98年質問番号15. モバイル・コンピューティングとは

質問  モバイル機器の種類と機能、活用法、活用範囲を 教えて下さい。

回答 モバイル・コンピューティングとは、移動しながらコンピュータを活用することである。 大きく分けて次の3種類の端末を使う。
種類説明機能活用法活用範囲
ノートパソコンノートの大きさのパソコンである。パソコンと同じ機能を有する電子メール、インターネット、表計算、プレゼンテーション、手帳機能等なんでも可能情報システムの端末
携帯パソコン携帯に便利な超小型のパソコンである。OSもWIndowsCEを使用するパソコンよりどの機能も少し劣る活用法はパソコンと変わらない同じく情報システムの端末
携帯端末手のひらサイズの特殊端末、OSも独自のもの基本的にメールと電子手帳である電子メールと手帳機能が主体個人の道具

98年質問番号16. 情報システムの効果

質問  情報システムの効果で、工数削減効果で人員削減ができる という説明がありましたが、もっと詳しく説明して下さい。

回答 工数削減効果とは、情報システムが働くことにより、人間の作業時間が減少することである。 例えば、ある日報を今まで人間が手作業で作成するのに毎日2時間掛かっていたが、日報をコンピュータ化した場合、日報はコンピュータが作成してくれるので、その配布作業の10分だけになるといった場合、一日110分、月間38.5時間の工数削減効果があるという。この削減数字が月間労働時間を超えると作業者を1人削減できるので同じ工数削減効果でもとくに省力効果という。
実際の情報システム化でも、1人の人がすかっと必要でなくなる省力効果は少なく、ここで計算した ようにあちこちの削減時間を合計してようやく1人の月間作業時間になるので、実際に人を減らす ときは仕事の再編成と担当の変更をしなければならない。


98年質問番号17. イントラネット

質問  企業内では、イントラネットによって情報がスムーズに 流れると言われていますが、どういうことですか。

回答  イントラネットというのは、インターネットの技術を社内のクローズなネットワークの 中で活用することである。
そのアプリケーションには、一般的な情報システムとしての適用業務以外に 、グループウエアと総称される次のようなものがある。

  1. 電子メール・情報を交換する仕組み
  2. 情報共有・情報を共有する仕組み
  3. プロジェクト管理・仕事の進捗と内容を確認し合う仕組み
  4. 電子掲示板・情報を掲示する仕組み
  5. 電子会議室・会議をする仕組み
  6. スケジュール管理・各人のスケジュールを調整する仕組み
これらのアプリケーションは、すべてグループ活動の情報の伝達や蓄積をスムーズにする働きを するので、イントラネットによって情報がスムーズに流れるようになったと言われるのである。


98年質問番号18. DBMS、STSとは

質問  授業に出てくる略字で教科書にも書いてないもの があります。もう少し詳しく意味を教えて下さい。例えば、DBMS、STS

回答  DBMSとは、DataBase Management System データベース管理システム である。
即ちデータベースの定義、生成、活用、運営・保全、削減の全サイクルを管理・実行する ソフトウェアである。例としては、Access、Oracle、Infomix、Sybase等がある。 ソフトウェアは、データベース制御言語とデータベース言語から成り立っている。
データベース制御言語は、データベースの定義、生成、保全のための命令やコマンドである。
データベース言語は、データベースに登録したり、参照したり、更新したりするための命令言語である。 リレーショナルデータベースの場合は、世界共通のSQL言語を用いる。
STSは、次の質問の答えを見て下さい。

97年質問番号29.STSとは

98年質問番号19. インターネットのここだけは

質問  はじめてインターネットを接続するときに 、ここだけはこうしておくべきだというところがあれば教えて下さい。

回答  インターネットに繋げるときの注意点を7つ

  1. プロバイダーの接続先は市内の混雑していない電話番号を設定する。2本以上あれば後から追加になった 方の電話番号にする。
  2. 接続のタイムアウト時間を短くする。60秒。オンライン(接続)しながら入力するような 使い方を防ぐ。
  3. 繋げる前に発信文は作成して置くこと、
  4. 受信文は、読んだら、まず簡単な返事を書くこと、Eメールは先方にとって着いたか着いてないか が分からない。
  5. 受信文のアドレスは必ずアドレス帳に追加しておく。不要でも削除するのはオフラインにしてから。
  6. 同じくホームページも見たら、「お気に入り」に登録しておく。不要でも削除するのはオフラインに してから。
  7. ホームページをオフラインにして見る方法はあまり取らなない。リンクが張られていると そちらを見ることが多いので。
98年質問番号20. MISの発展

質問  MIS(経営情報システム)というのは 、欲しいときに欲しい情報をという風に発展したということですが、どのように発展したのですか。

近畿大学商経学部の学生は、ここにカーソルを置いて下さい。 98年質問番号20は、98年の期末試験にでますよ!!!。

回答  もともとMISというのは、コンピュータの適用を日常業務だけでなく、計画や管理の業務 や、さらに戦略的業務まで拡げるべきであるという概念である。これは、当時コンピュータが請求金額計算 とか給与計算とか生産実績の集計など低レベルの業務にしか使用されていなかったのを、もっと高度の 業務にも適用するべきであるという概念で時期を得た重要で有効な考えであった。
その後、計画とか管理といった情報システムは、情報を使った意思決定システムであるという 定義がなされ、意思決定支援システムという名称が生まれた。この意思決定支援システムには 「物事を決めたいときに」「適切な情報が必要である」というニーズがあり、「欲しいときに 欲しい情報を整備する」のがMISであると言う風に変遷したのである。
講義でも説明したように、MISという概念はそれ自体まさに時を得た正しいものであったが 、意思決定支援システムという概念に偏りすぎて、誤解を招き最後は不評を買った。 しかし、MISはコンピュータ・システムの発展に非常に大きな役割を果たした。


98年質問番号21. パソコンを始めたいけれど

質問  パソコンを始めたいけれど、何から始めたら 良いですか。

回答  個人の目的意識によりますが、先生の推薦順は次のとおりです。

  1. インターネットに加入して、電子メールを友達とやり取りする。パソコン操作で困ったことを助けて貰う。
  2. 同じくインターネットに加入して、電子メールに「デジカメで撮った写真を編集して」やり取りする。
  3. 同じくインターネットに加入して、いろいろの人と電子メールのやり取りやチャット(電子井戸端会議)をする。
    でもインターネットに加入しますと、インターネットの使用代約2,500円、電話代は基本費用は別で従量費用だけで約3000円、合計5,000円は必要です。
  4. ワープロを使って手紙や論文を書く。
  5. ワープロを使って年賀状や暑中見舞い等のハガキを書く。
  6. いろいろのソフトウェアを導入して、趣味の幅を拡げる。
  7. 勿論、就職活動には、必須になりつつありますが。

やはり、インターネットですか。特別な人以外は、ワープロや表計算をそんなに使うことはないですね。
関連質問、

97年質問番号1 .パソコンを何に使うか

質問 これからの時代パソコンを使いこなせなければならないと言われているが、パソコンの何を使いこなせなければならないのか知りたい。パソコンがなくても就職活動ができた。インターネット位であとは何に使うかわかりません。

98年質問番号22. システムエンジニアになるためには

質問  システムエンジニアになるためには、何を、どのように 勉強すれば良いですか。

回答  システムエンジニアに必要な能力は、次の通りです。

  1. コンピュータシステムやプログラムに精通すること。
  2. 好奇心が旺盛なこと。
  3. 対象物に精通すること。
  4. 洞察力をもつこと。
  5. 論理的に組み立てられること。
  6. 根気よく仕事ができること。
したがって、学生時代にできることは、
  1. できるだけ、幅広くたくさんの授業に出席すること。先生は、経済学部でしたが、 産業心理学から刑法や位相数学まで沢山の講義を取りました。近畿大学商経学部でも人工知能論や ファジー理論まで講義あります。是非、聴講すること、好奇心の旺盛なことが必要です。
  2. コンピュータに親しむこと。最新のソフトウェアをどんどん導入してトラブルをたくさん経験すること。
  3. コンピュータ言語をたくさん修得すること。システムエンジニアは、最低20種類の言語を知らないと駄目です。学生時代には、COBOL、BASIC、C、CADは講義がありますので、必ず聴講する。あと、VisualBasicやC++、JAVAScriptやJAVAは自分で独習すること。
コンピュータオタクになる必要はありません、コンピュータオタクは、ほとんどのソフト会社では数名しか採用しません。常識があって明るい人が採用されます。


98年質問番号23. ウイルスの被害

質問  パソコンはウイルスにやられる時があると 言われていますが、いままで、大きな被害があったのですか。

回答  恥ずかしい話ですが、先生の授業でウイルスをばらまいて、MIPSの授業にご迷惑をお掛けしたのは一昨年でした。先生の授業の生徒のパソコンが動かなくなったのは勿論、MIPSでパソコンを使った何百人の人のデータが潰れました。このウイルスは、パソコン通信Nifty-Serveからダウンロードしたソフトにウイルスが入っていたのです。
いまでは、MIPSは事前にFDの検査を受けないと使用できませんし、先生の授業のパソコンは立ち上げ時に自動的にウイルスのチェックをします。
日本で有名なウイルスの被害は、

等がありますが、ウイルスの被害は、報告されている件数だけでも、日本で、
  • 1996年 3,771件
  • 1997年 6,162件
  • 1998年7月まで 7,335件
です。最近は、マクロウイルスといって、EXCELの中に入り込むウイルスの件数が増えています。


98年質問番号24. 情報システムの効果と雇用

質問  情報システムが進歩すると、人員削減効果 により働く人が少なくて済むようになる。つまり失業が増える。省エネも景気を 悪くするらしい。矛盾していると思うが、なぜ、情報システムを進化させるか。

回答  この質問は重要なのではっきり答えておきます。

  1. まず、情報システムは効率化して会社や団体を繁栄させるために開発されるのです。情報システム が開発されるとその会社や団体は成長するのです。成長すれば経済は発展し景気はよくなります。
    情報システムの効果対費用計算で削減人員や省エネを計算しますが、常にメリットの方が大きいから 情報システムは開発される決定がされるのです。

  2. 次に、情報システムの関連の情報サービス業界は、今や自動車産業と並び称せられる大きな産業で 、日本の雇用や豊かさを支えているのです。アメリカが好調なのは、情報サービス産業が発展した からです。80年代日本が「Japan as NO1」で世界のトップでしたが、今は13番目位に落ちています。 情報サービス産業が伸びていないからです。情報システムの進歩は、雇用を増大させ、社会の効率を 上げ、豊かな社会を築く大きなファクターなのです。
いつまでも年間2000時間以上働いて働いて働きずくめの日本人から、こんな質問が出ること自体が 淋しいことです。


98年質問番号25. 電子マネーはどうなのか

質問  電子マネーは一見便利なようで、いろいろ問題が あるのではないのですか。NTTとVISAの方式のどちらがいいのですか。

回答  電子マネーについての説明は、下記の関連質問の回答を見て下さい。
ここでは、NTTとVISAの件だけ回答します。
関連質問の回答を見て頂ければ分かりますが、両者はまったく違う方法の電子マネーです。
種類方式匿名性トレース可否
NTTプリペイド現金方式それ自体が現金である。だれにでも使える。万が一紛失しても誰のものか分からない。
VISAプリペイドカード方式その人しか使えない。誰が使ったかトレースできる。

優れているというより現金に近いのはNTTである。しかし、現在の法律では認可されていない。99年新宿で1000店の実験を行う。
VISA方式は、98年渋谷駅前商店1000店の実験を始めた。

関連質問、

97年質問番号38. 電子マネーについて

質問 電子マネーというのは、クレジットカードなどとどう違うのですか。 電子マネーの機密性や現状と将来について


98年質問番号26. MACはどうなんですか

質問  世の中、Windows流行ですが、MAC に何か不都合があるのですか。

回答  MACについての質問も多いのですが、MACについては経験がないので、 いままで回答していません。
今回、IMACが発売されるので、答えたいと思いました。
MACのソフトウェアは、ユーザフレンドリーで、Windows95もMACをまねて開発されたのは 有名な話です。また、MACは、すべてのソフト会社に統一的な操作を要求しているので 操作も簡単です。
ただ、MACの経営者が方針をくるくる変えるので、新しいユーザが着き難いのです。 今度のIMACは、マイクロソフトの影響もあり、低価格で高性能かつ斬新な筐体なので 少しは新規ユーザを獲得できると思います。昔からMAC派はMACしか使いません。 いまでも。マルチメディアでは、MACが優位です。
先生の勘では、マルチメディアの分野では、Windows95はMACの70%くらいまで には成長したと思います。そのほかの分野では、Windows95が圧倒的に優位にあります。


98年質問番号27. パソコンの組立

質問  パソコンはどうやって組み立てたら良いのですか。 素人にもできますか。

回答  素人にもできると言った方が正しいと思います。
先生は、すでに2台組み立てましたが、昔にくらべて現在はとても簡単になりました。
自作パソコンに関する本を1冊買って、丁寧に読んで、それを参考にして、パーツを 買って、組み立てるのです。日本橋のパーツ屋さんはどの店も応対は横柄です。でも、分かるまで 質問をすること。相手は、マニアを相手にしているので、つい応対が横柄になるのです。
ケースには、マニュアルが付かないのが業界の慣例なので、電源関係の詳しい本を買うこと。
それから、パソコンを自分で組み立てても、決して安くなりません。パソコンの自作は 自分の欲しい構成のパソコンをつくることと、それを簡単に増強できること。そして、パソコンに 強くなるためにパソコンは自作するのです。


98年質問番号28. SEの仕事

質問  SEという職業があるが、システム設計でどこまで つっこんだ仕事をするのか。また、SE35才定年説について先生はどう思いますか。

回答  

  1.  後半の質問から答えます。
    先生は、現在もさる会社のシステムエンジニアを行っています。SE35才定年説は、1980年頃まで はシステムエンジニアの仕事が単純な「工数」の仕事でしかなかったので、多くのソフト会社が給与の 高い人の首を切ったり、独立させるための口実にでっち上げた日本だけの虚説です。
    いまでも、SEを口入れ屋的に派遣している会社は、そういった考えを持っています。
    SEという職業は、経験を経るごとに能力の上がる職業です。もっとも、最新技術や最新理論を 勉強し、身につけないと45才定年説というのが新しく生まれました。
    先生の出身会社で、最新のソフトウェア工学やインターネットや最新の言語を理解し、使用できない SEは、SE定年になっています。会社としても使い道がなく困っています。SEの進路は、コンサルタントやプロジェクトリーダなのですが、この世界は、実務がこなせないとリーダにはなれません。 社長や役員は理解していればよいのですが、リーダは実際にできないとつとまりません。
    社長や役員はそう多くいらないので、SE45才定年説が新しく起こっています。もっとも、この ことは、どの業界でもあることでしょうが。
  2. SEがどこまでシステム設計をつっこむか。
    システムのすべてをSEが決めてしまいます。業務の内容、画面や帳票の内容とレイアウト、 データベースの構成、項目の決定、導入するコンピュータの決定、本番後運用の仕事等すべてSEの仕事です。したがって、SEは現在、
    • 業務(アプリケーション)SE・・・・・業務を設計する人
    • データベースSE・・・・・データ項目やデータベースの構成、構築をする人
    • ネットワークSE・・・・・ネットワークを設計する人
    • テクニカルSE・・・・・コンピュータシステムの構成を決めたり、導入をする人
    • 運用SE・・・・・コンピュータシステムを実際に運用する人
    に分かれています。
    SEに対してプログラマーという職種がありますが、これは、SEの決めた内容をコンピュータ語 に置き換える仕事です。なにも付け加えることはできません。工夫によりコンピュータ語に置き換 える上手下手はありますが。
98年質問番号29. 理想の情報システム

質問  先生が夢見ている理想の情報システムとは、どんなものですか。

回答  10年前にある会社で理想の情報システムとして「美祢トピア」というシステムを 開発しようとしました。結果は、理想通りにはならず、従来型の情報システムになりました。
「美祢」というのは、その会社があった土地の名前で、「トピア」はユートピアをもじった のです。ですから、「美祢トピア」が意味するのは、美祢工場の理想の情報システムという ことです。
何が理想かというと、

DY(工期予知)、QY(品質予知)、CY(コスト予知)で「わいわいわい」で「美祢トピア」 というチャッチフレーズのシステムをつくる予定でした。「わいわいわい」は、みんなで わいわいやりながら仕事ができる環境をシステムが提供することを考えました。
今は、マルチメディアもグループウエアもあるので、かなり理想的なシステムができると 思います。