前半戦

時は来た!

両国国技館のリング。4人のタイガーマスクが、それぞれコーナーポストに上がろうとしている。
先陣を切り、小走りで入場して来る2代目。緊張を感じさせない身のこなしだ。パートナーの3代目はゆっくりと入場。軽く笑みを浮かべ、2代目に何事か話し掛ける余裕振り。
一方の4代目、最後は初代、共にオーバーマスクを被って入って来る。G・浜田主催興行で使ったのと同じものだろう。
さあ、4大タイガーの勢揃いだ。この歴史的瞬間を目に焼き付けよう!
特別レフェリーはT・G・サスケ。B・タイガーをあしらったマスクを着けての登場だ。これで役者は揃った。

タイガーマスク vs タイガーマスク

立ち上がりは2代目4代目のロックアップ合戦だ。タイガーマスク同士が戦っている!なんと新鮮な光景だろうか。2代目の細さが際立つが、致し方あるまい。
リストロックを回転して外す4代目。反動を利して切り返す2代目。両者とも軽やかな動きで、コンディションの良さを伺わせる。ここまでは手探りの展開だ。

格が違うんだよ格が

いきなり3代目がタッチを求め、相手に初代を指名。若手の4代目じゃ自分には役者不足というわけか。メンツを潰された4代目、不満そうに師匠と交代。
両者とも蹴りのステップからスタート。3代目のサイドヘッドロックから、この試合最初のロープワーク。3代目、リープフロッグからのカウンターのフロントスープレックスでまずは先手。ボディスラムでつなぎ、得意のコーナー中段からのローリングセントーンを狙うもこれはかわされる。
初代、ローリングソバットからロープに飛ぶ。3代目はローリングソバットのお返しで迎撃しスリーパーホールドに移行。2代目とタッチし、コーナーで2人がかりの攻撃を加える。初コンビ、しかも18年ぶりの新日・全日タッグにしてはなかなか呼吸が合っている。

全日代表なんだもん

2代目力任せのスリーパーで攻める。初代、脱出し4代目にタッチ。マスクに慣れない2代目は頭のあたりを気にしている。
4代目はロープワークからカンガルーキック。更にはコーナーに叩きつけてのサマーソルトキックを見せる。全盛時の初代とまったく同じ動き。もっとも初代に似ているといわれる4代目の面目躍如である。
2代目もドロップキックで反撃し、セカンドロープを使ったムーンサルトアタック。空中フォームはなかなか綺麗だ。そのまま最初のフォールへ行くも、カウント2で返される。このあたりで5分経過。
キャリアを考えればなかなかの動きだ>2代目。でも全日出身の悲しさか、グラウンドでは4代目が優勢。キャメルクラッチや腕固め(猪木がアンドレをギブアップさせたヤツ)で攻め、初代につなぐ。

全日代表なんだけど

キツい蹴りの連打を見舞う初代。出た!元祖タイガードライバー!おお、フライングクロスアタック!高い打点、マットと平行に飛ぶ身体…ウェイトオーバーのはずなのに、この人は本当に衰えを見せない。立て続けに食らった2代目は足元がふらつく。やはり打たれ弱さは隠せないものがある。
初代4代目にクイックタッチ。スリーパーを切り返した2代目はアームロックを取り損ねる。このへんの甘さも若さ故か。ストンピングでペースをつかみかけるが、4代目に自軍コーナーに押し込まれるような形で3代目と交代。

ジュニア第一線の意地

さあ3代目 vs 4代目の展開。これで4人すべての組み合わせが実現したことになる。ジュニア戦線で活躍する者同士、意地の張り合いとなった。
2代目が羽交い締めにした4代目3代目がキックの連打。少しダーティだが、このあたり「冷たい虎」として鳴らした3代目ならではだ。止めに入るサスケともちょっともみあう。
サッカーボールキックも受けてエキサイトした4代目。ロープ際で感情剥き出しに組み合い、グラウンドの攻防へ。両者とも心得がある。三角締めやリストロックを狙い合うがお互い決まらず。
3代目は初代と同じスピニングレッグロックからフロントインディアンデスロックへ。向き合う形になり両者、上下から張り手の応酬。気性の激しい2人だけに、単なるお祭りでは終わらせないというところか。

全日代表だからなあ

3代目にボディスラムでお膳立てしてもらい、2代目ロープを利したボディプレス。こういう飛び技はそれなりに形が出来ているのがまた全日らしいところ。再びフォールに行くもカウント2。休むことなく背中に低空ドロップキックをグサリ。しかし足をすくわれて逆に倒され、敵軍コーナーまで引っ張られてしまう。軽量のつらいところだ。
代わった初代は本家スピニングレッグロックからかかと固めの体勢。全日にはない関節技に、まったく返せない2代目。たまらず3代目がカットに入る。
2代目のローリングタッチを受けた3代目、今度は4代目を呼び込む。さっきは初代を指名したのに、2人の意地に火が点いたようだ。スタミナの不安を気にしたか、初代もさっさと下がる。

後半戦へ続く)