ムーンライト・コースター

月面宙返り式空中体落とし。

コーナーポスト上段からの伸身式後方正回転ボディプレス、つまり今日で言うムーンサルト・プレスである。しかし当時はラウンディング・ボディプレスをムーンサルト・プレスとも別称したため、その名では呼ばれなかった。いうまでもなくラウンディング・ボディプレスとは、回転時にひねりを加えない点が違う。高さや飛距離の点では、今日の武藤のそれより小橋のスタイルに近いものがある。
初公開は初代タイガー時代の末期、83年夏の「サマーファイト・シリーズ」中と推定される。同年8月4日、蔵前国技館での寺西とのラストマッチでこの技を失敗した際、古舘アナが「ムーンライト・コースター…自爆!」と実況したことで、この技が認知された。しかし同年1月20日、大分でのN・ナバーロ戦の中継では、同アナは「ムーンライト・コースター、回転しながらカンガルー・キックに持ち込むという新必殺技を開発…」などとしゃべっているのである。つまりこの技は「言語製造機」ともいわれた同アナの命名のみが先行し、1月の時点ではムーンサルト・キックもしくはドローイング・フラッシュキック(当時は未公表)に名付けられていたものの、夏のシリーズになってムーンサルト・プレスに命名し直された可能性が高い(以上、「TIGERTALK」バックナンバー00年分参照)。