フルネルソンの形からのジャーマン・スープレックス・ホールドであり、つまりは藤波のオリジナル技ドラゴン・スープレックスである。前田や高田がやるとフルネルソン・スープレックスとも呼ばれた。最近では越中や大谷らが使っている。
これを、2代目タイガーが84年10月12日、大阪府立体育会館でのL・フィエラ戦のフィニッシュで初トライしたのである。アマレスではかなりの実績があった2代目だけに、この種のスープレックスはお手の物だったろう。このとき、テレビ中継の実況担当だった若林健治アナウンサーは、この技をタイガー・スープレックス'84と言い間違えている。試合中にフィエラをなぜかR・スティンボートと間違えたりもしており、まだまだ駆け出しだったことがうかがえる。で、解説者の竹内宏介氏が「いや、これは違います。タイガー・スーパー・スープレックスです」などとフォローしていた。当時2代目は年に1度、新スープレックスを公開すると公約しており、実況席では「これがタイガー・スープレックス'85になるはずだったのかも知れませんねえ」などと、ソツなくまとめていたものだ。ちなみに2代目はその後、この技をほとんど使っていないようである。