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ECHOESのライブに行くようになったのは、浪人してからだった。アルバムを聴くことで完結していた世界は、仁成のラジオ(オールナイトニッポン)を聴くことで、更に別の世界も知りたくなった。
初めて行ったライブは埼玉会館の小ホールだった。やっぱりCDと同様に、決してうまくはない歌声だったけど、メッセージはビンビンに届いた。狭いホールもあって、ライブハウスで演奏しているような会場全体の一体感があった。
次に行ったNHKホールは前回と違って大ホール。たくさんのECHOESのファンがいることに驚きと嬉しさで興奮した。
会場が広く、ライブそのものの一体感は前回よりも下回っていたのはしょうがないかもしれない。一体感を感じたのは、ライブそのものよりも、ライブ後に会場前に残った奴らで輪になってうたって騒いでいたことだった。
いくつかの輪ができていて、そこではギターを持った奴がうたをうたい、周りで声を出すのをはばかられながらも、その場を離れずにいる奴ら。時折、まわりで唄っている一人が声をかけて「一緒に唄おうよ」なんていいながら、少しずつ輪が広がっていった。
まだこの場にいたい、仲間たちといたいという想い。ライブの余韻に浸りながら心地よい時を過ごした。段々と終電の時間となり少しずつ人は減り、いくつかあった輪は一つになって、それでも20-30人くらいいた。
帰る人には、手を振り、 明日この道の上で
と声をかけて、「Jack」 を気取った。
12時も過ぎる頃、散開となり、残った仲間が住所を書き集めて別れた。
ここに集まったのはCMに流れるような流行曲を聴いて、このライブに来た奴らではない。人見知りの Boys & Girls を代弁する ECHOES
の曲をどこかで聴いたり、仁成のラジオを聴いて、その曲、歌詞、メッセージに共感してここに集った。
とても濃密な贅沢な一夜を共有した。 |