10年目の復活 〜その1〜
   とてもとても待ちこがれていたECHOESのライブ。平日で、仕事納めの日であったにもかかわらず、僕は武道館にいた。

 前に武道館にきたのは1990年5月25日のECHOESだった。このときは武道館でやることに賛否があったような気がする。もともと武道館ではやらないようなことを言っていたのが、ラジオで仁成ははしゃいだように、武道館が決まったと言ったのだった。その年にECHOESに似つかわしくないベストアルバムが発売され、翌年の解散へとつながった。

 ライブの場所はどこでもよかった。渋谷公会堂だったらなお嬉しかったかもしれないが、まずECHOESが集まるということが嬉しかった。(これのわだかまりについては「辻仁成 with 伊藤浩樹によるECHOESの曲のライブ」)

 寒い夜空の下、荘厳な武道館の前には、少しばかり年齢層が高くなったECHOES kidsたちが集まっていた。

 開演時間を15分遅れてはじまった。
 "Dear Friend,Gentle Hearts"が流れた。ついジーンとしてしまう。ほぼ満員の観衆が総立ちになり、"Brother"がはじまった。
 とてもしっかりした歌声だった。

  Brother とても会いたかった
  話せる奴が欲しかったんだ  (Brother)


 待ち焦がれていた僕らにぴったりな呼びかけだった。また"ZOO"から入ったファンにも、"ZOO"が入ったアルバム「Dear Friend」のオープニングからのスタートは悪くはないと思った(意外にも冷静に)。

 

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