TIGERTALK

(バックナンバー 1997年分)



大阪ドームに見た「プロレスラー、タイガーキング」(5・12)

▽5月3日。イヤがる妻を引き連れ、大阪ドーム決戦を観戦してきました。
・大阪ドームは東京ドームより一回り小さい印象。階段やロビーが狭いのはこまりものだ。
・nWoやらWCWやら、なんとなく平成なカードが延々と続き、ようやくお目当てのタイガーキング、猪木組−藤原、獣神T・ライガー組のタッグマッチ。会場で見たときはいまひとつあっさりした印象があったのだが、テレビではそこそこまとまって見えたのが不思議だ。
・ダイビングヘッドバットを、ツームストーン・ドライバーを、サルト・モルタルを出したタイガーキング。藤原の一本足頭突きや、ライガーの吊り天井も受けた。4・12東京ドームでは目指す格闘プロレスの片鱗を垣間見させてくれたのに、この日は完全にプロレスラーだった。ところどころで鋭いキックを見せたが、それもプロレスの範疇を大きく外れるものではなかった。
・ここへきて、タイガーが何をやろうとしているのか、また分からなくなってしまった。初代タイガーマスク時代の焼き直しであれば、昨年までのアルバイト復帰と変わりはしない。あくまでもタイガーがこの日見せたのは、昭和新日の香りを漂わせたプロレスであって、新格闘技とまではいかない。藤原にせよライガーにせよ格闘スタイルにも対応できる相手であり、タイガーが遠慮したとも思いにくい。今後もこうしたプロレスを続けていくのだろうか?ライガーの「プロレススタイルで8冠戦線参入を」との要望を快諾したことからして、どうもその可能性が強くなってきたようだ。
・プロレスラーとしてのタイガーの本格始動は、むろん歓迎する。ライガーとのシングル対決は正に夢のカードであり、この2人にしかできないハイレベルの攻防が見られることは請け合いだ。W・ペガサスや、2代目B・タイガーとの対戦も是非見たい。でも、心の中にこんな疑問がないわけではない。単にまたプロレスをやるだけなら、この十数年の回り道は何だったのか。さらには、恩讐を超えて復帰したのはいったい何のためなのか。私はタイガーが今のプロレス、今の新日を変えようとしてくれているのだと信じたからこそ、過去の苦い思いを忘れようと思ったのだ。
・この日もうひとつ印象に残ったのは、タイガーと藤原の絡みだ。歳月は流れたが、やはり2人の間には何か、名状しがたい感情が残っているように見えた。うがち過ぎだろうか?

作者石嶋、ついにタイガーマスクとなる(4・15)

▽すみません、くだらんことを書きます。きょう(4月15日)は私の31回目の誕生日ですので、どうかご勘弁を。
バットマンを背後からのチンロックでKO! ・私ごとで恐縮ですが、3月30日、ホテルオークラ神戸にて挙式いたしました。どうせなら手作りでやろうということで、披露宴は同ホテル内のレストランでパーティー形式に。パンフレットや席札などはすべてパソコンで自作し、自主映画も上映するなど、お客様にはアットホームな雰囲気でくつろいでいただきました。
・で、私がどうしてもやりたかったのがタイガーマスクに「変身」すること(^_^;)。難色を示しつづけていた新婦も再三の説得攻撃についに折れ、「お色直しの再入場時ならいいよ」とお許しが出ました。もうしめたものです。さっそく某プロレスショップで初代タイガーの「伝説」タイプのマスクを買い込み、この日の晴れ舞台を迎えたのでした。
悪漢から花嫁を救い出し、いざケーキ入刀へ ・ピンク色のカクテルドレスに身を包んだ新婦が登場。でも新郎の姿がない。どうしたんだろう・・・と思ったら黒覆面のバットマン(正体は私の友人。実は当日、その場で依頼 ^_^;)が出現!花嫁に今にも襲いかからんとします。
そこでBGMは一変!懐かしのテーマ曲に乗って出現したのがタイガーマスクこと私。バットマンをKO(写真上)し、無事花嫁を救い出した(写真下)のでした。あ〜めでたしめでたし。
・ということで、やる前は「客が引いたらどうしよう」と不安だったんですが、いざやってみるとこれが意外にウケました。私としては15年来の夢がかなってもう大満足です。・・・親戚一同に当分顔を合わせられないことを除いては(^_^;)。

ストロングスタイル復興の狼煙(4・14)

▽タイガーキング−猪木戦をテレビで見ました。
金をベースに銀をあしらった新マスク。デザインは「伝説」タイプに似ていた ・パソコン通信やインターネットでの書き込みを見ると、この試合の評価は真っ二つに分かれているようである。様々な人の書いたものを読むと、是非の違いはそのままファンとしての見方、嗜好、キャリアと表裏一体のようである。
・私はひとことでいって、素晴らしい試合だったと思う。猪木54歳、タイガーキング39歳という年齢やブランクを感じさせない、殺気に満ちた攻防だった。両者のコンディション不良からエキジビション的な内容になるかと危惧していたのだが、いらぬ心配だった。とくに、116キロあったというウェイトを92キロまで絞り込んだタイガーキングの調整ぶりは見事というしかない。全盛時に匹敵する俊敏な動きには脱帽する。そして、今後の本格復帰がいよいよ楽しみである。
・タイガーキングはこの試合、技らしい技をほとんど出していない。各種のキックや関節技は冴えわたっていたが、いわゆるプロレス技、とくに往年の4次元殺法はまたく影を潜め、わずかにフライングメイヤーと回転式フェイントが見られたのみだ。かといって完全な格闘技/UWFスタイルというものでもなく、プロレス的な匂いを残したムーブである。
これがタイガーキングの目指す新スタイルであろうか。いうなればタイガーマスクとスーパー・タイガーの中間(つまりはザ・タイガー ^_^;)といったところか。そういえば4代目タイガーも、「初代タイガーとS・タイガーの中間を目指す」とか以前コメントしてたな(^_^;)。
・4代目タイガーといえば、この日、タイガーキングやT・G・サスケのセコンドとして元気に走り回っていた。復帰は近いかもしれない。その前に、猪木とタイガーキング、小川のトレーニングキャンプにも参加してほしいと思うのは私だけだろうか。
・ちなみに猪木もこの日、インディアンデスロックや弓矢固めのほかはほとんど技を出さなかった(定番のスリーパーは決まらず)。タイガーキングや小川、更には石沢・永田・藤田らが参加するであろう(?)新日の格闘技部門とは、こういう試合を展開するようになるのだろうか。いよいよストロングスタイル復活の動きが本格化してきたとの期待大である。

4・12ドームはイデオロギー闘争の場である(4・11)

▽ドーム決戦が明日に迫ってしまったので、大急ぎで続きを書きます。
・今回のドームのカードが物足りない、盛り上がらないという声をたまにきく。他団体の大物を参戦させるとか、大会場のメイン級のシングルをズラリと並べないとドームらしくないというのだ。私にとっては信じられないというか、これがドームプロレスというお祭りに慣れきった平成ファンの感じ方なのかな、と違和感を覚える。
・今回の見所は、ズバリ言ってイデオロギー闘争だと思うのだ。下に書いたように、長州流平成新日と、それに抗する猪木&タイガーキングとの思想対決だ。メインの橋本−小川戦はその象徴。加えて猪木とタイガーキング自身が、理想とするストロングスタイルのファイトを見せてくれるハズ(^_^;)である。
・同じように長州イズムに疑問を呈しているのが藤波の「無我」である。木村健を従え、長州・佐々木というジャパン純血師弟コンビを迎え撃つIWGPタッグ戦はこれまた、「無我」vs平成新日という構図でくくることができる。私は必ずしも藤波というレスラーを好きではないが、「黒のショートタイツ」派の反撃という意味で、このセミファイナルには注目している。 一方、UWFスタイルという場から、やはり長州スタイルを撃つのが山崎隊だろう。今回は木戸との旧Uコンビで、これまた平成新日スタイルの典型である平田、小島のチームと対戦する。「パワー&サブミッション」という試合のタイトル自体が象徴的ではないか。ま、最近の長州が山崎の取り込みに走ってるのが不安といえば不安だが。
・私にとってはこの4試合が最大の注目点。ただこれだけで観客動員を図るのはもちろん無理で、新日も石川やサスケを呼んだり、ムタを投入してるのだ。平成ファンはこれでも不満なのかなあ? これは蛇足だが、連日連夜の小川報道にウンザリ、という書き込みがFBATLにあった。これこそ平成ファンの感じ方というか…。新聞報道で煽りまくり、盛り上げまくって決戦当日を迎えるというのは猪木全盛時の一連の格闘技戦と同じだが、それがイヤだというんだから、これはもう違和感どころじゃないなあ。彼らはきっと、コラム中心の週刊誌スタイルに慣れてるんだろうなあ。

口上(4・7)

▽何しろ更新のネタが少ないページ(^_^;)だもんで、このままだと化石化してしまうのではないか、と。で、最近はパソコン通信やインターネットの書き込みもあまりしていないもんで、ここを自分の雑記帳みたいに使いたいと思うのです。なるべくタイガーマスクのことで埋めていきたいと思うが、たまに間違ってシンや戸口のことを書くかも知れない(^_^;)。まぁ、ごらんいただければ幸いです。

猪木と佐山が長州に挑む(4・7)

▽まずは4・12ドームの話から。
4・12ドームではどんなマスクになるのかな ・猪木と初代タイガー改め○○、つまりは佐山(^_^;)がなんか世界格闘技連盟とかいうものをおっぱじめて、手始めに小川を鍛えてる。なんだかよくわからない。借金に苦しんでるらしい2人(?)が金もうけを始めたとか、いやあれは新日がやらせてやってるんだとか、まぁそういう見方をしたい人もいるでしょうけど、それはお任せするとして。
・昭和新日ファンのみなさん、いまの新日に何やら違和感のよ〜なものを覚えたことはないですか?ドーム中心の興行システムとか、複数スター制とかはともかく、肝心のリング上の部分で。
私なんかからすると、いまの平成新日はもう「新ジャパン・プロレス」(英語にすればニュージャパン ^_^;)とでも改名したらいいんじゃないかと、そんな気がするんですね。何がヤだって、長州の縮小コピーみたいなレスラーが増え過ぎた。佐々木(『健介』という呼び方は拒否する)、天山、小島、中西…。ファイトスタイルもラフ&パワーで、わめき散らして殴って蹴って、あとはラリアート(『ラリアット』という呼び方も拒否する)。こんなの、新日のストロングスタイルじゃなかったはずです。これは長州個人を好きとか嫌いとか、そういう話とは別でね。
まぁリングスやらパンクラスやらFMWやら見ての通り、どこの団体でもトップと似たタイプが大勢を占めるのは当たり前。猪木の時代は藤波、木村健、前田など猪木タイプが多かったもんです。そういうわけでいまの新日の本質的なトップが長州なんだという事実がハカラズも明らかになるんですが、猪木と佐山はこうした新日の変質に待ったをかけようとしてるんじゃないかな、たぶん(^_^;)。ぜひそうであってほしい(^_^;)。新日をあの、「黒のショートタイツの時代」に戻さんとする、ルネッサンスというかレコンキスタというか、そういうモノのノロシを上げてるんじゃないかと、まぁ昭和派としてはそう思いたいわけです。
(このテーマ、続く)



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