2000年質問番号23.学校のインターネット化について

質問  学校の情報システム化は、どうなりますか

回答  官庁より遅れているのが、学校の情報システム化です。そう、日本で一番情報システム化の遅れている場所です。

外国では、シンガポールでも、韓国でも、「黒板しかない教室」はありません。ほとんどの教室が視聴覚教室です。そして最近はパソコンを視聴覚の道具として使用している学校がほとんどです。

日本の学校のインターネットの接続は、計画より2年早めて2002年にようやく100%になりますが、アメリカは、1997年には、100%の学校がインターネットに繋がっていましたし、料金も格安なのです。

これからの学校は、初等教育が「自ら学び、自ら考える力」を目標とする教育が主体になり、高等教育は、「主体的に変化に対応し、自ら将来の課題を探求し、その課題に対して幅広い視野から柔軟且つ総合的な判断を下すことの出来る力=課題探求能力」の育成が主要な目標になります(21世紀の大学像・文部省)。こうした中で、学校だけに縛られない広い範囲の課題を探求することが求められます。ボランチアとかNPOやNGOへの参加、地場企業をモデルとしたシュミレーション課題などが取り入れられた実践的な授業が増えると思います。

こういう要求を満たす道具として、インターネットに繋がったパソコンは必須の道具になります。
パソコンは、勿論学生の自費購入です。そのパソコンをもってどの教室からも、インターネットに繋いで、効果的な授業が行われると予想します。国内のあらゆる論文は勿論、企業の細かい業績や官庁の諸統計もすべてインターネットに搭載されますので、勉強する素材には事欠きません。

インターネットによる授業も増えて、下記の3つのタイプのインターネット授業があります。
将来の授業タイプ
授業の内容
WBT(Web Based Trainnig)WEBを使った自己学習。例えは、WORDとかEXCELの様な情報処理リテラシを学習する
バーチャル授業インターネット上で行われる、時間と場所を選ばない授業。質疑応答も自由。2001年から郷地が「システム設計論」ではじめます。
遠隔・視聴覚授業従来型の授業を、遠隔地でも聴講可能なようにすることと、必要な視聴覚教材やインターネット教材を使って分かり易い授業にすること。これは従来の延長線上です。
勿論、事務処理もすべて、インターネット経由になります。



2000年質問番号24.インターネットやデジタル技術に代わるものは

質問  今、インターネットやデジタル技術が流行っていますが、これに代わるものは将来出てきます

回答  この質問の答は、
21世紀は、どんな世紀になるかは、2000年質問番号06「情報システムは、21世紀はどうなるのか」の回答を読んで下さい。

これからの情報システムがどうなるかは、2000年質問番号26「新しい情報の種類と形態」の回答を読んで下さい。

関連事項へのクリック。


関連質問、
2000年質問番号06. 「情報システムは、21世紀はどうなるのか」

2000年質問番号26. 「新しい情報システム種類と形態」


2000年質問番号25.ビジネスモデル特許とは何ですか

近畿大学商経学部の学生は、ここにカーソルを置いて下さい。
2000年質問番号25は、郷地先生の情報システム論の2000年の期末試験にでますよ!!!。
ソフトウェアの権利保護の内容を覚えて置いて下さい!!!。

質問  ビジネスモデル特許という言葉を耳にしますが、何ですか

回答  近大商経学部経済学科と経営学科および2部生は、この文章から2000年の期末試験が1問でます。よく読んで覚えておくこと。

ソフトウェアの権利保護には、2つ方法があります。

  1. 著作権による保護は、1985年著作権法をプログラムとデータベースも対象にするように改正して、ソフトウェアも著作権で保護されるようになりました。しかし、著作権では、記述したものを保護するのであって、書かれているアルゴリズム(解法)や考えた方を保護しません。COBOLで書かれたソフトウェアをC言語で書き換えれば、著作権侵害にはならないのです。著作権は、著作と同時に自動的に発効します。

  2. したがって、ソフトウェアの内容を保護するために、特許申請をする動きが15年前から盛んになりました。しかし、特許はもともと発明したもの(製造物)を対象に考えられたものであり、ソフトウェアのような無形物には適用に制限がありました。また、特許権は申請して特許庁で審査されてはじめて有効になります。

    著作権と特許権の違いは下記の通りです。
    著作権特許権
    権利の確立無方式主義  登録などの手続きをすることなく、著作者の権利が確立する。ただし、改正により、ソフトウェアなどは登録制ができた。方式主義                   登録しなければ権利は発生しない
    著作人格権著作物を書いた本人の権利を表現の自由という立場から保護する。なし
    保護期間原則として著作者の死後50年。写真や応用美術の著作物は最短の25年。出願公告の日から15年、ただし、特許出願日から20年を超えることはできない

  3. それが突然、1998年アメリカでビジネスモデル特許を重視する動きがEC(電子商取引)関連で急に拡がり、「コンピュータシステムを使用したビジネスのやり方(ビジネス・モデルまたはビジネス・メソッド)」が特許になるということが、注目されるようになったのです。ビジネス・モデル特許は、昔から出願されており、皆無ではなかったのですが。

    したがってビジネスモデル特許も、特許法のいう4つの要件を満たす必要があります。
    • @自然法則を利用していること−−−アイデアだけでなく、コンピュータシステムを活用したもの
    • A新規性があること−−−今までなかった方法であること。公知でないこと
    • B進歩性があること−−−その分野での最高技術水準で、高度な知識と創作能力を必要とすること。画期的であること
    • C有用性−−−産業上、具体的に利用できること
例えば、有名なビジネス・モデル特許の例を説明します。
会社名特許の通称特許の内容
米プライスライン・トッド・コム逆オークション特許買い手がものやサービスに対して、価格などの条件を付けて購買提案を出し、売り手が応じた場合に取引を成立させるためのシステムと手法
ジュリエット・ハリントン氏ショピング・カート特許複数サイトで購入した商品の支払を、一つのサイトで済ませるシステムと手法
住友銀行パーフェクト特許顧客の振り込みを、顧客毎に仮想口座を割り当てて、入金を確認するシステムと手法

この他、日本でも沢山のビジネス・モデル特許が申請されている。

これらのビジネス・モデル特許戦争に打ち勝つために、企業やソフトウェア会社は、まず、ビジネス・モデルを構築する方法論を修得するところから勉強をはじめなければならない。



2000年質問番号26.新しい情報システムの種類と形態

質問  教科書に出ている情報システムの種類は、すこし古いようですが、これからの情報システムの種類や形態を教えて下さい

回答  教科書を書いた時点では、私は過去を3つに分けて、情報システムの進歩を説明していますが、最近の私の論文では、4つに分けています。最近の動向を分析した結果一つ増えたのです。

その4つ目を含めた情報システムの進歩を次に示します。
区分世代パラダイムタイム名企業組織情報システムの内容
今までの説明第一世代大量事務処理時代機能型管理大量事務処理をシステム化
第二世代組織機能対象時代事業部制管理各組織の業務機能を情報システム化
第三世代個、または個人対象時代ホロン型経営個体や個人を情報システム化
今回の追加第四世代縦横なグループ対象時代知識型経営社内・社外のグループを対象に情報システム化

最近の情報システムは、グループを対象にシステム化を行います。

2000年質問番号30のSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)は、その典型です。
SCMというのは、企業の枠を超えたグループ企業として、製品を供給する関連会社がビジネス・プロセスを協業的に稼働させる情報システムです。
デル・コンピュータが採用して、在庫販売だったパソコンを受注生産に切り替えて成功を収め、世界一のパソコンメーカーになったので、一躍注目された情報システムです。原型は、日本のトヨタのカンバン方式による関連会社との協業システムです。

それ以外に、社内ではERP(綜合業務システム)は、企業の中の機能を従来は、人事・会計・購買・生産・販売といった個別にシステム化していたのを、企業活動というグループにまとめて総合的に管理しようとする情報システムです。

勿論、グループウエアーと言われるソフトウェアが、どの企業にも導入されて、組織という枠にとらわれない、新しいグループとして情報システムを適用しているのが、最近の企業です。
グループウエアーの対象業務は、次の通りです

SCMは関連事項で見て下さい。
関連質問、
2000年質問番号30.BPRとSCMについて


2000年質問番号27.情報システムを作成する期間は

質問  情報システムを作るのにどの位期間がかかるのですか

回答  情報システムを開発する期間は、作成する対象や方法によって大きく異なります。

ですが、一般的には開発する対象の「ファンクション・ポイント数」や「コーディング・ステップ数」で開発期間を計算します。

次の表は、一般的な開発生産性の数字です。生産性の数字は、要件定義を除外した基本設計から情報システムの本番までの仕事を対象に、1人が1カ月に開発できるファンクションポイント数またはCOBOLのステップ数を示します。

例えば、ファンクション・ポイントで表示したソフトウェア開発生産性が10の場合、開発規模が1000ポイントの情報システムは、100人月、即ち、1人ですれば100カ月間、10人ですれば10カ月間、開発期間が掛かると言うことを意味します。

開発の規模は、さまざまですが、一般的な会社ですと

  • 工程管理は、100000ステップ=約140本=約877ファンクションポイント
  • 原価計算は、100000ステップ=約140本=約877ファンクションポイント
  • 品質管理は、50000ステップ=約70本=約438ファンクションポイント
  • 販売管理は、100000ステップ=約140本=約877ファンクションポイント
  • 購買管理は、50000ステップ=約70本=約438ファンクションポイント
  • 人事管理は、50000ステップ=約70本=約438ファンクションポイント
の規模になります。

これらのシステムが、開発にどの位の期間が掛かるか、次の生産性の数字を使って計算して下さい。
この生産性は、要件定義を除いた、基本設計から本番までの生産性の数字です。
開発方法ファンクション・ポイントの生産性COBOLでの生産性100000ステップ規模の情報システムの開発を10人で開発するとしたら、何ヶ月掛かるか
1.大規模政府プロジェクト2/人月228/人月44月間
2.従来型開発方法91211月間
3.良く管理された開発方法1314827月間
4.4GL(第四世代言語)とCASE(開発支援ソフトウェア)を使った開発3539902.5月間
5.RAD(高速開発法)を使用した開発100114001月間

日本は、開発生産性は非常に低く、上記の2から3の間です。
米国は、4から5の間です。


2000年質問番号28.コンビニのATMとIモードの座席予約のITは

質問  最近、銀行のATMがコンビニに置かれたり、JRの座席予約がIモードで可能になったりしますが、これはすべて今までと同じオンラインシステムですか。その導入の利点、欠点は

回答  内容は、どちらも今までと同じオンラインシステムから出ています。ただ、iモードは、表示桁数が少ないのと、入力が難しいので、表示の内容を簡素化したり、入力を少なくして「選択で入力する」方法を採用するように、入出力のところだけを書き換えているだけです。
表示の言語も、標準のHTML言語ではなくて、HTMLとよく似ていますが、若干機能が少ない「C−HTML(コンパクトHTML)」を採用しています。

コンビニのATMは、銀行のATMと全く同じシステムに繋がっています。



2000年質問番号29.ASPとは何ですか

質問  ASP(アプリケーションサービスプロバイダー)が続々登場していますが、日本では発展するのでしょか

回答  ASPは、プロバイダーという単語が最後に来ているので、アプリケーションをサービスとして提供する業者ということになりますが、実際は、業者でなく、その業務内容を意味しています。

アプリケーション(業務)を提供するのですが、大きく分けて5つの種類があります。

大きな期待が寄せられましたが、最近の雑誌記事によりますと。思ったり希望者が少ないようです。

  • メリットは、
    1. 自分で開発をしないので、初期投資が少なくて済みます。
    2. 本番をすぐできます。
  • デメリットは、
    1. システムは、パッケージソフトを使用しますので、自分なりのシステムができない。
    2. 通信費が馬鹿にならない。
    3. 機密保持に不安がある。
    4. 中小企業向けの「よいパッケージソフト」が少ない

もう少し、廻りの環境が整えば、日本でもASPは、適用者が増えると思います。
まず、中小企業が、情報システムの必要性を認識することです。


2000年質問番号30.BPRとSCMについて

質問  BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)とこれから期待されているSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)について教えて下さい

回答



2000年質問番号31.コンピュータ・ウイルスについて

質問  パソコンを買うと、コンピュータ・ウイルスに注意しないといけないのですか。ワクチンソフトウェアはどこで手に入れますか

回答  パソコンを買って、インターネットをするのなら、必ず、コンピュータ・ウイルスに注意して下さい。必ず、ウイルスが入ってきます。このごろは、インターネットで自動的に増殖するウイルスが多く、被害も甚大です。

ワクチンソフトウェアも、パソコンと同時に購入して、必ず、リアルタイム状態にしておいて下さい。そうしないと、折角、ワクチンソフトウェアを買っても意味がありません。リアルタイム状態にしておけば、メールなどでウイルスが送られてきてもチェックしてくれます。ただし、リアル状態にするとコンピュータのリソースをかなり使いますので、同時にたくさんの処理を並行できにくくなります。

もう一つ大切なのは、ワクチンソフトウェアのパターンファイルを、ほぼ毎日ダウンロードして更新しておくことです。リアルタイムにしておけば、自動的にダウンロードしてくれます。こうしないと、最新のウイルスを発見、駆除してくれません。


勉強の方法は関連事項で見て下さい。


関連質問、
99年質問番号16. ウイルスはなぜあるのか


2000年質問番号32.パソコンの買い方とプロバイダーの選ぶ方

質問  これからパソコンを買い、プロバイダーに加入します。パソコンとプロバイダーの推奨は何ですか。

回答