タイガー・スープレックス

猛虎原爆固め

初代のみならず、歴代タイガーの象徴的な必殺技。4代目はもとより、3代目は素顔の金本となってからもフィニッシュとして多用しており、2代目もタイガー・スープレックス'84の名で使っていた。初代タイガーの初公開は81年8月6日、蔵前国技館でのスコルピオ戦ではないかと推定される。83年8月4日、同所での寺西とのラストマッチでもこの技で決めたのが意味深い。
ダブル・チキンウイングの形で投げるジャーマン・スープレックス・ホールドであり、初代タイガーはオースイ・スープレックス(豪州式原爆固め)を改良して開発したという。ちなみにオースイ・スープレックスはかつてロイヤル・カンガルーズのアル・コステロが得意とした技で、ダブル・チキンウイングの形から後方に倒れ込んでローリングし、ブリッジして固める技である。決まった形が同じことからタイガー・スープレックスと同じ技だとの誤解があるが、投げ技ではなく、スープレックスというよりは回転エビ固めの一種に近い。しかし85年夏にザ・コブラがタイガー・スープレックスを使い始めた際、テレビ中継などでオースイ・スープレックスと称したため、この誤解が一気に拡大してしまった経緯がある。当時ライバル団体の全日に2代目タイガーが存在しており、テレビ朝日としては「タイガー」の名を使いにくかったのだろう。