・1世紀を超えると言う事(February/1/1999)


 1月29日に祖母がなくなった。1900年生まれの彼女はもう少し
で1世紀に届く長い間、20世紀をまさしく生きてきた。なにせ、日露戦争
よりも前から生きている明治の女性。集まったみんなは口々に「頑張ったねえ」
と言っていた。彼女の死に顔はやすらかなものだった。
 彼女が亡くなったその夜、悲しみを覚えたがどこか彼女の一生に後悔みたい
なものはないのではないだろうかという勝手な想像をしていた。
子供の世代、孫の世代、ひまごの世代で集まったのは親族がほとんどであったが、
しかし、みんな(もちろん私も)彼女との想いでにひたっていた。
 彼女には昔話では戦争(第二次世界大戦)にまつわる話を聞くことが
あったが、他にも語り継がれるものがあったらなあと今更ながらに
思ってしまった。

サッカーワールドカップは1930年に第一回が開かれた。
と言うことは私の人生から見ると長い歴史を持っている大会だが
その事実を自分の目で見ている人が現存していると言う事になる。
彼らの話はできるだけ多くそれを記録として残してほしいものである。
(最近しかし、すべての大会を経験している記者が亡くなったり
 しはじめているようです。)

 さて、私の祖母が生まれるより前、1899年11月29日に生まれた
フットボールクラブがFCバルセロナである。次の世代を産み落とすまで
に20〜25年ぐらいかかるとして4世代から5世代の人たちがそのクラブ
の歴史の事実を目にしてきた事になる。しかし、FCバルセロナ創設
されたそのときを自分の言葉で語れる人がいるかどうか知らないが、
いたとしたら100を越えていることになる。バルセロナだけではなく
1900年代後半から創立100周年を迎えるクラブがいたるところで
現れはじめているが100年を生きるのが人間の限界でそれを越え
はじめていると言うことはもはや伝説・歴史でその事実を橋渡しする事
になる。
(もちろん今は映像というもので伝えることが出きるのだが、しかしそれも
生でスタジアムで見た事実とは異なるものになることもある。)

 サッカー競技を考えると、1863年10月26日フットボール
アソシエーションが設立された。そして1871年に最初のFAカップ。
これはもうその最初を目撃した人はいないでしょう。


Jリーグはまだまだひよっこです。
親から子に語り継ぐ必要もないんですから。
見守っていきたいですね。その成長を共に。

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