97年質問番号31. POSデータの使用 法

質問  POSでは小売販売のデータを考慮して卸売り業者が 商品を卸しますが、 そのときの流行等その時かぎりのデータは排除して考えるのでしょうか。

回答  POSのデータによる売上予測には、一般的に言 って2つの方法の分析を行って売り上げ予測を行います。

 1つは、傾向を予測する分析です。一時的な変動を排除して、その商品が売れる傾向にあるのか、 売れない傾向にあるのかを分析することです。不規則な変動や季節変動を除去して傾向だけを見ます。

 2つ目は、その製品の売上を支えている要因を調べることです。これには2つ分析を行う。はじめに、他の どんな要素(お天気とか催事とか他の商品とか)と売上が相関(関連して数字が変動すること)があるか という相関分析を行って、次に相関がありとされた要素が売上にどのように影響するかという要因 分析を行うのです。

 例えて言えば、このクッキーは、傾向として売上は一定の状態だが、明日は休日でいろいろの催事が あるとすれば、平均よりどのくらい売れるかという予想を計算して出荷するのです。この予想は、 コンピュータだけにまかせることなく人間の”勘”を加味することも多いです。

97年質問番号32. MISからSISに変わること

質問  MISからSISに変わることによって、利用者はどう変化したか

回答  MIS(経営情報システム)からSIS(戦略的情報システム)に 情報システムが進化したことより利用者がもっとも変化した点は、単なる情報システムの利用者の立場から 情報システムの主体者になったということである。

 MISの場合は、計画とか執行の効率を高めることに情報システムの主体がおかれたが、SISの場合は 実行する業務の戦略を変更することが情報システムの狙いであるから、利用者が発案し、仕組みを構成し、 内容を作らねば成り立たない。それらのシステムを具体的にコンピュータに実装するフェーズのみが、 コンピュータ専門家の仕事である。したがって、SIS時代の利用者は、コンピュータ・システムの 単なる利用者でなく、主体者つまりオーナーになったのである。SISプロジェクトのリーダはそう いったことから、必ず利用部門の長が務めるのが当然の体制となったのである。

 勿論、MIS時代からSIS時代へは、コンピュータ技術も大きく進歩、進化したので、エンドユーザ コンピューティング(利用部門がコンピュータシステムに直接かかわること)の範囲も拡大し、従来だと 専門家にまかせていた多くの開発や運用作業も利用部門が行うようになった。パソコンの普及は、 そういった傾向を一層進展させた。  

97 年質問番号33. インターネットのホームページの作成方法

質問 インターネットで「 郷地英治のホームページ」があるそうですが、 自分自身のホームページはどのようにしてつくるのですか。

回答  自分のホームページを持つことは、自分を成長させることに 大変役立ちますので、是非実行してして下さい。

 三つのことが必要です。

 1.プロバイダーに加入する
   これは、インターネットを利用しているのであれば、すでに加入しているので問題ありません。

 2.自分のホームページ(HP)を作成する
    1)HPの表紙を作る
   HPは、次のようなタグ(HTML=HyperText Markup Language)によって作成します。
   主なタグのみ書きます。

  1. <HTML>        ・・スタートのタグ、必須です。
  2. <HEAD>        ・・標題部分の開始を示すタグ、必須です。
  3. <TITLE></TITLE>   ・・標題を示すタグ、間に標題を記入する、例<TITLE>HPの作り方</TITLE>
  4. </HEAD>        ・・標題部分の終わりを示すタグ、必須です
  5. <BODY BGCOLOR="#FFFFFF"> ・・本文(ボディ)部分の開始を示すタグ、必須です。
  6. <H1></H1> ・・本文の標題を記入するタグ、例<H1>HPの作り方</H1>
    ・・以下適当に本文を作る。
          タグは、いろいろな種類があり、タグによって変化に富んだ表現が出来る。
  7. </BODY>           ・・本文(ボディ)部分の終了を示すタグ、必須です。
  8. </HTML>           ・・HTML終了のタグ、必須です。

    2)表紙のホームページから派生(リンク)するホームページ(正しくはWWWページ)を       作って、表紙のホームページからリンクする。

 3.自分のホームページのファイルを、プロバイダーのコンピュータに登録する。
   これは、FTP(ファイルトランスファープログラム)を使います。
   インターネットの雑誌には、必ずフリーソフトFTP(無料のソフトウェア)がCD−ROM
   に付いていますのでそれを利用します。

ホームページの作り方は、沢山の人たちがインターネットでマニュアルを提供してくれています。

97年質問番号34. 就職活動とインターネット

質問 就職活動にどれだけインターネットは有効か

回答  会社がインターネットを求人に使うのは、大きく分けて 2つのメリットがあります。

 1つは、沢山の人(不特定多数の人)に、求人情報を適宜発信出来ることです。 企業説明会や企業内容の情報を変更しながら発信可能です。もっともあまり変更すると 見る人がいつもいつも閲覧しているわけではないので、そんなに変更が出来ませんが、 印刷物よりは柔軟に変更して情報を発信できます。

 2つ目は、効率です。費用が郵便物に比べて非常に安く上がる。ハガキでも50円ですが、 E−MAILですとどんなに高く見積もっても一回10円で済みます。それから転記が不要になることです。 ハガキを貰うといちいちコンピュータに入力するのにハンドで入力し直さなければならないが、 E−MAILだと自動的に求職者のデータベースをコンピュータ内に作成することが出来のです。

 以上のことを考えれば、企業はインターネットを求人に使用したいと思う理由が分かりますね。

 そこで、就職者側としてのインターネットの活用ですが、

1.特定の会社を選択するまでは、インターネットを補助的に使用するのが賢明だと思います。
日本の企業がすべてインターネットで求人しているわけではないですから。

2.求人情報は、従来の”紙”の情報を主体に検討し、これという会社を決めたらインターネットを 活用して、会社内容の検討や会社説明会の日程を調査する方法がよいと思います。
先ほども言った通り、企業にとってはインターネット求人は膨大なメリットがあるのですから、求職者は これからは、インターネットに加盟しておくのが常識になります。
自分自身がインターネットに興味がないのなら、取りあえず学校の提供してくれるメールアドレス は必ず取得して、求人応募カードにメールアドレスを書くのが常識です。

3.インターネットを使うのは、求人会社情報を取得したり、求人会社にメールを出したりするばかりでは ありません。友人やゼミの先生と就職に関する情報交換にも大きな力を発揮します。
なにしろ、就職活動中は、友人や先生とも直接会える機会が少なくなるのですから。
私のゼミを例にとれば、夜中にチャットして、気分転換にもインターネットは有効のようです。

 先生のゼミは、32名中28名が自分でインターネットに加盟しています。

97年質問番号35. アウトソーシング

質問 最近、企業のアウトソーシングという言葉を耳にしますが、 情報システムは企業内で構築するよりも、専門知識やノウハウをもった外部に委託す る方がよいのですか。

回答  アウトソーシングという企業活動の配分の仕方は なにも今始まったわけでもありませんし、コンピュータ業界に特有の形態でもありません。

 要するに、自分の企業活動の中で自分が直接行った方がよいものは自分で行い、他人の 専門集団にまかせた方が良いものは他人に任せることです。
 外注との違いは、業務の命令権が自分になくすべて委託した企業にあるのです。委託する 企業は企業活動の機能の結果さえ貰えば良いのです。

 アウトソーシングは勿論、派遣や外注とはまったく別な形態です。アウトソーシングを受ける 会社は、企業が要求する機能を実施する資産・設備・人材はすべて自分で準備するのです。

 コンピュータシステムのアウトソーシングが最近盛んになったのには2つの理由があります。 1つ目は、コンピュータ技術の発展によって、すべての技術を自社の人間と設備でまかなうことが 困難になったからです。とくにネットワークやマルチメディアの技術は、その奥も深く、範囲も 広いため自社の社員を教育するのは困難になりつつあります。
2つ目は、コンピュータ技術の進歩が急速なので、従来のように自社のコンピュータをリース し、システムを4〜5年で更新していては時代遅れになってしまうからです。
リース期間に関係なくコンピュータシステムを更新したい事態になったらコンピュータシステム を更新することが出来るアウトソーシングが望まれる理由です。

このためには、アウトソーシングを受ける企業は、専門知識の集約化と同時に規模の経済と範囲の 経済が働く大企業でなくてはならないのです。また、日本の企業は、業務パッケージ利用率も 低く、自分で作成したコンピュータソフトウェアの中に”ノウハウ”を埋め込む風習があるので コンピュータシステムのアウトソーシングは委託側にも委託される側にも困難があります。

97年質問番号36. 文系学生のソフトウェア会社への就職、SEとは、情報処理2種試験

質問 文系の学生が、ソフトウェア会社やシステム設計会社にSE(システムエンジニア) として入社した場合、理系の学生と対等にやっていけるか

回答  私は、情報サービス産業が理系の学生を採用するのは特別 な領域に限るべきだと思っています。本来、アプリケーション(適用業務)開発のSE(システム設計者) は、文系が望ましいと思っています。システム・エンジニアリング(システム工学)とソフトウェア・エン ジニアリング(ソフトウェア工学)という学問が成立して20年以上になります。今や、文系・理系関係 なくだれでもシステム・エンジニアリングやソフトウェア・エンジニアリングの技能を修得したらSE になれるのです。

 SEは、いろいろ種類がありますが、大多数のSEはアプリケーションSEといって、適用業務を 設計する人です。その適用業務のほとんどは、経理・人事・生産管理・購買・顧客サービスなど 文系の人が多く担当する仕事です。それをシステム設計するのも文系が望ましいと思います。 ただし、システム・エンジニアリングやソフトウェア・エンジニアリングを勉強しないSEは、 本当のSEにはなれません。

情報処理の試験は、システム・エンジニアリングやソフトウェア・エンジニアリングの勉強をしたか どうか調べる試験です。
文系の学生もSEを望むなら受験すべきです。情報処理2種が最初の科目です。情報処理1種は かなり難しいですが、情報処理2種はプログラムを勉強すれば、あとの問題はSEとして必要な 知識ですから、参考書を読めばそう難しくないと思います。文系の学生にとってプログラムだけ はすこし集中して勉強する必要があります。

 私のゼミ生は、エンドユーザコンピューティングが研究課題なので、シスアドの試験を受けます。
SEにならないが、コンピュータに詳しくなりたい人は、シスアドの方がよいと思います。

97年質問番号37. WINDOWS98と95の違い、必要性

質問 ウイドウズ98の95の違い、利便性と将来性について

回答  結論から言えば、WINDOWS98はすぐには必要がないでしょう。

WINDOWS98の特徴は次の12項目です。これらはWINDOWS95の発売のように今すぐ必要な 機能ばかりでありません。あれば便利という機能が多いです。

  1. IE4.0の統合
  2. ホームページ作成ソフトの標準添付
  3. ヘルプファイルのHTML化
  4. アプリケーション起動の高速化
  5. ファイルシステムFAT32の本格採用
  6. メモリ管理の効率化
  7. レジストリの変更履歴の管理
  8. システム・ファイルの正常な状態の維持
  9. ドライバーの競合防止
  10. 新ハードのインターフェース・USB、IE1394、AGP
  11. きめ細かい電力管理
  12. DVDソフトの再生機能

 しかも、WINDOWS98はメモリを95に比べて200MB以上多く必要になります。 HDの増強にしくはくしているわれわれにとってとても大きな負担です。 WINDOWS98は、上記の機能が必要になったら導入すればよいと思います。

将来は、信頼性や機密保護の観点から、本命はWINDOWSNTだと思います。

 でも、7月25日には25万本が売れたそうです。
あなたが、もし上記10項に示した新しいインターフェースをもった周辺機器を増設されるときには 、WINDOWS98にアプグレードされることを薦めます。

97年質問番号38. 電子マネーについて

質問 電子マネーというのは、クレジットカードなどとどう違うのですか。 電子マネーの機密性や現状と将来について

回答  電子マネーと電子決済は違います。

下記の図をみて下さい。電子マネーは電子決済の手段ですが、電子(情報)をお金と同じように 決済の手段に使用する方法です。
電子決済 電子マネー現金型電子マネー匿名性トレーサビリティなし
プリペイド型電子マネー非匿名性 トレーサビリティあり
オンライン口座移動非匿名性 トレーサビリティあり
クレジット・カードのオンライン決済 非匿名性トレーサビリティあり

 電子マネーは、現金が形を変えて流通するのです。
一つ目は、ICカードの中に現金がソフトウェアの形で保管され、それが決済に使われる方法。
二つ目は、残高がICカードの中に移動して、その都度決済に使われる方法。
現在の日本の法律では前者は認可されません。後者は住友VISAが渋谷で大々的に実験を始めました。 中国や東南アジアでは、非常な勢いで普及しています。日本では何度も実験をしますが、まだ本格的に 実用になっているところはないでしょう。日本では、小切手が普及していないので体質的に受け入れな いのです。

 クレジットのオンライン決済は、今は、店頭でしか出来ないクレジットの決済をインターネットでも 行えるようにするものです。Nifty等では行っていますが、セキュリティの関係で、インターネット 上では現在は不可能なのを可能にするシステムです。SETと言われる技術システムで、まもなく実用 化されます。

 銀行口座の振り替えは、日本独特の決済方法です。銀行口座上の振り替えで決済しようとする 方法です。
これも、実用化は比較的早いです。SETシステムの中に組み込まれてしまいます。

97年質問番号39. ダウンロードとはなにか

質問 パソコン用語って難しくてよく分からないんですけど、モジュールを ダウンロードしますか?という表示がでることがあります。どういう意味ですか。

回答 まずモジュールという言葉ですが、モジュールとは コンピュータの命令の塊です。何かを行うための命令の塊です。「日本語を英語に翻訳する モジュール」。「あるソフトウェアのバージョンアップの機能を果たすモジュール」 といった使い方をします。

 ダウンロードとは、そのモジュールを相手のコンピュータから自分のコンピュータにコピー することを言います。一般的にサーバーコンピュータ(いろいろな機能を提供するコンピュータ) から、クライアント(一般的には各自のパソコン=顧客コンピュータ)にコピーするので ダウン(上位のコンピュータから下位のコンピュータへ落とす)ロードといいます。

 インターネットでは、無数のいろいろ役に立つソフトウェアをダウンロード出来ますので ダウンロード方法は是非トライして自分のものにして下さい。
 実行方法は、画面に表示される通りにすれば簡単に出来ます。ただ、あまり長い時間ダウンロード していますとコンピュータの割り当てがなくなって途中で切断することがあります。 ダウンロードは、比較的回線やプロバイダーのコンピュータが空いているときに行うのがコツです。

97年質問番号40. コンピュータ化の恐怖

質問 これから情報化がますます進んでコンピュータを通してのやりとり が増えると思う。インターネットは大きなメリットもあるが、一方では人と人がお互いの目を 見て話すということが少なくなるということです。情報化の進展は、どうしても人間同志の 関係がうわべだけのものになるような気がします。怖いです。

回答 あなたは人間の本性を誤解している。

本来人間は群をつくって生きる動物である。コンピュータ上で親しくなればなるほど、直に会って 話したくなるのが人間の性である。アメリカの統計でも、コンピュータで会話するようになってから の方が、より一層会って話す機会が増えたという。

 ゼミ生の行動もそうである。毎日でもメールしてくる学生の方が研究室に来る回数が増えている。 それだけ、話題に深みが付くからである。

 コンピュータ社会は人間を一層親しくする道具である。人間同志が疎遠になるというのは コンピュータを使っていない人が抱く懸念である。

97年質問番号41. 個人情報の漏洩

質問 最近、銀行の個人情報が盗まれて、”闇”の情報会社に売られたという 新聞記事がありましたが、こんなことは防止できないのでしょうか

回答  これは日本の銀行業界の体質からきている。

 コンピュータの情報は、アメリカも同じソフトウェアで管理しているのだから、日本で発生する のであれば、アメリカでも発生する筈である。世界各国で発生して大きな問題になる筈である。 こんな情報管理では使いものにならないと大合唱が起こるはずである。

 それが起こらないのは、情報管理のソフトウェアに問題があるのではない。日本の銀行のシステム部門 の担当者が怠慢なだけである。日本のシステム部門は、機密保持のためということで外注業者も すべて自社の事務所に来て作業をさせている。そしてほとんど野放しで働かしている。 場所を拘束していることが機密保持につながると錯覚しているのである。

 本来、情報はすべて管理されなければならない。システム開発者といえども、権限によって さわれる情報とそうでない情報がある。それを近くで作業させているからいう理由で、開発者に なんでもさわらせる情報管理体制をとっているところに問題がある。

 日本の銀行が、外部のシステム開発者を「機密保持」を理由に手元に置かなくなったら この種の事件は起きなくなる。それだけのことを情報管理ソフトウェアは管理できるのである。

97年質問番号42. インターネットで禁止されていること

質問 インターネットを使用する上で、法律で禁止されていることを 詳しく教えて下さい。最近「インターネット宝くじ」が問題になりましたが、情報発信者の チェックはどうなっているのですか。

回答  一般的な刑法や民法で禁止されていることは、 インターネッットでも禁止されています。1997年6月10日に著作権法の一部が改正され、 従来の有線放送や放送を含めて公衆送信という概念が確立し、インターネット上の著作権も確立した。

 したがって、一般的に禁止されていることは、ほとんどインターネットでも禁止されています。
しかし、インターネットが特殊な情報システムであるため、解釈により抜け道ができることも 、また事実です。

1.たとえば、先般の「宝くじ事件」は、アメリカの宝くじを禁止していない州(日本は 禁止)のサーバにホームページを作成して、日本人が日本向けに宝くじを売り出したのです。
この場合は、行為地も結果発生地も日本なので、日本の法律が適用されます。この行為を アメリカ人が行ったときに、日本の法律が適用されるか、アメリカの法律が適用されるか 微妙です。ケースバイケースとなります。

2.神戸の少年事件の顔写真をホームページに載せたのは、少年法では、「報道」を禁止して いるのであって、単なるホームページの掲載は「報道とは解釈されない」ので、違法では ありません。

3.ワイセツな写真をホームページに掲載した人は、「わいせつ図書公然陳列罪」に問われます。 これは、ベッコウアメ事件として有名です。その事件では、ホームページが「物」として解釈できる かどうかが大きな問題になりましたが、裁判所は「物」であると認めて有罪にしました。

4.アメリカでは1996年2月1日「通信品位法」が成立し、「ワイセツ」「下品」 「明白に不快な」という3つの段階のホームページを禁止しましたが、「下品」と「 明白に不快な」という表現は「憲法の表現の自由」を侵すという理由でフィラデルフィ ア連邦地裁で法律の執行差し止めの命令がでました。

 インタネット上の犯罪は、これからもますます複雑になり「従来の法律」では対応でき なくなるので、現在いろいろの委員会で検討されています。

97年質問番号43. コンピュータ・ウイルスについて

質問 よくコンピュータにウイルスが侵入したということを聞きますが、 ウイルスとは何のことですか。侵入したらコンピュータがどうなるのですか。防ぐ方法は ないのですか。

回答  コンピュータウイルスとは、通産省が策定した 「ウイルス対策基準」によれば、次の通りである。

「第3者のプログラムやデータベースに対して、意図的に何らかの被害を及ぼすように つくられたプログラムである」
それは、次の3つの機能の内、1つ以上を有するものである。

  1. 自己伝染機能・・・・他のシステムに伝染する
  2. 潜伏機能・・・・・・発病するための特別な年月時間を有する
  3. 発病機能・・・・・・プログラムやデータベースを破壊したり、意図しない動作を行う

これを防ぐ方法を決めたのが、「ウイルス対策基準」である。

今ウイルスは、世界で1000種類以上あり、毎月数種類増えている。
ほとんどが、遊び半分の嫌がらせのものが多いが、データやプログラムの 中に入り込んでくるので、防ぎようがない。ウイルスのいそうな場所に近づかないか。 早く発見して対応することしか対策はない。

もっとも、最近の「電子署名」によって、発見が早くできるようになりつつある。

97年質問番号44. インターネットとイントラネットの違い

質問 インターネットとイントラネットの違いが分かりません。 イントラネットは情報を盗まれる心配はないのですか。

回答  インターネットとイントラネットの違いは、社内か 社外かという点である。

 使用する技術とそれによって実行する機能はまったく同じである。が。その採用する 場所が、社内だけの場合はイントラネット、社外も含めた場合はインターネットという。  インターネットは、基本的に”テキスト文”をベースに通信を行う。ファイルの拡張子 が「.txt」という奴である。この文書は、Windows95があれば「メモ帳ソフト」で 読むことができる。が、一太郎の文章で拡張子が「.jtd」のファイルは一太郎という 有料のソフトウェアがないと見ることはできない。

 要するに、インターネットはまったく無防備なシステムである。従って、社内でも、つまり イントラネットでも社内で情報が盗まれるという危険性がある。最近では、部門間に ファイヤウオール(防火壁)やプロキシ(見せかけ)をおいて情報を部門外から盗まれないように するシステムが流行っている。

97年質問番号45. コンピュータ嫌い

質問 インターネットの仕組みも聞いても理解できないです。 2年前からコンピュータは持っているのですが、分からないことがいっぱいでコンピュータは 怖いです。どうしたらコンピュータに親しみを持つことが出来るようになりますか。

回答  コンピュータ嫌いは、コンピュータ好きの友達を選んで 解決するのが一番です。例えていえば、彼女や彼氏をつくるとき、コンピュータ好きの人を 選ぶのです。人間、類は類を呼ぶと言いますから良く注意すること。
後は、自然にコンピュータに親しくなります。

コンピュータに親しくなるのは困難です。

だから、コンピュータを使える人と親しくなることです。コンピュータは大変難しい機械だと 思います。テレビに比べれば雲泥の差です。でも、さわれるようになるととても面白い機械 です。テレビよりは故障はしません。壊れたら一からやり直せば、大抵ソフトが原因ですから 直ります。

コンピュータに親しみを持つことは難しいですから、コンピュータに詳しい 友人なり恋人をもって下さい。毎日メールして、その上でデートすれば親しさは倍増します。

97年質問番号46. 2000年問題

質問 今、コンピュータの2000年問題が大きな問題になっていますが、 各社はどのように対応しているのですか。

回答  コンピュータにおける2000年問題というのは、 コンピュータシステムの中で”年のデータ”を従来は西暦の下2桁で表現しているシステムが ほとんどであることに起因しています。

 このことにより主に次の2つの点が問題になります。

  1. 年の計算で、99+5=04(04は1904年を表す) のように計算ミスがおこる。
  2. 年の順序が 2000,2001,・・・・1998,1999のように逆になる。 これは、FROMTOの検索でも矛盾を起こす。

このためには、一番良いのは年の表示を2桁から4桁にすることですが、旧来のプログラム をすべて4桁にするのは工数が掛かって不可能です。
賢明な会社は、この際システムを再構築しますが、そうする必要のない会社は応急処置を行います。 それでも、例えば、鉄鋼大手の新日本製鐵で14億円、先生の出身会社住友金属工業でも7億円 の費用が掛かります。従って、中小企業では、まだ認識が甘いこともありますが、無駄な費用の 出費になるので対策を立てていないのが実状です。

2000年1月1日以降プログラムは正常に作動しないシステムが多く発生します。
ほとんどの中小企業は、それから対応することでしょう。もっとも、手づくりのプログラム でなくパッケージを使用している会社は、パッケージの手直し(バージョンアップ)でことが 足りますので、問題にはならないと思います。手づくりのプログラムを持っている会社は、 小さな会社でも1000万円は掛かります。

対策は、2つ必要です。

  1. 使用している基本ソフトウェアやミドルソフトウェアやパッケージソフトウェアを200 0年対応にバージョンアップする。
  2. 自分で作成したプログラムを2000年以降にも使えるように手直しする。   
        
    • ファウル上の年はすべて4桁にする。   
    • プログラム内では、”ウインドウズ方式”といって、処理する直前に「80年より大 きな数字は19XXに変換し、79年より小さい数字は20XXに変換して」処理をするサブ ルーチンを挿入する方式をさいようします。
これが2000年問題です。ソフトウェア業界に取っては一種の特需になっています。