TIGERFACE

ザ・タイガー/スーパー・タイガー/復活初代タイガーマスク/タイガーキング・
覆面の変遷


ザ・タイガー

ザ・タイガーのマスク。84年1月、テレビ番組「欽ちゃんのどこまでやるの」出演時に公開され、ビデオ収録などに使った。だが肝心のタイガーのカムバック戦がなかなか実現せず、結局実戦で使われたのは同年7月23・24日、後楽園ホールでの「無限大記念日」のみとなった。裏地に新工夫があったというが、これはウェットスーツ素材の採用だったのではないかという。また白毛の位置を後方にずらし、ハトメ風の穴を開けて耳が聞こえやすくしていた(サミー・リーさんからの情報提供)。現在ではポピュラーなキック用レガースも、このときが初登場。
通称「大阪タイガー」。同年、ザ・タイガーからS・タイガーに再変身するまでの期間、大阪でのイベントで着用したためこの名がある。当時、著作権などの問題で従来のマスクが使えず、急造したものらしい。従って試合では使っていない、幻のマスクだ。写真(AKIOさんからの提供)を見るとややオレンジがかっており、ボアは厚め。模様は細い曲線で構成され、これまでのタイガーのイメージからやや離れた感じだ。後年、ジャパン・プロレス時代の新倉と馳がカルガリーでベトコン・エキスプレスに変身した際に、この模様のみ流用し、耳とボアは省いたマスクを被っている。そのつながりなども含めて謎の多いモデルである。

スーパー・タイガー

S・タイガー最初のマスクで、84年8月30日、「ビクトリー・ウイークス」開幕戦でのR・チャーランドとのデビュー戦から1週間、着用。著作権に絡んで2代目タイガーサイドからのクレームを恐れ、紫ラメに銀のデザインとし、後頭部とタイツ臀部に「SUPER TIGER」のロゴを入れた。白毛の生え際の位置も違う。一時は白毛や耳を全廃し、目にメッシュをかけるなど新格闘技の「防具」としてのコンセプトが検討されたとか。
同年9月7日、後楽園ホールでの藤原との「実力No.1決定戦第1ラウンド」から約2ヶ月間、使用したもの。銀ラメに紫模様と、配色を逆転させている。白毛も耳まで届いたことで、だいぶタイガーらしくなった。
同年11月15日、「イヤーエンド・スペシャル」開幕戦から翌年2月の素顔「転向」まで着用。銀ラメに黒(正確には黒紫だったとか)模様へ改めている。コスチュームは脚部タイツは変えず、パンツ部分のみ黒のショートタイプに改めた。なお素顔転向後も、入場時にはこれと似たデザインで、目の部分にメッシュをかけたマスクを着けており、これは12年後、「'97格闘技の祭典SPECIAL」で実現したS・タイガー対藤原戦でも踏襲された。

復活初代タイガーマスク

復帰当初は「IIIマーク」を使ったが、96年6月30日、横浜アリーナ「力道山メモリアル」大会での4代目タイガーとの本格カムバック戦からはこの新マスクを着用。タイガーキング改名まで、基本的にはこれを被った。「伝説」タイプだが、銀一色として4代目との差別化を図っている。コスチュームは青・銀と黒・銀の2種があり、いずれも上半身も覆い隠す半袖のものだった。
一見して分かるように向かって左を「ヤギリ」、右をS・タイガーとしたハーフタイプのマスク。同年8月4日、冴夢来プロの厚木荻野運動公園大会に出場し、渡辺と対戦した際に被ったものである。その後は使われていない。
同年10月10日、みちのく両国国技館大会での夢の6人タッグマッチでM・マスカラス、T・G・サスケと組み、D・キッド、D・カラス、小林邦組と対戦した時に使用した特別バージョンで、大会名にちなみ「竹脇」と呼ばれる。銀ベースの虎縞地に、金色模様となっている。
これはオーバーマスク。同年11月12日、前橋でのG・浜田25周年記念興行で4代目タイガーとタッグを組んだ際、入場時に着用した。アニメの「タイガーマスク二世」に忠実なデザインで、かつての初代タイガー初期の「縫いぐるみ」マスクを想起させる。ちなみに4代目もこの日、アニメ版第1作に似たオーバーマスクを着けた(4代目タイガーマスク・覆面の変遷を参照)。約1年後の「'97格闘技の祭典SPECIAL」でも、2人揃って再使用した。
97年10月12日、両国国技館で開かれた梶原一騎没後10年記念興行「'97格闘技の祭典SPECIAL」での夢のタッグマッチ「タイガーマスク★フェスティバル」で、4代目と組み2代目、3代目組と対戦した時のマスク。写真では分かりにくいがデザインは「IIIマーク」(正確には『エレファント』か)である。良く見るとハーフタイプのカラーリングとなっており、向かって左側が金地に銀模様、右側はその逆だ。上記のオーバーマスクを再び被ったほか、コスチュームは復活初代の黒・銀タイプを着用した。ちなみにこのときはタイガーキング当時だったが、初代タイガーマスク名義で出場している。

98年4月9日、東京・江戸川区のアルシオン道場で、4代目タイガーに「特訓」を施したときに着けた、金ラメに銀模様のモデル。従って、いまのところ試合では使っていない。模様は基本的に下掲のタイガーキングのデザインを踏襲しているようだが、随所に違いが見られる。例えば鼻を大きく描き、その左右に写真では判りにくいがヒゲのような点をいくつか配置。牙を追加し、口の開きも大きい。白毛の上側の生え際は低く、耳から離れており、S・タイガーの当初のマスクと同様である。こめかみや頬のデザインも改められている。
同年9月12日、みちのく岩手・大迫町大会で使用したハーフタイプのマスク。向かって左半分の銀色の部分が復活初代タイガーの「伝説」タイプ、右側の金色部分はタイガーキングの当初のデザインである。コスチュームはタイガーキングのものだったが、タイツは脚部が赤地に金模様で、オープンハンドグローブと「UFO」の文字が入ったレガースも着けた。なおこのマスク、上記アルシオン道場での4代目タイガーへの「特訓」の折には、なぜかT・G・サスケが被っていた。
同月15日、みちのく宮城・名取大会で着用した新デザインのモデル。赤地に金模様と豪奢な印象で、額周辺などタイガーキングのデビュー当時のデザインに似た部分もあるが、牙を付けたほか、細部にかなりの違いがある。口の開きも大きい。なおこの日は上の大迫町大会と同じコスチュームだったが、レガースは使わなかった。
98年10月24日、両国国技館でのUFO旗揚げ戦でキックのK・ローズイヤーと対戦した際、使った新マスク。「伝説」に似ているが、側面に翼のような模様が追加され、額のデザインはタイガーキングに近い。試合ではこれが初使用だったが、同年8月27日、デビューを控えたタイガードリーム(C・奥津)にタイガーキングとして特訓を施した際、これの色違いのものを被ったようである。コスチュームもタイガーキングに似たものだが、上半身がランニング・タイプのものを新調、UFO規定のグローブとレガースも着けた。同年11月1日、みちのく・幕張大会でも使用。
同年12月30日、大阪城ホールでのUFO旗揚げ第2戦でバトラーツのA・大塚と対戦した際、入場時に着用したオーバーマスク。デザインそのものは上掲の旗揚げ戦のものと同様だが、白毛を布地で表現し、目はメッシュとするなどの違いが目に付く。口の部分もハヤブサのような感じだ。光沢のある金・銀で、非常に豪華なイメージ。ただし試合では素顔になってしまった。
99年6月9日、後楽園ホールでの故・空中正三氏7回忌追悼興行に出場したときのマスク。基本的には下に掲げたタイガーキングのマスクと同じデザインだが、銀(一部金)地に紫模様としており、一時期のS・タイガーを想起させるカラーリング。後にこれと同様のものを4代目タイガーが着用したこともある(4代目タイガーマスク・覆面の変遷を参照)。この日は素顔で入場し、リング上でマスクを着けた。コスチュームは道着に掣圏道のロゴを入れたものだったが、これは本人が急遽パソコンで作成したとか。
同年7月10日、旭川での掣圏道旗揚げ第1戦で被ったマスクで、デザインはかつての「伝説」と同じ。金ラメ地に金模様、額のマークはダークブルーのラメとしており、豪華なイメージを打ち出した。コスチュームは道着ではなく、これまでのタイガーキングのものを着用し、リングシューズもレガースなしの普通のもので、グローブもしなかった。
同年11月5日、掣圏道横浜大会でのA・大塚戦で着けたもの。赤金ツートンの「IIIマーク」の一部を切り抜いた、アイマスクのようなモデルで、もはやプロレスの試合用マスクの範疇を超えてしまった感がある。実際、試合中には外して素顔になってしまった。コスチュームも上半身には虎縞地の普通のシャツを着ており、スマートさに欠けた印象が強い。
2000年8月19日、LLPW草加大会で神取と組み、4代目タイガー、風間組と対戦、初の師匠超えを許した試合で使った新モデル。4代目もこの頃から、同じデザインのものを着用している(4代目タイガーマスク・覆面の変遷参照)。口の開き方は「ヤギリ」風だが模様のデザインは全面的に改められ、目の開口部は従来よりやや広げられたようで、上下に白い部分がある。コスチュームは黒地に金ベースの全身タイプのもので、レガースも履いた。
01年3月11日、掣圏道有明大会でのA・大塚との引退カウントダウン第1戦で使ったマスクで、一般から公募したもの。一見して分かるように赤ラメの「IIIマーク」である。赤ラメ「IIIマーク」は83年8月、タイガーの最初の引退により納品されながら使われなかった「幻のマスク」だったというエピソード(初代タイガーマスク・覆面の変遷参照)があり、当時を想起すると改めて感慨深いものがある。入場時は金ラメの牙付きをオーバーマスクで着けていたという(「OBASAN企画」さんの情報提供)。コスチュームは黒地に銀・赤の全身タイプで、第1ラウンドのみグローブを着用した。
03年3月2日、HMV渋谷店で開かれたトークイベントの際に着用したもので、試合用ではない。一見して分かるように金ラメの「ヤギリ」だが、額の部分が異なる。写真では分かりにくいが中央のランプは白地に赤とされ、最近の佐山の民族主義的傾向を反映して日章旗をあしらったものと思われる。また、その下のV字マークは刀を交えたようであり、ちょうどかつてのE・サムライを想起させるデザインだ。側頭部には「Tiger Mask」のロゴが入っていたという。

タイガーキング

97年4月12日、東京ドームでのA・猪木とのデビュー戦から着用。「伝説」に似ているがまったくの新デザインで、金地(一部銀地)に金模様という実に高級感溢れるもの。額の部分はクリスタルで、コスチュームも金ベースと、文字どおり「キング」の風格たっぷりである。11月2日の福岡ドーム大会や12月23日、後楽園ホールにおける「上田馬之助激励興行」での4代目タイガー戦でも再び使われている。
デビュー戦で入場時に使われたオーバーマスク。金一色で、白毛の部分もメタリックな布地で表現されている。従来のタイガーのイメージとかなり異なるインパクトのあるデザインだが、似たようなコンセプトのものをかつてWAR時代の折原昌夫が被ったことがある。
同年5月3日の大阪ドーム大会、6月5日の日本武道館大会、7月6日の札幌・真駒内大会で着用したタイプ。上掲のデビュー時のマスクに比べ、銀地だった部分が白地に、また模様も黒に改められた。よりタイガーマスクらしくなったと言えようか。
同年8月31日の横浜アリーナ大会で使ったもの。鼻の横に白毛がつけられたが呼吸に難があり、タッグを組んだ小林邦にも「犬みたい」と苦笑された失敗作で、これ一戦のみで姿を消した。金・銀地に金模様に戻したほか、側面などのデザインも一部変わっている。牙もつけられた。




TIGERFACE

初代タイガーマスク

2代目タイガーマスク

3代目タイガーマスク

4代目タイガーマスク



TIGERMANIA