ロックとは
   僕が思うに、ロックとはギターやドラムで演奏される旋律ではなく、もちろんファッションや髪を染めることでもない。誰かを褒め称える必要もなければ、批判をすればいいというものでもない。
 言葉やその音楽で、聴いているもののハートを揺さぶり打ちつけ、心の中にある何かを壊し、そして新たに何かを植え付けてくれるもの。それがロックだと思う。
 だからECHOESのロックに惹かれた。

 ロックン・ロールは退化する街を 歩く鏡である
 壁に書かれたラクガキが街を 歩く鏡にする
 僕はあなたが作った歌を聴いてみたい
 他人の言葉で置き換えられた 作詞家の歌じゃなく
 街が産んだメロディとリズムが聴きたい
                   (ロックン・ロールは歩く鏡である)

 ECHOESの解散が決まり、「GOLD WATER」に続き、2枚目のベストアルバムが出た。こういうのは嫌だな、、、と思いながらも買ったアルバムが「Silver Bullet」。
 その中のオリジナル曲である「ロックン・ロールは歩く鏡である」は意外にも僕の心を揺さぶった。

 明日は自分の風をおこそう
 明日は自分の歌を唄おう
 作られた時代はいらない
   (ロックン・ロールは歩く鏡である)


 「Silver Bullet」の約1年前に発売された最後のオリジナルアルバム、「EGGS」にある「Reverse Rock City」では、仁成はこう唄っている

 C.C.Rock'n Roll is over ロックンロールは終わっちまった
 C.C.Rock'n Roll is over 反乱兵士は処刑された
 C.C.Rock'n Roll is over ポップンロックに占拠された
 C.C.Rock'n Roll is over メッセージなんか耳障りな時代
                        (Reverse Rock City)


 今聴くと「EGGS」はかなり意欲的で完成度の高いアルバムで、聴き応えがある。「Reverse Rock City」はストレートな歌詞に賛否あるかもしれないが、あの頃のECHOESが置かれていた状況を考えると頷きたくもなるし、痛々しくもある。

 色々ないきさつがあったから「Reverse Rock City」のような歌詞となったのだろうけど、あの頃の詳しいことは忘れてしまった。でも、ECHOESが演奏していたのは紛れもないロックであった。他はもうどうでもいい。ECHOESのメッセージは僕の心を揺さぶり、解散後も僕の心を引き留め離そうとはしなかった。

 ロックは素晴らしい。

 

戻る ホーム 上へ 進む