辻仁成with伊藤浩樹によるECHOESの曲のライブ
   最初に書いておく。僕はECHOESが好きだ。辻仁成を愛してやまない。
 だから、このことについて書いておかなくてはいけないと思う。

 ECHOESは1991年4月に解散して以来、沈黙を続けていた。再結成への期待はあったけど、今川勉が重病にかかったという情報が流れたりして、もう再結成は夢なんだと思っていた。
 一方、仁成はソロ活動だけでなく文学、映画とそこそこにメディアに露出していた。2000年夏にはTVドラマの脚本を手がけ、そこでECHOESの曲を主題歌に起用し、今までにないほどECHOESが注目された。
 そんな中でECHOES復活の話が持ち上がった。それも12/28に武道館でライブをやるという具体的な話で。

 聞いたときには嬉しくて嬉しくてたまらなかったけど、冷静に考えると、たった一夜のためだけに、この業界から長く離れてしまった伊黒俊彦や、新しいバンドをやっているといはいっても、一時は再起不能をいわれた今川勉が、満足いく演奏ができるのか?と思った。しかし一夜限りの完全復活を謳う宣伝を見る限り、その半年で猛練習をして出てくるのだろう、、と思うしかなかった。やっぱりあいつらはまだやるんだな、、そう思えた。

 しかし、やはりその淡い期待は簡単に裏切られた。メンバーには辻仁成と伊藤浩樹の名前しかなく、今川勉と伊黒俊彦はスペシャルゲストであった。知ったのはあるホームページ上での書き込みをみてであったが、辻仁成のファンクラブ会報で、仁成本人の言葉でもそう告げられていた。
 チケット発売後に重要な発表はなされた。それも、ほとんどの人が知らないかたちで。

 ECHOESのメンバーの現状を考えれば、伊藤浩樹がフルに演奏してくれるだけでも嬉しい。しかし、はじめからあの2人が全ての演奏に参加できないことは分かっていたはずなのに、ECHOES復活といって宣伝をして、チケットを売り出したことには嫌悪感をもつ。はじめから、辻仁成 with 伊藤浩樹によるECHOESの曲のライブだといえばよかった。そうであっても、僕は必ず行った。まして、そのうちの数曲はフルメンバーでやると知ったら、いてもたってもいられなかっただろう。

 今回のライブの演奏の合間に、仁成は今川勉の病気のことをあげ、それでも参加できるようになったことを喜び、伊黒俊彦がこの業界から足を洗ったにもかかわらず今日は仕事をさぼって来てくれると、「同窓会」にたとえて紹介した。

 僕らはECHOESという虚像を餌に引っぱり出され、同窓会をはしゃぐ仁成に付き合わされただけだったのだろうか??

 ライブはとてもよかった。それだけに最初に重要なことが伏せられていた事実が残念で仕方がない。

 

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