準決勝・清水エスパルス 1−0 ビッセル神戸


 この一年間で清水は弱くなったと感じる試合だった。
アレックスが時折みせる気が狂ったような単発の突破以外は、攻めていても
フィニッシュまでいかない。市川の右サイドがどうしても手詰まりになる。
次になにをするのかがわかりすぎるのと、手をかけすぎるのが
気になった。もっと、中にボールを入れてチャンスを作らないと
つらくなってしまう。

 対するビッセルはボールはキープされていてもはっきりとした
カウンターのイメージがあり、今年限りの黒崎も生き生きと動いて
おり(前よりうまくなったんでは。)この試合に限ってはビッセルびいき
でみていた。
 後半になるとビッセルもお疲れ気味かシュートまでいかなくなり
なんともつらい状態。長居競技場は赤ちゃんが観戦するには肌寒すぎた。
75分すぎ、どちらにも得点がはいらないまま競技場を後にした。
こんな清水でも決勝のことを考えるとビッセルでは荷が重すぎると
感じていたが、90分以内で清水が得点して勝利を得た。

決勝・鹿島アントラーズ 3−2 清水エスパルス

鹿島:小笠原2 鈴木  清水:オリバ、伊東

 鹿島は強かった。つぶし合いの前半、主審のコントロールが怪しく
今にも荒れそうな試合。41分、ゴール正面からやや左25mの位置で
FKを得る鹿島。なんとなく壁を作っている清水に対して、リスタート
を早めに直接小笠原がゴールに蹴り込んだ。清水側のルールを理解して
いないことから起きたミスではあるが、ただし、主審のコントロール
もわかりにくかった。
 しかしこのまま終わるかと思ったロスタイム、なんとサントスが中盤から
30mのロングパスをオリバに通し、オリバがうまく足をあわせて
スーパーゴールを決めた。

 後半、49分また試合は動く。今度はペナルティエリア内で市川がつぶ
されて倒れていたが、鹿島はそのまま攻め続け、(ここでも清水は
意図的にボールを切りにいくべきだった。)清水DFはオフサイドに
かけたつもりだったが市川が残っており、シュートのこぼれ球を豪快
に鈴木が決めた。このプレイでも主審の試合のコントロールが気になった。
鹿島は残り30分も残っているところからこの日けがの相馬に代わり
スタメンの根本を本田に代えた。ここからDF一辺倒になる鹿島。
清水は再び追いつく。シュートのこぼれ球を伊東が決めた。

この日はしかしどこまでも清水は主審に嫌われていた。途中から入って来た
本山と交錯した戸田が本山を軽く押したが、これを本山が転げ回って
応対、戸田が2枚目の警告で退場となった。
この前に名良橋が何度も、アレックスに対して2枚目の警告ではないかと
思う露骨なひどいスライディングをしていたが、取らなかったのを考えても
このカードもひどいと思った。

延長にはいった試合を制したのは91分、ビスマルクから得た
浮き球を小笠原が豪快に右隅にボレーで蹴り込んだ。

よれよれのはずの鹿島の試合巧者ぶりが目立った。20世紀日本サッカー
の総決算となる21世紀最初の試合は、おもしろくはあったが、レベルが
高いとは言い難かった。また久しぶりにこの主審に決勝を任せてはいけない
でしょうと思った。

ちなみに私には、2000年のベストゲームは、TVで見た試合だが
Jリーグ1stステージ14節 横浜Fマリノス vs セレッソ大阪
だった。

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