この“差別人事”支配こそが愛知の教育界の諸問題の根源的病巣!!
『1996年版 検証 愛知の学校』(編集 愛知県教職員労働組合協議会 調査部)より資料抜粋
愛知県における特定学閥による教育界支配の実態(名古屋,三河,一部地域を除く)
地 区 | 校長(人)(%) | 教頭(人)(%) | 教育長(人)(%) | 県教委 | 事務所 | センター |
一 宮 | 41/47(87) | 37/41(79) | 1/1(100) | 3(人) | 0(人) | 0(人) |
中 島 | 39/43(91) | 36/43(84) | 4/4(100) | 1(人) | 5(人) | 1(人) |
尾 北 | 49/51(96) | 44/51(86) | 6/6(100) | 2(人) | 2(人) | 0(人) |
西春日井郡 | 32/32(100) | 29/32(91) | 7/7(100) | 2(人) | 1(人) | 1(人) |
小 牧 | 24/25(96) | 19/25(76) | 1/1(100) | 2(人) | 1(人) | 0(人) |
春日井 | 47/52(90) | 39/52(75) | 1/1(100) | 1(人) | 2(人) | 2(人) |
瀬 戸 | 27/28(96) | 22/28(79) | 1/1(100) | 1(人) | 2(人) | 1(人) |
愛 知 | 30/35(86) | 29/35(83) | 3/4(75) | 0(人) | 3(人) | 1(人) |
知 多 | 115/117(98) | 102/117(95) | 10/10(100) | 6(人) | 10(人) | 3(人) |
岡崎(小) | 40/41(98) | 40/41(98) | 1/1(100) | |||
合 計 | 444/470(94) | 397/470(84) | 35/36(97) | 18(人) | 26(人) | 9(人) |
愛知県の小・中学校の教員全体の半数程度の人数を占めるにすぎない特定学閥が,愛知県全体の管理職の約90%,教育長のほぼ100%,県教委・各教育事務所の次長・主事,県教育センターの主事等の地位の100%を独占しています。
その地位を独占することにより,人事権その他の権力を独占して愛知県の教育界を独占支配しているわけです。特に県教委・地方事務所等の権力の中枢部は100%支配して他のすべての学閥を排除し,この「聖域」の一角たりとも崩されないように「死守」しています。この「聖域」は愛知の教育界のまさしく「ブラックボックス」です。この「闇」のなかで愛知県の教育行政にかかわるすべてのことが決められていくのです。
いったい日本の社会の他のどこにこれほどの独裁的・閉鎖的な社会組織があるでしょうか。ここでは,政財界・文部行政と直結しているとみられている特定学閥の一部の意向のみが教育行政のすべてを支配しますから,児童・生徒の教育や日常の教育行政にかかわる重要問題についての多方面からの多様な意見が民主的に反映される余地はほとんどありません。こういう社会こそもっとも腐敗・汚職の温床になりやすいのです。現に愛知県では教育委員会がらみの事件が何件もおこっていることは私たちの記憶に新しいところです。
また,毎年行われる教員採用試験の,特に二次試験以降の選抜の段階において,この特定学閥の出身者が正規採用教員のうちの圧倒的多数の比率を占めているのも,この特定学閥が人事権を握っているからであり,情実人事の存在が噂されるのも当然であると言えるでしょう。現に新規採用者の多くは,この特定学閥の数多くの「有力者」と何らかの縁故関係がある者であるということも,調べてみたらやっぱりそうであったと教職員の間では広く指摘されているところです。教員の世界は「コネ社会」の最たるものであることはいわば「公然の秘密」です。
このような事実は,広く県民のみなさんに認識していただき,愛知県のさまざまな教育問題の根源の病巣の問題として,ぜひ議論の俎上にあげていただきたいと思います。
ご意見をお待ちしています
take0164@mxh.mesh.ne.jp