プラナーA一類鏡玉 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Zeiss' Anastigmatic Lens, Sereis, Ta. (Planar) A Rapid Special Lens, for Instantaneous Photographs, Portraits and Groups, also for Copying, Enlarging. and Demonstrations on the Screen. |
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1897年(明治30年) ツアイス A1類 プラナー鏡玉 |
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ツアイス工場のルドルフ博士は数種のアナスチグマット鏡玉を研究し、それら密着鏡玉の到達点である第7類鏡玉(4枚合わせ)の設計に次いで分離式に注目し、2枚貼合せの凹レンズをガウス式望遠鏡の原理を用いて凸レンズと組み合わせたプラナー(Planar)鏡玉を1897年に設計する。2枚貼合せの凹レンズは、屈折率が同じで分散の異なる凸レンズと凹レンズの貼合せとし、屈折率が同じためその接合面の曲りはザイデルの5収差の修正に影響せず、ザイデルの5収差の修正を計算し最後に色収差の修正の計算を行い接合面の曲りを決めることが出来た。このプラナーは万能鏡玉とは謳われず主として複写に適し、F3.6の明るさにより人像鏡玉としても用いられた。色収差の修正に重きをおいた製版用のアポクロマチックプラナーはツアイス第8類鏡玉として分類されている。 アナスチグマットの初期の段階においては設計者は皆密着式によったが、大口径の鏡玉が企図されるに至って一斉に分離式を採用するようになった。大口径アナスチグマットの発達は即ち分離式鏡玉の発達と言える。分離式鏡玉は収差の修正の設計上の利点はもちろんであるが、映像の明るさを確保することにおいても、必ずしも密着式に劣らない。鏡玉のガラスの反射及び吸収は映像の明るさを減らし、分離式鏡玉(前玉、後玉、又は前後鏡玉が分離した2個以上の原鏡玉より成る鏡玉。プラナー、ウナー、テッサーなど)の反射及び吸収は密着式鏡玉(前後両玉とも原鏡玉は密着されて一体となっている鏡玉、プロターなど)より多くなるのが道理であるが、同一程度の収差の修正をするためには密着式のほうが厚いガラスを用いるため、吸収のための損失が多くなり、巧みに設計された分離式鏡玉の映像の明るさはある種の密着式鏡玉の映像よりも明るいことともなる。
1番から5番までは全くの均斎式(前玉と後玉が同焦点のおなじレンズ)であり、歪曲無く、縮写引伸しに適す鏡玉であり、F3.6と明るいので活動写真用としてまた1番2番は顕微鏡写真用としても用いられた。6番からは前玉後玉の焦点距離に差がある半均斎式。12番以上人像撮影に適し、15番以上写真製版用に適す。 明治44年の目録においては明るさがF4.5〜F6.3となっている。
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