護保険サービスと障害福祉サービスの運用柔軟に」(6月27日/中日新聞)
障害者は65歳(一部の病気では40歳)を過ぎると原則、介護保険制度を優先して使う。国が法令で定めている。障害者団体などからは、個々の事情を考慮し、もっと柔軟に障害福祉サービスを使えるようにとの指摘も聞かれる。
「障害者のショートステイと、高齢者介護のショートステイは、同じではないことを分かってほしい」。愛知県内の無職男性(39)は訴える。男性は三十六歳の時、脳幹出血で倒れ、生死の境をさまよった。二カ月近く過ぎて意識を取り戻したが、右半身に重い障害が残った。
リハビリを積み状態は改善したが、家の中での移動も車いす頼み。身体障害者手帳の一級を取得している。入浴の介助などのサービスに加え、家族の介護負担を減らそうと、月に数日、障害者用の施設に泊まるショートステイを使っている。
そこは、単に介護を受けるだけでなく、年齢の近い障害者から刺激を受け、生活の知恵を得る場という。男性が車いすにつけて使っている小机は、他の利用者から情報を得て、後日つけたものだ。「スタッフも顔なじみで、また行きたいと思う。同世代でもっと重い障害の人と接すると、俺ももっと頑張らないといけないと思う」と男性。
ところが施設から、四十歳になったら高齢者用のショートステイを使ってほしいと言われた。介護保険サービスを使えるのは通常六十五歳からだが、脳血管疾患を含む一部の病気=表=の患者は四十歳から介護保険サービスを使える。厚生労働省は、障害福祉、介護保険でサービスが重複する場合、原則、介護保険サービスを優先すると自治体に通知しており、男性の住む市も、この通知に基づき、制度を運用している。
「障害によっては介護保険での受け入れが難しい場合がある。受け入れ先がないなどの事情があれば、障害福祉のサービス利用を認めることもありうる」と市の担当者は説明する。男性は「ずいぶん年の離れた利用者の多い介護施設の利用には不安がある」と話すが、市は一般論とした上で「雰囲気がなじみにくいというだけで特例は認めにくい」と説明する。
同県で障害者の権利擁護活動などをしているNPO法人「あいち障害者センター」にも、介護保険サービスを受ける障害者や家族から「支援を受ける時間は同じでも、支援の内容が少しずつ違うため、不便になった」「高齢者の施設になじめない」といった訴えが寄せられている。十分なサービスを受けられず、利用者が困るケースもあるという。
利用料も大きく異なる。障害福祉の制度は、地方税非課税世帯なら無料でサービスを受けられるなど利用者の経済力に応じた料金体系。一方、介護保険は利用者が原則、費用の一割を負担する。経済負担が大幅に増えることもある。
あいち障害者センター理事の渡辺覚さんは「通知では、利用者の求める支援が、介護保険で受けられるかを個々に判断するとなっているが、同種の介護保険サービスを使わず障害福祉サービスの利用が認められる例はごくわずか。壁は厚い」と指摘。「障害者の置かれた事情はさまざま。もっと柔軟に状況を勘案してほしい」と話す。(佐橋大)
CHUNICHI Web  2013年6月27日 原文のまま
編者:障害者支援制度と高齢者介護保険制度の背景が全く異なるための問題だが、厚生労働省内の管轄部署が異なり簡単には解決できないだろう。編者も以前、「家族の会」として若年期認知症について厚生労働省に要望したことがあるが、老健局の介護保険担当課か社会・援護局の精神保険担当課のどちらが窓口か迷った。この程度の問題も未だに解決されていないようだ。なお、紹介記事の表は不完全で非掲載。「特定疾病」についてはサイト内「認知症辞典」の解説を参照されたい。

「年齢・立場の違い 「ふれあいに自信」」(6月26日/中日新聞)
お年寄りと障害のある人がふれあう茶会が二十五日、認知症のお年寄りが暮らす小松市向本折町のグループホーム「そよ風」であり、お年寄りと近くの社会就労センター「ドレミ」に通う人が和やかに抹茶を味わった。(白井春菜)
年齢や障害にかかわらず施設外の人と交流するため、いずれも社会福祉法人松寿園(向本折町)グループのデイサービス「いこい」(本折町)と三施設合同で催した。
知的障害のある人が通うドレミの関係者は、障害者向けのグループホームを高齢者福祉施設の近くに設立する計画を進め、交流は設立準備の一環として企画した。
いこいにボランティアに訪れている裏千家茶道講師の女性二人が抹茶をたて、お年寄り二十五人と施設利用者二十五人がいただいた。ドレミの土用下文雄施設長が茶道の作法を紹介。浴衣姿のお年寄りもいて、全員がいつもよりにぎやかな雰囲気の茶会を楽しんだ。
土用下さんによると、知的障害や自閉症で緊張しがちな人も、お年寄りや子どもには素直に心を開くことが多いという。「さまざまな年齢や立場の人とふれあうことで自信にもつながる」と交流の意義を話している。
CHUNICHIWeb 2013年6月26日 原文のまま

★「ゆうゆうLife 東京・国立市に「認知症対応チーム」」(6月13日/産経新聞)
家族と生活支え、1人暮らしも
東京都国立市は今年、認知症の人を継続して支援する「認知症対応チーム」をスタートさせた。意識したのはオランダの認知症ケア。認知症が疑われる初期から最期まできちんとケアにつなげ、本人と家族の生活を支え、医療や介護の専門職も支援する。近隣住民への働きかけで地域づくりも進め、「認知症になっても安心して暮らせる町」を目指す。(佐藤好美)

「亡くなったときは1人だったが、決して寂しい旅立ちではなかったと思う。発見されたときは温かで、ドクターや介護職が次々とやって来て枕元で手を合わせ、思い出話をし、にぎやかに送りました」
ケアマネジャーの横田昌志さんは2月、75歳の男性を男性の自宅で送った。認知症の1人暮らしで、食道がんの末期。「在宅は困難」とされる典型例だ。横田さん自身、引き受けたときは施設を考えたし、遠隔地に住む親族も施設を希望した。
しかし、男性は点滴を引き抜いて病院を「脱走」する自由人。コンビニエンスストアに出掛けるのが日々の楽しみで、家での穏やかな表情は施設暮らしを望むようには見えなかった。
国立市で在宅医療に携わる新田クリニックの新田國夫医師(写真右上)から「自宅で最期まで一緒に支えていきましょう」と言われたこともあり、横田さんは親族の了解を取って、男性の在宅を支える腹を決めた。
認知症の人の1人暮らしには近所から苦情が出がちだ。横田さんは男性の写真を持って、ご近所、行きつけのコンビニ、交番や所轄の警察などを回った。「台所は電磁調理器です。ガスの元栓は閉まっているし、ヘルパーも医療スタッフも入ります」「怖い人じゃありません」「困っていたら助けてあげてください」。何かあれば、いつでも電話してほしいと、自身の携帯電話の番号も伝えた。
男性は亡くなる間際まで歩けた。徘徊(はいかい)なのか散歩なのか、夜中に迷子になって警察官が家まで送ってくれたり、コンビニで店員が「お金がないから今日は買えないね」などと声を掛けてくれたこともあったようだ。
生活の支えは訪問介護とデイサービス。亡くなる前は自費で深夜・早朝にヘルパーも入った。訪問診療にあたった新田医師は介護職に病状の見通しを示した。食べられなくなっても病状のせいだと分かれば、介護職はあわてずに済む。男性は結局、最後まで自宅で暮らし、ヘルパーが早朝、ベッドで亡くなっているのを見つけた。
独居の認知症の人の在宅看取(みと)りについて、横田さんは「怖がるのは、本人よりも周囲です」と指摘する。近隣住民は失火を恐れる。医療職も介護職も「施設が安心」と思いがちだ。しかし、横田さんは「施設がにぎやかでいいと考えがちだが、高齢者で『施設に入りたい』人はいない。かかりつけ医から『在宅なんて無理だから』と言われると、僕らも近隣住民に言われるのに比べて100倍くらいつらいが、新田先生は『できる』『支援する』と言い、介護の相談にまで乗ってくれた」と信頼を寄せる。
男性は最後に自費のサービスを使ったが、介護保険の定期巡回・随時対応型訪問サービスが市内にできれば、可能性も広がりそうだ。横田さんは「独居の認知症の人を家で看取ることはまだ特殊例だけれど、当たり前になればサービスも整っていく。これをスタンダードにしていきたい」と話している。

住み慣れた場所で地域が緩やかな見守り
認知症の人の増加は確実視されている。施設を増やす余裕はなく、住み慣れた場所での暮らしが最適とされる中、独居の人をどう支えるかは全国共通の課題だ。
□オランダ式
国立市(人口7万5000人)は今年、総合相談を行う「地域包括支援センター」に認知症の人の家庭訪問を行う「認知症対応チーム」を発足させた。メンバーは保健師と社会福祉士と新田医師。本人と家族を継続して支える「オランダ方式」を意識した。
新田医師は「認知症で大切なのは、治療というよりも生活障害にどう対応するか。チームが訪問して本人と家族を支え、ケアマネジャーと一緒に対応方法を考える。本人・家族・ケアマネジャーを支えることで、『もうダメだから施設』となるのを防ぐ意味もある」と言う。
地域包括支援センターと同チームで独居の人に家庭訪問も行う予定。75歳以上で介護認定を受け、戸外で支障の生じる人(日常生活自立度IIa以上)は同市に245人。二世代住宅に住む人などを除く約100人超が当面の対象になりそうだ。
□地域づくり
地域にいる認知症の人を継続してフォローすることで状態変化をつかむのが狙い。独居の人が地域から排除されないようにボランタリーサービスを入れたり、地域に見守りのネットワーク作りも働きかける。認知症の人の生活は、介護保険などの公的サービスだけでは支えきれない。コミュニティーづくりが不可欠だからだ。そのために同市はセンターを強化、人員も増やした。
こうした働きかけができる背景には、同市が平成23年から「わがまちくにたち認知症アクションミーティング」を行ってきたことがある。専門職や住民90人が参加。勉強会や発表会を繰り返し、町づくりを話し合ってきた。新田医師は「枠組みはできたばかりで、まだまだこれから。しかし、緩やかな見守り、生活を支えるチーム、医療が少しあれば、認知症の1人暮らしはできる」と話している。
本人・家族を継続支援 安心の町づくり期待
オランダの認知症ケアに詳しい労働政策研究・研修機構の堀田聰子研究員(写真右下)の話「オランダでは一般に、家族単位で登録する家庭医が、生まれてから死ぬまでの医療上の伴走者となる。認知症の場合は、さらに認知症ケースマネジャーが、兆候が現れてから最期まで本人と家族に寄り添い、多職種による自宅での診断に基づき、両者への社会生活支援・介護・医療を提供する。本人へのケアと家族支援を組み合わせたサービスや、地域での多様な居場所づくりも進む。国立市は認知症を手掛かりに、町づくりに地道に取り組んできた。地域包括支援センターを強化し、認知症に精通する多職種チームを作り、本人・家族の継続的な支援と専門職の後方支援をすることは、専門職のケアの質の向上だけでなく、誰もが安心して暮らせる町づくりにもつながるものと期待できる」
産経ニュース 2013年6月13日 原文のまま

★「認知症発見、歯科医が一役 患者の変化をチェック」(6月13日/静岡新聞)
高齢者の認知症や虐待の早期発見に向け、県歯科医師会と県社会福祉士会が連携する新たな取り組みが始まった。長期にわたって1人を診ることが多い歯科医師は、患者の変化に気付きやすい潜在的な“発見機能”があるという。そこに着目し、歯科医院のスタッフが専用の「連携チェックシート」に記入し、近くの地域包括支援センターの社会福祉士らに相談する。
チェックシートは「予約日なのに来院しない」「適切な口腔(こうくう)ケアができていない」「表情が乏しく、険しくなった」など16項目。裏面には項目ごとに予測されるリスクが表記されている。歯科医師や受付スタッフ、歯科衛生士が患者の様子を確認し、該当すれば記入する。5月下旬から1年間、県歯会に所属している一部の医院で運用していく。
取り組みは、2010年に静岡市清水区で開かれた地域包括ケアシステムの充実を目指す「医療・介護・福祉の連携会議」がきっかけ。両会はこれまでシンポジウムや研修などを重ね、地域の医療福祉の向上に向けた連携の在り方を模索してきた。歯科医に福祉の視点を持って診察してもらおうと、県中部の合同勉強会のメンバーがチェックシートを考案した。
県歯科医師会地域保健部の井川利幸理事は「チェックシートによって歯科医が地域包括ケアシステムの構成員としての自覚を持ち、問題意識を持って患者を診察するようになる」と効果を話す。チェックシート作成に当たった県社会福祉士会地域包括ケア推進委員会の安藤千晶理事は「福祉職だけでは見落としてしまう高齢者の問題を、歯科医と協力することですくい上げることができる」と期待を寄せる。
地域包括支援センター 医療、介護、福祉、生活支援などに関するさまざまな機関が連携して、高齢者が自分らしく暮らせる地域を目指す国の「地域包括ケアシステム」の中核機関。社会福祉士や保健師、主任ケアマネジャーが常駐し、要介護者の実態把握やケアプランの策定のほか、総合的・継続的な支援に向けた関係機関の調整を担う。中学校区単位で設置され、県長寿政策課によると、県内には今年4月現在、137カ所ある。
@Sアットエス 2013年6月13日 原文のまま
編者:プライバシーに関わることで、善意であってもこの方法を認めてよいのか疑問だ。


「<認知症の人と家族の会>負担引上げ・給付抑制に強く抵抗―総会アピール全文―」(6月7日/ケアマネジメントオンライン)
公益社団法人認知症の人と家族の会は、6月1日、京都で総会を開催し、現在、社会保障制度改革国民会議や社会保障審議会等で審議されている次期改正、報酬改定についての意見をまとめ、公表した。
社会保障審議会介護保険部会および社会保障審議会介護給付費分科会では、同会から委員が選任されており、数少ない利用者代表として、常に「制度を利用する側の意見」を国に提案してきた。
しかし、学識経験者や職能団体の狭間で、同団体の意見が重要視されることは少なく、結果として年々、使いにくくなる制度に対して、「認知症になっても、住み慣れた地域で安心して暮らしたい。ただそれだけのことが、なぜこんなに困難なのか」と、常に疑念を呈してきた。
今回のアピールは、つい先ごろ新聞等でも話題になった、軽度者外しの問題から利用料の高騰など、予測される事態に対する声として、厚労省や議員にもアピールしている。
以下、その全文を掲載する。

増税の一方で負担引き上げ・給付抑制は道理にも合わない 予算の使い道に知恵を絞ろう・2013総会アピール

本日、私たちは、北海道から沖縄県まですべての都道府県から266名の会員が参加して総会を開催しました。
今年は結成33周年。認知症に対する医療面、福祉面とも対策が皆無であった時代から、国や自治体での施策が進み、認知症に対する社会の理解も前進してきた歴史でした。家族だけでは介護はできない、社会的に支えるべきという私たちの主張は、介護保険制度の創設で一気に実現に近づいたと思えました。「痴呆」から「認知症」への言い替えは、本人の発言とも相まって認知症への関心と理解を飛躍的に進めました。
私たちは、この流れを「認知症新時代」と表現して歓迎し、「『ぼけ』ても安心して暮らせる社会」の一日も早い到来を期待しました。
しかし、介護保険が国民の暮らしを支える制度としての効果をあげ利用者が増えるに従い、財源面の理由から負担増とサービス(給付)抑制を図る動きが始まりました。その動きは数年をかけて徐々に大きくなり、そして今、社会保障制度改革国民会議などではまるで他に道はないかのような議論が進められています。
「家族の会」は、「提言」と「要望書」で提案と要望を行い、アピール「介護保険が危ない」などで警鐘を鳴らしてきました。私たちが今、もっとも危惧している動きは
(1)要支援と要介護度の低い人たちを介護保険から外す動き
(2)その人たちが利用できるサービスを抑制する動き
(3)その人たちの利用料を引き上げる動き
です。どれが実施されても、初期・軽度の人たちがサービスを使えなく(使いにくく)なります。これでは認知症への対応としては正しくありません。「オレンジプラン」の初期対応重視の方向性とも矛盾します。認知症高齢者462万人、軽度認知障害400万人と言われる状況からも、初期・軽度の人たちへの施策は欠かせません。初期・軽度の人へのケアの充実こそが進行を防ぎ、ひいては費用の節約にもつながるのです。また、消費税を増税する一方で負担引上げとサービス抑制をすることは道理にも合わないことです。
初期・軽度の問題以外にもケアプラン有料化などの議論も行われています。中等度・重度の人にとっても使いにくさが増します。介護保険はわが国の社会保障の一環でなければなりません。世界の中でも決して貧しくはない日本で、予算の使い道に知恵を絞れば、増税でもなくサービスの抑制でもない道はあるのではないでしょうか。「家族の会」はそう主張します。
認知症の本人と家族のみならず、認知症に関わる事業者、そこで働く人たち、研究者、行政関係者、ボランティアのみなさんが、せっかく介護の社会化をすすめてきた介護保険を後戻りさせないために、そしてオレンジプランが実現するように、私たち「家族の会」と一緒に知恵を出し声をあげてくださるように心から訴えます。
以上

CARE MANAGEMENT ONLINE 2013年6月7日 原文のまま



「認知症患者の服薬管理が困難な行動「薬の飲み忘れ」「薬の飲みすぎ」が約80%!-認知症患者の服薬管理についての実態調査-」(6月4日/SMS)
株式会社エス・エム・エス(本社所在地:東京都港区、代表取締役社長:諸藤周平、東証一部上場)が運営するケアマネジャー向けコミュニティサービス「ケアマネドットコム」(http://www.care-mane.com/ ) は、同サイトの会員(ケアマネジャー資格保有者)を対象に、アルツハイマー型認知症(以下、認知症)患者の介護をしているご家族などから聞いた服薬管理についての実態調査を実施しました。
その結果、全体の80%が認知症患者の服薬管理が困難な行動は「飲み忘れ」「飲みすぎ」であるとし、全体の64%がご家族からは「家族が働きに出ているため、1日複数回の服薬管理が大変である」という相談が多いという結果となりました。
○認知症患者の服薬管理が困難な行動 TOP3は「薬の飲み忘れ」「薬の服用を拒否する」「薬の飲みすぎ」
ケアマネジャーがご家族などから聞く認知症患者の服薬管理が困難な行動として「薬の飲み忘れ」が72%、続いて「薬の服用を拒否する」が13%、「薬の飲みすぎ」が9%でした。
認知症患者にとって、患者自身で薬を管理することは難しいという実態がうかがえます。
○ケアマネジャーが服薬管理についてご家族から相談されること
家族が働きに出ているため、1日複数回の服薬管理が大変である」が64%!
服薬管理についてご家族から相談されることとして「家族が働きに出ているため、1日複数回の服薬管理が大変である」が64%と最も多い結果となりました。
働きに出ているご家族にとって、1日複数回の服薬管理は非常に困難であることがうかがえます。
○ケアマネジャーは医師とご家族のかけ橋 ご家族のニーズに則した情報提供・支援が求められている
今回の結果について認知症専門医であり、医療法人社団翠会 和光病院院長兼日本社会事業大学大学院特任教授の今井幸充先生(写真)のご意見によると、認知症患者の薬の飲み忘れや服薬拒否などは、ご家族に介護負担を感じさせてしまう大きな要因になっているといいます。そして、薬の内容、効果、副作用、服薬の手間に関するさまざまな悩みをケアマネジャーに相談し、支援を求めることが多いようです。
同氏は、独居の方やご家族が働きに出ているご家庭では、認知症の治療薬として1日1回でよいもの(飲み薬、パッチ剤)を使用することをすすめています。また、吐き気や興奮などの副作用は経口剤で出現しやすく、パッチ剤に切り替えることで軽減する場合もあるとのことです。
ケアマネジャーにはこのような情報を必要に応じてご家族に提供し、主治医との架け橋となることが期待されています。
【調査実施概要】
・調査対象 :ケアマネドットコム会員(ケアマネジャー資格保有者のみ)
・調査期間 :2013年3月14日~20日
・有効回答数 :300人
・調査方法 :「ケアマネドットコム」サイト内でのインターネットによるアンケート調査
【ケアマネドットコムについて】
「ケアマネドットコム」は、ケアマネジャーに特化した国内最大級のコミュニティサイトです。ケアマネジャーに役立つ介護ニュースやセミナー情報や、ブログや掲示板等の意見交換の場を提供することによって、ケアマネジャーの働く環境を整える支援をしています。(2013年5月末時点の会員数は5.6万人)
【本件に関する問い合わせ先】
株式会社エス・エム・エス 介護ユーザ事業部
住所   :東京都港区芝公園2-11-1 住友不動産芝公園タワー
電話番号 :03-6721-2431(ケアマネドットコム担当) 
e-mail  :info@care-mane.com 
URL :http://www.care-mane.com/
以上
PR TIMES 2013年6月4日 原文のまま

「新倉敷駅近くにデイサービス施設-「不親切な親切」スローガンに」(6月3日/倉敷経済新聞)
新倉敷駅近くに6月1日、デイサービス施設「創心會 玉島地域リハビリケアセンター」(倉敷市新倉敷駅前、TEL 086-523-0033)がオープンした。
施設内にはピアノも
リハビリ特化型デイサービス「創心会リハビリ倶楽部玉島」(定員35人)と、認知症対応型デイサービス「創心会五感リハビリ倶楽部玉島」(定員12人)の2施設を擁する同施設。面積は300平方メートル。送迎サービスの対象エリアは、新倉敷駅周辺と、里庄を除く浅口市。
「創心会リハビリ倶楽部玉島」は、介護保険認定者を対象に、「ビジョン」(反射神経)、「脳」(判断力、記憶力、注意力)、「筋力」を3本柱としてトレーニングを行い、認知症や身体機能低下の予防を図る。
「『不親切な親切』がスローガン。例えば、スタッフがお茶を出してあげるのではなく、自分で入れてもらう。できることをやらない、やらないからできなくなる、という連鎖を防ぐ。『できることを知る』のがリハビリケア」と同社の田中真充さん。「利用者の家族も、できることが分かるので、介護負担の軽減を図れる」とも。
サービス提供時間は9時30分~16時40分。利用料は、要支援1=1カ月あたり2,324円~、要介護1=1日あたり1,359円~など。
倉敷経済新聞 2013年6月3日 原文のまま

「記者の目:認知症高齢者の施設受け入れ=中西啓介」(5月14日/毎日新聞)
1月から3カ月間、神奈川県三浦市の介護老人保健施設(老健)「なのはな苑」に密着し、認知症で行き場を失った人たちを連載企画「老いてさまよう ある老健より」(4月掲載)で取り上げた。取材で目の当たりにしたのは、十分な介護技術がないために多くの施設が認知症の人の受け入れを拒否している現実だ。認知症の高齢者はこれからも増加する一途とみられ、受け入れ先を求めてさまよう人を出さないためには優れた介護技術の普及が急務だ。
◇自立支援の介護技術が要
なのはな苑に泊まり込んだ2月5日午前4時ごろ、ソファで寝ていると突然、花瓶の水をひっくり返したような音が枕元で響いた。施設利用者の女性が記者のすぐそばの廊下で放尿していた。
認知症は物を忘れるだけの病気ではない。進行すると、尿意などの知覚や飲み込み動作など生きるために必要な機能が失われることもある。ここでは失禁は日常的な光景だが、もしこれが深夜の家庭で起こるとなると、家族は冷静ではいられないだろう。
「介護のため寝かせてもらえない極限状態を経験する。首を絞めようと思ったことがない家族はいないと思う」。同県横須賀市で認知症の妻を介護する男性(65)は、そう本音を打ち明けた。はた目には仲の良い夫婦だが、介護する家族の思いは複雑だ。
◇症状進むほど、なくなる行き場
短い期間でも受け入れる施設があれば家族は緊張を一時的に解くことができる。だが、実際は施設探しに多大な苦労を強いられる。若年性認知症となり昨年12月に68歳で急逝した妻「ハーちゃん」の夫(75)は、長年の介護から「刻々最善」という言葉を考え出した。施設からいつ介護を打ち切られるか分からない妻のため、常に数カ月先の施設探しに最善を尽くさなくてはならないとの意味だという。
言葉による意思疎通が難しい妻は、ショートステイ先の特別養護老人ホーム(特養)などで、介護担当の職員をたたくこともあった。「何で怒り出すのか分からなかった」(職員)ため、夫は抵抗を感じつつ、妻に向精神薬を飲ませざるを得なかった。
少しでも病の進行を遅らせようと「脳トレーニングドリル」に励む妻の姿を、今も夫は忘れない。少しずつ、しかし確実に失われる妻の記憶。「私はバカになっちゃったの?」と涙を流すいとおしい妻は、次々と行き場を失って6カ所の施設をさまようことになり、夫は怒りを覚えた。
◇「強制せず理解」新手法で実践
だが、介護を拒否される原因となった妻の暴力は、なのはな苑に来ると消え、和やかで明るい女性に戻った。他の施設の介護とどのような違いがあるのか。寝泊まりしながら取材を続ける中で、気付いたことがある。施設利用者が24時間自由にフロア内を歩くことができ、他の利用者の部屋に入ってもとがめられることがないのだ。
「行動を制限したり、嫌がることはしない。この基本を実践しているのです」と同苑の松浦美知代看護部長は説明する。施設が果たすべき役割は、認知症の人たちが自分で食事や排せつができ、自立した生活を続けるためにサポートすることだという。
ここではトイレの場所が分からなくなったという理由だけで、おしめを着けることはない。食事の時間は決まっているが、食べたくない人には無理強いをせずに待つ。職員は利用者の発言や行動を詳細に記録し、うまく言葉で伝えられない要求を理解するように努めるなど最新の介護手法も積極的に取り入れている。
松浦部長は「認知症介護のスキルアップは現状では施設の自主努力に依存しており、介護技術に大きな差がある。国レベルで本当に優れた技術を確立し、全国に広めるべきだ」と訴える。同感だ。多額の予算がかからず即効性のある認知症対策だし、在宅介護の助けにもなるだろう。
「妻には悪いと思いながら、毎月2泊3日のショートステイの時だけが、ゆっくり眠れます」とある男性(61)は胸の内を語った。男性も特養から突然妻の介護を拒絶され、途方に暮れたことがある。疲弊した家族にとって、数日でも安心して入所させられる施設が住み慣れた地域に確保されることは切実な願いだ。
認知症の人たちと話を重ねるとユニークな経験や経歴に驚かされることが多かった。4月8日に死去した英国のマーガレット・サッチャー元首相も10年以上の闘病生活を送った。認知症は地位や経歴にかかわらず、誰もが当事者になり得る。本人が行き場を失ったり、家族が心をすり減らしたりしないための支えが必要だ。(特別報道グループ)
毎日jp 2013年05月14日 原文のまま
サイト内関連記事:「老いてさまよう:ある老健より」(4月3日~6日/毎日新聞)

「臨床美術で認知症予防 イメージ膨らませ絵描く 金沢市のデイサービス導入」(富山新聞/5月13日)
絵を描くことで認知症の予防や改善につながる「臨床美術」が、石川県内の福祉施設で 成果を上げている。題材を模写せずに複数で語らいながらイメージを膨らませて作品を制 作する手法で、臨床美術士が指導。初の作品展を開いている金沢市のデイサービスセンタ ー東山苑(えん)では、参加者の表情が生き生きするようになり、「認知症予防だけでな く、利用者の生きがいづくりとしても役立てたい」としている。
臨床美術は五感を使った創作活動を通じ認知症を改善したり、子どもの感性を育む美術 の分野。国内では1996年に実践研究が始まった。NPO法人日本臨床美術協会が認定 する講座を受け、合格した臨床美術士が指導する。
同協会によると、全国の病院、高齢者福祉施設など約100カ所で導入されているほか 、高岡市や長野県諏訪市などで介護予防に向けた市民講座などに取り入れられている。社 員のメンタルヘルス対策としても注目を集めているという。
「好きな色で風や雲を想像して波を描いて」。デイサービスセンター東山苑では臨床美 術士で職員の二木春代さん(58)が2時間の講座中、利用者に絶えず声を掛け、形にこ だわらず感じたままに描いてもらう。完成後は参加者と二木さんで講評し、「すてき」「 いい色やね」と互いを認め合い、充足感を高める。
東山苑は2011年秋から臨床美術の講座を開始。当初は月1回だったが、希望者が増 え続けたため、昨秋から月3回に増やした。志賀浦実施設長は「臨床美術を取り入れてか ら利用者の目の輝きが増した。今後も続けたい」と話す。
13日からは金沢市の北國銀行城北支店で初の作品展(北國新聞社後援)を開いており 、利用者の作品約20点のほか、臨床美術を解説したパネルを24日まで展示する。二木 さんは「県内では臨床美術の認知度がまだ低い。展示を通じて多くの人に知ってほしい」 と話した。
富山新聞 2013年5月13日 原文のまま

「「介護で離職」男性13%が経験 女性は27% 親と同居の中高年調査」(5月12日/産経新聞)
介護が必要な親と同居する中高年のうち、離職の経験がある人は男性で13・4%、女性では27・6%にのぼることが12日、公益財団法人家計経済研究所の調査で分かった。
40~64歳の男女470人を対象に平成23年9~11月、インターネット調査会社を通じて実施。親の平均年齢は82・7歳だった。
介護の影響で「自由な時間が減った」と答えた人が離職経験者は86・5%、「(子供など)他の家族に手が回らなくなった」とした人は59・4%。在宅介護に掛かる自己負担額も尋ねたところ、1割負担の介護サービス利用料におむつ代などを加えた平均額は月約6万9千円だった。
同研究所は「総費用の6~7割を介護保険でカバーしているものの、介護が家計を圧迫している。働きながら介護する人への支援が必要」と話している。
産経ニュース 2013年5月12日 原文のまま
関連資料:家計経済研究所「在宅介護のお金とくらしについての調査の結果概要」

「24時間介護、実施は7% 導入初年度、厚労省調査」(5月9日/中国新聞)
要介護の高齢者の在宅生活を支援するため、昨年4月から始まった介護保険の「24時間地域巡回型サービス」を利用できる地域が、今年3月末時点で、運営主体の市町村や広域連合の7・6%にあたる120自治体にとどまっていることが8日、厚生労働省の調査で分かった。
24時間サービスは、住み慣れた地域で暮らし続けられるような環境を整備して、病院などの施設から在宅への移行を促す介護政策の柱の一つ。しかし、夜間対応する職員の確保や採算への懸念を抱く介護事業者の参入が進まず、厚労省の見通し通りに普及していない実態が明らかになった。
青森、秋田、宮城、栃木、群馬、長野、島根、徳島、高知、宮崎の10県は実施している自治体がなかった。
ただ、昨年末時点と比べると、茨城、山口、香川、福岡、沖縄各県の自治体で新たにサービスが始まるなどしたため、実施自治体は37増加した。
厚労省によると、全国で介護保険を運営しているのは1580の市町村や広域連合。12年度はうち189自治体で実施されると見込んでいたが、これと比べても6割にとどまった。1日当たりの利用者も想定の6千人を下回る2083人だった。
中国新聞 2013年5月9日 原文のまま

★「41%の施設で違反是正せず 認知症グループホーム」(4月27日/日本経済新聞)
国土交通省は26日、全国の認知症グループホーム約1万2千カ所を3月下旬時点で調べたところ、非常用照明の不備など建築基準法令の違反が指摘された1778施設の41%で是正が済んでいなかったと発表した。
今回の調査は、2月に5人が死亡した長崎市のグループホーム火災を受けて実施。昨年9月末時点の同様の調査では1551施設に違反があり、43%が是正していなかった。
国交省は2010年の札幌市での認知症グループホーム火災を契機に、施設の防火設備の改善状況を調査している。同省の担当者は「迅速な避難が難しい認知症の高齢者が暮らす施設で4割も未是正なのは問題だ。自治体は事業者に改善を強く求めてほしい」と話している。
日本経済新聞Web版 2013年4月27日 原文のまま
関連情報:「高齢者、障害者等の災害時・緊急時の避難におけるバリアフリー化方策について-災害時・緊急時に対応した避難経路等のバリアフリー化と情報提供のあり方に関する調査研究報告書のとりまとめ-」(国土交通省 平成25年4月26日)

「資生堂、「ライフクオリティー事業」を開始~2015年度中に3000施設での展開めざす」(4月19日/週刊粧業)
資生堂は、2011年4月に事業化し、首都圏の1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)に導入した「高齢者美容サービス(化粧療法プログラム)」と、事業所が中心となって推進している「美容セミナー」の活動を統合・再編し、2013年7月から順次全国エリアで、新たに「ライフクオリティー事業(セミナー名称=資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー)」として展開していく。
同事業では、高齢者施設の要望に応じてビューティーセラピスト(BT、要介護者や認知症患者などへの対応の専門教育を受けた担当者)が、プログラムを実施することで高齢者のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を向上させる有償の美容サービスを行っていく。
2011年4月から首都圏で事業化した「高齢者美容サービス」は、高齢者が継続的に化粧をすることによって、表情が明るくなるだけでなく、「認知症の周辺症状が緩和される」「要介護者のADL(日常生活動作)が向上する」といった効果が期待でき、高齢者のQOLの向上に役立つことがわかってきた。同サービスは、2012年12月末時点で、1都3県の約120施設で展開している。
こうした中、近年、高齢者施設や学校などから各種セミナーの開催依頼が増加しており、これまで実施してきた様々なセミナーを統合・再編し、「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー」として体系化する。
「ライフクオリティー事業」では、「高齢者美容サービス」と「美容セミナー」のプログラムを、参加対象者やセミナーの開催目的等を判断基準に統合・再編し、「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー」として、参加する対象者や目的により「教室」と「講座」に分けて展開する。
2013年4月以降順次、全国の6支社に「資生堂ライフクオリティー ビューティーセミナー」を統括する専門部署(SLQ推進部)を設置し、本社で専門教育を受けたBTを中心に配属。BTは、担当エリアの支社・営業本部のBCと連携し、各種セミナーを推進する。2015年度中に、高齢者施設、学校などを含めて約3000施設での展開を目標に同事業を積極的に推進していく。
週刊粧業WEB版 2013年4月19日 原文のまま
編者:資生堂の介護産業への参入。

「高齢者介護6割「負担」北九州市認知症実態調査」(4月18日/西日本新聞)
北九州市が昨秋に実施した認知症の実態調査によると、認知症患者を含めた要介護認定の在宅高齢者を介護する家族の59・5パーセントが、介護に「負担を感じている」と回答した。2008年度の前回調査から4・4ポイント上昇しており、市高齢者支援課は「家族の支えは重要。可能な限り負担感を取り除きたい」としている。
調査は昨年9~10月、市内在住の要介護認定を受けている在宅高齢者1079人と、介護する家族738人から回答を得た。
高齢者の介護については、家族のうち「かなり負担」が20・3%、「やや負担」が39・2%。合計59・5%が負担を感じており、前回調査の55・1%を上回った。「それほど負担ではない」は24・8%、「負担ではない」7・5%、無回答8・3%だった。認知症の症状が進むほど、家族が重い負担を感じる傾向にあるという。
市は高齢者を介護する家族の精神的な負担を減らそうと、06年から、個別の悩みに応じる相談会を開催。本年度は月3回開く。また、09年には、認知症に関する電話相談窓口「認知症コールセンター」を開設。年間約500件の問い合わせがあるという。
ただ、家族のうち、コールセンターを「よく知っている」「ある程度知っている」と答えたのは1割程度で、「知らない」という答えが62・6%にも上った。さらに、自由記入欄では、老老介護への不安に加え「介護の悩みを相談する場が身近にあればいいと思う」といった意見が出た。同課は「小さな悩みも相談することで、精神的な負担は和らぐ。コールセンター、相談会の利用を引き続き呼びかけたい」としている。
高齢者のうち、認知症(疑い含む)と答えた人は24・3%。その介護をする家族240人に、行方不明になった経験を尋ねたところ、「1~2回ある」が16・7%、「3回以上ある」が4・2%、「ない」は71・3%だった。
65歳未満の若年性認知症の人と、介護する家族にも調査を実施。「認知症の程度が分かっていない他人との人付き合いが難しい」「親の貯金で生活費を賄っているので、今後が不安」といった意見が寄せられた。
西日本新聞 2013/04/18 原文のまま
編者:調査結果で気になることは介護者でもコールセンターを知る人が1割ととても少ないことだ。相談、制度利用のアクセスとして重要な電話媒体が利用されやすい工夫が必要だ。

「【千葉】利用者増える「お泊まりデイ」 県、指針作り急ぐ」(4月13日/東京新聞)
県は、高齢者が日帰りで利用するデイサービス施設で宿泊を受け入れる「お泊まりデイ」に関し、ガイドラインの策定を進めている。お泊まりデイはまだ介護保険の対象になっておらず、規制する基準もない。ガイドライン案を検討する県の研究会では、連続の宿泊を上限三十日とすることや、定員を十人以下とする方向性が示されている。県は研究会の議論を踏まえ、九月までにガイドラインをまとめる方針だ。(小川直人)
介護保険制度上のショートステイ(短期入所)施設の不足を背景に、お泊まりデイの利用は増えている。県の一昨年九月の調査でも、県内に千二百二あるデイサービス事業所のうち、百二十一事業所が宿泊サービスを実施していた。利用者の連続の宿泊日数は、三十日未満が八割を占めたが、最長で四年の利用もあった。
規制する基準はないが、利用が進む実態を受け、東京都と大阪府はお泊まりデイの独自の基準を設けている。県も安全性確保などのため、基準が必要と判断した。
研究会は、事業者団体や県、市町村で組織する。これまでの議論では、宿泊サービスの原則として、連続日数は上限三十日とし、要介護認定の有効期間(通常一年間)のおおむね半数を超えないことで意見が一致。四日以上の連続宿泊は、宿泊サービス計画を作成することとしている。
さらに、宿泊サービスの定員は、施設の本来の利用定員の二分の一以下で、かつ十人以下とする。従業員は介護・看護職員を常時一人以上確保する。プライバシー保護の観点から、個室以外の場合はカーテンで遮蔽(しゃへい)することや、男女同室の宿泊を避けることも、ガイドラインに盛り込むよう提案している。
五月の第四回会合で、サービス提供記録の作成や運営規定について議論する。ガイドライン案を六月ごろにまとめ、県民から意見を募集する予定だ。
◇介護保険適用へ課題検証
「お泊まりデイ」をめぐっては、厚生労働省で介護保険制度の対象と位置付けるかどうか検討が続いている。
二〇一二年度は、東京都北区など全国の七自治体が試行対象となり、厚労省から運営補助を受けた。一三年度も試行する自治体を選んで、運用面の課題などを検証。次の介護保険見直し時期となる一五年度からの導入の是非を議論する。
お泊まりデイは、自宅で介護する家族の一時的な負担を軽くする観点から、利用の要望が増えている。ただ、デイサービス施設は本来、日帰りの通所施設のため、宿泊を受け入れた場合の施設の安全面やスタッフなどへの不安が残る。このため一二年度の介護保険見直しでは、時期尚早として、介護保険の適用を見送られている。
Tokyo Web  2013年4月13日 原文のまま
編者:現存する「お泊りデイ」は介護保険制度に取り込み、規制すべきだろう。とはいえ新たに制度外の「お泊りデイ(変な日本語)」が生まれるだろう。需要があれば供給があるのだ。

「原発避難区域 介護給付費が大幅増加」(4月11日/NHK)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で避難区域に指定されている福島県の自治体では、介護保険の昨年度の給付費は震災前に比べて平均で30%以上増加する見通しであることが、NHKのまとめで分かりました。
NHKは避難区域がある福島県内の11の自治体に、介護が必要な高齢者と介護費の推移を聞きました。
それによりますと介護が必要な高齢者は震災前の平成22年12月には全体で8544人だったのに対し、去年12月には1万752人と2200人余り、率にして26%増えました。
増加の割合は同じ時期の全国平均の2倍を超え、避難生活の長期化に伴って身体機能が低下する高齢者が増えたものとみられています。
また、介護保険の給付費の総額は平成22年度の125億円から昨年度は151億円まで26億円増加し、自治体ごとの平均でおよそ33%、大幅に増える見通しであることが分かりました。
市町村別でみると、浪江町では介護が必要な高齢者が389人増えて、介護給付費が33%増加したほか、189人増えた大熊町では36%、126人増えた双葉町では49%、それぞれ介護給付費が増えました。
原発事故の避難区域では、高齢者が支払う費用は現在は国からの特例補助金などでまかなわれていますが、国や市町村の負担は増えていて、元の町に戻る見通しが立たない自治体では今後も介護が必要な高齢者と財政負担が増え続けることが懸念されています。
「要介護」女性は
大熊町からおよそ100キロ離れた会津若松市の仮設住宅で避難生活をおくる末永ミツ子さん(80)は、震災前は毎朝、自転車で5分ほどの自分の畑で行う農作業を日課にしてきました。
時には自宅からおよそ7キロ離れた隣町の桜の名所に自転車で向かうこともありました。
しかし震災後、近くの仮設住宅に住む息子や孫以外に知り合いはおらず、慣れない土地のため外出することもほとんどなくなりました。
畑もなく、生きがいだった農業もできません。
家が狭いため掃除などの家事をする必要もなくなり、一日中、部屋の中で横になっているような生活が続いています。
こうした生活を続けている末永さんは、避難生活を始めてから次第に足腰が弱りはじめ、最近は少し歩いただけでひざや腰が痛くなり、部屋に戻ってしまうことも多いといいます。
今では外出するのに手押し車やつえが欠かせなくなりました。
震災から半年後に「要支援1」の認定を受け、先月には介護度が2段階進んだ「要介護1」になりました。
末永さんは現在、週に3回、デイサービスの施設に通っています。
末永さんは「朝起きてもやることがなくテレビを見てご飯を食べて寝てといった生活で、体力も落ちるし何も考えることがないから頭も衰えて物忘れもするようになりました。大熊町にいたころはまだまだ5年は畑仕事は大丈夫だなって思っていましたが、今の生活は楽しみも生きがいもありません」と話しています。
大熊町の実情は
全域が避難区域に指定され、今もすべての住民が全国各地の仮設住宅や借り上げ住宅などに避難している福島県大熊町では、介護が必要な高齢者が震災前に比べて55%増加しました。
特に震災前は要支援と要介護1の高齢者は合わせて121人でしたが272人と2倍以上に増え、これまで介護サービスを受けていなかった高齢者が新たにサービスを受け始めたケースが目立っています。
介護が必要な高齢者が増えた理由について大熊町健康介護課の猪狩良一課長は、「多くの高齢者が避難生活によって農作業や孫の世話などの日課が奪われ、友人もいない土地で狭い仮設住宅に閉じこもりがちになりどんどん体力が落ちていくケースが多い。このまま増加すれば介護施設が足りなくなるおそれもある」と話しています。
大熊町では今月から避難者が多い会津若松市やいわき市の仮設住宅などを巡回し、高齢者の体力低下を防ぐため体を動かしてもらう新たな教室を開き、介護予防に力を入れていくことにしています。
NHKニュース 2013年4月11日 原文のまま

「介護保険外サービスの利用者100人超に NPO法人ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会」(4月6日/介護ニュース)
創業1年で利用者100人超
NPO法人ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会」は、4月1日より大阪市・堺市・松原市・吹田市などでサービス提供時の利用者の様子や入・通院時における医師の診断内容・指示などを家族やケアマネジャーに共有するサービスを無料で開始致した。同会は、介護保険外サービスを通じて超高齢化社会のさまざま問題に取り組んでいる。
現在、50を超える地域包括支援センターや介護事業所、サービス付き高齢者住宅などと連携し、100人超の利用者がある。
利用者の希望の有無にかかわらず、利用者の様子に加え入通院時における医師の診断内容・指示などを画像なども使って関係者に細やかに共有し、利用者や家族の要望を医師に伝えるサービスも含んでいる。同サービスは、同会サービスの利用者に対して、一律無料で提供される。
「NPO法人ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会」のサービス内容
同会の主なサービスは、
・通院のサポート:準備や往復の付き添い、院内介助、受付・精算・薬受取代行等
・家事全般のサポート:買物・公共料金支払代行、本人・家族の調理、窓ふきや庭掃除まで含めた清掃等
・外出のサポート:付き添いはもちろん、バリアフリー情報の調査や外出の計画策定、荷物持ちやお墓清掃等
・入退院時のサポート:準備・送迎、夜間付添、各種手続代行、買物・公共料金支払代行、ご自宅から荷物のお届け等
同会では、共に上記サービスを提供の参加できるメンバーを大阪府下全域で募集している。
面接のうえ同会専門スタッフによる無料研修プログラムの受講が条件となる。年齢不問、資格も不要なので、未就業の方はもちろん、仕事を抱えながら福祉にも携わりたいと考えている人、元気な高齢者にも是非応募してほしいとのことだ。
問い合わせは、NPO法人ひとり暮らし高齢者の笑顔をつくる会まで。TEL/FAX:06-6585-7131。e-mail/nozaki@npo1182.com 理事長 野崎ジョン全也(のざきじょんまさや)。
介護ニュース 2013年4月6日 原文のまま

「倉敷の特養待機3540人 定員2倍超、05年度以降最多」(4月5日/山陽新聞)
倉敷市内23カ所の特別養護老人ホームで2012年度、定員超過のために入所できない待機者が3540人(10月末現在)に上ったことが、市の調査で分かった。前年度(同時期)より422人増えており、今の市域となった05年度以降で最多を更新した。
施設の新設や増床で総定員は05年度(1322人)より3割近く増えて1699人。しかし、待機者数は約9割増と定員拡大のペースを上回り、総定員の2倍を超えた。待機場所は、在宅2127人▽老人保健施設665人▽グループホーム436人▽有料老人ホームをはじめとする特定施設201人―など。
特養ホームは要介護1以上の高齢者が対象。入所期限がないため「ついのすみか」と位置付けられる。一般的にグループホームや有料老人ホームより安いこともあって入所希望者が多い。
待機者の中には「将来の備えとして申し込むなど緊急性の低いケースもある」(市介護保険課)とみられるが、高齢化の進展で今後もニーズの高まりが見込まれる。市は13年度、2施設が拡張し、定員を計58人増やすことを支援する方針。
ただ、特養ホームをはじめとする施設介護は、サービスの対価として事業者に支払われる介護報酬が高く、利用が増えると介護保険財政を圧迫し、保険料の値上げ要因となる。
山陽新聞 2013/4/5  原文のまま

「グループホームが破産 県内介護事業者で初」(4月4日/佐賀新聞)
唐津市で認知症の高齢者向けグループホーム2カ所を経営する有限会社「リアライズ」(保利諭史代表)が佐賀地裁唐津支部から破産手続きの開始決定を受けた。決定は3月26日。債権者は54人で負債額は約1億3000万円。佐賀県内で介護事業者の破産は初めてという。
東京経済佐賀支店によると、グループホームは唐津市相賀の「花園」と同市肥前町切木の「ぼたん」の2カ所。それぞれ定員9人で満床だったが、初期の設備投資の際の借金で、厳しい資金繰りが続いていたという。
リアライズは2004年9月、現代表の父親(故人)が設立。代理人によると、2施設の利用者18人は、すでに半数が別の介護施設に移っており、「数日のうちには、ほぼ全員が別の施設に移る見通し」という。
佐賀新聞 2013年04月04日 原文のまま

「日本の介護を救うのはプロレスだ! 斉藤 正行・日本介護福祉グループ副社長に聞く 鈴木 信行」(4月4日/日経ビジネス)
過酷な職場環境を背景にした人手不足などにより、日本の介護産業の未来が危ぶまれている。財団法人介護労働安定センターが昨年公開した「介護労働実態調査結果」によれば、介護事業所の50.4%は「良質な人材の確保が難しい」と回答。49.8%が「今の介護報酬では人材の確保・定着のために十分な賃金を払えない」と窮状を訴えている。そんな中、“思いもよらない方法”で、事態の改善を図ろうとしているのが、東京・両国に本社を置く日本介護福祉グループだ。同社副社長で、一般社団法人日本介護ベンチャー協会の代表理事も務める斉藤正行氏に話を聞いた。(聞き手は鈴木信行)
まずは会社紹介からお願いしたい。
斉藤:2005年設立の介護事業者だ。「茶話本舗」という屋号の小規模デイサービスを核に事業を展開している。茶話本舗は現在全国に600拠点以上あり、8~9割はFC形態での運営だ。小規模デイサービスチェーンとしては全国最大手と言っていい。
特徴は何か。
斉藤:いくつかある。まず「小規模少人数制」を採用していることだ。利用定員10人の小規模事業所を基本としており、目配り、気配り、心配り(三配り)のできる体制を整備している。利用者一人当たり介護職員の数は基準の倍。介護保険上の基準は利用者5人に対し職員1人だが、茶話本舗は2.5人に対し1人を配置している。
ローコストでありながら手厚い介護システム
手厚い介護体制を敷けば、事故の発生などは未然に防げるが、ビジネスとしての採算性は悪化するのではないか。
斉藤:一般的にはそうだ。そのため当社では、様々な工夫によってコストの抑制を図っている。象徴的なのが、設備に空き民家を活用していることだ。事業のイニシャルコストを低減できるうえ、利用者に、自宅に近い落ち着いた空間を提供することができる。
民家を介護施設として活用するには、バリアフリー化などの改築が新たに必要で、それなりの費用が発生するのではないか。
斉藤:民家をなるべくそのまま活用し、必要以上のバリアフリー化などは施さないのが当社のやり方だ。例えば、玄関などの比較的大きな段差をあえて建物内に残すようにしている。段差を乗り越える生活をしてもらうことで筋力強化を図り、利用者のADL(日常生活動作)及びIADL(手段的日常生活動作)の回復を促進するのが狙いだ。
なるほど。ビジネスモデルの全体像は把握した。だが、いかに「ローコストでありながら手厚い介護システム」を考案しても、実際に現場で働く人間がいなければ“絵に描いた餅”に過ぎない。介護業界は現在、大変な人手不足にあると聞く。
斉藤:その点は当社も苦労している。現状では重大な支障は出ていないが、今後、事業拡大を続けていく上で大きな課題であるという認識だ。結局、この問題を根本的に解決するには、各事業者の創意工夫に加え、介護業界そのもののイメージ向上を図る努力がかかせない。異業種からの参入も一段と加速させる必要がある。
そこでプロレス団体との連携という話が出てくるわけか。改めて昨年公開した大阪プロレスとの提携戦略を説明してほしい。
斉藤:昨年8月から兵庫県宝塚市で大阪プロレスがプロデュースする茶話本舗を開設している。レスラーが定期的に事務所を訪問。利用者との散歩や社内レクリエーションなどを手がけるほか、外出レクリエーションの一環として大阪プロレスの生観戦も実施している。中長期的には、レスラーが介護関係の資格を取得する支援をしたり、両社共同で高齢者向けの運動プログラムを開発したりすることも計画中だ。
えべっさん選手やくいしんぼう仮面選手など人気レスラーも訪問するのか。
斉藤:もちろんだ。既にお年寄りからは高い評価をいただいている。
場を楽しく盛り上げるのは大阪プロレスの真骨頂だ。施設の中が明るくなるに違いない。正規軍やユニーク軍団だけでなく、例えばヒールの空牙選手なども訪れるのか。
斉藤:呼びかければ、可能だ。
レスラーのセカンドキャリアの選択肢を増やす
茶話本舗としては心強い助っ人を得たことになるが、一方、大阪プロレスとしてのメリットは何か。
斉藤:一番の狙いはレスラーのセカンドキャリアの選択肢を増やすことだ。大阪プロレスによれば、プロレス一筋で頑張ってきた選手たちが引退後、一般企業に勤めるのは、やはり難しい場合も多いという。トレーニング技術の進化などを背景にレスラーの選手寿命も延びてはいるが、半面、怪我により若くして引退に追い込まれる選手も少なくない。
確かに最近は一部で試合の過激化も進んでいる。ファンのニーズがあるとはいえ、フォールされてもキックアウトし続ける「カウント2.9プロレス」はいまだ主流の一角を占めているし、第一試合からムーンサルトプレスやジャーマンスープレックスなどの激しい技が飛び交う団体も少なくない。選手が怪我をするのも無理はない環境に映る。
斉藤:その意味でも、業界全体で引退後のセカンドキャリアを充実させることが重要だ。様々なプランがある中で大阪プロレスは、成長市場でありレスラーとの親和性がある介護産業に着目された。
介護の現場では力仕事も多いし、お年寄りを楽しませるユーモアもあった方がいい。健康管理に関する知識も必要だ。確かにプロレスとの親和性は強い気がする。大阪プロレス以外の他団体とも連携する構想はないのか。
プロレス団体の経営にも効果
斉藤:当然ある。既に蝶野正洋選手やZERO1の大谷晋二郎選手とお話をする機会をいただいた。今すぐにどうこうする話ではないが、強い関心は持ってもらっている。
連携の輪がメジャー団体にも広がっていけば、いずれ棚橋弘至選手やオカダ・カズチカ選手などがお年寄りを励ます光景も見られるのか。
斉藤:可能性としてはある。
そこまでやるなら施設で試合もすればどうか。
斉藤:今のところ、試合までは検討していない。
「キャンプ場プロレス」が人気を博す時代だ。もちろんガチンコ打撃系の選手がひたすらバチバチファイトを展開すれば施設は静まり返ってしまうかもしれない。だが例えば、DDTプロレスリングのヨシヒコ選手などが試合をすれば、どれだけお年寄りがいい意味で驚かれることか。飯伏幸太選手なども“可愛くて頼もしい理想の孫”として大歓迎されるだろう。仮に「介護施設プロレス」が無理だとしても、レスラーの力を借りることで、外出レクリエーションの自由度は大きく上がるのではないか。
斉藤:その通りだ。既に宝塚市の施設では、大阪プロレスの観戦を実施しているが、車椅子が通りにくい狭い通路などもレスラーの方が抱えて移動をサポートしてくれている。
大日本プロレスの関本大介選手などであれば、お年寄りの座った車椅子を1人で2台ぐらい楽々と運んでくれるかもしれない。介護産業との連携は、全盛期に比べ財政状況が厳しいとも言われるプロレス団体の経営を安定化させる効果もあるのではないのか。
斉藤:大阪プロレスに限って話せば、経営は安定している。常設会場型の運営で、地方巡業のための会場使用料や移動費などの負担が少ない。顧客には女性や子供も多く、集客力も高い。ただ、団体の中には、プロレス事業以外の経営の柱を確保したいと考えているところもあるだろう。
後楽園ホールなどで自主興行し、大入り満員を続けられれば、資金繰りに大きな支障は出ないだろうが、それができる団体は限られる。地方興行はチケットを売りさばくのが一苦労で、土地の有力者に販売を代行してもらう、いわゆる「義理売り」にも限界がある。それだけに、介護産業と協力し安定した収入源を持つことは、プロレス団体にとってもいい話と言えるかもしれない。
斉藤:そう願いたい。いずれにせよ、今日はプロレスに理解のある人に取材してもらって安心している。プロレス団体との連携を進めることに対しては、実は社内でも冷めた目がある。若い社員の中には格闘技に興味がなく、例えば「レインメーカー」などと言ってもピンと来ない者も少なくない。
過去を振り返らず未来へ「ハイフライフロー」
「ショートレンジ式のアックスボンバー」とでも説明すればいいのか。
斉藤:いや、具体的な技の形ではなく、オカダ・カズチカ選手を中心とする昨年の新日本プロレスのアングル自体を知らないという意味だ。
仕方がないのかもしれない。娯楽の種類が増えた今、プロレスだけが古きよき時代に戻るのは難しいだろう。だが、底は打ちつつあるのではないか。ツームストンパイルドライバーからのハイフライフロー2発で棚橋選手がオカダ選手に勝利した「1・4東京ドーム大会」などは大成功と言っていいし、メディア全体を見てもプロレスの露出が増えつつある気配はある。
斉藤:大阪プロレスも、メディアへの露出が増えたことが、介護事業参入のもう1つのメリットだったと評価している。
その点では、介護業界とプロレスのコラボは互いに様々な相乗効果をもたらす可能性がある。日本の介護の未来のため、プロレス業界を盛り上げるため、引き続き頑張ってほしい。
斉藤:了解した。
斉藤正行(さいとう・まさゆき)(写真)プロフィール
2000年3月、立命館大学卒業後、飲食業のコンサルティング、事業再生等を手がける。2010年5月、株式会社日本介護福祉グループへ入社。「茶話本舗」ブランドで小規模デイサービスをフランチャイズ展開。取締役経営企画室長に就任。同年7月、取締役副社長に就任。同年10月には、一般社団法人日本介護ベンチャー協会を設立し、代表理事に就任。(写真/清水真帆呂)
日経ビジネスオンライン 2013年4月4日 原文のまま
編者:こうした人たちも介護ビジネスに参入しているのだ。

★「クイックVote 外国人による介護・看護に賛否拮抗 第126回 編集委員大石格」(4月3日/日本経済新聞)
介護・看護という仕事への外国人の参入をどう思うか。電子版読者の回答は賛否が拮抗しました。簡単に割り切れない問題である証拠ともいえましょう。その先にある移民受け入れの是非も同じく賛否が相半ばしました。
外国人の参入の是非を聞いたのに対して、最も多かった回答は「自国で同等の資格を持つ外国人は自動的に認める」(47.8%)でした。しかし過半数には届きませんでした。
外国人には高い壁であることを指摘した「日本の国家試験に合格した場合のみ認める」(46.8%)はそれよりもやや少なかったのですが、外国人は「認めるべきでない」(5.4%)を含めて事実上の拒否回答が最多と読み取ることもできます。
読者のコメントをみてみましょう。
《自国で同等の資格を持つ外国人は自動的に認める》
○国家試験を多言語で行うべきだ(63歳、男性)
○医療に携わる日本人がバイリンガルになる方が早い(83歳、男性)
○日本語は簡単な会話レベルでよい(33歳、男性)
○日本語習得レベルに応じてやれる仕事の段階を設ける(48歳、女性)
日本語ができなくてよいという回答はありませんでした。身ぶり手ぶりである程度の介護・看護はできますが、患者との最低限の人間関係は必要でしょう。ただ、完璧な読み書きはいらない。この回答を選んだ読者の意見を集約すると、そんな感じです。
この設問をつくりながら米国で運転免許を取得したときのことを思い出しました。多民族の国だけあって英語だけでなく、フランス語、スペイン語、中国語、韓国語、ベトナム語、タイ語などでの受験が可能でした(日本人は少ないので、日本語はありませんでした)。つまり言葉がしゃべれなくても車は運転できる。大事なのは技能という考え方でした。
介護・看護は生命にかかわることもある仕事ですが、完璧な日本語能力なしにはできないのか。日本の国家試験を英語で受験できるようにするのは一案かもしれません。
《日本の国家試験に合格した場合のみ認める》
○介護・看護されるのは老人が多いので日本語で対応できないとコミュニケーションが取れない(64歳、男性)
○海外では資格の不正取得が容易(46歳、女性)
○国によって資格水準に差がある(54歳、男性)
アジア諸国では不正取得が容易かどうか、そもそも医療水準が日本よりも低いかどうかは専門家ではないので判断できません。しかし不信感を持っている読者が多いことはわかりました。現段階では日本政府のお墨付きなしに受け入れるのは無理なようです。
《(参入は)認めるべきでない》
○日本人の雇用がなくなってしまう(23歳、女性)
○ロボットを利用すべきだ(55歳、男性)
こちらはほぼ想定通りの回答でした。
次に自身が外国人に介護・看護されるとしたらどうか。一般論ではOKでも、自分の話になると勘弁してよ、という読者がかなりいるのではないかと思って設けた問いです。
ところが「国籍にこだわらない」(69.5%)は「できれば日本人にしてもらいたい」(24.9%)を大きく上回りました。「こだわらない」読者のコメントです。
○介護してもらえるだけでも恵まれている(43歳、男性)
○日本人でも嫌な人である場合はある(29歳、男性)
特定養護施設の経営者という読者からは「最大の仕事は介護士集め。国籍にこだわるのは現状を知らなすぎる」という指摘がありました。
「できれば日本人」という読者はやはり日本語コミュニケーションに不安があるようです。
○自分の言うことが本当に伝わるのか(31歳、女性)
○介護される側が外国人に慣れていない(40歳、男性)
1問目の「(参入は)認めるべきでない」という回答と、2問目の「日本人でなければ嫌だ」という回答はほとんど同率でした。ダメなものはダメ、というところでしょう。
日本経済新聞WEB版 2013年4月3日 原文より)
編者:現時点では基本的に看護や介護は日本人で対応すべきだ。わが国の労働力が不足しているとは考えにくい。低賃金や労働条件が悪い職場で労働力不足が生じており、ここに外国人労働者が受け入れるという構図ではないか。フィリッピンやインドネシアで看護、介護力が余っているとは思えない。相対的に賃金の高い日本に働きに来るのだろう。このため自国で専門職が不足していると思われる。日本からアメリカに医者や看護師が高い賃金を求めて渡るという状況を想像してみてはどうか。ただし長期的に外国人労働者の受け入れの敷居は低くすべきであろう。その受け入れ体制などについては香港、台湾、韓国での専門性の乏しい出稼ぎ介護者が働いている状況を調べるのもよい。また実質的に低賃金労働者を温存しえいる「研修生制度」は破棄すべきだろう。とはいえ低賃金で労働環境が悪く人権が侵害されやすい分野へ外国人労働者が流れるのは資本主義国家としては当たり前のことなのだろうか。外国人の人権に関して、難民の認定があまりに敷居が高い現状を改めるのが緊急に課題と思う。

「病に倒れた伴侶支える 40~50代の選択」(3月18日/日本経済新聞)
誰を介護するにも苦労は尽きない。だが、40~50代の働き盛りで、伴侶が完治しない病に倒れたら――。仕事と介護、家事、育児までもがその肩にのしかかり、親の介護とはまた違う難しい問題を抱えることになる。そんな状況でも光を見いだそうと懸命に生きる夫婦の姿を追った。
□クタクタの毎日
「もっと早くから体のつらさをわかってあげていれば」。首都圏に住む40代の会社員A夫さんは今も反省する。妻にリウマチのような症状が出たのは30歳を前にしたときだ。だが病名は特定されなかった。その後、出産。子どもが小学校に上がると、症状は徐々に悪化していった。朝目覚めてから数時間は体のだるさがひどい。外出もほとんどしなくなった。仕事に追われて全く余裕のなかったA夫さんは、朝起きてこない妻を責め、夫婦げんかはしょっちゅうだった。
40歳を過ぎると剣山で刺されるような痛みが走るようになる。これはおかしいと国立病院で精密検査を受けてもはっきりしない。3年後には痛みが全身に回った。A夫さんが専門医を探し出した結果、リウマチと免疫疾患の併発と診断された。発症してから15年もたってのことだ。
今、週末の買い物と料理、子どもたちの朝の世話はA夫さんがこなす。日々の買い物はネットスーパー頼み。時間の融通の利く職場に異動したのがせめてもの救いだ。仕事を最優先にしたいと思うこともあるが「今の状態では無理」とも思う。「痛みがもう少し治まり、普通に外出できるようになれば」と明日への希望を託す。
岐阜市在住の会社員、B夫さん(57)は左の手脚が不随の妻(53)の介護に明け暮れる。1年前に突然、脳内出血で倒れた妻は、要介護度が中程度の3の状態で、半年後に病院から戻ってきた。平日はデイサービス、通所リハビリ、訪問介護を駆使し、介護にかかる費用は月5万~8万円。障害年金をそれに充てる。
B夫さんの1日はといえば、6時には起きて妻のトイレや歯磨き、着替えを手伝い、簡単な朝食を食べさせる。家を出るのは7時半。19時に帰宅するや洗濯物を取り込み、妻をトイレに行かせ寝間着に着替えさせる。夕食は出来合いの総菜、妻は月決めの宅配弁当だ。話を聞いてやりながら夕食を食べ、その間に洗濯機を回し、食べ終わってから洗濯物を干し……。平日の睡眠は4~5時間。クタクタの毎日だ。
仕事と介護の両立は大問題だ。部下を残して真っ先に帰宅し、月2~3回は半休を使う状況。会社への貢献度を問われたら「めちゃくちゃ不安」という。実は定年後を考え、資格取得の勉強を始めようと思っていた矢先に、妻が倒れた。描いた青写真は遠のき、焦りでいらいらもする。
三男はまだ大学生。同居する次男は夜勤が多く、すれ違いだ。希望は持ちたいし明るくも振る舞うが「この先、体力が衰えたら夫婦2人どうなるのか」と不安な気持ちに揺れている。
□介護費用も重く
互いに意思疎通が図れればまだいい。伴侶が若年性認知症になったときの家族の苦悩は深く大きい。東京在住の会社員、C子さん(52)は8年前に夫(64)が前頭側頭葉変性症だと知らされた。「できることは何もない」。医師からはそうトドメを刺された。
やれることがどんどん減っていく夫。その平日の介護を担ったのは、当時13歳だった双子の息子の一人だ。授業が終わると飛んで帰るのが日課となった。「家に着くと必ずひどいことが起こっている、そんな毎日だった」と大学3年の息子は振り返る。「家をこよなく愛する夫だから」と在宅にこだわった3年半を経て、C子さんは介護サービスの利用に踏み切った。
デイサービスに始まりショートステイを組み合わせ、1年半前からは特別養護老人ホームに移った。介護の負担は減ったが、重くのしかかってきたのが費用だ。申請手続きの不首尾で夫の障害年金を得ないままになっている。家のローンが月12万円、介護費用が月10万円近く。手取り年収が500万円を切るC子さんにとって痛手だ。その母を助けるべく、もう一人の息子は高3のときからずっと夜遅くまでのアルバイトを続けている。一人が外で働き、もう一人が介護という役割分担で走ってきた。
特養に移ってたった2カ月で夫は歩けなくなったが、妻が来たときだけは目を見開いて反応する。その命の叫びのような反応にC子さんの胸は痛む。頑張れるのは息子がいるからだ。「2人がつっかい棒になって私を支えてくれている」。そして2人の息子は「自分がちょっと頑張って、みんなが少しでも楽になるのなら」と苦労をいとわない。
伴侶の病状や家族が置かれた状況により介護の苦労は様々だ。つらくても前に歩いていけるのは、互いに相手をいたわる思いがあるからだろう。
◇            ◇
NPO法人介護者サポートネットワークセンター・アラジン(東京都新宿区)の牧野史子代表(写真右中)の話
一人で抱えない、どんな形であれ仕事があるなら働き方を変えてでも、できる限り継続するという2点が大前提だ。仕事との両立は厳しいが、介護だけに向き合うと、思うようにいかないストレスと孤立感でいっぱいになり、自分も追いつめられてしまいがちになる。
まずは心を開いて話せる場を見つけることだ。会社に社内横断的な介護者の集まりがあるといい。介護者OBに話してもらうなどのイベントを組んでみてはどうだろう。
地域では「ケア友」を探してみよう。最近は土曜に介護者の会を開くところも多い。社会福祉協議会や市区町村に尋ねるか、「介護者の会」「家族会」などのキーワードでネット検索してみてほしい。仲間がいると思えば、勇気が得られる。
自分の心身の健康のための空間・時間をつくることも重要だ。時には伴侶をショートステイなどに預けて休息を取ったり、趣味や友人との時間を持つことは大事なこと。心に余裕ができれば本人にも優しく接することができるからだ。
日本経済新聞web 2013年3月18日 原文のまま

「24時間訪問介護、全国で 大手が拠点拡大」(3月14日/日本経済新聞)
メッセージなど介護大手は24時間体制で高齢者の自宅を訪問し、介護と看護のサービスを定額で提供する拠点を全国で増やす。定額制を介護保険の対象に加える自治体が増えているため。入浴や衣服の着脱に手助けが必要な高齢者は、これまでより低い価格で自宅で暮らしやすくなる。自治体は高齢者施設の建設・維持費を抑制できる。
訪問介護は介護保険の対象で、高齢者はサービス料の1割を払う。夜間も介護や看護が必要な高齢者は多いが、老人ホームなどの施設は不足しており、入居できない人は多い。自宅で訪問介護の24時間対応を求めると現行では月額利用料が4万円を超えることもある。各社の定額制は3万円に抑える。
メッセージは2014年度末までに100カ所と2.5倍に増やす。現在は子会社を通じて都内などの約40カ所で24時間訪問を手掛けており、首都圏を中心に事業所を増やす。現在の月間売上高は1億円未満だが、100カ所の段階では8億円弱を見込む。
セントケア・ホールディングも現在2カ所の拠点を15年度末に約30拠点へ広げる。ともに要介護度が重く生活が不自由な高齢者に、介護施設に近い水準のサービスを提供することを目指す。
具体的にはホームヘルパー(訪問介護員)が高齢者宅を毎日2~3回程度、決まった時間帯に訪問し、おむつ交換といった介護サービスをする。看護師は週に1~2回、点滴などの医療措置を担当する。1回の滞在時間は20~30分。体調不良などの場合は電話での呼び出しにも応じる。
24時間訪問は介護保険制度に基づくサービス。市区町村が業務を実施する企業を募り、メッセージなどは市町村から指定を受ける。現在は約90自治体が手掛けており、14年度末までには全国の市町村の2割に当たる300以上の自治体が始める計画だ。厚生労働省は2万人弱が利用するとみている。
高齢者施設の増設費の負担が重くなるなか、政府は高齢者が自宅で専門施設と同じような支援を受けられる体制づくりに方針を転換。介護各社はサービスの提供方法を見直す。国内で介護が必要と認定されている人は現在401万人。14年度には435万人まで増える見通し。
日本経済新聞WEB版 2013年3月14日 原文のまま

「112万人介護保険料増 生活保護引き下げ影響」(3月8日/東京新聞)
民主党は七日、生活保護基準引き下げに伴う他の生活支援制度への影響について、厚生労働省の資料に基づいた試算をまとめた。
生活保護は憲法二五条の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度。多くの生活支援制度は生活保護を基準として、支給対象を決めている。生活保護のうち生活扶助基準は八月から三年間で6・5%引き下げられるため、連動して生活支援制度の支給基準が下がり、対象から外れる人が出る。生活保護受給世帯に加え、低所得者世帯全般の生活が一層苦しくなると懸念されている。
介護保険料の軽減は現在約一千七百二十七万人が対象だが、民主党の試算では約百十二万人が対象から外れる。保険料負担(全国平均)は月約三千七百円から約一千二百円または約二千五百円の負担増になる。
医療保険の自己負担月額上限は、約一万三千七百人が三万五千四百円から八万百円に上がる。保育料は約一万一千七百人が月一万五百円の負担増になる。
試算は、生活保護基準を基に算出されている住民税非課税限度額に連動する制度のみについてまとめた。政府は非課税限度額の見直しも含め、二〇一四年度の税制改正で決定する方針。
厚労省は「政府は他制度に影響を及ぼさないようにすると申し合わせている。非課税限度額に連動させるかどうかも今後検討する」と話している。
Tokyo Web  2013年3月8日 原文のまま

「グループホーム大手 メディカル・ケア・サービスが訪問介護事業に進出」(3月5日/産経新聞)
『愛の家』のブランドネームにて、全国でグループホーム(認知症対応型共同生活介護施設)を187棟(2013年3月現在)展開するメディカル・ケア・サービス株式会社(本社:さいたま市大宮区、以下:当社)は、2013年3月1日より訪問介護事業を本社ビルにて開始しました。高齢者の自宅に介護職員が訪問し、介護サービスや生活支援サービスを提供します。
認知症高齢者数は300万人を超え、今後更なる認知症介護の需要が高まる見通しから、厚生労働省は『認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)』を打ち出し、グループホームの施設整備をさらに強化する方針を掲げております。また在宅介護においては、高齢単身世帯、高齢夫婦世帯が増えることにより需要が高まること、財源的にも施設介護より負担が少ないことから、引き続き注力する方向を示しております。そこで当社は、グループホーム事業は今後も主軸としていくと同時に、それに続く第二のコア事業として訪問介護事業にも進出し、さらなる事業基盤の強化を図ります。
まずは3年後をめどに、首都圏に5事業所の開設を計画し、売上高2~3億円を目指します。その後は、当社が運営するグループホームが密集しているエリアを中心に開設エリアを広げ、グループホーム事業とのシナジーを強化します。そして、高齢者が認知症を患っても住み慣れた地域でそのままの生活を続けることができるよう、在宅介護から施設介護までをサポートできる地域包括支援エリアを全国各地に構築してまいります。
□訪問介護事業進出における主な目的
・グループホームに続く第二のコア事業を確立することによる事業基盤の強化
・居住系サービスと在宅系サービスの連携強化
・柔軟な職場環境の提供とキャリアパスの構築
・訪問介護事業確立による新たな介護ノウハウの海外輸出
□会社概要
・社名  : メディカル・ケア・サービス株式会社
・所在地 : 埼玉県さいたま市大宮区大成町1-212-3
・資本金 : 8億7,125万円
・設立  : 1999年11月24日
・代表者 : 代表取締役会長兼社長 高橋 誠一
・従業員数: 約3,800名(2013年3月現在)
・利用者数: 約3,800名(2013年3月現在)
・事業内容: グループホーム事業、介護付有料老人ホーム事業、
       小規模多機能型居宅介護事業、デイサービス事業、
       居宅介護支援事業、都市型軽費老人ホーム事業、ほか
・URL   : http://www.mcsg.co.jp
・グループホーム紹介サイト: http://mcs-ainoie.com/
 (『愛の家グループホーム』専門の施設検索・紹介サイト)
・コーポレートサイト   : http://www.mcsg.co.jp
 (会社概要・IR等の会社ホームページ)
・認知症きらきらネット  : http://kirakira-care.net/
 (認知症に関する情報ポータルサイト)
・新卒リクルートサイト  : http://www.mcsg.jp/
 (14年度新卒者専門の求人サイト)
・中途リクルートサイト  : http://www.mcsg.co.jp/recruit_career/
 (中途採用専門の求人サイト)
SankeiBiz  2013年3月5日 原文のまま

「訪問介護、人材育成競う ニチイ学館は認知症の対処法研修」(3月5日/日本経済新聞)
介護各社は4月からホームヘルパー(訪問介護員)資格に試験制度が導入されることに備え、専門人材の育成を強化する。ニチイ学館は認知症の高齢者への対応策を充実し、ソラスト(東京・千代田)は身体機能の衰えた状態を疑似体験させる研修を取り入れる。研修を終えた人材は自社で雇い、サービス水準を高めて競争力を向上させる。
現在は家族を介護する基礎知識を身につけるためヘルパー資格を取る人が多く、取得後に介護会社へ就職するのは全体の1割程度とされる。各社は専門研修の導入を機に採用活動にも力を入れ、就職率を2割に高める。
ニチイ学館は食事した直後に再度食事の提供を求められた場合など、認知症の高齢者に起きやすい事態への対処法を議論する研修を始める。従来は足腰が不自由になった高齢者らへの身体介護の技術を主に教え、認知症への対応は研修内容に盛り込んでいなかった。
ソラストは専用ゴーグルを着用して高齢者に多い白内障の視界を体験したり、膝に特殊なサポーターを当てて関節の曲がりにくさを実感したりする研修を開始。セントケア・ホールディングは終末期の介護の実態を説明し、現場でどんな行動が必要かなどを伝えていく。各社はこれらの研修を終え、試験を受けて資格を得た人材を自社のヘルパーとして採用する。
高齢者の自宅を訪れて介護サービスを提供し、報酬を得るには国が定めた資格が必要。現在は介護会社の通信教育や現場見学に参加すれば自動的に資格が得られる。そのため従来は専門知識が十分ではない人材が現場に出る可能性があった。介護各社は認知症高齢者への対応や終末期の介護など、具体的な場面を想定した研修を取り入れ、専門人材の層を厚くする。
介護業界は慢性的に人手不足が続き、優秀な人材を確保できるかは競争力の優劣に直結する。試験制度の導入で人材育成の取り組みが広がる一方、各社の人材争奪が一段と激化する可能性もある。
日本経済新聞 2013年3月5日 原文のまま

「詐欺:介護保険の補助持ちかけ、車椅子男性から住宅改修費詐取 折尾署、容疑で土木作業員を逮捕/福岡」(2月20日/毎日新聞)
介護保険制度を使った住宅改修を持ちかけて障害者から現金をだまし取ったとして、折尾署は19日、八幡西区鷹の巣2、土木作業員、常友純一容疑者(62)を詐欺容疑で逮捕した。「工事はするつもりだった」と容疑を否認しているという。
逮捕容疑は、11年6月15日ごろ、同区の車椅子で生活する男性(71)宅を訪れ、介護保険を使って自宅の段差をスロープ化することを提案。「先に代金を支払えば工事が早くできる」などとうそを言い、現金20万円をだまし取ったとしている。
折尾署によると、介護保険には自宅の手すりの取り付けや段差解消などの費用を補助する制度があり、利用者は20万円を上限に1割負担で改修できる。常友容疑者に住宅改修の工事実績はなく、男性に北九州市への申請書類を書かせ、「手続きをしておく」と言ったまま放置していたという。工事が始まらず不審に思った男性が市に問い合わせて虚偽の説明だったことが判明し、折尾署に相談していた。【高橋克哉】
毎日jp  2013年2月20日 原文のまま

「介護給付金不支給は不当 岡山市の男性が提訴へ」(2月18日/山陽新聞)
障害者自立支援法に基づき無償で訪問介護を受けてきたのに、要介護認定が無いことを理由に必要な費用を給付しないのは不当として、岡山市中区高島の浅田達雄さん(65)が3月中に、同市に決定取り消しを求める訴訟を岡山地裁に起こす。
自立支援法は65歳以上の障害者に、介護保険の適用を優先する原則を規定。保険サービスを利用すると、1割の費用負担が生じる。
「支援する会」によると、浅田さんは一人暮らし。腕と足に重い障害があり、入浴や移動などで1カ月約250時間の訪問介護を無償で受けてきた。介護保険適用の場合、月3万5800円が自己負担となるため「生活が破たんしかねない」と要介護認定申請をせず、従来の給付継続を求めていた。しかし今年2月、「要介護認定されていない」と市の不支給通知が届いた。
18日の会見で浅田さんは「これまで無償だったものが、なぜ65歳を過ぎると費用負担が生じるのか。納得できない」と話した。
岡山市障害福祉課は「法律上、介護保険を優先するのはやむを得ない。引き続き要介護認定の申請をお願いしたい」としている。
山陽新聞 2013/2/18  原文のまま
編者:二つの法律の負担と給付の格差をどうとらえたらよろしいか。年齢で区別、差別されるものではなく、本来なら二つの制度は統合されるべきと考える。

「長崎のグループホームで火災 4人死亡、2人意識不明」(2月9日/時事通信)
8日午後7時40分ごろ、長崎市東山手町のグループホーム「ベルハウス東山手」で火災があった。大浦署によると、入居者ら男女12人が搬送され、うち女性4人の死亡を確認した。他に男女2人が意識不明になっている。
大浦署によると、死亡したのは、安達キサノさん(88)、中島千代子さん(82)、太田サワエさん(78)、井上ハツコさん(86)。意識不明になっているのは、熊崎チサさん(90)と牧山清光さん(78)。県警によると、搬送者の残る6人のうち、少なくとも5人はけがをした。
47news  2013/02/09 02:06 原文のまま
関連情報:「グループホームベルハウス東山手の外部評価結果」(2012年1月30日)のは以下の記載がある。
災害対策:火災や地震、水害等の災害時に、昼夜を問わず利用者が避難できる方法を全職員が身につけるとともに、地域との協力体制を築いている
自己評価:消防署による火災訓練指導を受けている。地域住民の方々や近隣地域の方々にも協力をお願いしている。
外部評価:地域消防団との合同の訓練や消防署立会いの昼・夜間を想定した訓練も実施されている。緊急時利用者カードを作成され、備蓄も整えられている。


続報③「高齢者施設火災:グループホーム 苦しい経営」(2月10日/毎日新聞)
認知症高齢者グループホームは、認知症になった要介護者が入浴や食事などの介護サービスや生活援助を受けながら共同生活を送る住まいで、介護保険法が施行された00年4月にスタートした。スタッフらと少人数で家庭的な生活を送ることで、症状の進行が緩和される効果が期待される。
高齢化に伴い、認知症患者は年々増加傾向にある。厚生労働省の12年時点の推計では305万人。グループホームの利用者も比例し、12年10月時点で17万人を超えた。
運営には民間の参入が認められており、施設数は増加している。厚生労働省によると、00年10月時点の675カ所から05年10月には10倍超の7084カ所、10年10月には1万カ所以上となったが、経営は厳しいとされる。
日本認知症グループホーム協会によると、経営主体で最も多いのは株式・有限会社で45.3%を占め、NPO法人などが7.5%。また、事業形態も単独経営が約6割に上り、経営基盤が脆弱(ぜいじゃく)であるところが多いとみられる。
さらに、同省の調査では、入居者の重度化傾向もうかがえる。01年には平均要介護度が2・23だったが、11年には2.75に上昇。日常生活に全面的な介助が必要な要介護4以上の人の割合も07年の5.5%から11年には10.4%に上った。10年3月の調査では、およそ半数が自力避難が困難とされ、85歳以上が5割を占めた。
背景として、特別養護老人ホームなどへの入所が難しく、グループホームで最期まで過ごす高齢者が増えていることなどが指摘されている。【遠藤拓、山崎友記子】
毎日jp 2013年02月10日00時02分原文のまま
続報④「グループホーム火災 火元は2階の加湿器周辺か」(2月10日/NHK)
長崎市のグループホームで入居者など4人が死亡した火事で、警察と消防の現場検証の結果、2階の中央付近の部屋にあった加湿器の周辺の焼け方が特に激しいことが分かり、警察では、この付近が火元ではないかとみて出火原因を調べています。
8日の夜、長崎市にある認知症のお年寄りのグループホーム、「ベルハウス東山手」で4階建ての2階部分が焼け、入居者の女性3人と3階に住んでいる女性1人の合わせて4人が死亡し、2人が意識不明になっています。
9日の現場検証の結果、2階の中央付近の焼け方が激しいことが分かっていますが、このうち2階中央付近の部屋にあった加湿器の周辺の燃え方が特に激しいことが警察への取材で新たに分かりました。
警察では、加湿器の付近が火元ではないかとみて、10日も現場検証を行って詳しい出火原因を調べることにしています。
NHKニュース 2月10日 4時1分 原文のまま
続報⑤「スプリンクラー 小規模施設も義務化へ 総務相が言及」(2月12日/東京新聞)
新藤義孝総務相は十二日の記者会見で、長崎市の認知症グループホームの高齢者四人が死亡した火災を受け、これまでの面積基準では対象外だった小さな福祉施設に対しても、スプリンクラー設置の義務付けを検討する考えを示した。厚生労働省や国土交通省と対象施設や面積基準などの協議を進める。
消防法は、認知症グループホームや重度の障害者支援施設など自力での避難が難しい入居者がいる福祉施設に対し、二〇〇九年四月から延べ床面積二百七十五平方メートル以上でスプリンクラー設置を義務付けている。今回火災を起こした施設は基準より狭く対象外だった。新藤氏は「高齢者のいる施設はどうしても避難が遅くなる。この面積基準でいいのか」と述べた。
田村憲久厚労相は十二日の記者会見で、スプリンクラー設置義務のない小規模グループホームの実態調査をする考えを表明。太田昭宏国交相は、長崎市のグループホームに防火扉の不備など建築基準法違反があったことから、全国の自治体に同種施設の安全点検と違反の是正を要請する方針を示した。
消防庁は、全国の消防本部に対し、グループホームなどの運営者に夜間の出火時に避難誘導できる職員数の確保や、防火設備の不備など消防法違反の是正を徹底するよう求めた。
◇加湿器コード ショートの跡 長崎の火災
四人が死亡した長崎市の認知症グループホーム「ベルハウス東山手」の火災で、火元の部屋にあった加湿器のコードにショートしたような痕跡があることが十一日、捜査関係者への取材で分かった。
長崎県警は、痕跡と火災の因果関係について、慎重に捜査を進めている。司法解剖の結果、死亡した四人にはいずれも目立った外傷はなく、死因は一酸化炭素中毒だったと判明した。煙を吸い込んだのが原因とみられる。
県警によると、火元は二階中央の部屋。隣接する部屋と廊下も焼損した。四人は火災発生時、これらの部屋にはいなかったという。
施設を運営する「アイ・エル・エス」の桝屋幸子代表(61)は十日夜、長崎市で説明会を開き、遺族らに謝罪。出席者によると、遺族のほか入院した入所者の家族ら十五人前後が出席。「四階建てなのに夜の職員一人で非常時に対処できるはずがない」などと批判の声が上がったという。
火災は八日夜に発生。施設の入った建物に住んでいた女性(82)と入所者三人が死亡、入所者二人が意識不明となった。
Tokyo Web 2013年2月12日 原文のまま)
続報⑥「認知症施設火災受け福井で緊急査察 防火設備や夜間人員数を点検」(2月13日/福井新聞
長崎市の認知症グループホーム火災で防火設備などの不備があったことを受け、福井県内の消防局・本部の多くが12日、管内の類似施設で緊急査察を始めた。署員が巡回し、スプリンクラーなどの設備や夜間の人員数が法律の基準を満たしているかをチェックした。
福井市消防局はこの日9施設を査察。1施設で定期点検が報告期限を超える違反があったものの、点検は終えており行政指導は行わなかった。
福井市浅水三ケ町の「グループホームあそうづ」(平屋建て、床面積約580平方メートル)では署員2人が査察。防炎カーテンや火災報知機の設置、避難経路の確保などが消防法の基準をクリアしているかを調べたほか、建築基準法に基づいて非常用照明を点検した。夜間の職員数などを記入した消防計画書が問題なく運用されているかも管理者に聞き取った。
管理者は「防災には万全を期しているが(長崎の火災は)人ごとではない。コンセントにたまるほこりなど細かい場所にも目を配りたい」と気を引き締めた。同消防局は15日までに管内の全21施設を査察する。
敦賀消防署と敦賀市は市内の8施設を査察し、違反はなかった。このほか大野市(19施設)勝山市(8施設)嶺北(39施設)南越(37施設)若狭(65施設)など各消防本部が順次、グループホームや社会福祉施設の査察を行う。
福井新聞 2013年2月13日 原文のまま
続報⑦「「火事があったら9人助けられない」 過酷労働、基準ぎりぎり運営 グループホーム夜勤ルポ」(2月19日/産経新聞)
長崎市の認知症グループホーム(GH)「ベルハウス東山手」で、4人が死亡した火災から18日で10日。小規模な共同住居で認知症に効果があるとされ、全国で増加するGHだが、人手不足や施設の不備がたびたび指摘されてきた。厚生労働省の基準によると、法令上の職員数は、日中は入所者3人につき1人、夜間は入所者9人までは1人。人件費の問題から、大半のGHは、基準ぎりぎりで運営している。東京都内のGHで夜勤職員に密着した。(道丸摩耶、写真も)
休む時間なし
東京都新宿区高田馬場の住宅街にある認知症GH「くるみ」。2階建ての全9室に、78~106歳までの高齢者9人が入所する。午後9時50分、入浴をすませた女性(106)が職員に車いすを押されていく。これで全員が居室へ戻った。
この日の夜勤は、施設の管理者でもある山崎亜紀子さん(36)。通常は1人だが、この日は1月から勤め始めた川越知美さん(44)を指導しながら2人で夜勤を行う。
午後10時半から日勤の職員との引き継ぎだ。「おにぎりを出したら遊んでいた」「薬を吐き出してしまった」「気分の浮き沈みが大きく、泣き出した」。食事の量、トイレの回数、体調など内容は多岐にわたる。
夜間は、歩ける人はトイレへ連れて行くが、そうでない人はベッドでおむつを交換する。山崎さんは、最後にトイレに行った時間や就床時間から、その時間を細かく計画する。
午後11時半、2階に入所する女性(85)に「トイレに行こう」と声を掛ける。「がんばって起きて」と両手を引いてトイレまで行ったが、女性は「寒いねぇ」「うれしいなぁ」と寝ぼけているように見える。
「この人はあおむけが好きじゃない」「頭まで布団をかぶる人なので、汗だくになる。水分補給が必要」と、個々に合わせた介助を川越さんに教えこむ。
午後11時45分、入所者の見守りが一段落すると同時に、川越さんは掃除、山崎さんは食器を洗い始める。高齢者施設だけに、消毒には特に気を使う。
午前0時半にリビングを消灯したが、翌日の薬を分けたり洗濯物を干したり、休む時間はない。午前0時50分、大きく咳込んだ男性(95)に気づき、「大丈夫?」と声を掛ける。もちろん仮眠はできない。
身体介助増加
午前1時過ぎから再び、おむつ交換やトイレ介助。2時を過ぎると、今度はごまあえやみそ汁などの朝食を作り始める。「昔は入所者と一緒に作ったのですが、今は作れる人がいなくなりました」(山崎さん)
平成13年に開設した「くるみ」と、向かいにある同じ社会福祉法人が運営するGH「ぬくみ」(全9室)の入所者18人の平均在所年数は約5年。入所して11年がたつ人も3人いる。平均年齢は88歳だが、90代も増えた。職員の仕事は、入所者の生活の手伝いから身体介助に変わりつつある。
午前5時ごろから、再びおむつ交換。午前6時50分に男性(93)が起きてきた。おなかがすいたと訴える男性に、山崎さんは「先に食べますか?」と問うが、男性は「待ちましょうよ、みんなを」。ところが数分後には「無理やり起こしてきなさいよ」と不機嫌に。山崎さんがなだめる。
夜勤は月5回ほどあり、定時は午後10時半~午前8時だが、終わるのは定時を回ることも多い。初の夜勤を終えた川越さんは「緊張しました」と息をついた。
定員が少ないGHは、自治体から支払われる介護報酬も少ない。職員の給与は手取りで月20万円ほど。勤務の過酷さから、やめていく職員も多い。
長崎市のGHでは、スプリンクラーや防火扉の未設置など多くの問題点が露呈した。
「くるみ」の各部屋にはスプリンクラーがあり、防火扉も設置。定期的に避難訓練も行い、民生委員に連絡すれば救助に来るシステムも作った。それでも、山崎さんは「半数以上の入所者がひとりでは動けない。夜勤中に火事があったら、1人で9人は助けられないと思います」。法令に沿ったGHでも直面する課題を率直に語った。
□グループホーム 高齢者や障害者が介護を受けながら、小人数で共同生活を送れる施設。個室で暮らし、買い物や食事が自分のペースでできることから、認知症の進行を遅らせる効果があるとされる。認知症の患者数に比例し、施設数は平成14年の約2200カ所から23年には1万カ所超まで増加。一方、施設職員の年間平均給与は300万円以下と低く、慢性的な職員不足が問題化している。
産経ニュース 2013年2月19日 原文のまま


続報⑨「安全確保へ関係部局が連携」(3月28日/長崎新聞)
長崎市東山手町の認知症高齢者グループホーム「ベルハウス東山手」で5人が犠牲になった火災を受け、対策を検討していた長崎市の福祉・建築・消防の3部局でつくるプロジェクトチーム(PT)は27日、関係部局が連携し、利用者の安全が確保されるまで事業者と一体となって改善に取り組むなどとした再発防止策をまとめた。田上富久市長に28日報告書を提出する。
ベルハウス東山手は建築基準法や消防法に基づく防火設備に不備があったが、市の是正指導は不十分だった。介護保険事業所の指定・更新時は書面審査だけで、建築部や消防局との情報共有はなかった。
PTはこうした課題を踏まえ、1日発足。市内の89の介護事業所の情報共有や協力体制の構築、関係法令に違反するグループホームなどに対する指導、監督、処分の方針、防災・安全対策などを検討。今後の対応をまとめた。
事業所の指定・更新時は建築基準法、消防法の適合状況について独自の確認方法を確立する。3部局は改修工事など是正が必要な事業所について、利用者の安全性が確保されるまで事業者と一体となって改善に取り組み、是正指導は事業所の指定停止や取り消しも視野に徹底する。
国には、スプリンクラー設置を義務付ける面積基準の撤廃や助成制度、夜間の人員配置基準、介護報酬単価の見直し、実効性のある外部評価制度を要望する。
事業者には、避難訓練や防災自主点検の充実、燃えにくい物品の使用を働き掛ける。行政も避難訓練や運営推進会議に出席し、地域と協力体制を築くとしている。
長崎新聞 2013年3月28日 原文のまま

「要介護度改善で報酬 品川区 1段階で月2万円」(2月6日/東京新聞)
東京都品川区は、介護施設の入所者の要介護度が軽くなると、施設側に奨励金を払う「成功報酬制度」を四月から始める。介護保険では入所者の要介護度が軽いほど、施設が受け取る介護報酬は安くなるため、区の新制度は、この減収分を補って施設の経営安定と介護職員の意欲を支える狙いがある。特別養護老人ホームなど十施設が対象で、区によると全国的に珍しい制度という。 (中山岳)
自治体の介護認定審査会が決める要介護度は軽い順から1~5まであり、重くなるほど事業者が受け取る介護報酬も高くなる。要介護度が軽くなると事業者の報酬は減るのが国の仕組みだ。
品川区の新制度は四月一日を基準日とし、過去一年間の利用者の要介護度の変化を調べ、奨励金の交付を決める。例えば、要介護度4の人が3へ一段階軽くなった場合、一カ月につき二万円を事業者に交付。さらに要介護度が一つ良くなるごとに月額二万円ずつを加算する。奨励金は今のところ最長十二カ月続ける。対象の十施設は、五つの社会福祉法人が運営する入所型。計約七百七十人が利用している。
区は新年度予算案に約六百六十万円を盛り込んだ。高齢者福祉課の原明彦課長は「介護職員の励みにしてもらい経営安定化を支援することで、介護サービスの維持や向上につながれば」と話している。
一方、要介護度の改善が介護サービスによるものかは判断しづらい面がある。厚生労働省は二〇一一年十二月に同種の制度を検討したが、導入を見送っている。
◇人不足解消が先
公益社団法人「日本認知症グループホーム協会」東京都支部長宮長定男さんの話 品川区の取り組みが悪いとは言わないが、要介護度を下げる効果は疑問だ。都の施設不足は深刻で特養ホームは要介護度4以上でないと入れない。各施設で入所者の重度化が進み、国の報酬基準である入所者三人につき介護者一人の職員配置ではとても世話を見きれない。一人につき月二万円の奨励金をもらっても、リハビリの専門スタッフを雇うこともできず、精神的な旗振りにしか見えない。人不足という根本的問題の解決が必要で、国が現実に合った基準に作り直すべきだ。
要介護度 介護を必要とする度合いを数値化し、要支援1、2、要介護1~5の計7段階で評価する。自治体が派遣する調査員の面接と主治医の意見書を基に、コンピューターによる1次判定と、専門家らの介護認定審査会の2次判定で決定する。軽度なほど、介護サービスを利用した際に本人や国、自治体が施設や業者へ支払う単価が安い。
TokyoWeb 2013年2月6日 原文のまま
編者:役所が考えそうな制度だ。医療保険で取り入れたらどうなるか。

★「「介護疲れ」殺人未遂容疑で逮捕 長男が母親の首絞める」(1月31日/中日新聞)
愛知県警安城署は31日、93歳の母親の首を絞めて殺そうとしたとして殺人未遂容疑で、長男の同県知立市八橋町井戸尻、無職近藤金男容疑者(69)を逮捕した。母親は首に1週間のけが。
逮捕容疑は30日午後9時ごろに自宅で、寝ていた母親を殺害しようと首を両手で絞めたとされる。母親が気を失ったため死亡したと思い込み、すぐに近くの交番に自首した。
安城署によると、近藤容疑者は妻を含め3人暮らし。妻は病弱なため1人で母親の面倒を見ており「介護に疲れ、殺そうと思った」と供述している。
知立市長寿介護課によると、母親は2009年に介護保険のサービスを使うために必要な介護認定を受け、日中に通所介護施設(デイサービス)の利用を始めた。妻は病気がちで、夜間の母親の介護は近藤容疑者が担っていた。昨年6月の介護認定更新で市が近藤容疑者や母親と面談した際は、特別な相談はなかったという。
今回の事件のように介護が困難となった場合について、市の担当者は「早めに相談してほしい」と呼び掛け、「一番の対処法は施設入所で、すぐに入れない実情もあるが、市が認めれば入所までの間、短期施設入所(ショートステイ)を長期使える」と説明した。
中日新聞 2013年1月31日 原文のまま
編者:介護保険を利用して介護関係者との繋がりがあってもこうした事件が起こりうるのだ。

★「全国の要支援・要介護者における認知症患者数は204万人、疑いまで含めると255万人に~ケアマネジメント・オンライン 認知症に関する介護現場の実態調査結果調査より~」(1月28日/PRTIMES)
株式会社インターネットインフィニティー ケアマネジャーに対して実施した認知症に関する調査結果を掲載
・介護サービス利用者の45%は認知症患者、認知症の疑いがある利用者を含めると56%
・ケアマネジャーの関心事は「利用者・家族への接し方」「家族の負担軽減」の次に「認知症の薬物」
・ケアマネジャー全体の3/4以上が、認知症の薬物療法について利用者や家族に伝えたいと考えている。
株式会社インターネットインフィニティー(本社:東京都中央区、代表取締役社長別宮圭一、http://iif.jp/)は、同社が運営するケアマネジャー※向けポータルサイト「ケアマネジメント・オンライン( http://www.caremanagement.jp/ )」において介護現場における実態を把握することを目的に毎月調査を実施しております。
この度、介護現場における認知症実態について調査を実施致しました(有効回答数530人)。主な結果は以下の通り。
※ケアマネジャー・・介護保険法において要支援・要介護認定を受けた人からの相談を受け、居宅サービス計画(ケアプラン) を作成し、他の介護サービス事業者との連絡、調整等を取りまとめる都道府県認定の公的資格を有する専門職
□主な調査結果(1)
介護サービス利用者の45%は認知症患者、認知症の疑いがある利用者を含めると56%
 ・介護度が上がるほど認知症患者は増加し、要介護3以上では約60%に達した。
 ・利用者人数が最も多い要介護2でも、疑いまで含めると過半数に認知症の可能性があるという結果となった。
 ・要介護5では、実に4人に3人が認知症または認知症疑いという結果となった。
在宅介護サービスを提供するケアマネジャー(n=530)が担当する要支援・介護者(合計14,376名)のうち45.1%は、認知症の診断を受けていた (図1)。
厚生労働省の介護給付費実態調査※(2012年7月審査分)の利用者数を元に換算すると、実に204万人が認知症の診断を受けているという結果となった。また疑いまで含めると更に51万人増え、合計で255万人の推計数となった(図2)。
□主な調査結果(2)
・認知症についてケアマネジャーの関心事は「ご利用者本人への接し方」「ご家族との接し方」「ご家族の負担軽減」「認知症の薬物療法」「BPSDへの対応」の順でTOP5に。応対を除く情報ニーズでは「薬物療法」のみランクイン。
・ケアマネジャーの4人に3人以上は、認知症の治療薬について「ご利用者や家族に伝えたいと思う」と考えているケアマネジャーが関心のある認知症情報では、「ご利用者本人との接し方」「ご家族との接し方」「ご家族の負担軽減」が50%を超えた。
また、次いで関心が高かったのは昨今様々な機序・剤形が登場した「認知症の薬物療法」についてと、実際に悩まされることの多い「BPSDへの対応」だった(図3)。

更に、ケアマネジャーの77.5%は、認知症治療薬についてご利用者や家族に「伝えたいと思う」と回答(図4)。
治療薬の情報を求めると同時に、それを実際の介護に反映させたいという意思が確認された。
より詳細な情報はwebサイト上に掲載: http://www.caremanagement.jp/?action_ad2_y13_dementia=true&page=result
□調査概要
・調査目的 :ケアマネジャーの認知症に関するケア実態と情報ニーズの把握
・調査対象 :介護支援専門員(ケアマネジャー)
・調査手法 :インターネット調査
・調査期間 :2012年11月12日~11月25日
・有効回答数 :530名(担当する要支援・要介護者数の合計:14,376名)

<<株式会社インターネットインフィニティーについて>>
株式会社インターネットインフィニティーは、介護業界の最上位資格である「ケアマネジャー」に特化した会員制情報サイト「ケアマネジメント・オンライン」を運営しています。ケアマネジャー会員登録数は65,337人(2012年12月31日現在)で、毎月会員が増え続けているサイトです。当社は「日本の介護を幸せなものにする」という経営理念を掲げ、インターネットと介護を融合することにより、新しい介護の在り方・価値を創造して参りたいと思っています。
社名 :株式会社インターネットインフィニティー
代表者 :代表取締役社長 別宮圭一
設立 :2001年5月7日
資本金 :99,625,500円(2011年3月末現在)
従業員数 :364名(2011年4月現在)
URL :http://iif.jp
所在地 :東京都中央区築地5-6-10 電話番号:03-5148-2345(代表)
事業内容 :介護情報提供事業/福利厚生事業/介護事業所運営支援事業/老人ホーム紹介事業/介護サービス事業
介護者向けサイト「わかるかいご」: https://wakarukaigo.jp/
PRTIMES 2013年1月28日 原文のまま

「行き場のない低所得高齢者 受け皿いまだ整わず」(1月19日/東京新聞)
十人が火災で死亡した群馬県渋川市の老人施設「たまゆら」を運営していたNPO法人(解散)の元理事長に有罪を言い渡した十八日の前橋地裁判決。火災から三年十カ月となる今でも、身寄りのない低所得の高齢者を受け入れる認可施設は足りないままだ。たまゆらのような無届け施設が受け皿を果たしている事情は変わっていない。 (伊藤弘喜)
NPO法人「ふるさとの会」(東京都台東区)はたまゆら火災で行き場を失った元入所者の三人を受け入れた。林栄さん(83)は会が運営する無届け施設「自立援助ホームふるさと晃(あきら)荘」で暮らす。
軽い認知症がある。昨夏は二度、かつて暮らした東京・錦糸町で帰り道が分からなくなった。二十代で結婚したが、長女の誕生後に離婚。二十年の独り暮らしで体調を壊し、生活保護を受けるようになった。たまゆらでは「みんなとカラオケをするのが楽しかった」とほほ笑む。
たまゆらで亡くなった十人のうち六人は墨田区の生活保護を受けていた。特別養護老人ホームに空きがなく、有料老人ホームには生活保護費では入れない。林さんと六人も墨田区のあっせんでたまゆらに入っていた。
ふるさとの会は二〇〇五年から、低所得の高齢者が暮らせる受け皿をつくろうと、改修済み古アパートを借り上げ、空き家をなくしたい大家と高齢者をつないできた。
入居者は六畳間を二つに仕切った個室に暮らし、必要なら訪問介護など介護保険のサービスを受けられる。さらに薬の管理や外出の付き添いなど身の回りの世話をする職員が常駐する。介護保険や生活保護に含まれない付加的な支援だ。
しかし、入居者が生活保護費だけで暮らせるよう運営費は切り詰めざるを得ない。病気や障害が重くなると、人手に不安がある。滝脇憲常務理事は「行政には空き家などの資源を生かし生活支援する制度設計をしてほしい」と訴える。
厚生労働省によると全国の有料老人ホームのうち二百五十九施設(一一年十月現在)が無届け。国は低所得者向けの軽費老人ホームを増やそうと設置基準を緩和し、国と都は補助制度も設けた。しかし、都内で開設されたのは十五施設二百五十一人分(一月現在)で、目標の二百四十施設二千四百人分には遠く及ばない。都の担当者は「事業が始まって間もない。失敗ではない」と話す。
   ◇
前橋地裁の判決はたまゆらを運営していた元NPO法人理事長の高桑五郎被告(88)に禁錮二年、執行猶予四年(求刑禁錮二年六月)、元理事久保トミ子被告(76)に無罪(求刑禁錮一年六月)。高桑被告は会見であらためて謝罪するとともに「低所得者を受け入れる施設は満たされておらず、行政の光を当てていただきたい」と福祉への思いを語った。
Tokyo Web  2013年1月19日 原文のまま

★「サービス付き高齢者住宅 自治体の保険財政圧迫」(1月12日/茨城新聞)
実態は“有料介護ホーム” 県内急増
バリアフリー構造で入居者の安否確認や生活相談を行う「サービス付き高齢者向け住宅」が県内で急増している。県住宅課によると、昨年2月の第1号登録以来、11日までの約1年間で計75棟1975戸に達した。制度上は60歳以上の単身・夫婦を対象とした賃貸住宅だが、大半がデイサービスなどの介護保険施設を併設し、夜間もヘルパーらが常駐。安価な“有料老人ホーム”と注目され、東京都など県外からの入居者が相次いでいる。住宅扱いで介護保険制度の「住所地特例」が適用されず、立地が集中し始めた市町村では「介護保険財政を圧迫する」との懸念が現実化している。
▽1年間で約2千戸
「高齢者住宅」は改正高齢者住まい法に基づき、2011年10月にスタート。国土交通省が従来供給を促進してきた高齢者向け賃貸住宅を一本化し、入居者の安否確認や生活相談を必須としたことが「サービス付き」と呼ばれるゆえんだ。
居室はバリアフリー構造で床面積は原則25平方メートル以上、台所や水洗トイレ、浴室などを備えることが設備上の基準で、介護福祉士やヘルパー2級以上などのケアの専門家が少なくとも日中は常駐するよう住宅の運営事業者に義務付けた。
国は建設の際に1戸当たり最大100万円を補助するなど、「高齢者住宅」の供給を支援。県によると、県内の登録件数は11日現在、25市町村で計75棟1975戸。2?3階建ての共同住宅形態が多く、平均戸数は26戸。県住宅課は「審査中や事前相談の物件があり、今後も増える可能性はある」とみている。
▽魅力的な選択肢
賃貸住宅だが、全75棟が入居者に食事を提供し、約9割がデイサービスなどの介護保険施設を建物や敷地内に併設するなど、「実態は有料老人ホームに近い」と関係者。居宅介護支援、通所・訪問介護、グループホームなど手厚いサービスを売りにする業者もある。
ある介護保険事業者は「普通のアパート経営は老朽化すると入居率が下がるが、高齢者が“最期の住居”と期待する『高齢者住宅』は転居が少ない。安定した利用客を囲い込め、介護保険施設も収益が見込める」と、運営事業者の多くを営利企業が占める事情を解説する。
高齢者にとっても、特別養護老人ホームは空きがなく、有料老人ホームより費用が安い「高齢者住宅」は魅力的な選択肢となっている。
▽「特例」の対象外
しかし、立地が集中し始めた市町村は「県内外からの転入者で介護保険財政の負担が増大する」として、「高齢者住宅」の数量規制や特別養護老人ホームなどと同様に入居前住所の市町村が介護報酬を負担する「住所地特例」の適用を求めている。
約1年間で県内最多15棟414戸の登録があった水戸市の介護保険課は「東京などから入居し、介護サービスを受けている例はある」と指摘。要介護5の場合、1人当たり給付費は年額約360万円に上るため、「市に保険料を納めていない人の給付費を市民が負担する構図は不合理。地方が都会の問題を解決する受け皿になっている」と訴えている。
県は11、12年度の中央要望で国に改善を求めているが、今のところ国の動きは鈍く、国交省と厚生労働省の縦割り行政の弊害を指摘する声も市町村から出ている。
茨城新聞 2013年1月12日 原文のまま


2007年に介護支援ボランティア制度を初めて導入した東京都稲城市では、この制度により、市が負担する介護保険料が高齢者1人当たり月約11円(08年度)抑えられたという。
[介護予防]
高齢者が自立して、元気で過ごすための取り組みが盛んな地域社会を作る。さらに、体の機能がやや衰え、近い将来介護サービスを利用する可能性がある高齢者に対し、体を動かしたり栄養状態を改善したりすることで要支援・要介護状態にならないよう、弱っている機能の回復を目指す取り組み。
Yomiuri Online 2013年1月9日 原文のまま