TIGERFACE

4代目タイガーマスク・覆面の変遷

4代目タイガーマスク

95年5月20日、西日本プロレスの熊本大会で佐山聡のエキジビション・パートナーを務め、初めてファンの前に姿を見せたときに着用したマスク。分かりにくい写真だが白銀一色で、目の周りのみタイガーマスクらしい縁取りが施されている。コスチュームは同じ色のロングタイツにレガースで、オープンハンドのグローブも着けた。デビューを2ヵ月後に控え観客の前でのファイト経験を積ませた形で、この後もFSRマットで2回、同じマスクを着けてエキジビションを披露している。
同年7月15日、「格闘技の祭典'95」におけるデビュー戦から使用している4代目オリジナルのマスク。便宜上、ここでは「4代目牙付き」と呼ぶことにする(牙の付いていないバリエーションも存在する)。非常によく出来たデザインで、額のあたりはザ・タイガー、頬は初代タイガーの「III」マークかスーパー・タイガー、口の上は「伝説」といった感じである。初代の覆面はアニメ版「タイガーマスク2世」をモチーフとしたが、こちらは第1作を意識しているらしいことが、目の下に白いラインが入っているあたりから窺われる。
なお佐山が初めて4代目の育成を明かした「ゴング」誌のインタビュー(94年8月)では、「マスクのデザインも既に考案中」としていたが、これがそうなのだろうか。
上の「4代目牙付き」タイプのマイナー・チェンジ版だが、試合で使ったかどうかは未確認。額のデザインが大きな矢印のように改められており、3代目タイガーの「ヒール・バージョン」や後のタイガーキングに似た感じになった。その中にはひし形のマークが追加されているが、これは立体的なものだったという。牙の位置もやや左右に後退している。ちなみに4代目のマスクは同じ金ラメでも初代のものとはやや色合いが異なり、どちらかというと山吹色に近い。
96年1月1日の仙台大会で着用した「4代目牙付き」タイプの色違いバージョンで、銀ラメ地としている。かつてのスーパー・タイガーを想起させる色使いだ。4代目はほかに赤ラメ地の同タイプマスクも所有しており、雑誌のグラビアで着けたことがあるが、試合で使用したことがあるかどうかは未確認。この銀ラメ版もその後はほとんど使っていないようである。
同年6月30日、横浜アリーナでの「力道山メモリアル」での復活初代タイガー戦などで着用したもので、初代の「ヤギリ」と同様、口と鼻の開口部を一体化させ八の字に切り開いたモデル。牙も廃止され、ややシンプルな印象を受ける。デザイン的にはともかく、試合中の呼吸はこちらの方が楽だろう。ただ4代目の場合、このデザインに完全に切り替えたというわけではなく、当初の「4代目牙付き」も並行して多用しており、こちらのモデルはその後あまり見かけないようになった。
同年11月12日の群馬大会で復活初代とタッグを組んだ際、使ったもの。「4代目牙付き」モデルと同じデザインだが、金ベースの虎縞地に、金色模様としたバリエーション。目の下の部分は赤になった。復活初代がこの1ヶ月前、10月10日の両国国技館大会で使った「竹脇」モデルと同じコンセプトのマスクである。この日はタイツも特別仕様で、脚部が黄色地に黒柄模様とされた。正直なところ、タイツも含めてあまりスマートとは言い難いカラーリングだった。
これは縫いぐるみ風のオーバーマスクで、やはりこの日の群馬大会の入場時、復活初代と揃って着用したもの。初代がアニメ版「タイガーマスク2世」そっくりのオーバーマスクを着けたのに対して、こちらは第1作に忠実なデザインだ。約1年後の「'97格闘技の祭典SPECIAL」での夢のタッグマッチ「タイガーマスク★フェスティバル」でも再度、お目見えした。初代のオーバーマスクはザ・タイガー/スーパー・タイガー/復活初代タイガーマスク/タイガーキング・覆面の変遷を参照されたい。
長期欠場明けの97年4月ごろに、一時的に使ったモデル。まったくの新デザインで、大きく描かれた口、牙など一見して分かるようにアニメ版の影響を強く受けている。眉間のあたりは後のタイガーキングにも似ており、鼻の横のデザインはさながら猫のヒゲのようだ。口の開きも小さく、見るからに苦しそうである。会場では観客がオーバーマスクと勘違いして野次を飛ばしたといい、すぐに姿を消してしまった。失敗作といっていいだろう。
なおこの写真はみちのくプロレスのページ(ほんず氏)からご提供いただきました。
98年1月20日、格闘探偵団バトラーツの後楽園大会から使い始めたタイプで、通称「EX」。基本的には従来の「4代目牙付き」のデザインを踏襲しているが、デザインは一新され、目の周辺や鼻の横などの模様が大きく変更されている。鼻が高く立体感があり、白毛もボリューム感を増している。寅年だったからということもあるまいが、動物の虎に近い印象を受ける。
この写真もみちのくプロレスのページ(ほんず氏)からご提供いただきました。ありがとうございます。
上記「EX」モデルの色違いバリエーションで、同年3月1日の大阪・高石大会から着用したもの。青地に銀模様としている。目頭のあたりの模様は白から赤に、目の周辺は金色に改めた。牙も大きい。なんだかタイガーマスクという感じがしない。
なおこの写真もみちのくプロレスのページ(ほんず氏)からお借りしたものですが、同様の写真をDOKKEN'S ROOM/TIGERMASK(三宅喜満氏)からもご提供いただきました。ありがとうございます。
同年7月17日、マーシャルアーツ日本キックボクシング連盟の後楽園大会に出場し、バトラーツの土方とバーリ・トゥード戦を行ったとき着用した特別仕様のマスク。耳や白毛は廃され、布地もラメではなく、薄いものを使うなど、プライベートマスクに近い印象がある。このときはタイツも黄色のショートタイツで、シューティング用のグローブを着けた。歴代タイガーとしては異例のスタイルだが、かつて獣神T・ライガーが「対ヘビー級用コスチューム」を作っていたことはある。
98年8月の「覆面ワールドリーグ戦選考会」シリーズ中から使い始めたモデル。デザインは上に掲げた「4代目牙付き」と同じ(但し牙は廃されている)だが、青と金ラメのハーフタイプとなっている。やはり4代目のマスクでは、このデザインがもっとも歴代タイガーに近い、完成された印象を受けるのだが、いかがだろうか。この写真もみちのくプロレスのページ(ほんず氏)からご提供いただきました。
同年10月24日、両国国技館でのUFO旗揚げ戦に出場し、バトラーツの日高とノールールマッチで対戦したとき着用した斬新なマスク。上掲の土方戦のときと同コンセプトの「格闘技」仕様だが、視界と呼吸に配慮したほか、側面や後頭部を大きく開き、耳の部分はハトメ状にした極めて実戦的なデザイン。白毛も布地で表現されており、従来のプロレスのマスクの範疇を大きく飛び出したものとなっている。コスチュームはタイツ脚部の模様が改められ、「UFO」と文字の入ったレガースとグローブを付けた。
99年2月12日、バトラーツ長崎大会で被ったバージョン。デザインは上掲の「力道山メモリアル」時のモデルと同じ。銀ラメ地に紫模様という配色は一時期のS・タイガーと同じだ。目の下の部分は赤になった。なおコスチュームでは以前のパンタロンを廃し、UFO参戦時と同じデザインのタイツ&レガースだった。バトラーツ参戦時にはこの種のマスクを着用することが多く、ファイトスタイルともどもS・タイガーを意識しているようだ。
同年4月、浪花と共に英国遠征し、同月11日、ロンドンでの英連邦ミッドヘビー級王座決定戦に出場したときのマスク。一見して判るように初代タイガーの「ヤギリ」を元にしたデザインで、佐山からは「初代のマスクでタイガー旋風を起こしてくれ」と激励されたという。しかし「ヤギリ」と比べると、白毛の下側の生え際部分がボリュームを増し、鼻の横の矢尻のような模様が水平に近くなっている。この日はコスチュームもパンタロンではなく、久々に初代と同じタイツだったが、バックの腰の部分の模様が少し違った。マントも、肩の部分が別の布地になったものを着用。同月13日、クロイドン大会でも同じマスクを被った。
同年5月2日、東京ドームでの全日本「G・馬場『引退』記念興行」に初出場し、T・G・サスケ、ハヤブサ(FMW)と夢のマスクマン・トリオを結成したときのマスク。初代タイガーの「ヤギリ」そのものであり、上の英国遠征の時のバリエーションと比べると違いが良くわかる。この大会でもわざわざ初代のマスクを着用した真意は不明だが、長らく全日マット出場を期待されつつもついに実現しなかった初代の思いを代弁したもの、と考えるのはうがち過ぎだろうか。なお、コスチュームはいつものパンタロン・スタイルに戻っていた。その後、みちのくマットでもこのマスクを使っている。なお2・3代目に続き、4代目が初代のマスクを着けたのはこれが初めてだ。
「初代マスク」シリーズ第2弾?で、同年7月、みちのく「覆面W・リーグ戦」中などに被った。一見して分かるようにデザインは「IIIマーク」だが、鼻の長さ、眉間の模様などはむしろ「エレファント」に近い。しかし額のマークは比較的大きく、かつ頭頂部の「3段イチョウ」との間隔も広いなど、「III」マーク風の特徴もある。頬からこめかみにかけての3本ラインもやや細く見え、4代目オリジナルのデザインと言ったほうがいいかも知れない。
同年8月29日、前橋でのG・浜田主催興行で着用したマスクで、「IIIマーク」の金・青ハーフタイプだ。ただし上のマスクと同様、鼻の長さは「エレファント」だが、額のマーク周辺は「IIIマーク」に近い。眉間の模様は上のモデルよりも長くなっているようで、これまた新しいデザインなのかも知れない。
同年10月17日、横浜でのバトラーツとの合同興行で、「平成版スーパー・タイガー対藤原」と称して臼田と対戦した際、被ったもの。バトラーツに出場するときはS・タイガーを意識し、銀ラメのマスクを着用することが多かったが、これは一見して分かるようにタイガーキングのマスクである。4代目がタイガーキングのマスクを被ったのは、恐らくこれが初めてだろう。ただし銀(一部金)地に紫模様とし、S・タイガーに近いイメージを打ち出している。なお同年6月9日、故・空中正三氏7回忌追悼興行では初代がこれと同様のマスクを被っていた(ザ・タイガー〜タイガーキング・覆面の変遷参照)。
2000年8月ごろから被り始めた新デザインのマスク。「4代目牙付き」に似ているが、目の周辺の白い部分が上部にも入れられており、目の開口部は広がっているようだ。額や頬からこめかみにかけての模様はやや簡略化されており、写真では分からないが後頭部には虎の絵が描かれている。口の開きは「ヤギリ」型。全体的にマンガチックな印象がある。なお初代タイガーも掣圏道マットなどで、これと同じマスクを被っているようだ(ザ・タイガー〜タイガーキング・覆面の変遷参照)。
なおこの写真は仙台市のOさんからご提供いただきました。
同年9月30日、バトラーツの名古屋大会でA・ウォリアーと異色のタッグを結成した際、登場したスペシャル・デザイン。ご覧の通りR・ウォリアーズのペイントをモチーフにした、言うなれば「暴走虎戦士」バージョンであり、恐らく2度と使われることはないだろう。コスチュームは赤のパンタロンのままで変化はなかった。なお試合は合体殺法なども織り交ぜつつ、臼田、村上組を一蹴した。
2001年の第1戦、1月14日の仙台大会から使用しており、Y・N(ヒロ)こと中村之洋氏製に移行した第1作。細部は異なるものの、基本的にはかつてのS・タイガーのデザインを踏襲しているようだ。金ラメ地に紫模様とし、側面ボアの生え際の模様は「TIGER」の文字を崩したもの。写真では分かりにくいが目の開口部にはメッシュを入れている。歴代タイガーの試合用マスクで目を隠したのはこれが初めてだが、ちょっとヒール風の印象を与えてしまうので個人的にはあまり好きではない。なおこのマスクは、タイガー本人が3時間かけてデザインしたのだとか(情報提供:虎彦の父さん)。
同年4月の「GWシリーズ」から使い始めたもので、上のモデルから目のメッシュを外したもの。本人曰く「タイガーマスクにS・タイガーをミックスさせた」デザインで、上と同様金ラメ地にS・タイガーと似た模様を紫で入れている。パンタロンもS・タイガーを意識して紫に変え、臀部には「TIGERMASK」のロゴが入った。これまでもバトラーツ参戦時などにS・タイガー風のマスクを好んで使用していたが、この時期はこのスタイルに統一し、試合内容もシューティング色をより強く打ち出していくつもりのようだった。紫と金という色は、いまひとつ合っていないような気がする。また、華やかさが薄れたのも残念だ。
上の新モデルの色違いバージョンだ。やはり同シリーズ中からたまに使っており、カラーリングを反転させて紫ラメ地に金模様としている。紫のマスクは、S・タイガーの初期のマスク以来のお目見えである(ザ・タイガー〜タイガーキング・覆面の変遷参照)。上のマスクよりこちらの方がやや気品のある印象だが、紫という色はどうしてもスピード感を欠き、重々しくなってしまう感が否めない。
02年1月4日、新日本の東京ドーム大会に初出場したときから着用した新モデル。やはりY・N(ヒロ)製という。久々に金ラメ地に黒模様、コスチュームも赤パンタロンに戻り、タイガーマスクらしくなった。パッと見た印象はザ・タイガーによく似ているが、目の上の模様がいささか大き過ぎて眉毛のように見えてしまうのが残念だ。前年11月27日、みちのく・日田大会に獣神T・ライガーが出現、ドーム出場を要請したときにもこれとよく似たデザインのプライベートマスクを被っていた。
なお、この写真も仙台市のOさんからご提供いただきました。
同年2月3日、後楽園ホール大会などで被ったマスク。上のタイプのカラーリングを改め、パンタロンに合わせて赤ラメ地としたものだ。赤いマスクは歴代タイガーでは2代目、復活初代に続くものだが、どちらかと言えば朱色に近い感じだ。試合では最後、日高に剥がされてしまった。
同年夏ごろから使い始めたオレンジ色のバージョン。オレンジのマスクと言えば歴代タイガーでは2代目のシンボルであり、それ以外では4代目も含めて初めてのチョイスだ。8月25日、仙台大会でのD・東郷との東北ジュニアヘビー級初代王座決定戦で、流血戦の末に真っ赤に染められたのが印象深い。
同年10月12日、新日本の後楽園ホール大会あたりから被り始めた新モデル。ザ・タイガー風な額のデザインは上記モデルと似ているが、頬からこめかみにかけては上記モデルが「伝説」「ヤギリ」風とするなら、こちらはさしずめ「IIIマーク」風か。目の上下の模様もかなり整理され、シンプルになった。コスチュームは赤パンタロンのままである。
上の新マスクのマイナーチェンジ版で、同年11月8日、東京・大田区体育館での旗揚げ10周年記念興行第3弾で新日本のヒートと組み、金本、外道組と対戦した試合から着用。金ラメを改め、黄色のジャージ地を使っているようである。かつて2代目が使った「ビクトリー牙付き」のように、ややレモンイエローに近い色遣いだ(「2代目タイガーマスク・覆面の変遷」参照)。写真をよく見ると目の下の3本ラインの根元がつながっているなど、デザインも若干手直しされているのが分かる。
なお、この写真も仙台市のOさんからご提供いただきました。
上のマスクの金ラメ・バージョン。2つ上のモデルとはデザインの細部が異なっているのが、改めて確認できる。なおこの写真は新日本移籍後の03年1月30日、後楽園ホール大会で撮影されたもので、虎四郎さんからご提供いただきました。
同年3月9日、みちのく徳島市立体育館大会で被った一夜限りの特別モデル。原作アニメ「タイガーマスク二世」版、というより劇画調のデザインを忠実に再現したもので、ウレタンフォーム製だという。オーバーマスクのようだが、本当にこれで試合したのである。見るからに視界が狭そうだし通気性も悪そうで、さぞかし闘いにくかっただろう。コスチュームもアニメ版と同じもの、すなわち初代タイガーのデビュー戦と同じデザインのタイツを着用した。なお試合はかつて遺恨のあった日高とのシングルで、猛虎原爆固めで完全決着をつけた。
04年1月4日、東京ドーム大会で披露された新マスク。頬の辺りのデザインは「伝説」風だが、口の開きは「ヤギリ」タイプであり、黄色のジャージ地と思われる。M・O・タイガーが似たモデルを被っているが、額周辺のデザインが異なる。またパンタロンは黄色に改められ、入場コスチュームのジャンパーも模様が変更された。なおこの日の試合はヒートと組んで邪道、外道組の保持するIWGPジュニアヘビー級タッグ王座に挑戦したものの、敗れている。




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