これから紹介する以下の文章は、東京海上日動火災社が損害サービス部門の社員に配布した小冊子からまるごと引用したものです。私は他社の人間ですが、ひょんなことから入手しました。そして、一読してこう思いました「あぁ、他社でもウチでも、同じ仕事をする人は同じ思いをして、頑張っているんだなぁ」と。ま、全く素直すぎる感想でしたが、まさに「こころから」感じました。
この小冊子を読んで、これまで自分が損害サービスの現場で経験したこと、一人黙々と考え続けてきたこと、仕事を辞めたくなった時に「それでも続ける」と決めた時に感じたこと、etc.etc……がさまざまなコメントの形で非常によくまとめられていたので、本当に嬉しくなりました。
正直なところ、こういう小冊子を会社としてまとめあげて全社員に配布する東海日動社という競合他社を、本当に羨ましく思いました。 「同じ仕事をする仲間と"思い"を共有したい!」というのは、人が仕事を続けていく上において、とても大切なモチベーションの一つかと思います。こんなに素晴らしい内容の文書は、東海日動社の社員さんだけでなく、ぜひ、同業他社の損害サービス部門で働く方たちにも知ってもらいたいと思いました。
東海日動社さんには何の断りもしていませんが、私も他社ながら損害サービス部門に長年携わっている、同じ思いを共有する者であることに免じて、無断で公開させていただくことをご容赦いただければと思います。
よろしくお願い申し上げます。
「災害応援時に、契約者の方から「これで明日から何とかやっていけます」と言われた。我々の仕事は、当事者の基本的生活にも影響を及ぼす重要な仕事であると感じた」
「大きな事故に遭って悩む被害者に、できる限りのケアをつくした結果、「あなたのおかげで自殺せず立ち直れた。ありがとう」と言われた。こういう言葉をもらうたびに、この仕事の意義を感じる」
「一生に一度あるかないかの事故にあって本当に困っている契約者に対し、最後に「保険に入っていてよかった」と思っていただけるような対応をしていきたい」
「はじめは家にも入れてもらえなかった方のところへ足しげく通い、最後には「あんたでよかったよ」と言われ、植物状態の奥様の手を取ってやってくれとまで言われた」
「はじめは感情的であったお客様であっても、丁寧に親身に話をすることで、徐々に感情がおさまり、次第に自分のことを信頼してくれるようになる。そんな瞬間はいつも感動的です」
「私たちにしかできないケアサービスがあるはず。メンタルな領域でも、もっとお客様のためになれるはず」
「被害者の社会復帰のために貢献し続けたい」
「「加害者は許せないが、あなたの誠意を感じたので、示談はします」と言ってくれた方がいました」
「100:0の小学生死亡事案で、両親から「あなたが担当でなかったら示談はしなかった」と言われた時、この仕事の重さを感じた」
「最後の最後に「ありがとう」という言葉や、「保険契約を頼みたい」という言葉をもらうと、力になれたという喜びとやりがいを感じる」
「後遺障害1級3号の事案で、被害者が示談の際、涙ながらに感謝してくれた。自分の担当事案の中では1番の高額事案でもあったが、この仕事をやっていて本当に良かったと感じた」
「上司が子供に「お父さんの仕事は人助けだよ」と言っているのを聞いて、なんだかとても嬉しかった」
「入社2年目の頃、被害者からの苦情対応のために隣県に出向いたのですが、話合いが5時間以上も続いてしまいました。帰社はPM9:00頃となったのですが、当時の課長代理、アジャスターが残っていてくれて、慰労をしてくれました。乾杯をした途端、涙があふれ止まらなかったのを覚えています。「気は心」「ハート」の意味を教えられた瞬間でした」
「一人で悩んでいた時に、上司が「この仕事は、チームの仕事です。チームの一員として頑張ろう。」と声を掛けてくれたことがあります。後で、その意味がよくわかりました」
「助け合うことも、改善すべき点を指摘しあうことも普通に行われる組織でありたい」
「うまく進まない時やミスをした時も、同僚・上司が一緒になって解決に向けて取り組んでくれることに感謝している」
「ライバル意識を持って高い成果に向かって競争し、ともに目標達成を喜びあえるような組織でありたい」
「自分の責任において頑張ることと、一人で悩むことは別。我々は組織で仕事をしている以上、一人で悩んでいてはいけない。上司はそのためにいる」
「安心感のある事故対応を実現するためには、組織的なお客様対応を実現する必要があると思う」
「それぞれが自分の役割の中で専門性を高めていかなければ、チームワークは成り立たない」
「仲間に対しての温かさや自由な雰囲気は、大切にしていきたい」
「「外は厳しいが、中は暖かい」という伝統的な風土が、厳しい逆境を乗り越える大きなエネルギーになっていると思う」
「医学的にも法律的にも難解な案件(訴訟事案)に真剣に取り組み、勝訴することができた。専門知識を磨く必要性を改めて感じた事案だった」
「交渉力・折衝力は、数字には表せないけれど、この仕事で求められる非常に高度な専門性だと思う。話の間のとり方や、目の合わせ方など、その絶妙なコミュニケーションスキルを先輩から盗みたい」
「難易度の高い事案に対しても、高い専門性で解決できるエキスパートでありたい」
「誰が何に強いかを知り、どうチームを組むか。そのこと自体が高い専門性だと思う」
「自分の事案を先輩に助けていただいた際に、「損害サービスを仕事にしている以上、賠償理論や話術、電話応対などについて一般の人たちよりも少しずつでも良いので全てが上のレベルでありたいよな」と笑顔で言われたことがあった。自分自身、反省し、その後自己啓発に励んだ」
「いろんなことを勉強できるのが、我々の仕事の特徴。リーガル、メディカル、メカニカル、そして人生勉強ができる」
「メディカルに関しては、看護婦の読む本を一気に読むなどして知識をつけました」
「アカデミックな知識をベースに持ち、話すときは普通の言葉で説明できること。そうでないと意味がない」
「激高していた契約者からどの位経験があるのかと聞かれ、一万件位処理しましたと答えたら、任せてくれるようになった。事案解決後、一万件の重みは違うと言ってくれました」
「担当者として、業務知識、事務処理、交渉など、非の打ちどころのない一流のプロフェッショナルになって活躍したい」
「新人時代、初めてお客様から苦情を受けた時、緊張のあまり上手く敬語が使えず、「言葉づかいもわかっていない人では話にならない」と言われてしまった。悔しさのあまり、家に帰って自分なりの応酬話法を必死に作成したのを覚えています」
「思う様に進まない事案で悩んでいた時に、先輩から「解決しない事故はない」と言われ、気持ちが救われた。いい意味で、心に余裕をもって事案にあたれるようになった」
「自分がミスをした時に先輩が一緒に相手の所へ行って下さり、ミスをカバーしてくれた。二度と同じ事は、繰り返さないと思った。同時に、自分もいずれ逆の立場に立った時、温かく後輩を見守りたいと思った」
「同じ仕事をする先輩が、親身になって入院者との面談方法等についてアドバイスしてくれたり、同行して手本を示してくれたりした有難さは強く心に残っています。私も後輩が出来た時にはよい手本が示せるよう、努力しようと考えています」
「君は責任者であり決裁者である。君が決定したことにアドバイスや評価はできるが、君の決定は変えられない。それが君に任せたということだ。だから迷うことがなくなるように勉強し、判断力を磨くのだ」。このアドバイスで私の迷いは吹っ切れました」
「いいところも悪いところも率直に指摘してくれた上司によって、自分の成長のために何をすればいいかを気づかされた」
「難しい事案で悩んでいる時も、職場に戻って皆の明るい表情を見ると、救われたような気持ちになれる」
「相手方との厳しい交渉のあと、帰りを温く迎えてくれた課内メンバーの雰囲気。厳しい環境の中でも、方向性を堅持するために取組んでいく一体感が私の心の支えです」
「満足する結果が出せなかった時、上司に報告したら「負けることもあるよ」とやさしく声を掛けてくれたんです。その瞬間、次に向かって頑張ろうと思えました」
「夜になっても行方がわからず心配していたアジャスターが「実は修理工場でそんな金額では修理不可と言われてもめてしまい意地になって自分で修理してきちゃいました」と笑顔で帰ってきた。アジャスターを含め、総合職・一般職・対人担当者とも、こうしたプロのプライドを持って仕事をしたい」
「自分の説得力のなさから、結果として相手の主張をほぼ認めるしかないことになった時の悔しさが、その後のエネルギーになっている」
「難事案に取り組み一つ一つ解決していくことで、経験・能力を高め、それによって任される範囲を広げていく。そうした意識を常に持ち続けています」
「事案が難しければ難しいほど、やりがいもあると思う」
「個人に責任と権限を与える風土が生むトライ&エラーが、一人一人の成長を加速していると思う」
「結果に対し、悔しい気持ちが残っているうちは大丈夫。気にならなくなったらおしまいだ」
「自分のミスで休日にもかかわらず面談に同席をお願いした上司が、「誰にでもあることだ、次、頑張ってくれよ」といってくれた時は、嬉しく、そしてやる気が満ちてきました」
「「思い切ってやってみろ。間違ったり、トラブルになったりした時のために、自分がいるのだから」と上司に言われ、挑戦心に火がつきました」
「新人時代に、当時の上司から「失敗する人は成長する人です」と言われたのですが、周囲に迷惑ばかりかけていた時期だっただけに、心にしみました」
「事故が起こったときは誰もが不安なもの。私が目指しているのは、私がいることで、その不安な状態から早く脱することが出来るような安心感を与えられるアドバイザーになることです」
「仕事の量に押しつぶされそうになった時、自分に与えられた仕事の大きさは、自分に対する信頼感・期待感の大きさだと考え、頑張っています」
「迷って行動せず後で後悔する位なら、すぐ行動しよう。完成度の高い仕事をしても、時期を逸しては何にもならない」
「ある調査で、自分たちの失敗をひたすら隠そうとしている契約者がいたのですが、賠償についての考え方や、訴えられているという現実や、裁判となった場合に問われる内容や資料など、うやむやで済むことなど決してないことを過去の判例を通して説明し続け、何度も足を運ぶことによって、プライドを捨てて応じてくれるようになったことがありました」
「人の汚いところ、ずるいところを目にすることもある。その事実を受け止めてどう解決していくか。そこに個人の力が問われるんです」
「こころから感謝の気持ちを込めて、ありがとうと言ってくれるお客様がいる。だからこの人たちのためにも、一円たりとも無駄な保険金は支払わないと決意している」
「求められる本当の意味での安心を提供するために、悪質なものを正当に排除し、保険の意味する真のサービスを提供し続けなければいけない」
「この仕事は、ある意味、人と人との真剣勝負だと思う」
「夢や希望や勇気など、人間にとって素晴らしいものが、欲や力によって曲げられることなく、社会の秩序が守られ、社会正義が尊ばれるように努力したい」
「若いときほど、正義ということにバランスが傾きがちになる。正義は絶対貫かなければいけないけれど、最も大切な目的は、救うべき人を救うこと。コミュニケーションの力とバランスが問われる」
「過剰な要求に対して、毅然と対応して契約者を守れる強さを身に付けたい」
「対人賠償の重度後遺障の事案の中で、被害者側に無理難題な要求を主張されたのですが、被害者側と積極的に接触し会話を重ねていくうちに解決の糸口が見えはじめたのです。その時、努力してきたことに喜びを感じました。難局に直面した時は避けるのではなく、あえて立ち向かう勇気と努力が必要だと強く感じました」
「不当不正請求を排除し、その首謀者を検挙したことで、その不正団体を壊滅させました。社会正義の実現を通じて、地域への貢献も出来ました」
「損害サービスの仕事を通じて一人でも多くのお客様に安心を届けたい」
「損害サービスこそ保険事業の第一線なのだという気持ちを強く育てたい」
「不幸のどん底に落ちてしまったお客様が、私たちの真心を込めたサービスを通して、元の生活に戻ること。そんな私達でなければ出来ない価値を提供し続けていけたらと思う」
「事故が起きたときだけお客様に関るのではなく、事故が起きていない時から関り、信頼を勝ち取りたい」
「優秀なビジネスマンの集団というだけでなく、親しみがあり信頼される会社と呼ばれるようになりたい」
「あなたが担当でよかったと言われる存在であり続けること」
「23歳で下半身麻痺になってしまった方の所へ何度も通っている時、病床から「ありがとうございました」とお礼を言われ、感極まって泣いてしまったことがありました。これからも人の力になりたいと思います」
「お客様に喜ばれる、もっと言えばぬくもりを与えられるような存在になりたい」
「私は、交通事故のない安全な社会にむけて取り組んでいきたいと思います」
「一生に一度あるかないかの事故にあい、本当に困っている契約者に対し、「当社の保険に入っていて本当に良かった」と思われる対応がどれだけ行えるかを常日頃の反省とし、目標としていきたい」
「お客様から事故処理に対する礼状が、毎日山のように届くような仕事をしていきたい」
この小冊子は、東京海上日動火災の損害サービスに関わるすべての仲間がいつも心にしていることを、お互いに共有するために作られました。数千人のアンケートやヒアリングから明らかになってきたことは、この仕事に携わる者の「損害の遺伝子」とでも呼ぶべき共通した思いがそこに存在するということです。この小冊子を作るにあたって、あえてそれを言葉にして規定することは避けました。数多くのコメントから、一人一人が感じた思いこそが、DNAそのものであるはずと考えたからです。
私たちの目の前には、まだまだ解決すべき課題が数多くあります。それら一つ一つをクリアしなければ、明日の東京海上日動火災を形作ることなどできません。しかし、だから今の私たちがダメなのかというとそうではない。私たちは、これまで何十万人、何百万人という人を救ってきました。人々が安心して生活を送ることができるのは、保険事業の基盤となる損害サービスを私たち一人一人が支えているからなのです。それだけ価値のある仕事をしているということを私たちは再度認識し、誇りを持って歩み続けていきたい。それが、この本を全員で共有することの目的です。
目の前の難事案によって迷いが生じた時、仲間の思いを自分のエネルギーに転換したい時、もう一度、この本の扉を開いてください。あなたの損害サービスへの思いの原点が、きっと見つかると思います。