後ろ脳天逆落とし。
かつて“鉄人”ルー・テーズの必殺技として一世を風靡した、プロレス技としては足4の字固めと並ぶ、あまりにも有名なテクニック。その極意は「ヘソで投げる」と言われ、グレコローマン・レスリング式にブリッジを効かせるのが本来の形だ。しかし初代タイガーのそれはむしろ、ジャンプしながら投げるという感じだった。ジャーマン・スープレックス・ホールドなど数々の技で華麗なブリッジを見せるタイガーだけにいささか不可解だが、恐らく上背のなさをカバーするための工夫だったのだろう。必殺技というよりは、不用意にサイド・ヘッドロックに来た相手にすかさずお見舞いし、流れを逆転するために有効に使っていた。
なおこの技の日本名を「岩石落とし」とする向きがあるが、これは本来ブロックバスターのことである。ちなみに単なる「脳天逆落とし」はテーズ式パイルドライバー、即ち今日で言うパワーボムを指す。