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仁成は思いもかけず、音程を大きくははずさずに唄っていた。声ものびているような気がした。こんなのびのある"Shot Gun Blues"は聴いたことがないような気がする。しかしそのビブラートのかかり過ぎた歌声は、テクニックに頼ったようにきこえ、以前のような心を込めた歌い方とは違い、違和感があった。
MCでは、friendlyに仁成が声をかける。久しぶり!と声をかけたくなる。オールナイトニッポンが終わった時のニッポン放送前の夜明けや、解散した時の日比谷野音を思いおこし、感無量になる。
MC後に懐かしいシンセで "Gentle Land"のイントロがはじまると、武道館はライブハウスのように変わる。隣に誰がいたか覚えていないくらいに興奮している自分が分かった。
愛されたいと願っている
ぼくらは夜明けのディスコで (Gentle Land)
"Dear Friend"のあと"デラシネ"。意外にも思えた選曲だったけど、仁成の気持ちを表しているかもしれないと、勝手に思った。
MCがはさまり"ZOO"がはじまる。この曲しか知らないファンもいる。みんなでこの場を楽しんでほしい。仁成の熱唱に聴き入る。そして"アンカーマン"。
時代がいつかきっと 追いついてくれるだろう
僕は僕の走り方で 完走してみたい
バトンをつかんで駆けぬける 時代の真ん中を (アンカーマン)
時代は追いついただろうか。結局やっていることは、前は苦々しく思っていた奴らと同じやり方で、ドラマとタイアップして曲の知名度が上がっただけなのでなないだろうか。
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