誤解と偏見にとらわれていませんか? 統合失調症に関するあなたの知識をチェックします。 以下の設問に対して正しいと思う答えを一つだけ選んで下さい。 制限時間は特にありません。10〜15分もあればできると思います。 採点後に正解と解説を見ることができます。
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問1:統合失調症は最近まで○○という病名だった・・・・・・ 精神失調病 自律神経失調症 早発性痴呆 精神分裂病
問2:「統合失調症」の元になった"schizophrenia (Schizophrenie)"という病名の名付け親は? E. ブロイラー S. フロイト E. クレペリン H.C. リュムケ
問3:有病率から計算すると人口1万人中,統合失調症の患者さんは約何人? 70〜100人 1000〜1200人 10〜40人 1人いるかいないか
問4:どんな人がなりやすい? 知能の高い人がなりやすい 知能に関係なく誰でもなり得る 標準的な知能の人がなりやすい 知能が低い人がなりやすい
問5:好発年齢は? 3〜5歳 15〜30歳 30〜45歳 50〜70歳
問6:遺伝との関係について正しいのは・・・・・ 両親のどちらかが発症した場合,子供の発症する確率は約75%である 統合失調症はメンデルの法則に一致した優性遺伝形式をとって発症する 全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の場合は,一方が発症した時のもう一方の発症率はほぼ100%である 病気の「素因」の形成に遺伝が関係することはあるが,病気そのものが遺伝することはない
問7:親の養育態度について・・・・・ 親の養育態度に矛盾が多いことが子供の発症の主要因である 親の虐待や無視がこの病気の最大の原因となる 親が子供を甘やかすことが発症の危険性を大きく高める 発症の危険性に確実に影響することが証明された養育態度などは存在しない
問8:統合失調症を患っていたと考えられている著名人は? J. ナッシュ(数学者) 芥川龍之介(小説家) ゴッホ(画家) 上記の全員
問9:統合失調症の発症について正しいのは?(その1) 自閉症児が成長すると統合失調症になる いつから発症したのか分らないような緩徐な発症をすることがある 前頭葉のドーパミンが急に減ることによって発症する 急激に脳内のドーパミンが増えることで発症する
問10:統合失調症の発症について正しいのは?(その2) 発症時には必ずしも幻覚や妄想といった症状が出るとは限らない ほとんどのケースで発症時には幻聴が存在する 急性発症時には興奮して他人に危害を加えることが多い 発症時に無理に治療を受けさせるのは危険である
問11:統合失調症では決して見られない精神症状はどれ? 抑うつ 気分の高揚 リストカット 「統合失調症では決して見られない症状」なんてない
問12:統合失調症と似た症状が出ることのある病気について・・・・・ 糖尿病で幻覚・妄想が見られることはない 白血病で幻覚・妄想が見られることはない 覚せい剤中毒ではしばしば幻覚・妄想が見られる 側頭葉の脳腫瘍で幻覚・妄想が出ることはない
問13:統合失調症の症状について正しいのは? 精神症状は大きく陽性症状・中性症状・陰性症状に分けて考えられることが多い やる気が出ず根気が続かないというのは代表的な陰性症状の1つである 誰かが自分の悪口を言う声がどこからか聞こえてくるというのは陰性症状の1つである 現在世界で最も広く用いられている診断基準(DSM-IV)では,陰性症状のみを重視している
問14:(DSM-IVによる)統合失調症の病型として存在しないものは? 解体型(破瓜型) 残遺型 妄想型 AB型
問15:E. ブロイラーが統合失調症の基本症状の中でも特に「基礎障害」として重視したのは? 感情の平板化 概念のつながりが弱くなり,思考のまとまりが悪くなること 複数の声が互いに会話をしているような幻聴 被害妄想
問16:ブランケンブルクが統合失調症の基礎障害としてあげたのは? 自明性の喪失 アンテ・フェストゥム 本質属性の突出 お金の喪失
問17:統合失調症の生物学的背景について・・・・・ 最近になってドーパミン仮説は完全に否定されるようになった 発症の危険性を高める因子の一つとして周産期のウイルス(インフルエンザウイルスなど)感染が報告されている クロウ(1980)は統合失調症をI型とII型に分類し,陽性症状が主体であるI型では神経細胞の脱落や脳の構造的変化が見られるとした PCP(フェンサイクリジン)精神病の研究から近年ではGABA受容体の陽性症状への関与が疑われている
問18:統合失調症の治療について正しいのは?(その1) 電気けいれん療法(ECT)はほとんどのケースに効果があり,薬物療法よりも優先的に行われるべき治療法である 周囲の人が十分な愛情を注げば他に治療は必要ない ほとんどのケースで薬物療法は有効であり,最も重要な治療法である 症状が治まれば速やかに薬物療法を止めるべきである
問19:統合失調症の治療について正しいのは?(その2) たとえヤブっぽくても医者のもとで治療していく方が良い 症状が治まればカンが鈍らないうちに早く社会復帰すべきである 薬物治療より食事療法の方が重要である 薬物治療より霊障を取り除く方が重要である
問20:統合失調症の薬物治療について正しいのは?(その1) 副作用が疑われる時は主治医には黙ってクスリの服用を止めるべきである たくさんのクスリを出す医者は間違いなくヤブである 抗精神病薬には依存性があり,あまりクスリに頼らないよう常に気を付けておく必要がある 副作用が疑われる時はまず病院に連絡をとって服用を続けるかどうか相談すべきである
問21:統合失調症の薬物治療について正しいのは?(その2) 抗精神病薬は医者の言うまま長期に服用していると頭がボケてくるため,適当なところで中止する必要がある 症状の再発を防ぐため抗精神病薬をある程度長期に服用する必要がある カゼをひいた時は精神科のクスリを中止してかぜ薬をのむべきである ヤブ医者のたわ言より,ネット上の情報や,自分で論文や書物を読んで勉強したことが一番正しい
問22:急性期の治療について・・・・・ 興奮している患者には何を言っても分らないので治療に関する説明は一切しなくて良い 本人が治療を拒絶している場合は即,強制入院させるべき 本人が服薬を拒否する場合は速やかに注射による薬物投与が試みられるべきである どんなに患者が拒絶的で興奮していようとも,治療にあたっては同意を得るべく最大限の努力がなされるべきである
問23:回復期の治療について・・・・・ 幻覚や妄想が残っている場合は社会にとって危険なので,全ての症状の消失を治療目標にすべきである 個々の症状にあまりとらわれず,焦らずにじっくり腰をすえてのんびり療養して行く覚悟が大事である 薬物の減量・中止を何よりも優先すべきである 経済的自立が何より大事なので,できるだけ早く社会復帰をうながすべきである
問24:再発について・・・・・ いったん症状が完全に良くなったら,再発の危険性はまず考えなくてもよい 再発しても同じ治療を繰り返せばよいので,気にせずに社会復帰を急ぐ方がよい 再発を繰り返すことで失うものは大きいので,再発の兆候には細心の注意を払うべきである 一般に再発時には前回よりも精神症状は軽くなっていくことが多いので,治療は容易である
問25:再発を防ぐために大事なことは・・・・・ 部屋でゴロゴロしたりせず,何よりも社会復帰を急ぐことが大事である 面倒くさくても医師の指示通りにクスリをのみ続けること クスリに頼ることでかえって精神が弱くなるので,早くクスリをやめること 親孝行をし日々感謝の念を忘れないこと
問26:家族・友人としての対応について・・・・・ 患者が妄想的なことを言っていたら全部キチンと訂正してあげる方がよい 友人や知人ができるだけ頻繁に見舞いに行き,励ましてあげたり声をかけてあげる方がよい 個人でバラバラの対応をするより,主治医に相談して,みんなで統一した対応をする方がよい 患者が病的なことを言っている場合は一切真面目にとり合う必要はない
問27:患者さんの自殺行為について・・・・・ うつ病を併発していない限り自殺行為の心配はしなくて良い リストカットや狂言自殺が多く致死的な自殺行為はほとんどない この病気では他者に危害を加えることはあっても自殺・自傷をする患者は極めて少ない 症状の苦しみや社会からの差別・偏見など患者を自殺に追いやる要因は多い
問28:病名告知について・・・・・ どのようなケースであっても統合失調症の患者には病名告知が行われるべきである どんな疾患であっても精神病者には病名告知をすべきではない 「自律神経失調症」などと当り障りのない病名を告知しておく方が良い 患者自身も精神病に対し偏見を抱いていることが多く,病名告知には慎重な姿勢を要する
問29:「社会的入院」について・・・・・ 日本では精神科の平均在院日数は今でも1年を越えている 精神病者は社会にとって危険なので精神病院に長期隔離しておくべきである 日本の精神科入院患者は約10万人であり,そのうち約90%が統合失調症患者である 精神医療の進んでいる北米では社会的入院は全く見られない
問30:入院に関する法律について・・・・・ 明らかに精神病と診断された時には患者の人権は認められず,強制的入院の対象となる いかなる理由で(強制的に)入院させられても,病棟から都道府県知事や人権擁護機関に入院や病棟での処遇について不服を申し立てることができる 明らかに精神病と診断された時には家族の同意なしでも強制的に入院させられる 警察官は犯罪予防のため精神病が疑われる者を逮捕し精神病院へ入院させることができる
次の中で知っている単語をチェックしてください(もちろんいくつでも可)。
・・・・・ご苦労様でした。以上です。