基本情報
新着情報

2016年
「【ニッポン病院の実力】和光病院「ケアも治療」モットーに患者を拘束しない解放空間で認知症治療 」(9月28日)
「高齢者の身体拘束6割超 病院・介護680施設が回答」(6月28日)

「熊谷の特養を行政処分 入居者に不要な身体拘束 埼玉」(3月29日)
2015年

「高齢者入所施設 「虐待あった」17%」(4月11日)
「拘束介護で改善勧告の高齢者施設 逆ギレ反省文を北区に提出」(3月20日)
2014年
「制度外の老人ホームで「拘束介護」 約130人、体固定や施錠」(11月9日)
認知症の人は不法にも職員に拘束されている(1月16日)
「介護保険事業所の身体拘束 人数・比率 減少続く 静岡」(1月6日)
2013年
多くの認知症の人が拘束される恐れ(8月20日
2012年
「横浜の高齢者グループホームで入所者に多量の薬物、市が文書指導/神奈川」(10月23日)
2011年
「医人たちの挑戦 5つの基本ケアで脱「抑制」 上川病院理事長・吉岡充さん(1) 縛らない高齢者医療に」(10月30日)「幹部の決意で85%の抑制はなくせる 上川病院理事長・吉岡充さん(2) 縛らない高齢者医療に」(11月13日)「抑制廃止で医療従事者にも笑顔戻る 上川病院理事長・吉岡充さん(3) 縛らない高齢者医療に」(11月27日)「院内グループホームと音楽療法 上川病院理事長・吉岡充さん(4) 縛らない高齢者医療に」(12月11日)「介護報酬の加算で抑制廃止を 上川病院理事長・吉岡充さん(5) 縛らない高齢者医療に」 (12月25日)(日本経済新聞)
「交通事故:認知症男性外出、はねられ死亡−高崎/群馬」(5月23日)
「高齢者施設:「身体拘束」2.6%、07年比0.7%減−県調査/群馬」(1月27日)
資料
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基本情報

指定介護老人福祉施設は、指定介護福祉施設サービスの提供に当たっては、当該入所者又は他の入所者等の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない。

介護保険法第87条(指定介護老人福祉施設の基準)の「指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準」に基づく「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年3月31日 厚生省令第39号)の第12条(指定介護福祉施設サービスの取扱方針)の第4項(介護老人保健施設省令第40号、介護療養型医療施設省令第41号においても同様)

身体拘束が省令基準により禁止されている施設
@特別養護老人ホーム
A介護老人保健施設
B介護療養型医療施設
C短期入所生活介護事業所
D短期入所療養介護事業所
E特定施設入所者生活介護事業所(有料老人ホーム、軽費老人ホームのうち指定を受けた施設)
F認知症対応型共同生活介護施設(グループホーム)

身体拘束の弊害(厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」より)
身体拘束は、人権擁護の観点から問題があるだけでなく、高齢者のQOL(生活の質)を根本から損なう危険性を有しており、
@ 身体的弊害(関節の拘縮、筋力低下、食欲の低下等)
A精神的弊害(人間の尊厳の侵害、認知症の進行、家族の罪悪感、職員の士気の低下等)
B社会的弊害(介護保険施設等に対する社会的な不信・偏見、医療の増加による経済的損失等)
を招く恐れがある。

身体拘束の対象となる具体的な行為(同じ)
@排御しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
A転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
B 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
C 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
D点滴・経菅栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
E車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y宇型抑制帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。
F 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。
G脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
H他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。
I行動を落ち着かせるために、向精紳薬を過剰に服用させる。
J 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

緊急やむを得ない場合の対応(同じ)
@3つの要件をすべて満たすこと
【切迫性】利用者本人又は他の利用者の生命又は身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと
【非代替性】身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する介護方法がないこと
【一時性】 身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること



2016年


「【ニッポン病院の実力】和光病院「ケアも治療」モットーに患者を拘束しない解放空間で認知症治療 」(9月28日/産経新聞)
超高齢化社会で増加している認知症は、2025年には国内で予備群も合わせて約700万人に達すると推計されている。老老介護や少子化などで家族への負担は重く、介護保険サービスが思うように受けられないことも。
さらに、患者が病気と認識のないまま病院や施設へ連れていかれると、不安が増して症状が悪化することもある。そんな現状を改善すべく、昨年1月、厚労省が「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」を取りまとめた。医療・介護などの連携による認知症への支援、予防や治療のための研究開発、認知症高齢者などにやさしい地域づくりが柱だ。このプランを後押しすべく、オリジナルの医療提供や地域連携などを実現しているのが和光病院である。「ケアも治療」をモットーに、患者を拘束しない解放空間で、専門スタッフが患者に寄り添う医療を実践しているのが特徴といえる。
「みなさんは、ある日突然入院させられたらどんな気持ちですか? 想像してみてください。大きな声を出しませんか? 不安だらけの認知症の患者さんは、攻撃的な行動などにつながるのです。その不安を取り除くことが最も重要といえます」
こう話す今井幸充院長(65)(写真右下)は、日本認知症ケア学会理事長を務めるなど、認知症治療のスペシャリストである。医療とケアの向上に力を注ぎ、患者の不安を取り除くさまざまな取り組みを行っている。同病院の設備やスタッフの対応は評判を呼び、国内はもとより海外の医療機関の視察も増えた。認知症治療を行う病院のモデルケースになっているのだ。
「拘束着も拘束ベルトも必要ありません。スタッフの力量で患者さんの不安は取り除くことができます。それにはスタッフ教育が欠かせません。当院には、認知症ケアに興味を持つスタッフが多いので、教育も行いやすいのです」
医療を充実させるためには、介護保険サービスとの連携が必要だが、その一方で財源確保のためか、最近、認知症患者への居宅介護サービスの使い勝手を悪くさせている印象を今井院長は受けている。また、退院後の居宅サービスとの連携構築も遅れがちだ。そういった制度の見直しも今井院長は必要だと思っている。
「みなさんがよりよいアイデアを出し合うことで、近い将来、使いやすい制度にすることが大切でしょう。家族、医療、介護、そして地域について、さらに進んだ取り組みが望ましいと考えています」
今井院長は、退院する患者と家族にも思いをはせる。その人たちが安心できるエンド・オブ・ライフ・ケアとは何か。認知症は今のところ治らない病気だけに、個人の人生計画設計も不可欠だという。
「日本の認知症の医療と介護は、世界に誇れますが、今後、さらに発展させなければなりません。そのために、これからも貢献したいと思っています」と今井院長は語る。増加する認知症へ社会でよりよく対応できるようにすべく、奮闘中だ。(安達純子)
【データ】2015年度実績
・入院患者数 9万7543人(1日平均267人)
・外来患者数 5700人(1日平均24人)
・病院病床数 285床
〔住所〕〒351−0111 埼玉県和光市下新倉5の19の7 電話/048・450・3311
zakzak 2016年9月28日 原文のまま

★「高齢者の身体拘束6割超 病院・介護680施設が回答」(6月28日/日本経済新聞)
民間病院などでつくる全日本病院協会(東京)が高齢者の身体拘束の状況を調べたところ、回答があった約680の病院・介護施設の6割超で、厚生労働省の手引が原則禁止としている行為を行うことがあると答えたことが28日、分かった。
同協会の木下毅常任理事(写真)は「身体拘束を受けることで気力が失われ、症状が悪化する恐れもある。施設の管理者が意識を高め、現場職員への指導を徹底する必要がある」と指摘。一方で「職員個人に判断を任せず、施設全体で患者や入所者の症状や行動を把握することが重要だ」としている。
厚労省は「各施設の組織としての取り組みが重要で、手引の周知を徹底したい」としている。
厚労省の手引は2001年作成。「徘徊(はいかい)しないよう車いすやベッドに体を縛る」「点滴チューブを抜かないよう手足をひもで縛る」「行動を落ち着かせるため向精神薬を過剰に服用させる」「自分の意思で開けることのできない居室などに隔離する」といった11の行為を、「身体拘束や行動を制限する」として原則禁止の対象として例示している。
同協会は15年11月に調査を実施。約2千の病院や介護施設に質問状を送り、683施設から有効回答を得た。
このうち11行為の一つ以上を行うことがあると回答した施設は450施設(66%)。一般病棟(77施設)の中で「ある」としたのは94%、退院後、在宅復帰するまでにリハビリなどを提供する「老人保健施設」(73施設)では47%、要介護度が原則3以上の人が食事や排せつなどのケアを24時間受けられる「特別養護老人ホーム」(75施設)で33%、地域包括ケア病棟など(70施設)では99%だった。〔共同〕
日経Web版 2016年6月28日 原文のまま
関連情報:
「身体拘束ゼロに向けて報告書まとまる 拘束を避けるケアの見直しを提言」全日病ニュース2016年5月1日号
「身体拘束ゼロの実践に伴う課題に関する調査研究事業 報 告 書」平成28年(2016年)3月 公益社団法人 全日本病院協会(pdf2.7MK)
編者:「身体拘束禁止」は介護保険施設で適応されるが、今回は「医療保険施設」も調査対象としたことで貴重だ。ただし提言が少ない、弱い。取り組みを広がりと深さを求めたい。

★「熊谷の特養を行政処分 入居者に不要な身体拘束 埼玉」(3月29日/産経新聞)
熊谷市の特別養護老人ホーム「愛心園」が、認知症などの入居者34人に不要な身体拘束をしていた問題で、県は28日、介護保険法に基づき、同園を運営する社会福祉法人「妻沼会」(同市)に対し、同園での新規入所者の受け入れ停止と介護報酬請求を20%減額する行政処分を行ったと発表した。期間は5月から10月末までの6カ月間で、処分は25日付。
県によると、同園では平成25年4月から27年9月にかけて、認知症や自力歩行が困難な70〜90代の利用者ら34人のベッドの周囲を柵で囲んだり、車椅子で移動する際にY字ベルトを装着したりした。多くはナースコールも外されていたという。
県の調査に対し、同園は「転落、転倒防止のためだった」と説明。県は利用者に自傷、他害の恐れがなく、拘束は不要だったと結論付けた。前理事長の男性は問題の責任を取り、今年1月に辞任した。
産経ニュース 2016年3月29日 原文のまま


2015年


★「高齢者入所施設 「虐待あった」17%」(4月11日/東京新聞)
全国各地にある特別養護老人ホームなど高齢者が入る施設の17%が、施設内で虐待があったと認識していることが、NPO法人「全国抑制廃止研究会」(本部・東京都八王子市)の調べで分かった。介護保険制度で原則禁止される身体拘束をしている施設も23%。北区の高齢者向けマンションで虐待問題があったが、ほかの施設でも同様の問題がまん延する実態が明らかとなった。
研究会は、全国で拘束廃止に取り組む施設や病院の関係者らでつくり、二〇〇九年にも同様の調査を実施している。今回の調査は一〜二月、特別養護老人ホームや介護保険適用外の医療療養病床などが対象。九千二百二十五施設が回答した。
「この三年間に、施設内で虐待と思える行為はあったか」との設問では、四百六十一施設が「あった」、千四十九施設が「あったと思う」と答えた。
回答当日に、施設内で身体拘束を受けている人数を尋ねると、二千六十九施設が一人以上と答えた。千五十二施設では一年以上拘束を受けている人がおり、平均人数は約三人だった。拘束の種類は「ベッドを柵で囲む」「ミトン型の手袋を着ける」「拘束帯や腰ベルトなどを着ける」の順に多かった。
研究会は調査結果から、国内で毎年約二千施設で虐待が発生し、毎日六万人が拘束を受けていると推計した。研究会理事長で医療法人社団「充(みつる)会」(八王子市)理事長の吉岡充さん(66)は「国は、身体拘束廃止を維持するための努力を現場に任せ、具体策を打ち出せていないのでは。原点に立ち返った真摯(しんし)な取り組みを促したい」と話している。 (中山高志)
◇「拘束の一律禁止を」
施設で生活する高齢者の自由を奪う「身体拘束」について、国は介護保険の分野で原則禁止を打ち出している。しかし、今回の調査でそうした規定が、十分に行き渡っていない現状が明らかになった。さらに医療分野は規制対象になっておらず、調査を実施したNPO法人は拘束の一律禁止を求めている。
回答施設のほとんどは介護保険分野以外の禁止規定ができれば、身体拘束を減らしたりゼロにしたりすると答えている。研究会は「医療療養病床を含めた身体拘束禁止法を制定し、すべての高齢者施設や病院などの人権感覚を進歩させるべきだ」としている。
<北区高齢者マンション問題> 東京都北区の高齢者向けマンションで、ヘルパーらが入居者に身体拘束をしていたことが判明。区は2月以降、高齢者虐待防止法などに基づき、99人への拘束を虐待と認定し、ヘルパー派遣事業者などを運営する同区の医療法人社団「岩江クリニック」に改善を指導した。
Tokyo Web  2015年4月11日 原文のまま

★「拘束介護で改善勧告の高齢者施設 逆ギレ反省文を北区に提出」(3月20日/Newsポストセブン)
高齢者用マンションの入居者が、ベッドに縛られたり、部屋に閉じ込められる「拘束介護」を受けた──。東京都北区で判明した衝撃的なニュースが、意外な展開を見せている。
問題となっているのが、ヘルパーやケアマネージャーをマンションに派遣する事業所を運営する医療法人「岩江クリニック」。昨年11月、朝日新聞の報道を受けて東京都が立ち入り検査をしたところ、入居者の多くが拘束されていたとされる。
都は介護保険法に基づき改善を勧告。北区も高齢者虐待防止法に基づき計95人が拘束されて虐待を受けたと認定、改善指導していた。
しかし岩江クリニックが北区に出した改善計画書は“逆ギレ”というべき内容だった。
〈以降、患者(利用者)の生命・身体を保護するために必要やむを得ないと医師が判断して行う身体拘束については、(中略)医師または医師の指示を直接に受けた看護要員等が行うこととします〉
〈本件についての東京都北区のご指導は、(中略)今後一切、これに協力いたしません〉
あくまでも身体拘束は医療行為だから批判にはあたらない、今後はヘルパーではなく医師や看護師が行なうからいいだろうと主張したうえで「北区のいうことは聞かない」と真正面からケンカを売ったわけだ。北区役所健康福祉部の担当者がいう。
「問題の施設は高齢者マンションで病院ではありません。虐待の事実が判明すれば、区としては動かざるを得ない。ただし高齢者虐待防止法は罰則がなく、違反しても行政指導しか行なえない。強制措置はとれないが粘り強くやっていく」
介護問題に詳しい大石剛一郎弁護士(写真右上)がいう。
「過去の判例から見ても、身体拘束は原則として認められていない。生命や身体が危険にさらされた場合など、やむを得ない時に最小限の時間に限って取られる措置です。“医師や看護師だったら自由にやってもいい”という話ではない」
同マンションは要介護度4〜5の入居者ばかりを集めていたという。意思表示も難しい老人が多かったために、こうした介護がまかり通ってしまっていた実態があった。ただし、介護に携わる人々からは、行政の怠慢を指摘する声も出てくる。
「こんな事例が出てくるそもそもの原因は、50万人超といわれる特養老人ホームの待機者問題がまったく解消されていないから。低い賃金でヘルパーが集まらず、特養も受入数を増やせずにいる。行政が抜本的な改善策を出さなければ、何度摘発しても同じような業者は出てきます」(特養に勤務するヘルパー)
騒動の渦中にある岩江クリニックの話を聞こうと何度も取材を申し込んだが、「担当者が不在なので」とけんもほろろ。本誌にも逆ギレ気味の対応だった。
Newsポストセブン 2015年3月20日 原文のまま
サイト内関連記事:
「制度外の老人ホームで「拘束介護」 約130人、体固定や施錠」(2014年 11月9日)
「認知症患者ら虐待 高齢者マンション96人被害か」(2015年2月18日)
編者:開き直った岩江秀和医師(写真右下)の身体拘束に関する無知も酷い。需要がある限り零細診療所のこうした行為は後と絶たないだろう。


2008〜2014年の情報


資料
「身体拘束ゼロへの手引きー高齢者ケアに関わるすべての人にー」(2001年3月 厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」資料)
Guidelines on the use of various measures designed to restrict(Alzheimer Europe 2001)pdf120K
「身体拘束に関する実態調査結果報告書」(神奈川県2005年)pdf5,2M*
認知症高齢者と身体拘束の克服)PPT(奈良県身体拘束ゼロ作戦推進セミナー 三宅貴夫2005年)
Falls, Wandering, and Physical Restraints:Interventions for Residents with Dementia in Assisted Living and Nursing Homes(Alzhimer's Association USA2006) pdf50K


リンク
全国抑制廃止研究会(上川病院)