回転式原爆固め。
2代目タイガーが小林邦からインターナショナル・ジュニアヘビー級王座を奪った85年8月31日、両国国技館での試合でフィニッシュ直前、初公開を試みた。ジャーマン・スープレックス・ホールドを決めた直後に自ら相手の体の上を回転し、エビに固めていくムーブ。綺麗に行けば後方回転エビ固めないしは回転足折り固めと同じ形になり、更にそこから相手をもう一度引き抜いて2発目のジャーマンに移行することを意図したものだろう。一連の動きで3度のフォールを奪えるという連続技だが、実際はフォールを返そうとする小林の脚に邪魔されて崩れ、単なるジャーマンの連発に終わってしまった。その直後にこれまた初公開のタイガー・スープレックス'85で3カウントを奪っている。
実は往年のプロレス漫画「1・2の三四郎」の中にチラリとこの技が登場しており、その愛読者だったともいう三沢はここからヒントを得たのかも知れない。その後は見せていないが、後に素顔のM・ワキタ時代のS・デルフィンがワキタ・スペシャル(現在のデルフィン・スペシャル)として完成させている。最近は茂木らが連発式ジャーマンとして一般化させているようだ。