2014年の介護保険の情報


2014年
「日・独・韓の介護保険制度を比較」(12月17日)
「「厳しい職場」印象強く 介護現場の人手不足」(12月10日)
「日本介護支援専門員協会が要望書を提出」(11月26日)
「介護と仕事の両立難しく 転職後も正社員、男性の34%」(11月23日)
「介護療養病床、存続へ 厚労省、全廃方針を転換」(11月6日)
「介護職場、低賃金に悲鳴」(10月30日)
「特養相部屋:自己負担に 室料月1万5000円徴収案」(10月29日)

「特養の個室割合、約7割に- 厚労省調査で」(10月23日)
「千葉県の介護型老人ホーム1位は 先進国の福祉手法を導入する「新浦安フォーラム」」(10月15日) 
「給与費は維持・増加の傾向 介護事業経営実態調査の結果」(10月13日)
「どうなる?お泊まりデイ:/上 日数制限「行き場無くなる」 県が指針案 施設・利用者は反発 /中 ニーズくみ、制度化を 介護拒否、金銭的理由 最後の受け皿 /下 指針大枠に柔軟対応を 県想定の受け皿、かみ合わず /鳥取」(10月8・10・11/毎日新聞)
「在宅介護の切り札  巡回サービス利益出ず」(10月4日)
「介護保険料 65歳以上の滞納急増 老いの貧困、制度揺るがす」(10月1日)
「ゆうゆうLife 介護保険の支給限度額 「用具多い」「認知症」「独居」で超過も」(9月18日)
「障害者、65歳を超えると86%に自己負担 介護保険に移行で」(9月17日)
「社会保障のは・て・な Q 介護の人手不足 仕事大変なのに低賃金」(9月9日)
「介護の離職率16.6%に低下 13年度の実態調査で判明」(8月25日)
「認知症、早期診断なら1年後も在宅生活7割 生協連合組織調べ」(8月19日)
「特養の相部屋整備支援 厚労省検討、施設不足受け」(8月19日)
「ローソン、コンビニで介護支援 ケアマネ配置」(8月16日)
「特養の待機者、過去最多2915人に 姫路市」(8月9日)
「「老老介護」初の5割超え 急速な高齢化浮き彫り 厚労省13年度まとめ」(7月15日)
「半数の介護施設が入居時に認知症を発症している人は「5割以上」と回答」(7月4日)
「「通所介護の事業者過剰」県に新規指定拒否要望」(6月27日)
「広がる「お泊まりデイ」…介護施策 機能不全の表れ」(6月4日)
「白老・介護サービスアンケートで73%が自宅生活望む」(5月22日)
「富山型デイサービス:障害、年齢で区別せず 都内初、江戸川で事業始まる/東京」(5月21日)
「介護保険の「定期巡回サービス」導入2年、普及進まず事業所数434ヵ所」(5月19日)
「介護職:低い賃金で疲弊 相次ぐ離職「仕事夢ない」」(4月27日)
「介護法案反対6万人署名 「認知症、適切支援できなくなる」」(4月23日)
「小規模多機能型居宅介護事業所、経営に苦慮-新潟県が調査」(4月8日)
「札幌市 認知症ケアスーパーバイズ事業を開始」(4月4日)
「年齢や障害超えた共生を 八幡平のNPOがホーム開所」( 3月31日)
「特養待機52万人 5年で10万人増」(3月26日)
「介護施設:入所女性の入浴時、湯が熱湯に やけど後に死亡」(3月15日)
「厚生労働省が介護サービス施設・事業所調査の概況を発表 介護サービス提供内容や職員配置状況なども公表」(3月15日)
精神科病院の「病床転換型居住施設」に反対する声明を発表(3月12日)
「「お泊まりデイ」 船橋市が指針…来月適用」(3月9日)
「長生きな親:両親あわせて介護18年で5000万円超 -人生後半戦の収支決算、徹底シミュレーション【6】」(2月28日)
「介護の指定取消など、12年度は120件- 前年度から50件近く減、厚労省」(2月27日)
「優良宅老所33施設に認定証」(2月22日)
「認知症ケアに特化、薬剤減量も 老人保健施設 在宅復帰強化型の取り組み」(2月13日)
「介護利用者負担2割に 法案を閣議決定」(2月12日)
「介護職員1万人不足 25年、石川県内 」(2月6日)
「お泊まりデイ」で通所介護施設に3年間連泊も」(1月29日)
「十人雑魚寝・口には…「無法状態」お泊まりデイ」(1月19日)
「お泊まりデイ、3年で26人死亡…誤飲・徘徊で」(1月19日)
「増える「お泊まりデイサービス」 人権、安全確保へ独自基準」(1月16日)
「介護事業者の倒産、昨年は過去最多の54件- 前年比6割増、商工リサーチ」(1月14日)
「特養入居待機 1万8000人…県内3年連続/千葉県」(1月10日)


★「日・独・韓の介護保険制度を比較」(12月17日/中日新聞)
二〇〇〇年の制度開始から十四年が過ぎた介護保険。日本が制度をまねたドイツや、日本から学んだ韓国と比べると、サービス給付限度額が手厚い半面、自宅で家族を介護する人への支援は乏しい。与党圧勝で終わった衆院選では、生活の党が「介護者への現金給付導入」を公約に掲げたものの、政策論争には発展しなかった。介護離職の問題が深刻化する中、介護者支援の視点で三カ国の制度を比較してみた。
◇家族らへの支援、乏しく
介護者への支援が充実しているドイツ。「在宅介護ではショートステイなど日本と同じサービスがあるが、現金給付を選択できる点で大きく異なる」。各国の介護制度に詳しい岡山県立大の増田雅暢(まさのぶ)教授(写真)(社会保障政策論)は指摘する。給付額は要介護度によって月額三万五千~十万五千円ほど。介護サービスと現金給付を組み合わせることも可能だ。
労災保険からの給付金や、介護保険財政からの年金保険料負担など、介護者への支援は至れり尽くせり。しかし、サービスを受けられる対象者は少なく、給付限度額も低い。
韓国は、「療養保護士」という国家資格をつくった。有資格者が事業所に登録して家族を介護すると、月に三万~六万円ほどの現金給付を受けられる。ホームヘルパーが、業務として同居家族を介護するのを禁じている日本とは対照的だ。
すべての療養保護士約二十四万人のうち、家族を介護する人が三割強を占めるという。しかし、不正受給が明るみに出ることも。
一方の日本。外部サービスの種類が多様な上に、給付限度額は最も高い。ドイツや韓国でサービスが受けられるのは日本の「要介護2」以上に当たる人たちで、日本は対象が幅広い。だが、介護者への支援は貧弱。介護保険財政から一部負担のある家族介護慰労金制度が、一部の市町村にあるぐらいだ。
厚生省(当時)職員として介護保険制度の創設に関わった増田教授によると、主に家族が負担していた介護を社会全体で担うため「介護の社会化」が導入時に重視された。ところが、社会化が強まって介護は外部サービスが中心に支える仕組みとなり、結果として家族らへの支援は置き去りになったという。
現金給付に関して、日本では「家族を介護に縛り付ける」といった反発も根強い。しかし増田教授は、在宅介護では家族が深く関わっている現状から、「要介護者が家族による介護を希望し家族が応えるならば、介護保険制度で支えるべきだ」と呼び掛ける。
ドイツでは、現金給付の上限額を外部サービスを利用した場合の六割程度と低く設定。このため現金給付を選ぶ人が多いほど、介護保険財政の膨張の歯止めとなり、外部サービスの利用も抑制されている。日本で問題が深刻化する保険財政膨張や介護職員不足の処方箋となる可能性もある。(諏訪慧)
<世界の公的介護制度>高齢化を背景に、欧州やアジアの先進国で1990年代から整備が進んだ。保険料を出し合って財源を確保して介護サービスを提供する「社会保険方式」と、税金で賄う「税方式」がある。
日本、ドイツ、韓国はいずれも社会保険方式を採用したが、全額を保険料で賄うドイツに対し、日韓は利用者負担と税金との組み合わせで運営している。イギリスやフランス、福祉先進国のスウェーデンは税方式。
Chunichi Web 2014年12月17日 原文のまま
編者:中日新聞の短い記事として紹介されているためかどうかわからないが、増田氏の主張がよく伝わらない。介護家族への支援は要介護者への介護保険サービスの充実が第一であり、それに加え介護家族の状況を加味した介護保険支援でよいだろう。これらのサービスが外部サービスでもかまわない。介護家族への現金給付は行うべきではない。ただし介護離職に対しては所得保証の制度を取り入れるべきだろう。公的介護保険の日独韓の国際比較では、実質的に日本が優れているとみている。とりわけ認知症に関しては。

★「「厳しい職場」印象強く 介護現場の人手不足」(12月10日/中日新聞)
介護現場で、人手不足感が強まっている。「求人を出しても一人も応募がない。こんなことは初めて」と危機感を募らせる施設も。介護職員の賃金が他産業に比べ低いことが背景にあるとみられ、国は賃金格差を縮め人材を確保しやすくする処遇改善法を来年四月に施行する。しかし、人手不足解消は見通せないままだ。安倍政権は、介護現場に外国人労働者を受け入れやすくする規制緩和の議論を足早に進めている。
◇求められる賃金格差縮小
名古屋市内の介護施設。広間で認知症のお年寄りらがテレビを見つめる。突然、男性が「うちに帰る」と訴え始めた。忙しく働く職員が、立ち止まっては「そうね」などと相づちを打つ。「人員に余裕があれば、一緒にちょっと散歩でもして、気を紛らわしてあげることもできるのに」。女性職員(50)は残念そうだ。
入所者百人に対し、職員は日中十人、夜間は四人で介護する。食事の準備から入浴、トイレ介助など、きりきり舞いだ。「少ない職員が、目の前の介護に追われ続けているんです」
別施設の事務長は「欠員一人が半年も埋まらない」と明かす。法的な職員数基準は満たしているが、夜間の勤務シフトなどが組みにくい。「施設管理に関わって五年。こんなに反応がないのは初めて。製造業に人材を持っていかれている感じ」と話す。その原因として、事務長は「介護職員の給与の低さが影響しているのでは」と想像する。
厚生労働省の二〇一二年の調査では、福祉施設職員の平均賃金は、全産業平均より月額十万円以上安い。景気の動向により他業種の求人が増えると、人手不足に陥りやすい。
別のグループホームで働く四十代の男性介護福祉士は、月の手取りが十七万円台。同僚が「生活が描けない」と辞めていく。人の入れ替わりが激しく、職場に余裕がない。「本当は認知症の人の生きる力を引き出すような介護をしたいが、人がいないので難しい」
 介護職員の不足は都市圏にある施設共通の悩みだ。
東京都練馬区の特別養護老人ホーム「光陽苑」。四人部屋と二人部屋が並ぶ定員六十四人の施設で、職員が食事介助やトイレの誘導などに慌ただしく動く。国の基準より多い二六・五人(常勤換算)の介護士らがいるが、副施設長の上田竜次さん(53)は「恒常的な職員不足で、勤務表を作るのが大変です」と話す。
特にひどいのが、この一年。求人を出しても中途採用の応募者がなく、新卒者の確保も厳しい。直接雇用は難しいと判断し、やむなく派遣会社から介護士を派遣してもらっている。しかし、派遣会社の人繰りも厳しいようで、新たな派遣依頼をしても「二~三カ月は無理」と言われる。
人手不足の一因として、上田さんは厳しい職場というイメージが先行していることを挙げる。「普通に働けば、結婚して子どもも持ち、家も建てられるのに」と上田さん。施設長の加藤修一さん(50)は「国レベルでの人材育成などの対策が必要」と訴える。
厚労省によると、一三年十月一日時点の全国の介護職員は百七十六万五千人。団塊の世代が七十五歳以上となる二五年度には、七十万人以上多い約二百五十万人の職員が必要と推計されている。衆院選では自民、民主、公明、共産、社民の五党が介護職員の処遇改善や人材確保を公約。民主は「介護報酬のプラス改定」を掲げ、共産は「国費の直接投入による賃金引き上げの仕組みを創設する」としている。
◇外国人介護職を受け入れ
「ハイ、左足を上げてくれませんか。ワン、ツー」
東京都板橋区の特別養護老人ホーム「ケアポート板橋」。勤務するフィリピン人介護福祉士のエハーシト・ピンキー・アルバレスさん(36)(写真右下)が、車いすの女性と体操を始めた。少し汗をかいたところでハイタッチで終了。アルバレスさんの人懐っこい笑顔に、お年寄りの顔も自然にほころんだ。
      ◇
深刻な介護人材不足に伴い、外国人職員受け入れの議論が活発化している。
政府は六月に閣議決定した新成長戦略で、外国人雇用の特例である技能実習制度の対象に介護職を加える方針を打ち出した。開発途上国の外国人に職場教育を通して知識や技能を身につけ、帰国後に生かしてもらう目的で創設された制度。現在、実習職種は農漁業、建設、食品製造など「モノ作り」が主の六十八種に限られ、三年の期限付きで約十五万人が在留している。
こんな制度に介護はなじむのだろうか。「介護や福祉分野は、単に労働力が確保されればいいというわけではない。日本語による十分なコミュニケーション能力をはじめ、利用者や同僚との信頼関係づくり、いわば福祉マインドを養成する教育が現行制度で十分にできるのか」。こう疑問を呈するのは、結城康博・淑徳大教授(社会保障論)だ。
国内には、アルバレスさんのように介護の仕事を担うため来日した外国人が既にいる。インドネシア、フィリピン、ベトナムとの経済連携協定(EPA)に基づく受け入れだ。施設で働きながら日本語や介護技術を学び、四年目に介護福祉士の国家試験を受けるのが条件。合格すれば、日本で働き続けられる。二〇〇八年開始の事業では千五百三十八人が来日し、合格者は二百七十四人(一四年十月一日現在、国際厚生事業団調べ)。受験の失敗や家庭の事情で帰国した例を除き、介護福祉士か候補者として働いているのは現在千人余という。
      ◇
EPAでは、日本人と同等以上の報酬や国家試験に配慮した研修計画作成など受け入れ側にも厳しい条件がつけられる。その上に施設独自の努力もあって、ようやく人材が育つ。「仕事、学習、生活の各面で支援が必要。しかし、彼らの懸命さやホスピタリティーから学ぶ点も多く評判も良い」。過去六人のEPA研修生を受け入れたケアポート板橋の須田潔施設長は言う。
政府は十月から、有識者検討会で介護分野の技能実習生受け入れの在り方を論議。実習前に日本語能力、一定の実習後に技能評価の試験を課すことなどで一致しているが、EPAほど厳格さを求める方向にない。技能実習では、EPAの数十倍を受け入れなければ「焼け石に水」(都内の介護事業者)になるからだ。
これに対し結城教授は、現行では、送り出し国の仲介業者が多額の経費を徴収し、借金漬けの実習生が来日後失踪するなどの問題を起こす例がある点も指摘。「外国人介護人材は将来的に必要不可欠だろうが、安易な受け入れは質の低下を招き、かえって日本人の人材不足も進む。仕事の公共性や実習生の人権の問題などもきちんと議論して対応するべきだ」と注文する。
介護事業所側の賛否も割れている=グラフ。「ゴリョウシャサマ(ご利用者さま)から『ありがとう』と言われることが楽しい。日本語はまだ難しいけど、頑張ります」。アルバレスさんらに続く人材を育てる意義を真剣に考えるときだ。
(白鳥龍也、竹上順子、佐橋大)
Chuniche Web 2014年12月10日 原文のまま

★「日本介護支援専門員協会が要望書を提出」(11月26日/ケアMews)
平成26年11月19日、ベルサール秋葉原において厚労省の第115回社会保障審議会介護給付費分科会が開催された。
その会議において、一般社団法人日本介護支援専門員協会では、「平成27年度介護報酬改定にあたっての要望」を提出した。
要望提出の経緯
ケアマネジメントとケアマネジャー(介護支援専門員)を組み入れた日本の介護保険制度は開始から14年を経た。
独居高齢者や認知症高齢者が増加し、社会状況が大きく変化しているなかで介護保険制度は大きな役割を果たしているが、そのような状況下でケアマネジャーは、利用者や家族を中心に据えた「その人らしい生活」を支えてきている。
ケアマネジャーは介護保険法において、専門職として唯一資格の更新制が導入されており、全国で利用者の自立支援に資するケアマネジメントを実践する努力を重ねるケアマネジャーや事業所・施設に対して、より適切に評価してもらえるよう今回の要望が出された。
提出された要望書のなかでは、大きく分けて「居宅介護支援について」「介護保険施設に勤務するケアマネジャーについて」「ケアマネジメントの適切な評価について」「介護予防と新しい地域支援事業の導入について」の4点について、それぞれの項目で詳細な要望がなされた。
(ケアNews  2014年11月26日 原文のまま
関連資料:平成 27 年度介護報酬改定にあたっての要望(pdf200K)

★「介護と仕事の両立難しく 転職後も正社員、男性の34%」(11月23日/日本経済新聞)
親の介護を理由に転職した人で、転職先でも正社員として働いているのは男性で3人に1人、女性は5人に1人にとどまることが、22日までの明治安田生活福祉研究所(東京・千代田)などの調査で分かった。転職した場合、平均年収は約半分に減少した。家族の世話を優先するため、安定的な収入を得られても、転勤などの機会の多い正社員に就いていない現状が浮き彫りになった。
調査は同研究所とダイヤ高齢社会研究財団が8~9月、親の介護を経験し、介護開始時に正社員だった全国の40歳以上の男女を対象に実施。男性1545人、女性723人の計2268人から回答を得た。
その結果、介護のために転職したのは男性412人、女性155人。介護を始めてから以前の勤務先を辞めるまでの期間を聞いたところ、1年以内の人が男性は52%、女性は56%を占めた。
転職の最大のきっかけは「自分以外に親を介護する人がいない」との回答が男女ともに20%を超え最多。転職先でも正社員として働いている人は男性が34%で3人に1人、女性は21%で5人に1人にとどまった。
正社員の場合、転勤の辞令を受けたり、社員数が少ない企業だと休暇が取りにくかったりするなど、介護と仕事の両立が難しいとされる。このため、介護を理由に転職した男性の約3割、女性の約6割は、働く時間を調整しやすいパート・アルバイトとして働いていた。
転職前後の平均年収を比較すると、男性は556万円から341万円と約4割減少、女性は350万円から175万円と半減していた。
一方、仕事を辞めて介護に専念している人は男性で412人、女性は155人いた。このうち介護を始めたときに親と同居していた割合は男性55%、女性51%。同じ仕事を継続しながら介護をしている人(男性515人、女性258人)に比べて男女ともに10ポイント以上高く、親との同居が介護離職につながりやすい傾向も明らかになった。
介護に専念している人に、以前の職場で介護休暇などの制度を利用したか聞いたところ、男性の65%と女性の63%が「特に利用していない」と回答していた。
総務省の就業構造基本調査によると、高齢化の進展で認知症の家族などの介護を理由に会社を辞める人は年間約10万人で、働きながら介護している人は約240万人に上る。多くの企業にとって、組織を支える中高年世代にのしかかる負担は経営問題となりつつある。
同研究所は「介護離職などを防ぐため、企業は介護と仕事を両立できる制度を整えるとともに、利用につながるよう従業員への周知を徹底する必要がある」と指摘している。
日経電子版 2014年11月23日 原文のまま
関連資料:「仕事と介護の両立と介護離職」に関する調査」明治安田生活福祉研究所 2014 年 11 月 11 日(pdf480K)

「介護療養病床、存続へ 厚労省、全廃方針を転換」(11月6日/日本経済新聞)
厚生労働省は、長期入院の高齢者を受け入れる病院の「介護療養病床」を条件付きで存続させる方針を固めた。2017年度末に全廃するとしてきた改革方針を転換し、重篤者が多いなど5つの要件を満たす病院には介護報酬の支払いを続ける。家庭の事情で病院で暮らす「社会的入院」を減らして医療・介護費を効率化する改革は道半ばで軌道修正することになる。
介護療養病床の存続は6日に開く社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護給付費分科会で具体案を示す。病院や施設に支払う介護報酬の3年に1度の改定に合わせ、来年4月実施を目指す。
約7万1千床ある介護療養病床を、来年4月から「療養機能強化型(仮称)」とその他に区分けする。医療措置の必要度が比較的高い人を多く受け入れている病院を新区分に位置づけ、存続を認める方針だ。
具体的には受け入れている患者の状態について、重篤な病気がある、たん吸引やチューブによる栄養補給などの処置を受けている、終末期のケアを受けている――など5つの要件を設定。これらの項目をすべて満たす病院を存続対象にする。
新たな区分に入った病院には経営を続けられるよう今より手厚く介護報酬を支払う。一方で区分から外れた病院の報酬は引き下げ、リハビリを手掛ける介護老人保健施設への転換を促す。
厚労省は06年、療養病床のうち、介護保険を適用する介護型の廃止を目指す方針を決定した。医療の必要性が乏しいのに家庭の事情などで病院で暮らす高齢者を自宅などに戻し、社会的入院を解消するためだった。高齢化で膨らむ社会保障費を効率化する狙いで、12年度時点で医療と介護の給付費を年3千億円抑える効果を見込んでいた。
廃止方針を転換するのは、在宅で高齢者をケアする体制が整わず、病床廃止後に行き場がなくなる高齢者が出かねないと判断したためだ。
同省は医療の必要度が高い人が多い病床に限って存続を認めることで、病床再編を通じた医療費の効率化は今後も進める方針。ただ存続が認められる病床数は、要件の詳細しだいで大きく変わる。患者一人ひとりの状態をみて入院の可否を判断するわけでもない。療養病床が社会的入院の温床になる余地は残る。
▽療養病床 長く療養する人が使う入院ベッドのこと。医療保険を適用する「医療型」と介護保険の「介護型」がある。厚生労働省は2006年、約38万床(当時)のうち医療型を約25万床から約15万床に減らし、介護型は約13万床すべてを廃止して、リハビリ目的の老人保健施設などへの転換を促す方針を打ち出した。厚労省の当時の調査では利用者の5割が医師の対応が不要で、3割が自宅や福祉施設で生活できると判定された。
日本経済新聞電子版 2014年11月6日 原文のまま

「介護職場、低賃金に悲鳴」(10月30日/中日新聞)
介護職場はブラック化しているのか-。こんな危機感を背景に、介護職員の現状と課題を考えるミニ・シンポジウムが今月、東京都内で開かれた。「低賃金の上に効率化を強いられ、やりがいも保てない」。現場を知る発言者から報告が相次いだ。新たな人材確保が困難になっている半面、離職率は高く、働く側からの介護保険制度崩壊も懸念されている。
「働く上での不満がある」81%、その理由は「賃金が安い」54%、「仕事量が多い」36%-。
介護業界唯一の横断的な労働組合で、約六万七千人が加盟するUAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)の染川朗(そめかわあきら)事務局長は、組合員六千五百人を対象にこの三月に行った意識調査の結果を紹介した=グラフ。冒頭の数字は月給制組合員のものだが、仕事への不満は時給制組合員でも約六割に上り、やはり半数が低賃金を理由のトップに挙げた。双方、「何年たっても賃金が上がらない」との理由も上位を占める。
月給制組合員の現在の平均賃金は月額二十一万三千円。厚生労働省の二〇一三年賃金構造基本統計調査では、全産業の平均賃金は三十二万四千円、医療・福祉分野に限っても二十九万四千円で、介護職員とはざっと十一万~八万円の開きがある。時給制組合員も、最も重労働の身体介護職で平均時給千二百九十三円と十分ではない。染川さんは「賃金が安いから人が集まらない。人手が足りないから仕事量が多くなり、休みが取れない。そして離職者が増えていく、との悪循環に陥っている」と指摘。脱出の糸口は「やはり賃金(アップ)だ」と訴えた。
シンポでは、弁護士らでつくる「介護労働ホットライン実行委員会」の藤沢整(せい)共同代表が、昨年十月と今年二月に二日間ずつ行った電話相談の状況を報告した。受け付けた計七十八件の九割以上が賃金・待遇に関する内容で「毎日八時間働いて月の手取りが十一万円では生活できない」「九年間同じ事業所に勤めて時給七百円のまま」「定時にタイムカードを押した上で残業をさせられる」など、深刻な悩みや訴えが寄せられたという。
ブラック化ともいえるこうした状況の背景を、講演した竹信三恵子・和光大教授は「女性が家庭内で無償で担ってきたケア労働に、高い報酬は必要ないとの日本的意識の上に、効率優先のチェーン店的介護事業経営が結び付いた結果だ」と分析。家事に対する奉仕の精神と「企業戦士」的な、がむしゃらな働き方の両方を要求されることが事態を一層悪化させている、と問題提起した。
NCCUの意識調査では、介護の仕事でやりがいや喜びを感じるとき、との問いに「ありがとうと言われたとき」「利用者・家族の笑顔を見たとき」などの回答が多数を占め、現場の士気は決して低くないことが分かった。参加者は政府に対し、介護職員の賃金水準を確実に改善するとともに労働基準法順守、介護労働の実態調査などを求めていくことで一致した。
シンポは介護労働ホットライン実行委と介護問題を研究する「市民福祉情報オフィス・ハスカップ」が共催。介護職員や労組関係者ら約七十人が参加した。(白鳥龍也)
<介護職員数の推移> 厚労省によると、ホームヘルパーおよび介護施設で働く職員は、介護保険制度が始まった2000年度の約55万人から、12年度は約169万人に増加。だが、近年は年間の就職者数の8割近い退職者を数え、うち6割が他産業に転出。同省は団塊の世代が75歳以上となる25年度には、12年度より80万人多い約250万人が必要と推計しているが、確保は厳しい状況だ。
Chunich Web 2014年10月30日 原文のまま

★「特養相部屋:自己負担に 室料月1万5000円徴収案」(10月29日/毎日新聞)
厚生労働省は29日、特別養護老人ホーム(特養)の相部屋の室料を、住民税課税世帯の入居者を対象に来年4月から全額自己負担とする案を社会保障審議会介護給付費分科会(厚労相の諮問機関)に示した。実費として月1万5000円を徴収する案が出ている。電気、ガス、水道利用料(現在月1万円)も1000円程度値上げする。これで在宅、施設双方の事業所に払われる介護報酬の改定方針がおおむね出そろった。
在宅介護への移行を重視した2015年度の介護報酬改定案に盛り込んだ。厚労省は特養の個室化を進めているが、依然6割は相部屋(4?6人)。個室料金は全額自己負担だが、カーテンなどで仕切っただけの相部屋は低所得の人が多く、介護保険を使って自己負担を1割に抑えてきた。
個室入居者は月5万円程度の室料を払っており、相部屋の人にも実費を求めることにした。ただ、特養入居者(約52万人)の8割は住民税非課税世帯。こうした人には補助を厚くし、室料、光熱水費とも増えないようにする。負担増となる人は5万?6万人とみられる。
他に施設関係では、15年度から特養への入居が要介護3以上の中重度者に限られるのを踏まえ、有料老人ホームを特養に入れない人の受け皿とする方針を明示した。認知症の人を受け入れる体制を整えれば報酬を上乗せする。また重複する報酬を見直し、低賃金とされる介護職員の給与改善用に回す。「特養は内部留保が多額」との指摘を踏まえ、特養の基本サービス費カットも示唆した。
在宅介護の改定では、在宅介護に積極的な業者への加算新設や、介護職員不足を和らげるための人員配置基準を緩和する。通いだけでなく、宿泊や訪問サービスも受けられる「小規模多機能型居宅介護」では、訪問介護担当の常勤職員を2人以上配置するなどした事業所向けに「訪問体制強化加算」を新設する。
終末期の「みとり介護加算」も設ける。人手不足への対応として、訪問介護サービスを手がける責任者の配置を、今の「利用者40人に1人以上」から「50人に1人以上」へと緩める。
介護報酬は政府が今年末に改定率を決定し、年明けにサービスごとの料金を決める。【吉田啓志】
◇在宅・施設サービスの介護報酬の主な見直し案
【訪問介護】
・小規模多機能型居宅介護に「訪問体制強化加算」「みとり介護加算」を新設
・サービス提供責任者の配置を「利用者40人に1人以上」から「50人に1人以上」に緩和
【施設介護】
・特養の相部屋料金を、一定以上収入の人は全額自己負担とし、光熱水費を1000円程度値上げ
・介護職の賃上げに向け「処遇改善加算」を充実
・有料老人ホームなど向けに「サービス提供体制強化加算」「認知症専門ケア加算」を創設する一方、介護予防の基本報酬はカット
毎日jp 2014年10月29日 原文のまま

★「特養の個室割合、約7割に- 厚労省調査で」(10月23日/キャリアブレイン)
介護保険施設のうち、「個室」の割合が最も高いのは特別養護老人ホーム(特養)で、その割合は約7割に達していることが、厚生労働省の調査で分かった。このほど発表された2013年の「介護サービス施設・事業所調査」で明らかになった。また、介護保険施設から家庭に帰った人の割合が最も高かったのは、介護老人保健施設(老健)であることも分かった。【ただ正芳】
厚労省は、昨年10月1日現在の状況について、介護保険制度の施設・事業所(延べ34万3039か所)を対象に調査を実施。取り組むサービスの種類などの基本的な調査内容については延べ33万5992か所から、入所者のサービスの利用状況などの詳細な調査項目については延べ29万2132か所から回答を得た。
介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)における「個室」の割合など、部屋の定員数に関する調査では、特別養護老人ホーム(特養)の場合、「個室」の割合が最も高く69.3%となった。次いで多かったのは「4人室」の20.5%だった。個室の中でも多かったのは「ユニット型」で、全体の53.5%を占めた。介護老人保健施設でも最も多かったのは「個室」(44.1%)で、次に多かったのは「4人室」(41.2%)だった。
一方、介護療養型医療施設で最も多かったのは「4人室」(50.9%)で、全体の半分以上を占めた。次いで多かったのは「個室」(20.8%)だった。
□利用者が「家庭」に帰った割合、老健では3割超に
介護保険施設の利用者の退所先を調べた結果では、退所者が「家庭」に帰った割合が最も高かったのは老健の31.7%。介護療養型医療施設は9.3%、特養は1.8%だった。一方、その施設で亡くなった利用者の割合は、特養が72.7%で最も高かった。次いで高かったのは介護療養型医療施設(41.4%)で、老健は8.7%だった。
介護サービスの事業所数のうち、居宅サービスで最も多かったのは通所介護の3万8127か所で、次いで多かったのは訪問介護(3万2761か所)だった。介護保険施設では、特養が6754施設、老健が3993施設、介護療養型医療施設が1647施設となった。
CBNews 2014年10月23日 原文のまま
関連資料:平成25年介護サービス施設・事業所調査

★「千葉県の介護型老人ホーム1位は 先進国の福祉手法を導入する「新浦安フォーラム」」(10月15日/ダイヤモンド)
実用ライフスタイル誌「ダイヤモンドQ」 創刊準備1号(10月2日発売)で作成した有料老人ホームランキング。各地域を取材したレポートの第8回目は千葉県。
千葉県の介護型で1位は、ベイエリアにある「新浦安フォーラム」。グスタフ・ストランデル社長(写真右上)は、日本スウェーデン福祉研究所を立ち上げ、スウェーデン発祥の緩和ケア「タクティールケア」など北欧の進んだ福祉技術や理論を日本に紹介してきた人物。ここは彼のこだわりを実践するホームだ。
訪問介護サービスをはじめ、デイサービスやショートステイ、介護相談や研修センターとあらゆる機能がそろう。看護師は24時間常駐し、提携医院も同じ建物内に整備。利用者の介護度に合わせてサービスを提供し、最終的に看とりまで対応する。
「認知症になっても安心して暮らせ、安心して亡くなる場所をつくりたい」とストランデル社長は話す。
日々のケアやアクティビティでは、認知症の人でも簡単に扱えるスウィングバーギターを使った音楽療法「ブンネ・メソッド」などスウェーデン式を積極的に取り入れる。
設備面でも、認知症の人に脅威となる長い廊下には必ず休憩所を設置するなどの配慮が行き届く。広いリビングとひのき風呂が備え付けられているほか、約24平方㍍の広い個室にもシャワーが付いて個別の排せつケアに対応。個別ケアを実現するため、入居者2人に対し職員1人以上の人員配置を確保している。
ストランデル社長は「徹底した個別ケアで生活の質を守るのがここの理念。そのための手法や資源の確保、人材育成を十分に行ってきた」と胸を張る。入居率はほぼ100%で、待機者も居るという。
妻の骨折を機に夫婦で「シーハーツ小金原公園」(介護型7位)に入居した93歳の高橋幸二さんは、「家に居るより極楽。食事もおいしいし、何から何までやってもらって甘えてしまうのが困ったところ」と言う。60歳から始めたピアノを自室で楽しみ、健康のために朝の読経も欠かさない。
同施設の魅力は、食事やアクティビティなどで入居者が選択できる範囲が広いところ。毎日の昼食メニューは2~4種類用意されており、うどんかそばか、しらす丼か親子丼か、豚肉かサバかなどを選べる。その他バイキング形式の朝食や、B級グルメ、デザートバイキングなど、食べる楽しみを重視。食事の時間を選べる体制づくりも検討しているという。
また、風船バレーや書道、カラオケ、映画観賞など、毎日何かしらのアクティビティが行われる。参加は自由で、同じ時間帯に違う活動をすることもある。
江寺光義施設長(写真右下)は「全てにおいて押し付けにならない形で提供している。隠れたニーズや気持ちを出しやすい介護にしたい」と話す。
運営するグリーンライフグループは、複数のブランドで全国に61施設を展開。医療度が高くなった場合には24時間の看護体制がある施設に住み替えることもできるので安心だ。
写真説明
右上:相手の背中や手足を柔らかく手で包み込むように触れるタクティールケア。「新浦安フォーラム」では職員が研修を受けて日常的に施す
右下:「シーハーツ小金原公園」では納涼祭に向けておみこしの飾りを作っていた。書道や絵画に凝る人も多く、壁に作品が飾られている
ダイヤモンド・オンライン 2014年10月15日 原文のまま
編者:富裕層向けと思われる有料老人ホームでの取り組みとして紹介した。

「給与費は維持・増加の傾向 介護事業経営実態調査の結果」(10月13日/福祉新聞)
厚生労働省は3日、2015年度介護報酬改定に向けて、今年3月の介護保険事業の収支状況などを調べた「介護事業経営実態調査」の結果を明らかにした。3年前に比べ、定員29人以下の地域密着型特別養護老人ホームの収支が大きく改善した。全般的に職員の給与費は維持・増加する傾向にあり、厚労省は事業運営が安定していると見る。  
調査は12年度介護報酬改定の影響を調べ、15年度改定の参考にするもの。全国の介護施設・事業所1万6145カ所が回答した。厚労省は同日の社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会で報告した。  
収支差率が高いサービスは「余裕がある」として報酬を下げられることがある。調査結果によると、収支差率が10%を超えたのは特定施設入居者生活介護(12.2%)、認知症グループホーム(11.2%)、通所介護(10.6%)。  
地域密着型特養ホームの収支差率は8.0%で、3年前の11年調査(1.9%)に比べて大きく上昇した。収入に占める給与費(賞与や通勤手当などを含む)の割合は微減したが、職員1人当たり給与費は上がった。  
特養ホームは定員規模が大きいほど収支率が高い傾向にあり、06年度創設の地域密着型特養ホームは、かねて非効率なサービスの典型とされていた。  
他のサービスでも給与費はおおむね上昇。老人保健施設は収入に占める割合が上がり、収支差率が下がった。定員30人以上の特養ホームも収支差率が下がった。  
給与費が上がったことを肯定的に見ることもできる半面、委員からは「少ない人数でより多くの利用者を介護し、疲弊している可能性がある」との見方も示された。  
12年度に創設された「定期巡回随時対応型訪問介護看護」と「複合型サービス」は今回の調査で初めて経営実態が分かった。
この2サービスは収支差率が低いため、委員からは「マイナスイメージが先行しないか懸念される」といった意見が上がった。
どうなる処遇改善  
12年度改定では全額国費の介護職員処遇改善交付金をなくす代わりに、処遇改善加算を創設した。交付金による賃上げ効果を維持することが狙いだ。  
15年度改定は消費税財源を活用し、介護職員の賃金をさらに引き上げることが社会保障と税の一体改革のシナリオに入っている。  
シナリオ通りならば、介護職員1人当たり月額1万円程度の賃上げが目安になる。処遇改善加算は12年度から3年間の限定措置とされたが、15年度以降も残すよう求める意見が介護給付費分科会で上がっている。  
一方、社会福祉法人をめぐっては、いわゆる内部留保が過大だとして報酬の引き下げを求める意見がある。このため、賃上げのためのプラス改定要因を打ち消す可能性もある。
福祉新聞WEB 2014年10月13日号 原文のまま

「どうなる?お泊まりデイ:/上 日数制限「行き場無くなる」 県が指針案 施設・利用者は反発 /中 ニーズくみ、制度化を 介護拒否、金銭的理由 最後の受け皿 /下 指針大枠に柔軟対応を 県想定の受け皿、かみ合わず /鳥取」(10月8・10・11/毎日新聞)
「上 日数制限「行き場無くなる」 県が指針案 施設・利用者は反発」(10月8日
高齢者が通所介護(デイサービス)施設を利用し、介護保険制度では対象外の宿泊までする「お泊まりデイサービス」。国の法定基準がなく、県は昨年12月に独自にアンケートを実施し、一部施設で安全管理に問題があったとして今年7月に指針案をまとめた。しかし、施設関係者や利用者の家族らは「現状に即していない」と反発。現行の制度ではケアが困難な人の受け皿とされる「お泊まりデイ」の現状と課題を探った。【真下信幸】
10月上旬のある日、倉吉市山根のデイサービス施設では営業終了時間の午後5時を過ぎた午後6時半ごろ、テレビやリハビリ器具などが並ぶ懇談スペースに4人の高齢者の姿があった。職員に食事をさせてもらったり、数字を使ったゲームで頭の体操をしたりして時間を過ごす。
隣の約50畳の部屋にはベッド10床が並び、カーテンや壁で仕切られて個人のスペースが確保されている。少しのぞくと、数日分の衣類などが納められた小さな引き出しが見える。既に4人の利用者が就寝していた。
この施設「寿々(じゅじゅ)」は日中の利用者が12?13人の中規模施設で、現在8人が「お泊まりデイ」を利用。多くが1年近く連続宿泊し、過去には最長で5年間連泊した人もいたという。
お泊まりデイは、本来は日帰りで入浴や食事などをするデイサービス施設で、宿泊もすること。日中は介護保険の対象だが、夜間は対象外で施設の自主事業となる。急用ができた家族が短期間預けるなど全国で利用が増加し、県の昨年12月のアンケートでも県内302のデイサービス施設中67施設が実施。1カ月で547人が利用し、うち293人は20日以上宿泊していた。
だが、一方で法的な基準は無く、施設は無制限に受け入れることができるため、過剰な囲い込みや劣悪な環境につながるなどの問題も指摘される。県の調査でも一部施設が狭いスペースで「雑魚寝」をさせていた他、本来は自宅で生活できるよう支援するべきなのに長期間の連泊をさせていることなどが問題視された。
県は今年7月、連続宿泊は30日以内▽宿泊者は日中の定員の40%以内など、安全管理に向けた指針の素案を発表。罰則はないが、各施設の適合状況をインターネットに公表することで実効性を担保し、「将来的にお泊まりデイの撤廃を想定する」(県長寿社会課)という。
だが、これには施設関係者や利用者の家族らが声を上げた。計66件寄せられたパブリックコメントのうち44件が反対意見。「家族の負担軽減にならず30日制限は困る」(利用者の家族)「認知症で他の施設に断られるなど特別な事情の長期間利用もある」(施設関係者)など、日数制限に関する意見が目立った。
複数の会員がお泊まりデイを実施する「とっとり小規模ケア連絡会」は9月9日、日数制限の緩和や設備改修の補助などを求める要望書を県に提出。県との意見交換会でこう訴えた。「長期利用者約300人の行き場が無くなる」
写真説明:午後6時半ごろ、懇談スペースには宿泊利用する高齢者や職員が集まる
毎日jp 2014年10月08日 原文のまま

「中 ニーズくみ、制度化を 介護拒否、金銭的理由 最後の受け皿」(10月10日)
「家族の関係などから自宅に帰れない人が多い。介護を拒否されたケースもあるなど、行き場が無くなった人が利用している」。本来は日帰りのデイサービス施設で、現在8人が「お泊まりデイ」を利用している倉吉市山根の「寿々(じゅじゅ)」の施設長、河本光司さん(61)はそう説明する。
80代の男性は自宅で介護を受けていたが、妻に暴力をふるうようになり入所した。かつて利用していた80代の女性は唯一の身寄りだった娘が介護を放棄。数年にわたり宿泊を続けた後、息を引き取った。葬儀や永代供養まで施設が行ったという。
金銭的な理由も大きい。寿々の料金は要介護度にもよるが、日中のデイサービス代や食費などを含めて多くて月額7万円ほど。県のお泊まりデイのアンケートでは1泊の費用(夕朝食を含む)は1000?3000円の施設が大半だった。「1カ月単位で宿泊すると割引する施設もある」(介護関係者)といい、月額は6万?8万円程度という。
これに対し、有料老人ホームなどの入所施設は15万円近くかかることが多く、入居時に数十万?数百万円の一時金を求められる場合もある。比較的安いとされる特別養護老人ホーム(特養)は10万円以下で利用可能な施設も多いが、その分、人気も高い。県内の待機者は昨年7月で約520人。1?2年の順番待ちとなるケースもあり、なかなか入所できないのが現状だ。「お泊まりデイは利用者のニーズから生まれ、セーフティーネットとして機能している」と河本さんは言う。
県は連続宿泊を30日以内とするなど独自の指針の素案を7月に発表していたが、こうした声を受け、9月に急きょ変更案を作成。連続宿泊と総宿泊数について、ケアマネジャーが必要性を判断した場合には長期間利用を認め、来年1月としていたインターネット公表も来年4月に遅らせた。今月9日の県議会常任委員会で了承され、月内に施行する見込みだ。
「とっとり小規模ケア連絡会」の信原和裕事務局長(63)は「県が長期間のお泊まりデイの必要性を認めた」と評価。一方で消防法や建築基準法に基づくスプリンクラー設置など設備改修への補助がないことについて「費用面で実現は難しい。県は『制度の裏付けがない』と説明するので、今後はお泊まりデイの正式な制度化を求める」という。
河本さんも、宿泊環境が劣悪だったり衛生管理が行き届いていない施設については「最低限守るべき部分がある」と批判しつつ、「県はニーズを受け止め、ガイドラインではなく条例などで制度として整備してほしい。将来的に撤廃などと言うのではなく、劣悪な施設があれば制度に基づいて指導し、必要なら補助を出してお泊まりデイを育てていく方向性が必要」と訴えている。【真下信幸】
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□お泊まりデイに関する県指針素案の主な項目
▽連続宿泊は30日まで(※ケアマネジャーが必要性を認めれば超過可能)
▽総宿泊数は要介護・要支援認定有効期間の半数を超えない(※同上)
▽要介護度3以上の人の宿泊は宿泊者数の半分以下にする(スプリンクラー設置の場合を除く)
▽宿泊定員はデイサービス定員の40%以内
▽看護師資格を持つ職員が1人以上は必要
▽宿泊部屋は原則個室
▽2階以上の宿泊は原則不可
▽旅館業法が定める衛生措置基準の順守
▽消防法、建築基準法の順守
▽スプリンクラーの設置などで安全確保に努める
▽各施設の宿泊実施状況をインターネットで公表(※来年1月からを来年4月からに変更)
 ※は9月に変更案で緩和した内容
毎日jp 2014年10月10日 原文のまま

「下 指針大枠に柔軟対応を 県想定の受け皿、かみ合わず」(10月11日)
高齢者が日帰りのデイサービス施設で宿泊までする「お泊まりデイサービス」について、独自の指針策定を県が進める中、厚生労働省も今年8月、国としての指針を来年4月に策定する方針を示した。県は「連泊制限や利用定員など基本的なことを定めるのだと思うが、県の指針と大きく変わることは想定していない。その他の細かい部分は県指針を適用することになる」と説明する。県内で実施している施設側は条例などによる制度化を求めているが、県は「国が制度として認めていないものを独自に設けるのは難しい」との立場だ。
将来的には「お泊まりデイ」の廃止を想定する県は、利用者の受け皿として「小規模多機能型居宅介護施設」の活用を挙げる。介護保険サービス施設の一つで、利用者は最大定員25人の施設に登録し、自宅での訪問介護を中心に、施設でのデイサービスや宿泊を組み合わせる。どのサービスも同じ施設で受け、顔なじみの職員が対応するため、家庭的な雰囲気で過ごせるとされる。県内には約60施設あり、登録者は定員の約75%で300人ほどの空きがある状態という。
だが、先月9日の「とっとり小規模ケア連絡会」と県との意見交換会で、施設側は「お泊まりデイの利用者は要介護度が高い人が多い。家族が在宅で介護しきれず、利用しているのが現状」と指摘した。県の昨年12月のアンケートでも、利用者の6割は自力で立ち上がれず生活全般に介護が必要な「要介護3」以上だった。
「利用者や家族は長期間入所できる施設を求めている。在宅が基本の小規模多機能とはニーズがかみ合わない」と、倉吉市でデイサービス施設を運営し、お泊まりデイも行う河本光司さん(61)は言う。小規模多機能は在宅でのサービスが前提のため宿泊は総定員の3分の1以下に定められ、長期連泊したい人を多く抱えることは難しい。
県は他にも受け皿として、現在、新たに特別養護老人ホーム(特養)2施設を鳥取市内に建設中だ。特養は費用が安い長期入所施設で、お泊まりデイ利用者も多くが入所待ちをしている。今回の新設で140床が確保される。河本さんも評価しつつ、「うちの利用者の中には特養に入所できたが、大勢の人がいる雰囲気になじめず戻ってきた人もいる。お泊まりデイのニーズは無くならないのでは」と話す。
鳥取大地域学部の竹川俊夫准教授(地域福祉)(写真右)は「お泊まりデイはそもそも入所施設が足りないなどの問題から次善策として出てきたもの。劣悪な環境で寝泊まりさせ、利益だけを追求する施設がある以上、県としてガイドラインの制定は必要」としつつ、「利用者ごとの要望に応えようと定員を少なくして献身的に介護する施設にもダメージが及ぶ。その点は、悪しき者を正す本来の趣旨と異なる」と指摘。「ガイドラインを大枠として定めた上で、県は各施設の状況を見て個別に指導する必要がある」と話している。【真下信幸】=おわり
毎日jp  2014 年10月11日 原文のまま
サイト内関連記事:「お泊まりデイ」で通所介護施設に3年間連泊も」(2014年1月29日)
編者:誰が言い出したのか「お泊りデイ」は不思議な言葉だ。「お泊りナイト」ならわかる。コラム「認知症、あれこれ」(認知症の人と家族の会愛知県支部報2014年2月号)に以下のようなコメントを書いた。
お泊りデイ
介護保険サービスの隙間を埋めるような民間無認可サービスの「お泊りデイ」が全国的に広がっていると報じられています。昼間のデイサービスの後、廉価な料金で宿泊できるが、居住環境は劣悪で、無資格の職員が夜間1名、トレイ誘導もおむつ交換もなく、火災時の避難はほとんど不可能という状態の「施設」です。認知症の人の在宅介護がたとえデイサービスやショートステイだけでは支えきれず、小規模多機能施設も地元になく、介護老人福祉施設への入居を長期待機という介護家族の需要が背景のようです。こうした法的な規定のない民間施設へ認知症の人が長期の生活を強いられているようです。こうした施設の基準を設け容認しようとする自治体の動きもありますが、本来は公的介護保険制度の拡充で解決されるべきものです。「家族の会」はこうしたサービスと精神科病院の動向を注視すべきでしょう。

「在宅介護の切り札  巡回サービス利益出ず」(10月4日/東京新聞)
厚生労働省は三日、介護事業者が提供するサービス別の最新の収支状況を発表した。ホームヘルパーらが二十四時間体制で自宅に暮らすお年寄りを支える「巡回サービス」は、ほとんど利益が出ていなかった。巡回サービスは二〇一二年四月に在宅介護の切り札として導入されたが、運営の厳しさが鮮明になった。
巡回サービスは、ホームヘルパーや看護師らが一日に複数回、利用者宅を訪れて食事や入浴、排せつを手伝ったり、健康状態を調べたりする。利用者から連絡があれば、深夜や早朝でも駆けつける。月々の定額制で、回数制限はない。
厚労省によると、事業所が得た利用者一人当たりの一カ月の平均収入は十五万七百三十八円で、支出は十四万九千三百五十二円。利益に当たる収支の差額は千三百八十六円で、収入に対する割合(利益率)は0・9%だった。訪問介護など他の在宅サービスは、10・6~3・8%の範囲で、特別養護老人ホーム(特養)などの施設サービスもすべて5%以上と「安定的に運営」(厚労省)していた。
政府は高齢化に備え、施設から在宅へと介護の軸足を移そうとしている。巡回サービスは、特養などに代わる中核として導入、普及を目指してきた。しかし、今年六月時点で実施していないのは栃木や宮城など四県あり、事業所数も全国で約五百カ所にとどまる。
介護保険制度に詳しい立教大の服部万里子講師(写真)は「二十四時間対応するには相当数の人材をそろえる必要があり、事業者にとっては参入しづらい」と課題を指摘。「普及が進まない中で政府が在宅介護を促せば、高齢者は行き場を失いかねない」と話した。
 調査は、原則として三年に一度ある介護サービスの公定価格(介護報酬)の改定に合わせて実施。今回は、今年三月分の状況について約三万三千事業所に質問し、約一万六千事業所から回答を得た。巡回サービスは、導入後初めて実態を調べた。(我那覇圭)
Tokyo Web 2014年10月4日 原文のまま

★「介護保険料 65歳以上の滞納急増 老いの貧困、制度揺るがす」(10月1日/東京新聞)
六十五歳以上の人が支払う介護保険料の滞納が急増している。厚生労働省によると、二〇一二年度に徴収できなかった額(未収額)は過去最高の二百七十二億円で、前年度と比べ約29%増。主に年金額が少ない低所得者が支払えないケースが広がっており、介護保険開始時より平均で七割増しとなった保険料負担が重くのしかかっているとみられる。このままだと、介護サービスが使えずにますます困窮する高齢者が増えるなど制度の存立を危うくしかねない。 (編集委員・白鳥龍也)
滞納が明らかになっているのは、年金天引きによらず市町村からの通知により個別に納める普通徴収分。高齢者から徴収する保険料の一割強に当たる部分だ。
厚労省の介護保険事業状況報告によると、保険料を減額なしに通年で徴収するようになった〇二年度は、普通徴収の見込み額千六百億円に対し、未収額は百二十九億円、収納率は92%だった。以降、収納率が下がる一方未収額は膨らむ傾向で、一二年度に収納率は87%、未収額は二倍余になった。高齢者増や保険料引き上げに伴う徴収見込み額の増加は三割にとどまっており未収額の拡大が速い。
介護保険料は、〇〇~〇二年度に全国の加重平均の基準月額が二千九百十一円だったのに、一二~一四年度は四千九百七十二円。未収額の推移をみると、保険料上昇の年に大きく増えていることが分かる。
都道府県別では例年、沖縄が最も収納率が低く、東京や大阪が続く。沖縄は歴史的に無年金者が多いといった事情があるが、都市部では「高齢者、家族の収入減による滞納が増えている」(東京都足立区介護保険課)と、年金の給付減や景気変動の影響が大きいことをうかがわせている。
未収額の拡大について、厚労省は「徴収見込み額が膨らんだことによるもの」(介護保険計画課)と、ある程度は避けられないとの見方。一二年度の年金天引きを含む徴収見込み額一兆七千七百億円に対する収納率は98・5%で、数年横ばいである点も指摘する。
◇公費負担増やす必要
結城康博・淑徳大教授(社会保障論)の話 年金天引きにより「取り損ね」はほとんどないといわれた介護保険料だが、開始から十四年たって高齢の貧困層が予想外に増えている。保険料は現状でも上昇は確実で、未収分を転嫁する余地はない。財源不足を補うには、五割の公費負担を段階的に増やし、社会保障と福祉の混合型の制度とするなど、発想転換が必要となるだろう。
Tokyo Web 2014年10月1日 原文のまま

「ゆうゆうLife 介護保険の支給限度額 「用具多い」「認知症」「独居」で超過も」(9月18日/産経新聞)
なるべく家で暮らしたいと思っても、要介護度が重くなるにつれて難しくなる。看護師やヘルパーが夜間の緊急コールに応えるサービスも介護保険にはあるが、他のサービスと併用しにくく、普及が進まない。併用を阻む背景には、要介護度に応じてサービス量を定めた「支給限度額」の問題がある。来年度の報酬改定に向けて、見直しが検討されている。(佐藤好美)
横浜市に住む山本葉子さん(72)=仮名=(写真)は脳出血を患って以来、右半身まひがあり、車いすで暮らす。食事はできあいのもので済ませるが、1人暮らしだから自分で洗濯もすれば、片手で洗濯物も干す。
「家にいた方が気楽でいいわよ。施設の人から『今なら入所できますよ』って言われたこともあるけど、『いいです』って言ったのよ」
入所する代わりに、車いすを動かしやすいよう、床をフローリングに替えた。介護保険では電動と手動の計2台の車いすを借り、テラスに乗降リフトをつけている。玄関にスロープをつけるスペースがなかったからだ。
他に利用するのは、週2回の通所介護と週1回の訪問介護。月3回程度の通院時のタクシー乗降介助。ベッドから転落して戻れなかったことがあるので、万一に備えて夜間コールに応じてくれる「夜間対応型訪問介護」を契約している。呼べば費用がかさむから、気軽に呼ばないように気をつけている。
介護保険では、要介護度によって利用できるサービス量が異なる。山本さんは要介護3で限度額は約27万円=表。この額までは1割負担だが、それを超えると10割負担だから、限度額に収めるのは死活問題。今はまだ、だいぶ余裕があるが、訪問リハビリを利用していたときはギリギリで、夜間にコールしたら超えてしまったこともある。
ケアマネジャーで、コープケアサポートセンター港南の安田好子さんは「山本さんの場合、車いすが2台とリフトもあり、福祉用具の額が大きい。でも、本人が外出を楽しみにしているので、そこは大切にしたい。訪問リハビリを再開したいと思って探しているが、リハを入れれば限度額は苦しくなる」と頭を悩ませる。
介護保険では平成24年度に、看護師やヘルパーが利用者のSOSに24時間態勢で応える「定期巡回・随時対応サービス」が新設された。コールの回数にかかわらず定額のサービスだが、山本さんの場合、通所介護や福祉用具と併用すると限度額を超す。1人でトイレに行けなくなったら選択肢の一つだが、要介護度が上がった時点で限度額に収まるかどうか微妙なところだ。
安田さんの事業所ではこの春、限度額の9割を超えてサービスを利用する人が22人いた。全体の15%。いわば限度額を気にしながらサービスを使う人だ。16人が認知症。12人が独居か、昼間は1人の「日中独居」。両方の要素がある人は9人だった。安田さんは「実際には、限度額を超える人には裕福な人が多いが、限度額を超えそうになる人には認知症や独居、日中独居が目立つ。今の介護保険は、こうした人を支えられていない。単身や認知症の人だけでも限度額の上乗せがあるといい」と話している。
◇区分支給限度額
要支援1  5万0030円
要支援2 10万4730円
要介護1 16万6920円
要介護2 19万6160円
要介護3 26万9310円
要介護4 30万8060円
要介護5 36万0650円
(平成26年4月以降。1単位10円で計算)
□14年前の“仕様”現状サービスに合わず
支給限度額の引き上げは、介護報酬改定のたびに浮上しては消える課題だ。厚生労働省は一貫して見直しに消極的。見直しは介護保険財政への影響が小さくないからだ。限度額を超えて利用する人は要介護5でも6%にとどまる。
この問題が冷静に議論されないのは、個々の介護メニューである「ケアプラン」への不信があるからだ。前回報酬改定に際し、厚労省が限度額を超えたケアプランを調べたところ、ヘルパー利用に偏った単調なプランが多く、中でも家事援助の利用が多かった。「ヘルパーを家政婦代わりに使っているのではないか」との批判は根強い。一方で、認知症の日中独居の人が「家事援助」の名目で見守りを利用している可能性も否定できない。
来年度の報酬改定に向けて、やや事情が違うのは、厚労省が在宅看取(みと)りの切り札として導入した「定期巡回・随時対応サービス」が広がらないことがある。コールの回数によらず定額報酬だが、支給限度額すれすれに収めたため、利用者は他のサービスと併用しにくい。かといって、報酬を下げれば、事業所の参入が見込めない。
認知症の人の家での暮らしを支えるために新設された「複合型サービス」「小規模多機能型居宅介護」でも同じ問題がある。いずれも看取りまで対応する手厚いサービスだが、高い報酬をつけるには支給限度額が壁になる。厚労省は来年度の報酬改定に向けて、(1)これらのサービスで独自の限度額を設定する(2)いくつかの加算を限度額の対象から外す-などを検討課題として挙げた。
支給限度額は介護保険が発足した14年前から、大きな変更がない。今回、見直しを迫られる背景には、当初の介護保険が想定していなかった在宅看取りや、認知症の人や単身者の増加がある。ケアマネジメントの向上は必須の課題だが、在宅の旗を振るなら見合うサービスが必要になる。
産経ニュース 2014年9月18日 原文のまま

★「障害者、65歳を超えると86%に自己負担 介護保険に移行で」(9月17日/北海道新聞)
障害者が働く作業所でつくる団体「きょうされん」は17日、訪問介護を受ける65歳以上の障害者のうち、86・2%の人が介護保険への制度切り替えにより、サービス利用時の自己負担を支払っている、との調査結果を発表した。
障害福祉制度では低所得者がサービスを受けた時の自己負担はゼロだが、65歳以上になると原則1割負担の介護保険に切り替えられ、低所得者にも自己負担が生じることが問題視されている。厚生労働省によると、障害福祉サービスの利用者全体で自己負担を支払っている人は6・6%にとどまっており、65歳を境に多くの障害者に負担が発生している形だ。
Doshin 2014年9月17日 原文のまま
関連情報:介護保険優先原則による利用者への影響調査を発表しました(2014年9月17日 きょうされん)


「介護の離職率16.6%に低下 13年度の実態調査で判明」(8月25日/福祉新聞)
2012年10月1日からの1年間の介護職員、訪問介護員の離職率が、16・6%だったことが11日、介護労働安定センターの13年度介護労働実態調査で分かった。12年度調査に比べて0・4%下がった。厚生労働省は、全産業平均の15%程度に下げることを目標としている。
調査は労働環境改善などに向けて実態を把握するもので、1万7065の介護保険事業所に13年10月1日の現況を尋ね、7808事業所が回答した(有効回答率46%)。
回答事業所の介護労働者7万6886人(施設長は除く)の平均年齢は45.6歳。役職手当や交通費などを含め、毎月決まって支給される税込賃金(所定内賃金)は平均21万2972円だった。
12年度の介護報酬改定で設けられた介護職員処遇改善加算を算定した事業所は全体の75%。そのうち、一時金で対応した事業所は61%で、基本給を引き上げた事業所は30%にとどまった。
今回の調査では、1年間に採用された2万2992人に占める新規学卒者(1826人・8%)を新たに調べた。労働環境改善などを促す公的な奨励金を過去3年間で利用した事業所が3割にとどまることも分かった。
また、介護労働者に対し、介護福祉士資格の取得方法や取得年度、取得による効果などを調査事項に追加した。
福祉新聞WEB 2014年8月25日 原文のまま
関連情報:平成25年度 介護労働実態調査結果について(2014年8月11日 介護労働安定センター)

「認知症、早期診断なら1年後も在宅生活7割 生協連合組織調べ」(8月19日/日本経済新聞)
訪問介護サービスを受け始めた早い段階で認知症と診断を受けた人が、1年後に在宅で生活を続けている割合が約7割に上ることが、18日までの日本医療福祉生活協同組合連合会(東京)の全国調査で分かった。医師の診察を受けない人より割合は高かった。認知症の症状が軽い段階では診察を敬遠する人が多いが、早期のケアが有効だと専門家はみている。
同連合会は、病院や診療所を持ち、訪問介護サービスなどを提供する全国約110の生協の連合組織。
調査は、在宅での訪問介護サービスを受ける人のうち、認知症の症状がある4657人を対象に実施した。担当ケアマネジャーが2012年から13年にかけての生活実態や変化を調べ、3474人分(74.5%)の回答を得た。全国規模でのこうした調査は初めてという。
介護サービス開始後、半年以内に医師から認知症と診断された人のうち、1年後に施設などに入所せず、自宅で生活している割合は73.4%だった。一方、認知症の症状はあるものの、本人の希望などで医師の診察を受けていない人の場合は63.4%にとどまった。
同連合会によると、物忘れなど認知症の初期症状が分かった段階で介護サービスを始める人が多い。
調査では、食事や着替えなどの日常生活の動作と1年後の在宅率も分析。洗顔や着替えを自力でできる人の在宅継続率は82.4%だった。自力で排せつできる人や、ベッドから車いすなどへの移動ができる人も80%を超えた。一方、全て介助が必要な人の場合は63.3%だった。
認知症について厚生労働省は「早期の受診、治療が非常に重要」としている。ただ医療関係者によると、実際には患者が「自分が病気である」という認識に乏しく、病院での受診を拒否するケースが目立つという。
同連合会は「症状が出ている人には早い段階から医師や看護師などの専門家が関わり、早期診断につなげる支援や、その後の適切な治療が必要だ」と指摘している。
日経WEB 2014年8月19日 原文のまま
関連情報:
「認知症者の生活支援実態調査」を報道関係者に発表(2014年7月31日)
「平成24-25年度 認知症者の生活支援実態調査結果概要報告~全国4,657人・2年間の継続調査から見えてきたこと~」(pdf580K 2014年7月2日)
「認知症者の生活支援実態調査と支援方策の開発に関する臨床研究事業報告書①平成25年度 認知症者の生活支援実態調査~平成24年度4,657名の調査から1年後の経過~」(pdf900K 2014年6月)
編者:貴重な調査報告書だ。特に1年後の経過を追跡していることだ。もっとも記事の「早期診断なら1年後も在宅生活7割 」は正確ではなく、報告書にあるように「認知症の早期診断 について、介護開始後半年以内に認知症の診断を受けている方が、一も在 介護開始後半年以内に認知症の診断を受けている方が一1年後も在宅を継続しやすくなるという傾向が示唆された」が正確だ。その診断について認知症と診断を受けた人は約6割、原因疾患の診断を受けた人が約3割である。また6人に1人は在宅生活介護が困難とある。なお記事中の「18日までの」が意味不明だ。写真は「説明会」の様子。

「特養の相部屋整備支援 厚労省検討、施設不足受け」(8月19日/産経新聞)
厚生労働省は18日、特別養護老人ホーム(特養)に関し、プライバシー確保などを条件に相部屋の整備を支援する検討に入った。現在は改修する場合、個室しか補助対象にならないが、施設数が不足している上、低所得の高齢者を中心に負担が少ない相部屋を希望する利用者が多い。地方自治体の間にも相部屋を認めるべきだとの声があるため、個室化推進の原則は維持しつつ、相部屋も容認する格好だ。
特養の居住費は光熱水費と部屋代に分かれ、原則として全額自己負担。相部屋は例外的に部屋代が介護保険の対象(1割負担)となるため、負担額が安くなる。
特養では以前は相部屋が中心だったが、厚労省は平成14年度からケアのしやすさや居住環境を重視して、全室個室で共有スペースもある「ユニット型個室」を推進。移行を促すため、相部屋や、共用スペースのない従来型の個室からの改修費用を助成している。18年には、26年度中にユニット型の定員数の割合を全体の70%以上とする目標を打ち出したが、24年10月時点で32・3%にとどまっている。
特養の相部屋には、カーテンだけで仕切られたタイプから、天井まで間仕切りをして扉や窓も設置した個室に準じるタイプもある。厚労省は、プライバシー確保の在り方について社会保障審議会分科会で議論を進め、27年度から相部屋の整備にも施設の改修費を助成する方向で検討している。
産経ニュース 2014年8月19日 原文のまま
編者:2人の相部屋の容認が現実的だと思う。

★「ローソン、コンビニで介護支援 ケアマネ配置」(8月16日/日本経済新聞)
ローソンは高齢者や居宅介護者を支援するコンビニエンスストアを2015年から出店する。昼間はケアマネジャーが常駐し生活支援の助言をしたり、介護に必要なサービスや施設の紹介・あっせんをしたりする。高齢者が集うサロンのようなスペースを設け、健康維持に必要な運動の機会も提供する。高齢化が進む中、身近なコンビニの役割をもう一段広げる。
埼玉県を中心に老人ホームなど介護福祉サービスを手掛けるウィズネット(さいたま市)が、フランチャイズチェーン(FC)加盟店となり、1号店を埼玉県川口市に15年2月に開く。ウィズネット以外の介護事業者とも組み、まず3年で30店出し、以後は順次増やしていく考えだ。
コンビニでは介護事業者の抱えるケアマネジャーが、必要に応じて入浴などのデイサービスや有料老人ホームといった施設を紹介する。2号店以降はフィットネスクラブ大手のルネサンスと協力し、店内に運動をする場所も確保。健康状態に即した運動の指導も計画している。
商品面ではつえやオムツなどの介護用品の見本やカタログを置いて注文を受け、店頭で受け取れるようにする。ウィズネットの高齢者向け弁当宅配サービスを使い、ローソンの通常の商品も宅配してもらう。
ローソンはカロリーや糖質を抑えたパンなど健康に配慮した商品に注力している。介護業者と組み、将来に備える意識の高い高齢者を取り込む。
日経WEB 2014年8月16日 原文のまま

「特養の待機者、過去最多2915人に 姫路市」(8月9日/神戸新聞)
兵庫県姫路市で特別養護老人ホーム(特養)への入所を希望する待機者が、昨年6月時点で2915人と過去最多になったことが、市の調査で明らかになった。対象となる要介護者が増える中、待機者の数も増加。策定中の2015~17年度の介護保険事業計画では、370人超分の特養の整備を検討している。
同市によると、同市内の特養は、今年4月時点で42施設2101人分。特養は介護保険の利用者のうち、最も利用希望が多く、現在の定員の倍が待機していることになる。
同市では今年4月に169人分を増床。本年度末までにさらに140人分を増やすが、希望には追いつかない。
一方、県のマニュアルで定めた入所申込者の区分で、緊急度が最も高いとされる「1グループ」の人数は、待機者総数の18・4%にあたる537人(13年度)。総数の約3割(786人)だった11年度から約10ポイント低下した。
同市では12年度以降、30人以上の「広域型特養」の整備を促進しており、一定の効果を上げたとみられる。
本年度末までに策定する次期介護保険事業計画でも、市は特養を整備の中心に据える。また、認知症高齢者向けのグループホームなどの整備にも重点を置くという。(山崎史記子)
神戸新聞NEXT  2014年8月9日 原文のまま
編者:いつもの報道だ。こんなに特養待機者がいても社会問題化しないという不思議を山崎記者はどうみているのか。「市は特養を整備の中心に据える」などと言うが本気ではないだろう。この世界は供給が需要を喚起するので、おいそれとは増やせない。

「「老老介護」初の5割超え 急速な高齢化浮き彫り 厚労省13年度まとめ」(7月15日/日本経済新聞)
介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護する人も65歳以上である「老老介護」の世帯の割合が51.2%に達し、初めて5割を超えたことが15日、厚生労働省がまとめた2013年の国民生活基礎調査で分かった。急速な高齢化の進展が改めて浮き彫りになった。
調査結果によると、介護保険法で要介護認定された人と、介護する同居人が共に65歳以上の高齢者である老老介護世帯は、10年の前回調査から5.3ポイント増の51.2%となり、01年の調査開始以来、最高となった。
介護が必要になった原因のトップは脳卒中で、認知症、高齢による衰弱が続いた。
団塊世代の約半数が65歳以上になっていることから、老老介護の世帯は今後も増加が見込まれるとともに、同世帯の高齢化も、より進むとみられる。
介護を担う人については、同居する家族が61.6%(前回調査比2.5ポイント減)、事業者が14.8%で同1.5ポイント増)。介護する人の約7割は女性で、性別の偏りが見られた。続柄では配偶者、子が共に2割を超え、子の配偶者が約1割だった。
介護している人の悩みやストレスの原因を聞いたところ、「家族の病気や介護」を上げる人が最多で、「収入・家計・借金など」や「自由にできる時間がない」を回答する人も目立った。
厚労省は「少子化対策とともに高齢者世帯への対策も重要になってくる」と指摘。介護を担っている配偶者や子など家族へのサポートも含めた体制整備が課題となりそうだ。
一方、全国の世帯総数は13年6月現在で5011万2千世帯だった。このうち65歳以上の高齢者だけか高齢者と18歳未満の子供だけの「高齢者世帯」は過去最多の1161万4千世帯で世帯総数の約4分の1を占めた。65歳以上の高齢者が1人でもいる世帯は、2242万世帯で、世帯総数の半数近くに達した。
調査は13年6月に全国の世帯から約30万世帯を無作為抽出して実施。介護の状況は、原則自宅で介護されている約6300人の家族から、世帯の人員構成については約23万4300世帯からの回答から推計した。
日経web版 2014年7月15日 原文のまま
関連資料:平成25年 国民生活基礎調査の概況 厚生労働省

★「半数の介護施設が入居時に認知症を発症している人は「5割以上」と回答」(7月4日/マイナビニュース)
半数の介護施設が入居時に認知症を発症している人は「5割以上」と回答
高齢者向けの介護施設紹介事業を行う「あいらいふ入居相談室」は、主に首都圏の有料老人ホーム73施設を対象に「認知症ケア」についてのアンケート調査を実施しました。調査時期は5月。
まず、入居時に認知症を発症している人の割り合いを聞いたところ、最も多かったのは「5割以上~8割未満」の51%だった。次いで、「3割以上~5割未満」が23%、「8割以上」が14%、「3割未満」が12%となっている。(図)
認知症専用フロアを設けていたり、ユニットケアを導入している施設は35%、認知症ケアの専用資格を持つスタッフがいる施設は34%。持っている資格で最も多いのは「認知症ケア専門士(22%)」で、「認知症ケア指導管理士」や「認知症ケア上級専門士」はそれぞれ1~3%にとどまった。
症状緩和に効果のあるケアで、実践したことがあるものを聞いたところ、24%の施設が「音楽療法」、21%の施設が「アートセラピー」と回答。そのほか、「園芸療法(19%)」、「アニマルセラピー(10%)」、「回想法(9%)」などがあげられている。また、最も力を入れているケアについても「音楽療法(46%)」が最多で、ついで「園芸療法(14%)」、「回想法(7%)」、「アートセラビー(6%)」となった。
「音楽療法」に最も力を入れている理由については、「声を出すことで、食欲増進や複数の効果も考えることができるのです」(ツクイ・サンシャイン川崎宮前)、「気軽に行なえ、かつ参加型のレクリエーションである。歌や音楽を通じて時代の流れの中で回想も行なうことができる。入居者の心が穏やかになる」(ケアホームうらら一之江)、「誰でも受け入れやすく、年代に合わせた選曲をすることが可能」(ハートフル幕張)などの意見が寄せられている。
なお、家族に協力して欲しいことを聞いたところ、最も多かった回答は「症状の理解(33%)」で、「面会に来る(31%)」、「認知症であることの受け入れ(29%)」という意見も3割程度みられた。
家族に最も協力して欲しいことでは、「認知症をまっすぐに受け入れる事への心構えを少しでも持っていただけるようお願いしたい」(サニーパレス京橋)、「認識力や感情の表出が低下するので面会が遠ざかるケースが多いのですが、五感を働かせることが大切。声や香りなどで安心を感じられるケースが多いのも事実です。安心のためにもできる限りの面会をお願いできればと思います」(ゆうらいふ世田谷)、「日常動作ができなくなった時、叱責せず、やさしく見守って欲しい。人格を尊重した言動をお願いします。日常生活行動の深い理解も合わせてお願いいたします」(敬老園ロイヤルヴィラ、ナーシングヴィラ八千代台)、「できるだけ面会に来ていただき、昔の話をしていただきたい」(ツクイ・サンシャイン南巽)などの意見が寄せられている。
マイナビニュース 2014年7月4日 原文のまま
関連情報:【プレスリリース】「あいらいふ白書」を発表!(2014/04/04)
編者:情報は今年4月4日に公表されている。




「白老・介護サービスアンケートで73%が自宅生活望む」(5月22日/室蘭民報)
白老町は第6期介護保険事業計画策定の参考とするため、介護サービス利用者を対象にアンケート調査を実施した。在宅サービスを利用している人の73%が「住み慣れた自宅で暮らし続けたい」と答えた。
アンケート調査は昨年11、12月に実施、在宅サービス利用者432人(回収率79・6%)、施設入所者234人(同60・6%)から回答があった。
◇在宅サービス利用者
回答があった在宅サービス利用者432人は、75歳以上の後期高齢者が77・2%を占め、男女比は女性が69・9%と多い。
「将来どのような環境での生活を望むか」の問いに72・7%が「介護サービスを利用しながら住み慣れた自宅で暮らしたい」、13・0%が「白老町内の介護保険施設、認知症グループホームに入所したい」と答えた。施設を選ぶ基準は「入所費用が少しでも割安である」が40・6%、「身内や友人が面会に来やすい場所」が35・0%、「適切な介護が受けられれば、施設の種類や費用負担は特にこだわらない」が7・8%。
「高齢者福祉施策全般で充実してほしいことは」の問いに、「地域医療の充実、介護サービスとの連携強化」が14・3%、「地域全体によるはいかい高齢者の見守りネットワークの充実」が10・9%、「認知症や健康などの相談窓口の充実」が10・7%、「高齢者世帯の訪問」が10・3%など。
地域とのかかわりについて聞いた。「隣近所や地域のなかで相談できる人がいるか」の問いに「いる」が59・0%、「いない」が40・5%、「いざというときに相談できる役場の窓口を知っているか」の問いに「知っている」が51・9%、「知らない」が47・9%、「災害時に安否確認や手助けをしてくれる人がいるか」の問いに「いる」が69・9%、「いない」が13・7%。町担当者は「地域とのかかわりの希薄化が目立つ結果になった」としている。
◇施設入所者
回答者のうち後期高齢者が89・8%を占め、そのなかでも90歳以上が30・8%を占めた。男女比は女性が74・8%と多い。
「今の入所先を選んだ主な理由」は「住み慣れた白老町内での施設入所を希望していた」が32・2%、「子どもなど身内が面会や手続きなどしやすい地域にあるため」が28・4%、「利用料金が希望していた範囲内であったため」が14・6%。サービスの満足度は「満足」が60・3%、「どちらとも言えない」が25・0%、「不満」が5・6%。施設別で最も満足度が高いのは認知症対応型グループホームの74・5%だった。
入所費用の負担感について聞いた。「妥当(やむを得ない)」が59・8%、「やや大きい」が17・5%、「大きい」が11・5%。「将来どのような環境での生活を望みますか」の問いに「今の施設に入所し続けたい」が74・8%で最も多く、次いで「介護サービスを利用しながら住み慣れた自宅に戻りたい」が6・0%だった。(富士雄志)
室蘭民報WEBNEWS 2014年5月22日 原文のまま

「富山型デイサービス:障害、年齢で区別せず 都内初、江戸川で事業始まる/東京」(5月21日/毎日新聞)
誰もがともに地域で暮らせるよう、障害者や子ども、高齢者を区別せずに一緒に預かる「富山型デイサービス」を、江戸川区のNPOが区の補助事業として開始した。富山市で始まった小規模多機能型デイサービスの新しい形で、区によると都内では初めて。月1回とまだ試行段階だが、利用者は「大家族」のように支え合い、生き生きとした表情を見せている。【木村敦彦】
日曜の昼下がり、同区南葛西の福祉スペース「あったかハウス」は、利用者ら約40人の笑い声で満ちていた。NPO法人「江戸川・地域・共生を考える会」の富山型デイサービス。この日の利用者は小学1年生から80代半ばまでの約10人で、脳性まひや認知症、知的・身体障害のある人もいる。
ボランティアのアコーディオンに合わせて昔の曲を歌ってみせるお年寄り、読み聞かせの語り部を自ら買って出る障害のある子ども……。家庭のように和やかな雰囲気の中、昼食をはさんで行うさまざまな催しで、利用者は自然とほかの人たちのために何かする喜びを感じるようだ。
知能や運動の発達遅れがある同区の諸岡孝哉君(11)と訪れた母朋子さん(37)は「支援を受けるだけでなく逆に教えたり、人の世話を焼いたりする機会がある。すごく達成感のある顔をして帰ってくる」と話す。代表の高村ヒデさん(69)(写真)は「大家族の一員のように、利用者が主役になれる場。縁側や茶の間みたいな空間にしたい」と話す。
「富山型」は、病院で最期を迎える終末医療のあり方に疑問をもった富山市の看護師、惣万(そうまん)佳代子さんが1993年に仲間と始めた民間デイケアハウス「このゆびとーまれ」(同市)が発祥の地。乳幼児からお年寄りまで、障害の有無を問わず誰でも利用でき、対象者別にサービスがある福祉行政に風穴を開ける試みとして広がった。富山県内には現在約100カ所あるという。
保育士だった高村さんが「富山型」に出合ったのは2008年。惣万さんの講演会を聞き、「こんなデイサービスがしたい」と富山で学んだ。12年6月にスタッフ5人と同区で「富山型」をスタート。徐々に共感する仲間が増え、今は看護師や介護福祉士、幼稚園教諭などのスタッフとボランティア計約40人を抱える
毎日jp 2014年05月21日 原文のまま

「介護保険の「定期巡回サービス」導入2年、普及進まず事業所数434ヵ所」(5月19日/介護・地域包括ケアの情報サイト Joint)
厚生労働省は19日、今年3月末時点で「定期巡回・随時対応サービス」を提供している事業所が、全国で434ヵ所だったと発表した。「地域包括ケアシステム」を支える要として期待され、2012年度にスタートしてから丸2年。これまでのところ、順調に普及しているとはいえない結果にとどまっている。
厚労省の発表によると、3月末で「定期巡回・随時対応サービス」を実施しているのは196保険者。事業所数は434ヵ所、利用者数は6792人となっている。

介護・地域包括ケアの情報サイト Joint 2014年5月19日 原文のまま
関連情報:定期巡回・随時対応サービス(厚生労働省)

「介護職:低い賃金で疲弊 相次ぐ離職「仕事夢ない」」(4月27日/毎日新聞)
過酷さの割に賃金が低いと指摘される介護職。政府も手は打ってきたものの、依然、他業種との格差は埋まらない。人材確保には、賃金アップか外国人の活用か??。ここへきて国の姿勢も揺れている。【遠藤拓、佐藤丈一、中島和哉】 
常夜灯がぼんやり照らす廊下を、おむつやタオル、ごみ箱を積んだ台車が行き来する。11日深夜。東京都葛飾区の特別養護老人ホーム(特養)「葛飾やすらぎの郷」に勤めて3年目、生活援助員の宮崎梓さん(22)の夜は長い。
1フロアには約40人が入居する。大半は80?90歳代で7割は認知症だ。同僚と2人、一晩で4回は巡回し、おむつを替え、トイレを介助し、体位を変える。消灯後も徘徊(はいかい)する人はいるし、繰り返し呼び出しボタンを押す人もいる。
ひと息つけるのは午後11時の食事と2時間の仮眠の間だけ。「朝方トイレに行きたくなりそう。でも、呼ばないようにする」。そう気遣う女性入居者に、宮崎さんは「気にしなくていいんですよ」とほほ笑んだ。
月4?5回の夜勤日は、午後5時前から翌朝10時前までの勤務。しかし、この日は引き継ぎ書類の記入やシーツの交換に追われ、朝食にありつけたのは昼近くになっていた。
◇平均を9万円下回る
正規職で介護福祉士の資格を持つ宮崎さんの月給は、手取りで約18万円。15万円を切るという同業の友人よりは「恵まれている」と感じる。とはいえ、介護労働者の賃金は他業種に比べて低い。全国労働組合総連合のアンケート調査(昨年10月)では、手当を除く正規職の平均賃金は20万7795円。厚生労働省調査の全産業平均(29万5700円)を約9万円下回る。
長らく介護は主婦による家事労働とみなされてきた。職業としての確立が遅れ、低賃金から抜け出せない。介護労働安定センターによると、介護職の離職率は17.0%(2011?12年)で、全産業平均(14.8%)を上回る。求職者1人に働き口がいくつあるかを示す2月の有効求人倍率は2.19倍。全産業平均(1.05倍)の2倍だ。
「家族を養えないからな」。首都圏の介護施設に勤める30代の男性介護福祉士は、結婚を機にそう言って「寿退社」していく仲間を大勢見送ってきた。この道7年目。専門学校の同期80人のうち、続けているのは十数人。自身の手取りは初任給から2万円ほど上がり、ようやく月約23万円となった。が、同業の妻は初めて産んだ子の育休中。共働きでなければ生活は成り立たず、保育所を確保できるかが不安でならない。
「仕事に夢を見られない。このままなら、なり手はどんどんいなくなる」
日本海に臨む金沢市郊外の特養「やすらぎホーム」。入居する母(83)の昼食介助に隣の石川県野々市市から訪れる主婦(64)は通ううちに介護職員の疲弊を知り、入居者の家族と職員の処遇改善を求める署名に取り組むようになった。
母親が入居したのは06年10月。脳梗塞(こうそく)で半身不随となり、食事、排せつなどすべてに介護が必要だ。感情が高ぶるとパジャマを歯で切り裂く。そんな母をてきぱき世話してくれる職員たちも、入居当初からの顔なじみは3人に1人ほど。慣れた頃にはいなくなるからだ。この主婦は訴える。「親の面倒を見るかのようにしてくれた職員が、どんどん辞めている。専門職にふさわしい給料が必要です」
毎日jp 2014年4月27日 原文のまま
関連情報:「介護施設で働く労動者のアンケート調査<中間報告>」(2014 年4月 23 日 全労連「介護・ヘルパーネット」) pdf1.3M

「介護法案反対6万人署名 「認知症、適切支援できなくなる」」(4月23日/東京新聞)
衆院で審議されている地域医療・介護総合確保推進法案に関し、公益社団法人「認知症の人と家族の会」(京都市上京区)は二十二日、「認知症患者が適切な介護保険サービスを受けられなくなる」として、六万四千三百四十四人分の反対署名を、厚生労働省に提出した。
同会は認知症の患者や家族を対象に、介護に関する相談活動を実施している。会員は約一万一千人。署名は二月中旬から二カ月間かけて集めた。介護保険の見直し中止や介護報酬の引き上げによる介護職員の処遇改善を求めている。高見国生(くにお)代表理事(写真右端)が厚労省で、原勝則老健局長(写真左端)に手渡した。
提出後に厚労省で記者会見した高見氏は、同法案で心身の症状が比較的軽い要支援1、2のお年寄り向けの訪問介護と通所介護事業を国から市町村に移すとされたのを踏まえ「このままでは、認知症の初期の人が専門職の支援を受けられなくなる。認知症の人が一層不利にならないようにしたい」と述べた。
ほかに、同法案は介護保険に関し、特別養護老人ホームの新規入所者を原則として要介護3~5の人に限定。一定の所得がある人の利用者負担を一割から二割に引き上げる。
法案は二十三日から衆院厚労委員会で実質審議が始まる。政府・与党は今国会中に成立させる方針だが、野党は反発している。
TokyoWeb 2014年4月23日 原文のまま
関連情報①地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案の概要(厚生労働省)
趣旨
持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、効率的かつ質の高い医療提供体制を
構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、医
療法、介護保険法等の関係法律について所要の整備等を行う。
概要
1.新たな基金の創設と医療・介護の連携強化(地域介護施設整備促進法等関係)
①都道府県の事業計画に記載した医療・介護の事業(病床の機能分化・連携、在宅医療・介護の推進等)のため、
消費税増収分を活用した新たな基金を都道府県に設置
②医療と介護の連携を強化するため、厚生労働大臣が基本的な方針を策定
2.地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保(医療法関係)
①医療機関が都道府県知事に病床の医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)等を報告し、都道府県は、それをもとに
地域医療構想(ビジョン)(地域の医療提供体制の将来のあるべき姿)を医療計画において策定
②医師確保支援を行う地域医療支援センターの機能を法律に位置付け
3.地域包括ケアシステムの構築と費用負担の公平化(介護保険法関係)
①在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実とあわせ、全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を地域支援事業に
移行し、多様化※地域支援事業:介護保険財源で市町村が取り組む事業
②特別養護老人ホームについて、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える機能に重点化
③低所得者の保険料軽減を拡充
④一定以上の所得のある利用者の自己負担を2割へ引上げ(ただし、月額上限あり)
⑤低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」の要件に資産などを追加
4.その他
①診療の補助のうちの特定行為を明確化し、それを手順書により行う看護師の研修制度を新設
②医療事故に係る調査の仕組みを位置づけ
③医療法人社団と医療法人財団の合併、持分なし医療法人への移行促進策を措置
④介護人材確保対策の検討(介護福祉士の資格取得方法見直しの施行時期を27年度から28年度に延期)
施行期日(予定)
公布日。ただし、医療法関係は平成26年10月以降、介護保険法関係は平成27年4月以降など、順次施行。
関連情報②第29 回社会保障審議会医療部会 平成25年6月20日 資料1-3 医療法等改正法案参考資料(pdf1.8M) 

「小規模多機能型居宅介護事業所、経営に苦慮-新潟県が調査」(4月8日/けあNews)
小規模多機能型居宅介護事業所等に関する実態調査
新潟県福祉保健部高齢福祉保健課は4月3日、平成25年度の「小規模多機能型居宅介護事業所等に関する実態調査報告書」を公表した。
新潟県内の小規模多機能型居宅介護事業所及び複合型サービス事業所は145施設。
調査からは、小規模事業所が抱える運営上の悩みや課題が浮き彫りとなった。調査に寄せられた自由意見をみると、深刻な人材不足と黒字経営の難しさを訴える事業所が多い。
黒字経営が困難。人件費削除せざるを得ないのが現状
介護度の低い利用者が中心であるが、低い程、楽なのではなく、身の自由が利く分、訪問や受診介助などの機会を増やさないと包括支援センターはじめ紹介者や家族のニーズにこたえられない。すなわち人件費を掛けなければ獲得からサービスまでの流れができにくくなってきているのが現状。
平均介護度が2以上ないと運営は難しい。しかし、実際の利用を希望する方は、要支援者が多く制度を見直していかなければ、地域の方々や利用者のニーズに応えることは難しい。
(「小規模多機能型居宅介護事業所等に関する実態調査報告書」より引用)
など、利用者の小規模介護サービスについての理解不足と相まって、介護ニーズに応えることが困難といった意見が多く寄せられている。
また、利用回数の増加など「定額制」の弊害についても意見が寄せられた。職員の負担は増える一方だが、事業所を維持していくためには人件費を削減せざるをえないのが現状だ。
山間部の農村地帯への訪問ロスや、豪雪地帯ならではの冬期間の「泊まり」サービス増といった地域特有の課題もあり、介護保険制度の柔軟な対応が求められている。
小規模多機能型居宅介護は、高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を続けていくために開設されたサービス。このため、きめ細かな対応が求められるが、介護保険制度が足かせとなって十分な報酬を得られないなど、課題は山積している。
地域の介護拠点としての機能を発揮するためには、小回りの効く小規模事業所のメリットを最大限に引き出せるシステム作りかせ不可欠といえそうだ。
▽外部リンク
新潟県 平成25年 小規模多機能型居宅介護事業所等に関する実態調査報告書
http://www.pref.niigata.lg.jp/25houkokusho.pdf(pdf1.5M)
▽新潟県ホームページ
http://www.pref.niigata.lg.jp/
けあNews 2014 年4月8日 原文のまま

★「札幌市 認知症ケアスーパーバイズ事業を開始」(4月4日/ケアNews)
認知症介護の個別ケアをアドバイス
札幌市は4月1日、「札幌市認知症ケアスーパーバイズ事業」をスタートさせた。フォローアップ研修を終了した認知症介護指導者(以下、スーパーバイザー)が事業所を訪問し、認知症の個別ケアについてのアドバイス等を行う。
事業の対象となる事業所は、以下の通り。
介護老人福祉施設(地域密着型を含む)
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
認知症対応型共同生活介護
小規模多機能型居宅介護
複合型サービス
認知症対応型通所介護
(札幌市公式ホームページより引用)
利用料は無料、相談時間は2時間程度
1回の相談時間は2時間以内で、同一利用者に対する相談は原則として2回まで。申込数が多い場合は、派遣を断る場合もある。
また必須事項ではないが、個人情報をスーパーバイザーに提供することについて、事前に利用者や家族に同意を得ておくのが望ましいとしている。
派遣の申し込みは1か月前に依頼書を、保健福祉局高齢保健福祉部介護保険課認知症支援担当係までFAXで送信する。申込書やFAX番号などの詳細は、札幌市のホームページで確認できる。
利用料は無料だが、利用1か月後に、助言を実施した結果等を回答する必要がある。
▽外部リンク
札幌市認知症ケアスーパーバイズ事業/札幌市
http://www.city.sapporo.jp/kaigo/ninntisyoukea.html
札幌市公式ホームページ
http://www.city.sapporo.jp/index.html
ケアNews 2014年4月4日 原文のまま

「年齢や障害超えた共生を 八幡平のNPOがホーム開所」( 3月31日/岩手日報)
八幡平市のNPO法人里・つむぎ八幡平(高橋和人理事長)は4月1日、認知症高齢者と身体や知的障害がある人が一つ屋根の下で生活するグループホーム「白山(しらやま)の里」を同市田頭に開所する。運営制度がそれぞれ異なるため、現段階では設備の共用はできないが、他県では条例で認められている例もあり、県や市に働き掛けながら年齢や障害を超えた共生型施設を目指す。
「白山の里」は木造2階建てで、延べ床面積は約390平方メートル。国の老人福祉施設等整備事業費補助金などを活用し、約8千万円かけて建設した。
1階は認知症高齢者、2階は障害のある女性が入居する。各階に台所、リビングダイニング、ランドリー、風呂などを完備、1階に9室、2階に5室それぞれ居室がある。
ヘルパー2級以上の介護職員が24時間体制で排せつ、入浴など日常生活全般のケアに当たるほか、地元産の米や野菜を使った食事を提供。市内の病院とも提携し、通院や薬受け取りの援助も行うという。問い合わせは同法人(0195・76・4424)へ。
【写真=認知症高齢者と障害者の共生を目指し、4月1日に開所するグループホーム「白山の里」】
岩手日報WebNews 2014年3月31日 原文のまま

「特養待機52万人 5年で10万人増」(3月26日/東京新聞)
厚生労働省は二十五日、特別養護老人ホームへの入所を希望しているのに入所できていない「待機者」と呼ばれるお年寄りが全国で約五十二万二千人いるとの今年三月の集計結果を公表した。二〇〇九年十二月の前回集計の約四十二万一千人から約十万人増えた。高齢化が進み需要が膨らむ一方、施設整備が追いつかない現状が明確になった。
在宅の待機者約二十五万八千人のうち、心身の症状が重く、特に入所を必要とする中重度の「要介護3~5」は計約十五万二千人で軽度の「要介護1、2」は計約十万六千人。サービス付き高齢者住宅やグループホームなど自宅以外で暮らす待機者は要介護1~5で約二十六万四千人だった。この五年間で特養の定員は約17%増えたが、待機者の増加率が約24%と上回った。
調査は各都道府県が把握している入所申し込みの状況をまとめた。最多は東京都の四万三千三百八十四人で、宮城県の三万八千八百八十五人、神奈川県の二万八千五百三十六人が続いた。宮城県は一度に複数の申し込みをした人を重複して数えているため、実数と差がある。
◇潜在化 在宅支援も後手
特別養護老人ホームの入所待機者が五年前より十万人も増加した。政府は二〇一五年四月から新規入所者を原則として中重度の要介護3~5に絞る。待機者を減らす効果は不透明な上、本当に必要な人がサービスを受けられなくなることが懸念される。
待機者のうち要介護3~5は三十四万四千人。一方で特養の定員は五年前の集計時から約七万五千人しか増えていない。待機者が多い都市圏では、特養を運営する市町村などの財政難や土地確保が容易でないことから、新しく建てることは難しくなる一方だ。
特養の入所者限定方針は政府が今国会に提出した地域医療・介護総合確保推進法案に盛り込まれている。対象外になる要介護1、2は家庭で虐待を受けたり、認知症で徘徊(はいかい)したりする可能性があれば、特例として入所が認められる。入所は実質的に施設が判断する。
厚生労働省は「特養はより困っている人に使ってもらう」と説明。軽度の人は「自宅で受けられる介護サービスを充実させ、より長く暮らせるようにしたい」として自宅での生活を支える巡回サービスや在宅医療の充実、サービス付き高齢者住宅の整備などに取り組む。だが、高齢化の進展に追いつけるか疑問だ。
淑徳大の結城康博教授(社会保障論)は「高齢化が進んだとはいえ、入所を申し込む人が大幅に増えたのは、厚労省の政策への疑問の表れだ」と指摘。特養の新設や在宅サービスの充実に必要な介護人材の確保策などを急ぐ必要性を強調した。 (我那覇圭)
Tokyo Web 2014 年3月26日 原文のまま
関連資料:「特別養護老人ホームの入所申込者の状況」(平成26年3月25日 厚生労働省老健局高齢者支援課)pdf版270K)
編者:待機者の話は繰り返されるが、増加の一途にもかかわらず政策、対策が見えない。待機者の抗議行動はもない。

「介護施設:入所女性の入浴時、湯が熱湯に やけど後に死亡」(3月15日/毎日新聞)
山梨県南アルプス市の認知症対応型共同生活介護施設「グループホーム甲西」で昨年12月、職員が入所者の女性(87)を熱湯を張った浴槽で入浴させ、女性が全身に重いやけどを負っていたことが分かった。女性は今月10日に搬送先の病院で死亡し、同県警が死亡とやけどの因果関係などを調べている。
同施設を運営する医療法人「千歳会」(同市)によると、昨年12月16日午後2時ごろ、女性職員2人が空の浴槽に女性を座らせ、温めておいたタンクの湯を入れたところ、女性が「熱い」と訴えたという。湯の温度が異常に高くなっていたのに気付き、職員らが水を足したが、女性は全身にやけどを負ったという。タンクと浴槽が一体になった介助器具を使用していた。
同法人の小田切理樹(まさき)常務理事(64)は「過って熱い風呂に入れてしまった。あってはならない事故で、女性や遺族に本当に申し訳なく思っている」と話している。【片平知宏、松本光樹】
毎日jp 2014年3月15日 原文のまま

「厚生労働省が介護サービス施設・事業所調査の概況を発表 介護サービス提供内容や職員配置状況なども公表」(3月15日/ケアnews)
厚生労働省は3月13日、平成24年「介護サービス施設・事業所調査」の概況を発表した。
この調査は、全国の介護サービス利用状況や職員配置状況、利用者への提供内容などを把握し、今後の介護サービス関連施策の基礎資料を得る目的で実施している。
介護保険制度におけるすべての施設・事業所、延べ32万4,079カ所で、平成24年10月1日現在の状況について調査した。
訪問介護利用者の状況
平成24年9月に介護サービスを利用した人について、サービスの種類別で1人当たり利用回数をみると、平成24年から開始された「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が96.6回、「小規模多機能型居宅介護」が30.2回、「訪問介護」が17.5回となっている。
訪問介護利用者の性別では、男性が32.8%、女性が67.2%。
訪問滞在時間としては、「要介護1」では「60分~90分未満」が46.1%と最も多く、「要介護5」では「30分~60分未満」が43.0%と最も多くなっている。
訪問介護の提供内容について、「排泄介助」「食事介助」といった身体介助サービスでは要介護度の高い利用者の占める割合が多く、要介護度の低い利用者が占める割合が多いサービスとしては「掃除」や「一般的な調理・配膳」といった生活支援サービスであった。
訪問介護以外にも「介護保険施設の状況」や「従事者の状況」などに関しての調査結果も掲載されている。
▽外部リンク 厚生労働省「平成24年介護サービス施設・事業所調査の概況」http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/
ケアnews 2014年3月15日 原文のまま

★精神科病院の「病床転換型居住施設」に反対する声明を発表(3月12日/日本障害者協議会)
特定非営利活動法人日本障害者協議会は3月12日に精神科病院の「病床転換型居住施設」に反対する声明を発表しました。声明の全文はこちら。(pdf版180Kはこちら

「長生きな親:両親あわせて介護18年で5000万円超 -人生後半戦の収支決算、徹底シミュレーション【6】」(2月28日/PRESIDENT ONLINE)
年金3割減に消費税30%。家計を襲う最悪のシナリオは、そこまで迫っている。それだけでない。ニートの子供、長生きな親……老後の生活設計を狂わせる「7つの大敵」の攻略法を検証する。
費用を抑えるなら「自宅を賃貸→施設」
自分の親の「長生きリスク」を考えた場合、最大の不安材料は介護だろう。親の蓄えで賄えなければ、負担は子供へと回ってくる。
介護の費用はどのくらいかかるのか。公的介護保険制度では、介護認定を受けた人(「要支援1、2」「要介護1~5」まで状態に応じて区分)に対し、自己負担分1割でサービスを提供している。自宅での日常生活の手助けや介護施設でのリハビリなどを受けられ、介護状態に応じて保険適用の限度額が定められている。最高は約36万円で、自己負担はその1割。上限額は地域によって異なる。
だが、一橋大学経済研究所准教授の小黒一正氏(写真右上)は、1割負担を維持するのは難しいと指摘する。
「介護保険も年金同様、現役の人が高齢者を支える『賦課方式』をとっています。高齢化が加速するため、負担割合が増える可能性はある」
将来に備え、貯蓄する。もちろんこれが理想だが、まずは介護費用を抑える方法を知ることだ。
在宅介護より施設介護のほうが費用がかかるというのが一般的な認識だろう。FPの畠中雅子氏(写真右下)が解説する。
「実は、家計破綻しやすいのは、在宅介護。特に親が自宅にこだわるケースです。施設を姥捨て山のイメージで見ている親だと危ない」
最近は業者間の競争により、月額20万円以内に収まる良質な施設も増えているという。月額費用には食費のほか、管理費や水道代が含まれることが多い。電気代や携帯電話代のあわせて2万円程度を余分に見ておけば十分だろう。
対照的に費用を想定することが難しいのが在宅介護だ。例えば、要介護4以上(排泄・入浴・衣服の着脱などに全面的な介助が必要)や目の離せない認知症になった場合、保険適用の上限を超えるケースも多いと畠中氏は言う。
「サービスの利用には時間的な制約が多く、保険対象外のサービスを使う機会が増えます。月に20万円以上の上乗せが出ることも」
在宅介護の場合、家族の負担が大きいことも忘れてはならない。親が遠方に暮らすなら、交通費も膨大になる。会社を辞めて介護に専念する人も多いが、それは自分の老後資金を削る行為に等しい。
とはいえ、施設に預けることにしても、親の貯蓄や年金では足りない場合、どうしたらいいか。畠中氏がすすめるのは、自宅を売却もしくは賃貸に出すことだ。
「住みかえ支援機構に借り上げてもらう方法も。賃料は相場よりやや低めですが、借り手がつかなくても収入が入ってきます。親の年金が満額支給され始めてから1年経った頃に、老後について親子で話し合うことが大切です」
年金支給から1年経てば、年金生活の収支が明らかになる。親がその年齢を超えているなら、すぐに相談の場を設けよう。
畠中雅子
ファイナンシャル・プランナー、生活経済ジャーナリスト。『お金のきほん』『高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン』など著書多数。
小黒一正
一橋大学経済研究所世代間問題研究機構准教授。大蔵省(現財務省)入省後、財務総合政策研究所主任研究官などを経て2010年より現職。著書に『2020年、日本が破綻する日』など。
PRESIDENT 2012年11月12日号
PRESIDENT ONLINE 2014年2月28日 原文のまま
編者:雑誌掲載から1年以上の記事だが、こうした ファイナンシャルプランもあるらしいと紹介した。

「介護の指定取消など、12年度は120件- 前年度から50件近く減、厚労省」(2月27日/キャリアブレイン)
厚生労働省は、2012年度に指定取り消し処分や効力停止処分となった介護保険施設・事業所は120件で、前年度から50件近く減ったことを発表した。このうち、指定取り消しは63件だった。また、2000-12年度の13年間で指定を取り消されたり、効力停止処分を受けたりした施設・事業所の合計は1288件に上った。【ただ正芳】
厚労省が「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」で示した。=グラフ=。
12年度の取り消し件数をサービス種類別に見ると、訪問介護(36件)が最多で通所介護(介護予防含む、15件)、居宅介護支援(8件)、認知症対応型共同生活介護(介護予防含む、4件)などが続いた。
指定取り消しなどの理由(複数回答)では、「介護給付費の請求に関して不正」(41件)、「帳簿書類の提出命令などに従わなかったり、虚偽の報告をしたりした」(35件)、「設備や運営の基準に従っての適切な運営ができない」(33件)、「人員について、厚労省令で定める基準を満たすことができなくなった」(23件)、「質問に対し虚偽の答弁をし、または検査を拒み、妨げた」(19件)、「不正の手段によって指定を受けた」(12件)などが多かった。
また、13年間の累計を見ると、取り消し件数が最も多かった法人種別は営利法人(796件)で、全体の77.8%を占めた。以下は医療法人(84件)、NPO法人(74件)、社会福祉法人(41件)、地方公共団体(8件)などとなった。
□処分の大幅減、政令指定都市などへの指定権限移譲が影響?
11年度から12年度にかけて、処分を受ける事業所が大幅に減少した背景について厚労省は、「地域密着型サービス以外のサービスの指定権限が、都道府県から政令指定都市や中核市に移されたのが12年度。それが影響した可能性もある」(介護保険指導室)としている。
(CBNews 2014年02月27日 原文のまま )

「優良宅老所33施設に認定証」(2月22日/佐賀新聞)
介護保険適用外のサービスを提供する民間の小規模施設「宅老所」について、独自の認証制度を設けている県宅老所連絡会(加盟116施設)が21日、県内33施設に認定証を初めて交付した。法定外の介護施設で、サービスの質を維持し、利用者の安全を守ろうとする取り組み。認定施設は介護支援専門員に伝えるとともに、県のホームページでも公開する予定だ。(小山田昌人)
宅老所は通所介護が中心で、公的施設では対応が難しい急な預かりや宿泊といった多様なサービスを提供する。住宅街の古民家を改修して活用し、利用者は10人前後が一般的だ。利用者と施設の直接契約が多い。
連絡会は県と協議しながら制度をつくった。認定を受けるには自己評価(55項目)と外部評価(11項目)の基準を上回らなければならない。自己評価は運営理念や職員数などを施設側に答えさせ、連絡会の代表者18人が採点。外部評価は、自治会長や民生委員、利用者の家族らが訪問日を知らせない「抜き打ち調査」を行い、満点の7割以上の得点があれば合格とした。
昨年6月の制度開始から今月21日までに36施設から申請があり、33施設が合格。3施設は「ハエが多いなど汚れがひどく衛生面の配慮が不十分」「どなりつけるなど職員の言葉遣いが荒い」などとして認定を見送った。
県によると、1994年に県内初の宅老所が設立され、2003年度から県が中心となり400万円を上限に開設費を助成。今年1月末時点の施設数は少なくとも133に上る。
運営主体は介護経験者や福祉団体が主流だったが、現在は建設や不動産などの異業種が半数近くを占める。法定外で行政のチェックが届きにくく、トラブルや苦情が増えていた。連絡会の西田京子代表世話人は「利用者がサービスの質の違いを見極められるように運用していきたい」と話す。
<宅老所>
1980年代以降、施設収容型ではなく、地域で高齢者の暮らしを支えるとの理念で、全国的に広がった。グループホームは設置基準が定められているが、宅老所は対象外。佐賀のほか長野県(約400施設)も支援制度を設けている。全国の実数は不明。
<県「規制せず質を維持」>
県地域福祉課は、今回の制度を「既存の介護施設のように法で規制すると、宅老所ならではの柔軟な対応が難しくなる。規制ではない形で質を維持できる枠組みだ」と評価する。
県は05年度以降、宅老所について、利用対象を障害者や児童にも広げた「地域共生ステーション」と位置付け、各小学校区に1か所整備するとの目標を掲げる。
だが一部施設で、「高齢者の病状が重篤になるまで放置した」「何もさせず、ただ椅子に座らせ続けている」などの不適切な行為があったとの指摘もあり、県も対応を模索。2月議会に、宅老所を含む地域共生ステーションに防災計画の策定を義務づける条例案を提出した。防災上、問題があれば行政の立ち入り権限を認める内容で、連絡会との連携を検討する。
Yomiuri Online 2014年2月22日 原文のまま

「認知症ケアに特化、薬剤減量も 老人保健施設 在宅復帰強化型の取り組み」(2月13日/産経新聞)
介護保険の入所施設の一つ「老人保健施設(老健)」。本来は、退院後の高齢者が自宅へ帰れるようリハビリなどを行う中間施設。だが、入所期間が長く、特別養護老人ホーム(特養)との違いがあいまいなところも。認知症ケアに特化し、位置付けを明確にしようとする試みを紹介する。(佐藤好美)

2月初旬、神奈川県三浦市にある老人保健施設「なのはな苑」では、多くの人が食事を終え、くつろいでいた。とはいえ、入所者の生活リズムは一律でない。職員の見守る中、これから昼食を取ろうとする男性もいれば、廊下を早足で行き来し、すれ違うスタッフの手を握り締める若年認知症の女性も。ハンドバッグを片手に、にこやかに「トイレはどちらかしら」と問う女性もいる。
入所者は全員が認知症で、半数以上が「日常生活自立度IV」以上と重い。「IV」は「日常生活に支障をきたす症状・行動、意思疎通の困難さが頻繁(ひんぱん)に見られ、常に介護が必要」とされる状態だ。だが、入所者は落ち着いた表情をしている。
◇必要なケア見極め
松浦美知代看護部長(写真)は「本人ができる所、できない所を見極め、できない所を補完する介護に努めている」と言う。
例えば、着替え一つを取っても、できない理由は人によって異なる。腕や足のまひが原因なのか、着替える気分ではないのか。認知症で着替えができない場合も、衣類を着る順番が分からない人もいれば、ボタンを留められない人もいる。「片方の袖を通せば、あとは自分で着る人もいるし、『上着だよ』と見せて、着る順番に手渡せばできる人もいる。全て介助して着せようとすると、認知症の人は何をされているか分からないので混乱し、抵抗したり拒絶したりする」
歯磨きも、自分でできる人、歯ブラシを渡せばできる人、ペーストをつけて渡せばできる人によって介助の仕方が異なる。同苑では介護職が必要な支援、具体的な援助内容を入所者ごとに記載したカードを携行。その人に合う方法でケアする。
◇見守りなしで歩行
精神科病院を退院してきた人の薬の減量もする。横須賀市に住む原田誠一さん(33)=仮名=は、父親(66)の精神科病院での処遇を見かねて同苑に相談。入所を受け入れてもらった。
父は2年前、認知症の中でもケアの難しい「前頭側頭型認知症」と診断された。家族の顔が分からなくなり、「出て行け」と言って暴れたり、「変なやつがいる」と叫んだり、家のドアを外してしまったりした。
だが、精神科病院に入院すると、拘束され、薬を大量に投与され、歩くことも話すこともできなくなった。面会に行ったある日、珍しく焦点の合った父が薬を手にして言った。「これ飲むと、おかしくなるんだよな」
原田さんは「あのまま拘束されていても良くなるとは思えなかった。とにかく、早く出してあげたいと思った」。なのはな苑が受け入れてくれ、父親が退院する際、病院側は薬を5、6剤に減量した。それを、同苑の常勤医がさらに減量。今は薬剤はない。歩けなかった父が見守りなしで歩けるようになり、介護職に話し掛けるようになった。以来、父は同苑と家とを往復する生活が続いている。
父が突然、食べなくなったときもあった。当初は症状を書いた紙を持って総合病院にかかった。「父は説明できないから、体に問題があるのか、気持ちに問題があるのか分からない。でも、病院は『来られても困る』というふうだった。認知症を診たくないのだろう。このまま死んでしまうのかと思った」。結局、同苑に3カ月入所し、食べられるようになって帰ってきた。ホットミルクやバウムクーヘンなどで栄養を取ることも教えてもらった。
今は表情も落ち着いている。介護する家族の頼りは、なのはな苑が緊急入所に対応してくれることだ。「母が介護に耐えきれなくなると、融通して入所させてくれる。拘束しない方針でやってくれるのが良い」

□ケア方法を伝授、緊急避難も
厚生労働省は平成24年に老健本来の役割である在宅復帰機能を強化するため、介護報酬に「在宅強化型老健」を新設した。在宅復帰率50%以上などの要件があるが、該当する老健は全体の5%程度にとどまる。なのはな苑はこの一つ。
ただ、同苑を退所後に自宅での生活が定着する人は1割程度。多いのは、退所後、しばらく家で過ごし、再び施設に帰ってくる『往復利用』だ。同苑では3~6カ月の長期入所に対して、要介護が重い4、5の人で2週間超の帰宅、要介護1~3の人で1カ月超の帰宅を目指す。100床のベッドに対して、現在の利用者は約200人。みんなが特養並みに長期入所をすると、利用できる人が限られてしまう。「短期間でも家族と一緒の時間を過ごしてほしい」との意図もある。
ただ、松浦部長は「入所の時点で『もう一度、家で受け入れたい』と言う家族はいません」と明言する。重い認知症の人の介護は、家族にはトラウマになって残るからだ。しかし、本人が入所から2~3週間で落ち着き、表情が変わってくると、家族からは「もう一度、頑張ろうかな」という声が出るという。
帰宅のためのもう一つの要素は「家族が希望するとき、いつでも入所できる環境」だという。同苑では家族からSOSがあったら、別の利用予定者に入所を遅らせてもらったりして受け入れる。「家族はたいてい協力してくれる。みんなお互いさまだと思っているから」
老健の役割は不明確になっている。松浦部長は、地域に認知症ケアを普及させていくことだと考えている。「家族や地域の人にケアのノウハウを伝えることで、軽い人は家で住み続けられる。特養などで断られてしまう認知症の重いケースを引き受けることも老健の役割だと思う」
産経ニュース 2014年2月13日 原文のまま
編者:老人保健施設の役割と位置づけは未だに曖昧だ。多くが、在宅と施設の往復型介護か、「老健めぐり」介護である。妻の場合もショートステイの形ながら在宅に重心がある往復型である。

「介護利用者負担2割に 法案を閣議決定」(2月12日/東京新聞)
政府は十二日午前の閣議で、二〇一五年八月から、介護保険の利用者負担を一定以上の収入がある人は一割から二割に引き上げる地域医療・介護総合確保推進法案を決定した。同日中に国会に提出、今国会の成立を目指す。負担増や給付減がめじろ押しの上、介護と医療という国民生活に大きく影響する制度の見直しを一本化したことに民主党などは反発、国会審議で問題点を追及する構え。
利用者負担が引き上げられるのは、年金だけで暮らす単身の高齢者で年収が二百八十万円以上。被保険者全体で所得が上から20%の人が対象になる。介護保険サービスを利用しない人もいるため、実際に負担増となるのは月平均利用者約四百三十万人のうち四十万~五十万人になる見通し。
一五年四月からは介護の必要性が比較的低い「要支援1、2」の人向けに国が行ってきた通所介護(デイサービス)と訪問介護(ホームヘルプ)を、段階的に市町村事業に移す。特別養護老人ホームに入居できる人は、原則として中重度の「要介護3~5」の人に限定する。
特養などに入居する低所得者に対して居住費や食費を補助する補足給付に関しては、一五年八月から、預貯金が単身で一千万円、夫婦で二千万円を超える場合は対象外にする。
介護と医療の一体的な強化を目指すとして、都道府県が五年ごとに策定する医療計画を、介護保険事業計画に合わせて六年ごとに変更。自宅で暮らす高齢者向けの医療や介護サービスの充実に役立てる基金を各都道府県に設ける。
病院で患者が死亡する医療事故が起きた場合に原因究明に当たる第三者機関の設置や、一定の条件下で看護師に医療行為を委ねるための研修制度の創設も盛り込んだ。
(Tokyo Web 2014年2月12日 原文のまま

「介護職員1万人不足 25年、石川県内 」(2月6日/北國新聞)
石川県内で高齢者介護に必要な職員数が、2025年には約2万3千人になるとの推計 を、県が5日までにまとめた。現在は約1万3千人で、現状では1万人不足している。団 塊の世代が全て75歳以上となり、要介護者が大幅に増える「2025年問題」に対応するため、県は福祉業界と連携して人材を確保する。
内閣府によると、25年に全国で必要となる介護職員は240万人前後と予測されている。11年は約140万人で、100万人足りない。県はこの数字に基づき、県内分を推計した。
県の推計では、総人口に占める75歳以上の比率は、15年の13・7%から25年に は19・4%に高まる。65~74歳が16万5千人から13万1千人に減る一方、75 歳以上は15万4千人から20万4千人へと5万人増える。
高齢化に伴い、認知症患者や、要介護度の高い施設入所者の増加が見込まれ、県は専門 的人材の育成も強化する。
5日の県議会本会議の代表質問で自民の石田忠夫氏がこの問題を取り上げたのに対し、 谷本正憲知事は「量と質の両面から介護人材を確保することが最大の課題。行政と関係業 界が一丸となり、中長期的な視点にも立って必要な手だてを講じていく」と述べた。
北國新聞 2014年2月6日 原文のまま
編者:石川県だけで介護職不足が1万人!どうする?





「増える「お泊まりデイサービス」 人権、安全確保へ独自基準」(1月16日/東京新聞)
日中に介護保険の通所介護(デイサービス)を高齢者が利用し、夜そのまま、そこに泊まる「お泊まりデイサービス」は、都市部を中心に増えている。家族の負担を減らせるとの評価の半面、人権面や安全面で課題のある事業所もあるといい、最近は自治体が独自に基準をつくる動きが広がっている。 (佐橋大)
「お泊まりデイといっても、内容はいろいろ」。名古屋市内の事業所のケアマネジャーは、こう表現する。
日中のデイサービスなど、介護保険に基づき提供されるサービスには職員や設備で守るべき基準があるが、介護保険外で提供される「お泊まりデイ」には、全国一律の法的な基準がない。自治体の行政指導の対象でもない。利用料、宿泊室の広さ、防火対策などが事業所によって、大きく異なるのはこのためだ。
自治体の調査によると、都市部では、通所介護事業所の一~二割が宿泊サービスも提供しているようだ。
名古屋市が二〇一一~一二年にした調査では、二割弱の通所介護事業所が、宿泊サービスも提供していると回答。利用者ごとの個室が18%、仕切りなどで眠る際のプライバシーを配慮しているのが54%なのに対し「ハード面の配慮は特になし」が21%だった。
愛知県が昨年、政令市、中核市を除く県内の事業所にした調査でも、13%が宿泊サービスを提供していると回答。一カ月以上連続で宿泊している人がいる事業所が過半数で、慢性的に待機者がいる介護施設代わりに使われていることがうかがえた。宿泊料金も無料から一泊九千円まで幅があった。県によると、一人当たりの面積が非常に狭く、雑魚寝状態のところもあるといい、消防設備のばらつきも大きい。
全国では極端な例も。広島県では、約七十平方メートルの宿泊スペースで六十代以上の男女十七人が泊まっていたとの報告もある。
愛知県の担当者は「宿泊サービスは、緊急時などにショートステイの予約が取れない高齢者を夜に預かったり、ショートステイになじめない高齢者を引き受けたりしてニーズがある。ただし、劣悪な環境で高齢者を寝泊まりさせるのは虐待にあたる可能性もある。虐待を防ぐため、指針が必要」と指摘。年度内に指針をつくり、それを基に事業所に助言などをして、サービスの底上げを図る。
指針案は、連泊が際限なく延びて“施設化”するのを防ぐため、連泊は原則三十日以内と定める。宿泊スペースは四畳半にあたる七・四三平方メートル以上とし、個室以外では間仕切りなどでプライバシーを確保すべきだとしている。著しく狭い空間で雑魚寝させたり、プライバシーのない状態でおむつを交換したりすることを「高齢者虐待に該当する可能性がある」と指摘し、利用者の尊厳や権利に最大限配慮するよう求める。宿泊者数は昼間の利用定員の半分以下とし、男女同室を避けるべきだとする。
ほぼ同内容の基準や指針は、東京都が一一年、大阪府が一二年、千葉県が昨年十月に策定している。静岡県も年度内をめどにつくる予定。東京都や千葉県は事業者選びに役立ててもらおうと、届け出・公表制度も導入しており、東京都は届け出事業所を宿泊室や防災設備の情報とともにホームページで公表している。静岡県も届け出・公表制度と事故があった場合に市町村に報告する制度を盛り込む方向で検討中だ。
厚生労働省も、利用者の家族らがサービスを比較できるよう、一五年度からお泊まりデイを届け出制とし、ネット上で情報の公表を進める方針だ。
Tokyo Web 2014年1月16日 原文のまま
編者:お泊りデイは、精神科病院の認知症介護への介入と同様に公的介護制度が問われる。どちらも需要があるから供給できるのだ。あるいは供給が需要を生み出しているのかもしれない。

★「介護事業者の倒産、昨年は過去最多の54件- 前年比6割増、商工リサーチ」(1月14日/キャリアブレイン)
東京商工リサーチが14日発表した全国企業倒産状況によると、有料老人ホームや訪問介護など「老人福祉・介護事業」の倒産は2013年には54件発生し、介護保険制度がスタートした2000年以降、最多となった。利用者減など「業績不振」によるものが過半数を占め、東京商工リサーチでは「ニーズはあるが、高額な入居金がネックになって、利用者をうまく受け入れられていないことが一因」と分析している。【兼松昭夫】
老人福祉・介護事業の倒産は2000年以降、増加傾向が続き、08年の46件をピークにいったんは減少に転じた。しかし、12年には4年ぶりに増加し、13年は前年比63.6%増となった。負債総額は36億1400万円だった。
経営主体が財産を清算して消滅する「破産」による倒産が50件と、全体の9割を超えた。経営再建を目指す「民事再生」は3件(5.6%)にとどまった。倒産の原因別では業績不振30件、放漫経営12件などだった。
□医療機関は1件減の36件
一方、病院や診療所など医療機関の倒産は36件で、前年の37件から1件減少した。施設ごとの内訳は、病院8件、一般診療所13件、歯科診療所15件。破産が29件と8割を超えた。一般診療所では12件、歯科診療所では14件がそれぞれ破産によるものだった。
倒産の原因は業績不振12件、放漫経営10件など。
CBNews 2014年1月14日 原文のまま