帰国の途について 夢の続きがあるじゃないか。



7月1日(水)

 朝起きた私たちは、いつものように地下の食堂でクロワッサンを食べ
コーヒーを飲んだ。本場フランスパンとも今日でお別れだ。ホテルのおばさん
にもありがとうと言った。一週間慣れ親しんだ道をスーツケースを引きずり
ながら、地下鉄の駅に向かった。地下鉄でオペラまで行った。オペラも何回も
やってきたなあ。感傷的になりながら、ロワシーバスに乗る。
 ロワシーバスの中では、フランス人が愛の抱擁をしていた。^^;;なんか女
が涙を流していて男がらぶらぶしている。おいおい。
 空港に着くと、おみやげを買った。WカップチョコとかWカップワインとか。
そう言えば竜さんも同じ飛行機で帰るはずだなあ。と思っていたがぎりぎりまで
竜さんはこなかった。しかし、ぎりぎりゆえに竜さんはビジネスクラスをゲット
したのだった。「いいなあああ!!!」という私たち。全く旅のうまい竜さん
だった。

 飛行機に乗り込んだ。そして飛行機はパリ・シャルルドゴール空港を離陸した。
まだワールドカップが残っているのになぜパリを離れなきゃいけないんだと
思いながらも自分の中で今回のワールドカップに半分終わった気持ちが生じて
いた。日本の出場しているワールドカップは日本が負けた時点
で主観から客観に変わったのだと思う。パリから日本へ戻る飛行機の中では
これからの決勝トーナメントの戦いよりも4年後、8年後の日本への想い
が強かった。

香港経由で成田に着いたのは7月2日。私たちは家にまっすぐ向かい、
くつろいだ。しかも明日から会社だ。がんばらなければ。


 それから2週間、地獄のように忙しい会社生活と、決勝トーナメントの深夜
観戦が重なりふらふらになった。^^;; ロナウドがへろへろで決勝戦に出た
ように、私の会社生活も超ふらふら。そんな中でも、オランダ、デンマーク、
フランスは眠気も吹っ飛ぶ楽しいサッカーを見せてくれた。

私のフランスW杯観戦が終わり、2週間で98年フランスW杯も終わった。
しかし終わりは始まりとスピードも歌っているように(なんじゃそりゃ)
次の4年間が始まっている。

9月29日 あれから3ヶ月たった。
日本サッカーは新しい局面を迎えている。
中田英俊はイタリアの地でパフォーマンスをあげている。彼に続く選手が
出てくることも大事だが、それよりもJリーグの今後が気になる。

日本代表の監督も変わった。フル代表もだが、ジュニアユース世代
のアジアでの敗退が気になる。そんな中。
U−19日本代表のアジア予選がもうすぐ始まる。稲本、小野が世界
に飛び立つパフォーマンスを見せてくれることを期待する。そして
それが五輪、W杯に続いてくれることを。
ユース年代のサッカー選手の素質があきらかに変わり始めているが
チームとしてみるとものたりない。選手はもとよりコーチの質を変えていか
ないと日本サッカーはこれ以上のびない。

 そして、
 岡田武史が本当に実力をつけたJの監督となり12年後のワールドカップで
日本代表に戻らないか。こういうのも些細ではあるがこのワールドカップ
で見つけた「夢の続き」である。

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