97年質問番号1.パソコンを何に使うか

質問 これからの時代パソコンを使いこなせなければならないと言われているが、パソコンの何を使いこなせなければならないのか知りたい。パソコンがなくても就職活動ができた。インターネット位であとは何に使うかわかりません。

回答;先生の場合は、机に座ってもパソコン以外は使わない。ペンで字を書くのは、何かの提出書類を書くとき位です。あとはすべてパソコンを使っている。用途の多い順に書くと。

  1. ワープロとDTP(電子編集)…文章の整理、講義資料や著書の材料の整理
  2. メール…E-mailとパソコン通信
  3. E-mailは、いろいろの人の連絡。

    パソコン通信は、ソフトやハードのトラブルの問い合わせ。

    どんなトラブルも即解決する。

  4. インターネット…主として情報の収集
  5. メールメンバーになっているので毎日見ないと溜まる。

    調べたいことはあるが探す時間がないのであまりできない。

    遊び、プロバイダーからいろいろの誘いがある。時々やる。

    最新のソフトの情報収集とソフトダウンロード。

  6. 表計算ソフト…授業関係は、名簿、出席簿から成績表まで表計算ソフトを使って整理します。
  7. FAXとワープロ…一般の手紙、FAX、普通の書き付けをすべてパソコンで行っている。
  8. データベースソフト…購入して本のキーワード集
  9. データベースと表計算ソフトの組み合わせ…学校の研究予算管理

とにかく、パソコン以外では書類を作成しません。

さて、学生の立場では、何に使うかですが

  1. 覚え書き
  2. 住所録
  3. インターネットに入れば

永続きするには、友達との電子メールか、趣味がないとだめかもしれない。

  1. パソコン以外では書類を作成しない方針による書類作成
  2. パソコンのソフトの勉強

案外この目的が大きいかもしれない。ソフトを導入して自分で勉強するためにパソコンを買う。そのソフトは、会社で役立つものを選ぶ。

確かに、パソコンはなくても、学生生活は送れる。あるとないとは、テレビをもっているかいないかと同じレベルかも。

会社に入ったらどんなことが要求されるかは、ここをクリックして下さい。

 

97年質問番号2.機会損失効果とCS効果

質問 情報システムの効果で、定量的効果や定性的効果は解ったが、機会損失効果とCS効果が解りにくかった。

回答;機会損失効果とは、「もしそのことが実現していなかったら享受できなかった効果」のことである。

たとえば、見積もり計算をコンピュータ化して見積もり時間を1週間から半日に短縮した。この場合、コンピュータ化の効果は、見積もり計算の人間からコンピュータへの移行による工数削減と、見積もり時間短縮による見積もり機会の増大がある。この見積もり機会の増大が機会損失効果である。今までは見積もり提出に1週間も掛かっていたので、たとえば「明日見積もりを持ってこい」という事態には対応できず、注文にありつけなったが、半日で見積もれれば見積もりの機会が増えて、注文に結びつく可能性が出てきた。この注文の増加の可能性による利益の増大が機会損失効果である。

CS効果とは、CS(customer satisfaction:顧客満足度)を向上する効果である。顧客満足度の評価は、企業ごとの調査によって行うので、その調査項目の点数を上げる効果がCS効果である。

たとえば、ソフト会社は、「品質、納期、生産性」で顧客からの評価をして貰っているとすれば、これらの諸点を改善してCS調査で高い点が貰えるようになった効果がCS効果である。

関連事項;95年質問番号7.省力効果と管理効果の区分

 

97年質問番号3.インターネットの商売のやり方

質問 インターネットによる商売のやり方は、どのような方法があるのか。相手にアクセスして情報を見ることしかインターネットを利用したことはありません。

回答;今はまだ始まっていませんが、最終的には、お店も、あなたも認証局という所で認証してもらって、暗号化できるソフトでクレジット番号をやり取りして、インターネットで商売をすることになります。今は、無政府状態ですから、詐欺や買い逃げが横行しています。今、インターネットで商売するとすれば、売る方からすれば、お金を振り込んで貰ってから品物を発送するか、あらかじめクレジットカードの番号を別の方法で入手しておく方法です。買う方からすれば、品物を貰ってからお金を振り込む方法です。どちらもお互いに詐欺や買い逃げになる可能性があります。もうしばらくすれば認証局による認証と電文の暗号化で完全な商売の環境が整います。

 

97年質問番号4.ビッグバンに対する心構え

質問 授業でふれられたビッグバンに関する意見を聞かせて下さい。また、私たちこれからなすべき方向について聞かせて下さい。

回答;ビッグバンというのは、金融関係業界の、業種の垣根・国内外の垣根・金利手数料の垣根の3つの垣根を取り除く競争原理を導入するものである。日本経済のように経済が成長した国では当然導入するべき原理であると思う。

しかし、日本は独特の文化をもっており、いいものをいいと評価しても行動は別であるという風土がある。しかし、このように競争原理を最大限に活かそうという制度を導入する限り、われわれは自分で自分の行動に責任を持つ風習を身に付けなければならない。確かに、現在は、競争とはいえない程われわれに与えられる情報は少なすぎる。しかし、ビッグバンになった限りは、銀行や証券会社や生命保険組合は潰れることもあるという前提で、自分でできる限り情報を集めて、自分で自分の財産を活用する技術を身に付けなければならない。多分、パソコンが最大の武器になると思う。セールスマンの勧誘に乗らないで自分で自分を理する訓練がこれからはもっとも大切である。日本の社会は、これからは、弱肉強食の色がだんだん濃い世の中になるのだと思うが。しかたがないとはいうもののできれば、日本らしさのある競争社会を模索したいものである。

チャンスかリスクかと聞かれれば、先生はチャンスと答える。

 

97年質問番号5.インタネットのHPの管理

質問 インターネットのことがよく解りません。プロバイダーとは何ですか。プロバイダーと契約したらHP(ホームページ)用に何メガ分かの記憶域が貰えるということですが、それは私のパソコンの中ですか、それともプロバイダーのHD(ハードディスク)の中ですか。作ったHPは、誰が管理するのですか。

回答;プロバイダーやモデムの説明は、96年質問番号4を見て下さい。ここでは、プロバイダーと契約したらHP(ホームページ)のためのエリヤを無料で貸して貰えることを説明します。プロバイダーとインターネットの使用について契約するとたいていHPのための無料記憶領域がついてくる。これは、プロバイダーのHD(ハードディスク)を一部分貸して呉れるのである。この先生のHPもそれを利用している。そのディスクの決められた名前の場所に、自分でFTPというソフトを使ってWWWページを記憶させると自動的に、それが自分のホームページとなる。

内容については、すべて自分が責任を持つ、勿論公序良俗に違反したらプロバイダーが消去することができるいう契約をする。しかし、日常的には,プロバイダーは、登録者のホームページは一切管理しない。それで、時々、問題になるのである。

 

97年質問番号6.MISがよくわかりませんでした

質問 MISがよくわかりませんでした。PLAN-DO-CHECK-ACTIONとの関係も解りませんでした。

回答;この質問は毎年ある。まず、過去の答えを読むためここをクリックして下さい。

MISというのは、Management(経営管理)にInformation System(情報システム)を適用しようという考えである。Managementとは、どういう風にするかというと、何でもまず、「計画」して、それを「実行」する。そしてその結果を「評価」する。その評価を見て「次の行動を起こす」のがマネジメントである。したがって、MISというのは、このサイクルをコントロール化することである。業務の分野はいろいろであるが、このPLAN-DO-CHECK-ACTIONのサイクルをコンピュータ化するのがMISである。生産関係なら、まず、生産計画を作成することからはじめ、その計画通りに実行する。その結果を収集して計画と比較する。もし、計画通りに実行できていなければ、次の計画を修正する。これがマネジメントである。こういったシステムをMISという。

 

97年質問番号7.就職活動の電子メール

質問 就職活動をしているとよく電子メールを記入するところがありますが、その登録の仕方を教えて下さい。

回答;電子メールには、2つの方法がある。パソコン通信とインターネットである。就職活動で要請される記入欄に記入するのは、その電子メールのあなたのアドレスである。どちらのアドレスでもかまわない。したがって、その欄に登録する前にパソコン通信かインターネットに加入しなければならない。加入する前に、パソコンを購入しなければならない。インターネットに掛かる費用は、96年質問番号3を見てください。また、インターネットとパソコンの比較は、96年質問番号2を見て下さい。インターネットかパソコン通信に加入すると、あなたのアドレスが貰えるので、そのアドレスを電子メールの記入欄に記入します。

 

97年質問番号8.インターネットについて

質問 最近インターネットを利用している人が増えているようですが、インターネットがまだ漠然としかわかりません。こんなことができる、実際しているといったことを教えてください。また長所と短所を教えて下さい。また、インターネットとTHEインターネットの違いを教えて下さい。

回答;先生が行っているインターネットの作業は、次の5つである。

  1. 電子メール…いろいろな人と手紙のやり取りを電子メールで行う。息子や娘とも電話もするが電子メールでもやり取りする。

ホームページから情報発信…このホームページも情報システムに関する情報発信にしたいと思っています。

定期的情報の収集…電子メールのメンバーに登録すると、定期的に情報を発信して呉れるところがある。たとえば、日経BP社、何個か登録してコンピュータに関する最新の情報を収集している。

臨時的な情報の収集…何か知りたいときに利用する。たとえば、外国旅行の前の「その地方の気象や名所」、臨時の情報収集は多い。

コンピュータソフトや機器および洋書の購入…洋書は「紀伊国屋WEBBOOK」に加入している。

THEインターネットは、この世界に広がったインターネットのことをいう。もともとインターネットとは、普通名詞で「ネットワーク同志を繋ぐこと」をいう。でも、インターネットといえば、今は、世界に広がったTCP/IPをベースにしたネットワークを指している。

インターネットの有用性は96年質問番号1、利点・欠点は96年質問番号7を参考にして下さい。

 

97年質問番号9.インターネットの費用

質問 ノートパソコンを買ってインタネットに入ったのですが、電話料以外にお金が掛かると言われ、不安でなかなか使えないのですが。

回答;インターネットの費用の内、ランニングコストと言われる、使用するコストは、

1)電話代…プロバイダーまでの電話代、一般に市内電話の範囲のプロバイダーに接続しますので、市内電話料金。テレホーダイのように指定された時間帯はいくら掛けても一定料金という制度もある。

2)プロバイダーの接続料金…これは、ある一定時間までは基本料金で(たとえば15時間までは2500円)、それ以上使うと1分間10円の従量制になる場合が一番多い。これはプロバイダーとの契約内容による。いくら使っても基本料金のみというプロバイダーもある。一方、すべて従量制という契約もある。

インターネットの使用費用は、以上の2つだけである。万が一、インターネットをつなぎ放しにしておいても、何の操作もしないときは、何分かすれば自動的にプロバイダーとの接続が切れるようにソフトがセットされているので、安心してインターネットを使用してください。もし、インターネットのチャット(会話)やゲームにはまって、長時間使用するようになったら無制限時間接続できる契約に変更したらよい。

インターネットの費用に関する質問が96年質問番号3にあります。

 

97年質問番号10.CALSについて

質問 CALSについてもう一度説明して下さい。

回答;まず、過去の回答を読むためここをクリックして下さい。

CALSは、授業でも説明しましたように、これからの産業界の大きな変革要素です。関係する企業が共有のデータベースとEDI(電子データ交換)とEC(エレクトロニックコマース=電子商取引)によって結合して運用や保守を含めて最適な生産活動を行う仕組みです。基本技術は「デジタル化」です。

現在の日本のCALSの進行状況は、情報振興協会のホームページを見て下さい。

 

97年質問番号11.インターネットの機密保持について

質問 先日電子メールを盗み見られました。インターネットの機密保持について教えて下さい。

回答;まず、過去の回答を読むためここをクリックして下さい。

インターネットのメールは、現在は「ハガキ」で通信していると思ってください。一般のテキストファイルで通信していますから、だれでも、その気になれば読めるのです。また、確かに相手に着いたという保証もありません。

 

97年質問番号12.インターネトによる犯罪について

質問 インターネットによる犯罪などデメリットを詳しく教えて下さい。

回答;インターネットのメリットとデメリットは、過去の回答がありますので、ここをクリックして読んで下さい。

インターネットを使った犯罪の大半は、現在は販売詐欺です。ほとんどの商売が、インターネットでカタログを見せて、インターネットで申し込みを行い。現金を振り込んでから品物を発送して貰う方法が主力ですので。お金を振り込んでも品物が来ないとかカタログと違った品物だったというものです。一般の通販と手口は同じです。

認証局制度とクレジットカードの電子メール化で、安全なインターネット商売がもう少しで始まりますが、この通販の詐欺は販売店の認証制度で防止できると思います。インターネットの通販がもっとも安全な通販になるものと思います。

 

97年質問番号13.パソコンのモデルチェンジについて

質問 パソコンのモデルチェンジが早すぎてなんだかついていけません。その点先生はどうお考えですか。

回答;パソコンのモデルチェンジは、6月ごとにあります。確かに、めまぐるしく変わります。しかし、大きな変化の波を読めば、パソコンの買い方ははっきりします。

パソコンは、汎用機の技術を追っかけているのです。まだ、追いついていません。

今は、ペンティアムと同プロとMMXとMMXUがありますが、コンピュータの技術で進んでいるのがペンティアムプロですから、CPUとして選択するのであればペンティアムプロと同系列のMMXUです。MMXは発売されても買わないのです。CPU速度も100MHZとか133MHZとか言われますが、この表現よりも外部クロックの60MHZ66MHZかを基準に購入します。

モデルチェンジの中の内、4回に3回は購買力を煽るための見せかけのレベルアップです。大きく変わるのはやはり2年に1回位ですから、その段階でしっかりしたレベルのパソコンを買えば間違いありません。今なら、200MHZのペンティアムプロで2CPUが可能なパソコンを買えば間違いはないとお思います。

 

97年質問番号14.データウェアハウスのこと

質問 データウェアハウスの説明で、スライシング、ダイジング、ドリルダウンという言葉が解りませんでした。

回答;データウェアハウスは、データを使いやすいように、時系列を中心に多次元にデータを記憶する保管システムである。このデータをある平面で切り出しことをスライシングという。たとえば、売上高を品種別時系列に切り出すことをスライシングという。

ダイジングとは、その切り出し方をさいころの目のように変えられることを称してダイジングという。

また、ドリルダウンとは、あるデータの詳細をドリルで穴を開けるように深く検索することをいう。たとえば、1月の東京のテレビ売上は、誰がいくら売ったか、どんな型が売れたか、どんな客層に売れたかを分析できることをドリルダウンという。その深さは深いほど真実を究明するのに役立つので、もとの生データまで保存して置くのがデータウェアハウスの特長である。

 

97年質問番号15.HTMLの略号

質問 HTMLの略号をHyper Text Makeup Languageと黒板に書かれたが教科書にはHyper Text Markup Languageとある、間違いではないか。

回答;すみません。黒板に書いたのが間違いでした。

 

97年質問番号16.限界利益という言葉

質問 限界利益という言葉の意味が解りませんでした。

回答;限界利益というのは、限界利益=売上高―変動費用のことであり、一つ商品を売ることによって回収できる利益である。売れば売るほど損をする状態ではなく、一つ売ると自分自身の費用(変動費)はカバーしているので、固定費を回収できる利益である。たとえば、100個のお饅頭を材料費(=変動費)1ヶ6円で生産し、固定費(建物や設備代や売り子代)が300円掛かったとすれば、製造原価は、6×100=600円の変動費と300円の固定費である。合計900円の原価であるから1ヶ10円で売れば1ヶ当たり1円の儲けである。

限界利益というのは、この場合4円である。夕方になって売れ残ったので値引きして売ることにした場合、限界利益を割って売るのは元も子もないので、必ず、6円以上で売らなければならない。8円で売っても、限界利益は8円―6円=2円あり、固定費を回収できるので総原価はカバーしていないが売ることに意味はあるのである。

 

97年質問番号17.DSSのところのDBMS等について

質問 DSS(意思決定支援システム)のところで出てきたDBMS、IMS、ORの意味がよくわからなかった。

回答;DSSとは、コンピュータを意思決定の支援ツールとして使う方法である。Decision Support Systemの略である。意思決定に使うデータの収集方法とデータベース技術と利用のツールの3つが揃ってはじめて利用可能である。

DBMSはData Base Management System の頭文字でデータベース管理システムという。データベースを定義したり、生成したり、利用したりするソフトウェアである。IMSはそういったソフトウェアの1種でIBM社が開発したInformation Management System の略である。ORとは、DSSのデータ利用ツールの1種である。Operations Researchの略です。ORとは、問題解決のために、対象となる諸現象を数量化して、その最適解を求める数学的な解決方法である。代表例として、生産計画や輸送問題に適用するLP(線形計画法)や在庫問題に利用されるシミュレーションがある。

 

97年質問番号18. 歩留まり向上の効果

質問 歩留まり向上の効果で、製品と屑との価格差×生産量と、さらに歩留まり向上生産量×限界利益とあるのが解らない。

回答;歩留まりとは、投入量に対するアウトプット量の比率である。10個用の材料を投入して10個の製品ができれば歩留まりは100%である。一般にものを生産するときには、生産の途中で破損や不良品のため目減りするのが一般的である。10個用の材料を投入しても製品が6ヶしかできないとき、歩留まりは60%であるという。この目減りを少なくすることを歩留まり向上という。効果は大きい。

まず、不良品を製品にするのであるから、目減り向上量について、不良品の処分価格と製品原価の差が得になる。次に、その目減り向上量について従来は売れなかったのが売れるようになったので、限界利益×目減り向上量の利益が増加する。歩留まり向上は、2重に効果がでるので、トータル効果が大きい。

不良品                   予定売価

不良品売却価格

   損

 

         良品化(歩留まり向上)の効果

良品         ↓      ↓   予定売価

不良品売却価格

原価と不良品価格の差

限界利益

    

97年質問番号19. プロセス型生産形態のこと

質問 プロセス型生産形態のことがよく解らなかった。

回答;プロセス型生産形態とは、組立機械加工型生産形態に対応した言葉である。鉄鋼や石油のように、原料を投入したら原料そのものだけから、プロセス(工程)を連続して通過しながらいろいろな製品にしていく生産形態である。石油は、原油から重油やガソリンや軽油を生産する。これに対して組立機械加工型生産形態は、自動車やパソコンのように、部品を組立ながら加工して製品を作る生産形態である。

 

97年質問番号20. MISMSSSISの差

質問 MIS、MSS、SISの差が結局解らなかった。

回答;次のように発展してきた。

   日常的なルーチン作業の機械化

 

   MIS:日常的な業務のコンピュータ化も重要だが、もっと計画・管理レベル
       の業務にもコンピュータは活用すべきである。

 

   MSS;管理レベルの活用は、管理者や経営者は、「意思決定をする人なのだか
       ら=意思決定を支援するシステム」を作れば良い。

       つまり、DSS:一般人の意思決定支援システム+ESS;経営者の
       意思決定支援システム=MSS(
Management Support System)を作
       ればよい。

 

   コンピュータが意思決定を支援できる範囲は、当初予想していた範囲より非常
   に小さいことが解った。MISは幻想であったか。

 

   SIS;いやそうではない。コンピュータの適用事例をよくよく見れば、経営
       戦略を支援しているシステムがたくさんあるではないか。コンピュー
       タは経営の意思決定を支援するだけではない。経営の戦略そのものを
       支援しているではないか。競争を優位にしているシステムがあるでは
       ないか。それがSIS(
Strategic information system:戦略的情報シス
       テム)である。

 

97年質問番号21. インターネットの応答型と参加型の差

質問 インターネットの特長で、応答型と参加型の差が解りにくかった。

回答;応答型というのは、電子メールのように、別の媒体を使って返事がある場合である。参加型というのは、媒体の中に参加することである。HTTPというインターネットのデー通信の規約は、伝送するソース(元データ)もダンロードすることができるので、それを直接、編集して返送することが可能である。小説を協同で書いたり、CG絵(コンピュータ・グラフィックの絵)を協同で作成することができる。勿論音楽も協同で作成することができる。これを参加型と説明した。

 

97年質問番号22. アンソニーの3階層

質問 アンソニーの3階層がよく解りませんでした。これがそんなに重要ですか。

回答;アンソニーの3階層とは、会社の経営活動を分析する基準をしめしているのです。会社とはどんな活動から成り立っているかということを理解するのに便利です。会社のことを理解する基本になるのでとても重要です。

アンソニーの3階層とは、次の通りです。

 

対象期間

業務の構造

業務の範囲

担当者

経営戦略レベル

1年以上

非構造的

社内、社外の広い範囲

役員、部長

計画・管理レベル

1年以下

やや非構造的

社内中心

部長、課長

オペレーショナルレベル

1日又は1週間以下、

構造的

社内のみ

担当者

 

97年質問番号23. パソコンの購入

質問 パソコンを購入するときに考えること

回答;学生がパソコンを購入するとき考えることは次の通りではないかと思います。

  1. 使うアテがあること

  まず、なにに使うかを一応考えること。そうしないと買ってもさわらない。使い
  出すと自分で新しい用途が見つかるので、とりあえずの使い道を考えて購入する  
  こと。

2)自分の友達がパソコンをもっていること

  友達同志で、パソコンの話や、使い道の新しい方法を発見できるので、友達がパ
  ソコンをもっていることが望ましい。

3)打ち込めるものがあること

  スポーツ、音楽、語学、旅行なんでもいいから、自分で打ち込めるものが1つ以
  上あること。パソコンを「情報収集」や「就職活動」といった「堅い用途」ばか
  りに考えていると、その内疲れる。

4)どんなパソコンを買うか

  インターネットで映像や音声を楽しみたいと思う人は、ペンティアムプロ200
  上のパソコン、そうでなくインターネットでも画像だけでよいと思う人は、ペン
  ティアム133クラスを買う。

5)インターネットかNiftyServeには入る

  ネットワークなしでパソコンを使おうとすると、ワープロや表計算の使用だけに
  なる。それでも、たくさんのことができるが、やはり友達とメールやホームペー
  ジの見せ合いが楽しみなのだから、インターネットか
NiftyServeに入る。今は、
  
NiftyServeからでもインターネットに繋がるのでNiftyServeだけでもよい。

6)友達と機種をそろえる

  機種は、友達と揃える。パソコンは標準化されていない。メーカが違うとなにも
  かも違うので、機器の増強やソフトの導入、故障の連絡先や使い方の勉強が一人
  では難しい。友達と機種を揃えること。または、買った機種の友達を捜すこと。

7)メモリーだけは十分に

  パソコンを買うとき、メインメモリーだけは十分に付けておくこと。最低48M
  B、できれば64MB以上、メモリーが少ないと画面の表示スピードが遅く使う
  のがいやになる。ハードディスクは、ソフトウェアをむやみに導入しなければ、
  FD(フロッピー・ディスク)でデータを記憶させることができるので逃げ道が
  ある。

 

97年質問番号24. 省力効果と工数削減効果

質問 効果のところで省力効果と工数削減効果の差が解りませんでした。

回答;省力効果というのは、この仕事をコンピュータに変えたら何人の人が削減できるかという「頭数で削減できる」効果である。工数削減効果というのは、この仕事をコンピュータに替えると人間の作業時間(工数)が数時間少なくなるという効果です。削減時間が一人の月間作業時間(約165時間)に満たないのです。人を一人削減できませんが、残業時間を削減したり、工数削減効果をたくさん集めて一人分の作業時間(約165時間)に集約し、一人の省力削減を行います。

 

97年質問番号25. パソコンの将来

質問 パソコンはWINDOWS95とインタネットで一般化しましたが今後パソコンはどういう風になると予測されますか。

回答;パソコンが扱えるマルチメディアが、今は、ネットワークに繋げていない状態(スタンドアロンという)では、ほぼなんでもできるようになった。先生は、音楽CDを聞きながらこの原稿を書いている。勿論映像CDも見ることができる。パソコンがインターネットに繋がってマルチメディアが扱えるようになると、まったく新しい娯楽機器となると思う。家庭の娯楽は、テレビ派とパソコン派に分かれる。パソコンは、進歩が激しくまだまだ一般の人がテレビのように簡単に扱えるようにはあと10年はならないが、学校や職場でさわったことのある人は、参加型娯楽機器ということで普及することと思う。情報機器としては、日本はサラリーマンにとって電子メールと「金儲けソフトウェア」以外には不要な機器であり、普及しても家でほこりを被ることになる。

 

97年質問番号26. 情報システムの普及方法

質問 情報システムを開発して最終的にシステムを利用する場合、誰がどのようにしてそのシステムを組織の末端まで行き届かせるのか。

回答;システム開発は、一般的にプロジェクトチームを組織して行われます。そのプロジェクトチームに、「エンドユーザ」というシステムを利用する部門の代表者も参加します。この人たちは、システム開発期間中、専従や非専従でプロジェクトに従事しますが、システムが本番化され導入されるときには、専任となって各部門の担当者に新しいシステムの教育を行います。勿論、対象人数が多いときは、システムを開発したシステム部門の人たちもお手伝いします。たとえば、一つの工場をシステム化したときは、数100人以上の人に対してコンピュータ教育を行います。

工場は3交替ですから、1日3回各職場ごと仕事が終わったあと残ってもらって2〜3時間づつ数回教育します。職場の種類も多く、コンピュータ化の内容も違いますので教育に1ケ月は掛かります。教育だけではだめで、慣らし操作をしてもらって新しいコンピュータのオペレーションに慣れてもらわないと仕事に使えませんので、教育後数ケ月はならし操作期間をもうけて新しいコンピュータシステムを普及して行きます。銀行などは、この慣らし運転を1年は続けてから本番にします。一般には3ケ月の慣らし運転をします。小さいシステムですと、慣らし運転をせず、ハイ明日から本番ということもあります。

 

97年質問番号27. ISDNとOCN

質問 SMAPが出演しているNTTのコマーシャルに出てくるISDNとOCNについて教えて下さい。

回答;ISDNというのは、Integrated Service & Digital Network:統合ディタル通信網の略である。デジタル技術を使って従来バラバラであった電話、ファクシミリ、データ通信などのサービスを総合的に提供しようとするもので,NTTでは、INS(Information Network Service)という名称で実施している。今は、144KB(INSネット64)と1.5MBの2種類が提供されている。一般家庭に推奨されているのがISNネット64で、これ1本引くと電話2回線に相当してインターネットと電話を別々に使えるので安くて便利であるから宣伝しているのです。しかも、インターネットは高速で接続できる(64Kから128K)ので、画面が早く切り替わるのです。

INSには、パケットサービスといって情報を運搬する通信用入れ物を貸してくれるサービスもあります。使用した箱の数だけ料金を支払うのです。

OCNというのは、Open Computer Network:コンピュータ通信向けネットワークの略です。新しいNTTのインターネットプロバイダー事業です。サービスメニューは次の通りです。

1)OCN常時接続サービス

   ・OCNエコノミー(メタリックケーブル)

  ・OCNスタンダード(光ファイバー<標準>)

  ・OCNエンタープライズ(光ファイバー<高速>)

2)OCNダイヤルアクセス  

この中でOCNエコノミーが目玉です。今のままの電話線で繋ぎっぱなしで月38,000円です。

 

97年質問番号28. SEとシステムアドミニストレータの違い

質問 最近”SE”という言葉をよく聞きます。コンピュータ関係の職種らしいのですが、具体的にどのような仕事をするのですか。システムアドミストレータとSEはどう違うのですか

回答;SEというのは、System Engineerの略です。日本語訳はなく”SE”と略されます。コンピュータシステムを設計する人たちを広く意味する職種です。SEに対してプログラマーと言う職種があります。SEが設計したシステムのプログラムを作成する人をいいます。SEは、したがってプログラマーの仕事を理解していなくてはなれません。一般的にプログラマーを4〜5年経験してSEになります。つまり、SEとはコンピュータシステムを開発する側の人たちの職種です。ソフトウェア開発会社が募集する職種です。SEにもアプリケーションSE、ネットクSE等いろいろの種類があり、おのおの国家試験があります。試験に合格するとソフトウェア開発会社では、一般的に給与が変わります。

 

システムアドミニストレータは、そのまま訳すとシステム管理者ということになりますが、コンピュータシステムを利用する側の職種の名称です。でも、会社でシステムアドミニストレータと

いう職種があるわけではありません。国家試験がありますが、合格してもそれで給与が変わりません。任意の資格です。コンピュータシステムを利用するに必要な知識を備えているという認定だけです。試験の内容は、コンピュータの利用者にとっては適切な内容ですから、先生のゼミ生は全員受験することにしています。

 

97年質問番号29. STSとは

質問 STSとはなんですか

回答;STSとは、Self Time Study:自己時間研究の略です。自分で時間をどう使っているか調べる方法です。1週間か、1ケ月か、自分の仕事のワンサイクルについて、毎日毎日、10分か15分ピッチに自分の行動を記入するのです。その結果を分析して自分の仕事の行動を分析する方法です。記入する仕事の分類が調査の良否を決めます。あらかじめ調査したい目的に合わせて仕事を分類して記入するようにします。会議時間を知りたいなら、会議とか打ち合わせの区分をします。後向きな仕事と前向きな仕事を分析したいなら仕事の分類をそのように分けて記入していきます。STSの集計の結果を元にコンピュータシステムで置き換わる時間を予測して、省力効果を計算します。サラリーマンになったら時々自分の時間をSTSで分析するのは、刺激になって良いことです。

 

97年質問番号30.1次オンのオンは何か

質問 金融業界のシステム化の歴史で”1次オン””2次オン”とありましたがオンとは何ですか

回答;”オン”とは、オンラインシステムのことです。1次オンラインシステムを1次オンと縮めたのです。金融業界は次のような歴史的経過をとってオンラインシステムを開発してきました。

オンラインシステムとは、コンピュータをネットワークを使って”ライン上”で使用する技術です。オンラインに対してオフラインは、ネットワークを使わずに”スタンドアロン”の状態でコンピュータを使うことです。

金融業界のオンラインシステム化の歴史

呼称

年代

システム化の内容

1次オン

昭和40年代

元帳のオンライン化、自動振替のセンター集中

2次オン

昭和50年代

総合口座、銀行間連携

3次オン

昭和60年代

勘定系再構築、情報系構築