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篋印塔由来縁起・お祀りの仕方

篋印塔由来縁起

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インド最古、釈迦牟尼仏直説の原始教典たる篋印陀羅尼経中の梵字陀羅尼を本尊全身如来舎利とし、塔中に納め信行する法門を略して篋印法と いいます。

この陀羅尼本尊を納めたのが篋印塔です。

陀羅尼本尊は家庭の仏壇に祀ってもよろしいのですが、古式にのっとる本格行法を行う事に越したことはありません。

篋印塔造立の様式は厳正な一定の法式が相伝されています。

篋印塔は本来、清浄な山野の霊地を卜して正式に建立 することを本則としますが、現代人の一般生活において各戸に望まるるべきでなく、又それでなくとも正式を省き略することは、どこに建立するとも不可なく、その功徳は正式造塔と等差なきことが相伝されて います。

弊社が頒布いたしますこの現品はその口伝に従い、古く弘法大師の御相伝による籾塔の様式を模写複製したものであります。

そもそも篋印塔の 正式な祀り方は、本尊としての陀羅尼全身如来を奉祭し、塔の中腹に仏舎利(仏様のお骨一粒の意)を安置することに始まったとされますが、このような仏舎利が何人にもたやすく入手できるはずは ありません。

そこで本朝にあっては古く白鳳九年、修験道の開祖役の小角は聖武天皇の勅願により大和宇陀郡室生の里に室生寺を草創、天長元年、弘法大師これを再興するにあたり篋印塔一基を造立、これを弥勒堂に納めました。

このとき舎利に代えて籾一粒を納め、それを仏舎利と観じて塔心に安置されました。

爾来これを籾塔と称して時人の尊崇厚く今日に及んでいます。

それ故籾塔とは形の小なるに名付けた意ではないけれども、その形状は原典経規に順じ、数寸を出でざる小塔であります。

弊社が頒布いたしますこの現品宝篋印法塔は大きさ形状ともに弥勒堂の原型をそのまま複製したものであります。

さて弘法大師に源流する宝篋印経の信仰は当初、籾一粒を仏舎利と観念する観法のもとに実祭に籾一粒が塔心に安置されたのでありますが、その後時処をへだて各地に奉祭が伝わっていく内に、実際には籾一粒の形式は省略され、単に正規による陀羅尼本尊のみが全身如来舎利として塔中に奉祭され今日に伝承されています。

もっともこの祭法は弘法大師に発源するもので、必ずしも奉祭の根本的絶対的条件ではありません。その点ご了承願います。

以上を以て宝篋印塔現品が、籾塔としての千有余年の伝統に由来するという縁起とその意味を申し述べて皆様の御信行の資料と致します。

 

宝篋印法のお祀りの仕方

形式修法の如何により、霊験よりはかえって仏罰の比重を懸念される方もいらっしゃいますが、この宝篋印法にあっては『無信の虫けら鳥獣すらも一たび塔影に入らば仏地法財を得る』との言葉から推知できる通り、極めて寛容大慈いささかも仏罰云々というが如きそのような準縄の懸念は一切無用です。

それゆえ宝塔奉安の位置の如きも仏壇の一角にてもよく、又は床の間、違い棚などにしても少しも差し支えありません。

更に香華燈明を捧げる行事は無論結構ではありますが、怠りて不可とか、功徳滅少という如き筋は絶無であります。

要は悪念邪心なき限り霊験、心に応じて満たされる法門であります。

それゆえこの宝塔は一つの美術鑑賞品としても御尊宅を荘厳し御一家の信行と気品を清高至福ならしめるものであろうことを信じて疑いません。

 

篋印法の口伝書によれば、影水・加持水をもって霊験をいただくとあります。これらについては、宝印呪法端応霊験集 影水加持秘訣口伝書に詳しく説明しています。さらにこの霊験を永続的にいただくために影水加持祈祷資料を用意 いたしました。ご利用ください。

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