99年質問番号12. イントラネットについて

質問  イントラネットについて、単なる社内LANなのですか、もっと特別な機能があるのですか

回答  イントラネットというのは、インターネットの技術を社内のクローズなネットワークの中で活用することである。単なる社内LANだけではない。

そのアプリケーションには、一般的な情報システムとしてイントラネット方式で開発された適用業務以外に、グループウエアと総称される次のようなものがある。

ここでいうイントラネット方式とは、従来のクライアント・サーバー方式(端末側の処理を支援する形で、中央にサーバー機(召使い機)を設置して処理する方式)でなく、端末側には、ソフトウェアとして「ブラウザー」だけを持っていて、すべての処理をサーバー側で行うWEB方式のことをいう。

  1. 電子メール・情報を交換する仕組み
  2. 情報共有・情報を共有する仕組み
  3. プロジェクト管理・仕事の進捗と内容を確認し合う仕組み
  4. 電子掲示板・情報を掲示する仕組み
  5. 電子会議室・会議をする仕組み
  6. スケジュール管理・各人のスケジュールを調整する仕組み
これらのアプリケーションは、すべてグループ活動の情報の伝達や蓄積をスムーズにする働きをする。



99年質問番号13. MISとSISの違い

質問  MIS(経営情報システム)とSIS(戦略的情報システム)の違いなんですか

回答  1.2つの言葉の違いは、2つの時代の情報システム化の発展段階による差があるだけで、意図するところは同じかもしれない。

2.もともとMISというのは、コンピュータの適用を日常業務だけでなく、計画や管理の業務や、さらに戦略的業務まで拡げるべきであるという概念である。これは、当時コンピュータが請求金額計算とか給与計算とか生産実績の集計など低レベルの業務にしか使用されていなかったのを、もっと高度の業務にも適用するべきであるという概念で時期を得た重要で有効な考えであった。

その後、計画とか管理といった情報システムは、情報を使った意思決定システムであるという定義がなされ、意思決定支援システムという名称が生まれた。この意思決定支援システムには「物事を決めたいときに」「適切な情報が必要である」というニーズがあり、「欲しいときに欲しい情報を整備する」のがMISであると言う風に変遷したのである。

3,SISは、MISの後に出てきた概念である。MISが、戦略的業務まで適用すべきであるという概念から「意思決定支援システム」へと変遷したので、もっと戦略的に経営活動を支援するべきであるとしたのが、SISの概念である。戦略を遂行することを支援すべきであり、その一部の意思決定だけに限定すべきではないとした考えである。1985年頃から定義つけられた考えである。

4.SISもMISも今でも生きている概念である。



99年質問番号14. 電子メールが導入されたとき中間管理職の役割

質問  会社に電子メールが導入されると、情報が末端から上層部に直接行くので、中間管理職は不要になるという説がありますが、どう思われますか

回答  本当は、直接上層部に情報が行くのではなくて、中間層で解釈されて付加価値をつけて上層部に行くのが正当な情報の流れだと思います。

ただ、中間層が従来のような考え方で、情報を隠すことによって権力を維持しようとすれば、そんな中間管理職は不要です。

しかし、従来からも、これからも「戦闘部隊の長」は中間管理職です。つまり中間管理職は「プロジェクトリーダ」になるべきであり、そうした中間管理職が今後求められていくと思う。そういった意味から電子メールは、中間管理職の重要なツールになると思います。


99年質問番号15.システムエンジニアはどういったことをするのですか

質問  システムエンジニアはどういったことをするのですか、またシステムエンジニアになるためには、何を、どのように勉強すれば良いですか。

回答  1.システムエンジニアの仕事は、コンピュータやネットワークを使って、「業務を遂行する仕組み」や「ソフトウェアのパッケージ」を作る仕事です。
まず、業務をコンピュータに乗りやすいように整理して(設計工程)、それからコンピュータに業務を移行します(開発工程=プログラミング工程)。

2.しかし、これ以外にもシステムエンジニアリングの仕事は、多様化しており、情報処理技術者試験を参考にすれば、現在15種類に分類されています。

2種・・・プログラマ・・・・・プログラミングのみ行う人たち。入門的試験
1種・・・適用業務SE・・・・一般の事務業務システムを開発する。入門的試験
プロダクションSE・・・適用業務SE・・・一般の事務業務システムを開発する、ただし、開発工程担当
アプリケーションSE・・・適用業務SE・・・一般の事務業務システムを開発する、ただし、設計工程担当。
デベロップメントSE・・・パッケージ開発SE

ネットワークスペシャリスト・・・ネットワークSE
データベーススペシャリスト・・・データベースSE
基本システムスペシャイスト・・・OS周りのSE

ソフトウェア生産技術スペシャリスト・・・CASE等ソフトウェア生産技術SE
システム運用管理SE・・・システムの運用SE
教育エンジニア・・・コンピュータ教育SE
マイコン応用SE・・・マイクロコンピュータ(制御系システム)SE

プロジェクトマネージャ・・・システム開発のプロジェクトリーダ
システムアナリスト・・・コンサルタント的SE

これ以外に
初級システムアドミニストレータ・・・利用部門の情報システムの運用センター的役割担当
上級システムアドミニストレータ・・・利用部門の情報システムの推進担当

システムエンジニアに必要な能力については、98年質問番号22.システムエンジニアになるためには にリンクしますので見て下さい。


関連項目、
98年質問番号22.システムエンジニアになるためには
98年質問番号28.SEの仕事
98年質問番号16. ウイルスはなぜあるのか

質問  コンピュータ・ウイルスはなぜあるのですか。どうすれば作れますか。どうすれば対処できますか。

回答  1.なぜコンピュータ・ウイルスがあるか。
多分、人間の好奇心から、わるさをしたくなって、「変な動作をするプログラム」を作ったら、おもしろかったので、みんなにばらまいたのでしょう。いつの世にもそういう人はいますよね。

2.どうして作るのか。
私もわかりません。作りたいとも思いませんので、回答できません。

3.どう対処すべきか。

次のように考えて下さい。

  1. 安全と思われる相手からしかデータは貰わない。
  2. 万一のことを考えて、データはバックアップを取っておく。
  3. インターネット等どうしても不特定な場所からデータを貰うことがある場合は、ウイル スワクチン・ソフトウェアを導入して、常に監視する。
  4. ウイルスに感染したら、原則そのファイルまたはFDは廃却する。
  5. 次善の策として、ワクチンソフトウェアで駆除する。
残念ながら、感染したら、自分で手動で駆除する方法はありません。
最低限、インターネットでワクチン駆除プログラムに繋いで、駆除して下さい。
私は、勿論ワクチンソフトウェアを導入しています。ワクチンのパターンデータは、2日に1回は自動更新されます。それだけ、新しいウイルスの発生は頻度が多いのです。

情報化社会のコストです。


関連項目、
98年質問番号23. ウイルスの被害

99年質問番号17.ネオダマとは

近畿大学商経学部の学生は、ここにカーソルを置いて下さい。
質問  ネオダマという言葉を見たのですが、意味を教えて下さい。

回答  すこし古い言葉ですが、基本的な言葉ですので、説明しておきます。
ネオダマとは、これからのシステムは、ネオダマで構成されると言う意味で、1985年頃流行った言葉です。今の情報システムは、したがって、ネオダマによって構成されています。



99年質問番号18. 電子マネーは発展しますか

質問  電子マネーは、どういった仕組みですか、これから発展しますか

回答  電子マネーの仕組みについての説明は、下記の関連質問の回答を見て下さい。
ここでは、今行われている実験について説明しておきます。
実験プロジェクト名モニター数出店数決済方法利用店舗
大宮ICカード7万人店舗55点電話30台JR発券機2第ICデビットカードデパート、他
渋谷スママートカードソサエティ10万人2000店舗ICクレジット/プリペイド地区の店舗他
新宿銀行のスーパーキャシュ10万人1000店リアル/バーチャル兼用ICカード新宿地区、バーチャル店
なお、日本の磁気ストライプカードおよびICカードの発行予想は、次の通りである。


関連質問、
98年質問番号25. 電子マネーはどうなのか

97年質問番号38. 電子マネーについて


99年質問番号19. 電子決済はどうですか

質問 インターネットにクレジット番号を入力するのは、すこし不安がありますが、電子決済は今後伸びますか

回答  オンライン・ショピングのシステムは、完全に出来上がりました。正規のオンライン・ショピングでは、もうクレジットカード番号を盗まれることはないでしょう。

ただし個人が勝手に行っているオンライン・ショッピングは注意が必要です。詐欺事件になることがあります。自分で自衛するしかありません。街頭のキャッチ販売や悪質な訪問販売・電話販売に騙されるのとおなじです。注意して下さい。

インターネットを利用した電子決済の予測は、米国のVISA International社によると、次のとおりである。
日本での実績は、「日経マーケット・アクセス」の推定では、

  • 1998年11億米ドルで世界の約7%を占める
  • 2002年96億米ドルで世界の訳9%を占める
である。ようやく普及期である。
ちなみに、米国の1997年の分野別のオンライン・ショピング販売額は、次の通りである。


また、企業間の電子決済の予想は、次の通りである。


さらに、企業と個人の間の電子決済の予想は、次の通りである。



ちなみに、98年のネットワーク犯罪は415件で、内訳は次の通りである。




98年質問番号20. POSについて

質問  POSシステムについて詳しく知りたい。

回答  POSについては、過去にも質問がありますので、下記の関連情報を参考にして下さい。
ここでは、セブン・イレブンのシステムについて説明しますが、詳しくは、本を買って勉強して下さい。または、NECのHPで「セブンイレブン」で検索して下さい。磯部氏の論文が読めます。

セブン・イレブンのシステムは、今第5次システムが動いている。



POSで理解して欲しいのは、それは必ず「発注」と結びついていることである。
セブンイレブンのシステムも、実績を取るPOS、入庫、在庫を調べるスキャナー(ST)、学生アルバイトでも操作できる発注用のターミナル(GOTーグラフィック・オーダー・ターミナル)が一対となってシステムは構成されている。


そして、セブンイレブンが管理するのは、「売れ筋」でなく「死に筋」である。
「5ヶ仕入れて3ヶ売れ残らないように管理することを重点にしている」
お店の品目は、平均2500品目、本部から通信衛星を使って画像付きで推奨してくる品目は、1週間に80品目、だから、推奨品目をすべて採用すると、32週=8カ月で、商品は入れ替わってします。

そこが、店長の腕の見せ所であると同時に、セブンイレブンの最大の強みである「フィールドカウセラー」の助言がものをいうところである。「フィールドカウセラー」は1人で7〜8店舗を担当する。「フィールドカウセラー」7〜8人に対して1人の「ディスクリクトマネジャー」がおり、「ディスクリクトマネージャー」7〜8人に対して1人の「ゾーンマネジャー」がいて、8000店に対して8000種類の品揃えを実施して、小売では日本最高の売上を達成しているのです。

POSがすべてではありません。


関連質問、
98年質問番号62. POSについて

99年質問番号21. バーコードについて

質問  バーコードはなぜ読めるのですか。

回答  バーコードには、2種類の方法で読みとります。
方式名発光体受光体
レザー方式レザーダイオードからのレザーフォトダイオード
CCD方式光源用LEDCCDイメージセンサー
要するに、どちらも光をバーコードに当てて、その反射光を読むのです。
黒いところは反射がない、白いところは反射がある。黒と白の線の組み合わせで、文字が決まります。
その組み合わせの種類は、次の通りです。
種類JANITFCODE39NW−7CODE128
文字の種類数字のみ0〜9数字のみ0〜9数字・アルファベット・記号・スタートストップ数字・記号・スタートストップ全アスキーコード
表現できる桁数13桁または8桁偶数桁のみ自由自由自由
特徴JISで規格化されているバオーコードを小さくできるアルファベットが扱える記号が表現できるあらゆる種類の文字が表現できる
使用実績世界共通・生活用品の90%・書籍・アパレル物流・ビデオ自動車業界・電子業界医療・宅急便・図書館・DPE


99年質問番号22. シスアドの受験勉強

質問  シスアドの試験を受けるために、どんな勉強をすれば良いですか。これからシスアドの資格はどうなりますか

回答  これから、シスアドの資格は、企業内でだんだん重要になります。次の制度変更で「監査役」的な方向に変更される予定です。今の内に資格を取っておいて下さい。

私の「情報システム論」は、シスアドの勉強には直接あまり役に立ちません。「システム設計論」の方はかなり役に立ちます。

もっとも、SEになろうという人は、2種とか1種が有効です。
勉強の方法は関連事項で見て下さい。


関連質問、
98年質問番号33. シスアドの受験勉強方法


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