フィンタ・デ・レギレテ

回転フェイント。

聞き慣れない名称だが、「初代タイガーの、あのフェイント」と言えば誰でも頭に浮かぶだろう。トペ・スイシーダに行くと見せかけてトップロープとセカンドロープの間をクルリと1回転する動きであり、技とは言いがたいが、タイガーの特徴的なムーブである。
もともとは70年代後半に、R・メンドーサが使い始めたテクニックという。タイガーはメキシコでこれを学んだわけではなく、タイガーマスクに変身後、山本小鉄の示唆で身に付けたという。初代タイガーと同時期に、C・ゲレロも使っていたことが思い出される。後にザ・コブラもやったが、長身のためバランスが崩れやすく、タイガーほどスムーズな動きではなかった。タイガーマスクらしいムーブであり、3代目などもコピーしている。フェイントとは言ってもタイガーの場合、この動きで相手をひるませた直後にプランチャ・スイシーダ(ペスカリート)につなぐことが多く、効果的に使っていたと言えよう。