81年4月23日、蔵前国技館でのD・キッドとの、あまりに有名なデビュー戦で着用したもの。当時はおもちゃメーカーのポピーが製作を担当、マスク・コスチューム一式を提供していたという。耳や白毛は表現されているが、基本的に従来のプロレスのマスクの域を脱していないデザインだ。模様は手書きだったとの話が流布しており、あまりの格好の悪さに観客から失笑を浴びた。しかし今日では意外にファンの多いマスクでもある。
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通称「縫いぐるみ」。デビュー戦後の再度のメキシコ遠征に始まり、国内では同年5月7日、京王プラザホテルでの斉藤弘幸(現・ヒロ斉藤)とのエキジビションマッチ以後、短期間のみ着用した。アニメのタイガーを比較的忠実に再現し、耳や白毛など既に後年のタイガーらしさの萌芽が見られる。ただいかんせん不格好な上、布地に難があり吸湿性などの面でも実戦向きではなかったといい、早々に姿を消した。よくこんなマスクで試合ができたものだ。
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同年5月12日、名取大会でのC・アダムス戦で使ったマスクで、一見して分かるように上記のデビュー戦マスクのバリエーションである。ただし目の部分の開口部を広げ、視界を確保している。推測するに「縫いぐるみ」があまりに実戦性に欠けたことから、デビュー戦マスクを改良して復活し、当座をしのいだのだろう。模様も若干改められているようだ。雑誌などにはほとんど記載がなかった「幻のマスク」であり、この写真は今となっては貴重な映像である(H.Yさん、A.Sさんからの情報提供、写真はタイガーIIIさんの提供)。
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「牙付き」と呼ばれるタイプで、同年6月の日本定着宣言から約半年間、着用した名作。耳の角度などにバリエーションがある。M・マスカラスの型紙をベースにしたとの推測があり、デザイン面ではマニアの間でも評価が高いが、顔が大きく見えてしまうのが難。加えて未防縮のため洗うたびに縮んでしまい、試合ごとに水に浸けて伸ばさねばならなかったという。また口の開きが小さく呼吸が苦しかったようで、同年11月5日、蔵前でのG・浜田戦では大きく切り開いたものを使った。これは本人が鋏で加工したらしい。後期の作品は豊島裕司氏の手になるもので、それまではロペス製だったとか。
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「伝説」タイプと呼ばれるデザインの初期のもので、82年1月1日、後楽園ホールでのD・キッドとのWWFジュニアヘビー級王座決定戦から着用したことから、特に「元旦」タイプとも称される。「牙付き」の欠点を改良し、口の部分が大きく開かれているのが特徴。全体的に軽量化された印象がある。豊島氏の力作だ。なお同氏を佐山に紹介したのは、あの古舘伊知郎アナだったという。
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「伝説」タイプの後期デザイン。全体的なバランスが修整され、横長気味だった印象が極めてスマートになった。夏向けにメッシュ地を使い、通気性を向上したバリエーションもあった。ここに至ってタイガーのマスクデザインはほぼ完成したと見られ、以後4代目に至るまでの大半のマスクはこれのバリエーションといっても過言ではないだろう。タイガーが本格的にブレイクした時期に当たり、素人目に見てもかっこいい。現在でもファンの多い名作中の名作である。
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鼻と口の開口部を一体化することで更に呼吸をし易くしたもので、「ヤギリ」と呼ばれるモデル。名前の由来は口が八の字に開かれていることから「八切」、あるいは口の横に矢尻のような模様があるから「矢切」だともされる。同年10月の「闘魂シリーズ」からトータルで約7ヶ月間、着用した。小林邦にさんざん破かれたのもこのタイプ。「伝説」「牙付き」と並んでファンの支持を受けたデザインである。
| なお佐山本人によれば、正しくは「鏃」(ヤジリ)と呼ぶのだという。
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「ヤギリ」のバリエーションのひとつで、口の横の矢尻のような模様が上下逆となっている(上の写真と比較していただきたい)ことから「逆ヤギリ」との通称がついたバリエーション。83年1月の「新春黄金シリーズ」あたりから着用するようになった。誕生の発端は、豊島氏の模様の付け間違いだったという。矢尻模様以外の部分では、「ヤギリ」との違いはとくに目に付かない。なお口の開口部がより丸く、横一線に近いほど開かれたモデルもある。
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下の「IIIマーク」の原型となったマスクで、タイガーが出演したテレビCMにちなみ「パルキー」と呼ばれる。試合では83年6月13日、メキシコでのフィッシュマンとのWWFジュニアヘビー級王座決定戦で初使用し、帰国後の「サマーファイト・シリーズ」序盤でも着用した。もともとはファンが注文したオリジナルデザインで、山崎一彦氏が製作したという(関Jrさんからの情報提供)。「IIIマーク」と比較すると目の上や白毛の横の模様、頬からこめかみにかけての3本ラインの太さなどが違っていることがよく分かる(なおこの写真は、紫竜さんからご提供いただきました)。
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梶原一騎事件の余波でコスチュームともどもイメージチェンジを余儀なくされたもので、額の文字から「IIIマーク」と称される。上の「パルキー」をベースに、デザインを改めたモデルだ。これまでのマスクは梶原原作のアニメ「タイガーマスク二世」をイメージしたが、「III」の文字はそれを脱却し、ヘビー級進出をも視野に入れた「三世」を意味するのだという。試合では同年7月ごろの「サマーファイト・シリーズ」中盤から、引退までの約1ヶ月間着用した。「タイガースリー」と呼ばれることもある。
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初代タイガー最後のマスク。上の「IIIマーク」のバリエーションで、鼻がやや長いことから「エレファント」または「ファイナルタイガー」と呼ばれるモデル。デザインは山崎一彦氏の手になるもので、「IIIマーク」と比べると鼻の長さのほか、「III」の文字が小さく、眉間の模様の位置が違うなどの識別点がある。タイガーには2枚納品され、試合では同年8月4日、蔵前国技館での寺西とのラストマッチでしか着用しなかったという(エル・ティグレさんからの情報提供)。
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上の「エレファント」の、赤と金のハーフタイプモデル。同年7月7日、大阪での寺西とのNWA世界ジュニアヘビー級王座防衛戦後、乱入した小林邦にマスク(『パルキー』)を破かれた際、観客が投げ入れたものをつけた。従って、これは試合では使用していない。テレビ東京系番組「開運なんでも鑑定団」の99年5月18日放送分にこの観客自身が出品し、16年ぶりに脚光を浴びた。なお初代タイガーは赤ラメのマスクも使う予定で完成済みだったというが、お披露目の前に引退してしまった。
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ザ・タイガー/スーパー・タイガー/復活初代タイガーマスク/タイガーキング